以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の実施例に係る電子制御装置80を搭載した車両10の概略構成図であるとともに、車両10における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
車両10は、走行用駆動力源として機能するエンジン14及び回転電機MGを備えたハイブリッド車両である。動力伝達装置12は、非回転部材としてのトランスミッションケース20内において、エンジン14側から順番に、クラッチK0、トルクコンバータ16、及び自動変速機18等を備える。また、動力伝達装置12は、自動変速機18の出力回転軸である変速機出力軸24に連結されたプロペラシャフト26、そのプロペラシャフト26に連結されたディファレンシャルギヤ28、そのディファレンシャルギヤ28に連結された一対の車軸30等を備える。このように構成された動力伝達装置12は、例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型の車両10に好適に用いられる。動力伝達装置12においてクラッチK0が係合(以下、特に区別しない場合には完全係合を意味するものとする。)された場合には、エンジン14の動力(以下、特に区別しない場合にはトルクや力も同義である。)は、エンジン14に連結されたエンジン連結軸32から、クラッチK0、トルクコンバータ16、自動変速機18、プロペラシャフト26、ディファレンシャルギヤ28、及び一対の車軸30等を順次介して一対の駆動輪34へ伝達される。このように、動力伝達装置12は、エンジン14から駆動輪34までの動力伝達経路を構成する。
エンジン14は、燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関である。エンジン14は、エンジン回転速度Ne[rpm]が低回転の段階から点火して自力回転させることが可能であり、例えば気筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射型の内燃機関である。
トルクコンバータ16は、回転電機MG(及びエンジン14)と駆動輪34との間の動力伝達経路に設けられている。トルクコンバータ16は、入力側回転部材であるポンプ翼車16aに入力された動力を流体を介して伝達することで出力側回転部材であるタービン翼車16bから出力する流体式伝動装置である。ポンプ翼車16aは、クラッチK0を介してエンジン連結軸32と連結されているとともに、直接的に回転電機MGと連結されている。タービン翼車16bは、自動変速機18の入力回転軸である変速機入力軸36と直接的に連結されている。
トルクコンバータ16は、ポンプ翼車16aとタービン翼車16bとの間を直結する公知のロックアップクラッチ38を備える。ロックアップクラッチ38は、エンジン14及び回転電機MGと駆動輪34との間の動力伝達経路を機械的に直結した状態とすることが可能である。ポンプ翼車16aにはオイルポンプ22が連結されている。オイルポンプ22は、エンジン14及び回転電機MGの少なくとも一方によって回転駆動されることにより、自動変速機18の変速制御やクラッチK0の断接制御(伝達トルク容量制御)などを実行するための作動油圧を発生する機械式のオイルポンプである。ロックアップクラッチ38は、オイルポンプ22が発生する油圧を元圧とし車両10に設けられた油圧制御回路50によって断接制御される。例えば、エンジン14の始動制御開始直後においてエンジン回転速度Neが低回転である場合には、ロックアップクラッチ38は、エンジン14の脈動が駆動輪34に伝達されないように切断される。
回転電機MGは、例えば電気エネルギーから機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的なエネルギーから電気エネルギーを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。回転電機MGは、エンジン14の代替として、或いはそのエンジン14と共に、走行用の動力を発生させる走行用駆動力源として機能する。回転電機MGは、エンジン14により発生させられた動力や駆動輪34から入力される被駆動力から回生により電気エネルギーを発生させ、その電気エネルギーをインバータ52を介して蓄電装置54に蓄積する等の作動を行う。回転電機MGは、クラッチK0とトルクコンバータ16との間の動力伝達経路に連結されており(すなわち回転電機MGのロータ軸40はクラッチK0及びポンプ翼車16aに連結されており)、回転電機MGとポンプ翼車16aとの間では、相互に動力が伝達される。したがって、回転電機MGは、クラッチK0を介することなく自動変速機18の変速機入力軸36と動力伝達可能に連結されている。回転電機MGの出力トルクであるMGトルクTmgは、後述の電子制御装置80により制御される。
クラッチK0は、エンジン14と回転電機MGとの間の動力伝達経路を断接するクラッチである。クラッチK0は、例えば互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型の油圧式摩擦係合装置であり、オイルポンプ22が発生する油圧を元圧とし油圧制御回路50によって断接制御される。その断接制御においては、例えば油圧制御回路50内のリニヤソレノイドバルブ等の調圧により、クラッチK0の伝達トルク容量(クラッチK0の係合力)Tc[Nm]が変化させられる。クラッチK0の係合状態では、エンジン連結軸32を介してポンプ翼車16aとエンジン14とが一体的に回転させられる。一方で、クラッチK0の解放状態では、エンジン14とポンプ翼車16aとの間の動力伝達が遮断される。すなわち、クラッチK0を解放することでエンジン14と駆動輪34とが切り離される。回転電機MGはポンプ翼車16aに連結されているので、クラッチK0は、エンジン14と回転電機MGとの間の動力伝達経路に設けられて、その動力伝達経路を断接するクラッチとしても機能する。
