[第1実施形態]
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1はチャンバ94に設置されたウエハ載置台10の縦断面図(ウエハ載置台10の中心軸を含む面で切断したときの断面図)、図2はウエハ載置台10の平面図、図3は収納穴36及び雌ネジ部材38の周辺を示す拡大断面図、図4は冷却基材30を収納穴36の天井面に沿って水平に切断したときの断面を上からみた断面図である。
ウエハ載置台10は、ウエハWにプラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うために用いられるものであり、半導体プロセス用のチャンバ94の内部に設けられた設置板96に固定されている。ウエハ載置台10は、アルミナ基材20と、冷却基材30と、金属接合層40とを備えている。
アルミナ基材20は、円形のウエハ載置面22aを有する中央部22の外周に、環状のフォーカスリング載置面24aを有する外周部24を備えている。以下、フォーカスリングは「FR」と略すことがある。ウエハ載置面22aには、ウエハWが載置され、FR載置面24aには、フォーカスリング78が載置される。FR載置面24aは、ウエハ載置面22aに対して一段低くなっている。
アルミナ基材20の中央部22は、ウエハ載置面22aに近い側に、ウエハ吸着用電極26を内蔵している。ウエハ吸着用電極26は、例えばW、Mo、WC、MoCなどを含有する材料によって形成されている。ウエハ吸着用電極26は、円板状又はメッシュ状の単極型の静電吸着用電極である。アルミナ基材20のうちウエハ吸着用電極26よりも上側の層は誘電体層として機能する。ウエハ吸着用電極26には、ウエハ吸着用直流電源52が給電端子54を介して接続されている。給電端子54は、冷却基材30及び金属接合層40を上下方向に貫通する貫通穴に配置された絶縁管55を通過して、アルミナ基材20の下面からウエハ吸着用電極26に至るように設けられている。ウエハ吸着用直流電源52とウエハ吸着用電極26との間には、ローパスフィルタ(LPF)53が設けられている。
冷却基材30は、円板部材である。冷却基材30の材料としては、金属とセラミックとの複合材料などが好ましい。こうした複合材料としては、金属マトリックス複合材料(メタル・マトリックス・コンポジット(MMC)ともいう)やセラミックマトリックス複合材料(セラミック・マトリックス・コンポジット(CMC)ともいう)などが挙げられる。こうした複合材料は、脆性材料の一種である。冷却基材30は、内部に冷媒が循環可能な冷媒流路32を備えている。この冷媒流路32は、図示しない冷媒供給路及び冷媒排出路に接続されており、冷媒排出路から排出された冷媒は温度調整されたあと再び冷媒供給路に戻される。冷媒流路32を流れる冷媒は、液体が好ましく、電気絶縁性であることが好ましい。電気絶縁性の液体としては、例えばフッ素系不活性液体などが挙げられる。金属とセラミックとの複合材料としては、Si,SiC及びTiを含む材料やSiC多孔質体にAl及び/又はSiを含浸させた材料、Al2O3とTiCとの複合材料などが挙げられる。Si,SiC及びTiを含む材料をSiSiCTiといい、SiC多孔質体にAlを含浸させた材料をAlSiCといい、SiC多孔質体にSiを含浸させた材料をSiSiCという。冷却基材30に用いる複合材料としては熱膨張係数がアルミナに近いAlSiCやSiSiCTiなどが好ましい。冷却基材30は、RF電源62に給電端子64を介して接続されている。冷却基材30とRF電源62との間には、ハイパスフィルタ(HPF)63が配置されている。冷却基材30は、下面側にウエハ載置台10を設置板96にクランプするのに用いられるフランジ部34を有する。
冷却基材30には、複数の収納穴36が設けられ、収納穴36には、雌ネジ部材38(結合部材)が収納されている。複数の収納穴36は、冷却基材30のうち冷媒流路32の底面32aよりも低い領域に設けられている。複数の収納穴36は、冷却基材30の同心円(例えばウエハWの直径の1/2とか1/3の円)に沿って等間隔に複数(例えば6個とか8個)設けられている。つまり、複数の収納穴36は、図2に示すように、ウエハ載置台10の中心に近い領域に設けられている。収納穴36は、図3に示すように、冷却基材30の下面に開口している。収納穴36は、第1収納部36aと、第2収納部36bと、段差部36cとを備える。第1収納部36aは、収納穴36の上部に設けられた直方体状の空間である。第2収納部36bは、収納穴36の下部に設けられた円柱状の空間である。段差部36cは、第1収納部36aと第2収納部36bとの繋ぎ目の部分である。収納穴36には、雌ネジ部材38が収納されている。雌ネジ部材38は、直方体状の頭部38aと、頭部38aの下面に設けられた円筒部38bとを有し、円筒部38bの内周面にネジが切られている。雌ネジ部材38の頭部38aは、収納穴36の第1収納部36aに収納されている。雌ネジ部材38は、頭部38aの下面が収納穴36の段差部36cに係合しているため、収納穴36から落下することはない。雌ネジ部材38の円筒部38bは、収納穴36の第2収納部36bに収納されている。雌ネジ部材38が軸回転しようとすると、図4に示すように、頭部38aが第1収納部36aの側壁に当たって軸回転が規制されるようになっている。雌ネジ部材38は、延性材料(例えばTi,Mo,Wなど)で形成されている。
