1.潜像印刷物の構成
以下、本発明の一実施形態に係る潜像印刷物の構成について、図1~図3を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
図1は、一実施形態に係る潜像印刷物を示す概要図である。図2は、図1に示す潜像印刷物の要部拡大図である。図3は、一実施形態に係る潜像印刷物の画線の拡大図である。
図1に示す潜像印刷物1は、紙などの基材Pに凹版印刷を施すことで形成されている。潜像印刷物1は、潜像部を形成する第1の万線10と、背景部を形成する第2の万線20とを有する。
第1の万線10が設けられる領域(潜像部)は、文字の「ABC」に形成されている。第2の万線20が設けられる領域(背景部)は、第1の万線10が設けられる領域を囲む領域である。第1の万線10は、第1の方向Xに延びる複数の第1画線11から構成されている。第2の万線20は、第1の方向Xとは異なる第2の方向Yに延びる複数の第2画線21から構成されている。
本実施形態において、第1の方向Xは、図1に示すように横長の潜像印刷物1を真上から見た場合の横方向であり、第2の方向Xは、潜像印刷物1を真上から見た場合の縦方向である。なお、本発明に係る第1の方向及び第2の方向は、横方向及び縦方向に限定されず、また、互いに直交する方向であることに限定されない。
複数の第1画線11及び複数の第2画線21は、それぞれ基材Pの表面から盛り上がるように形成されている。隣り合う第1画線11間の距離は、同一に設定されている。また、隣り合う第2画線21間の距離は、同一に設定されている。そして、隣り合う第2画線21間の距離は、隣り合う第1画線11間の距離と同一に設定されている。以下、隣り合う第1画線11間を「第1非画線部」とする。また、隣り合う第2画線21間を「第2非画線部」とする。
図1に示すように、潜像印刷物1を真上から観察すると、第1の万線10と第2の万線20が同じの濃度として観察者に視認される。これにより、観察者は、潜像印刷物1の第1の万線10を潜像模様「ABC」として視認できない、或いは視認が難しい。
第2の方向Yの一側において、観察者が潜像印刷物1を斜め上方から観察すると、複数の第1画線11が延びる第1方向Xは、観察者の目線と略垂直に交わる。そのため、盛り上がりを有する複数の第1画線11が、第1非画線部の一部を隠蔽する。これにより、第1の万線10は、見かけ上の濃度が高い状態として観察者に視認される。
一方、複数の第2画線21が延びる第2の方向Yは、観察者の目線と略平行になる。そのため、第2非画線部は、複数の第2画線21によって隠蔽されない。これにより、第2の万線20には、見かけ上の濃度が変化せずに観察者に視認される。その結果、第1の万線10と第2の万線20との間で見かけ上の濃度差が生じて、観察者は、潜像印刷物1の第1の万線10を潜像模様「ABC」として視認することができる。
図1に示すように、潜像印刷物1には、カモフラージュ模様30が形成されている。カモフラージュ模様30は、複数の第1画線11及び複数の第2画線21に幅の画線幅の狭い部分(画線幅が異なれば太く形成しても良い)を設けることにより、形成されている。これにより、カモフラージュ模様30は、潜像印刷物1を真正面から観察した際に模様として認識することができる。本実施形態のカモフラージュ模様30は、3つのひし形が第1の方向Xに重なるように並んだ形状である。
図2に示すように、カモフラージュ模様30を形成する第1画線11は、第1幅部12と、第1幅部12よりも幅が狭い第2幅部13と、第1幅部12と第2幅部13との間に設けられた境界部14とを有している。なお、カモフラージュ模様30を形成しない第1画線11は、第1幅部12のみを有し、第2幅部13及び境界部14を有していない(図1参照)。
第1幅部12の幅は、第1幅部12における第2の方向Yの長さである。また、第2幅部13の幅は、第2幅部13における第2の方向Yの長さである。第1幅部12及び第2幅部13の中心線は、第1の方向Xに延びている。第1幅部12の中心線は、第2幅部13の中心線と一致する。以下、第1幅部12及び第2幅部13の中心線を、「第1画線11の中心線」と称する。
境界部14は、両側端が台形に切り欠かれることにより、第1画線11の中心線に向かって凹むくびれ状に形成されている。境界部14は、第1画線11の中心線を対象軸として線対称に形成されている。境界部14は、第1幅部12に連続する第1テーパ片14aと、第2幅部13に連続する第2テーパ片14bと、第1テーパ片14aと第2テーパ片14bとの間に配置される接続片14cとを有する。
