JP7683196B2 - カーボンナノチューブ分散液、およびそれを用いた樹脂組成物、導電膜、合材スラリー、電極、非水電解質二次電池 - Google Patents
カーボンナノチューブ分散液、およびそれを用いた樹脂組成物、導電膜、合材スラリー、電極、非水電解質二次電池 Download PDFInfo
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Description
一方、導電性材料が各種電子機器や電池で使用される場合は、導電性材料が溶媒などにより分散された分散液を使用することが多いが、分散により導電性低下などの特性低下を招いてしまうことが最も大きな課題であった。そのため、所望の特性が得られる分散液を作製することが非常に重要である。
したがって、良好な導電性と、高濃度かつ均一に分散したカーボンナノチューブ分散液を得ることは、用途拡大に向けた重要な課題であった。
まず初めに、本発明のカーボンナノチューブの形状について説明する。カーボンナノチューブは、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状を有している。単層カーボンナノチューブは一層のグラファイトが巻かれた構造を有する。多層カーボンナノチューブは、二又は三以上の層のグラファイトが巻かれた構造を有する。また、カーボンナノチューブの側壁はグラファイト構造でなくともよい。例えば、アモルファス構造を有する側壁を備えるカーボンナノチューブをカーボンナノチューブとして用いることもできる。また、これらのカーボンナノチューブは複数の総数を有するカーボンナノチューブが混在するものであってもよい。
ホウ素含有カーボンナノチューブ中のホウ素の含有量は、ICP発光分光分析、ICP質量分析などの方法により求めることができる。一例として、JIS-R7223に準拠した測定方法が挙げられる。また、ホウ素含有カーボンナノチューブ中のホウ素の含有量は、炭素材料の表面や内部に含有されたホウ素単体、炭素材料中の炭素元素と置換するようにドープされているホウ素や、ホウ素化合物の全ホウ素量のことを示す。
したがって、本発明のホウ素含有カーボンナノチューブの表面の炭素元素と置換するようにドープされているホウ素の結合エネルギーの値は、188~189.3eVに現れるものである。
本発明におけるホウ素含有カーボンナノチューブの製造方法としては、特に限定されるものではないが、炭素源とホウ素源を加熱処理して合成することができる。具体的には、炭素源であるカーボンナノチューブとホウ素化合物等(炭化ホウ素等)のホウ素源を混合して加熱処理してホウ素含有カーボンナノチューブを製造する方法、基板上に担持された金属触媒上で芳香族炭化水素ガス等の炭素源とホウ素ガス等のホウ素源を加熱処理して化学気相成長(CVD)させる方法、噴霧等により浮遊させた金属触媒上で炭化水素ガス等の炭素源とホウ素ガス等のホウ素源を加熱処理して触媒化学気相成長(CCVD)させる方法、炭素源に対してホウ素をイオン注入処理する方法等により合成することができる。
具体的には、炭化ホウ素では、B4C(B12C3)、B12C2(B6C)等、
酸化ホウ素では、BC2O、BCO2、B2O2、B2O3 、B4O3、B4O5等、
窒化ホウ素では、BN等、
金属ホウ化物では、AlB2、CoB、FeB、MgB2、NiB、TiB2等、
ホウ素オキソ酸では、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等、
ボランでは、モノボラン、ジボラン、デカボラン等、
ホウ素含有有機化合物では、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル等のホウ酸エステル類、トリエチルボラン、トリフェニルボラン等の置換ボラン類、フェニルボロン酸、フェニルボロン酸エステル等のボロン酸類等が挙げられる。
また、乾式混合装置を使用する際、母体となる原料粉体に、他の原料を粉体のまま直接添加してもよいが、より均一な混合物を作製するために、前もって他の原料を少量の溶媒に溶解、又、分散させておき、母体となる原料粉体の凝集粒子を解しながら添加する方法を用いてもよいし、さらに処理の効率を上げるために、加温してもよい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。又、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用してもよいし、複数種の装置を組み合わせて使用してもよい。
加熱処理工程における雰囲気は、原料の酸化等の副反応を防ぐために、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや、真空での雰囲気が好ましい。
また、加熱処理工程は、一定の雰囲気、温度および時間について1段階で行う処理工程だけでなく、雰囲気、温度、温度を多段階で行う処理工程でもよい。
次に、本発明のカーボンナノチューブ分散液に用いられる溶媒について説明する。溶媒は、カーボンナノチューブが分散可能な溶媒であれば特に限定されないが、水、または、有機溶媒のいずれか一種、若しくは二種以上からなる混合溶媒であることが好ましく、水、または、水溶性有機溶媒のいずれか一種からなる溶媒、若しくは水溶性有機溶媒のいずれか2種以上からなる混合溶媒であることがさらに好ましい。また、後述する分散剤を使用する場合、その分散剤が一部、あるいは完全に溶解できる溶媒であることが好ましく、溶媒は特に限定されないが、水、または、水溶性有機溶媒を含むことが好ましい。
好ましい水溶性有機溶媒としては、アミド系(N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルカプロラクタムなど)、複素環系(シクロヘキシルピロリドン、2-オキサゾリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトンなど)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン系(ヘキサメチルホスホロトリアミド、スルホランなど)、アルコール系(メタノール、エタノールなど)、多価アルコール系(エチレングリコール、ジエチレングリコールなど)、低級ケトン系(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。