金属接合層40は、アルミナ基材20の下面と冷却基材30の上面とを接合する。金属接合層40は、例えば、はんだや金属ロウ材で形成された層であってもよい。金属接合層40は、例えばTCB(Thermal compression bonding)により形成される。TCBとは、接合対象の2つの部材の間に金属接合材を挟み込み、金属接合材の固相線温度以下の温度に加熱した状態で2つの部材を加圧接合する公知の方法をいう。
アルミナ基材20の外周部24の側面、金属接合層40の外周及び冷却基材30の側面は、絶縁膜42で被覆されている。絶縁膜42としては、例えばアルミナやイットリアなどの溶射膜が挙げられる。
こうしたウエハ載置台10は、チャンバ94の内部に設けられた設置板96の上にシールリング76を介して取り付けられる。シールリング76は、金属製又は樹脂製であり、外径が冷却基材30の外径よりもやや小さい。ウエハ載置台10の外周領域は、クランプ部材70を用いて設置板96に取り付けられる。クランプ部材70は、断面が略逆L字状の環状部材であり、内周段差面70aを有する。ウエハ載置台10の冷却基材30のフランジ部34に、クランプ部材70の内周段差面70aを載置した状態で、クランプ部材70の上面からボルト72が差し込まれて設置板96の上面に設けられたネジ穴に螺合されている。ボルト72は、クランプ部材70の円周方向に沿って等間隔に設けられた複数箇所(例えば8箇所とか12箇所)に取り付けられる。クランプ部材70やボルト72は、絶縁材料で作製されていてもよいし、導電材料(金属など)で作製されていてもよい。また、ウエハ載置台10の中央領域は、ボルト98(被結合部材)を用いて設置板96に取り付けられる。図3に示すように、ボルト98の足部には、雄ネジ98aが設けられている。ボルト98は、設置板96のうち収納穴36に対向する位置に設けられた貫通穴97に設置板96の下面から挿通され、雄ネジ98aが収納穴36内の雌ネジ部材38に螺合される。貫通穴97は、上部が小径、下部が大径となっており、上部と下部との間に段差部97aを有する。ボルト98の頭部は、貫通穴97の段差部97aに引っ掛かる。雌ネジ部材38は収納穴36の第1収納部36a内に軸回転を規制された状態で収納されているため、ボルト98を雌ネジ部材38に螺合することができる。ボルト98を雌ネジ部材38に螺合すると、雌ネジ部材38は頭部38aが収納穴36の段差部36cに係合した状態で設置板96に向かって引っ張られた状態になる。
ウエハ載置台10の使用時にはアルミナ基材20のウエハ載置面22a側が真空、冷却基材30の下面側が大気になるため、ウエハ載置台10が上に向かって凸になりやすい。また、ハイパワープラズマでウエハWを処理する場合、アルミナ基材20のウエハ載置面22a側が高温、下面側が冷却されて低温になるため、ウエハ載置面22a側の方が延びやすく、ウエハ載置台10が上に向かって凸になりやすい。しかしながら、本実施形態では、ウエハ載置台10の中央領域がボルト98によって固定されているため、ウエハ載置台10が上に向かって凸になるのを防止することができる。また、冷却基材30の下面の中央領域と設置板96の上面との間に図示しないシールリングが配置されていたとしても、ウエハ載置台10の中央領域がボルト98によって固定されているため、そのシールリングはしっかりと押し潰された状態で維持される。
例えば、図5に示すように、冷媒供給路321は、設置板96を貫通する第1供給路32pと、設置板96と冷却基材30との間に配置された冷媒供給用シールリング32qの内部と、冷却基材30の下面から冷媒流路32に至る第2供給路32rとで構成されているとする。冷媒排出路322は、冷媒流路32から冷却基材30の下面に至る第1排出路32sと、冷却基材30と設置板96との間に配置された冷媒排出用シールリング32tの内部と、設置板96を貫通して設置板96の下面に至る第2排出路32uとで構成されているとする。この場合、収納穴36内の雌ネジ部材38とボルト98とが螺合されることによりウエハ載置台10の中央領域が固定されるため、これらのシールリング32q,32tはしっかりと押し潰された状態で維持される。そのため、シールリング32q,32tはシール性を十分に確保することができる。
次に、ウエハ載置台10の製造例を図6を用いて説明する。図6はウエハ載置台10の製造工程図である。まず、アルミナ基材20の元となる円板状のアルミナ焼結体120を、アルミナ粉末の成形体をホットプレス焼成することにより作製する(図6A)。アルミナ焼結体120は、ウエハ吸着用電極26を内蔵している。次に、アルミナ焼結体120の下面からウエハ吸着用電極26まで穴27をあけ(図6B)、その穴27に給電端子54を挿入して給電端子54とウエハ吸着用電極26とを接合する(図6C)。
これと並行して、3つのMMC円板部材131,133,135を作製する(図6D)。そして、上側のMMC円板部材131の下面に最終的に冷媒流路32となる溝132を形成すると共に、下側のMMC円板部材135に最終的に収納穴36となる段差穴136を形成し、更に、3つのMMC円板部材131,133,135に上下方向に貫通する貫通穴を形成する(図6E)。これらの貫通穴は最終的に給電端子54を挿通する穴になる。アルミナ焼結体120がアルミナ製の場合、MMC円板部材131,133,135はSiSiCTi製かAlSiC製であることが好ましい。アルミナの熱膨張係数とSiSiCTiやAlSiCの熱膨張係数とは、概ね同じだからである。
