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JP7699485B2 - 車両状態特定装置並びに同方法、車両用灯具の光軸制御装置並びに同方法、車両用灯具システム - Google Patents
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JP7699485B2 - 車両状態特定装置並びに同方法、車両用灯具の光軸制御装置並びに同方法、車両用灯具システム - Google Patents

車両状態特定装置並びに同方法、車両用灯具の光軸制御装置並びに同方法、車両用灯具システム Download PDF

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Description

本開示は、車両状態特定装置並びに同方法、車両用灯具の光軸制御装置並びに同方法、車両用灯具システムに関する。
特許第6271943号公報(特許文献1)には、車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度の検出値をプロットし、プロットした複数点から直線を導出し、直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸調節を指示する調節信号を出力するための制御部を備え、当該制御部は、所定の曲進状態に車両があったときの検出値が、直線の導出に用いようとする検出値に含まれる場合、この検出値を除外して直線を導出する車両用灯具の制御装置が記載されている。この制御装置における制御部は、検出値における車両左右方向の加速度と、複数の検出値における車両左右方向の加速度から導出される曲進判定基準値との差が、所定の曲進判定しきい値を上回る場合に、検出値を除外して直線を導出する。
特許第6271943号公報
本開示に係る具体的態様は、車両状態がカーブ走行(曲進)であるかどうかを精度よく特定することを目的の1つとする。
[1]本開示に係る一態様の車両状態特定装置は、
車両の走行状態を特定するための装置であって、
加速度センサと、
少なくとも前記車両のヨー方向に対応した角速度を検出可能な角速度センサと、
前記加速度センサ及び前記角速度センサと接続されたコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、
前記角速度センサの出力に基づいて得られる前記車両のヨー方向の角速度の単位時間あたりの変化率である角加速度と、前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の車幅方向の加速度と所定の基準値との差分のそれぞれを演算し、前記角加速度の絶対値が第1閾値以上又は前記差分の絶対値が第2閾値以上の何れかである場合に、前記車両の走行状態が曲進状態であることを示すデータ又は信号を出力する、
車両状態特定装置である。
[2]本開示に係る態様の車両状態特定装置は、
車両の走行状態を特定するための装置であって、
加速度センサと、
少なくとも前記車両のヨー方向に対応した角速度を検出可能な角速度センサと、
前記加速度センサ及び前記角速度センサと接続されたコントローラと、
を含み、
前記コントローラは、
前記角速度センサの出力に基づいて得られる前記車両のヨー方向の角速度の単位時間あたりの変化率である角加速度と、前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の車幅方向の加速度と所定の基準値との差分のそれぞれを演算する演算部と、
前記演算部により演算された前記角加速度及び前記差分に応じて前記車両の車両状態を特定して当該車両状態を示すデータ又は信号を出力する出力部と、
を有しており、
前記出力部は、前記角加速度の絶対値が第1閾値未満かつ前記差分の絶対値が第2閾値未満の場合から前記角加速度の絶対値が前記第1閾値以上になった場合に前記車両の走行状態が曲進状態である旨の出力を開始し、前記差分の絶対値が前記第2閾値以上である場合には前記車両の走行状態が曲進状態である旨の出力を継続する、
車両状態特定装置である。
[3]本開示に係る一態様の車両用灯具の光軸制御装置は、車両用灯具の光軸制御を行うための装置であって、
前記[1]又は[2]の車両状態特定装置と、
前記車両状態特定装置から出力される前記車両の走行状態に応じて動作する光軸制御コントローラと、
を含む、車両用灯具の光軸制御装置である。
[4]本開示に係る一態様の車両用灯具の光軸制御方法は、
前記[1]又は[2]の車両状態特定装置から出力される前記車両の走行状態に応じて動作する光軸制御コントローラにより実行されて車両用灯具の光軸制御を行うための方法であって、
