本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。図1に示すように、検出装置1は、センサ基材21(基板)と、センサ部10と、ゲート線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路122と、電源回路123と、第1光源基材51と、第2光源基材52と、光源53、54と、を有する。第1光源基材51には、複数の光源53が設けられる。第2光源基材52には複数の光源54が設けられる。
センサ基材21には、フレキシブルプリント基板71を介して制御基板121が電気的に接続される。フレキシブルプリント基板71には、検出回路48が設けられている。制御基板121には、制御回路122及び電源回路123が設けられている。制御回路122は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路122は、センサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。また、制御回路122は、光源53、54に制御信号を供給して、光源53、54の点灯又は非点灯を制御する。電源回路123は、センサ電源信号VDDSNS(図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。また、電源回路123は、電源電圧を光源53、54に供給する。
センサ基材21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、センサ部10が有する複数のフォトダイオードPD(図4参照)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、センサ基材21の端部との間の領域であり、複数のフォトダイオードPDが設けられない領域である。
ゲート線駆動回路15及び信号線選択回路16は、周辺領域GAに設けられる。具体的には、ゲート線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
なお、以下の説明において、第1方向Dxは、センサ基材21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、センサ基材21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、「平面視」とは、センサ基材21と垂直な方向から見た場合の位置関係をいう。
複数の光源53は、第1光源基材51に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。複数の光源54は、第2光源基材52に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。第1光源基材51及び第2光源基材52は、それぞれ、制御基板121に設けられた端子部124、125を介して、制御回路122及び電源回路123と電気的に接続される。
複数の光源53及び複数の光源54は、例えば、無機LED(Light Emitting Diode)や、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)等が用いられる。複数の光源53及び複数の光源54は、それぞれ異なる波長の光を出射する。
光源53から出射された第1光は、主に指等の被検出体の表面で反射されセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指等の表面の凹凸の形状を検出することで指紋を検出することができる。光源54から出射された第2光は、主に指等の内部で反射し又は指等を透過してセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指等の内部の生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報とは、例えば、指や掌の脈波、脈拍、血管像等である。すなわち、検出装置1は、指紋を検出する指紋検出装置や、静脈などの血管パターンを検出する静脈検出装置として構成されてもよい。
第1光は、500nm以上600nm以下、例えば550nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上950nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、第1光は、青色又は緑色の可視光であり、第2光は、赤外光である。センサ部10は、光源53から出射された第1光に基づいて、指紋を検出することができる。光源54から出射された第2光は、指等の被検出体の内部で反射し又は指等を透過・吸収されてセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指等の内部の生体に関する情報として脈波や血管像(血管パターン)を検出できる。
又は、第1光は、600nm以上700nm以下、例えば660nm程度の波長を有し、第2光は、780nm以上900nm以下、例えば850nm程度の波長を有していてもよい。この場合、光源53から出射された第1光及び光源54から出射された第2光に基づいて、センサ部10は、生体に関する情報として、脈波、脈拍や血管像に加えて、血中酸素飽和度を検出することができる。このように、検出装置1は、複数の光源53及び光源54を有しているので、第1光に基づいた検出と、第2光に基づいた検出とを行うことで、種々の生体に関する情報を検出することができる。
なお、図1に示す光源53、54の配置は、あくまで一例であり適宜変更することができる。検出装置1は、光源として複数種類の光源53、54が設けられている。ただし、これに限定されず、光源は1種類であってもよい。例えば、第1光源基材51及び第2光源基材52のそれぞれに、複数の光源53及び複数の光源54が配置されていてもよい。また、光源53及び光源54が設けられる光源基材は1つ又は3つ以上であってもよい。あるいは、光源は、少なくとも1つ以上配置されていればよい。
図2は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、検出装置1は、さらに検出制御部11と検出部40と、有する。検出制御部11の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。
センサ部10は、複数のフォトダイオードPDを有する。センサ部10が有するフォトダイオードPDは、照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。また、センサ部10は、ゲート線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号Vgclにしたがって検出を行う。
