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JP7687271B2 - ノイズ減衰回路 - Google Patents
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Description

本開示は、ノイズ減衰回路に関する。
モータ等において発生するコモンモードノイズを減衰させるキャンセラ回路が知られている。例えば、特許文献1には、直流高電圧電源と三相インバータ回路との間に設けられた一次コイルと、一次コイルと電磁的に結合する二次コイルと、ノイズキャンセル回路と、を備えるコモンモードノイズキャンセル回路装置が記載されている。この装置では、一次コイルにコモンモード電流が流れると、二次コイルにおいてコモンモード電圧が生じ、コモンモード電圧に基づいてコモンモード電流と逆相のコモンモードキャンセル電流がノイズキャンセル回路によって生成される。
特開2006-333647号公報
特許文献1に記載の装置では、ノイズキャンセル回路を含む閉回路において、一次コイルなどのインダクタンス成分及びノイズキャンセル回路に含まれる出力コンデンサなどのキャパシタンス成分によって規定される共振周波数が存在する。共振周波数における発振を回避するために、ノイズキャンセル回路には、ハイパスフィルタが設けられることがある。しかしながら、このような構成では、低周波数帯域においてノイズを十分に減衰させることができないおそれがある。
本開示は、発振を回避しつつ、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることが可能なノイズ減衰回路を説明する。
本開示の一側面に係るノイズ減衰回路は、蓄電装置と、蓄電装置から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータとの間に設けられ、インバータで発生するノイズ電流を減衰させるための減衰電流を生成する回路である。このノイズ減衰回路は、蓄電装置とインバータとの間に設けられるコモンモードコイルのコアに巻回された補助コイルと、補助コイルで検出される電流を増幅するとともに、減衰電流に変換する変換回路と、を備える。変換回路は、第一ローパスフィルタと、第一ローパスフィルタの後段に設けられる増幅回路と、を備える。第一ローパスフィルタは、反転入力端子、補助コイルの一端が接続される非反転入力端子、及び出力端子を有する増幅器と、反転入力端子と出力端子との間に直列に接続されるコンデンサ及び第一抵抗器と、コンデンサ及び第一抵抗器と並列に接続される第二抵抗器と、を備える。コンデンサと第二抵抗器とによって規定される第一ローパスフィルタのカットオフ周波数は、コモンモードコイルを含む閉回路の第一共振周波数よりも低い。
このノイズ減衰回路では、変換回路において、補助コイルで検出された電流が増幅され、ノイズ電流を減衰させるための減衰電流に変換される。コモンモードコイルを含む閉回路の所定箇所における入力の位相と出力の位相とが同位相(位相差が0°)であるときに、当該閉回路のゲインが0dBよりも大きい場合、発振が生じることが知られている。上記ノイズ減衰回路においては、補助コイルの一端に第一ローパスフィルタが設けられており、第一ローパスフィルタでは、増幅器の反転入力端子と出力端子との間にコンデンサ及び第一抵抗器が直列に接続されるとともに、第二抵抗器がコンデンサ及び第一抵抗器と並列に接続されている。コンデンサと第二抵抗器とによって規定される第一ローパスフィルタのカットオフ周波数は、コモンモードコイルを含む閉回路の第一共振周波数よりも低い。このため、第一共振周波数よりも低い周波数において、第一ローパスフィルタによる位相遅れが生じ、第一共振周波数において、コモンモードコイルを含む閉回路の所定箇所における入力の位相に対する出力の位相は遅れる。したがって、低周波数帯域におけるゲインを0dB以下にすることなく、第一共振周波数において発振を回避することができるので、低周波数帯域においてもコモンモードノイズを減衰することが可能となる。その結果、発振を回避しつつ、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることが可能となる。
いくつかの実施形態においては、コンデンサ及び第一抵抗器の合成インピーダンスは、第一共振周波数よりも高い周波数において、第二抵抗器の抵抗値よりも小さくなってもよい。第一共振周波数よりも低い周波数において、第一ローパスフィルタによる位相遅れが生じ、第一共振周波数において、位相が180°さらに遅れる。上記構成では、第一共振周波数よりも高い周波数においては、コンデンサ及び第一抵抗器が支配的となるので、位相遅れは-180°に近づく。したがって、補助コイルに流れる電流と逆位相の減衰電流を生成することができる。その結果、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの減衰を可能としつつ、減衰効果を維持することが可能となる。
