JP7697170B2 - 軟包装材用紙、および軟包装体 - Google Patents
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Description
このような風潮下において、包装体についても環境負荷の低減が望まれている。例えば、プラスチック製フィルムを用いた包装材の厚みを薄くする等の方法も考えられるが、このような薄い包装材は、包装体の形成工程等における取扱い性が低下し、熱圧着部での欠損や破れが発生しやすくなってしまう。また、樹脂の使用量は減少するものの、環境中に流出した場合に分解されずに半永久的に残存するという問題はそのままである。
1.紙基材と、少なくとも一方の最表面にヒートシール層を有し、
前記紙基材が、厚さ25μm以上100μm以下であり、MD方向のヤング率が3GPa以上15GPa以下であることを特徴とする軟包装材用紙。
2.前記紙基材の坪量が、20g/m2以上70g/m2以下であることを特徴とする1.に記載の軟包装材用紙。
3.前記紙基材の密度が、0.5g/cm3以上0.95g/cm3以下であることを特徴とする1.または2.に記載の軟包装材用紙。
4.被包装物が、1.~3.のいずれかに記載の軟包装材用紙からなる包装材に内包されていることを特徴とする軟包装体。
め、樹脂製フィルムと本発明の軟包装材用紙を切り替えて、素材の異なる軟包装体を製造することが容易である。
本発明の軟包装材用紙は、紙を主体としているため樹脂材料の使用量を大幅に削減することができる。
軟包装材用紙は、紙基材と、少なくとも一方の最表面にヒートシール層を有する。
紙基材は、その少なくとも一方の面にヒートシール層が形成される基材である。紙基材は、主としてパルプからなるシートであり、パルプ、填料、各種助剤等を含む紙料を抄紙して得られた原紙をそのまま、または、原紙の少なくとも一面上に、目止め層、インク受容層、耐水層、耐油層、水蒸気バリア層、ガスバリア層等の機能層を1層または2層以上形成したもの等を用いることができる。
本発明で使用する紙基材は、厚さ25μm以上100μm以下である。紙基材の厚さは、JIS P8118:2014に準拠して測定される。
紙基材の厚さが25μm以上100μm以下であることにより、従来のプラスチック製フィルムを用いる製袋機に通すことが容易である。紙基材の厚さは、30μm以上であることが好ましく、35μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることがさらに好ましく、また、90μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、70μm以下であることがさらに好ましい。
なお、KES法とは、Kawabata Evaluation Systemの略称であり、不織布や布帛等の柔軟なものの物性を測定するための方法の一つである。KES法による曲げ剛性B、曲げのヒステリシス2HBは、例えば、カトーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機KES-FB2-Sにより測定することができる。
なお、紙基材の他面(裏面)は、その上にヒートシール層等が積層されるため、平滑度(王研式)の値は特に制限されない。ただし、他面上に積層される層との密着性が向上するため、紙基材の他面の平滑度(王研式)は、紙基材の露出している面の平滑度(王研式)よりも小さい(面が荒い)ことが好ましく、具体的には、平滑度(王研式)の値が30秒以上小さいことが好ましい。
パルプのろ水度(カナダ式標準ろ水度:CSF)は、紙基材の強度等の点から、600ml以下であることが好ましく、550ml以下であることがより好ましく、500ml以下であることがさらに好ましい。
原紙の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
ヒートシール層とは、ヒートシール適性を付与する層であり、具体的には、加熱・加圧することで接着対象に接着することができる層である。本発明の軟包装材用紙は、ヒートシール適性を有することにより、軟包装材への成形や形状の維持、密封性の確保などが容易となる。
ヒートシール層が含む熱可塑性樹脂は特に制限されず、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、スチレン-アクリル酸エステル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、エチレン-アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等のヒートシール用途に用いられる熱可塑性樹脂を特に制限することなく使用することができる。これらの中で、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、スチレン-アクリル酸エステル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、エチレン-アクリル系樹脂が、ヒートシール強度の点から好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)等の生分解性樹脂が、ゴミとして流出した場合の環境負荷軽減の点から好ましい。
ヒートシール層は、アンチブロッキング剤、シランカップリング剤等の添加剤を含むことができる。アンチブロッキング剤としては、顔料、ワックス、金属石鹸等を特に制限することなく使用することができる。ただし、本発明の軟包装材用紙において、コストの点から、ヒートシール層は添加剤を含まないことが好ましい。
ヒートシール層がラミネート層である場合、ヒートシール層の厚さは、20μm以上100μm以下であることが好ましい。厚さが20μm未満では、ヒートシール性を確保できない場合がある。また、厚さが100μmを超えるとコストの観点から好ましくない。
塗工系としては、水等の溶媒を使用した水系塗工、有機溶剤等の溶媒を使用した溶剤系塗工のいずれでもよいが、安全衛生上の観点から水系塗工であることが好ましい。水系塗工する場合、熱可塑性樹脂としては、水分散性樹脂、または水溶性樹脂を用いるため、ヒートシール層は、水分散性樹脂または水溶性樹脂の塗工層であることが好ましい。