本発明における分散剤は、カーボンナノチューブを分散安定化できる範囲で特に限定されず、界面活性剤、樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性に分類される。カーボンナノチューブの分散に要求される特性に応じて適宜好適な種類の分散剤を、好適な配合量で使用することができる。
なお、アルキル基の置換基として前記活性水素基または前記塩基性基を含むものは、前記活性水素基含有構造単位または前記塩基性基含有構造単位として扱い、エステル基含有構造単位には含めない。
カーボンナノチューブ分散液のpHは、溶媒として水を含む場合、一般的なpHメーターを用いて測定することができる。一方、溶媒として実質的に水を含んでいない場合、例えば溶媒としてNMPのみを選択した場合は、カーボンナノチューブ分散液に水を添加することで、水を添加する前の固形分濃度を100%としたとき、水を添加した後の固形分濃度が50%となるように調製し、一般的なpHメーターを用いて測定した値を指し、例えば、以下の方法で測定することができる。
固形分濃度5%のカーボンナノチューブ分散液を、ディスパーなどで攪拌しながら、カーボンナノチューブ分散液の固形分濃度が2.5%になるように水を添加する。均一に攪拌した後、25℃にて、卓上型pHメーター(セブンコンパクトS220Expert Pro、メトラー・トレド製)を用いることで、カーボンナノチューブ分散液のpHを測定することができる。
尚、本発明において、実質的に水を含まない、とは意図して水を添加しないことを意味する。溶媒の質量を基準として、5質量%未満であることが好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.5質量%未満が更に好ましい。
これらの中でも、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、リチウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-ブトキシド、がより好ましい。なお、本発明の無機塩基および及びが有する金属は、遷移金属であってもよい。
(1)重合体の分散性を高める。
pHを所定の値に調整することで、ニトリル基含有構造単位、カルボキシル基含有構造単位、ヒドロキシル基含有構造単位、複素環含有構造単位の群から選択される一種以上を含有する重合体の、被分散物への吸着力を高めることができる。また、構造単位の有する官能基は水素結合を形成し得ることから、重合体の分子内に水素結合による架橋構造が導入され、被分散物に三次元的に吸着することができ、分散性だけでなく安定性にも優れる分散液を得ることができるものと思われる。
(2)重合体の溶液粘度を低下させる。
重合体を溶媒に溶解させて使用する際に、重合体溶液の粘度が低いと、凝集力の強いカーボンナノチューブの内部に分散剤が入り込みやすくなり、均一な分散液を得ることができるものと思われる。
(3)カーボンナノチューブの濡れ性を向上する。
カーボンナノチューブを分散する場合、カーボンナノチューブを溶媒で濡らすことでカーボンナノチューブ同士の凝集力を低下させ、その後解砕し、それを安定化させることで分散液として存在することができる。カーボンナノチューブは、他の導電材と比して濡れ性が顕著に低いため、カーボンナノチューブを化学処理、あるいは機械的に破砕する等の前処理による濡れ性改善の所作が必要となるが、これら処理によって導電性が低下する恐れがある。pHを所定の値に調整することでカーボンナノチューブの有する導電性を損なうことなく、濡れ性を飛躍的に向上させることができるものと思われる。
例えば、アルコール系;エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、プロピレングリコール、その他グリコール類等、
脂肪酸エステル系;ジエチレングリコールラウレート、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノラウレート、天然ワックス等、
アミド系;ポリオキシアルキレンアミド、アクリレートポリアミン等、
リン酸エステル系;リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等、
金属セッケン系;アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等、
油脂系;動植物油、胡麻油、ひまし油等、
鉱油系:灯油、パラフィン等、
シリコーン系;ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン、フルオロシリコーン油等が挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブ分散液では、カーボンナノチューブ以外にも任意でその他の導電材を含んでもよい。その他の導電材としては、例えば金、銀、銅、銀メッキ銅粉、銀-銅複合粉、銀-銅合金、アモルファス銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モルブテン、白金等の金属粉、これらの金属で被覆した無機物粉体、酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム等の金属酸化物の粉末、これらの金属酸化物で被覆した無機物粉末、及びカーボンブラック、グラファイト等の炭素材料が挙げられる。その他の導電材は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。その他の導電材を用いる場合、分散剤の吸着性能の観点から、カーボンブラックが好ましい。その他の導電材は、後述する電極活物質とは異なる物質(材料)である。
本発明のカーボンナノチューブ分散液は、ホウ素含有カーボンナノチューブおよび溶媒を含むものであり、好ましくは分散剤をさらに含むものである。
本発明のカーボンナノチューブ樹脂組成物は、カーボンナノチューブと溶媒とバインダーとを含むものである。
本発明のバインダーとは、カーボンナノチューブなどの物質間を結着するための樹脂である。
本発明の合材スラリーとは、カーボンナノチューブと溶媒とバインダーと活物質とを含むものである。
本発明の活物質とは、電池反応の基となる材料のことである。活物質は起電力から正極活物質と負極活物質に分けられる。
2~20μmであることがより好ましい。本明細書でいう活物質の平均粒子径とは、活物質を電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
本発明の合材スラリーは従来公知の様々な方法で作製することができる。例えば、カーボンナノチューブ樹脂組成物に活物質を添加して作製する方法や、カーボンナノチューブ分散液に活物質を添加した後、バインダーを添加して作製する方法が挙げられる。
