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JP7695893B2 - 吸水性樹脂粒子、吸収体及び吸収性物品 - Google Patents
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JP7695893B2 - 吸水性樹脂粒子、吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

吸水性樹脂粒子、吸収体及び吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、吸水性樹脂粒子、吸収体及び吸収性物品に関する。
吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用品等の衛生材料用、保水材、土壌改良材等の農園芸材料用、ケーブル用止水材、結露防止材等の工業資材用等に用いられている。吸水性樹脂粒子は吸液させ膨潤ゲルとなると、時間の経過と共に劣化することが知られている。それを補うために、吸水性樹脂粒子のゲル状態の安定性を向上させる検討がなされている。特許文献1には、金属キレート剤を添加することで、膨潤ゲルの経時安定性を向上する技術が開示されている。
一方、環境保護の観点から、使用済みの紙おむつからパルプを再生利用することが検討されている。特許文献2には、使用後の紙おむつを再利用するために、強酸と窒素含有塩基性化合物との塩を加えて、吸水後の吸水性樹脂粉末の凝集物を処理することが開示されている。
特開S63-146964号公報 特開2015-120834号公報
吸水性樹脂粒子は、吸水により安定な膨潤ゲルを形成している必要があるものの、再生処理する工程で用いられる酸性条件下では、膨潤ゲルが容易に分解処理されることが求められる。
本発明は、吸水により安定な膨潤ゲルを形成することができるが、酸性条件下では膨潤ゲルが容易に分解される吸水性樹脂粒子を提供することを目的とする。
本発明の吸水性樹脂粒子は、水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.03ppm以上10ppm以下有する。
上記鉄含有物質は、鉄、鉄化合物及び鉄合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。上記鉄合金は、ステンレス鋼であってもよい。上記鉄含有物質は、上記吸水性樹脂粒子の表面に付着していることが好ましい。
本発明はまた、上記吸水性樹脂粒子を含有する吸収体を提供する。本発明はさらに、上記吸収体を備える吸収性物品を提供する。上記吸収性物品は、紙おむつであってよい。
本発明により、吸水により安定な膨潤ゲルを形成することができるが、酸性条件下では膨潤ゲルが容易に分解される吸水性樹脂粒子、該吸水性樹脂粒子を用いた吸収体及び吸収性物品が提供される。
ゲル強度測定装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「アクリル」及び「メタクリル」を合わせて「(メタ)アクリル」と表記する。「アクリレート」及び「メタクリレート」も同様に「(メタ)アクリレート」と表記する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「水溶性」とは、25℃において水に5質量%以上の溶解性を示すことをいう。本明細書に例示する材料は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「生理食塩水」とは、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液をいう。「室温」は、25℃±2℃を意味する。
[吸水性樹脂粒子]
本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.03ppm以上10ppm以下有する。本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、当該構成を備えることにより、吸水により安定な膨潤ゲルを形成することができるが、酸性条件下では膨潤ゲルが容易に分解される。
吸水性樹脂粒子は、吸水性を有する樹脂から構成されていれば特に限定されない。吸水性樹脂粒子は、例えば、エチレン性不飽和単量体を含む単量体の重合により形成された架橋重合体を含んでいてよい。該架橋重合体は、エチレン性不飽和単量体に由来する単量体単位を有することができる。吸水性樹脂粒子は、例えば、エチレン性不飽和単量体を含む単量体を重合させる工程を含む方法により、製造することができる。重合方法としては、逆相懸濁重合法、水溶液重合法、バルク重合法、沈殿重合法等が挙げられる。これらの中では、得られる吸水性樹脂粒子の良好な吸水特性の確保、及び、重合反応の制御が容易である観点から、逆相懸濁重合法又は水溶液重合法が好ましい。以下においては、エチレン性不飽和単量体を重合させる方法として、逆相懸濁重合法を例にとって説明する。
エチレン性不飽和単量体は、水溶性であってもよい。水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びその塩、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体がアミノ基を有する場合、当該アミノ基は4級化されていてもよい。エチレン性不飽和単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。上述の単量体のカルボキシル基、アミノ基等の官能基は、後述する表面架橋工程において架橋が可能な官能基として機能し得る。
工業的に入手が容易である観点から、エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸及びその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、並びに、N,N-ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。吸水特性を更に高める観点から、エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが更に好ましい。すなわち、吸水性樹脂粒子は、(メタ)アクリル酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位を有することが好ましい。