SiSiCTi製の円板部材は、例えば以下のように作製することができる。まず、炭化珪素と金属Siと金属Tiとを混合して粉体混合物を作製する。次に、得られた粉体混合物を一軸加圧成形により円板状の成形体を作製し、その成形体を不活性雰囲気下でホットプレス焼結させることにより、SiSiCTi製の円板部材を得る。
次に、下側のMMC円板部材135の段差穴136に雌ネジ部材38を収納する。そして、上側のMMC円板部材131の下面と真ん中のMMC円板部材133の上面との間に金属接合材を配置すると共に、真ん中のMMC円板部材133の下面と下側のMMC円板部材135の上面との間に金属接合材を配置し、更に上側のMMC円板部材131の上面に金属接合材を配置する。各金属接合材には、給電端子54を挿通する位置に貫通穴を設けておく。次に、アルミナ焼結体120の給電端子54をMMC円板部材131,133,135の貫通穴に挿入し、アルミナ焼結体120を上側のMMC円板部材131の上面に配置された金属接合材の上に載せる。これにより、下から順に、MMC円板部材135、金属接合材、MMC円板部材133、金属接合材、MMC円板部材131、金属接合材及びアルミナ焼結体120が積層した積層体を得る。この積層体を加熱しながら加圧することにより(TCB)、接合体110を得る(図6F)。接合体110は、冷却基材30の元となるMMCブロック130の上面に、金属接合層40を介してアルミナ焼結体120が接合されたものである。MMCブロック130は、上側のMMC円板部材131と真ん中のMMC円板部材133とが金属接合層を介して接合されると共に、真ん中のMMC円板部材133と下側のMMC円板部材135とが金属接合層を介して接合されたものである。MMCブロック130は、内部に冷媒流路32と収納穴36を有している。また、収納穴36には雌ネジ部材38が収納されている。
TCBは、例えば以下のように行われる。すなわち、金属接合材の固相線温度以下(例えば、固相線温度から20℃引いた温度以上固相線温度以下)の温度で積層体を加圧して接合し、その後室温に戻す。これにより、金属接合材は金属接合層になる。このときの金属接合材としては、Al-Mg系接合材やAl-Si-Mg系接合材を使用することができる。例えば、Al-Si-Mg系接合材を用いてTCBを行う場合、真空雰囲気下で加熱した状態で積層体を加圧する。金属接合材は、厚みが100μm前後のものを用いるのが好ましい。
続いて、アルミナ焼結体120の外周を切削して段差を形成することにより、中央部22と外周部24とを備えたアルミナ基材20とする。また、MMCブロック130の外周を切削して段差を形成することにおり、フランジ部34を備えた冷却基材30とする。また、MMCブロック130及び金属接合層40に設けられた給電端子54の挿入穴に、絶縁管55を配置する。更に、アルミナ基材20の外周部24の側面、金属接合層40の周囲及び冷却基材30の側面を、アルミナ粉末を用いて溶射することにより絶縁膜42を形成する(図6G)。これにより、ウエハ載置台10を得る。
なお、図1の冷却基材30は、一体品として記載したが、図6Gに示すように3つの部材が金属接合層で接合された構造であってもよいし、2つ又は4つ以上の部材が金属接合層で接合された構造であってもよい。
次に、ウエハ載置台10の使用例について図1を用いて説明する。チャンバ94の設置板96には、上述したようにウエハ載置台10の外周領域がクランプ部材70によって固定されると共に、ウエハ載置台10の中央領域がボルト98によって固定されている。チャンバ94の天井面には、プロセスガスを多数のガス噴射孔からチャンバ94の内部へ放出するシャワーヘッド95が配置されている。設置板96は、例えばアルミナなどの絶縁材料で形成されている。
ウエハ載置台10のFR載置面24aには、フォーカスリング78が載置され、ウエハ載置面22aには、円盤状のウエハWが載置される。フォーカスリング78は、ウエハWと干渉しないように上端部の内周に沿って段差を備えている。この状態で、ウエハ吸着用電極26にウエハ吸着用直流電源52の直流電圧を印加してウエハWをウエハ載置面22aに吸着させる。そして、チャンバ94の内部を所定の真空雰囲気(又は減圧雰囲気)になるように設定し、シャワーヘッド95からプロセスガスを供給しながら、冷却基材30にRF電源62からのRF電圧を印加する。すると、ウエハWとシャワーヘッド95との間でプラズマが発生する。そして、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。なお、ウエハWがプラズマ処理されるのに伴ってフォーカスリング78も消耗するが、フォーカスリング78はウエハWに比べて厚いため、フォーカスリング78の交換は複数枚のウエハWを処理したあとに行われる。
ハイパワープラズマでウエハWを処理する場合には、ウエハWを効率的に冷却する必要がある。ウエハ載置台10では、アルミナ基材20と冷却基材30との接合層として、熱伝導率の低い樹脂層ではなく、熱伝導率の高い金属接合層40を用いている。そのため、ウエハWから熱を引く能力(抜熱能力)が高い。また、アルミナ基材20と冷却基材30との熱膨張差は小さいため、金属接合層40の応力緩和性が低くても、支障が生じにくい。
