JP7696740B2 - 樹脂フィルム、その製造方法、金属張積層板及び回路基板 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の樹脂フィルムは、複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムであって、ポリイミド絶縁層と、前記ポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、を備えている。本発明の樹脂フィルムは、下記の条件i)及び条件ii);
i) 前記樹脂フィルム全体の全光線透過率が80%以上であること、
ii) 前記樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること、
を満たすことを特徴とする。
また、前記ポリイミド層(i)に含まれるフッ素原子の割合が、ポリイミド全体に対して10~40重量%の範囲内であってもよい。
第1の金属層と、
前記第1の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
第2の金属層と、
前記第2の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
2つの前記フッ素系樹脂隣接層の間に介在する複数の樹脂層と、
を備えている。この場合、2つの前記フッ素系樹脂隣接層と前記複数の樹脂層とによって樹脂積層体が形成されており、前記樹脂積層体は、
少なくとも2層以上のポリイミド層と、
前記ポリイミド層の間に積層されているフッ素系樹脂中間層と、
を有している。
基材上に、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて前記フッ素系樹脂層を形成する工程;
前記フッ素系樹脂層の上に、ポリイミドの前駆体溶液を塗布し、熱処理することによってイミド化し、前記ポリイミド層を形成する工程;
を含むものである。
前記ポリイミド層の上に、さらに、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて2層目の前記フッ素系樹脂層を形成する工程、
を含んでいてもよい。
本発明の一実施の形態の樹脂フィルムは、複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムである。本実施の形態の樹脂フィルムは、ポリイミド絶縁層と、このポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、を備えている。
ポリイミド絶縁層Pは、単層又は複数のポリイミド層からなる。ポリイミド絶縁層Pは、ポリイミド絶縁層P全体の厚みに対して50%以上の厚みを有する主たるポリイミド層(i)を有していることが好ましい。ここで、「主たる」とは、ポリイミド絶縁層Pを構成する複数のポリイミド層において最も大きな厚みを有することを意味し、好ましくは、ポリイミド絶縁層Pの全厚みに対して50%以上、より好ましくは60%以上の厚みを有することをいう。ポリイミド絶縁層Pは、主たるポリイミド層(i)のみによって構成されていてもよい。
なお、本発明で「ポリイミド」という場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
第1のフッ素系樹脂層F1及び第2のフッ素系樹脂層F2は、樹脂成分の主成分として、好ましくは樹脂成分の70重量%以上、より好ましくは樹脂成分の90重量%以上、最も好ましくは樹脂成分の全部として、フッ素系樹脂を含有する層であればよい。なお、樹脂成分の主成分とは、全樹脂成分に対して50重量%を超えて含まれる成分を意味する。フッ素系樹脂は、高い透明性と、非常に優れた誘電特性を有する。
また、PFAの中でも、機械的強度と融点とのバランスを適度にコントロールする観点から、テトラフルオロエチレン(TFE)単位とパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PAVE)単位のモル比(TFE単位:PAVE単位)が10:90~90:10である共重合体がもっとも好ましい。
条件i)を満たすことによって、高い透明性を確保できる。樹脂フィルムA全体の全光線透過率が80%未満では、透明性が要求される用途への適用が困難となる。樹脂フィルム全体の全光線透過率は85%以上であることがより好ましい。
条件iiを満たすことによって、高い寸法安定性が得られる。樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/Kを超えると、回路加工後の寸法精度が得られにくくなる。樹脂フィルム全体の熱膨張係数は、20~30ppm/Kの範囲内であることが好ましい。
条件iii) スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される、樹脂フィルムA全体の周波数10GHzにおける誘電正接が、0.008以下であること。
条件iiiを満たすことによって、GHz帯域(例えば周波数が10GHz以上)の高周波信号を伝送する回路基板等へ適用した場合に、伝送損失を効果的に低減することが可能となる。樹脂フィルム全体の周波数10GHzにおける誘電正接は0.005以下であることがより好ましい。