吸水性樹脂粒子を得るための単量体としては、上述のエチレン性不飽和単量体以外の単量体が使用されてもよい。このような単量体は、例えば、上述のエチレン性不飽和単量体を含む水溶液に混合して用いることができる。エチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体全量に対して70~100モル%であってもよい。(メタ)アクリル酸及びその塩の割合が単量体全量に対して70~100モル%であってもよい。
エチレン性不飽和単量体は、通常、水溶液として用いることが好適である。エチレン性不飽和単量体を含む水溶液(以下、単に「単量体水溶液」という)におけるエチレン性不飽和単量体の濃度は、20質量%以上飽和濃度以下が好ましく、25~70質量%がより好ましく、30~55質量%が更に好ましい。水溶液において使用される水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体が酸基を有する場合、その酸基をアルカリ性中和剤によって中和してから重合反応に用いてもよい。エチレン性不飽和単量体における、アルカリ性中和剤による中和度は、例えば、エチレン性不飽和単量体中の酸性基の10~100モル%、50~90モル%、又は60~80モル%であってもよい。
アルカリ性中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニアなどが挙げられる。アルカリ性中和剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。アルカリ性中和剤は、中和操作を簡便にするために水溶液の状態で用いられてもよい。エチレン性不飽和単量体の酸基の中和は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を上述の単量体水溶液に滴下して混合することにより行うことができる。
逆相懸濁重合法においては、界面活性剤の存在下、炭化水素分散媒中で単量体水溶液を分散し、ラジカル重合開始剤等を用いてエチレン性不飽和単量体の重合を行うことができる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(「(ポリ)」とは、「ポリ」の接頭語がある場合及びない場合の双方を意味するものとする。以下同じ。)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、及びポリエチレングリコール脂肪酸エステルが挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステルが挙げられる。界面活性剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
W/O型逆相懸濁の状態が良好であり、好適な粒子径を有する吸水性樹脂粒子が得られ易く、工業的に入手が容易である観点から、界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。吸水性樹脂粒子の適切な粒度分布が得られ易い観点、並びに、吸水性樹脂粒子の吸水特性及びそれを用いた吸収体及び吸収性物品の性能が向上し易い観点から、界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステルを含むことが好ましく、ショ糖ステアリン酸エステルを含むことがより好ましい。
界面活性剤の使用量は、使用量に対する効果が充分に得られる観点、及び、経済的である観点から、単量体水溶液100質量部に対して、0.05~10質量部が好ましく、0.08~5質量部がより好ましく、0.1~3質量部が更に好ましい。
逆相懸濁重合では、上述の界面活性剤と共に高分子系分散剤を併せて用いてもよい。高分子系分散剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、及びエチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。高分子系分散剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。高分子系分散剤としては、単量体の分散安定性に優れる観点から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、及び酸化型エチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
高分子系分散剤の使用量は、使用量に対する効果が充分に得られる観点、及び、経済的である観点から、単量体水溶液100質量部に対して、0.05~10質量部が好ましく、0.08~5質量部がより好ましく、0.1~3質量部が更に好ましい。
炭化水素分散媒は、炭素数6~8の鎖状脂肪族炭化水素、及び、炭素数6~8の脂環式炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。炭化水素分散媒としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、n-オクタン等の鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans-1,2-ジメチルシクロペンタン、cis-1,3-ジメチルシクロペンタン、trans-1,3-ジメチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。炭化水素分散媒は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
炭化水素分散媒は、工業的に入手が容易であり、かつ、品質が安定している観点から、n-ヘプタン及びシクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。また、同様の観点から、上述の炭化水素分散媒の混合物としては、例えば、市販されているエクソールヘプタン(エクソンモービル社製:n-ヘプタン及び異性体の炭化水素75~85%含有)を用いてもよい。
炭化水素分散媒の使用量は、重合熱を適度に除去し、重合温度を制御し易い観点から、単量体水溶液100質量部に対して、30~1000質量部が好ましく、40~500質量部がより好ましく、50~400質量部が更に好ましい。炭化水素分散媒の使用量が30質量部以上であることにより、重合温度の制御が容易である傾向がある。炭化水素分散媒の使用量が1000質量部以下であることにより、重合の生産性が向上する傾向があり、経済的である。
