Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP7697239B2 - エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP7697239B2 - エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 - Google Patents

エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP7697239B2
JP7697239B2 JP2021047959A JP2021047959A JP7697239B2 JP 7697239 B2 JP7697239 B2 JP 7697239B2 JP 2021047959 A JP2021047959 A JP 2021047959A JP 2021047959 A JP2021047959 A JP 2021047959A JP 7697239 B2 JP7697239 B2 JP 7697239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
chromium
atom
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021047959A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022146800A (ja
Inventor
竜希 馬場
和弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyethylene Corp
Original Assignee
Japan Polyethylene Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyethylene Corp filed Critical Japan Polyethylene Corp
Priority to JP2021047959A priority Critical patent/JP7697239B2/ja
Publication of JP2022146800A publication Critical patent/JP2022146800A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7697239B2 publication Critical patent/JP7697239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

本発明は、エチレン重合用触媒の製造方法に関する。
液体物質の貯蔵または輸送に用いられる中空プラスチック成形品は、日常生活、産業分野で広く用いられている。特に自動車部品において、燃料タンクとして使用される中空プラスチック成形品は、従来の金属材料製の燃料タンクに取って代わりつつある。さらに、現在では、プラスチックが可燃性の液体、有害な物質等の燃料缶およびプラスチックボトル等の運搬容器の製造に最も多く使用されている材料である。プラスチック製の容器およびタンクは、金属材料製の場合に比べて、重量/体積比が低いので軽量化が可能であり、錆びなどの腐食が起こりにくく、耐衝撃性が良好であるという特長を有しており、ますます広い用途を獲得しつつある。
中空プラスチック成形品は、多くの場合に主として高密度ポリエチレン(HDPE)からブロー成形により得られている。また、ポリエチレンより得られるプラスチック自動車燃料タンクにおいて、特に課題となる要件について注意を払う必要がある。プラスチック燃料タンクは、自動車の安全性を確保するための重要な保安部品として分類されるので、機械的強度、耐久性、耐衝撃性に関して、特に高いレベルが要求されており、これらを十分高いレベルに向上させるための材料開発が望まれる。
従来、クロム化合物担持触媒を用いて重合されるエチレン重合体は、比較的分子量分布が広いことから、中空成形に好適なエチレン重合体として一般的に使用されている。クロム化合物担持触媒を用いて製造されるエチレン重合体自体は、溶融張力(メルトテンション:MT)、スウェル、耐ドローダウン性等の成形性や、剛性と耐久性のバランスの等の改善がなされている。さらには、組み合わせるエチレン重合体との相溶性や組成物としての成形性や物性バランスの向上が図られている。
エチレン重合体の物性を制御する方法として、例えば、特許文献1および特許文献2では、シリカ担体に担持したクロム触媒に、有機アルミニウム化合物を添加する方法により、幅広い分子量分布を有するエチレン重合体が得られ、成形性が改善されることが開示されている。また、特許文献3および特許文献4では、クロム化合物、有機マグネシウム化合物もしくはアルモキサン系化合物および有機アルミニウム化合物,または特定の有機アルミニウム化合物からなる触媒により、剛性と耐久性とのバランスに優れるエチレン重合体が得られることが開示されている。
アルモキサン系化合物を担持したクロム系触媒では、高い活性を示すクロム触媒を製造でき、なおかつ剛性に優れる高密度エチレン重合体を与えることができるが、アルモキサン系化合物の処理量の増加に伴い、エチレン重合体の副生分岐量が増加し、エチレン重合体の密度が低下する欠点がある(特許文献3)。
特許文献5では,特定の構造を有する無機酸化物担体に担持したクロム触媒を,アルモキサン系化合物および特定の有機アルミニウム化合物を順次又は同時に接触させて製造される、エチレン重合用触媒の存在下で得られたエチレン重合体を用いたポリエチレン組成物は、高い溶融張力を示すことが開示されている。しかしながら,触媒性能としては更なる改善が望まれている。
特許第5019710号公報 特許第5762672号公報 特開2012-144723号公報 特開2013-203983号公報 特開2018-168231号公報
本発明の目的は、従来のエチレン重合用触媒が有する問題点に鑑み、アルモキサン系化合物を用いたクロム触媒であって、重合体に含まれる副生分岐量を減少させることにより密度低下が抑制された重合体を製造でき、かつ、重合時の誘導時間が短縮された良好な生産効率の重合を行うことができるエチレン重合用触媒の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、クロム触媒に、特定の無機固体成分または有機化合物を混合して得られるアルモキサン系化合物変性組成物を組み合わせたエチレン重合用触媒を用いることにより、アルモキサン系化合物を用いても得られるエチレン重合体が、低い分岐量を維持することで密度低下が抑制され,かつ誘導時間が短縮された良好な生産効率の重合が進行することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)または、下記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
Figure 0007697239000001
[式(I)中、
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。Rが複数ある場合は、それぞれのRは同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
mは、Xの価数を表す。
nは、0からm未満の整数を表す。
Figure 0007697239000002
[式(II)中、
、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R、R、およびRは、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
lは、Xの価数を表す。]
Figure 0007697239000003
[式(III)中、
、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R、R、およびRは、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる原子を表す。
oは、Xの価数を表す。]
本発明の第2の発明によれば、前記工程(ロ)において前記無機固体成分(d)の使用量が、前記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対する該無機固体成分(d)に含まれる水酸基のモル比([OH]/[Al])として0.01~0.5であることを特徴とする、第1の発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第3の発明によれば、前記工程(ロ)において前記有機化合物(e)の使用量が、前記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対するモル比として0.01~0.5であることを特徴とする、第1または2の発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第4の発明によれば、前記一般式(I)において前記炭化水素基が、アリール基を有していることを特徴とする、第1~3のいずれかの発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第5の発明によれば、前記アルモキサン系化合物(c)が、メチルアルミニウム構造およびメチルアルミニウム構造以外のアルキルアルミニウム構造を有することを特徴とする、第1~4のいずれかの発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第6の発明によれば、前記アルキルアルミニウム構造がイソブチルアルミニウム構造であることを特徴とする、第5の発明に記載のエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1~6の発明のいずれかに記載のエチレン重合用触媒の製造方法から得られることを特徴とする、エチレン重合用触媒が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第7の発明に記載のエチレン重合用触媒を用いて得られることを特徴とする、エチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体が提供される。
本発明の第9の発明によれば、第1~6の発明のいずれかに記載のエチレン重合用触媒製造方法を含むことを特徴とする、エチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法により製造されるエチレン重合用触媒は、重合時の誘導時間が短いために生産効率が良好で、特に中空プラスチック成形品に適した高密度ポリエチレンを効率よく製造することが可能なエチレン重合用触媒を安定的に製造することができる。
また、本発明の製造方法により製造されるエチレン重合用触媒存在下、重合されるエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体は、アルモキサン系化合物を用いなかった場合とほぼ同レベルの密度を有することため,成形性、剛性(密度)と耐久性とのバランスに優れると考えられる。
以下、本発明を項目ごとに説明する。
なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
[I]エチレン重合用触媒の各成分
1.無機酸化物担体(a)