自動変速機18は、エンジン14及び回転電機MGと駆動輪34との間の動力伝達経路の一部を構成し、走行用駆動力源(エンジン14及び回転電機MG)からの動力を駆動輪34へ伝達する変速機である。自動変速機18は、例えば変速比(ギヤ比)γ(=変速機入力回転速度Nin/変速機出力回転速度Nout)が異なる複数の変速段(ギヤ段)が選択的に成立させられる公知の遊星歯車式多段変速機、或いは変速比γが無段階に連続的に変化させられる公知の無段変速機などである。自動変速機18では、例えば油圧アクチュエータが油圧制御回路50によって制御されることにより、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて所定の変速比γとされる。
車両10は、車両10の制御装置である電子制御装置80を備える。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン14の始動制御を含む出力制御、回転電機MGの回生制御を含む回転電機MGの駆動制御、自動変速機18の変速制御、クラッチK0の断接制御、ロックアップクラッチ38の断接制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や回転電機制御用や油圧制御用等に分けて構成される。なお、電子制御装置80は、本発明における「制御装置」に相当する。
電子制御装置80には、各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ56、タービン回転速度センサ58、出力軸回転速度センサ60、MG回転速度センサ62、アクセル開度センサ64、スロットルセンサ66、バッテリセンサ68など)による検出値に基づく各種信号(例えばエンジン14の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]、タービン回転速度Nt[rpm]すなわち変速機入力軸36の回転速度である変速機入力回転速度Nin[rpm]、車速Vに対応する変速機出力軸24の回転速度である変速機出力回転速度Nout[rpm]、回転電機MGの回転速度であるMG回転速度Nmg[rpm]、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセル開度θacc、電子スロットル弁のスロットル弁開度θth、蓄電装置54の充電状態値(充電容量に対する実際に蓄電されている充電量の比)SOC[%]など)が、それぞれ入力される。
電子制御装置80からは、例えばエンジン14の出力制御のためのエンジン制御信号Se、回転電機MGの作動を制御するためのMG制御信号Smg、クラッチK0やロックアップクラッチ38や自動変速機18の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路50に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させるための油圧制御信号Spなどが、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置等のエンジン制御装置、インバータ52、油圧制御回路50などへそれぞれ出力される。
図2は、モータ走行モードとハイブリッド走行モードとの切り替えに用いられるEV/EHV領域マップの一例を示す図である。
車両10は、例えばモータ走行領域(EV領域)とハイブリッド走行領域(EHV領域)とを有する予め定められた関係(EV/EHV領域マップ)から、実際の車速V及び駆動要求量(アクセル開度θacc等)で示される車両状態に基づいて走行モードが切り替えられる。車両状態がEV領域にある場合には、走行モードをモータ走行モードとし、回転電機MGのみを走行用駆動力源として走行するモータ走行が行われる。車両状態がEHV領域にある場合には、走行モードをハイブリッド走行モードとし、少なくともエンジン14を走行用駆動力源として走行するハイブリッド走行が行われる。
例えば、運転者によりアクセルペダルが踏み増しされてアクセル開度θaccが増加し車両状態がEV領域からEHV領域に移動した場合には、エンジン14が始動されて走行モードがハイブリッド走行モードとされる。車両10のエンジン始動方式には、早期点火始動方式と、押しがけ始動方式と、がある。