ラジカル重合開始剤は水溶性であることが好ましく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物;2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-フェニルアミジノ)プロパン]2塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-アリルアミジノ)プロパン]2塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]2塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}2塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド]、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)等のアゾ化合物などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]2塩酸塩、及び2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}2塩酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、過硫酸ナトリウムがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.05~10ミリモルであってよい。ラジカル重合開始剤の使用量が0.05ミリモル以上であると、重合反応に長時間を要さず、効率的である。ラジカル重合開始剤の使用量が10ミリモル以下であると、急激な重合反応が起こることを抑制し易い。
上述のラジカル重合開始剤は、L-アスコルビン酸等の還元剤と併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
重合反応の際、重合に用いる単量体水溶液は、連鎖移動剤を含んでいてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、次亜リン酸塩類、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、及びアミン類が挙げられる。
吸水性樹脂粒子の粒子径を制御するために、重合に用いる単量体水溶液は、増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレンオキサイドが挙げられる。なお、重合時の撹拌速度が同じであれば、単量体水溶液の粘度が高いほど、得られる粒子の中位粒子径は大きくなる傾向にある。
重合の際に自己架橋による架橋が生じるが、内部架橋剤を用いることで架橋を促してもよい。内部架橋剤を用いると、吸水性樹脂粒子の吸水特性(保水量等)を制御し易い。内部架橋剤は、通常、重合反応の際に反応液に添加される。
内部架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類のジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;上述のポリオール類と不飽和酸(マレイン酸、フマール酸等)とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;ポリイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N”-トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等の,重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;イソシアネート化合物(2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)などの、反応性官能基を2個以上有する化合物挙げられる。内部架橋剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。内部架橋剤としては、ポリグリシジル化合物が好ましく、ジグリシジルエーテル化合物がより好ましく、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種が更に好ましい。
内部架橋剤の使用量は、得られる重合体が適度に架橋されることにより水溶性の性質が抑制され、充分な吸水量が得られ易い観点から、エチレン性不飽和単量体1モル当たり、30ミリモル以下が好ましく、0.01~10ミリモルがより好ましく、0.012~5ミリモルが更に好ましく、0.015~1ミリモルが特に好ましく、0.02~0.1ミリモルが極めて好ましく、0.025~0.08ミリモルが非常に好ましい。
エチレン性不飽和単量体、ラジカル重合開始剤、必要に応じて内部架橋剤を含む水相と、炭化水素分散媒、界面活性剤、必要に応じて高分子系分散剤等を含む油相とを混合した状態において撹拌下で加熱し、油中水系において逆相懸濁重合を行うことができる。
逆相懸濁重合を行う際には、界面活性剤(必要に応じて更に高分子系分散剤)の存在下で、エチレン性不飽和単量体を含む単量体水溶液を炭化水素分散媒に分散させる。このとき、重合反応を開始する前であれば、界面活性剤、高分子系分散剤等の添加時期は、単量体水溶液の添加の前後どちらであってもよい。
その中でも、得られる吸水性樹脂に残存する炭化水素分散媒の量を低減し易い観点から、高分子系分散剤を分散させた炭化水素分散媒に単量体水溶液を分散させた後に界面活性剤を更に分散させてから重合を行うことが好ましい。
逆相懸濁重合は、1段、又は、2段以上の多段で行うことができる。逆相懸濁重合は、生産性を高める観点から、2~3段で行うことが好ましい。
