定義
本明細書で使用される場合、用語の「キメラ抗原受容体」または「CAR」または「CAR(複数)」は、抗原特異性を細胞、例えば、T細胞、NK細胞、マクロファージ、および幹細胞に移植する遺伝子改変受容体を意味する。本発明のCARは、少なくとも1つの抗原特異的標的化領域(ASTR)、ヒンジまたはストークドメイン(すなわち、細胞外ストークドメイン(ESD))、膜貫通ドメイン(TM)、1つまたは複数の共刺激ドメイン(CSD)、および細胞内活性化ドメイン(IAD)を含み得る。特定の実施形態では、ESDおよび/またはCSDは、オプションである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるCARは、特に記述されたドメイン(例えば、CD3Z細胞内活性化ドメイン)を有する。このような特に記述されたドメインに対しては、そのドメインは、野性型ドメインの活性を保持し、それにより、CAR中に効果的に採用でき(すなわち、CARは、標的に結合する能力を保持し、それに応じて、CAR内で認められる細胞内活性化ドメインを介してシグナルを送信する)、このような活性を与えるドメインのその部分に比較して、その特定のドメインが既知ヒト配列に対し少なくとも80%の配列同一性を有することが意図されている。例えば、CD3Z細胞内ドメインは、既知ヒトCD3Z配列に対してアミノ酸レベルで少なくとも80%の配列同一性を有し、CAR上で見つかる場合、CARのASTRの結合時に、シグナルをその標的に送信する能力を保持する。別の実施形態では、CARは、二重特異性CARであり、これは、2つの異なる抗原またはエピトープに特異的である。ASTRが標的抗原に特異的に結合した後で、IADは細胞内のシグナル伝達を活性化する。例えば、IADは、非MHC拘束的に、T細胞特異性および選択標的に対する反応性を向け直し、抗体の抗原結合特性を活用できる。非MHC拘束的抗原認識は、CARを発現しているT細胞に、抗原プロセシングとは独立した抗原を認識する能力を与え、それにより、腫瘍エスケープの主要機序をバイパスする。さらに、T細胞で発現する場合、CARは好都合にも、内在性T細胞受容体(TCR)アルファおよびベータ鎖と二量体化しない。
本明細書でCARまたはASTRに関連して使用される場合、用語の「条件的活性型」は、正常な生理的環境中の条件下よりも、標的微小環境中の条件下で、1つまたは複数の標的抗原に対し、より低い結合親和性または、例示的実施形態では、より高い結合親和性を有するCARまたはASTRを意味する。例示的実施形態では、本明細書で提供される条件的活性型CARは、腫瘍微小環境中またはインビトロ腫瘍代替アッセイ中の条件下で、非腫瘍微小環境または正常な条件下に比べて、より活性である。腫瘍微小環境中の条件には、非腫瘍微小環境に比べて、より低いpH、より高い濃度の乳酸およびピルビン酸、低酸素、より低い濃度のグルコース、および僅かに高い温度が含まれる。例えば、条件的活性型CARは、特定の実施形態では、正常な体温では実質上不活性であるが、腫瘍微小環境中のより高い温度では、活性である。さらに別の実施形態では、条件的活性型CARは、正常な酸素化血液中では低い活性であるが、腫瘍中のより低い酸素化環境下ではより活性が高い。本明細書で提供されるある例示的実施形態では、条件的活性型CARは、正常な生理学的な7.2~7.8のpH中では低い活性であるが、腫瘍微小環境中に存在する6.0~6.8の酸性pH下ではより活性が高い。条件的活性型CARおよびASTRが異なる結合親和性を有し、本発明の条件として同様に使用し得る当業者に既知の腫瘍微小環境中のその他の条件が存在する。本明細書では、条件的活性型CARを、「条件的活性型生物学的CAR」または「CAB-CAR」および「微小環境拘束性生物学的CAR」または「MRB-CAR」と呼ぶこともある。
本明細書で使用される場合、用語の「微小環境」は、他の身体の領域または組織の領域とは、定常的または一時的に、物理的または化学的に差異を有する身体または組織のいずれかの部分または領域を意味する。腫瘍に対して、本明細書で使用される場合、用語の「腫瘍微小環境」は、腫瘍が存在する環境を意味し、これは、腫瘍内の非細胞部位および腫瘍組織の直接外側の領域であるが、癌細胞それ自体の細胞内の区画には属さない。腫瘍および腫瘍微小環境は、密接に関係し、常に相互作用している。腫瘍は、その微小環境を変えることができ、微小環境は、どのように腫瘍が増殖し、広がるかに影響を与えることができる。通常、腫瘍微小環境は、5.8~7.0の範囲、より一般的には、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲の低pHを有する。他方では、正常な生理学的pHは、7.2~7.8の範囲である。腫瘍微小環境はまた、血漿と比較して、より低い濃度のグルコースおよびその他の栄養素を有することが知られているが、より高い濃度の乳酸を有することも知られている。さらに、腫瘍微小環境は、正常な生理学的温度よりも、0.3℃~1℃高い温度を有する場合がある。腫瘍微小環境は、Gillesらの、“MRI of the Tumor Microenvironment,” Journal of Magnetic Resonance Imaging,vol.16,pp.430-450,2002中で考察されている。この文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。用語の「非腫瘍微小環境」は、腫瘍以外の部位での微小環境を意味する。
本明細書で同じ意味で用いられる用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、任意の長さの高分子型のヌクレオチド、リボンヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチド、を意味する。したがって、この用語には、限定されないが、短鎖、二本鎖、または多重鎖DNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはプリンおよびピリミジン塩基またはその他の天然のヌクレオチド塩基、化学的にまたは生化学的に改変された、非天然の、誘導体化ヌクレオチド塩基を含むポリマーが含まれる。
用語の「抗体」および「免疫グロブリン」には、抗体または免疫グロブリンの任意のアイソタイプ、ならびにエピトープ、典型的には完全長抗体と同じエピトープに対する特異的結合を保持する抗体のフラグメントであって、抗体の重鎖および軽鎖の両方がアッセイで存在する場合、限定されないが、Fab、Fab’、Fab’-SH、(Fab’)2Fv、scFv、二価scFv、Fdフラグメントを含むフラグメント、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、および抗体および非抗体タンパク質の抗原特異的標的化領域を含む融合タンパク質が挙げられる。
「抗体フラグメント」は、完全な抗体の一部、例えば、完全な抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvフラグメント;ディアボディ;直鎖抗体(Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062(1995));単鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成された多重特異的抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化により、「Fab」フラグメントと呼ばれる、それぞれが単一抗原結合を有する2つの同一の抗原結合フラグメント、および残りの、名称が容易に結晶化する能力を表す、「Fe」フラグメントを生成する。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、まだ抗原を架橋できる、F(ab’)2フラグメントを生じる。
「単鎖Fv」「scFv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインはポリペプチド単鎖中に存在する。いくつかの実施形態では、Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これは、sFvが抗原結合のために所望の構造を形成することを可能とする。sFvの概要については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)のPluckthunを参照されたい。
本明細書で使用される場合、「親和性」という用語は、2つの試薬の可逆的結合に対する平衡定数を意味し、解離定数(Kd)として表される。親和性は、無関係のアミノ酸配列に対する抗体の親和性よりも、少なくとも1倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも30倍大きい、少なくとも40倍大きい、少なくとも50倍大きい、少なくとも60倍大きい、少なくとも70倍大きい、少なくとも80倍大きい、少なくとも90倍大きい、少なくとも100倍大きい、または少なくとも1000倍以上大きい値であり得る。抗体の標的タンパク質に対する親和性は、例えば、約100ナノモル(nM)~約0.1nM、約100nM~約1ピコモル(pM)、または約100nM~約1フェムトモル(fM)、またはこれ超であり得る。本明細書で使用される場合、「結合力」という用語は、2つ以上の試薬からなる複合体の希釈後の解離に対する抵抗を意味する。用語の「免疫反応性の」および「優先的に結合する」は、抗体および/または抗原結合フラグメントに関して、本明細書では同じ意味で用いられる。
用語の「結合」は、例えば、共有結合、静電気的結合、疎水性結合、およびイオン性および/または塩橋および水架橋などの相互作用を含む水素結合相互作用による2つの分子間の直接結合を意味する。非特異的結合は、約10-7M未満の親和性での結合、例えば、10-6M、10-5M、10-4Mなどの結合を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヒンジ領域」という用語は、隣接ポリペプチド領域に構造的可撓性および間隔を与え、天然または合成ポリペプチドから構成できる可撓性ポリペプチドコネクター領域(本明細書では、「ヒンジ」または「スペーサー」とも呼ばれる)を意味する。免疫グロブリン(例えば、IgG1)由来の「ヒンジ領域」は通常、ヒトIgG1のGlu216からPro230までの伸張として定義される(Burton(1985)Molec.Immunol.,22:161-206)。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間ジスルフィド(S-S)結合を形成している最初と最後のシステイン残基を同じ位置に配置することにより、IgG1配列と整列させることができる。ヒンジ領域は、限定されないが、米国特許第5,677,425号に記載の改変ヒンジ領域を含む天然または非天然のものであってよい。ヒンジ領域は、異なるクラスまたはサブクラスの抗体由来の、CH1ドメインのヒンジ領域からの完全ヒンジ領域を含み得る。用語の「ヒンジ領域」はまた、CD8、CD28、または隣接領域に可撓性および間隔を与えるという類似の機能を提供する他の受容体由来の領域も含み得る。
「単離された」ポリペプチドは、その天然環境の成分から特定および分離および/または回収されたポリペプチドである。その天然の環境の混入成分は、ポリペプチドに対する診断または治療的使用と干渉する可能性がある物質であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、(1)ローリー法で測定して抗体の重量の、90重量%超、95重量%超、または98重量%超まで、例えば、99重量%超まで、(2)N末端の少なくとも15残基またはスピニングカップ配列決定機器を用いて内部アミノ酸配列を得るのに十分な程度まで、または(3)還元または非還元条件下でクーマシーブルーまたは銀染色を用いて、ナトリウムドデシルスルフェート-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)による均質性まで精製される。単離ポリペプチドには、ポリペプチドの天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないと思われるので、組み換え細胞内のインサイツポリペプチドが含まれる。いくつかの事例では、単離ポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップにより調製される。
本明細書で使用される場合、用語の「免疫細胞」は通常、骨髄中で生成される造血幹細胞(HSC)から誘導される白血球細胞(白血球)を含む。「免疫細胞」は、例えば、リンパ球(T細胞(すなわち、Tリンパ球)、B細胞、ナチュラルキラー(NK)(CD3-CD56+)細胞)および骨髄由来細胞(好中球、好酸球、好塩基球、単球、マクロファージ、樹状細胞)を含む。「T細胞」は、Tヘルパー細胞(CD4+細胞)細胞傷害性T細胞(CD8+細胞)、T調節細胞(Treg)およびγδ T細胞、ならびにNK T細胞(CD3+およびCD56+)を含む全てのタイプのCD3を発現している免疫細胞を含む。当業者なら、本開示を通して使用されるT細胞および/またはNK細胞が、T細胞のみ、NK細胞のみ、または両T細胞およびNK細胞を含むことができることを理解するであろう。本明細書で提供される特定の例示的実施形態および態様では、T細胞は活性化され、形質導入される。さらに、本明細書で提供される特定の例示的組成物の実施形態および態様では、T細胞が提供される。「細胞傷害性細胞」は、CD8+ T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、γδ T細胞、および好中球が含まれ、これらは、細胞傷害性応答を媒介できる細胞である。
本明細書で使用される場合、用語の「幹細胞」は通常、多能性または多能性幹細胞を含む。「幹細胞」には、例えば、胚性幹細胞(ES);間葉系幹細胞(MSC);人工多能性幹細胞(iPS);および方向付けされた前駆細胞(造血幹細胞(HSC);骨髄由来細胞、など)が含まれる。
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、用語の「Axl」は、霊長類(例えば、ヒト)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物を含む任意の脊椎動物源由来のいずれかの天然のAxlを意味する。この用語は、「完全長」のプロセッシングされていないAxl、ならびに細胞中でのプロセッシングから生じた任意の形態のAxlを包含する。この用語はまた、天然のAxlバリアント、例えば、スプライスバリアントまたはアレルバリアントを包含する。ヒトAxlのアミノ酸配列は当該技術分野において周知であり、ジェンバンクなどの公開データベースから入手可能である。
本明細書で使用される場合、用語の「Axl活性化」は、Axl受容体の活性化、またはリン酸化を意味する。一般に、Axl活性化は、シグナル伝達(例えば、Axlまたは基質ポリペプチド中のチロシン残基をリン酸化するAxl受容体の細胞内キナーゼドメインにより引き起こされるシグナル伝達)をもたらす。Axl活性化は、目的のAxl受容体に結合するAxlリガンド(Gas6)により媒介され得る。Gas6のAxlへの結合は、Axlのキナーゼドメインを活性化し、それにより、Axl中のチロシン残基のリン酸化および/またはさらに、基質ポリペプチド中のチロシン残基のリン酸化を生じる。
本明細書で使用される場合、用語の「Axl媒介抗アポトーシス」は、ヒト細胞、好ましくは、限定されないが、ヒト癌細胞のプログラム細胞死(アポトーシス)を妨げる全てのAxl関与プロセスを意味する。特に、Axl媒介抗アポトーシスは、成長因子の撤退、低酸素、化学療法剤もしくは放射線への曝露、またはFas/Apo-1受容体媒介シグナル伝達の開始による、ヒト細胞、好ましくは、限定されないが、ヒト癌細胞のアポトーシス誘導を防止するプロセスを意味し、好ましくは、Axlリン酸化および/またはAxl媒介シグナル伝達を含む、Axlの非触媒的または触媒活性により刺激または媒介される。
本明細書で使用される場合、用語の「Ror2」は、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2を意味し、これは、インビトロプロテインキナーゼ活性を有する943アミノ酸のタンパク質と予測されており、ジェンバンク受入番号AAI30523に示されている。多くの系統限定受容体チロシンキナーゼは、最初に、既知の受容体に相同な「オーファン(orphan)」と見なされ、その後になって初めて、それらの未知の増殖因子を特定するために使用された。DeChiara et al.(2000)は、Ror2によりコードされる1つのこのようなオーファンを特定した。
本明細書で用いられる場合、用語の「治療(treatment)」、「治療(treating)」などは、所望の薬理学的および/または生理的な効果を得ることを意味する。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に防ぐという観点からの予防であってもよく、および/または疾患および/または疾患が原因の有害作用の部分的または完全治癒の観点からの治療であってもよい。本明細書で用いられる場合、「治療」は、ヒトなどの哺乳動物における疾患のなんらかの治療を包括し、(a)疾患に罹りやすいがまだそれとは診断されていない対象の疾患の発症を防ぐこと;(b)疾患を抑制すること、すなわち、その発症を阻止すること;および(c)その疾患を軽減すること、すなわち、その疾患を退行させること、を含む。
本明細書で同じ意味で用いられる用語の「個体」、「対象」、「宿主」、および「患者」は、限定されないが、ヒト、マウス(例えば、ラット、マウス)、ウサギ類(例えば、ウサギ)、非ヒト霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)、などを含む哺乳動物を意味する。
「治療有効量」または「有効量」は、疾患の治療のために哺乳動物またはその他の対象に投与する場合、疾患に対しこのような治療に影響を及ぼすのに十分な薬剤の量、または2種の薬剤の組み合わせた量を意味する。「治療有効量」は、薬剤、疾患、およびその重症度ならびに、治療される対象の年齢、体重、などに応じて変化する。
本明細書で使用される場合、「進化(evolution)」、または「進化(evolving)」という用語は、1種または複数の変異誘発法を使用して、それ自体改善された生体分子である、および/または別の改善された生体分子の生成に寄与する、異なるポリペプチドをコードする異なるポリヌクレオチドを生成することを意味する。
「生理学的」または「正常な」または「正常な生理的」条件は、限定されないが、温度、pH、浸透圧、オスモル濃度、酸化ストレスおよび電解質濃度、ならびにその他のパラメーターなどの、投与部位で、または作用部位の組織または臓器で、対象にとって正常な範囲内であると見なされる条件である。
本開示ならびに本明細書で提供される態様および実施形態は、無論、変更可能であるので、開示された特定の実施例に限定されないことを理解されたい。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるから、本明細書で使用される用語は、特定の実施例および実施形態を開示することのみを目的とするものであり、制限することを意図していないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、文脈上別段の明確な記載がない限り、その範囲の上限および下限と、規定範囲の任意のその他の規定値または介在値との間の各介在値は、下限の単位の10分の1まで本発明に包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限値と下限値は、独立に、より小さい範囲に含まれてもよく、また、表示された範囲内のいずれかの特別に除外される範囲の存在を条件として、本発明の範囲内に包含される。示した範囲がその限界値の片方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
特に断らなければ、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等の任意の方法および材料を、本発明を実施または試験するためにも使用することが可能であるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。引用された出版物に関連する方法および/または材料を開示し、説明するために、本明細書で言及の全ての出版物は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、他に明記されない限り、単数形「a」、「an」および「the」は複数の指示物を含むことに留意しなければならない。従って、例えば、「キメラ抗原受容体」に対する言及は、複数のこのようなキメラ抗原受容体および当業者に既知のその等価物、等を含む。さらに、任意の選択要素を排除するよう請求項を作成してもよいことにも留意されたい。そのため、この記述は、特許請求の範囲の要素の記述と関連して「唯一(solely)」、「のみ(only)」などの限定的用語を使用するための、または「否定的な」限定を使用するための先行詞となることが意図される。
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供され得ることは分かるであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態に照らして説明されている本発明の種々の特徴は、別々にまたは任意の好適な副組み合わせで提供してもよい。本発明に関連する実施形態の全ての組み合わせは、本発明により具体的に包含され、あたかもそれぞれおよび全ての組み合わせが個々に、および明示的に開示されるかのように、本明細書で開示される。さらに、種々の実施形態およびその要素の全ての副組合わせはまた、本発明により具体的に包含され、あたかもそれぞれおよび全ての副組み合わせが個々に、および明示的に本明細書で開示されるかのように、本明細書で開示される。
詳細な説明
本明細書で開示される態様および実施形態は、一態様では、Axlおよび/またはRor2に結合するための条件的活性型キメラ抗原受容体(CAR)を提供することにより、現在の治療法のオフ腫瘍効果の問題を克服する。Axlおよび/またはRor2に結合するためのCARは、腫瘍環境中では活性であるが、正常な生理学的組織/臓器では活性ではない。Axlおよび/またはRor2に結合するためにCARの種々の実施形態に加えて、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供されるいずれかのCARをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の実施形態、ならびに、いずれかのCARを発現するためのウイルス構築物、少なくとも1つのウイルス構築物に感染した細胞、ならびに、CARを発現する組み換え細胞である。本開示のCARは、各種方法で使用でき、これらの方法はまた、本開示のCARをコードする組換えウイルスベクターなどの発現ベクターのT細胞および他の細胞傷害性細胞への感染方法と一緒に、提供される。
キメラ抗原受容体
本開示は、本明細書では、簡略化のために「CAR」と呼ばれる、キメラ抗原受容体を提供する。例示的実施形態では、本開示のCARは、AxlまたはRor2に結合し、さらなる例示的実施形態では、CARは、AxlまたはRor2に条件的活性方式で結合する。特定の例示的実施形態では、本明細書で提供されるCARは、a)pH7.4と比較して、pH6.7で増大した結合を示す、少なくとも1つの条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);b)膜貫通ドメイン;およびc)細胞内活性化ドメインを含む。例示的実施形態では、CARの抗原特異的標的化領域は、抗AXlまたは抗Ror2抗体の条件的活性型scFv部分である。さらに、例示的実施形態では、ASTRは、正常な生理的環境に比べて、腫瘍環境中またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で活性の増加を示す。
本開示のCARは、真核細胞、例えば、哺乳動物細胞の細胞膜中に存在でき、好適な哺乳動物細胞には、限定されないが、細胞傷害性細胞、Tリンパ球、幹細胞、幹細胞の子孫、前駆細胞、前駆細胞の子孫、およびNK細胞、NK-T細胞、およびマクロファージが含まれる。真核細胞の細胞膜中に存在する場合、本開示のCARは、特定の条件下でASTRに結合する、Axlおよび/またはRor2の存在下で活性である。AxlおよびRor2は、特異的結合対の第2のメンバーである。特異的結合対のAxlおよび/またはRor2は、可溶性(例えば、細胞に結合しない)因子;標的細胞などの細胞の表面上に存在する因子;固体表面上に提示された因子;脂質二重層中に存在する因子;などであり得る。ASTRが抗体である場合、特異的結合対の第2のメンバーは抗原であり、抗原は、可溶性(例えば、細胞に結合しない)抗原;標的細胞などの細胞の表面上に存在する抗原;固体表面上に提示された抗原;脂質二重層中に存在する抗原;などであり得る。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、細胞中の少なくとも1つの核酸の発現を増大させる。例えば、いくつかの事例では、真核細胞の細胞膜中に存在する場合、本開示のCARは、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、Axlおよび/またはRor2の非存在下の核酸の転写のレベルに比べて、細胞中の少なくとも1つの核酸の発現を、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、または10倍超、増大させる。
一例として、本開示のCARは、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)含有細胞内シグナル伝達ポリペプチドを含むことができ;このような場合には、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、活性化T細胞の核因子(NFAT)依存性転写を増大させる。NFAT依存性転写には、NFATファミリーの任意のメンバー、例えば、NFATel、NFATc2、NFATc3、NFATc4、NFAT5;AP-1;Spl;NKKB;などにより誘導される転写が含まれる。
本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、AxlまたはRor2により活性化される場合、いくつかの事例では、細胞中の1つまたは複数のサイトカインの生成の増大をもたらす。例えば、真核細胞の細胞膜中に存在する場合、本開示のCARは、AxlまたはRor2により活性化される場合、Axlおよび/またはRor2の非存在下の細胞により生成されるサイトカインの量に比べて、細胞によるサイトカインの生成を、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大させ得る。いくつかの実施形態では、真核細胞の細胞膜中に存在する場合、本開示のCARは、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、Axlおよび/またはRor2の非存在下で細胞により分泌されるサイトカインの量に比べて、細胞によるサイトカインの分泌を、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大させ得る。生成が増大され得るサイトカインには、限定されないが、インターフェロンγ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-a)、IL-2、IL-15、IL-12、IL-4、IL-5、IL-10;ケモカイン;増殖因子;などが挙げられる。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在する場合、およびAxlおよび/またはRor2により活性化される場合、細胞中の核酸の転写の増大、細胞による、サイトカインの生成の増大、およびサイトカインの分泌の増大を生じ得る。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、その細胞表面上に、CARの第1のポリペプチドの抗原結合ドメインが結合する抗原を発現する標的細胞に対する、細胞による細胞傷害活性を生ずる。例えば、真核細胞が細胞傷害性細胞(例えば、NK細胞または細胞傷害性Tリンパ球)である場合、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、その細胞表面上に、Axlおよび/またはRor2を発現する標的細胞に対する、細胞の細胞傷害活性を増大させる。例えば、真核細胞がNK細胞またはTリンパ球である場合、本開示のCARは、細胞の細胞膜中に存在する場合、およびAxlおよび/またはRor2により活性化される場合、Axlおよび/またはRor2の非存在下の細胞傷害活性に比べて、細胞の細胞傷害活性を、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、または10倍超、増大させる。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、増殖および増大(細胞分裂の増大または抗アポトーシス性応答に起因して)などの他のCAR活性化関連事象をもたらし得る。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞の細胞膜中に存在し、Axlおよび/またはRor2により活性化される場合、細胞内シグナル伝達調節、細胞分化、または細胞死などの他のCAR活性化関連事象をもたらし得る。
本開示のCARは、真核細胞膜中に存在でき、そこでは、CARの第1と第2のポリペプチドは、相互に共有結合していない。本開示のCARは、膜中のいずれか他のポリペプチドと共有結合していない単一ヘテロダイマーとして真核細胞膜中に存在できる。あるいは、本開示の第1のCARは、本開示の第2のCARに共有結合または非共有結合しているヘテロダイマーとして真核細胞膜中に存在できる。いくつかの事例では、第1のおよび第2のCARは、第1のCARの第1のポリペプチドと第2のCARの第1のポリペプチドの両方中に存在するヒンジ領域中に存在するシステイン間で形成されるジスルフィド結合を介して共有結合される。
いくつかの事例では、本開示のCARは、真核細胞膜中に存在でき、そこで、CARの第1のポリペプチドは抗体フラグメントを含み、CARの第2のポリペプチドはサイトカイン受容体由来のシグナル伝達ドメインを含み、それにより、ダイマー化時に、CARは、ヘテロダイマーシグナロボディ(heterodimeric-signalobody)CAR、例えば、少なくとも2種の独立したポリペプチドから構成されるシグナロボディとなる。当該技術分野において既知の「シグナロボディ」は、抗体フラグメントおよびサイトカイン受容体由来のシグナル伝達ドメインから構成される単一キメラ高分子である。特定の事例では、本開示のヘテロダイマーシグナロボディCARは、真核細胞の細胞膜中に存在する場合、二量体化剤により二量体化され、抗原、例えば、オリゴマー化抗原により活性化されて、ヘテロダイマーシグナロボディCARのオリゴマー化を誘導し得る。このようなヘテロダイマーシグナロボディCARのリガンド誘導オリゴマー化は、活性化、例えば、増大させ得る、または永続化、例えば、維持し得る。シグナル伝達、例えば、ヘテロダイマーシグナロボディCARのリガンド誘導オリゴマー化は、細胞応答を誘発するシグナルを伝達し得る。いくつかの事例では、複数のヘテロダイマーシグナロボディCARを組み合わせて利用して、目的の細胞応答を誘発し得る。
抗原特異的標的化領域
本開示のCARは、特異的結合対のメンバーを含み、これは通常、ASTRである。特異的結合対には、限定されないが、抗原-抗体結合対;リガンド-受容体結合対;などが含まれる。したがって、本開示のCARでの使用に好適する特異的結合対のメンバーには、抗体、抗原、リガンド、リガンドの受容体結合ドメイン、受容体、受容体のリガンド結合ドメイン、およびアフィボディであるASTRを含む。
本開示のCARでの使用に好適するASTRは、任意の抗原結合ポリペプチドであり得る。特定の実施形態では、ASTRは、完全長抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、(Fab’)2フラグメント、Fvフラグメント、および二価の単鎖抗体またはダイアボディなどの抗体である。
いくつかの実施形態では、ASTRは、単鎖Fv(scFV)である。いくつかの実施形態では、重鎖は、CARの軽鎖のN末端に配置される。他の実施形態では、軽鎖は、CARの重鎖のN末端に配置される。いずれかの開示実施形態では、重鎖および軽鎖は、本明細書でより詳細に考察されるように、リンカーにより分離され得る。いずれかの開示実施形態では、重鎖または軽鎖は、CARのN-末端にあってよく、通常、シグナル配列またはペプチドなどの別のドメインのC末端にある。
その他の抗体ベース認識ドメイン(cAB VHH(ラクダ抗体可変ドメイン)およびヒト化バージョン、IgNAR VH(サメ抗体可変ドメイン)およびヒト化バージョン、sdAb VH(単一ドメイン抗体可変ドメイン)および「ラクダ化」抗体可変ドメインが、CARおよび本開示のCARを用いた方法で使用するのに好適する。いくつかの事例では、T細胞受容体(TCR)ベース認識ドメイン、例えば、単鎖TCR(scTv、VαVβ含有単鎖2ドメインTCR)も使用に好適する。
条件的活性型生物学的CAR(CAB-CAR)
本開示のCARは通常、条件的活性型である。この特性は通常、CARのASTRドメインの条件的活性型性質の結果である。例示的実施形態では、本開示のCAB-CARは、非腫瘍微小環境中の条件下より、腫瘍微小環境中の条件下で、AxlまたはRor2に対しより高い結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、腫瘍微小環境中の条件および非腫瘍微小環境中の条件は、両方pHである。したがって、CAB-CARは、典型的には、CAB-CARが、正常な生理的環境中で遭遇するpHである、7.2~7.8のpHに比べて、腫瘍微小環境中で遭遇するpHである、約6.0~6.8のpHで、AxlまたはRor2に対してより高い結合親和性を有するので、条件的活性型方式でAxlまたはRor2に選択的に結合できる。例えば、CAB-CARは、pH7.4より、pH6.7でAxlまたはRor2に対し、より高い結合親和性を有し得る。追加でまたは代わりに、CAB-CARは、pH7.4より、pH6.0で、AxlまたはRor2に対してより高い結合親和性を有し得る。このような条件は、下記でより詳細に記載したように、正常な生理学的組織中の対応する条件とは異なるインビボ腫瘍環境中で見つけられる1つまたは複数の条件下で、例えば、抗原結合および/またはCAR活性(例えば、細胞溶解)を試験するインビトロ腫瘍代替アッセイで試験できる。例えば、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件は、生理学的pH(7.2~7.8)に比べて、低pH(例えば、6.0~6.8)であり得る。例示的実施例では、腫瘍代替アッセイ条件は、6.7のpHであり、一方、対応する生理学的pHは7.4である。
いくつかの実施形態では、CAB-CARは、生理的条件下で特定された抗体のVHおよび/またはVL(すなわち、親、「野生型」または「wt」抗体)を特定することにより得ることができる。抗体をその後、変異させて、試験できる(進化させる)。当業者なら、米国特許第8,709,755号で開示の条件的活性型抗体を特定する方法を利用して、本開示のCAB-CARのためのASTRで使用できる追加の条件的活性型抗体および抗体フラグメントを特定できる。相補性決定領域(CDR)は、VHおよびVLの相互作用により形成された3次元構造である。出発点(「wt」抗体)の結合特異性を変えるために、VH/VLの片方または両方を変異されることにより、CAB-CARのCAB活性につながり得ることを予測することは理にかなっている。条件的活性型抗体を生成するために、VHおよびVLの両方を典型的に生理的条件下で特定し、その後、VHまたはVLまたはより典型的には、VHおよびVLの両方を変異させ、6.0~6.7のpHなどの非生理的条件下、または腫瘍微小環境の別の条件下で試験して、条件的活性型抗体を生成する。
野性型抗体のVHおよび/またはVL領域をコードする核酸を、既知の方法を使用してクローニングできる。このような野性型VHおよびVL領域のバリアントはその後、重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列中に改変を導入することにより調製できる。このような改変には、例えば、抗体または抗体フラグメントのアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはそこへの挿入および/またはその置換が含まれる。欠失(単一または複数)、挿入(単一または複数)、および置換(単一または複数)の任意の組み合わせを実施して、条件的活性型抗体フラグメントに到達できる。
条件的活性型ASTRの作製および/または単離の詳細な方法は、本明細書の別のセクションで提供される。
Axlを標的とする条件的活性型ASTR
本明細書で提供される種々の態様のいずれかの例示的実施形態は、7.4のpHに比べて、6.7のpHでAxlタンパク質に特異的に結合する条件的活性型ASTRを有するCARを含む。このようなASTRおよびこのようなASTRを含むCARの例は、本明細書の実施例で提供される。特定の実施形態では、ASTRは、配列番号79の重鎖および配列番号80の軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合する。例示的実施形態では、ASTRは、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じAxlのエピトープに結合する。
ASTRは、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、(Fab’)2フラグメント、Fvフラグメント、および二価の単鎖抗体またはダイアボディであり得る。例示的実施形態では、Axlに結合する条件的活性型ASTRは、重鎖および軽鎖を含む単鎖可変フラグメントである。
ASTRが、Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じエピトープに結合するいくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、3つの相補性決定領域を含むことができ、前記領域は、配列H1、H2、およびH3を有し、
H1配列は、X1GX2TMN(配列番号87)であり;
H2配列は、LIKPSNGGTSYNQKFKG(配列番号88)であり;および
H3配列は、GX3YX4SYX5AMDY(配列番号89)であり、X1はTまたはWであり;X2はHまたはAであり;X3はHまたはDであり;X4はEまたはHであり;およびX5はEまたはFである。
ASTRが、Axlに結合し、例示的実施形態において、直ぐ上の重鎖実施形態を含む、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、配列L1、L2、およびL3を有し、
L1配列は、KASQDVX6SAVA(配列番号90)であり;
L2配列は、WX7X8TRX9T(配列番号91)であり;および
L3配列は、QEHFSX10PLX11(配列番号92)であり;
X6はSまたはVであり;X7はAまたはQであり;X8はSまたはDであり;X9はHまたはDであり;X10はTまたはPであり;およびX11はTまたはRである。
ASTRが、Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じエピトープに結合するいくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、3つの相補性決定領域を含むことができ、前記領域は、配列H1、H2、およびH3を有し、
H1配列は、X1GX2X3MX4(配列番号134)であり;
H2配列は、LIKX5SNGGTX6YNQKFKG(配列番号135)であり;および
H3配列は、GX7X8X9X10X11X12X13X14DYX15X16(配列番号136)であり、
X1はT、A、またはWであり;X2はHまたはAであり;X3はTまたはIであり;X4はNまたはIであり;X5はPまたはNであり;X6はS、I、またはTであり;X7はH、D、E、P、R、またはWであり;X8はYまたはNであり;X9はE、A、D、F、G、H、I、L、M、N、R、V、またはYであり;X10はS、D、M、N、またはQであり;X11はY、C、E、またはPであり;X12はF、E、N、S、T、またはVであり;X13はA、D、G、L、またはYであり;X14はM、E、またはFであり;X15はW、A、D、H、L、N、P、R、またはTであり;およびX16はGまたはHである。
ASTRが、Axlに結合し、例示的実施形態において、直ぐ上の重鎖実施形態を含む、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、配列L1、L2、およびL3を有し、
L1配列は、KASQDX17X18SX19VX20(配列番号137)であり;
L2配列は、X21X22X23TRX24T(配列番号138)であり;および
L3配列は、QEX25X26SX27X28X29X30(配列番号139)であり、
X17はV、D、G、N、またはWであり;X18はSまたはVであり;X19はA、L、またはMであり;X20はA、D、N、またはQであり;X21はWまたはFであり;X22はA、I、N、P、またはQであり;X23はSまたはDであり;X24はHまたはDであり;X25はH、C、F、I、L、Q、S、T、V、またはYであり;X26はF、C、D、E、G、N、またはSであり;X27はT、C、またはPであり;X28はP、A、C、D、E、H、K、S、T、V、またはWであり;X29はL、G、またはRであり;およびX30はT、I、またはRである。
特定の例示的実施形態では、ASTRは、配列番号80の軽鎖可変領域および/または配列番号79の重鎖可変領域を含む。これらの例示的実施形態は、軽鎖に対する重鎖N末端または重鎖に対する軽鎖N末端を含むことができる。例示的実施形態では、抗AXl ASTRは、配列番号128、配列番号129、配列番号159、配列番号160、または配列番号161のいずれかの配列を含み得る。
これらの抗AXl実施形態のいずれかの重鎖および軽鎖は、2つの可変領域を含み、この可変領域は通常、リンカーにより分離されている。リンカーは、6~100アミノ酸長さであり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカー1(配列番号53)、リンカー2(配列番号54)、またはリンカー3(配列番号55)である。例示的実施形態では、2つの可変領域は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域である。重鎖または軽鎖のいずれかは、ASTR上の他のものに対するN末端に位置することができる。特定の例示的実施形態では、重鎖は、軽鎖に対しN末端である。
pH7.4に比べて、pH6.7でAxlに対する結合が増大した例示的条件的活性型CAR(CAB-CAR)は、本明細書の実施例1で見つけられる。例示的実施形態では、CARまたはASTRは、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じAxlのエピトープに結合できる。このような例示的実施形態のさらなる実施形態では、抗AXl CARまたはASTRは、単鎖可変フラグメント(scFv)を含むか、または単鎖可変フラグメントである。さらなる例示的実施例では、抗AXl scFvは、軽鎖に対しN末端である重鎖または重鎖に対しN末端である軽鎖を含む。CARを含み、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号128、129、159、160、または161のいずれかを含み得る。さらに、本明細書の実施形態のいずれかの抗AXl CARは、本明細書で提供されるCAR成分のいずれかを含み得る。特定の例示的実施形態では、抗AXl CARは、表1で記載のCAR成分を含むことができ、表1のCARのいずれかであり得る。抗AXl CARを含む本明細書の任意の実施形態に関し、より典型的には、CARはCAB-CARであり、非限定的例示的実施形態では、CARは、例えば、細胞傷害活性を示す表1で提供されるCAB-CAR成分のいずれかおよびCAB-CARのいずれかを含むことができる。例えば、抗AXl CAB-CARは、CD8シグナルペプチド、CD8またはCD28ストークドメイン/膜貫通ドメイン、CD137、ICΔ共刺激ドメインおよびCD137共刺激ドメイン、および/またはCD3Z活性化ドメインを含むことができる。さらに、抗AXl CARおよび特に抗AXl CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表1の条件的細胞傷害活性を示す抗AXl CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARは、表1のF1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23を含む。ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15F1-2-22、またはF1-2-23のASTRを含むことができる。さらに、抗AXl CARおよび特に抗AXl CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表1の高い条件的細胞傷害活性を示す抗AXl CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARは、F1-2-13、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23を含む。したがって、ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23のASTRを含むことができる。
