以下、添付図面を参照して、本発明の一側面の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る蓄電池の一部を破断して示す斜視図である。図1に示されるように、蓄電池1は、例えば、鉛蓄電池である。蓄電池1は、例えば自動車のバッテリー、停電時等に利用されるバックアップ用電源、及び、電動フォークリフト等の電動車(もしくは電気車)の主電源に用いられる。これらの場合、複数の蓄電池1によって構成される組電池が用いられることがある。例えば、上記電動車は、複数の蓄電池1を含む組電池を有することがある。本実施形態では、蓄電池1は、例えば、クラッド式電極を備えるクラッド式鉛蓄電池である。蓄電池1は、極板群3と、正極端子5Aと、負極端子5Bと、補水栓6と、ケース7とを備える。ケース7は、本体8と、蓋9とを有する。本体8は、箱状を呈している電槽である。本体8は、例えばポリプロピレン等の材料で形成されている。本体8は、極板群3及び電解液L(後述する図2を参照)を収容する。本体8は、4つの側面部と、底部(詳細は後述)とにより構成されている。蓋9は、本体8の開口部を覆う。蓋9には、正極端子5Aと、負極端子5Bと、補水栓6とが設けられる。正極端子5Aと負極端子5Bとの間には、補水栓6が設けられる。
図2は、極板群の一部の断面図である。図1及び図2に示されるように、極板群3は、複数の正極10と、複数の負極12と、複数のセパレータ13とを有する。極板群3では、正極10と負極12とが交互に配置されている。隣り合う正極10と負極12との間には、セパレータ13が位置する。このため、正極10は、セパレータ13を介して負極12に積層される。本実施形態では、極板群3において、正極10、負極12及びセパレータ13の配列方向(以下、単に「配列方向」もしくは「積層方向」と称することもある)の端部には、負極12が配置されている。加えて、正極10と、負極12と、セパレータ13とのそれぞれは、電池用極板群とも呼称される。極板群3及び電解液Lが本体8に収容されるとき、電解液Lは、正極10とセパレータ13との隙間、セパレータ13内等に存在する。
以下では、上記配列方向ならびに上記積層方向を第1方向Xとする。また、第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとし、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向を第3方向Zとする。本実施形態では、第2方向Yは極板群3がケース7に収容される方向に相当する。第2方向Yと第3方向Zとは互いに直交しているが、これに限られない。第2方向Yと第3方向Zとは、互いに交差していればよい。
図3(a)は、第1方向から見た正極を示す図であり、図3(b)は、第1方向から見た正極の一部を示す図である。図1,2及び図3(a)に示されるように、正極10(第1極板)は、クラッド式正極板である。蓄電池1においては、各正極10は、正極端子5Aと電気的に接続されている。各正極10と正極端子5Aとは、正極ストラップ17によって電気的に接続されている。正極10は、集電体14と、集電体14の一部を収容する複数の筒状体15と、筒状体15に収容される正極材16と、集電体14に装着される上部連座20及び下部連座25と、を有する。
図3(b)に示されるように、集電体14(第1集電体)は、複数の芯金14aと、複数の芯金14aを連結する連結部14bと、連結部14bから突出する耳部14c(第1耳部)とを有する。集電体14は、例えば鋳造(加圧鋳造法)によって形成される。集電体14の構成材料は、導電性材料であればよく、例えば、鉛-カルシウム-錫系合金、鉛-アンチモン-ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。鉛合金は、セレン、銀、ビスマス等を含んでもよい。
複数の芯金14aは、第2方向Yに沿って延在する棒状部分であって、第3方向Zに沿って一列に配列されている。第2方向Yにおける各芯金14aの一端は、連結部14bに接続される。第2方向Yにおける各芯金14aの他端は、下部連座25に固定される。第2方向Yに沿った各芯金14aの長さは、例えば170~600mmである。連結部14bは、芯金14a及び耳部14cを支持する部分であり、第3方向Zに沿って延在する。正極10がケース7に収容されるとき、連結部14bは、第2方向Yにおける正極端子5A側に配置される。本実施形態では、複数の芯金14a及び連結部14bが、集電体14の本体部14d(第1本体部)に相当する。この場合、第2方向Yにおける本体部14dの一端に位置する外縁14eは、連結部14bによって構成される。耳部14cは、本体部14dの外縁14eから第2方向Yに突出する端子部であり、正極ストラップ17に接続されている。第2方向Yにおいて、耳部14cの突出方向は、芯金14aの突出方向の反対側である。このため、芯金14aと耳部14cとは、第1方向Xにおいて互いに重なっていない。なお、正極10がケース7に収容されるとき、耳部14c及び外縁14eは、第2方向Yにおける蓋9側に位置する。
