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JP7686482B2 - ゴミ焼却灰の処理方法及び処理システム - Google Patents
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この発明はゴミ焼却灰中の主灰の処理に関する。
ゴミ焼却灰中の主灰から金属異物と固形異物を分離し、残りの灰をセメント原料などに使用することが知られている。例えば特許文献1(特許4979164)では、主灰を目開き20mmの篩と磁選機により処理し、大きな異物と金属を灰から分離する。次いで、灰を粉砕機で平均粒径1mm以下に粉砕した後、目開き5mmの篩により処理し、小さな固形異物も分離する。その後、篩下成分を水洗し、固形分を分離し、排液を排水処理する。
特許4979164
ところで、主灰に針金状の異物が含まれていることがある。針金状の異物を、代表的な篩である振動篩に掛けると、振動で針金状異物が立ち上がり、踊るようにして篩の目を通過することがある。さらに篩を通過した針金状異物には多量の焼却灰が付着しているので、磁選機で吸着されないことがある。振動篩でも磁選機でも針金状の異物を充分に取り除くことは難しいので、針金状の異物がセメント原料などに混入する可能性がある。
この発明の課題は、針金状等の異物を灰からより確実に分離することにある。
この発明のゴミ焼却灰の処理方法では、ゴミ焼却炉からの主灰をロールスクリーンにより処理し、ロールスクリーンの下側へ落下したスクリーン下成分と、上側を通過したスクリーン上成分とに分離する、ロールスクリーンステップと、スクリーン下成分とスクリーン上成分を別々に磁力により処理し、磁着物を選別する第1の磁選ステップと、磁着物を選別した後の、スクリーン下成分とスクリーン上成分を、非磁着の異物と灰とに篩い分ける、篩い分けステップとを行うことにより、ゴミ焼却灰を、磁着物と非磁着の異物と灰とに分離する。なお磁選とは磁力により磁着物と非磁着物とに選別することである。
この発明のゴミ焼却灰の処理システムは、ゴミ焼却炉からの主灰を処理するロールスクリーンと、ロールスクリーンの下側へ落下したスクリーン下成分と、スクリーン上成分を別々に磁力により処理し、磁着物を選別する磁選装置と、磁着物を選別した後の、スクリーン下成分とスクリーン上成分を、非磁着の異物と灰とに篩い分ける篩とを備え、ゴミ焼却灰を、磁着物と、非磁着の異物と、灰とに分離するように構成されている。
ロールスクリーンは、回転するロールを備え、小さな物体はロールとロールの開口等を通して落下させ、大きな物体は開口を乗り越えて運び出す装置である。ロールスクリーンは振動を加えないので、針金状異物が振動で立ち上がって開口から垂直に落下することは少なく、針金状異物は開口を乗り越えて搬送される。なおロールスクリーンでは、針金状異物及びその他の異物は主としてその長径で選別され、スクリーン上成分となる。長径が小さなネジ、砂利、陶片等の異物は、灰と共にロールスクリーンの開口を落下して、スクリーン下成分となる。
スクリーン上成分を磁力により処理することにより、針金状等の異物を磁力により分離する。スクリーン下成分を、スクリーン上成分とは別々に磁力により処理することにより、灰の中の小さな金属ネジ等を灰から分離する。磁着物を除いた後のスクリーン上成分とスクリーン下成分を篩にかけ、非磁着の異物を分離する。
このようにして、針金状の異物等を主灰から取り除くと共に、他の磁着異物と非磁着物を主灰から取り除く。主灰から異物を充分に除去できるので、異物分離後の主灰はセメント原料等に適したものになる。また針金状の異物等も主灰から回収できる。
好ましくは、前記スクリーン上成分を衝撃破砕機により破砕する破砕ステップを、ロールスクリーンステップと第1の磁選ステップの間に行う。破砕により、空缶などの大型異物の内部に入り込んだ灰は落ちやすくなり、針金等の異物に付着した灰も一部が剥離して落ちる。灰が脱落すると、異物はサイズが小さくかつ軽くなる。灰が除かれかつ軽くなるため、針金等の異物も大型異物も磁力により選別しやすくなる。