前記光軸制御コントローラは、前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の前後方向加速度及び上下方向加速度を時間経過に応じて蓄積し、当該蓄積された前後方向加速度及び上下加速度を用いて光軸制御を行い、前記車両の走行状態が前記曲進状態である場合には前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度の蓄積を停止し、又は前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度を前記光軸制御の対象から除外する、
車両用灯具の光軸制御方法である。
[5]本開示に係る一態様の車両用灯具システムは、
前記[3]の車両用灯具の光軸制御装置と、
前記光軸制御装置によって光軸制御が行われる車両用灯具と、
を含む、車両用灯具システムである。
上記構成によれば、車両状態がカーブ走行(曲進)であるかどうかを精度よく特定することができる。
図1は、第1実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。 図2は、車両用灯具システムのコントローラを実現するコンピュータの構成例を示す図である。 図3(A)は、車両における加速度および角速度のそれぞれの基準軸を説明するための図である。図3(B)は、ヨー角に対応する角速度のベクトル方向を説明するための図である。 図4は、角速度及び角加速度の時間変化の一例を示す図である。 図5(A)は、カーブ走行時とその前後の直進走行時のY軸加速度(絶対値)の挙動を模式的に示したグラフである。図5(B)は、カーブ走行時とその前後の直進走行時のヨー角の角加速度(絶対値)の挙動を模式的に示したグラフである。 図6は、車両状態を特定するための処理手順を示すフローチャートである。 図7(A)、図7(B)は、それぞれ比較例による走行状態の特定結果を示す図である。図7(C)は、本実施形態による走行状態の特定結果を示す図である。 図8(A)は、図7(A)における時間が0s~10sの間を拡大して示した図である。図8(B)は、図7(C)における時間が0s~10sの間を拡大して示した図である。
図1は、第1実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。この車両用灯具システムは、自車両の姿勢に応じて光軸を可変に設定して光照射を行うものであり、コントローラ10、角速度センサ11、加速度センサ12、メモリ13、一対のランプユニット30L、30Rを含んで構成されている。
コントローラ10は、車両用灯具システムの動作制御を行うためのものであり、例えば所定の動作プログラムを実行可能なコンピュータを用いて構成される。ここでは、コントローラ10により実現される機能を理解しやすくするために機能ブロックを用いて説明する。コントローラ10は、データ蓄積部21、パラメータ演算部(演算部)22、車両状態出力部(出力部)23、光軸制御部24を有する。
なお、コントローラ10のパラメータ演算部22、車両状態出力部23を含んで本開示に係る「車両状態特定装置」が構成されており、また「車両状態特性方法」が実行される。また、コントローラ10のデータ蓄積部21、パラメータ演算部22、車両状態出力部23および光軸制御部24を含んで本開示に係る「光軸制御装置」が構成されており、また「光軸制御方法」が実行される。また、コントローラ10は「光軸制御コントローラ」にも対応する。
角速度センサ(ジャイロセンサ)11は、角速度を検出してその大きさに応じたデータ又は信号を出力するセンサである。本実施形態の角速度センサ11は、少なくとも車両のヨー角に対応する角速度を検出可能であればよいが、ロール角及びピッチ角のそれぞれに対応する角速度も検出可能であってもよい。角速度センサ11は、車両の所定位置(例えばグローブボックスの裏側等)に設置されている。
加速度センサ12は、加速度を検出してその大きさに応じたデータ又は信号を出力するセンサである。本実施形態の加速度センサ12は、車両の前後方向、左右方向、上下方向のそれぞれに対応した加速度を検出することが可能である。なお、加速度センサ12の各軸自体は、必ずしも車両の前後方向、左右方向、上下方向のそれぞれと必ずしも完全に一致していなくてよく、その場合には適宜検出値に対して補正処理を行って目的の加速度を得ればよい。
メモリ13は、一時的あるいは不揮発にデータを格納できる記憶装置である。本実施形態では、メモリ13は、コントローラ10における情報処理に必要なデータが格納される。
データ蓄積部21は、角速度センサ11から出力される角速度や加速度センサ12から出力される加速度を取り込み、これらのデータを時間経過に応じた時系列が分かるようにしてメモリ13に蓄積する。本実施形態では、例えば100ms毎に角速度や加速度が取り込まれ、それらが随時メモリ13に書き込まれて蓄積される。
