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JP7691682B2 - 創傷被覆材 - Google Patents
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Description

本発明は、皮膚等の組織の欠損や傷等の創傷を修復するのに用いる創傷被覆材に関する。
皮膚等の組織の欠損や傷等の創傷を修復するのに用いる創傷被覆材において、創傷部位に接する側に、湿潤環境を提供し得るハイドロゲル形成成分を用いることが行われている。このような創傷被覆材としては、コラーゲン等のハイドロゲル形成成分を用いたスポンジが広く用いられている。また、特許文献1には、ハイドロゲルを形成可能な有機繊維を含むハイドロゲル繊維層を含む創傷被覆材が提案されている。
特開2020-103502号公報
しかしながら、創傷治癒には、創傷部位を創傷被覆材で処置した後、創傷被覆材内部への早期の細胞侵入や血管侵入が必要であるところ、コラーゲンスポンジや特許文献1に記載の創傷被覆材等の従来の創傷被覆材では、内部への早期の細胞侵入や血管侵入を改善することが求められている。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、使用時に創傷被覆材の内部への早期の細胞侵入及び血管侵入が向上した創傷被覆材を提供する。
本発明は、ゼラチンを主成分とするハイドロゲル不織布を含む創傷被覆材であって、前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率が86%以上であることを特徴とする創傷被覆材に関する。
本発明の創傷被覆材を用いれば、創傷被覆材の内部への早期の細胞侵入及び血管侵入を向上させることができる。
実施例2の乾燥状態のハイドロゲル不織布の走査型電子顕微鏡(100倍)の写真である。 比較例2の乾燥状態のコラーゲンスポンジの走査型電子顕微鏡(100倍)の写真である。 実施例1のハイドロゲル不織布を用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)の結果を示す写真(40倍)である。スケールバーは100μmである。以下同じ。 実施例1のハイドロゲル不織布を用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のCD31(血小板内皮細胞接着分子-1)免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。 比較例2のコラーゲンスポンジを用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す写真(40倍)である。 比較例2のコラーゲンスポンジを用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のCD31(血小板内皮細胞接着分子-1)免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。 実施例2のハイドロゲル不織布を用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す写真(40倍)である。 実施例2のハイドロゲル不織布を用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のCD31(血小板内皮細胞接着分子-1)免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。 比較例2のコラーゲンスポンジを用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す写真(40倍)である。 比較例2のコラーゲンスポンジを用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のCD31(血小板内皮細胞接着分子-1)免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。 不織布製造装置の模式的説明図である。
本発明の発明者らは、上述した問題を解決するため、検討を重ねた。その結果、ゼラチンを主成分とし、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率が86%以上であるハイドロゲル不織布を用いることで、使用時に創傷被覆材の内部への早期の細胞侵入及び血管侵入(血管新生)が向上することを見出した。
特に、ゼラチンを主成分とするハイドロゲル不織布を用いることで、細胞増殖因子を用いなくても、血管が創傷被覆材の内部へ侵入すること、すなわち血管新生を促進することができ、創傷部位における血管新生が誘導され、糖尿病患者や悪性腫瘍患者にも適用することができる。また、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率が86%以上であることで、該創傷被覆材を使用した際、例えば、創傷被覆材を移植した後の1~2週間の早期に、創傷被覆材の内部への細胞と血管の侵入を可能とする連通孔構造が維持され、早期の血管新生を誘導可能である。