早期点火始動方式は、クラッチK0を係合させて回転電機MGによりクランキングし、クラッチK0の同期前にエンジン14に燃料を噴射し点火してその燃焼が継続可能になったら一旦クラッチK0を解放し、その後にクラッチK0を再度係合する方式である。早期点火始動方式では、エンジン回転速度Neが低回転の段階で圧縮TDC(Top Dead Center;上死点)付近で燃料が噴射され点火されてエンジン14が始動させられる。押しがけ始動方式は、クラッチK0を係合させて回転電機MGによりエンジン回転速度Neを上昇させ、クラッチK0の同期後にエンジン14に燃料を噴射し点火して始動させる方式である。押しがけ始動方式に比較して、早期点火始動方式は、エンジン14の燃焼トルク(エンジントルクTe)がエンジン14の始動に用いられるため、回転電機MGがクランキングするアシストトルクを小さくでき、また始動応答性が良い。アシストトルクとは、回転電機MGがクランキングする場合にエンジン14に伝達するトルクであって、エンジン14の始動制御時におけるクラッチK0の伝達トルク容量(クラッチK0の係合力)Tcと同じ大きさである。なお、ここにいうエンジン14の「始動」とは、単にエンジン14が完爆して(運転を開始して)自立運転可能になるまでのことの他に、クラッチK0が完全係合されるまでのエンジン始動に関わる一連の制御作動のことでもある。
図3は、早期点火始動方式によるエンジン14の始動に伴って発生する始動ショックと、MG回転速度Nmgと、の関係について説明する図である。図3は、図1に示す電子制御装置80により早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行されたと仮定した場合におけるタイムチャートの一例であって、エンジン14の始動制御開始時点におけるMG回転速度Nmgが異なる3つのケースについて図示されている。なお、図3中に示すK0油圧は、クラッチK0の断接状態を制御する油圧であって、クラッチK0の油圧アクチュエータに供給される油圧である。
車両10が回転電機MGのみを走行用駆動力源として走行するモータ走行中において、例えば運転者によるアクセルペダルの踏み増しによりアクセル開度θaccが増加させられる場合がある。例えば、アクセルペダルが踏み込まれていない状態(アクセル開度θacc=0)から踏み込まれた状態(アクセル開度θacc>0)へと変化させられた場合である。
時刻x0において、アクセル開度θaccの増加により早期点火始動方式によるエンジン14の始動制御が開始される。増加したアクセル開度θaccは、エンジン14の始動制御開始後も始動制御完了まで一定に維持されている。始動制御完了時点とは、早期点火始動方式において一旦解放されたクラッチK0がその後に再度係合された時である。エンジン14の始動制御の開始によりK0油圧の指示圧は、時刻x0以降にパッククリアランスを急速に詰めるパック詰めのために一旦高い油圧とされた後、クラッチK0を係合状態とする油圧とされる。K0油圧の指示圧に応じてK0油圧の実圧が上昇する。
クラッチK0の係合により、時刻x1から回転電機MGによりエンジン14がクランキングされてエンジン14に燃料が噴射され点火されてエンジン回転速度Neが上昇する。エンジン14の燃焼が継続可能になった時刻x2においてクラッチK0を解放させるK0油圧の指示圧が出力される。K0油圧の指示圧は、時刻x2以降に一旦零値とされた後、パック詰めがされ且つ解放状態とする油圧(>0)とされる。K0油圧の指示圧に応じてK0油圧の実圧が下降する。
時刻x4において、再びクラッチK0を係合状態とするためにK0油圧の指示圧が緩やかに上昇させられ、その指示圧に応じてK0油圧の実圧が上昇する。K0油圧の実圧の上昇により、例えばクラッチK0が半係合状態(スリップ係合状態)を経て完全係合状態とされることで、エンジン14と回転電機MGとが連結されてエンジン14の始動制御が完了する。これにより、車両10は、エンジン14及び回転電機MGを走行用駆動力源として走行するハイブリッド走行とされる。
ところで、エンジン回転速度NeとMG回転速度Nmgとが同じとなるクラッチK0の同期タイミングにおいて、K0油圧の実圧が十分に低下していない(すなわちクラッチK0が解放状態となっていない)と、エンジン14のイナーシャがクラッチK0を介して回転電機MGのロータ軸40に伝達されることによって車両10に所定の許容範囲を超えた始動ショックが発生する場合がある。なお、「クラッチK0が同期」とは、クラッチK0が断接制御する動力伝達経路の一方側のエンジン連結軸32の回転速度と同値であるエンジン回転速度Neと、他方側のMG回転速度Nmgと、が同じになることである。同期タイミングとは、クラッチK0が同期する時点のことである。
クラッチK0の伝達トルク容量Tcは、K0油圧の実圧に応じて図3に示すように変化する。
エンジン14の始動制御開始時点におけるMG回転速度Nmgが最も低いケース1の場合には、時刻x3aにおいてクラッチK0が同期する。同期タイミングでは、MG回転速度Nmgは、回転速度値Nmg1[rpm]である。
エンジン14の始動制御開始時点におけるMG回転速度Nmgが最も高いケース3の場合には、時刻x3cにおいてクラッチK0が同期する。同期タイミングでは、MG回転速度Nmgは、回転速度値Nmg3[rpm]である。
エンジン14の始動制御開始時点におけるMG回転速度Nmgがケース1とケース3との間であるケース2の場合には、時刻x3b(x3a<x3b<x3c)においてクラッチK0が同期する。同期タイミングでは、MG回転速度Nmgは、回転速度値Nmg2[rpm]である。
同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが高いほど、エンジン回転速度NeがMG回転速度Nmgと同じ回転速度まで上昇するのに要する期間が長くなる、すなわちエンジン14の始動制御の開始からクラッチK0が同期するまでの期間が長くなる。したがって、同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが高いほど、同期タイミングにおけるクラッチK0を一旦解放させるK0油圧の実圧が低くなりやすく、同期タイミングにおける伝達トルク容量Tcが小さくなりやすい。一方、同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが低いほど、同期タイミングにおけるクラッチK0を一旦解放させるK0油圧の実圧が低くなりにくく、同期タイミングにおける伝達トルク容量Tcが大きくなりやすい。
