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JP7686466B2 - ジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体 - Google Patents
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JP7686466B2 - ジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体 - Google Patents

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Description

本開示は、ジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体に関する。
特許文献1には、オキシアルキレン基を有するエステル系化合物であるジオポリマー用収縮低減剤と、当該収縮低減剤を含むジオポリマー形成組成物及びジオポリマー硬化体とが開示されている。
特許文献2には、グリコールエーテル系化合物であるジオポリマー用収縮低減剤と、当該収縮低減剤を含むジオポリマー形成組成物及びジオポリマー硬化体とが開示されている。
特許文献3には、オキシアルキレンアルキルエーテル系化合物である収縮低減剤及び脂肪族オキシカルボン酸系化合物である収縮低減助剤を含むジオポリマー用混和剤と、当該混和剤を含むジオポリマー形成組成物及びジオポリマー硬化体とが開示されている。
特許文献4には、フライアッシュ及び高炉スラグを含む活性フィラーと、珪酸ナトリウム及び/又は水酸化ナトリウムを含むアルカリ溶液と、セメント鉱物系膨張材とを含むジオポリマー組成物が開示されている。
特開2017-202963号公報 特開2018-150195号公報 特開2017-202964号公報 特開2020-055696号公報
ジオポリマー硬化体について、硬化当初はアルカリ性を示すこと及び中性化することが報告されており、ジオポリマー硬化体の中性化は炭酸化によるものと考えられている。
本開示は、得られる硬化体の中性化速度が遅いジオポリマー組成物と、中性化速度が遅いジオポリマー硬化体とを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 活性フィラーと、塩基と、水と、高炉スラグ細骨材と、オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含むジオポリマー組成物。
<2> 前記オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及び前記オキシアルキレン基を有するグリコール系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、<1>に記載のジオポリマー組成物。
<3> 前記活性フィラーがフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末の少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載のジオポリマー組成物。
<4> <1>~<3>のいずれか1つに記載のジオポリマー組成物の硬化物であるジオポリマー硬化体。
本開示によれば、得られる硬化体の中性化速度が遅いジオポリマー組成物と、中性化速度が遅いジオポリマー硬化体とが提供される。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<ジオポリマー組成物>
本開示のジオポリマー組成物は、スラリー、フレッシュ等と呼ばれる状態の組成物であり、本開示のジオポリマー組成物が硬化して本開示のジオポリマー硬化体が得られる。
本開示のジオポリマー組成物は、活性フィラーと、塩基と、水と、高炉スラグ細骨材と、オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含む。
本開示において、オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物質を「オキシアルキレン基を有する化学混和剤」と総称する。
本開示の発明者は、ジオポリマーモルタル又はジオポリマーコンクリートの細骨材を天然砂から高炉スラグ細骨材へ置換することによって、硬化体の中性化が抑制されることを見出した。
特定の理論に拘束されるものではないが、高炉スラグ細骨材に含まれる成分が活性フィラーと同様の反応性を示すので、高炉スラグ細骨材の表面がジオポリマー構造の一部となり、その結果、高炉スラグ細骨材とペースト部との結合が強固になり、細骨材に天然砂を使用した場合に比較して、中性化が抑制されるものと推測される。
さらに本開示の発明者は、オキシアルキレン基を有する化学混和剤がジオポリマー硬化体の中性化抑制作用を有することを見出した。オキシアルキレン基を有する化学混和剤は、ジオポリマーモルタル又はジオポリマーコンクリートにおいて収縮低減作用を示すことは知られていたが(例えば、特許文献1及び2)、ジオポリマーモルタル又はジオポリマーコンクリートにおいて中性化抑制作用を示すことはこれまで知られていなかった。
以下、本開示のジオポリマー組成物を構成する材料を詳細に説明する。
[活性フィラー]
活性フィラーは、一般的には、珪酸アルミニウムを主成分とする粉体である。
活性フィラーとしては、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、メタカオリン、シリカフューム、ゼオライト微粉末、ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、下水汚泥溶融スラグ微粉末、火山灰、もみ殻灰、流動床石炭灰、製紙スラッジ焼却灰、及びこれらの少なくとも2種の混合物が挙げられる。
