JP7686966B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなトナーに求められる特性としては、従来よりも低い温度でトナー画像の定着を行うことができるといういわゆる低温定着性や、定着強度の向上がある。さらには従来のオフィス市場に限らず、軽印刷市場への展開に伴って、商品である印刷物の画像品質の安定性向上が求められている。
しかしながら、特に、トナー定着時のような高温下では、トナーの内部凝集力低下が顕著となるために、定着時にトナーが定着ローラー等の加熱部材と接触した際に、定着部材を汚染してしまうホットオフセット現象が発生する問題があった。
しかしながら、低溶融粘度の離型剤を添加したことで、離型性確保は可能となったが、新たに溶融した離型剤が印刷機内の画像搬送ローラー等と接触した際に、離型剤が搬送部材を汚染する問題を招くことがあった。汚染物は蓄積し、画像に再付着することで画像不良を誘発し、商品である印刷物の価値を下げるのみならず、印刷物を廃棄処分せざるを得なこともしばしばであった。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記結着樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有し、
前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体が、下記一般式(2)で表される構造を有する第1の重合性単量体と、当該第1の重合性単量体と共重合可能な第2の重合性単量体との共重合体であり、
前記離型剤が、脂肪酸エステルを含有し、
前記脂肪酸エステルが、ベヘン酸ベヘニル及びペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステルの少なくとも一方である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
前記一般式(2)で表される構造を有する第1の重合性単量体の重合を行い、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を合成し、結着樹脂粒子分散液を調製する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。なお、下記のメカニズムは推測によるものであり、本発明は下記メカニズムに何ら制限されるものではない。
以下の説明では、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を、単に「本発明に係る重合体」とも称する。
一方、トナーの低温定着化に伴い、用いる離型剤には、より低温で溶融(低融点化)し、かつ溶融粘度の低い(低溶融粘度化)ことが求められている。具体的には、ベヘン酸ベヘニル等の脂肪酸エステルが多く用いられている。このような離型剤の低融点化、低溶融粘度化によって、定着時に溶融しやすくなり、画像-定着ローラー界面に染み出しやすくなることで、トナーを低温定着化した際にもオフセット発生を抑制することができる。
しかしながら、離型剤の低融点化に伴い、固化する結晶化温度も低くなってしまうため、固化するまでに多くの時間を必要とする。ここで、固化する前に画像搬送ローラーと接触した場合には、画像搬送ローラーに離型剤が移行し汚染を生じてしまい、結果として画像を汚染し、画像品質を大きく損なってしまうことがある。離型剤には、早期に固化(結晶化)することも求められている。
本発明に係る前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体をトナーバインダーに導入することによって、同じ構造を有する離型剤である脂肪酸エステルとの間の双極子相互作用を高めることができる。
双極子相互作用が高まることで、脂肪酸エステルが固化(結晶化)する際に、本発明に係る前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体が、その結晶化の足場として機能するため、結晶核形成を速やかに行うことが可能となる。その結果として、固化に要する時間を短縮することができると考えられる。このため、画像搬送ローラーと接触した場合でも、固化が進んでいることで、汚染を抑制することができると推察することができる。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有し、前記離型剤が、脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明に係る結着樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有する。
前記一般式(1)中のR1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1~8のアルキル基である。その具体例としては、例えば、メチル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。画像搬送ローラーの汚染をより抑制するという観点から、R1及びR2は、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
前記第1の重合性単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
前記第1の重合性単量体の具体例としては、下記の例示化合物M1~M7が挙げられるがこれに限定されるものではない。
合成方法の例としては、出発原料としてイタコン酸及び、所定のアルコール類との縮合反応にて第1の重合性単量体を得ることもできる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素などが挙げられる。
重合温度は、用いる単量体や重合開始剤の種類によっても異なるが、50~100℃の範囲内であることが好ましく、55~90℃の範囲内であることがより好ましい。また、重合時間は、用いる単量体や重合開始剤の種類によっても異なるが、例えば、1~12時間であることが好ましい。
本発明に係る前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体は、前記一般式(2)で表される構造を有する重合性単量体(第1の重合性単量体)のみから得られる重合体でもよいが、本発明の効果をより一層効率よく発揮させるという観点から、下記のような第1の重合性単量体と共重合可能な他の重合性単量体(「第2の重合性単量体」ともいう。)との共重合体であることが好ましい。
これらの中でも、重合体のガラス転移温度の調整が容易になるという観点から、スチレン類及びアクリル酸エステルより選択される少なくとも1種が好ましく、スチレン、アクリル酸、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、スチレン及びアクリル酸n-ブチルの少なくとも一方がさらに好ましい。
イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの基を有するものである。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらのうち、好ましいのはアクリル酸又はメタクリル酸である。
これら第2の重合性単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
例えば、第2の重合性単量体が上記のスチレン系単量体である場合、重合体中のスチレン系単量体由来の構造単位の含有量は、重合体の全構造単位を100質量%として、20~80質量%の範囲内であることが好ましく、30~70質量%の範囲内であることがより好ましい。
次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μlを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布から、測定される。
具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、又はエポキシ樹脂などが挙げられる。これら他の樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸成分)と、2価以上のアルコール(多価アルコール成分)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂である。なお、ポリエステル樹脂は、非晶性であってもよいし結晶性であってもよい。
その他、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸、及び上記のカルボン酸化合物の無水物、又は炭素数1~3のアルキルエステルなども用いることができる。
ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。
さらにアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウム、アルミニウムアルコキシド、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るトナー母体粒子は、離型剤を含有し、当該離型剤は脂肪酸エステルを含有する。
離型剤に含まれる脂肪酸エステルの例としては、例えば、ベヘニルベヘネート(ベヘン酸ベヘニル)、ステアリルステアレート(ステアリン酸ステアリル)、ベヘニルステアレート、ステアリルベヘネート、ブチルステアレート、プロピルオレエート、ヘキサデシルパルミテート(パルミチン酸ヘキサデシル)、メチルリグノセレート(リグノセリン酸メチル)、グリセリンモノステアレート(ステアリン酸グリセリル)、ジグリセリルジステアレート(ジステアリン酸ジグリセリル)、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル)、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ソルビタンモノステアレート、コレステリルステアレート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、トリステアリルトリメリテート(トリメリット酸トリステアリル)、ジステアリルマレエート、メチルトリアコンタネート(トリアコンタン酸メチル)等が挙げられる。これら脂肪酸エステルは、単独でも又は2種以上混合しても用いることができる。
また、これら脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
より好ましい離型剤は、ベヘニルベヘネート(ベヘン酸ベヘニル)及びペンタエリスリトールテトラベヘネート(ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル)の少なくとも一方である。
このような他のワックスの例としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等の脂肪酸アミドワックス等が挙げられる。
本発明に係るトナー母体粒子は着色剤を含んでもよい。着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
着色剤の含有割合は、トナー母体粒子の全質量を100質量%として、0.5~20質量%の範囲内であることが好ましく、2~10質量%の範囲内であることがより好ましい。
本発明に係るトナー母体粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。
使用される荷電制御剤は、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ無色のものであれば特に限定されず、公知の種々の正帯電性の荷電制御剤及び負帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、トナー母体粒子中、0.01~30質量%の範囲内であることが好ましく、0.1~10質量%の範囲内であることがより好ましい。
トナーの流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するために、前記トナー母体粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
これら無機粒子は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性や環境安定性の向上のために、表面処理が行われていてもよい。
トナーの平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で4~10μmの範囲内であることが好ましく、5~9μmの範囲内であることがより好ましい。体積基準のメジアン径(D50)が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなりハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
具体的には、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター株式会社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。
ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を50μmにし、測定範囲である1~30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径(D50)とされる。
