(車両管理システムの構成)
図1は、車両管理システム9の一例を示す構成図である。車両管理システム9は、1以上の車両3及び保守端末2と、各保守端末2とインターネットなどのネットワーク90を介して接続される車両管理サーバ1とを有する。
車両3は、例えばハイブリッド車などの燃料ポンプを搭載する。保守端末2は、車両3の保守点検を行うサービスセンタなどに設置されるコンピュータである。各保守端末2は、例えば無線LAN(Local Area Network)などを介して車両3と通信する。また、各保守端末2は、ネットワーク90を介して車両管理サーバ1と通信する。
保守端末2は、車両3から燃料ポンプの負荷パラメータを取得して保存する。負荷パラメータは、車両3の走行に伴って燃料ポンプに加わる負荷に関するヒストグラム情報である。保守端末2は、負荷パラメータを車両管理サーバ1に送信する。
車両管理サーバ1は負荷パラメータを受信して保存する。車両管理サーバ1は、燃料ポンプの耐久性能に関する測定データを保持している。測定データは、例えば予め燃料ポンプの単体試験により測定された故障率のデータである。車両管理サーバ1は、後述するように測定データの測定条件に従って負荷パラメータを、測定データと比較される比較データに換算する。車両管理サーバ1は、換算後の負荷パラメータである比較データと測定データの比較結果に基づき車両3の燃料ポンプの劣化状態を判断する。
車両管理サーバ1は、ネットワーク90を介して判断結果を保守端末2に送信する。これにより、車両3のユーザは燃料ポンプの劣化状態の通知を受けることができる。後述する例のように、車両管理サーバ1が燃料ポンプの交換の要否を判断する場合、車両3のユーザは、車両管理サーバ1から保守端末2を介して燃料ポンプの交換の要否の通知を受けることができる。
(燃料システムの構成)
図2は、車両3に搭載される燃料システム300の構成の一例を示す図である。燃料システム300は、イグニッションスイッチ(IG-SW)30、エンジン31、燃料ポンプ32、燃料タンク33、補機バッテリ34、EFI-ECU35、オドメータ36、電圧センサ37、アルコール濃度センサ38、及び通信モジュール39を有する。
燃料ポンプ32は、燃料タンク33に貯留された燃料(ガソリン)をエンジン31に供給する。エンジン31は燃料を燃焼させることにより不図示の車輪を駆動する。
燃料タンク33には濃度センサ38が設けられている。濃度センサ38は、燃料ポンプ32の駆動時の燃料に含まれるエタノールの濃度S(%)を検出する。本例の車両3は、ガソリンとアルコールの混合燃料を用いることができるFFV(Flexible Fuel Vehicle)であるが、これに限定されず、純粋なガソリンのみを燃料として用いてもよい。濃度センサ38は濃度SをEFI-ECU35に通知する。なお、濃度Sは第2濃度の一例である。
補機バッテリ34は燃料ポンプ32のモータ(不図示)に電力を供給する。燃料ポンプ32はモータを回転させることにより燃料を燃料タンク33からエンジン31に圧送する。
補機バッテリ34には電圧センサ37が設けられている。電圧センサ37は、補機バッテリ34から燃料ポンプ32に印加されるバッテリ電圧E(V)を検出する。電圧センサ37はバッテリ電圧EをEFI-ECU35に通知する。バッテリ電圧Eは補機バッテリ34の電圧値の一例である。
また、イグニッションスイッチ30はエンジン31の始動及び停止の操作に用いられる。イグニッションスイッチ30は車両3のユーザによりオン及びオフされる。イグニッションスイッチ30はオン及びオフの状態をEFI-ECU35に通知する。なお、イグニッションスイッチ30がオンされてオフされるまでの間の期間を「トリップ」と表記する。
オドメータ36は車両3の走行距離(km)を示す。EFI-ECU35はオドメータ36から走行距離を取得する。
EFI-ECU35は、不図示のエンジンコントローラの指示に従って燃料ポンプ32を駆動する。EFI-ECU35は、一例として燃料ポンプ32の出力をLOW、MIDDLE、及びHIGHの3段階の動作モードに制御する。EFI-ECU35は、例えば燃料ポンプ32のモータの回転数または燃料ポンプ32の吐出流量を動作モードに応じた目標値に制御する。LOW、MIDDLE、及びHIGHのうち、LOWの動作モードの目標値は最も低く、HIGHの動作モードの目標値は最も高い。なお、各動作モードの燃料ポンプ32のモータの回転数または燃料ポンプ32の吐出流量は第1出力値の一例である。
EFI-ECU35は、バッテリ電圧E、濃度S、走行距離、及び燃料ポンプ32の動作モードなどを用いて負荷パラメータを取得する。EFI-ECU35はトリップごとに負荷パラメータを更新する。EFI-ECU35は、負荷パラメータを通信モジュール39に出力する。
通信モジュール39は、例えば無線LANのアンテナ及びその制御回路などを含む装置である。通信モジュール39は車両3のユーザの操作に従って負荷パラメータを保守端末2に送信する。なお、負荷パラメータの取得は、EFI-ECU35に限定されず、例えばEFI-ECU35と通信可能なスマートフォンなどの端末により行われてもよい。
(EFI-ECUの構成)
図3は、EFI-ECU35の一例を示す構成図である。EFI-ECU35は、例えばマイクロコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)40、ROM(Read Only Memory)41、RAM(Random Access Memory)42、ストレージメモリ43、及び通信ポート44を有する。CPU40は、互いに信号の入出力ができるように、ROM41、RAM42、ストレージメモリ43、及び通信ポート44と、バス49を介して接続されている。なお、EFI-ECU35は、車両3に搭載される情報処理装置の一例である。
ROM41は、CPU40を駆動するプログラムが格納されている。RAM42は、CPU40のワーキングメモリとして機能する。通信ポート44は、例えばCPU40と通信モジュール39の間でデータを送受信する。
ストレージメモリ43には、負荷パラメータとして起動回数テーブル430、電圧分布テーブル431、ポンプ駆動時間テーブル432、及び走行距離テーブル433が格納されている。起動回数テーブル430は、アルコール濃度S、バッテリ電圧E、及び燃料ポンプ32の動作モードごとの燃料ポンプ32の起動回数を示すヒストグラムである。CPU40は、濃度センサ38のアルコール濃度S、電圧センサ37のバッテリ電圧E、燃料ポンプ32の動作モードに基づき起動回数テーブル430をトリップごとに更新する。
電圧分布テーブル431は、アルコール濃度Sごとに燃料ポンプ32の動作モードごとの期間中のバッテリ電圧Eの最大値の分布を示すヒストグラムである。CPU40は、濃度センサ38のアルコール濃度S、電圧センサ37のバッテリ電圧E、及び燃料ポンプ32の動作モードに基づき電圧分布テーブル431をトリップごとに更新する。
ポンプ駆動時間テーブル432は、燃料ポンプ32の動作モードごとの燃料ポンプ32の駆動時間を示すヒストグラムである。CPU40は、濃度センサ38のアルコール濃度S、及び燃料ポンプ32の動作モードに基づきポンプ駆動時間テーブル432をトリップごとに更新する。走行距離テーブル433は、オドメータ36が示す車両3の走行距離の記録開始時の初期値及び現在値を記録する。CPU40は、オドメータ36の走行距離に基づき、EFI-ECU35の起動時に初期値を記録し、トリップごとに現在値を更新する。
このように、CPU40は、燃料ポンプ32に与えられた負荷を定量的に検出して起動回数テーブル430、電圧分布テーブル431、ポンプ駆動時間テーブル432、及び走行距離テーブル433を生成する。CPU40は、負荷パラメータとして起動回数テーブル430、電圧分布テーブル431、ポンプ駆動時間テーブル432、及び走行距離テーブル433を通信ポート44に出力する。
通信ポート44は、負荷パラメータを通信モジュール39に出力する。これにより、負荷パラメータは、車両3から保守端末2に送信され、さらに車両管理サーバ1に送信される。通信ポート44は、負荷パラメータを車両管理サーバ1に送信する送信部の一例である。
(車両管理サーバの構成)
図4は、車両管理サーバ1の一例を示す構成図である。車両管理サーバ1は、CPU10、ROM11、RAM12、HDD(Hard Disk Drive)13、及び通信ポート14を有する。CPU10は、互いに信号の入出力ができるように、ROM11、RAM12、HDD13、及び通信ポート14と、バス19を介して接続されている。なお、車両管理サーバ1は車両管理装置の一例であり、CPU10は、車両管理方法を実行するコンピュータの一例である。
ROM11は、CPU10を駆動するプログラムが格納されている。RAM12は、CPU10のワーキングメモリとして機能する。通信ポート14は、例えばCPU10と通信モジュール39の間でデータを送受信する。通信ポート14は、受信部の一例であり、車両3から保守端末2及びネットワーク90経由で負荷パラメータ130を受信する。