本発明の導電膜とは、カーボンナノチューブ分散液またはカーボンナノチューブ樹脂組成物を膜状に形成してなるものである。例えば、シート状基材上にカーボンナノチューブ分散液またはカーボンナノチューブ樹脂組成物を塗工乾燥することで形成した塗工膜である。シート状基材としては特に限定されず、導電性または非導電性の基材を使用することができ、導電性基材としては下記の集電体等を使用することができる。
また、本発明の電極膜とは、合材スラリーを膜状に形成してなるものである。例えば、集電体上に合材スラリーを塗工乾燥することで、電極合材層を形成した塗工膜である。
本発明の非水電解質二次電池とは正極と、負極と、電解質とを含むものである。
後述の実施例および比較例において使用されたCNTおよび、その物性について示す。
以下にCNTの製造例について説明する。
特開2018-150218の段落[0117]記載の方法により、CNT合成用触媒を作製した。その後、加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10Lの横型反応管の中央部に、前記CNT合成用触媒1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。窒素ガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気を窒素ガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心温度が680℃になるまで加熱した。680℃に到達した後、炭素源としてプロパンガスを毎分2Lの流速で反応管内に導入し、2時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管の温度を100℃以下になるまで冷却し取り出すことで、CNT(A)を得た。
特開2019-108256の段落[0147]、段落[0148]記載の方法により、CNT合成用触媒を作製した。その後、加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10Lの横型反応管の中央部に、前記CNT合成用触媒1gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。窒素ガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気を窒素ガスで置換し、横型反応管中の雰囲気温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、炭化水素としてエチレンガスを毎分2Lの流速で反応管内に導入し、15分間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスを窒素ガスで置換し、反応管の温度を100℃以下になるまで冷却し取り出すことでCNT(B)を得た。
炭素源であるCNT(A)95部と、ホウ素源であるホウ酸5部と、溶媒であるトルエン/エタノール(=1/1、重量比)9900部とを混合し、超音波処理による湿式混合を行った後、65℃にて加熱乾燥して溶媒を除去し、前駆体(1)を作製した。
次に、黒鉛ルツボに前駆体(1)を充填し、焼成炉にてアルゴン雰囲気下、昇温速度10℃/分で炉内温度が1700℃となるよう加熱した後、1700℃で2時間熱処理を行い、ホウ素含有CNT(1)を得た。
炭素源である100P(KUMHO PETROCHEMICAL社カーボンナノチューブ)92.5部と、ホウ素源であるホウ酸7.5部とを混合し、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)による乾式処理を行い、前駆体(2)を作製した。
次に、黒鉛ルツボに前駆体(2)を充填し、焼成炉にてアルゴン雰囲気下、昇温速度10℃/分で炉内温度が1650℃となるよう加熱した後、1650℃で2時間熱処理を行い、ホウ素含有CNT(2)を得た。
表1に示す、炭素源、ホウ素源、焼成温度に変更した以外は、製造例2と同様にしてホウ素含有CNT(3)、(5)、(8)、(9)を得た。
表1に示す、炭素源、ホウ素源、溶媒、焼成温度に変更した以外は、製造例1と同様にしてホウ素含有CNT(4)、(6)、(7)を得た。
ICP発光分光分析(SPECTRO社製 SPECTROARCOS FHS12)を用いて、CNT中のホウ素元素の含有量を測定した。得られた値は、CNT材料の全体に含有するホウ素元素の量(mol%)を示す。
XPS(Thermo Fisher scientific社製、K-Alpha)を用いて、CNTの表面の置換ホウ素量(mol%)を測定した。
ホウ素1s電子のスペクトルは結合エネルギー185~194eVに現れるため、そのピーク面積を求めることで表面のホウ素の状態を評価することができる。
また、詳細には、ホウ素クラスターが186~187eV、炭化ホウ素が187~188eV、六角網面を基本骨格とした炭素元素と置換するようにドープされているホウ素元素(表面の置換ホウ素)が188~189.3eV、各種酸化ホウ素であるBC2Oが189.5~190.5eV、BCO2が191.5~192eV、B2O3が192.5~193eVに現れる。従って、ホウ素1sのピーク分離を行い、CNTの表面のホウ素のドープ状態を分析することができるため、CNTの置換ホウ素量を測定することができる。
電子天秤を用いて、サンプル瓶にCNTを0.2g計量し、トルエン200mLを加えた後、超音波ホモジナイザー(Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、BRANSON社製)を使用して振幅50%で5分間氷冷下分散処理を行い、CNT分散液を調整した。その後、CNT分散液を適宜希釈し、コロジオン膜状に数μL滴下し、室温で乾燥させた後、直接透過型電子顕微鏡(H-7650、株式会社日立製作所社製)を用いて、観察した。観察は5万倍の倍率で、視野内に10本以上のCNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した300本のCNTの外径を測定し、その平均値をCNTの平均外径(nm)とした。
電子天秤を用いて、CNTを0.03g計量した後、110℃で15分間、脱気しながら乾燥させた。その後、全自動比表面積測定装置(MOUNTECH社製、HM-model1208)を用いて、CNTのBET比表面積を測定した。