本発明のトナーの製造方法は、前記一般式(2)で表される構造を有する第1の重合性単量体の重合を行い、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を合成し、結着樹脂粒子分散液を調製する工程を有することを特徴とする。また、本発明のトナーの製造方法は、前記結着樹脂粒子分散液を調製する工程を有すればよく、その他は特に制限されない。例えば本発明に係る重合体、離型剤及び必要に応じて着色剤等を溶融混練し、その後粉砕、分級等を行ってトナーを得ることができる。
また、重合性単量体を水系媒体中で乳化重合、ミニエマルション重合等により重合体粒子を調製し、当該重合体粒子、離型剤粒子、必要に応じて着色剤粒子等の分散粒子を凝集、融着する乳化凝集法により、トナーを得ることができる。
乳化凝集法としては、特開平5-265252号公報、特開平6-329947号公報、特開平9-15904号公報等に記載の方法を採用することができることができる。
さらに、特開2010-191043号公報に記載の懸濁重合法を用いた製造方法であってもよい。
このような乳化凝集法を利用した製造方法は、
(1A)結着樹脂粒子の分散液を調製する結着樹脂粒子分散液調製工程
(1B)着色剤粒子の分散液を調製する着色剤粒子分散液調製工程
(1C)離型剤粒子の分散液を調製する離型剤粒子分散液調製工程
(2)結着樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、会合粒子を形成する会合工程
(3)会合粒子の形状制御をすることによりトナー粒子を形成する熟成工程
(4)水系媒体からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤等を除去する濾過、洗浄工程
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
の各工程を含むことが好ましい。以下、(1A)~(1C)の工程について説明する。
本工程では、従来公知の乳化重合などにより樹脂粒子を形成し、この樹脂粒子を凝集、融着させて結着樹脂粒子を形成する。一例として、結着樹脂を構成する重合性単量体(前記第1の重合性単量体や第2の重合性単量体)を水系媒体中へ投入、分散させ、重合開始剤によりこれら重合性単量体を重合させることにより、本発明に係る一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を合成し、結着樹脂粒子の分散液を作製する。
この際、必要に応じ、結着樹脂には離型剤を予め含有させておいてもよい。また、分散のために、適宜公知の界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤)の存在下で重合させることも好ましい。
分散液中の結着樹脂粒子の体積基準のメジアン径は、50~300nmの範囲内が好ましい。分散液中の結着樹脂粒子の体積基準のメジアン径は、「マイクロトラックUPA-150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法によって測定することができる。
この着色剤粒子分散液調製工程は、着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤粒子の分散液を調製する工程である。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。分散液中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、10~300nmの範囲内であることが好ましく、50~200nmの範囲内であることがより好ましい。
分散液中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、上記と同様に「マイクロトラックUPA-150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法によって測定することができる。
この離型剤粒子分散液調製工程は、脂肪酸エステルを含有する本発明に係る離型剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて離型剤粒子の分散液を調製する工程である。
離型剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径は、100~1000nmの範囲内であることが好ましく、200~700nmの範囲内であることがより好ましい。
分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定器LA-750(株式会社堀場製作所製)によって測定することができる。
(1A)~(1C)の工程で用いられる水系媒体は、水、又は水を主成分(50質量%以上)として、アルコール類、グリコール類などの水溶性溶媒や、界面活性剤、分散剤などの任意成分が配合されている水系媒体等が挙げられる。水系媒体は、好ましくは水と界面活性剤とを混合したものが用いられる。
このような界面活性剤は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。界面活性剤の中では、好ましくはアニオン性界面活性剤、より好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムが使用される。
界面活性剤の添加量は、水系媒体100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部の範囲内、より好ましくは0.04~2質量部の範囲内である。
なお、(2)会合工程において使用される凝集剤は、特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。
具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、ポリ塩化アルミニウムなどを挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価又は三価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
前記磁性体としては、例えば、マグネタイト、γ-ヘマタイト、又は各種フェライトなどを使用することができる。
被覆用の樹脂としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、又はフッ素樹脂などが用いられる。
また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
本発明のトナーは、圧力を付与すると共に加熱することができる熱圧力定着方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。特に、定着工程における定着温度が、定着ニップ部における加熱部材の表面温度において80~110℃、好ましくは80~95℃の範囲内となる温度とされる比較的低温の定着温度において定着する画像形成方法に好適に使用することができる。