いくつかの実施形態においては、変換回路は、増幅回路の後段に設けられる第二ローパスフィルタを更に備えてもよい。第二ローパスフィルタのカットオフ周波数は、コモンモードコイルと補助コイルとの間の寄生容量及び寄生インダクタンスによって規定される第二共振周波数よりも低くてもよい。上記寄生容量を含む閉回路の所定箇所における入力の位相と出力の位相とが同位相(位相差が360°の倍数)であるときに、当該閉回路のゲインが0dBよりも大きい場合、発振が生じることが知られている。上記構成においては、第二ローパスフィルタのカットオフ周波数が第二共振周波数よりも低いので、当該カットオフ周波数以上の周波数成分が減衰され、第二共振周波数におけるゲインが0dB以下になる。これにより、発振を回避することが可能となる。
本開示によれば、発振を回避しつつ、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることができる。
図1は、一実施形態に係るノイズ減衰回路を含む電力供給装置の概略構成図である。 図2は、図1に示される変換回路の回路構成を示す図である。 図3は、図1に示されるノイズ減衰回路のゲイン特性及び位相特性を示すボード線図である。
以下、添付図面を参照しながら一実施形態に係るノイズ減衰回路を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1を参照しながら、一実施形態に係るノイズ減衰回路を含む電力供給装置の構成を説明する。図1は、一実施形態に係るノイズ減衰回路を含む電力供給装置の概略構成図である。図1に示される電力供給装置1は、モータMに交流電力を供給する装置である。電力供給装置1は、蓄電装置2と、主回路3と、インバータ4と、ノイズ減衰回路5と、電源トランス6と、を備えている。電力供給装置1では、インバータ4で発生するノイズ電流Inをノイズ減衰回路5によって減衰させる。
蓄電装置2は、直流電力をインバータ4に供給する。蓄電装置2は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、及び電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられ得る。蓄電装置2は、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、及びニッケル水素電池等によって構成される。
主回路3は、コモンモードコイル31と、コモンモードコイル32と、接続線33と、接続線34と、コンデンサ35と、コンデンサ36と、を備えている。コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32は、磁性材料で形成されたコアに巻回され、コモンモードチョークコイルを構成している。
コモンモードチョークコイルでは、コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32にコモンモードの電流(以下、「コモンモード電流」と称する。)が流れると、コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32における電磁誘導現象によって磁束が発生する。この場合、発生した磁束の向きは同じ方向になり、互いの磁束が強め合ってコモンモードチョークコイルはインダクタとして機能する。コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32にディファレンシャルモードの電流が流れると、発生した磁束の方向は逆方向になるため、磁束が打ち消し合う。これにより、ディファレンシャルモードの電流に対しては、コモンモードチョークコイルはインダクタとして機能しない。
コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32は、蓄電装置2とインバータ4との間に設けられる。コモンモードコイル31の一端は、蓄電装置2の正極端子に接続されている。コモンモードコイル31の他端は、接続線33に接続されている。コモンモードコイル32の一端は、蓄電装置2の負極端子に接続されている。コモンモードコイル32の他端は、接続線34に接続されている。
接続線33は、コモンモードコイル31とインバータ4とを接続している。具体的には、接続線33の一端は、コモンモードコイル31の他端に接続されている。接続線33の他端は、インバータ4に接続されている。
接続線34は、コモンモードコイル32とインバータ4とを接続している。具体的には、接続線34の一端は、コモンモードコイル32の他端に接続されている。接続線34の他端は、インバータ4に接続されている。
コンデンサ35及びコンデンサ36は、Yコンデンサであり、接続線33及び接続線34と接地電位(アース)との間に設けられる。具体的に説明すると、コンデンサ35の一端は、接続線33の他端に接続されている。コンデンサ35の他端は、接地電位(アース)に接続されている。コンデンサ36の一端は、接地電位(アース)に接続されている。コンデンサ36の他端は、接続線34の他端に接続されている。