接続片14cは、四角形に形成されている。ここで、接続片14cにおける第1画線11の中心線に直交する方向(第2の方向Y)の長さを、接続片14cの幅とする。接続片14cの幅は、第2幅部13の幅よりも狭い。また、接続片14cは、境界部14において最も幅が狭い部分である。第1テーパ片14a及び第2テーパ片14bは、接続片14cに向かうにつれて幅を狭くする線形テーパ状に形成されている。したがって、境界部14の幅は、どの部分であっても第1幅部12の幅よりも狭い。
第1テーパ片14aにおける接続片14c側の一部の幅は、第2幅部13の幅よりも狭い。また、第2テーパ片14bの幅は、第2幅部13の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片14aにおける接続片14c側の一部、接続片14c、及び第2テーパ片14bは、第2幅部13よりも幅が狭い領域になっている。
以下、境界部14において第2幅部13よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部14は、第2幅部13よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部14が狭小領域を有することにより、第1幅部12と第2幅部13の境界を明瞭にすることができる。
カモフラージュ模様30を形成する第2画線21は、第1幅部22と、第1幅部22よりも幅が狭い第2幅部23と、第1幅部22と第2幅部23との間に設けられた境界部24とを有している。なお、カモフラージュ模様30を形成しない第2画線21は、第1幅部22のみを有し、第2幅部23及び境界部24を有していない(図1参照)。
第1幅部22の幅は、第1幅部22における第1の方向Xの長さである。また、第2幅部23の幅は、第2幅部23における第1の方向Xの長さである。第1幅部22及び第2幅部23の中心線は、第2の方向Yに延びている。第1幅部22の中心線は、第2幅部23の中心線と一致する。以下、第1幅部22及び第2幅部23の中心線を、「第2画線21の中心線」と称する。
境界部24は、両側端がV字状に切り欠かれることにより、第2画線21の中心線に向かって凹むくびれ状に形成されている。境界部24は、第2画線21の中心線を対象軸として線対称に形成されている。境界部24は、第1幅部22に連続する第1テーパ片24aと、第1テーパ片24a及び第2幅部23に連続する第2テーパ片24bとを有する。
第1テーパ片24aは、第2テーパ片24bに向かうにつれて幅を狭くする線形テーパ状に形成されている。一方、第2テーパ片24bは、第1テーパ片24aに向かうにつれて幅を狭くする線形テーパ状に形成されている。したがって、境界部24の幅は、どの部分であっても第1幅部22の幅よりも狭い。
第1テーパ片24aにおける第2テーパ片24b側の一部の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、第2テーパ片24bの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片24aにおける第2テーパ片24b側の一部及び第2テーパ片24bは、第2幅部23よりも幅が狭い領域になっている。
以下、境界部24において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部24は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部24の狭小領域において、最も幅が狭い部分は、線状に形成されている。境界部24が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
図3に示すように、本実施形態において、第1幅部22の幅W1は、120μmに設定され、第2幅部23の幅W2は、96μmに設定されている。また、狭小領域の最も狭い幅W3は、80μmに設定されている。さらに、境界部24における第2方向Yの長さLは、100~150μmに設定されている。
境界部24の長さLは、第2幅部23の幅W2よりも長くすることが好ましい。これにより、第1幅部22と第2幅部23との間に所定の距離を空けることができ、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
2.従来の潜像印刷物
次に、従来の潜像印刷物100について、図4を参照して説明する。
図4は、従来の潜像印刷物100の要部拡大図である。
従来の潜像印刷物100には、カモフラージュ模様300(図5参照)が形成されている。カモフラージュ模様300は、図4に示す複数の第1画線110及び複数の第2画線210に幅の広い部分と幅の狭い部分を設けることにより形成されている。カモフラージュ模様300は、本実施形態と同様に、3つのひし形が第1の方向Xに重なるように並んだ形状である。