クラッチK0が同期したことでクラッチK0は、エンジントルクTeを外乱として回転電機MGのロータ軸40に伝達してしまう。同期タイミングにおける伝達トルク容量Tcが大きいと、クラッチK0が伝達するエンジントルクTeが大きくなり始動ショックが所定の許容範囲外となりやすく、同期タイミングにおける伝達トルク容量Tcが小さいと、クラッチK0が伝達するエンジントルクTeが小さくなり始動ショックが所定の許容範囲内となりやすい。
ここで、ケース2のように同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが回転速度値Nmg2である場合において、同期タイミングでのクラッチK0の伝達トルク容量Tcが始動ショックを許容できる上限値であるとする。ケース1の場合には、早期点火始動方式によるエンジン14の始動に伴う始動ショックが所定の許容範囲外となる。そのため、ケース1となる場合には、エンジン14の始動制御の実行は、押しがけ始動制御が適している。ケース3の場合には、早期点火始動方式によるエンジン14の始動に伴う始動ショックが所定の許容範囲内となる。そのため、ケース3となる場合には、エンジン14の始動制御は、早期点火始動方式が適している。すなわち、同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが回転速度値Nmg2以上である場合には、早期点火始動方式によるエンジン14の始動に伴う始動ショックが所定の許容範囲内となり、同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが回転速度値Nmg2未満である場合には、早期点火始動方式によるエンジン14の始動に伴う始動ショックが所定の許容範囲外となる。
図1に戻り、電子制御装置80は、始動方式設定部80a、始動決定部80b、アシストトルク判定部80c、出力可能トルク算出部80d、要求トルク算出部80e、始動方式決定部80f、及び始動制御部80gを機能的に備える。
始動方式設定部80aは、エンジン14の始動方式を設定する。なお、始動方式設定部80aが設定する始動方式は、必ずしも実行されるわけではない。
例えば、始動方式設定部80aは、現在のMG回転速度Nmg、システム軸トルクTsys、及びタービン回転速度Ntに基づいて、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgを同期時車両状態値として算出する(すなわち予測する)。ここにいう「現在」とは、エンジン14の始動方式を設定する時点のことである。システム軸トルクTsysは、車両10の走行用駆動力源(エンジン14及び回転電機MG)に対する走行用駆動トルクのロータ軸40上での要求量であって、例えばトルクコンバータ16に入力される入力トルクの目標値に相当するものであり、図1に示すエンジン14及び回転電機MGにより駆動輪34(トルクコンバータ16)へ出力される走行用駆動トルクの目標値である。なお、システム軸トルクTsysは、本発明における「要求トルク」に相当する。例えば、システム軸トルクTsysは、アクセル開度θaccや車速Vに基づいて駆動輪34における出力トルクの目標値を算出し、伝達損失、補機負荷、自動変速機18の変速比γ、蓄電装置54の充電状態値SOC(換言すれば蓄電装置54の充放電要求量)等を考慮してその算出された目標値をロータ軸40上でのトルクに換算することで求められる。
例えば、現在のすなわちエンジン14の始動方式を設定する時点の実際のMG回転速度Nmg、システム軸トルクTsys、及びタービン回転速度Ntと、クラッチK0の同期タイミングにおけるMG回転速度(予測値)Nmgと、の関係が実験的に或いは設計的に予め定められたマップに、現在のMG回転速度Nmg、システム軸トルクTsys、及びタービン回転速度Ntが適用されることでクラッチK0の同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが算出される。エンジン14の始動制御の開始からクラッチK0の同期タイミングまでのK0油圧の制御が予め定められているのでクラッチK0の作動状態(伝達トルク容量Tcの状態を含む)の制御は予め定められており、現在のMG回転速度Nmg、システム軸トルクTsys、及びタービン回転速度Ntに基づいてクラッチK0の同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが算出可能である。