HDD13には、負荷パラメータ130、ポンプ性能データ131、及び補正情報132が格納されている。負荷パラメータ130は、車両3から保守端末2経由で受信した起動回数テーブル430、電圧分布テーブル431、ポンプ駆動時間テーブル432、及び走行距離テーブル433を含む。
ポンプ性能データ131は、燃料ポンプ32の単体試験で予め測定された耐久性能に関する測定データ、及びその測定条件を含む。測定データとしては故障率のワイブルチャートが挙げられるが、これに限定されない。測定データの故障率は燃料ポンプ32の交換の目安として用いられる。補正情報132は、負荷パラメータ130を測定データの測定条件に従って比較データに換算するための各種の補正パラメータを含む。
CPU10は、プログラムを読み込むと、ソフトウェア機能としてパラメータ収集部100、換算処理部101、及び劣化判断部102を生成する。パラメータ収集部100は、収集部の一例であり、通信ポート14により車両3からネットワーク90を介して負荷パラメータ130を収集する。パラメータ収集部100は負荷パラメータ130をHDD13に保存する。パラメータ収集部100は、負荷パラメータ130の保存の完了を換算処理部101に通知する。
換算処理部101は、負荷パラメータ130の保存完了の通知に応じてHDD13から負荷パラメータ130を読み出し、補正情報132により負荷パラメータ130を測定データの測定条件に従って比較データに換算する。これにより、負荷パラメータ130は測定データと比較可能となる。
劣化判断部102は、負荷パラメータ130から換算された比較データ及び測定データを比較することにより燃料ポンプ32の劣化状態を判断する。後述する例のように、劣化判断部102は燃料ポンプ32の交換の要否を判断するが、これに限定されず、燃料ポンプ32の残りの使用可能期間や劣化の程度を算出してもよい。なお、換算処理部101は換算部の一例であり、劣化判断部102は判断部の一例である。また、CPU10の処理の詳細は後述する。
以下にEFI-ECU35による負荷パラメータ130の収集手法を説明する。
(起動回数テーブル)
図5は、起動回数テーブル430の一例を示す図である。起動回数テーブル430には、アルコール濃度S、バッテリ電圧E、及びトリップ中の起動タイミングに応じて12個の起動回数Na(1,1,1)~Na(2,2,3)が記録される。ここで、起動回数はNa(a1,a2,a3)と表され、変数a1,a2,a3の組み合わせによりアルコール濃度S、バッテリ電圧E、及びトリップ中の起動タイミングが区別される。
バッテリ電圧Eは、E<TH_Lの電圧範囲(a3=1)、TH_L≦E<TH_Hの電圧範囲(a3=2)、及びE≧TH_Hの電圧範囲(a3=3)に区分される。ここで、閾値TH_L及びTH_H(>TH_L)は例えば燃料ポンプ32の特性に基づき適宜に決定される。
トリップ中の起動タイミングは、トリップ中の初回(a2=1)及び2回目以降(a2=2)に区分される。本例の車両3は、エンジン31が間欠運転される車種であると仮定するが、間欠運転のない車種の場合、初回及び2回目以降の区分は不要である。
アルコール濃度Sは、S<THsの範囲(a1=1)及びS≧THsの範囲(a1=2)に区分される。S<THsの場合、燃料はガソリンであり、S≧THsの場合、燃料はガソリン及びエタノールの混合燃料である。なお、車両3が混合燃料に対応していない場合、アルコール濃度Sによる燃料の種類の区分は不要である。
図6は、起動回数の検出処理の一例を示すタイムチャートGaである。タイムチャートGaは、時刻に従ったイグニッションスイッチ30のオンオフ状態(IG-SW)、バッテリ電圧E(V)、燃料ポンプ32の駆動信号、アルコール濃度S(%)、起動回数の仮保持値ΔNa(1,1),ΔNa(2,2),ΔNa(2,1)の変化を示す。仮保持値ΔNa(a2,a3)は、トリップ中に検出された累計起動回数であって、トリップの終了後に起動回数テーブル430の起動回数Na(1,a2,a3)またはNa(2,a2,a3)に加算される値である。
本例において、燃料は例えば純粋なガソリンであり、アルコール濃度Sは閾値THs以下である。
イグニッションスイッチ30は時刻t1にオンされ、時刻t6にオフされる。駆動信号はEFI-ECU35から燃料ポンプ32のモータに出力される。駆動信号は時刻t1~t2,t3~t4,t5~t6の期間にオンになり、これらの区間において燃料ポンプ32は駆動する。バッテリ電圧Eは補機バッテリ34の負荷の状態に応じて変動する。
CPU40は、駆動信号がオフからオンになった回数を起動回数として検出する。CPU40は、時刻t1における駆動信号のオンを検出する。時刻t1においてバッテリ電圧EはTH_L未満である。また、時刻t1における燃料ポンプ32の起動は時刻t1~t6のトリップ中の最初の起動である。このため、CPU40は、起動回数Na(1,1,1)及びNa(2,1,1)に対応する仮保持値ΔNa(1,1)を0回から1回に更新する。
次にCPU40は、時刻t3における駆動信号のオンを検出する。時刻t3においてバッテリ電圧Eは閾値TH_L以上かつ閾値TH_H未満である。また、時刻t3における燃料ポンプ32の起動は時刻t1~t6のトリップ中の2回目以降の起動である。このため、CPU40は、起動回数Na(1,2,2)及びNa(2,2,2)に対応する仮保持値ΔNa(2,2)を0回から1回に更新する。
次にCPU40は、時刻t5における駆動信号のオンを検出する。時刻t5においてバッテリ電圧Eは閾値TH_L以上かつ閾値TH_H未満である。また、時刻t5における燃料ポンプ32の起動は時刻t1~t6のトリップ中の2回目以降の起動である。このため、CPU40は、起動回数Na(1,2,1)及びNa(2,2,1)に対応する仮保持値ΔNa(2,1)を0回から1回に更新する。
CPU40は、トリップが終了した時刻t6の後に各仮保持値ΔNa(1,1),ΔNa(2,2),ΔNa(2,1)を起動回数テーブル430に反映する。反映後、各仮保持値ΔNa(1,1),ΔNa(2,2),ΔNa(2,1)は0回にリセットされる。このときの起動回数テーブル430は、図6の紙面におけるタイムチャートGaの下部に記載されているとおりである。なお、時刻t1における起動回数テーブル430の起動回数Na(1,1,1)~Na(2,2,3)は0回である。
CPU40は、アルコール濃度Sが閾値THs以下であるため、仮保持値ΔNa(1,1),ΔNa(2,2),ΔNa(2,1)を起動回数Na(1,1,1),Na(1,2,2),Na(1,2,1)にそれぞれ加算する。これにより、起動回数Na(1,1,1),Na(1,2,2),Na(1,2,1)はそれぞれ0回から1回に更新される。このようにCPU40は、トリップ中の起動回数を計数した保持値(a2,a3)により起動回数テーブル430を更新する。
図7は、起動回数の検出処理の一例を示すフローチャートである。CPU40は、例えば一定周期で本処理を実行する。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する(ステップSt1)。イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わった場合(ステップSt1のYes)、CPU40は燃料ポンプ32が起動したか否かを判定する(ステップSt2)。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンに切り替わっていない場合(ステップSt1のNo)、または燃料ポンプ32が停止している場合(ステップSt2のNo)、後述の起動回数テーブル(TBL)更新処理(ステップSt14)を実行する。CPU40は、燃料ポンプ32が起動した場合(ステップSt2のYes)、電圧センサ37からバッテリ電圧Eを取得する(ステップSt3)。
次にCPU40は、以下のステップSt4~St8の各処理によりバッテリ電圧Eの電圧範囲を判定する。CPU40はバッテリ電圧E及び閾値TH_Lを比較する(ステップSt4)。CPU40は、E<TH_Lが成立する場合(ステップSt4のYes)、変数a3に1を設定する(ステップSt5)。また、CPU40は、E<TH_Lが成立しない場合(ステップSt4のNo)、バッテリ電圧E及び閾値TH_L及びTH_Hを比較する(ステップSt6)。
CPU40は、TH_L≦E<TH_Hが成立する場合(ステップSt6のYes)、変数a3に2を設定する(ステップSt7)。また、CPU40は、E≧TH_Hが成立する場合(ステップSt6のNo)、変数a3に3を設定する(ステップSt8)。
次にCPU40は、変数INITが0であるか否かを判定する(ステップSt9)。変数INITは、ステップSt2で判定した燃料ポンプ32の起動がトリップ中の初回起動であるか否かを示す(0:初回の起動、1:2回目以降の起動)。
CPU40は、変数INITが0である場合(ステップSt9のYes)、燃料ポンプ32の起動がトリップ中の初回であると判定し、変数a2に1を設定し(ステップSt10)、変数INITに1を設定する(ステップSt11)。また、CPU40は、変数INITが1である場合(ステップSt9のNo)、燃料ポンプ32の起動がトリップ中の2回目以降であると判定し、変数a2に2を設定する(ステップSt12)。