活性フィラーの実施形態の一例として、フライアッシュ(FA)と高炉スラグ微粉末(BFS)との混合物が挙げられる。FAを含むジオポリマー組成物は、流動性及び作業性に優れる傾向がある。BFSを含むジオポリマー組成物は、硬化体の圧縮強度が高い傾向がある。FAとBFSとを混合することにより、流動性、作業性及び力学的強度のバランスのよいジオポリマー硬化体が得られる。
FAの品質(例えば、密度、粉末度)、BFSの品質(例えば、密度、粉末度)、及びFAとBFSの混合比は、制限されるものではなく、目標とする、流動性、作業性、可使時間、凝結時間、細孔構造、力学的強度などに応じて選択すればよい。
FAとしては、例えば、JIS A6201:2015に規定されるI種、II種、III種及びIV種が挙げられる。
BFSとしては、例えば、JIS A6206:2013に規定される高炉スラグ微粉末3000、4000、6000及び8000が挙げられる。
[塩基と水]
塩基は、本技術分野において、アルカリ活性剤、アルカリ刺激剤などとも呼ばれる。
塩基は、一般的には、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
塩基として、具体的には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
塩基としてアルカリ金属珪酸塩を用いた場合、塩基に含まれていた珪素原子の少なくとも一部は、ジオポリマー構造に取り込まれると考えられる。
塩基に由来する金属イオン(例えば、Na、K)の少なくとも一部は、ジオポリマー構造の間に保持されると考えられる。
水は、活性フィラーに含まれる成分及び塩基が溶出又はイオン化する場であり、そして、縮重合反応によってジオポリマー構造が形成される反応の場である。
ジオポリマー組成物に含まれる塩基と水とは、一般的に、アルカリ溶液に由来する。すなわち、活性フィラーとアルカリ溶液とを混合することによって、ジオポリマー組成物に塩基と水とが含まれる。
換言すると、活性フィラーと塩基と水とを含むジオポリマー組成物は、活性フィラーとアルカリ溶液とを混合してなるジオポリマー組成物である。
ジオポリマー組成物の形成に用いるアルカリ溶液として、具体的には、珪酸ナトリウム溶液(珪酸ナトリウムの水ガラス)、珪酸カリウム溶液(珪酸カリウムの水ガラス)、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及びこれらの少なくとも2種の混合液が挙げられる。作業性の確保の観点から、さらに水を混合してもよい。
ジオポリマー組成物の形成に用いるアルカリ溶液の種類及び濃度は、塩基の反応性の高低に基づく可使時間の確保、硬化後の力学的強度などに応じて選択すればよい。
アルカリ溶液の実施形態の一例は、珪酸ナトリウム溶液(珪酸ナトリウムの水ガラス)と水酸化ナトリウム水溶液との混合液である。
[高炉スラグ細骨材]
高炉スラグ細骨材としては、JIS A5011-1:2018「コンクリート用スラグ骨材-第1部:高炉スラグ骨材」の規格に適合する物品が好ましい。
高炉スラグ細骨材は、例えば、粒度、密度、吸水率、これらの組み合わせによって区分し、ジオポリマー硬化体の目標とする力学的強度に応じて区分を選択して使用すればよい。
本開示のジオポリマー組成物は、高炉スラグ細骨材以外のその他の細骨材を含んでいてもよい。
本開示のジオポリマー組成物において、細骨材全体に占める高炉スラグ細骨材の質量割合は、例えば、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、100質量%である。
[その他の骨材]
本開示のジオポリマー組成物は、高炉スラグ細骨材以外のその他の骨材を含んでいてもよい。その他の骨材としては、ジオポリマーモルタル若しくはコンクリート又はセメントモルタル若しくはコンクリートにおいて従来用いられる各種の細骨材及び粗骨材が挙げられる。
高炉スラグ細骨材以外のその他の細骨材としては、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、珪砂、砕砂、石灰砕砂、コンクリート廃材由来の再生細骨材が挙げられる。
粗骨材としては、例えば、安山岩、流紋岩、硬質砂岩、石灰石などを破砕した砕石、川砂利、山砂利、陸砂利、高炉スラグ粗骨材、コンクリート廃材由来の再生粗骨材が挙げられる。
これら骨材の種類と含有量は、ジオポリマー硬化体の目標とする力学的強度に応じて選択すればよい。
[オキシアルキレン基を有する化学混和剤]
オキシアルキレン基を有する化学混和剤(オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物質)は、ジオポリマー硬化体において中性化抑制作用を示す。
本開示のジオポリマー組成物においてオキシアルキレン基を有する化学混和剤の含有率は、ジオポリマー硬化体の中性化を抑制する観点から、活性フィラーの総量に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることが更に好ましく、2質量%以上であることが更に好ましい。
本開示のジオポリマー組成物においてオキシアルキレン基を有する化学混和剤の含有率は、ジオポリマー硬化体の圧縮強度を担保する観点から、活性フィラーの総量に対して、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。
オキシアルキレン基を有する化学混和剤の具体例として、下記の式(1)で示される化学物質、式(2)で示される化学物質、式(3)で示される化学物質、式(4)で示される化学物質及び式(5)で示される化学物質が挙げられる。
式(1) R-C(=O)-O-(AO)n1-R