検出制御部11は、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御部11は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号をゲート線駆動回路15に供給する。また、検出制御部11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。また、検出制御部11は、各種制御信号を光源53、54に供給して、それぞれの点灯及び非点灯を制御する。
ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数のゲート線GCL(図3参照)を駆動する回路である。ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを順次又は同時に選択し、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLに接続された複数のフォトダイオードPDを選択する。
信号線選択回路16は、複数の信号線SGL(図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御部11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された信号線SGLと検出回路48とを接続する。これにより、信号線選択回路16は、フォトダイオードPDの検出信号Vdetを検出部40に出力する。
検出部40は、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、記憶部46と、検出タイミング制御部47と、画像処理部49と、出力処理部50とを備える。検出タイミング制御部47は、検出制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、画像処理部49と、が同期して動作するように制御する。
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE、Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅部42及びA/D変換部43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅部42は、検出信号Vdetを増幅する。A/D変換部43は、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
信号処理部44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理部44は、指が検出面に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて指や掌の表面の凹凸を検出できる。また、信号処理部44は、検出回路48からの信号に基づいて生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報は、例えば、指や掌の血管像、脈波、脈拍、血中酸素濃度等である。
また、信号処理部44は、複数のフォトダイオードPDにより同時に検出された検出信号Vdet(生体に関する情報)を取得し、これらを平均化する処理を実行してもよい。この場合、検出部40は、ノイズや、指等の被検出体とセンサ部10との相対的な位置ずれに起因する測定誤差を抑制して、安定した検出が可能となる。
記憶部46は、信号処理部44で演算された信号を一時的に保存する。記憶部46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
座標抽出部45は、信号処理部44において指の接触又は近接が検出されたときに、指等の表面の凹凸の検出座標を求める論理回路である。また、座標抽出部45は、指や掌の血管の検出座標を求める論理回路である。画像処理部49は、センサ部10の各フォトダイオードPDから出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指等の表面の凹凸の形状を示す二次元情報及び指や掌の血管の形状を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出部45は、検出座標を算出せずにセンサ出力電圧Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。また、座標抽出部45及び画像処理部49は、検出部40に含まれていない場合であってもよい。
出力処理部50は、複数のフォトダイオードPDからの出力に基づいた処理を行う処理部として機能する。出力処理部50は、座標抽出部45が求めた検出座標、画像処理部49が生成した二次元情報等をセンサ出力電圧Voに含めるようにしてもよい。また、出力処理部50の機能は、他の構成(例えば、画像処理部49等)に統合されてもよい。
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。図3は、検出装置を示す回路図である。図3に示すように、センサ部10は、マトリクス状に配列された複数の部分検出領域PAAを有する。複数の部分検出領域PAAには、それぞれフォトダイオードPDが設けられている。
ゲート線GCLは、第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAと接続される。また、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)は、第2方向Dyに配列され、それぞれゲート線駆動回路15に接続される。なお、以下の説明において、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を区別して説明する必要がない場合には、単にゲート線GCLと表す。また、図3では説明を分かりやすくするために、8本のゲート線GCLを示しているが、あくまで一例であり、ゲート線GCLは、M本(Mは8以上、例えばM=256)配列されていてもよい。
信号線SGLは、第2方向Dyに延在し、第2方向Dyに配列された複数の部分検出領域PAAのフォトダイオードPDに接続される。また、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)は、第1方向Dxに配列されて、それぞれ信号線選択回路16及びリセット回路17に接続される。なお、以下の説明において、複数の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(12)を区別して説明する必要がない場合には、単に信号線SGLと表す。
また、説明を分かりやすくするために、12本の信号線SGLを示しているが、あくまで一例であり、信号線SGLは、N本(Nは12以上、例えばN=252)配列されていてもよい。また、センサの解像度は例えば508dpi(dot per inch)とされ、セル数は252×256とされる。また、図3では、信号線選択回路16とリセット回路17との間にセンサ部10が設けられている。これに限定されず、信号線選択回路16とリセット回路17とは、信号線SGLの同じ方向の端部にそれぞれ接続されていてもよい。
ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号を、制御回路122(図1参照)から受け取る。ゲート線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて、複数のゲート線GCL(1)、GCL(2)、…、GCL(8)を時分割的に順次選択する。ゲート線駆動回路15は、選択されたゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、ゲート線GCLに接続された複数の第1スイッチング素子Trにゲート駆動信号Vgclが供給され、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAが、検出対象として選択される。
信号線選択回路16は、複数の選択信号線Lselと、複数の出力信号線Loutと、第3スイッチング素子TrSと、を有する。複数の第3スイッチング素子TrSは、それぞれ複数の信号線SGLに対応して設けられている。6本の信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)は、共通の出力信号線Lout1に接続される。6本の信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)は、共通の出力信号線Lout2に接続される。出力信号線Lout1、Lout2は、それぞれ検出回路48に接続される。
ここで、信号線SGL(1)、SGL(2)、…、SGL(6)を第1信号線ブロックとし、信号線SGL(7)、SGL(8)、…、SGL(12)を第2信号線ブロックとする。複数の選択信号線Lselは、1つの信号線ブロックに含まれる第3スイッチング素子TrSのゲートにそれぞれ接続される。また、1本の選択信号線Lselは、複数の信号線ブロックの第3スイッチング素子TrSのゲートに接続される。
制御回路122(図1参照)は、選択信号ASWを順次選択信号線Lselに供給する。これにより、信号線選択回路16は、第3スイッチング素子TrSの動作により、1つの信号線ブロックにおいて信号線SGLを時分割的に順次選択する。また、信号線選択回路16は、複数の信号線ブロックでそれぞれ1本ずつ信号線SGLを選択する。このような構成により、検出装置1は、検出回路48を含むIC(Integrated Circuit)の数、又はICの端子数を少なくすることができる。なお、信号線選択回路16は、複数の信号線SGLを束ねて検出回路48に接続してもよい。
図3に示すように、リセット回路17は、基準信号線Lvr、リセット信号線Lrst及び第4スイッチング素子TrRを有する。第4スイッチング素子TrRは、複数の信号線SGLに対応して設けられている。基準信号線Lvrは、複数の第4スイッチング素子TrRのソース又はドレインの一方に接続される。リセット信号線Lrstは、複数の第4スイッチング素子TrRのゲートに接続される。
制御回路122は、リセット信号RST2をリセット信号線Lrstに供給する。これにより、複数の第4スイッチング素子TrRがオンになり、複数の信号線SGLは基準信号線Lvrと電気的に接続される。電源回路123は、基準信号COMを基準信号線Lvrに供給する。これにより、複数の部分検出領域PAAに含まれる容量素子Ca(図4参照)に基準信号COMが供給される。
図4は、複数の部分検出領域を示す回路図である。なお、図4では、検出回路48の回路構成も併せて示している。図4に示すように、部分検出領域PAAは、フォトダイオードPDと、容量素子Caと、第1スイッチング素子Trとを含む。容量素子Caは、フォトダイオードPDに形成される容量(センサ容量)であり、等価的にフォトダイオードPDと並列に接続される。
図4では、複数のゲート線GCLのうち、第2方向Dyに並ぶ2つのゲート線GCL(m)、GCL(m+1)を示す。また、複数の信号線SGLのうち、第1方向Dxに並ぶ2つの信号線SGL(n)、SGL(n+1)を示す。部分検出領域PAAは、ゲート線GCLと信号線SGLとで囲まれた領域である。
第1スイッチング素子Trは、複数のフォトダイオードPDのそれぞれに対応して設けられる。第1スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。
第1方向Dxに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのゲートは、ゲート線GCLに接続される。第2方向Dyに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Trのソースは、信号線SGLに接続される。第1スイッチング素子Trのドレインは、フォトダイオードPDのアノード及び容量素子Caに接続される。
フォトダイオードPDのカソードには、電源回路123からセンサ電源信号VDDSNSが供給される。また、信号線SGL及び容量素子Caには、電源回路123から、信号線SGL及び容量素子Caの初期電位となる基準信号COMが供給される。
部分検出領域PAAに光が照射されると、フォトダイオードPDには光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1スイッチング素子Trがオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、信号線SGLに電流が流れる。信号線SGLは、信号線選択回路16の第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48に接続される。これにより、検出装置1は、部分検出領域PAAごとに、又はブロック単位PAGごとにフォトダイオードPDに照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
検出回路48は、読み出し期間Pdet(図5参照)にスイッチSSWがオンになり、信号線SGLと接続される。検出回路48の検出信号増幅部42は、信号線SGLから供給された電流の変動を電圧の変動に変換して増幅する。検出信号増幅部42の非反転入力部(+)には、固定された電位を有する基準電位(Vref)が入力され、反転入力端子(-)には、信号線SGLが接続される。実施形態では、基準電位(Vref)電圧として基準信号COMと同じ信号が入力される。信号処理部44(図2参照)は、光が照射された場合の検出信号Vdetと、光が照射されていない場合の検出信号Vdetとの差分をセンサ出力電圧Voとして演算する。また、検出信号増幅部42は、容量素子Cb及びリセットスイッチRSWを有する。リセット期間Prst(図5参照)においてリセットスイッチRSWがオンになり、容量素子Cbの電荷がリセットされる。
