JP7685404B2 - 耐熱性に優れる脂環式ポリカーボネート樹脂、樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
下記式(1)で表される構造単位:
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、各々独立して、水素原子、水酸基、リン酸基、炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のアラルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~30のシリル基、炭素数1~30のシリルアルコキシ基、炭素数1~11のエステル基、炭素数1~11のアシル基、又は、非置換の直鎖状、分岐状、若しくは環状の炭素数1~10のアルキル基であるか、又は
R1~R12は、それらが結合している炭素元素と一緒に、環状構造を形成していてもよく、前記環状構造においてR1~R12はアルキレン基又はカーボネート基を介して互いに結合しており、
前記アルキレン基は、水酸基、リン酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のエステル基、又は、非置換の直鎖状、分岐状、若しくは環状の炭素数1~10のアルキル基によって置換されていてもよく、
Xは非置換、一置換又は二置換のメチレン基であり、
nは0~2の整数である。)
を有する、ポリカーボネート樹脂。
[2]
R3、R4、R5、R8、R9、及びR10が、水素原子であり、nが、0又は1である、[1]に記載のポリカーボネート樹脂。
[3]
R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、及びR12が、水素原子であり、nが、0又は1である、[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂。
[4]
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、10,000以上500,000以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂。
[5]
示査走査熱量計により測定されるガラス転移温度(Tg)が、125℃以上200℃以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂と、酸化防止剤と、を含有する、ポリカーボネート樹脂組成物。
[7]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂、又は[6]に記載のポリカーボネート樹脂組成物を含有する、光学部品。
[8]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂、又は[6]に記載のポリカーボネート樹脂組成物の、光学部品用材料としての使用。
[9]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(2):
で表される環状カーボネートを、開環重合することにより、前記ポリカーボネート樹脂を得る重合工程を有する、製造方法。
[10]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(3):
で表されるエポキシドと、二酸化炭素とを反応させることにより、前記ポリカーボネート樹脂を得る重合工程を有する、製造方法。
本実施形態のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される構造単位を有する。
1~30のシリル基、炭素数1~11のエステル基、炭素数1~11のアシル基、及び、非置換の直鎖状、分岐状、若しくは環状の炭素数1~10のアルキル基からなる群より選択される1種以上の置換基である。同様の観点から、式(1)中、R1~R12は、より好ましくは、各々独立して、水素原子、水酸基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~30のシリル基、及び、非置換の直鎖状、分岐状、若しくは環状の炭素数1~10のアルキル基からなる群より選択される1種以上の置換基である。同様の観点から、式(1)中、R1~R12は、更に好ましくは、各々独立して、水素原子、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~30のシリル基、及び、非置換の直鎖状、分岐状、若しくは環状の炭素数1~10のアルキル基からなる群より選択される1種以上の置換基である。
他の構造単位としては、例えば、開環した環状カーボネート単位が挙げられる。より具体的には、他の構造単位としては、例えば下記式(X1)で表される構造単位が挙げられる。
本実施形態のポリカーボネート樹脂は、下記式(1-1)において、R13及びR14で表される末端構造を有すると好ましい。