なお、樹脂フィルムA全体の10GHzにおける比誘電率は、好ましくは2.0~4.0の範囲内であり、より好ましくは2.5~3.5の範囲内である。
一方、フッ素系樹脂単体から構成される樹脂フィルムは、高い全光線透過率と低誘電正接化が可能であるが、フッ素系樹脂はガラス転移温度(Tg)が94℃、融点が300℃程度(PFAの場合)であることから、耐熱性と寸法安定性に欠ける側面がある。
本実施の形態の樹脂フィルムは、異なる性質を有するポリイミド絶縁層とフッ素系樹脂層とを積層することによって、高い透明性と寸法安定性を実現することを可能とし、さらに透明性と低誘電正接化の両立についても可能となっている。また、ポリイミド絶縁層にフッ素系樹脂層を積層することによって、厚みが50μm以上の比較的厚い樹脂フィルムについても、高透明性の確保が可能になる。
樹脂フィルムA全体の厚みは、例えば10~150μmの範囲内であることが好ましく、10~125μmの範囲内であることがより好ましい。また、ポリイミド絶縁層Pの厚みTPは、例えば5~75μmの範囲内であることが好まし、く、8~50μmの範囲内であることがより好ましい。ここで、樹脂フィルムA全体の厚みTAに対するポリイミド絶縁層Pの厚みTPの比率(TP/TA)は、0.5~0.9の範囲内であることが好ましく、0.5~0.8の範囲内であることがより好ましい。ポリイミド絶縁層Pが薄すぎて比率(TP/TA)が0.5を下回ると、樹脂フィルムA全体のTg及び耐熱性が低下し、寸法安定性が悪くなり、FPCなどの回路基板の絶縁樹脂層としての要求性能を維持できない。一方、ポリイミド絶縁層Pが厚すぎて比率(TP/TA)が0.9を超えると、、樹脂フィルムA全体の高透明化及び低誘電正接化が困難になる。また、フッ素系樹脂層の厚み(つまり、第1のフッ素系樹脂層F1と第2のフッ素系樹脂層F2の合計厚み)が大きすぎると、樹脂フィルムA全体の寸法安定性が悪くなり、逆に小さすぎると、接着性が低下するとともに、樹脂フィルムA全体の全光線透過率及び誘電特性が悪くなる。
本実施の形態の樹脂フィルムAを製造する方法については特に限定されない。樹脂フィルムAが図1に示すような第1のフッ素系樹脂層F1/ポリイミド絶縁層P/第2のフッ素系樹脂層F2が積層された構造である場合、以下の方法を例示できる。
まず、任意の基材Bの上に、フッ素系樹脂粒子F0を任意の溶媒に分散させた粒子分散液を塗布し、乾燥させることによって、図2(a)に示すように、複数のフッ素系樹脂粒子F0を基材B上に付着させる(工程1)。使用する基材Bとしては、特に限定されないが、耐熱性を有する素材として、例えば厚さが5~35μmの範囲内の銅箔などの金属箔を用いることが好ましい。なお、第1の方法では、基材Bとして銅箔を用いることによって、樹脂フィルムAを製造すると同時に、樹脂フィルムAと銅箔層とを備えた銅張積層板を製造できる。任意の溶媒としては、例えば揮発性の高い有機溶媒が好ましい。フッ素系樹脂粒子F0としては、レーザ回折・散乱式測定方式によって測定される平均粒子径が1~5μmの範囲内のものが好ましく、例えばFluon+TM EA‐2000パウダー(AGC社製)などの市販品を用いることができる。
第3の積層体は、必要に応じて基材Bを剥離することによって、ポリイミド絶縁層Pの片側の面に第1のフッ素系樹脂層F1、他の面に第2のフッ素系樹脂層F2を有する樹脂フィルムAとなる。また、基材Bとして金属箔を用いる場合、第3の積層体は、そのまま金属層の片面に樹脂フィルムAからなる絶縁樹脂層を有する片面金属張積層板となる。さらに、第3の積層体は、基材Bとして金属箔を用いるとともに、樹脂フィルムAの基材Bとは反対側の面に金属層を形成することによって、両面金属張積層板とすることも可能である。
本発明の一実施の形態の金属張積層板は、上記樹脂フィルムAと、樹脂フィルムAにおけるフッ素系樹脂層の面に積層された金属層と、を備えている。この場合、樹脂フィルムAは、ポリイミド絶縁層Pの両側にフッ素系樹脂層(第1のフッ素系樹脂層F1又は第2のフッ素系樹脂層F2)を有する図1に示すような構成でもよいし、ポリイミド絶縁層Pの片側にのみフッ素系樹脂層(第1のフッ素系樹脂層F1又は第2のフッ素系樹脂層F2)を有する構成でもよい(図示省略)。つまり、本実施の形態の金属張積層板は、片面金属張積層板でもよいし、両面金属張積層板でもよい。
図3は、本発明の一実施の形態の金属張積層板の構成を示す模式図である。本実施の形態の金属張積層板10Aは、
第1の金属層M1と、
第1の金属層M1の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層F10と、
第2の金属層M2と、
第2の金属層M2の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層F20と、
フッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20との間に介在する複数の樹脂層と、