次に、検出装置1の動作例について説明する。図5は、検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。図5に示すように、検出装置1は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetを有する。電源回路123は、リセット期間Prst、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetに亘って、センサ電源信号VDDSNSをフォトダイオードPDのカソードに供給する。センサ電源信号VDDSNSはフォトダイオードPDのアノード-カソード間に逆バイアスを印加する信号である。例えば、フォトダイオードPDのカソードには実質2.75Vのセンサ電源信号VDDSNSが印加され、アノードに実質0.75Vの基準信号COMが印加されることにより、アノード-カソード間は実質2.0Vで逆バイアスされる。逆バイアス電圧は、1.5V~2.5Vの範囲で設定してもよい。制御回路122は、リセット信号RST2を”H”とした後にゲート線駆動回路15にスタート信号STVおよびクロック信号CKを供給し、リセット期間Prstが開始する。リセット期間Prstにおいて、制御回路122は、基準信号COMをリセット回路17に供給し、リセット信号RST2によってリセット電圧を供給するための第4スイッチング素子TrRをオンさせる。これにより各信号線SGLにはリセット電圧として基準信号COMが供給される。基準信号COMは、例えば0.75Vとされる。
リセット期間Prstにおいて、ゲート線駆動回路15は、スタート信号STV、クロック信号CK及びリセット信号RST1に基づいて、順次ゲート線GCLを選択する。ゲート線駆動回路15は、ゲート駆動信号Vgcl{Vgcl(1)~Vgcl(M)}をゲート線GCLに順次供給する。ゲート駆動信号Vgclは、高レベル電圧である電源電圧VDDと低レベル電圧である電源電圧VSSとを有するパルス状の波形を有する。図5では、M本(例えばM=256)のゲート線GCLが設けられており、各ゲート線GCLに、ゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)が順次供給され、複数の第1スイッチング素子Trは各行毎に順次導通され、リセット電圧が供給される。リセット電圧として例えば、基準信号COMの電圧0.75Vが供給される。
これにより、リセット期間Prstでは、全ての部分検出領域PAAの容量素子Caは、順次信号線SGLと電気的に接続されて、基準信号COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。尚、部分的にゲート線、および信号線SGLを選択することにより部分検出領域PAAのうち一部の容量素子Caの容量をリセットすることも可能である。
露光するタイミングの例として、ゲート線非選択時露光制御方法と常時露光制御方法がある。ゲート線非選択時露光制御方法においては、検出対象のフォトダイオードPDに接続された全てのゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、検出対象の全てのフォトダイオードPDにリセット電圧が供給される。その後、検出対象のフォトダイオードPDに接続された全てのゲート線GCLが低電圧(第1スイッチング素子Trがオフ)になると露光が開始され、露光期間Pexの間に露光が行われる。露光が終了すると前述のように検出対象のフォトダイオードPDに接続されたゲート線GCLにゲート駆動信号{Vgcl(1)~(M)}が順次供給され、読み出し期間Pdetに読み出しが行われる。常時露光制御方法においては、リセット期間Prst、読み出し期間Pdetにおいても露光を行う制御(常時露光制御)をすることも可能である。この場合は、リセット期間Prstにゲート駆動信号Vgcl(1)がゲート線GCLに供給された後に、露光期間Pex(1)が開始する。ここで、露光期間Pex{(1)・・・(M)}とはフォトダイオードPDから容量素子Caへ充電される期間とされる。リセット期間Prstに容量素子Caにチャージされた電荷が光照射によってフォトダイオードPDに逆方向電流(カソードからアノードへ)が流れ、容量素子Caの電位差は減少する。なお、各ゲート線GCLに対応する部分検出領域PAAでの、実際の露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、開始のタイミング及び終了のタイミングが異なっている。露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、リセット期間Prstでゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧の電源電圧VDDから低レベル電圧の電源電圧VSSに変化したタイミングで開始される。また、露光期間Pex(1)、…、Pex(M)は、それぞれ、読み出し期間Pdetでゲート駆動信号Vgclが電源電圧VSSから電源電圧VDDに変化したタイミングで終了する。各露光期間Pex(1)、…、Pex(M)の露光時間の長さは等しい。
ゲート線非選択時露光制御方法において、露光期間Pex{(1)・・・(M)}では、各部分検出領域PAAで、フォトダイオードPDに照射された光に応じて電流が流れる。この結果、各容量素子Caに電荷が蓄積される。
読み出し期間Pdetが開始する前のタイミングで、制御回路122は、リセット信号RST2を低レベル電圧にする。これにより、リセット回路17の動作が停止する。尚、リセット信号はリセット期間Prstのみ高レベル電圧としてもよい。読み出し期間Pdetでは、リセット期間Prstと同様に、ゲート線駆動回路15は、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)を順次供給する。
具体的には、ゲート線駆動回路15は、期間V(1)において、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが順次、又は同時に検出回路48に接続される。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
同様に、ゲート線駆動回路15は、期間V(2)、…、V(M-1)、V(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。すなわち、ゲート線駆動回路15は、期間V(1)、V(2)、…、V(M-1)、V(M)ごとに、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。各ゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧となる期間ごとに、信号線選択回路16は選択信号ASWに基づいて、順次信号線SGLを選択する。信号線選択回路16は、信号線SGLごとに順次、1つの検出回路48に接続する。これにより、読み出し期間Pdetで、検出装置1は、全ての部分検出領域PAAの検出信号Vdetを検出回路48に出力することができる。
図6は、図5における読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。以下、図6を参照して、図5における1つのゲート駆動信号Vgcl(j)の供給期間Readoutでの動作例について説明する。図5では、最初のゲート駆動信号Vgcl(1)に供給期間Readoutの符号を付しているが、他のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M)についても同様である。jは、1からMのいずれかの自然数である。