本発明に係る無機酸化物担体(a)としては、周期表第2、4、13又は14族の金属の酸化物を用いることができる。具体的には、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、マグネシア、トリア、シリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア又はこれらの混合物が挙げられ,その中でも好ましくは,シリカである。
本発明に係る無機酸化物に適する担体の製法、物理的性質及び特徴は、例えば、以下の文献に記載されているものが挙げられる。
(i)C.E.Marsden著,Preparation of Catalysts,Volume V,215頁,1991年,Elsevier Science Publishers
(ii)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
本発明に係る無機酸化物担体(a)としては、比表面積が好ましくは100m/g~900m/gであるものが用いられる。より好ましくは100m/g~850m/g、さらに好ましくは150m/g~850m/gとなるように選択することが好ましい。比表面積が100m/g~900m/gの範囲にあると、得られるポリエチレン組成物の耐久性、耐衝撃性ともにバランスがよいものとなる。
本発明に係る無機酸化物担体(a)の細孔体積としては、一般的なクロム触媒に用いられる無機酸化物担体の場合と同様に、好ましくは0.5cm/g~5.0cm/g、より好ましくは1.0cm/g~3.0cm/g、さらに好ましくは1.2cm/g~2.5cm/gの範囲のものが用いられる。細孔体積が0.5cm/g~5.0cm/gの範囲の場合は、重合活性が良好で、無機酸化物担体の製造も、容易になる。
また、本発明に係る無機酸化物担体(a)の平均粒径としては、好ましくは10μm~200μm、より好ましくは20μm~150μm、さらに好ましくは30μm~100μmの範囲のものが用いられる。
2.クロム化合物(b)
本発明に係るクロム化合物(b)としては、無機酸化物担体(a)に担持後に非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも一部のクロム原子が6価となる化合物が好ましく、酸化クロム、クロムのハロゲン化物、クロムのオキシハロゲン化物、クロム酸塩、重クロム酸塩、クロムの硝酸塩、クロムのカルボン酸塩、クロムの硫酸塩、クロム-1,3-ジケト化合物、クロム酸エステル等が挙げられる。
具体的には、酸化クロム(III)、三塩化クロム、塩化クロミル、クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム、硝酸クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、トリス(2-エチルヘキサノエート)クロム、クロムアセチルアセトネート、ビス(tert-ブチル)クロメート等が挙げられる。なかでも酸化クロム(III)、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネートが好ましい。酢酸クロム、クロムアセチルアセトネートのような有機基を有するクロム化合物を用いた場合でも、後に述べる非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は燃焼し、最終的には酸化クロム(III)を用いた場合と同様に、無機酸化物担体表面の水酸基と反応し、少なくとも一部のクロム原子は6価となってクロム酸エステルの構造で固定化されることが知られている((i)V.J.Ruddickら著,J.Phys.Chem.,Volume 100,11062頁,1996年、(ii)S.M.Augustineら著,J.Catal.,Volume 161,641頁,1996年)。
3.クロム触媒(A)
本発明に係るクロム触媒(A)は、前記無機酸化物担体(a)に前記クロム化合物(b)が担持された触媒である。
クロム触媒(A)は、少なくとも一部のクロム原子が6価のクロム触媒であることが好ましく、一般にフィリップス触媒と呼ばれる触媒に分類される。
松浦一雄・三上尚孝編著「ポリエチレン技術読本」81頁 2001年 工業調査会、M.P.McDaniel; Advances in Catalysis Vol.33p.47(1985)Academic Press Inc.、M.P.McDaniel「Handbook of Heterogeneous Catalysis」p.2400(1997)VCH、M.B.Welch etal.「Handbook of Polyolefins Synthesis and Properties」p.21(1993)Marcel Dekkerなどの文献に、この触媒の概要が記載されている。クロム触媒(A)は、一般的には、前記無機酸化物担体(a)と、前記クロム化合物(b)とを混合し、非還元性雰囲気で焼成活性化(賦活)して製造される。
4.アルモキサン系化合物(c)
本発明に係るトリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)は、分子中に、Al-O-Al結合を有し、その結合数は通常1~100、好ましくは1~50個の範囲にある。このようなアルモキサン系化合物は通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、モノアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、いずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)の調製に用いるトリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれも使用することができる。
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムから調製されるものは修飾メチルアルモキサン(MMAO)ともよばれる。なお、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムとの使用割合は、適宜選択することができる。好ましくは、トリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウム/トリメチルアルミニウム(モル比)が1/9~9/1である。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)としては、高活性化の観点からトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンがさらに好ましい。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)は,トリアルキルアルミニウムを含む。含まれるトリアルキルアルミニウムは、アルモキサン系化合物(c)を調製する際に用いられたトリアルキルアルミニウム、つまり未反応原料であってもよく、アルモキサン系化合物にあとから添加したものであってもよい。具体的なトリアルキルアルミニウムとしては、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のトリアルキルアルミニウムが挙げられる。これらは、1種類であっても複数種類であっても良い。
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)が調製される際の水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、好ましくは0.25/1~1.2/1、特に、0.5/1~1/1であることが好ましく、反応温度は、好ましくは-70℃~100℃、より好ましくは-20℃~20℃の範囲にある。反応時間は、好ましくは5分~24時間、より好まくは10分~5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
5.水酸基を有する無機固体成分(d)
本発明に係る水酸基を有する無機固体成分(d)としては、水酸基を有している無機固体であればよく、その中でも無機酸化物、粘土および粘土鉱物が挙げられる。これら複数の成分を混合して用いてもかまわない。無機酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、トリアおよびシリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシアが挙げられる。粘土または粘土鉱物としては、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような粘土または粘土鉱物が挙げられる。具体的には、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群などを挙げることができる。これらの中で好ましくは、無機酸化物である。
本発明に係る水酸基を有する無機固体成分(d)としては、好ましくは平均粒径が10μm~200μm、より好ましくは20μm~150μm、さらに好ましくは30μm~100μmである。平均粒径が上記の範囲にあると、これらの無機固体成分(d)と前記アルモキサン系化合物(c)とを混合した後に行ってもよいデカンテーションしやすい。また、比表面積は、好ましくは100m/g~900m/g、より好ましくは100m/g~850m/gのものが用いられる。
本発明に係る水酸基を有する無機固体成分(d)は、加熱により乾燥させ、水分が十分に除去されていることが好ましい。加熱温度は好ましくは100℃~1500℃、より好ましくは200℃~800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは1時間~100時間、より好ましくは3時間~30時間である。加熱処理後の無機固体成分(d)が含有する水酸基の量は、好ましくは0.1mmol-OH/g~10mmol-OH/g、より好ましくは0.5mmol-OH/g~5.0mmol-OH/g、さらに好ましくは1.0mmol-OH/g~3.0mmol-OH/gである。
6.有機化合物(e)
本発明に係る有機化合物(e)としては,以下の一般式(I),(II)または(III)で表される化合物を挙げることができる。これらは,活性水素を有する化合物または配位性化合物である。
Figure 0007697239000004
[式(I)中、
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。Rが複数ある場合は、それぞれのRは同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
mは、Xの価数を表す。
nは、0からm未満の整数を表す。]
で表される炭素数1~30の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられる。この中で好ましい炭素数1~30の炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、n-ペンタコシル基、n-トリアコンチル基などがあげられる。好ましくは炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、n-オクチルフェニル基、n-デシルフェニル基、n-ドデシルフェニル基、n-テトラデシルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基およびフェナントリル基などが挙られる。好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基などが挙げられる。