パラメータ演算部22は、データ蓄積部21によってメモリ13に蓄積されるデータと、予めメモリ13に記憶されているデータを用いて、車両状態の特定に必要なパラメータを演算する。本実施形態では、パラメータの1つとして、角速度センサ11の出力に基づいて得られる角速度を用いて角加速度が算出される。また、パラメータの1つとして、加速度センサ12の出力に基づいて得られるY軸加速度(後述する図3参照)と所定の基準値との差分が算出される。
車両状態出力部23は、パラメータ演算部22によって求められる各パラメータに応じて車両状態を特定し、当該車両状態を示すデータ(又は信号。以下同様)を光軸制御部24へ供給する。本実施形態では、車両状態出力部23は、車両状態として少なくとも「直進走行」、「カーブ走行」の2つの状態の何れかを用いる。
光軸制御部24は、加速度センサ12の出力に基づいて得られる車両の前後方向加速度及び上下方向加速度を用いて車両の姿勢角度(路面と車両前後方向軸とのなす角度)を求め、この姿勢角度に応じて各ランプユニット30L、30Rの照射光の光軸を制御するための制御信号を生成し、各ランプユニット30L、30Rへ供給(出力)する。
各前照灯30L、30Rは、車両の前部の左右に1つずつ設けられ、車両の前方に光照射を行うためのものである。各ランプユニット30L、30Rとしては、公知の種々のランプユニットを採用することができる。例えば、光源や反射鏡等を有して構成される光源部と、光源部から放射される光の光軸(主進行方向)を車両のピッチ方向にて上下に調整するために光源部の向きを上下に調整するアクチュエータを有しており、機械的に光照射範囲を制御可能なランプユニットを用いることができる。また、例えば、光源と液晶素子を組み合わせて光照射範囲を制御可能な構成のランプユニット、複数のLEDを選択的に点灯/消灯させることで光照射範囲を制御可能な構成のランプユニット、レーザ素子からの光を可動反射板によって走査してその際にレーザ素子を高速に点消灯させることで光照射範囲を制御可能な構成のランプユニットなど、電子的に光軸を制御可能なランプユニットを用いることもできる。
図2は、車両用灯具システムのコントローラを実現するコンピュータの構成例を示す図である。図示のコンピュータは、相互に通信可能に接続されたCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、外部インタフェース(I/F)205を含んで構成されている。CPU201は、ROM202から読み出される基本制御プログラムをベースにして動作し、記憶装置204に格納されたプログラム(アプリケーションプログラム)206を読み出してこれを実行することにより、上記したコントローラ10の機能を実現する。RAM203は、CPU201の動作時に使用させるデータを一時的に記憶する。上記したメモリ13はこのRAM203によって実現可能である。記憶装置204は、例えばハードディスク、ソリッドステートドライブなどの不揮発性の記憶装置であり、プログラム206など種々のデータを格納する。外部インタフェース205は、CPU201と外部装置を接続するインタフェースである。
図3(A)は、車両における加速度および角速度のそれぞれの基準軸を説明するための図である。図示のように本実施形態では、車両の前後方向をX軸、車両の左右方向をY軸、車両の上下方向をZ軸と定義する。本実施形態の加速度センサ12は、これらX軸、Y軸、Z軸のそれぞれに対応した加速度を検出可能である。なお、加速度センサ12の直交3軸は必ずしもX軸、Y軸、Z軸と完全一致していなくてもよい。例えば、X軸、Y軸、Z軸の何れかあるいは全てに対して加速度センサ12の直交3軸が一定の角度をなして配置されていてもよく、その場合にはコントローラ10にて適宜補正を行うことでX軸、Y軸、Z軸のそれぞれに対応する加速度を得ることができる。
また、図3(A)に示すように本実施形態では、車両の前後方向軸回りの回転角をロール角、車両の左右方向軸回りの回転角をピッチ角、車両の上下方向軸回りの回転角をヨー角と定義する。ロール角はX軸回りの回転角であるのでX軸をロール軸とも呼び、ピッチ角はY軸回りの回転角であるのでY軸をピッチ軸とも呼び、ヨー角はZ軸回りの回転角であるのでZ軸をヨー軸とも呼ぶ。本実施形態の角速度センサ11は、これらの軸のうち少なくともヨー角(ヨー軸)に対応した角速度を検出可能である。さらに、ロール角、ピッチ角のそれぞれに対応した角速度を検出可能であってもよい。
図3(B)は、ヨー角に対応する角速度のベクトル方向を説明するための図である。ここでは車両を上から平面視した様子が模式的に示されている。図示のように、角速度ω[dps]は、車両の左右方向のベクトル量として得られる。具体的には、ある時刻のヨー角をθa[deg]、ある時刻からΔt[s]後の時刻のヨー角をθb[deg]とすると、角速度ωは以下のように表される。
ω=(θb-θa)/Δt [dps]
