JP7686466B2 - ジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体 - Google Patents
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Description
<1> 活性フィラーと、塩基と、水と、高炉スラグ細骨材と、オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含むジオポリマー組成物。
<2> 前記オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及び前記オキシアルキレン基を有するグリコール系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、<1>に記載のジオポリマー組成物。
<3> 前記活性フィラーがフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末の少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載のジオポリマー組成物。
<4> <1>~<3>のいずれか1つに記載のジオポリマー組成物の硬化物であるジオポリマー硬化体。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示のジオポリマー組成物は、スラリー、フレッシュ等と呼ばれる状態の組成物であり、本開示のジオポリマー組成物が硬化して本開示のジオポリマー硬化体が得られる。
特定の理論に拘束されるものではないが、高炉スラグ細骨材に含まれる成分が活性フィラーと同様の反応性を示すので、高炉スラグ細骨材の表面がジオポリマー構造の一部となり、その結果、高炉スラグ細骨材とペースト部との結合が強固になり、細骨材に天然砂を使用した場合に比較して、中性化が抑制されるものと推測される。
活性フィラーは、一般的には、珪酸アルミニウムを主成分とする粉体である。
活性フィラーとしては、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、メタカオリン、シリカフューム、ゼオライト微粉末、ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、下水汚泥溶融スラグ微粉末、火山灰、もみ殻灰、流動床石炭灰、製紙スラッジ焼却灰、及びこれらの少なくとも2種の混合物が挙げられる。
FAとしては、例えば、JIS A6201:2015に規定されるI種、II種、III種及びIV種が挙げられる。
BFSとしては、例えば、JIS A6206:2013に規定される高炉スラグ微粉末3000、4000、6000及び8000が挙げられる。
塩基は、本技術分野において、アルカリ活性剤、アルカリ刺激剤などとも呼ばれる。
塩基は、一般的には、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
塩基として、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
塩基に由来する金属イオン(例えば、Na+、K+)の少なくとも一部は、ジオポリマー構造の間に保持されると考えられる。
換言すると、活性フィラーと塩基と水とを含むジオポリマー組成物は、活性フィラーとアルカリ溶液とを混合してなるジオポリマー組成物である。
高炉スラグ細骨材としては、JIS A5011-1:2018「コンクリート用スラグ骨材-第1部:高炉スラグ骨材」の規格に適合する物品が好ましい。
本開示のジオポリマー組成物において、細骨材全体に占める高炉スラグ細骨材の質量割合は、例えば、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、100質量%である。
本開示のジオポリマー組成物は、高炉スラグ細骨材以外のその他の骨材を含んでいてもよい。その他の骨材としては、ジオポリマーモルタル若しくはコンクリート又はセメントモルタル若しくはコンクリートにおいて従来用いられる各種の細骨材及び粗骨材が挙げられる。
粗骨材としては、例えば、安山岩、流紋岩、硬質砂岩、石灰石などを破砕した砕石、川砂利、山砂利、陸砂利、高炉スラグ粗骨材、コンクリート廃材由来の再生粗骨材が挙げられる。
これら骨材の種類と含有量は、ジオポリマー硬化体の目標とする力学的強度に応じて選択すればよい。
オキシアルキレン基を有する化学混和剤(オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物質)は、ジオポリマー硬化体において中性化抑制作用を示す。
本開示のジオポリマー組成物においてオキシアルキレン基を有する化学混和剤の含有率は、ジオポリマー硬化体の圧縮強度を担保する観点から、活性フィラーの総量に対して、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。
R4において、カルボキシ基(-COOH)の炭素原子は多価カルボン酸の炭素原子数に含めない。
[H-(OA4)n4-O-]rR10[-O-(A5O)n5-C(=O)-R11]s
n1、n2、n5がそれぞれ2以上の場合、(A1O)n1、(A2O)n2、(A5O)n5はそれぞれ、1種のアルキレンオキサイド基の鎖でもよく、2種以上のアルキレンオキサイド基の鎖でもよく、2種以上のアルキレンオキサイド基の鎖はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
n3、n4がそれぞれ2以上の場合、(OA3)n3、(OA4)n4はそれぞれ、1種のオキシアルキレン基の鎖でもよく、2種以上のオキシアルキレン基の鎖でもよく、2種以上のオキシアルキレン基の鎖はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
炭素原子数1~30のアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン等が挙げられ、その構造は直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
炭素原子数2~30のアルケンとしては、例えば、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、エイコセン、ヘンエイコセン、ドコセン、トリコセン、テトラコセン、ペンタコセン、ヘキサコセン、ヘプタコセン、オクタコセン、ノナコセン、トリアコンテン等が挙げられ、その構造は直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
R1が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
R2が水素原子、炭素原子数1~24のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)、炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は-C(=O)-R3基であり、R3が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