複数の筒状体15は、活物質保持用チューブ(クラッドチューブ)群を構成する。活物質保持用チューブ群は、いわゆる「ガントレット」とも称される筒状の多孔体チューブの集合体である。各筒状体15は、第2方向Yに沿って延在しており、対応する芯金14aを収容する。例えば、複数の芯金14aのうち一の芯金14a(第1芯金)は複数の筒状体15のうち一の筒状体15(第1筒状体)に挿入され、複数の芯金14aのうち別の芯金14a(第2芯金)は複数の筒状体15のうち別の筒状体15(第2筒状体)に挿入される。
正極材16は、芯金14aと共に、筒状体15の内部に充填されている。図2に示されるように、正極材16は、筒状体15の内部にて芯金14aを囲っている。正極材16は、活物質を含む。活物質には、化成後の活物質及び化成前の活物質の原料の双方が包含される。正極材16は、化成後の活物質を含有している。化成後の正極材16は、例えば、正極活物質の原料を含む。本実施形態では、正極材16は、正極活物質と、添加剤とを含み得る。正極活物質は、例えば、鉛粉、鉛丹等である。添加剤としては、炭素材料、又は、補強用短繊維等が挙げられる。化成後の正極活物質は、例えば二酸化鉛等である。
図4(a)は、第2方向から見た正極を示す概略図であり、図4(b)は、第3方向から見た正極の一部を示す概略図である。図3(a),(b)及び図4(a)に示されるように、上部連座20は、集電体14の連結部14bに装着される絶縁構造体であり、第2方向Yから見て集電体14(本体部14dの外縁14e)を覆う。上部連座20は、第2方向Yにおける各筒状体15の一端を封止する。例えば、上部連座20は各筒状体15に溶着しているが、これに限られない。上部連座20と各筒状体15とは、例えば、接着剤等を介して互いに固定されてもよい。
上部連座20は、例えば絶縁性を有する樹脂部材を集電体14に溶着することによって設けられる。上部連座20の形成方法の一例は、以下の通りである。まず、第1方向Xに沿って連結部14bを一対の樹脂板によって挟む。このとき、連結部14bが芯金14aよりも下側に配置される。次に、連結部14b及び一対の樹脂板を第1方向Xに沿って挟みながら、当該樹脂板を加熱する。これにより、各樹脂板を溶融させる。ここで、溶融した樹脂同士が集電体14の外縁14e上を流動し、当該外縁14eを覆うように一体化する。そして溶融した樹脂が冷却されることによって、上部連座20が形成される。
上部連座20は、主部21と、突出部22とを有する。主部21は、連結部14bを覆う部分であり、第2方向Yから見て外縁14eを覆う。第2方向Yから見て、集電体14のうち少なくとも耳部14cは、主部21から露出する。図4(a)に示されるように、主部21には、開口21aが設けられる。開口21aは、第2方向Yから見て集電体14の一部を露出する部分である。このため本実施形態では、集電体14の外縁14eの一部は、開口21aを経由して主部21から露出する。当該一部は、外縁14eのうち流動した樹脂によって覆われなかった部分に相当する。開口21aは、第1方向Xにおいて負極12及びセパレータ13に重なる。開口21aは、例えば、第2方向Yから見て、正極10の中心Cを介して耳部14cの反対側に位置する。なお、主部21には開口21aが複数設けられてもよいし、開口21aが設けられなくてもよい。主部21に複数の開口21aが設けられる場合、全ての開口21aが正極10の中心Cを介して耳部14cの反対側に位置してもよい。
突出部22は、主部21から第2方向Yに突出する部分であり、主部21と一体化している。突出部22は、例えばその付け根を支点として、第1方向Xに沿って揺動可能に設けられる。突出部22は、外縁14e上を流動した樹脂の一部によって形成される。例えば、当該樹脂が重力の影響により垂れ下がった状態にて冷却されることによって、突出部22が形成される。第2方向Yから見て、突出部22は、例えば、第1方向Xにおいて正極10の中央を挟んで耳部14cの反対側に位置する。突出部22の一部は、第1方向Xにおける正極10の中央及びその近傍に位置してもよい。第2方向Yにおける突出部22の先端22aは、耳部14cの先端よりも筒状体15側に位置する。突出部22上における活物質の堆積を抑制する観点から、突出部22の先端22aは、例えば凹凸形状を有する。すなわち、第1方向X及び/又は第3方向Zに沿った突出部22の先端22aは、不規則に変化している。第1方向Xに沿った突出部22の厚さT2は、第1方向Xに沿った主部21の厚さT1よりも小さい。例えば、厚さT2は、0.6~0.7mmである。この場合、突出部22が電解液L等の流動に伴って良好に揺動可能になる。