例えば、始動方式設定部80aは、予測された同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが所定のMG回転速度判定値Nmg_jdg[rpm]以上であるか否かを判定する。所定のMG回転速度判定値Nmg_jdgは、早期点火始動方式によりエンジン14の始動制御が実行された場合における始動ショックが所定の許容範囲内であることを判定するために実験的に或いは設計的に予め定められた判定値である。例えば、前述の図3における回転速度値Nmg2である。予測された同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが所定のMG回転速度判定値Nmg_jdg以上であると判定した場合には、始動方式設定部80aは、エンジン14の始動方式として早期点火始動方式を設定する。予測された同期タイミングにおけるMG回転速度Nmgが所定のMG回転速度判定値Nmg_jdg未満であると判定した場合には、始動方式設定部80aは、エンジン14の始動方式として押しがけ始動方式を設定する。
このように、始動方式設定部80aは、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合に生じる始動ショックが所定の許容範囲内であるか否かに基づいてエンジン14の始動方式を随時、例えば所定の周期毎に設定する。
また、始動方式設定部80aは、エンジン14の始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わったか否かを判定する。以下、始動方式設定部80aによってエンジン14の始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わったと判定された時点を、「切替わり時点」ということとする。
始動方式設定部80aで設定された始動方式が早期点火始動方式である状態においては、早期点火始動方式によりエンジン14の始動制御が実行される場合に備えてMGトルクTmgから早期点火始動用のアシストトルクが早期点火始動用担保トルクとして確保され、残余がMG走行用配分トルクTrとして配分される(図5参照)。MG走行用配分トルクTrは、MGトルクTmgのうち走行用駆動トルク分として配分可能なロータ軸40上でのトルクであって、回転電機MGにより駆動輪34(トルクコンバータ16)へ出力可能な走行用駆動トルクである。なお、MG走行用配分トルクTrは、本発明における「出力可能トルク」に相当する。始動方式設定部80aで設定された始動方式が押しがけ始動方式である状態においては、押しがけ始動方式によりエンジン14の始動制御が実行される場合に備えてMGトルクTmgから押しがけ始動用のアシストトルクが押しがけ始動用担保トルクとして確保され、残余がMG走行用配分トルクTrとして配分される(図5参照)。なお、MG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも大きくなるように制御されることで運転者が車両10に対して要求する駆動力が満足させられる一方、MG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも大きくなるほど回転電機MGでのエネルギー使用効率(電費)は悪化する。
押しがけ始動方式ではエンジントルクTeがエンジン14の始動に用いられないため、早期点火始動用担保トルクに比較して押しがけ始動用担保トルクは大きい。そのため、始動方式設定部80aで設定された始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わった直後に、アシストトルクが早期点火始動用担保トルクから押しがけ始動用担保トルクに切り替わるため、MGトルクTmgのうちのMG走行用配分トルクTrが急減する。このMG走行用配分トルクTrが急減したタイミングでエンジン14の始動制御が押しがけ始動方式で実行されると、MG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysに対して不足することとなってエンジン始動時の引き込みショックが発生するおそれがある。
始動決定部80bは、エンジン14の始動制御を実行するか否かを決定する。例えば、前述した図2に示すEV/EHV領域マップにおいて車両状態がEV領域からEHV領域に移動したことに基づいて、エンジン14の始動制御を実行することを決定する。また、始動決定部80bは、エンジン14の始動制御を実行することを決定した場合、その決定時点が切り替わり時点から所定の期間T内であるか否かを判定する。所定の期間Tは、押しがけ始動が実行されてもエンジン始動時の引き込みショックが許容範囲となるようにMGトルクTmgのうちのMG走行用配分トルクTrが必要な大きさだけ確保できるようにするために必要な期間であって、予め実験的に或いは設計的に予め定められたものであり、例えばMGトルクTmgを増加させたり、自動変速機18の変速比γを変化させたりするのに必要な期間である。
始動決定部80bによってエンジン14の始動制御を実行することが決定され且つその決定時点が切替わり時点から所定の期間T内であると判定された場合には、アシストトルク判定部80cは、始動方式設定部80aで設定された始動方式の切り替りによりクラッチK0のアシストトルクが増加したか否かを判定する。すなわち、始動方式の切り替りにより早期点火始動用担保トルクに対して押しがけ始動用担保トルクが増加したか否かが判定される。アシストトルクが増加していない場合には、MGトルクTmgのうちのMG走行用配分トルクTrは減少していない。
始動決定部80bによってエンジン14の始動制御を実行することが決定され且つその決定時点が切替わり時点から所定の期間T内であると判定された場合には、出力可能トルク算出部80dは、エンジン14の始動制御として押しがけ始動方式が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcに基づいて、MGトルクTmgのうちのMG走行用配分トルクTrを出力可能トルクとして計算する。