本発明の1以上の実施形態において、創傷被覆材は、ゼラチンを主成分とするハイドロゲル不織布を含む。本発明の1以上の実施形態において、「ゼラチンを主成分とする」とは、ゼラチンを90質量%以上含むことを意味する。前記ハイドロゲル不織布は、ゼラチンを95質量%以上含んでもよく、実質的にゼラチン100質量%からなるものでもよい。前記ハイドロゲル不織布は、ゼラチンに加えて、必要に応じて、他の成分を10質量%以下含んでもよく、5質量%以下含んでもよい。他の成分は、他の生体適合性ポリマー、架橋剤、薬剤、可塑剤、他の添加剤等であってもよい。
前記ゼラチンの原材料となるコラーゲンが由来する動物の種類や部位は特に限定されない。コラーゲンは、例えば脊髄動物由来でもよく、魚由来でもよい。また、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨等の様々な器官や組織由来のコラーゲンを適宜用いることができる。また、コラーゲンからゼラチンを調製する方法も特に限定されず、例えば酸処理、アルカリ処理、及び酵素処理等が挙げられる。前記ゼラチンの分子量も特に限定されず、様々な分子量のものを適宜選択して用いることができる。また、ゼラチンは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゼラチンは、特に限定されないが、適度な柔軟性及び硬さを有し、ハイドロゲル不織布のハンドリング性を高める観点から、ゼリー強度が100g以上400g以下であることが好ましく、より好ましくは150g以上360g以下である。本発明の1以上の実施形態において、ゼリー強度は、JIS K 6503:2001に準じて測定する。前記ゼラチンは、市販品であってもよい。
前記他の生体適合性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、天然高分子や合成高分子を用いることができる。天然高分子としては、例えばタンパク質や多糖類が挙げられる。タンパク質としては、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、フィブリン等が挙げられる。多糖類としては、例えばキトサン、アルギン酸カルシウム、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、 デンプン、ジェランガム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガム等の天然高分子を用いてもよく、カルボキシメチルセルロース等の天然高分子の誘導体を用いてもよい。合成高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、シクロオレフィンポリマー、アモルファスフッ素樹脂等の非吸収性の合成高分子や、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン等の生体吸収性高分子等が挙げられる。上述した他の生体適合性ポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率(以下において、初期厚み保持率とも記す)が86%以上である。前記ハイドロゲル不織布の初期厚み保持率は、88%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。これにより、創傷被覆材で処置した後の1~2週間の早期に、創傷被覆材内部への細胞と血管の侵入を可能とする連通孔構造が維持され、早期の血管新生を誘導可能である。
前記ハイドロゲル不織布の初期厚み保持率は、膨潤状態のハイドロゲル不織布における、コラゲナーゼによる処理前の厚み(Ha)とコラゲナーゼによる6時間処理後の厚み(Hb)に基づいて、下記のように算出する。コラゲナーゼによる処理は、ハイドロゲル不織布1mg当たり、1.25μg/mLのコラゲナーゼDのPBS(+)溶液を2mL用いて行うことができる。
厚み保持率(%)=Hb/Ha×100
本発明の1以上の実施形態において、「膨潤」とは、水、又は緩衝液(リン酸緩衝液等)からなる群から選ばれる一つ以上の液体で飽和状態まで膨潤することを意味する。例えば、ハイドロゲル不織布を水、又は緩衝液からなる群から選ばれる一つ以上の液体中に約10分以上浸漬することで膨潤させることができる。
前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の圧縮強度保持率(以下において、初期圧縮強度保持率とも記す)が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。これにより、創傷部位、すなわち移植部位において、周囲組織で圧迫される場合でも、移植から1~2週間の移植早期に、創傷被覆材の内部への細胞と血管の侵入を可能とする連通孔構造が維持されやすく、早期の血管新生を誘導しやすくなる。本発明の1以上の実施形態において、「圧縮強度」は膨潤状態のハイドロゲル不織布における70%ひずみ時の応力を意味する。