で表される炭素数1~30の炭化水素基が有していてもよい、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基としては、アルコキシ基、カルボニル基、シアノ基、イソシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジスルフィド基、スルフィノ基、スルホン酸基、イソチオシアナト基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、ヨードシル基、ヨージル基、フルオロ基、トリフルオロメチル基、リン酸基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、シリル基、ボロン酸、ボリル基などが挙げられる。この中で好ましくは,アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、フルオロ基、トリフルオロメチル基、リン酸基、ホスホン酸基、リン酸エステル基であり、より好ましくはアルコキシ基、ニトロ基、スルホン酸基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、フルオロ基、リン酸基、ホスホン酸基、リン酸エステル基であり、さらに好ましくは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、フルオロ基である。
で表される炭素数1~30の炭化水素基が任意の位置で架橋し環状構造を形成していてもよい場合の構造としては,シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、フルオレン、アントラセン、ピレン、テトラセン、ペンタセン、コロネン、ビシクロプロパンなどが挙げられる。
本発明に係る一般式(I)で表される有機化合物としては、アルコール化合物、フェノール化合物、エーテル化合物、カルボン酸化合物、エステル化合物、チオール化合物、チオフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオカルボン酸化合物、チオエステル化合物、第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第三級アミン化合物、第一級ホスフィン化合物、第二級ホスフィン化合物、第三級ホスフィン化合物などが挙げられる。好ましくは、アルコール化合物、フェノール化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、チオフェノール化合物、第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第一級ホスフィン化合物、第二級ホスフィン化合物であり、より好ましくは、アルコール化合物、フェノール化合物であり、さらに好ましくはフェノール化合物である。
アルコール化合物の具体例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、4-フルオロ-1-ブタノール、4,4-ジフルオロ-1-ブタノール、4,4,4-トリフルオロ-1-ブタノール、4-クロロ-1-ブタノール、4-ブロモ-1-ブタノール、4-ヨード-1-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールであり、より好ましくは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブチルアルコール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、ネオペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノールである。
チオール化合物の具体例としては、上記アルコール化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。メタンチオール、エタンチオール、n-プロパンチオール、イソプロパンチオール、n-ブタンチオール、イソブタンチオール、sec-ブタンチオール、tert-ブタンチオール、n-ペンタンチオール、ネオペンタンチオール、イソペンタンチオール、n-ヘキサンチオール、n-ヘプタンチオール、n-オクタンチオール、n-デカンチオール、シクロヘキサンチオール、ベンジルチオール、4-フルオロ-1-ブタンチオール、4,4-ジフルオロ-1-ブタンチオール、4,4,4-トリフルオロ-1-ブタンチオール、4-クロロ-1-ブタンチオール、4-ブロモ-1-ブタンチオール、4-ヨード-1-ブタンチオール、エタンジチオール、プロパンジチオールなどが挙げられる。好ましくは、メタンチオール、エタンチオール、n-プロパンチオール、イソプロパンチオール、n-ブタンチオール、イソブタンチオール、sec-ブタンチオール、tert-ブタンチオール、n-ペンタンチオール、ネオペンタンチオール、イソペンタンチオール、n-ヘキサンチオール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカンチオール、シクロヘキサンチオール、ベンジルチオールであり、より好ましくは、エタンチオール、n-プロパンチオール、イソプロパンチオール、n-ブタンチオール、イソブタンチオール、sec-ブタンチオール、tert-ブタンチオール、n-ペンタンチオール、ネオペンタンチオール、イソペンタンチオール、n-ヘキサンチオールである。
フェノール化合物の具体例としては、フェノール、メチルフェノール、ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、テトラメチルフェノール、ペンタメチルフェノール、エチルフェノール、n-プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n-ブチルフェノール、sec-ブチルフェノール、tert-ブチルフェノール、イソブチルフェノール、n-ペンチルフェノール、ネオペンチルフェノール、n-ヘキシルフェノール、n-オクチルフェノール、n-デシルフェノール、n-ドデシルフェノール、n-テトラデシルフェノール、2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、2,3-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノール、2,5-ジメチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,4,6-トリメチルフェノール、2,6-ジ(tert-ブチル)フェノール、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノール、2-クロロフェノール、3-クロロフェノール、2,3-ジクロロフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,5-ジクロロフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2,4,6-トリクロロフェノール、2-フルオロフェノール、2-ブロモフェノール、2-ヨードフェノールなどを挙げることができる。好ましくはフェノール、2-メチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,4,6-トリメチルフェノール、2,6-ジ(tert-ブチル)フェノール、2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノールである。
チオフェノール化合物の具体例としては、上記フェノール化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオフェノール化合物は、上記フェノール化合物の接頭語としてチオを付け加えることによって表される化合物である。
エーテル化合物の具体例としては、メチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、n-ペンチルエーテル、n-へキシルエーテル、n-ヘプタエーテル、n-ペンタエーテル、n-オクタエーテル、n-デカエーテル、シクロヘキシルエーテル、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、テトラヒドロフラン、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ピラン、ベンゾピラン、ジベンゾピラン、スピロピランなどが挙げられる。
チオエーテル化合物の具体例としては、上記エーテル化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。具体的には、メチルチオエーテル、エチルメチルチオエーテル、エチルチオエーテル、n-プロピルチオエーテル、n-ブチルチオエーテル、n-ペンチルチオエーテル、n-へキシルチオエーテル、n-ヘプタチオエーテル、n-ペンタチオエーテル、n-オクタチオエーテル、n-デカチオエーテル、シクロヘキシルチオエーテル、フェニルチオエーテル、ベンジルチオエーテルなどが挙げられる。また、これらのチオエーテル化合物加えて、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、チオピラン、チアントレンなどが挙げられる。
カルボン酸化合物の具体例としては、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸 、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸などが挙げられる。
チオカルボン酸化合物の具体例としては、上記カルボン酸の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオカルボン酸化合物は、上記カルボン酸の接頭語としてチオを付け加えることによって表される化合物である。
エステル化合物の具体例としては、上記カルボン酸化合物のカルボキシ基の水素原子をアルキル基またはアリール基に変更した化合物が挙げられる。これらのエステル化合物は、上記カルボン酸化合物の接尾語としてアルキル基またはアリール基を付け加えることによって表される化合物である。具体的には、メタン酸メチル、メタン酸エチル、メタン酸フェニル、エタン酸メチル、エタン酸エチル、エタン酸フェニル、プロパン酸メチル、ブタン酸メチル、ペンタン酸メチル、ヘキサン酸メチル、ヘプタン酸メチル、オクタン酸メチル、ノナン酸メチル、デカン酸メチル、ドデカン酸メチル、テトラデカン酸メチル、ヘキサデカン酸メチル、ヘプタデカン酸メチル、オクタデカン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、アラキドン酸メチル、エイコサペンタエン酸メチル、ドコサヘキサエン酸メチル、ソルビン酸メチル、乳酸メチル、リンゴ酸メチル、クエン酸メチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、イソフタル酸メチル、テレフタル酸メチル、サリチル酸メチル、没食子酸メチル、メリト酸メチル、ケイ皮酸メチル、シュウ酸メチル、マロン酸メチル、コハク酸メチル、グルタル酸メチル、アジピン酸メチル、フマル酸メチル、マレイン酸メチル、アコニット酸メチル、ピルビン酸メチル、オキサロ酢酸メチルなどが挙げられる。
チオエステル化合物の具体例としては、上記エステル化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオエステル化合物は、上記エステルの接頭語としてチオを付け加えることによって表される化合物である。
アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、イソブチルアミン、n-ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-デシルアミン、シクロへキシルアミン、ジシクロへキシルアミン、トリシクロへキシルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ベンジルアミン、ピロール、1-ピロリン、2-ピロリン、3-ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジリン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、インドール、インドリン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、インドリジンカルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キヌクリジンなどが挙げられる。
ホスフィン化合物としては、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、エチルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、n-プロピルホスフィン、イソプロピルホスフィン、n-ブチルホスフィン、sec-ブチルホスフィン、tert-ブチルホスフィン、イソブチルホスフィン、n-ペンチルホスフィン、ネオペンチルホスフィン、イソペンチルホスフィン、n-ヘキシルホスフィン、n-ヘプチルホスフィン、n-オクチルホスフィン、n-デシルホスフィン、シクロへキシルホスフィン、ジシクロへキシルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ベンジルホスフィン、ホスフィラン、ホスフィレン、ホスホリン、ホスホラン、ホスホール、ホスホレンなどが挙げられる。
Figure 0007697239000005
[式(II)中、
、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R、R、およびRは、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表す。
lは、Xの価数を表す。]
、R、およびRで表される炭素数1~30の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられ、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基などが挙げられる。この中でも好ましくは、炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。この中でも好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
、RおよびRで表される炭素数1~30の炭化水素基が有していてもよい、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基としては、Rで挙げたものがここでも同じく挙げられる。
本発明に係る一般式(II)で表される有機化合物としては、有機シラノール化合物、有機シリルチオール化合物、有機シリルアミン化合物、有機シリルホスフィン化合物などが挙げられ、好ましくは、有機シラノール化合物、有機シリルチオール化合物であり、さらに好ましくは、有機シラノール化合物である。
有機シラノール化合物の具体的としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリ(n-プロピル)シラノール、トリ(イソプロピル)シラノール、トリ(n-ブチル)シラノール、トリ(sec-ブチル)シラノール、トリ(tert-ブチル)シラノール、トリ(イソブチル)シラノール、トリ(n-ペンチル)シラノール、トリ(ネオペンチル)シラノール、トリ(イソペンチル)シラノール、トリ(n-ヘキシル)シラノール、トリ(n-オクチル)シラノール、トリ(n-デシル)シラノール、トリ(n-ドデシル)シラノール、トリ(n-ペンタデシル)シラノール、トリ(シクロへキシル)シラノール、トリフェニルシラノール、エチルジメチルシラノール、イソブチルジメチルシラノール、フェニルジメチルシラノール、フェニルエチルメチルシラノール、フェニルイソブチルメチルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノールなどが挙げられる。
有機シリルチオール化合物の具体例としては、上記有機シラノール化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらの有機シリルチオール化合物は、上記有機シラノール化合物中のシラノールをシリルチオールに置き換えることによって表される化合物である。
有機シリルアミン化合物の具体例としては、上記有機シラノール化合物の酸素原子を窒素原子に変更した化合物が挙げられる。これらの有機シリルアミン化合物は、上記有機シラノール化合物中のシラノールをシリルアミンに置き換えることによって表される化合物である。
有機シリルホスフィン化合物の具体例としては、上記有機シラノール化合物の酸素原子をリン原子に変更した化合物が挙げられる。これらの有機シリルホスフィン化合物は、上記有機シラノール化合物中のシラノールをシリルホスフィンに置き換えることによって表される化合物である。
Figure 0007697239000006
[式(III)中、
、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。また、R、R、およびRは、互いに任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる原子を表す。
oは、Xの価数を表す。]
、R、およびRで表される炭素数1~30の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられる。この中で好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基、n-ペンタコシル基、n-トリアコンチル基などがあげられる。この中でも好ましくは、炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、n-オクチルフェニル基、n-デシルフェニル基、n-ドデシルフェニル基、n-テトラデシルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基およびフェナントリル基などが挙られる。この中でも好ましくは炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数6~15のアリール基である。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基などが挙げられる。
、RおよびRで表される炭素数1~30の炭化水素基が有していてもよい、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基としては、Rで挙げたものがここでも同じく挙げられる。
本発明に係る一般式(III)で表される有機化合物としては、アルデヒド化合物、ケトン化合物、チオアルデヒド化合物、チオケトン化合物、イミン化合物などが挙げられる。好ましくは、アルデヒド化合物、イミン化合物である。
アルデヒド化合物の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール 、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール 、デカナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどが挙げられる。
チオアルデヒド化合物の具体例としては、チオホルムアルデヒド、チオアセトアミド、プロパンチアール、ブタンチアール、ペンタンチアール、ヘキサンチアール、ヘプタンチアール、オクタンチアール、ノナンチアール、デカンチアール、チオベンズアルデヒド、チオフェニルアセトアルデヒド、ベンゼンエタンチナールなどが挙げられる。
ケトン化合物の具体例としては、ジメチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジsec-ブチルケトン、ジtert-ブチルケトン、ペンチルケトン、ヘキシルケトン、へプチルケトン、ジオクチルケトン、ジデシルケトン、ジノニルケトン、ジデシルケトン、ジドデシルケトン、ジトリデシルケトン、ジテトラデシルケトン、ジペンタデシルケトン、ジシクロヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオケトン化合物の具体例としては、上記ケトン化合物の酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。これらのチオケトン化合物は、上記ケトン化合物中のケトンをチオケトンに置き換えることによって表される化合物である。
イミン化合物の具体例としては、2-プロパンイミン、メチルイソプロピリデンアミン、フェニルイソプロピリデンアミン、2-ブタンイミン、3-プロパンイミン、3-ペンタイミン、シクロペンタンイミン、シクロヘキサンイミン、N-シクロヘキシリデンメタンアミン、N-シクロヘキシリデンベンゼンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-ベンジリデンメタンアミン、N-ベンジリデンベンゼンアミンなどが挙げられる。
7.アルモキサン系化合物変性組成物(B)
本発明に係るアルモキサン系化合物変性組成物(B)は、前記アルモキサン系化合物(c)と、前記水酸基を有する無機固体成分(d)または、前記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合し得られる。
(1)アルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)との混合により得られるアルモキサン系化合物変性組成物(B)
本発明に係るアルモキサン系化合物(c)は、[I]4.で述べたようにトリアルキルアルミニウムを含んでいる。このトリアルキルアルミニウムは、不活性炭化水素等の溶媒中、無機固体成分(d)と混合すると無機固体成分(d)の水酸基と反応して無機固体成分に担持されると考えられる。例として、アルモキサン系化合物(c)にトリメチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムを用いて調製された修飾メチルアルモキサン(MMAO)と、無機固体成分(d)にシリカを用いた場合に考えられる反応をScheme1に示した。Scheme1中に示す[-(Me)Al-O-]中、「-(Me)Al-」はアルミニウム原子(Al)にメチル基(Me)が結合したメチルアルミニウム構造を表している。本明細書において、このようなアルミニウム原子にアルキル基(R)が結合した構造(「-(R)Al-」)をアルキルアルミニウム構造と定義する。反応後は、溶液とトリアルキルアルミニウム成分が担持した無機固体成分をデカント等で分離することで、トリアルキルアルミニウムが除去されたアルモキサン系化合物変性組成物(B)の溶液が提供されると考えられる。
Figure 0007697239000007
<Scheme1>
(2)前記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)との混合により得られるアルモキサン系化合物変性組成物(B)