以上説明したウエハ載置台10では、雌ネジ部材38は、冷却基材30の下面に開口する収納穴36内に軸回転を規制された状態で且つ収納穴36から落下しないように収納穴36の段差部36c(係合部)に係合した状態で収納されている。雌ネジ部材38は軸回転が規制されているため、冷却基材30の下面側から差し込まれるボルト98の雄ネジ98aを雌ネジ部材38に螺合することができる。また、雌ネジ部材38は、収納穴36の段差部36cに係合した状態で設置板96に挿通されたボルト98によって設置板96に向かって引っ張られたとしても、延性を有しているため割れにくい。したがって、脆性な冷却基材30を備えたウエハ載置台10を設置板96に支障なく締結することができる。
また、冷却基材30は、MMCで形成されている。MMCは脆性材料であるため、本発明を適用する意義が高い。
更に、収納穴36は係合部として段差部36cを備え、雌ネジ部材38は被係合部として頭部38aを備えている。そのため、係合部や被係合部を比較的簡単に作製することができる。
更にまた、雌ネジ部材38は、軸回転しようとすると収納穴36の第1収納部36aの側壁に当たって軸回転を規制される。そのため、比較的簡単な構成で雌ネジ部材38の軸回転を規制することができる。
そして、収納穴36は、冷却基材30のうち冷媒流路32の底面32aよりも低い領域に設けられている。そのため、収納穴36は冷媒流路32の邪魔にならない。したがって、冷媒流路32の設計の自由度を損なうことがない。
そしてまた、雌ネジ部材38は、収納穴36で冷却基材30と接合されておらずフリーな状態で収納されている。ウエハ載置台10を製造する際、雌ネジ部材38を収納穴36に入れるだけでよいため、手間がかからない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した第1実施形態では、収納穴36を冷却基材30のうち冷媒流路32の底面32aよりも低い領域に設けたが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、収納穴36の天井面36dが冷媒流路32の底面32aよりも高くなるように設けてもよい。図7では、上述した第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。図7では、収納穴36の第1収納部36aは上述した第1実施形態と同じ大きさであるが、第2収納部36bの上下方向の長さは上述した第1実施形態よりも長い。また、雌ネジ部材38の頭部38aは上述した第1実施形態と同じ大きさであるが、円筒部38bの上下方向の長さは上述した第1実施形態よりも長い。このようにしても、上述した第1実施形態と概ね同様の効果が得られる。但し、冷媒流路32の設計の自由度は上述した第1実施形態に比べて制限される。
上述した第1実施形態では、収納穴36の内周面に段差部36cを設けたが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、雌ネジ部材38の頭部38aのうち互いに向かい合う側面を傾斜面38cとし、収納穴36の内周面にその傾斜面38cと一致する傾斜部36eを設けてもよい。この場合、雌ネジ部材38の傾斜面38cは収納穴36の傾斜部36eに係合するため、雌ネジ部材38が収納穴36から落下することはない。また、ボルト98を雌ネジ部材38に螺合すると、雌ネジ部材38は傾斜面38cが収納穴36の傾斜部36eに係合した状態で設置板96に向かって引っ張られた状態になる。
上述した第1実施形態では、雌ネジ部材38の頭部38aの形状を平面視で長方形としたが、特にこれに限定されない。例えば、頭部38aの形状を平面視で三角形や五角形などの多角形としてもよいし、プラス(+)形状としてもよいし、楕円形としてもよい。収納穴36の第1収納部36aの形状は、雌ネジ部材38が軸回転しようしたときに頭部38aが側壁に当たる形状とすればよい。この点は、後述する第2実施形態の雌ネジ部材538も同様である。
上述した第1実施形態では、結合部材として雌ネジ部材38を採用し、被結合部材としてボルト98を採用したが、図9に示すように、結合部材として雄ネジ部材80を採用し、被結合部材としてナット82を採用してもよい。図9では、上述した第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。雄ネジ部材80は、延性材料で形成されている。雄ネジ部材80は、頭部38aと同形状の頭部80aと、頭部80aの裏面中央に設けられた足部80bと、足部80bの先端に設けられた雄ネジ部80cとを有する。頭部80aは、収納穴36の第1収納部36aに収納されている。足部80bは、第2収納部36b及び設置板96の貫通穴97に挿通されている。雄ネジ部80cは、ナット82に螺合されている。ナット82は、貫通穴97の段差部97aに引っ掛かるようになっている。雄ネジ部材80は、頭部80aの下面が収納穴36の段差部36cに係合しているため、収納穴36から落下することはない。雄ネジ部材80が軸回転しようとすると、頭部80aが第1収納部36aの側壁に当たって軸回転が規制される。そのため、雄ネジ部材80の雄ネジ部80cにナット82を螺合することができる。ナット82を雄ネジ部材80の雄ネジ部80cに螺合すると、雄ネジ部材80は頭部80aが収納穴36の段差部36cに係合した状態で設置板96に向かって引っ張られた状態になる。図9の構成を採用した場合も、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。後述する第2実施形態でも、結合部材として雌ネジ部材538の代わりに雄ネジ部材を採用し、被結合部材としてボルト98の代わりにナットを採用してもよい。
