JP7697501B2 - 免震ストッパー及び免震構造 - Google Patents
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Description
特許文献3の免震装置は、「床面に設置されたベースと、そのベースの第1の支持部に回動自在に設けられ第1のアームを有する第1のリンク部と、その第1のアームの先端に設けた第2の支持部に回動自在に設けられ第2のアームを有する第2のリンク部と、その第2のアームの先端に設けた第3の支持部に回動自在に設けられ被支持体を支持する支持プレートとよりな」(段落0005参照)るものである。
また、特許文献2のものは、単純な機構である反面、鋼管の取付けが面倒であり、また、棒鋼と鋼管の間の全方向にクリアランスを設ける必要があるため、大きな設置スペースが必要となるという課題がある。
前記免震層の上方の構造物から下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼と、前記免震層の下方の構造物から上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼と、一端部が前記第1棒鋼の下端部に回転可能に取り付けられた第1鋼板と、一端部が前記第2棒鋼の上端部に回転可能に取り付けられた第2鋼板と、前記第1鋼板の他端部と前記第2鋼板の他端部を回転可能に連結する連結機構とを備えたことを特徴とするものである。
前記免震層の上方の構造物から下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼と、前記免震層の下方の構造物から上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼と、前記第1棒鋼の下端部と前記第2棒鋼の上端部との間に配設された鋼板とを有し、
該鋼板は、前記第1棒鋼の下端部と前記第2棒鋼の上端部が、挿入されると共に離接する相対移動が可能な長孔を有することを特徴とするものである。
本実施の形態に係る免震ストッパー1の構成を、図1、図2に基づいて説明する。図1は免震層2の上方の構造物3a(以下、「上部構造物3a」)と免震層2の下方の構造物3b(以下、「下部構造物3b」)が水平変位していない状態を示し、図2は上部構造物3aと下部構造物3bが、免震ストッパー1がストッパーとして機能する直前まで水平変位した状態を示している。
そして、図1、図2に示すように、上部構造物3aから下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼5と、下部構造物3bから上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼7とを備えている。また、一端部が第1棒鋼5の下端部に回転可能に取り付けられた第1鋼板9と、一端部が第2鋼板11の上端部に回転可能に取り付けられた第2鋼板11と、第1鋼板9の他端部と第2鋼板11の他端部を回転可能に連結する連結機構13とを備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
免震層2には、図示しない免震装置が設けられている。免震装置の例としては、アイソレータ(支承)とダンバーによって構成され、支承としては、積層ゴム支承や、すべり支承、転がり支承等が挙げられる。
免震層2とは、建築物において地盤と構造体とを切り離す(絶縁する)役割をするものであり、ここにエネルギー吸収するための免震装置が設けられる。
免震装置は、構造体の荷重を支持することなるが、免震ストッパー1は構造体の荷重を支持するものではない。
第1棒鋼5は、上部構造物3aから下方に向かって延び出すように設置されている。
第1棒鋼5の基端側は、図1、図2に示すように、上部構造物3aに埋め込まれて固定されている。もっとも、第1棒鋼5の固定方法はこれに限られず、基端側にねじ部を設け、上部構造物3aに固定した鋼製プレート15(図3参照)に設けたねじ孔にねじ込んで固定するようにしてもよい。固定部にはゆるみ止めのためのナットを設けるのが好ましい。
このように、第1棒鋼5の基端側をねじ固定すれば、容易に取替ができて好ましい。
そして、第1棒鋼5の下端部には、第1鋼板9が回転可能に取り付けられている。第1鋼板9の取付方法は、第1鋼板9に第1棒鋼5が挿通可能な孔を設け、第1棒鋼5の下端部が孔に挿通された状態で、第1鋼板9の上下をナット17で移動規制する。これによって、第1鋼板9は、回転可能で、かつ第1棒鋼5の軸方向への移動が規制された状態で、第1棒鋼5の下端部に取り付けられている。
第2棒鋼7は、下部構造物3bから上方に向かって延び出すように設置されている。第2棒鋼7の構造物への取付方法は、上述した第1棒鋼5の取付方法と同様である。
第2棒鋼7の上端の位置は、免震層2の高さ方向中間よりも少し低い位置になっている。
そして、第2棒鋼7の上端部には、第2鋼板11が回転可能に取り付けられている。第2鋼板11の取付方法は、上述した第1鋼板9の第1棒鋼5への取付方法と同様である。
