JP7697239B2 - エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 - Google Patents
エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 Download PDFInfo
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Description
下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)または、下記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
X1は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
R1は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。R1が複数ある場合は、それぞれのR1は同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
mは、X1の価数を表す。
nは、0からm未満の整数を表す。
R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R2、R3、およびR4は、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
X2は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
lは、X2の価数を表す。]
R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R5、R6、およびR7は、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
X3は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる原子を表す。
oは、X3の価数を表す。]
本発明の第3の発明によれば、前記工程(ロ)において前記有機化合物(e)の使用量が、前記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対するモル比として0.01~0.5であることを特徴とする、第1または2の発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第5の発明によれば、前記アルモキサン系化合物(c)が、メチルアルミニウム構造およびメチルアルミニウム構造以外のアルキルアルミニウム構造を有することを特徴とする、第1~4のいずれかの発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1~6の発明のいずれかに記載のエチレン重合用触媒の製造方法から得られることを特徴とする、エチレン重合用触媒が提供される。
本発明の第9の発明によれば、第1~6の発明のいずれかに記載のエチレン重合用触媒製造方法を含むことを特徴とする、エチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の製造方法により製造されるエチレン重合用触媒存在下、重合されるエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体は、アルモキサン系化合物を用いなかった場合とほぼ同レベルの密度を有することため,成形性、剛性(密度)と耐久性とのバランスに優れると考えられる。
なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.無機酸化物担体(a)
本発明に係る無機酸化物担体(a)としては、周期表第2、4、13又は14族の金属の酸化物を用いることができる。具体的には、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、マグネシア、トリア、シリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア又はこれらの混合物が挙げられ,その中でも好ましくは,シリカである。
本発明に係る無機酸化物に適する担体の製法、物理的性質及び特徴は、例えば、以下の文献に記載されているものが挙げられる。
(i)C.E.Marsden著,Preparation of Catalysts,Volume V,215頁,1991年,Elsevier Science Publishers
(ii)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
また、本発明に係る無機酸化物担体(a)の平均粒径としては、好ましくは10μm~200μm、より好ましくは20μm~150μm、さらに好ましくは30μm~100μmの範囲のものが用いられる。
本発明に係るクロム化合物(b)としては、無機酸化物担体(a)に担持後に非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも一部のクロム原子が6価となる化合物が好ましく、酸化クロム、クロムのハロゲン化物、クロムのオキシハロゲン化物、クロム酸塩、重クロム酸塩、クロムの硝酸塩、クロムのカルボン酸塩、クロムの硫酸塩、クロム-1,3-ジケト化合物、クロム酸エステル等が挙げられる。
本発明に係るクロム触媒(A)は、前記無機酸化物担体(a)に前記クロム化合物(b)が担持された触媒である。
クロム触媒(A)は、少なくとも一部のクロム原子が6価のクロム触媒であることが好ましく、一般にフィリップス触媒と呼ばれる触媒に分類される。
松浦一雄・三上尚孝編著「ポリエチレン技術読本」81頁 2001年 工業調査会、M.P.McDaniel; Advances in Catalysis Vol.33p.47(1985)Academic Press Inc.、M.P.McDaniel「Handbook of Heterogeneous Catalysis」p.2400(1997)VCH、M.B.Welch etal.「Handbook of Polyolefins Synthesis and Properties」p.21(1993)Marcel Dekkerなどの文献に、この触媒の概要が記載されている。クロム触媒(A)は、一般的には、前記無機酸化物担体(a)と、前記クロム化合物(b)とを混合し、非還元性雰囲気で焼成活性化(賦活)して製造される。