ラマン顕微鏡(XploRA、株式会社堀場製作所社製)にCNTを設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。測定条件は取り込み時間60秒、積算回数2回、減光フィルタ10%、対物レンズの倍率20倍、コンフォーカスホール500、スリット幅100μm、測定波長は100~3000cm-1とした。測定用のCNTはスライドガラス上に分取し、スパチュラを用いて平坦化した。得られたピークの内、スペクトルで1560~1600cm-1の範囲内で最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内で最大ピーク強度をDとし、G/Dの比をCNTのG/D比とした。
粉体抵抗測定システム(日東精工アナリテック社製、MCP-PD51型)を用いて、
CNTの体積抵抗率を測定した。体積抵抗率は、測定セルの中にCNTを加えた後、荷重を加えながら測定し、1g/cm3の密度におけるCNTの体積抵抗率の値について評価した。
後述の実施例および比較例において使用された分散剤について示す。
分散剤(2):ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、K-30)
分散剤(3):ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバール PVA-403)
分散剤(4):Therban(登録商標)3406、(ARLANXEO社製)
分散剤(5):Zetpole(登録商標)2000L(日本ゼオン社製)
分散剤(6):ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、エスレックBL-10)
分散剤(7):アクリロニトリル-アクリル酸共重合体(下記、合成例2)
分散剤(8):カルボキシメチルセルロース(日本製紙社製、APP-084)
分散剤(9):カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(信越工業社製、メトローズ(登録商標)SM-4)
分散剤(10):ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールSD1000)
分散剤(11):カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(日本製紙社製、サンローズ(登録商標)F01MC)
ステンレス製重合反応器に、アクリロニトリル35部、1,3-ブタジエン65部、オレイン酸カリ石ケン3部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、t-ドデシルメルカプタン0.55部、及びイオン交換水200部を加えた。窒素雰囲気下において、撹拌しながら、45℃で20時間の重合を行い、転化率90%で重合を終了した。未反応のモノマーを減圧ストリッピングにより除き、固形分濃度約30%のアクリロニトリル-共役ジエン系ゴムラテックスを得た。続いて、ラテックスにイオン交換水を追加して全固形分濃度を12%に調整し、容積1Lの撹拌機付きオートクレーブに投入して、窒素ガスを10分間にわたり流して内容物中の溶存酸素を除去した。水素化触媒としての酢酸パラジウム75mgを、パラジウムに対して4倍モルの硝酸を添加したイオン交換水180mLに溶解して調製した触媒液を、オートクレーブに添加した。オートクレーブ内を水素ガスで2回置換した後、3MPaまで水素ガスで加圧した状態でオートクレーブの内容物を50℃に加温し、6時間の水素化反応を行った。その後、内容物を常温に戻し、オートクレーブ内を窒素雰囲気とした後、固形分を乾燥させて分散剤(1)を回収した。分散剤(1)の水素添加率は99.6%であり、重量平均分子量(Mw)は150,000であった。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、アセトニトリル100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を75℃に加熱して、アクリロニトリル90.0部、アクリル酸10.0部、および2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を(日油社製;V-65)5.0部の混合物を3時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに75℃で1時間反応させた後、パーブチルOを0.5部添加し、さらに75℃で1時間反応を続けた。その後、不揮発分測定にて転化率が98%超えたことを確認し、減圧濃縮して分散媒を完全に除去し、分散剤(7)を得た。分散剤(7)の重量平均分子量(Mw)は45,000であった。
次に、CNT分散液の作製や、分散液の評価方法を示す。
ステンレス容器に分散剤(1)0.9部、溶媒としてNMP(N-メチルピロリドン)94.064部、及び添加剤としてNaOH0.036部を加え、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、ホウ素含有CNT(1)5部をディスパーで撹拌しながら添加し、ハイシアミキサー(L5M-A、SILVERSON製)に角穴ハイシアスクリーンを装着し、8,500rpmの速度で全体が均一になり、グラインドゲージにて分散粒度が250μm以下になるまでバッチ式分散を行った。続いて、ステンレス容器から、配管を介して高圧ホモジナイザー(スターバーストラボHJP-17007、スギノマシン製)に被分散液を供給し、20回パス式分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.25mm、圧力100MPaにて行い、CNT分散液(N1)を得た。
表3に示す組成に従い、実施例1-N1と同様にして、各CNT分散液(N2)~(N15)を得た。
表3に示す組成に従い、ガラス瓶に、CNT、NMP、分散剤およびジルコニアビーズ(ビーズ径0.3mmφ)140部を仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて8時間分散処理を行った後、ジルコニアビーズを分離して、CNT分散液(N16)を得た。