前記ハイドロゲル不織布の初期圧縮強度保持率は、膨潤状態のハイドロゲル不織布における、コラゲナーゼによる処理前の70%ひずみ時の応力(Fa)及びコラゲナーゼによる6時間処理後の70%ひずみ時の応力(Fb)に基づいて、下記の通りに算出する。コラゲナーゼによる処理は、ハイドロゲル不織布1mg当たり、1.25μg/mLのコラゲナーゼDのPBS(+)溶液を2mL用いて行うことができる。
圧縮強度保持率(%)=Fb/Fa×100
前記ハイドロゲル不織布の圧縮強度は、特に限定されないが、ハイドロゲル不織布内部への早期の細胞や血管の侵入性を高める観点から、5000Pa以上であることが好ましく、10000Pa以上であることがより好ましく、15000Pa以上であることがさらに好ましい。また、移植時の扱いやすさ、及び後期のハイドロゲル不織布の分解性の観点から、前記ハイドロゲル不織布の圧縮強度は、38000Pa以下であることが好ましく、36000Pa以下であることがより好ましく、31000Pa以下であることがさらに好ましい。
前記ハイドロゲル不織布を構成する繊維は、特に限定されないが、膨潤状態の平均繊維径が10μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以上150μm以下であり、さらに好ましくは30μm以上100μm以下であり、特に好ましくは40μm以上80μm以下である。繊維の平均繊維径が上記範囲内であると、創傷部位に移植した際、移植早期に、細胞及び血管がハイドロゲル不織布内部に侵入しやすい。本発明の1以上の実施形態において、「平均繊維径」は、膨潤状態のハイドロゲル不織布から任意に選択した50本の繊維の直径の平均値を意味する。
前記ハイドロゲル不織布を構成する繊維は、繊維交点が部分的に溶着していることが好ましい。この部分的溶着は、特に限定されないが、例えば、後述するように、ハイドロゲル不織布の製造時に圧力流体によって吹き飛ばされた完全に固化していない状態の繊維を堆積することで発現させることができる。この部分的溶着により、ハイドロゲル不織布はブリッジ構造となり、所望の形に成形しやすく、かつ成形安定性も高いものとなる。また、繊維交点が部分的に溶着していることにより、ハイドロゲル不織布は膨潤した後でもへたらない。また、ハイドロゲル不織布において、繊維交点は一部が溶着してもよく、繊維交点の全部が溶着してもよい。
前記ハイドロゲル不織布の厚みは、特に限定されず、適用する部位等に応じて適宜決めることができるが、ハンドリング性、及びハイドロゲル不織布内部への早期の細胞や血管の侵入性をより高める観点から、膨潤状態の厚みが0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.4mm以上であることが特に好ましい。また、移植時の扱いやすさ、及び後期のハイドロゲル不織布の分解性の観点から、前記ハイドロゲル不織布の膨潤状態の厚みが5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることがさらに好ましく、1mm以下であることがさらにより好ましい。前記ハイドロゲル不織布の厚みは、特に限定されないが、より具体的には、膨潤状態の厚みが0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.2mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.3mm以上2mm以下であることがさらに好ましく、0.4mm以上2mm以下であることがさらにより好ましく、0.4mm以上1mm以下であることがさらにより好ましい。
前記ハイドロゲル不織布の目付は、特に限定されず、適用する部位等に応じて適宜決めることができるが、例えば、ハンドリング性、及びハイドロゲル不織布内部への早期の細胞や血管の侵入性をより高める観点から、目付が40g/m2以上であることが好ましく、50g/m2以上であることがより好ましく、60g/m2以上であることがより好ましい。また、ハンドリング性、及び後期のハイドロゲル不織布の分解性の観点から、前記ハイドロゲル不織布の目付は、500g/m2以下であることが好ましく、400g/m2以下であることがより好ましく、350g/m2以下であることがさらにより好ましく、300g/m2以下であることがより好ましい。前記ハイドロゲル不織布の目付は、特に限定されないが、より具体的には、40g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上400g/m2以下であることがより好ましく、60g/m2以上350g/m2以下であることがさらに好ましい。本発明の1以上の実施形態において、ハイドロゲル不織布の目付は、JIS L 1913:2010に準じて測定する。
前記ハイドロゲル不織布の孔径は、特に限定されず、適用する部位等に応じて適宜決めることができるが、ハイドロゲル不織布内部への早期の細胞や血管の侵入性をより高める観点から、膨潤状態の孔径が30μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。また、繊維交点の数を適切な範囲になり、ハイドロゲルの強度を保てやすい観点から、膨潤状態の孔径が700μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。前記ハイドロゲル不織布の孔径は、特に限定されないが、より具体的には、膨潤状態の孔径が30μm以上700μm以下であることが好ましく、60μm以上600μm以下であることがより好ましく、100μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。本発明の1以上の実施形態において、ゼラチン不織布の孔径は、Wrotnowskiの仮定に基づいて、下記計算式(1)にて算出することができる。