本実施形態のポリカーボネート樹脂において、光弾性係数の絶対値は、10×10-12Pa-1以下であることが好ましい。光弾性係数の絶対値が上記範囲内であることにより、ポリカーボネート樹脂にひずみを加えた際の位相差変化を抑えることができるため、ポリカーボネート樹脂は一層低い複屈折性を示す傾向にある。同様の観点から、本実施形態のポリカーボネート樹脂の光弾性係数の絶対値は、より好ましくは8×10-12Pa-1以下であり、更に好ましくは5×10-12Pa-1以下である。また、光弾性係数の絶対値の下限は特に限定されず、0Pa-1であってもよい。ポリカーボネート樹脂の光弾性係数は、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。なお、本実施形態のポリカーボネート樹脂の光弾性係数を測定する際に用いる試験片は、150℃以上300℃以下でフィルム状に成形される。また、作製するフィルムの膜厚は、10μm以上1000μm以下であると好ましい。
本実施形態のポリカーボネート樹脂組成物は、上記のポリカーボネート樹脂と、酸化防止剤とを含有する。
本実施形態の光学部品は、上記のポリカーボネート樹脂又は上記のポリカーボネート樹脂組成物を含有する。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法は、下記式(2)で表される環状カーボネート(A1)を開環重合する工程を有する。
他の環状カーボネートの例として、例えば、式(X2)で表される環状カーボネート(A2)が挙げられる。
環状カーボネート(A1)、(A2)を開環重合するための重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、酸触媒、塩基触媒、及び酵素触媒が挙げられる。塩基触媒としては、特に限定されないが、例えば、アルキル金属、金属アルコキシド、金属アミド、金属有機酸塩、環状モノアミン及び環状ジアミン(特に、アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物)のような環状アミン、グアニジン骨格を有するトリアミン化合物、並びに窒素原子を含有する複素環式化合物が挙げられる。アルキル金属としては、特に限定されないが、例えば、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、及びフェニルリチウムのような有機リチウム、メチルマグネシウムハライド、エチルマグネシウムハライド、プロピルマグネシウムハライド、フェニルマグネシウムハライド、トリメチルアルミニウム、及びトリエチルアルミニウムが挙げられる。その中でも、好ましくはメチルリチウム、n-ブチルリチウム、又はsec-ブチルリチウムが用いられる。金属アルコキシド中の金属イオンとしては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンが挙げられ、好ましくはアルカリ金属である。アルコキシドイオンとしては、特に限定されないが、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、フェノキシド、及びベンジルオキシドが挙げられる。なお、フェノキシド、ベンジルオキシドについては、芳香環上に置換基を有していてもよい。金属アミドとしては、特に限定されないが、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、及びカリウムビス(トリメチルシリル)アミドが挙げられる。金属有機酸塩中の有機酸イオンとしては、特に限定されないが、例えば、炭素数1~10のカルボン酸イオンが挙げられる。金属有機酸塩中の金属としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、及びスズが挙げられる。また、塩基触媒としては、特に限定されないが、例えば、有機塩基が挙げられる。有機塩基としては、特に限定されないが、例えば、1,4-ジアザビシクロ-[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、イミダゾール、ピリミジン、プリン、及びホスファゼン塩基が挙げられる。本発明の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、本実施形態の重合開始剤は、好ましくはアルキル金属、金属アルコキシド、又は金属アミドであり、より好ましくは金属アルコキシド、又は金属アミドである。
得られるポリカーボネート樹脂の平均分子量を制御する観点から、上記重合開始剤に加えて、重合停止剤を用いてもよい。重合停止剤としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、リン酸、メタリン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、シュウ酸、酒石酸、メルドラム酸、及び安息香酸のような無機酸及び有機酸が挙げられる。