インバータ4は、蓄電装置2から供給される入力電力としての直流電力を交流電力に変換してモータMに出力する。本実施形態では、インバータ4は、三相インバータであり、複数のスイッチング素子(図示省略)を有している。スイッチング素子は、電気的な開閉を切り替え可能な要素である。スイッチング素子としては、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、及びバイポーラトランジスタ等が用いられる。なお、インバータ4は、不図示の駆動回路を含んでおり、駆動回路には、電源トランス6から電源電圧が供給される。
ノイズ減衰回路5は、インバータ4で発生するノイズ電流In(コモンモード電流)を減衰させるための減衰電流Icを生成する回路である。ノイズ減衰回路5は、蓄電装置2とインバータ4との間に設けられている。ノイズ減衰回路5は、補助コイル50と、変換回路51と、を含む。ノイズ減衰回路5は、補助コイル50においてノイズ電流Inを検出し、ノイズ電流Inと逆位相の減衰電流Icを生成することで、インバータ4において発生したノイズ電流Inを減衰させる。
補助コイル50は、コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32のコアに巻回されており、ノイズ電流Inを検出する。補助コイル50の一端は、接地電位(アース)に接続されている。補助コイル50の他端は、変換回路51に接続されている。補助コイル50は、検出したノイズ電流Inを変換回路51に出力する。補助コイル50にノイズ電流Inが流れることによってコモンモード電圧が発生する。したがって、補助コイル50は、コモンモード電圧を変換回路51に出力しているともいえる。
変換回路51は、補助コイル50で検出されたノイズ電流In(コモンモード電圧)を増幅するとともに、減衰電流Icに変換する回路である。変換回路51の入力端子51aは、補助コイル50の他端に接続されている。変換回路51の出力端子51bは、接続線34に接続されている。変換回路51は、ノイズ電流Inと逆位相の電流を生成し、減衰電流Icとして出力することで、インバータ4において発生したノイズ電流Inを減衰させる。変換回路51の回路構成は、後述する。
電源トランス6は、蓄電装置2に接続されている。電源トランス6は、蓄電装置2の蓄電電圧をインバータ4の駆動回路及びノイズ減衰回路5に供給する電圧に変換し、変換された電圧をインバータ4の駆動回路及びノイズ減衰回路5に供給する。
電力供給装置1では、蓄電装置2から直流電力がインバータ4に供給されると、インバータ4のスイッチング動作によりノイズ電流Inが発生する。このとき、コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32にはノイズ電流Inが流れ、補助コイル50は、コモンモードコイル31及びコモンモードコイル32に流れるノイズ電流Inを検出する。そして、変換回路51によって、補助コイル50で検出されたノイズ電流Inからノイズ電流Inとは逆位相の減衰電流Icが生成され、インバータ4(接続線34)に供給される。これにより、ノイズ電流Inが減衰される。
ここで、電力供給装置1には、閉回路C1及び閉回路C2が形成される。閉回路C1は、コモンモードコイル31,32の一方と、コンデンサ35,36の一方とを含む。具体的には、例えば、閉回路C1は、蓄電装置2内のアースに接続されたコンデンサ(例えば、Yコンデンサ)、コモンモードコイル31、接続線33、コンデンサ35、アースを順に巡回する回路である。閉回路C2は、コモンモードコイル31,32と補助コイル50との間に発生する寄生容量とを含む。具体的には、例えば、閉回路C2は、接続線34、コモンモードコイル32と補助コイル50との間に発生する寄生容量、補助コイル50、及び変換回路51を順に巡回する回路である。
閉回路C1では、共振周波数fr1(第一共振周波数)が存在する。共振周波数fr1は、閉回路C1に含まれるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分によって規定される。共振周波数fr1は、例えば、コモンモードコイル31のインダクタンス及びコンデンサ35の容量値によって規定される。閉回路C2では、共振周波数fr2(第二共振周波数)が存在する。共振周波数fr2は、共振周波数fr1よりも高い周波数であり、閉回路C2に含まれるインダクタンス成分及びキャパシタンス成分によって規定される。共振周波数fr2は、例えば、コモンモードコイル32と補助コイル50との間の寄生容量及び閉回路C2に含まれる寄生インダクタンスによって規定される。