図6および図4に示すように、第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)は予め基準電位(Vref)電圧にリセットされている。基準電位(Vref)電圧はリセット電圧とされ、例えば0.75Vとされる。次にゲート駆動信号Vgcl(j)がハイレベルとなり当該行の第1スイッチング素子Trがオンし、各行の信号線SGLは当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧になる。ゲート駆動信号Vgcl(j)の立ち上がりから期間t1の経過後、選択信号ASW(k)がハイになる期間t2が生じる。選択信号ASW(k)がハイになって第3スイッチング素子TrSがオンすると、当該第3スイッチング素子TrSを介して検出回路48と接続されている部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に充電された電荷により、第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)(図4参照)が当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧に変化する(期間t3)。図6の例では期間t3のようにこの電圧はリセット電圧から下がっている。その後、スイッチSSWがオン(SSW信号のハイレベルの期間t4)すると当該部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷が検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動し、検出信号増幅部42の出力電圧は容量素子Cbに蓄積された電荷に応じた電圧となる。このとき検出信号増幅部42の反転入力部はオペアンプのイマジナリショート電位となるため、基準電位(Vref)に戻っている。検出信号増幅部42の出力電圧はA/D変換部43で読み出す。図6の例では、各列の信号線SGLに対応する選択信号ASW(k)、ASW(k+1)、…の波形がハイになって第3スイッチング素子TrSを順次オンさせ、同様の動作を順次行うことで当該ゲート線GCLに接続された部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷を順次読み出している。なお図6におけるASW(k)、ASW(k+1)…は、例えば、図3におけるASW1からASW6のいずれかである。
具体的には、スイッチSSWがオンになる期間t4が生じると、部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)から検出回路48の検出信号増幅部42の容量(容量素子Cb)へ電荷が移動する。このとき検出信号増幅部42の非反転入力(+)は、基準電位(Vref)電圧(例えば、0.75[V])にバイアスされている。このため、検出信号増幅部42の入力間のイマジナリショートにより第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)も基準電位(Vref)電圧になる。また、容量素子Cbの電圧は、選択信号ASW(k)に応じて第3スイッチング素子TrSがオンした箇所の部分検出領域PAAの容量(容量素子Ca)に蓄積された電荷に応じた電圧となる。検出信号増幅部42の出力電圧は、イマジナリショートによって第3スイッチング素子TrSの出力電圧(Vout)が基準電位(Vref)電圧になった後に、容量素子Cbの容量に応じた電圧になり、この出力電圧をA/D変換部43で読み取る。なお、容量素子Cbの電圧とは、例えば、容量素子Cbを構成するコンデンサに設けられる2つの電極間の電圧である。
なお、期間t1は、例えば20[μs]である。期間t2は、例えば60[μs]である。期間t3は、例えば44.7[μs]である。期間t4は、例えば0.98[μs]である。
なお、図5及び図6では、ゲート線駆動回路15がゲート線GCLを個別に選択する例を示したが、これに限定されない。ゲート線駆動回路15は、2以上の所定数のゲート線GCLを同時に選択し、所定数のゲート線GCLごとに順次ゲート駆動信号Vgclを供給してもよい。また、信号線選択回路16も、2以上の所定数の信号線SGLを同時に1つの検出回路48に接続してもよい。また更には、ゲート線駆動回路15は、複数のゲート線GCLを間引いて走査してもよい。
次に、フォトダイオードPDの構成について説明する。図7は、センサ部の拡大概略構成図である。なお、図7では、図面を見やすくするために、絶縁膜95は二点鎖線で示している。
図7に示すように、検出装置1は、センサ基材21に設けられた複数のフォトダイオードPDと、複数の第1電極23と、絶縁膜95を有する。複数の第1電極23は、複数のフォトダイオードPDのそれぞれに対応して、センサ基材21の上にマトリクス状に設けられる。複数の第1電極23は、フォトダイオードPDのアノード電極であり、検出電極と表す場合がある。
複数の第1電極23は、有機絶縁膜94(図8参照)に形成された第1コンタクトホールCH1を介してセンサ基材21に設けられた第1スイッチング素子Trに電気的に接続される。
絶縁膜95は、第1方向Dx及び第2方向Dyに隣り合う第1電極23の間に設けられ、かつ、第1電極23の周縁部を覆って設けられる。より詳細には、絶縁膜95は、第1絶縁膜95aと第2絶縁膜95bとが交差して格子状に形成される。第1絶縁膜95aは、第2方向Dyに延在する。第1絶縁膜95aは、第1電極23の第2方向Dyに延在する辺と重なって設けられる。第2絶縁膜95bは、第1方向Dxに延在する。第2絶縁膜95bは、第1電極23の第1方向Dxに延在する辺と重なって設けられる。
言い換えると、絶縁膜95には、複数の第1電極23のそれぞれに重なる領域に開口OPが形成される。開口OPは、2つの第1絶縁膜95aと、2つの第2絶縁膜95bとで囲まれた領域である。また、第3絶縁膜95cは、第1絶縁膜95aの辺に接続され、第1コンタクトホールCH1を覆って形成される。
なお、図7に示す第1電極23、絶縁膜95の形状、配置ピッチ等はあくまで一例であり、検出装置1に要求される特性、検出精度に応じて適宜変更できる。
図8は、図7のVIII-VIII’断面図である。図8に示すように、検出装置1は、センサ基材21と、第1スイッチング素子Trと、有機絶縁膜94と、第1電極23と、絶縁膜95と、フォトダイオードPD(図8では図面は簡略して記載している)と、第2電極24と、封止膜98とを有する。
なお、本明細書において、センサ基材21の表面に垂直な方向において、センサ基材21からフォトダイオードPDに向かう方向を「上側」又は単に「上」とする。また、フォトダイオードPDからセンサ基材21に向かう方向を「下側」又は単に「下」とする。
センサ基材21は、絶縁性の基材であり、例えば、ガラスや樹脂材料が用いられる。センサ基材21は、平板状に限定されず、曲面を有していてもよい。この場合、センサ基材21は、フィルム状の樹脂であってもよい。
