JP7692575B2 - 浮床構造 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本実施形態に係る浮床構造10は、例えばコンクリートスラブ等の床スラブ12上に配設された緩衝体14と、該緩衝体14上に配設されたコンクリート製の浮床部16とを備えている。そして、浮床構造10の具体的な構成は、以下のようになる。
図1に示すように、緩衝体14は、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる緩衝体本体18を有している。緩衝体本体18には、平面視矩形の複数の収容孔18hが上下方向(厚み方向)に沿って貫通して形成されており、緩衝体本体18の複数の収容孔18hは、満遍なく均等に配置されており、緩衝体本体18の各収容孔18hの平面視形状は、例えば円形等の矩形以外の形状であってもよい。また、緩衝体本体18の外縁には、振動絶縁部18fが立ち上がるように形成されている。緩衝体本体18は、コンクリートを打設して浮床部16を施工するための型枠としての機能を有する。
図1に示すように、緩衝体14は、緩衝体本体18の各収容孔18h内に充填して配設された荷重支持材20を有しており、各荷重支持材20は、浮床部16の自重を含む浮床部16の積載荷重を支持する。各荷重支持材20は、浮床部16の積載荷重による緩衝体本体18の圧縮変形に伴い、浮床部16の積載荷重を支持するように構成されている。
厚み調整材24が弾性体22の下側に上下に重なるように配置される代わりに、図2に示すように、厚み調整材24が弾性体22の上側に上下に重なるように配置されてもよい。また、図3に示すように、各荷重支持材20が2つの弾性体22を有し、厚み調整材24が2つの弾性体22に挟持された状態で2つの弾性体22に上下に重なるように配置されてもよい。図4に示すように、各荷重支持材20が2つの厚み調整材24を有し、2つの厚み調整材24が弾性体22を挟持した状態で弾性体22に上下に重なるように配置されてもよい。図5に示すように、各荷重支持材20が複数の弾性体22と複数の厚み調整材24を有し、弾性体22と厚み調整材24が交互に上下に重なるように配置されてもよい。なお、弾性体は比較的高価な材料を使用しているため、コストの観点から弾性体22の厚みは薄い方が好ましい。
図1に示すように、振動絶縁部18fを除く緩衝体14の上面全体の面積に対する、全ての荷重支持材20の上面の総面積の比率(以下、荷重支持材20の面積比率という)は、1%~3%、好ましくは1%~2.5%、より好ましくは1%~2%である。換言すれば、振動絶縁部18fを除く緩衝体14の上面全体の面積に対する、全ての収容孔18hの開口部の総面積の比率は、1%以上でかつ3%以下である。荷重支持材20の面積比率を1%以上に設定したのは、荷重支持材20の面積比率が1%未満の場合、複数の荷重支持材20によって浮床部16の積載荷重を十分に支持することが困難であるからである。荷重支持材20の面積比率を3%以下に設定したのは、荷重支持材20の面積比率が3%を超えると、緩衝体14に占める剛直部材である厚み調整材24の占有率が上がり、緩衝体14の防振性能が低下する傾向にあるからである。
図1に示す緩衝体本体18の素材であるポリオレフィン系樹脂発泡体は、ビーズ発泡法、押出発泡法のいずれによって製造されてもよい。ポリオレフィン系樹脂発泡体は、製造コストの面においてビーズ発泡法によって製造されることが好ましい。
緩衝体本体18の素材であるポリオレフィン系樹脂発泡体は、表皮付きであっても、スライスしたものであってもよい。ポリオレフィン系樹脂発泡体は、粘着剤又は粘着テープ等により積層したものであってもよい。ポリオレフィン系樹脂発泡体の形状は、特に制限されないが、加工が容易であることから板状又はブロック状が好ましい。
緩衝体本体18の素材であるポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂、プロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂は、緩衝体14が所望の防振性能を十分に発揮できる点で好ましい。
緩衝体本体18の素材であるポリオレフィン系樹脂発泡体には、必要に応じて、帯電防止剤、気泡調整剤、難燃剤、難燃助剤、フィラー等の各種添加剤を含有してもよい。特に、緩衝体本体18のクリープ特性を改善するために、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、無機系フィラーを含有することが好ましい。無機系フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、アルミナ、マイカ、又はガラスバルーン等が挙げられる。無機系フィラーの含有量は、求められるクリープ特性に応じて適宜に設定可能である。