アルモキサン系化合物に含まれるトリアルキルアルミニウムは、不活性炭化水素溶媒等の溶媒中,有機化合物(e)の活性水素と反応しまたは有機化合物(e)に配位して反応性が低下すると考えられる。そのため、有機化合物(e)の活性水素と反応したトリアルキルアルミニウム反応物または有機化合物(e)に配位したトリアルキルアルミニウム配位化合物は、溶液中に存在したとしても重合活性点形成や重合反応に影響しないと考えられる。
例として、アルモキサン系化合物にMMAOを、有機化合物(e)に2,6-ジ(tert-ブチル)-4-メチルフェノールを用いた場合の反応をScheme2に示した。
Figure 0007697239000008
<Scheme2>
[II]エチレン重合用触媒の製造方法
本発明のエチレン重合用触媒の製造方法は、以下の(イ)~(ハ)の工程を有している。
工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有する無機固体成分(d)または、前記一般式(I)、一般式(II)もしくは一般式(III)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
本発明に係るエチレン重合用触媒の機能、メカニズムは以下のように考えられる。
無機酸化物担体(a)としてシリカを,クロム化合物(b)として酢酸クロムを用いて無機酸化物担体表面にクロム化合物を担持した後、焼成活性化することによりシリカ表面で起きる反応を下記Scheme3に示した。
シリカと酢酸クロム(水溶液)とを混合するとシリカ中のシラノール基と酢酸クロムが反応し、シリカ上に酢酸クロムが担持される。これを焼成活性化することにより、有機物由来の構造(酢酸構造)は焼却除去され、クロム酸エステル構造が形成される。その後,このクロム酸エステル体とエチレンとを混合すると、クロム酸エステル構造がエチレンによって還元され,重合活性前駆体1が形成される。この還元に要する時間(クロム酸エステル体から重合活性前駆体1が生成するまでの時間)を誘導時間という。このようにクロム化合物を無機酸化物担体上へ担持後、還元反応により重合活性前駆体1になることで、エチレンの重合が開始されると考えられる。
Figure 0007697239000009
<Scheme3>
また、クロム触媒とアルモキサン系化合物とを混合すると、重合活性が大きく増大することが知られている。しかしながら、この方法では生産性は向上しても,得られるエチレン重合体の密度が低下する。これは、アルモキサン系化合物に含まれるトリアルキルアルミニウムにより,1-ヘキセンのようなアルケンが生成され、これがコモノマーのように共重合されて重合体に取り込まれることによって副生分岐が重合体中に発生しているためと考えられる。本発明においては、水酸基を有する無機固体成分(d)によりトリアルキルアルミニウムを減少させたアルモキサン系化合物変性組成物(B)、または活性水素を有する化合物もしくは配位性化合物の有機化合物(e)と反応もしくは有機化合物(e)に配位しアルキルアルミニウムの反応性を低下させたアルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いることにより、重合活性前駆体1の生成は促進されるために誘導時間が短く、かつ、副生分岐量は低減されるために得られるエチレン重合体の密度低下が抑制できたと考えられる。
1.工程(イ)クロム触媒(A)を得る工程
(1)無機酸化物担体(a)へのクロム化合物(b)の担持
本発明に係る工程(イ)は、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程である。無機酸化物担体(a)へのクロム化合物(b)の担持は、クロム化合物中の少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持されることが好ましく、これを達成できれば特に限定されず、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いればよい。担持するクロム化合物の量は、クロム原子として担体に対して、好ましくは0.2~2.0重量%、より好ましくは0.3~1.7重量%、さらに好ましくは0.5~1.5重量%である。
本発明では、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)が担持されたクロム触媒(A)に、さらにフッ素化合物を含有させることもできる。
フッ素化合物の含有方法(フッ素化)は、溶媒中でフッ素化合物溶液を含浸させた後、溶媒を留去する方法、あるいは溶媒を用いずにフッ素化合物を昇華させる方法等、公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって、適宜好適な方法を用いればよい。無機酸化物担体にクロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させてもよいし、フッ素化合物を含有させてからクロム化合物を担持してもよいが、クロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させる方が好ましい。
フッ素化合物の含有量は、フッ素原子の含有量として、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.3~8重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%である。
フッ素化合物としては、フッ化水素HF、フッ化アンモニウムNHF、ケイフッ化アンモニウム(NHSiF、ホウフッ化アンモニウムNHBF、一水素二フッ化アンモニウム(NH)HF、ヘキサフルオロリン酸アンモニウムNHPF、テトラフルオロホウ酸HBF等のフッ素含有塩類が用いられ、なかでも、ケイフッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウムが好ましい。
これらを、水又はアルコール等の有機溶媒に溶解させた後、クロム触媒に含浸させるのが均一性の観点から好ましいが、固体のままクロム触媒と混合するだけでもよい。溶解して含浸させる場合は、表面張力による細孔体積の縮小(shrinkage)を抑えるために、アルコール等の有機溶媒を用いるのがより好ましい。また、溶媒を用いた場合は、風乾、真空乾燥、スプレードライ等、既知の方法によって、溶媒を飛ばして乾燥させる。
後述する非還元性雰囲気での焼成活性化(賦活)により、これらのフッ素化合物は、熱分解することによって、無機酸化物担体をフッ素化する。例えば、無機酸化物担体としてシリカを用い、フッ素化合物としてケイフッ化アンモニウムを用いた場合は、ケイフッ化アンモニウムが以下のように熱分解して、フッ化水素HF及びフッ化ケイ素SiFを発生する。
(NHSiF → 2NH + 2HF + SiF
さらに、HF及びSiFがシリカ表面のシラノ-ル基と反応してフッ素化することが知られている(B.Rebenstorf;Journal of Molecular Catalysis Vol.66 p.59(1991)、A.Noshay et al.「Transition Metal Catalyzed Polymerizations-Ziegler・Natta and Metathesis Polymerizations」p.396(1988) Cambridge University Pressを参照。)。
Si-OH + HF → Si-F + H
Si-OH + SiF → Si-O-SiF + HF
2Si-OH + SiF → (Si-O)SiF + 2HF
したがって、フッ素含有塩類のようなフッ素化合物の固体とクロム触媒を混合しただけの場合でも、結局はフッ素化合物が熱分解するので、同様の反応が起こってクロム触媒はフッ素化される。あるいは、焼成活性化(賦活)工程の間にフッ素化合物を投入する方法でもよい。ただし、その場合、フッ素化合物の固体をガス中で流動化させるので、均一性の観点からできるだけ微細な粒子状のフッ素化合物固体を用いることが好ましい。
(2)非還元性雰囲気における焼成活性化
無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持した後、場合によっては、さらにフッ素化合物を担持した後、焼成活性化を行い、クロム触媒(A)を得る。焼成活性化は、好ましくは300℃~950℃、より好ましくは325℃~800℃、さらに好ましくは350℃~650℃の温度で行う。焼成活性化を300℃~950℃の範囲で行うと、触媒は重合活性の観点で良好な性能を示すと考えられる。焼成活性化は、水分を実質的に含まない非還元性雰囲気、例えば、酸素又は空気下で行うことができる。この際、不活性ガスを共存させてもよい。好ましくは、モレキュラーシーブス等を流通させ十分に乾燥した空気を用い、流動状態下で行う焼成活性化により無機酸化物担体に担持されたクロム化合物のクロム原子が少なくとも一部は6価に酸化されて担体上に化学的に固定される。
2.工程(ロ)アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る
(1)アルモキサン系化合物(c)と水酸基を有する無機固体成分(d)の混合
トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)に、水酸基を有する無機固体成分(d)を不活性炭化水素溶媒中で混合し,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。ここでは,上記[I]7.(1)で述べた反応が起こると考えられる。
アルモキサン系化合物(c)と水酸基を有する無機固体成分(d)とを混合し反応させる際,アルモキサン系化合物中に存在するアルミニウム原子の量(モル)に対する水酸基を有する無機固体成分(d)の水酸基の量(モル)の比が好ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.03~0.3、さらに好ましくは0.05~0.1となるように混合し、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。アルモキサン系化合物(c)と水酸基を有する無機固体成分(d)とを混合する方法としては、両者を不活性炭化水素中で混合する方法ならば、特に限定されない。例えば、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒に、加熱乾燥した水酸基を有する無機固体成分(d)を混合して、スラリー状態とし、これにアルモキサン系化合物(c)の溶液を添加する方法、アルモキサン系化合物(c)の溶液に前記無機固体成分(d)のスラリーを添加する方法,アルモキサン系化合物(c)の溶液に水酸基を有する無機固体成分(d)を固体のまま添加し混合する方法などが挙げられる。このうち,不活性炭化水素溶媒に、加熱乾燥した水酸基を有する無機固体成分(d)を混合して、スラリー状態とし、これにアルモキサン系化合物(c)の溶液を添加する方法が好ましい。
ここで使用するアルモキサン系化合物(c)は、上記不活性炭化水素溶媒で希釈してもよいし、希釈せずに添加してもよい。希釈用溶媒と混合時の溶媒は同じでも異なってもよい。不活性炭化水素溶媒の使用量は、アルモキサン系化合物(c)と水酸基を有する無機固体成分(d)の混合時に少なくともスラリー状態で攪拌を行うことができる量であることが好ましい。このような量であれば、溶媒の使用量は特に限定されない。また、混合時の温度は、好ましくは-20℃~150℃、より好ましくは-10℃~100℃、さらに好ましくは0℃~80℃であり、時間は、好ましくは5分~12時間、より好ましくは30分~10時間、さらに好ましくは1時間~8時間である。混合時の濃度としては,固体成分が好ましくは0.01g/mL~0.04g/mL,より好ましくは0.015g/mL~0.035g/mL,さらに好ましくは0.02g/mL~0.035g/mLである。