次にCPU40は、トリップ中の起動回数を計数するために仮保持値ΔNa(a2,a3)に1を加算する(ステップSt13)。次にCPU40は起動回数テーブル430の更新処理を実行する(ステップSt14)。このようにして起動回数の検出処理は実行される。
図8は、起動回数テーブル430の更新処理の一例を示すフローチャートである。本処理は上記のステップSt14において実行される。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンからオフに切り替わったか否かを判定する(ステップSt21)。イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっていない場合(ステップSt21のNo)、本処理は終了する。
また、CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフに切り替わった場合(ステップSt21のYes)、濃度センサ38が示すアルコール濃度Sを閾値THsと比較する(ステップSt22)。CPU40は、S<THsが成立する場合(ステップSt22のYes)、変数a1に1を設定し(ステップSt23)、S≧THsが成立する場合(ステップSt22のNo)、変数a1に2を設定する(ステップSt24)。
次にCPU40は以下のステップSt25~St28の各処理により仮保持値ΔNa(a2,a3)を起動回数テーブル430に反映する。まず、CPU40は変数a2及びa3の値の組み合わせの何れかを選択する(ステップSt25)。次にCPU40は、起動回数Na(a1,a2,a3)に仮保持値ΔNa(a2,a3)を加算する(ステップSt26)。次にCPU40は、次のトリップに備えるために仮保持値ΔNa(a2,a3)を0にリセットする(ステップSt27)。
次にCPU40は、未選択の変数a2及びa3の値の組み合わせの有無を判定する(ステップSt28)。CPU40は、未選択の変数a2及びa3の値の組み合わせが存在する場合(ステップSt28のYes)、未選択の変数a2及びa3の値の組み合わせを選択して(ステップSt25)、再びステップSt26,St27の各処理を実行する。
また、CPU40は、未選択の変数a2及びa3の値の組み合わせが存在しない場合(ステップSt28のNo)、次のトリップに備えるために変数INITを0にリセットして(ステップSt29)、本処理を終了する。
このようにしてCPU40は仮保持値ΔNa(a2,a3)により起動回数テーブル430を更新する。
(電圧分布テーブル)
図9は、電圧分布テーブル431の一例を示す図である。電圧分布テーブル431には、アルコール濃度S及び燃料ポンプ32の動作モードに応じて18個の最大のバッテリ電圧Eの発生回数Nb(1,1,1)~Nb(2,3,3)が記録される。ここで、発生回数はNb(b1,b2,b3)と表され、変数b1,b2,b3の組み合わせによりアルコール濃度S、各動作モードの期間における最大のバッテリ電圧E(以下、最大電圧)の範囲、及び動作モードが区別される。
最大電圧は、一例としてE<TH_Lの電圧範囲(b3=1)、TH_L≦E<TH_Hの電圧範囲(b3=2)、及びE>TH_Hの電圧範囲(b3=3)に区分される。また、燃料ポンプ32の動作モードは、上述したようにLOW(b2=1)、MIDDLE(b2=2)、及びHIGH(b2=3)に区分される。アルコール濃度Sは、S<THsの範囲(b1=1)及びS≧THsの範囲(a1=2)に区分される。なお、車両3が混合燃料に対応していない場合、アルコール濃度Sによる燃料の種類の区分は不要である。
図10は、最大電圧の発生回数の検出処理の一例を示すタイムチャートGbである。タイムチャートGbは、時刻に従ったイグニッションスイッチ30のオンオフ状態(IG-SW)、バッテリ電圧E(V)、燃料ポンプ32の動作モード、アルコール濃度S(%)、発生回数の仮保持値ΔNb(2,1),ΔNb(2,2),ΔNb(3,2),ΔNb(3,3)の変化を示す。仮保持値ΔNb(b2,b3)は、トリップ中に検出された最大電圧の累計発生回数であって、トリップの終了後に発生回数Nb(1,b2,b3)及びNb(2,b2,b3)に加算される値である。
本例において、燃料は例えば純粋なガソリンであり、アルコール濃度Sは閾値THs以下である。
イグニッションスイッチ30は時刻t10にオンされ、時刻t19にオフされる。バッテリ電圧Eは補機バッテリ34の負荷の状態に応じて変動する。動作モードは、時刻t10~t11の期間、及び時刻t14~t15の期間においてMIDDLE(「M」参照)であり、時刻t11~t12の期間、時刻t16~t17、及び時刻t18~t19の期間においてHIGH(「H」参照)である。なお、動作モードがLOW(「L」参照)となる期間の図示は省略する。
CPU40は、動作モードLOW,MIDDLE,HIGHの各期間における最大電圧の電圧範囲ごとの発生回数を検出する。CPU40は、時刻t10~t11の動作モードMIDDLEの期間における最大電圧がTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲であることを検出する。このため、CPU40は、時刻t11の後、発生回数Nb(1,2,2)及びNb(2,2,2)に対応する仮保持値ΔNb(2,2)を0回から1回に更新する。
次にCPU40は、時刻t11~t13の動作モードHIGHの期間における最大電圧がTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲であることを検出する。このため、CPU40は、時刻t13の後、発生回数Nb(1,3,2)及びNb(2,3,2)に対応する仮保持値ΔNb(3,2)を0回から1回に更新する。
このとき、時刻t12においてバッテリ電圧Eがノイズなどにより瞬間的にTH_Hを超えるが、CPU40は、後述するように、連続して取得する2つのバッテリ電圧Eのうち、低い方のバッテリ電圧Eを最大電圧の更新に用いるため、時刻t12のバッテリ電圧Eは最大電圧に設定されない。
次にCPU40は、時刻t14~t15の動作モードMIDDLEの期間における最大電圧がE<TH_Lの電圧範囲であることを検出する。このため、CPU40は、時刻t15の後、発生回数Nb(1,2,1)及びNb(2,2,1)に対応する仮保持値ΔNb(2,1)を0回から1回に更新する。
次にCPU40は、時刻t16~t17の動作モードHIGHの期間における最大電圧がE≧TH_Hの電圧範囲であることを検出する。このため、CPU40は、時刻t16の後、発生回数Nb(1,3,3)及びNb(2,3,3)に対応する仮保持値ΔNb(3,3)を0回から1回に更新する。
次にCPU40は、時刻t18~t19の動作モードHIGHの期間における最大電圧がTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲であることを検出する。このため、CPU40は、時刻t19の後、発生回数Nb(1,3,2)及びNb(2,3,2)に対応する仮保持値ΔNb(3,2)を1回から2回に更新する。
CPU40は、トリップが終了した時刻t19の後に各仮保持値ΔNb(2,1),ΔNa(2,2),ΔNa(3,2),ΔNa(3,3)を電圧分布テーブル431に反映する。このときの電圧分布テーブル431は、図10の紙面におけるタイムチャートGbの下部に記載されているとおりである。反映後、各仮保持値ΔNb(2,1),ΔNa(2,2),ΔNa(3,2),ΔNa(3,3)は0回にリセットされる。なお、時刻t10における起動回数テーブル430の起動回数Na(1,1,1)~Nb(2,3,3)は0回である。
図11及び図12は、最大電圧の発生回数の検出処理の一例を示すフローチャートである。CPU40は、例えば一定周期で本処理を実行する。なお、図11及び図12は、符号A及びBにおいて互いに連結される1つのフローチャートである。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する(ステップSt31)。イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わった場合(ステップSt31のYes)、CPU40は燃料ポンプ32が起動したか否かを判定する(ステップSt32)。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンに切り替わっていない場合(ステップSt31のNo)、または燃料ポンプ32が停止している場合(ステップSt32のNo)、後述のステップSt43を実行する。
また、CPU40は、燃料ポンプ32が起動している場合(ステップSt32のYes)、例えば燃料ポンプ32の目標回転数に基づいて動作モードがLOWであるか否かを判定する(ステップSt33)。動作モードがLOWである場合(ステップSt33のYes)、CPU40は変数b2を1に設定する(ステップSt34)。