第1鋼板9は、一端部が第1棒鋼5の下端部に回転可能に取り付けられている。第1鋼板9の第1棒鋼5への取付方法は、前述した通りである。
第1鋼板9の形状、厚み等は免震ストッパーとしての機能を発揮する強度となるように、免震層2に設置される免震装置の仕様等に基づいて適宜設定すればよい。
第2鋼板11は、一端部が第2鋼板11の上端部に回転可能に取り付けられている。第2鋼板11の第2棒鋼7への取付方法は、前述した第1鋼板9の第1棒鋼5への取付方法と同様である。
第2鋼板11の形状、厚み等は、第1鋼板9と同様にするのが好ましい。
連結機構13は、第1鋼板9の他端部と第2鋼板11の他端部を回転可能に連結するものである。
本実施の形態の連結機構13は、図1、図2に示すように、第1鋼板9の他端部と第2鋼板11の他端部との間に回転可能に配設された連結棒鋼19によって構成されている。
より具体的には、連結棒鋼19の上端側及び下端側に抜け止め用のナット17及び座金(図示なし)を設けている。
地震発生前の図3に示す状態から、地震発生によって免震層2の上下の構造物3a、3bが水平変位すると、図4に示すように、第1鋼板9及び第2鋼板11が回転して、第1棒鋼5と第2棒鋼7は拘束を受けることなく水平移動し、ストッパーとして機能しない。この間には、図示しない免震装置によって、免震作用が発揮される。
そして、第1鋼板9と第2鋼板11が一直線となる状態(図2参照)を超えて上部構造物3aと下部構造物3bの水平変位が生ずると、図5に示すように、第1棒鋼5、第2棒鋼7、第1鋼板9、第2鋼板11に荷重が作用し、水平変位を抑制するように機能する。
地震時には、免震層2の変位量がΔb+Δh以下の場合には鋼板が回転もしくは鋼板の孔とのクリアランス内を第1棒鋼5、第2棒鋼7、連結棒鋼19が動く。しかし、免震層2の変位量がΔb+Δhを上回る場合には第1棒鋼5、第2棒鋼7、第1鋼板9及び第2鋼板11の変形のみが進み、免震層2の過大な変位を防止する。
第1鋼板9、第2鋼板11に設ける孔は、通常のボルト孔よりも大きくすることで、免震ストッパー1が作用するまでの水平移動量を調整することが出来る。
なお、免震ストッパー1の設置時のナット17の締付けトルクは、大きくするほど変形時に摩擦によりエネルギーを吸収し、第1棒鋼5、第2棒鋼7、第1鋼板9及び第2鋼板11と共に、ストッパーとして機能する。ナット17には、必要に応じてゆるみ止めを設ける。
しかし、本発明の連結機構13はこれに限られるものではなく、図7、図8に示すように、主な構成として、第1連結棒鋼19a、第2連結棒鋼19bの2本の棒鋼と、1枚の連結鋼板21の組み合わせからなるリンクによって構成してもよい。
すなわち、一端が第1鋼板9の他端部に回転可能に取り付けられた第1連結棒鋼19aと、一端が第2鋼板11の他端部に回転可能に取り付けられた第2連結棒鋼19bとを備えている。そして、第1連結棒鋼19aの他端と第2連結棒鋼19bの他端とを回転可能に連結する連結鋼板21とを備えて構成されている。
なお、連結機構13を構成する連結鋼板21の数が多くなるほど設置時の免震ストッパー1のサイズを小さくすることが出来る。その意味で、連結鋼板21の数は1枚に限定するものではないが、連結鋼板21の数が多くなると免震ストッパー1の部品点数が増え、組立ての手間が大きくなるので、1枚が好ましい。
本実施の形態の免震ストッパー26は、図12、図13に示すように、上部構造物3aから下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼5と、下部構造物3bから上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼7とを有している。
また、第1棒鋼5の下端部と第2棒鋼7の上端部との間に配設され、長孔27が設けられた長孔鋼板29を有している。
長孔鋼板29は、第1棒鋼5の下端部と第2棒鋼7の上端部が、挿入されると共に離接する相対移動が可能な長孔27を有している。
第1棒鋼5の下端は、図12、図13に示すように、長孔27に挿入されている。そして、抜け止めのために、長孔鋼板29を挟むように一対のナット17が設けられている。
第2鋼板11の上端は、長孔鋼板29に設けた長孔27とは別の孔に回転可能な状態で連結されている。
この状態で、地震が発生して上部構造物3aと下部構造物3bが水平変位すると、図13に示すように、第1棒鋼5の下端が長孔27内を移動し、第1棒鋼5と第2棒鋼7は拘束を受けることなく、ストッパーとして機能しない。この間には、図示しない免震装置によって、免震作用が発揮される。
そして、第1棒鋼5の下端が長孔27の端まで移動した状態(図13参照)を超えて上部構造物3aと下部構造物3bの水平変位が生ずると、第1棒鋼5、第2棒鋼7、長孔鋼板29に荷重が作用し、水平変位を抑制するように機能する。
<設計例1>
設計例1として、免震ストッパー1を設置する免震層2の高さが500mmの場合を想定し、免震層2の変位が400mmに到達してから免震ストッパー1が作用し始める場合を考える。