A1Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n1が1~100又は1~50である。
R4が炭素原子数2~10の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(k+m)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
kが0又は1であり、mが1又は2であり、
R5が炭素原子数1~10のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
A2Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n2が1~100又は1~50である。
R6が炭素原子数2~10の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(p+q)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ。当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい)であり、
p及びqが、1≦p≦4、1≦q≦4、且つ2≦p+q≦6の関係を満たし、
R7が水素原子であり、
R8が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、好ましくは炭素原子数10~18のアルキル基又は炭素原子数10~18アルケニル基であり、
OA3がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、
n3が1~100、1~80又は5~80である。
R10が炭素原子数2~10の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(r+s)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ。当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい)であり、
r及びsが、1≦r≦4、1≦s≦4、且つ2≦r+s≦6の関係を満たし、
R11が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、好ましくは炭素原子数10~18のアルキル基又は炭素原子数10~18アルケニル基であり、
OA4がオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、
n4が1~100、1~80又は5~80であり、
A5Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n5が1~100、1~80又は5~80であり、
n4+n5が20~80である。
R12が水素原子又はメチル基であり、
R13が水素原子又はメチル基であり、
nが2~15の整数又は2~10の整数である。
本開示のジオポリマー組成物は、オキシアルキレン基を有する化学混和剤以外のその他の化学混和剤を含有していてもよい。その他の化学混和剤としては、ジオポリマーモルタル若しくはコンクリート又はセメントモルタル若しくはコンクリートにおいて従来用いられる各種の化学混和剤が挙げられる。
本開示のジオポリマー組成物は、既述の各材料を混合して得られる。各材料の混合は、例えばミキサーを用いた練り混ぜにより実施する。
本開示のジオポリマー硬化体は、本開示のジオポリマー組成物を硬化させることで得られる。具体的には、ジオポリマー組成物を型枠内に投入し硬化させてジオポリマー硬化体を得る。型枠内に投入されたジオポリマー組成物に対して、常法に従い脱泡などの処理を行ってもよい。型枠内に投入されたジオポリマー組成物は、一般的には、脱水をともなう縮重合反応によって硬化して硬化体を形成する。
ジオポリマー組成物の材料として下記を用意した。
(1)活性フィラー
・高炉スラグ微粉末(BFS):密度2.91g/cm3、粉末度4220cm2/g
・フライアッシュ(FA):密度2.28g/cm3、粉末度3670cm2/g
(2)アルカリ溶液
・珪酸ナトリウム溶液(WG):珪酸ソーダ2号、密度1.50g/cm3
・水酸化ナトリウム水溶液(NH):モル濃度10mol/l、密度1.33g/cm3
・水(W):水道水
(3)細骨材
・高炉スラグ細骨材(BFSS):絶乾密度2.76g/cm3、吸水率0.58%
・標準砂(SS):絶乾密度2.64g/cm3、吸水率0.42%
(4)オキシアルキレン基を有する化学混和剤(CA):ポリエーテル系化合物、主たる化合物はHO-(CH2CH2O)9-H、重量平均分子量400、密度0.93g/cm3、東邦化学工業株式会社
ジオポリマー組成物としてジオポリマーモルタルを製造した。
表1に記載のとおり材料を調合し、さらに、CAを表2に記載の添加率(質量%)で添加し、モルタルミキサーで3分間練混ぜてジオポリマー組成物を作製した。CAは活性フィラー量(BFSとFAの合計量)に対する質量%を外割りで添加した。
(1)中性化深さ
40mm×40mm×160mmの試験体を材齢4週まで温度20±2℃で封緘養生し、脱型後、温度20±2℃且つ湿度60±5%の環境下で4週間保管した。次いで、温度20±2℃且つ湿度60±5%且つ二酸化炭素濃度5±0.2%の環境下に保管した。中性化深さ(mm)はJIS A1152:2018を参考に測定した。試験体の寸法により、中性化深さの最大値は20mmである。表2に測定結果を示す。
直径50mm×長さ100mmの型枠を用いて試験体を作製し、温度20±2℃で所定の材齢まで封緘養生した。圧縮試験はJIS A1108:2018に準拠し、材齢1週と材齢4週に実施した。表2に試験結果を示す。
Claims (4)
- 活性フィラーと、アルカリ活性剤と、水と、
高炉スラグ細骨材と、
オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含み、
細骨材全体に占める前記高炉スラグ細骨材の質量割合が30質量%~100質量%であり、
前記オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及び前記オキシアルキレン基を有するグリコール系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、
ジオポリマー組成物。 - 前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物を含み、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、請求項1に記載のジオポリマー組成物。
- 前記活性フィラーがフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末の少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー組成物。
- 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のジオポリマー組成物の硬化物であるジオポリマー硬化体。
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