また、上記した角速度ωをさらに時間で微分することで、単位時間あたりの角速度の変化率である角加速度α[dps2]が得られる。具体的には、ある時刻の角速度をωa[dps]、そある時刻からΔt[s]後の時刻の角速度をωb[dps]とすると、角加速度αは以下のように表される。
α=(ωb-ωa)/Δt [dps2]
図4は、角速度及び角加速度の時間変化の一例を示す図である。本願発明者の検討によれば、カーブ走行時には車両の左右方向の角度変化の影響が強いため、角速度(図中、点線のグラフ)に変化が見られ、角速度の立ち上がり時と立ち下がり時には大きく角速度が変化していることが分かった。このため、角加速度を算出してみると角速度の立ち上がり時と立ち下がり時に対応した区間a、bにおいて特徴的な挙動を得られることが分かった。この角加速度の特徴的な挙動を利用することで、カーブ走行の始まりと終わりを捉えることが可能となる。他方、カーブ走行の途中(区間aと区間bの間)では角速度の変化が相対的に小さいため、この区間では角加速度のみをパラメータとして用いたのではカーブ走行中であることを特定することが難しい。そこで、本願発明者は、ヨー角に対応する角加速度の挙動の特徴と、Y軸加速度の挙動の特徴とを組み合わせることで、カーブ走行中であることを特定する方法を着想した。以下、その詳細について説明する。
図5(A)は、カーブ走行時とその前後の直進走行時のY軸加速度(絶対値)の挙動を模式的に示したグラフである。また、図5(B)は、カーブ走行時とその前後の直進走行時のヨー軸の角加速度(絶対値)の挙動を模式的に示したグラフである。図5(A)に示すように、Y軸加速度の絶対値の経時的変化を見ると、直進走行時にはほぼ0で変化が少なく、カーブ走行時には、その始まりから徐々に増加し、途中で最大値となり、終わりにかけて徐々に減少するという挙動を示す。他方、図5(B)に示すように、ヨー軸の角加速度の絶対値の経時的変化を見ると、直進走行時にはほぼ0で一定であり、カーブ走行時には、その始まりの区間で急激に増加して最大値となり急激に減少し、途中期間ではほぼ0で一定となり、終わりの期間でまた急激に増加して最大値となり急激に減少するという挙動を示す。つまり、ヨー軸(ヨー方向)の角加速度は、カーブ走行の始まりと終わりで2回の極大を示す。
従って、本実施形態では、ヨー軸の角加速度の絶対値が予め定めておいた第1閾値以上である場合には「カーブ走行(曲進)」と特定し、第1閾値未満である場合には「直進走行」と特定する。閾値についてはシミュレーションや実験などに基づいて定めればよく、例えば10[dps2]と設定してもよいし、ノイズ等の影響を考慮して例えば20~30[dps2]と設定してもよい。これにより、図5(B)に示す2つの極大を示す区間A、Bにおいて、角加速度に基づいて「カーブ走行中」を特定できる。また、Y軸加速度と所定の基準値との差分をとり、その絶対値が所定の第2閾値以上である場合には「カーブ走行中」と特定し、第2閾値未満である場合には「直進走行中」と特定する。これにより、図5(A)に示すように、区間Aと区間Bの途中に対応する区間Cにおいて、Y軸加速度に基づいて「カーブ走行中」を特定できる。これらを合わせることで、区間A~Cで途切れることなく継続して車両が「カーブ走行中」であることを特定できる。Y軸加速度との差分値を求めるための基準値と第2閾値については、例えば0.2[G]と定めることができ、予めメモリ13に格納しておいたものを読み出して用いることができる。
図6は、車両状態を特定するための処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿ってコントローラ10の動作を詳細に説明する。フローチャートに示される処理は、車両の走行中においてコントローラ10によって一定期間毎(例えば100ms毎)に繰り返し実行されるものとする。なお、いずれの動作手順においても、情報処理の結果に矛盾や不整合を生じない限りにおいて適宜処理順序を入れ替えることも可能であり、またここで言及しない他の処理を追加してもよく、それらの実施態様も排除されない。
パラメータ演算部22は、Y軸加速度に関する基準値をメモリ13から読み出す(ステップS11)。次いでパラメータ演算部22は、データ蓄積部21によって100ms毎に取得されるY軸加速度とメモリ13から読み出した基準値との差分を算出する(ステップS12)。
また、パラメータ演算部22は、データ蓄積部21によって100ms毎に取得されるヨー軸の角速度ωに基づいて、ヨー軸に対応する角加速度αを算出する(ステップS13)。これらの算出された差分、角加速度は、パラメータ演算部22から車両状態出力部23へ引き渡される。
車両状態出力部23は、角加速度の絶対値が所定の第1閾値以上である場合には(ステップS14;YES)、車両状態を「カーブ走行」と特定する(ステップS15)。