Figure 0007691682000001
前記ハイドロゲル不織布は、上述したとおり、少なくとも初期厚み保持率を所定の範囲にすること、好適には初期厚み保持率に加えて、初期圧縮強度保持率を所定の範囲、さらに好適には初期厚み保持率及び初期厚み保持率に加えて、繊維径、孔径及び目付を所定の範囲にすることで、細胞増殖因子を含まなくても、血管新生を誘導することができる。糖尿病患者や悪性腫瘍患者に細胞増殖因子の使用は禁忌であるため、糖尿病患者や悪性腫瘍患者にも適用する観点から、前記ハイドロゲル不織布及び創傷被覆材は、細胞増殖因子(細胞成長因子とも称される)等の物質を含まないことが好ましい。細胞増殖因子としては、例えば、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)等が挙げられる。
前記ハイドロゲル不織布は、必要に応じて、細胞接着因子、細胞誘導因子、細胞増殖因子、細胞に栄養やエネルギ-を与える物質、細胞の機能を抑制又は亢進する物質等でコーティングされてもよく、該物質を含む溶液に浸漬して繊維内部まで浸透させてもよい。細胞接着因子としては、特に限定されないが、例えば、フィブロネクチン等が挙げられる。細胞に栄養やエネルギ-を与える物質としては、特に限定されないが、例えば、ATP、ピルビン酸、グルタミン等が挙げられる。
前記ハイドロゲル不織布は、特に限定されないが、夾雑物の発生を抑制し、製品汚染を防ぐ観点から、ゼラチンを含む紡糸液をノズル吐出口から空気中に押し出し、前記ノズル吐出口の後方に位置し、前記ノズル吐出口とは非接触状態の流体噴射口から前方に向けて圧力流体を噴射し、前記押し出された紡糸液を前記圧力流体に随伴させて繊維形成させ、得られた繊維を集積させて不織布とすることで作製することが好ましい。紡糸後に繊維を集積(堆積)させる時に繊維同士が、水分を含んだ状態で積層されるため、繊維同士が溶着することや互いに絡むことで一体化される。繊維を堆積させる際の捕集距離を変えることで、容易に不織布密度を変えることができる。捕集距離は、例えば、10cm以上200cm以下であることが好ましく、20cm以上180cm以下であることがより好ましく、30cm以上150cm以下であることがさらに好ましい。
図11はハイドロゲル不織布の製造装置の模式的説明図である。不織布製造装置10において、加温槽1に入れたゼラチンを含む紡糸液2をノズル吐出口3から空気中に押し出す。加温槽1にはコンプレッサー4により、所定の圧力をかけておく。12は保温容器である。
また、ノズル吐出口3の後方に位置し、ノズル吐出口3とは非接触状態の流体噴射口5から前方に向けて圧力流体7を噴射させる。流体噴射口5にはコンプレッサー6から圧力流体(例えば圧空)が供給される。流体噴射口5とノズル吐出口3との距離は5mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることがより好ましい。
押し出された紡糸液は圧力流体7に随伴されてゼラチン繊維8となり、巻き取りロール11上でゼラチン不織布9となって堆積される。この時、堆積された繊維は水分を含み、完全には固化していないので、繊維交点の少なくとも一部において接している繊維が互いに溶着する。なお、巻き取りロールに変えてネット等の他の捕集手段を用いてもよい。
まず、ゼラチン単独、或いは、必要に応じてゼラチンと上述した他の成分として用いることができる他の生体適合性ポリマーを溶媒、好ましくは水に溶解して紡糸液を調製する。溶解温度(水等の溶媒の温度)は20℃以上90℃以下が好ましく、40℃以上90℃以下であることがより好ましい。必要に応じて、ゼラチンを水等の溶媒に溶解した後、フィルトレーションして異物やごみ等を除去してもよい。また、必要に応じて、その後、減圧又は真空脱泡して溶解空気を除去してもよい。効率よく気体(気泡)を除去する観点から、減圧脱泡時の真空度は5kPa以上30kPa以下であることが好ましい。ゼラチンが水溶性であることで、紡糸液として水溶液の状態で紡糸でき、生体に対する安全性が高くなる。水としては、例えば、純水、蒸留水、超純水等を適宜用いることができる。なお、他の成分として、他の生体適合性水溶性高分子を用いる場合、ゼラチンと同時に水に溶解することで、紡糸液を調製することができる。
前記紡糸液の温度は20℃以上90℃以下であることが好ましく、40℃以上90℃以下であることがより好ましい。前記の範囲であればゼラチンは安定したゾル状態を維持できる。また、前記ゼラチン水溶液のゼラチン濃度は、ゼラチン水溶液を100質量%とした時、30質量%以上55質量%以下であることが好ましい。さらに好ましい濃度は35質量%以上50質量%以下である。前記の濃度であれば安定したゾル状態を維持できる。前記ゼラチン水溶液(紡糸液)の粘度は500mPa・s以上3000mPa・s以下が好ましい。ゼラチン水溶液の粘度が前記の範囲であれば安定した紡糸ができる。