2段以上の多段で逆相懸濁重合を行う場合には、1段目の逆相懸濁重合を行った後、1段目の重合反応で得られた反応混合物にエチレン性不飽和単量体を添加して混合し、1段目と同様の方法で2段目以降の逆相懸濁重合を行えばよい。2段目以降の各段における逆相懸濁重合では、エチレン性不飽和単量体の他に、上述のラジカル重合開始剤及び/又は内部架橋剤を、2段目以降の各段における逆相懸濁重合の際に添加するエチレン性不飽和単量体の量を基準として、上述のエチレン性不飽和単量体に対する各成分のモル比の範囲内で添加して逆相懸濁重合を行うことが好ましい。なお、2段目以降の各段における逆相懸濁重合では、必要に応じて内部架橋剤を用いてもよい。内部架橋剤を用いる場合は、各段に供するエチレン性不飽和単量体の量を基準として、上述のエチレン性不飽和単量体に対する各成分のモル比の範囲内で添加して逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
重合反応は、撹拌翼を有する各種撹拌機を用いて行うことができる。撹拌翼としては、平板翼、格子翼、パドル翼、プロペラ翼、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、リボン翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等を用いることができる。
重合反応の温度は、使用するラジカル重合開始剤によって異なるが、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより、経済性を高めると共に、容易に重合熱を除去して円滑に反応を行う観点から、20~150℃が好ましく、40~120℃がより好ましい。反応時間は、通常、0.5~4時間である。重合反応の終了は、例えば、反応系内の温度上昇の停止により確認することができる。これにより、エチレン性不飽和単量体の重合体は、通常、含水ゲルの状態で得られる。
得られた含水ゲル状重合体から水分を除去するために乾燥を行うことにより重合体粒子(例えば、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有する重合体粒子)が得られる。乾燥方法としては、例えば、(a)含水ゲル状重合体が炭化水素分散媒に分散した状態で、外部から加熱することにより共沸蒸留を行い、炭化水素分散媒を還流させて水分を除去する方法、(b)デカンテーションにより含水ゲル状重合体を取り出し、減圧乾燥する方法、(c)フィルターにより含水ゲル状重合体をろ別し、減圧乾燥する方法等が挙げられる。中でも、製造工程における簡便さから、(a)の方法を用いることが好ましい。
吸水性樹脂粒子の製造においては、乾燥工程(水分除去工程)又はそれ以降の工程において、架橋剤を用いて含水ゲル状重合体の表面部分(表面及び表面近傍)の表面架橋が行われてもよい。表面架橋を行うことで、吸水性樹脂粒子の吸水特性などを制御し易い。表面架橋は、含水ゲル状重合体が特定の含水率であるタイミングで行われることが好ましい。表面架橋の時期は、含水ゲル状重合体の含水率が5~35質量%である時点が好ましく、10~35質量%である時点がより好ましく、15~30質量%である時点が更に好ましい。
含水ゲル状重合体の含水率(質量%)は、次の式で算出される。
含水率=[Ww/(Ww+Ws)]×100
Ww:全重合工程の重合前の単量体水溶液に含まれる水分量から、乾燥工程により系外部に排出された水分量を差し引いた量に、無機還元剤、表面架橋剤等を混合する際に必要に応じて用いられる水分量を加えた含水ゲル状重合体の水分量。
Ws:含水ゲル状重合体を構成するエチレン性不飽和単量体、架橋剤、開始剤等の材料の仕込量から算出される固形分量。
表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、例えば、反応性官能基を2個以上有する化合物を挙げることができる。表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;3-メチル-3-オキセタンメタノール、3-エチル-3-オキセタンメタノール、3-ブチル-3-オキセタンメタノール、3-メチル-3-オキセタンエタノール、3-エチル-3-オキセタンエタノール、3-ブチル-3-オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2-エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物が挙げられる。表面架橋剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。表面架橋剤としては、ポリグリシジル化合物が好ましく、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、及びポリグリセロールポリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
表面架橋剤の使用量は、好適な吸水特性が得られ易い観点から、重合に使用するエチレン性不飽和単量体1モルに対して、0.01~20ミリモルが好ましく、0.05~10ミリモルがより好ましく、0.1~5ミリモルが更に好ましく、0.15~1ミリモルが特に好ましく、0.2~0.5ミリモルが極めて好ましい。
表面架橋後において、公知の方法で水及び炭化水素分散媒を留去すること、加熱減圧下で乾燥すること等により、表面架橋された乾燥品である重合体粒子を得ることができる。
吸水性樹脂粒子は、例えば、ゲル安定剤、金属キレート剤(エチレンジアミン4酢酸及びその塩、ジエチレントリアミン5酢酸及びその塩、例えばジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム等)、流動性向上剤(滑剤)等から選ばれる各種の追加の成分を更に含んでいてもよい。追加の成分は、重合体粒子の内部、重合体粒子の表面上、又はそれらの両方に配置され得る。吸水性樹脂粒子が金属キレート剤を含むと、ゲル安定性がより高められる傾向にある。尿などに含まれる微量の遷移金属イオンは、膨潤ゲルの劣化を促進すると考えられることから、該遷移金属イオンを金属キレート剤で捕捉することで、膨潤ゲルの劣化を抑制でき、ゲル安定性が得られると考えられる。追加の成分は、流動性向上剤(滑剤)であってもよく、流動性向上剤は無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、例えば、非晶質シリカ等のシリカ粒子が挙げられる。
吸水性樹脂粒子の形状は、特に限定されず、例えば、略球状、破砕状又は顆粒状であってもよく、これらの形状を有する一次粒子が凝集した形状であってもよい。