センサ基材21には、第1スイッチング素子Tr等のTFTや、ゲート線GCL、信号線SGL等の各種配線が設けられる。各TFT、各種配線が形成されたセンサ基材21は、所定の検出領域ごとにセンサを駆動する駆動回路基板であり、バックプレーン又はアレイ基板とも呼ばれる。
遮光膜65は、センサ基材21の上に設けられる。遮光膜65は、半導体層61とセンサ基材21との間に設けられる。遮光膜65により、半導体層61のチャネル領域へのセンサ基材21側からの光の侵入を抑制することができる。
遮光膜65を覆って、センサ基材21の上にアンダーコート膜91が設けられる。アンダーコート膜91は、例えば、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜等の無機絶縁膜で形成される。なお、アンダーコート膜91の構成は、単層膜に限定されず、複数層の無機絶縁膜が積層されていてもよい。
第1スイッチング素子Tr(トランジスタ)は、センサ基材21の上に設けられる。第1スイッチング素子Trは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63及びゲート電極64を有する。半導体層61は、アンダーコート膜91の上に設けられる。半導体層61は、例えば、ポリシリコンが用いられる。ただし、半導体層61は、これに限定されず、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、低温ポリシリコン等であってもよい。
ゲート絶縁膜92は、半導体層61を覆ってアンダーコート膜91の上に設けられる。ゲート絶縁膜92は、例えばシリコン酸化膜等の無機絶縁膜である。ゲート電極64は、ゲート絶縁膜92の上に設けられる。図8に示す例では、第1スイッチング素子Trは、トップゲート構造である。ただし、これに限定されず、第1スイッチング素子Trは、ボトムゲート構造でもよく、半導体層61の上側及び下側の両方にゲート電極64が設けられたデュアルゲート構造でもよい。
層間絶縁膜93は、ゲート電極64を覆ってゲート絶縁膜92の上に設けられる。層間絶縁膜93は、例えば、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との積層構造を有する。ソース電極62及びドレイン電極63は、層間絶縁膜93の上に設けられる。ソース電極62は、ゲート絶縁膜92及び層間絶縁膜93に設けられた第2コンタクトホールCH2を介して、半導体層61のソース領域に接続される。ドレイン電極63は、ゲート絶縁膜92及び層間絶縁膜93に設けられた第3コンタクトホールCH3を介して、半導体層61のドレイン領域に接続される。
有機絶縁膜94は、第1スイッチング素子Trのソース電極62及びドレイン電極63を覆って層間絶縁膜93の上に設けられる。有機絶縁膜94は、有機平坦化膜であり、CVD等により形成される無機絶縁材料に比べ、配線段差のカバレッジ性や、表面の平坦性に優れる。
第1電極23及び絶縁膜95は、有機絶縁膜94の上に設けられる。フォトダイオードPDは、第1電極23の上に設けられる。より詳細には、第1電極23は、有機絶縁膜94の上に設けられるとともに、有機絶縁膜94に形成された第1コンタクトホールCH1の底面で、第1スイッチング素子Trのドレイン電極63と接続される。第1電極23は、フォトダイオードPDのアノード電極であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料で形成される。
あるいは、検出装置1が、例えば上面受光型の光センサとして形成された場合には、第1電極23は、例えば、銀(Ag)等の金属材料を用いることができる。あるいは、第1電極23は、アルミニウム(Al)等の金属材料、あるいは、これらの金属材料の少なくとも1以上を含む合金材料であってもよい。上述したように、複数の第1電極23は、部分検出領域PAA(フォトダイオードPD)ごとに離隔して配置される。
絶縁膜95は、第1電極23の一部を覆って設けられる。本実施形態では、絶縁膜95は、無機絶縁膜で形成される。絶縁膜95のうち、第1絶縁膜95aは、隣り合う第1電極23の間で有機絶縁膜94の上に設けられ、第1電極23の周縁部を覆う。第1絶縁膜95aは、ソース電極62(信号線SGL)と重なって設けられる。絶縁膜95により、隣り合うフォトダイオードPDの第1電極23が絶縁される。
また、第3絶縁膜95cは、第1コンタクトホールCH1の内部で第1電極23を覆って設けられ、ドレイン電極63と重畳する。第1コンタクトホールCH1の内部で、正孔輸送層32(図9参照)に段切れが生じた場合であっても、第3絶縁膜95cが設けられているので、活性層31と第1電極23とのショート(短絡)が発生することを抑制できる。なお、第3絶縁膜95cは、第1絶縁膜95aと接続される構成に限定されず、第1絶縁膜95aと離隔して第1コンタクトホールCH1内に設けられていてもよい。
フォトダイオードPDは、平面視で第1電極23よりも大きい面積を有する。第2電極24は、複数の部分検出領域PAA(フォトダイオードPD)に跨がって連続して設けられる。より具体的には、図8にて隣り合う2つの部分検出領域PAAを、第1部分検出領域PAA-1(第1フォトダイオードPD-1)及び第2部分検出領域PAA-2(第2フォトダイオードPD-2)と表す。第1電極23は、第1フォトダイオードPD-1及び第2フォトダイオードPD-2のそれぞれに設けられる。また、第1フォトダイオードPD-1及び第2フォトダイオードPD-2は、共通の有機半導体材料で形成され、有機半導体材料は、複数の第1電極23に跨がって形成される。
第2電極24は、フォトダイオードPDの上に設けられる。第2電極24は、フォトダイオードPDのカソード電極であり、複数の部分検出領域PAA(フォトダイオードPD)に亘って連続して形成される。より具体的には、第2電極24は、第1フォトダイオードPD-1及び第2フォトダイオードPD-2の上に連続して設けられる。第2電極24と、第1電極23とは、フォトダイオードPD(活性層31)を挟んで対向する。第2電極24は、例えば、ITOやIZO等の透光性を有する導電材料で形成される。
封止膜98は、第2電極24の上に設けられる。封止膜98は、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜などの無機膜、あるいはアクリルなどの樹脂膜が用いられる。封止膜98は、単層に限定されず、上記の無機膜及び樹脂膜を組み合わせた2層以上の積層膜であってもよい。封止膜98によりフォトダイオードPDは良好に封止され、上面側からの水分の侵入を抑制することができる。
次に、第1電極23、絶縁膜95、フォトダイオードPD及び第2電極24の詳細な積層構成について説明する。図9は、図8の第1電極、絶縁膜、フォトダイオード及び第2電極の積層構造を拡大して示す拡大概略断面図である。なお、図9では、センサ基材21に形成された各種スイッチング素子及び各種配線を省略して示す。
図9に示すように、フォトダイオードPDは、活性層31と、活性層31と第1電極23との間に設けられた正孔輸送層32(第1キャリア輸送層)と、活性層31と第2電極24との間に設けられた電子輸送層33(第2キャリア輸送層)と、を有する。言い換えると、フォトダイオードPDの正孔輸送層32、活性層31、電子輸送層33は、センサ基材21に垂直な方向で、この順で積層される。