また、CPU40は、動作モードがLOWではない場合(ステップSt33のNo)、例えば燃料ポンプ32の目標回転数に基づいて動作モードがMIDDLEであるか否かを判定する(ステップSt35)。動作モードがMIDDLEである場合(ステップSt35のYes)、CPU40は変数b2を2に設定する(ステップSt36)。また、CPU40は、動作モードがMIDDLEではない場合、つまりHIGHである場合(ステップSt35のNo)、CPU40は変数b2を3に設定する(ステップSt37)。
次にCPU40は、電圧センサ37からバッテリ電圧Eを取得する(ステップSt38)。CPU40は、バッテリ電圧E、及びその前に取得したバッテリ電圧Epre(以下、前回バッテリ電圧Epreと表記)のうち、低い方の電圧(min(E,Epre))と最大電圧Emaxを比較する(ステップSt39)。ここで前回バッテリ電圧Epre及び最大電圧Emaxの初期値は例えば0である。
CPU40は、バッテリ電圧E及び前回バッテリ電圧Epreのうち、低い方の電圧が最大電圧Emaxより高い場合(ステップSt39のYes)、その低い方の電圧を最大電圧Emaxに設定する(ステップSt40)。次にCPU40は、バッテリ電圧Eを前回バッテリ電圧Epreに設定する(ステップSt41)。
このように、CPU40は、連続して取得する2つのバッテリ電圧E,Epreのうち、低い方のバッテリ電圧Eを最大電圧Emaxの更新に用いるため、ノイズなどにより発生した瞬間的な高電圧は最大電圧Emaxに設定されない。このため、CPU40は、高精度に最大電圧Emaxの分布を検出することができる。
次にCPU40は、動作モードが変化したか否かを判定する(ステップSt42)。CPU40は、動作モードが変化した場合(ステップSt42のYes)、最大電圧Emaxが0(V)であるか否かを判定する(ステップSt43)。動作モードが変化していない場合(ステップSt42のNo)、または最大電圧Emaxが0(V)である場合(ステップSt43のNo)、後述のステップSt51の処理が実行される。
CPU40は、最大電圧Emaxが0(V)ではない場合(ステップSt43のYes)、以下のステップSt44~St48の各処理により最大電圧Emaxの電圧範囲を判定する。CPU40は最大電圧Emax及び閾値TH_Lを比較する(ステップSt44)。CPU40は、Emax<TH_Lが成立する場合(ステップSt44のYes)、変数b3に1を設定する(ステップSt45)。また、CPU40は、Emax<TH_Lが成立しない場合(ステップSt44のNo)、最大電圧Emax及び閾値TH_L及びTH_Hを比較する(ステップSt46)。
CPU40は、TH_L≦Emax<TH_Hが成立する場合(ステップSt46のYes)、変数b3に2を設定する(ステップSt47)。また、CPU40は、Emax≧TH_Hが成立する場合(ステップSt46のNo)、変数b3に3を設定する(ステップSt48)。
次にCPU40は、動作モードの期間ごとの最大電圧Emaxの発生回数を計数するために仮保持値ΔNb(b2,b3)に1を加算する(ステップSt49)。次にCPU40は、次の動作モードの期間での発生回数の計数に備えて最大電圧Emaxを0にリセットする(ステップSt50)。
次にCPU40は、イグニッションスイッチ30がオンからオフに切り替わったか否かを判定する(ステップSt51)。イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっていない場合(ステップSt51のNo)、本処理は終了する。イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっている場合(ステップSt51のYes)、CPU40は以下の電圧分布テーブル(TBL9431の更新処理(ステップSt52)を実行する。
図13は、電圧分布テーブル431の更新処理の一例を示すフローチャートである。本処理は上記のステップSt52において実行される。
CPU40は、濃度センサ38が示すアルコール濃度Sを閾値THsと比較する(ステップSt61)。CPU40は、S<THsが成立する場合(ステップSt61のYes)、変数b1に1を設定し(ステップSt62)、S≧THsが成立する場合(ステップSt61のNo)、変数b1に2を設定する(ステップSt63)。
次にCPU40は以下のステップSt64~St67の各処理により仮保持値ΔNb(b2,b3)を電圧分布テーブル431に反映する。まず、CPU40は変数b2及びb3の値の組み合わせの何れかを選択する(ステップSt64)。次にCPU40は、発生回数Nb(b1,b2,b3)に仮保持値ΔNb(b2,b3)を加算する(ステップSt65)。次にCPU40は、次のトリップに備えるために仮保持値ΔNb(b2,b3)を0にリセットする(ステップSt66)。
次にCPU40は、未選択の変数b2及びb3の値の組み合わせの有無を判定する(ステップSt67)。CPU40は、未選択の変数b2及びb3の値の組み合わせが存在する場合(ステップSt67のYes)、未選択の変数b2及びb3の値の組み合わせを選択して(ステップSt64)、再びステップSt65,St66の各処理を実行する。
また、CPU40は、未選択の変数b2及びb3の値の組み合わせが存在しない場合(ステップSt67のNo)、本処理を終了する。このようにしてCPU40は仮保持値ΔNb(b2,b3)により電圧分布テーブル431を更新する。
(ポンプ駆動時間テーブル)
図14は、ポンプ駆動時間テーブル432の一例を示す図である。ポンプ駆動時間テーブル432には、アルコール濃度S及び燃料ポンプ32の動作モードに応じて6種の駆動時間Nc(1,1)~Nc(2,3)(分)が記録される。ここで、駆動時間はNc(c1,c2)と表され、変数c1,c2の組み合わせによりアルコール濃度S及び動作モードが区別される。
燃料ポンプ32の動作モードは、上述したようにLOW(c2=1)、MIDDLE(c2=2)、及びHIGH(c2=3)に区分される。アルコール濃度Sは、S<THsの範囲(c1=1)及びS≧THsの範囲(c1=2)に区分される。なお、車両3が混合燃料に対応していない場合、アルコール濃度Sによる燃料の種類の区分は不要である。
図15は、燃料ポンプ32の駆動時間の検出処理の一例を示すタイムチャートGcである。タイムチャートGcは、時刻に従ったイグニッションスイッチ30のオンオフ状態(IG-SW)、燃料ポンプ32の動作モード、アルコール濃度S(%)、駆動時間の仮保持値ΔNc(2),ΔNc(3)の変化を示す。仮保持値ΔNb(c2)は、トリップ中に検出された燃料ポンプ32の累計駆動時間であって、トリップの終了後に駆動時間Nc(1,c2)及びNb(2,c2)に加算される値である。
本例において、燃料は例えば純粋なガソリンであり、アルコール濃度Sは閾値THs以下である。イグニッションスイッチ30は時刻t20にオンされ、時刻t27にオフされる。動作モードは、時刻t20~t21の期間、及び時刻t22~t23の期間においてMIDDLE(「M」参照)であり、時刻t24~t25の期間、及び時刻t26~t27の期間においてHIGH(「H」参照)である。なお、動作モードがLOW(「L」参照)となる期間の図示は省略する。
CPU40は、動作モードLOW,MIDDLE,HIGHの各期間における燃料ポンプ32の駆動時間を検出する。CPU40は、時刻t20~t21の期間、及び時刻t22~t23の期間において動作モードMIDDLEの駆動時間を仮保持値ΔNc(2)として計時する。また、CPU40は、時刻t24~t25の期間、及び時刻t26~t27の期間において動作モードHIGHの駆動時間を仮保持値ΔNc(3)として計時する。
CPU40は、トリップが終了した時刻t27の後に各仮保持値ΔNc(2)(=T2≠0),ΔNc(3)(=T3≠0)をポンプ駆動時間テーブル432に反映する。このときのポンプ駆動時間テーブル432は、図15の紙面におけるタイムチャートGcの下部に記載されているとおりである。反映後、各仮保持値ΔNc(2),ΔNc(3)は0にリセットされる。なお、時刻t20における起動回数テーブル430のNc(1,1)~Nc(2,3)は0(分)である。このように、CPU40はトリップごとにポンプ駆動時間テーブル432を更新する。
図16は、燃料ポンプ32の駆動時間の検出処理の一例を示すフローチャートである。CPU40は、例えば一定周期で本処理を実行する。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する(ステップSt71)。イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わった場合(ステップSt71のYes)、CPU40は燃料ポンプ32が駆動中であるか否かを判定する(ステップSt72)。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンに切り替わっていない場合(ステップSt71のNo)、または燃料ポンプ32が停止している場合(ステップSt72のNo)、後述のポンプ駆動時間テーブル432の更新処理を実行する。