始動決定部80bによってエンジン14の始動制御を実行することが決定され且つその決定時点が切替わり時点から所定の期間T内であると判定された場合には、要求トルク算出部80eは、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合におけるアクセル開度θaccからアクセル開度θaccに対応する走行用駆動トルクの要求量を、回転電機MGのロータ軸40上でのトルクに換算することでシステム軸トルクTsysを要求トルクとして計算する。
始動方式決定部80fは、基本的には始動方式設定部80aで設定された早期点火始動方式及び押しがけ始動方式のいずれかをエンジン14の始動制御を実行する方式に決定する。ただし、以下の2つの場合には、始動方式決定部80fは、始動方式設定部80aで設定された始動方式にかかわらずエンジン14の始動制御を実行する方式を早期点火始動方式に決定する。1つ目の場合は、アシストトルク判定部80cによりクラッチK0のアシストトルクが増加していないと判定された場合である。2つ目の場合は、出力可能トルク算出部80dで計算されたMG走行用配分トルクTrが要求トルク算出部80eで計算されたシステム軸トルクTsysよりも小さい場合すなわちMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysに対して不足する場合である。このように、始動方式決定部80fによるエンジン14の始動制御を実行する方式の決定は、早期点火始動方式でエンジン始動制御が実行された場合の始動ショックの発生の抑制に比べて、押しがけ始動方式でエンジン始動制御が実行された場合の引き込みショックの発生の抑制を重視したものである。なお、上記2つの場合に該当しても、例えばエンジン14側の要件により早期点火始動方式によるエンジン14の始動制御が不可とされている場合には、始動方式決定部80fは、押しがけ始動方式をエンジン14の始動制御を実行する方式に決定する。
始動方式決定部80fによりエンジン14の始動制御を実行する方式として早期点火始動方式が決定された場合には、始動制御部80gは、早期点火始動方式によるエンジン14の始動制御を実行する。なお、始動方式設定部80aで設定された始動方式にかかわらず早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行される場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcは、早期点火始動方式におけるものである。始動方式決定部80fによりエンジン14の始動制御を実行する方式として押しがけ始動方式が決定された場合には、始動制御部80gは、押しがけ始動方式によるエンジン14の始動制御を実行する。
図4は、図1に示す電子制御装置80の制御作動の要部を説明するフローチャートの一例である。例えば、車両10がモータ走行中においてエンジン14の始動制御を実行することが決定されると、図4のフローチャートが実行される。
始動決定部80bの機能に対応するステップS10において、エンジン14の始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式へ切り替わったと判定された時点から所定の期間T内にエンジン14の始動制御を実行することが決定されたか否かが判定される。ステップS10の判定が肯定された場合には、ステップS20が実行される。ステップS10の判定が否定された場合には、ステップS70が実行される。
アシストトルク判定部80cの機能に対応するステップS20において、始動方式の切り替わりによりクラッチK0のアシストトルクが増加したか否かが判定される。ステップS20の判定が肯定された場合には、ステップS30が実行される。ステップS20の判定が否定された場合には、ステップS100が実行される。
出力可能トルク算出部80dの機能に対応するステップS30において、エンジン14の始動制御として押しがけ始動方式が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcに基づいて、MGトルクTmgのうちのMG走行用配分トルクTrが出力可能トルクとして計算される。そしてステップS40が実行される。
要求トルク算出部80eの機能に対応するステップS40において、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合におけるアクセル開度θaccからアクセル開度θaccに対応する走行用駆動トルクの要求量が、回転電機MGのロータ軸40上でのトルクに換算されることで、システム軸トルクTsysが要求トルクとして計算される。そしてステップS50が実行される。
始動方式決定部80fの機能に対応するステップS50において、ステップS30で計算されたMG走行用配分トルクTrがステップS40で計算されたシステム軸トルクTsysよりも小さいか否かが判定される。ステップS50の判定が肯定された場合には、ステップS60が実行される。ステップS50の判定が否定された場合には、ステップS100が実行される。
始動方式決定部80fの機能に対応するステップS60において、早期点火始動方式によるエンジン14の始動制御が可能であるか否かが判定される。ステップS60の判定が肯定された場合には、ステップS80が実行される。ステップS60の判定が否定された場合には、ステップS100が実行される。