次に、図2を参照しながら、変換回路51の回路構成を説明する。図2は、図1に示される変換回路の回路構成を示す図である。図2に示されるように、変換回路51は、ローパスフィルタ52(第一ローパスフィルタ)と、増幅回路53と、ローパスフィルタ54(第二ローパスフィルタ)と、出力コンデンサ55と、を含む。
ローパスフィルタ52は、補助コイル50で検出されたノイズ電流In(コモンモード電圧)の位相を遅らせるための回路である。ローパスフィルタ52は、増幅器52aと、コンデンサ52bと、抵抗器52c(第一抵抗器)と、抵抗器52d(第二抵抗器)と、を含む。
増幅器52aの非反転入力端子は、入力端子51a(補助コイル50の他端)に接続されている。コンデンサ52b及び抵抗器52cは、増幅器52aの反転入力端子と出力端子との間に直列に接続されている。具体的には、コンデンサ52bの一端は増幅器52aの反転入力端子に接続され、コンデンサ52bの他端は抵抗器52cの一端に接続され、抵抗器52cの他端は増幅器52aの出力端子に接続されている。抵抗器52dは、コンデンサ52b及び抵抗器52cと並列に接続されている。具体的には、抵抗器52dの一端は増幅器52aの反転入力端子に接続され、抵抗器52dの他端は増幅器52aの出力端子に接続されている。
ローパスフィルタ52のカットオフ周波数fc1は、コンデンサ52bの容量値と抵抗器52dの抵抗値とによって規定される。コンデンサ52bの容量値と抵抗器52dの抵抗値とは、カットオフ周波数fc1が閉回路C1の共振周波数fr1よりも低くなるように設定されている。抵抗器52cの抵抗値は、抵抗器52dの抵抗値よりも小さい。より具体的には、共振周波数fr1よりも大きい周波数において、コンデンサ52bと抵抗器52cとの合成インピーダンスが抵抗器52dの抵抗値よりも小さくなるように、コンデンサ52bの容量値、抵抗器52cの抵抗値、及び抵抗器52dの抵抗値は設定されている。一例として、コンデンサ52bの容量値は1500pFに設定され、抵抗器52cの抵抗値は1KΩに設定され、抵抗器52dの抵抗値は10KΩに設定される。
ローパスフィルタ52は、ノイズ電流In(コモンモード電圧)の位相を遅らせることを目的として設けられているので、ローパスフィルタ52のゲインは例えば2倍程度に設定されている。ローパスフィルタ52は、処理した信号を増幅回路53に出力する。
増幅回路53は、ローパスフィルタ52から出力された信号を増幅する回路である。増幅回路53は、ローパスフィルタ52の後段に設けられている。本実施形態では、増幅回路53は、非反転増幅回路である。増幅回路53は、増幅器53aと、抵抗器53bと、抵抗器53cと、を含む。増幅器53aの非反転入力端子は、増幅器52aの出力端子に接続されている。増幅器53aの反転入力端子は、抵抗器53bを介して接地電位に接続されるとともに、抵抗器53cを介して増幅器53aの出力端子に接続されている。増幅回路53のゲインは、抵抗器53bの抵抗値と抵抗器53cの抵抗値とによって定まる。増幅回路53は、増幅した信号をローパスフィルタ54に出力する。
ローパスフィルタ54は、増幅回路53から出力された信号の高周波数成分を減衰させるための回路である。ローパスフィルタ54は、増幅回路53の後段に設けられている。ローパスフィルタ54は、例えば、コンデンサ及び抵抗器等によって構成されている。ローパスフィルタ54は、カットオフ周波数fc2以上の周波数成分を減衰させ、カットオフ周波数fc2よりも低い周波数成分を通過させる。ローパスフィルタ54のカットオフ周波数fc2は、共振周波数fr2よりも低い周波数に設定されている。カットオフ周波数fc2は、閉回路C2の所定箇所における入力と出力の位相差Δθが-360°である場合の閉回路C2のゲインGvが0dB以下となるような周波数に設定されている。
出力の位相が入力の位相よりも進んでいる場合に、位相差Δθは正の値となる。出力の位相が入力の位相よりも遅れている場合に、位相差Δθは負の値となる。ローパスフィルタ54は、処理した信号を出力コンデンサ55に出力する。
出力コンデンサ55は、ローパスフィルタ54から出力された信号を減衰電流Icに変換する。出力コンデンサ55は、ローパスフィルタ54と出力端子51b(接続線34)との間に設けられている。具体的には、出力コンデンサ55の一端はローパスフィルタ54の出力端子に接続され、出力コンデンサ55の他端は出力端子51bに接続されている。
次に、図3を更に参照しながら、ノイズ減衰回路5の作用効果を説明する。図3は、図1に示されるノイズ減衰回路のゲイン特性及び位相特性を示すボード線図である。図3の横軸は周波数(単位:Hz)を示す。図3の左側の縦軸はゲインGv(単位:dB)を示し、右側の縦軸は位相差Δθ(単位:°)を示す。
位相差Δθが0°または360°の整数倍である場合に、ゲインGvが0dBよりも大きいと、発振が生じることが知られている。ノイズ減衰回路5においては、補助コイル50の他端にローパスフィルタ52が設けられており、ローパスフィルタ52では、増幅器52aの反転入力端子と出力端子との間にコンデンサ52b及び抵抗器52cが直列に接続されるとともに、抵抗器52dがコンデンサ52b及び抵抗器52cと並列に接続されている。