前記紡糸液を紡糸機のノズルから吐出し、前記ノズル周囲から圧力流体を供給し、前記吐出したゼラチン水溶液を前記圧力流体に随伴させて繊維形成させ、得られたゼラチン繊維を集積させてゼラチン不織布(ハイドロゲル不織布)とする。ノズルの吐出圧は、特に限定されないが、例えば0.1MPa以上1MPa以下であってもよい。
前記圧力流体の温度は、20℃以上120℃以下であることが好ましく、80℃以上120℃以下であることがより好ましい。圧力流体の流速及び周囲雰囲気の温度にもよるが、前記の温度範囲であれば安定した紡糸ができる。圧力流体は空気を使用することが好ましく、圧力は0.1MPa以上1MPa以下であることが好ましい。前記の範囲であれば、ノズル吐出口から空気中に押し出された紡糸液を吹き飛ばして繊維化できる。
前記ハイドロゲル不織布は、架橋することが好ましい。これにより形態安定性及び耐水性を高めることができる。架橋は、架橋剤等の化合物を用いた化学架橋であってもよいが、生体安全性の観点から、生体安全性を有する架橋剤を用いる架橋、及び/又は架橋剤を用いない架橋であることが好ましい。架橋剤を用いない架橋としては、例えば、熱架橋、電子線及びγ線等の放射線架橋、紫外線架橋等が挙げられる。電子線やγ線等の放射線照射の場合は、滅菌と架橋を同時にすることもできる。簡便に所望の架橋効果を得やすい観点から、熱架橋であることが好ましく、熱脱水架橋であることがより好ましい。熱架橋は、例えば、100℃以上180℃以下で行ってもよく、100℃以上160℃以下で行ってもよい。架橋時間は、例えば、24時間以上96時間以下であってもよい。熱脱水架橋は、例えば、100℃以上180℃以下で、24時間以上96時間以下行ってもよく、100℃以上160℃以下で、24時間以上96時間以下行ってもよい。また、熱脱水架橋は、例えば、1kPa以下の真空下で行ってもよい。架橋する前に、乾燥してもよい。乾燥は、特に限定されないが、例えば、室温での風乾や、凍結乾燥することで行うことができる。
前記範囲内において、紡糸液の吐出量、ノズル直径(内径)、ノズル吐出圧、圧力流体の圧力、圧力流体の温度、流体噴射口とノズル吐出口との距離、捕集距離、及び架橋条件等を調整することで、所望の初期厚み保持率、初期圧縮強度保持率、厚み、目付、繊維径、孔径等を有するハイドロゲル不織布を得ることができる。1例として、ノズル吐出圧を高くして繊維径を太くすることで、初期厚み保持率や初期圧縮強度保持率を高めることができる。1例として、流体噴射口とノズル吐出口との距離を短くして繊維交点を増やすことで、初期厚み保持率や初期圧縮強度保持率を高めることができる。
前記ハイドロゲル不織布は、必要に応じて、所定の形状や大きさにカットしてもよい。前記ハイドロゲル不織布は、エチレンオキサイドガス滅菌、水蒸気(オートクレーブ)、電子線照射、γ線等の放射線照射等で滅菌してもよく、エタノール処理等で殺菌することもできる。電子線やγ線等の放射線照射の場合は、滅菌とともに架橋を同時にすることもできる。
本発明の1以上の実施形態において、創傷被覆材は、ハイドロゲル不織布の一方の表面が創傷部位に接するようにして使用する。すなわち、創傷被覆材において、ハイドロゲル不織布の一方の表面は創面側となる。前記創傷被覆材は、ハイドロゲル不織布に加えて保護フィルムを含んでもよい。保護フィルムは防水性材料で構成することが好ましい。これにより、創傷部位以外の外部からの水分がハイドロゲル不織布に侵入することを防止することができる。前記保護フィルムは、自己接着性を有することで、ハイドロゲル不織布に接着してもよく、粘着剤層を介してハイドロゲル不織布に接着してもよい。保護フィルムは、ハイドロゲル不織布の一方又は両方の表面に配置することができる。創傷被覆材の使用時に、一方の保護フィルムを剥離し、ハイドロゲル不織布の一方の表面が組織の創傷部位に接するようにして移植して使用してもよい。
前記ハイドロゲル不織布や創傷被覆材の製造工程は、例えば、クリーンベンチ、クリーンルーム内で無菌的に行うことが好ましい。作業中における雑菌の繁殖によって、ハイドロゲル不織布や創傷被覆材が汚染することを防止することができる。使用する製造器具は、例えば、オートクレーブ、電子線やγ線等の放射線照射等で滅菌処理されたものを使用することが好ましい。
前記創傷被覆材は、皮膚表面の創傷部位に適用してもよく、皮下組織の創傷部位に適用してもよい。
以下、実施例を用いて本発明の1以上の実施形態をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。本明細書において、特に指摘がない場合は、操作は室温(20±5℃)で行う。
測定・評価方法は下記のとおりである。
<厚み及び厚み保持率>
膨潤状態のハイドロゲル不織布において、コラゲナーゼによる処理前の厚み(Ha)とコラゲナーゼによる処理後の厚み(Hb)を山電社製のクリープメータで測定した。また、厚み保持率を下記の通りに算出した。
厚み保持率(%)=Hb/Ha×100
<圧縮強度>
膨潤状態のハイドロゲル不織布において、コラゲナーゼによる処理前の70%ひずみ時の応力(Fa)及びコラゲナーゼによる処理後の70%ひずみ時の応力(Fb)を山電社製のクリープメータで測定し、圧縮強度とした。また、圧縮強度保持率を下記の通りに算出した。