ヒートシール層がラミネート層である場合、その形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の各種方法を適宜使用して積層することができる。
本発明の軟包装体は、上記した本発明である軟包装材用紙からなる包装材に、被包装物が内包されている。
軟包装体の形状は特に制限されず、縦ピロー包装袋、横ピロー包装袋、サイドシール袋、二方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、底ガゼット袋、スタンド袋等とすることができる。本発明の軟包装体は、包装材が紙を主体としているため、従来の樹脂製の包装材を用いたものと比較して破りやすく、どこからでも容易に破くことができる。
また、本発明の軟包装材用紙は、従来の樹脂製フィルムを用いる包装機械に、製造条件をほとんど変更することなく樹脂製フィルムに代えて流すことができる。本発明の軟包装体は、従来の製造機械をそのまま用いて製造することができるため、新たな設備が不要である。
パルプ原料として、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:500ml)80重量部と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF530ml)20重量部使用した。この混合パルプ100重量部に対して、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を0.1重量部(対パルプ乾燥重量)、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.35重量部、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を0.15重量部、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を0.08重量部配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造して、ヤンキードライヤーによって湿紙を乾燥して、紙基材(原紙)を得た。得られた紙基材の平滑度(王研式)は表面83秒、裏面10秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:460ml)50重量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:300ml)50重量部を使用した。この混合パルプ100重量部に対して、苛性ソーダで活性化処理を行ったポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(WS4010、星光PMC製湿潤紙力増強剤)を0.9重量部(対パルプ乾燥重量)、ポリアクリルアミド(乾燥紙力増強剤)を0.3重量部、硫酸アルミニウム、サイズ剤を配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造して、ヤンキードライヤーによって湿紙を乾燥して、紙基材を得た。得られた紙基材の平滑度(王研式)は表面197秒、裏面9秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:40ml)60重量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:40ml)40重量部を使用した混合パルプを原料とし、長網抄紙機で坪量30.0g/m2の基紙を抄造し、オンマシン2ロールサイズプレスを使用して、変性PVA(RS4104(クラレ) 含有量1.0g/m2)及び湿潤紙力剤(WS-4020(星光PMC) 含有量0.05g/m2)を含有させ、ドライヤー乾燥を行って水分8.0%の基紙を得た。その後、この基紙に水分を付与して水分15.0%の湿紙とし、温度130℃、線圧250kg/cmの条件でスーパーカレンダー処理し、紙基材を得た。得られた紙基材の平滑度(王研式)は表面1234秒、裏面1085秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
パルプ原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、CSF:500ml)50重量部と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、CSF:350ml)50重量部を使用した。この混合パルプ100重量部に対して、苛性ソーダで活性化処理を行ったポリアミンエピクロルヒドリン樹脂(WS4010、星光PMC製湿潤紙力増強剤)を0.9重量部(対パルプ乾燥重量)、ポリアクリルアミド(乾燥紙力増強剤)を0.3重量部、硫酸アルミニウム、サイズ剤を配合した紙料を調成した。抄紙機を用いてこの紙料から湿紙を抄造して、ヤンキードライヤーによって湿紙を乾燥して、紙基材を得た。得られた紙基材の平滑度(王研式)は表面299秒、裏面10秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX、平均粒子径9.0μm、アスペクト比80-100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2%)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のカオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製、PNT7868)を200部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の水蒸気バリア層用塗工液を得た。
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)水溶液を固形分濃度10%となるよう調製し、ガスバリア層用塗工液を得た。