図4(b)に示されるように、上部連座20には、第3方向Zから見て、突出部22と集電体14との間に位置する隙間Sに連通する開口21bが設けられる。開口21bは、隙間Sに滞留するガス等を逃がすための孔として機能する。開口21bは、上記樹脂の流動時に形成される。
図3(a)に戻って、下部連座25は、集電体14の複数の芯金14aに装着される絶縁構造体である。下部連座25は、例えば、集電体14の芯金14aを絶縁性を有する樹脂部材に挿入及び嵌合することによって、集電体14に装着される。下部連座25は、第2方向Yにおける各筒状体15の他端を封止する。これにより、正極10における各筒状体15の位置が、上部連座20及び下部連座25によって固定される。例えば、下部連座25は各筒状体15に溶着しているが、これに限られない。下部連座25と各筒状体15とは、例えば、接着剤等によって互いに固定されてもよい。
図5は、実施形態に係る負極を示す平面図である。図5に示されるように、負極12(第2極板)は、蓄電池1における負極板であり、負極端子5Bと電気的に接続されている。各負極12と負極端子5Bとは、負極ストラップ18によって電気的に接続されている。負極12は、集電体12a(第2集電体)と、負極材12bとを有する。集電体12aは、例えば鋳造によって形成され、負極格子体12cと、耳部12d(第2耳部)とを有する。負極格子体12cは、負極12における本体部(第2本体部)であり、負極材12bを保持する。本実施形態では、負極12において負極材12bが保持される部分の厚さは、負極格子体12cの厚さよりも大きいが、これに限られない。負極材12bは、負極活物質と、添加剤とを含み得る。負極活物質は、例えば、海綿状鉛等である。添加剤としては、硫酸バリウム、炭素材料、リグニン、又は、補強用短繊維等が挙げられる。耳部12dは、第2方向Yに沿って負極格子体12cから突出する端子部であり、負極ストラップ18に接続されている。耳部12dと負極格子体12cとは、第1方向Xにおいて互いに重なっていない。本実施形態では、負極格子体12cは、セパレータ13によって覆われている。負極格子体12cには、凸部12e,12fが設けられている。凸部12e,12fは、所定の間隔をあけて配置されており、負極格子体12cから外側に向かって突出している足部である。凸部12e,12fは、耳部12dの突出方向と反対側の方向に沿って突出している。本実施形態では、耳部12dの突出方向と、凸部12e,12fの突出方向とのそれぞれは、配列方向に対して直交している。また、耳部12dと負極格子体12cとは、配列方向において互いに重なっていない。
セパレータ13は、正極10と負極12との短絡を防止するための電池用部材(電池用セパレータ)である。セパレータ13は、正極10と負極12との間を電気的には絶縁する一方でイオンを透過させ、且つ、正極10側における酸化性及び負極12側における還元性に対する耐性を備えるものであれば、特に制限されない。このようなセパレータ13の材料(材質)としては、ガラス繊維、樹脂、無機物等が挙げられる。本実施形態では、セパレータ13は負極12の負極格子体12c及び凸部12e,12fを覆っており、且つ、負極12の耳部12dはセパレータ13から露出している。
ここで図6(a),(b)を参照しながら、セパレータ13の加工前製品であるセパレータシートの構造について説明する。図6(a)は、セパレータシートを示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb-VIb線に沿った概略断面図である。図6(a),(b)に示されるように、セパレータシート30は、基部31と、一対の縁部32,33と、複数のリブ34とを有する。
基部31は、セパレータシート30の主要部となるシート状部分であり、可撓性を示す。基部31は、第1主面31aと、第1方向Xにおいて第1主面31aの反対側に位置する第2主面31bとを有する。本実施形態では、第1主面31a及び第2主面31bは、第1方向Xから見て矩形状を呈するが、これに限られない。