式(1)中、Rは炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基であり、AOは炭素原子数2~4の2価のアルキレンオキサイド基であり、n1はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1~200の数であり、Rは水素原子、炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基又は-C(=O)-R基であり、Rは炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基である。
式(2) [HO-C(=O)-][-C(=O)-O-(AO)n2-R
式(2)中、Rは炭素原子数1~30の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシ基を除いた残基、又は単結合であり、k及びmは、0≦k≦5、1≦m≦6、且つ2≦k+m≦6の関係を満たす整数であり、AOは炭素原子数2~4の2価のアルキレンオキサイド基であり、n2はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1~200の数であり、Rは水素原子、炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基である。
において、カルボキシ基(-COOH)の炭素原子は多価カルボン酸の炭素原子数に含めない。
式(3) [R-(OAn3-O-][-O-C(=O)-R
式(3)中、Rは炭素原子数2~30の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、Rは水素原子又は-O-C(=O)-R基であり、OAは炭素原子数2~4の2価のオキシアルキレン基であり、n3はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1~200の数であり、Rは炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基であり、Rは炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基であり、p及びqは、1≦p≦7、1≦q≦7、且つ2≦p+q≦8の関係を満たす整数である。
式(4)
[H-(OAn4-O-]10[-O-(AO)n5-C(=O)-R11
式(4)中、R10は炭素原子数2~30の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、OAは炭素原子数2~4の2価のオキシアルキレン基であり、n4はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1~200の数であり、R11は炭素原子数1~30のアルキル基又は炭素原子数2~30のアルケニル基であり、AOは炭素原子数2~4の2価のアルキレンオキサイド基であり、n5はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1~200の数であり、r及びsは、0≦r≦7、1≦s≦8、且つ2≦r+s≦8の関係を満たす整数である。
式(1)~(4)中のR、R、R、R、R、R、R11がそれぞれ炭素原子数1~30のアルキル基であるとき、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、又はトリアコンチル基であり、炭素原子数3以上のアルキル基は、直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
式(1)~(4)中のR、R、R、R、R、R、R11がそれぞれ炭素原子数2~30のアルケニル基であるとき、例えば、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、又はトリアコンテニル基であり、炭素原子数3以上のアルケニル基は、直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
式(1)、式(2)又は式(4)中のAO、AO、AOはそれぞれ、炭素原子数2~4の2価のアルキレンオキサイド基であり、具体的にはそれぞれ、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基であり、プロピレンオキサイド基又はブチレンオキサイド基であるとき、直鎖、分岐状、環状のいずれでもよい。
n1、n2、n5がそれぞれ2以上の場合、(AO)n1、(AO)n2、(AO)n5はそれぞれ、1種のアルキレンオキサイド基の鎖でもよく、2種以上のアルキレンオキサイド基の鎖でもよく、2種以上のアルキレンオキサイド基の鎖はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
式(3)又は式(4)中のOA、OAはそれぞれ、炭素原子数2~4の2価のオキシアルキレン基であり、具体的にはそれぞれ、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基であり、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基であるとき、直鎖、分岐状、環状のいずれでもよい。
n3、n4がそれぞれ2以上の場合、(OAn3、(OAn4はそれぞれ、1種のオキシアルキレン基の鎖でもよく、2種以上のオキシアルキレン基の鎖でもよく、2種以上のオキシアルキレン基の鎖はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