また好ましくは、前記主灰中の異物量が多い場合は前記ロールスクリーンステップを実行し、前記主灰中の異物量が少ない場合は前記ロールスクリーンステップを省略して、主灰を磁力により処理し磁着物を選別する第2の磁選ステップを実行する。異物が少ない主灰はロールスクリーンステップを省略するので、ゴミ焼却灰の処理が簡単になる。なお異物の多寡は焼却灰の受け入れ毎に判定しても良く、あるいは焼却灰の発生元毎に事前に判定しておいても良い。異物の多寡は例えば篩い分けステップで用いる篩と同等の目開きの篩に焼却灰を掛けて判定し、例えば篩上成分と焼却灰の重量比が10%以上で異物が多いものとする。
好ましくは、磁選ステップでは、スクリーン下成分とスクリーン上成分を、別の磁選装置により処理する。即ち、スクリーン下成分中の小さな磁着物と、スクリーン上成分中の大きな磁着物を別々に磁選する。スクリーン上成分は、スクリーン下成分よりも灰の含有率が小さいので、スクリーン下成分と混合しない方が磁選しやすい。またスクリーン下成分中の小さな磁着異物は、灰の付着量が余り多くない。少なくとも分厚く灰が付着した状態ではない。このため容易に磁力で選別できる。
好ましくは、篩い分けステップで篩い分けした灰の少なくとも一部に水を加えて処理する湿式ステップと、磁着物と磁着しない異物を別々の通水性の籠に収容して水洗する水洗ステップ、とを更に行うと共に、水洗ステップで生じた排水の少なくとも一部を例えば灰を含む状態で、湿式ステップで使用する。通水性の籠を用いることにより、簡単に水洗できる。また水洗ステップで生じた排水を湿式ステップで使用でき、処理システム内で再利用できる。
第1の実施例の概要を示す図 第1の実施例で用いるロールスクリーンの要部平面図 第1の実施例で用いるロールスクリーンでのロールの鉛直方向断面図 第2の実施例の概要を示す図 第2の実施例で用いる網籠と水槽の模式的断面図 第3の実施例の概要を示す図 第4の実施例の概要を示す図
以下に本発明を実施するための実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
実施例1
図1~図7にゴミ焼却灰の処理方法と処理システムの実施例を示し、図1~図3に第1の実施例を示す。図1に示すように、受け入れホッパー1はゴミ焼却場からの主灰を受け入れ、ロールスクリーン2に供給する。なお主灰はストーカ炉等の炉底から排出される焼却灰で、排ガスと共に排出される灰は飛灰という。
ロールスクリーン2を図2,図3に示す。ロールスクリーン2は複数本のロール20を備え、各ロール20のロール軸24から、小径のフランジ21と大径のフランジ22の組が半径方向に突出している。なおこれらのフランジ21,22は、工業的にはディスクと呼ばれることがある。そして隣接するロール20,20で、大径のフランジ22と小径のフランジ21が向き合い、向き合ったフランジ21,22間の隙間は狭い。また各ロール20に、フランジ21,22が複数組ずつ設けられている。ロール軸24,24間に、左右のフランジ21,22により挟まれた開口25があり、主灰中の灰や小さな異物は開口25から落下し、大きな異物は開口25を通過せずに搬送される。
図3に示すように、フランジ21,22は三角形~五角形の多角形の辺の中央部が外側に膨らんだ形状をしている。このような形状のフランジ21,22では、フランジ21,22間の隙間を異物が通過することは難しい。ロール軸24に平行な方向での、開口25のサイズをa、直角な方向でのサイズをbとすると、a:bは例えば1:1~1:2程度が好ましい。サイズaは例えば5mm以上50mm以下が好ましく、サイズbは例えば10mm以上60mm以下が好ましい。ロール20は同じ方向に回転し、主灰はロール20により搬送される。開口25から落下した成分をスクリーン下成分、落下しなかった成分をスクリーン上成分とする。