本発明に係るトリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)は、分子中に、Al-O-Al結合を有し、その結合数は通常1~100、好ましくは1~50個の範囲にある。このようなアルモキサン系化合物は通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)の調製に用いるトリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれも使用することができる。
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムから調製されるものは修飾メチルアルモキサン(MMAO)ともよばれる。なお、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムとの使用割合は、適宜選択することができる。好ましくは、トリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウム/トリメチルアルミニウム(モル比)が1/9~9/1である。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)としては、高活性化の観点からトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンがさらに好ましい。
本発明に係る水酸基を有する無機固体成分(d)としては、水酸基を有している無機固体であればよく、その中でも無機酸化物、粘土および粘土鉱物が挙げられる。これら複数の成分を混合して用いてもかまわない。無機酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、トリアおよびシリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシアが挙げられる。粘土または粘土鉱物としては、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような粘土または粘土鉱物が挙げられる。具体的には、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群などを挙げることができる。これらの中で好ましくは、無機酸化物である。
本発明に係る水酸基を有する無機固体成分(d)は、加熱により乾燥させ、水分が十分に除去されていることが好ましい。加熱温度は好ましくは100℃~1500℃、より好ましくは200℃~800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは1時間~100時間、より好ましくは3時間~30時間である。加熱処理後の無機固体成分(d)が含有する水酸基の量は、好ましくは0.1mmol-OH/g~10mmol-OH/g、より好ましくは0.5mmol-OH/g~5.0mmol-OH/g、さらに好ましくは1.0mmol-OH/g~3.0mmol-OH/gである。
本発明に係る有機化合物(e)としては,以下の一般式(I),(II)または(III)で表される化合物を挙げることができる。これらは,活性水素を有する化合物または配位性化合物である。
X1は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
R1は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。R1が複数ある場合は、それぞれのR1は同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
mは、X1の価数を表す。
nは、0からm未満の整数を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、n-ペンタコシル基、n-トリアコンチル基などがあげられる。好ましくは炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、n-オクチルフェニル基、n-デシルフェニル基、n-ドデシルフェニル基、n-テトラデシルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基およびフェナントリル基などが挙られる。好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基などが挙げられる。
アルコール化合物の具体例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、4-フルオロ-1-ブタノール、4,4-ジフルオロ-1-ブタノール、4,4,4-トリフルオロ-1-ブタノール、4-クロロ-1-ブタノール、4-ブロモ-1-ブタノール、4-ヨード-1-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールであり、より好ましくは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノールである。
エーテル化合物の具体例としては、メチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、n-ペンチルエーテル、n-へキシルエーテル、n-ヘプタエーテル、n-ペンタエーテル、n-オクタエーテル、n-デカエーテル、シクロヘキシルエーテル、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、テトラヒドロフラン、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ピラン、ベンゾピラン、ジベンゾピラン、スピロピランなどが挙げられる。