また、CPU40は、燃料ポンプ32が駆動中である場合(ステップSt72のYes)、例えば燃料ポンプ32の目標回転数に基づいて動作モードがLOWであるか否かを判定する(ステップSt73)。動作モードがLOWである場合(ステップSt73のYes)、CPU40は変数c2を1に設定する(ステップSt74)。
また、CPU40は、動作モードがLOWではない場合(ステップSt73のNo)、例えば燃料ポンプ32の目標回転数に基づいて動作モードがMIDDLEであるか否かを判定する(ステップSt75)。動作モードがMIDDLEである場合(ステップSt75のYes)、CPU40は変数c2を2に設定する(ステップSt76)。また、CPU40は、動作モードがMIDDLEではない場合、つまりHIGHである場合(ステップSt75のNo)、CPU40は変数c2を3に設定する(ステップSt77)。
次にCPU40は、仮保持値ΔNc(c2)に所定時間ΔTを加算する(ステップSt78)。ここで所定時間ΔTは、例えばタイマから取得された経過時間である。次にCPU40はポンプ駆動時間テーブル432の更新処理を実行する(ステップSt79)。
図17は、ポンプ駆動時間テーブル432の更新処理の一例を示すフローチャートである。本処理は上記のステップSt79において実行される。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンからオフに切り替わったか否かを判定する(ステップSt81)。イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっていない場合(ステップSt81のNo)、本処理は終了する。
また、CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフに切り替わった場合(ステップSt81のYes)、濃度センサ38が示すアルコール濃度Sを閾値THsと比較する(ステップSt82)。CPU40は、S<THsが成立する場合(ステップSt82のYes)、変数c1に1を設定し(ステップSt83)、S≧THsが成立する場合(ステップSt82のNo)、変数c1に2を設定する(ステップSt84)。
次にCPU40は以下のステップSt85~St88の各処理により仮保持値ΔNc(c2)をポンプ駆動時間テーブル432に反映する。まず、CPU40は変数c2の値を選択する(ステップSt85)。次にCPU40は、駆動時間Nc(c1,c2)に仮保持値ΔNc(c2)を加算する(ステップSt86)。次にCPU40は、次のトリップに備えるために仮保持値ΔNc(c2)を0にリセットする(ステップSt87)。
次にCPU40は、未選択の変数c2の値の有無を判定する(ステップSt88)。CPU40は、未選択の変数c2の値が存在する場合(ステップSt88のYes)、未選択の変数c2の値を選択して(ステップSt85)、再びステップSt86,St87の各処理を実行する。
また、CPU40は、未選択の変数c2の値が存在しない場合(ステップSt88のNo)、本処理を終了する。このようにしてCPU40は仮保持値ΔNc(c2)によりポンプ駆動時間テーブル432を更新する。
(走行距離テーブル)
図18は、走行距離テーブル433及びその更新処理の一例を示すタイムチャートGdである。走行距離テーブル433には、CPU40が走行距離の記録を開始したときの初期値、及びその後の現在値が含まれる。
タイムチャートGaは、時刻に従ったイグニッションスイッチ30のオンオフ状態(IG-SW)、オドメータ36が示す走行距離(km)、及び記録開始フラグの変化を示す。記録開始フラグは、CPU40が走行距離の記録開始前において「0」を示し、走行距離の記録開始後において「1」を示す。
イグニッションスイッチ30は時刻t30にオンされ、時刻t32にオフされる。さらにイグニッションスイッチ30は時刻t34にオンされ、時刻t35にオフされる。オドメータ36の走行距離は、時刻t30~t32の期間、及び時刻t34~t35の期間において増加するが、他の期間では一定である。なお、時刻t30におけるオドメータ36は2000(km)を示す。
CPU40は、時刻t30においてオドメータ36から走行距離「2000(km)」を取得して走行距離テーブルに初期値として記録する。その後の時刻t31においてCPU40は記録開始フラグを「0」から「1」に更新する。
次にCPU40は、時刻t32においてオドメータ36から走行距離「2100(km)」を取得して走行距離テーブルに現在値として記録する。次にCPU40は、時刻t35においてオドメータ36から走行距離「2200(km)」を取得して走行距離テーブルに現在値として記録する。このように、CPU40はトリップごとに走行距離テーブル433の現在値を更新する。
図19は、車両3の走行距離の検出処理の一例を示すフローチャートである。CPU40は、例えば一定周期で本処理を実行する。なお、記録開始フラグの初期値は「0」である。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わったか否かを判定する(ステップSt91)。イグニッションスイッチ30がオフからオンに切り替わった場合(ステップSt91のYes)、CPU40は、記録開始フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップSt92)。CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンに切り替わっていない場合(ステップSt91のNo)、または記録開始フラグが「1」である場合(ステップSt92のNo)、後述のステップSt96の処理を実行する。
CPU40は、記録開始フラグが「0」である場合(ステップSt92のYes)、オドメータ36から走行距離を読み出して(ステップSt93)、走行距離テーブル433に初期値として書き込む(ステップSt94)。次にCPU40は、次回以降の本処理の実行時に走行距離の初期値の記録が行われないように記録開始フラグを「1」に更新する(ステップSt95)。
CPU40は、イグニッションスイッチ30がオンからオフに切り替わったか否かを判定する(ステップSt96)。イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっていない場合(ステップSt96のNo)、本処理は終了する。
イグニッションスイッチ30がオフに切り替わっている場合(ステップSt96のYes)、CPU40は、オドメータ36から走行距離を読み出して(ステップSt97)、走行距離テーブル433に現在値として書き込む(ステップSt98)。このようにしてCPU40は走行距離テーブル433を更新する。
(ポンプ性能データ)
図20は、ポンプ性能データ131の一例を示す図である。車両管理サーバ1はポンプ性能データ131に基づき補正情報132により負荷パラメータ130を比較データに換算する。負荷パラメータ130には、上述した起動回数テーブル430、電圧分布テーブル431、ポンプ駆動時間テーブル432、及び走行距離テーブル433が含まれる。
ポンプ性能データ131には、燃料ポンプ32の耐久性能に関する測定データ、及びその測定条件が含まれる。測定データは、一例として、燃料ポンプ32の故障率が3.2(ppm)に至る所要時間として12000(時間)を示す。また、測定データは、一例として、燃料ポンプ32の故障率が3.2(ppm)に至る車両3の走行距離の所要値として300000(km)を示す。なお、燃料ポンプ32の劣化要因としては、一例としてモータのブラシの摩耗が挙げられる。
ポンプ性能データ131は、例えば燃料ポンプ32の単体試験の結果として、燃料ポンプ32の駆動時間が12000(時間)かつ車両3の走行距離300000(km)において故障率が3.2(ppm)を示すワイブルチャートから事前に抽出される。この故障率は、例えば燃料ポンプ32の交換が必要となる目安の一例である。
しかし、故障率が3.2(ppm)に至る燃料ポンプ32の駆動時間及び車両3の走行距離は、例えば車両3のユーザの運転方法及び運転環境に依存して異なる。このため、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32の負荷パラメータ130を測定条件に従って比較データに換算することにより燃料ポンプ32の劣化状態を判断する。
測定条件としては、一例としてバッテリ電圧Eref(V)、燃料ポンプ32の動作モード、及びアルコール濃度Srefが挙げられる。本例では、バッテリ電圧ErefはTH_L≦Eref<TH_Hを満たす電圧値であり、動作モードはHIGHであり、アルコール濃度SrefはSref<THsを満たす濃度(例えば純粋なガソリン)である状態を測定条件と仮定する。なお、アルコール濃度Srefは第1濃度の一例である。また、測定条件の動作モードに応じたモータの回転数または吐出流量は、第1出力値の一例である。
(補正情報)
図21は、補正情報132の一例を示す図である。補正情報132には、上記のバッテリ電圧Erefの測定条件における燃料ポンプ32のモータのブラシの相対摩耗量Ha、バッテリ電圧Eに関する摩耗補正係数Hb、及びアルコール濃度Sに関する摩耗補正係数Hbが含まれる。
