JP7696159B2 - 紙おむつ用筆記具 - Google Patents
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Description
例えばフェルトペンは、ペン先が繊維束であり、筆記する際にペン先が外皮材101の繊維にからんで引っかかることがあり、書きにくい。
マーカーは、ペン先が樹脂や焼結体であり、硬いので筆記する際にペン先が外皮材101に引っかかりやすく、書きにくい。
本態様の紙おむつ用筆記具では、弁体を紙おむつの表面に押し当てることによって先端開口を開いてインキを吐出させる。
前記した様に、紙おむつは柔らかいが、本態様の紙おむつ用筆記具では、先端開口を封鎖している状態におけるばねの押圧力(第一押圧力)が弱いので、弁体を押し当てたときに紙おむつが凹みにくく、書きやすい。
また本態様の紙おむつ用筆記具は、弁体が先端開口を封鎖している状態におけるばねの押圧力(第一押圧力)と、弁体が座部に当接している状態におけるばねの押圧力(第二押圧力)との差が小さいので、ふわふわした紙おむつであっても筆記しやすい。
即ち、通常のばね付きのボールペンは、筆記時にボールが座に押し付けられた状態となっており、第一押圧力と第二押圧力に大きな差があっても不都合はない。
これに対して紙おむつ用筆記具では、弁体が座部に接していないような中途の状態で筆記される場合があり、押圧力の変化が大きいと書きにくい。これに対して、本態様の紙おむつ用筆記具は、弁体が先端開口を封鎖している状態におけるばねの押圧力(第一押圧力)と、弁体が座部に当接している状態におけるばねの押圧力(第二押圧力)との差が小さいので、紙おむつに筆記しやすい。
図1に示す紙おむつ用筆記具50は、芯部材1と、芯部材1を収納する本体部51及びキャップ52によって構成されている。
チップ本体13の内側には弁体収容空間16、インキ導通孔17が設けられている。インキ導通孔17は、先端側が弁体収容空間16の後端側の内面に開口し、弁体収容空間16の内外を連通するものである。
また弁体収容空間16の先端には先端開口18がある。先端開口18は弁体収容空間16の先端側にあって弁体収容空間16の内外を連通するものである。
弁体収容空間16にはインキ導通孔17の開口部20を中心として座部22がある。
図4に示されるように、接続面23の形状は、頂点を先端側とする円錐台の側面形状である。
そのため、側壁面21と座部22の間には、環状の溝30がある。また座部22の中心側は、インキ導通孔17側に膨出する膨出部31がある。
インキ導通孔17の周りには、図4(c)の様に、放射状のスリット38が設けられている。スリット38は、矢溝と称されるものである。
スリット38は、弁体収容空間16側とつながっており、インキ7はインキ導通孔17からスリット38に入り、弁体収容空間16側に流出することができる。
即ちインキ導通孔17の弁体収容空間16側の開口端には、弁体15を支える座部22があり、当該座部22に弁体15が接するが、座部22にはスリット38があるから、インキ導通孔17の開口端が弁体15で完全に塞がれることはない。
弁体15の素材はSiCである。ただし、弁体15の素材は特に限定されず、ステンレススチール、アルミナ焼結体、ジルコニア、WC、その他公知のものも使用できる。
ばね6は、図3に示されるように、密巻き部33、35と粗巻き部36が設けられている。粗巻き部36は、密巻き部33、35同士の間に位置している。
先端側の密巻き部33の先端には、小径巻部40がある。
ばね6は、先栓3とペン先チップ5の中で固定されている。具体的には、ばね6はペン先チップ5のチップ本体13のインキ導通孔17と、先栓3の連通孔10とに渡って配置されている。ばね6の後端側はチップ本体13から突出しており、先栓3の連通孔10の段部11と当接し、段部11に係止している。一方、ばね6の先端部は、チップ本体13のインキ導通孔17を経て弁体収容空間16内に至り、弁体15と当接している。
使用時にはキャップ52を外し、本体部51を手で保持する。
一方、紙おむつ用筆記具50を使用して筆記を行う場合は、紙おむつ100に弁体15が押し当てられ、ばね6に抗して弁体15が奥に移動し、先端開口18を弁体15が離れるので先端開口18と弁体15の間に吐出空隙ができる。
インキ7は、先端開口18と弁体15の間から吐出する。紙おむつ用筆記具50を紙おむつ100に押し当てた状態で、紙おむつ用筆記具50を動かすと、弁体15が回転して線が描かれる。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50は、次の特徴的構成を有している。