本明細書で開示の重鎖可変領域ポリペプチドおよび軽鎖可変領域ポリペプチドは、米国特許第8.709,755号で開示の方法を用いて、親抗体重鎖可変領域(配列番号93)および親抗体軽鎖可変領域(配列番号94)から特定された。当業者なら、米国特許第8,709,755号で開示の条件的活性型抗体を特定する方法を利用して、本開示のCAB-CARのためのASTRで使用できる追加の条件的活性型抗体および抗体フラグメントを特定できる。
いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、配列番号112~114であり得る。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、配列番号108~111であり得る。これらの重鎖および軽鎖可変領域は、特異的にAxlに結合できる。これらの重鎖および軽鎖可変領域のいずれか1つを含む抗体は、pH7.4より、pH6.7でAxlに対する高い結合親和性を有することが明らかになった。pH6.7は、腫瘍微小環境中で見出されたpHである。pH7.4は、非腫瘍の正常な生理学的微小環境中で見出されたpHである。
CARはまた、Axlに特異的に結合できる配列番号108~114の配列の重鎖および軽鎖可変領域のバリアントを含むことができる。これらのバリアントを得るために、重鎖可変領域(H1~H3)の相補性決定領域(CDR)および軽鎖可変領域(L1~L3)のCDRは、未変化のままである必要があることが明らかになった。これらの重鎖および軽鎖可変領域のバリアントは、適切な改変を重鎖および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列中に導入することにより、またはペプチド合成により調製し得る。このような改変には、例えば、抗体または抗体フラグメントのアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはそこへの挿入および/またはその置換が含まれる。欠失(単一または複数)、挿入(単一または複数)、および置換(単一または複数)の任意の組み合わせを実施して、最終構築物に到達できる。ただし、最終構築物が少なくとも1つの所望の特性、例えば、抗原結合を有するということが前提である。
Ror2を標的とする条件的活性型ASTR
本明細書で提供される種々の態様のいずれかの例示的実施形態は、7.4のpHに比べて、6.7のpHでRor2タンパク質に特異的に結合する条件的活性型ASTRを有するCARを含む。このようなASTRおよびこのようなASTRを含むCARの例は、本明細書の実施例で提供される。特定の実施形態では、ASTRは、配列番号82または配列番号83の重鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するか、またはASTRは、配列番号151の重鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する。例示的実施形態では、ASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合するか、またはASTRは、配列番号151の抗体重鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合する。例示的実施形態では、ASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合するか、またはASTRは、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合する。
ASTRは、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、(Fab’)2フラグメント、Fvフラグメント、および二価の単鎖抗体またはダイアボディであり得る。例示的実施形態では、Ror2に結合する条件的活性型ASTRは、重鎖および軽鎖を含む単鎖可変フラグメントである。
ASTRがRor2に結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、GYTX1TEX2TX3H(配列番号95)またはX4GYSITTGYYWN(配列番号96)であり;
H2配列は、GX5NX6NNGGTGYNQKFKG(配列番号97)またはYITYDGSKNYNPSLKN(配列番号98)であり;
H3配列は、GSLYSYGNSYFDY(配列番号99)またはFEGVWX7GLDY(配列番号100)であり、
X1はFまたはEであり;X2はYまたはD;X3はMまたはDであり;X4はTまたはSであり;X5はEまたはIであり;X6はTまたはDであり;およびX7はYまたはGである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、GYTX1TEX2TX3H(配列番号95)であり;
H2配列は、GX5NX6NNGGTGYNQKFKG(配列番号97)であり;および
H3配列は、GSLYSYGNSYFDY(配列番号99)であり、
X1はFまたはEであり;X2はYまたはD;X3はMまたはDであり;X5はEまたはIであり;およびX6はTまたはDである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、X4GYSITTGYYWN(配列番号96)であり;
H2配列は、YITYDGSKNYNPSLKN(配列番号98)であり;および
H3配列は、FEGVWX7GLDY(配列番号100)であり、
X4はTまたはSであり;およびX7はYまたはGである。
上記H1、H2、およびH3配列を有する重鎖を有するものを含むが、これらに限定されない、ASTRがRor2に結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含み、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、SATSSX8SYMH(配列番号101)またはRASESVDRYGNSFIH(配列番号102)であり;
L2配列は、X9TSNLAS(配列番号103)またはRTYNLES(配列番号104)であり;および
L3配列は、QQRSSYPFT(配列番号105)またはQQTNEDPWT(配列番号106)であり、
X8はEまたはVであり;およびX9はGまたはHである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、SATSSX8SYMH(配列番号101)であり;
L2配列は、X9TSNLAS(配列番号103)であり;および
L3配列は、QQRSSYPFT(配列番号105)であり、
X8はEまたはVであり;およびX9はGまたはHである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、RASESVDRYGNSFIH(配列番号102)であり;
L2配列は、RTYNLES(配列番号104)であり;および
L3配列は、QQTNEDPWT(配列番号106)である。
ASTRがRor2に結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、GYTX1TEX2X3X4H(配列番号140)またはGYSITTGX29YWN(配列番号141)であり;
H2配列は、X5X6X7X8NNGGTGYNQKFKG(配列番号142)またはYITYDGSX30NYNPSLKN(配列番号143)であり;および
H3配列は、X9X10X11SX12YX13YX14X15SYFX16X17X18(配列番号144)またはCSX31X32X33X34VX35X36X37LDX38(配列番号145)であり、
X1はFまたはEであり;X2はYまたはDであり;X3はTまたはCであり;X4はM、D、E、またはYであり;X5はGまたはSであり;X6はIまたはEであり;X7はN、C、L、またはVであり;X8はT、DまたはEであり;X9はA、M、またはTであり;X10はRまたはHであり;X11はGまたはEであり;X12はLまたはFであり;X13はSまたはGであり;X14はGまたはDであり;X15はNまたはEであり;X16はDまたはLであり;X17はY、C、またはTであり;X18はWまたはLであり;X29はY、E、R、またはTであり;X30はKまたはNであり;X31はR、G、H、W、またはYであり;X32はF、C、N、またはQであり;X33はEまたはSであり;X34はG、E、F、H、M、Q、またはSであり;X35はW、A、I、P、Q、T、またはVであり;X36はY、G、N、またはQであり;X37はG、S、またはTであり;およびX38はYまたはIである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、GYTX1TEX2X3X4H(配列番号140)であり;
H2配列は、X5X6X7X8NNGGTGYNQKFKG(配列番号142)であり;および
H3配列は、X9X10X11SX12YX13YX14X15SYFX16X17X18(配列番号144)であり、
X1はFまたはEであり;X2はYまたはDであり;X3はTまたはCであり;X4はM、D、E、またはYであり;X5はGまたはSであり;X6はIまたはEであり;X7はN、C、L、またはVであり;X8はT、DまたはEであり;X9はA、M、またはTであり;X10はRまたはHであり;X11はGまたはEであり;X12はLまたはFであり;X13はSまたはGであり;X14はGまたはDであり;X15はNまたはEであり;X16はDまたはLであり;X17はY、C、またはTであり;およびX18はWまたはLである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、
H1配列は、GYSITTGX29YWN(配列番号141)であり;
H2配列は、YITYDGSX30NYNPSLKN(配列番号143)であり;および
H3配列は、CSX31X32X33X34VX35X36X37LDX38(配列番号145)であり、
X29はY、E、R、またはTであり;X30はKまたはNであり;X31はR、G、H、W、またはYであり;X32はF、C、N、またはQであり;X33はEまたはSであり;X34はG、E、F、H、M、Q、またはSであり;X35はW、A、I、P、Q、T、またはVであり;X36はY、G、N、またはQであり;X37はG、S、またはTであり;およびX38はYまたはIである。
ASTRがRor2に結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、SATSSX19X20X21MX22(配列番号146)またはRASESVDRYGNSX39IH(配列番号147)であり;
L2配列は、X23TSNLAS(配列番号148)またはX40TYX41LES(配列番号149)であり;および
L3配列は、QX24X25SX26YPFX27X28(配列番号150)またはQQX42NX43DPX44TX45(配列番号85)であり、
X19はVまたはEであり;X20はSまたはDであり;X21はY、C、またはDであり;X22はH、G、またはLであり;X23はG、C、H、またはPであり;X24はQまたはEであり;X25はRまたはHであり;X26はS、D、G、I、Q、またはVであり;X27はTまたはDであり;X28はF、D、またはEであり;X39はF、S、またはTであり;X40はR、C、D、E、またはWであり;X41はNまたはDであり;X42はT、I、またはPであり;X43はEまたはVであり;X44はWまたはTであり;およびX45はFまたはTである。
ASTRが、Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、SATSSX19X20X21MX22(配列番号146)であり;
L2配列は、X23TSNLAS(配列番号148)であり;および
L3配列は、QX24X25SX26YPFX27X28(配列番号150)であり、
X19はVまたはEであり;X20はSまたはDであり;X21はY、C、またはDであり;X22はH、G、またはLであり;X23はG、C、H、またはPであり;X24はQまたはEであり;X25はRまたはHであり;X26はS、D、G、I、Q、またはVであり;X27はTまたはDであり;およびX28はF、D、またはEである。
ASTRがRor2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するいくつかの実施形態では、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、
L1配列は、RASESVDRYGNSX39IH(配列番号147)であり;
L2配列は、X40TYX41LES(配列番号149)であり;および
L3配列は、QQX42NX43DPX44TX45(配列番号85)であり、
X39はF、S、またはTであり;X40はR、C、D、E、またはWであり;X41はNまたはDであり;X42はT、I、またはPであり;X43はEまたはVであり;X44はWまたはTであり;およびX45はFまたはTである。
いくつかの実施形態では、Ror2に結合する条件的活性型ASTR、および例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する条件的活性型ASTRは、配列番号115~119および配列番号151の配列から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。条件的活性型ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含み、任意選択で、前の文中に記載の重鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するこれらの例示的実施形態では、軽鎖は、配列番号81、配列番号122~124、または配列番号152の軽鎖を含むことができる。
特定の例示的実施形態では、条件的活性型ASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖を含む抗体、および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合し、配列番号120~121および82~83のいずれか1つの抗体重鎖可変領域を含む。条件的活性型ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含み、任意選択で、前の文中に記載の重鎖を含む抗体を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するこれらの例示的実施形態では、軽鎖は、配列番号84または86の軽鎖を含むことができる。
pH7.4に比べて、pH6.7でRor2に対する結合が増大した例示的条件的活性型CAR(CAB-CAR)は、本明細書の実施例1で見つけられる。例示的実施形態では、CARまたはASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合できるか、またはCARまたはASTRは、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合できる。このような例示的実施形態のさらなる実施形態では、抗Ror2 CARまたはASTRは、単鎖可変フラグメント(scFv)を含むかscFvであり、さらなる例示的実施例では、重鎖に対しN末端である軽鎖または軽鎖に対しN末端である重鎖を含む。CARまたはASTRを含み、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合するか、または配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号130~132、または153~158のいずれかを含むことができる。さらに、本明細書の実施形態のいずれかの抗Ror2 CARは、本明細書で提供されるCAR成分のいずれかを含み得る。特定の例示的実施形態では、抗Ror2 CARは、表2で記載のCAR成分を含むことができ、表2のCARのいずれかであり得る。抗Ror2 CARを含む本明細書の任意の実施形態に関し、より典型的には、CARはCAB-CARであり、非限定的例示的実施形態では、CARは、例えば、細胞傷害活性を示す表2で提供されるCAB-CAR成分のいずれかおよびCAB-CARのいずれかを含むことができる。例えば、抗Ror2 CAB-CARは、CD8シグナルペプチド、CD8またはCD28ストークドメイン/膜貫通ドメイン、CD137共刺激ドメイン、および/またはCD3Z活性化ドメインを含むことができる。さらに、抗Ror2 CARおよび特に抗Ror2 CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表2の条件的細胞傷害活性を示す抗Ror2 CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARには、F1-1-9、F1-1-10、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-18、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-21、F1-1-23、F1-1-25、またはF1-1-26が含まれる。抗Ror2 ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、表2の、F1-1-9、F1-1-10、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-18、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-21、F1-1-23、F1-1-25、またはF1-1-26のASTRを含むことができる。さらに、抗Ror2 CARおよび特に抗Ror2 CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表2の高い条件的胞傷害活性を示す抗Ror2 CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARには、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-19、F1-1-20、またはF1-1-23が含まれる。したがって、抗Ror2 ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-23のASTRを含むことができる。
より一般的には、本明細書で提供される実施形態のいずれかに関して、AxlまたはRor2に対するのかを問わず、ASTRは、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、(Fab’)2フラグメント、Fvフラグメント、および二価の単鎖抗体またはダイアボディであり得る。例示的実施形態では、Ror2に結合する条件的活性型ASTRは、重鎖および軽鎖を含む単鎖可変フラグメントである。
本明細書で開示の重鎖可変領域ポリペプチドおよび軽鎖可変領域ポリペプチドは、米国特許第8.709,755号で開示の方法を用いて、親抗体から特定された。当業者なら、米国特許第8,709,755号で開示の条件的活性型抗体を特定する方法を利用して、本開示のCAB-CARのためのASTRで使用できる追加の条件的活性型抗体および抗体フラグメントを特定できる。
いくつかの例示的ASTRの重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号115~121に示されている。これらの例示的ASTRの軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号81、86、および122~124に示されている。これらの重鎖および軽鎖可変領域は、特異的にヒトRor2に結合できる。これらの重鎖可変領域および軽鎖可変領域のいずれか1つを含む抗体または抗体フラグメントは、非腫瘍微小環境中または生理的条件中のpHよりも、腫瘍微小環境中のpHでRor2に対する高い結合親和性を有することが明らかになった。例えば、抗体および抗体フラグメントは、pH7.4より、pH6.0でRor2に対するより高い結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、抗体および抗体フラグメントは、pH7.4より、pH6.7でRor2に対するより高い結合親和性を有する。
抗Ror2抗体または抗体フラグメントは、正常組織中のRor2に対する結合親和性と比較して、腫瘍のRor2に対するより高い結合親和性を有する。これらの抗Ror2抗体または抗体フラグメントは、当該技術分野において既知のモノクローナル抗Ror2抗体と比較して、より長い半減期および低減した副作用、ならびに同等の有効性を有すると考えられる。これらの特徴は、これらの抗Ror2抗体または抗体フラグメントのより高い投与量の患者への送達を可能とし、それにより、より効果的な治療オプションとなる。
ASTRは、配列番号81、86、および115~124のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含むことができるが、本発明は、具体的には、ヒトRor2に結合できるそのバリアントも提供する。これらのバリアントを得るために、重鎖可変領域(H1~H3)の相補性決定領域(CDR)および軽鎖可変領域(L1~L3)の相補性決定領域は、未変化のままである必要がある。しかし、相補性決定領域の重鎖可変領域および軽鎖のアミノ酸配列は、置換、挿入および欠失の原理に従って変異させてよい。重鎖可変領域および軽鎖可変領域のバリアントは、適切な改変を重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列中に導入することにより、またはペプチド合成により調製し得る。このような改変には、例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域のアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはそこへの挿入および/またはその置換が含まれる。欠失、挿入、および置換の任意の組み合わせを実施して、CAR用のASTRに到達できる。ただし、それらが所望の特性、例えば、ヒトRor2に対する条件的抗原結合を有するということが前提である。
多重特異的ASTR
いくつかの実施形態では、ASTRは、多重特異的、例えば、二重特異性抗体であり得る。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位または標的に対する結合特異性を有する。特定の実施形態では、結合特異性の1つは、AxlまたはRor2に対するものであり、残りは、別の抗原に対するものである。特定の実施形態では、二重特異性抗体は、AxlまたはRor2の2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体はまた、細胞傷害薬をAxlまたはRor2を発現する細胞に局在化させるのにも使用し得る。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体フラグメントとして調製できる。特定の実施形態では、結合特異性の1つは、Axlに対し結合し、もう一方は、Ror2に結合し、この場合、両方が条件的活性型でない、または片方もしくは両方が条件的活性型であり得る。
本開示のCARでの使用に好適するASTRは、種々の抗原結合特異性を有し得る。例示的実施形態では、ASTRは、AxlまたはRor2に結合し、これらは、特定の癌細胞上に発現する(すなわち、癌特異的抗原である)ことがわかっている。いくつかの事例では、ASTRは二重特異性であり、AxlまたはRor2に、通常、条件的活性型方式で、結合する抗原結合ドメインに加えて、ASTRは、癌細胞により発現されている(合成されている)、すなわち、癌細胞関連抗原である第2の抗原に特異的な第2の抗原結合ドメインを含み得る。癌細胞関連抗原は、例えば、乳癌細胞、B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫細胞、卵巣癌細胞、前立腺癌細胞、中皮腫、肺癌細胞(例えば、小細胞肺癌細胞)、非ホジキンB細胞リンパ腫(B-NHL)細胞、卵巣癌細胞、前立腺癌細胞、中皮腫細胞、肺癌細胞(例えば、小細胞肺癌細胞)、黒色腫細胞、慢性リンパ性白血病細胞、急性リンパ性白血病細胞、神経芽腫細胞、神経膠腫、神経膠芽腫、髄芽腫、結腸直腸癌細胞、などに関連する抗原であり得る。癌細胞関連抗原はまた、非癌細胞により発現される場合もある。
AxlまたはRor2に加えて、CARの二重特異性ASTRが結合し得る抗原の非限定的例には、としては、例えば、CD19、CD20、CD38、CD30、ErbB2、CA125、MUC-1、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、CD44表面接着分子、メソテリン、癌胎児抗原(CEA)、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFRvIII、血管内皮細胞増殖因子受容体-2(VEGFR2)、高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、MAGE-Al、IL-13R-a2、GD2、などが挙げられる。
いくつかの事例では、AxlまたはRor2に結合する特異的結合対メンバーに加えて、CARの当該二重特異性ASTRでの使用に好適する特異的結合対のメンバーは、受容体のリガンドに結合する。リガンドには、限定されないが、サイトカイン(例えば、IL-13など);増殖因子(例えば、ヘレグリン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);など);インテグリン結合ペプチド(例えば、配列Arg-Gly-Aspを含むペプチド);などが挙げられる。
当該二重特異性CARの特異的結合対のメンバーがリガンドである場合、CARは、特異的結合対の第2のメンバーの存在下で活性化され得る。この場合、特異的結合対の第2のメンバーは、リガンドの受容体である。例えば、リガンドがVEGFの場合、特異的結合対の第2のメンバーは、可溶性VEGF受容体を含むVEGF受容体であり得る。
上述のように、いくつかの事例では、当該二重特異性CARに含められる特異的結合対のメンバーは、受容体、例えば、リガンド、共受容体のリガンドなどの受容体であるASTRである。受容体は、受容体のリガンド結合フラグメントであり得る。好適な受容体には、限定されないが、増殖因子受容体(例えば、VEGF受容体);キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーK、メンバー1(NKG2D)ポリペプチド(MICA、MICB、およびULB6に対する受容体);サイトカイン受容体(例えば、IL-13受容体;IL-2受容体;など);CD27;天然の細胞傷害性受容体(NCR)(例えば、NKP30(NCR3/CD337)ポリペプチド(HLA-B-関連転写物3(BAT3)およびB7-H6);など);などが挙げられる。
ストーク領域
いくつかの事例では、CARは、細胞の外側のCAR部分に位置し、ASTRと膜貫通ドメインとの間に挿入されるヒンジドメイン(本明細書においては、「スペーサー」または「ストーク」とも呼ばれる)を含む。例示的実施形態では、ヒンジドメインは、CD8ストークドメインまたはCD28ストークドメインである。いくつかの事例では、ストークドメインは、野性型CD8ストーク領域(TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGG AVHTRGLDFA(配列番号125))に対し、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、または100%の同一性を有するか、または野性型CD28ストーク領域(FCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKP(配列番号126))に対し、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、または100%の同一性を有するか、または野性型免疫グロブリン重鎖ヒンジ/ストーク領域に対し、少なくとも85、90、95、96、97、98、99、または100%の同一性を有する。いくつかの事例では、ストークドメインは、受容体由来のヒンジ領域(例えば、CDS由来ヒンジ領域)ポリペプチドである。CARでは、採用したストークは、条件的活性型抗原特異的標的化領域、および通常、全体CARが、対応する生理的条件に対するインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で、そのRor2またはAxlに対する増大した結合特性を保持することを可能とする。
ストーク領域は、約4アミノ酸~約50アミノ酸、例えば、約4aa~約10aa、約10aa~約15aa、約15aa~約20aa、約20aa~約25aa、約25aa~約30aa、約30aa~約40aa、または約40aa~約50aaの長さを有し得る。
いくつかの事例では、当該CARのヒンジ領域は、少なくとも1つのシステインを含む。例えば、いくつかの事例では、ヒンジ領域は、配列Cys-Pro-Pro-Cys(配列番号62)を含み得る。存在する場合、第1のCARのヒンジ領域中のシステインは、第2のCARのヒンジ領域とジスルフィド結合を形成するために利用できる。
免疫グロブリンヒンジ/ストーク領域アミノ酸配列は、当技術分野において既知である。例えば、Tan et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:162;およびHuck et al.(1986)Nucl.Acids Res.14:1779を参照されたい。非限定的例として、免疫グロブリンヒンジ領域は、次のアミノ酸配列のいずれかの一続きの少なくとも10、15、20個または全てのアミノ酸に対し、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:DKTHT(配列番号63);CPPC(配列番号62);CPEPKSCDTPPPCPR(配列番号64)(例えば、Glaser et al.(2005)J.Biol.Chem.280:41494を参照);ELKTPLGDTTHT(配列番号65);KSCDKTHTCP(配列番号66);KCCVDCP(配列番号67);KYGPPCP(配列番号68);EPKSCDKTHTCPPCP(配列番号69)(ヒトIgG1ヒンジ);ERKCCVECPPCP(配列番号70)(ヒトIgG2ヒンジ);ELKTPLGDTTHTCPRCP(配列番号71)(ヒトIgG3ヒンジ);SPNMVPHAHHAQ(配列番号72)(ヒトIgG4ヒンジ);など。ヒンジ領域は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4ヒンジ領域のアミノ酸配列を含み得る。ヒンジ領域は、野性型(天然)ヒンジ領域に比べて、1つまたは複数のアミノ酸置換および/または挿入および/または欠失を含み得る。例えば、ヒトIgG1ヒンジのHis229は、ヒンジ領域が配列EPKSCDKTYTCPPCPを含むように、Tyrと置換できる。例えば、Yan et al.(2012)J.Biol.Chem.287:5891を参照されたい。ヒンジ領域は、ヒトCD8由来のアミノ酸配列を含むことができ、例えば、ヒンジ領域は、アミノ酸配列:TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD(配列番号73)、またはそのバリアントを含むことができる。
膜貫通ドメイン
本開示のCARは、真核細胞膜中に挿入するための膜貫通ドメインを含む。膜貫通ドメインは、ASTRと共刺激ドメインとの間に挿入できる。膜貫通ドメインは、ヒンジ領域と共刺激ドメインとの間に挿入でき、それにより、キメラ抗原受容体は、アミノ末端(N-末端)からカルボキシル末端(C末端)に向けて順に:ASTR;ヒンジ領域;膜貫通ドメイン;および活性化ドメインを含む。
真核生物(例えば、哺乳動物)細胞の細胞膜中にポリペプチドの挿入を提供する任意の膜貫通(TM)ドメインは、本明細書で開示の態様および実施形態での使用に好適する。本明細書で提供される特定の実施形態では、本明細書で提供されるCARを含むいずれかの態様のためのTMドメインは、C*アルファTMドメイン、CD8 TMドメイン、CD4 TMドメイン、C3Z TMドメイン、C28 TMドメイン、C134 TMドメイン、CD7 TMドメイン、CD8 TMドメイン、またはCD28 TMドメインである。本明細書で提供されるCARの例示的実施形態は、CD8 TMドメインまたはCD28 TMドメインを含む。本明細書で提供される態様または実施形態のいずれかに好適するTMドメインのさらなる非限定的例は、次のTMドメインの一続きの少なくとも10、15、20個または全てのアミノ酸に対し、少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99または100%の配列同一性を有するドメインを含む:
a)CD8アルファ(IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号46));
b)CD8ベータ(LGLLVAGVLVLLVSLGVAIHLCC(配列番号47));
c)CD4(ALIVLGGVAGLLLFIGLGIFFCVRC(配列番号48));
d)CD3Z(LCYLLDGILFIYGVILTALFLRV(配列番号49);
e)CD28(FWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWV(配列番号50));
f)CD134(OX40):(VAAILGLGLVLGLLGPLAILLALYLL(配列番号51));
g)CD7(ALPAALAVISFLLGLGLGVACVLA(配列番号52));
h)CD8アルファストークおよびTM(TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC(配列番号75))、および
i)CD28ストークおよびTM(IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWV(配列番号76))。
非限定的例として、本発明の態様の膜貫通ドメインは、配列番号46の膜貫通ドメイン、CD8ベータ膜貫通ドメイン、CD4膜貫通ドメイン、CD3ゼータ膜貫通ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD134膜貫通ドメイン、またはCD7膜貫通ドメインに対して、少なくとも80、90、または95%の配列同一性を有し得る。
CARリンカー
いくつかの事例では、CARは、任意の2つの隣接ドメイン間でリンカーを含む。例えば、リンカーは、膜貫通ドメインと第1の共刺激ドメインとの間に存在し得る。別の例では、ASTRは、抗体であり、リンカーは、重鎖と軽鎖との間に存在し得る。別の例では、リンカーは、ASTRと膜貫通ドメインおよび共刺激ドメインとの間に存在し得る。別の例では、リンカーは、共刺激ドメインと第2のポリペプチドの細胞内活性化ドメインとの間に存在し得る。
リンカーペプチドは、種々のアミノ酸配列のいずれかを有し得る。タンパク質は、通常、可撓性の性質のスペーサーペプチドにより連結され得るが、その他の化学的連結も排除されない。リンカーは、約1~約100アミノ酸長さ、または約1~約25アミノ酸長さのペプチドであり得る。これらのリンカーは、タンパク質を結合するためのリンカーをコードするオリゴヌクレオチドを用いて産生できる。ある程度の可撓性を有するペプチドリンカーを使用できる。連結ペプチドは、実質上任意のアミノ酸配列を有し得るが、好適なリンカーは、全体として可撓性ペプチドを生じる配列を有することに留意されたい。グリシンおよびアラニンなどの小型アミノ酸の使用は、可撓性ペプチドを作成するのに有用である。このような配列の作製は、当業者には日常的な作業である。
好適なリンカーは、容易に選択でき、1アミノ酸(例えば、Gly)から20アミノ酸、2アミノ酸~15アミノ酸、3アミノ酸~12アミノ酸、4アミノ酸~10アミノ酸、5アミノ酸~9アミノ酸、6アミノ酸~8アミノ酸、7アミノ酸~8アミノ酸などの、異なった長さの任意の好適なものであり得、1、2、3、4、5、6、または7アミノ酸であってもよい。
例示的可撓性リンカーには、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n、GSGGSn、GGGSn、およびGGGGSnを含む(nは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、およびその他の当該技術分野において既知の可撓性リンカーが含まれる。グリシンおよびグリシン-セリンポリマーは、着目すべきである。理由は、これら両方のアミノ酸は、比較的不定形であり、したがって、成分間の中性テザーとして機能し得るためである。グリシンポリマーは、特に着目すべきである。理由は、グリシンが、アラニンよりもかなり多くΦ-Ψ空間にアクセスし、より長い側鎖の残基よりも遙かに拘束が少ないためである(Scheraga,Rev.Computational Chem.11173-142(1992)を参照)。例示的可撓性リンカーには、限定されないが、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号53)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号54)、GGGGSGGGSGGGGS(配列番号55)、GGSG(配列番号56)、GGSGG(配列番号57)、GSGSG(配列番号58)、GSGGG(配列番号59)、GGGSG(配列番号60)、GSSSG(配列番号61)、などが挙げられる。当業者なら、上記の任意の要素に結合したペプチドの設計は、全体または部分的に可撓性であるリンカーを含めることができ、それにより、リンカーは、可撓性リンカーならびに可撓性のより少ない構造を付与する1つまたは複数の部分を含むことができることを理解するであろう。
調節ドメイン
調節ドメインは、CAR中の活性化ドメインの効果を変えることができ、これには、活性化ドメインの下流効果を高めるまたは抑制することまたは応答の性質を変えることが含まれる。本開示のCARで使用するのに好適し、CARを含む本明細書のいずれかの態様の特定の例示的実施形態に含まれる調節ドメインは、共刺激ドメインを含む。いくつかの実施形態では、CARは、2つ以上の調節ドメイン(例えば、共刺激ドメイン)を含むことができ、またはCARの調節ドメイン(例えば、共刺激ドメイン)は、2つ以上のポリペプチドから誘導することができる。CARに含めるのに好適する調節ドメイン(例えば、共刺激ドメイン)は、約30アミノ酸~約70アミノ酸(aa)の長さを有することができ、例えば、調節ドメイン(例えば、共刺激ドメイン)は、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有し得る。他の事例では、調節ドメインは、約70aa~約100aa、約100aa~約200aa、または200aa超の長さを有し得る。
共刺激ドメインは通常、活性化ドメインの活性化に対する応答の性質を高めるおよび/または変える。本開示のCARでの使用に好適する共刺激ドメインは通常、受容体由来のポリペプチドである。いくつかの実施形態では、共刺激ドメインは、ホモ二量体化する。当該共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質の細胞内部分であり得る(すなわち、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質から誘導され得る)。好適な共刺激ポリペプチドの非限定的例には、限定されないが、4-1BB(CD137)、B7-H3、CD2、CD7、CD27、CD28、Lck結合欠失CD28(ICΔ)、ICOS、OX40、BTLA、CD27、CD30、CD40、GITR、HVEM、LFA-1、LIGHT、NKG2C、PD-1、TILR2、TILR4、TILR7、TILR9、Fc受容体γ鎖、Fc受容体ε鎖、またはCD83に特異的に結合するリガンド、が挙げられる。例えば、本発明の態様の共刺激ドメインは、4-1BB(CD137)、CD27、CD28、Lck結合欠失CD28(ICΔ)、ICOS、OX40、BTLA、CD27、CD30、GITR、またはHVEMの共刺激ドメインに対し、少なくとも80%、90%、または95%の配列同一性を有し得る。いくつかの実施形態では、CARは、2つ以上の共刺激ドメインを有することができ、例えば、CARは、ICΔ由来の共刺激ドメインおよび4-1BB(CD137)由来の共刺激ドメインを含むことができる。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質CD137(TNFRSF9;CD137;4-1BB;CDw137;ILA;などとしても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL(配列番号1)。これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質CD28(Tp44としても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS(配列番号2)。これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質Lck結合欠失CD28(ICΔ)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQAYAAARDFAAYRS(配列番号3)。これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質ICOS(AILIM、CD278、およびCVIDlとしても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:TKKKYSSSVHDPNGEYMFMRAVNTAKKSRLTDVTL(配列番号4)。これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質OX40(TNFRSF4、RP5-902P8.3、ACT35、CD134、OX-40、TXGP1Lとしても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:RRDQRLPPDAHKPPGGGSFRTPIQEEQADAHSTLAKI(配列番号5)。
これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質CD27(S152、T14、TNFRSF7、およびTp55としても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:HQRRKYRSNKGESPVEPAEPCRYSCPREEEGSTIPIQEDYRKPEPACSP(配列番号6)。
これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、または約45aa~約50aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質BTLA(BTLA1およびCD272としても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:CCLRRHQGKQNELSDTAGREINLVDAHLKSEQTEASTRQNSQVLLSETGIYDNDPDLCFRMQEGSEVYSNPCLEENKPGIVYASLNHSVIGPNSRLARNVKEAPTEYASICVRS(配列番号7)。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質CD30(TNFRSF8、DlS166E、およびKi-1としても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列の一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、約150aa~約160aa、または約160aa~約185aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:RRACRKRIRQKLHLCYPVQTSQPKLELVDSRPRRSSTQLRSGASVTEPVAEERGLMSQPLMETCHSVGAAYLESLPLQDASPAGGPSSPRDLPEPRVSTEHTNNKIEKIYIMKADTVIVGTVKAELPEGRGLAGPAEPELEEELEADHTPHYPEQETEPPLGSCSDVMLSVEEEGKEDPLPTAASGK(配列番号8)。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質GITR(TNFRSF18、RP5-902P8.2、AITR、CD357、およびGITR-Dとしても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:HIWQLRSQCMWPRETQLLLEVPPSTEDARSCQFPEEERGERSAEEKGRLGDLWV(配列番号9)。これらの実施形態のいくつかでは、共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