相対摩耗量Haは、車種X,Yの各々について、燃料ポンプ32の動作モードがHIGHである状態のブラシの摩耗量を1とした場合における、動作モードがLOW及びMIDDLEである状態のブラシの摩耗量、及び燃料ポンプ32の起動による摩耗量を示す。燃料ポンプ32のモータの回転数が高いほど、ブラシの摩耗量は増加するため、動作モードがHIGHである場合の摩耗量は、動作モードがLOW及びMIDDLEである場合より高くなる。また、燃料ポンプ32の起動時、補機バッテリ34からモータに高い突入電流が流れ込むため、ブラシの摩耗量は通常の動作時(HIGH、MIDDLE、LOW)より増加する。
摩耗補正係数Hbは、バッテリ電圧Eの電圧範囲が測定条件と同じTH_L≦E<TH_Hである場合の摩耗量を1とした場合における、電圧範囲(E<TH_L、TH_L≦E<TH_H、E≧TH_H)ごとのブラシの摩耗量の比を示す。補機バッテリ34から燃料ポンプ32に印加される電圧が大きいほど、ブラシの摩耗量は増加する。
摩耗補正係数Hcは、アルコール濃度Sが測定条件と同じS<THsであるときのブラシの摩耗量を1とした場合における、アルコール濃度Sの範囲(S<THs、S≧THs)ごとの摩耗量を示す。アルコールとガソリンの混合燃料は純粋なガソリンと比較すると異物が混入してブラシの火花放電が起きやすいため、S≧THsの場合の摩耗量はS<THsの場合の摩耗量より高い。
車両管理サーバ1の換算処理部101は、ポンプ駆動時間テーブル432の駆動時間を車種X,Yに応じて動作モードごとに相対摩耗量Haにより比較データに換算する。また、換算処理部101は、電圧分布テーブル431の各電圧範囲の発生回数の比及び摩耗補正係数Hbに応じてポンプ駆動時間テーブル432の駆動時間を比較データに換算する。さらに換算処理部101は、アルコール濃度Sごとに摩耗補正係数Hbによりポンプ駆動時間テーブル432の駆動時間を比較データに換算する。
劣化判断部102は、燃料ポンプ32の劣化状態の判断として、例えば比較データ及び測定データの比較により燃料ポンプ32の交換の要否を判断する。以下に燃料ポンプ32の交換の要否の判断について例を挙げて説明する。
(第1判断例)
図22は、第1判断例における起動回数テーブル430及び電圧分布テーブル431を示す図である。本例では、換算処理部101は、燃料ポンプ32の間欠運転のない車種Xの燃料ポンプ32の駆動時間を比較データに換算する。このため、起動回数テーブル430において、トリップ中の起動タイミングが2回目以降の起動回数はすべて0回である。
また、電圧分布テーブル431には、最大電圧Emaxの発生回数とともに燃料ポンプ32の動作モードごとの発生回数の比率が示されている。例えば換算処理部101は、アルコール濃度S<THs、動作モードMIDDLE、及びバッテリ電圧EのTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応する発生回数(5回)の比率を71.4(%)(=5/(5+2)×100)と算出する(点線枠参照)。また、換算処理部101は、アルコール濃度S≧THs、動作モードLOW、及びバッテリ電圧EのE<TH_Lの電圧範囲に対応する発生回数(3回)の比率を1.4(%)(=3/(3+206)×100)と算出する(点線枠参照)。
図23は、第1判断例におけるポンプ駆動時間テーブル432及び走行距離テーブル433を示す図である。換算処理部101は、ポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間を、相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcに基づきアルコール濃度S、燃料ポンプ32の動作モード、及び電圧分布テーブル431中の発生回数に応じて比較データに換算する。
また、換算処理部101は、符号Geで示されるように、走行距離テーブル433の初期値(1706(km))及び現在値(6795(km))の差分(5089(km))と、その差分の300000(km)に対する比(58.95)を算出する。
図24は、第1判断例を示す図である。符号G1fは、比較データとしての換算後の駆動時間をバッテリ電圧E、アルコール濃度S、及び燃料ポンプ32の起動時と動作モードごとに示す。換算処理部101は、燃料ポンプ32の1回の起動を燃料ポンプ32の1分の駆動時間として起動回数テーブル430の各起動回数を比較データとしての駆動時間に換算する。以下に起動回数から駆動時間への換算例を挙げる。
Na(2,1,2)×1(分/回)×Ha×Hb×Hc
=266(回)×1(分/回)×4×1×1.5
=1596(分) ・・・(1)
換算処理部101は、S≧THs及びTH_L≦E<TH_Hにおける起動による駆動時間「1596」分(点線枠参照)を上記の式(1)により算出する。ここで、Na(2,1,2)は、S≧THsの範囲及びTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応するトリップ中の初回の起動回数(266(回))である(図22の点線枠参照)。
また、相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcは、図21に示される各テーブルから得られる。相対摩耗量Haは、車種Xの起動に対応する燃料ポンプ32のモータのブラシの摩耗量(4)である。摩耗補正係数Hbは、TH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応する係数(1)である。摩耗補正係数Hcは、S≧THsの範囲に対応する係数(1.5)である。
Na(1,1,1)×1(分/回)×Ha×Hb×Hc
=4(回)×1(分/回)×4×0.8×1
=12.8(分) ・・・(2)
換算処理部101は、S<THs及びE<TH_Lにおける起動による駆動時間「12.8」分(点線枠参照)を上記の式(2)により算出する。ここで、Na(1,1,1)は、S<THsの範囲及びE<TH_Lの電圧範囲に対応するトリップ中の初回の起動回数(=4(回))である(図22の点線枠参照)。
相対摩耗量Haは、車種Xの燃料ポンプ32の動作モードがHIGHである場合の摩耗量を1としたときの燃料ポンプ32の起動によるモータのブラシの摩耗量(4)である。摩耗補正係数Hbは、E<TH_Lの電圧範囲に対応する係数(0.8)である。摩耗補正係数Hcは、S<THsの範囲に対応する係数(=1)である。
このように、換算処理部101は相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcにより起動回数テーブル430の各起動回数を燃料ポンプ32の駆動時間に換算する。相対摩耗量Haは、燃料ポンプ32の動作モードがHIGHである場合のブラシの摩耗量に対する燃料ポンプ32の起動時の摩耗量の比である。このため、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の測定条件の1つである動作モードHIGHを基準として起動回数を駆動時間に換算することができる。
摩耗補正係数Hbは、バッテリ電圧EのTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲における摩耗量に対する各電圧範囲(E<TH_L、TH_L≦E<TH_H。E≧TH_H)における摩耗量の比である。このため、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の測定条件の1つであるTH_L≦Eref<TH_Hの電圧範囲と電圧分布テーブル431の各電圧範囲の差分に応じて起動回数を駆動時間に換算することができる。したがって、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32の起動時の突入電流に応じた劣化の度合いにより燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。
摩耗補正係数Hcは、アルコール濃度SがS<THsを満たすときの燃料ポンプ32の摩耗量を1としたときのアルコール濃度SがS≧THsを満たすときの摩耗量(1.5)である。このため、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の測定条件の1つであるSref<THsに従って駆動時間を換算することができる。したがって、車両管理サーバ1は、アルコール濃度Sに応じた劣化の度合いにより燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。
また、換算処理部101は、ポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間を燃料ポンプ32の動作モード、最大電圧Emaxの発生回数、及びアルコール濃度Sに応じて換算する。以下にポンプ性能データ131の測定条件に従った駆動時間への換算例を挙げる。
Nc(2,1)×R(2,1,1)×Ha×Hb×Hc