得られるポリマーの分子量を制御する観点、及び末端構造を制御することで種々の特性を発現させる観点から、上記重合開始剤に加えて、添加剤を用いてもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、5-ノルボルネン-2-メタノール、1-アダマンタノール、2-アダマンタノール、トリメチルシリルメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、及びp-メチルベンジルアルコールのようなモノアルコール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、及びポリエチレングリコールのようなジアルコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、及びトリエタノールアミンのような多価アルコール、並びに、乳酸メチル、及び乳酸エチルが挙げられる。また、上記の添加剤は一種類を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法において、重合工程における反応温度は、本実施形態のポリカーボネート樹脂を製造することができる範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは0℃以上150℃以下であり、より好ましくは0℃以上130℃以下であり、さらに好ましくは0℃以上120℃以下である。重合工程における反応温度が上記範囲内にあることで、得られるポリカーボネート樹脂の重量平均分子量を10,000以上500,000以下の範囲に制御することが一層容易になる。
本実施形態のポリカーボネート樹脂の製造方法では、溶媒を用いてもよく、用いなくてもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、及びプロピレングリコールノモノメチルエーテルアセテートのようなエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、及びトリクロロエタンのようなハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサンのような飽和炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、及びクレゾールのような芳香族炭化水素系溶媒、並びに、アセトン、2-ブタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、及びメチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒が挙げられる。
本実施形態のポリカーボネート樹脂は、下記式(3)で表されるエポキシド(C1)と二酸化炭素とを反応させることによっても製造することができる。
日本電子株式会社製NMR装置(製品名:ECZ400S)、及びTFHプローブを用いて、以下のようにNMR測定をすることで、ポリカーボネート樹脂の1H-NMRスペクトルを得た。なお、重溶媒の基準ピークは、クロロホルム-dを用いた場合は7.26ppmであるとし、積算回数は32回として測定を行った。
ポリカーボネート樹脂0.02gに対して、テトラヒドロフランを2.0gの割合で加えた溶液を測定試料とし、高速GPC装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC-8420GPC」)を用いて、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量を測定した。カラムとして、東ソー株式会社製のTSKガードカラムSuperH-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperH2000、及びTSKgel SuperH1000(いずれも東ソー株式会社製製品名)を直列に連結して用いた。カラム温度は40℃とし、テトラヒドロフランを移動相として、0.60mL/分の速度で分析した。検出器としては、RIディテクターを用いた。Polymer Standards Service製のポリスチレン標準試料(分子量:2520000、1240000、552000、277000、130000、66000、34800、19700、8680、3470、1306、370)を標準試料として、検量線を作成した。このようにして作成した検量線を基に、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。
後述の実施例及び比較例にて得られたポリカーボネート樹脂約5mgを測定試料とし、パーキンエルマージャパン株式会社製の示差走査熱量測定装置(製品名「DSC8500」)を用い、窒素ガス流量20mL/分の条件下、ガラス転移温度の測定を行った。より詳細には、例えば、実施例1の試料については、40℃で3分間保持した後、20℃/分で40℃から210℃まで1次昇温し、試料を完全に融解させた。その後、50℃/分で210℃から40℃まで降温し、40℃で5分間保持した。続いて、10℃/分で40℃から200℃まで2次昇温する際に描かれるDSC曲線の階段状変化部分曲線と各接線の延長線から縦軸方向に等距離にある直線とのとの交点(中間点ガラス転移温度)をガラス転移温度(Tg)とした。その他の実施例及び比較例の試料についても、同様にしてガラス転移温度を測定した。ガラス転移温度が高ければ高いほど耐熱性に優れるといえる。