上述した第1実施形態において、冷却基材30の下面からウエハ載置面22aに至るようにウエハ載置台10を貫通する穴を設けてもよい。こうした穴としては、ウエハWの裏面に熱伝導ガス(例えばHeガス)を供給するためのガス供給穴や、ウエハ載置面22aに対してウエハWを上下させるリフトピンを挿通するためのリフトピン穴などが挙げられる。熱伝導ガスは、ウエハ載置面22aに設けれられた図示しない多数の小突起(ウエハWを支持する)とウエハWとによって形成される空間に供給される。リフトピン穴は、ウエハWを例えば3本のリフトピンで支持する場合には3箇所に設けられる。冷却基材30の下面と設置板96の上面との間には、こうした穴に対向する位置に樹脂製又は金属製のシールリング(例えばOリング)を配置する。ウエハ載置台10の中央領域がボルト98によって固定されているため、これらのシールリングはしっかりと押し潰された状態で維持される。したがって、これらのシールリングはシール性を十分に確保することができる。この点は、後述する第2実施形態も同様である。
上述した第1実施形態では、冷却基材30をMMCで作製したが、MMC以外の脆性材料(例えばアルミナ材料)で作製してもよい。この点は、後述する第2実施形態の冷却基材530も同様である。
上述した第1実施形態では、アルミナ基材20の中央部22にウエハ吸着用電極26を内蔵したが、これに代えて又は加えて、プラズマ発生用のRF電極を内蔵してもよいし、ヒータ電極(抵抗発熱体)を内蔵してもよい。また、アルミナ基材20の外周部24にフォーカスリング(FR)吸着用電極を内蔵してもよいし、RF電極やヒータ電極を内蔵してもよい。この点は、後述する第2実施形態も同様である。
上述した第1実施形態では、図6Aのアルミナ焼結体120はアルミナ粉末の成形体をホットプレス焼成することにより作製したが、そのときの成形体は、テープ成形体を複数枚積層して作製してもよいし、モールドキャスト法によって作製してもよいし、アルミナ粉末を押し固めることによって作製してもよい。この点は、後述する第2実施形態も同様である。
上述した第1実施形態では、アルミナ基材20と冷却基材30とを金属接合層40で接合したが、金属接合層40の代わりに樹脂接合層を用いてもよい。この点は、後述する第2実施形態も同様である。
上述した第1実施形態において、雌ネジ部材38と収納穴36の第1収納部36aとの隙間に充填材を充填してもよい。こうすれば、この隙間が空間になっている場合に比べて、熱伝導が良好になる。そのため、ウエハWの均熱性が向上する。充填材としては、例えば、接着性樹脂や非接着性樹脂のほか、これらの樹脂に熱伝導性粉末(金属粉末など)を添加したものなどが挙げられる。雌ネジ部材38には、雌ネジ部材38を上下方向に貫通する貫通穴(円筒部38bの内部空間から頭部38aの頂面に至る貫通穴)を設けるのが好ましい。こうすれば、図6Fの段階で、貫通穴を介して流動性のある充填材を雌ネジ部材38と収納穴36の第1収納部36aとの隙間に容易に注入することができる。
[第2実施形態]
図10はチャンバ94に設置されたウエハ載置台510の縦断面図(ウエハ載置台510の中心軸を含む面で切断したときの断面図)、図11は収納穴536及び雌ネジ部材538の周辺を示す拡大断面図である。
ウエハ載置台510も、ウエハWにプラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うために用いられるものであり、半導体プロセス用のチャンバ94の内部に設けられた設置板96に固定されている。チャンバ94については、第1実施形態で説明済みであるため、同じ構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。ウエハ載置台510は、アルミナ基材20と、冷却基材530と、金属接合層540とを備えている。
アルミナ基材20は、第1実施形態で説明済みであるため、同じ構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。