を備えている。第1の金属層M1と第2の金属層M2は、それぞれ最も外側に位置し、それらの内側に接してフッ素系樹脂隣接層F10及びフッ素系樹脂隣接層F20が配置され、さらにフッ素系樹脂隣接層F10とフッ素系樹脂隣接層F20との間に、複数のポリイミド絶縁層Pとフッ素系樹脂中間層F30を含む複数の樹脂層が介在配置されている。ここで、フッ素系樹脂隣接層F10は、一つのポリイミド絶縁層Pに隣接しており、フッ素系樹脂隣接層F20は別のポリイミド絶縁層Pに接している。金属張積層板10Aは、一対の金属層(配線となる第1の金属層M1及び第2の金属層M2)に隣接する位置に、それぞれ、低誘電正接であるフッ素系樹脂隣接層F10又はフッ素系樹脂隣接層F20を設けているため、高周波信号伝送における伝送損失を効果的に抑えることができる。
なお、樹脂積層体40は、上記以外の任意の樹脂層を有していてもよいが、上記各機能を有する樹脂層のみによって形成されていることが好ましい。
比率(TPA/T40)を上記範囲内とすることによって、金属張積層板10A,10B,10Cを回路加工したときの寸法精度と機械的強度を維持しながら、高い透明性と高周波信号の伝送損失の低減を図ることができる。かかる観点から、比率(TPA/T40)は、50~90%の範囲内が好ましい。
フッ素系樹脂隣接層F10,F20の一層の厚みは、1~100μmの範囲内が好ましく、2~75μmの範囲内がより好ましい。
ポリイミド絶縁層Pの一層の厚みは、5~100μmの範囲内が好ましく、10~50μmの範囲内がより好ましい。
フッ素系樹脂中間層F30の一層の厚みは、1~150μmの範囲内が好ましく、2~100μmの範囲内がより好ましい。
樹脂積層体40の総厚みTは、50~300μmの範囲内が好ましく、75~200μmの範囲内がより好ましい。
第1の金属層M1及び第2の金属層M2の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する本実施の形態の回路基板における配線層の材質も第1の金属層M1及び第2の金属層M2と同様である。
金属張積層板10A,10B,10Cは、例えば、以下の方法A、方法B又はこれらを組み合わせた方法Cによって製造できる。
絶縁樹脂層として樹脂フィルムAを用いた金属張積層板や、金属張積層板10A,10B,10Cは、主にFPC、リジッド・フレックス回路基板などの回路基板材料として有用である。金属張積層板における金属層の片方又は両方を、常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPCなどの回路基板を製造できる。本実施の形態の回路基板は、図示は省略するが、絶縁樹脂層(樹脂フィルムAもしくは樹脂積層体40)と、この絶縁樹脂層の片側又は両側の面に設けられた配線層と、を備えており、絶縁樹脂層が高い透明性を有し、高周波伝送においても伝送損失の低減が可能で、かつ、寸法安定性に優れている。
樹脂フィルム(50mm×50mm)を、島津製作所社製のUV-3600分光光度計にて黄色度(YI)を測定した。
1)YI(黄色度)
JIS Z 8722に準拠して、下記式(1)で表される計算式に基づいて算出した。
YI=100×(1.2879X-1.0592Z)/Y ・・・(1)
X、Y及びZ:試験片の三刺激値
樹脂フィルム(3mm×15mm)を、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら10℃/minの昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、次いで降温し、降温時における250℃から100℃までの樹脂フィルムの伸び量(線膨張)から熱膨張係数を測定した。
樹脂フィルム(50mm×50mm)を、日本電色工業社製、商品名;HAZE METER NDH500にて、全光線透過率(T.T.)をJIS K 7136に準拠して測定した。金属張積層体の絶縁樹脂層については、片面金属箔又は両面金属箔のエッチングを行い樹脂フィルムとし、これを同様に測定した。
各実施例及び比較例で作成した銅張積層板の銅箔をエッチング除去して得た樹脂フィルムの比誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を、ベクトルネットワークアナライザ(Agilent社製、商品名;E8363C)ならびにスプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)を用いて、周波数10GHzで測定した。なお、測定に使用した樹脂フィルムは、温度;24~26℃、湿度;45~55%の条件下で、24時間放置したものである。
粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、合成例で得られたポリアミド酸溶液について25℃で測定した。
サンプルを約10mm角の大きさにカットし、試料台に両面テープで固定させ、軟X線を照射し、銅箔表面の静電気を除去した後、走査型プローブ顕微鏡(AFM、ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:Dimension Icon型SPM)を用い、以下の測定条件にて銅箔表面の十点平均荒さRz(RzJis)を測定した。測定条件は、下記のとおり。
測定モード;タッピングモード
測定エリア;1μm×1μm
スキャンスピード;1Hz
プローブ;Buruker製、RTESP-300