(1)弁体15の直径が、通常のボールペンに比べて大きい。
(2)弁体15を押圧するばね6の押圧力が弱い。
(3)弁体15を押圧する力の変化量が小さい。
(4)インキの吐出量が多い。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50で採用される弁体15の直径は0.8mm以上1.2mm以下である。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50では、通常のボールペンのボールよりも大きいボールを弁体及び筆記用ボールとして使用しているので、紙おむつの表面を構成する不織布に引っかかりにくく、書きやすい。
また、弁体15の直径は1.2mm以下であるから、筆記時の線が過度に太くなったり、インキがにじむことが少なく、文字を書きやすい。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50で採用されるばね6は、弁体15がチップ本体13の先端開口18を封鎖している状態におけるばね6の押圧力(第一押圧力)が2.9×10-2N以上1.5×10-1N以下(3gf以上15gf以下)である。ばね6の第一押圧力は、好ましくは6.9×10-2N以上1.2×10-1N以下(7gf以上12gf以下)であり、より好ましくは8.8×10-2N以上1.1×10-1N以下(9gf以上11gf以下)である。
また弱い力でありながらも、弁体15がばね6で先端開口18に押しつけられているので、未使用時にインキが漏出する危険性は低い。また弱い力でありながらも、弁体15が先端開口18を封止するので、未使用時に内部のインキが乾燥することはない。
本発明者らの実験によると、ばね6の第一押圧力が2.9×10-2N以上(3gf以上)であれば、未使用時にインキが漏出することは少ない。しかしながら、筆記直後に弁体15が先端開口18を完全に封鎖するのに時間が掛かる場合があり、筆記直後にインキが漏出することがある。
ばね6の第一押圧力が6.9×10-2N以上(7gf以上)であれば、筆記直後におけるインキの漏出が相当に軽減する。ばね6の第一押圧力が8.8×10-2N以上(9gf以上)であれば、筆記直後におけるインキの漏出を略完全に防ぐことができる。
一方、紙おむつ10の凹みは、ばね6の押圧力が弱いほど少ない。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50で採用されるばね6は、弁体15が先端開口18を封鎖している状態におけるばね6の押圧力(第一押圧力:F1)と、弁体15が最大に押し込まれて座部22に当接している状態における前記ばねの押圧力(第二押圧力:F2)との差(ΔF=F2-F1)、すなわち第二押圧力から第一押圧力を減じた値が、6.9×10-3N以下(0.7gf以下)のものである。
図5(a)は、弁体15が先端開口18を封鎖している状態を示し、図5(b)は、弁体15が最大に押し込まれて座部22に当接している状態を示している。
本実施形態では、両者間における弁体15の移動量Lは、0.08mmから0.12mmであり、好ましくは0.1mmである。
ばね6のばね定数は、7.4×10-3N/mm以下(7.5gf/mm以下)であることが望ましい。
本実施形態の紙おむつ用筆記具50は、連続筆記時におけるインキの流出量が、10mあたり100mg以上200mg以下のものである。連続筆記時におけるインキの流出量は、荷重100g、筆記角度65度、筆記速度7cm/秒、温度23℃、湿度50%の条件で、上質紙に連続して10m筆記したときのインキの流出量(mg)を測定することにより、評価することができる。紙おむつ用筆記具50の連続筆記時におけるインキの上記流出量は、通常のボールペンにおけるインキの流出量よりも大きい。
(1)紙おむつ表面の顕微鏡観察
市販の紙おむつ(商品名:ムーニー、ユニ・チャーム社製)の表面を顕微鏡で観察した(図6)。図6には、直径0.5mm、0.6mm、0.8mm、及び1.0mmの円を追記している(各々、φ05、φ06、φ08、φ10と表示)。すなわち、紙おむつの表面では不織布の繊維が無秩序に絡んでおり、この絡み具合がボールの引っ掛かりに強く影響していると考えられた。