圧縮強度保持率(%)=Fb/Fa×100
<コラゲナーゼによる処理>
(1)コラゲナーゼD(シグマアルドリッチ社)をD-PBS(+)(ナカライテスク社のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)に、富士フイルム和光純薬社の塩化カルシウム(100μg/mL)及び塩化マグネシウム(46.8μg/mL)を加えたD-PBS(+))に溶解し、濃度が1.25μg/mLのコラゲナーゼD/PBS(+)溶液を得た。
(2)膨潤状態のハイドロゲル不織布(乾燥質量約1mg)を2mLのコラゲナーゼDの溶液に浸漬し、37℃で6時間インキュベートした。
<平均繊維径>
膨潤状態のハイドロゲル不織布をマイクロスコープ(キーエンス社、BZ-X700)で観察し、任意に選択した50本の繊維の繊維径をそれぞれ測定し、それらを平均して、膨潤状態の平均繊維径を算出した。
<目付(単位面積あたりの質量)>
ゼラチン不織布の目付は、JIS L 1913:2010に準じて測定した。
<孔径>
ゼラチン不織布の孔径は、Wrotnowskiの仮定に基づいて、下記計算式1にて算出した。
Figure 0007691682000002
(実施例1)
ゼラチンとして新田ゼラチン社製(ゼリー強度262g、原料:アルカリ処理牛骨)を使用し、ゼラチン:水=3:5の質量比(ゼラチン濃度37.5質量%)とし、温度60℃で溶解した。60℃におけるゼラチン水溶液の粘度は960~970mPa・sであった。このゼラチン水溶液を紡糸液とし、図11に示す製造装置を使用して、ゼラチン不織布を作製した。紡糸液の温度は60℃、ノズル直径(内径)250μm、吐出圧0.2MPa、ノズル高さ5mm、エアー圧力0.375MPa、エアー温度100℃、流体噴射口とノズル吐出口との距離は5mm、捕集距離100cmとした。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られたゼラチン不織布の目付は約65g/m2であった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約5mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のハイドロゲル不織布の直径は約7mmであった。
(実施例2)
捕集距離を50cmにした以外は、実施例1の場合と同様にして、ゼラチン不織布を作製した。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られたゼラチン不織布の目付は約100g/m2であった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約4mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のハイドロゲル不織布の直径は約6mmであった。
(実施例3)
<ハイドロゲル不織布の作製>
紡糸液の吐出量を増加させた以外は、実施例2の場合と同様にして、ゼラチン不織布を作製した。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られたゼラチン不織布の目付は約150g/m2であった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約3mmの円盤状に打ち抜き、1.25枚を(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のハイドロゲル不織布の直径は約5mmであった。
(実施例4)
吐出圧を0.1MPa、エアー圧力を0.275MPaにした以外は、実施例2の場合と同様にして、ゼラチン不織布を作製した。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られたゼラチン不織布の目付は約300g/m2であった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約2mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のハイドロゲル不織布の直径は約3mmであった。
(比較例1)
紡糸液の吐出量を減少させた以外は、実施例2の場合と同様にして、ゼラチン不織布を作製した。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られたゼラチン不織布の目付は約50g/m2であった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約6mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のハイドロゲル不織布の直径は約9mmであった。
(比較例2)
コラーゲンスポンジを、直径約8mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約1mg)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分間静置して膨潤させた。膨潤状態のコラーゲンスポンジの直径は約8mmであった。
