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JP7699614B2 - 耐火物の分別回収方法 - Google Patents
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Description

本発明は、転炉の使用後耐火物を分別回収する耐火物の分別回収方法に関する。
転炉に施工された転炉耐火物には、電融マグネシアや高純度の黒鉛が使われており、使用原料が高級なものが多い。特にワーク耐火物は一般に黒鉛含有耐火物であり、スラグの浸潤が少なく、使用後耐火物のスラグによる品質低下が少ないため、リサイクル利用に向いている。しかしながら、炉底や炉壁、スラグラインなど転炉の部位によって耐火物への負荷がそれぞれ異なる。そこで、経済性と寿命の両立を図るため、転炉耐火物は配置される場所の負荷に応じて、品位の異なるものを用いることが多い。例えば低負荷部位では電融マグネシアや黒鉛原料の純度を変えたり、電融マグネシアの代わりに安価な焼結マグネシアを使用したりする場合がある。
そのため、使用後耐火物の解体屑には様々な品位の耐火物が混在し、リサイクル利用する場合には低品位原料として利用せざるを得なくなっている。回収される耐火物の品位は、回収物に含まれる最も低い品位の耐火物として扱われる。
そこで、例えば特許文献1では、使用後耐火物のリサイクル方法が検討されている。また、特許文献2や特許文献3には、耐火物の背面に使用後にも残る印をつけたり、解体前に稼働面に色を塗ったりすることで、使用後耐火物を解体後に分別回収する方法が提案されている。
特開平05-339615号公報 特開平09-328377号公報 特開2013-212481号公報
しかしながら、従来技術では、以下のような課題があった。
転炉は非常に大量の耐火物が使われており、使用後耐火物も一度に多量に発生する。そのため、使用後耐火物が記号等により識別可能であったとしても、大量の使用後耐火物を人手で選別することは、重労働であると同時にコスト面でも大きな負荷となる。転炉の場合、溶銑容器などの他の容器と比べて、部位に応じて様々な品位の耐火物を厳密に使い分ける必要があるため、耐火物を品位ごとに分別するのが特に難しい。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであって、転炉の使用後耐火物を、より簡単に分別回収する方法を提供することを目的とする。
上記課題を有利に解決する本発 明にかかる耐火物の分別回収方法は、部位毎に品位の異なる耐火物が施工された転炉において使用後の前記耐火物を分別回収する耐火物の分別回収方法であって、使用後の前記耐火物を、前記部位ごとに解体して回収する工程を繰り返すことを特徴とする。
なお、本発明にかかる耐火物の分別回収方法は、
(a)前記転炉は、前記耐火物が高さ方向に複数段に配置されるとともに高さ方向に前記部位が分けられており、前記工程では、前記耐火物を同一品位の段ごとに解体して回収すること、
(b)前記部位同士の境界部分には、境界区画部が設けられていること、
(c)前記境界区画部は、前記耐火物の膨張を吸収する緩衝材によって形成されていること、
(d)前記境界区画部は、隣接部位に対して色が異なる異色部によって形成されていること、
(e)前記境界区画部は、隣接部位に対して形態が異なる耐火物によって形成されていること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明によれば、転炉耐火物の解体時に耐火物を部位毎に解体して回収することで、耐火物を分別しながら解体を行うことができる。このため、解体屑の人手による分別作業や、識別のための耐火物への記号付与等の事前作業が不要であり、リサイクルのための選別作業の負荷軽減になるだけでなく、低処理コストかつ、品位別にリサイクルが可能となることから、経済的効果も享受できる。