カモフラージュ模様300を形成する第1画線110は、第1幅部12と、第2幅部13と、境界部140とを有している。第1幅部12及び第2幅部13は、本実施形態と同じである。境界部140は、第1幅部12から第2幅部13に向かうにつれて幅を狭くするテーパ状に形成されている。
カモフラージュ模様300を形成する第2画線210は、第1幅部22と、第2幅部23と、境界部240とを有している。第1幅部22及び第2幅部23は、本実施形態と同じである。境界部240は、第1幅部22から第2幅部23に向かうにつれて幅を狭くするテーパ状に形成されている。すなわち、従来の潜像印刷物100の境界部140、240は、本実施形態に係る狭小領域を有していない。
3.本実施形態に係る潜像印刷物と従来の潜像印刷物の比較
次に、本実施形態に係る潜像印刷物1と、従来の潜像印刷物100との比較を、図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る潜像印刷物1と従来の潜像印刷物100を比較した図である。
図5は、本発明の潜像印刷物1と従来の潜像印刷物100を、真上から見た状態を示している。上述したように、本発明の潜像印刷物1の境界部14、24は、狭小領域を有している(図2参照)。これにより、カモフラージュ模様30とそれ以外の領域との境界が明瞭になり、カモフラージュ模様30が強調される。その結果、潜像模様「ABC」を目立たないようにすることができ、潜像模様「ABC」の隠蔽性を向上させることができる。
一方、従来の潜像印刷物100の境界部140、240は、狭小領域を有していない。これにより、カモフラージュ模様300とそれ以外の領域との境界は、本実施形態に係る潜像印刷物1に比べて明瞭にならないため、カモフラージュ模様300が強調されない。その結果、従来の潜像印刷物100では、潜像模様「ABC」の隠蔽性を向上させることが難しい。
4.境界部の他の例
次に、本発明に係る第1画線と第2画線の境界部の他の例について、図6~図10を参照して説明する。
図6は、本発明に係る境界部の他の例(その1)を示す説明図である。図6に示す画線31は、第1幅部22と、第2幅部23と、本発明に係る境界部の他の例である境界部34とを有する。境界部34は、両側端が湾曲に切り欠かれることにより、第1幅部22及び第2幅部23の中心線(画線31の中心線)に向かって凹むくびれ状に形成されている。境界部34は、画線31の中心線を対象軸として線対称に形成されている。
境界部34は、第1幅部22に連続する第1テーパ片34aと、第1テーパ片34a及び第2幅部23に連続する第2テーパ片34bとを有する。第1テーパ片34aは、第2テーパ片34bに向かうにつれて幅を狭くする略指数関数テーパ状に形成されている。一方、第2テーパ片34bは、第1テーパ片34aに向かうにつれて幅を狭くする略指数関数テーパ状に形成されている。したがって、境界部34の幅は、どの部分であっても第1幅部22の幅よりも狭い。
第1テーパ片34aにおける第2テーパ片34b側の一部の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、第2テーパ片34bの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片34aにおける第2テーパ片34b側の一部及び第2テーパ片34bは、第2幅部23よりも幅が狭い領域になる。
以下、境界部34において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部34は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部34の狭小領域において、最も幅が狭い部分は、線状に形成されている。境界部34が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
図7は、本発明に係る境界部の他の例(その2)を示す説明図である。図7に示す画線41は、第1幅部22と、第2幅部23と、本発明に係る境界部の他の例である境界部44とを有する。境界部44は、両側端が台形に切り欠かれることにより、第1幅部22及び第2幅部23の中心線(画線41の中心線)に向かって凹むくびれ状に形成されている。境界部44は、画線41の中心線を対象軸として線対称に形成されている。
境界部44は、第1幅部22に連続する第1テーパ片44aと、第2幅部23に連続する第2テーパ片44bと、第1テーパ片44aと第2テーパ片44bとの間に配置される接続片44cとを有する。第1テーパ片44a及び第2テーパ片44bは、図2に示す第1テーパ片14a及び第2テーパ片14bと同じである。
接続片44cは、略四角形に形成されている。ここで、接続片44cにおける画線41の中心線に直交する方向の長さを接続片44cの幅とする。接続片44cの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、接続片44cは、境界部44において最も幅が狭い部分である。接続片44cの両側端は、鋸歯状に形成されている。