表3に示す組成に従い、ステンレス容器に分散剤、NMPを加え、NMPを追加して濃度を調整した後、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、ホウ素含有CNT(6)をディスパーで撹拌しながら添加し、ハイシアミキサーに角穴ハイシアスクリーンを装着し、8,500rpmの速度で全体が均一になり、グラインドゲージにて分散粒度が250μm以下になるまでバッチ式分散を行った。続いて、ステンレス容器から、配管を介して高圧ホモジナイザーに被分散液を供給し、5回パス式分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.25mm、圧力100MPaにて行い、CNT分散液(N17)を得た。
表3に示す組成に従い、ガラス瓶に、ホウ素含有CNT、NMP、分散剤およびジルコニアビーズ(ビーズ径0.3mmφ)140部を仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行った後、ジルコニアビーズを分離して、CNT分散液(N18)を得た。
ステンレス容器にイオン交換水97.7部、分散剤(2)0.45部、消泡剤(A)(サンノプコ株式会社製 SNデフォーマー1312)0.05部を加えて、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、ディスパーで撹拌しながら、ホウ素含有CNT(1)1.8部を加えてさらにディスパーで均一になるまで撹拌した。さらにその後、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト10)により分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.17mm、圧力100MPaにて、5パス処理を行い、CNT分散液(W1)を得た。
表5に示すCNT種類、CNT添加量、イオン交換水添加量、分散剤種類、分散剤添加量、消泡剤添加量、パス回数に変更した以外は実施例1-W1と同様の方法により、CNT分散液(W3)、(W4)、(W6)、(W7)、(W9)、(W11)、(W12)、(W15)を得た。
ガラス瓶に、ホウ素含有CNT(1)を2部、分散剤(7)0.5部、消泡剤(A)(サンノプコ株式会社製 SNデフォーマー1312)0.05部、イオン交換水を97.45部およびジルコニアビーズ(ビーズ径0.3mmφ)140部を仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて4時間分散処理を行った後、ジルコニアビーズを分離して、CNT分散液(W2)を得た。
表5に掲載したCNT種類、CNT添加量、イオン交換水添加量、分散剤種、分散剤添加量、消泡剤添加量、分散時間に変更した以外は実施例1-W2と同様の方法により、CNT分散液(W5)、(W8)、(W10)、(W13)、(W14)を得た。
表5に示す組成に従い、ガラス瓶に、CNT、イオン交換水、分散剤、消泡剤およびジルコニアビーズ(ビーズ径0.3mmφ)140部を仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて4時間分散処理を行った後、ジルコニアビーズを分離して、CNT分散液(W16)を得た。
ステンレス容器にイオン交換水97.85部、分散剤(8)0.1部、消泡剤(A)(サンノプコ株式会社製 SNデフォーマー1312)0.05部を加えて、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、ディスパーで撹拌しながら、ホウ素含有CNT(9)2部を加えてさらにディスパーで均一になるまで撹拌した。さらにその後、高圧ホモジナイザーにより分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.17mm、圧力100MPaにて、1パス処理を行い、CNT分散液(W17)を得た。
表5に示す組成に従い、ガラス瓶に、ホウ素含有CNT、イオン交換水、分散剤、消泡剤およびジルコニアビーズ(ビーズ径0.3mmφ)140部を仕込み、レッドデビル社製ペイントコンディショナーを用いて0.5時間分散処理を行った後、ジルコニアビーズを分離して、CNT分散液(W18)を得た。
CNT分散液の複素弾性率及び位相角は、直径60mm、2°のコーンにてレオメーター(Thermo Fisher Scientific株式会社製RheoStress1回転式レオメーター)を用い、25℃、周波数1Hzにて、ひずみ率0.01%から5%の範囲で動的粘弾性測定を実施することで評価した。得られた複素弾性率が小さいほど分散性が良好であり、大きいほど分散性が不良である。また、得られた位相角が大きいほど分散性が良好であり、小さいほど分散性が不良である。
判定基準(複素弾性率)
◎:20Pa未満(極めて優良)
○:20Pa以上50Pa未満(優良)
○△:50Pa以上100Pa未満(良)
△:100Pa以上、200Pa未満(可)
×:200Pa以上(不良)
判定基準(位相角)
◎:30°以上(優良)
○:20°以上30°未満(良)
△:10°以上20°未満(可)
×:10°未満(不良)
CNT分散液を25℃の恒温槽に1時間以上静置した後、CNT分散液を十分に撹拌してから、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて直ちに行った。測定に使用したローターは、粘度値が100mPa・s未満の場合はNo.1を、100以上500mPa・s未満の場合はNo.2を、500以上2000mPa・s未満の場合はNo.3を、2000以上10000mPa・s未満の場合はNo.4のものをそれぞれ用いた。
判定基準
◎:2000mPa・s未満(優良)
○:2000mPa・s以上5,000mPa・s未満(良)
△:5,000mPa・s以上10,000mPa・s未満(可)
×:10,000mPa・s以上、沈降又は分離(不良)
貯蔵安定性の評価は、導電材分散体を50℃にて7日間静置して保存した後の、液性状の変化から評価した。液性状の変化は、ヘラで撹拌した際の撹拌しやすさから判断した。
判定基準
○:問題なし(良好)
△:粘度は上昇しているがゲル化はしていない(可)
×:ゲル化している(極めて不良)
CNT分散液をCNT濃度が0.01質量%となるようにCNT分散液を作製する際に使用した溶媒で希釈し、マイカ基板上に数μL滴下した後、120℃の電気オーブン中で乾燥して、CNT繊維長観察用の基板を作製した。その後、CNT繊維長観察用の作製した基盤表面を白金でスパッタリングした。さらにその後、SEMを用いて、観察した。観察はCNTの繊維長に合わせて5000倍または2万倍の倍率で、視野内に10本以上のCNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した100本のCNTの繊維長を測定し、その平均値をCNT分散液中のCNT繊維長(μm)とした。
