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JP7692286B2 - 免震装置設置構造 - Google Patents
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本発明は、免震装置設置構造に関する。
建物の免震装置設置構造が知られている(例えば、特許文献1参照)
特開2016-153571号公報
鉄骨造の中間層免震の場合、免震装置を支持する柱をCFT(Concrete Filled Steel Tube:コンクリート充填鋼管構造)とすることが多い。
ところで、この免震装置がすべり支承を含んでいると、支承を滑らせるために広い面積のすべり板が必要となり、支承を受ける側の仕口が大きくなってしまう。それに合わせて免震装置を下方で支持する柱の柱断面も大きくなり、柱の鋼管が大断面のビルドボックス(4枚の厚板を溶接して作る溶接四面ボックス)になってしまうなどコストへの影響が大きい。したがって、免震装置を支持する柱をCFTとする中間層免震では、すべり支承の採用が難しい状況であった。
このため、免震装置を支持する柱をSRC(Steel Reinforced Concrete Construction:鉄骨鉄筋コンクリート造)とすることが考えられる。しかし、柱をSRCにすると、鉄骨を建てた後、配筋、型枠の取り付け、コンクリートの打設、型枠の取り外しを順に行い、柱の完成後に免震装置を取り付け、その後、免震装置の上部の鉄骨の建方を行うこととなり、工期が長くなる問題がある。
本発明は上記事実を考慮し、工期を短縮することができ、また、免震装置を早期に据え付けて免震装置の上部の鉄骨の建方を、下部の配筋やコンクリートの打設などを待たずに行うことができる免震装置設置構造の提供を目的とする。
第1態様に記載の免震装置設置構造は、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱と、前記柱の鉄骨材の上部に接合され内部にコンクリートが充填された鋼管仕口部材と、前記鋼管仕口部材の上部に設けられたベースプレート上に設置された免震装置と、を備え、前記鋼管仕口部材のコンクリートに上部が埋設され下部が前記鋼管仕口部材の下面から突出した接続鉄筋と、前記接続鉄筋と前記柱の柱主筋とが接続されている。
第1態様に記載の免震装置設置構造は、免震装置を設置する鋼管仕口部材が、所謂CFT造であり、鋼管仕口部材を支持する柱が鉄骨鉄筋コンクリート造である。
このため、第1態様に記載の免震装置設置構造では、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の構成要素の一部である鉄骨材の上部に鋼管仕口部材を接合し、鋼管仕口部材の内部にコンクリートを充填して硬化させれば、鋼管仕口部材の上部に設けられたベースプレート上に免震装置を設置することができる。
したがって、免震装置の上部の鉄骨の建て方と、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の配筋作業・型枠コンクリート打設作業を併行して進められるため工期を短縮できる。
また、鋼管仕口部材の下面から突出した接続鉄筋と柱主筋とを接続することで、鋼管仕口部材がCFTで柱がSRCというように、両者の構造が異なっていても、仕口部から柱へ軸力を確実に伝達することができる。
第2態様に記載の発明は、第1態様に記載の免震装置設置構造において、前記免震装置は、積層ゴムと、前記積層ゴムと前記ベースプレートの間に設けられたすべり支承と、を含んで構成されている。
第2態様に記載の免震装置設置構造では、小さな地震力では積層ゴムが機能し、大きな地震力ではすべり支承によって積層ゴムが滑り、建物の揺れを低減することができる。
第3態様に記載の発明は、第2態様に記載の免震装置設置構造において、前記鋼管仕口部材は、前記ベースプレートが取付けられた上部の断面積が、前記柱の鉄骨材に接合された下部の断面積より大きくされている。
第3態様に記載の発明は、第2態様に記載の免震装置設置構造において、積層ゴムのすべり量に合わせて、柱の断面積を大きくする必要、即ち、柱を太くする必要がなくなり、柱を細くできる。
以上説明したように本発明の免震装置設置構造によれば、工期を短縮することができ、また、免震装置を早期に据え付けて免震装置の上部の鉄骨の建方を、下部の配筋やコンクリートの打設を待たずに行うことができる、という優れた効果を有する。