始動決定部80bの機能に対応するステップS70において、エンジン14の始動方式が早期点火始動方式となっている期間内にエンジン14の始動制御を実行することが決定されたか否かが判定される。ステップS70の判定が肯定された場合には、ステップS60が実行される。ステップS70の判定が否定された場合には、ステップS100が実行される。
始動方式決定部80fの機能に対応するステップS80において、実際に実行するエンジン14の始動方式が早期点火始動方式に決定される。そしてステップS90が実行される。
始動制御部80gの機能に対応するステップS90において、早期点火始動方式によりエンジン14の始動制御が実行される。そしてリターンとなる。
始動方式決定部80fの機能に対応するステップS100において、実際に実行するエンジン14の始動方式が押しがけ始動方式に決定される。そしてステップS110が実行される。
始動制御部80gの機能に対応するステップS110において、押しがけ始動方式によりエンジン14の始動制御が実行される。そしてリターンとなる。
図5は、図1に示す電子制御装置80の制御作動を説明するタイムチャートの一例である。図5の横軸は時間t[sec]である。
時刻t0以前においては、車両10はモータ走行中であり、走行路は登坂路である。例えば、運転者によりアクセルペダルが踏み増しされることによりアクセル開度θaccが次第に増加しており、車両10に対する駆動要求量が次第に大きくなっている。一方、この登坂路の走行により、走行用駆動力源である回転電機MGのMG回転速度Nmgが次第に低下している。
エンジン14の始動方式は、各時刻において早期点火始動方式及び押しがけ始動方式のいずれかに設定されている。例えば、エンジン14の始動方式は、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合に生じる始動ショックが所定の許容範囲内であるか否かに基づいて定められる。時刻t0において、エンジン14の始動方式は、早期点火始動方式から押しがけ始動方式へ切り替えられる。時刻t1(>t0)において、エンジン14の始動制御を実行することが決定される。この時刻t1は、時刻t0と、その時刻t0から所定の期間Tを経過した時刻t3との間にある。時刻t1においてエンジン14の始動制御が開始され(回転電機MGによるクランキングが開始され)、時刻t4においてエンジン14の始動制御が完了し、車両10はハイブリッド走行に切り替えられる。エンジン14の始動制御が早期点火始動方式及び押しがけ始動方式のいずれで実行されるかについては、後述する。なお、早期点火始動方式及び押しがけ始動方式の初期段階は、いずれもクラッチK0を係合させて回転電機MGによりクランキングすることで共通している。また、このクランキングのためにクラッチK0を係合させるK0油圧の実圧が上昇するまでには時間を要するため、エンジン14の始動制御開始からエンジン回転速度Neが上昇し始めるまでには、時間を要する。時刻t1と時刻t4との間の期間は、エンジン14の始動制御の実行期間である。
図5では、各時刻において計算されたMG走行用配分トルクTrが破線で示されている。MG走行用配分トルクTrは、MGトルクTmgからエンジン始動用のアシストトルクを差し引いた残余の部分である。時刻t0以前においては、MG走行用配分トルクTrは、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合におけるエンジン始動用のアシストトルク(早期点火始動用担保トルク)を確保して計算されている。すなわち、MG走行用配分トルクTrは、早期点火始動方式でエンジン始動制御が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcに基づいて計算されている。時刻t0以後においては、MG走行用配分トルクTrは、エンジン14の始動制御として押しがけ始動方式が実行されたと仮定した場合におけるエンジン始動用のアシストトルク(押しがけ始動用担保トルク)を確保して計算されている。すなわち、MG走行用配分トルクTrは、押しがけ始動方式でエンジン始動制御が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcに基づいて計算されている。
図5では、各時刻におけるシステム軸トルクTsysについて2つの場合が一点鎖線及び二点鎖線の矢印でそれぞれ示されている。時刻t1以降のシステム軸トルクTsysは、時刻t1においてエンジン14の始動制御として早期点火始動方式の実行が開始されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量Tcに基づいて計算された予測値である。
システム軸トルクTsysが一点鎖線の矢印のように推移する場合には、エンジン始動制御の実行期間中においてMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも小さくなると予測されるため、エンジン14の始動制御を押しがけ始動方式で実行するとエンジン始動時の引き込みショックが発生するおそれがある。そのため、このような場合には、押しがけ始動方式ではなく早期点火始動方式でエンジン14を始動制御することとする。なお、実行されるエンジン始動制御が時刻t1から電子制御装置80での計算時間等に要する時間だけ遅れた時刻t2において押しがけ始動方式から早期点火始動方式に切り替えられるが、この時刻t2は、押しがけ始動方式が実行される場合における引き込みショックが発生する時刻よりも早い時刻である。これにより、始動用トルク(アシストトルク)の増加が抑制され、MG走行用配分トルクTrが確保されてエンジン始動時における引き込みショックの発生が抑制される。