まず、真空圧縮成形機を用いて、ポリカーボネート樹脂の未延伸試料を作製した。具体的には、下記のようにして作製した。ポリカーボネート樹脂を25~150μm厚のポリイミド製枠内に入れ、2枚のポリイミドフィルムと2枚のアルミ板及び2枚の鉄板で挟むことで、積層体を得た。このとき、積層体の積層順が、鉄板、アルミ板、ポリイミドフィルム、ポリイミド製枠、ポリイミドフィルム、アルミ板、鉄板のようになるように積層した。上記の積層体を真空圧縮成形機(神藤金属工業所製、SFV-30型)にセットし、表1に記載の所定の温度において、減圧下(10kPa)で10分間予熱した後、減圧条件を保持したまま、上記所定の温度において、プレス圧1~10MPaの条件で5分間圧縮した。減圧及びプレス圧を解除した後、上記圧縮した積層体を冷却用圧縮成形機(株式会社神藤金属工業所製、AYS-10型)に移して冷却固化させることにより、厚さ20~250μmのプレスフィルムを得た。得られたプレスフィルムを、23℃、湿度50%の恒温恒湿室内で24時間養生することにより、未延伸試料を得た。
上記100%一軸延伸フィルムを用いて、以下のようにして面内位相差及び配向複屈折率を測定した。まず、各延伸フィルムについて、王子計測機器製位相差測定装置(製品名「KOBRA-WR」)を用いて、波長587nmにおける面内位相差の絶対値を測定した。その後、得られた面内位相差の絶対値及び各延伸フィルムの厚さを用いて、配向複屈折率を算出した。得られた配向複屈折率を用いて、厚さ100μm換算の面内位相差の絶対値を算出した。なお、配向複屈折率、面内位相差の絶対値、厚さ100μm換算の面内位相差の絶対値、及び延伸フィルムの厚さは、以下の式(A)、(B)及び(C)を満たす。
Δn=nx-ny (A)
Re=Δn×d (B)
Re100(nm)=Δn×1.0×105 (C)
(Δn:配向複屈折率、nx:伸張方向の屈折率、ny:試料面内で伸張方向と垂直な方向の屈折率、Re:面内位相差の絶対値、Re100:厚さ100μm換算の面内位相差の絶対値、d:延伸フィルムの厚さ)
上記で得た未延伸試料を幅6mm、長さ50mmに切り出したものを試料として用いて、以下のようにして光弾性係数を測定した。なお、測定方法の詳細は、Polymer Engineering and Science 1999, 39,2349-2357を参照した。具体的には、以下のとおりである。上記の試料を、23℃、湿度50%の恒温恒湿室に設置したフィルム引張り装置(井元製作所製)に、チャック間が20mmになるように配置した。次いで、複屈折測定装置(大塚電子製、製品名「RETS-100」)の光経路が上記試料の中心部に位置するように、上記複屈折測定装置を配置した。チャック間を40mm、チャック移動速度を0.1mm/分として、伸張応力をかけながら、波長550nmで試験片の複屈折率を測定した。測定された複屈折率と伸張応力との関係から、最小二乗法を用いて、光弾性係数(Pa-1)を計算した。計算には、伸張応力σが2.5MPa≦σ≦10MPaであるデータを用いた。なお、複屈折率、伸張応力、及び光弾性係数は、以下の式(D)及び(E)を満たす。
Δn=nx-ny (D)
C=Δn/σ (E)
(Δn:複屈折率、nx:伸張方向の屈折率、ny:試料面内で伸張方向と垂直な方向の屈折率、C:光弾性係数、σ:伸張応力)
上記で得た未延伸試料を用いて屈折率の測定をメトリコン社製プリズムカプラ(モデル2010)にて23℃の恒温恒湿環境において行った。屈折率を求める波長は以下の3波長(532.0nm、632.8nm、824.0nm)で行い、代表値として波長632.8nmにおける屈折率を表1に示す。
(4,5-エポキシ-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン)
アルゴン気流下、2L四口フラスコに、トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカ-4-エン(24.1g、162.4mmol)、炭酸水素ナトリウム(14.7g、175.4mmol)、クロロホルム(770mL)を加え、撹拌翼を用いて、メカニカルスターラーで撹拌した。反応溶液を氷浴に浸漬させて冷却した。m-クロロ過安息香酸(45.6g、185.2mmol)を3回に分けて添加した。添加終了後、氷水に浸漬させたまま、徐々に室温まで昇温した。19時間撹拌後、反応溶液を減圧濾過し、濾物をクロロホルム(500mL×3)でリンスした。ろ液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(500mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)、飽和食塩水(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層をエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をアミノシリカゲル318gを用いてカラムクロマトグラフィーを行い、無色透明液体(25.6g)の目的物を得た。