接続片44aにおける接続片44c側の一部の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、第2テーパ片44bの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片44aにおける接続片44c側の一部、接続片44c及び第2テーパ片44bは、第2幅部23よりも幅が狭い領域になる。なお、境界部44の幅は、どの部分であっても第1幅部22の幅よりも狭い。
以下、境界部44において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部44は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部44が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
図8は、本発明に係る境界部の他の例(その3)を示す説明図である。図8に示す画線51は、第1幅部22と、第2幅部23と、本発明に係る境界部の他の例である境界部54とを有する。境界部54の一方の側端は、V字状に切り欠かれており、他方の側端は、湾曲に切り欠かれている。これにより、境界部54は、第1幅部22及び第2幅部23の中心線(画線51の中心線)に向かって凹むくびれ状に形成されている。
境界部54は、第1幅部22に連続する第1テーパ片54aと、第1テーパ片54a及び第2幅部23に連続する第2テーパ片54bとを有する。第1テーパ片54aは、第2テーパ片54bに向かうにつれて幅を狭くするテーパ状に形成されている。一方、第2テーパ片54bは、第1テーパ片54aに向かうにつれて幅を狭くするテーパ状に形成されている。したがって、境界部54の幅は、どの部分であっても第1幅部22の幅よりも狭い。
第1テーパ片54aにおける第2テーパ片54b側の一部の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、第2テーパ片54bの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片54aにおける第2テーパ片34b側の一部、及び第2テーパ片54bは、第2幅部23よりも幅が狭い領域になる。
以下、境界部54において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部54は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部54の狭小領域において、最も幅が狭い部分は、線状に形成されている。境界部54が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
図9は、本発明に係る境界部の他の例(その4)を示す説明図である。図9に示す画線61は、第1幅部22と、第2幅部23と、本発明に係る境界部の他の例である境界部64とを有する。境界部64の一方の側端は、台形に切り欠かれており、他方の側端は、V字状に切り欠かれている。これにより、境界部64は、第1幅部22及び第2幅部23の中心線(画線61の中心線)に向かって凹むくびれ状に形成されている。
境界部64は、第1幅部22に連続する第1テーパ片64aと、第2幅部23に連続する第2テーパ片64bと、第1テーパ片64aと第2テーパ片64bとの間に配置される接続片64cとを有する。第1テーパ片64a及び第2テーパ片64bは、図2に示す第1テーパ片14a及び第2テーパ片14bと同じである。したがって、境界部64の幅は、どの部分であっても第1幅部22の幅よりも狭い。
接続片64cは、直線状に形成されている。ここで、接続片64cにおける画線61の中心線に直交する方向の長さを、接続片64cの幅とする。接続片64cの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。接続片64cの一方の側端は、画線61の中心線に沿って延びる線状に形成されている。接続片64cの他方の側端には、第1テーパ片64aと第2テーパ片64bの側端を延長するV字状の溝が形成されている。
第1テーパ片64aにおける接続片64c側の一部の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。また、第2テーパ片64bの幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、第1テーパ片64aにおける接続片64c側の一部、接続片64c及び第2テーパ片64bは、第2幅部23よりも幅が狭い領域になる。