システム軸トルクTsysが二点鎖線の矢印のように推移する場合には、エンジン始動制御の実行期間中においてMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも小さくなることがないと予測されるため、エンジン14の始動制御を押しがけ始動方式で実行してもエンジン始動時の引き込みショックが発生するおそれがない。そのため、このような場合には、押しがけ始動方式でエンジン14を始動制御することとする。すなわち、時刻t1から実行されたエンジン始動制御が時刻t2以降において押しがけ始動方式で実行される。
始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わった直後の時刻t0から所定の期間Tが経過後の時刻t3でエンジン14を始動する場合において、エンジン始動制御の実行期間中においてMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも小さくなると予測される場合には、実行する始動制御は、一点鎖線で示すように時刻t3以前は早期点火始動方式とされ、時刻t3以降は押しがけ始動方式とされる。また、始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わった直後の時刻t0でエンジン14を始動する場合において、エンジン始動制御の実行期間中においてMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysよりも小さくなることがないと予測される場合には、実行する始動制御は、二点鎖線で示すように時刻t0以前は早期点火始動方式とされ、時刻t0以降は押しがけ始動方式とされる。
本実施例によれば、エンジン14の始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わったと判定された時点から所定の期間T内にエンジン14が始動される場合において、(a)押しがけ始動方式でエンジン14の始動制御が実行されたと仮定した場合におけるクラッチK0の伝達トルク容量TcをMGトルクTmgから差し引くことで得られる走行用駆動トルク分であるMG走行用配分トルクTrが出力可能トルクとして計算され、(b)早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行されたと仮定した場合におけるアクセル開度θaccからアクセル開度θaccに対応する走行用駆動トルクの要求量が、回転電機MGのロータ軸40上でのトルクに換算されることで、システム軸トルクTsysが要求トルクとして計算され、(c)出力可能トルクが要求トルクに対して不足する場合には、早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行される。このように、エンジン14の始動方式が早期点火始動方式から押しがけ始動方式に切り替わったと判定された時点から所定の期間T内にエンジン14が始動される場合において、実際に押しがけ始動方式でエンジン14の始動制御が実行されるとMG走行用配分トルクTrがシステム軸トルクTsysに対して不足してエンジン始動時の引き込みショックが発生する場合には、切り替わったと判定された始動方式にかかわらず早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行される。これにより、エンジン始動時における引き込みショックの発生が抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、電子制御装置80がアシストトルク判定部80cを機能的に備えていたが、必ずしも備えていなくとも良い。アシストトルク判定部80cを備えない電子制御装置80の制御作動においては、例えば図4のフローチャートはステップS20が省略されたものとされる。
前述の実施例では、システム軸トルクTsys(要求トルク)及びMG走行用配分トルク(出力可能トルク)は、ロータ軸40上でのトルクとして計算されたが、これに限らず、変速機出力軸24上や変速機入力軸36上でのトルクとして計算される態様であっても良い。このような態様においては、出力可能トルクが要求トルクに対して不足する場合すなわち同じ軸上に換算された出力可能トルクが要求トルクよりも小さい場合には、切り替わったと判定した始動方式にかかわらず早期点火始動方式でエンジン14の始動制御が実行される。
前述の実施例では、始動方式設定部80aによるエンジン14の始動方式の設定は、エンジン14の始動制御として早期点火始動方式が実行されたと仮定した場合における始動ショックが所定の許容範囲内であるか否かに基づいて行われたが、この態様に限らない。例えば、始動方式設定部80aは、蓄電装置54の充電状態値SOCが予め定められた所定値以上の場合にはアシストトルクが比較的大きい押しがけ始動方式をエンジン14の始動方式として設定し、その所定値未満の場合にはアシストトルクが比較的小さい早期点火始動方式をエンジン14の始動方式として設定しても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。