式(2)中のRにおける炭素原子数1~30の(k+m)価の多価カルボン酸は、炭素原子数3以上のとき直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよく、炭素原子数2以上のとき不飽和二重結合を含んでいてもよく、同一炭素原子に複数個のカルボキシ基が結合していてもよい。炭素原子数1~30の(k+m)価の多価カルボン酸は、2≦k+m≦6であるから2~6個のカルボキシ基を有する多価カルボン酸であり、例えば、脂肪族ポリカルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタル酸、アゼライン酸);芳香族ポリカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸);脂環式ポリカルボン酸(例えば、シクロヘキサン1,4-ジカルボン酸);が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数2~12の脂肪族ポリカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸又はフマル酸がより好ましい。
としては、炭素原子数1~30の(k+m)価の炭化水素基が好ましい。
式(3)中のRにおける炭素原子数2~30の(p+q)価の多価アルコールは、炭素原子数3以上のとき直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよく、炭素原子数2以上のとき不飽和二重結合を含んでいてもよく、同一炭素原子に複数個のヒドロキシ基が結合していてもよい。炭素原子数2~30の(p+q)価の多価アルコールは、2≦p+q≦8であるから2~8個のヒドロキシ基を有する多価アルコールであり、例えば、2価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール);3~5価の多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン);糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、グルコース、フルクトース、メチルグリコシド);が挙げられる。これらの中でも、3~5価の多価アルコール又は糖類が好ましく、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール又はショ糖がより好ましい。
としては、炭素原子数2~30の(p+q)価の炭化水素基が好ましく、当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい。
式(4)中のR10における炭素原子数2~30の(r+s)価の多価アルコールは、炭素原子数3以上のとき直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよく、炭素原子数2以上のとき不飽和二重結合を含んでいてもよく、同一炭素原子に複数個のヒドロキシ基が結合していてもよい。炭素原子数2~30の(r+s)価の多価アルコールは、2≦r+s≦8であるから2~8個のヒドロキシ基を有する多価アルコールであり、例えば、2価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール);3~5価の多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン);糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、グルコース、フルクトース、メチルグリコシド);が挙げられる。これらの中でも、3~5価の多価アルコール又は糖類が好ましく、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール又はショ糖がより好ましい。
10としては、炭素原子数2~30の(r+s)価の炭化水素基が好ましく、当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい。
炭素原子数1~30の(k+m)価の炭化水素基、炭素原子数2~30の(p+q)価の炭化水素基、炭素原子数2~30の(r+s)価の炭化水素基としてはそれぞれ、例えば、炭素原子数1~30のアルカン又は炭素原子数2~30のアルケンから水素原子を(k+m)個、(p+q)個、(r+s)個それぞれ除いた基が挙げられる。
炭素原子数1~30のアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン等が挙げられ、その構造は直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
炭素原子数2~30のアルケンとしては、例えば、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、エイコセン、ヘンエイコセン、ドコセン、トリコセン、テトラコセン、ペンタコセン、ヘキサコセン、ヘプタコセン、オクタコセン、ノナコセン、トリアコンテン等が挙げられ、その構造は直鎖、分岐状、環状、これらの組み合わせのいずれでもよい。
式(1)で示される化学物質の好ましい例を挙げる。
が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
が水素原子、炭素原子数1~24のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)、炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は-C(=O)-R基であり、Rが炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n1が1~100又は1~50である。
式(2)で示される化学物質の好ましい例を挙げる。