=3550.695(分)×1.4(%)×0.5×0.8×1.5
=29.8(分) ・・・(3)
R(2,1,1)=Nb(2,1,1)/(Nb(2,1,1)+Nb(2,1,2)+Nb(2,1,3))×100 ・・・(4)
換算処理部101は、S≧THs、動作モードLOW、及びE<TH_Lにおける駆動時間「29.8」分(点線枠参照)を上記の式(3)及び式(4)により算出する。ここで、Nc(2,1)は、S≧THsの範囲及び動作モードLOWに対応する駆動時間(3550.695(分))である(図23の点線枠参照)。
また、R(2,1,1)は、S≧THsの範囲及び動作モードLOWの場合の電圧分布テーブル431のE<TH_Lの電圧範囲における最大電圧Emaxの発生回数Nb(2,1,1)の比(1.4(%))である(図22の点線枠参照)。R(2,1,1)は、式(4)に表されるように、S≧THsの範囲及び動作モードLOWにおける全ての最大電圧Emaxの発生回数Nb(2,1,1)~Nb(2,1,3)の和に対するE<TH_Lの電圧範囲の発生回数Nb(2,1,1)の比である。なお、電圧分布テーブル431の他の発生回数Nb(b1,b2,b3)の比R(b1,b2,b3)も比R(2,1,1)と同様に算出される。
相対摩耗量Haは、車種Xの燃料ポンプ32の動作モードLOWに対応する燃料ポンプ32のモータのブラシの摩耗量(0.5)である。摩耗補正係数Hbは、E<TH_Lの電圧範囲に対応する係数(0.8)である。摩耗補正係数Hcは、S≧THsの範囲に対応する係数(1.5)である。
Nc(1,2)×R(1,2,2)×Ha×Hb×Hc
=0.2622(分)×71.4(%)×0.75×1×1
=0.14(分) ・・・(5)
R(1,2,2)=Nb(1,2,2)/(Nb(1,2,1)+Nb(1,2,2)+Nb(1,2,3))×100 ・・・(6)
換算処理部101は、S<THs、動作モードMIDDLE、及びTH_L≦E<TH_Hにおける駆動時間「0.14」分(点線枠参照)を上記の式(5)により算出する。ここで、Nc(1,2)は、S<THsの範囲及び動作モードMIDDLEに対応する駆動時間(0.2622(分))である(図23の点線枠参照)。
また、R(1,2,3)は、S<THsの範囲及び動作モードMIDDLEの場合の電圧分布テーブル431のE<TH_Lの電圧範囲における最大電圧Emaxの発生回数Nb(1,2,3)の比(71.4(%))である(図22の点線枠参照)。R(1,2,3)は、上記の式(6)に表されるように、S<THsの範囲及び動作モードMIDDLEにおける全ての最大電圧Emaxの発生回数Nb(1,2,1)~Nb(1,2,3)の和に対するE<TH_Lの電圧範囲の発生回数Nb(1,2,2)の比である。
相対摩耗量Haは、車種Xの燃料ポンプ32の動作モードMIDDLEに対応する燃料ポンプ32のモータのブラシの摩耗量(0.75)である。摩耗補正係数Hbは、E<TH_Lの電圧範囲に対応する係数(1)である。摩耗補正係数Hcは、S>THsの範囲に対応する係数(1)である。
このように、換算処理部101は、電圧分布テーブル431の最大電圧Emaxの発生回数Nb(b1,b2,b3)の比R(b1,b2,b3)と相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcにより燃料ポンプ32の駆動時間を比較データに換算する。相対摩耗量Ha(=0.75,0.5)は、燃料ポンプ32の動作モードがHIGHである場合のブラシの摩耗量に対する、動作モードがMIDDLE及びLOWである場合の摩耗量の比である。このため、換算処理部101は、燃料ポンプ32の動作モードごとの駆動時間を、ポンプ性能データ131の測定条件の1つである動作モードHIGHに従って変換することができる。
すなわち換算処理部101は、測定条件の動作モードHIGHにおける燃料ポンプ32の吐出流量や燃料ポンプ32のモータの回転数と、ポンプ駆動時間テーブル432の各動作モードおける燃料ポンプ32の吐出流量や燃料ポンプ32のモータの回転数の差分に応じて駆動時間を比較データに換算することができる。したがって、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32の燃料ポンプ32の動作モードに応じた劣化の度合いより燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。
摩耗補正係数Hbは、上述したようにバッテリ電圧Eの電圧範囲ごとの摩耗量の比である。換算処理部101は、電圧分布テーブル431の最大電圧Emaxの発生回数Nb(b1,b2,b3)の比R(b1,b2,b3)に応じて駆動時間を換算し、さらにポンプ性能データ131の測定条件の1つであるTH_L≦Eref<TH_Hの電圧範囲と電圧分布テーブル431の各電圧範囲の差分に応じて駆動時間を換算する。
すなわち換算処理部101は、最大電圧Emaxの分布に応じて燃料ポンプ32の動作モードごとの駆動時間を比較データに換算する。したがって、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32への印加電圧に応じた劣化の度合いにより燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。
摩耗補正係数Hcは、上述したようにアルコール濃度Sの範囲ごとの摩耗量(1、1.5)である。このため、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の測定条件の1つであるS<THsに従って駆動時間を換算することができる。すなわち換算処理部101は、測定条件のアルコール濃度Sref<THsとポンプ駆動時間テーブル432のアルコール濃度Sの差分に応じて駆動時間を比較データに換算する。したがって、車両管理サーバ1は、アルコール濃度Sに応じた劣化の度合いにより燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。
換算処理部101は、上述した手法によって、起動回数テーブル430の各起動回数を駆動時間に換算し、さらに駆動時間を補機バッテリ34の電圧範囲に応じて比較データに換算する。また、換算処理部101は、ポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間を電圧分布テーブル431に基づき動作モードごとに比較データに換算する。換算処理部101は、これらの比較データを合計する。「合計駆動時間」はアルコール濃度S及び、起動または動作モードごとの換算後の駆動時間の合計を示す。換算処理部101は、各起動回数から換算した駆動時間と動作モードごとの換算後の各駆動時間を加算する。
符号G2fに示されるように、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の走行距離に対する走行距離テーブル433の初期値及び現在値の差分の比(58.95)(図23の符号Ge参照)を各駆動時間の合計(「合計駆動時間」の駆動時間(時間)の合計)に乗ずることにより累計駆動時間(5391(時間))を算出する。すなわち換算処理部101は、ポンプ性能データ131の走行距離と走行距離テーブル433の走行距離(=現在値-初期値)の比に応じて駆動時間を比較データに換算する。
このため、車両管理サーバ1は、車両3がポンプ性能データ131の走行距離を走行した場合の駆動時間から燃料ポンプ32の交換の要否を判断することができる。換算処理部101は、累積駆動時間を劣化判断部102に通知する。
劣化判断部102は、ポンプ性能データ131の駆動時間(12000(時間))に対する累積駆動時間の比(0.45(=5391/12000))を算出する。なお、以下の説明において、この比を駆動時間比と表記する。
劣化判断部102は、駆動時間比が1未満である場合、燃料ポンプ32の故障率がポンプ性能データ131の故障率に達していないと認定し、燃料ポンプ32の交換は不要と判断する。このように、劣化判断部102は、比較データとしての換算後の駆動時間の合計をポンプ性能データ131の駆動時間と比較することにより燃料ポンプ32の交換の要否を判断する。したがって、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32の交換の目安となるポンプ性能データ131の故障率と駆動時間から適切に交換の要否を判断することができる。
劣化判断部102は、交換の目安となる故障率(3.2(ppm))に至るまでの車両3の走行距離(666666(km)(=300000(km)/0.45))を算出する。劣化判断部102は、この走行距離をネットワーク90経由で保守端末2に送信することにより車両3のユーザに交換が必要となるまでのおおよその走行距離を通知する。
(第2判断例)
図25は、第2判断例における起動回数テーブル430及び電圧分布テーブル431を示す図である。本例では、換算処理部101は、燃料ポンプ32の間欠運転のある車種Yの燃料ポンプ32の駆動時間を比較データに換算する。このため、換算処理部101は、起動回数テーブル430においてトリップ中の起動タイミングが初回及び2回目以降の起動回数の合計を駆動時間に換算する。