一対の縁部32,33は、第3方向Zにおけるセパレータシート30の両端に設けられる部分である。縁部32,33のそれぞれは、第2方向Yにおけるセパレータシート30の一端(例えば、図6(a)における紙面上端側)から他端(例えば、図6(a)における紙面下端側)まで延在する。縁部32,33のそれぞれは、連続的に延在してもよいし、間欠的に延在してもよい。縁部32は第3方向Zにおけるセパレータシート30の一端(例えば、図6(a)における紙面左端側)に設けられ、縁部33は第3方向Zにおけるセパレータシート30の他端(例えば、図6(a)における紙面右端側)に設けられる。本実施形態では、一対の縁部32,33には、リブ34とは異なるリブが設けられる。例えば、一対の縁部32,33のそれぞれには、第2方向Yにおけるセパレータシート30の一端から他端まで延在するリブ等が一又は複数設けられてもよい。
複数のリブ34は、例えば、セパレータシート30の耐久性向上、ケース7内における電解液の流動性向上等を図るために設けられる。複数のリブ34は、第1方向Xに沿って基部31から突出しており、互いに離間している。複数のリブ34のそれぞれは、第1方向Xから見て矩形状を呈する。複数のリブ34のそれぞれは、第2方向Yにおけるセパレータシート30の一端から他端まで延在しており、且つ、互いに平行に延在している。リブ34の延在方向に対して直交するリブ34の断面は、矩形状を呈するが、これに限られない。当該断面は、例えば、台形状でもよいし、逆台形状でもよい。第3方向Zに沿ったリブ34の寸法(幅)は、例えば、第3方向Zに沿ったセパレータシート30の寸法の0.30%以上2.5%以下である。第1方向Xに沿ったリブ34の寸法(高さ)は、例えば、第1方向Xに沿った基部31の寸法(厚さ)の100%より大きく1000%以下である。
図6(b)に示されるように、リブ34は、第1主面31aに設けられる複数の第1リブ34aと、第2主面31bに設けられる複数の第2リブ34bとを有する。第1リブ34aは、第1方向Xに沿って第1主面31aから突出する。第2リブ34bは、第2主面31bから第1リブ34aと反対側に突出する。本実施形態では、第1リブ34aと第2リブ34bとは、互いに同一形状を有し、且つ、互いに完全に重なっている。
次に、図7を参照しながら、極板群3に含まれる、負極12とセパレータ13とを組み合わせた構造について詳細に説明する。図7は、セパレータに包まれる負極を示す平面図である。図7に示されるように、セパレータ13は、セパレータシートの袋状加工物に相当し、負極12を包んでいる。上述したように、負極12の耳部12dは、セパレータ13から露出しており、負極12の凸部12e,12fは、セパレータ13に覆われる。セパレータ13は、例えば、1枚のセパレータシート30を第2方向Yに沿って二つ折りした後、所望の箇所が封止されることによって形成される。このとき、負極12がセパレータシート30にて挟まれるように、第2方向Yにおける負極12の凸部12e,12f側にてセパレータシート30が折り返される。縁部32,33のそれぞれにおける少なくとも一部は、第3方向Zにおいて負極12の外側に位置する。作業性向上の観点から、負極12の移動に伴ってセパレータシート30が二つ折りされてもよい。セパレータ13は、主部41と、一対のシール部42,43と、屈曲部44と、接合部45とを有する。
主部41は、負極12の負極格子体12cを収容する部分である。主部41は、セパレータシート30の基部31及び縁部32,33(図6(a)を参照)から構成される。このため、主部41は、第1リブ34aが設けられる第1主面31aと、第2リブ34bが設けられる第2主面31bとを有する(図6(b)を参照)。本実施形態では、第1主面31aが負極12に対向しており、第2主面31bが露出面となっている。このため、極板群3における正極10(図1を参照)は、セパレータシート30の第2主面31bに対向する。
一対のシール部42,43は、セパレータシート30が二つ折りされる状態を維持するための部分である。シール部42は縁部32(図6(a)を参照)に形成され、シール部43は縁部33(図6(a)を参照)に形成される。シール部42,43のそれぞれは、第3方向Zにおいて負極12の外側に位置する。シール部42,43のそれぞれは、第2方向Yに延在している。これにより、第3方向Zに沿った負極12の移動が、シール部42,43によって抑制できる。シール部42,43では、完全に密封されなくてもよい。セパレータ13内における電解液の流動性の観点から、シール部42,43の少なくとも一方では、電解液が通過可能な領域が設けられてもよい。シール部42,43は、例えば、超音波溶着部、ヒートシール部、コールドシール部、ギアシール部等である。ギアシール部は、ギアを用いた加圧によって機械的に貼り合わされる部分である。本実施形態では、シール部42,43のそれぞれは、第2方向Yにおけるセパレータ13の一端から他端まで延在するギアシール部である。