また、車両状態出力部23は、角加速度の絶対値が第1閾値未満の場合に(ステップS14;NO)、Y軸加速度と基準値との差分の絶対値が所定の第2閾値以上であれば(ステップS16;YES)、車両状態を「カーブ走行」と特定する(ステップS15)。
他方、車両状態出力部23は、角加速度の絶対値が第1閾値未満の場合に(ステップS14;NO)、Y軸加速度と基準値との差分の絶対値が第2閾値未満であれば(ステップS16;NO)、車両状態を「直進走行」と特定する(ステップS17)。
車両状態が特定されると、車両状態出力部23は、その特定した車両状態を示すデータを光軸制御部24へ出力する(ステップS18)。この車両状態を得た光軸制御部24は、車両状態に応じた方法で車両の姿勢角度を求め、この姿勢角度に応じて各ランプユニット30L、30Rの照射光の光軸を制御するための制御信号を生成し、各ランプユニット30L、30Rへ供給(出力)する。車両状態に応じた制御としては、例えば、直進走行であれば姿勢角度を求めるがカーブ走行であれば姿勢角度を求めずに前回値を維持するといった制御が考えられる。
また、データ蓄積部21は、走行状態が「カーブ走行」である場合には(ステップS19;YES)、加速度センサ12から取り込んだX軸加速度、Z軸加速度の各データをメモリ13から除去する(ステップS20)。なお、次の処理機会においてX軸加速度、Z軸加速度の各データを取り込まないようにする処理で代替してもよい。この処理により、カーブ走行時の車両左右方向の加速度による影響を受けて誤差を含んだX軸加速度、Z軸加速度の各データを姿勢角度の計算対象となる統計データから除外することとができる。従って、姿勢角度の精度が向上する。なお、他方、走行状態が「直進走行」の場合には(ステップS19;NO)、各データの除去は行われない。
図7(A)、図7(B)は、それぞれ比較例による走行状態の特定結果を示す図である。図7(C)は、本実施形態による走行状態の特定結果を示す図である。各図では、Y軸加速度の時間変化が図中上側に示されるとともに、走行状態の特定結果が図中下側に示されている。左縦軸がY軸加速度に対応し、右縦軸が走行状態の特定結果(カーブ/直進)に対応している。また、図7(A)に示す比較例は、Y軸加速度のみを閾値と比較することで走行状態を特定したものであり、図7(B)に示す比較例は、角加速度のみを閾値と比較することで走行状態を特定したものである。
図7(C)に示すように本実施形態では走行状態がカーブ走行であることがより早い時点で特定され、かつその特定結果がより長く継続している。これに対して、図7(A)の比較例ではカーブ走行であると特定される期間が短い。また、図7(B)の比較例ではカーブ走行であると特定される期間が継続せず、断続的である。また、本実施形態では緩いカーブでのカーブ走行(22s~27s付近)をより多く特定できているのに対し、図7(A)の比較例では特定できておらず、図7(B)の比較例でも特定できている期間が短く、特定できている回数も少ない。
図8(A)は、図7(A)における時間が0s~10sの間を拡大して示した図である。同様に、図8(B)は、図7(C)における時間が0s~10sの間を拡大して示した図である。図示のように本実施形態では、比較例よりも0.6s早い時点でカーブ走行を特定できており、かつ比較例よりも1.5s遅い時点までカーブ走行を特定できていることが分かる。これにより、カーブ走行に入りY軸加速度の影響を含んだX軸加速度及びZ軸加速度をより多く除外することが可能となり、光軸調整の精度(姿勢角度の計算精度)を向上させることができる。
以上のような実施形態によれば、車両状態がカーブ走行(曲進)であるかどうかを精度よく特定することができる。
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態における基準値、閾値の数値は一例であってこれらに限定されず適宜に設定することができる。また、上記した実施形態では車両状態特定装置(方法)を適用した装置・機器の一例として車両用灯具の光軸調整装置を挙げていたが、本開示の適用範囲はこれに限定されない。例えば、カーナビゲーションシステムに適用し、自車位置の推定などの処理に用いてもよい。
10:コントローラ、11:角速度センサ、12:加速度センサ、13:メモリ、21:データ蓄積部、22:パラメータ演算部、23:車両状態出力部、24:光軸制御部、30L、30R:ランプユニット

Claims (9)

  1. 車両の走行状態を特定するための装置であって、
    加速度センサと、
    少なくとも前記車両のヨー方向に対応した角速度を検出可能な角速度センサと、
    前記加速度センサ及び前記角速度センサと接続されたコントローラと、
    を含み、
    前記コントローラは、