本発明の一実施形態に用いて好適な転炉の構成を示す縦断面模式図である。 上記実施形態にかかる境界区画部近傍の部分拡大斜視図である。 (a)は上記実施形態にかかる境界区画部に緩衝材を用いた煉瓦積み展開図であり、(b)は同じく異色部を用いた煉瓦積み展開図であり、(c)は同じく異形材を用いた煉瓦積み展開図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(転炉の構成)
図1は本実施形態にかかる耐火物の分別回収方法に用いて好適な転炉の縦断面模式図である。図1に示すように、本実施形態では、耐火物(転炉耐火物)は転炉1に施工されている。転炉1は、外面から鉄皮2、永久耐火物層3、ワーク耐火物層4の順に構成されており、永久耐火物層3の耐火物およびワーク耐火物層4の耐火物は、転炉1内面において高さ方向に複数段に配置されている。
転炉1における各々の耐火物は、耐火物への負荷や耐火物の目的に応じて様々な品位の耐火物が施工されている。すなわち、転炉1の部位毎に施工される耐火物の品位が異なっている。本実施形態では、ワーク耐火物層4は転炉1の高さ方向に各部位が分かれており、ワーク耐火物層4の耐火物は材質、少なくともリサイクル利用時の品位別になるよう、転炉1の高さ方向、すなわち段毎に割り分け(張り分け)られている。図1の例では、最も上部の炉口近傍は熱負荷が小さいため、ワーク耐火物層4の耐火物として低品位耐火物41を用いている。炉壁のうちスラグラインは熱負荷が最大となるため、ワーク耐火物層4の耐火物として高品位耐火物43を用い、残りの炉壁と炉底は、ワーク耐火物層4の耐火物として中品位耐火物42を用いている。
本実施形態では、図2の転炉内壁部分拡大斜視図に示すように、ワーク耐火物層4の各部位同士の境界部分、すなわち、品位の異なる耐火物42、43の割り分け部分(品位の異なる耐火物が接する境界段)には、解体中に境界部分の視認性を高めるための境界区画部5が設けられている。境界区画部5は、例えば図3(a)に示すように、互いに品位の異なる耐火物の段と段との間に設けられた緩衝材51によって形成されている。この緩衝材51は、例えば耐火物の膨張を吸収することが可能な(耐火物の膨張によって圧縮される)ボール紙や不燃性鉱物繊維などによって構成されている。緩衝材51は、転炉の使用後にも痕跡が残存し、解体時に視認できるようにすることが好ましい。なお、図3(a)に示す例では、境界区画部5を強調するため、緩衝材51の高さを実際より高く描いているが、緩衝材51の実際の高さは2mm程度である。
また、図3(b)に示すように、材質境界部分の段の耐火物(れんが)を着色し、他の耐火物(例えば黒色)に対して色が異なる異色部52を設けることで、境界区画部5を形成してもよい。この場合、耐火物の施工時に、耐火物の少なくとも上面(図2に示す稼働面A以外)に、例えばクロム系の塗料などの熱で変色せず、かつ、隣接する耐火物の黒色に対して視認可能な色の塗料で予め色を付けておくことが好ましい。上部からの耐火物の解体時に境界区画部5の視認が容易となる。
そのほか、境界区画部5に相当する段の耐火物(れんが)を隣接する耐火物とは異なる形態、たとえば、図3(c)に示すように大きさ(高さ)を変えた異形材53としてもよい。隣接する耐火物とは形態の異なる境界区画部5として、たとえば、転炉1の直胴部から炉口への絞りが始まる境界や炉底から直胴につながる角度変更部などの既存の異形部分(れんがの形状が変化している部分)を境界区画部5とすることができる。また、異形材53を異色としたり、緩衝材51に着色したりするなど、上記構成を組み合わせてもよい。境界区画部5を視認可能とすることで解体時に耐火物の品位分別が容易となる。なお、図3(b)や(c)では、上方の部位の最下段を境界区画部5としているが、下方の部位の最上段を境界区画部5としてもよい。上方の部位の最下段を境界区画部5とすることが好ましく、下方の部位の最上段を境界区画部5とする場合には、その上面で材質の境界が視認できるようにすることが好ましい。上部からの耐火物の解体時に品位の異なる耐火物の混入を防ぐことができる。
(解体方法)
