JP7697691B2 - Strジェノタイピングのためのプローブおよび方法 - Google Patents
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Description
本発明は、例として法医学の場における、DNA型鑑定(DNA-fingerprinting)の分野に関する。より具体的にいうと、本発明は、いくつかの特定のフルオロフォア上のいくつかのヌクレオチドの蛍光クエンチング特性を頼りに、多型性のショートタンデムリピートをジェノタイプするためのプローブおよび方法を開示する。そのためには、増幅されたDNA試料と特異的に設計されたプローブとの間の相補性の程度は、ハイブリダイゼーションまたは融解時にプローブに付着したフルオロフォアの蛍光強度を測定することによって評価することができる。本発明のプローブおよび方法は、携帯可能で安価なDNA分析装置での使用に適しており、また、食品偽装、診断およびその他諸々のような、法医学以外の分野でも適用することができる。
DNA型鑑定とよばれるプロセスで、DNAの証拠に基づいて個体を同定するためには、DNA多型、例として一塩基多型(SNP)またはショートタンデムリピート(STR)、を分析しなければならない。個体とはヒトを表すこともできるが、動物や他のDNAを含有する種も表すことができる。
ヒトゲノムにおいて、この特定のタイプの多型を含有する多数の領域が同定される。法医学の目的のためのヒトゲノムの非コード領域に主に位置する、数多くのSTR遺伝子座を分析することによって、統計的に一意のプロファイルが得られる。欧州では、典型的には、欧州標準セット(European Standard Set)(ESS)と呼ばれる12のSTRのパネルを調べていた。このパネルは、今は5の追加の遺伝子座を伴って拡張されている[3]。合衆国では、13のコア遺伝子座および7の追加の遺伝子座を含有する統合DNAインデックス・システム(Combined DNA Index System)(CODIS)が使用される[4]。
本発明は、集団内のある短いタンデムリピート遺伝子座のアレルの可変性(variability)を表す複数のプローブであって、各プローブは、5’から3’へまたは3’から5’へ、以下:1)ヌクレオチドを含み、関心対象の特定のDNA配列のすぐ隣の領域とアニーリングし、試料とプローブとの適切なアニーリングを確実なものにする、およびしたがって第2の隣接領域よりも多くのヌクレオチドを含有する、第1の隣接領域、2)少なくとも1のショートタンデムリピートを含み、および試料内でそのショートタンデムリピート領域とアニーリングする、関心対象の特定のDNA配列、および3)少なくとも1のヌクレオチドを含み、少なくとも1のフルオロフォアを含む、第2の隣接領域、ここで該フルオロフォアは、該試料の効率的なやり方で該フルオロフォアをクエンチング可能である特定のヌクレオチドに直に相補的な位置で該第2の隣接領域の残基に付着しているか、または、試料との該第2の隣接領域のハイブリダイゼーション時にそれが該試料の効率的なやり方で該フルオロフォアをクエンチング可能である1以上の特定のヌクレオチドの近傍に持ってこられるように該位置に対して上流もしくは下流のいずれかの隣のヌクレオチドに連結しているかまたは該位置に対して上流もしくは下流のいずれかに2個分の位置離れたヌクレオチドに連結している、からなる、前記複数のプローブに関する。
より具体的には、本発明は、該フルオロフォアが、フルオレセイン(FAM)、ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、テトラクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(TET)、2,7-ジメトキシ-4,5-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)または6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)を含むリストから選ばれる、上記の複数のプローブに関する。上にリストされたフルオロフォアの1つをクエンチング可能である特定のヌクレオチドは、グアニンである。
本発明はまた、サポート上に固定されている、上記の複数のプローブにも関する。
- DNAを含む試料を提供すること、
- 増幅されたDNA配列を得るために、関心対象の特定のDNA配列を含む該試料内でDNAを増幅させること、