活性層31は、照射される光に応じて特性(例えば、電圧電流特性や抵抗値)が変化する。活性層31の材料として、有機材料が用いられる。具体的には、活性層31は、p型有機半導体と、n型有機半導体であるn型フラーレン誘導体(PCBM)とが混在するバルクヘテロ構造である。活性層31として、例えば、低分子有機材料であるC60(フラーレン)、PCBM(フェニルC61酪酸メチルエステル:Phenyl C61-butyric acid methyl ester)、CuPc(銅フタロシアニン:Copper Phthalocyanine)、F16CuPc(フッ素化銅フタロシアニン)、rubrene(ルブレン:5,6,11,12-tetraphenyltetracene)、PDI(Perylene(ペリレン)の誘導体)等を用いることができる。
活性層31は、これらの低分子有機材料を用いて蒸着型(Dry Process)で形成することができる。この場合、活性層31は、例えば、CuPcとF16CuPcとの積層膜、又はrubreneとC60との積層膜であってもよい。活性層31は、塗布型(Wet Process)で形成することもできる。この場合、活性層31は、上述した低分子有機材料と高分子有機材料とを組み合わせた材料が用いられる。高分子有機材料として、例えばP3HT(poly(3-hexylthiophene))、F8BT(F8-alt-benzothiadiazole)等を用いることができる。活性層31は、P3HTとPCBMとが混合した状態の膜、又はF8BTとPDIとが混合した状態の膜とすることができる。
正孔輸送層32及び電子輸送層33は、活性層31で発生した正孔及び電子が第1電極23又は第2電極24に到達しやすくするために設けられる。正孔輸送層32は、絶縁膜95の開口OPを介して第1電極23の上に直接、接する。活性層31は、正孔輸送層32の上に直接、接する。正孔輸送層32は、酸化金属層とされる。酸化金属層として、酸化タングステン(WO3)、酸化モリブデン等が用いられる。
電子輸送層33は、活性層31の上に直接、接し、第2電極24は、電子輸送層33の上に直接、接する。電子輸送層33の材料は、エトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)が用いられる。
なお、正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33の材料、製法はあくまで一例であり、他の材料、製法であってもよい。
上述したように、絶縁膜95は、隣り合う第1電極23の間に設けられる。絶縁膜95の幅W1は、隣り合う第1電極23の間隔W2よりも大きい。また、図9では、絶縁膜95は、有機材料(例えば、ハードコート膜)で形成された有機絶縁膜であり、絶縁膜95の高さ(厚さ)は、第1電極23の高さ(厚さ)よりも高い。
フォトダイオードPDを形成する正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33は、複数の第1電極23及び隣り合う第1電極23の間の絶縁膜95を覆って設けられる。より詳細には、正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33は、第1部分検出領域PAA-1(第1フォトダイオードPD-1)、第2部分検出領域PAA-2(第2フォトダイオードPD-2)及び第3部分検出領域PAA-3(第3フォトダイオードPD-3)に亘って連続して設けられる。また、正孔輸送層32は、第1電極23と絶縁膜95とで形成される凹凸に倣って形成される。活性層31は、絶縁膜95と重なる領域での厚さが、第1電極23と重なる領域での厚さよりも薄く形成される。
検出装置1は、第1電極23と重なる領域で、第1電極23、正孔輸送層32、活性層31、電子輸送層33、第2電極24の順に積層される。一方、第1電極23と重ならない領域では、絶縁膜95、正孔輸送層32、活性層31、電子輸送層33、第2電極24の順に積層される。
ここで、絶縁膜95と隣り合う一方の第1電極23(第1フォトダイオードPD-1)に第1電位VLが供給され、絶縁膜95と隣り合う他方の第1電極23(第2フォトダイオードPD-2)に第2電位VHが供給される場合について説明する。第1電位VLは、第2電位VHよりも低い電位である。
本実施形態では、絶縁膜95を設けた構成により、絶縁膜95と重なる領域での正孔輸送層32と電子輸送層33(第2電極24)との距離は、第1電極23と重なる領域での正孔輸送層32と電子輸送層33(第2電極24)との距離よりも小さくなる。このため、絶縁膜95と重なる領域での正孔輸送層32の第3電位VBは、絶縁膜95と隣り合う一方の第1電極23(第1フォトダイオードPD-1)と重なる領域での正孔輸送層32の第1電位VLよりも高い電位となる。かつ、絶縁膜95と重なる領域での正孔輸送層32の第3電位VBは、絶縁膜95と隣り合う他方の第1電極23(第2フォトダイオードPD-2)と重なる領域での正孔輸送層32の第2電位VHよりも高い電位となる。例えば、第1電位VL、第2電位VH、第3電位VBの順に正孔輸送層32の電位が高くなる。
これにより、第1フォトダイオードPD-1及び第2フォトダイオードPD-2のいずれか一方に光が照射されることで、隣り合う第1電極23間で電位差が生じた場合(例えば、第1フォトダイオードPD-1の第1電位VLよりも第2フォトダイオードPD-2の第2電位VHが高い電位の場合)であっても、絶縁膜95と重なる領域での正孔輸送層32の第3電位VBは、第1電位VL及び第2電位VHよりも高い電位となる。このため絶縁膜95と重なる領域での正孔輸送層32が電位障壁として機能し、隣り合う第1電極23の間に流れるリーク電流を抑制することができる。
また、絶縁膜95により第1電極23の間の電位障壁が形成されるので、絶縁膜95を設けない場合に比べて、第1電極23の間隔W2を小さくすることができ、検出装置1の高精細化を図ることができる。また、絶縁膜95は、第1電極23の周縁部を覆って設けられる。すなわち、絶縁膜95は、有機絶縁膜94と第1電極23とで形成される段差部を覆って設けられる。これにより、絶縁膜95が設けられず、正孔輸送層32が有機絶縁膜94と第1電極23とで形成される段差部に倣って形成された場合に比べて、正孔輸送層32の段切れを抑制することができる。
なお、図9に示す絶縁膜95の幅W1及び高さは、説明を分かりやすくするために強調して示したものであり、絶縁膜95の幅W1及び高さは適宜変更することができる。例えば、図9では、絶縁膜95の断面形状を、半円形状で示しているが、あくまで模式的に示したものであり、絶縁膜95の上面が平坦に形成されていてもよい。また、図9は、第1方向Dxに隣り合う複数の第1電極23、及び、第1方向Dxに隣り合う複数の第1電極23の間に設けられた第1絶縁膜95aについて示しているが、図9についての説明は、第2方向Dyに隣り合う複数の第1電極23、及び、第2方向Dyに隣り合う複数の第1電極23の間に設けられた第2絶縁膜95bについても適用できる。つまり、1つの第1電極23を囲んで絶縁膜95が設けられ、1つの第1電極23を囲んで電位障壁が形成される。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る検出装置の、センサ部の拡大概略構成図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図10に示すように、第2実施形態に係る検出装置1Aは、さらにシールド配線25を有する。シールド配線25は、隣り合う第1電極23の間に設けられる。絶縁膜95はシールド配線25を覆って設けられる。すなわち、シールド配線25及び絶縁膜95は、いずれも格子状に設けられる。