いくつかの事例では、共刺激ドメインは、膜貫通タンパク質HVEM(TNFRSF14、RP3-395M20.6、ATAR、CD270、HVEA、HVEM、LIGHTR、およびTR2としても知られる)の細胞内部分由来である。例えば、好適な共刺激ドメインは、次のアミノ酸配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:CVKRRKPRGDVVKVIVSVQRKRQEAEGEATVIEALQAPPDVTTVAVEETIPSFTGRSPNH(配列番号10)。これらの実施形態のいくつかでは、第1および第2のポリペプチドの両方の共刺激ドメインは、約30aa~約35aa、約35aa~約40aa、約40aa~約45aa、約45aa~約50aa、約50aa~約55aa、約55aa~約60aa、約60aa~約65aa、または約65aa~約70aaの長さを有する。
細胞内活性化ドメイン
本開示のCARでの使用に好適する細胞内活性化ドメインは、活性化時に、1種または複数のサイトカインの生成;細胞死の増大および/またはCD8+T細胞、CD4+T細胞、ナチュラルキラーT細胞、γδT細胞、および/または好中球増殖の増大;を誘導する。いくつかの実施形態では、細胞内活性化ドメインは、少なくとも1つの(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなどの)後述のITAMモチーフを含む。細胞内活性化ドメインは、本明細書においては、活性化ドメイン(activating domain)または活性化ドメイン(activation domain)と呼ばれる。遺伝子改変シグナル伝達ポリペプチドで使用するための細胞内活性化ドメインは、免疫シグナル伝達受容体のいくつかのタイプの細胞内シグナル伝達ドメインを含むことができ、これには、CD3,B7ファミリー共刺激分子などの細胞内シグナル伝達タンパク質、および腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリー受容体;NKp30(B7-H6)、DAP12、NKG2D、NKp44、NKp46、DAP10、およびCD3ZなどのNKおよびNKT細胞により使用されるシグナル伝達ドメイン;およびFcγRI、FcγRIIA、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcRL5などの免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むヒト免疫グロブリン受容体のシグナル伝達ドメインが含まれる。従って、本開示のいずれかの態様のためのCARの特定の実施形態では、細胞内活性化ドメインは、NKp30(B7-H6)、DAP12、NKG2D、NKp44、NKp46、DAP10、CD3z、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIC、FcγRIIIA、またはFcRL5由来のシグナル伝達ドメインである。これらは、本明細書においては、NKp30(B7-H6)活性化ドメイン、DAP12活性化ドメイン、NKG2D活性化ドメイン、NKp44活性化ドメイン、NKp46活性化ドメイン、DAP10活性化ドメイン、CD3Z活性化ドメイン、FcγRI活性化ドメイン、FcγRIIA活性化ドメイン、FcγRIIC活性化ドメイン、FcγRIIIA活性化ドメイン、またはFcRL5活性化ドメインとそれぞれ呼ばれる。
いくつかの実施形態では、細胞内活性化ドメインは、DAP10/CD28型シグナル伝達鎖を含む。いくつかの実施形態では、細胞内活性化ドメインは、膜結合CARに共有結合していないが、代わりに、細胞質中に拡散する。非限定的例として、本CARを含む発明のいずれかの態様の細胞内活性化ドメインは、CD3Z活性化ドメイン、CD3D活性化ドメイン、CD3E活性化ドメイン、CD3G活性化ドメイン、CD79A活性化ドメイン、DAP12活性化ドメイン、FCERlG活性化ドメイン、DAP10/CD28活性化ドメイン、またはZAP70活性化ドメインであり得る。非限定的例として、CARを含む本発明のいずれかの態様の細胞内活性化ドメインは、後述のCD3Z、CD3D、CD3E、CD3G、CD79A、DAP12、FCERlG、DAP10/CD28、またはZAP70ドメインに対し、少なくとも80%、90%、または95%の配列同一性を有し得る。
ITAM
本開示のCARでの使用に好適する細胞内活性化ドメインは、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)含有細胞内シグナル伝達ポリペプチドを含む。ITAMモチーフは、YX1X2L/Iであり、X1およびX2は、独立に任意のアミノ酸である。いくつかの事例では、当該CARの細胞内活性化ドメインは、1、2、3、4、または5つのITAMモチーフを含む。いくつかの事例では、ITAMモチーフは、細胞内活性化ドメイン中で2回反復され、第1と第2のITAMモチーフの実体は、6~8アミノ酸により相互に、例えば、(YX1X2L/I)(X3)n(YX1X2L/I)(式中、nは6~8の整数、それぞれの6~8つのX3は任意のアミノ酸であり得る)のように分離される。いくつかの事例では、当該CARの細胞内活性化ドメインは、3つのITAMモチーフを含む。
好適な細胞内活性化ドメインは、ITAMモチーフを含むポリペプチド由来のITAMモチーフ含有部分であり得る。例えば、好適な細胞内活性化ドメインは、任意のITAMモチーフを含むタンパク質由来のITAMモチーフ含有ドメインであり得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、それが由来する全体タンパク質の全体配列を含む必要はない。好適なITAMモチーフ含有ポリペプチドの例としては、CD3Z(CD3ゼータ);CD3D(CD3デルタ);CD3E(CD3イプシロン);CD3G(CD3γ);CD79A(抗原受容体複合体関連タンパク質アルファ鎖);DAP12;およびFCERIG(Fcイプシロン受容体Iγ鎖)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3Z、T細胞受容体T3ゼータ鎖、CD247、CD3-ZETA、CD3H、CD3Q、T3Z、TCRZ、などとしても知られる)由来である。例えば、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列(2アイソフォーム)のいずれかの近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MKWKALFTAAILQAQLPITEAQSFGLLDPKLCYLLDGILFIYGVILTALFLRVKFSRSADAPAYQQGQNQL[YNELNLGRREEYDVL]DKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGL[YNELQKDKMAEAYSEI]GMKGERRRGKGHDGL[YQGLSTATKDTYDAL]HMQALPPR(配列番号11)またはMKWKALFTAAILQAQLPITEAQSFGLLDPKLCYLLDGILFIYGVILTALFLRVKFSRSADAPAYQQGQNQL[YNELNLGRREEYDVL]DKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGL[YNELQKDKMAEAYSEI]GMKGERRRGKGHDGL[YQGLSTATKDTYDAL]HMQALPPR(配列番号12)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長CD3ゼータアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列のいずれかの近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:RVKFSRSADAPAYQQGQNQL[YNELNLGRREEYDVL]DKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGL[YNELQKDKMAEAYSEI]GMKGERRRGKGHDGL[YQGLSTATKDTYDAL]HMQALPPR(配列番号13);RVKFSRSADAPAYQQGQNQL[YNELNLGRREEYDVL]DKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGL[YNELQKDKMAEAYSEI]GMKGERRRGKGHDGL[YQGLSTATKDTYDAL]HMQALPPR(配列番号127);NQL[YNELNLGRREEYDVL]DKR(配列番号14);EGL[YNELQKDKMAEAYSEI]GMK(配列番号15);またはDGL[YQGLSTATKDTYDAL]HMQ(配列番号16)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3D;CD3-DELTA;T3D;CD3抗原、デルタサブユニット;CD3デルタ;CD3d抗原、デルタポリペプチド(TiT3複合体);OKT3、デルタ鎖;T細胞受容体T3デルタ鎖;T細胞表面糖タンパク質CD3デルタ鎖;などとしても知られる)由来である。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列のいずれかの近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MEHSTFLSGLVLATLLSQVSPFKIPIEELEDRVFVNCNTSITWVEGTVGTLLSDITRLDLGKRILDPRGIYRCNGTDIYKDKESTVQVHYRMCQSCVELDPATVAGIIVTDVIATLLLALGVFCFAGHETGRLSGAADTQALLRNDQV[YQPLRDRDDAQYSHL]GGNWARNK(配列番号17)またはMEHSTFLSGLVLATLLSQVSPFKIPIEELEDRVFVNCNTSITWVEGTVGTLLSDITRLDLGKRILDPRGIYRCNGTDIYKDKESTVQVHYRTADTQALLRNDQV[YQPLRDRDDAQYSHL]GGNWARNK(配列番号18)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長CD3デルタアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:DQV[YQPLRDRDDAQYSHL]GGN(配列番号19)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、T細胞表面糖タンパク質CD3イプシロン鎖(CD3e、T細胞表面抗原T3/Leu-4イプシロン鎖、T細胞表面糖タンパク質CD3イプシロン鎖、AI504783、CD3、CD3イプシロン、T3e、などとしても知られる)由来である。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列の近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MQSGTHWRVLGLCLLSVGVWGQDGNEEMGGITQTPYKVSISGTTVILTCPQYPGSEILWQHNDKNIGGDEDDKNIGSDEDHLSLKEFSELEQSGYYVCYPRGSKPEDANFYLYLRARVCENCMEMDMSVATIVIVDICITGGLLLLVYYWSKNRKAKAKPVTRGAGAGGRQRGQNKERPPPVPNPD[YEPIRKGQRDLYSGL]NQRRI(配列番号20)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長CD3イプシロンアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:NPD[YEPIRKGQRDLYSGL]NQR(配列番号21)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、T細胞表面糖タンパク質CD3γ鎖(CD3G、T細胞受容体T3γ鎖、CD3-GAMMA、T3G、γポリペプチド(TiT3複合体)、などとしても知られる)由来である。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列の近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MEQGKGLAVLILAIILLQGTLAQSIKGNHLVKVYDYQEDGSVLLTCDAEAKNITWFKDGKMIGFLTEDKKKWNLGSNAKDPRGMYQCKGSQNKSKPLQVYYRMCQNCIELNAATISGFLFAEIVSIFVLAVGVYFIAGQDGVRQSRASDKQTLLPNDQL[YQPLKDREDDQYSHL]QGNQLRRN(配列番号22)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長CD3γアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:DQL[YQPLKDREDDQYSHL]QGN(配列番号23)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、CD79A(B細胞抗原受容体複合体関連タンパク質アルファ鎖;CD79a抗原(免疫グロブリン関連アルファ);MB-1膜糖タンパク質;Igアルファ;膜結合型免疫グロブリン関連タンパク質;表面IgM結合タンパク質、などとしても知られる)由来である。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列のいずれかの近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MPGGPGVLQALPATIFLLFLLSAVYLGPGCQALWMHKVPASLMVSLGEDAHFQCPHNSSNNANVTWWRVLHGNYTWPPEFLGPGEDPNGTLIIQNVNKSHGGIYVCRVQEGNESYQQSCGTYLRVRQPPPRPFLDMGEGTKNRIITAEGIILLFCAVVPGTLLLFRKRWQNEKLGLDAGDEYEDENL[YEGLNLDDCSMYEDI]SRGLQGTYQDVGSLNIGDVQLEKP(配列番号24)またはMPGGPGVLQALPATIFLLFLLSAVYLGPGCQALWMHKVPASLMVSLGEDAHFQCPHNSSNNANVTWWRVLHGNYTWPPEFLGPGEDPNEPPPRPFLDMGEGTKNRIITAEGIILLFCAVVPGTLLLFRKRWQNEKLGLDAGDEYEDENL[YEGLNLDDCSMYEDI]SRGLQGTYQDVGSLNIGDVQLEKP(配列番号25)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長CD79Aアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:ENL[YEGLNLDDCSMYEDI]SRG(配列番号26)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、DAP12(TYROBP;TYROプロテインチロシンキナーゼ結合タンパク質;KARAP;PLOSL;DNAX活性化タンパク質12;KAR関連タンパク質;TYROプロテインチロシンキナーゼ結合タンパク質;キラー細胞活性化受容体関連タンパク質;キラー細胞活性化受容体関連タンパク質、などとしても知られる)由来である。例えば、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列(4アイソフォーム)のいずれかの近接している一続きの約100アミノ酸~約110アミノ酸(aa)、約110aa~約115aa、約115aa~約120aa、約120aa~約130aa、約130aa~約140aa、約140aa~約150aa、または約150aa~約160aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MGGLEPCSRLLLLPLLLAVSGLRPVQAQAQSDCSCSTVSPGVLAGIVMGDLVLTVLIALAVYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESP[YQELQGQRSDVYSDL]NTQRPYYK(配列番号27)、MGGLEPCSRLLLLPLLLAVSGLRPVQAQAQSDCSCSTVSPGVLAGIVMGDLVLTVLIALAVYFLGRLVPRGRGAAEATRKQRITETESP[YQELQGQRSDVYSDL]NTQ(配列番号28)、MGGLEPCSRLLLLPLLLAVSDCSCSTVSPGVLAGIVMGDLVLTVLIALAVYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESP[YQELQGQRSDVYSDL]NTQRPYYK(配列番号29)、またはMGGLEPCSRLLLLPLLLAVSDCSCSTVSPGVLAGIVMGDLVLTVLIALAVYFLGRLVPRGRGAAEATRKQRITETESP[YQELQGQRSDVYSDL]NTQRPYYK(配列番号30)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長DAP12アミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:ESP[YQELQGQRSDVYSDL]NTQ(配列番号31)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
いくつかの事例では、細胞内活性化ドメインは、FCERIG(FCRG;Fcイプシロン受容体Iγ鎖;Fc受容体γ鎖;fc-イプシロンRI-γ;fcRγ;fceRIγ;高親和性免疫グロブリンイプシロン受容体サブユニットγ;免疫グロブリンE受容体、高親和性、γ鎖、などとしても知られる)由来である。例えば、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列の近接している一続きの約50アミノ酸~約60アミノ酸(aa)、約60aa~約70aa、約70aa~約80aa、または約80aa~約88aaに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MIPAVVLLLLLLVEQAAALGEPQLCYILDAILFLYGIVLTLLYCRLKIQVRKAAITSYEKSDGV[YTGLSTRNQETYETL]KHEKPPQ(配列番号32)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
同様に、好適な細胞内活性化ドメインポリペプチドは、完全長FCER1Gアミノ酸配列のITAMモチーフ含有部分を含み得る。したがって、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:DGV[YTGLSTRNQETYETL]KHE(配列番号33)、この配列中で、ITAMモチーフは、括弧で括って記載されている。
本開示のCARでの使用に好適する細胞内活性化ドメインは、DAP10/CD28型シグナル伝達鎖を含む。DAP10シグナル伝達鎖の一例は、次記のアミノ酸配列である:RPRRSPAQDGKV[YINM]PGRG(SEQ ID NO:34)。いくつかの実施形態では、好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含む:RPRRSPAQDGKV[YINM]PGRG(配列番号34)、この配列中で注目に値するモチーフは、括弧で括っている。
CD28シグナル伝達鎖の一例は、次記のアミノ酸配列である:FWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSD[YMNM]TPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS(配列番号35)。いくつかの実施形態では、好適な細胞内ドメインは、次の配列中の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含む:FWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSD[YMNM]TPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS(配列番号35)。
本開示のCARでの使用に好適な細胞内活性化ドメインは、次の配列の一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、または次のアミノ酸配列の近接している一続きの約300アミノ酸~約400アミノ酸、約400アミノ酸~約500アミノ酸、または約500アミノ酸~619アミノ酸に対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインを含むことができる:MPDPAAHLPFFYGSISRAEAEEHLKLAGMADGLFLLRQCLRSLGGYVLSLVHDVRFHHFPIERQLNGTYAIAGGKAHCGPAELCEFYSRDPDGLPCNLRKPCNRPSGLEPQPGVFDCLRDAMVRDYVRQTWKLEGEALEQAIISQAPQVEKLIATTAHERMPWYHSSLTREEAERKLYSGAQTDGKFLLRPRKEQGTYALSLIYGKTVYHYLISQDKAGKYCIPEGTKFDTLWQLVEYLKLKADGLIYCLKEACPNSSASNASGAAAPTLPAHPSTLTHPQRRIDTLNSDGYTPEPARITSPDKPRPMPMDTSVYESPYSDPEELKDKKLFLKRDNLLIADIELGCGNFGSVRQGVYRMRKKQIDVAIKVLKQGTEKADTEEMMREAQIMHQLDNPYIVRLIGVCQAEALMLVMEMAGGGPLHKFLVGKREEIPVSNVAELLHQVSMGMKYLEEKNFVHRDLAARNVLLVNRHYAKISDFGLSKALGADDSYYTARSAGKWPLKWYAPECINFRKFSSRSDVWSYGVTMWEALSYGQKPYKKMKGPEVMAFIEQGKRMECPPECPPELYALMSDCWIYKWEDRPDFLTVEQRMRACYYSLASKVEGPPGSTQKAEAACA(配列番号36)。
追加のドメイン
CARは、1つまたは複数の追加のポリペプチドドメインをさらに含むことができ、このようなドメインには、限定されないが、シグナル配列;エピトープタグ;親和性ドメイン;および検出可能なシグナルを生成するポリペプチドが含まれる。本明細書で提供されるいずれかの態様または実施形態に対する追加のドメインの非限定的例には、以下で説明される次記の配列:シグナル配列、エピトープタグ、親和性ドメイン、または検出可能なシグナルを生成するポリペプチド、のいずれかに対して、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するドメインが含まれる。
当該CAR、例えば、当該CARの第1のポリペプチド中での使用に好適するシグナル配列には、天然のシグナル配列、合成(例えば、人工の)シグナル配列などを含む、任意の真核生物シグナル配列が含まれる。いくつかの実施形態では、例えば、シグナル配列は、CD8シグナル配列MALPVTALLLPLALLLHAARP(配列番号74)であり得る。
エピトープエピトープタグには、限定されないが、赤血球凝集素(HA;例えば、YPYDVPDYA配列番号37);FLAG(例えば、DYKDDDDK;配列番号38);c-myc(例えば、EQKLISEEDL;配列番号39)、などが挙げられる。
親和性ドメインには、結合相手、例えば、1つの固体支持体上に固定された、特定または精製に有用なもの、との相互作用できるペプチド配列が含まれる。複数の連続した単一アミノ酸、例えば、ヒスチジンをコードするDNA配列は、発現したタンパク質に融合される場合、ニッケルセファロースなどの樹脂カラムへの親和性結合により、組換えタンパク質の一段階精製に使用し得る。例示的親和性ドメインには、His5(HHHHH;配列番号40)、HisX6(HHHHHH;配列番号41)、c-myc(EQKLISEEDL;配列番号39)、Flag(DYKDDDDK;配列番号38)、Strep Tag(WSHPQFEK;配列番号42)、赤血球凝集素、例えば、HAタグ(YPYDVPDYA;配列番号37)、GST、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号43)、Phe-His-His-Thr(配列番号44)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、C-末端RNAタグ、WEAAAREACCRECCARA(配列番号45)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメインまたは例えば、カルモデュリン、トロポニンC、カルシニューリンB、ミオシン軽鎖、リカバリン、S-モジュリン、ビジニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フリクエニン、カルトラクチン、カルパイン大きなサブユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンディンD9K、カルビンディンD28K、およびカルレチニンなどのカルシウム結合タンパク質由来のものなどのカルシウム結合ドメイン、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、Id、ロイシンジッパー配列、およびマルトース結合タンパク質が挙げられる。
好適な検出可能なシグナル生成タンパク質には、例えば、蛍光タンパク質;検出可能なシグナルを生成物として生成する反応を触媒する酵素;などが挙げられる。
好適な蛍光タンパク質には、限定されないが、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはそのバリアント、GFPの青色蛍光バリアント(BFP)、GFPの青緑色蛍光バリアント(CFP)、GFPの黄色蛍光バリアント(YFP)、蛍光強化型GFP(EGFP)、蛍光強化型CFP(ECFP)、蛍光強化型YFP(EYFP)、GFPS65T、Emerald、Topaz(TYFP)、Venus、Citrine、mCitrine、GFPuv、不安定化EGFP(dEGFP)、不安定化ECFP(dECFP)、不安定化EYFP(dEYFP)、mCFPm、Cerulean、T-Sapphire、CyPet、YPet、mKO、HcRed、t-HcRed、DsRed、DsRed2、DsRedモノマー、J-Red、ダイマー2、t-ダイマー2(12)、mRFPl、ポシロポリン(pocilloporin)、ウミシイタケGFP、モンスターGFP、paGFP、Kaedeタンパク質およびkindlingタンパク質、フィコビリンタンパク質およびB-フィコエリトリン、R-フィコエリトリンおよびアロフィコシアニンを含むフィコビリンタンパク質コンジュゲートが挙げられる。蛍光タンパク質の他の例には、mHoneydew、mBanana、mOrange、dTomato、tdTomato、mTangerine、mStrawberry、mCherry、mGrapel、mRaspberry、mGrape2、mPlum(Shaner et al.(2005)Nat.Methods 2:905-909)などが挙げられる。例えば、Matz et al.(1999)Nature Biotechnol.17:969-973に記載の花虫類由来の種々の蛍光および着色タンパク質のいずれかは、使用に好適する。
好適な酵素には、限定されないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(AP)、ベータガラクトシダーゼ(GAL)、グルコース-6-ホスフェート脱水素酵素、ベータ-N-アセチルグルコサミニダーゼ、β-グルクロニダーゼ、インベルターゼ、キサンチンオキシダーゼ、ホタルルシフェラーゼ、グルコースオキシダーゼ(GO)、などが挙げられる。
認識および/または除去ドメイン
本明細書で開示のいずれかのCARは、認識または除去ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、単純ヘルペスウイルス由来酵素チミジンキナーゼ(HSV-tk)または誘導型カスパーゼ9から誘導でき、またはFLAGエピトープ(配列番号38)であり得る。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、政府規制機関によりヒトでの使用が承認された抗体、例えば、限定されないが、セツキシマブ、リツキシマブ、またはハーセプチンなどにより認識される。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、米国特許第8,802,374号に記載のように、改変内在性細胞表面分子を含み得る。改変内在性細胞表面分子は、任意の細胞表面関連受容体、リガンド、糖タンパク質、細胞接着分子、抗原、インテグリン、または改変されている表面抗原分類(CD)であり得る。いくつかの実施形態では、改変内在性細胞表面分子は、切断型チロシンキナーゼ受容体である。一態様では、切断型チロシンキナーゼ受容体は、上皮成長因子受容体ファミリー(例えば、ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4)のメンバーで、例えば、配列番号78である。認識または除去ドメインは、CARを同様に含む単一ポリペプチドの一部として発現され得る。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、単一ポリペプチドのN-末端またはその近傍、例えば、N末端シグナルペプチドの後方であり得る。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、ポリペプチドのC-末端またはその近傍であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドのC-末端またはその近傍の認識または除去ドメインは、CARをコードするアミノ酸配列から、切断シグナルまたはリボソームスキップ配列により、分離され得る。切断シグナルは、当該技術分野において既知の任意の切断シグナルであり得る。リボソームスキップ配列は、当該技術分野において既知の任意のリボソームスキップ配列であり得、例えば、2A-1アミノ酸配列GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号77)であり得る。いくつかの実施形態では、認識または除去ドメインは、CARのいずれかのドメインの間、例えば、ストークと膜貫通ドメインの間にあり得、または認識または除去ドメインは、リンカー中、例えば、単鎖抗体の重鎖と軽鎖の間のリンカー中にあり得る。
EGFR、ErbB1およびHER1としても知られる上皮成長因子受容体は、細胞外リガンドの上皮増殖因子ファミリーメンバーに対する、細胞表面受容体である。EGFR活性の変化は、特定の癌に結びつけられる。いくつかの実施形態では、ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)を含むEGFRポリペプチドをコードする遺伝子は、膜遠位のEGF結合ドメインおよび細胞質のシグナル伝達末端を含むポリペプチドをコードする核酸配列の除去により構築されるが、抗EGFR抗体により認識される細胞外の膜近位のエピトープを保持している。例示的実施形態では、抗体は、既知の商業的に入手できる抗EGFRモノクローナル抗体、例えば、セツキシマブ、マツズマブ、ネシツムマブ、またはパニツムマブである。
抗ビオチンマイクロビーズと組み合わせた、ビオチン化セツキシマブの免疫磁気選択の適用は、レンチウイルスによりEGFRt含有構築物を形質導入したT細胞を2%もの低い集団から90%を超える純度まで、細胞調製に対する観察可能な毒性なしに、うまく濃縮する。この不活性EGFR分子の構成的発現は、協調的に発現したキメラ抗原受容体(CAR)、CD19Rにより誘導されるT細胞表現型またはエフェクター機能に影響を与えない。フローサイトメトリー分析を介して、EGFRが、マウスへのT細胞移植のためのインビボ追跡マーカーとして、うまく利用された。さらに、EGFRは、アービタックス(登録商標)媒介抗体依存性細胞傷害(ADCC)経路を介して、自殺遺伝子の潜在能力を有することが示された。したがって、EGFRを、免疫療法の可能性を有する形質導入T細胞のための非免疫原性選択ツール、追跡マーカー、および自殺遺伝子として使用し得る。EGFR核酸はまた、当該技術分野において周知の方法により検出し得る。
いくつかの実施形態では、EGFRは、CARを同様に含む単一ポリペプチドの一部として発現され得る。いくつかの実施形態では、EGFR認識ドメインをコードするアミノ酸配列は、CARをコードするアミノ酸配列から、切断シグナルまたはリボソームスキップ配列により、分離され得る。切断シグナルは、当該技術分野において既知の任意の切断シグナルであり得る。リボソームスキップ配列は、当該技術分野において既知の任意のリボソームスキップ配列であり得、例えば、2A-1アミノ酸配列GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号77)であり得る。いくつかの実施形態では、認識ドメインをコードするポリヌクレオチド配列は、CARと同じ転写物上に存在し得るが、CARをコードするポリヌクレオチド配列から、配列内リボソーム進入部位により、分離され得る。
配列の組換え
特定の事例では、CAR、例えば、CARドメインのポリペプチド配列は、部位特異的組換え技術の使用により、細胞中で、再構成または欠失させ得る。特定の実施形態では、特定のCARに対する細胞活性化関連応答は、部位特異的組換えにより変えることができ、例えば、第1の活性化関連応答を誘発するCARの第1の細胞内活性化ドメインは、第2の活性化関連応答を誘発する第2の細胞内活性化ドメインと交換し得る。当業者には明らかなように、部位特異的組換えを細胞中で用いて、CARの任意のドメインまたは配列を、任意のその他の本明細書で開示のドメインまたは配列と交換できる。当業者には明らかなように、部位特異的組換えを細胞中で用いて、CARの任意のドメインまたは配列を欠失させることができる。このような配列およびドメインの交換および切除は、当該技術分野において公知であり、例えば、Tone et al.(2013)Biotechnology and Bioengineering,3219-3226に記載のシグナロボディ中のドメインスイッチングを参照されたい。この文献の開示は、参照により本明細書で開示される。部位特異的組換えをインビボで実施する機序および要件も、当該技術分野において周知であり、Grindley et al.(2006)Annual Review of Biochemistry,567-605およびTropp(2012)Molecular Biology(Jones & Bartlett Publishers,Sudbury,MA)を参照されたい。この文献の開示は、参照により本明細書で開示される。
CARは、上記で考察した全ての異なるドメインを一緒に融合して、融合タンパク質を形成することにより生成されるキメラタンパク質である。CARは通常、本明細書で考察したCARの異なるドメインをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターにより生成される。標的細胞上の抗原を認識し、結合するよう機能する本発明のASTRは、条件的活性型である。具体的には、対応する野性型タンパク質のASTRと比較して、標的抗原との結合に関して、ASTRは、正常な生理的条件下では低い活性であるかまたは不活性であり、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件下では活性である。
標的抗原に対する少なくともその結合ドメインとして全体または一部で使用するのに好適する野性型または未変性タンパク質を、タンパク質ライブラリーを生成し、そのライブラリーを標的抗原に対する目的の結合親和性を有するタンパク質で選別することにより、本発明のASTRとして、見つけ得る。野性型タンパク質は、cDNAライブラリーの選別により見つけ得る。cDNAライブラリーは、宿主細胞のコレクション中に挿入したクローン化cDNA(相補DNA)フラグメントであり、これは、一緒に、生物のトランスクリプトームの一部を構成する。cDNAは、完全転写mRNAから生成され、したがって、生物の発現タンパク質のコード配列を含む。cDNAライブラリー中の情報は、標的抗原に対する所望の結合親和性を有するタンパク質でライブラリーを選別することにより、望ましい特性を有するタンパク質を見つけるための強力で有用なツールである。
腫瘍微小環境
固形腫瘍中の癌細胞は、それらの周囲で腫瘍微小環境を形成し、癌細胞の増殖と転移を支援することができる。腫瘍微小環境は、腫瘍が存在する細胞環境であり、これには、周辺血管、免疫細胞、線維芽細胞、他の細胞、可溶性因子、シグナル伝達分子、細胞外マトリックス、ならびに腫瘍性転化の促進、腫瘍増殖および浸潤の支援、宿主免疫からの腫瘍の保護、治療耐性の促進、および休眠転移の繁殖のための微小環境の提供を行うことができる機械的な手がかりが含まれる。腫瘍および周辺微小環境は、密接に関係し、常に相互作用している。腫瘍は、細胞外シグナルを放出し、腫瘍血管新生を促進し、末梢免疫寛容を誘導することによりそれらの微小環境に影響を与えることができ、一方、微小環境中の免疫細胞は、癌細胞の増殖と進化に影響を与えることができる。Swarts et al.”Tumor Microenvironment Complexity:Emerging Roles in Cancer Therapy,” Cancer Res,vol.,72,pages 2473-2480,2012、を参照されたい。
腫瘍微小環境は、低酸素性であることが多い。腫瘍量が増加するに伴い、腫瘍の内部は、既存の血液供給から離れてさらに遠くに成長し、これにより、腫瘍微小環境に十分に酸素を供給することが困難になる。腫瘍環境中の酸素分圧は、血漿中の約40mmHgの酸素分圧と比較して、局所的進行型固形腫瘍の50%超で5mmHg未満である。対照的に、身体の他の部品は、低酸素性ではない。低酸素性環境は、遺伝的不安定性につながり、これは、ヌクレオチド切除修復およびミスマッチ修復経路の下方調節を介して、癌進行と関連している。低酸素はまた、低酸素誘導性因子Iアルファ(HIF1-α)の上方制御を引き起こし、これは、血管新生を誘導し、より不良な予後および転移に関連する遺伝子の活性化と関連している。Weber et al.,”The tumor microenvironment,” Surgical Oncology,vol.21,pages 172- 177,2012 and Blagosklonny,”Antiangiogenic therapy and tumor progression,” Cancer Cell,vol.5,pages 13-17,2004、を参照されたい。
さらに、腫瘍細胞は、乳酸発酵から生成されるエネルギーに依存する傾向があり、これは酸素を必要としない。そのため、腫瘍細胞は、酸素が必要な通常の好気性呼吸を使用する可能性が低い。乳酸発酵の使用の結果は、他の身体の部分が中性または僅かにアルカリ性であるのとは対照的に、腫瘍微小環境は酸性(pH6.5~6.9)であるということである。例えば、ヒト血漿のpHは、約7.4である。Estrella et al.,”Acidity Generated by the Tumor Microenvironment Drives Local Invasion,” Cancer Research,vol.73,pages 1524-1535,2013、を参照されたい。増殖癌細胞の比較的高い栄養素需要のために、身体の他の部分に位置する細胞と比較して、腫瘍微小環境中で栄養素を利用できる度合いもまた、低い。
さらに、腫瘍微小環境はまた、身体の他の部分では通常見られない多くの独特の細胞型を含む。これらの細胞型には、内皮細胞およびそれらの前駆物質、周皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、癌腫関連線維芽細胞、筋線維芽細胞、好中球、好酸球、好塩基球、マスト細胞、TおよびBリンパ球、ナチュラルキラー細胞およびマクロファージおよび樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)が含まれる(Lorusso et al.,”The tumor microenvironment and its contribution to tumor evolution toward metastasis,” Histochem Cell Biol,vol.130,pages 1091-1103,2008)。
したがって、腫瘍微小環境は、血漿中の生理的条件などの、身体の他の部分のものとは異なる、少なくともいくつかの生理的条件を有する。腫瘍微小環境は身体の他の部分、特に血漿(pH7.4)より低いpH(酸性)を有する。腫瘍微小環境は、血漿などの身体の他の部分よりも、低い酸素濃度である。また、腫瘍微小環境は身体の他の部分、特に血漿より低い栄養素入手可能性を有する。また、腫瘍微小環境はまた、身体の他の部分、特に血漿では通常見られないいくつかの独特の細胞型を含む。
例示的実施形態では、本発明のCARは、例えば、マウスまたはヒトなどの腫瘍治療の候補となり得る哺乳類生物から単離した野性型または天然の抗体などの野性型(すなわち、未変性)生体タンパク質から生成した条件的活性型ASTRを含む。このような例示的実施形態では、条件的活性型ASTRは、血漿などの腫瘍微小環境以外の身体の部分では、少なくとも1つの生理的条件下で、天然または野性型生体タンパク質より低い活性を有し、一方、腫瘍微小環境中の少なくとも1つの生理的条件下で、天然または野性型生体タンパク質よりも高い活性を有する。条件的活性型天然または生体タンパク質は、腫瘍を治療するために、腫瘍微小環境中の癌細胞に選択的に作用でき、したがって、副作用を引き起こす可能性が低下すると思われる。天然または生体タンパク質が腫瘍細胞上の抗原に対する抗体であって、その抗原が腫瘍微小環境中に露出されている実施形態では、条件的活性型抗体は、身体の他の部分では天然または野性型抗体より抗原に対するより低い親和性を有し、一方、腫瘍微小環境中では天然または野性型抗体より抗原に対するより高い親和性を有する。このような条件的活性型抗体は、身体の他の部分に対しては、弱く結合するか、または全く結合しないが、腫瘍微小環境中の抗原に対しては、より大きな結合性を有する、または強力に、しっかりと結合する。
インビトロ腫瘍代替アッセイ
例示的実施形態では、CARまたは本開示で使われるASTR、およびこのようなASTRを含む本明細書のCARは通常、腫瘍環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件では条件的活性型である。インビトロ腫瘍代替アッセイ条件は、少なくとも一部の癌中で、インビボで認められる値またはレベルでのその条件を、生理的条件下の生理学的組織で認められる値またはレベルでのその条件に対して、インビトロで試験されるいずれかの条件であり得る。本明細書の実施例で提供されるのは、生理学的pH(例えば、7.4)に比較して、低pH(例えば、6.0または6.7)での細胞溶解のための非限定的インビトロ腫瘍代替アッセイである。本開示のCARが活性になり得るインビトロ腫瘍代替アッセイ条件には、限定されないが、高ヒアルロン酸、乳酸、および/またはアルブミンが挙げられ、正常な条件は、低レベルの乳酸、ヒアルロン酸、およびアルブミンである。別のインビトロ腫瘍代替アッセイ条件はpHであり、特に、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件が正常な生理学的pHより低い特定の条件である。例えば、腫瘍代替アッセイ条件は、範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間のpHであり得る。一方、生理学的pHは、範囲の下端値の7.2、7.3、および7.4、と範囲の上端値の7.5、7.6、7.7、および7.8との間のpHであり得る。例示的実施形態では、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件の低pHは、6.5~6.9であり、特に、6.7であり得る。生理学的pHは7.2~7.6であり、または特に、pH7.4に設定され得る。別の実施形態では、pHは変化しないが、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件は、乳酸の濃度でのみ異なる。別の実施形態では、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件は、生理的環境に比べて、高レベルのアデノシンを含む。別の実施形態では、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件は、生理的環境に比べて、高レベルのR-2-ヒドロキシグルタル酸を含む。他の実施形態では、scFvが、米国特許第8,709,755B2号および国際公開第2016/033331A1号で記載のもののような、分子進化を経て微小環境特異性で選択されたモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖から移植される。