が炭素原子数2~10の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(k+m)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
kが0又は1であり、mが1又は2であり、
が炭素原子数1~10のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、
Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n2が1~100又は1~50である。
式(3)で示される化学物質の好ましい例を挙げる。
が炭素原子数2~10の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(p+q)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ。当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい)であり、
p及びqが、1≦p≦4、1≦q≦4、且つ2≦p+q≦6の関係を満たし、
が水素原子であり、
が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、好ましくは炭素原子数10~18のアルキル基又は炭素原子数10~18アルケニル基であり、
OAがオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、
n3が1~100、1~80又は5~80である。
式(4)で示される化学物質の好ましい例を挙げる。
10が炭素原子数2~10の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基であり、好ましくは炭素原子数2~10の(r+s)価の炭化水素基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ。当該炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい)であり、
r及びsが、1≦r≦4、1≦s≦4、且つ2≦r+s≦6の関係を満たし、
11が炭素原子数1~18のアルキル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)又は炭素原子数2~18のアルケニル基(直鎖、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせ)であり、好ましくは炭素原子数10~18のアルキル基又は炭素原子数10~18アルケニル基であり、
OAがオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、
n4が1~100、1~80又は5~80であり、
Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であり、
n5が1~100、1~80又は5~80であり、
n4+n5が20~80である。
式(5) R12O-(CO)-R13
式(5)中、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基であり、nは1~20の整数であり、但しR12及びR13がいずれも水素原子であるときnは2~20の整数である。
式(5)中のR12が炭素原子数1~4のアルキル基であるとき、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、プロピル基又はブチル基であるとき、直鎖、分岐状、環状のいずれでもよい。R12は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(5)中のR13が炭素原子数1~4のアルキル基であるとき、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、プロピル基又はブチル基であるとき、直鎖、分岐状、環状のいずれでもよい。R13は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(5)中のnは、1~15の整数であることが好ましく、1~10の整数であることがより好ましい。R12及びR13がいずれも水素原子であるとき、nは、2~15の整数であることが好ましく、2~10の整数であることがより好ましい。
式(5)で示される化学物質の好ましい例を挙げる。
12が水素原子又はメチル基であり、
13が水素原子又はメチル基であり、
nが2~15の整数又は2~10の整数である。
[その他の材料]
本開示のジオポリマー組成物は、オキシアルキレン基を有する化学混和剤以外のその他の化学混和剤を含有していてもよい。その他の化学混和剤としては、ジオポリマーモルタル若しくはコンクリート又はセメントモルタル若しくはコンクリートにおいて従来用いられる各種の化学混和剤が挙げられる。
本開示のジオポリマー組成物は、補強材を含有していてもよい。補強材としては、例えば、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維が挙げられる。
<ジオポリマー組成物の製造方法>
本開示のジオポリマー組成物は、既述の各材料を混合して得られる。各材料の混合は、例えばミキサーを用いた練り混ぜにより実施する。
ジオポリマー組成物を調製する際における材料の混合順は、制限されない。例えば、まず活性フィラーと骨材とを混ぜ、次いでアルカリ溶液を投入して練り混ぜ、次いで化学混和剤を投入して練り混ぜてジオポリマー組成物を得る。
活性フィラーとアルカリ溶液との混合比は、活性フィラーの種類とアルカリ溶液の種類及び濃度に応じて、適宜設定してよい。例えば、活性フィラー100質量部に対して、アルカリ溶液を10質量部~100質量部の質量比で混合する。