本発明の一実施形態に係る免震装置設置構造が適用された免震建物の要部を示す立面図である。 (A)は鋼管仕口部材のベースプレートを示す平面図であり、(B)は鋼管仕口部材の仕切板を示す平面図であり、(C)は鋼管仕口部材の底板を示す平面図である。 免震装置を示す断面図である。 ボックスを上部に接合した鉄骨材を示す立面図である。 接続鉄筋を取り付けたボックスを示す立面図である。 コンクリートを充填したボックスを示す断面図である。 コンクリート及びグラウト剤を充填したボックスを示す断面図である。 免震装置を搭載したボックスを示す立面図である。 配筋、及びコンクリートの打設を行った基礎、及び配筋を行った鉄骨材を示す立面図である。 コンクリートを型枠内に充填した状態を示す立面図である。 空間にグラウト剤を充填した型枠を示す立面図である。
図1~図11を用いて、本発明の一実施形態に係る免震装置設置構造10が適用された免震構造物12について説明する。
図1には、本実施形態に係る免震装置設置構造10が適用された免震構造物12の地下1階部分が示されている。
免震構造物12は、鉄筋コンクリート造の基礎梁14と、基礎梁14上に立てられた複数のSRC造の柱16を備えている。本実施形態の免震構造物は、建物の中間階に免震装置60を設けた所謂中間層免震建物である。
柱16の上部には、CFT造の鋼管仕口部材18が設けられている。この鋼管仕口部材18の側部には梁20が取り付けられており、鋼管仕口部材18の上部には後述する免震装置60が設置されている。
なお、地盤Gには、柱16の直下にコンクリート杭22が埋設されている。
(柱の構造)
柱16は、コンクリート24の内部に、鉄骨材26、柱主筋28、及び帯筋30が埋設されている。本実施形態の鉄骨材26には、一例としてクロスH鋼が用いられているが、他の鉄骨材を用いることもできる。
(鋼管仕口部材)
鋼管仕口部材18は、下方へ向けて水平断面積が減少するように構成された側面視で逆台形状とされた鋼製のボックス32を備えている。
ボックス32は、4枚の下側板34、及び4枚の上側板36で管状部分が形成され、該管状部分の上側開口が、鋼管仕口部材18の上部としてのベースプレート38で塞がれ、該管状部分の下側が、鋼管仕口部材18の下部としての底板40で塞がれた構成とされている。
管状部分は軸方向が鉛直方向となるように形成され、上下方向中間部には仕切板42が設けられている。下側板34、上側板36、ベースプレート38、底板40、及び仕切板42は、いずれも鋼板で形成されている。
図2(A)に示すように、ベースプレート38は、平面視で四角形に形成されており、中心部には円形のコンクリート打設孔44が形成され、コンクリート打設孔44の周囲には矩形のコンクリート打設孔46が4か所形成されている。
このベースプレート38は、底板40よりも大きく形成されている。ベースプレート38の大きさは、後述する免震装置60のすべり板70の大きさに合わせて決められており、底板40の大きさは柱16の太さに合わせて決められている。
図2(B)に示すように、仕切板42は、四角形に形成されており、図1に示すように、ベースプレート38に形成されたコンクリート打設孔46の直下に、コンクリート打設孔46と同様のコンクリート打設孔48が形成されている。
図1、及び図2(C)に示すように、底板40には、仕切板42のコンクリート打設孔48の直下に、複数(本実施形態では4個)の接続鉄筋貫通孔50が形成されている。接続鉄筋貫通孔50には、上記コンクリート打設孔46、及びコンクリート打設孔48から挿入された接続鉄筋52が貫通している。なお、接続鉄筋貫通孔50は、接続鉄筋52よりも若干大径に形成されている。
接続鉄筋52は、接続鉄筋貫通孔50を上下方向に貫通しており、上部がボックス32内部に配置され、その上部フック状に形成されている。
底板40の下方に突出した接続鉄筋52の下端部は、機械式継手54を用いて柱16の柱主筋28の上端部と接合されている。
ボックス32の内部には、コンクリート58、及びグラウト剤76が隙間なく充填されている。
(免震装置)
ボックス32のベースプレート38には、免震装置60が搭載されている。
図3に示すように、本実施形態の免震装置60は、すべり支承62と円柱状の積層ゴム64とを含んで構成されており、積層ゴム64とすべり支承62とが上下方向に直列配置された構成となっている。積層ゴム64は、薄肉補強鋼板64Aとゴム層64Bとが交互に積層して形成されている。