冷却基材530は、円板部材であり、冷却基材30と同様の材料で形成される。ここでは、冷却基材530は、MMC製の円板部材とする。冷却基材530は、冷媒流路溝582を有している。冷媒流路溝582は、一端から他端まで一筆書きの要領で形成され、冷却基材530の下面に開口するように冷却基材530に設けられている。冷媒流路溝582は、チャンバ94の設置板96の上面によって開口が塞がれることにより、冷媒流路532を形成する。そのため、冷媒流路溝582は、冷媒流路532の側壁及び天井面を構成するものである。冷媒流路532も、上述した第1実施形態の冷媒流路32と同様、図示しない冷媒供給路及び冷媒排出路に接続されており、冷媒排出路から排出された冷媒は温度調整されたあと再び冷媒供給路に戻される。冷却基材530のうち冷媒流路溝582よりも上側の厚みは、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。また、冷媒流路溝582の上側の角部(側壁と天井面とが交叉する角部)はR面になっていることが好ましく、R面の曲率半径は、例えば0.5~2mmが好ましい。冷却基材530は、RF電源62に給電端子64を介して接続されている。冷却基材530とRF電源62との間には、HPF63が配置されている。冷却基材530は、設置板96にクランプするのに用いられるフランジ部534を有する。
冷却基材530には、複数の収納穴536が設けられ、収納穴536には、雌ネジ部材538(結合部材)が収納されている。複数の収納穴536は、第1実施形態の収納穴36と同様、冷却基材530の同心円に沿って等間隔に複数設けられている。収納穴536は、図11に示すように、第1収納部536aと、第2収納部536bと、段差部536cとを備える。第1収納部536aは、収納穴536の上部に設けられた空間であり、冷却基材530の上面に開口している。第1収納部536aの開口面(上面)は、金属接合層540によって覆われている。第2収納部536bは、第1収納部536aから冷却基材530の下面に至るように第1収納部536aよりも細く設けられた通路である。段差部536cは、第1収納部536aと第2収納部536bとの繋ぎ目に設けられた段差面である。第1収納部536aには、雌ネジ部材538が収納されている。雌ネジ部材538は、中央にネジ穴(雌ネジ)を有する直方体形状(平面視で長方形状)のナットである。第1収納部536aも、直方体形状(平面視で略長方状)の空間であり、雌ネジ部材538をあそびをもって収納する。雌ネジ部材538と第1収納部536aとの隙間は、充填材539で充填されている。具体的には、雌ネジ部材538の上面及び側面と第1収納部536aの内周面と金属接合層540とで囲まれた隙間は、充填材539で充填されている。充填材539としては、例えば、接着性樹脂や非接着性樹脂のほか、これらの樹脂に熱伝導性粉末(金属粉末など)を添加したものなどが挙げられる。充填材539の熱伝導率は、1×10-4W/mm・K以上が好ましく、1×10-3W/mm・K以上がより好ましく、1×10-2W/mm・K以上が更に好ましい。充填材539の熱伝導率は、例えば樹脂に添加する熱伝導性粉末の量によって調節することができる。雌ネジ部材538と第1収納部536aとの隙間の幅dは、この隙間に流動性のある未硬化充填材を注入することを考慮すると、0.2mm以上が好ましい。段差部536cは、冷媒流路溝582の天井面以下に配置されている。雌ネジ部材538は、収納穴536の段差部536cに係合している。雌ネジ部材538が軸回転しようとすると、第1収納部536aの側壁に当たって軸回転が規制されるようになっている。本実施形態では、充填材539が存在するため、雌ネジ部材538は充填材539によっても軸回転が規制されている。雌ネジ部材538は、延性材料(例えばTi,Mo,Wなど)で形成されている。
金属接合層540は、アルミナ基材20の下面と冷却基材530の上面とを接合する。金属接合層540は、第1実施形態の金属接合層40と同じであるため、その説明を省略する。
アルミナ基材20の外周部24の側面、金属接合層540の外周及び冷却基材530の側面は、絶縁膜542で被覆されている。絶縁膜542としては、例えばアルミナやイットリアなどの溶射膜が挙げられる。
こうしたウエハ載置台510は、チャンバ94の内部に設けられた設置板96の上に大径のシールリング576及び小径のシールリング577~579を介して取り付けられる。シールリング576~579は、金属製又は樹脂製である。シールリング576は、冷却基材530の外縁のやや内側に配置され、冷媒がシールリング576の外側へ漏れ出るのを防止する。シールリング577は、ボルト98の足部の周囲を取り囲むように配置され、冷媒がシールリング577の内側に入り込むのを防止する。シールリング578は、絶縁管55の開口縁に配置され、冷媒がシールリング578の内側に入り込むのを防止する。シールリング579は、給電端子64の周囲を取り囲むように配置され、冷媒がシールリング579の内側に入り込むのを防止する。
冷却基材530の外周に設けられたフランジ部534は、クランプ部材70及びボルト72を用いて設置板96に取り付けられる。クランプ部材70、ボルト72及びクランプ方法については、第1実施形態で説明済みのため、その説明を省略する。また、冷却基材530の中央領域は、ボルト98(被結合部材)を用いて設置板96に取り付けられる。図11に示すように、ボルト98の足部には、雄ネジ98aが設けられている。ボルト98は、設置板96のうち収納穴536に対向する位置に設けられた貫通穴97に設置板96の下面から挿通され、雄ネジ98aが第1収納部536a内の雌ネジ部材538に螺合される。貫通穴97は、上部が小径、下部が大径となっており、上部と下部との間に段差部97aを有する。ボルト98の頭部は、貫通穴97の段差部97aに引っ掛かる。雌ネジ部材538は第1収納部536a内に軸回転を規制された状態で収納されているため、ボルト98を雌ネジ部材538に螺合することができる。ボルト98を雌ネジ部材538に螺合すると、雌ネジ部材538は収納穴536の段差部536cに係合した状態で設置板96に向かって引っ張られた状態になる。