隣接する開口25,25はフランジ21,22により分離され、針金状異物はフランジ21,22間の隙間を通過できない。開口25を針金状異物が通過するには、振動により鉛直方向に立ち上がる必要があるが、ロール20は主灰に振動を加えない。このため針金状異物は、開口25を通過せず、スクリーン上成分として排出される。
ロール20の本数は任意で、フランジ21,22は多角形状でなく円形でも良い。また大径と小径の組合せではなく、隣接するロール間で同じ径のフランジが向き合って、あるいは互い違いに、配置されていても良い。ただし図2,図3のロールスクリーン2では、隣接する開口25,25間を針金状異物が通過することが難しいため、針金状異物はスクリーン下成分に混入しにくい。
ロールスクリーン2で開口25を通過して落下したスクリーン下成分と、スクリーン上成分から、磁着物を磁選機により分離する。スクリーン下成分とスクリーン上成分では、磁着物(主として金属)のサイズが異なるので、異なる磁選機4,5により処理することが好ましい。磁選機4,5は、電磁式でも、ベルトコンベヤの先端に永久磁石を取り付けたマグネットプーリを用い、磁着物とそれ以外のものとで落下する位置を変えるようにしたものでも良い。
磁選機4,5を通過した灰と固形異物を篩6に掛け、灰から固形異物を分離する。篩6は例えば振動篩で、好ましい目開きは8mm以上25mm以下であるが、篩の種類と目開きの範囲は任意である。篩6を通過した灰をサイロ7等に保管し、一部を未洗灰として出荷し、残りに湿式粉砕と水洗等の処理を施して脱塩した後に出荷する。また磁選機4,5での磁着物を磁着異物として回収し、篩6での篩上成分を非磁着の異物として回収する。以上のようにして、針金状異物などが篩6を通過して出荷する灰に混入することを防止する。
実施例2
図4,図5に第2の実施例を示し、特に指摘した点以外は図1~図3の実施例と同様である。第2の実施例では、ロールスクリーン2のスクリーン上成分を衝撃破砕機3により破砕する。衝撃破砕機3は、例えば回転軸に複数のハンマーを取り付け、回転軸を回転させることにより、ハンマーから被処理物に衝撃を加えるものである。衝撃破砕機3では、固定のゲートと回転するハンマーの間に、あるいは1本の回転軸のハンマーと他の回転軸との間に、被処理物を挟み込んで衝撃を加える。このような衝撃破砕機はクラッシャーあるいはシュレッダーとして実用化されている。なおトグル機構を用い、可動のジョー(顎)と固定板の間に被処理物を挟み、圧力を徐々に増して圧潰する破砕機は、灰と異物との分離には不向きであった。
スクリーン上成分の異物には、多量の灰が付着している。灰を異物から剥がし落とさないと、灰の回収率が低下し、また付着している灰のため後段の磁選機で磁着物を選別できないことがある。そこで衝撃破砕機3で衝撃を加えることにより、スクリーン上成分(金属及び非金属の異物)を破砕し、異物に付着した灰を剥がし落とす。衝撃を加えると、異物に付着している灰が剥がれ落ちる。空き缶、瓶等の容器の内部まで灰が入り込んでいることがあるが、容器を破砕すると内部の灰と容器を分離できる。また異物に付着している灰が一部剥離し、異物は小さくかつ軽くなる。この他に灰の塊も破砕され、灰と異物に分離できる。これらのため、磁着異物を次の磁選機5で確実に選別でき、かつ灰の回収率も向上する。なお衝撃破砕機3を通さないと、磁着異物が磁選機5で磁選されないことがある。
磁選機4,5での磁着物を水槽10内の網籠8に収容し水洗する。同様に篩6で篩上に残った異物を水槽11内の網籠9に収容し水洗する。網籠8,9と水槽10,11を図4に模式的に示す。網籠8,9に水をかけ、あるいは図示しない装置により網籠8,9を水槽10,11内で振動させると、磁着物(金属等の磁性物)及び非磁着の異物に付着した灰を落とすことができる。灰を落とすと、磁着物と非磁着の異物の再利用が容易になる。網籠8,9は、通水性で水を通し、異物を通さなければ良く、網籠以外の籠でも良い。