屈曲部44は、セパレータシート30において折り返される部分である。屈曲部44の少なくとも一部は、負極格子体12cに当接し得る。屈曲部44の一部には、開口部44aが設けられる。開口部44aは、例えば、セパレータ13内における電解液の流動性を向上するために設けられる部分である。開口部44aは、第2方向Yにおいて凸部12e,12fのいずれにも重ならない位置に設けられる。開口部44aは、例えば第3方向Zにおけるセパレータ13の中央部に設けられるが、これに限られない。例えば、屈曲部44の一部が切断されることによって、開口部44aが形成される。
接合部45は、シール部42,43と同様に、二つ折りされたセパレータシート30の状態を維持するための部分である。接合部45は、セパレータシート30の第1主面31aの一部と別の一部とを接合する部分である。当該一部と当該別の一部とは、第1方向Xにおいて負極12に重ならない部分であり、第2方向Yにおいて屈曲部44の反対側に位置する。このため、接合部45は、第2方向Yにおけるセパレータ13の一端側であって、第1方向Xから見て負極12の外側に位置する。接合部45は、第2方向Yにて負極12の負極格子体12cに対向し、且つ、第3方向Zにおいて耳部12dに対向する。蓄電池1においては、少なくとも接合部45は、第2方向Yにおいて負極12よりも蓋9側に位置する。また、接合部45は、第3方向Zに沿って延在している。具体的には、接合部45は、第3方向Zにおけるセパレータ13の一端から他端に向かって延在しており、主部41及びシール部42に設けられる。すなわち、接合部45の一部は、シール部42に重なる。
本実施形態では、接合部45は、例えば、セパレータシート30自体が溶着された部分である。接合部45においては、第1主面31aの一部と別の一部とが隙間なく溶着されている。このため、第2方向Yから見て、負極12の一部は、セパレータ13において接合部45が形成される部分によって覆い隠される。溶着不良の防止の観点から、接合部45は、超音波溶着等によって形成されてもよい。接合部45は、シール部42,43の形成後に設けられてもよいし、シール部42,43の形成前に設けられてもよい。
第3方向Zにおいて、接合部45と耳部12dとは互いに離間している。このため、第3方向Zにおける接合部45と耳部12dとの間には、セパレータシート30の未接合部が存在する。当該未接合部と屈曲部44の開口部44aとが存在することによって、セパレータ13内にガスが滞留することを防止できる。加えて、極板群3内における電解液Lの流動性も向上できる。
図8は、極板群及び各ストラップの要部拡大図である。図8に示されるように、セパレータ13の接合部45は、正極10の上部連座20よりも第2方向Yにおいて正極ストラップ17側に位置する。また、接合部45は、第1方向Xにおいて正極10の耳部14cに重なる。第1方向Xから見て、第3方向Zにおける接合部45の一端と他端との間に、耳部14cが位置する。正極ストラップ17と負極12との短絡を防止する観点から、接合部45は、第2方向Yにおいて正極ストラップ17の下方に位置してもよい。
続いて、本実施形態における蓄電池1の製造方法の一例を簡潔に説明する。まず、セパレータシート30及び負極12を準備する。このとき、セパレータシート30の第1主面31aと負極12とを対向させる。続いて、セパレータシート30を二つ折りすることによって、屈曲部44を形成すると共にセパレータシート30によって負極12を挟み込む。このとき、負極12の負極格子体12cがセパレータシート30にて完全に覆われると共に、負極12の耳部12dの一部がセパレータシート30から露出する。続いて、セパレータシート30にシール部42,43及び接合部45を形成する。シール部42,43は、例えば、ギアシール等によって形成される。接合部45は、例えば、ホーンを含む超音波溶着装置を用いた超音波溶着等によって形成される。続いて、屈曲部44に開口部44aを形成することによって、負極12を包むセパレータ13が形成される。
次に、正極10と、セパレータ13に包まれる負極12とのそれぞれを複数準備する。続いて、図9に示されるように、正極10と、セパレータ13に包まれる負極12とを積層する。このとき、正極10と負極12とが積層する方向に相当する第1方向Xにおいて、正極10の耳部14cがセパレータ13の接合部45に重なると共に、負極12の耳部12dが上部連座20に重なるように、正極10と負極12とを積層する。本実施形態では、上部連座20の開口21aは、第1方向Xにおいて、負極12のうちセパレータ13によって覆い隠される部分に重なる。また、第2方向Yから見て、上部連座20において耳部12dに重なる部分には開口が設けられない。