チオエーテル化合物の具体例としては、上記エーテル化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。具体的には、メチルチオエーテル、エチルメチルチオエーテル、エチルチオエーテル、n-プロピルチオエーテル、n-ブチルチオエーテル、n-ペンチルチオエーテル、n-へキシルチオエーテル、n-ヘプタチオエーテル、n-ペンタチオエーテル、n-オクタチオエーテル、n-デカチオエーテル、シクロヘキシルチオエーテル、フェニルチオエーテル、ベンジルチオエーテルなどが挙げられる。また、これらのチオエーテル化合物加えて、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、チオピラン、チアントレンなどが挙げられる。
チオカルボン酸化合物の具体例としては、上記カルボン酸の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオカルボン酸化合物は、上記カルボン酸の接頭語としてチオを付け加えることによって表される化合物である。
チオエステル化合物の具体例としては、上記エステル化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオエステル化合物は、上記エステルの接頭語としてチオを付け加えることによって表される化合物である。
R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R2、R3、およびR4は、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
X2は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
lは、X2の価数を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基などが挙げられる。この中でも好ましくは、炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。この中でも好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
有機シラノール化合物の具体的としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリ(n-プロピル)シラノール、トリ(イソプロピル)シラノール、トリ(n-ブチル)シラノール、トリ(sec-ブチル)シラノール、トリ(tert-ブチル)シラノール、トリ(イソブチル)シラノール、トリ(n-ペンチル)シラノール、トリ(ネオペンチル)シラノール、トリ(イソペンチル)シラノール、トリ(n-ヘキシル)シラノール、トリ(n-オクチル)シラノール、トリ(n-デシル)シラノール、トリ(n-ドデシル)シラノール、トリ(n-ペンタデシル)シラノール、トリ(シクロへキシル)シラノール、トリフェニルシラノール、エチルジメチルシラノール、イソブチルジメチルシラノール、フェニルジメチルシラノール、フェニルエチルメチルシラノール、フェニルイソブチルメチルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノールなどが挙げられる。
有機シリルアミン化合物の具体例としては、上記有機シラノール化合物の酸素原子を窒素原子に変更した化合物が挙げられる。これらの有機シリルアミン化合物は、上記有機シラノール化合物中のシラノールをシリルアミンに置き換えることによって表される化合物である。
有機シリルホスフィン化合物の具体例としては、上記有機シラノール化合物の酸素原子をリン原子に変更した化合物が挙げられる。これらの有機シリルホスフィン化合物は、上記有機シラノール化合物中のシラノールをシリルホスフィンに置き換えることによって表される化合物である。
R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R5、R6、およびR7は、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
X3は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる原子を表す。
oは、X3の価数を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、n-ペンタコシル基、n-トリアコンチル基などがあげられる。この中でも好ましくは、炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、n-オクチルフェニル基、n-デシルフェニル基、n-ドデシルフェニル基、n-テトラデシルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基およびフェナントリル基などが挙られる。この中でも好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基などが挙げられる。
アルデヒド化合物の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール 、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール 、デカナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどが挙げられる。
チオアルデヒド化合物の具体例としては、チオホルムアルデヒド、チオアセトアミド、プロパンチアール、ブタンチアール、ペンタンチアール、ヘキサンチアール、ヘプタンチアール、オクタンチアール、ノナンチアール、デカンチアール、チオベンズアルデヒド、チオフェニルアセトアルデヒド、ベンゼンエタンチナールなどが挙げられる。
ケトン化合物の具体例としては、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジsec-ブチルケトン、ジtert-ブチルケトン、ペンチルケトン、ヘキシルケトン、へプチルケトン、ジオクチルケトン、ジデシルケトン、ジノニルケトン、ジデシルケトン、ジドデシルケトン、ジトリデシルケトン、ジテトラデシルケトン、ジペンタデシルケトン、ジシクロヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオケトン化合物の具体例としては、上記ケトン化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオケトン化合物は、上記ケトン化合物中のケトンをチオケトンに置き換えることによって表される化合物である。