PFA:テトラフルオロエチレン―パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物
ODPA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
BAPS:ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
m-TB:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
ポリアミド酸溶液A~Iを合成するため、窒素気流下で、200mlのセパラブルフラスコの中に、表1で示した固形分濃度となるように溶剤のDMAcを加え、表1に示したジアミン成分及び酸無水物成分を攪拌しながら45℃、2時間加熱し溶解させた。その後、溶液を室温で2日間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸の粘稠な溶液A~Iを調製した。
銅箔1(電解銅箔、福田金属箔粉工業社製、商品名;CF-T9DA-SV-12、厚み;12μm、Rzjis;0.8μm)の上に、PFA微粒子1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000パウダー、D50;3μm、最大粒子径;10μm)が30重量%分散したDMAc溶液を最終的な厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Aの希釈溶液(粘度;13700cP)を硬化後の厚みが30μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Aを形成した。更に、ポリイミド層Aの上に、PFA微粒子1が30重量%分散したDMAc溶液を最終的な厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層A/PFA層からなる厚みが60μmの絶縁樹脂層1を形成し、金属張積層体1を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000ディスパージョン、D50;3μm、最大粒子径;10μm、50重量%分散したDMAc溶液;以下同様である)を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成した。更に、ポリイミド層Bの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層B/PFA層からなる厚みが25μmの絶縁樹脂層2を形成し、金属張積層体2を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Cの希釈溶液(粘度;23000cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Cを形成した。更に、ポリイミド層Cの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層C/PFA層からなる厚みが12μmの絶縁樹脂層3を形成し、金属張積層体3を調製した。
基材フィルム1(ポリイミドフィルム、宇部興産株式会社製、商品名;ユーピレックス75S、厚み75μm)上にポリアミド酸溶液Aの希釈溶液(粘度;13700cP)を硬化後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Aを形成し、基材フィルム1からポリイミド層Aを剥離し、ポリイミドフィルムAを調製した。
銅箔1の上に、PFAフィルム1(AGC社製、商品名;Fluon+TM EA‐2000フィルム、厚み:25μm)、ポリイミドフィルムA、PFAフィルム1(厚み:25μm)、銅箔1を順に積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板4を調製した。
銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液Dの希釈溶液(粘度;3200cP)を硬化後の厚みが1.0μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し、溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが8μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Eの希釈溶液(粘度;1700cP)を硬化後の厚みが1.0μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸層を形成した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を30分かけて行い、イミド化を完結し、ポリイミド層D/ポリイミド層B/ポリイミド層Eからなる厚みが10μmのポリイミド層5を形成し、金属張積層体5を調製した。
得られた金属張積層体5の銅箔1を、塩化第二鉄水溶液を用いて、エッチング除去して、ポリイミドフィルム5を調製した。