(4,5-ジヒドロキシ-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン)
500mL四口フラスコに、4,5-エポキシ-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン(25.2g、6.09mmol)、イオン交換水(250mL)、撹拌子を入れ、マグネチックスターラーで撹拌した。反応溶液をオイルバスに浸漬させ、外温100℃まで加熱した。18時間撹拌後、反応溶液をエバポレーターを用いて減圧濃縮し、アセトニトリルで3回共沸することで、白色固体(25.0g)の目的物を得た。
(4,5-カルボナト-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン(TCUC))
アルゴン気流下、500mL四口フラスコに4,5-ジヒドロキシ-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン(20.0g、110.0mmol)、脱水テトラヒドロフラン(200mL)を加え、撹拌翼を用いてメカニカルスターラーで撹拌した。反応溶液を塩氷浴に浸漬させて冷却した。クロロギ酸エチル(23.8g、219.1mmol)をゆっくりと添加した。トリエチルアミン(29.9g、295.8mmol)を脱水トルエン(65mL)に希釈し、滴下漏斗でゆっくりと滴下した。室温で18時間撹拌後、桐山漏斗にシリカゲル40gを充填し、反応溶液をゆっくり注ぎ込んだ。通液後、濾物をテトラヒドロフラン/トルエン(2/1)(200mL×5)でリンスし、ろ液をエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物をクロロホルム(250mL)に溶解させ、イオン交換水(250mL)を加えて撹拌した後、有機層を回収した。回収した有機層をイオン交換水(250mL)で洗浄し、洗浄後の有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。ろ液をエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮物を再度クロロホルム(46mL)に溶解させ、氷冷したヘプタン(460mL)中にゆっくりと滴下した。30分撹拌後、析出した固体を減圧濾過で回収後、40℃で48時間減圧乾燥し、白色固体(15.1g)の目的物を得た。
50mL三口フラスコへ、4,5-カルボナト-トリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン(以下、TCUCとも表記する。)(2.65g、12.8mmol)を量り取って、フラスコ内を窒素で置換した。フラスコ内へ脱水m-キシレン(11.2g)を添加した後、フラスコをオイルバスに浸して内温を60℃に加熱し、マグネチックスターラー用いて撹拌してモノマーを完全に溶解させた。別途、乾燥させた30mLシュレンク管へ、カリウムtert-ブトキシド溶液(1.0M、0.30mL、0.30mmol)を量り取り、脱水m-キシレン(2.70mL)で希釈して開始剤溶液を調製した。モノマー溶液を撹拌しながら、調製した開始剤溶液0.98mLを加え、60℃で3時間撹拌した。酢酸0.0213gを加えて反応を停止させた(重合液)。重合液を一部サンプリングしてクロロホルム-dで希釈したサンプルについて1H-NMRスペクトルを測定し、3.9~4.1ppmのモノマー由来のピークと4.5~5.1ppmのポリマー由来のピークの積分強度比から、モノマー転化率を95%と算出した。
重合開始剤の量を0.10mol%とした以外は実施例1と同様の方法で重合反応を行った。得られたホモポリマーのMwは136000、ガラス転移温度は166℃であった。
撹拌翼を取り付けた50mLセパラブルフラスコを窒素で置換した後、事前にモレキュラーシーブ4Aを用いて脱水処理したTCUCのm-キシレン溶液(49.8g;20wt%TCUC、47.7mmol)を量り取って添加し、フラスコを水浴に浸して内温を25℃とした。別途、乾燥させた30mLシュレンク管へ、カリウムtert-ブトキシド溶液(1.0M、0.49mL、0.49mmol)、ベンジルアルコール(0.11g、0.98mmol)を量り取り、脱水m-キシレン(4.30mL)で希釈して開始剤溶液を調製した。モノマー溶液を撹拌しながら、調製した開始剤溶液0.18mLを加え、25℃で5分間撹拌した。酢酸(0.0087g)を加えて反応を停止させた(重合液)。
モノマーとしてTCUC9mol%、trans-シクロヘキセンカーボネート(以下、t-CHCとも表記する。)91mol%を用い、重合開始剤の量を0.20mol%とした以外は実施例1と同様の方法で重合反応を行った。得られたコポリマーのMwは51000、ガラス転移温度は128℃であった。
モノマーとしてTCUC20mol%、t-CHC80mol%を用い、重合開始剤の量を0.10mol%とした以外は実施例4と同様の方法で重合反応を行った。得られたコポリマーのMwは73000、ガラス転移温度は138℃であった。