さらに、定着線速が200~600mm/secの範囲内である高速定着の画像形成方法にも好適に使用することができる。
フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、1つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及びび感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法にも適用することができる。
装置「HLC-8220」(東ソー株式会社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM-M3連」(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温(25℃)において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させた。
次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得て、この試料溶液10μlを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布から求めた。
<結着樹脂粒子分散液1の調製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、及び窒素導入装置を取り付けた5Lのステンレス釜(SUS釜)に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、液温80℃に昇温した。
この界面活性剤溶液に、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を80℃とした後、下記単量体混合液を100分間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合を行い、結着樹脂粒子分散液1を調製した:
-単量体混合液-
例示化合物 M1(上記例示化合物参照、前記一般式(2)においてR1及びR2がメチル基(下記表Iでは「Me」と表記))
161g
スチレン(St) 411g
アクリル酸n-ブチル(nBA) 177g
メタクリル酸(MAA) 40g
アクリル酸(AA) 16g
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 5.5g
得られた結着樹脂粒子分散液1中の結着樹脂粒子の体積基準のメジアン径を、「マイクロトラックUPA-150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法によって測定したところ、125nmであった。
着色剤:カーボンブラック(Mogul(登録商標)L キャボット社製)
10質量部
アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20%水溶液)
1.5質量部
イオン交換水 90質量部
上記成分を混合しSCミルにて分散させ、着色剤粒子分散液1を得た。分散液中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径を「マイクロトラックUPA-150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法によって測定したところ、155nmであった。
ベヘン酸ベヘニル 100質量部
ドデシル硫酸ナトリウム 5質量部
イオン交換水 240質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックス(登録商標)T50」(IKA株式会社製)を用いて10分間分散させた後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液1を得た。分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径を、レーザー回折式粒度分布測定器LA-750(株式会社堀場製作所製)によって測定したところ、530nmであった。
結着樹脂粒子分散液1 237質量部
着色剤粒子分散液1 42質量部
離型剤粒子分散液1 18質量部
ポリ塩化アルミニウム 1.8質量部
イオン交換水 600質量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックス(登録商標)T50」(IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分間保持した後、溶液中に体積基準におけるメジアン径(D50)が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
さらに加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で2時間保持すると、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.9μmとなった。
その後、系内に1mol/Lの水酸化ナトリウムを追加して系のpHを5.0に調整した後、ステンレス製フラスコを、磁気シールを用いて密閉し、撹拌を継続しながら98℃まで加熱した。6時間撹拌を継続することにより結着樹脂粒子間の融着(融合)を完了させ、トナー母体粒子分散液1を調製した。分散液中のトナー母体粒子の体積基準におけるメジアン径(D50)は、6.0μmであった。
トナー母体粒子分散液1をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械販売株式会社製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。
該ウェットケーキを、上記のバスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(株式会社セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、トナー母体粒子を得た。
上記で得られたトナー母体粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量部、及び疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量部添加し、ヘンシェルミキサー(登録商標)により混合して外添剤処理を行い、トナー1を製造した。
下記表Iの単量体の組み合わせ及び添加量で、各結着樹脂粒子分散液を作製したこと、下記表Iに記載の離型剤を用いて各離型剤粒子分散液を作製したこと、及び下記表Iに記載の含有量となるように結着樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液を使用してトナー母体粒子を作製したこと以外は、トナー1の製造と同様にして、トナー2~22を製造した。