緩衝体本体18(ポリオレフィン系樹脂発泡体)の動的ばね定数は、2×106N/m3~10×106N/m3、好ましくは5×106N/m3~10×106N/m3、より好ましくは7×106N/m3~9×106N/m3である。である。緩衝体本体18の動的ばね定数を2×106N/m3以上に設定したのは、緩衝体本体18の動的ばね定数が2×106N/m3未満であると、緩衝体14によって浮床部16の積載荷重を十分に支持することが困難になるからである。緩衝体本体18の動的ばね定数を10×106N/m3以下に設定したのは、緩衝体本体18の動的ばね定数が10×106N/m3を超えると、床スラブ12と浮床部16との間に伝達される振動を抑制することが困難になるからである。
弾性体22は、高密度ポリウレタンフォームからなり、特に、エーテル系の高密度ポリウレタンフォームからなる。弾性体22の素材として高密度ポリウレタンフォームを用いることで、緩衝体14による防振性能と耐荷重性能を両立して発揮させるができる。特に、弾性体22の素材としてエーテル系の高密度ポリウレタンフォームを用いることで、緩衝体14の耐水性を向上させることができる。
厚み調整材24の素材は、浮床部16の積載荷重によって変形しない程度に剛直(高剛性)な素材であればよく、厚み調整材24は、コンクリート、金属、木材、及び合成樹脂の群から選択される少なくとも1種の素材からなる。厚み調整材24の素材として用いられる合成樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、又はABS樹脂が挙げられる。これらの樹脂には、フィラー等の補強材や酸化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。厚み調整材24の素材として用いられる合成樹脂は、は剛直性を保持できれば、ソリッド状でなくとも、例えば、低い発泡倍率で発泡させたものもでもよい。
振動絶縁部18fを除く緩衝体14の厚みが50mmの場合における、緩衝体14の固有振動数は、30Hz未満であることが好ましい。緩衝体14の固有振動数が30Hz以上になると、緩衝体14が所望の防振性能を十分に発揮することが困難になるからである。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
嵩密度18.4Kg/m3のポリエチレン系樹脂発泡体(東京ブイテック社製ビブランE-60、独立気泡率92%)からなる緩衝体本体(長さ1m×幅1m×厚み50mm)と、緩衝体本体の中央部の収容孔に充填して配設された荷重支持材と備えた試験体1~4を試作した。試験体1~4は、本実施形態に係る浮床構造10(図1参照)を模擬した試験体であり、実施例1~4の試験体である。試験体1~4における荷重支持材の寸法は、表1に示す実施例1~4の場合の寸法である。試験体1~4の荷重支持材の弾性体は、ポリウレタン系樹脂エラストマー(イノアックコーポレーション社製セルダンパーBF-500)からなる。試験体1~4の荷重支持材の厚み調整材は、ポリスチレン系樹脂からなる発泡倍率3倍の合成木材からなる。
比較例1:荷重支持材として長さ100mm×幅100mm×厚み50mmの弾性体を用い、厚み調整材を使用しなかったこと以外、実施例1と同様の方法により、比較試験体1を試作した。
試験体1~5及び比較試験体1~6における緩衝体本体等の長さ及び幅については、メジャーを用いて寸法測定を実施した。試験体1~5及び比較試験体における緩衝体本体等の厚みについては、ダイヤルゲージを用いて寸法測定を実施した。
試験体1~5及び比較試験体1~6を用い、JIS A 6322で規定される測定方法に基づいて、減衰振動波形を測定し、自由振動になった減衰振動波形の隣り合う3個のピークから周期を読み取り、その平均値から浮床構造の固有振動数を求めた。なお、積載荷重550Kg/m2となるように試験体1~5及び比較試験体1~6に荷重板をそれぞれ載置した。実施例1~5及び比較例1~6の場合における浮床構造体(緩衝体)の固有振動数についての評価基準は、以下の通りとした。
○:23Hz以上30Hz未満
△:30Hz以上50Hz未満
×:50Hz以上
(動的ばね定数)
JIS A 6322に準じて、下記の式より、前記方法で求めた固有振動数を用いて算出した。なお、式中fnは固有振動数(Hz)、Kdは動的ばね定数(N/m3)、Bは単位面積当たりの質量(Kg/m2)である。
(浮床構造の歪み量)
積載荷重550Kg/m2となるように試験体1~5及び比較試験体1~6に荷重板をそれぞれ載置した。試験体1~5及び比較試験体1~6の四隅にダイヤルゲージをそれぞれ取付け、経時とともに厚み方向の変位量をそれぞれ測定した。なお、荷重板を載置した後、1日経過後における緩衝体本体の上面の高さ位置の基準として、100日経過後における緩衝体本体の上面の高さ位置の変位量(歪み量)を耐荷重性の指標とした。実施例1~5及び比較例1~6の場合における浮床構造体(緩衝体)の撓み量についての評価基準は、以下の通りとした。