この紙基材の機能層側の表面に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
市販のクラフト紙(新東海製紙株式会社)を紙基材とした。この紙基材の平滑度(王研式)は表面14秒、裏面4秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
「比較例2」
市販のグラシン紙(日本製紙パピリア株式会社)を紙基材とした。この紙基材の平滑度(王研式)は表面1756秒、裏面1424秒であった。
この紙基材上に、押出しラミネートにより、厚さ25μmの低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を設け、軟包装材用紙を得た。
・平滑度(王研式)
紙基材のヒートシール層を設ける面とは反対側の面(表面)、およびヒートシール層を設ける面(裏面)について、JIS P8155に準拠して、デジタル型王研式透気度平滑度試験機(旭精工株式会社製)を用いて測定した。
・突き刺し強度
軟包装材用紙の紙基材側から、JIS Z1707:2019 7.5突刺し強さ試験に準拠して、IMADA社テクスチャーアナライザーにて測定した。
・ヤング率
JIS P8113:2006、第二部定速伸張法に準拠して、L&W引張試験器にて測定した。
・KES法によるB、2HB
トーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機KES-FB2-Sを用いて、試験片100mm×100mm、曲げスピード0.5cm-1/sec、最大曲率2.5cm-1の条件にて測定した。
得られた軟包装材用紙を幅250mmに裁断してロール状に巻回した。これを横ピロー包装機(大森機械工業社、S-5000X BX)、製品ダミー幅75mm×長さ75mm×高さ28mm(重さ45g)を用いて、製袋器間口の幅80~85mm×高さ35mmに設定し、カットピッチ150mm、回転数60cpmの条件で横ピロー袋を1000個作成し、下記基準で評価した。また、センターシール温度140℃、トップシール温度110℃とした。なお、軟包装材用紙が破断したものは、その時点で製造を中止した。
OK:製造中に軟包装材用紙が破断しない。
NG:製造中に軟包装材用紙が破断する。
・搬送性
OK:所定のとおりに軟包装材用紙を搬送することができる。
NG:軟包装材用紙の搬送にズレが生じる。
・縦方向寸法安定性(N=30)
1:縦方向の寸法が、いずれも設計から±3%未満。
2:縦方向の寸法が、いずれも設計から±5%未満。
3:縦方向の寸法が設計から5%以上乖離したものが1個以上。
実施例1~5で得られた軟包装材用紙は、破断することなく、所定の通りに搬送することができた。また、得られた横ピロー袋は、縦方向の寸法安定性にも優れていた。
それに対し、比較例1で得られた軟包装材用紙は、製造途中に破断が生じたため、横ピロー袋の製造を途中で打ち切った。また、破断するまでに製造された横ピロー袋を検査したところ、縦方向の寸法が短く、設計寸法よりも縮んでいた。これは、紙基材のヤング率が2.81GPaと小さいため、製袋機で縦方向に伸びた状態で搬送され、テンションが加わらなくなると縮んだものと推測される。比較例2の軟包装材用紙は、150mm間隔で裁断されたものの縦方向寸法安定性は良好であったが、製袋機での搬送不良が生じ、縦方向に150mm間隔で裁断されないものが発生した。これは、紙基材のヤング率が15.1GPaと大きいため、テンションを強くかけられず搬送不良が生じたためであると推測される。
Claims (9)
- 紙基材と、少なくとも一方の最表面にヒートシール層を有し、
前記紙基材が、厚さ30μm以上100μm以下であり、MD方向のヤング率が5GPa以上12.8GPa以下、KES法によるMD方向の曲げ剛性Bが0.10g・cm 2 /cm以上0.80g・cm 2 /cm以下であることを特徴とする軟包装材用紙(ただし、芯鞘構造繊維を含むものを除く)。 - 前記紙基材の坪量が、20g/m2以上70g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 前記紙基材の密度が、0.5g/cm3以上0.95g/cm3以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 前記紙基材が、原紙の少なくとも一面上に、目止め層、インク受容層、耐水層、耐油層、水蒸気バリア層、ガスバリア層から選ばれる機能層を備える請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 前記ヒートシール層が塗工層であり、乾燥重量が片面あたり3g/m 2 以上20g/m 2 以下である請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 前記ヒートシール層が、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、スチレン-アクリル酸エステル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、エチレン-アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)から選ばれる熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の軟包装材用紙。
- KES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが0.01g・cm/cm以上1.2g・cm/cm以下である請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 軟包装材用紙の一面に紙基材が露出しており、紙基材の露出している面の平滑度(王研式)が50秒以上700秒以下である請求項1に記載の軟包装材用紙。
- 被包装物が、請求項1~8のいずれかに記載の軟包装材用紙からなる包装材に内包されていることを特徴とする軟包装体。
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