以下、境界部64において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部64は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部64が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
図10は、本発明に係る境界部の他の例(その5)を示す説明図である。図10に示す画線71は、第1幅部22と、第2幅部23と、本発明に係る境界部の他の例である境界部74とを有する。境界部74は、両側端が四角形に切り欠かれることより、第1幅部22及び第2幅部23の中心線(画線71の中心線)に向かって凹むくびれ状に形成されている。
境界部74は、四角形に形成されている。ここで、境界部74における画線71の中心線に直交する方向の長さを、境界部74の幅とする。境界部74の幅は、第2幅部23の幅よりも狭い。したがって、境界部74と第1幅部22との間、境界部74と第2幅部23との間には、それぞれ段差が生じている。
境界部74の全領域は、第2幅部23よりも幅が狭い領域である。以下、境界部74において第2幅部23よりも幅が狭い領域を、狭小領域とする。言い換えれば、境界部74は、第2幅部23よりも幅が狭い狭小領域を有する。境界部74が狭小領域を有することにより、第1幅部22と第2幅部23の境界を明瞭にすることができる。
以上説明したように、上述した実施形態に係る潜像印刷物1の複数の第1画線11は、第1幅部12と、第1幅部12よりも幅が狭い第2幅部13と、第1幅部12と第2幅部13との間に設けられた境界部14とを有する。また、複数の第2画線21は、第1幅部22と、第1幅部22よりも幅が狭い第2幅部23と、第1幅部22と第2幅部23との間に設けられた境界部24とを有する。複数の第1画線11及び複数の第2画線21は、潜像模様「ABC」と、潜像模様「ABC」を隠蔽するカモフラージュ模様30を形成する。そして、境界部14、24は、第2幅部13、23よりも幅が狭い狭小領域を有する。これにより、カモフラージュ模様30とそれ以外の領域との境界が明瞭になり、カモフラージュ模様30を強調することができる。その結果、潜像模様「ABC」を目立たないようにすることができ、潜像模様「ABC」の隠蔽性を向上させることができる。
上述した実施形態に係る潜像印刷物1では、複数の第1画線11及び複数の第2画線21により、カモフラージュ模様30を形成した。しかし、本発明に係るカモフラージュ模様は、複数の第1画線と複数の第2画線の少なくとも一方により形成されていればよい。なお、潜像部である複数の第1画線11と、背景部である複数の第2画線21に跨るカモフラージュ模様を形成した場合は、一方の画線のみカモフラージュ模様を形成する場合よりも、潜像模様を目立たないようにすることができる。
また、上述した実施形態に係る境界部14(図2参照)は、狭小領域における最も幅の狭い部分が四角形に形成されている。これにより、狭小領域における最も幅の狭い部分が第1画線11の中心線に沿う方向に広がる。一方、境界部24は、狭小領域における最も幅の狭い部分が線状に形成されている。これにより、狭小領域における最も幅の狭い部分が第2画線21の中心線に沿う方向に広がらない。その結果、境界部14は、境界部24よりもカモフラージュ模様30とそれ以外の領域との境界を明瞭にすることができる。
なお、狭小領域における最も幅の狭い部分を第1幅部及び第2幅部の中心線に沿う方向に広げる場合は、狭小領域における最も幅の狭い部分を四角形にすることに限定されない。例えば、図7に示すように、側端が鋸歯状に形成された略四角形であってもよい。
以上、本発明の潜像印刷物について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の潜像印刷物は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、境界部の狭小領域における最も幅の狭い部分は、1つである。しかし、本発明に係る狭小領域における最も幅の狭い部分は、2つ以上であってもよい。例えば、図2に示す接続片14cの両側端を外側に凸となるような円弧状に形成してもよい。この場合は、狭小領域における最も幅の狭い部分が2本の線状として形成される。
上述した実施形態では、境界部を連続する1つの領域として形成した。しかし、本発明に係る境界部は、上述の狭小領域を有していれば、画線の中心線に交わる方向に切断されていてもよい。また、本発明の効果は、境界部に狭小領域を形成することでカモフラージュ画像を強調して視認させるものであるため、例えば、境界部に最も画線幅の広い領域を形成することでカモフラージュ模様を強調することで本発明と類似の効果が得られる。