次に、転炉1の耐火物を解体し、分別回収する方法について説明する。まず、耐火物の施工時に、ワーク耐火物層4の材質境界部分に予め境界区画部5を形成しておく。そして、転炉1の補修解体時には、転炉1を耐火物解体位置に回転固定し、耐火物を上段から順番に段毎に転炉1内へ解体していく。境界区画部5(材料境界)まで解体した時点で転炉1を天地逆に転回して、解体した耐火物を搬出して回収する。
その後、転炉1を再び耐火物解体位置に回転固定し、境界区画部5より下段の耐火物を段毎に転炉1内へ解体していき、次の境界区画部5(材料境界)まで解体した時点で、再び転炉を天地逆に転回して、解体した耐火物を搬出して回収する。このように、転炉解体時に解体する段数を管理し、同品位の耐火物を施工した範囲の段数まで解体する都度、耐火物を搬出して回収する工程を繰り返すことで、工期を長引かせることなく簡易に耐火物を品位毎に回収することが可能となる。
なお、上記実施形態では、境界区画部5を設けて材料境界を視認可能とした。境界区画部5に代えて、もしくは境界区画部5に加えて、解体中に同品位耐火物が存在する段が分かるように、転炉解体時に上部もしくは下部から段数を数えるか、レーザー距離計などによって解体高さを把握する構成としてもよい。
実際の転炉にて図1に示すように品位の異なる耐火物を張り分け、分別解体と回収を試みた。
品位の異なる耐火物は、市販のマグネシアカーボンれんがを使用した。負荷の最も低い転炉炉口から直胴部より上にかけて、純度97%級の電融マグネシアを使用した低品位耐火物41を配置した。直胴部上部から溶滓に接するスラグライン部の上までと、スラグライン部より下部全体に純度98%級の電融マグネシアを使用した中品位耐火物42を配置した。さらに最も負荷の高い、溶滓に接するスラグライン部には、純度98.5%級の最高級電融マグネシアを使用した高品位耐火物43を配置した。加えて、これらの品位別境界部分にあたる段に、境界区画部5としてボール紙を集中配置し、実操業に使用した。
耐火物損耗に伴い、転炉耐火物積替えのため、耐火物の解体を行った。解体に先立ち、スラグや地金等の炉体付着物を除去した後、炉口金物を外し、炉下投下したこれらのものを除去した後に、耐火物の解体を開始した。
耐火物の解体には圧縮空気を動力源とするエアブレーカーを備えた転炉解体機を用い、転炉を横に倒した状態にして、転炉耐火物の表面温度が500℃以下に下がった時点で解体を始めた。
転炉耐火物の最上段から解体を始め、低品位耐火物41の施工範囲である出鋼孔と同じ段まで、横倒し状の転炉天井に当たる部分の耐火物を転炉内に解体した後、炉体を天地逆に転回して、解体した段までの耐火物を炉下に投下した。投下した耐火物は無線重機により炉下から移動させた後に、仮置き場所に運搬し、低品位耐火物屑として管理した。
転炉を再び横に倒した状態にして、さらに出鋼孔耐火物を解体した後、連続してスラグライン部の上までの中品位耐火物42を同様に解体した後、炉下に投下、低品位耐火物41と同様に仮置き場へ運搬した後、中品位耐火物屑として管理した。
同様にして、高品位耐火物43であるスラグライン部のみを解体し、高品位耐火物屑として管理した。
スラグライン部の耐火物を解体、投下および回収した後は、残り全てが中品位耐火物42であるので、炉底部まで解体して、炉下に投下し、先に回収した中品位耐火物屑と一緒に管理した。
品位別に管理した耐火物屑をそれぞれ破砕、磁選した後、原料粒度に粉砕して、リサイクル耐火物原料とした。得られたリサイクル耐火物原料を30%配合し、低粘性バインダーを用いた高密度れんが製法によりマグネシアカーボンれんが(耐火物)を試作、評価した。表1に試験No.3~5で示す。
比較例として、品位別の解体を行わない、従来の解体方法で得られた耐火物屑(従来屑)も同様にリサイクル耐火物原料として使用した耐火物(試験No.2)を試作し、評価した。また、参考例として、リサイクル原料を使わず、高品位耐火物の原料である純度98.5%級の最高級電融マグネシアを使用して試作した高品位耐火物(試験No.1)、純度97%級の電融マグネシアを使用した市販の低品位耐火物(試験No.6)、および、純度98%級の電融マグネシアを使用した市販の中品位耐火物(試験No.7)を準備し、評価した。