イミン化合物の具体例としては、2-プロパンイミン、メチルイソプロピリデンアミン、フェニルイソプロピリデンアミン、2-ブタンイミン、3-プロパンイミン、3-ペンタイミン、シクロペンタンイミン、シクロヘキサンイミン、N-シクロヘキシリデンメタンアミン、N-シクロヘキシリデンベンゼンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-ベンジリデンメタンアミン、N-ベンジリデンベンゼンアミンなどが挙げられる。
本発明に係るアルモキサン系化合物変性組成物(B)は、前記アルモキサン系化合物(c)と、前記水酸基を有する無機固体成分(d)または、前記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合し得られる。
(1)アルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)との混合により得られるアルモキサン系化合物変性組成物(B)
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)は、[I]4.で述べたようにトリアルキルアルミニウムを含んでいる。このトリアルキルアルミニウムは、不活性炭化水素等の溶媒中、無機固体成分(d)と混合すると無機固体成分(d)の水酸基と反応して無機固体成分に担持されると考えられる。例として、アルモキサン系化合物(c)にトリメチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムを用いて調製された修飾メチルアルモキサン(MMAO)と、無機固体成分(d)にシリカを用いた場合に考えられる反応をScheme1に示した。Scheme1中に示す[-(Me)Al-O-]x中、「-(Me)Al-」はアルミニウム原子(Al)にメチル基(Me)が結合したメチルアルミニウム構造を表している。本明細書において、このようなアルミニウム原子にアルキル基(Ra)が結合した構造(「-(Ra)Al-」)をアルキルアルミニウム構造と定義する。反応後は、溶液とトリアルキルアルミニウム成分が担持した無機固体成分をデカント等で分離することで、トリアルキルアルミニウムが除去されたアルモキサン系化合物変性組成物(B)の溶液が提供されると考えられる。
アルモキサン系化合物に含まれるトリアルキルアルミニウムは、不活性炭化水素溶媒等の溶媒中,有機化合物(e)の活性水素と反応しまたは有機化合物(e)に配位して反応性が低下すると考えられる。そのため、有機化合物(e)の活性水素と反応したトリアルキルアルミニウム反応物または有機化合物(e)に配位したトリアルキルアルミニウム配位化合物は、溶液中に存在したとしても重合活性点形成や重合反応に影響しないと考えられる。
例として、アルモキサン系化合物にMMAOを、有機化合物(e)に2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノールを用いた場合の反応をScheme2に示した。
本発明のエチレン重合用触媒の製造方法は、以下の(イ)~(ハ)の工程を有している。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)または、前記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
無機酸化物担体(a)としてシリカを,クロム化合物(b)として酢酸クロムを用いて無機酸化物担体表面にクロム化合物を担持した後、焼成活性化することによりシリカ表面で起きる反応を下記Scheme3に示した。
シリカと酢酸クロム(水溶液)とを混合するとシリカ中のシラノール基と酢酸クロムが反応し、シリカ上に酢酸クロムが担持される。これを焼成活性化することにより、有機物由来の構造(酢酸構造)は焼却除去され、クロム酸エステル構造が形成される。その後,このクロム酸エステル体とエチレンとを混合すると、クロム酸エステル構造がエチレンによって還元され,重合活性前駆体1が形成される。この還元に要する時間(クロム酸エステル体から重合活性前駆体1が生成するまでの時間)を誘導時間という。このようにクロム化合物を無機酸化物担体上へ担持後、還元反応により重合活性前駆体1になることで、エチレンの重合が開始されると考えられる。
(1)無機酸化物担体(a)へのクロム化合物(b)の担持
本発明に係る工程(イ)は、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程である。無機酸化物担体(a)へのクロム化合物(b)の担持は、クロム化合物中の少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持されることが好ましく、これを達成できれば特に限定されず、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いればよい。担持するクロム化合物の量は、クロム原子として担体に対して、好ましくは0.2~2.0重量%、より好ましくは0.3~1.7重量%、さらに好ましくは0.5~1.5重量%である。
フッ素化合物の含有方法(フッ素化)は、溶媒中でフッ素化合物溶液を含浸させた後、溶媒を留去する方法、あるいは溶媒を用いずにフッ素化合物を昇華させる方法等、公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって、適宜好適な方法を用いればよい。無機酸化物担体にクロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させてもよいし、フッ素化合物を含有させてからクロム化合物を担持してもよいが、クロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させる方が好ましい。
フッ素化合物の含有量は、フッ素原子の含有量として、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.3~8重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%である。