また、電圧分布テーブル431には、図22と同様に、最大電圧Emaxの発生回数とともに燃料ポンプ32の動作モードごとの発生回数の比率が示されている。
図26は、第2判断例におけるポンプ駆動時間テーブル432及び走行距離テーブル433を示す図である。換算処理部101は、符号Ggで示されるように、走行距離テーブル433の初期値(7807(km))及び現在値(14326(km))の差分(6519(km))と、その差分の300000(km)に対する比(46.0)を算出する。
図27は、第2判断例を示す図である。符号G1hは、比較データとしての換算後の駆動時間をバッテリ電圧E、アルコール濃度S、及び燃料ポンプ32の起動時と動作モードごとに示す。換算処理部101は、第1判断例と同様に、燃料ポンプ32の1回の起動を燃料ポンプ32の1分の駆動時間として起動回数テーブル430の各起動回数を、比較データとしての駆動時間に換算する。本例において、換算処理部101は、トリップ中の初回の起動及び2回目以降の起動も一様に1分の駆動時間に換算するが、互いに異なる時間に換算してもよい。以下に起動回数から駆動時間への換算例を挙げる。
{Na(1,1,2)+Na(1,2,2)}×1(分/回)×Ha×Hb×Hc
=(20+2239)(回)×1(分/回)×2×1×1
=4518(分) ・・・(7)
換算処理部101は、S<THs及びTH_L≦E<TH_Hにおける起動による駆動時間「4518」分(点線枠参照)を上記の式(7)により算出する。ここで、Na(1,1,2)及びNa(1,2,2)は、それぞれ、S≧THsの範囲及びTH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応するトリップ中の初回の起動回数(20(回))、及び2回目以降の起動回数(2239(回))である(図25の点線枠参照)。換算処理部101は、トリップ中の初回及び2回目以降の合計の起動回数を駆動時間に換算する。
また、相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcは、図21に示される各テーブルから得られる。相対摩耗量Haは、車種Yの起動に対応する燃料ポンプ32のモータのブラシの摩耗量(2)である。摩耗補正係数Hbは、TH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応する係数(1)である。摩耗補正係数Hcは、S<THsの範囲に対応する係数(1)である。
このように、換算処理部101は、第1判断例と同様に、相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcにより起動回数テーブル430の各起動回数を燃料ポンプ32の駆動時間に換算する。
また、換算処理部101は、ポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間を燃料ポンプ32の動作モード、最大電圧Emaxの発生回数、及びアルコール濃度Sに応じて比較データとしての駆動時間に換算する。以下にポンプ性能データ131の測定条件に従った駆動時間への換算例を挙げる。
Nc(2,1)×R(2,1,2)×Ha×Hb×Hc
=2115.2(分)×97.6(%)×0.5×1×1.5
=1548.3(分) ・・・(8)
R(2,1,2)=Nb(2,1,2)/(Nb(2,1,1)+Nb(2,1,2)+Nb(2,1,3))×100 ・・・(9)
換算処理部101は、S≧THs、動作モードLOW、及びTH_L≦E<TH_Hにおける駆動時間「1548.3」分(点線枠参照)を上記の式(8)及び式(9)により算出する。ここで、Nc(2,1)は、S≧THsの範囲及び動作モードLOWに対応する駆動時間(2115.2(分))である(図26の点線枠参照)。また、R(2,1,2)は、S≧THsの範囲及び動作モードLOWの場合の電圧分布テーブル431のE<TH_Lの電圧範囲における最大電圧Emaxの発生回数Nb(2,1,1)の比(97.6(%))である(図25の点線枠参照)。
相対摩耗量Haは、車種Yの燃料ポンプ32の動作モードLOWに対応する燃料ポンプ32のモータのブラシの摩耗量(0.5)である。摩耗補正係数Hbは、TH_L≦E<TH_Hの電圧範囲に対応する係数(1)である。摩耗補正係数Hcは、S≧THsの範囲に対応する係数(1.5)である。
このように、換算処理部101は、電圧分布テーブル431の最大電圧Emaxの発生回数Nb(b1,b2,b3)の比R(b1,b2,b3)と相対摩耗量Ha及び摩耗補正係数Hb,Hcにより燃料ポンプ32の駆動時間を比較データに換算する。
換算処理部101は、上述した手法によって、起動回数テーブル430の各起動回数を駆動時間に換算して比較データに換算し、ポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間を電圧分布テーブル431に従って動作モードごとに比較データに換算する。符号G2hで示されるように、換算処理部101は、ポンプ性能データ131の走行距離に対する走行距離テーブル433の初期値及び現在値の差分の比(46.0)(図26の符号Gg参照)を各駆動時間の合計(「合計駆動時間」の駆動時間(時間)の合計)に乗ずることにより累計駆動時間(20446(時間))を算出する。
劣化判断部102は、第1判断例と同様に、駆動時間比(1.7(=20226/12000))を算出する。劣化判断部102は、駆動時間比が1以上である場合、燃料ポンプ32の故障率がポンプ性能データ131の故障率に達したと認定し、燃料ポンプ32の交換が必要と判断する。
劣化判断部102は、交換の目安となる故障率(3.2(ppm))に至ったときの車両3の走行距離(176471(km)(=300000(km)/1.7))を算出する。劣化判断部102は、この走行距離をネットワーク90経由で保守端末2に送信することにより車両3のユーザに交換が必要となったおおよその走行距離を通知する。
(車両管理サーバ1の動作)
図28は、車両管理サーバ1の動作の一例を示すフローチャートである。本処理は、車両管理方法の一例であり、例えば車両管理サーバ1の操作に応じて実行される。
まず、パラメータ収集部100は、車両3から保守端末2及びネットワーク90を介して負荷パラメータ130収集してHDD13に格納する(ステップSt100)。このとき、通信ポート14は、負荷パラメータ130をネットワーク90から受信してパラメータ収集部100に出力する。
次に換算処理部101はポンプ駆動時間テーブル432の各駆動時間をポンプ性能データ131の測定条件に従って比較データに換算する(ステップSt101)。駆動時間の換算手法は、第1及び第2判断例で述べた通りである。
次に換算処理部101は、起動回数テーブル430の各起動回数を比較データとしての駆動時間に換算する(ステップSt102)。起動回数の換算手法は、第1及び第2判断例で述べた通りである。
次に換算処理部101は、走行距離テーブル433から走行距離比を算出する(ステップSt103)。走行距離比の算出手法は、第1及び第2判断例で述べた通りである。
次に換算処理部101は、比較データとしての換算後の各駆動時間を加算して走行距離比を乗ずることにより累計駆動時間を算出する(ステップSt104)。累計駆動時間の算出手法は、第1及び第2判断例で述べた通りである。
次に劣化判断部102は、ポンプ性能データ131の駆動時間に対する累積駆動時間の比を算出する(ステップSt105)。累積駆動時間の比算出手法は、第1及び第2判断例で述べた通りである。
次に劣化判断部102は、累積駆動時間の比に基づき燃料ポンプ32の劣化状態を判断する(ステップSt106)。より具体的には、劣化判断部102は燃料ポンプ32の交換の要否を判断する。
第1及び第2判断例で述べたように、劣化判断部102は、一例として、累積駆動時間の比が1以上であるか否かに基づき交換の要否を判断する。劣化判断部102は、累積駆動時間の比が1未満である場合、燃料ポンプ32の故障率が交換の目安となるポンプ性能データ131の故障率に達していないとみなし、交換は不要であると判断する。また、劣化判断部102は、累積駆動時間の比が1以上である場合、燃料ポンプ32の故障率が交換の目安となるポンプ性能データ131の故障率に達しているとみなし、交換が必要であると判断する。
このように、換算処理部101は、燃料ポンプ32の耐久性能に関するポンプ性能データ131の測定条件に従って負荷パラメータ130を比較データに換算し、劣化判断部102は、比較データ及びポンプ性能データ131を比較することにより燃料ポンプ32の劣化状態を判断する。
したがって、車両管理システム9は、燃料ポンプの劣化状態を適切に判断することができる。なお、車両管理サーバ1は、燃料ポンプ32の故障率のポンプ性能データ131に限定されず、燃料ポンプ32の交換の目安となる他の指標に基づいて交換の要否を判断してもよい。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。