吸水性樹脂粒子の中位粒子径は、100~800μm、150~700μm、200~600μm、又は250~500μmであってもよい。中位粒子径は、以下の方法で測定することができる。JIS標準篩を上から、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、及び、受け皿の順に組み合わせる。組み合わせた最上の篩に、吸水性樹脂粒子50gを入れ、ロータップ式振とう器(株式会社飯田製作所製)を用いてJIS Z 8815(1994)に準じて分級する。分級後、各篩上に残った粒子の質量を全量に対する質量百分率として算出し粒度分布を求める。この粒度分布に関して粒子径の大きい方から順に篩上を積算することにより、篩の目開きと篩上に残った粒子の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットする。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径として得る。
吸水性樹脂粒子の生理食塩水の吸水量は、優れたゲル強度が得られる観点から、10g/g以上、20g/g以上、30g/g以上、40g/g以上、50g/g以上、又は60g/g以上であってよく、80g/g以下、70g/g以下、又は60g/g以下であってよい。これらの観点から、吸水性樹脂の生理食塩水の吸水量は、10~80g/gであってよい。吸水性樹脂粒子の生理食塩水の吸水量は、以下の手順によって測定することができる。
生理食塩水500gと吸水性樹脂粒子2.0gとを混合し、室温(25℃)で60分間攪拌する。質量Wa(g)を有する、目開き75μmのJIS Z 8801-1標準篩を用いて、上記混合液をろ過する。篩を水平に対して約30度の傾斜角となるように傾けた状態で、ろ物を篩上で30分間放置した。吸水した吸水性樹脂粒子と篩の質量の合計Wb(g)を測定し、以下の式により、吸水量を求める。
生理食塩水の吸水量=(Wb-Wa)/2.0
(鉄含有物質)
本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.03ppm以上10ppm以下有する。水不溶性の鉄含有物質は、酸性条件下において溶解し、膨潤ゲルの分解を促進することで、膨潤ゲルの再生処理が容易となる。吸水性樹脂粒子における水不溶性の鉄含有物質の含有量は、鉄原子換算で0.05ppm以上、0.1ppm以上、0.3ppm以上、又は0.5ppm以上であってもよく、8ppm以下、5ppm以下、3ppm以下、2ppm以下、又は1ppm以下であってもよい。吸水性樹脂粒子が有する鉄含有物質の量は、フレーム原子吸光法、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法等により分析することができる。
鉄含有物質の量が鉄原子換算で10ppmを超えると、吸水性樹脂粒子の色が白色から変化するため、好ましくない。例えば、吸水性樹脂粒子が酸化鉄を鉄原子換算で20ppm有すると、仄かにピンク色に見える。一般的に紙おむつの中の吸水性樹脂粒子に色がつくと、真っ白い紙おむつの内側表面から、色のついた吸水性樹脂粒子が斑点のように見えるため、このような紙おむつは、一般消費者から外観的に敬遠される傾向にある。
水不溶性の鉄含有物質の水100gに対する溶解度は、25℃で1g未満であってよい。鉄含有物質は、鉄、鉄化合物及び鉄合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。鉄化合物としては、例えば、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、炭酸鉄(II)、フッ化鉄(III)が挙げられる。鉄合金としては、例えば、ステンレス鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、及びマンガンモリブデン鋼が挙げられる。
該鉄含有物質は、吸水性樹脂粒子の内部ではなく、吸水性樹脂粒子の表面に付着していることで、本発明が奏する効果をより有効に発現することができる。鉄含有物質は吸水樹脂粒子に化学的に結合している必要はない。水不溶性の鉄含有物質は、吸水性樹脂粒子の製造過程で用いる製造装置等に由来するものであってもよく、吸水性樹脂粒子を作製する工程で、水不溶性の鉄含有物質の量を調整してもよい。また、本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、作製した吸水性樹脂粒子と、所定量の水不溶性の鉄含有物質とを混合して調製してもよい。鉄含有物質の大きさは、例えば、50μm以下、48μ以下、又は46μm以下であってもよく、0.5μm以上、1μm以上、又は2μm以上であってもよい。
[吸収体]
本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、吸収体に好適に用いることができる。該吸収体は、水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.03ppm以上10ppm以下有する吸水性樹脂粒子を含有する。本実施形態に係る吸収体は、繊維状物を含有することが可能であり、例えば、本実施形態に係る吸水性樹脂粒子及び繊維状物を含む混合物である。吸収体の構成としては、例えば、吸水性樹脂粒子及び繊維状物が均一混合された構成であってよく、シート状又は層状に形成された繊維状物の間に吸水性樹脂粒子が挟まれた構成であってもよく、その他の構成であってもよい。
繊維状物としては、例えば、微粉砕された木材パルプ;コットン;コットンリンター;レーヨン;セルロースアセテート等のセルロース系繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成繊維;これらの繊維の混合物が挙げられる。繊維状物は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。繊維状物としては、親水性繊維を用いることができる。紙おむつ材料としての環境負荷の少ない材料という観点では、吸収体に用いられる繊維状物は自然物由来である木材パルプであることが好ましい。
吸収体における吸水性樹脂粒子の質量割合は、吸水性樹脂粒子及び繊維状物の合計に対して、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%であってよい。また、吸収体における吸水性樹脂粒子の質量割合は、吸水性樹脂粒子及び繊維状物の合計に対して、100質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%であってよい。吸収体における吸水性樹脂粒子の質量割合は、吸水性樹脂粒子及び繊維状物の合計に対して、40~100質量%、50~95質量%又は60~90質量%であってよい。