これらを、水又はアルコール等の有機溶媒に溶解させた後、クロム触媒に含浸させるのが均一性の観点から好ましいが、固体のままクロム触媒と混合するだけでもよい。溶解して含浸させる場合は、表面張力による細孔体積の縮小(shrinkage)を抑えるために、アルコール等の有機溶媒を用いるのがより好ましい。また、溶媒を用いた場合は、風乾、真空乾燥、スプレードライ等、既知の方法によって、溶媒を飛ばして乾燥させる。
(NH4)2SiF6 → 2NH3 + 2HF + SiF4
Si-OH + HF → Si-F + H2O
Si-OH + SiF4 → Si-O-SiF3 + HF
2Si-OH + SiF4 → (Si-O)2SiF2 + 2HF
無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持した後、場合によっては、さらにフッ素化合物を担持した後、焼成活性化を行い、クロム触媒(A)を得る。焼成活性化は、好ましくは300℃~950℃、より好ましくは325℃~800℃、さらに好ましくは350℃~650℃の温度で行う。焼成活性化を300℃~950℃の範囲で行うと、触媒は重合活性の観点で良好な性能を示すと考えられる。焼成活性化は、水分を実質的に含まない非還元性雰囲気、例えば、酸素又は空気下で行うことができる。この際、不活性ガスを共存させてもよい。好ましくは、モレキュラーシーブス等を流通させ十分に乾燥した空気を用い、流動状態下で行う焼成活性化により無機酸化物担体に担持されたクロム化合物のクロム原子が少なくとも一部は6価に酸化されて担体上に化学的に固定される。
(1)アルモキサン系化合物(c)と水酸基を有する無機固体成分(d)の混合
トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)に、水酸基を有する無機固体成分(d)を不活性炭化水素溶媒中で混合し,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。ここでは,上記[I]7.(1)で述べた反応が起こると考えられる。
トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される有機化合物(e)とを不活性炭化水素溶媒中で混合し,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。ここでは,上記[I]7.(2)で述べた反応が起こると考えられる。
上記工程(イ)で得られるクロム触媒(A)と、さらに、上記工程(ロ)で得られるアルモキサン系化合物変性組成物(B)とを、不活性炭化水素溶媒中で混合する。
また、混合時の温度は、好ましくは-20℃~150℃、より好ましくは-10℃~100℃、さらに好ましくは0℃~80℃であり、混合時間は、好ましくは5分~12時間、より好ましくは30分~10時間、さらに好ましくは1~8時間である。
本発明に係るエチレン重合用触媒の製造方法においては、工程(イ)におけるクロム化合物(b)の担持前、又はクロム化合物(b)の担持後であって焼成活性化前に、チタンテトライソプロポキシドのようなチタンアルコキシド類、ジルコニウムテトラブトキシドのようなジルコニウムアルコキシド類、アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド類といった金属アルコキシド類、有機金属化合物やケイフッ化アンモニウムのようなフッ素含有塩類等を添加して、エチレン重合活性、α-オレフィンとの共重合性や得られるポリエチレンの分子量、分子量分布を調節する公知の方法を併用してもよい。
これらの金属アルコキシド類又は有機金属化合物等は、非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は、燃焼し、チタニア、ジルコニア、アルミナのような金属酸化物に酸化されて触媒中に含まれる。また、フッ素含有塩類の場合は、無機酸化物担体がフッ素化される。これらの方法は、例えば、以下の文献に記載されている。
(i)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
(ii)T.Pullukatら著,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Volume 18, 2857頁,1980年
(iii)M.P.McDanielら著,J.Catal.,Volume 82,118頁,1983年
1.エチレン重合体の製造方法
本発明の製造方法により製造されるエチレン重合用触媒を用いることにより、成形性、剛性(密度)と耐久性とのバランスに優れるエチレン重合体を得ることができる。すなわち本発明の一態様は、上記方法で得られるエチレン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合、又はエチレンとα-オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレン重合体の製造方法にも関する。
液相重合法は、通常炭化水素溶媒中で行う。炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
また、気相重合法は、不活性ガス共存下にて、流動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用することができ、場合により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデンシングモードを採用することもできる。
本発明に係るエチレン重合用触媒の製造方法により得られたエチレン重合用触媒を用いることで、HLMFRが好ましくは0.1g/10分~200g/10分、より好ましくは0.5g/10分~80g/10分、密度が好ましくは0.900g/cm3~0.980g/cm3、より好ましくは0.920g/cm3~0.970g/cm3のエチレン重合体が得られる。得られるエチレン重合体は、耐衝撃性、耐久性が高く、バランスに優れるので、特にブロー成形製品、なかんずく大型ブロー成形製品で大きな効果を発揮する。さらに、他のポリエチレン樹脂と組成物を形成したときに、高い溶融張力を示す。ブロー成形製品用のエチレン重合体のHLMFRは、1g/10分~100g/10分、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体では、1g/10分~15g/10分である。ブロー成形製品用のエチレン重合体の密度は、0.935g/cm3~0.970g/cm3、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体での密度は、0.940g/cm3~0.955g/cm3の範囲であることが好ましい。