図3に示されるように、ローパスフィルタ52のカットオフ周波数fc1は、閉回路C1の共振周波数fr1よりも低い周波数に設定されている。このため、共振周波数fr1よりも低い周波数において、ローパスフィルタ52による位相遅れが生じるので、共振周波数fr1において位相差Δθが0°よりも小さくなる。したがって、低周波数帯域におけるゲインGvを0dB以下にすることなく、発振を回避することができるので、低周波数帯域においてもコモンモードノイズを減衰することが可能となる。その結果、発振を回避しつつ、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることが可能となる。
周波数が高くなるにつれて、コンデンサ52bのインピーダンスは小さくなる。共振周波数fr1よりも高い周波数において、コンデンサ52bと抵抗器52cとの合成インピーダンスは、抵抗器52dの抵抗値よりも小さくなる。この構成により、共振周波数fr1よりも高い周波数においては、抵抗器52dには電流が流れにくくなり、コンデンサ52b及び抵抗器52cに電流が流れる。つまり、ローパスフィルタ52では、コンデンサ52b及び抵抗器52cが支配的となる。これにより、ローパスフィルタ52による位相遅れは0°に近づく。共振周波数fr1において、180°の位相遅れが生じるので、共振周波数fr1よりも高い周波数における位相差Δθは-180°に近づく。したがって、補助コイル50に流れるコモンモード電流と逆位相の減衰電流Icを生成することができる。その結果、広い周波数帯域でのコモンモードノイズの減衰を可能としつつ、減衰効果を維持することが可能となる。
図3に示されるように、ローパスフィルタ54のカットオフ周波数fc2は、共振周波数fr2よりも、低い周波数に設定されている。このため、カットオフ周波数fc2以上の周波数成分が減衰され、共振周波数fr2におけるゲインGvが0dB以下になる。これにより、位相差Δθが-360°×n(nは1以上の整数)である場合のゲインGvが0dB以下となるので、発振を回避することができる。
以上、本開示の一実施形態について詳細に説明されたが、本開示に係るノイズ減衰回路は上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、ノイズ減衰回路5には、蓄電装置2から電源トランス6を介して電源電圧が供給されるが、蓄電装置2とは異なる電源から電源電圧が供給されてもよい。
1…電力供給装置、2…蓄電装置、4…インバータ、5…ノイズ減衰回路、31…コモンモードコイル、32…コモンモードコイル、50…補助コイル、51…変換回路、52…ローパスフィルタ(第一ローパスフィルタ)、52a…増幅器、52b…コンデンサ、52c…抵抗器(第一抵抗器)、52d…抵抗器(第二抵抗器)、53…増幅回路、54…ローパスフィルタ(第二ローパスフィルタ)、C1…閉回路、C2…閉回路、M…モータ。

Claims (3)

  1. 蓄電装置と、当該蓄電装置から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータとの間に設けられ、前記インバータで発生するノイズ電流を減衰させるための減衰電流を生成するノイズ減衰回路であって、
    前記蓄電装置と前記インバータとの間に設けられるコモンモードコイルのコアに巻回された補助コイルと、
    前記補助コイルで検出される電流を増幅するとともに、前記減衰電流に変換する変換回路と、を備え、
    前記変換回路は、
    第一ローパスフィルタと、
    前記第一ローパスフィルタの後段に設けられる増幅回路と、を備え、
    前記第一ローパスフィルタは、
    反転入力端子、前記補助コイルの一端が接続される非反転入力端子、及び出力端子を有する増幅器と、
    前記反転入力端子と前記出力端子との間に直列に接続されるコンデンサ及び第一抵抗器と、
    前記コンデンサ及び前記第一抵抗器と並列に接続される第二抵抗器と、を備え、
    前記コンデンサと前記第二抵抗器とによって規定される前記第一ローパスフィルタのカットオフ周波数は、前記コモンモードコイルを含む閉回路の第一共振周波数よりも低い、ノイズ減衰回路。
  2. 前記コンデンサ及び前記第一抵抗器の合成インピーダンスは、前記第一共振周波数よりも高い周波数において、前記第二抵抗器の抵抗値よりも小さくなる、請求項1に記載のノイズ減衰回路。
  3. 前記変換回路は、前記増幅回路の後段に設けられる第二ローパスフィルタを更に備え、
    前記第二ローパスフィルタのカットオフ周波数は、前記コモンモードコイルと前記補助コイルとの間の寄生容量及び寄生インダクタンスによって規定される第二共振周波数よりも低い、請求項1又は請求項2に記載のノイズ減衰回路。
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