続いて、正極10の耳部10aを正極ストラップ17に電気的に接続させると共に、負極12の耳部12d同士を負極ストラップ18に電気的に接続させる。これにより、複数の正極10と、複数の負極12と、複数のセパレータ13が含まれる極板群3を形成する。続いて、極板群3を本体8に収容する。続いて、本体8を蓋9によって封止する。このとき、各正極10を正極端子5Aと電気的に接続させると共に、各負極12を負極端子5Bと電気的に接続させる。続いて、補水栓6を経由して電解液Lをケース7内に供給する。これにより、蓄電池1が製造される。
以下では、本実施形態に係る製造方法にて製造される蓄電池1に含まれる極板群3によって奏される作用効果について、従来からの問題点を挙げつつ説明する。
鉛蓄電池の充電時においては、副反応として水の電気分解反応が発生することがよく知られている。この副反応によって、正極から酸素ガスが発生し、負極から水素ガスが発生する。このようなガスの発生によって、正極から正極活物質が脱離すること、並びに、負極から負極活物質が脱離することがある。脱離した活物質は、各ガスの流動に起因して電解液に拡散した後、沈降する。このとき、活物質は、例えばケースの底、セパレータ上、上部連座上に堆積する。また、正極活物質は、負極の耳部、負極ストラップ等に凝集する傾向にあり、負極活物質は、正極の耳部、正極ストラップ等に凝集する傾向がある。このように凝集した各活物質がさらに凝集することによって、隣り合う正極もしくは負極に到達することがある。この場合、凝集した活物質を導電経路とした正極と負極との短絡が発生してしまう。
これに対して本実施形態に係る極板群3では、負極12に含まれる集電体12aの耳部12dは、第1方向Xにおいて、正極10の外縁14eの少なくとも一部を覆う上部連座20に重なる。これにより、第2方向Yから見て、耳部12dと正極10との第1方向Xに沿った最短経路上には、上部連座20が設けられる。このため、例えば、極板群3が電解液Lと共にケース7に収容され、且つ、耳部12dに正極活物質及び/又は負極活物質が降り積もる場合、上記最短経路を介した正極10と耳部12dとの短絡が、上部連座20によって阻害される。加えて、第2方向Yから見て、負極12の一部がセパレータ13によって覆い隠される。これにより、負極12の当該一部を介した正極10と負極12との短絡もまた、セパレータ13によって阻害される。また、負極12の別の一部は、セパレータ13から覆われていないので、負極12とセパレータ13との間における電解液Lの流動、拡散等がセパレータ13により妨げられにくい。したがって本実施形態に係る極板群3を用いることによって、電解液Lの拡散性を維持しつつ、活物質の降り積もりに起因する短絡を抑制可能な蓄電池1を提供できる。
本実施形態では、上部連座20は、第2方向Yから見て集電体14の一部を露出する開口21aを有する。このため、集電体14と上部連座20との間に電解液L等が溜まることを抑制できる。
本実施形態では、開口21aは、第1方向Xにおいて、セパレータ13によって覆い隠される負極12の一部に重なる。このため、第2方向Yから見て、開口21aと負極12との第1方向Xに沿った最短経路上には、セパレータ13が設けられる。したがって、開口21aに活物質が降り積もったとしても、当該活物質を導電経路とした正極10と負極12との短絡は、セパレータ13によって阻害されやすくなる。
本実施形態では、開口21aは、第2方向Yから見て、正極10の中心Cを介して耳部14cの反対側に位置する。
本実施形態では、絶縁構造体である上部連座20は、第2方向Yから見て外縁14eの少なくとも一部を覆う主部21と、主部21から第2方向Yに突出する突出部22とを有し、第1方向Xに沿った突出部22の厚さT2は、第1方向Xに沿った主部21の厚さT1よりも小さい。このため、例えば電解液Lの流動等に伴って突出部22が揺動することによって、活物質が主部21の上に降り積もりにくくなる。
本実施形態では、突出部22の先端22aは、凹凸形状を有する。このため、突出部22の先端22aに活物質が降り積もりにくくなる。
本実施形態では、集電体14は、複数の芯金14aと、各芯金14aを連結すると共に外縁14eを含む連結部14bとを有し、正極10は、複数の芯金14aがそれぞれ挿入される複数の筒状体15と、各筒状体15に充填される正極材16とを有する。このため、芯金14aからの正極材16の脱離は、筒状体15によって抑制される。
本実施形態では、上部連座20は、各筒状体15の一端を封止する。このため、正極材16は、各筒状体15の外部に好適に流出しにくくなる。加えて、下部連座25は、各筒状体15の他端を封止する。このため、正極材16は、各筒状体15の外部により好適に流出しにくくなる。