実施例1~4、及び比較例1~2において、コラゲナーゼによる処理前後の膨潤状態のハイドロゲル不織布又はコラーゲンスポンジの厚み及び70%ひずみ時の応力(圧縮強度)を上述したとおりに測定した。比較例2については、6時間経過前に溶解したため、処理後の圧縮強度は測定できなかった。実施例1~4、及び比較例1において、ゼラチン不織布の目付(単位面積あたりの質量)及び孔径は上述したとおりに測定した。また、膨潤状態のハイドロゲル不織布において、平均繊維径を上述したとおりに測定した。これらの結果を下記表1に示した。
Figure 0007691682000003
図1は実施例2の乾燥状態のハイドロゲル不織布の走査型電子顕微鏡(100倍)の写真である。図2は乾燥状態の比較例2のコラーゲンスポンジの走査型電子顕微鏡(100倍)の写真である。図1から分かるように、実施例2のハイドロゲル不織布において、繊維間の交点は融着されており、連通孔構造を有する。
(実験例1)
正常マウス(C57BL/6J、8週齢、オス、清水実験材料社から入手)の背部皮下に、膨潤状態の直径が約6mmの円盤状の実施例1のハイドロゲル不織布、比較例1のハイドロゲル不織布及び比較例2のコラーゲンスポンジを移植した。なお、膨潤状態の直径が約6mmの円盤状の実施例1のハイドロゲル不織布、比較例1のハイドロゲル不織布及び比較例2のコラーゲンスポンジは、移植する前に乾燥状態にてエチレンオキサイドガスにて滅菌した。
移植後10日目に移植材を回収し、円盤状移植材の厚み方向の最大割面にて10μm厚みの凍結切片を作製した。
該凍結切片を用いて、HE染色及びCD31免疫染色を行い、切片の中心から左右250μmの範囲において、全細胞数(HE染色)及びCD31陽性細胞数(CD31免疫染色)を計測した。また、深さ別の細胞の割合及び全細胞中のCD31陽性細胞の割合を算出した。nは3とした。その結果を下記表2に示した。下記表2において、深さは皮下組織に接した面からの距離を意味する。
CD31免疫染色は、CD31抗体(セルシグナリングテクノロジー社製、「ウサギモノクローナル抗体CST 77699」)を用い、DABを用いたペルオキシダーゼ発色法で行った。
Figure 0007691682000004
図3は、実施例1のハイドロゲル不織布を移植材として用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のHE染色の結果を示す写真(40倍)である。
図4は、実施例1のハイドロゲル不織布を移植材として用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のCD31免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。
図5は、比較例2のコラーゲンスポンジを移植材として用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のHE染色の結果を示す写真(40倍)である。
図6は、比較例2のコラーゲンスポンジを移植材として用いた移植10日目の移植材の断面(深さ200-400μm)のCD31免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。
上記表2、図3~6から分かるように、所定の初期厚み保持率を有する実施例1のハイドロゲル不織布を用いた場合、比較例2のコラーゲンスポンジを用いた場合及び初期厚み保持率が低い比較例1のハイドロゲル不織布を用いた場合に比べて、移植材の表面(0~200μmの深さ)より内部(深さ200μm~)における細胞の割合が大きく、全細胞中のCD31陽性細胞の割合も多かった。実施例1の方が、比較例1や比較例2より、移植早期の移植材内部への細胞侵入及び血管侵入(血管新生)が優れる傾向が確認され、創傷治癒に好適に用いることができると推測される。
(実験例2)
正常マウス(C57BL/6J、8週齢、オス、清水実験材料社から入手)の背部皮下に、膨潤状態の直径が約6mmの円盤状の実施例2のハイドロゲル不織布、及び比較例2のコラーゲンスポンジを移植した。
移植後7日目及び14日目に移植材を回収し、円盤状移植材の厚み方向の最大割面にて10μm厚みの凍結切片を作製した。
該凍結切片を用いて、HE染色及びCD31免疫染色を行い、切片の中心から左右250μmの範囲において、全細胞数(HE染色)及びCD31陽性細胞数(CD31免疫染色)を計測した。また、深さ別の細胞の割合及び全細胞中のCD31陽性細胞の割合を算出した。nは3とした。移植後7日目の結果を下記表3に示し、移植後14日目の結果を下記表4に示した。下記表3及び4において、深さは皮下組織に接した面からの距離を意味する。
CD31免疫染色は、CD31抗体(セルシグナリングテクノロジー社製、「ウサギモノクローナル抗体CST 77699」)を用い、DABを用いたペルオキシダーゼ発色法で行った。
Figure 0007691682000005
Figure 0007691682000006