- 該増幅されたDNA配列に上記の複数のプローブを添加することで該プローブにアニーリングされた一本鎖DNA配列の二重鎖を得ること、および
- 該二重鎖を変性させ、これに続いて、該プローブのフルオロフォアの蛍光を継続的に測定しながら該変性された二重鎖をゆっくりと冷却するかまたは該プローブのフルオロフォアの蛍光を継続的に測定しながら該二重鎖をゆっくりと加熱すること、ここで、蛍光強度の減少または蛍光強度の増大は、それぞれ、特定の完全に相補的なショートタンデムリピートが該試料中に存在するか否かについての情報を提供する、を含む、前記方法にも関する。
本発明はさらに、試料内での該増幅が、増幅された一本鎖DNA配列を得るために、ビオチン標識されたプライマーまたはその後のラムダエクソヌクレアーゼ消化を使用しての対称PCRによって行われる、上記のジェノタイプするための方法に関する。
本発明はまた、上記の方法であって、該プローブが溶液において添加されるか、またはサポート上に固定される、前記方法にも関する。
本発明の一側面は、あるフルオロフォアに対する特定のヌクレオチドの天然のクエンチング特性を頼りに機能するプローブに関する。最も一般的な例は、グアニンのフルオレセインクエンチング効果である[17、18]。別の例は、チミジンヌクレオチドによるピレン酪酸のクエンチングである。
- FL1は、特定のDNA配列のすぐ隣の領域であり、および、アンカーとして作用し、滑りを防止して試料とプローブとの適切なアニーリングを確実なものにする。このことは、FL1が実質的にFL2よりも長くなければならないということを暗示し、これは他のSTRジェノタイピングプローブについて文献中で議論されている要件でもある[13]。もしもFL1がFL2と同じだけの長さであるかそれよりさらに短いとすれば、ミスマッチの場合にFL1は一本鎖になり、およびFL2は試料とハイブリダイズし、それにより、マッチした二重鎖によって生成されるシグナルと同等のシグナルを結果としてもたらすことになる。
- STR領域は、ある遺伝子座に対するプローブの間で異なる多型性の一部分である。プローブは、調べる遺伝子座の可能なすべてのアレルに対して設計される。
- FL2は、実質的にFL1よりも短く、および、フルオロフォア、例としてFAMで末端が標識されている。この標識は、5’または3’末端のいずれかにすることができる。FL2は、センサとして作用し、およびプローブと試料との間の相補性の程度についての示唆を与える。
上記のプローブはまた、核酸類似体、例としてLNAを含有することもできる。前者は、天然の核酸に構造的に似ている非天然の構成成分である。その他多くの例の中でもとりわけ、修飾された塩基を持つ核酸、または、糖成分における修飾がある。
1. 例1: STRジェノタイピング頬スワブ(D16S539遺伝子座)
3の頬スワブを、200μLの滅菌HPLC水に浸した。30”のボルテックスステップの後、スワブを取り去り、および、PCRのためのインプットとして水を使用した。30μLのインプット試料でシングルプレックス非対称PCRを行った。プライマー濃度は、0.1μMのフォワードプライマーおよび1.5μMリバースプライマーであった。The volume of the PCR混合物の体積は50μLであり、MgCl2+を0.5mMの濃度で、dNTPを各200μM、1X Qiagen PCRバッファーおよび1.3U HotStarTaq酵素を含有した。ポリメラーゼの活性化は、PCRミックスを95℃で15分間加熱することによって行い、これに続いて95℃で1分間、59℃で1分間および72℃で80秒間の60サイクルを行った。プライマー配列は、表1に見出すことができる。
表1:D16S539実験のために使用したオリゴヌクレオチドの配列。「n」は、リピートの数を表し、9~13の間で可変である。
部分的リピートによって引き起こされる、アンプリコンの長さにおけるやや微妙な違いを検出するこのシステムの能力を評価するために、TH01遺伝子座に対して設計されたプローブを使用した融解曲線実験を実施した。この遺伝子座についてのごく一般的なアレルは、9.3アレルであり、これは、4番目のリピートがT欠失を有する10リピート(CATT)の存在によって特徴付けられる。その帰結として、アレル9.3と10とは、長さではたった1ヌクレオチドが違うのみであり、これはCEについてさえも挑戦であることが証明されている。2の頬スワブを抽出し、D16S539遺伝子座についての実験と同じやり方で増幅させおよび分析した。後者の遺伝子座についての増幅とは対照的に、フォワードプライマーを0.1μMの濃度で添加し、およびリバースプライマーを1.5μMの濃度で添加した。使用したプライマーおよびプローブの配列は、表2に見出すことができる。試料Aはアレル9.3および10を有し;試料Bはホモ接合性(9.3:9.3)である。