免震ストッパー1の形態は、図1に示した、第1棒鋼5、第2棒鋼7、第1鋼板9、第2鋼板11及び連結棒鋼19を主な構成要素とするものである。
ナット17と座金は第1棒鋼5、第2棒鋼7及び連結棒鋼19以上の強度の鋼材を用いる。第1鋼板9及び第2鋼板11は、剛性および耐力を確保するために、板厚32mm、幅100mmとする。
第1鋼板9及び第2鋼板11には直径50mmの孔を設け、第1鋼板9及び第2鋼板11に設ける孔の間隔はともに198mmとする。
地震時の上下動の影響やストッパー変形時のクリアランスを確保するために、図10に示したのと同様に、第1鋼板9と連結棒鋼19の間に設けるナット17の間には50mm程度の空間Sを設け、ゆるみ止めを取付ける。
設計例2として、免震ストッパー1を設置する免震層2の高さが400mmの場合を想定し、免震層2の変位が300mmに到達してから免震ストッパー1が作用し始める場合を考える。棒鋼としてJIS B 1220のABR400アンカーボルトM48とする。
免震ストッパー1の形態は、設計例1と同様に図1に示した、第1棒鋼5、第2棒鋼7、連結棒鋼19、第1鋼板9及び第2鋼板11を主な構成要素とするものである。
ナット17と座金は棒鋼以上の強度の鋼材を用いる。第1鋼板9及び第2鋼板11には直径60mmの過大孔を設け、加工する孔の間隔は2枚とも138mmとする。
設計例1と同様、地震時の上下動の影響やストッパー変形時のクリアランスを確保するために、第1鋼板9と連結棒鋼19の間に設けるナット17の間には50mm程度の空間Sを設け、ゆるみ止めを取付ける。
2 免震層
3a 上部構造物
3b 下部構造物
5 第1棒鋼
7 第2棒鋼
9 第1鋼板
11 第2鋼板
13 連結機構
15 鋼製プレート
17 ナット
19 連結棒鋼
19a 第1連結棒鋼
19b 第2連結棒鋼
21 連結鋼板
23 U字鋼板
25 免震装置
26 免震ストッパー(実施の形態2)
27 長孔
29 長孔鋼板
Claims (3)
- 建築物の免震層に設けられた免震装置の過大変形を防止する免震ストッパーであって、
前記免震層の上方の構造物から下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼と、前記免震層の下方の構造物から上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼と、一端部が前記第1棒鋼の下端部に前記第1棒鋼を回転軸として該第1棒鋼回りに回転可能に取り付けられた第1鋼板と、一端部が前記第2棒鋼の上端部に前記第2棒鋼を回転軸として該第2棒鋼回りに回転可能に取り付けられた第2鋼板と、前記第1鋼板の他端部と前記第2鋼板の他端部を回転可能に連結する連結機構とを備え、
前記第1鋼板及び前記第2鋼板がU字形状のU字鋼板であり、板面が上下に向くように取り付けられており、
前記連結機構が、前記第1鋼板の他端部と前記第2鋼板の他端部との間に配設された連結棒鋼によって構成され、前記第1鋼板と前記第2鋼板が前記連結棒鋼を回転軸として軸回りに回転可能になっており、
前記免震層の変位量が所定量を上回ると前記第1棒鋼、前記第2棒鋼、前記第1鋼板及び前記第2鋼板の変形が進むことで、前記免震層の過大な変位を防止することを特徴とする免震ストッパー。 - 建築物の免震層に設けられた免震装置の過大変形を防止する免震ストッパーであって、
前記免震層の上方の構造物から下方に向かって延び出すように設置された第1棒鋼と、前記免震層の下方の構造物から上方に向かって延び出すように設置された第2棒鋼と、一端部が前記第1棒鋼の下端部に前記第1棒鋼を回転軸として該第1棒鋼回りに回転可能に取り付けられた第1鋼板と、一端部が前記第2棒鋼の上端部に前記第2棒鋼を回転軸として該第2棒鋼回りに回転可能に取り付けられた第2鋼板と、前記第1鋼板の他端部と前記第2鋼板の他端部を回転可能に連結する連結機構とを備え、
前記第1鋼板及び前記第2鋼板がU字形状のU字鋼板であり、板面が上下に向くように取り付けられており、
前記連結機構が、一端が第1鋼板の他端部に回転可能に取り付けられた第1連結棒鋼と、一端が第2鋼板の他端部に回転可能に取り付けられた第2連結棒鋼と、第1連結棒鋼の他端と第2連結棒鋼の他端とを連結する連結鋼板とを備えて構成され、前記第1鋼板は前記第1連結棒鋼を回転軸として軸回りに回転可能になっており、前記第2鋼板は前記第2連結棒鋼を回転軸として軸回りに回転可能になっており、前記連結鋼板は前記第1連結棒鋼及び前記第2連結棒鋼を回転軸として回転可能になっており、
前記連結鋼板がU字形状のU字鋼板であり、板面が上下に向くように取り付けられており、
前記免震層の変位量が所定量を上回ると前記第1棒鋼、前記第2棒鋼、前記第1鋼板及び前記第2鋼板の変形が進むことで、前記免震層の過大な変位を防止することを特徴とする免震ストッパー。 - 請求項1又は2に記載の免震ストッパーと、前記免震層に設けられた免震装置と、を含むことを特徴とする免震構造。
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