図7は、実施例2のハイドロゲル不織布を移植材として用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のHE染色の結果を示す写真(40倍)である。
図8は、実施例2のハイドロゲル不織布を移植材として用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のCD31免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。
図9は、比較例2のコラーゲンスポンジを移植材として用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のHE染色の結果を示す写真(40倍)である。
図10は、比較例2のコラーゲンスポンジを移植材として用いた移植7日目の移植材の断面(深さ400-600μm)のCD31免疫染色の結果を示す写真(40倍)である。
上記表3、図7~10から分かるように、所定の厚み保持率を有する実施例2のハイドロゲル不織布を用いた場合、比較例2のコラーゲンスポンジを用いた場合に比べて、移植7日目に、全細胞中のCD31陽性細胞の割合が多かった。実施例2の方が、比較例2より、移植早期の移植材内部への血管侵入(血管新生)に優れる傾向が確認され、創傷治癒に好適に用いることができると推測される。
上記表4から分かるように、所定の厚み保持率を有する実施例2のハイドロゲル不織布を用いた場合、比較例2のコラーゲンスポンジを用いた場合に比べて、移植14日目に、移植材の表面(0~200μmの深さ)より内部(深さ200μm~)における細胞の割合が大きく、全細胞中のCD31陽性細胞の割合も多かった。実施例2の方が、比較例2より、移植早期の移植材内部への細胞侵入及び血管侵入(血管新生)に優れる傾向が確認され、創傷治癒に好適に用いることができると推測される。
本発明は、特に限定されないが、好ましくは以下の態様を含む。
[1] ゼラチンを主成分とするハイドロゲル不織布を含む創傷被覆材であって、
前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率が86%以上であることを特徴とする創傷被覆材。
[2] 前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の圧縮強度保持率が70%以上である、[1]に記載の創傷被覆材。
[3] 前記ハイドロゲル不織布は、膨潤状態の厚みが0.1mm以上5mm以下であり、目付が40g/m2以上500g/m2以下である、[1]又は[2]に記載の創傷被覆材。
[4] 前記ハイドロゲル不織布は、膨潤状態の孔径が30μm以上700μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の創傷被覆材。
[5] 前記ハイドロゲル不織布を構成する繊維は、膨潤状態の平均繊維径が10μm以上200μm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の創傷被覆材。
[6] 前記ハイドロゲル不織布は、熱脱水架橋されている、[1]~[5]のいずれかに記載の創傷被覆材。
[7] 前記ハイドロゲル不織布は、細胞増殖因子を含まない、[1]~[6]のいずれかに記載の創傷被覆材。
[8] 前記ハイドロゲル不織布の一方又は両方の表面には保護フィルムが配置されている、[1]~[7]のいずれかに記載の創傷被覆材。
1 加温槽
2 紡糸液
3 ノズル吐出口
4、6 コンプレッサー
5 流体噴射口
7 圧力流体
8 ゼラチン繊維
9 ハイドロゲル不織布
10 不織布製造装置
11 巻き取りロール
12 保温容器

Claims (7)

  1. ゼラチンを主成分とするハイドロゲル不織布を含む創傷被覆材であって、
    前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の厚み保持率が86%以上であり、
    前記ハイドロゲル不織布は、ハイドロゲル不織布を水、又は緩衝液からなる群から選ばれる一つ以上の液体中に10分以上浸漬することで膨潤させた膨潤状態の孔径が30μm以上700μm以下であることを特徴とする創傷被覆材。
  2. 前記ハイドロゲル不織布は、コラゲナーゼによる6時間処理後の圧縮強度保持率が70%以上である、請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 前記ハイドロゲル不織布は、前記膨潤状態の厚みが0.1mm以上5mm以下であり、目付が40g/m2以上500g/m2以下である、請求項1又は2に記載の創傷被覆材。
  4. 前記ハイドロゲル不織布を構成する繊維は、前記膨潤状態の平均繊維径が10μm以上200μm以下である、請求項1~のいずれかに記載の創傷被覆材。
  5. 前記ハイドロゲル不織布は、熱脱水架橋されている、請求項1~のいずれかに記載の創傷被覆材。
  6. 前記ハイドロゲル不織布は、細胞増殖因子を含まない、請求項1~のいずれかに記載の創傷被覆材。
  7. 前記ハイドロゲル不織布の一方又は両方の表面には保護フィルムが配置されている、請求項1~のいずれかに記載の創傷被覆材。
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