○:歪み量 2.5mm以上5mm未満 (5%以上10%未満)
×:歪み量 5mm以上 (10%以上)
(浮床構造の施工コスト)
緩衝体本体1m2面積当たりに使用した弾性体の体積より、以下の評価指標とした。実施例1~5及び比較例1~6の場合における浮床構造体の施工コストについての評価基準は、以下の通りとした。
○:1.25×105mm3を超え2.50×105mm3以下
△:2.50×105mm3を超え5.00×105mm3以下
×:5.00×105mm3を超える
試験体1~5及び比較試験体1~6の評価結果および総合評価を表1に示す。なお、総合評価は、以下の基準に基づくものである。
○:固有振動数、歪み量および施工コストの評価が「△」以上
×:固有振動数、歪み量および施工コストのうち1つの評価が「×」
表1に示すように、実施例1の場合には、浮床構造の固有振動数についての評価は、◎になり、浮床構造の歪み量についての評価は、〇になり、浮床構造の施工コストについての評価は、〇になった。実施例1の場合には、浮床構造の総合評価は、◎になった。
表1に示すように、比較例1の場合には、浮床構造の固有振動数についての評価は、◎になり、浮床構造の歪み量についての評価は、×になり、浮床構造の施工コストについての評価は、△になった。比較例1の場合には、浮床構造の総合評価は、×になった。
実施例1~5の場合のように、緩衝体本体の動的ばね定数が10×106N/m3以下であると共に、弾性体の動的ばね定数が7×106N/m3以下であると、浮床構造の耐荷重性能を十分に確保しつつ、浮床構造の防振性能を向上させることが判明した。また、比較例3の場合のように、弾性体の動的ばね定数が7×106N/m3を超えると、浮床構造の耐荷重性能が低下することが判明した。比較例5の場合のように、緩衝体本体の動的ばね定数が10×106N/m3以下を超えると、浮床構造の防振性能が低下することが判明した。
12 床スラブ
14 緩衝体
16 浮床部
18 緩衝体本体
18h 収容孔
18f 振動絶縁部
20 荷重支持材
22 弾性体
24 厚み調整材
Claims (8)
- 床スラブ上に配設された緩衝体と、該緩衝体上に配設された浮床部と、を備えた浮床構造において、
前記緩衝体は、
ポリオレフィン系樹脂発泡体からなり、収容孔が上下方向に沿って貫通して形成された緩衝体本体と、
前記緩衝体本体の収容孔内に配設され、前記浮床部の積載荷重による前記緩衝体本体の圧縮変形に伴い、前記浮床部の積載荷重を支持するように構成された荷重支持材と、を有し、
前記荷重支持材は、
弾性体と、
前記弾性体と上下方向に重なるように配置され、前記緩衝体本体及び前記弾性体よりも剛直に構成され、前記荷重支持材の厚みを調整する厚み調整材と、を有し、
前記緩衝体本体の積載荷重550Kg/m 2 時の動的ばね定数は、10×106N/m3以下であり、
前記弾性体の積載荷重550Kg/m 2 時の動的ばね定数は、7×106N/m3以下である、浮床構造。 - 前記弾性体の積載荷重550Kg/m 2 時の動的ばね定数は、1×106N/m3以上である、請求項1に記載の浮床構造。
- 各荷重支持材の体積に対する前記弾性体の体積の比率は、20%~60%である、請求項1又は2に記載の浮床構造。
- 前記緩衝体本体の積載荷重550Kg/m 2 時の動的ばね定数は、2×106N/m3以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の浮床構造。
- 前記緩衝体の上面全体の面積に対する全ての前記荷重支持材の上面の総面積の比率は、1%~3%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の浮床構造。
- 前記弾性体は、高密度ポリウレタンフォームからなり、前記弾性体の密度は、300Kg/m3~800Kg/m3である、請求項1~5のいずれか1項に記載の浮床構造。
- 前記厚み調整材は、コンクリート、金属、木材、及び合成樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の素材からなる、請求項1~6のいずれか1項に記載の浮床構造。
- 前記緩衝体本体の素材であるポリオレフィン系樹脂発泡体の嵩密度は、12Kg/m3~20Kg/m3であり、
ポリオレフィン系樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の浮床構造。
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