核酸
本開示は、本開示の条件的活性型CARのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、いくつかの実施形態では、例えば、組換え発現ベクターを含むDNAである。本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、いくつかの実施形態では、例えば、インビトロ合成RNAである。
いくつかの事例では、核酸は、本開示のCARの生成、例えば、哺乳動物細胞における生成が提供される。他の事例では、当該核酸は、本開示のCARをコードする核酸の増幅を提供する。
本開示のCARをコードするヌクレオチド配列は、転写調節領域、例えば、プロモーター、およびエンハンサー、などに動作可能に連結され得る。
好適なプロモーターおよびエンハンサー配列は当技術分野において既知である。細菌細胞中での発現に好適なプロモーターには、限定されないが、lacl、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPおよびtrcが挙げられる。真核細胞での発現に好適するプロモーターには、限定されないが、軽鎖および/または重鎖免疫グロブリン遺伝子プロモーターおよびエンハンサー配列;サイトメガロウィルス最初期プロモーター;単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーター;初期および後期SV40プロモーター;レトロウイルス由来の長末端反復配列中に存在するプロモーター;マウスメタロチオネイン-Iプロモーター;および当該分野で既知の種々の組織特異的プロモーターが挙げられる。
可逆的誘導性プロモーターを含む好適な可逆的プロモーターは、当技術分野において既知である。このような可逆的プロモーターは、多くの生物、例えば、真核生物および原核生物から単離および誘導され得る。第1の生物に由来する可逆的プロモーターを第2の生物で使用する場合、例えば、第1が原核生物で第2が真核生物の場合や、第1が真核生物で第2が原核生物の場合などにおける、プロモーターの改変は本技術分野で周知である。このような可逆的プロモーター、ならびにこのような可逆的プロモーターをベースにするが追加の制御タンパク質も含む系としては、限定されないが、アルコール調節プロモーター(例えば、アルコールデヒドロゲナーゼI(alcA)遺伝子プロモーター、アルコールトランス活性化因子タンパク質(AlcR)に応答するプロモーターなど)、テトラサイクリン調節プロモーター(例えば、Tetアクチベーター、TetON、TetOFFなどを含むプロモーター系)、ステロイド調節プロモーター(例えば、ラット糖質コルチコイド受容体プロモーター系、ヒトエストロゲン受容体プロモーター系、レチノイドプロモーター系、甲状腺プロモーター系、エクジソンプロモーター系、ミフェプリストンプロモーター系など)、金属調節プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター系など)、病因関連調節プロモーター(例えば、サリチル酸調節プロモーター、エチレン調節プロモーター、ベンゾチアジアゾール調節プロモーターなど)、温度調節プロモーター(例えば、ヒートショック誘導性プロモーター(例えば、HSP-70、HSP-90、ダイズヒートショックプロモーターなど)、光調節プロモーター、合成誘導性プロモーター、などが挙げられる。
いくつかの事例では、適切なプロモーターを含む遺伝子座、構築物、またはトランス遺伝子は、誘導系による誘導を介して不可逆的にスイッチされる。不可逆的スイッチの誘導に好適する系は本技術分野で周知である。例としては、不可逆的スイッチの誘導は、Cre-lox媒介組換え法を利用し得る(例えば、Fuhrmann-Benzakein,et al.,PNAS(2000)28:e99を参照されたい。本文献の開示は引用により本明細書に組み込まれる。本技術分野で既知のリコンビナーゼ、エンドヌクレアーゼ、リガーゼ、組換え部位などの任意の好適な組み合わせを用いて、不可逆的にスイッチ可能なプロモーターを生成することができる。本明細書の別の箇所に記載された、部位特異的組換えを行うための方法、機序、および要件を利用して、不可逆的にスイッチされるプロモーターを生成することは、本技術分野で周知である。 例えば、Grindley et al.(2006)Annual Review of Biochemistry,567-605およびTropp(2012)Molecular Biology(Jones & Bartlett Publishers,Sudbury,MA)を参照されたい。これらの文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの事例では、プロモーターは、CD8細胞特異的プロモーター、CD4細胞特異的プロモーター、好中球特異的プロモーター、またはNK特異的プロモーターである。例えば、CD4遺伝子プロモーターを用い得る。例えば、Salmon et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:7739;およびMarodon et al.(2003)Blood 101:3416を参照されたい。別の例として、CD8遺伝子プロモーターを用い得る。Neri(p46)プロモーターを用いて、NK細胞特異的発現を実施し得る。例えば、Eckelhart et al.(2011)Blood 117:1565を参照されたい。
いくつかの実施形態では、酵母細胞における発現に適したプロモーターには、例えば、構成的プロモーター、例えば、ADHlプロモーター、PGKlプロモーター、ENOプロモーター、PYKlプロモーターなど;または調節可能なプロモーター、例えば、GALIプロモーター、GALlOプロモーター、ADH2プロモーター、PH05プロモーター、CUPlプロモーター、GAL7プロモーター、MET25プロモーター、MET3プロモーター、CYClプロモーター、HIS3プロモーター、ADHlプロモーター、PGKプロモーター、GAPDHプロモーター、ADClプロモーター、TRPlプロモーター、URA3プロモーター、LEU2プロモーター、ENOプロモーター、TPlプロモーター、およびAOXl(例えば、Pichiaで使用する場合)などが挙げられる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に当業者レベルの範囲内である。
原核生物宿主細胞における使用に適したプロモーターには、限定されないが、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼプロモーター;trpプロモーター;lacオペロンプロモーター;ハイブリッドプロモーター、例えば、lac/tacハイブリッドプロモーター、tac/trcハイブリッドプロモーター、trp/lacプロモーター、T7/lacプロモーター;trcプロモーター;tacプロモーターなど;araBADプロモーター;インビボ調節プロモーター、例えば、ssaGプロモーター、または関連プロモーター(例えば、米国特許出願公開第2004/0131637号参照)、pagCプロモーター(Pulkkinen and Miller,J.Bacterial.,1991:173(1):86-93;Alpuche-Aranda et al.,PNAS,1992;89(21):10079-83)、nirBプロモーター(Harborne et al.(1992)Mal.Micro.6:2805-2813)、など(例えば、Dunstan et al.(1999)Infect.Immun.67:5133-5141;McKelvie et al.(2004)Vaccine 22:3243-3255;およびChatfield et al.(1992)Biotechnol.10:888-892を参照されたい);シグマ70プロモーター、例えば、コンセンサスシグマ70プロモーター(例えば、Genbank受入番号AX798980、AX798961、およびAX798183参照);定常期プロモーター、例えば、dpsプロモーター、spvプロモーターなど;病原性島SPI-2に由来するプロモーター(例えば、国際公開第96/17951号参照);actAプロモーター(例えば、Shetron-Rama et al.(2002)Infect.Immun.70:1087-1096参照);rpsMプロモーター(例えば、Valdivia and Falkow(1996).Mal.Microbial.22:367参照);tetプロモーター(例えば、Hillen,W.and Wissmann,A.(1989)In Saenger,W.and Heinemann,U.(eds),Topics in Molecular and Structural Biology,Protein-Nucleic Acid Interaction.Macmillan,London,UK,Vol.10,pp.143-162参照);SP6プロモーター(例えば、Melton et al.(1984)Nucl.Acids Res.12:7035参照)などが挙げられる。原核生物、例えば、大腸菌における使用に適した強力なプロモーターには、限定されないが、Trc、Tac、T5、T7、およびPLambdaが挙げられる。細菌宿主細胞における使用に適したオペレーターの非限定的な例には、ラクトースプロモーターオペレーター(Laciリプレッサータンパク質は、ラクトースに接触すると立体構造が変化し、これによりオペレーターへの結合を回避する)、トリプトファンプロモーターオペレーター(TrpRリプレッサータンパク質は、トリプトファンと複合体化すると、オペレーターに結合する立体構造を取る;トリプトファンの不在下では、TrpRリプレッサータンパク質は、オペレーターに結合しない立体構造を取る)、およびtacプロモーターオペレーター(例えば、deBoer et al.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21-25参照)などが挙げられる。
CARをコードするヌクレオチド配列は、発現ベクターおよび/またはクローニングベクター内に存在し得る。CARが、2つの別々のポリペプチドを含む場合、2つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、同じまたは別のベクターにクローン化され得る。発現ベクターは、選択可能なマーカー、複製起点、およびベクターの複製および/または維持を提供する他の特徴要素を含み得る。好適な発現ベクターには、例えば、プラスミド、ウイルスベクターなどが挙げられる。
当業者には多数の好適なベクターおよびプロモーターが知られており、当該組換え構築物の生成用に多数が市販されている。次記のベクターは、例示のために提供される。細菌性ベクター:pBs、phagescript、PsiXl74、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene,La Jolla,Calif.,USA);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、およびpRIT5(Pharmacia,Uppsala,Sweden)。真核ベクター:pWLneo、pSV2cat、pOG44、PXRl、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL(Pharmacia)。
発現ベクターは通常、異種タンパク質をコードする核酸配列の挿入を可能とするべく、好都合な制限部位をプロモーター配列近傍に有する。発現宿主内で作動可能な選択可能マーカーが存在していてもよい。適切な発現ベクターには、限定されないが、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;アデノウイルスに基づくウイルスベクター(例えば、Li et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 35:2543 2549,1994;Borras et al.,Gene Ther 6:515 524,1999;Li and Davidson,PNAS 92:7700 7704,1995;Sakamoto et al.,H Gene Ther 5:1088 1097,1999;国際公開第94/12649号、国際公開第93/03769号;国際公開第93/19191号;国際公開第94/28938号;国際公開第95/11984号、および国際公開第95/00655号参照);アデノ関連ウイルス(例えば、Ali et al.,Hum Gene Ther 9:81 86,1998,Flannery et al.,PNAS 94:6916 6921,1997;Bennett et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 38:2857 2863,1997;Jomary et al.,Gene Ther 4:683 690,1997,Rolling et al.,Hum Gene Ther 10:641 648,1999;Ali et al.,Hum Mol Genet 5:591 594,1996;国際公開第93/09239号中のSrivastava、Samulski et al.,J.Vir.(1989)63:3822-3828;Mendelson et al.,Virol.(1988)166:154-165;and Flotte et al.,PNAS(1993)90:10613-10617参照);SV40;単純ヘルペスウイルス;γレトロウイルス;ヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshi et al.,PNAS 94:10319 23,1997;Takahashi et al.,J Virol 73:7812 7816,1999参照);レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ならびに他のレトロウイルス、例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺腫瘍ウイルス等に由来するベクター)などが挙げられる。
上述のように、いくつかの実施形態では、本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、いくつかの実施形態では、RNA、例えばインビトロで合成されたRNAである。RNAのインビトロ合成の方法は、本技術分野で公知である。任意の既知の方法を用いて、本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含むRNAを合成することができる。RNAを宿主細胞に導入する方法は、本技術分野で既知である。例えば、Zhao et al.(2010)Cancer Res.15:9053参照。本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含むRNAの宿主細胞への導入は、インビトロまたはエクスビボまたはインビボで行い得る。例えば、インビトロまたはエクスビボで、宿主細胞(例えば、NK細胞、細胞傷害性Tリンパ球、など)を、本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含むRNAを用いて、電気穿孔処理することができる。
細胞
本開示のいくつかの態様は、細胞を含む、または細胞であり、例示的実施例では、この細胞は哺乳動物細胞であり、パッケージング細胞として使用して、T細胞および/またはNK細胞の形質導入のためのレンチウイルスなどのウイルスを作製する。多種多様の細胞のいずれかを、本発明に従って、偽型レトロウイルスなどのウイルスのインビトロ産生のために選択できる。真核細胞、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウマおよびげっ歯類細胞を含む、特に哺乳動物細胞が通常、使用される。例示的実施例では、細胞はヒト細胞である。さらに例示的実施形態では、細胞は、無期限に繁殖し、したがって、不死である。本発明で有利に使用され得る細胞の例には、NIH 3T3細胞、コス細胞、Madin-Darbyイヌ腎臓細胞、ヒト胎児293T細胞およびこのような細胞から誘導された任意の細胞、例えば、293T細胞から誘導されたgpnlslacZ φNX細胞が挙げられる。ヒト胎児腎臓293T細胞などの高度に遺伝子導入可能な細胞を使用できる。「高度に遺伝子導入可能な」は、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%および最も好ましくは少なくとも約80%の細胞が導入されたDNAの遺伝子を発現できることを意味する。
適切な哺乳動物細胞としては、初代細胞および不死化細胞株が挙げられる。適切な哺乳動物細胞株としては、ヒト細胞株、非ヒト霊長目細胞株、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)細胞株などが挙げられる。適切な哺乳動物細胞株としては、限定されないが、HeLa細胞(例えば、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)番号CCL-2)、CHO細胞(例えば、ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、293細胞(例えば、ATCC番号CRL-1573)、Vero細胞、NIH3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL-1658)、Huh-7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCLlO)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS-7細胞(ATCC番号CRL1651)、RATl細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞(ATCC番号CRL1573)、HLHepG2細胞、Hut-78、Jurkat、HL-60、NK細胞株(例えばNKL、NK92、およびYTS)などが挙げられる。
免疫細胞の活性化方法
本開示は、免疫細胞をインビトロ、インビボ、またはエクスビボで活性化する方法を提供する。方法は通常、免疫細胞を(インビトロ、インビボ、またはエクスビボで)Axlおよび/またはRor2と接触させることを含み、免疫細胞は、本開示の条件的活性型をCAR生成(すなわち、発現)するように遺伝子改変されている。Axlおよび/またはRor2の存在下で、条件的活性型CARは、免疫細胞を活性化し、それにより、活性化免疫細胞を生成する。免疫細胞には、例えば、細胞傷害性Tリンパ球、NK細胞、CD4+T細胞、制御性T(Treg)細胞、γδT細胞、NK-T細胞、好中球、などが含まれる。例示的実施形態では、免疫細胞は、T細胞またはNK細胞、特に、例示的実施形態では、免疫細胞はT細胞であり、これはNK-T細胞を含む。このような例示的実施形態では、活性化は通常、T細胞またはNK細胞の細胞傷害活性の活性化である。このような方法は、複数の免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を用いて実施できる。さらなる例示的実施形態では、接触させることは、Axlおよび/またはRor2を発現している標的哺乳動物細胞を免疫細胞と接触させることを含む。このようなT細胞またはNK細胞を活性化する方法は、T細胞またはNK細胞によるIFN-γまたはIL-2などのサイトカインの放出、T細胞および/またはNK細胞のAxlまたはRor2に対する細胞傷害活性の増大、IFNγおよび/またはIL-2のT細胞またはNK細胞中での細胞内の発現の増大、および蛍光標識細胞分取(FACS)分析により測定したT細胞またはNK細胞によるCD107aおよび/またはCD69の発現の増大、を検出することにより検出できる。本明細書の実施例1、3、および4は、これらのT細胞および/またはNK細胞の活性化の検出方法の内のいくつかについての詳細を提供する。
本明細書で提供されるさらなる態様は、免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の標的哺乳動物細胞への結合方法を含み、該方法は、標的哺乳動物細胞を免疫細胞とインビトロ、インビボ、またはエクスビボで接触させることを含み、標的哺乳動物細胞は、Axlおよび/またはRor2を発現し、免疫細胞は、本明細書で提供されるAxlまたはRor2に結合するいずれかのCARを発現している。このような結合は、免疫細胞を活性化することができる。このような方法は、複数の免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を用いて実施できる。サイトカインの放出および細胞傷害活性の増加によりT細胞またはNK細胞の活性を検出することにより検出されるこのような結合方法は、本明細書の実施例1、実施例3、および実施例4で提供される。
免疫細胞の結合または活性化方法における接触させることは、本明細書の例示的実施形態では、7.4未満のpHの微小環境中で、免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を接触させることを含む。例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、例示的実施形態では、6.0~6.8の範囲、6.1~6.9の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間、であり得る。このような例示的実施形態では、CARは、本明細書で開示の、本明細書で提供されるAxlまたはRor2を認識する、いずれかのCAB-CARである。
遺伝子改変免疫細胞(例えば、Tリンパ球、NK細胞)をAxlおよび/またはRor2と接触させることは、免疫細胞によるサイトカインの生成を、Axlおよび/またはRor2の非存在下で、免疫細胞により生成されるサイトカインの量に比べて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、または10倍超、増大させ得る。遺伝子改変免疫細胞(例えば、Tリンパ球、NK細胞)をAxlおよび/またはRor2と接触させることは、免疫細胞によるサイトカインの分泌を、Axlおよび/またはRor2の非存在下で、免疫細胞により分泌されるサイトカインの量に比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大させ得る。生成を増大させ得るサイトカインには、限定されないが、IL-2およびIFN-γが含まれる。
遺伝子改変免疫細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球)をAARと接触させることは、細胞傷害性細胞の細胞傷害活性を、Axlおよび/またはRor2の非存在下での細胞傷害性細胞の細胞傷害活性に比べて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、または10倍超、増大させ得る。
遺伝子改変免疫細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球)をAxlおよび/またはRor2と接触させることは、細胞傷害性細胞の細胞傷害活性を、Axlおよび/またはRor2の非存在下での細胞傷害性細胞の細胞傷害活性に比べて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、または10倍超、増大させ得る。
他の実施形態では、例えば、遺伝子改変宿主細胞を抗原と接触させることは、細胞増殖、細胞生存、細胞死、などを、宿主免疫細胞に応じて、増大または低減させ得る。
条件的活性型抗原特異的標的化領域の作製/単離方法
例示的実施形態では、本明細書で開示の抗AXlおよび抗Ror2抗原受容体は、条件的活性型であり、pH7.4(正常な生理的条件)に比べて、pH6.7(腫瘍環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイの例示的pH)でAxlまたはRor2への結合の増大を示す。本明細書で開示のいずれかの態様のいくつかの例示的実施形態では、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRは、選別/進化前の、ライブラリーの変異/進化メンバーを含まないおよび/または任意の選別反復ラウンド中のまたはそのラウンド間の変異を含まない、初期ポリペプチドライブラリーから特定される。他の実施形態では、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRは、変異/進化を含む方法により特定され、いくつかの実施形態では、野性型抗体から出発する。例示的膜貫通ドメインおよび細胞内活性化ドメインは、CARに対して本明細書で開示のもののいずれかであり得る。
一態様では、本明細書で提供されるのは、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRを選択する方法であり、該方法は、ポリペプチドディスプレイライブラリーを下記によりパニングすることを含む:
a)ポリペプチドディスプレイライブラリーのポリペプチドをpH7.4(またはその他の正常な生理的条件)でのAxlまたはRor2結合アッセイおよびpH6.7(またはその他のインビトロ腫瘍代替アッセイ条件)でのAxlまたはRor2結合アッセイに供すること;および
b)pH7.4に比べて、pH6.7での、または正常な生理的条件に比べて、その他のインビトロ腫瘍代替アッセイ条件でのAxlまたはRor2結合活性の増大を示すポリペプチドを選択し、それにより、条件的活性型抗原特異的標的化領域を選択すること。
いくつかの実施形態では、選択の単一ラウンドが実施されて、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2標的化領域が得られる。特定の実施形態では、選別またはパニング方法は、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件下で抗原に結合し、生理的条件下では結合しなかった遊離抗体、またはこれらの特性を有する試験抗体を発現している細胞、または初期または前のラウンドでこのような特性を有する試験抗体でコーティングされたファージを特定後、反復される。いくつかの方法では、収集されたファージを用いて、収集したファージを増幅するために、ヘルパーファージにさらに感染できる細胞に感染させる。細胞表面上の抗体が試験されるその他の方法では、収集細胞を増殖させて、細胞により発現された抗体を、ポリペプチドをコードする細胞中で抗体を増幅することにより、「増幅」できる。いくつかの実施形態では、増幅は、特定された抗体をラウンド間で特定された抗体をコードする抗体を変異させるプロセスを実施することなく、特定された抗体を発現する細胞を増殖することにより行われる。したがって、前のラウンドで収集された抗体は、その後、これらの収集された抗体をコードする抗体を含む細胞を増幅することにより、濃縮される。
パニングまたは選別方法は、単回実施、または1~1000回反復できる。例示的実施形態では、パニングは、1~20回または2~10回または2~5回反復される。
その他の方法では、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRは、1回または複数のラウンドのパニングラウンド間の変異/進化を用いて生成される。一方法では、野性型タンパク質(例えば、抗体)が、例えば、ポリペプチドまたはタンパク質ライブラリーを生成し、ポリペプチドまたはタンパク質ライブラリーを、標的抗原に対する目的の結合親和性を有するポリペプチドまたはタンパク質で選別することにより、特定される。野性型タンパク質が抗体であるいくつかの実施形態では、野性型抗体は、ファージディスプレイ抗体ライブラリー、例えば、ファージディスプレイヒト化抗体ライブラリーを含むポリクローナルまたはモノクローナル抗体ライブラリーを生成し、選別することにより、見つけることができる。
進化した抗AXlまたはRor2 ASTRは、野性型タンパク質、または野性型タンパク質をコードする核酸配列を、変異誘発プロセスに供し、正常な生理的環境下に比べて、腫瘍環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件下で増大した活性(例えば、標的抗原に対する向上した結合親和性)を有する変異ASTRの選別により特定できる変異体ポリペプチド集団を産生することにより生成できる。このような方法の例は、国際出願第2016/033331号(“CONDITIONALLY ACTIVE CHIMERIC ANTIGEN RECEPTORS FOR MODIFIED T-CELLS”)または米国特許第8,709,755号で提供される。
本明細書で提供される方法を用いて特定された条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRは通常、ポリペプチド、より具体的には、ポリペプチド抗体であり、例示的実施形態では、本明細書でさらに詳細に考察される単鎖抗体である。これらのポリペプチドは、AxlまたはRor2に対し、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件対正常な生理的条件下で、より高いまたはより低い親和性で結合できるが、例示的実施形態では、正常な条件下よりもインビトロ腫瘍代替アッセイ条件下で、より高い親和性で結合できる。いくつかの実施形態では、これらのポリペプチドは、生理学的(すなわち、正常な)条件下よりも、インビトロ腫瘍代替アッセイ条件下で、それらの同族抗原に対し、10%、20%、25%、50%、75%、90%、95%または99%高い親和性で結合できる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法を用いて特定されたASTRは、正常な生理的条件下ではそれらの同族抗原に対し、陰性対照抗体などの陰性対照を用いて得たバックグラウンドレベルを超える何らかの検出可能なレベルまで結合しない。
条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2 ASTRをコードする、本明細書で提供される方法により単離されたヌクレオチド配列は、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2抗原特異的標的化を発現している収集細胞のヌクレオチドの塩基配列決定により決定できる。その後、このヌクレオチド配列情報を用いて、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2抗原特異的標的化領域、膜貫通ドメイン、および細胞内活性化ドメインを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを生成することにより、条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を作製できる。条件的活性型抗AXlまたは抗Ror2抗原特異的標的化領域は、CAR構築物発現系中にクローン化でき、これを用いて、それらのゲノム中にCARを含む組換えレンチウイルスを生成でき、その後、本明細書の実施例1に示すように、この組換えレンチウイルスを用いて、正常な生理的条件に比較して、腫瘍選択的環境中で、CAR媒介AxlまたはRor2発現標的細胞殺作用を試験するために、T細胞に形質導入できる。
条件的に活性化可能な細胞の生成方法
本開示は、条件的に活性化可能な細胞を生成する方法を提供する。方法は通常、本開示の条件的活性型CARをコードするヌクレオチド配列を含む、発現ベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)、またはRNA(例えば、インビトロ転写RNA)を用いた哺乳動物細胞の遺伝子改変を含む。遺伝子改変細胞は、Axlおよび/またはRor2の存在下で条件的に活性化可能である。遺伝子改変は、インビボ、インビトロ、またはエクスビボで実施できる。細胞は通常、免疫細胞(例えば、Tリンパ球、T-ヘルパー細胞、またはNK細胞)、幹細胞、前駆細胞、などである。例示的実施形態では、細胞はT細胞である。
いくつかの事例では、遺伝子改変は、エクスビボで行われる。例えば、Tリンパ球、幹細胞、T-ヘルパー細胞、またはNK細胞は、個体から取得され、個体から得られた細胞は、本開示のCARを発現するように遺伝子改変される。遺伝子改変細胞は、Axlおよび/またはRor2の存在下で条件的に活性化可能である。いくつかの事例では、遺伝子改変細胞は、エクスビボで活性化される。他の事例では、遺伝子改変細胞は、個体(例えば、その細胞が得られた個体)に導入され、遺伝子改変細胞はインビボで活性化される。例えば、Axlおよび/またはRor2が個体の細胞表面上に存在する場合、抗原を投与する必要はない。遺伝子改変細胞は、個体の細胞表面上に存在する抗原と接触し、遺伝子改変細胞は活性化される。例えば、遺伝子改変細胞がTリンパ球である場合、遺伝子改変細胞は、Axlおよび/またはRor2を、CARが結合するその表面上に発現する細胞に対する細胞傷害性を示すことができる。
一態様では、本明細書で提供されるのは、条件的結合性AxlまたはRor2に対するキメラ抗原受容体(CAR)を含む、条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞のエクスビボ作製方法であり、該方法は:
a)末梢血単核球(PBMC)を濃縮して、単離血液からT細胞および/またはNK細胞を含むPBMCを単離すること;
b)濃縮PBMCのT細胞および/またはNK細胞を効果的な条件下で活性化すること;
c)活性化T細胞および/またはNK細胞に複製不能組換えレトロウイルス粒子を用いて効果的な条件下で形質導入し、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成し、複製不能組換えレトロウイルス粒子がそれぞれ、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに機能的に連結された1つまたは複数の核酸配列を含むレトロウイルスゲノムを含み、本明細書で提供されるいずれかの実施形態に従って、1つまたは複数の核酸配列の内の第1の核酸配列がCAB-CARをコードすること;および
d)遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を増殖し、それにより、条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製すること、を含む。
上記態様のいくつかの実施形態では、方法は、増殖した遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を回収することをさらに含む。上記態様のいくつかの実施形態では、方法は、PBMCを濃縮する前に、対象から採血することをさらに含む。さらなる実施形態では、方法は、回収し、増殖した遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を対象中に導入することをさらに含む。さらなる実施形態では、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞は、それらが対象中に導入された後で、対象中に、1、2、3、4、5、6、7、または14日間、存在する。
採血
PBMC含有血液は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法により、対象から収集または取得できる。例えば、血液は、静脈穿刺または任意の他の血液および/またはPBMCの試料が収集される採血方法により収集できる。いくつかの実施形態では、PBMCは、以下で考察するように、アフェレーシスにより得ることができる。
PBMCの濃縮
条件的に活性化可能T細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法では、T細胞および/またはNK細胞を含む末梢血単核球(PBMC)は、濃縮ステップでは、血液試料の他の成分から単離される。他の血液成分および血液細胞からのPBMCの濃縮は、当該技術分野において既知の任意の方法を用いて、例えば、アフェレーシス、および/または密度勾配遠心分離を用いて、実施できる。いくつかの実施形態では、Ficoll-Paque(GE Healthcare)を使用できる。いくつかの実施形態では、自動化アフェレーシス分離器が用いられ、この装置は、対象から血液を採取し、血液を、特定の細胞型(例えば、PBMCなど)を選別する装置を通し、残りを対象中に戻す。密度勾配遠心分離は、アフェレーシスの後で実施できる。いくつかの実施形態では、PBMCは、濃縮され、白血球除去フィルター装置を用いて単離される。いくつかの実施形態では、磁気ビーズ活性化細胞選別がその後使用され、PBMCから特定の細胞集団、例えば、T細胞および/またはNK細胞が、細胞の表現型に応じて精製される(すなわち、正の選択)。いくつかの実施形態では、単球および/またはマクロファージが、当該技術分野において既知の方法を使用して、PBMCから取り出すことができる。治療される対象を基準にして、細胞は、同種および/または自己であり得る。PBMC濃縮プロセス中、濃縮PBMCが単離およびその後活性化される前に、1回または複数回の洗浄を当該技術分野において知られているよう実施できる。洗浄溶液は、血液および/またはPBMCを洗浄するのに好適する任意の溶液とすることができる。当該技術分野において既知の方法に従って、単離PBMCは、T細胞および/またはNK細胞を培養するのに使用される任意の好適な基礎培地中に再懸濁できる。いくつかの実施形態では、培地には、HSA、ヒトAB+血清、対象由来血清および/または血清置換物を補充できる。
PBMCの活性化
本明細書で提供される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法は通常、1つまたは複数の活性剤により単離PBMCを活性化または刺激して、活性化T細胞および/またはNK細胞を生成するステップを含む。活性化は、新たに単離されたPBMCまたは前に凍結保存されたPBMCに対し実施できる。凍結保存細胞が使用される場合には、使用の前に、細胞は開発プロトコルを用いて解凍され得る。
活性化中には通常、エクスビボプロセス用の当該技術分野において既知のものなどの培地が存在する(非限定的例としては、X-VIVO15(Lonza)またはCTS培地(Thermo Fisher))。いくつかの実施形態では、培地には、HSA、ヒトAB+血清、対象由来血清および/または血清置換物を補充できる。例示的実施形態では、培地は、CTS Serum Replacement(Thermo Fisher)などの血清置換物で補充できる。いくつかの実施形態では、培地には、HSA、ヒトAB+血清、対象由来血清および/または血清置換物を補充できる。
1つまたは複数の活性剤の任意の組み合わせを培地に添加して、活性化T細胞および/またはNK細胞を生成できる。通常、反応混合物が形成されて活性化が行われる。いくつかの実施形態では、反応混合物は、1つまたは複数の活性剤を培地に添加することにより形成できる。本明細書で開示のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の活性剤が、活性化T細胞および/またはNK細胞が生成されるような、有効量で使用される。
条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するための実施形態では、このような活性化は、単離された可溶性AxlまたはRor2などのAxlまたはRor2を用いて、7.0未満のpHで細胞を活性化することを含むことは注目に値する。しかし、条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製する方法では、活性化は通常、より汎用的な活性剤を利用する。したがって、いくつかの実施形態では、活性剤は、ポリペプチドまたは抗体(例えば、抗CD2、抗CD3、および/または抗CD28)またはT細胞刺激または共刺激分子を標的とするまたは結合するその機能性断片、T細胞サイトカイン、または任意のその他の好適なマイトジェン(例えば、テトラデカノイルホルボールアセテート(TPA)、フィトヘムアグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(ConA)、リポ多糖類(LPS)、ヤマゴボウマイトジェン(PWM))、T細胞刺激または共刺激分子に対する天然リガンド、ホスホ抗原、またはゾレドロン酸などのアミノビスホスホン酸であり得る。種々の抗体およびその機能性断片は、当技術分野において、T細胞および/またはNK細胞を活性化または刺激することが知られている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の抗体またはその機能性断片は、ビーズなどの固体表面上に固定できる。
T細胞および/またはNK細胞の形質導入
本明細書で提供される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法は通常、活性化T細胞および/またはNK細胞を形質転換または形質導入するステップを含む。このような方法のいくつかの実施形態では、T細胞および/またはNK細胞を、エクスビボで複製不能組換えレトロウイルス粒子などの発現ベクターと接触させて、T細胞および/またはNK細胞を遺伝子改変する。理論により制約されるべきではないが、接触時間の間に、複製不能組換えレトロウイルス粒子は、T細胞および/またはNK細胞に結合し、その時点で、レトロウイルスおよび宿主細胞膜が融合を開始する。その後、形質導入のプロセスを通して、複製不能組換えレトロウイルス粒子から遺伝物質がT細胞および/またはNK細胞に入り、通常は、宿主細胞DNA中に組み込まれる。したがって、このような方法は、形質導入によるT細胞および/またはNK細胞の遺伝子改変を含む。T細胞および/またはNK細胞にエクスビボで、複製不能組換えレンチウイルス粒子などの複製不能組換えレトロウイルス粒子を形質導入するための方法は当技術分野において既知である。例示的方法は、例えば、Wang et al.(2012)J.Immunother.35(9):689-701;Cooper et al.(2003)Blood.101:1637-1644;Verhoeyen et al.(2009)Methods Mol Biol.506:97-114;およびCavalieri et al.(2003)Blood.102(2):497-505に記載されている。いくつかの実施形態では、T細胞および/またはNK細胞を、複製不能組換えレトロウイルス粒子と接触させることができる。例示的実施形態では、T細胞および/またはNK細胞を、複製不能組換えレンチウイルス粒子と接触させることができる。
形質導入T細胞および/またはNK細胞の増殖
本明細書で提供される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法の例示的実施形態では、形質導入T細胞および/またはNK細胞は、回収の前に増殖される。本明細書で開示のいずれかの実施形態では、活性化および形質導入するための培地が存在し、形質導入後、増殖を実施するために培地をさらに添加または交換できる。いくつかの実施形態では、培地は、活性化中に形成された反応混合物に添加できる。増殖のための培地には通常、活性化および形質導入で使用されたのと同じ、エクスビボプロセス用の、特にT細胞および/またはNK細胞用の、当該技術分野において既知のものなどの基本培地が含まれる(非限定的例としては、X-VIVO15(Lonza)またはOptimizer CTS培地(Thermo Fisher))。いくつかの実施形態では、培地には、HSA、ヒトAB+血清、対象由来血清および/またはCTS Serum Replacement(Thermo Fisher)などの血清置換物を補充できる。IL-2、IL-7、またはIL-15などのサイトカイン、またはHSA中で見つかるものを、活性化、形質導入、および増殖の前、その間、および/またはその後に、培地に添加できる。細胞増殖は、特定の日数にわたり実施できる。いくつかの実施形態では、増殖は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間にわたり実施できる。いくつかの実施形態では、増殖は、範囲の下端値の4、5、6、7、または8日と、範囲の上端値の9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日との間で実施できる。特定の例示的実施形態では、増殖は、6~12日間、または8~10日間にわたり実施される。