    前記角速度センサの出力に基づいて得られる前記車両のヨー方向の角速度の単位時間あたりの変化率である角加速度と、前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の車幅方向の加速度と所定の基準値との差分のそれぞれを演算し、前記角加速度の絶対値が第1閾値以上又は前記差分の絶対値が第2閾値以上の何れかである場合に、前記車両の走行状態が曲進状態であることを示すデータ又は信号を出力する、
    車両状態特定装置。
  2. 前記コントローラは、前記角加速度の絶対値が前記第1閾値未満、かつ前記差分の絶対値が前記第2閾値未満である場合には、前記車両の走行状態が直進状態であることを示すデータ又は信号を出力する、
    請求項1に記載の車両状態特定装置。
  3. 前記コントローラは、
    前記角加速度並びに前記差分を演算する演算部と、
    前記角速度の絶対値が前記第1閾値以上の場合又は前記差分の絶対値が前記第2閾値以上の場合の何れかを満たす場合に、前記車両の走行状態が曲進状態であることを示す前記データ又は信号を出力する出力部と、
    を含む、請求項1又は2に記載の車両状態特定装置。
  4. 前記コントローラは、
    前記角速度センサから出力される前記角速度及び前記加速度センサから出力される加速度を取り込み、当該角速度及び加速度を時間経過に応じた時系列が分かるようにメモリへ蓄積するデータ蓄積部、
    を含み、
    前記演算部は、前記データ蓄積部によって前記メモリに蓄積された前記角速度及び前記加速度を用いて演算を行う、
    請求項に記載の車両状態特定装置。
  5. 車両の走行状態を特定するための装置であって、
    加速度センサと、
    少なくとも前記車両のヨー方向に対応した角速度を検出可能な角速度センサと、
    前記加速度センサ及び前記角速度センサと接続されたコントローラと、
    を含み、
    前記コントローラは、
    前記角速度センサの出力に基づいて得られる前記車両のヨー方向の角速度の単位時間あたりの変化率である角加速度と、前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の車幅方向の加速度と所定の基準値との差分のそれぞれを演算する演算部と、
    前記演算部により演算された前記角加速度及び前記差分に応じて前記車両の車両状態を特定して当該車両状態を示すデータ又は信号を出力する出力部と、
    を有しており、
    前記出力部は、前記角加速度の絶対値が第1閾値未満かつ前記差分の絶対値が第2閾値未満の場合から前記角加速度の絶対値が前記第1閾値以上になった場合に前記車両の走行状態が曲進状態である旨の出力を開始し、前記差分の絶対値が前記第2閾値以上である場合には前記車両の走行状態が曲進状態である旨の出力を継続する、
    車両状態特定装置。
  6. 車両用灯具の光軸制御を行うための装置であって、
    請求項1~の何れかに記載の車両状態特定装置と、
    前記車両状態特定装置から出力される前記車両の走行状態に応じて動作する光軸制御コントローラと、
    を含む、車両用灯具の光軸制御装置。
  7. 前記光軸制御コントローラは、
    前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の前後方向加速度及び上下方向加速度を時間経過に応じて蓄積し、当該蓄積された前後方向加速度及び上下加速度を用いて光軸制御を行い、
    前記車両の走行状態が前記曲進状態である場合には前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度の蓄積を停止し、又は前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度を前記光軸制御の対象から除外する、
    請求項6に記載の車両用灯具の光軸制御装置。
  8. 請求項1~の何れかに記載の車両状態特定装置から出力される前記車両の走行状態に応じて動作する光軸制御コントローラにより実行されて車両用灯具の光軸制御を行うための方法であって、
    前記光軸制御コントローラは、
    前記加速度センサの出力に基づいて得られる前記車両の前後方向加速度及び上下方向加速度を時間経過に応じて蓄積し、当該蓄積された前後方向加速度及び上下加速度を用いて光軸制御を行い、
    前記車両の走行状態が前記曲進状態である場合には前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度の蓄積を停止し、又は前記前後方向加速度及び前記上下方向加速度を前記光軸制御の対象から除外する、
    車両用灯具の光軸制御方法。
  9. 請求項6に記載の車両用灯具の光軸制御装置と、
    前記光軸制御装置によって光軸制御が行われる車両用灯具と、
    を含む、車両用灯具システム。
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