吸収体の使用前及び使用中における形態保持性を高めるために、繊維状物に接着性バインダーを添加することによって繊維同士を接着させてもよい。接着性バインダーとしては、熱融着性合成繊維、ホットメルト接着剤、接着性エマルジョン等が挙げられる。接着性バインダーは、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
熱融着性合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等の全融型バインダー;ポリプロピレンとポリエチレンとのサイドバイサイドや芯鞘構造からなる非全融型バインダーなどが挙げられる。上述の非全融型バインダーにおいては、ポリエチレン部分のみ熱融着することができる。
ホットメルト接着剤としては、例えば、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロックコポリマー、アモルファスポリプロピレン等のベースポリマーと、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤等との混合物が挙げられる。
接着性エマルジョンとしては、例えば、メチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル、2ーエチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ブタジエン、エチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体の重合物が挙げられる。
本実施形態に係る吸収体は、消臭剤、抗菌剤、香料等を含有してもよい。
本実施形態に係る吸収体は、無機粉末(例えば非晶質シリカ)、消臭剤、顔料、染料、抗菌剤、香料、粘着剤等の添加剤を更に含んでいてもよい。これらの添加剤により、吸収体に種々の機能を付与することができる。吸水性樹脂粒子が無機粒子を含む場合、吸収体は吸水性樹脂粒子中の無機粒子とは別に無機粉末を含んでいてもよい。無機粉末としては、例えば、二酸化ケイ素、ゼオライト、カオリン、クレイ等が挙げられる。
本実施形態に係る吸収体の形状は、特に限定されず、例えばシート状であってよい。吸収体の厚さ(例えば、シート状の吸収体の厚さ)は、例えば0.1~20mm、又は0.3~15mmであってよい。
[吸収性物品]
本実施形態に係る吸収性物品は、本実施形態に係る吸収体を備える。本実施形態に係る吸収性物品は、吸収体のほかに、例えば、コアラップ、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシートを備えていてよい。コアラップは、吸収体を保形するものである。液体透過性トップシートは、吸液対象の液体が浸入する側の最外部に配置されるものである。液体不透過性バックシートは、吸液対象の液体が浸入する側とは反対側の最外部に配置されるものである。
吸収性物品としては、おむつ(例えば紙おむつ)、トイレトレーニングパンツ、失禁パッド、衛生用品(生理用ナプキン、タンポン等)、汗取りパッド、ペットシート、簡易トイレ用部材、動物排泄物処理材などが挙げられる。
本実施形態によれば、水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.03ppm以上10ppm以下有する吸水性樹脂粒子を用いることで、使用済みの吸水物品を酸性水溶液で容易に分解処理することができる。該吸水性樹脂粒子は、通常の使用条件下では劣化せず、パルプのリサイクルという条件下での酸性雰囲気下であるときに分解される。本実施形態に係る吸水性樹脂粒子を紙おむつに用いることで、使用済みとなった紙おむつからのパルプ再生を行う際に、膨潤した吸水性樹脂のゲルが、可溶化され容易に分離できるため、パルプの再生工程のコストが下がり、産業的に有用となる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、及び、撹拌機(翼径5cmの4枚傾斜パドル翼を2段有する撹拌翼)を備えた内径11cm、内容積2Lの丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このセパラブルフラスコに、炭化水素分散媒としてn-ヘプタン293gを添加し、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社製、ハイワックス1105A)0.736gを添加することにより混合物を得た。この混合物を撹拌機で撹拌しつつ80℃まで昇温することにより分散剤をn-ヘプタンに溶解させた後、混合物を50℃まで冷却した。
次に、内容積300mLのビーカーに、水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液92.0g(アクリル酸:1.03モル)を添加した。続いて、外部より冷却しつつ、20.9質量%の水酸化ナトリウム水溶液147.7gをビーカー内に滴下することにより75モル%の中和を行った。その後、増粘剤としてヒドロキシルエチルセルロース0.092g(住友精化株式会社製、HEC AW-15F)、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.0736g(0.272ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.010g(0.057ミリモル)を加えて溶解させることにより第1段目の水性液を調製した。
そして、撹拌機の回転数550rpmで撹拌しながら上述の第1段目の水性液を上述のセパラブルフラスコに添加した後、10分間撹拌した。その後、n-ヘプタン6.62gにショ糖ステアリン酸エステル(界面活性剤、三菱化学フーズ株式会社製、リョートーシュガーエステルS-370、HLB値:3)0.736gを加熱溶解することにより得られた界面活性剤溶液を上述のセパラブルフラスコに添加した。そして、撹拌機の回転数425rpmで撹拌しながら系内を窒素で充分に置換した。その後、フラスコを70℃の水浴に浸漬して加温し、重合を60分間行うことにより第1段目の重合スラリー液を得た。