細胞回収
本明細書で提供される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法では通常、増殖後に、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を回収することを含む。いくつかの実施形態では、形質導入T細胞および/またはNK細胞を、当該技術分野において既知の方法を使用して、回収中に濃縮または収集することができる。いくつかの実施形態では、T細胞および/またはNK細胞を、当該技術分野において既知の任意の好適な洗浄溶液を用いて、回収中に1回または複数回洗浄できる。回収の終わりに、T細胞および/またはNK細胞を、当該技術分野において既知の任意の好適な培地中に再懸濁できる。本明細書で開示のいずれかの実施形態では、増殖したT細胞および/またはNK細胞の回収を、増殖完了判定基準に基づいて実施できる。いくつかの実施形態では、増殖完了判定基準は、乳酸濃度、細胞密度、または増殖日数であり得る。
いくつかの実施形態では、回収した細胞を対象に、導入、戻し導入、再導入、輸注、または再輸注できる。いくつかの実施形態では、回収した細胞を、対象に再導入する前に、後述のように凍結保存できる。例示的実施形態では、回収した細胞を、最初に細胞を冷凍保存することなく、対象に、導入、戻し導入、再導入、輸注、または再輸注できる。対象は通常、血液が収集された対象と同じである。
本開示を通して、形質導入T細胞および/またはNK細胞は、エクスビボ形質導入中に細胞に組み込まれた少なくとも1つの核酸を保持する形質導入細胞の子孫を含む。形質導入細胞の「再導入」を記述する本明細書の方法では、このような細胞は通常、対象の血液から収集される際には、形質導入された状態ではないと理解されよう。
細胞導入/再導入
本明細書で開示される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法の特定の実施形態では、回収T細胞および/またはNK細胞は、治療効果を求めて、対象に、導入、戻し導入、再導入、輸注、または再輸注できる。再導入されるT細胞および/またはNK細胞の数は、治療有効量であり得る所定の投与量とすることができる。いくつかの実施形態では、所定の投与量は、細胞上に発現しているCAR(例えば、形質導入T細胞および/またはNK細胞上の抗原特異的標的化領域の親和性および密度)、標的細胞型、治療される疾患または病的状態の性質、またはこれらの組み合わせに依存し得る。いくつかの実施形態では、回収細胞の所定の投与量は、対象の体重、例えば、対象のキログラム当たりの細胞数(細胞数/kg)をベースにすることができる。
細胞の凍結保存
本明細書で提供される条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製するエクスビボ法では、本明細書に記載の方法により生成した回収細胞を、その後の使用のために、所定の投与量で凍結保存できる。冷凍保存方法および試薬は、当該技術分野で周知である。凍結保存には、1種または複数の洗浄剤および/またはT細胞および/またはNK細胞を濃縮するステップを含めることができる。方法はまた、凍結保存混合物を形成するステップを含むことができ、この混合物は、希釈溶液および好適な凍結保存溶液中にT細胞および/またはNK細胞を含む。いくつかの実施形態では、方法は、当該技術分野において既知の凍結保存混合物を凍結するステップを含み得る。凍結保存T細胞および/またはNK細胞を解凍する方法は、当技術分野において既知である。
pHを変えることによりCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞活性を調節する方法
特定の態様では、本明細書で提供されるのは、7.0未満(例えば、6.9または6.8未満)のpHの微小環境中で免疫細胞をAxlまたはRor2と接触させ、その後、pHが7.0以上(例えば、7.1、7.2、または7.3超)になるように、微小環境pHを変えることにより、免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の活性化を調節する方法である。この場合、免疫細胞は、本明細書で提供されるいずれかのCAB-CARを発現している。例示的実施形態では、AxlまたはRor2は、標的哺乳動物細胞の表面上に発現している。特定の実施形態では、このような活性化の調節方法は、本明細書で提供される免疫細胞を活性化する方法と同一であり、微小環境のpHを7.0以上(例えば、7.1、7.2、または7.3超)のpHに高め、それにより、免疫細胞の活性化を低減させるステップをさらに含む。例示的実施形態では、このようなpHの増加は免疫細胞を不活性化する。
特定の態様では、本明細書で提供されるのは、標的組織内または1つまたは複数の非標的(例えば、健康/正常な)組織内の標的細胞を含む、微小環境内のpHの変化またはシフトを起こさせて、CAB-CARの標的細胞上のその同族抗原に対する結合を調節することにより、CAB-CAR発現T細胞またはNK細胞による標的細胞への結合の調節およびその結果の標的細胞の溶解/死滅を調節する方法である。この場合、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドまたはそのエピトープである。このような方法は通常、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)などの標的細胞をCAB-CAR発現T細胞またはNK細胞と微小環境中で接触させた後に、pHを低下させること、またはより典型的にはpHを高めることにより、微小環境のpHを変えることを含む。微小環境は、標的微小環境、例えば、腫瘍、またはオフターゲット微小環境であり得、オフターゲット結合は、副作用を生じ得る。いくつかの実施形態では、このような方法は、腫瘍微小環境感受性CAR-T標的結合の一時的な低減をもたらすことができる。
したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)発現T細胞またはNK細胞の、対象中のCAB-CARの同族抗原を発現している細胞に対する結合を調節する方法であり、次記を含む:
a.CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後(および任意選択で、および/または導入中に)、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであること;および
b.対象に、血液pHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量の薬剤を投与し、投与が導入の前、その間、またはその後に実施され、血液、組織、および/または微小環境の高められたpHがCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の、血液、組織、または微小環境中の同族抗原を発現している細胞に対する結合を高められたpHで調節すること。
本開示のpH調節薬剤の投与ステップを含む態様におけるpHの変化/シフトは、pH調節する薬剤を対象に投与することによるなどの、標的または非標的細胞をpH調節薬剤に曝露することにより実現できる。pH調節薬剤の非限定的例は、本明細書で提供される。特定の態様では、本明細書で提供されるのは、CAB-CARのその同族抗原の結合を調節する方法で使用するための、またはCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞のその同族抗原を発現する細胞に対する結合を調節するための、または対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を低減または緩和するための、薬剤である。特定の実施形態のこのような態様は、腫瘍増殖、癌、過形成、または細胞増殖性障害の治療に関連する。
他の態様では、本明細書で提供されるのは、薬物または遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞の対象中の標的哺乳動物細胞に対するインビボ結合を制御するためのキットの製造における使用のためのpH調節薬剤の使用であり、標的細胞は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープを発現している。他の態様では、本明細書で提供されるのは、複製不能組換えレトロウイルス粒子含む容器、および腫瘍増殖を治療する方法を実施するためのその使用の説明書を含むキットであり、使用説明書は、pHの調節により、T細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合を制御する方法を教示し、標的哺乳動物細胞は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープを発現している。このような方法は、pHを変えることによりCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞活性を調節するために本明細書のこのセクションで提供されたいずれかの方法であり得る。組換えレトロウイルス粒子を含む容器は、チューブ、バイアル、プレートのウエル、または組換えレトロウイルス粒子および/またはpH調節薬剤の貯蔵のためのその他の容器とすることができる。これらのいずれかは、工業用の強度およびグレードを有するものである。キットは、特定の実施形態では、2つ以上の容器を含み得る。1つの容器/器は、組換えレトロウイルス粒子を含み、別の容器/器は、pH調節薬剤を含み得る。このような方法では、薬剤は、血液pHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めて、CAB-CARを発現している改変/組換えT細胞および/またはNK細胞のCAB-CARの、高められたpHを有する血液および/または組織中のその同族抗原に対する結合を調節するのに十分な量で送達/投与される。十分な量で十分な時間にわたりpH調節薬剤を投与するための非限定的例示的詳細は、本明細書で提供される。
組織に対するオンターゲットまたはオフターゲットに関わらず、対象へのCAB-CARの導入後に、標的細胞を、pH調節薬剤などのpH調節薬と接触させることができる。したがって、例えば、オンターゲット・オフ腫瘍活性を緩和するために、および/または腫瘍細胞増殖などの標的細胞増殖を抑制するために、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合(すなわち、認識)できるCAB-CAR発現T細胞の結合および/または細胞傷害活性を調節するための本明細書で提供される例示的態様は、次のステップを含むことができる:
a.CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現し、CAB-CARがAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合でき、および任意に、対象の同族抗原を発現している細胞に結合するステップ、および
b.薬剤を、血液pHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めて、CAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の、高められたpHを有する血液、組織、または微小環境中のCAB-CARの同族抗原を発現している細胞に対する結合を調節するのに十分な量で対象に投与するステップ。CAB-CARをコードする核酸をT細胞および/またはNK細胞に導入するために使用される特定の方法に応じて、T細胞および/またはNK細胞は、それが対象中に導入される前に、CAB-CARを発現し得る、または発現し得ないことは理解されよう。しかし、対象に導入後のいくつかの時点で、例えば、2時間、4時間、8時間、12時間、1日、2日、4日および/または7日、またはそれを超える時点で、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞はCAB-CARを発現する。その後、このような細胞は通常、CAB-CARの同族抗原を発現している標的細胞に結合する。
対象のリンパの球遺伝子改変および任意の増殖のための本明細書で提供される方法を用いて、CAB-CARをコードする核酸配列を対象のT細胞および/またはNK細胞のゲノム中に導入して、CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を生成し、その後、CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を対象に導入でき、導入後、標的細胞/組織とCAB-CARを接触させるために、T細胞および/またはNK細胞はCAB-CARを発現する。本開示は、異なるCAR成分のための種々の代替物と共に、このような方法を実施する方法の詳細を提供し、この内のいくつかは、pHを変えてCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の、CAB-CARの同族抗原を発現している標的細胞に対する結合を調節することを含む本開示のいくつかの態様で使用できる。
リンパ球を遺伝子改変および増殖するためのこのような方法は通常、T細胞および/またはNK細胞を、複製不能組換えレトロウイルス粒子と接触させて、T細胞および/またはNK細胞を形質導入することを含む。このような接触は通常、対象からリンパ球を取り出した後で、エクスビボで行われる。T細胞および/またはNK細胞はその後、対象、通常はそれらが取り出された対象に導入/再導入される。複製不能組換えレトロウイルス粒子は、CAB-CARをコードするポリヌクレオチドを有するゲノムを含む。このような複製不能組換えレトロウイルス粒子に関する多くの代替実施形態およびさらなる詳細が本明細書の他のセッションで提供され、pH依存性方式でCAB-CARにより認識される同族の標的ポリペプチドを発現している細胞の微小環境中のpHを調節することにより、結合の調節およびその結果の、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるT細胞発現CAB-CARの溶解/死滅のための本明細書で提供される方法で使用できる。
CAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞による標的細胞の結合の調節のためのこのような方法を用いて、例えば、対象中の血液および/または非腫瘍組織のpHを高めることにより、オフターゲット・オフ腫瘍毒性を低減できる。例えば、対象中の「正常」組織pHが一次的により低くなる場合、正常組織のpHが高められ、一方で、腫瘍のpHがより低いままで残され、その時点でもCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞が標的腫瘍細胞に結合するpHであるように、pH調節薬を送達できる。これらの実施形態では、pH調節薬は、より低い濃度で、または標的化方式で、正常組織へ送達できる。
いくつかの実施形態では、これは、腫瘍微小環境中のpHを、CAB-CAR T細胞および/またはNK細胞が腫瘍内のその同族の標的発現細胞への結合をするのに十分低いまま維持されるのを可能としている間に実現できる。本明細書で提供される方法の例示的態様では、組織のpHは、CAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞が、CAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞がその同族抗原に接触し、結合するために十分な時間にわたり(例えば、2、4、8、12、または24時間、または2、4、7、14、28、または30日間、または1、2、3、4、5、6、12、24ヶ月間、またはそれより長い期間)、その標的に結合するpHのままであり、その後、pHは、例えば、組織のpHをCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の標的細胞に対する結合に影響を与える程度の大きさに高めることにより、シフト/変更される。
したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、血管および組織pHの薬理的変更による腫瘍微小環境感受性CAR-T細胞標的結合の一次的低減方法であり、CAR-T細胞は、Axlポリペプチドもしくはそのエピトープ、またはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるCAB-CARを発現する。これらの微小環境により制御されたCAR-T細胞中のASTRは、T細胞結合を可能とするために腫瘍ローカル環境条件を必要とするオンターゲット・オフ腫瘍に対する追加のレベルの保護を提供する。一部のモノクローナル抗体療法のためには魅力的であるが、養子細胞療法は、それらのCAR-T標的に対し、一時的に許容的なローカル環境を形成し得る。例えば、低pHを有する組織中で活性化されたCAR-T細胞は、CAR構築物中に存在する細胞質ドメインに応じて、微小環境のpHをさらに低下させ得る。その他の場合、サイトカイン放出症候群およびその他の養子細胞療法に関連する罹患率は、血液の重炭酸塩緩衝能の低下を生じて、乳酸アシドーシスに繋がり得る。静脈内注入により投与された養子細胞療法剤は、一時的肺の閉じ込めを生じる。いくつかの細胞療法の場合、注入速度は、溶存酸素の常時モニタリングを必要とする(Fischer et al.Stem Cells Dev.2009 Jun;18(5):683-691)。肺の閉じ込めの程度は、細胞サイズ、活性化状態、細胞投与量、および注入速度に依存する。Cruzら(Cytotherapy.2010 Oct;12(6):743-749)は、300回を超えるT細胞の注入から、低用量および低速注入は、肺の閉じ込めを減らす場合があるという有害所見を報告している。しかし、特定の高効力のCAR-T細胞を用いて、肺内皮上の、たとえ低いレベルで存在するHer2などの標的でも(Morgan et al.Mol Ther.2010 Apr;18(4):843-851)、注入後の肺中で、初期の高いCAR-T細胞濃度およびこれらの組織中のT細胞標的の存在に起因して、制御不能の速発毒性を生じることがあり、急速な患者の衰弱をもたらす。他の事例では、胆管などの他のオフターゲット組織中のT細胞標的の存在は、ステロイドまたは細胞除去エピトープなどの他の薬剤が利用できる前に、制御不能のオンターゲット・オフ腫瘍毒性(Lamers Mol Ther.2013 Apr;21(4):904-12)、および重度臓器毒性を生じ得る。静脈および動脈プラズマはアシドーシスに対し強力緩衝能を有するが、呼吸性アシドーシス、ショック、代謝アシドーシスおよび虚血性アシドーシスの条件は、養子細胞療法で治療した癌を有する患者で発生し得る。
本明細書で提供されるいくつかの態様では、対象中のCAB-CARの結合は、対象に血液、組織および/または微小環境のpHを上げるまたは下げる薬剤を投与することにより、調節できる。いくつかの態様では、対象中のオンターゲット・オフ腫瘍毒性は、対象に血液のpH、および/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを上げるまたは下げる薬剤を投与することにより、軽減できる。いくつかの態様では、T細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合は、血液のpH、および/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを上げるまたは下げる薬剤を導入することにより、制御できる。いくつかの態様では、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞の対象中の標的哺乳動物細胞に対するインビボ結合は、pH調節薬剤を対象に投与することにより、制御できる。例示的実施形態では、血液のpH、および/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを上げることができる。いくつかの実施形態では、微小環境は、インビボ微小環境であり得る。例示的実施形態では、微小環境は、腫瘍微小環境であり得る。いくつかの実施形態では、微小環境には、標的哺乳動物細胞を含むことができ、標的哺乳動物細胞はその表面上に標的抗原を発現している。いくつかの実施形態では、薬剤の対象への投与により、血液のpH、組織および/または微小環境のpHを、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満のpHから、少なくとも6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、または7.6のpHへ高めることができ、血液、組織、および/または微小環境のpHは、薬剤の投与後より、薬剤の投与前の方が低い。いくつかの実施形態では、薬剤の対象への投与により、血液のpH、組織または微小環境のpHを、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、または7.6超のpHから、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHへ低下させることができ、血液、組織、および/または微小環境のpHは、薬剤の投与後より、薬剤の投与前の方が高い。いくつかの実施形態では、対象への薬剤の投与は、対象の血液、組織および/または微小環境中でpHシフトを生じさせることができる。いくつかの実施形態では、薬剤の投与後のpHシフトは、薬剤の投与前のpHに比べて、少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、または1.8pH単位のいずれかの方向でのシフト、すなわち、pHの増加または低下であり得る。例示的実施形態では、pHシフトは、pHの増加である。
本開示のCAB-CARは、別のpHと1pHの違いでその同族抗原に対する結合を低下させたかもしれない。最も広い態様において、CAB-CARの特異的結合のための例示的pH値がまだ与えられていない例示的実施形態では、および一方で、このような態様に対するこれらの値の代わりにその他の実施形態に関して、CAB-CARが、より低いpHに比べて、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHの場合より、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。他の実施形態では、CAB-CARは、より低いpHの場合より、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHの場合より、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。いくつかの例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4~7.6のpHに比べて、6.5~6.7のpHで増大した結合を示す。他の例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4のpHに比べて、6.7のpHで増大した結合を示す。他の実施形態では、CAB-CARは、血液のpHに比べて、腫瘍のpH中で増大した結合を示す。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、抗原特異的標的化領域標的化領域、ストーク、および細胞内活性化ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARはまた、共刺激ドメインも含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、腫瘍関連抗原に結合し得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合する。
血液、組織、または微小環境のpHの調節を含む方法では、微小環境のpHは、7.0未満から7.0超に高めることができる。例えば、pHは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHから、7.0、7.1、7.2、7.3、または7.4超のpHに高めることができる。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、増大したpHで同族抗原に結合できるが、薬剤の導入前には、微小環境のpHでは結合できない。特定の実施形態では、pHは、7.0未満から7.1~8.0のpHまで、または7.1~7.8のpHまで、または7.2~7.8のpHまで、または7.2~7.6のpHまで、または7.3~7.6のpHまで、7.4~7.8のpHまで、または7.4~7.6のpHまで、高めることができる。このようなpHの増大は、投与される薬剤の種類と投与量に応じて、1、2、4、6、8、12、または24時間未満で、または1、2、4、6、8、12、または24時間超で起こり得る。特定の実施形態では、薬剤は、腫瘍などの標的組織中で、および例えば、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも表面中で、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも一部で、および例示的実施形態では、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境全体を通して、pHが、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超に;または範囲の下端値の7.0、7.1、7.2、7.3と、範囲の上端値の7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8との間に留まるように、投与される。微小環境は、腫瘍、組織、非腫瘍組織、正常組織、または一時的なpHシフトを受けた組織などのインビボ微小環境であり得る。例えば、通例、一時的なpHシフトを受ける組織には、嫌気性条件における筋組織または運動している筋組織または炎症性組織または炎症を生じている組織が含まれる。標的哺乳動物細胞を含むいくつかの実施形態では、標的哺乳動物細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞または正常細胞であり得る。
いくつかの態様では、一時的に血管pHを高めて、微小環境的に制御された、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープを認識する、それらに結合できる、およびいくつかの実施形態では、それらに結合するCAB-CARの親和性を低減させる方法が提供される。血液pHの0.4Uのシフトは、CAB-CARの一部を形成する、特定のscFvのそれらの同族抗原に対する親和性を、10倍超、低下させることができる。いくつかの実施形態では、治療のためのpH制御は、種々の薬剤のIVまたは経口投与経路を介して達成できる。例えば、いくつかの実施形態では、結合親和性の不活性化は、重炭酸塩または重炭酸ナトリウムを用いて達成できる。他の実施形態では、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(トロメタミン、トロメタモール、およびTHAMとしても知られる)および/またはCarbicarb(商標)(重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとの等モル高張性溶液)を利用して、オンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減するのに十分な量で血液のpHを高めることができる。さらにその他の実施形態では、小分子プロトンポンプ阻害剤を利用して、オンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減するのに十分な量で、血液pHおよび/または組織pHを高めることができる。pH調節を含む方法で使用できるプロトンポンプ阻害剤には、限定されないが、エスオメプラゾール(Nexium)、エスオメプラゾールおよびナプロキセン(Vimovo)、ランソプラゾール(Prevacid)、オメプラゾール(PrilosecおよびZegerid)、およびラベプラゾール(Aciphex)が挙げられる。プロトンポンプ阻害剤の投与を効果的に長期間にわたり使用して、数日、数週間、数ヶ月、または数年にわたり、抗原結合ドメインのその同族抗原に対する結合親和性を調節できる。他の実施形態では、抗原結合ドメインのその同族抗原に対する親和性を、血液pHおよび/または組織pHを変えることにより、転写、翻訳、膜発現、およびトランスポーターおよびポンプの安定性を制御して、調節できる。変えられた発現がpHを調節するためであり得る、このようなトランスポーターおよびポンプの例には、限定されないが、プロトンポンプ、ナトリウムプロトン交換ファミリー(NHE)のメンバー、重炭酸塩トランスポーターファミリー(BCT)、およびモノカルボン酸トランスポーターファミリーが挙げられる。
特定の実施形態では、例えば、重炭酸塩、THAM、またはCaricarb(商標)などのpH調節薬剤は、条件的活性型生物学的ASTR(例えば、scFvまたはscFvFc)を発現している患者のCAR-T細胞の注入の前に、またはそれと同時に投与される。このような処理は、これをしなければ、CAR-T細胞注入の一時的肺の閉じ込めを伴う即時細胞毒性を軽減する。したがって、特定の態様では、本明細書で提供されるのは、血液pHおよび/または組織pHおよび/または微小環境pHを高めるのに十分な量で薬剤を対象に投与することにより、対象の正常な健康組織に生ずる細胞傷害性を低減し;および同時にまたは後続して(例えば、1、2、4、6、8、12、または24時間後、または1、2、3、4、または7日後に)、CAB-CAR発現T細胞またはNK細胞を対象中に導入する方法である。特定の実施形態では、このような導入後の目標時間(例えば、1、2、4、6、8、12、または24時間後、または1、2、3、4、または7日後)で、薬剤の投与は、対象の血液、組織、または微小環境のpHを変えて、CAB-CAR発現T細胞の結合/活性を調節するために、一定期間にわたりまたは無期限に終結される。
当業者ならわかるように、pHを調節できる(例えば、対象の血液pHおよび/または組織pHおよび/または微小環境pHを高める)薬剤の投与のための種々の効果的投与計画を使用できる。本明細書では、投与は、薬剤をIVにより対象に注射することまたは薬剤の患者への経口投与または対象が薬剤を摂取することを含む、薬剤を対象に投与することを意味し得る。薬剤は、対象または患者に種々の時間長さにわたり、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6日間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週間;3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、もしくは18ヶ月;または2、2.5、3、3.5、4、4.5、もしくは5年間または無期限の期間にわたり投与し得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、重炭酸塩、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、または重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの溶液とすることができ、非経口またはIV投与量は次記であり得る:0.2x対象の体重(kg)x対象の塩基欠乏;必要HCO3(mEq)=0.5x体重(kg)x[24-血清HCO3(mEq/L)];または4~8時間にわたる2~5mEq/kg IV注入。いくつかの実施形態では、重炭酸塩/重炭酸ナトリウム、または重炭酸ナトリウムの溶液の標準的投与計画がアシドーシスの重症度に応じて使用できる。1Lの水中5%デキストロースに希釈した50~150mEqの重炭酸塩を、IV経由、1~1.5L/時間の速度で投与できる。別の非限定的例では、1Lの水中5%デキストロースに希釈した90~180mEqの重炭酸塩を、IV経由、1~1.5L/時間の速度で投与できる。薬剤が重炭酸塩または重炭酸ナトリウム(NaHCO3)であるいくつかの実施形態では、腸内または経口投与量は、例えば、325~2000mgの重炭酸ナトリウムの1~4回/日の対象への投与とすることができる。
いくつかの実施形態では、薬剤は、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(トロメタミン、トロメタモール、およびTHAMとしても知られる)とすることができ、非経口またはIV投与量は次記であり得る:必要なトロメタミン溶液(0.3Mの溶液のmL)=体重(kg)x塩基欠乏(mEq/リットル)x1.1。いくつかの実施形態では、トリスヒドロキシメチルアミノメタンのIV投与量は、シガールアンダーセン計算図表により決定した、mEq/L単位の細胞外液の緩衝塩基欠乏から推定できる。いくつかの実施形態では、初期投与量は、遅いIV輸注により注入される500ml(150mEq)(最大1000mLまで)のトリスヒドロキシメチルアミノメタンとすることができ、最大投与量は、1時間以上にわたる500mg/kg(227mg/lb)の投与量である。
いくつかの実施形態では、薬剤は、小分子プロトンポンプ阻害剤とすることができ、長期治療長さにわたり投与できる。例えば、小分子プロトンポンプ阻害剤は、少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6日間;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週間;3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、もしくは18ヶ月;または2、2.5、3、3.5、4、4.5、もしくは5年間または無期限の期間にわたり投与し得る。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、エスオメプラゾール(Nexium)とすることができ、20mgまたは40mgのエスオメプラゾールを1日1回または2回経口投与できる。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、エスオメプラゾールおよびナプロキセン(Vimovo)の組み合わせとすることができ、20mgのエスオメプラゾールと375または500mgのナプロキセンを一緒に1日2回経口投与できる。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、ランソプラゾール(Prevacid)とすることができ、15、30、または60mgのランソプラゾールを1日1回または2回経口投与できる。いくつかの実施形態では、ランソプラゾールは、IVにより30mgのランソプラゾールを1日1回30分間にわたり、最大7日間まで投与できる。その後、対象は、経口ランソプラゾールに切り替え、治療を継続できる。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール(PrilosecおよびZegerid)とすることができ、10、20mgまたは40mgのオメプラゾールを1日1回または2回経口投与できる。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、ラベプラゾール(Aciphex)とすることができ、20または60mgのラベプラゾールを1日1回または2回経口投与でき、または100mgのラベプラゾールを1日1回経口投与できる。本明細書で開示のいずれかの実施形態では、薬剤は相互に組み合わせて使用できる。
本明細書で開示される実施形態のいずれかでは、対象の血液、組織および/または微小環境、のpHを、薬剤の投与の前、その間、またはその後に測定できる。いくつかの実施形態では、対象に対するpHを高めるまたは低下させる薬剤の投与または投与継続の決定は、対象の血液、組織、および/または微小環境のpH測定をベースにすることができる。対象の血液のpHおよび/または血液の重炭酸塩レベルは当該技術分野において周知である。いくつかの実施形態では、陽電子放出断層撮影(PET)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像(MRI)、および光学画像を用いて、微小環境、例えば、腫瘍中のインビボpHを測定できる(腫瘍のpH測定の詳細については、Zhang X,Lin Y,Gillies RJ.Tumor pH and its measurement.J Nucl Med.2010 Aug;51(8):1167-70を参照されたい)。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減する方法であり、該方法は、次記を含む:
a.条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)をコードするポリヌクレオチドを対象のT細胞またはNK細胞中に導入し、CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を生成し、CAB-CARが、Axlポリペプチドもしくはそのエピトープ、またはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるステップ;
b.CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を、対象に導入し、T細胞および/またはNK細胞が、対象中でCAB-CARを発現するステップ;および
c.対象に、血液のpHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量の薬剤を投与し、血液、組織、および/または微小環境中のCAB-CARのその同族抗原に対する結合を、高められたpHにより調節し、それにより、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減するステップ。
導入ステップでは、T細胞またはNK細胞がCAB-CARをコードする核酸を含むように遺伝子改変されているために、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるCAB-CARを発現できる。この遺伝子改変は、遺伝子導入または形質導入によりT細胞またはNK細胞の内部に導入されているベクター上のCAB-CARコード配列の存在であり得る。例示的実施形態では、CAB-CARをコードする核酸は、T細胞またはNK細胞のゲノムに組み込まれる。
当該技術分野において既知のポリヌクレオチドをT細胞および/またはNK細胞中にポリヌクレオチドを導入する各種方法を、本明細書で提供されるCAB-CAR T細胞またはNK細胞の、細胞上のその同族抗原に対する結合に影響を与えるように、pH調節薬剤などの薬剤を用いて、pHを変えることを含む態様(本明細書においては、「pH切り替え態様」と称することもある)のための方法で使用可能であることが想定される。通常、ベクター、例示的実施例では、発現ベクターがポリヌクレオチドの送達に使用される。このようなベクターには、核酸をT細胞および/またはNK細胞に送達するための当技術分野において既知の種々のベクターが含まれる。本発明の例示的態様は、レトロウイルスベクターおよびレトロウイルス粒子を利用し、いくつかの具体的な例示的実施形態では、レンチウイルスベクター、例示的実施形態では、組換えレンチウイルス粒子を利用する。
その他の好適な発現ベクターを、本明細書で提供されるpH切り替え態様で使用できる。このような発現ベクターには、限定されないが、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;アデノウイルスに基づくウイルスベクター(例えば、Li et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 35:2543 2549,1994;Borras et al.,Gene Ther 6:515 524,1999;Li and Davidson,PNAS 92:7700 7704,1995;Sakamoto et al.,H Gene Ther 5:1088 1097,1999;国際公開第94/12649号、国際公開第93/03769号;国際公開第93/19191号;国際公開第94/28938号;国際公開第95/11984号、および国際公開第95/00655号参照);アデノ関連ウイルス(例えば、Ali et al.,Hum Gene Ther 9:81 86,1998,Flannery et al.,PNAS 94:6916 6921,1997;Bennett et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 38:2857 2863,1997;Jomary et al.,Gene Ther 4:683 690,1997,Rolling et al.,Hum Gene Ther 10:641 648,1999;Ali et al.,Hum Mol Genet 5:591 594,1996;国際公開第93/09239号中のSrivastava、Samulski et al.,J.Vir.(1989)63:3822-3828;Mendelson et al.,Virol.(1988)166:154-165;and Flotte et al.,PNAS(1993)90:10613-10617参照);SV40;単純ヘルペスウイルス;またはレトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ならびにラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺腫瘍ウイルスなどのレトロウイルスに由来するベクター)、例えば、γレトロウイルス;またはヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshi et al.,PNAS 94:10319 23,1997;Takahashi et al.,J Virol 73:7812 7816,1999参照);などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、DNA含有ウイルス粒子が、組換えレトロウイルス粒子の代わりに利用される。このようなウイルス粒子は、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウィルス、ポックスウイルス、トリポックスウイルス、インフルエンザウイルス、疱性口内炎ウイルス(VSV)、またはシンドビスウイルスであり得る。当業者なら、異なるウイルスおよびレトロウイルスを用いて使用するために、本明細書で開示される方法を変更する方法がわかるであろう。DNAゲノムを含むウイルス粒子が使用される場合、当業者なら、機能単位がこのようなゲノム中に含められ、全てのまたは一部のウイルス粒子のDNAゲノムの、このようなウイルスで形質導入されたT細胞および/またはNK細胞のゲノムへの統合を誘導することを理解するであろう。あるいは、機能的DNAは、細胞中で発現されているT細胞および/またはNK細胞に送達できるが、T細胞および/またはNK細胞のゲノムに統合されない。
例示的実施形態では、本開示のpH切り替え態様で使用されるベクターは、組換えレトロウイルス粒子および特定の実施形態では、組換えレンチウイルス粒子である。このようなレトロウイルス粒子は通常、ウイルスエンベロープ中に位置するカプシド内にレトロウイルスゲノムを含む。本明細書の種々のセクションにおける本開示は、組換えレトロウイルス粒子の表面上またはその粒子内、および/または組換えレトロウイルス粒子のゲノム中に含むことができる要素を開示する、組換えレトロウイルス粒子の種々の実施形態を提供する。これらの組換えレトロウイルス粒子の実施形態のいずれかを、本明細書で提供されるpH切り替え態様で使用できる。
上記で開示の実施形態のいずれかでは、CAB-CARが結合する同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり得る。いくつかの実施形態では、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープの一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するポリペプチドであり得る。本明細書で開示のように、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるCAB-CARは通常、7.4のpHの場合より、6.7のpHで、より高い結合親和性でその同族抗原に結合する。したがって、本開示のこのような抗Ror2および抗AXL CAB-CARは通常、生理学的pHを有する正常組織よりも、腫瘍微小環境中で、より高い結合親和性でそれらの同族抗原に結合する。