さらに、下記表Iに記載の離型剤を用いて作製した各離型剤粒子分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径は、以下のとおりであった:
・ペンタエリスリトールテトラベヘネート:490nm
・ステアリン酸ステアリル:460nm
・リグノセリン酸メチル:430nm
・パルミチン酸ヘキサデシル:450nm
・トリアコンタン酸メチル:450nm
・パラフィン(パラフィンワックス、HNP-51、日本精蝋株式会社製):600nm
なお、表Iにおけるイタコン酸誘導体(第1の重合性単量体)の添加量、第2の重合性単量体の添加量は、イタコン酸誘導体及び第2の単量体の合計添加量を100質量%としたときの各添加量を表す。また、離型剤の添加量は、前記イタコン酸誘導体及び第2の単量体からなる重合体の添加量を100質量%としたときの離型剤の添加量を表す。
フェライト粒子(体積基準のメジアン径:50μm(パウダーテック株式会社製))100質量部と、メチルメタクリレート-シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂(一次粒子の体積基準のメジアン径:85nm)4質量部とを、水平撹拌羽根式高速撹拌装置に入れ、撹拌羽根の周速:8m/s、温度:30℃の条件で15分間混合した後、120℃まで昇温して撹拌を4時間継続した。その後、冷却し、200メッシュの篩を用いてメチルメタクリレート-シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂の破片を除去することにより、樹脂被覆キャリアを作製した。
この樹脂被覆キャリアを、上記のトナー1~22の各々に、トナーとキャリアとの合計質量に対してトナーの濃度が7質量%になるよう混合し、二成分現像剤1~22を調製した。
二成分現像剤1~22を用いて下記(1)及び(2)の評価項目について評価し、評価結果を下記表IIに示した。
画像形成装置として、市販の複合機「bizhub PRO(登録商標)C6500」(コニカミノルタ株式会社製)を用い、この装置に現像剤として、上記二成分現像剤を搭載した。熱ロール定着方式の定着手段における定着加熱部材の表面温度を175℃とし、常温常湿(温度20℃、相対湿度50%RH)の環境下において、画像支持体として秤量350g/m2の厚紙を用いて画像形成を行い、5g/m3のトナーが定着したベタ画像を可視画像として得た。ベタ画像形成後、画像を形成していない無地の秤量350g/m2の厚紙を再度定着器に通すことで、ローラーにオフセットしたトナー量を目視で判別した。ランク3以上であれば合格である。
(評価基準)
ランク5:全くオフセット無し
ランク4:軽微なオフセットが部分的に発生
ランク3:軽微なオフセットが発生
ランク2:明確なオフセットが部分的に発生
ランク1:全面に明確なオフセットが発生
画像形成装置として、市販の複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用い、この装置に現像剤として、上記二成分現像剤を搭載し、可視画像として、画像濃度が0.8のベタ画像を1000プリント実施した。その後、画像面が接触した複合機内の搬送ローラーの汚染の程度を目視にて観察し、4段階評価を行った。
(評価基準)
ランク4:搬送ローラーに汚染無し
ランク3:うっすらと部分的に搬送ローラーに汚染が見られる
ランク2:うっすらと全面的に搬送ローラーに汚染が見られる
ランク1:明確に搬送ローラーに汚染が見られる
一方、脂肪酸エステルワックスの代わりにパラフィンワックスを用いたトナー21や、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有しない樹脂を用いたトナー22は、耐ホットオフセット性及び耐ローラー汚染性の両者を満足できないことが分かった。
Claims (6)
- 結着樹脂及び離型剤を含有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有し、
前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体が、下記一般式(2)で表される構造を有する第1の重合性単量体と、当該第1の重合性単量体と共重合可能な第2の重合性単量体との共重合体であり、
前記離型剤が、脂肪酸エステルを含有し、
前記脂肪酸エステルが、ベヘン酸ベヘニル及びペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステルの少なくとも一方である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
[前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、メチル基、n-プロピル基、iso-ブチル基、2-エチルヘキシル基のいずれかを表す。]
[一般式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、メチル基、n-プロピル基、iso-ブチル基、2-エチルヘキシル基のいずれかを表す。] - 前記第1の重合性単量体に由来する構造単位の含有量が、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体100質量%に対して、5~40質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記第2の重合性単量体が、少なくともスチレン類及び、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルからなる群より選択されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記第2の重合性単量体が、スチレン、アクリル酸、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸、及びメタクリル酸メチルから1種以上選ばれることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤の含有量が、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体100質量%に対して、5~20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
前記一般式(2)で表される構造を有する第1の重合性単量体の重合を行い、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を合成し、結着樹脂粒子分散液を調製する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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