撹拌翼を取り付けた50mLセパラブルフラスコを窒素で置換した後、事前にモレキュラーシーブ4Aを用いて脱水処理したTCUCのm-キシレン溶液(28.3g;20wt%TCUC、27.1mmol)、t-CHC(3.89g、27.4mmol)、脱水m-キシレン(15.7g)を量り取って添加し、フラスコを水浴に浸して内温を25℃とした。別途、乾燥させた30mLシュレンク管へ、カリウムtert-ブトキシド溶液(1.0M、0.30mL、0.30mmol)を量り取り、脱水m-キシレン(2.70mL)で希釈して開始剤溶液を調製した。モノマー溶液を撹拌しながら、調製した開始剤溶液0.52mLを加え、25℃で40分間撹拌した。酢酸(0.00157g)を加えて反応を停止させた(重合液)。
脱水処理したTCUCのm-キシレン溶液(38.8g;20wt%TCUC、37.2mmol)、t-CHC(1.37g、9.64mmol)、脱水m-キシレン(5.18g)を用いた以外は実施例6と同様の方法で重合反応を行った。得られたコポリマーのMwは85000、ガラス転移温度は166℃であった。
50mLセパラブルフラスコへ、t-CHC(10.1g、70.8mmol)を加え、フラスコ内を窒素で置換した。フラスコ内へm-キシレン(40.1g)を加え、フラスコをオイルバスに浸し、内温が60℃となるように加熱しながら、メカニカルスターラーと撹拌翼とを用いて撹拌し、モノマーを完全に溶解させた。別途、乾燥させた30mLシュレンク管へ、カリウムtert-ブトキシド溶液(1.0M、0.37mL、0.37mmol)とベンジルアルコール(0.0796g、0.74mmol)を量り取り、m-キシレン3.3mLで希釈して開始剤溶液を調製した。モノマー溶液を撹拌しながら、調製した開始剤溶液0.26mLを一度に加え、60℃で3時間撹拌した。酢酸0.0072gを加えて反応を停止させた(重合液)。
続いて、メタノール不溶分の評価のため、次のようにして再沈殿操作を行った。前記重合液を0.59gサンプリングし、m-キシレン1.51gを加えて希釈した。希釈液をメタノール21.1g中へ加えてポリマーを析出させた。析出させたポリマーを減圧濾過によって回収し、得られたポリマーを130℃で2時間真空乾燥させ、ホモポリマーを得た。得られたポリマーのMwは68000、ガラス転移温度は120℃であった。
Claims (9)
- 下記式(1)で表される構造単位:
(式(1)中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、水素原子であり、
Xは非置換、一置換又は二置換のメチレン基であり、
nは0~2の整数である。)
を有する、ポリカーボネート樹脂。 - nが、0又は1である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
- サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、10,000以上500,000以下である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂。
- 示査走査熱量計により測定されるガラス転移温度(Tg)が、125℃以上200℃以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂と、酸化防止剤と、を含有する、ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂、又は請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物を含有する、光学部品。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂、又は請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物の、光学部品用材料としての使用。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(2):
(式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、X、及びnは、前記式(1)で定義した通りである。)
で表される環状カーボネートを、開環重合することにより、前記ポリカーボネート樹脂を得る重合工程を有する、製造方法。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法であって、下記式(3):
(式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、X、及びnは、前記式(1)で定義した通りである。)
で表されるエポキシドと、二酸化炭素とを反応させることにより、前記ポリカーボネート樹脂を得る重合工程を有する、製造方法。
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