本実施形態では、蓄電池1は、鉛蓄電池である。このため、負極12から水素ガスが発生した場合においても、当該水素ガスが溜まりにくい。
上記実施形態では、第2方向に沿ってセパレータシートが二つ折りされているが、これに限られない。例えば、極板群の寸法等によっては、第3方向に沿ってセパレータシートが二つ折りされてもよい。この場合、セパレータの屈曲部に開口部が設けられなくてもよい。
上記実施形態では、セパレータは1枚のセパレータシートから形成されるが、これに限られない。例えば、セパレータは、複数枚のセパレータシートから形成されてもよい。この場合、第3方向におけるセパレータの両端側にシール部が形成されてもよいし、第3方向における一方側のみにシール部が形成されてもよい。また、第2方向におけるセパレータの両側に接合部が形成されることが好ましいが、これに限られない。第2方向における一方側のみに接合部が形成されてもよい。よって、セパレータが複数枚のセパレータシートから形成される場合、当該セパレータは、袋状加工物でもよいし、筒状加工物でもよいし、袋状加工物及び筒状加工物とは異なる加工物でもよい。
以下では、図10及び図11を参照しながら、上記実施形態の変形例について説明する。以下の変形例において、上記実施形態と重複する箇所の説明は省略する。したがって以下では、上記実施形態と異なる箇所を主に説明する。
図10は、第1変形例に係るセパレータに包まれる負極を示す平面図である。図10に示されるように、セパレータ13Aは、上記実施形態と異なり、第2方向Yにおいて負極12の凸部12e,12fに対向する屈曲部を有さない。このため第1変形例では、セパレータ13Aは、2枚のセパレータシート30から構成される。例えば、第1方向Xにおいて負極12の一端側に位置するセパレータシート30(以下では「第1セパレータシート」と称することがある)と、第1方向Xにおいて負極12の他端側に位置するセパレータシート30(以下では「第2セパレータシート」と称することがある)とが、シール部42,43等にて互いに接合されることによって、セパレータ13Aが形成される。
セパレータ13Aは、上記屈曲部の代わりに、接合部45に加えて、第2方向Yにおいて負極12に対向する接合部51,52を有する。接合部51,52のそれぞれは、セパレータ13Aの一部と他の一部とが互いに接合する部分である。セパレータ13Aの一部は第1セパレータシートに含まれ、セパレータ13Aの他の一部は第2セパレータシートに含まれる。接合部51は第2方向Yにおいて凸部12eに対向し、接合部52は第2方向Yにおいて凸部12fに対向する。接合部51,52のそれぞれは、第3方向Zに沿って延在している。接合部51は、接合部45と同様に、第3方向Zにおけるセパレータ13Aの一端から他端に向かって延在しており、主部41及びシール部42に設けられる。接合部52は、第3方向Zの他端から一端に向かって延在しており、主部41及びシール部42に設けられる。接合部51,52は、第3方向Zにおいて並んでおり、且つ、互いに離間している。第3方向Zにおける接合部51,52の間には、開口部53が設けられる。開口部53は、セパレータ13Aのうち第1セパレータシートと第2セパレータシートとが互いに接合していない部分であり、第2方向Yにおいて凸部12e,12f側に位置する。開口部53は、第2方向Yにおいて凸部12e,12fに重なっていない。
接合部51,52によるセパレータシート同士の接合を強固にする観点から、接合部51,52のそれぞれは、例えば、第1セパレータシートと第2セパレータシートとが互いに溶着された部分である。溶着不良の防止の観点から、接合部51,52のそれぞれは、超音波溶着等によって形成されてもよい。接合部51,52のそれぞれは、シール部42,43の形成後に設けられてもよいし、シール部42,43の形成前に設けられてもよい。
以上に説明した第1変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏され得る。なお第1変形例では、セパレータ13Bは2枚のセパレータシート30から構成されるが、これに限られない。例えば、第3方向Zに沿って二つ折りにされたセパレータシートが用いられてもよい。すなわち、1枚のセパレータシートから第1変形例に係るセパレータが形成されてもよい。この場合、セパレータにおける第3方向Zにおける一方端のみ、シール部が形成される。
図11は、第2変形例に係る電池用極板群を示す概略平面図である。図11に示されるように、第2変形例では、極板群3Aには1枚のセパレータシートから形成されるセパレータ13Bが用いられる。具体的には、第2変形例に係る極板群3Aに含まれるセパレータ13Bは、第2方向Yから見て蛇腹状に折りたたまれたシート形状を有する。換言すると、セパレータ13Bは、第2方向から見て、正極10と負極12との間を蛇行するように配置される。図11には示されていないが、セパレータ13Bの表面には、上記実施形態と同様にリブが形成されてもよい。