次に、内容積500mLの別のビーカーに水溶性エチレン性不飽和単量体として80.5質量%のアクリル酸水溶液128.8g(アクリル酸:1.43モル)を添加した。続いて、外部より冷却しつつ、27質量%の水酸化ナトリウム水溶液159.0gをビーカー内に滴下することにより75モル%の中和を行った。その後、水溶性ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム0.103g(0.381ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.0116g(0.067ミリモル)を加えた後に溶解させることにより第2段目の水性液を調製した。
次に、撹拌機の回転数1000rpmで撹拌しながら、上述のセパラブルフラスコ内を25℃に冷却した後、上述の第2段目の水性液の全量を上述の第1段目の重合スラリー液に添加した。続いて、系内を窒素で30分間置換した後、再度、フラスコを70℃の水浴に浸漬して加温し、重合反応を60分間行うことにより第2段目の含水ゲル状重合体を得た。
上述の第2段目の含水ゲル状重合体に45質量%のジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム水溶液0.589gを撹拌下で添加した。その後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n-ヘプタンと水との共沸蒸留によりn-ヘプタンを還流しながら248.4gの水を系外へ抜き出した。そして、フラスコに表面架橋剤として2質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液4.42g(エチレングリコールジグリシジルエーテル:0.507ミリモル0.507ミリモル)を添加した後、83℃で2時間保持した。
その後、n-ヘプタンを125℃にて蒸発させて乾燥させることによって重合体粒子(乾燥品)を得た。この重合体粒子を目開き850μmの篩に通過させた後、重合体粒子の全質量を基準として0.1質量%の非晶質シリカ(オリエンタルシリカズコーポレーション社製、トクシールNP-S)を重合体粒子に混合することにより、非晶質シリカを含む吸水性樹脂粒子Aを228.0g得た。吸水性樹脂粒子Aの中位粒子径は342μm、生理食塩水の吸水量は60g/gであった。
[実施例1]
容量1Lの密封容器内に、100gの吸水性樹脂粒子Aと、0.0010gの酸化鉄(III)(粒径:5μm以下)とを入れ、クロスロータリー混合機(明和工業株式会社、CM-3型)で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Bを得た。吸水性樹脂粒子の粒度分布には、酸化鉄(III)の添加による変化はほとんど認められなかった。
[実施例2]
容量1Lの密封容器内に、90gの吸水性樹脂粒子Aと、10gの吸水性樹脂粒子Bとを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合し、吸水性樹脂粒子Cを得た。
[実施例3]
容量1Lの密封容器内に、99gの吸水性樹脂粒子Aと、1gの吸水性樹脂粒子Bとを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Dを得た。
[実施例4]
容量1Lの密封容器内に、100gの吸水性樹脂粒子Aと、0.0010gの鉄粉(粒径:45μm以下)とを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Eを得た。吸水性樹脂粒子の粒度分布には、鉄粉の添加による変化はほとんど認められなかった。
[実施例5]
容量1Lの密封容器内に、90gの吸水性樹脂粒子Aと、10gの吸水性樹脂粒子Eとを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Fを得た。
[実施例6]
容量1Lの密封容器内に、99gの吸水性樹脂粒子Aと、1gの吸水性樹脂粒子Eとを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Gを得た。
[比較例1]
容量1Lの密封容器内に、99gの吸水性樹脂粒子Aと、1gの吸水性樹脂粒子Fとを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Hを得た。
[比較例2]
容量1Lの密封容器内に、100gの吸水性樹脂粒子Aと、0.0010gの硫酸鉄(II)とを入れ、クロスロータリー混合機で30分間混合して、吸水性樹脂粒子Iを得た。吸水性樹脂粒子の粒度分布には、硫酸鉄(II)の添加による変化はほとんど認められなかった。
[参考例]
吸水性樹脂粒子Aを用いて、各種試験方法に従って評価を行った。
[ゲル安定性評価]
吸水性樹脂粒子A~Iについて、膨潤ゲルの安定性を評価した。結果を表1に示す。
(ゲルの調製)
内容積100mLのビーカーに、生理食塩水49.0gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)を投入し、マグネチックスターラー(iuchi社製:HS-30D)の上に配置した。引き続きマグネチックスターラーバーを600回転/分で回転するように調整した。次に、吸水性樹脂粒子1.0gを撹拌中のビーカー内に投入し、回転渦が消えて液面が水平になるまで撹拌を続け、膨潤ゲルを調製した。膨潤ゲルを調製した直後に、膨潤ゲルの入ったビーカーをラップ(三菱ケミカル株式会社製、ダイアラップ)で覆った。
(ゲル強度の測定)
膨潤ゲルのゲル強度は、図1に示す測定原理を有する装置を用いて測定した。図1に示す装置は、支持部50、可動台板60、可動台板60を駆動するための駆動部70、及び測定部80から構成される。支持部50において、支持台51に立てられた支柱52の上部に架台53が固定されている。支柱52には、上下に移動するように可動台板60が取り付けられている。可動台板60は、測定試料(膨潤ゲル)61を搭載することができる。架台53上にはパルスモーター71が搭載され、プーリー72を回転させることによって、ワイヤー73を介して可動台板60を上下に移動する。
測定部80において、変形により生ずる歪みを計測するためのロードセル81に、精密スプリング82及び連継軸83を介して感圧軸84が取り付けられている。感圧軸84は、先端にディスクを有する。測定条件により、ディスクの直径は変更することができる。感圧軸84の上部にはおもり90を搭載することができる。