(2)アルモキサン系化合物(c)と一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される化合物(e)の混合
トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される有機化合物(e)とを不活性炭化水素溶媒中で混合し,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。ここでは,上記[I]7.(2)で述べた反応が起こると考えられる。
トリアルキルアルミニウムを含む1種類以上のアルモキサン系化合物(c)と一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される有機化合物(e)とを不活性炭化水素溶媒中で混合し反応させる方法ならば、上記[II]2.(1)と同様に特に限定されない。このとき,アルモキサン系化合物中に存在するアルミニウム原子の量(モル)に対する一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される有機化合物(e)の量(モル)がモル比で0.01~0.5、好ましくは0.03~0.3、より好ましくは0.05~0.1となるように混合し、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る。また、混合時の温度は、好ましくは-20℃~150℃、より好ましくは-10℃~100℃、さらに好ましくは0℃~80℃であり、混合の時間は、好ましくは5分~12時間、より好ましくは30分~10時間、さらに好ましくは1時間~8時間である。ここで用いる不活性炭化水素溶媒は,上記[II]2.(1)同様の溶媒が挙げられる。混合時の濃度としては,混合前のアルモキサン系化合物中に含まれるアルミニウム原子の量(モル)を基準として,好ましくは0.1mmol/L~1.5mmol/L,より好ましくは0.5mmol/L~1.4mmol/L,さらに好ましくは0.8mol/L~1.2mol/Lである。
3.工程(ハ)クロム触媒(A)とアルモキサン系化合物変性組成物(B)の混合
上記工程(イ)で得られるクロム触媒(A)と、さらに、上記工程(ロ)で得られるアルモキサン系化合物変性組成物(B)とを、不活性炭化水素溶媒中で混合する。
本発明に係るクロム触媒(A)とアルモキサン系化合物変性組成物(B)とを混合する方法としては、不活性炭化水素中で混合する方法ならば、特に限定されない。例えば、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒にクロム触媒(A)を混合して、スラリー状態とし、これに溶液のアルモキサン系化合物変性組成物(B)を添加する方法が好ましい。添加するアルモキサン系化合物変性組成物(B)は、上記不活性炭化水素溶媒で希釈してもよいし、希釈せずに添加してもよい。希釈用溶媒と接触用の溶媒は同じでも異なってもよい。
不活性炭化水素溶媒の使用量は、混合時に少なくともスラリー状態で攪拌を行うことができる量であることが好ましい。このような量であれば、溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば焼成活性化後のクロム触媒(A)1g当たり溶媒2~20gを使用することもできる。
本発明に係るアルモキサン系化合物変性組成物(B)は、前記クロム触媒(A)中のクロム原子に対するアルモキサン系化合物変性組成物(B)中のアルミニウム原子のモル比(Al/Cr)が好ましくは0.01~5、より好ましくは0.05~4、さらに好ましくは0.1~3で用いられる。この範囲とすることで、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いない場合に比べて、誘導時間が短縮され、かつ、エチレン重合体中に含まれる副生分岐量を低下させて密度低下を抑制することができると考える。このモル比が0.01~5の範囲であれば、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いた効果が十分に発現されるため好ましい。アルモキサン系化合物変性組成物(B)と前記クロム触媒(A)との混合時の濃度としてはクロム触媒(A)の濃度が,好ましくは0.01g/mL~0.3g/mL,より好ましくは0.05g/mL~0.2g/mL,さらに好ましくは0.1g/mL~0.2g/mLである。
また、混合時の温度は、好ましくは-20℃~150℃、より好ましくは-10℃~100℃、さらに好ましくは0℃~80℃であり、混合時間は、好ましくは5分~12時間、より好ましくは30分~10時間、さらに好ましくは1~8時間である。
4.工程(イ)~(ハ)以外の任意の操作
本発明に係るエチレン重合用触媒の製造方法においては、工程(イ)におけるクロム化合物(b)の担持前、又はクロム化合物(b)の担持後であって焼成活性化前に、チタンテトライソプロポキシドのようなチタンアルコキシド類、ジルコニウムテトラブトキシドのようなジルコニウムアルコキシド類、アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド類といった金属アルコキシド類、有機金属化合物やケイフッ化アンモニウムのようなフッ素含有塩類等を添加して、エチレン重合活性、α-オレフィンとの共重合性や得られるポリエチレンの分子量、分子量分布を調節する公知の方法を併用してもよい。
これらの金属アルコキシド類又は有機金属化合物等は、非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は、燃焼し、チタニア、ジルコニア、アルミナのような金属酸化物に酸化されて触媒中に含まれる。また、フッ素含有塩類の場合は、無機酸化物担体がフッ素化される。これらの方法は、例えば、以下の文献に記載されている。
(i)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
(ii)T.Pullukatら著,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Volume 18, 2857頁,1980年
(iii)M.P.McDanielら著,J.Catal.,Volume 82,118頁,1983年
[IV]エチレン重合体の製造方法
1.エチレン重合体の製造方法
本発明の製造方法により製造されるエチレン重合用触媒を用いることにより、成形性、剛性(密度)と耐久性とのバランスに優れるエチレン重合体を得ることができる。すなわち本発明の一態様は、上記方法で得られるエチレン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合、又はエチレンとα-オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレン重合体の製造方法にも関する。
本発明の製造方法により製造されるクロム触媒を用いて、エチレン重合体の製造を行うに際しては、スラリー重合、溶液重合のような液相重合法あるいは気相重合法等、いずれの方法を採用することができる。
液相重合法は、通常炭化水素溶媒中で行う。炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
また、気相重合法は、不活性ガス共存下にて、流動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用することができ、場合により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデンシングモードを採用することもできる。
液相又は気相重合法における重合温度は、一般的には0℃~300℃であり、実用的には20℃~200℃、好ましくは50℃~180℃、より好ましくは70℃~150℃である。反応器中の触媒濃度及びエチレン濃度は、重合を進行させるにあたり任意の濃度でよい。例えば、触媒濃度は、液相重合の場合、反応器内容物の質量を基準にして、好ましくは0.0001~5質量%の範囲とすることができる。同様にエチレン濃度は、気相重合の場合、全圧として好ましくは0.1~10MPaの範囲とすることができる。
エチレン重合体のHLMFR(ハイロードメルトフローレート、温度190℃、荷重21.6kg)を上げるために、特に水素を共存させて重合することがある。水素を共存させることによって、重合温度を下げて、より一層分子量分布を広げることができる。
本発明に係る重合方法としては、反応器を一つ用いてポリエチレンを製造する単段重合だけでなく、分子量分布を広げるために少なくとも二つの反応器を連結させて多段重合を行うこともできる。多段重合の場合、二つの反応器を連結させ、第一段の反応器で重合して得られた反応混合物を続いて第二段の反応器に連続して供給する二段重合が好ましい。第一段の反応器から第二段の反応器への移送は、差圧により連結管を通して、第一段反応器からの重合反応混合物の連続的排出により行われる。
本発明に係るエチレン重合体の製造方法においては、コモノマーとして、α-オレフィンを共重合することもできる。α-オレフィンとしては、炭素数3~8のα-オレフィンであることが好ましく、具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等を単独又は2種類以上反応器に導入して共重合を行うことができる。さらに好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、特に好ましくは1-ヘキセンがコモノマーとして好適に用いられる。得られるコポリマー中のα-オレフィン含量は、好ましくは15mol%以下、より好ましくは10mol%以下が望ましい。本発明に係るエチレン重合体の製造方法によれば、副生分岐を発生する副生成分による共重合が抑制され、コモノマー含量と重合体の物性のバランスが制御されたエチレンとα-オレフィンとの共重合体を得ることができる。
2.エチレン重合体の物性と用途
本発明に係るエチレン重合用触媒の製造方法により得られたエチレン重合用触媒を用いることで、HLMFRが好ましくは0.1g/10分~200g/10分、より好ましくは0.5g/10分~80g/10分、密度が好ましくは0.900g/cm~0.980g/cm、より好ましくは0.920g/cm~0.970g/cmのエチレン重合体が得られる。得られるエチレン重合体は、耐衝撃性、耐久性が高く、バランスに優れるので、特にブロー成形製品、なかんずく大型ブロー成形製品で大きな効果を発揮する。さらに、他のポリエチレン樹脂と組成物を形成したときに、高い溶融張力を示す。ブロー成形製品用のエチレン重合体のHLMFRは、1g/10分~100g/10分、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体では、1g/10分~15g/10分である。ブロー成形製品用のエチレン重合体の密度は、0.935g/cm~0.970g/cm、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体での密度は、0.940g/cm~0.955g/cmの範囲であることが好ましい。
以下においては、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明し、本発明の卓越性と本発明の構成による優位性を実証するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(I)各種測定方法
実施例及び比較例において、使用した測定方法は以下の通りである。
(i)物性測定のためのポリマー前処理:
添加剤として、BASFジャパン社製の酸化防止剤とリン系安定剤のブレンド物である「IRGANOX B225」を0.2重量%添加し、単軸押出機にて混練しペレタライズした。
(ii)ハイロードメルトフローレート(HLMFR):
JIS K7210(2004年版)の付属書A表1-条件Gに従い、試験温度190℃、公称荷重21.60kgにおける測定値をHLMFRとして示した。
(iii)密度
JIS K7112(2004年版)に従い、測定した。
(iv)ブチル分岐の求め方
ポリエチレン試料中のブチル分岐量(1/1000C;炭素1000個当たりに含まれるブチル分岐の数)は核磁気共鳴吸収法(NMR法)により算出した。
[試料調製と測定条件]
試料100mgをo-ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=2/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ溶解した。NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のAVANCE400型NMR装置を用いて行った。13C-NMR測定条件は試料の温度120℃、パルス角を45°、パルス間隔を2.76秒、積算回数を10240回、ブロードバンドデカップリング法で測定を実施した。化学シフトはヘキサメチルジシロキサンの13Cシグナルを1.98ppmに設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
[算出法]
上記測定条件で得られる13C-NMRスペクトルを用い、炭素1000個あたりのブチル分岐量を以下の式より求めた。
ブチル分岐量= I(B4)×1000/I(total)
ここで、I(B4) 、I(total)は以下の式で示される量である。
I(B4)=(補正係数2B4×I23.2~23.4+補正係数4B4×I34.0~34.2)/2、
I(total)= 補正係数total×I10.0~50.0である。
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI23.2~23.4は23.2~23.4ppm間に検出した13Cシグナルの積分強度を示す。補正係数2B4、補正係数4B4、補正係数totalは、特開2019-144051号公報(請求項1または請求項2)に記載の方法で求めた値である。また、補正係数total×I10.0~50.0は、10.0~50ppmの間に検出した各シグナルの積分強度に、各補正係数を乗じて得られた強度の総和を意味する。
(II)実施例および比較例
[実施例1]
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
水酸基を有する無機固体成分(d)としてGrace社製シリカ(SP9-496)を5.0g秤量し200℃で2時間加熱後さらに400Cで6時間加熱した(乾燥後のシリカ中のOH量は、1.6mmol-OH/g)。窒素雰囲気下で冷却し、1.6g分取した。そこに脱水ヘキサン20mLを加えてスラリーを調製した。このスラリーにアルモキサン系化合物(c)として東ソー・ファインケム社製MMAO-3A(トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを含み,全アルミニウム原子の濃度が1.5mol/L、ヘキサン溶液)を30mL加え、20℃で1時間攪拌した。その後、デカンテーションにより固体分を除去して上澄み液を30mL回収し、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を得た(dMMAO溶液)。この反応においてアルモキサン系化合物に含まれるアルミニウム原子の量に対するシリカ中に含まれるOH基の量はモル比([OH]/[Al])で,0.057であった。なお,得られたdMMAO溶液中のアルミニウム濃度をICP測定により算出した結果、0.78mol/Lであった。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
無機酸化物担体(a)としてシリカ10gを、クロム化合物(b)として酢酸クロム0.44gをエタノール50mlに溶解させた酢酸クロムエタノール溶液に添加し、10分間攪拌した後、エタノールを留去することによりクロム原子担持量が1.0重量%のクロム含有シリカを得た。このクロム含有シリカは、比表面積380m/g、細孔体積1.55cm/gであった。その後、このクロム含有シリカを、多孔板目皿付き、管径5cmの石英ガラス管に入れ、円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、線速3cm/s、500℃で18時間焼成活性化を行った。その結果,6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色のクロム触媒(A)が得られた。
(3)工程(ハ):有機金属化合物担持クロム触媒(触媒-1)の調製
予め窒素置換した100mLのフラスコに、上記(2)で得られたクロム触媒2.0gを入れ、そこに蒸留精製したヘキサン14mLを加えてスラリー化した。ここに,上記(1)で得られたアルモキサン系化合物変性組成物(B)であるdMMAO溶液を1.0mL(Al/Crモル比=2.0)を加え40℃で1時間撹拌した。撹拌終了後直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性(free flowing)の有機金属化合物担持クロム触媒(触媒-1)を得た。
(4)エチレン重合評価
充分に窒素置換した2.0Lのオートクレーブに上記(3)で得られた触媒-1を87.9mgおよびイソブタン0.7Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。次いでエチレンを圧入し、エチレン分圧を1.4MPaとなるように保ちながら、エチレン吸収量が40g/hr以上となった時点を重合開始とし,そこから52分間重合を行った。このとき,エチレン分圧が1.4MPaに到達後,エチレン吸収量が40g/hrとなるまでの時点を誘導時間とした。誘導時間は4分だった。重合は,内容ガスを系外に放出することにより停止した。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
[実施例2]
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
ヘキサン10mLに有機化合物(e)として3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxytoluene(BHT)500mg(2.27mmol)を溶解し、そこに実施例1(1)で使用した東ソー・ファインケム社製MMAO-3Aを20mL加えて20℃で1時間攪拌した。このとき,MMAOに含まれるアルミニウム原子に対する有機化合物(e)の量はモル比で0.076であった。その結果,アルモキサン系化合物変性組成物(B)としてMMAO-BHT溶液が得られた。得られた溶液をアルミニウム原子の濃度が1.0mol/LのMMAO-BHT溶液(濃度は反応前のMMAO-3をもとに、使用した溶媒で希釈された濃度として求めた)として使用した。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
上記実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-2)の調製
上記実施例1(3)において、dMMAO溶液の代わりに上記(2)から得られたMMAO-BHT溶液を0.77mL(Al/Crモル比=2)用いた以外は、実施例1(3)と同様の操作を行い、クロム触媒(触媒-2)を得た。
(4)エチレン重合評価
実施例1(4)において,触媒-1の代わりに触媒-2を81.8mg,重合時間を58分とした以外は,実施例1(4)と同様に重合を行った。このとき,誘導時間は10分だった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
[比較例1]
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
実施しなかった。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-2)の調製
実施しなかった。
(4)エチレン重合評価
上記実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を95.3mg使用し,実施例1(4)において,重合時間を56分とした以外は、実施例1(4)と同様の操作を行い、重合を行った。このときの誘導時間は33分であった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
[比較例2]
(1)工程(ロ):アルモキサン系化合物変性組成物(B)の調製
実施しなかった。
(2)工程(イ):クロム触媒(A)の調製
実施例1(2)から得られたクロム触媒(A)を用いた。
(3)工程(ハ):クロム触媒(触媒-3)の調製
上記実施例1(3)において、dMMAOの代わりに実施例1(1)で使用した東ソー・ファインケム社製MMAO-3Aを0.51mL(Al/Crモル比=2)用いた以外は、実施例1(3)と同様の操作を行い、クロム触媒(触媒-3)を得た。
(4)エチレン重合評価
上記(3)から得られた触媒-3を91.1mg使用し,重合時間を56分とした以外は,上記実施例1(4)と同様の操作を行い、重合を行った。このときの誘導時間は2分であった。重合結果およびポリマー物性については表1および表2に示した。
Figure 0007697239000010
Figure 0007697239000011
表1および2からわかるように、実施例1と比較例1を比べると、比較例1ではブチル分岐は低いが、アルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いたクロム触媒を用いた実施例1では誘導時間が大幅に短縮された。実施例2と比較例1を比べても同様に,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いたクロム触媒を用いた実施例2では誘導時間が短縮された。また,実施例1と比較例2を比べると,誘導時間はほぼ同様だが,アルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いたクロム触媒を用いた実施例1ではブチル分岐が半分に減少し,密度低下が抑制された。実施例2と比較例2を比べると,誘導時間の短縮は維持しつつ,ブチル分岐はアルモキサン系化合物変性組成物(B)を用いたクロム触媒を用いた実施例2では半分以下に減少し、密度低下が抑制された。以上から、実施例および比較例により本発明で開示する製造方法により得られたクロム担持触媒は、誘導時間が短く、なおかつ、高い密度のエチレン重合体の製造において有用であることが示された。

Claims (6)

  1. 下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法であって、下記工程(ロ)において下記無機酸化物(d)の使用量が、下記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対する下記無機酸化物(d)に含まれる水酸基のモル比([OH]/[Al])として0.01~0.5であるエチレン重合用触媒の製造方法。
    工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