(I)各種測定方法
実施例及び比較例において、使用した測定方法は以下の通りである。
(i)物性測定のためのポリマー前処理:
添加剤として、BASFジャパン社製の酸化防止剤とリン系安定剤のブレンド物である「IRGANOX B225」を0.2重量%添加し、単軸押出機にて混練しペレタライズした。
(ii)ハイロードメルトフローレート(HLMFR):
JIS K7210(2004年版)の付属書A表1-条件Gに従い、試験温度190℃、公称荷重21.60kgにおける測定値をHLMFRとして示した。
(iii)密度
JIS K7112(2004年版)に従い、測定した。
(iv)ブチル分岐の求め方
ポリエチレン試料中のブチル分岐量(1/1000C;炭素1000個当たりに含まれるブチル分岐の数)は核磁気共鳴吸収法(NMR法)により算出した。
[試料調製と測定条件]
試料100mgをo-ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(C6D5Br)=2/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ溶解した。NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のAVANCE400型NMR装置を用いて行った。13C-NMR測定条件は試料の温度120℃、パルス角を45°、パルス間隔を2.76秒、積算回数を10240回、ブロードバンドデカップリング法で測定を実施した。化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
[算出法]
上記測定条件で得られる13C-NMRスペクトルを用い、炭素1000個あたりのブチル分岐量を以下の式より求めた。
ブチル分岐量= I(B4)×1000/I(total)
ここで、I(B4) 、I(total)は以下の式で示される量である。
I(B4)=(補正係数2B4×I23.2~23.4+補正係数4B4×I34.0~34.2)/2、
I(total)= 補正係数total×I10.0~50.0である。
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI23.2~23.4は23.2~23.4ppm間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。補正係数2B4、補正係数4B4、補正係数totalは、特開2019-144051号公報(請求項1または請求項2)に記載の方法で求めた値である。また、補正係数total×I10.0~50.0は、10.0~50ppmの間に検出した各シグナルの積分強度に、各補正係数を乗じて得られた強度の総和を意味する。
(II)実施例および比較例
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
水酸基を有する無機固体成分(d)としてGrace社製シリカ(SP9-496)を5.0g秤量し200℃で2時間加熱後さらに400Cで6時間加熱した(乾燥後のシリカ中のOH量は、1.6mmol-OH/g)。窒素雰囲気下で冷却し、1.6g分取した。そこに脱水ヘキサン20mLを加えてスラリーを調製した。このスラリーにアルモキサン系化合物(c)として東ソー・ファインケム社製MMAO-3A(トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを含み,全アルミニウム原子の濃度が1.5mol/L、ヘキサン溶液)を30mL加え、20℃で1時間攪拌した。その後、デカンテーションにより固体分を除去して上澄み液を30mL回収し、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得た(dMMAO溶液)。この反応においてアルモキサン系化合物に含まれるアルミニウム原子の量に対するシリカ中に含まれるOH基の量はモル比([OH]/[Al])で,0.057であった。なお,得られたdMMAO溶液中のアルミニウム濃度をICP測定により算出した結果、0.78mol/Lであった。
無機酸化物担体(a)としてシリカ10gを、クロム化合物(b)として酢酸クロム0.44gをエタノール50mlに溶解させた酢酸クロムエタノール溶液に添加し、10分間攪拌した後、エタノールを留去することによりクロム原子担持量が1.0重量%のクロム含有シリカを得た。このクロム含有シリカは、比表面積380m2/g、細孔体積1.55cm3/gであった。その後、このクロム含有シリカを、多孔板目皿付き、管径5cmの石英ガラス管に入れ、円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、線速3cm/s、500℃で18時間焼成活性化を行った。その結果,6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色のクロム触媒(A)が得られた。
予め窒素置換した100mLのフラスコに、上記(2)で得られたクロム触媒2.0gを入れ、そこに蒸留精製したヘキサン14mLを加えてスラリー化した。ここに,上記(1)で得られたアルモキサン系化合物変性組成物(B)であるdMMAO溶液を1.0mL(Al/Crモル比=2.0)を加え40℃で1時間撹拌した。撹拌終了後直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性(free flowing)の有機金属化合物担持クロム触媒(触媒-1)を得た。
充分に窒素置換した2.0Lのオートクレーブに上記(3)で得られた触媒-1を87.9mgおよびイソブタン0.7Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。次いでエチレンを圧入し、エチレン分圧を1.4MPaとなるように保ちながら、エチレン吸収量が40g/hr以上となった時点を重合開始とし,そこから52分間重合を行った。このとき,エチレン分圧が1.4MPaに到達後,エチレン吸収量が40g/hrとなるまでの時点を誘導時間とした。誘導時間は4分だった。重合は,内容ガスを系外に放出することにより停止した。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