積層ゴム64の上端部には円板状に形成された鋼製のフランジ66が設けられており、このフランジ66が積層ゴム64の上側に設けられた上部構造体68に固定されている。なお、積層ゴム64の形状は、円柱状以外の形状であってもよく、例えば、角柱状であってもよい。
すべり支承62は、鋼管仕口部材側に設けられたすべり板70と、ゴム体側に設けられた円板状のすべり材72とを含んで構成されている。すべり板70の平面形状は、一例として正方形となっている。
すべり板70は、鋼管仕口部材18のベースプレート38の上面に固定されている。 また、すべり材72は、積層ゴム64の厚肉補強鋼板64Cに固定されており、すべり板70に対して摺動自在に接触している。なお、すべり板70やすべり材72の平面形状は他の形状であってもよい。
(上部構造体)
積層ゴム64の上部には、上部構造体68が支持されている。上部構造体68は、一例として免震装置60上に建てられる複数の内柱(図示省略)と、隣り合う内柱の柱脚部間に架設される梁(図示省略)等を有した建物である。内柱の柱脚部は、柱梁仕口部とされており、梁の端部が接合されている。
(施工手順)
次に、本実施形態の免震構造物12の施工手順を説明する。
(1)柱の鉄骨建方
図4に示すように、地盤Gの上に基礎梁14の下層部分下地となるコンクリート78を打設した後、コンクリート杭22の上側に鉄骨材26を建てる。その後、鉄骨材26の上部にボックス32を取り付け、ボックス32の側部に梁20を取り付ける。なお、図4、及びその他の図面において、コンクリート78の内部の鉄筋は図示を省略している。
(2)接続鉄筋設置
次に、図5に示すように、底板40の接続鉄筋貫通孔50(図2(C)参照))に、ボックス32の上から接続鉄筋52を落とし込み、接続鉄筋52の下端を底板40から下方へ突出させる。なお、接続鉄筋52は、治具(図示せず)を用いてボックス32に仮保持する。
(3)コンクリート打設
図6に示すように、ボックス32のコンクリート打設孔44、またはコンクリート打設孔46からボックス32の内部にコンクリート58を打設する。本実施形態では、コンクリート58の上面とベースプレート38の下面との間に隙間状の空間S1が形成されるようにコンクリート58を打設する。なお、接続鉄筋貫通孔50と接続鉄筋52との間の隙間からコンクリート58が漏れ出ないように、予め該隙間を充填剤などで埋めておくことが好ましい。
(4)グラウト剤充填
コンクリート58が硬化した後、図7に示すように、コンクリート58の上面とベースプレート38の下面との間に形成された空間S1を埋めるように無収縮のグラウト剤76を充填し、グラウト剤76をベースプレート38の下面に接触させる。グラウト剤76を硬化させればCFT造の鋼管仕口部材18が完成する。
(5)免震装置据え付け
グラウト剤76が硬化した後、図8に示すように免震装置60をベースプレート38の上に搭載し、すべり板70をベースプレート38に固定する。なお、ベースプレート38の上面をグラインダーがけしてもよい。
免震装置60を設置した後は、免震装置60の上に上部構造体68の鉄骨を建てることが可能となる。
(6)柱主筋と接続鉄筋の接続、基礎梁配筋、地階の柱の配筋、基礎梁のコンクリート打設
免震装置60の設置完了後、図9に示すように、鉄骨材26に沿って柱主筋28を配置し、柱主筋28の上端部分と鋼管仕口部材18の接続鉄筋52の下端部分とを機械式継手54で接続する。その後、鉄骨材26周りの帯筋30の配筋、及びコンクリート78の上に基礎梁14の鉄筋14Aの配筋、及びコンクリート14Bの打設を行う。
(7)柱のコンクリート打ち
基礎梁14のコンクリート14Bが硬化した後、図10に示すように、鉄骨材26の周囲に型枠80を設け、型枠80に設けた孔(図示せず)から枠内部にコンクリート24を圧入する。なお、本実施形態では、コンクリート24と鋼管仕口部材18の底板40との間に隙間状の空間S2が形成されるようにコンクリート24の圧入を行う。
(8)グラウト剤充填
コンクリート24が硬化した後、図11に示すようにコンクリート24の上面と底板40の下面との間に形成された空間S2を埋めるように無収縮のグラウト剤82を充填し、グラウト剤82を底板40の下面に接触させる。なお、グラウト剤82は、一例として、型枠80の側面に形成された充填孔(図示せず)から充填する。
(9)柱の型枠の取り外し