CNT分散液を25℃の恒温槽に1時間以上静置した後、CNT分散液を十分に撹拌および希釈してから、粒度分布計(マイクロトラック・ベル株式会社製、Nanotrac UPA、model UPA-EX)を用いて、CNT分散液の累積粒径D50を測定した。
CNT分散液を、アプリケーターを用いて、PET基材上に塗工した後、オーブン中で120℃30分間乾燥させてCNT塗膜(膜厚3μm)を得た。その後、(日東精工アナリテック社製:ロレスターGP、MCP-T610を用いて乾燥後の塗膜の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定後、PET基材上に形成したCNT塗膜の厚みを掛けて、塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。塗膜の厚みは、膜厚計を用いて、膜中の5点を測定した平均値から、PET基材の膜厚を引き算し、塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。以下に判定基準を示す。
判定基準
◎:CNT塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)が7×10-3未満(優良)
〇:CNT塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)が7×10-3以上1×10-2未満(良)
△:CNT塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)が1×10-2以上2×10-2未満(可)
×:CNT塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)が2×10-2以上(不良)
次に、合材スラリー、電極、電池の作製や評価方法について示す。
CNT、PVDF、活物質の組成(質量比)が、0.25/1.5/98.25となるように、CNT分散液(1)と、8質量%PVDF(Solef#5130、Solvey株式会社製)を溶解したNMPとを加えた後、自転公転ミキサー(株式会社シンキー製あわとり練太郎、ARE-310)を用いて2000rpmで30秒間撹拌した。その後、電極活物質NCM523(日本化学工業株式会社製、組成:LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2)を添加し、自転公転ミキサーを用いて2000rpmで20分間にわたり撹拌した。さらに、正極用合材スラリーの固形分は75質量%となるようNMPを添加し、自転公転ミキサーを用いて2000rpmで30秒間撹拌して正極用合材スラリー(1)を得た。
表7に示す材料にした以外は実施例2-1と同様にして正極用合材スラリー(N2)~(N18)を得た。
CNT分散液(W1)7.5質量部、CMC(ダイセルファインケム株式会社製、#1190)を2質量%溶解した水溶液を12.5質量部、イオン交換水4.9質量部計量した。その後、自転公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌し、CNT樹脂組成物(W1)を得た。その後、一酸化珪素(株式会社大阪チタニウムテクノロジー社製、SILICON MONOOXIDE、SiO 1.3C 5μm)を2.4質量部添加し、自転公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらに、人造黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、CGB-20)を21.9質量部添加し、自転公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらにその後、スチレンブタジエンエマルション(JSR株式会社製、TRD2001)0.78質量部を加えて、自転公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌し、負極用合材スラリー(W1)を得た。
表7に示す材料に変更し、合材スラリー100質量部中のCNTが0.27質量部となるようにCNT樹脂組成物、CNT分散液の添加量を調節した以外は実施例2-W1と同様にして負極用合材スラリー(W2)~(W18)を得た。
正極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の目付量が20mg/cm2となるようにPET基材上に塗工した後、電気オーブン中で120℃30分間乾燥させて正極を得た。その後、(日東精工アナリテック社製:ロレスターGP、MCP-T610を用いて乾燥後の塗膜の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定後、PET基材上に形成した電極合材層の厚みを掛けて、正極用の電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。電極合材層の厚みは、膜厚計を用いて、電極膜中の5点を測定した平均値から、PET基材の膜厚を引き算し、合材層の体積抵抗率(Ω・cm)を算出した。以下に判定基準を示し、結果を表7に示す。
判定基準
◎:正極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が8未満(優良)
〇:正極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が8以上12未満(良)
△:正極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が12以上16未満(可)
×:正極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が16以上(不良)
正極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の目付量が20mg/cm2となるようにアルミ箔上に塗工した後、オーブン中で120℃30分間、塗膜を乾燥させた。その後、塗工方向を長軸として90mm×20mmの長方形に2本カットした。剥離強度の測定には引張試験機を用い、180度剥離試験法により評価した。具体的には、100mm×30mmサイズの両面テープをステンレス板上に貼り付け、作製した電池電極合材層を両面テープのもう一方の面に密着させ、一定速度(50mm/分)で下方から上方に引っ張りながら剥がし、このときの応力の平均値を剥離強度とした。以下に判定基準を示し、結果を表87に示す。