治療方法
本開示は、本明細書で提供される抗AXlまたは抗Ror2 CAB-CARを含む、障害に対する種々の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、本開示のCAB-CARが、Tリンパ球またはNK細胞中に存在し、その細胞に発現されている場合、標的細胞に対する細胞傷害性を媒介できるという事実を利用する。本開示のCAB-CARは、特定の標的条件下で、標的細胞上に存在する抗原に結合し、それにより、CAB-CARを生成するように遺伝子改変されたTリンパ球またはNK細胞による標的細胞の死滅を媒介する。CAB-CARのASTRは通常、標的細胞表面上に存在する抗原に結合する。
標的細胞には、限定されないが、癌細胞が含まれる。したがって、本開示は、標的癌細胞の死滅、または増殖抑制方法を提供し、該方法は、当該CARを生成するように遺伝子改変された細胞傷害性免疫エフェクター細胞(例えば、細胞傷害性T細胞、またはNK細胞)を接触させて、それにより、Tリンパ球またはNK細胞が標的癌細胞の表面上に存在する抗原を認識し、標的細胞の死滅を媒介することを含む。このような方法の例示的態様は、癌治療するための方法を提供する。CAB-CARは、癌の治療または腫瘍または癌細胞の標的化のために使用することに限定されず、むしろ、循環障害、関節炎、多発性硬化症、自己免疫障害、皮膚疾患、ウイルス性疾患および障害の治療を含む1つまたは複数の適応症での使用ならびに種々の診断フォーマットでの使用に好適するであろう。
特定の態様では、本開示は、癌を有する対象の癌を治療する方法を提供する。従って、本開示は、癌に対する養子細胞療法、特に、AxlまたはRor2を発現する癌に対し、本明細書で提供される抗AXlおよび抗Ror2 CAB-CARを使用する方法を提供する。したがって、一態様では、方法は、次記を含む:A.本明細書で提供されるAxlまたはRor2に対するCAB-CARをコードするポリヌクレオチド配列を発現するように構成された発現ベクターを、対象から得た末梢血細胞中に導入し、遺伝子改変細胞傷害性細胞(T細胞またはNK細胞など)を生成するステップ;およびB.遺伝子改変細胞傷害性細胞を対象に投与するステップ。上記ステップAの例示的実施形態を提供する細胞を、活性化、形質導入および通常は増殖するために、T細胞を処理する詳細な方法が、本明細書で提供される。
癌は通常、それぞれ、Ror2またはAxlを発現し、例示的実施形態では、癌は、このような癌の細胞がRor2および/またはAxlを発現する、腎細胞癌などのいずれかの癌である。CARは、本明細書で開示のAxlまたはRor2を認識するいずれかのCAB-CAR、特に、これらの抗原を発現している癌細胞に対し細胞傷害性であるCAB-CARである。T細胞および/またはNK細胞を含む末梢血白血球を、ベクターを用いて形質導入することにより、抗AXl CAB-CARまたは抗Ror2 CAB-CARをコードする発現ベクターを、末梢血細胞中に導入できる。特定の例示的実施形態では、ベクターは、組換えウイルス、例えば、いくつかの実施形態では、組換えレンチウイルスである、組換えレトロウイルスである。いくつかの実施形態では、癌は、Ror2を発現している軟部肉腫または中皮腫であり、対象(例えば、軟部肉腫患者または中皮腫患者)のT細胞および/またはNK細胞は、抗Ror2 CAR、例えば、本明細書で開示の抗Ror2 CAB-CARを形質導入される。
本明細書で提供される障害を治療する方法は通常、本明細書で提供される抗AXlまたは抗Ror2 CAB-CARを発現する遺伝子改変T細胞またはNK細胞を対象に投与することを含む。投与は、例えば、静脈内投与、皮下投与、または腫瘍内投与であり得る。遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞が静脈内投与される方法では、通常、1x104細胞/kg~1x108細胞/kgが非経口的投与用の好適な緩衝液に入れて投与される。遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞が腫瘍内投与される方法では、通常、1x106細胞~5x108細胞が等張性溶液に入れて投与される。
いくつかの実施形態では、投与は、インターロイキンまたはその改変型の投与の前に、それに付随しておよび/または、その後に行われる。例えば、本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、IL-2、または徐放性を有し、および/またはT細胞の増殖および/または殺作用活性を活性化する方向に偏らせる特定のIL-2受容体に結合するIL-2の改変型の同時投与を含む。例えば、改変IL-2は、特定の実施形態では、ペグ化IL-2であり、NKTR-214(Nektar Therapeutics,San Francisco,CA)であり得る。他の実施形態では、改変IL-2は、ALKS4230(Alkermes,Inc)である。
本明細書で開示の方法による治療に適用できる癌腫には、限定されないが、食道癌、肝細胞癌、基底細胞癌(皮膚癌の1つの形)、扁平上皮細胞癌(種々の組織)、移行上皮癌(膀胱の悪性新生物)を含む膀胱癌、気管支原性癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃癌、小細胞癌および非小細胞肺癌を含む肺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、腎細胞癌、乳管内上皮内癌または胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、骨原性癌、上皮癌、および上咽頭癌が挙げられる。
本明細書で開示の方法による治療に適用できる肉腫には、限定されないが、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、およびその他の軟組織肉腫が挙げられる。
本明細書で開示の方法による治療に適用できる他の固形腫瘍には、限定されないが、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、およびその他の軟組織肉腫が挙げられる。
本明細書で開示の方法による治療に適用できる白血病には、限定されないが、a)慢性骨髄増殖性症候群(多能性造血幹細胞の腫瘍性疾患);b)急性骨髄性白血病(多能性造血幹細胞または制限された系統細胞への分化能を有する造血幹細胞の腫瘍性転化);c)B細胞CLL、T細胞CLL前リンパ球性白血病および有毛細胞白血病を含む、慢性リンパ性白血病(CLL;免疫学的に未熟で、機能的に不適格な小リンパ球のクローン性増殖);およびd)急性リンパ性白血病(リンパ芽球の蓄積により特徴づけられる)が挙げられる。当該方法を用いて治療できるリンパ腫には、限定されないが、B細胞リンパ腫(例えば、バーキットリンパ腫);ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫、などが挙げられる。
本明細書で開示される方法による治療に適用できる他の癌には、非定型髄膜腫(脳)、膵島細胞癌(膵臓)、髄様癌(甲状腺)、間葉腫(腸)、肝細胞癌(肝臓)、肝芽腫(肝臓)、明細胞癌(腎臓)、および縦隔神経芽腫が挙げられる。
併用療法
いくつかの実施形態では、CAR細胞は、標準的癌療法に対する補助療法として投与される。標準的癌療法には、手術(例えば、癌性組織の外科的除去)、放射線療法、骨髄移植、化学療法的治療、抗体治療、生物学的応答調節物質治療、および前述の方法の特定の組み合わせが挙げられる。
放射線療法には、限定されないが、外部から適用されるビームなどの発生源から、または小型放射性源の埋め込みにより送出されるX線またはγ線が挙げられる。
癌治療に使用される好適な抗体には、限定されないが、裸の抗体(naked antibody)、例えば、トラスツズマブ(ベバシズマブ(アバスチン(商標))、セツキシマブ(アービタックス(商標))、パニツムマブ(ベクティビックス(商標))、イピリムマブ(ヤーボイ(商標))、リツキシマブ(リツキサン)、アレムツズマブ(LEMTRADA(商標))、オファツムマブ(アーゼラ(商標))、オレゴボマブ(オバレックス(商標))、ラムブロリズマブ(MK-3475)、ペルツズマブ(パージェタ(商標))、ラニビズマブ(ルセンティス(商標))、など、およびコンジュゲート抗体、例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylortarg(商標))、ブレンツキシマブベドチン、90Y標識イブリツモマブチウキセタン(ゼバリン(商標))、131I標識トシツモマブ(アドセトリス(商標))、(ベキサール(商標))、などが挙げられる。癌治療に使用される好適な抗体には、限定されないが、腫瘍関連抗原に対し産生された抗体が挙げられる。このような抗原には、限定されないが、CD20、CD30、CD33、CD52、EpCAM、CEA、gpA33、ムチン、TAG-72、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えば、GD2、GD3、GM2、など)、Ley、VEGF、VEGFR、インテグリンアルファ-V-ベータ-3、インテグリンアルファ-5-ベータ-l、EGFR、ERBB2、ERBB3、MET、IGFlR、EPHA3、TRAILRl、TRAILR2、RANKL、PAP、テネイシン、などが挙げられる。
本開示の方法に関連して使用に好適する生物学的応答調節物質には、限定されないが、(1)チロシンキナーゼ(RTK)活性阻害剤;(2)セリン/トレオニンキナーゼ活性阻害剤;(3)腫瘍関連抗原アンタゴニスト、例えば、腫瘍抗原に特異的に結合する抗体;(4)アポトーシス受容体アゴニスト;(5)インターロイキン-2;(6)インターフェロンα;(7)インターフェロンγ;(8)コロニー刺激因子;(9)血管新生阻害剤;および(10)腫瘍壊死因子のアンタゴニストが挙げられる。
化学療法剤は、癌細胞の増殖を低減させる非ペプチド(すなわち、タンパク質性)化合物であり、細胞傷害薬および細胞分裂阻害剤を包含する。化学療法剤の非限定的例には、アルキル化剤、ニトロソウレア、代謝拮抗物質、抗腫瘍抗生物質、植物(ビンカ)アルカロイド、およびステロイドホルモンが挙げられる。
細胞増殖を低減させる作用をする薬剤は、当技術分野において既知であり、広く使用されている。このような薬剤には、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、およびトリアゼンなどのアルキル化剤が含まれ、これらには、限定されないが、メクロレタミン、シクロホスファミド(シトキサン(商標))、メルファラン(L-サルコリシン)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル-CCNU)、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、ダカルバジン、およびテモゾロミドが挙げられる。
代謝拮抗剤には、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤が含まれ、これらには、限定されないが、シタラビン(CYTOSAR-U)、シトシンアラビノシッド、フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(FudR)、6-チオグアニン、6-メルカプトプリン(6-MP)、ペントスタチン、5-フルオロウラシル(5-FU)、メトトレキセート、10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸(PDDF、CB3717)、5,8-ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF)、ロイコボリン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビンが挙げられる。
好適な天然産物ならびにこれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、およびエピポドフィロトキシン)には、限定されないが、Ara-C、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、アザチオプリン;ブレキナル;アルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、など;ポドフィロトキシン、例えば、エトポシド、テニポシド、など;抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ダウノルビシン塩酸塩(ダウノマイシン、ルビドマイシン、cerubidine)、イダルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、およびモルホリノ誘導体、など;フェノキシゾンビスシクロペプチド、例えば、ダクチノマイシン;塩基性グリコペプチド、例えば、ブレオマイシン;アントラキノングリコシド、例えば、プリカマイシン(ミトラマイシン);アントラセンジオン、例えば、ミトキサントロン;アジリノピロロインドールジオン、例えば、マイトマイシン;大環状免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、FK-506(タクロリムス、プログラフ)、ラパマイシン、など;などが挙げられる。
他の抗増殖性細胞傷害薬は、ナベルベン、CPT-11、アナストロゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、シクロホスファミド、ifosamide、およびドロロキサフィンである。
抗増殖性作用を有する微小管作用剤もまた、使用に好適し、限定されないが、アロコルヒチン(Allocolchicine、NSC 406042)、ハリコンドリンB(NSC 609395)、コルヒチン(NSC 757)、コルヒチン誘導体(例えば、NSC 33410)、ドラスタチン10(NSC 376128)、メイタンシン(NSC 153858)、リゾキシン(NSC 332598)、パクリタキセル(タキソール(登録商標)、タキソール(登録商標)誘導体、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、チオコルヒチン(NSC 361792)、トリチルシステイン)、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン;エポチロンA、エポチロンB、ディスコデルモリド、エストラムスチン、ノコダゾール(これらに限定されない)を含む天然および合成エポチロン、などが挙げられる。
使用に好適するホルモン調節薬およびステロイド(合成類似体を含む)には、限定されないが、副腎皮質ステロイド、例えば、プレドニゾン、デキサメタゾンなど;エストロゲンおよびプロゲスチン、例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、メゲストロール酢酸エステル、エストラジオール、クロミフェン、タモキシフェン;など;および副腎皮質抑制剤、例えば、アミノグルテチミド;17α-エチニルエストラジオール;ジエチルスチルベストロール、テストステロン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ロイプロリド、フルタミド(ドロゲニル)、トレミフェン(フェアストン)、およびゾラデックス(登録商標)が挙げられる。エストロゲンは、増殖および分化を刺激し、したがって、エストロゲン受容体に結合する化合物は、この活性を阻止するために使用される。副腎皮質ステロイドは、T細胞増殖を阻害し得る。
その他の化学療法剤には、金属錯体が含まれ、これには、例えば、シスプラチン(シス-DDP)、カルボプラチン、など;尿素、例えば、ヒドロキシ尿素;およびヒドラジン、例えば、N-メチルヒドラジン;エピポドフィロトキシン;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;ロイコボリン;テガフール;などが挙げられる。その他の着目すべき抗増殖剤には、免疫抑制剤、例えば、ミコフェノール酸、サリドマイド、デオキシスパガリン、アザスポリン、レフルノミド、ミゾリビン、アザスピラン(SKF105685);イレッサ(登録商標)(ZD1839、4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-メトキシ-6-(3-(4-モルホリニル)プロポキシ)キナゾリン);などが挙げられる。
「タキサン」は、パクリタキセル、ならびに任意の活性タキサン誘導体またはプロドラッグを含む。「パクリタキセル」(これは、本明細書では、類似体、製剤、および誘導体、例えば、ドセタキセル、タキソール(商標)、タキソテール(商標)(ドセタキセルの製剤)、パクリタキセルの10-デスアセチル類似体およびパクリタキセルの3’N-デスベンゾイル-3’N-t-ブトキシカルボニル類似体を含むと理解されるべきである)は、当業者に既知の技術を利用して容易に作製し得る(国際公開第94/07882号、同第94/07881号、同第94/07880号、同第94/07876号、同第93/23555号、同第93/10076号;米国特許第5,294,637号;同第5,283,253号;同第5,279,949号;同第5,274,137号;同第5,202,448号;同第5,200,534号;同第5,229,529号;および欧州特許第590,267号も参照されたい)、または例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo.を含む、種々の市販品入手源から入手し得る(セイヨウイチイ由来のT7402;または紅豆杉由来のT-1912)。
パクリタキセルは、一般的に化学的に利用可能なパクリタキセルの形態のみでなく、類似体および誘導体(例えば、上述のように、タキソテール(商標)ドセタキセル)およびパクリタキセルコンジュゲート(例えば、パクリタキセル-PEG、パクリタキセル-デキストラン、またはパクリタキセル-キシロース)を意味すると理解されるべきである。
また、用語の「タキサン」に含まれるのは、親水性誘導体、および疎水性誘導体を含む既知の種々の誘導体である。タキサン誘導体には、限定されないが、国際公開第99/18113号に記載のガラクトースおよびマンノース誘導体;国際公開第99/14209号に記載のその他の誘導体;国際公開第99/09021号、国際公開第98/22451号、および米国特許第5,869,680号に記載のタキサン誘導体;国際公開第98/28288号に記載の6-チオ誘導体;米国特許第5,821,263号に記載のスルフェンアミド誘導体;および米国特許第5,415,869号に記載のタキソール誘導体が挙げられる。タキサンは、パクリタキセルのプロドラッグをさらに含み、これには、限定されないが、国際公開第98/58927号;国際公開第98/13059号;および米国特許第5,824,701号に記載のものが含まれる。
治療に好適する対象
種々の対象が癌を治療する方法を用いて治療するのに好適する。好適な対象には、癌である、癌と診断されたことがある、癌を発症する危険がある、過去に癌であり、癌の再発の危険がある、癌のための薬剤で治療したことがあり、このような治療に応答しなかった、または 癌のための薬剤で治療したことがあるが、このような治療に対する初期の応答後に再発した、任意の個体、例えば、ヒトまたは非ヒト動物を含む。
免疫調節法による治療に好適する対象には、自己免疫障害の個体;臓器または組織移植患者である個体;など;免疫無防備状態の個体;および病原体に感染した個体が含まれる。
例示的実施形態
本開示は、Axlおよび/またはRor2に結合する、キメラ抗原受容体(CAR)、およびCARをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、ならびに、AXlおよびRor2に結合する条件的活性型CARを提供する。本開示は、CARを生成するように遺伝子改変された細胞、およびこのような細胞を作製する方法を提供する。本開示のCARは、各種方法で使用でき、CAR療法、例えば、癌、例えば、腎細胞癌に対するCAR療法などの養子免疫細胞療法の実施方法を含む方法も提供される。
本開示の態様であるいくつかの非限定的例示的実施形態が次の実施形態で提供される:
実施形態1.下記を含む、AxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体(CAR):
a)7.4のpHに比べて、6.7のpHでAxlまたはRor2に対し増大した結合を示す、条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態A1.下記を含む、AxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体(CAR):
a)正常な生理的環境に比べて、腫瘍微小環境中および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で活性の増加(すなわち、より大きい活性)を示す、AxlまたはRor2に結合する条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態A2.別義が明示的に記述されない限り、ASTRは、抗体、抗原、リガンド、リガンドの受容体結合ドメイン、受容体、受容体のリガンド結合ドメイン、およびアフィボディである、実施形態1またはA1に記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A3.別義が明示的に記述されない限り、ASTRは、抗体フラグメントである、実施形態A2に記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A4.別義が明示的に記述されない限り、条件的活性型ASTRが、対応する生理的条件に比べて、腫瘍微小環境中および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で、抗原結合の増大を示し、腫瘍微小環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件が、低酸素、酸性pH、より高濃度の乳酸、より高濃度のヒアルロン酸、より高濃度のアルブミン、より高濃度のアデノシン、より高濃度のR-2-ヒドロキシグルタル酸、およびより低い栄養素利用可能性からなる群より選択される、実施形態1またはA1~A3のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A5.別義が明示的に記述されない限り、条件的活性型ASTRが、7.4のpHに比べて、6.7のpHで抗原結合の増大(またはより高い抗原結合)を示す、実施形態A1~A4のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A6.別義が明示的に記述されない限り、細胞内活性化ドメインは、ヒトCD3Z活性化ドメイン、ヒトCD3D活性化ドメイン、ヒトCD3E活性化ドメイン、ヒトCD3G活性化ドメイン、ヒトCD28活性化ドメイン、ヒトCD79A活性化ドメイン、ヒトDAPIO活性化ドメイン、ヒトDAP12活性化ドメイン、ヒトFCERlG活性化ドメイン、ヒトCD137活性化ドメイン、またはヒトZAP70活性化ドメインである、実施形態1またはA1~A5のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A7.別義が明示的に記述されない限り、細胞内活性化ドメインとは異なるアミノ酸配列を有する第1、第2、第3、または第4の共刺激ドメインをさらに含む、実施形態1またはA1~A6のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A8.別義が明示的に記述されない限り、第1、第2、第3および/または第4の共刺激ドメインが、4-1BB(CD137)、B7-H3、CD2、CD7、CD27、CD28、Lck結合欠失CD28(ICΔ)、ICOS、OX40、BTLA、CD27、CD30、CD40、GITR、HVEM、LFA-1、LIGHT、NKG2C、PD-1、TILR2、TILR4、TILR7、TILR9、Fc受容体γ鎖、Fc受容体ε鎖、またはCD83に特異的に結合するリガンドを含む、実施形態A7に記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態A9.別義が明示的に記述されない限り、第1の共刺激ドメインは、共刺激活性を保持し、ヒトCD137共刺激ドメイン、ヒトCD28共刺激ドメイン、ヒトICΔ共刺激ドメイン、ヒトICOS共刺激ドメイン、ヒトOX40共刺激ドメイン、ヒトBTLA共刺激ドメイン、ヒトCD27共刺激ドメイン、ヒトCD30共刺激ドメイン、ヒトGITR共刺激ドメイン、またはヒトHVEM共刺激ドメインである、実施形態A7に記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCAR。
実施形態B1.別義が明示的に記述されない限り、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列を含むレトロウイルスゲノムを含み、実施形態1またはA1~A9のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCARをコードする、複製不能組換えレトロウイルス粒子。
実施形態B2.実施形態B1に記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子で遺伝子改変された単離組換えT細胞またはNK細胞。
実施形態B3.実施形態B1に記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子で遺伝子改変された単離組換えT細胞。
実施形態B4.実施形態B1に記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子、およびT細胞および/またはNK細胞を含む反応混合物。
実施形態B5.実施形態B1に記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子、およびT細胞を含む反応混合物。
実施形態C1.別義が明示的に記述されない限り、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むゲノムを含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCARをコードする、単離(例えば、組換えまたは遺伝子改変)T細胞またはNK細胞。
実施形態C2.単離細胞がT細胞である、実施形態C1に記載の単離(例えば、組換えまたは遺伝子改変)T細胞またはNK細胞。
実施形態C3.T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列を含み、1つまたは複数の核酸配列が、AxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体(CAR)をコードし、次記を含む、単離(例えば、組換えまたは遺伝子改変)T細胞および/またはNK細胞(特定の例示的実施形態では、T細胞):
a)7.4のpHに比べて、6.7のpHでAxlまたはRor2に対し増大した結合を示す、条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態D1.別義が明示的に記述されない限り、標的哺乳動物細胞を、T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、例示的実施形態では、6.0~6.8の範囲、6.1~6.9の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることを含み、T細胞および/またはNK細胞が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCARを発現し、標的哺乳動物細胞がAxlおよび/またはRor2を発現する、T細胞および/またはNK細胞を標的哺乳動物細胞に結合させる方法。
実施形態D2.標的哺乳動物細胞を、T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、例示的実施形態では、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることを含み、標的哺乳動物細胞がAxlまたはRor2を発現し、T細胞および/またはNK細胞が、それぞれAxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CARが次記を含む、T細胞および/またはNK細胞を標的哺乳動物細胞に結合させる方法:
a)7.4のpHに比べて、6.7のpHでAxlまたはRor2に対し増大した結合を示す、条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態D3.結合がT細胞および/またはNK細胞を活性化する、実施形態D1~D3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D4.標的哺乳動物細胞を、T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、例示的実施形態では、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることを含み、標的哺乳動物細胞がAxlまたはRor2を発現し、T細胞またはNK細胞が、それぞれAxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CARが次記を含む、T細胞またはNK細胞を活性化させる方法:
a)7.4のpHに比べて、6.7のpHでAxlまたはRor2に対し増大した結合を示す、条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態D5.CARが、別の実施形態、非限定的例示的実施例、実施形態1またはA1~A8に記載のいずれかである、実施形態D5に記載の方法。
実施形態D6.CARが、実施形態1またはA1~A8に記載のいずれかである、実施形態D5に記載の方法。
実施形態D7.活性化が、サイトカインの発現および/または生成および/または分泌の増大を含む、実施形態D3~D6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D8.活性化時に、T細胞および/またはNK細胞がIL-2またはIFN-γの発現を増大させる、実施形態D3~D7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D9.IL-2またはIFN-γの発現が、接触の前の、T細胞またはNK細胞により生成されるIL-2またはIFN-γの量に比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大される、実施形態D8に記載の方法。
実施形態D10.IL-2またはIFN-γの分泌が、接触の前の、T細胞またはNK細胞により分泌されるIL-2またはIFN-γの量に比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大される、実施形態D8に記載の方法。
実施形態D11.活性化時に、T細胞またはNK細胞の細胞傷害活性が、接触の前の、T細胞またはNK細胞の細胞傷害活性に比べて、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍超、増大される、実施形態D3~D7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D12.T細胞またはNK細胞の活性化後に、標的哺乳動物細胞が溶解される、実施形態D1~D11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D13.接触前に、T細胞またはNK細胞を、実施形態B1またはB2のいずれか1つに記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子で形質導入し、T細胞またはNK細胞を遺伝子改変して、CARを発現させることをさらに含む、実施形態D1~D12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D14.形質導入がエクスビボで実施される、実施形態D13に記載の方法。
実施形態D15.微小環境のpHを7.0以上(例えば、7.1、7.2、または7.3超)のpHに高め、それにより、T細胞またはNK細胞の活性化を低減させることをさらに含む、実施形態D1~D14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D16.微小環境のpHを7.0以上(例えば、7.1、7.2、または7.3超)のpHに高め、それにより、T細胞またはNK細胞を不活化することをさらに含む、実施形態D1~D14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D17.微小環境が腫瘍である、実施形態D1~D16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態D18.腫瘍がヒト対象中にある、請求項D17に記載の方法。
実施形態D19.微小環境がインビトロまたはエクスビボである、実施形態D1~D16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態E1.T細胞および/またはNK細胞を、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含む複製不能組換えレトロウイルス粒子と接触させることを含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードし、前記接触させることが、複製不能組換えレトロウイルス粒子によるT細胞および/またはNK細胞の形質導入を容易にし、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成する、リンパ球を遺伝子改変する方法。
実施形態F1.別義が明示的に記述されない限り、複製不能組換えレトロウイルス粒子が、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードし、方法が、T細胞および/またはNK細胞を接触させることを含み、前記接触させることが、複製不能組換えレトロウイルス粒子によるT細胞および/またはNK細胞の形質導入を容易にし、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成する、リンパ球を遺伝子改変する方法で使用するための複製不能組換えレトロウイルス粒子。
実施形態G1.別義が明示的に記述されない限り、方法が、T細胞および/またはNK細胞を、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含む複製不能組換えレトロウイルス粒子と接触させることを含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードし、前記接触させることが、複製不能組換えレトロウイルス粒子によるT細胞および/またはNK細胞の形質導入を容易にし、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成する、腫瘍増殖を治療するために、T細胞および/またはNK細胞を遺伝子改変する方法で使用するための複製不能組換えレトロウイルス粒子。
実施形態H1.別義が明示的に記述されない限り、キットの使用が、T細胞および/またはNK細胞を、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含む複製不能組換えレトロウイルス粒子と接触させることを含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードし、前記接触させることが、複製不能組換えレトロウイルス粒子によるT細胞および/またはNK細胞の形質導入を容易にし、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成する、T細胞および/またはNK細胞を遺伝子改変するためキットの製造における複製不能組換えレトロウイルス粒子の使用。
実施形態I1.別義が明示的に記述されない限り、複製不能組換えレトロウイルス粒子が、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードする、複製不能組換えレトロウイルス粒子およびその使用のための説明書を含む市販用容器。
実施形態J1.複製不能組換えレトロウイルス粒子を含む容器、およびその使用のための説明書を含むキットであって、説明書が、T細胞および/またはNK細胞を標的哺乳動物細胞に結合させる方法を教示し、方法は次記を含む:
a)別義が明示的に記述されない限り、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに動作可能に連結された1つまたは複数の核酸配列(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の核酸配列)を含むポリヌクレオチドをそのゲノム中に含み、1つまたは複数(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上)の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCARをコードする、T細胞および/またはNK細胞を複製不能組換えレトロウイルス粒子で形質導入すること;および
b)標的哺乳動物細胞を、形質導入T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、より一般的には、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることであって、T細胞および/またはNK細胞が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載のCARを発現し、標的哺乳動物細胞がAxlおよび/またはRor2を発現していること。
実施形態K1.別義が明示的に記述されない限り、標的哺乳動物細胞を、T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、より一般的には、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることを含み、T細胞および/またはNK細胞が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体を発現し、標的哺乳動物細胞がAxlおよび/またはRor2を発現している、T細胞および/またはNK細胞を活性化する方法。
実施形態K2.接触前に、T細胞またはNK細胞を、実施形態B1またはB2のいずれか1つに記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子で形質導入することをさらに含む、実施形態K1に記載の方法。
実施形態K3.活性化後に、T細胞および/またはNK細胞が、サイトカインの発現および/または生成および/または分泌を誘導する、実施形態K1に記載の方法。
実施形態K4.サイトカインがIL-2またはIFN-γからなる群から選択される、実施形態K3に記載の方法。
実施形態L1.別義が明示的に記述されない限り、標的哺乳動物細胞を、T細胞および/またはNK細胞と7.4未満のpH(例えば、pHは、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、または6.9未満、または5.8~7.0の範囲、より一般的には、6.0~6.8の範囲、6.2~6.8の範囲、または範囲の下端値の6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、および6.5、と、範囲の上端値の6.6、6.7、6.8、および6.9との間)の微小環境中で接触させることを含み、T細胞および/またはNK細胞が、実施形態1またはA1~A8のいずれか1つに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体を発現し、標的哺乳動物細胞がAxlおよび/またはRor2を発現している、T細胞および/またはNK細胞中のサイトカインの発現および/または生成を誘導する、および/またはT細胞および/またはNK細胞からのサイトカインの分泌を誘導する方法。
実施形態L2.接触前に、T細胞またはNK細胞を、実施形態B1またはB2のいずれか1つに記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子で形質導入することをさらに含む、実施形態L1に記載の方法。
実施形態M1.別義が明示的に記述されない限り、実施形態1またはA1~A8のいずれかに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載の、AxlまたはRor2に結合するためのキメラ抗原受容体をコードする単離核酸。
実施形態M2.核酸が、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターをさらに含み、CARをコードする核酸配列がそのプロモーターに動作可能に連結される、実施形態M1に記載の単離核酸。
実施形態M3.単離核酸配列が認識ドメインをさらにコードする、実施形態M2に記載の単離核酸。
実施形態M4.認識ドメインをコードする核酸が、リボソームスキップ配列により、CARをコードする核酸から分離される、実施形態M3に記載の単離核酸。
実施形態M5.リボソームスキップ配列が2A-1である、実施形態M4に記載の単離核酸。
実施形態M6.実施形態M1~M5に記載の核酸のいずれかを含む、複製不能組換えレトロウイルス粒子。
実施形態M7.複製不能組換えレトロウイルス粒子がレンチウイルス粒子である、実施形態M6に記載の複製不能組換えレトロウイルス粒子。
実施形態N1.別義が明示的に記述されない限り、実施形態1またはA1~A8のいずれかに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸を含む発現ベクター。
実施形態O1.実施形態N1に記載の発現ベクターのいずれか1つに感染した哺乳動物細胞。
実施形態P1.別義が明示的に記述されない限り、実施形態1またはA1~A8のいずれかに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のキメラ抗原受容体のいずれかを発現している哺乳動物細胞。
実施形態Q1.哺乳動物細胞を、CARをコードするヌクレオチド配列に動作可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクターを用いて遺伝子改変することを含む、条件的結合性AxlまたはRor2に対するキメラ抗原受容体(CAR)を含み、CARが次記を含む、条件的に活性化可能な細胞の作製方法:
a)正常な生理的環境に比べて、腫瘍環境中および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で活性の増大を示す、AxlまたはRor2に結合する条件的活性型抗原特異的標的化領域(ASTR);
b)膜貫通ドメイン;および
c)細胞内活性化ドメイン。
実施形態R1.次記のステップを含む、対象の癌を治療する方法:
a)別義が明示的に記述されない限り、実施形態1またはA1~A8のいずれかに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態に記載のCARのいずれかをコードする核酸を含む発現ベクターを対象から得られた細胞傷害性細胞に導入し、遺伝子改変細胞傷害性細胞を生成するステップ;および
b)遺伝子改変細胞傷害性細胞を対象に投与するステップ。
実施形態S1.次記を含む、条件的結合性AxlまたはRor2に対するキメラ抗原受容体(CAR)を含む、条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞のエクスビボ作製方法:
a)末梢血単核球(PBMC)を濃縮して、単離血液からT細胞および/またはNK細胞を含むPBMCを単離すること;
b)濃縮PBMCのT細胞および/またはNK細胞を効果的な条件下で活性化すること;
c)別義が明示的に記述されない限り、活性化T細胞および/またはNK細胞に複製不能組換えレトロウイルス粒子を用いて効果的な条件下で形質導入し、それにより、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を生成し、複製不能組換えレトロウイルス粒子がそれぞれ、T細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに機能的に連結された1つまたは複数の核酸配列を含むレトロウイルスゲノムを含み、1つまたは複数の核酸配列の内の第1の核酸配列が、実施形態1またはA1~A8のいずれかに記載の、または本明細書で提供されるいずれか他の実施形態で記載のCARをコードすること;および
d)遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を増殖し、それにより、条件的に活性化可能なT細胞および/またはNK細胞を作製すること。