本開示のジオポリマー組成物においては、高炉スラグ細骨材に含まれる成分が活性フィラーと同様の反応性を示し、高炉スラグ細骨材の表面がジオポリマー構造の一部になると推測される。したがって、細骨材全体に占める高炉スラグ細骨材の質量割合が多いほどアルカリ溶液の使用量を増やすことが好ましい。
<ジオポリマー硬化体>
本開示のジオポリマー硬化体は、本開示のジオポリマー組成物を硬化させることで得られる。具体的には、ジオポリマー組成物を型枠内に投入し硬化させてジオポリマー硬化体を得る。型枠内に投入されたジオポリマー組成物に対して、常法に従い脱泡などの処理を行ってもよい。型枠内に投入されたジオポリマー組成物は、一般的には、脱水をともなう縮重合反応によって硬化して硬化体を形成する。
本開示のジオポリマー硬化体の養生温度及び養生時間は、制限されない。ジオポリマー硬化体の目標とする力学的強度に応じて、例えば、加熱養生、蒸気養生、オートクレーブ養生、水中養生、気中養生、常温養生、封緘養生、これらの組み合わせを施せばよい。
以下、本開示のジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体を、実施例を挙げて具体的に説明する。本開示のジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体は、以下の実施例に限定されるものではない。
[材料]
ジオポリマー組成物の材料として下記を用意した。
(1)活性フィラー
・高炉スラグ微粉末(BFS):密度2.91g/cm、粉末度4220cm/g
・フライアッシュ(FA):密度2.28g/cm、粉末度3670cm/g
(2)アルカリ溶液
・珪酸ナトリウム溶液(WG):珪酸ソーダ2号、密度1.50g/cm
・水酸化ナトリウム水溶液(NH):モル濃度10mol/l、密度1.33g/cm
・水(W):水道水
(3)細骨材
・高炉スラグ細骨材(BFSS):絶乾密度2.76g/cm、吸水率0.58%
・標準砂(SS):絶乾密度2.64g/cm、吸水率0.42%
(4)オキシアルキレン基を有する化学混和剤(CA):ポリエーテル系化合物、主たる化合物はHO-(CHCHO)-H、重量平均分子量400、密度0.93g/cm、東邦化学工業株式会社
[ジオポリマー組成物の作製]
ジオポリマー組成物としてジオポリマーモルタルを製造した。
表1に記載のとおり材料を調合し、さらに、CAを表2に記載の添加率(質量%)で添加し、モルタルミキサーで3分間練混ぜてジオポリマー組成物を作製した。CAは活性フィラー量(BFSとFAの合計量)に対する質量%を外割りで添加した。
Figure 0007686466000001
[ジオポリマー硬化体の評価]
(1)中性化深さ
40mm×40mm×160mmの試験体を材齢4週まで温度20±2℃で封緘養生し、脱型後、温度20±2℃且つ湿度60±5%の環境下で4週間保管した。次いで、温度20±2℃且つ湿度60±5%且つ二酸化炭素濃度5±0.2%の環境下に保管した。中性化深さ(mm)はJIS A1152:2018を参考に測定した。試験体の寸法により、中性化深さの最大値は20mmである。表2に測定結果を示す。
(2)圧縮強度
直径50mm×長さ100mmの型枠を用いて試験体を作製し、温度20±2℃で所定の材齢まで封緘養生した。圧縮試験はJIS A1108:2018に準拠し、材齢1週と材齢4週に実施した。表2に試験結果を示す。
Figure 0007686466000002
細骨材が高炉スラグ細骨材であり且つオキシアルキレン基を有する化学混和剤を含有する実施例は、中性化速度が遅いこと及び圧縮強度が高いことが分る。
実施例1~3の対比において、また比較例3~5の対比において、オキシアルキレン基を有する化学混和剤の含有率が高いほど中性化速度が遅く、オキシアルキレン基を有する化学混和剤の含有率が低いほど圧縮強度が高いことが分る。

Claims (4)

  1. 活性フィラーと、アルカリ活性剤と、水と、
    高炉スラグ細骨材と、
    オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及びオキシアルキレン基を有するグリコール系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含み、
    細骨材全体に占める前記高炉スラグ細骨材の質量割合が30質量%~100質量%であり、
    前記オキシアルキレン基を有するエステル系化合物、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物及び前記オキシアルキレン基を有するグリコール系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、
    ジオポリマー組成物。
  2. 前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物を含み、前記オキシアルキレン基を有するエーテル系化合物の総含有率が、前記活性フィラーの総量に対して0.5質量%~5質量%である、請求項1に記載のジオポリマー組成物。
  3. 前記活性フィラーがフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末の少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー組成物。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のジオポリマー組成物の硬化物であるジオポリマー硬化体。
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