◎:正極合材層の剥離強度(N/cm)が0.3以上(優良)
〇:正極合材層の剥離強度(N/cm)が0.25以上0.3未満(良)
△:正極合材層の剥離強度(N/cm)が0.2以上0.25未満(可)
×:正極合材層の剥離強度(N/cm)が0.2未満(不良)
負極用合材スラリーを用いて、電極の目付量を8mg/cm2にした以外は正極用合材層と同様にして合材層の体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。以下に判定基準を示し、結果を表7に示す。
判定基準
◎:負極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が0.12未満(優良)
〇:負極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が0.12以上0.15未満(良)
△:負極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が0.15以上0.25未満(可)
×:負極合材層の体積抵抗率(Ω・cm)が0.25以上(不良)
負極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の目付量が8mg/cm2となるように銅箔上に塗工した以外は正極用合材層の剥離強度と同様にして負極用合材層の剥離強度を測定した。以下に判定基準を示し、結果を表7に示す。
判定基準
◎:負極合材層の剥離強度(N/cm)が0.5以上(優良)
〇:負極合材層の剥離強度(N/cm)が0.4以上0.5未満(良)
△:負極合材層の剥離強度(N/cm)が0.3以上0.4未満(可)
×:負極合材層の剥離強度(N/cm)が0.3未満(不良)
[実施例3-N1~N15、3-W1~W15、比較例3-N1~N3、3-W1~W3]
評価用の正極および負極は以下の方法で作製した。正極用合材スラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にアプリケーターを用いて塗工した後、オーブンで120℃30分間乾燥させて電極の目付量が20mg/cm2となるように作製し、さらにロールプレスによる圧延処理を行い、正極合材層の密度が3.1g/cm3となる正極を作製した。また、負極用合材スラリーを集電体となる厚さ20μmの銅箔上にアプリケーターを用いて塗工した後、オーブンで80℃30分間乾燥させて電極の目付量が10mg/cm2となるように作製し、さらにロールプレスによる圧延処理を行い、負極合材層の密度が1.6g/cm3となる負極を作製した。
表7に示す正極と下記の標準負極、または表7に示す負極と下記の標準正極をそれぞれ50mm×45mm、45mm×40mmに打ち抜き、その間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロプレンフィルム)とをアルミ製ラミネート袋に挿入し、電気オーブン中、70℃で1時間乾燥させた。続いて、アルゴンガスで満たされたグローブボックス内で、電解液を2mL注入し、アルミ製ラミネート袋を封口して非水電解質二次電池(N1)~(N18)、(W1)~(W18)を作製した。電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートを1:1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒を作製し、さらに添加剤として、VC(ビニレンカーボネート)を電解液100部に対して1部加えた後、LiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液である。
容量150mLのプラスチック容器にアセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標)HS-100)と、CMC(ダイセルファインケム株式会社製、カルボキシメチルセルロース#1190)と、水とを加えた後、自転及び公転ミキサーを用いて、2,000rpmで30秒間撹拌した。さらに負極活物質として人造黒鉛(日本黒鉛工業株式会社製、CGB-20)を添加し、自転及び公転ミキサーを用いて、2,000rpmで150秒間撹拌した。続いてSBR(JSR株式会社製、TRD2001、固形分48%分散液)を加えて、自転及び公転ミキサーを用いて、2,000rpmで30秒間撹拌し、標準負極用合材スラリーを得た。標準負極用合材スラリーの固形分は48質量%とした。標準負極用合材スラリー中の負極活物質:導電材:CMC:SBRの固形分比率は97:0.5:1:1.5とした。
次に、標準負極用合材スラリーを集電体となる厚さ20μmの銅箔上にアプリケーターを用いて塗工した後、電気オーブン中で80℃で30分間にわたり乾燥させて電極の単位面積当たりの目付量が10mg/cm2となるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、負極合材層の密度が1.6g/cm3となる標準負極(SA)を作製した。
容量150cm3のプラスチック容器に正極活物質(BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社製、HED(登録商標)NCM-111 1100)93質量部、アセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標)HS100)4質量部、PVDF(株式会社社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン社製、クレハKFポリマー W#1300)3質量部を加えた後、ヘラを用いて粉末が均一になるまで混合した。その後、NMPを20.5質量部添加し、自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。その後、プラスチック容器内の混合物をヘラを用いて、均一になるまで混合し、前記自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらにその後、NMPを14.6質量部添加し、前記自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。最後に、高速攪拌機を用いて、3000rpmで10分間撹拌し、標準正極用合材スラリーを得た。その後、標準正極用合材スラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にアプリケーターを用いて塗工した後、電気オーブン中で120℃で30分間乾燥して電極の単位面積当たりの目付量が20mg/cm2となるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、合材層の密度が3.1g/cm3となる標準正極(SC)を作製した。