グラウト剤82が硬化した後、型枠80を外してSRC造の柱16が完成する(図1参照)。
(効果)
本実施形態の免震構造物12は、鋼管仕口部材18をCFT造としており、柱16をSRC造としていることが特徴である。そのため、柱16の完成前の鉄骨材26の上部にボックス32を接合し、そのボックス32の内部にコンクリート58を打設し、グラウト剤76を充填して硬化させた後に免震装置60を設置できる。したがって、免震装置60を早期に据え付けて免震装置60の上部の鉄骨の建方を、下部の柱16の配筋やコンクリートの打設などを待たずに行うことができる。また、免震装置60の上部の鉄骨の建て方と、鉄骨鉄筋コンクリート造の柱16の配筋作業・型枠コンクリート打設作業とを併行して進めることができ、これにより、工期を短縮できる。
CFT造は鋼管内にコンクリ―トを充填して硬化させればよいので、配筋、型枠設置、コンクリート充填、型枠の取り外しを行うSRC造よりも現場での施工が容易である。
本実施形態の免震構造物12では、支承付き免震装置60のすべり板70の大きさに合わせて柱16の断面積を決めていないので、柱16の断面積を必要以上に大きくする必要がなく、コストへの影響も抑えることができる。
言い換えれば、柱16は、上部の荷重を支持できる必要最小限の断面積(太さ)であればよく、すべり板70の大きさに合わせて柱16の断面積を決める場合に比較して、細くできる。
さらに、本実施形態の免震装置設置構造10では、鋼管仕口部材18の下面から突出した接続鉄筋52と柱16の柱主筋28とを接続しているので、鋼管仕口部材18がCFT造で柱16がSRC造というように、両者の構造が異なっていても、鋼管仕口部材18から柱16へ軸力を確実に伝達することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態では、柱主筋28と接続鉄筋52とを機械式継手54で接続したが、本発明はこれに限らず、柱主筋28と接続鉄筋52とを溶接で接合してもよい。
本実施形態の免震装置60は、すべり支承62と積層ゴム64とを含んで構成されていたが、本発明はこれに限らず、免震装置60は、他の形式のものであってもよい。
上記実施形態では、鋼管仕口部材18の底板40との間に隙間状の空間S2が形成されるように型枠80の内部にコンクリート24を圧入し、その後、空間S2にグラウト剤82を充填したが、該空間S2が形成されないように型枠80の内部にコンクリート24を圧入してもよい。
上記実施形態では、鋼管仕口部材18のベースプレート38と間に隙間状の空間S1が形成されるようにボックス32の内部にコンクリート58を流し込み、その後、空間S1にグラウト剤76を充填したが、該空間S1が形成されないようにボックス32の内部にコンクリート58を流し込んでもよい。
10 免震装置設置構造
16 柱
18 鋼管仕口部材
26 鉄骨材
28 柱主筋
38 ベースプレート
52 接続鉄筋
54 機械式継手
58 鋼管仕口部材のコンクリート
60 免震装置
62 すべり支承
64 積層ゴム

Claims (3)

  1. 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱と、
    前記柱の鉄骨材の上部に接合され内部にコンクリートが充填された鋼管仕口部材と、
    前記鋼管仕口部材の上部に設けられたベースプレート上に設置された免震装置と、
    を備え、
    前記鋼管仕口部材のコンクリートに上部が埋設され下部が前記鋼管仕口部材の下面から突出した接続鉄筋と前記柱の柱主筋とが接続されており、
    建方が行われた前記鉄骨材の上部が前記鋼管仕口部材の内部に充填されたコンクリートに埋設された状態で、前記免震装置が前記ベースプレート上に設置可能なように、前記ベースプレートには、コンクリート打設孔が形成され、前記鋼管仕口部材の下部は底板で塞がれている、
    免震装置設置構造。
  2. 前記免震装置は、積層ゴムと、前記積層ゴムと前記ベースプレートの間に設けられたすべり支承と、を含んで構成されている、
    請求項1に記載の免震装置設置構造。
  3. 前記鋼管仕口部材は、前記ベースプレートが取付けられた上部の断面積が、前記柱の鉄骨材に接合された下部の断面積より大きくされている、
    請求項2に記載の免震装置設置構造。
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