実施形態T1.実施形態D3、E1、K2、Q1、R1、またはS1のいずれかに記載の方法により生成された改変T細胞。
実施形態U1.実施形態D3、E1、K2、Q1、R1、またはS1のいずれかに記載の方法により生成された改変NK細胞。
キメラ抗原受容体(CAR)を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、抗原特異的標的化領域(ASTR)は、抗体、抗原、リガンド、リガンドの受容体結合ドメイン、受容体、受容体のリガンド結合ドメイン、およびアフィボディから選択できる。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、完全長抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、(Fab’)2フラグメント、Fvフラグメント、および二価の単鎖抗体またはダイアボディから選択される抗体であり得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、抗体由来の重鎖および軽鎖を含み得る。抗体を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、抗体は、重鎖および軽鎖を有する単鎖可変フラグメントであり得る。抗体由来の重鎖および軽鎖を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖および軽鎖は、リンカーにより分離でき、リンカーは、範囲の下端値の3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸長さと、範囲の上端値の20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、または200アミノ酸長との間の長さであり得る。いくつかの実施形態では、ASTRは、重鎖および軽鎖を含む単鎖可変フラグメントであり得、重鎖および軽鎖は、リンカーにより分離され、リンカーは、6~100アミノ酸長である。重鎖および軽鎖を含む単鎖可変フラグメントを含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖および軽鎖は、リンカーにより分離でき、リンカーは、6~100アミノ酸長であり得、ASTRは、条件的活性型抗体重鎖または条件的活性型抗体軽鎖を含み得、もうその他の抗体重鎖または抗体軽鎖は、野生型であり得る。
抗体由来の重鎖および軽鎖を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、抗体は、キメラ抗原受容体上の軽鎖に対しN末端に配置でき、または軽鎖は、キメラ抗原受容体上の重鎖に対しN末端に配置できる。抗体由来の重鎖および軽鎖を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖および軽鎖は、条件的活性型抗体由来であり得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、二重特異性ASTRを含み得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、条件的活性型ASTRであり得る。条件的活性型ASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、条件的活性型ASTRは、対応する生理的条件に比べて、腫瘍微小環境中および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で、抗原結合の増大を示すことができ、腫瘍微小環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件が、低酸素、酸性pH、より高濃度の乳酸、より高濃度のヒアルロン酸、より高濃度のアルブミン、より高濃度のアデノシン、より高濃度のR-2-ヒドロキシグルタル酸、およびより低い栄養素利用可能性からなる群より選択できる。条件的活性型ASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、条件的活性型ASTRは、7.4のpHに比べて、6.7のpHで増大した抗原結合を示し得る。条件的活性型ASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、条件的活性型ASTRは、7.4のpHに比べて、6.0のpH(6.7のpHの代わりに、またはそれに加えて)で抗原結合の増大を示し得る。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、Axlに結合できる。Axlに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合できる。
Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、H1、H2、およびH3配列を有する3つの相補性決定領域を有する抗体重鎖可変領域を含むことができ、a)H1配列は、X1GX2TMN(配列番号87)であり;b)H2配列は、LIKPSNGGTSYNQKFKG(配列番号88)であり;およびc)H3配列は、GX3YX4SYX5AMDY(配列番号89)であり、X1はTまたはWであり;X2はHまたはAであり;X3はHまたはDであり;X4はEまたはHであり;X5はEまたはFである。Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、L1、L2、およびL3配列を有する3つの相補性決定領域を有する抗体軽鎖可変領域を含むことができ、d)L1配列は、KASQDVX6SAVA(配列番号90)であり;e)L2配列は、WX7X8TRX9T(配列番号91)であり;およびf)L3配列は、QEHFSX10PLX11(配列番号92)であり;X6はSまたはVであり;X7はAまたはQであり;X8はSまたはDであり;X9はHまたはDであり;X10はTまたはPであり;およびX11はTまたはRである。Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、H1、H2、およびH3配列を有する3つの相補性決定領域を有する抗体重鎖可変領域を含むことができ、a)H1配列は、X1GX2X3MX4(配列番号134)であり;b)H2配列は、LIKX5SNGGTX6YNQKFKG(配列番号135)であり;およびc)H3配列は、GX7X8X9X10X11X12X13X14DYX15X16(配列番号136)であり、X1はT、A、またはWであり;X2はHまたはAであり;X3はTまたはIであり;X4はNまたはIであり;X5はPまたはNであり;X6はS、I、またはTであり;X7はH、D、E、P、R、またはWであり;X8はYまたはNであり;X9はE、A、D、F、G、H、I、L、M、N、R、V、またはYであり;X10はS、D、M、N、またはQであり;X11はY、C、E、またはPであり;X12はF、E、N、S、T、またはVであり;X13はA、D、G、L、またはYであり;X14はM、E、またはFであり;X15はW、A、D、H、L、N、P、R、またはTであり;およびX16はGまたはHである。Axlに結合し、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、L1、L2、およびL3配列を有する3つの相補性決定領域を有する抗体軽鎖可変領域を含むことができ、d)L1配列は、KASQDX17X18SX19VX20(配列番号137)であり;e)L2配列は、X21X22X23TRX24T(配列番号138)であり;およびf)L3配列は、QEX25X26SX27X28X29X30(配列番号139)であり、X17はV、D、G、N、またはWであり;X18はSまたはVであり;X19はA、L、またはMであり;X20はA、D、N、またはQであり;X21はWまたはFであり;X22はA、I、N、P、またはQであり;X23はSまたはDであり;X24はHまたはDであり;X25はH、C、F、I、L、Q、S、T、V、またはYであり;X26はF、C、D、E、G、N、またはSであり;X27はT、C、またはPであり;X28はP、A、C、D、E、H、K、S、T、V、またはWであり;X29はL、G、またはRであり;およびX30はT、I、またはRである。Axlに結合し、軽鎖可変領域を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、軽鎖可変領域は、配列番号108~111から選択できる。Axlに結合し、重鎖可変領域を含むASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号112~114から選択できる。
Axlに結合するCAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖は、軽鎖に対しN末端であり得る。これらの実施形態では、ASTRは、配列番号128、配列番号129、または配列番号159のアミノ酸配列を含み得る。
Axlに結合するCAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、軽鎖は、重鎖に対しN末端であり得る。これらの実施形態では、ASTRは、配列番号160、または配列番号161のアミノ酸配列を含み得る。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、Ror2に結合できる。Ror2に結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体同じRor2のエピトープに結合できる、および/またはASTRは、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合できる。Ror2に結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、GYTX1TEX2TX3H(配列番号95)またはX4GYSITTGYYWN(配列番号96)であり;b)H2配列は、GX5NX6NNGGTGYNQKFKG(配列番号97)またはYITYDGSKNYNPSLKN(配列番号98)であり;c)H3配列は、GSLYSYGNSYFDY(配列番号99)またはFEGVWX7GLDY(配列番号100)であり、X1はFまたはEであり;X2はYまたはD;X3はMまたはDであり;X4はTまたはSであり;X5はEまたはIであり;X6はTまたはDであり;およびX7はYまたはGである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、GYTX1TEX2TX3H(配列番号95)であり;b)H2配列は、GX5NX6NNGGTGYNQKFKG(配列番号97)であり;およびc)H3配列は、GSLYSYGNSYFDY(配列番号99)であり、X1はFまたはEであり;X2はYまたはD;X3はMまたはDであり;X5はEまたはIであり;およびX6はTまたはDである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、X4GYSITTGYYWN(配列番号96)であり;b)H2配列は、YITYDGSKNYNPSLKN(配列番号98)であり;およびc)H3配列は、FEGVWX7GLDY(配列番号100)であり、X4はTまたはSであり;およびX7はYまたはGである。Ror2に結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、L1配列は、SATSSX8SYMH(配列番号101)またはRASESVDRYGNSFIH(配列番号102)であり;b)L2配列は、X9TSNLAS(配列番号103)またはRTYNLES(配列番号104)であり;およびc)L3配列は、QQRSSYPFT(配列番号105)またはQQTNEDPWT(配列番号106)であり、X8はEまたはVであり;およびX9はGまたはHである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、a)L1配列は、SATSSX8SYMH(配列番号101)であり;b)L2配列は、X9TSNLAS(配列番号103)であり;およびc)L3配列は、QQRSSYPFT(配列番号105)であり、X8はEまたはVであり;およびX9はGまたはHである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、配列L1、L2、およびL3配列を有し、a)L1配列は、RASESVDRYGNSFIH(配列番号102)であり;b)L2配列は、RTYNLES(配列番号104)であり;およびc)L3配列は、QQTNEDPWT(配列番号106)である。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、GYTX1TEX2X3X4H(配列番号140)またはGYSITTGX29YWN(配列番号141)であり;b)H2配列は、X5X6X7X8NNGGTGYNQKFKG(配列番号142)またはYITYDGSX30NYNPSLKN(配列番号143)であり;およびc)H3配列は、X9X10X11SX12YX13YX14X15SYFX16X17X18(配列番号144)またはCSX31X32X33X34VX35X36X37LDX38(配列番号145)であり、X1はFまたはEであり;X2はYまたはDであり;X3はTまたはCであり;X4はM、D、E、またはYであり;X5はGまたはSであり;X6はIまたはEであり;X7はN、C、L、またはVであり;X8はT、DまたはEであり;X9はA、M、またはTであり;X10はRまたはHであり;X11はGまたはEであり;X12はLまたはFであり;X13はSまたはGであり;X14はGまたはDであり;X15はNまたはEであり;X16はDまたはLであり;X17はY、C、またはTであり;X18はWまたはLであり;X29はY、E、R、またはTであり;X30はKまたはNであり;X31はR、G、H、W、またはYであり;X32はF、C、N、またはQであり;X33はEまたはSであり;X34はG、E、F、H、M、Q、またはSであり;X35はW、A、I、P、Q、T、またはVであり;X36はY、G、N、またはQであり;X37はG、S、またはTであり;およびX38はYまたはIである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、GYTX1TEX2X3X4H(配列番号140)であり;b)H2配列は、X5X6X7X8NNGGTGYNQKFKG(配列番号142)であり;およびc)H3配列は、X9X10X11SX12YX13YX14X15SYFX16X17X18(配列番号144)であり、X1はFまたはEであり;X2はYまたはDであり;X3はTまたはCであり;X4はM、D、E、またはYであり;X5はGまたはSであり;X6はIまたはEであり;X7はN、C、L、またはVであり;X8はT、DまたはEであり;X9はA、M、またはTであり;X10はRまたはHであり;X11はGまたはEであり;X12はLまたはFであり;X13はSまたはGであり;X14はGまたはDであり;X15はNまたはEであり;X16はDまたはLであり;X17はY、C、またはTであり;およびX18はWまたはLである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、H1、H2、およびH3配列を有し、a)H1配列は、GYSITTGX29YWN(配列番号141)であり;b)H2配列は、YITYDGSX30NYNPSLKN(配列番号143)であり;およびc)H3配列は、CSX31X32X33X34VX35X36X37LDX38(配列番号145)であり、X29はY、E、R、またはTであり;X30はKまたはNであり;X31はR、G、H、W、またはYであり;X32はF、C、N、またはQであり;X33はEまたはSであり;X34はG、E、F、H、M、Q、またはSであり;X35はW、A、I、P、Q、T、またはVであり;X36はY、G、N、またはQであり;X37はG、S、またはTであり;およびX38はYまたはIである。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、a)L1配列は、SATSSX19X20X21MX22(配列番号146)またはRASESVDRYGNSX39IH(配列番号147)であり;b)L2配列は、X23TSNLAS(配列番号148)またはX40TYX41LES(配列番号149)であり;およびc)L3配列は、QX24X25SX26YPFX27X28(配列番号150)またはQQX42NX43DPX44TX45(配列番号85)であり、X19はVまたはEであり;X20はSまたはDであり;X21はY、C、またはDであり;X22はH、G、またはLであり;X23はG、C、H、またはPであり;X24はQまたはEであり;X25はRまたはHであり;X26はS、D、G、I、Q、またはVであり;X27はTまたはDであり;X28はF、D、またはEであり;X39はF、S、またはTであり;X40はR、C、D、E、またはWであり;X41はNまたはDであり;X42はT、I、またはPであり;X43はEまたはVであり;X44はWまたはTであり;およびX45はFまたはTである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、a)L1配列は、SATSSX19X20X21MX22(配列番号146)であり;b)L2配列は、X23TSNLAS(配列番号148)であり;およびc)L3配列は、QX24X25SX26YPFX27X28(配列番号150)であり、X19はVまたはEであり;X20はSまたはDであり;X21はY、C、またはDであり;X22はH、G、またはLであり;X23はG、C、H、またはPであり;X24はQまたはEであり;X25はRまたはHであり;X26はS、D、G、I、Q、またはVであり;X27はTまたはDであり;およびX28はF、D、またはEである。Ror2に結合し、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合するASTRを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含むことができ、前記領域は、L1、L2、およびL3配列を有し、a)L1配列は、RASESVDRYGNSX39IH(配列番号147)であり;b)L2配列は、X40TYX41LES(配列番号149)であり;およびc)L3配列は、QQX42NX43DPX44TX45(配列番号85)であり、X39はF、S、またはTであり;X40はR、C、D、E、またはWであり;X41はNまたはDであり;X42はT、I、またはPであり;X43はEまたはVであり;X44はWまたはTであり;およびX45はFまたはTである。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号82、配列番号83、配列番号120または配列番号121のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号82または配列番号83のアミノ酸配列を含むことができる。ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合し、軽鎖可変領域が、配列番号86のアミノ酸配列を含む、請求項2931に記載のキメラ抗原受容体。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、軽鎖可変領域は、配列番号84のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号82、配列番号83、配列番号120または配列番号121のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号82または配列番号83のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号130、配列番号131、または配列番号132、配列番号153、配列番号154、配列番号157、または配列番号158のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、軽鎖可変領域は、配列番号81、配列番号122、配列番号123、配列番号124、または配列番号152のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、軽鎖可変領域は、配列番号152のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、または配列番号151のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、重鎖可変領域は、配列番号151のアミノ酸配列を含むことができる。
Ror2に結合するASTRを有するCARを含み、例示的実施形態において、ASTRが、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む抗体と同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号155または配列番号156のアミノ酸配列を含むことができる。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、膜貫通ドメインは、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列番号46の配列に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD8膜貫通ドメイン、例えば、配列番号47または75に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD4膜貫通ドメイン、例えば、配列番号48に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD3ゼータ膜貫通ドメイン、例えば、配列番号49に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD28膜貫通ドメイン、例えば、配列番号50または76に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のOX40膜貫通ドメイン、例えば、配列番号51に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD134膜貫通ドメインに対する配列同一性、または少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD7膜貫通ドメイン、例えば、配列番号52に対する配列同一性を有し得、ASTRがCARの一部である場合、条件的活性型ASTRは、対応する生理的条件に比べて、腫瘍微小環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で、Ror2またはAxlに対する増大した結合を保持できる。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインまたはCD28膜貫通ドメインであり得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、膜貫通ドメインは、ASTRと細胞内活性化ドメインとの間に位置し得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、細胞内活性化ドメインは、活性化作用を保持でき、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD3Z活性化ドメイン、例えば、配列番号11~16に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD3D活性化ドメイン、例えば、配列番号17~19に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD3E活性化ドメイン例えば、配列番号20~21に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD3G活性化ドメイン、例えば、配列番号22~23に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD28活性化ドメイン、例えば、配列番号35に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD79A活性化ドメイン、例えば、配列番号24~26に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のDAP10活性化ドメイン、例えば、配列番号34に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のDAP12活性化ドメイン、例えば、配列番号27~31に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のFCER1G活性化ドメイン、例えば、配列番号32~33に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD137活性化ドメインに対する配列同一性、または少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のZAP70活性化ドメイン、例えば、配列番号36に対する配列同一性を有し得る。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、ストークドメインをさらに含み得る。CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、共刺激ドメインをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、CARは、ストークドメインおよび共刺激ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、CARは、アミノ末端からカルボキシ末端へ、ASTR、ストークドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激ドメイン、および細胞内活性化を含み得る。
ストークドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ストークドメインは、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の任意の当該技術分野において既知のCD8ストークドメイン、例えば、配列番号125に対する配列同一性、または少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の当該技術分野において既知のCD28ストークドメイン、例えば、配列番号126に対する配列同一性を有し得、ASTRがCARの一部である場合、条件的活性型抗原特異的標的化領域は、対応する生理的条件に比べて、腫瘍微小環境および/またはインビトロ腫瘍代替アッセイ条件中で、Ror2またはAxlに対する増大した結合を保持できる。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、共刺激ドメインをさらに含み得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、細胞内共刺激ドメインは、DAP10/CD28型シグナル伝達鎖または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)含有細胞内シグナル伝達ポリペプチドを含み得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、細胞内活性化ドメインとは異なるアミノ酸配列を有する共刺激ドメインを含み得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、共刺激ドメインは、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD137共刺激ドメイン、例えば、配列番号1に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD28共刺激ドメイン、例えば、配列番号2に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のICΔ共刺激ドメイン、例えば、配列番号3に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のICOS共刺激ドメイン、例えば、配列番号4に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のOX40共刺激ドメイン、例えば、配列番号5に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のBTLA共刺激ドメイン、例えば、配列番号7に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD27共刺激ドメイン、例えば、配列番号6に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のCD30共刺激ドメイン、例えば、配列番号8に対する配列同一性、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のGITR共刺激ドメイン、例えば、配列番号9に対する配列同一性、または少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のHVEM、例えば、配列番号10に対する配列同一性を有し得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、共刺激ドメインは、CD28共刺激ドメインまたはCD137共刺激ドメインであり得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、共刺激ドメインは、ICΔ共刺激ドメインであり得る。共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、共刺激ドメインは、ICΔ共刺激ドメインであり、細胞内活性化ドメインは、CD3Z活性化ドメインであり得る。ストークドメインおよび共刺激ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ストークドメインは、CD8ストークドメインまたはCD28ストークドメインであり、膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインまたはCD28膜貫通ドメインであり、細胞内活性化ドメインは、CD3Z活性化ドメインであり、共刺激ドメインは、CD137共刺激ドメイン、ICΔ共刺激ドメイン、またはCD28共刺激ドメインであり得、または 共刺激ドメインは、CD137共刺激ドメインおよびICΔ共刺激ドメインの両方を含み得る。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、認識ドメインをさらに含み得る。認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、CARと同じポリペプチド上に発現できる。CARと同じポリペプチド上に認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、N-末端から10、20、30、40、または50アミノ酸以内などのN-末端またはその近傍に存在し得る。CARと同じポリペプチド上に認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、C-末端から10、20、30、40、または50アミノ酸以内などのC-末端またはその近傍に存在し得る。CARと同じポリペプチド上に認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、ストークドメインと膜貫通ドメインとの間などのCARのいずれかのドメインの間に存在し得る。認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、CARに共有結合し、認識ドメインが切断シグナル配列またはリボソームスキップ配列によりCARから分離され得るように発現され得る。リボソームスキップ配列を含む認識ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、リボソームスキップ配列は、2A-1、例えば、配列番号77であり得る。認識ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、EGFRの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、または50の連続アミノ酸であり得る。認識ドメインを有するCARを含む実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、FLAGエピトープ(配列番号38)であり得る。
CARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、CARは、シグナル配列をさらに含み得る。シグナル配列を有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、シグナル配列は、エピトープタグ、親和性ドメイン、および/または検出可能なシグナルを生成するポリペプチドであり得る。シグナル配列を有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、シグナル配列は、アミノ末端に存在し得る。
CARをコードする核酸を含む発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、発現ベクターは、認識ドメインをコードするヌクレオチドをさらに含み得る。CARをコードする核酸および認識ドメインをコードするヌクレオチドを含む発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、認識ドメインをコードするヌクレオチドは、EGFRの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、または50の連続アミノ酸をコードする。CARをコードする核酸および認識ドメインをコードするヌクレオチドを含む発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、認識ドメインをコードするヌクレオチドは、配列内リボソーム進入部位により、CARをコードするヌクレオチドから分離されている。CARをコードする核酸および認識ドメインをコードするヌクレオチドを含む発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、認識ドメインは、CARをさらに含む単一ポリペプチドの一部として発現され得、単一ポリペプチド上の認識ドメインは、切断シグナルまたは2A-1配列、例えば、配列番号77であり得るリボソームスキップ配列によりCARから分離され得る。発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、発現ベクターは、ウイルスベクターであり得る。ウイルスベクターである発現ベクターを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ウイルスベクターは、複製不能組換えレトロウイルス粒子、複製不能組換えレンチウイルス粒子、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40、単純ヘルペスウイルス、γレトロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、レンチウイルス、またはアデノウイルスであり得る。
CARを発現する哺乳動物細胞を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、細胞は、リンパ球であり得る。CARを発現するリンパ球を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、リンパ球は、T細胞であり得る。CARを発現するT細胞を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、T細胞は、CD4+T細胞であり得るか、またはT細胞は、CD8+T細胞であり得る。CARを発現するリンパ球を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、リンパ球は、腫瘍微小環境中で抗原発現細胞を選択的に死滅させる細胞傷害性細胞であり得、リンパ球は、実施形態1またはA1~A8に記載のいずれかのCARをコードする核酸を含み得る。
複製不能組換えレトロウイルス粒子およびそれを使用するための説明書を含む容器を含むキットを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、説明書は、十分な量のpH調節薬剤を微小環境に導入することにより標的哺乳動物細胞を接触させて、それにより、標的哺乳動物細胞とT細胞および/またはNK細胞の結合に影響を与えた後に、微小環境のpHを高めることをさらに含み得る。複製不能組換えレトロウイルス粒子およびそれを使用するための説明書を含む容器を含むキットを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、キットは、pH調節薬剤をさらに含み得る。複製不能組換えレトロウイルス粒子およびそれを使用するための説明書を含む容器を含むキットを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、説明書は、接触させる前に、CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を対象に導入するステップを含み得、導入後、CARをコードする1つまたは複数の核酸配列を含むT細胞および/またはNK細胞がCARを発現し、対象中の同族抗原を発現している標的哺乳動物細胞に結合する。
癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、癌は、腎細胞癌であり得る。癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、癌は、軟部肉腫または中皮腫であり得る。癌の治療を含み、認識ドメインを有するCARを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、方法は、遺伝子改変細胞傷害性細胞を対象に投与後、一定用量の認識ドメインに対する抗体を投与することをさらに含み得る。癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、癌は、Axlを発現し得、CARはAxlに結合するASTRを含み得る。癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、癌は、Ror2を発現し得、CARはRor2に結合するASTRを含み得る。癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、細胞傷害性細胞は、T細胞および/またはNK細胞であり得る。癌の治療を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、細胞傷害性細胞は、T細胞であり得る。T細胞および/またはNK細胞の増殖を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、増殖後に、遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を回収することをさらに含み得る。T細胞および/またはNK細胞の回収を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、方法は、回収した遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を冷凍保存することをさらに含み得る。T細胞および/またはNK細胞の冷凍保存を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、凍結保存された遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞は解凍され得る。T細胞および/またはNK細胞の回収を含む本明細書の実施形態のいずれかでは、方法は、回収した遺伝子改変T細胞および/またはNK細胞を対象に導入することをさらに含み得る。
pH7.4に比べて、pH6.7でAxlに対する結合が増大した例示的条件的活性型CAR(CAB-CAR)は、本明細書の実施例1で見つけられる。例示的実施形態では、CARまたはASTRは、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じAxlのエピトープに結合できる。このような例示的実施形態のさらなる実施形態では、抗Axl CARまたはASTRは、単鎖可変フラグメント(scFv)を含むか、または単鎖可変フラグメントである。さらなる例示的実施形態では、抗AXl scFvは、軽鎖に対しN末端である重鎖または重鎖に対しN末端である軽鎖を含む。CARを含み、例示的実施形態において、配列番号79の抗体重鎖および配列番号80の抗体軽鎖を含む抗体と同じAxlのエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号128、129、159、160、または161のいずれかを含み得る。さらに、本明細書の実施形態のいずれかの抗AXl CARは、本明細書で提供されるCAR成分のいずれかを含み得る。特定の例示的実施形態では、抗AXl CARは、表1で記載のCAR成分を含むことができ、表1のCARのいずれかであり得る。抗AXl CARを含む本明細書の任意の実施形態に関し、より典型的には、CARはCAB-CARであり、非限定的例示的実施形態では、CARは、例えば、細胞傷害活性を示す表1で提供されるCAB-CAR成分のいずれかおよびCAB-CARのいずれかを含むことができる。例えば、抗AXl CAB-CARは、CD8シグナルペプチド、CD8またはCD28ストークドメイン/膜貫通ドメイン、CD137、ICΔ共刺激ドメインおよびCD137共刺激ドメイン、および/またはCD3Z活性化ドメインを含むことができる。さらに、抗AXl CARおよび特に抗AXl CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表1の条件的細胞傷害活性を示す抗AXl CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARは、表1のF1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23を含む。ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15F1-2-22、またはF1-2-23のASTRを含むことができる。さらに、抗AXl CARおよび特に抗AXl CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表1の高い条件的細胞傷害活性を示す抗AXl CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARは、F1-2-13、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23を含む。したがって、ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-2-1、F1-2-2、F1-2-3、F1-2-6、F1-2-8、F1-2-10、F1-2-13、F1-2-14、F1-2-15、F1-2-22、またはF1-2-23のASTRを含むことができる。