より詳細には、シールド配線25は、複数の第1シールド配線25aと複数の第2シールド配線25bとが交差して格子状に形成される。複数の第1シールド配線25aは、第2方向Dyに延在する。複数の第2シールド配線25bは、第1方向Dxに延在する。複数の第1シールド配線25a及び複数の第2シールド配線25bは、第1電極23と離隔して設けられる。複数の第1電極23のそれぞれは、シールド配線25で区画された領域に配置される。
図11は、第2実施形態に係る検出装置の、第1電極、シールド配線、絶縁膜、フォトダイオード及び第2電極の積層構造を拡大して示す拡大概略断面図である。図11は、図10のX-X’断面図である。図11に示すように、シールド配線25は、複数の第1電極23と同層に、有機絶縁膜94の上に設けられる。シールド配線25は、複数の第1電極23と同じ材料(例えばITO)で形成される。あるいは、シールド配線25は、複数の第1電極23と異なる材料で形成されてもよい。
絶縁膜95は、隣り合う第1電極23の間に設けられ、シールド配線25を覆うとともに、第1電極23の周縁部を覆う。シールド配線25の幅W3は、隣り合う第1電極23の間隔W2よりも小さい。かつ、絶縁膜95の幅W1は、隣り合う第1電極23の間隔W2及びシールド配線25の幅W3よりも大きい。第2実施形態では、絶縁膜95は、無機材料(例えば、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜)で形成された無機絶縁膜である。ただし、絶縁膜95は、第1実施形態と同様に有機絶縁膜であってもよい。
フォトダイオードPDを形成する正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33は、複数の第1電極23、隣り合う第1電極23の間の絶縁膜95及びシールド配線25を覆って設けられる。シールド配線25の上に、絶縁膜95を介して正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33の順に積層される。
シールド配線25には、固定電位VCが供給される。固定電位VCは、シールド配線25と隣り合う一方の第1電極23(第1フォトダイオードPD-1)に供給される第1電位VLよりも高い。かつ、固定電位VCは、シールド配線25と隣り合う他方の第1電極23(第2フォトダイオードPD-2)に供給される第2電位VHよりも高い。例えば、第1電位VL、第2電位VH、固定電位VCの順に電位が高くなる。シールド配線25に供給される固定電位VCとして、例えば、フォトダイオードPDのカソードに供給されるセンサ電源信号VDDSNSと同じ電位を有する信号が供給される。この場合、固定電位VCは実質2.75Vである。すなわち、シールド配線25に供給される固定電位VCは、第2電極24の電位(センサ電源信号VDDSNS)以上である。
第2実施形態では、シールド配線25と重なる領域での正孔輸送層32の電位は、絶縁膜95及びシールド配線25と隣り合う一方の第1電極23(第1フォトダイオードPD-1)と重なる領域での正孔輸送層32の第1電位VLよりも、高い電位となる。かつ、シールド配線25と重なる領域での正孔輸送層32の電位は、絶縁膜95及びシールド配線25と隣り合う他方の第1電極23(第2フォトダイオードPD-2)と重なる領域での正孔輸送層32の第2電位VHよりも、高い電位となる。これにより、シールド配線25と重なる領域での正孔輸送層32が電位障壁として機能し、隣り合う第1電極23の間に流れるリーク電流を抑制することができる。
なお、シールド配線25に供給される固定電位VCは、センサ電源信号VDDSNSと異なる電位であってもよい。
(第2実施形態の変形例)
図12は、第2実施形態の変形例に係る検出装置の、第1電極、シールド配線、絶縁膜、フォトダイオード及び第2電極の積層構造を拡大して示す拡大概略断面図である。図12に示すように、第2実施形態の変形例に係る検出装置1Bにおいて、シールド配線25は、複数の第1電極23と異なる層に設けられる。シールド配線25は、複数の第1電極23よりもセンサ基材21側の層、すなわち、センサ基材21と複数の第1電極23が形成される層との間の層に設けられる。
より詳細には、シールド配線25は、有機絶縁膜94の上に設けられる。絶縁膜96は、シールド配線25を覆って有機絶縁膜94の上に設けられる。複数の第1電極23は絶縁膜96の上に設けられる。
フォトダイオードPDを形成する正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33は、複数の第1電極23を覆って絶縁膜96の上に設けられる。言い換えると、正孔輸送層32、活性層31及び電子輸送層33は、複数の第1電極23及び隣り合う第1電極23の間の絶縁膜96aを覆って設けられる。
本変形例では、シールド配線25の幅W3は、隣り合う第1電極23の間隔W2よりも大きい。すなわち、シールド配線25は複数の第1電極23と異なる層に設けられるので、上述した第2実施形態に比べて第1電極23の配置の制約が小さく、第1電極23の間隔W2を小さくできる。このため、第2実施形態の変形例に係る検出装置1Bは、検出の高精細化を図ることができる。
なお、本変形例においても、シールド配線25の幅W3は、隣り合う第1電極23の間隔W2よりも小さくてもよい。
また、図11及び図12では、第1方向Dxに隣り合う複数の第1電極23、及び、第1方向Dxに隣り合う複数の第1電極23の間に設けられた第1シールド配線25aについて示しているが、図11及び図12についての説明は、第2方向Dyに隣り合う複数の第1電極23、及び、第2方向Dyに隣り合う複数の第1電極23の間に設けられた第2シールド配線25bについても適用できる。つまり、1つの第1電極23を囲んでシールド配線25が設けられ、1つの第1電極23を囲んで電位障壁が形成される。
なお、上述した第1実施形態、第2実施形態及び変形例では、第1電極23がフォトダイオードPDのアノード電極であり、第2電極24がフォトダイオードPDのカソード電極である。ただし、これに限定されず、第1電極23がフォトダイオードPDのカソード電極であり、第2電極24がフォトダイオードPDのアノード電極であってもよい。この場合において、フォトダイオードPDは、センサ基材21に垂直な方向で、電子輸送層33(第1キャリア輸送層)、活性層31、正孔輸送層32(第2キャリア輸送層)の順に積層される。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。