ヘキサン10mLに有機化合物(e)として3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxytoluene(BHT)500mg(2.27mmol)を溶解し、そこに実施例1(1)で使用した東ソー・ファインケム社製MMAO-3Aを20mL加えて20℃で1時間攪拌した。このとき,MMAOに含まれるアルミニウム原子に対する有機化合物(e)の量はモル比で0.076であった。その結果,アルモキサン系化合物変性組成物(B)としてMMAO-BHT溶液が得られた。得られた溶液をアルミニウム原子の濃度が1.0mol/LのMMAO-BHT溶液(濃度は反応前のMMAO-3をもとに、使用した溶媒で希釈された濃度として求めた)として使用した。
上記実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-2)の調製
上記実施例1(3)において、dMMAO溶液の代わりに上記(2)から得られたMMAO-BHT溶液を0.77mL(Al/Crモル比=2)用いた以外は、実施例1(3)と同様の操作を行い、クロム触媒(触媒-2)を得た。
(4)エチレン重合評価
実施例1(4)において,触媒-1の代わりに触媒-2を81.8mg,重合時間を58分とした以外は,実施例1(4)と同様に重合を行った。このとき,誘導時間は10分だった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
実施しなかった。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-2)の調製
実施しなかった。
(4)エチレン重合評価
上記実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を95.3mg使用し,実施例1(4)において,重合時間を56分とした以外は、実施例1(4)と同様の操作を行い、重合を行った。このときの誘導時間は33分であった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
実施しなかった。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-3)の調製
上記実施例1(3)において、dMMAOの代わりに実施例1(1)で使用した東ソー・ファインケム社製MMAO-3Aを0.51mL(Al/Crモル比=2)用いた以外は、実施例1(3)と同様の操作を行い、クロム触媒(触媒-3)を得た。
(4)エチレン重合評価
上記(3)から得られた触媒-3を91.1mg使用し,重合時間を56分とした以外は,上記実施例1(4)と同様の操作を行い、重合を行った。このときの誘導時間は2分であった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
Claims (6)
- 下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法であって、下記工程(ロ)において下記無機酸化物(d)の使用量が、下記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対する下記無機酸化物(d)に含まれる水酸基のモル比([OH]/[Al])として0.01~0.5であるエチレン重合用触媒の製造方法。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む少なくとも1種類のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有し、平均粒径が10μm~200μmであり、比表面積が100m 2 /g~900m 2 /gである無機酸化物(d)であって、水酸基量が0.1mmol-OH/g~10mmol-OH/gであるものとを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
- 下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法であって、下記工程(ロ)において下記有機化合物(e)の使用量が、下記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対するモル比として0.01~0.5であるエチレン重合用触媒の製造方法。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む少なくとも1種類のアルモキサン系化合物(c)と、下記一般式(I)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
[式(I)中、
X 1 は、酸素原子を表す。
R 1 は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。R 1 が複数ある場合は、それぞれのR 1 は同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
mは、X 1 の価数を表す。
nは、1を表す。 - 前記一般式(I)において前記R1における炭素数1~30の炭化水素基が、アリール基を有していることを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
- 前記アルモキサン系化合物(c)が、メチルアルミニウム構造およびメチルアルミニウム構造以外のアルキルアルミニウム構造を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
- 前記アルキルアルミニウム構造がイソブチルアルミニウム構造であることを特徴とする、請求項4に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法を含むことを特徴とする、エチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。
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