    工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む少なくとも1種類のアルモキサン系化合物(c)と、水酸基を有し、平均粒径が10μm~200μmであり、比表面積が100m /g~900m /gである無機酸化物(d)であって、水酸基量が0.1mmol-OH/g~10mmol-OH/gであるものとを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
    工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
  2. 下記(イ)~(ハ)の工程を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法であって、下記工程(ロ)において下記有機化合物(e)の使用量が、下記アルモキサン系化合物(c)に含まれるアルミニウム原子に対するモル比として0.01~0.5であるエチレン重合用触媒の製造方法。
    工程(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化し、クロム触媒(A)を得る工程。
    工程(ロ):トリアルキルアルミニウムを含む少なくとも1種類のアルモキサン系化合物(c)と、下記一般式(I)で表される少なくとも1種類の有機化合物(e)とを混合しアルモキサン系化合物変性組成物(B)を得る工程。
    工程(ハ):不活性炭化水素溶媒中、前記クロム触媒(A)と前記アルモキサン系化合物変性組成物(B)を混合する工程。
    Figure 0007697239000012
    [式(I)中、
    は、酸素原子を表す。
    は炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子またはホウ素原子から選ばれるヘテロ原子を含む置換基を有していても良い。R が複数ある場合は、それぞれのR は同一でも異なっていても良く、また、任意の位置で架橋し環状構造を形成していても良い。
    mは、X の価数を表す。
    nは、1を表す。
  3. 前記一般式(I)において前記Rにおける炭素数1~30の炭化水素基が、アリール基を有していることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
  4. 前記アルモキサン系化合物(c)が、メチルアルミニウム構造およびメチルアルミニウム構造以外のアルキルアルミニウム構造を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
  5. 前記アルキルアルミニウム構造がイソブチルアルミニウム構造であることを特徴とする、請求項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法を含むことを特徴とする、エチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。
JP2021047959A 2021-03-22 2021-03-22 エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。 Active JP7697239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021047959A JP7697239B2 (ja) 2021-03-22 2021-03-22 エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021047959A JP7697239B2 (ja) 2021-03-22 2021-03-22 エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022146800A JP2022146800A (ja) 2022-10-05
JP7697239B2 true JP7697239B2 (ja) 2025-06-24

Family

ID=83461812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021047959A Active JP7697239B2 (ja) 2021-03-22 2021-03-22 エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7697239B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080520A (ja) 2000-09-07 2002-03-19 Japan Polyolefins Co Ltd エチレン系重合体及びその製造方法
JP2012144723A (ja) 2010-12-24 2012-08-02 Japan Polyethylene Corp エチレン重合用触媒、それを用いたポリエチレンの製造方法、並びにブロー成形製品用ポリエチレン及び大型ブロー成形製品用ポリエチレン
JP2018500431A (ja) 2014-12-23 2018-01-11 サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ 分岐ポリオレフィンの調製方法
JP2019172990A (ja) 2018-03-26 2019-10-10 日本ポリエチレン株式会社 エチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法
JP2021501821A (ja) 2017-11-07 2021-01-21 ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム より高い生産速度でのエチレンインターポリマー生成物の製造

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06136053A (ja) * 1992-10-22 1994-05-17 Mitsui Toatsu Chem Inc オレフィン重合用触媒およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080520A (ja) 2000-09-07 2002-03-19 Japan Polyolefins Co Ltd エチレン系重合体及びその製造方法
JP2012144723A (ja) 2010-12-24 2012-08-02 Japan Polyethylene Corp エチレン重合用触媒、それを用いたポリエチレンの製造方法、並びにブロー成形製品用ポリエチレン及び大型ブロー成形製品用ポリエチレン
JP2018500431A (ja) 2014-12-23 2018-01-11 サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ 分岐ポリオレフィンの調製方法
JP2021501821A (ja) 2017-11-07 2021-01-21 ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム より高い生産速度でのエチレンインターポリマー生成物の製造
JP2019172990A (ja) 2018-03-26 2019-10-10 日本ポリエチレン株式会社 エチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022146800A (ja) 2022-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100577693C (zh) 烯烃聚合物、制造方法和其应用
KR101941732B1 (ko) 장쇄분지화 중합체 및 이의 제조방법
US6107230A (en) Compositions that can produce polymers
US7262259B2 (en) Method of preparing a treated support
US20150065667A1 (en) Supported metal oxide double active center polyethylene catalyst, process for preparing the same and use thereof
KR102641081B1 (ko) 거대 기공 실리카의 제조 및 올레핀 중합을 위한 크롬 촉매에서의 이의 용도
CN104204001A (zh) 用于烯烃聚合的催化剂组分
JP2000053717A (ja) チタネ―ト化されたクロム/シリカ―アルミノホスフェ―ト触媒
JP2017531081A (ja) 固体メタロセン系触媒系を調製するプロセス
JP2011157561A (ja) ポリオレフィン用チーグラー・ナッタ触媒
JP2013501115A (ja) 狭い分子量分布を有するエチレンポリマーの製造方法
KR20080070658A (ko) 에틸렌 중합용 촉매 성분, 그의 제조 방법 및 상기 성분을포함하는 촉매
EP3036263B1 (en) Method for producing an ethylene based polymer in a polymerisation process using a self-limitng agent
JP6067886B2 (ja) 分布が広いポリオレフィン触媒及びその製造と応用
JP7697239B2 (ja) エチレン重合用触媒の製造方法および前記エチレン重合用触媒を含むエチレン重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体の製造方法。
CN103145891A (zh) 一种烯烃聚合催化剂及其制备和应用
KR20060126929A (ko) 폴리올레핀용 지글러-나타 촉매
CN119053382A (zh) 具有碱金属或锌的钛酸化铬/二氧化硅催化剂及制备该催化剂的水性方法
JP5175802B2 (ja) クロム系触媒を用いたエチレン系重合体の製造方法
JPS59223705A (ja) 重合触媒及び方法
WO2006048634A1 (en) Polymerisation catalysts
KR100197641B1 (ko) 폴리올레핀의 제조방법
JP5581305B2 (ja) エチレン重合用触媒、それを用いたポリエチレンの製造方法、並びにブロー成形製品用ポリエチレン及び大型ブロー成形製品用ポリエチレン
EP2367853B1 (en) Catalyst components for the polymerization of olefins and catalysts therefrom obtained
CN100450620C (zh) 用于聚烯烃的齐格勒-纳塔催化剂

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20241021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20241029

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20241225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20250513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20250526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7697239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150