非水電解質二次電池を25℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工株式会社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流10mA(0.2C)にて充電終止電圧4.3Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流1mA(0.02C))を行った後、放電電流10mA(0.2C)にて、放電終止電圧3Vで定電流放電を行った。この操作を3回繰り返した後、充電電流10mA(0.2C)にて充電終止電圧4.3Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流(1mA(0.02C))を行い、放電電流0.2C及び3Cで放電終止電圧3.0Vに達するまで定電流放電を行って、それぞれ放電容量を求めた。レート特性は0.2C放電容量と3C放電容量の比、以下の式1で表すことができる。また、以下に判定基準を示し、結果を表7に示す。
(式1)
レート特性 = 3C放電容量/3回目の0.2C放電容量 ×100 (%)
判定基準
◎:レート特性が80%以上(極めて優良)
〇:レート特性が70%以上80%未満(優良)
〇△:レート特性が60%以上70%未満(良)
△:レート特性が50%以上60%未満(可)
×:レート特性が50%未満(不良)
非水電解質二次電池を40℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工株式会社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流25mA(0.5C)にて充電終止電圧4.3Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流2.5mA(0.05C))を行った後、放電電流25mA(0.5C)にて、放電終止電圧3Vで定電流放電を行った。この操作を200回繰り返した。サイクル特性は25℃における3回目の0.5C放電容量と200回目の0.5C放電容量の比、以下の式2で表すことができる。また、以下に判定基準を示し、結果を表7に示す。
(式2)
サイクル特性 = 3回目の0.5C放電容量/200回目の0.5C放電容量 ×100(%)
判定基準
◎:サイクル特性が80%以上(極めて優良)
〇:サイクル特性が70%以上80%未満(優良)
〇△:サイクル特性が60%以上70%未満(良)
△:サイクル特性が60%以上70%未満(可)
×:サイクル特性が60%未満(不良)
本発明のカーボンナノチューブ分散液は、粘度が低くて分散性が良好であり、さらに分散安定性も良好であるため、電極中でカーボンナノチューブが効率的に導電ネットワークを形成出来たことにより、サイクル特性が良好であったと思われるが、比較例3-N1、比較例3-W1ではカーボンナノチューブ分散液の分散性は良くても、導電性が不足しているために十分なレート特性を引き出せなかったと考えられる。また、比較例3-N1、比較例3-W1では電極中の導電ネットワークが形成出来きていても、実施例と比べるとサイクル特性が悪い。これらの結果は、本発明のホウ素含有カーボンナノチューブがホウ素を含有しないカーボンナノチューブに対して硬さが硬いため、電池の充放電中における電極中の活物質の膨張収縮の繰り返しに対してカーボンナノチューブの導電ネットワークが崩れずに維持出来ているためにサイクル特性が改善したのだと考察している。一方、実施例2-N1、2-N5、2-N10、あるいは実施例3-N1、3-N5、3-N10を比較すると、カーボンナノチューブのホウ素含有量の違いにより、電極(合材層)の導電性、剥離強度や電池特性(レート特性、サイクル特性)に影響を及ぼすことも分かった。
以上より、本発明は従来のカーボンナノチューブ分散液では実現しがたい高容量、高出力かつ高耐久性を有するリチウムイオン二次電池を提供できることが明らかとなった。
2: 炭化ホウ素(187~188eV)のピーク
3: 六角網面を基本骨格とした炭素元素と置換するようにドープされているホウ素(188.2~189.3eV)のピーク
4: 酸化ホウ素BC2O(189.5~190.5eV)のピーク
5: 酸化ホウ素BCO2(191.5~192eV)のピーク
6: 酸化ホウ素B2O3(192.5~193eV)のピーク
Claims (7)
- ホウ素含有カーボンナノチューブ(但し、円筒状の中空構造を有し、繊維外径0.5μm以下、アスペクト比10以上及び、圧密比抵抗が0.02Ω・cm以下である分岐状気相法炭素繊維、並びに、単層カーボンナノチューブを除く)と、溶媒と、を含むカーボンナノチューブ分散液であって、動的粘弾性測定によるカーボンナノチューブ分散液の複素弾性率が200Pa未満であり、周波数1Hzにおける位相角が10°以上であり、ホウ素含有カーボンナノチューブのホウ素の含有量が、0.01~3mol%であり、ホウ素含有カーボンナノチューブの表面の炭素元素と置換するようにドープされているホウ素元素の含有量が0.01~1mol%であることを特徴とするカーボンナノチューブ分散液。
- さらに分散剤を含むことを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ分散液。
- 請求項1又は2記載のカーボンナノチューブ分散液と、バインダーとを含むことを特徴とするカーボンナノチューブ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のカーボンナノチューブ分散液、または請求項3記載のカーボンナノチューブ樹脂組成物の塗工膜であることを特徴とする導電膜。
- 請求項3記載のカーボンナノチューブ樹脂組成物と、活物質とを含むことを特徴とする合材スラリー。
- 請求項5記載の合材スラリーの塗工膜であることを特徴とする電極膜。
- 正極と、負極と、電解質とを具備してなる非水電解質二次電池であって、正極または負極の少なくとも一方が、請求項6記載の電極膜を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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