セパレータ13Bは、複数の第1部分61と、複数の第2部分62と、複数の第3部分63とを有する。複数の第1部分61のそれぞれは、第1方向Xにおいて正極10及び負極12に重なる。複数の第1部分61の一部は、隣り合う正極10と負極12との短絡を防止する機能を示す。複数の第1部分61の他の一部は、第1方向Xにおける極板群3の端に位置する。当該他の一部は、正極10及び負極12と、ケース7との接触を抑制する機能を示す。
複数の第2部分62のそれぞれは、第1方向Xにおいて隣り合う第1部分61同士を接続する接続部分であり、第3方向Zにおける極板群3の一端に位置する。各第2部分62は、第3方向Zにおいて対応する負極12の側面に向かい合っている。複数の第3部分63のそれぞれは、第1方向Xにおいて隣り合う第1部分61同士を接続する接続部分であり、第3方向Zにおける極板群3の他端に位置する。各第3部分63は、上記接続部分としての機能を果たす主要接続部63aと、セパレータ13Bに接合部45Aが存在することによって設けられる外縁接続部63bとを有する。主要接続部63aは、第3方向Zにおいて対応する負極12の側面に向かい合っている。外縁接続部63bは、第2方向Yから見て負極12に対して第3方向Zに沿って重なっており、かつ、第2方向Yにおいて正極10及び負極12よりも上側に位置する。第2部分62と、第3部分63の主要接続部63aとは、互いに第3方向Zにおいて重ならない。第2変形例では、各第2部分62は第3方向Zにおける負極12の一端に接触し、各第3部分63の主要接続部63aは第3方向Zにおける正極10の一端に接触する。
第1方向Xから見て、セパレータ13Bの一部は、第2方向Yにおいて正極10及び負極12の外側に位置する。また、第1方向Xにおいて隣り合う第1部分61の一部は、第2方向Yにおける一端側に設けられる接合部45Aにて接合される。接合部45Aは、第2方向Yにおいて負極12に重なっており、第3方向Zにおける極板群3の一端から他端側に向かって延在する。このため、第2方向Yから見て、負極12の一部が、セパレータ13Bにおいて接合部45Aが設けられる領域及びその周囲の領域にて、覆い隠される。正極10と負極12との短絡防止の観点上、第2方向から見て、負極12のうちセパレータ13Bにて覆い隠される部分は、第1方向Xにおいて正極10の上部連座20に設けられる開口21aに重なることが好ましい。なお図示しないが、第2方向Yにおいて正極10及び負極12を挟んだ接合部45Aの反対側には、別の接合部が形成されてもよい。この場合、セパレータ13Bと正極10との第2方向Yにおけるずれ、並びに、セパレータ13Bと負極12との第2方向Yにおけるずれを、良好に防止できる。
以上に説明した第2変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏され得る。なお第2変形例では、セパレータ13Bは1枚のセパレータシートから構成されるが、これに限られない。例えば、セパレータ13Bは、複数のシートを一体化したものでもよい。また、接合部45Aは、各負極12上に設けられるが、これに限られない。接合部45Aは、複数の負極12のうち一部の上に設けられてもよい。
本発明の一側面に係る電池用極板群は、上記実施形態及び上記変形例に限られない。上記実施形態及び上記変形例は、適宜組み合わされてもよい。例えば、第1変形例と第2変形例とが組み合わされてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、第1方向から見たリブは直線状に延在しているが、これに限られない。例えば、第1方向から見て、リブは波線状に延在してもよいし、ジグザグ状に延在してもよい。また、リブは、第1方向から見て、点形状(ドット形状)でもよいし、円形状でもよいし、楕円形状でもよいし、多角形状でもよい。もしくは、リブは、多角錐形状でもよいし、多角錐台形状でもよいし、円錐形状でもよいし、円錐台形状でもよい。リブの断面は、半円形状でもよいし、多角形状でもよい。リブは、第2方向に沿って延在してもよいし、第3方向に沿って延在してもよい。第1方向から見て、複数のリブによってフィッシュボーン構造が形成されてもよい。なお、上記実施形態及び上記変形例では、第1主面と第2主面とにリブが設けられるが、これに限られない。第1主面及び第2主面のいずれか一方のみにリブが設けられてもよい。例えば、第2主面のみにリブが設けられてもよい。