紙おむつ表面における引っ掛かりとボールの直径(ボール径)との関係を調べるために、直径0.6mm、0.8mm、又は1.0mmのボールを備えた模擬的な筆記具を作製した。筆記を模擬して、各筆記具で紙おむつの表面を擦り、そのときの状態を顕微鏡で観察した。結果を図7(a)~(c)に示す。即ち、ボール径0.6mmの場合はチップが不織布の繊維の隙間に突き刺さり、筆記時の引っ掛かりが顕著であった(図7(a))。一方、ボール径0.8mmの場合はチップの引っ掛かりが軽減され(図7(b))、ボール径1.0mmの場合は殆ど引っ掛からなかった(図7(c))。
(1)インキ組成物の調製
下記の組成からなるインキ組成物を調製した(単位:質量部)。
・ニグロシン染料:11
・オレイン酸:7
・アルキルフェノール樹脂:4
・マレイン酸樹脂:6
・安息香酸ショ糖エステル:2
・プロピレングリコールモノメチルエーテル:53.5
・エチルアルコール:10
・プロピレングリコールn-ブチルエーテル:6
・シリコン系界面活性剤:0.5
直径0.8mmのボールと上記インキ組成物を用いて、ばね荷重(ボールが先端開口を封鎖している状態におけるばねの押圧力。第一押圧力)が異なる6種の筆記具(ボールペン)を作製した。ばね荷重として、3.8gf(実験例2)、5.5gf(実験例3)、7.5gf(実験例4)、10.0gf(実験例5)、12.5gf(実験例6)、及び20gf(実験例7)を選択した。別途、ばねを用いない同様の筆記具(実験例1)も作製した。
ボールの移動量L(図5)を0.1mmに設定した。このとき、各筆記具における第二押圧力(ボールが座部に当接している状態におけるばねの押圧力)は、3.99gf(実験例2)、5.77gf(実験例3)、7.88gf(実験例4)、10.51gf(実験例5)、13.14(実験例6)、21.04gf(実験例7)であった。各筆記具の第一押圧力(F1)、第二押圧力(F2)、第一押圧力と第二押圧力の差(ΔF=F2-F1)、及び、前記した差の第一押圧力に対する割合(%)(P=ΔF/F1×100)を表1に示す。
各筆記具を用いて、白紙便箋に丸(〇)を10回連続して描く「10丸筆記」を実施し、筆記していない時のペン先からのインキ漏れの有無を調べた(ペン先インキ漏れ試験)。また、各筆記具を用いて紙おむつに筆記し、筆跡の途切れの有無を調べた(おむつ筆記性試験)。紙おむつとして、商品名「ムーニー」(ユニ・チャーム社)、商品名「マミーポコ」(ユニ・チャーム社)、商品名「パンパース」(プロクター・アンド・ギャンブル社)、商品名「メリーズ」(花王社)、商品名「ゲンキ!」(王子ネピア社)、及び商品名「グーン」(大王製紙社)を使用した。各筆記具とも10個の試料を準備して各試験に供した。
各筆記具について、連続筆記時におけるインキの流出量を測定した。詳細には、荷重100g、筆記角度65度、筆記速度7cm/秒、温度23℃、湿度50%の条件で、上質紙(紀州製紙製)に円周10cmの10丸筆記を連続して行い、10mの筆記を行った。その結果、いずれの筆記具とも、インキ流出量は100mg~200mg/10mの範囲であった。
2 インキ収納部
5 ペン先チップ
6 ばね
7 インキ
13 チップ本体
15 弁体
16 弁体収容空間(収容空間)
17 インキ導通孔
18 先端開口
22 座部
50 紙おむつ用筆記具
100 紙おむつ
Claims (1)
- インキが収納されたインキ収納部と、前記インキ収納部に接続されたペン先チップと、ばねを有する紙おむつ用筆記具であって、
前記ペン先チップは、チップ本体と弁体を有し、前記チップ本体は、前記弁体を収容する収容空間と、先端開口と、インキ導通孔とを備え、
前記先端開口は前記収容空間の先端側にあって前記収容空間の内外を連通するものであり、前記インキ導通孔は先端側が前記収容空間の後端側の内面に開口して前記収容空間の内外を連通するものであり、前記収容空間内には前記インキ導通孔の開口部を中心として座部があり、
前記弁体は、直径が0.8mm以上1.2mm以下の球形であり、
前記弁体は、前記収容空間内にあってその一部が前記先端開口から露出し、
前記ばねは、前記弁体を前記先端開口側に向かって押圧し、
前記弁体が前記先端開口を封鎖している状態における前記ばねの押圧力である第一押圧力が2.9×10-2N以上1.5×10-1N以下であり、
前記弁体が前記座部に当接している状態における前記ばねの押圧力である第二押圧力から前記第一押圧力を減じた値が6.9×10-3N以下であり、
連続筆記時におけるインキの流出量が、10mあたり100mg以上200mg以下であることを特徴とする紙おむつ用筆記具。
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