次に、銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した金属積層フィルム5を調製した。
得られた金属積層フィルム5のPFAフィルムの上にポリイミドフィルム5を、その上にポリイミドにPFAフィルムが接するように金属積層フィルム5を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板5を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Fの希釈溶液(粘度;18400cP)を硬化後の厚みが20μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Fを形成した。更に、ポリイミド層Fの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、第2のPFAフィルムを形成した。次に、第2のPFAフィルム上にポリアミド酸溶液Fの希釈溶液(粘度;18400cP)を硬化後の厚みが20μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Fを形成した。更に、ポリイミド層Fの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが5μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層F/PFA層/ポリイミド層F/PFA層からなる厚みが55μmの絶縁樹脂層6を形成し、金属張積層体6を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Cの希釈溶液(粘度;23000cP)を硬化後の厚みが21μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Cを形成した。更に、ポリイミド層Cの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが2μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層C/PFA層からなる厚みが25μmの絶縁樹脂層7を形成し、金属張積層体7を調製した。
得られた金属張積層体7を銅箔1が最外層に位置するように2枚重ね合わせ、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板7を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが15μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成し、金属張積層体8を調製した。
得られた金属張積層体8のポリイミドの上にPFAフィルム1(厚み:25μm)を置き、更にその上に銅箔1が最外層に位置するように金属張積層体8を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板8を調製した。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Bの希釈溶液(粘度;17300cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Bを形成した。更に、ポリイミド層Bの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが1μmとなるように均一に塗布した後、90℃で1分、120℃で1分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で1分30秒加熱し、PFA層/ポリイミド層B/PFA層からなる厚みが12μmの絶縁樹脂層9を形成し、金属張積層体9を調製した。
予め基材フィルム1の上にポリアミド酸溶液Gの希釈溶液(粘度;22400cP)を硬化後の厚みが10μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Gを形成し、基材フィルム1から剥離し調製したポリイミドフィルムGを準備し、金属張積層体9のPFA層の上にポリイミドフィルムGを、更にその上に銅箔1が最外層にくるように金属張積層体9を積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板9を得た。
銅箔1の上に、PFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、銅箔1上にPFAフィルムを形成した。次に、PFAフィルム上にポリアミド酸溶液Gの希釈溶液(粘度;22400cP)を硬化後の厚みが12.5μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Gを形成した。更に、ポリイミド層Gの上に、PFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミド層G/PFA層からなる厚みが24.5μmの絶縁樹脂層10を形成し、金属張積層体10を調製した。