本実施形態では、ウエハ載置台510の中央領域がボルト98によって固定されているため、ウエハ載置台510が上に向かって凸になるのを防止することができるし、シールリング576~578をしっかりと押し潰した状態で維持することができる。
なお、冷媒流路582への冷媒の給排は、第1実施形態で説明した図5と同様の構造を採用することにより行われる。
次に、ウエハ載置台510の製造例を図12を用いて説明する。図12はウエハ載置台510の製造工程図である。まず、第1実施形態と同様にして、給電端子54を備えたアルミナ焼結体120を作製する(図12A~C)。
これと並行して、MMC円板部材630を作製し(図12D)、MMC円板部材630の下面に冷媒流路溝582を形成すると共に、MMC円板部材630を上下方向に貫通する収納穴536(第1収納部536a、第2収納部536b及び段差部536c)や給電端子54を挿通するための貫通穴を形成する(図12E)。この場合、MMC円板部材630はSiSiCTi製かAlSiC製であることが好ましい。アルミナの熱膨張係数とSiSiCTiやAlSiCの熱膨張係数とは、概ね同じだからである。
次に、第1収納部536aに雌ネジ部材538を収納した後、MMC円板部材630の上面に金属接合材を配置する。金属接合材には、給電端子54を挿通するための貫通穴を設けておく。次に、アルミナ焼結体120の給電端子54を金属接合材の貫通穴及びMMC円板部材630の貫通穴に挿入しながら、アルミナ焼結体120を金属接合材の上に載置する。これにより、下から順に、MMC円板部材630、金属接合材及びアルミナ焼結体120が積層した積層体を得る。この積層体を加熱しながら加圧することにより(TCB)、接合体610を得る(図12F)。接合体610は、アルミナ焼結体120とMMC円板部材630とが金属接合層540で接合されたものである。接合体610の第1収納部536aには雌ネジ部材538が収納されている。なお、金属接合材やTCBについては、第1実施形態で説明済みのため、ここではその説明を省略する。
続いて、第2収納部536b及び雌ネジ部材538のネジ穴を介して雌ネジ部材538と第1収納部536aとの隙間に流動性のある未硬化充填材を注入する。この隙間は、未硬化充填材の注入しやすさを考慮すると、0.2mm以上であることが好ましい。注入した未硬化充填材を硬化させることにより、充填材539とする。続いて、アルミナ焼結体120の外周を切削して段差を形成することにより、中央部22と外周部24とを備えたアルミナ基材20とする。また、MMC円板部材630の外周を切削して段差を形成することにおり、フランジ部534を備えた冷却基材530とする。また、給電端子54の挿入穴に絶縁管55を配置する。更に、アルミナ基材20の外周部24の側面、金属接合層540の周囲及び冷却基材530の側面を、アルミナ粉末を用いて溶射することにより絶縁膜542を形成する(図12G)。これにより、ウエハ載置台510を得る。
ウエハ載置台510の使用例については、上述した第1実施形態のウエハ載置台10の使用例と同様であるため、その説明を省略する。
以上説明したウエハ載置台510では、雌ネジ部材538は、冷却基材530の下面に開口する収納穴536内に軸回転を規制された状態で且つ収納穴536から落下しないように収納穴536の段差部536c(係合部)に係合した状態で収納されている。雌ネジ部材538は軸回転が規制されているため、冷却基材530の下面側から差し込まれるボルト98の雄ネジ98aを雌ネジ部材538に螺合することができる。また、雌ネジ部材538は、収納穴536の段差部536cに係合した状態で設置板96に挿通されたボルト98によって設置板96に向かって引っ張られたとしても、延性を有しているため割れにくい。したがって、脆性な冷却基材530を備えたウエハ載置台510を設置板96に支障なく締結することができる。
また、冷却基材530は、MMCで形成されている。MMCは脆性材料であるため、本発明を適用する意義が高い。
更に、収納穴536は係合部として段差部536cを備え、雌ネジ部材538の底面は被係合部として機能する。そのため、係合部や被係合部を比較的簡単に作製することができる。
更にまた、雌ネジ部材538は、軸回転しようとすると収納穴536の第1収納部536aの側壁に当たって軸回転を規制される。そのため、比較的簡単な構成で雌ネジ部材538の軸回転を規制することができる。また、雌ネジ部材538は充填材539によっても軸回転を規制される。