表2:TH01実験のために使用したオリゴヌクレオチドの配列。「n」は、リピートの数を表し、6~10の間で可変である。
リピート中のSNPによって引き起こされるイソアレル(iso-alleles)を検出するこのシステムの能力を評価するために、D8S1179遺伝子座に対して設計されたプローブを使用した融解曲線実験を実施した。参照試料9947aは、遺伝子座D8S1179についてホモ接合性(13:13)であるが、しかし、13:13’として大規模並列シーケンスの手段によってジェノタイプされる。アレル13および13’に対応する配列は、表3に見出すことができる。参照試料2800は、遺伝子座D8S1179についてヘテロ接合性(14:15)である。両方の参照試料を、D16S539遺伝子座についての実験と同じやり方で増幅させおよび分析した。後者の遺伝子座についての増幅とは対照的に、フォワードプライマーを0.1μMの濃度で添加し、およびリバースプライマーを1.5μMの濃度で添加した。使用したプライマーおよびプローブの配列は、表3に見出すことができる。
表3:D8S1179実験のために使用したオリゴヌクレオチドの配列。
1. 例1: STRジェノタイピング頬スワブ(D16S5339遺伝子座)
得られた融解曲線の一次導関数を計算したところ、結果としてもたらされた融解ピークは図5~7に示されている。図5は、アレル9および12を伴う試料7から得られた融解ピークを表示し、アレル12プローブ(P12)は、アレル9プローブ(P9)と比較して高温で融解する。
図5に見られるとおり、すべてのプローブが、ある種の融解ピークを示す。それでもなお、P9およびP12は、はるかにより高いピーク高さおよびより狭いピーク幅を表示する。P11は、ミスマッチプローブのうちもっとも強い融解ピークを示し、これはマッチするプローブ12の隣接アレルであるためそれに後追いするような形であるが、それでもなお、P11とP12との間のTmの違いはあまりにも大きく、これはP11の非特異的アニーリングを示唆する。
図7は、ヘテロ接合性の試料(アレル11および13)の融解曲線を表示している。12リピートを伴うプローブは、両方のマッチするプローブの隣接プローブであるが、しかし、マッチとミスマッチとの間には未だ明確な区別を付けることができる。
要するに、ジェノタイピングのための十分な情報は、ハイブリダイゼーションまたは融解実験から推定することができる。融解実験を実施するときには、プローブの特異的なアニーリングを保証するために遅いハイブリダイゼーションプロセスが先行しなければならない、ということに留意されるべきである。
調べた遺伝子座の大半について、マッチするプローブは2のピークを見せるが、一方それに対してミスマッチプローブでは1のみであることに留意されるべきである。これは、おそらくは、別のアレル(ヘテロ接合性の試料)、スタッターピークおよび非特異的PCR産物の存在に起因する。これらの融解曲線の評価は、その帰結として、それほど複雑ではない。しかしながら、D16S539遺伝子座については、マッチするアレルは1のみのピークを示し、これは、おそらくは、それらのプローブのより短いFL1に関連している。
試料9947aについては、プローブ13および13’の両方が、より高いピークで融解ピークを表示する。その傍ら、両方の融解ピークは、TH01プローブと同様に、いわゆるショルダーを示す。したがって、プローブ13および13’の両方に対する相補的なアンプリコンが試料9947a中に存在すると結論付けることができる。試料2800については、プローブ14および15が、ショルダーを伴って、より高温で融解ピークを示す。プローブ14’は、しかしながら、ショルダーを示さず、およびより低温で起こる。高いピーク高さは、アレル14(これは同じ長さを有する)および15(これは近隣にある)の両方の存在によって説明することができる。この方法はイソアレルを区別可能であり、それによってキャピラリー電気泳動よりも情報性があるものであると結論付けることができる。
Claims (9)