ゲル強度を測定する装置の作動原理は、次のとおりである。精密スプリング82を、上方のロードセル81(応力検出器)に固定し、下方にはディスク付きの感圧軸84を連結して所定のおもり90を乗せて垂直に懸吊してある。測定試料61を乗せた可動台板60は、パルスモーター71の回転により一定速度で上昇する。精密スプリング82を介して測定試料61に定速荷重を加え、変形により生ずる歪みをロードセル81で計測し、硬さを測定演算するものである。
ゲル強度は、カードメーター(株式会社アイテクノエンジニアリング社製:カードメーター・ミニME-600)を用いて、感圧軸のディスク16mmφ、荷重400g、スピード7秒/インチ、粘稠モードで測定した。
膨潤ゲルを調製から30分間25±2℃の室温下で放置した後に、上記方法によりゲル強度(ゲル強度初期値)を測定した。また、膨潤ゲルの安定性を評価するために、膨潤ゲルの入ったビーカーを40℃、60%RHの恒温恒湿槽に入れて2日間静置した後、25℃に戻した膨潤ゲルのゲル強度(ゲル強度2日後値)を測定した。それぞれのゲル強度は3回測定し、その平均値を用いた。
[酸性水溶液によるゲルの劣化評価]
吸水性樹脂粒子A~Iについて、酸性水溶液による膨潤ゲルの劣化を評価した。結果を表1に示す。
(人工尿の調製)
イオン交換水に、尿素が2.0質量%、塩化ナトリウムが0.8質量%、塩化カルシウムニ水和物が0.03質量%、硫酸マグネシウム七水和物が0.08質量%、L(+)-アスコルビン酸が0.02質量%となるように各成分を添加して、人工尿を調製した。
(ろ液の準備)
1.0gの吸水性樹脂粒子を29.0gの人工尿が入ったビーカーに投入し、400rpmで15秒間撹拌して膨潤ゲルを調製した。次いで、200.0gのイオン交換水及び20.0gの1N-HClが入ったビーカーに、膨潤ゲルを加えて600rpmで1時間撹拌した。撹拌後、ゲルを含む液全量を耐熱瓶に移して密封した後、耐熱瓶を90℃の熱風乾燥機に入れ、1週間静置した。1週間後、耐熱瓶を25℃に冷却し、75μmの篩にてゲルを分離し、ろ液を回収した。
(劣化溶出増加率の算出)
0.1N-HCl水溶液及び0.1N-NaOH水溶液をそれぞれ充填したビュレット(株式会社宮原計量器製作所、容量25mL、1目盛り0.1mL)を用いて、ろ液を滴定することにより、膨潤ゲルの劣化を評価した。なお、膨潤ゲルの劣化は、実施例又は比較例の吸水性樹脂粒子のろ液の滴定値に対し、吸水性樹脂粒子Aを用いた参考例のろ液の滴定値をブランクとして相対比較した。滴定は、以下の手順で行った。
(滴定)
pH計(堀場製作所 pH/10N METER F-24)、pH電極(堀場製作所 pH複合電極 型式6261)を使用し、pH標準液(7・9・4)3点でpHキャリブレーションした。50gのろ液を撹拌させながらブランクの滴定を行った。0.1N-NaOH水溶液をpH10になるまで滴下し、滴下した量をビュレットの目盛りを読み取り、滴下前目盛りとの差から滴下量を算出した。次に、0.1N-HCl水溶液をpH2.7になるまで滴下し、滴下した量をビュレットの目盛りを読み取り、滴下前目盛りとの差から滴下量を算出した。
ろ液のpHが10になるまでの0.1N-NaOH水溶液の滴下量から、膨潤ゲルが分解してろ液に溶出したアクリル酸ユニットの増加量(増加アクリル酸ユニットの質量)を以下の式より算出した。
増加アクリル酸ユニットのmol量(mmol)=[実施例又は比較例のNaOH水溶液の滴下量(mL)-参考例のNaOH水溶液の滴下量(mL)]×NaOH規定度(0.1N)
増加アクリル酸ユニットの質量(mg)=増加アクリル酸ユニットのmol量(mmol)×アクリル酸の分子量(72g/mol)×250/50
ろ液のpHが2.7になるまでの0.1N-HCl水溶液の滴下量から、膨潤ゲルが分解してろ液に溶出したアクリル酸Naユニットの増加量(増加アクリル酸Naユニットの質量)を以下の式より算出した。
増加アクリル酸Naユニットのmol量(mmol)=[実施例又は比較例のHCl水溶液の滴下量(mL)-参考例のHCl水溶液の滴下量(mL)]×HCl規定度(0.1N)-増加アクリル酸ユニットのmol量(mmol)
増加アクリル酸Naユニットの質量(mg)=増加アクリル酸Naユニットのmol量(mmol)×アクリル酸Naの分子量(94g/mol)×250/50
吸水性樹脂粒子1g当たりの劣化溶出増加率を、以下の式より算出した。
劣化溶出増加率(%)=[増加アクリル酸ユニットの質量(mg)+増加アクリル酸Naユニットの質量(mg)]/1000/吸水性樹脂粒子の質量(1.0g)×100
Figure 0007695893000001
実施例の吸水性樹脂粒子では、吸水から2日経過後でも安定なゲル強度を有する膨潤ゲルを形成し、酸性水溶液により膨潤ゲルを容易に分解することができた。
50…支持部、51…支持台、52…支柱、53…架台、60…可動台板、61…測定試料、70…駆動部、71…パルスモーター、72…プーリー、73…ワイヤー、80…測定部、81…ロードセル、82…精密スプリング、83…連継軸、84…感圧軸、90…おもり。

Claims (7)

  1. 水不溶性の鉄含有物質を鉄原子換算で0.3ppm以上ppm以下有する、吸水性樹脂粒子であり、
    前記鉄含有物質が、前記吸水性樹脂粒子の表面に付着している、吸水性樹脂粒子
  2. 前記鉄含有物質が、鉄、鉄化合物及び鉄合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の吸水性樹脂粒子。
  3. 前記鉄合金が、ステンレス鋼である、請求項2に記載の吸水性樹脂粒子。
  4. 前記鉄化合物が、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、炭酸鉄(II)、及びフッ化鉄(III)からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項2に記載の吸水性樹脂粒子。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の吸水性樹脂粒子を含有する吸収体。
  6. 請求項5に記載の吸収体を備える吸収性物品。
  7. 紙おむつである、請求項6に記載の吸収性物品。
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