そして更に、第1収納部536aは、冷却基材530の上面に開口し、金属接合層540によって開口面が覆われている。そのため、第1実施形態のように第1収納部36aを冷却基材30の内部に内蔵する場合に比べて、第1収納部536aを比較的容易に製造することができる。こうした構造では、収納穴536を避けて冷媒流路532(冷媒流路溝582)を設ける必要があるため、ウエハWのうち収納穴536の直上付近は均熱性が低下しやすい。こうした均熱性の低下を抑えるために、雌ネジ部材538と収納穴536の第1収納部536aとの隙間は充填材539で充填されている。これにより、収納穴536の周りの熱伝導が良好になるため、均熱性の低下を抑えることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した第2実施形態において、図13に示すように、雌ネジ部材538は、雌ネジ部材538よりもヤング率の低い応力緩衝部材537を介して収納穴536の段差部536cに係合していてもよい。例えば、雌ネジ部材538をTi合金とし、応力緩衝部材537を純Alとしてもよい。こうすれば、雌ネジ部材538が設置板96に設けられたボルト98によって設置板96に向かって引っ張られたとしても、雌ネジ部材538と段差部536cとの間に応力緩衝部材537が介在しているため、応力が分散しやすい。第1収納部536aにおける応力を低減するためには、第1に、段差部536cと雌ネジ部材538とが間接的に接触する環状領域の幅wは3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。第2に、雌ネジ部材538のネジ穴の内径xは、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。第3に、第1収納部536aの底面と側面とのコーナーをR面(丸まった面)としたときの曲率半径rは、0.3mm以上とするのが好ましく、0.5mm以上とするのがより好ましい。第1~第3は応力低減効果の順位を表し、第1の条件が最も応力低減効果が高い。また、雌ネジ部材538の底面と側面とのコーナーはR面又はC面が好ましい。段差部536cから冷却基材530の下面までの厚みtは、3mm以上10mm以下が好ましい。これらの数値範囲については、応力緩衝部材537のない場合や第1実施形態でも同様でもある。
上述した第2実施形態では、冷却基材530の下面に冷媒流路溝582を設け、冷却基材530の下方に設置板96(下方基材)を配置し、冷却基材530の下面と設置板96との間に、冷媒流路溝582を液密に閉鎖するシールリングを配置したが、特にこれに限定されない。例えば、冷媒流路溝を冷却基材の下面ではなく設置板の上面に設け、冷却基材の下面と設置板との間にその冷媒流路溝を液密に閉鎖するシールリングを配置してもよい。冷却基材は、脆性のMMCやアルミナなどであり、その冷却基材に第1収納部を設ける。
上述した第2実施形態において、雌ネジ部材538として、図14Aに示すように、三角柱形状(平面視が三角形)で中央にネジ穴を有するナットを用いてもよい。その場合、収納穴536を図14Bのように形成してもよい。図14Bは、収納穴536の周辺を冷却基材530の下からみたときの部分拡大図である。図14Bでは、第2収納部536bを、雌ネジ部材538が通過可能な平面視が三角形の穴とし、第1収納部536aを雌ネジ部材538が所定の角度だけ軸回転可能な空間(平面視が三角形と円との複合図形)としている。雌ネジ部材538が第2収納部536bに差し込まれて第1収納部536aに収納された直後の様子を2点鎖線で示し、第1収納部536aに収納された雌ネジ部材538を所定の角度だけ矢印方向に軸回転した様子を1点鎖線で示す。このとき段差部536cは、第1収納部536aの外縁の内側で且つ第2収納部536bの開口縁の外側の部分であり、この部分が雌ネジ部材538と係合する。こうした構造によれば、アルミナ基材20と冷却基材530とを接合した後に雌ネジ部材538を第1収納部536aに収納することができる。例えば、まず、第1収納部536aに雌ネジ部材538を収納することなくアルミナ基材20と冷却基材530とを金属接合層540で接合する。次いで、冷却基材30の下面が上向きになるようにして流動性のある未硬化充填材を第1収納部536aに注入する。次いで、雌ネジ部材538を第2収納部536bから第1収納部536aに収納し、その後雌ネジ部材538を所定の角度だけ軸回転させる。これにより、雌ネジ部材538と第1収納部536aとの間に未硬化充填材が満遍なく充填される。その後、未硬化充填材を硬化させて充填材539とする。なお、こうした構造は、三角柱形状のナットだけでなく、多角柱形状(四角柱形状や六角柱形状など)のナットにも適用することができる。
上述した第2実施形態の雌ネジ部材538の代わりに、第1実施形態の雌ネジ部材38(図3,図7又は図8)を採用してもよい。その場合、雌ネジ部材38には、雌ネジ部材38を上下方向に貫通する貫通穴(円筒部38bの内部空間から頭部38aの頂面に至る貫通穴)を設けるのが好ましい。この貫通穴を利用すれば頭部38aと収納穴の第1収納部との隙間に流動性のある未硬化充填材を充填しやすいからである。
上述した第2実施形態において、図15に示すように、冷却基材530に冷媒流路溝582(冷媒流路532)を設ける代わりに、設置板96の上面に冷媒流路溝91を設け、冷媒流路溝91の上部開口を冷却基材530で塞ぐことにより冷媒流路92を形成してもよい。図15では、上述した第2実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。なお、第1実施形態においても、冷却基材30に冷媒流路32を設ける代わりに、図15のように設置板96の上面に冷媒流路溝を設け、冷媒流路溝の上部開口を冷却基材30で塞ぐことにより冷媒流路を形成してもよい。