耐食性の評価は、塩基度C/S=3となるよう調整したスラグに対し、1700℃での回転ドラム侵食試験を10回行い、試験No.1の損耗量を100とした耐食性指数により比較した。なお、耐食性指数は数値が低いほど耐食性が高い。塩基度C/Sは質量基準でスラグ中のCaOのSiOに対する比率とする。一連の実験の結果を表1に示す。
Figure 0007699614000001
試験No.1と試験No.3~5を比較すると、リサイクル原料の配合により耐食性指数は上昇するが、リサイクル原料の品位によりその上昇幅すなわち耐食性の悪化度合いが異なることが分かり、リサイクル原料の品位が高いほど悪化度合いは低い。
試験No.2と試験No.3では耐食性指数最大値がほぼ同じ値となり、低品位屑の存在により、耐食性指数の最大値が決まることがわかる。また、試験No.3~5において、耐食性指数の幅は試験No.3の低品位耐火物屑使用の場合が最も広くなっているが、これは出鋼孔周囲に中品位耐火物を施工しており、解体時に混在して回収されるためと考えられ、中品位耐火物屑、高品位耐火物屑はそれぞれ他の品位の耐火物が混在しないため、耐食性指数のばらつきが小さく、安定した品質となっている。
試験No.3~5全てにおいて参考例とした低品位耐火物(試験No.6)より耐食性指数が低くなっており、少なくとも低品位耐火物施工範囲へのリサイクル原料配合れんがの使用が問題ないことがわかる。試験No.4および5は、中品位耐火物(試験No.7)に比べてわずかに耐食性指数が上昇するが、ほぼ同程度の耐食性指数が得られており、中品位耐火物屑や高品位耐火物屑を用いたリサイクル原料配合れんがを中品位耐火物施工範囲へ適用可能である。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述により本発明は限定されることはない。また、今回低品位、中品位、高品位の3つの品位に分けて耐火物を説明したが、これより品位の区分数を増やしても、また、減らしても同様の効果が得られるため、上記実施例に挙げたもの以外の全てのものが本発明の範疇に含まれる。さらに、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
本発明の耐火物の分別回収方法によれば、解体負荷が軽減されることに加え、品位別に耐火物の分別回収できるので、リサイクル使用して転炉耐火物に使用でき、経済的利益を享受できるので産業上有用である。また、異なる品位の耐火物を区分けして施工する設備や装置に適用できる。
1 転炉
2 鉄皮
3 永久耐火物層
4 ワーク耐火物層
41 低品位耐火物
42 中品位耐火物
43 高品位耐火物
5 境界区画部
51 緩衝材
52 異色部
53 異形材
A 稼働面

Claims (5)

  1. 部位毎に品位の異なる耐火物が施工された転炉において使用後の前記耐火物を分別回収する耐火物の分別回収方法であって、使用後の前記耐火物を、前記部位ごとに解体して回収する工程を繰り返すにあたり、
    前記部位同士の境界部分には、境界区画部が設けられていることを特徴とする耐火物の分別回収方法。
  2. 前記転炉は、前記耐火物が高さ方向に複数段に配置されるとともに高さ方向に前記部位が分けられており、
    前記工程では、前記耐火物を同一品位の段ごとに解体して回収する、請求項1に記載の耐火物の分別回収方法。
  3. 前記境界区画部は、前記耐火物の膨張を吸収する緩衝材によって形成されている、請求項1または2に記載の耐火物の分別回収方法。
  4. 前記境界区画部は、隣接部位に対して色が異なる異色部によって形成されている、請求項1または2に記載の耐火物の分別回収方法。
  5. 前記境界区画部は、隣接部位に対して形態が異なる耐火物によって形成されている、請求項1または2に記載の耐火物の分別回収方法。
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