- 集団内のある短いタンデムリピート遺伝子座のアレルの可変性(variability)を表す多数のタイプのプローブを含む組成物であって、ここで組成物の各プローブは、5'から3'へまたは3'から5'へ、以下:
1)ヌクレオチドを含み、関心対象の特定のDNA配列のすぐ隣の領域とアニーリングし、および同プローブの後記第2の隣接領域よりも多くのヌクレオチドを含有する、第1の隣接領域;
2)ショートタンデムリピート遺伝子座に対する各プローブの間で異なる多型性の一部分であり、および試料内の関心対象の特定のDNA配列に含まれる少なくとも1のショートタンデムリピート領域とアニーリングする、特定のSTR領域;および
3)少なくとも1のヌクレオチドを含み、少なくとも1のフルオロフォアを含む、第2の隣接領域
からなり、ここで該フルオロフォアは:
該フルオロフォアに対して天然のクエンチング特性のある、該試料の特定のヌクレオチドに相補的な位置で該第2の隣接領域の残基に付着しているか、あるいは、
試料内で該第2の隣接領域のハイブリダイゼーション時に、該フルオロフォアが、該フルオロフォアに対して天然のクエンチング特性のある、該試料の1以上の特定のヌクレオチドの近傍に持ってこられるように、該位置に対して上流もしくは下流のいずれかその隣のヌクレオチドに連結しているか、または該位置から上流もしくは下流のいずれかに2個分の位置離れたヌクレオチドに連結している、前記組成物。 - 該フルオロフォアが、該第2の隣接領域のシトシン残基に付着しており、かつ、該フルオロフォアに対して天然のクエンチング特性のある特定のヌクレオチドが、グアノシンであるか、または
該フルオロフォアが、ピレン酪酸であって、該第2の隣接領域のアデニン残基に付着しており、かつ該フルオロフォアに対して天然のクエンチング特性のある特定のヌクレオチドが、チミジンである、請求項1に記載の組成物。 - ヌクレオチドが、核酸類似体である、請求項1または2に記載の組成物。
- グアニンでクエンチングされるフルオロフォアが、フルオレセイン(FAM)、ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、テトラクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(TET)、2,7-ジメトキシ-4,5-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、または6-カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)を含むリストから選ばれる、請求項2または3に記載の組成物。
- サポート上に固定されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
- 試料内のショートタンデムリピートをジェノタイプするための方法であって、以下のステップ:
- DNAを含む試料を提供すること、
- 増幅されたDNA配列を得るために、関心対象の特定のDNA配列を含む該試料内でDNAを増幅させること、
- 該増幅されたDNA配列に請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物を添加することで該プローブにアニーリングされた一本鎖DNA配列の二重鎖を得ること、および
- 該二重鎖を変性させ、これに続いて、該プローブのフルオロフォアの蛍光を継続的に測定しながら該変性された二重鎖をゆっくりと冷却するかまたは該プローブのフルオロフォアの蛍光を継続的に測定しながら該二重鎖をゆっくりと加熱すること
を含み、ここで、蛍光強度の減少または蛍光強度の増大は、それぞれ、特定の完全に相補的なショートタンデムリピートが該試料中に存在するか否かについての情報を提供する、前記方法。 - 試料内でDNAを増幅させることが、増幅された一本鎖DNA配列を得るために非対称PCRによって行われる、請求項6に記載のジェノタイプするための方法。
- 試料内でDNAを増幅させることが、増幅された一本鎖DNA配列を得るために、ビオチン標識されたプライマーまたはその後のラムダエクソヌクレアーゼ消化を使用しての対称PCRによって行われる、請求項6に記載のジェノタイプするための方法。
- 組成物におけるプローブが、溶液において添加されるか、またはサポート上に固定される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
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