サイロ7に保管した異物等を除去済みの灰を例えばセメント工場へ搬送し、セメントクリンカーの原料の一部とする。セメントクリンカーには塩素濃度の上限がある。そこで、異物等を除去済みの灰の一部を、湿式粉砕機13で粉砕し、脱塩槽14で水中に浸し、塩素分を溶出させる。次いでフィルタープレス等の固液分離装置15により、灰と水分を分離する。このようにして、処理済みの灰の平均塩分濃度を許容範囲内に低下させる。また固液分離装置15で分離した排水を排水処理装置16で処理し、排水の一部を環境基準に適合するようにした後、排水する。なおゴミ焼却場で発生した飛灰も処理する場合、脱ダイオキシン装置12により飛灰中のダイオキシンを除去する。そして処理後の飛灰を、脱塩槽14で処理する。
異物を灰と分離するために水槽10,11で用いた洗浄水は、灰を含んでいる。水槽10,11からの排水を、例えば灰を含む状態で、湿式粉砕機13あるいは脱塩槽14で使用しても、処理対象や周囲の装置を汚染することはない。そこで、処理システム内の湿式ステップ(湿式粉砕あるいは脱塩)で水槽10,11からの排水を再利用する。なお排水中の灰の含有量が高い場合、固液分離装置15で排水を処理しても良い。また排水から灰を沈降させ、上澄みを前記の湿式ステップで使用し、沈降物を固液分離装置15で処理しても良い。さらに、排水から灰を分離する処理を行わずに、排水を湿式ステップで使用することもできる。
実施例3
図6は第3の実施例を示し、特に指摘する点以外は図1~図3の実施例と同様である。第3の実施例では、主灰中の異物量が多い場合はロールスクリーンで処理し、磁選機4,5により磁着物を分離する。主灰中の異物量が少ない場合はロールスクリーンでの処理を省略し、主灰を受け入れホッパーを介して磁選機4で処理する。異物の多寡は焼却灰の受け入れ毎に判定しても良く、あるいは焼却灰の発生元毎に事前に判定しておいても良い。異物の多寡は例えば篩い分けステップで用いる篩と同等の目開きの篩に焼却灰を掛けて判定し、例えば篩上成分と焼却灰の重量比が10%以上で異物が多いものとする。篩い分けステップで用いる篩6は例えば目開きが8mm以上25mm以下なので、異物量の多寡判定でも例えば目開きが8mm以上25mm以下の篩を用いる。第3の実施例では、異物が少ない主灰はロールスクリーン2と磁選機5での処理を省略するので、ゴミ焼却灰の処理が簡単になる。
実施例4
図7は第4の実施例を示し、特に指摘する点以外は図4,図5の第2の実施例と同様である。第4の実施例でも、異物が少ない主灰はロールスクリーン2、破砕機3,及び磁選機5での処理を省略するので、第2の実施例に比べゴミ焼却灰の処理が簡単になる。
1 受け入れホッパー
2 ロールスクリーン
3 衝撃破砕機
4,5 磁選機
6 篩
7 サイロ
8,9 網籠
10,11 水槽
12 脱ダイオキシン装置
13 湿式粉砕機
14 脱塩槽
15 固液分離装置
16 排水処理装置
20 ロール
21,22 フランジ
24 ロール軸
25 開口

Claims (2)

  1. ゴミ焼却炉からの主灰をロールスクリーンにより処理し、ロールスクリーンの下側へ落下したスクリーン下成分と、上側を通過したスクリーン上成分とに分離する、ロールスクリーンステップと、
    スクリーン下成分とスクリーン上成分を別々に磁力により処理し、磁着物を選別する第1の磁選ステップと、
    磁着物を選別した後の、スクリーン下成分とスクリーン上成分を、非磁着の異物と灰とに篩い分ける、篩い分けステップと、
    前記篩い分けステップで篩い分けした灰の少なくとも一部に水を加えて処理する、湿式ステップと、
    前記磁着物と前記異物を別々の通水性の籠に収容して水洗する、水洗ステップ、とを行うと共に、
    前記水洗ステップで生じた排水の少なくとも一部を、前記湿式ステップで使用する、
    ゴミ焼却灰を、磁着物と、非磁着の異物と、灰とに分離する、ゴミ焼却灰の処理方法。
  2. 前記主灰中の異物量が多い場合は前記ロールスクリーンステップを実行し、
    前記主灰中の異物量が少ない場合は前記ロールスクリーンステップを省略して、主灰を磁力により処理し磁着物を選別する、第2の磁選ステップを実行することを特徴とする、請求項1のゴミ焼却灰の処理方法。
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