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名;ユーピレックス25S、厚み25μm、全光線透過率;55%)の片面にPFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、ポリイミドフィルム上にPFAフィルムを形成した。
更に、ポリイミドフィルム面にPFA分散液1を最終的な厚みが6μmとなるように均一に塗布した後、90℃で3分、120℃で3分加熱乾燥し、溶媒を除去した後、320℃で3分加熱し、PFA層/ポリイミドフィルム/PFA層からなる厚みが37μmの樹脂フィルム11を調製した。
基材フィルム1の上にポリアミド酸溶液Hの希釈溶液(粘度;19000cP)を硬化後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した後、125℃で加熱乾燥し溶媒を除去した後、125℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、ポリイミド層Hを形成し、基材フィルム1からポリイミド層Hを剥離し、ポリイミドフィルムHを調製した。
銅箔1の上に、PFAフィルム1(厚み:25μm)、ポリイミドフィルムH、PFAフィルム1(厚み:25μm)、銅箔1を順に積層し、真空雰囲気の下320℃、7.5MPaで20分間加熱加圧を行い、両面金属張積層板12を調製した。
比較例3のポリアミド酸溶液Hをポリアミド酸溶液Iに変えた以外は比較例3と同様に両面金属張積層板13を調製した。
比較例3のポリアミド酸溶液Hをポリアミド酸溶液Gに変えた以外は比較例3と同様に両面金属張積層板14を調製した。
M1…第1の金属層、M2…第2の金属層、F1…第1のフッ素系樹脂層、F2…第2のフッ素系樹脂層、F10,F20…フッ素系樹脂隣接層、F30…フッ素系樹脂中間層、P…ポリイミド絶縁層
Claims (8)
- 複数層からなる積層構造を有する樹脂フィルムであって、
ポリイミド絶縁層と、
前記ポリイミド絶縁層の片面又は両面に積層されているフッ素系樹脂層と、
を備え、
前記ポリイミド絶縁層が単層又は複数のポリイミド層からなり、ポリイミド絶縁層全体の厚みに対して50%以上の厚みを有するポリイミド層(i)を構成するポリイミドが、フッ素原子を含む芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基及び/又はフッ素原子を含む芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基を含み、前記ポリイミド層(i)に含まれるフッ素原子の割合が、ポリイミド全体に対して10~40重量%の範囲内であり、
樹脂フィルム全体の厚みが34~150μmの範囲内であり、樹脂フィルム全体の厚みに対する前記ポリイミド絶縁層の厚みの比率が0.5~0.9の範囲内であるとともに、
下記の条件i)及び条件ii);
i) 前記樹脂フィルム全体の全光線透過率が80%以上であること、
ii) 前記樹脂フィルム全体の熱膨張係数が30ppm/K以下であること、
を満たすことを特徴とする樹脂フィルム。 - スプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)によって測定される樹脂フィルム全体の周波数10GHzにおける誘電正接が0.008以下である請求項1に記載の樹脂フィルム。
- 樹脂フィルム全体の厚みが50~150μmの範囲内である、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムにおけるフッ素系樹脂層の面に積層された金属層と、を備える金属張積層板。
- 第1の金属層と、
前記第1の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
第2の金属層と、
前記第2の金属層の片側に隣接して設けられているフッ素系樹脂隣接層と、
2つの前記フッ素系樹脂隣接層の間に介在する複数の樹脂層と、
を備え、
2つの前記フッ素系樹脂隣接層と前記複数の樹脂層とによって樹脂積層体が形成されており、
前記樹脂積層体は、
少なくとも2層以上のポリイミド層と、
前記ポリイミド層の間に積層されているフッ素系樹脂中間層と、
を有する請求項4に記載の金属張積層板。 - 請求項4又は5に記載の金属張積層板の前記金属層を配線加工してなる回路基板。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムを製造する方法であって、
基材上に、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて前記フッ素系樹脂層を形成する工程;
前記フッ素系樹脂層の上に、ポリイミドの前駆体溶液を塗布し、熱処理することによってイミド化し、前記ポリイミド層を形成する工程;
を含む樹脂フィルムの製造方法。 - さらに、
前記ポリイミド層の上に、さらに、フッ素系樹脂粒子を含有する溶液を塗布して熱処理することによって前記フッ素系樹脂粒子を融解させて2層目の前記フッ素系樹脂層を形成する工程、
を含む請求項7に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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