pH7.4に比べて、pH6.7でRor2に対する結合が増大した例示的条件的活性型CAR(CAB-CAR)は、本明細書の実施例1で見つけられる。例示的実施形態では、CARまたはASTRは、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合できるか、またはCARまたはASTRは、配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合できる。このような例示的実施形態のさらなる実施形態では、抗Ror2 CARまたはASTRは、単鎖可変フラグメント(scFv)を含むかscFvであり、さらなる例示的実施例では、重鎖に対しN末端である軽鎖または軽鎖に対しN末端である重鎖を含む。CARまたはASTRを含み、例示的実施形態において、配列番号82または配列番号83の抗体重鎖および配列番号84の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合するか、または配列番号151の抗体重鎖および配列番号152の抗体軽鎖を含む単鎖可変抗体フラグメントと同じRor2のエピトープに結合する本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、配列番号130~132、または153~158のいずれかを含むことができる。さらに、本明細書の実施形態のいずれかの抗Ror2 CARは、本明細書で提供されるCAR成分のいずれかを含み得る。特定の例示的実施形態では、抗Ror2 CARは、表2で記載のCAR成分を含むことができ、表2のCARのいずれかであり得る。抗Ror2 CARを含む本明細書の任意の実施形態に関し、より典型的には、CARはCAB-CARであり、非限定的例示的実施形態では、CARは、例えば、細胞傷害活性を示す表2で提供されるCAB-CAR成分のいずれかおよびCAB-CARのいずれかを含むことができる。例えば、抗Ror2 CAB-CARは、CD8シグナルペプチド、CD8またはCD28ストークドメイン/膜貫通ドメイン、CD137共刺激ドメイン、および/またはCD3Z活性化ドメインを含むことができる。さらに、抗Ror2 CARおよび特に抗Ror2 CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表2の条件的細胞傷害活性を示す抗Ror2 CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARには、F1-1-9、F1-1-10、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-18、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-21、F1-1-23、F1-1-25、またはF1-1-26が含まれる。抗Ror2 ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、表2の、F1-1-9、F1-1-10、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-18、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-21、F1-1-23、F1-1-25、またはF1-1-26のASTRを含むことができる。さらに、抗Ror2 CARおよび特に抗Ror2 CAB-CARを含む本明細書の実施形態のいずれかの例示的CARは、非限定的例示的実施形態では、表2の高い条件的細胞傷害活性を示す抗Ror2 CAB-CARのいずれかを含む。このような例示的CAB-CARには、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-19、F1-1-20、またはF1-1-23が含まれる。したがって、抗Ror2 ASTRを含む本明細書の実施形態のいずれかでは、ASTRは、F1-1-11、F1-1-12、F1-1-15、F1-1-17、F1-1-19、F1-1-20、F1-1-23のASTRを含むことができる。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)発現T細胞またはNK細胞の、対象中のCAB-CARの同族抗原を発現している細胞に対する結合を調節する方法であり、次記を含む:
a.CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであること;および
b.対象に、血液pHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量の薬剤を投与し、投与が導入の前、その間、またはその後に実施され、血液、組織、および/または微小環境の高められたpHがCAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の、血液、組織、または微小環境中の同族抗原を発現している細胞に対する結合を高められたpHで調節すること。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減する方法であり、次記を含む:
a.条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)をコードする核酸を対象のT細胞またはNK細胞中に導入し、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞を生成すること;
b.CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであること;および
c.対象に、血液のpHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量の薬剤を投与し、血液、組織、および/または微小環境中のCAB-CARのその同族抗原に対する結合を、高められたpHにより調節し、それにより、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減するステップ。
いくつかの実施形態では、核酸は、ベクターであり得る。例示的実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクターである。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、標的哺乳動物細胞に対するT細胞および/またはNK細胞の結合を制御する方法であり、次記を含む:
a.微小環境中で標的哺乳動物細胞をT細胞および/またはNK細胞と接触させることであって、標的哺乳動物細胞が同族抗原を発現し、T細胞および/またはNK細胞が、pH7.4に比べて、pH6.7で差次的に同族抗原に結合する条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであること;および
b.十分な量の薬剤を微小環境に導入することにより微小環境のpHを高め、それにより、T細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合を制御すること。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現しているT細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御する方法であり、該方法は、対象中の微小環境のpHを高める効果的投与計画により、対象にpH調節薬剤を投与することを含み、対象はCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞を含み、CAB-CARは、pH7.4に比べて、pH6.7でその同族抗原に差次的に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、微小環境が標的哺乳動物細胞を含み、標的哺乳動物細胞がその表面上に同族抗原を発現し、および微小環境のpHが高められる前と後で、T細胞および/またはNK細胞が標的哺乳動物細胞に差次的に結合し、それにより、T細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御する。
薬剤およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供される態様のいずれかでは、CAB-CARは、別のpHと1pHの違いでその同族抗原に対する結合を低下させたかもしれない。最も広い態様において、CAB-CARの特異的結合のための例示的pH値がまだ与えられていない例示的実施形態では、および一方で、このような態様に対するこれらの値の代わりにその他の実施形態に関して、CAB-CARが、より低いpHに比べて、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHの場合より、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。他の実施形態では、CAB-CARは、より低いpHの場合より、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHの場合より、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。いくつかの例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4~7.6のpHに比べて、6.5~6.7のpHで増大した結合を示す。他の例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4のpHに比べて、6.7のpHで増大した結合を示す。他の実施形態では、CAB-CARは、血液のpHに比べて、腫瘍のpH中で増大した結合を示す。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、抗原特異的標的化領域標的化領域、ストーク、および細胞内活性化ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARはまた、共刺激ドメインも含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、腫瘍関連抗原に結合し得る。
薬剤およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、微小環境のpHは、7.0未満から7.0超に高めることができる。例えば、pHは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHから、7.0、7.1、7.2、7.3、または7.4超のpHに高めることができる。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、増大したpHで同族抗原に結合できるが、薬剤の導入前には、微小環境のpHでは結合できない。特定の実施形態では、pHは、7.0未満から7.1~8.0のpHまで、または7.1~7.8のpHまで、または7.2~7.8のpHまで、または7.2~7.6のpHまで、または7.3~7.6のpHまで、7.4~7.8のpHまで、または7.4~7.6のpHまで、高めることができる。このようなpHの増大は、投与される薬剤の種類と投与量に応じて、1、2、4、6、8、12、または24時間未満で、または1、2、4、6、8、12、または24時間超で起こり得る。特定の実施形態では、薬剤は、腫瘍などの標的組織中で、および例えば、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも表面中で、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも一部で、および例示的実施形態では、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境全体を通して、pHが、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超に;または範囲の下端値の7.0、7.1、7.2、7.3と、範囲の上端値の7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8との間に留まるように、投与される。
薬剤およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、微小環境は、腫瘍、組織、非腫瘍組織、正常組織、または一時的なpHシフトを受けた組織などのインビボ微小環境であり得る。例えば、通例、一時的なpHシフトを受ける組織には、嫌気性条件における筋組織または運動している筋組織または炎症性組織または炎症を生じている組織が含まれる。標的哺乳動物細胞を含むいくつかの実施形態では、標的哺乳動物細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞または正常細胞であり得る。
薬剤およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、薬剤には、重炭酸ナトリウム、トリスヒドロキシルメチルアミノメタン、重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの等モル高張性溶液、またはエスオメプラゾール、エスオメプラゾールおよびナプロキセン、ランソプラゾール、オメプラゾール、およびラベプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤が含まれ得る。
CAB-CARおよび薬剤を含む方法で、複製不能組換えレトロウイルス粒子を含む直ぐ上で提供されたいずれかの実施形態では、CAB-CARをコードするT細胞および/またはNK細胞中で活性なプロモーターに機能的に連結された転写単位を含むポリヌクレオチドは、T細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現できるように、これらの細胞により取り込まれる。例示的実施形態では、T細胞および/またはNK細胞は、ポリヌクレオチドをそれらのゲノム中に統合する。
CAB-CARおよび薬剤を含む方法で、複製不能組換えレトロウイルス粒子を含む直ぐ上で提供されたいずれかの実施形態では、複製不能組換えレトロウイルス粒子は、その表面上にモノクローナル抗体承認生物製剤の認識ドメインを含み得る。例えば、認識ドメインは、EGFR、またはそのエピトープを認識する抗体により認識されるポリペプチドを含み得る。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、T細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞へのインビボ結合を制御する方法で使用されるpH調節薬剤であり、該方法は、対象中の微小環境のpHを高める効果的投与計画により、対象にpH調節薬剤を投与することを含み、対象は、T細胞および/または前記細胞を含み、T細胞および/またはNK細胞は、pH7.4に比べて、pH6.7でその同族抗原に差次的に結合する条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、T細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現し、微小環境が標的哺乳動物細胞を含み、標的哺乳動物細胞がその表面上に同族抗原を発現し、およびpH調節薬剤を投与することにより微小環境のpHが高められる前と後で、T細胞および/またはNK細胞が標的哺乳動物細胞に差次的に結合し、それにより、T細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御する。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、腫瘍増殖を治療するために、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)発現T細胞またはNK細胞の、対象中のCAB-CARの同族抗原を発現している細胞に対する結合を調節する方法で使用する薬剤であり、該方法は次記を含む:
a.CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を対象に導入することであって、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、CAB-CARが対象中で同族抗原を発現している細胞に結合し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合すること;および
b.薬剤を、血液pHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量で対象に投与し、CAB-CAR発現T細胞および/またはNK細胞の、高められたpHを有する血液、組織、または微小環境中の同族抗原を発現している細胞に対する結合を調節すること。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減する方法での使用のための薬剤であり、該方法は、次記を含む:
a.条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)をコードする核酸を対象のT細胞またはNK細胞中に導入し、CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を生成すること;
b.CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合すること;および
c.対象に、血液のpHおよび/または組織のpHおよび/または微小環境のpHを高めるのに十分な量で薬剤を投与し、血液、組織、および/または微小環境中のその同族抗原に対する結合を高められたpHにより調節し、それにより、対象のオンターゲット・オフ腫瘍毒性を軽減すること。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、腫瘍増殖を治療するために、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現しているT細胞またはNK細胞の、標的哺乳動物細胞に対する結合を制御する方法で使用するための薬剤であり、該方法は次記を含む:
a.微小環境中で標的哺乳動物細胞をCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞と接触させることであって、標的哺乳動物細胞が同族抗原を発現し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、T細胞および/またはNK細胞が、pH7.4に比べて、pH6.7で差次的に同族抗原に結合するCAB-CARを発現すること;および
b.十分な量の薬剤を微小環境に導入することにより微小環境のpHを高め、それにより、CAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合を制御すること。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、腫瘍増殖を治療するための、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現しているT細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御する方法における使用のための薬剤であり、薬剤は、pH調節薬剤であり、該方法は、対象中の微小環境のpHを高める効果的投与計画により、対象にpH調節薬剤を投与することを含み、対象はCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞を含み、CAB-CARは、pH7.4に比べて、pH6.7でその同族抗原に差次的に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、微小環境が標的哺乳動物細胞を含み、標的哺乳動物細胞がその表面上に同族抗原を発現し、および微小環境のpHが高められる前と後で、T細胞および/またはNK細胞が標的哺乳動物細胞に差次的に結合する。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、腫瘍増殖を治療するための、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現しているT細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御する方法における使用のためのpH調節薬剤であり、該方法は、対象中の微小環境のpHを高める効果的投与計画により、対象にpH調節薬剤を投与することを含み、対象はCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞を含み、CAB-CARは、pH7.4に比べて、pH6.7でその同族抗原に差次的に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、微小環境が標的哺乳動物細胞を含み、標的哺乳動物細胞がその表面上に同族抗原を発現し、およびpH調節薬剤を投与することにより微小環境のpHが高められる前と後で、T細胞および/またはNK細胞が標的哺乳動物細胞に差次的に結合する。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)を発現しているT細胞および/またはNK細胞の、対象中の標的哺乳動物細胞に対する結合をインビボで制御するための薬物の製造での使用のためのpH調節薬剤の使用であり、pH調節薬剤は、対象中の微小環境のpHを高める効果的投与計画により、対象に投与されるものであり、対象はCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞を含み、CAB-CARは、pH7.4に比べて、pH6.7でその同族抗原に差次的に結合し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、微小環境が標的哺乳動物細胞を含み、標的哺乳動物細胞がその表面上に同族抗原を発現し、およびpH調節薬剤を投与することにより微小環境のpHが高められる前と後で、T細胞が標的哺乳動物細胞に差次的に結合する。
pH調節薬剤もしくは方法で使用する薬剤およびCAB-CARを含む、またはpH調節薬剤の使用およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、CAB-CARは、別のpHと1pHの違いでその同族抗原に対する結合を低下させたかもしれない。最も広い態様において、CAB-CARの特異的結合のための例示的pH値がまだ与えられていない例示的実施形態では、および一方で、このような態様に対するこれらの値の代わりにその他の実施形態に関して、CAB-CARが、より低いpHに比べて、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHの場合より、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。他の実施形態では、CAB-CARは、より低いpHの場合より、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHの場合より、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。いくつかの例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4~7.6のpHに比べて、6.5~6.7のpHで増大した結合を示す。他の例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4のpHに比べて、6.7のpHで増大した結合を示す。他の実施形態では、CAB-CARは、血液のpHに比べて、腫瘍のpH中で増大した結合を示す。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、抗原特異的標的化領域標的化領域、ストーク、および細胞内活性化ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARはまた、共刺激ドメインも含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、腫瘍関連抗原に結合し得る。
pH調節薬剤もしくは方法で使用するための薬剤およびCAB-CARを含む、またはpH調節薬剤の使用およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、微小環境のpHは、7.0未満から7.0超に高めることができる。例えば、pHは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHから、7.0、7.1、7.2、7.3、または7.4超のpHに高めることができる。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、増大したpHで同族抗原に結合できるが、薬剤の導入前には、微小環境のpHでは結合できない。特定の実施形態では、pHは、7.0未満から7.1~8.0のpHまで、または7.1~7.8のpHまで、または7.2~7.8のpHまで、または7.2~7.6のpHまで、または7.3~7.6のpHまで、7.4~7.8のpHまで、または7.4~7.6のpHまで、高めることができる。このようなpHの増大は、投与される薬剤の種類と投与量に応じて、1、2、4、6、8、12、または24時間未満で、または1、2、4、6、8、12、または24時間超で起こり得る。特定の実施形態では、薬剤は、腫瘍などの標的組織中で、および例えば、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも表面中で、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも一部で、および例示的実施形態では、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境全体を通して、pHが、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超に;または範囲の下端値の7.0、7.1、7.2、7.3と、範囲の上端値の7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8との間に留まるように、投与される。
pH調節薬剤もしくは方法での使用のための薬剤およびCAB-CARを含む、またはpH調節薬剤の使用およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり;微小環境は、インビボ微小環境、例えば、腫瘍、組織、非腫瘍組織、正常組織、または一時的なpHシフトを受けた組織などであり得る。例えば、通例、一時的なpHシフトを受ける組織には、嫌気性条件における筋組織または運動している筋組織または炎症性組織または炎症を生じている組織が含まれる。標的哺乳動物細胞を含むいくつかの実施形態では、標的哺乳動物細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞または正常細胞であり得る。
pH調節薬剤もしくは方法で使用するための薬剤およびCAB-CARを含む、またはpH調節薬剤の使用およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、薬剤には、重炭酸ナトリウム、トリスヒドロキシルメチルアミノメタン、重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの等モル高張性溶液、またはエスオメプラゾール、エスオメプラゾールおよびナプロキセン、ランソプラゾール、オメプラゾール、およびラベプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤が含まれ得る。
pH調節薬剤もしくは方法で使用するための薬剤およびCAB-CARを含む、またはpH調節薬剤の使用およびCAB-CARを含む直ぐ上で提供された態様のいずれかでは、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり、薬剤は、癌、腫瘍、腫瘍増殖、または細胞増殖性障害の治療のための使用であり得る。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、複製不能組換えレトロウイルス粒子を含む容器、および腫瘍増殖を治療するためのその使用の説明書を含むキットであり、説明書が、T細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合を制御する方法を教示し、方法は次記を含む:
a.T細胞および/またはNK細胞を、pH7.4に比べて、pH6.7で差次的に同族抗原に結合する条件的活性型生物学的キメラ抗原受容体(CAB-CAR)をそのゲノム中に含む複製不能組換えレトロウイルス粒子で形質導入し、CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を生成し、同族抗原がAxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであること;
b.CAB-CARを発現できるT細胞および/またはNK細胞を対象に導入し、導入後、CAB-CARをコードする核酸を含むT細胞および/またはNK細胞がCAB-CARを発現して、対象の同族抗原を発現している細胞に結合すること;
c.微小環境中で標的哺乳動物細胞をCAB-CARを発現しているT細胞および/またはNK細胞と接触させることであって、標的哺乳動物細胞がCAB-CARの同族抗原を発現し、およびT細胞および/またはNK細胞が、CAB-CARを発現すること;および
d.十分な量のpH調節薬剤を微小環境に導入することにより微小環境のpHを高め、それにより、T細胞および/またはNK細胞の標的哺乳動物細胞に対する結合に影響を与えること。
いくつかの実施形態では、キットは、pH調節薬剤をさらに含み得る。
キットのいくつかの実施形態では、CAB-CARは、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに対し、別のpHと1pHの違いで結合を低下させたかもしれない。最も広い態様において、CAB-CARの特異的結合のための例示的pH値がまだ与えられていない例示的実施形態では、および一方で、このような態様に対するこれらの値の代わりにその他の実施形態に関して、CAB-CARが、より低いpHに比べて、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHの場合より、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。他の実施形態では、CAB-CARは、より低いpHの場合より、より高いpHで結合を低下させたかもしれない。例えば、CAB-CARは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超のpHの場合より、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHで、その同族抗原に対する結合を、低下させたかもしれない。いくつかの例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4~7.6のpHに比べて、6.5~6.7のpHで増大した結合を示す。他の例示的実施形態では、CAB-CARは、7.4のpHに比べて、6.7のpHで増大した結合を示す。他の実施形態では、CAB-CARは、血液のpHに比べて、腫瘍のpH中で増大した結合を示す。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、抗原特異的標的化領域標的化領域、ストーク、および細胞内活性化ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARはまた、共刺激ドメインも含み得る。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、腫瘍関連抗原に結合し得る。
キットのいくつかの実施形態では、微小環境のpHは、7.0未満から7.0超に高めることができる。例えば、pHは、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0未満のpHから、7.0、7.1、7.2、7.3、または7.4超のpHに高めることができる。いくつかの実施形態では、CAB-CARは、増大したpHで同族抗原に結合できるが、薬剤の導入前には、微小環境のpHでは結合できない。特定の実施形態では、pHは、7.0未満から7.1~8.0のpHまで、または7.1~7.8のpHまで、または7.2~7.8のpHまで、または7.2~7.6のpHまで、または7.3~7.6のpHまで、7.4~7.8のpHまで、または7.4~7.6のpHまで、高めることができる。このようなpHの増大は、投与される薬剤の種類と投与量に応じて、1、2、4、6、8、12、または24時間未満で、または1、2、4、6、8、12、または24時間超で起こり得る。特定の実施形態では、薬剤は、腫瘍などの標的組織中で、および例えば、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも表面中で、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境の少なくとも一部で、および例示的実施形態では、標的組織(例えば、腫瘍)微小環境全体を通して、pHが、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5超に;または範囲の下端値の7.0、7.1、7.2、7.3と、範囲の上端値の7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8との間に留まるように、投与される。いくつかの実施形態では、微小環境は、腫瘍、組織、非腫瘍組織、正常組織、または一時的なpHシフトを受けた組織などのインビボ微小環境であり得る。例えば、通例、一時的なpHシフトを受ける組織には、嫌気性条件における筋組織または運動している筋組織または炎症性組織または炎症を生じている組織が含まれる。標的哺乳動物細胞を含むいくつかの実施形態では、標的哺乳動物細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞または正常細胞であり得る。
キットのいくつかの実施形態では、薬剤は、重炭酸ナトリウム、トリスヒドロキシルメチルアミノメタン、重炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの等モル高張性溶液、またはエスオメプラゾール、エスオメプラゾールおよびナプロキセン、ランソプラゾール、オメプラゾール、およびラベプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤が含まれ得る。
上記で開示したように、CAB-CARが結合する同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープであり得る。いくつかの実施形態では、同族抗原は、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープの一続きの少なくとも10、15、20個の、または全てのアミノ酸に対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するポリペプチドであり得る。本明細書で開示のように、AxlポリペプチドもしくはそのエピトープまたはRor2ポリペプチドもしくはそのエピトープに結合できるCAB-CARは通常、7.4のpHの場合より、6.7のpHで、より高い結合親和性でその同族抗原に結合する。
当業者なら、明細書が「Axl CAB」または「Axl CAB-CAR」に言及する場合、「Axl」は、Axlまたはそのエピトープを認識するASTRを意味することを理解するであろう。同様に、当業者なら、明細書が「Ror2 CAB」または「Ror2 CAB-CAR」に言及する場合、「Ror2」は、Ror2またはそのエピトープを認識するASTRを意味することを理解するであろう。
本明細書で使用されるセクション見出しはいずれも、単に構成上の意図であり、記載主題を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
以下の実施例は、当業者に、本発明をどのように作製および使用するかについての完全な開示および説明を提供するために提示されており、発明者らが考えている特許の範囲を限定するものでも、以下の実験が、実施した全ての実験または唯一の実験であることを示すものでもない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保すべく努めているが、いくらかの実験的な誤差および偏差が考慮されるべきである。特に指示がない限り、部は重量部、分子量は重量平均分子量、温度は℃、圧力は大気圧またはそれに近い圧力である。例えば、次記のような標準的略語が使用され得る。bp:塩基対;kb:キロベース;pl:ピコリットル;sまたはsec:秒;min:分;hまたはhr:時間;aa:アミノ酸;kb:キロベース;bp:塩基対;nt:ヌクレオチド;i.m.:筋肉内の(筋肉内に);i.p.:腹腔内の(腹腔内に);s.c.:皮下の(皮下に);i.v.:静脈内の(静脈内に);など。
実施例1:AxlおよびRor2を標的とするキメラ抗原受容体の生成と分析
本実施例は、本発明の特定の実施形態の条件的活性型CARの作製および使用方法を示す。AxlおよびRor2を標的とする条件的活性型ASTRをコードする核酸を得て、条件的活性型CARをコードするレンチウイルス発現ベクターの生成に使用した。T細胞をこれらの発現ベクターを含むレンチウイルスで形質導入し、形質導入細胞を、標的細胞に対する種々のインビトロ腫瘍代替アッセイで試験した。
条件的活性型CARを発現するレンチウイルス発現ベクターの生成
Axlを標的とする条件的活性型ASTR(配列番号79および80を含むscFv構築物)をコードする1つの核酸およびRor2を標的とする条件的活性型ASTR(配列番号83および84を含むscFv構築物、配列番号82および84を含むscFv構築物、ならびに配列番号151および152を含むscFv構築物)をコードする3つの核酸を得た。本明細書の詳細説明は、得られたCABを作製するために使用された抗体フラグメントを進化させて、選択することにより、CABを作製する方法を含む、条件的活性型ASTR(条件的活性型生物学的(CAB)と呼ばれることもある)を作製する方法を提供する。ヒト細胞中での発現のためのコドン最適化ならびにスプライスドナー部位およびアクセプター部位の除去を含む配列に対する僅かな改変を実施した。単鎖抗体の重鎖(配列番号79、83、および82)および単鎖抗体の軽鎖(配列番号80および84)を種々の長さのリンカー(配列番号53、54、および55)により連結し、表1および2に記載の候補CARを作製するための他のドメインと共に、レンチウイルス発現ベクター中に組み込んだ。
レンチウイルスの生成
293T細胞(Lenti-X 293T,Clontech)のレンチウイルス発現ベクターを用いた一時的遺伝子導入により、レンチウイルスを生成した。FreeStyle293発現培地(Thermo Fisher Scientific)中での系列増殖により細胞を浮遊培養に適合させた。浮遊細胞を弱酸に溶解したPEI(Polysciences)を用いて遺伝子導入した。細胞(30mL)を125mLの三角フラスコ中で、1x106細胞に増殖させた。
プラスミドDNAを、30mLの細胞に対し、1.5mlのOpti-MEM培地で希釈した。全DNA(1μg/mLの培養液量)を次のモル比の4種のプラスミドの混合物とした:2xゲノムプラスミド、1xRev含有プラスミド、1xVSVg含有プラスミド、および1xGagpol含有プラスミド。別に、PEIを1.5mlのOpti-MEM中で2μg/mL(培養液量、DNAに対し2:1の比率)に希釈した。5分間の室温でのインキュベーション後、2種の溶液を一緒によく混合し、室温でさらに20分間インキュベートした。最後の量(3ml)を細胞に加えた。その後、120rpmで回転を加えながら、5~8%のCO2下、細胞を37℃で72時間インキュベートした。
72時間後、1,000gで10分間遠心分離することにより、上清を回収した。上清を新しいチューブにデカントし、上清の量の1/4のPEG(PEG-IT、System Biosciences)中の溶液を加えた。4℃で一晩のインキュベーションに続けて、4℃、1,500gで20分の間の遠心分離により、ウイルスを沈殿させた。上清を取り出し、ウイルスを1:100体積のEx-Vivo15培地で再懸濁した。HT1080細胞上のGFPにより、またはジャーカット細胞上のeTag発現により、ウイルスの力価を測定した。
AxlおよびRor2に対するT細胞形質導入/増殖
T細胞形質導入および増殖のための初期の方法では、汎T細胞を全細胞(Allcells、PB009-1F)から得た。抗AXl CAB-CARおよび抗Ror2 CAB-CAR複製不能組換えレンチウイルス粒子を上記で考察のようにして作製した。レンチウイルス形質導入の2日前に、細胞を解凍し、X-VIVO15(Lonza #04-418Q)、5%ヒトAB血清(Valley Biomedical Inc.,#HP1022)、および10mMのN-アセチルL-システイン(Sigma-Aldrich #A9165)からなるヒトT細胞培地中で培養した。組換えヒトIL-2(R&D 202-IL-010)を加えて、100IU/mLの最終濃度にした。ウイルス形質導入の24時間前に、一次ヒトT細胞を12ウェルプレート中に、0.5x106細胞/ウエルで播種し、Dynabeads Human T-Activator CD3/CD28(Thermo #11131D)を用いて、1:3の細胞:ビーズ比で活性化した。形質導入の日に、レンチウイルス粒子溶液を、Axlに対しMOI 5およびRor2に対しMOI 20でウエルに添加した。形質導入T細胞をヒトT細胞培地中で約106/mLで3日間維持し、その後、30mL/ウエルのIL-2含有ヒトT細胞培地を含む6-well-G-Rexに移した。細胞を少なくとも10日間培養した後、実験を行い、IL-2を1日おきに加えた。
特定の後続実験を、僅かに変更した形質導入および増殖条件で実施した。該当する場合には、AllCell由来の汎T細胞の代わりに、T細胞を、Ficoll-Paque PREMIUM(登録商標)(GE Healthcare Life Sciences)を用いて、製造業者の説明書に従って密度勾配遠心分離に続く、赤血球の溶解によりバフィーコート(San Diego Blood Bank)から濃縮した。ヒト腎臓細胞株Caki-1およびHEK293の条件的CAR依存性死滅を調査するために、増殖前に、EasySep Human CD56 Positive SelectionキットII(Stem Cell Technologies #17855)を用いて、CD56+細胞を形質導入汎T細胞(AllCells)から枯渇させた。
eTag発現のFACS分析
形質導入一次T細胞(0.5x106)を形質導入の8日後に収集し、FACS緩衝液(PBS+2%FBS+0.1%アジ化ナトリウム)中に再懸濁させた。細胞を0.9μg/mlのビオチン化セツキシマブ(Promab)含有100μLのFACS緩衝液を用いて、氷上で30分間染色した。染色した細胞をFACS緩衝液で洗浄し、ストレプトアビジンPE(eBioscience、12-4317-87、0.2mg/ml)、CD3-BV421(Biolegend、317344)、CD4-PE-Dazzle 594(Biolegend、300548)、およびCD8-BV570(Biolegend、301038)を用いて氷上で30分間染色した。細胞をFACS緩衝液中で洗浄し、FACS緩衝液とBD Cytofix(BD #554655)の1:1混合物中で固定し、Novocyte(ACEA)で処理し、得られたデータをNovoExpressソフトウェア(ACEA)で分析した。
リアルタイム細胞死滅アッセイ
形質導入T細胞の細胞傷害活性をxCELLigence System(ACEA)により測定した。手短に説明すると、形質導入一次T細胞(エフェクター細胞)を上記のように生成し、冷凍保存し、解凍して、100IU/MLのIL-2含有ヒトT細胞培地中で2日間再試験した。標的細胞には、CHO細胞(ATCC)および安定に遺伝子導入されヒトAxl(CHO-Axl)またはROR2(CHO-ROR2)を発現しているCHO細胞または、他の実験では、FACS試験でそれぞれAxlおよびROR2陽性であった、ヒト腎細胞癌株Caki-1(ソース)およびHEK293(Lenti-X 293T、Clontech)を含めた。実験前に、40mMのHEPESおよびPIPES含有ヒトT細胞培地を用いて、pH6.7および7.4で、またはpH6.3~pH7.4の範囲の0.1pH増分で、E-プレートで標的細胞を20K細胞/ウエルで播種した。アッセイの日に、再試験したエフェクター細胞を、エフェクター細胞/標的細胞比率(E/T)3:1、1:1で、および一部の事例では、0.3:1の比率で、実験ウエルに加えた。エフェクター細胞添加後にインピーダンスの読み値を5分ごとに40時間にわたり取得し、インピーダンスを細胞指数(CI)として報告した。特異的細胞溶解のパーセンテージを次記のように計算した:((CI 標的+対照ウイルス形質導入エフェクターT細胞)-(CI 標的+AxlまたはRor2に対するCARを形質導入したエフェクターT細胞))/(CI 標的+対照ウイルス形質導入エフェクターT細胞))x100。
結果
AxlまたはRor2に対し、正常組織に比較して、腫瘍環境の低減されたpHで高められた活性を有するキメラ抗原受容体(CAR)(本明細書では(CAB-CAR)と呼ばれることもある)を、条件的活性型単鎖抗体の重鎖および軽鎖を、他のCARドメインおよびeTagドメインと共に、レンチウイルス発現ベクターに組み込むことにより作製した。作製し、試験した野性型対照CARおよび条件的活性型(CAB)CARには、表1(Axl)および表2(Ror2)で示され、さらなる詳細な配列情報は表3で与えられる、異なるCARモジュール/成分の種々の組み合わせが含まれた。アミノからカルボキシ末端までのモジュールの種々の組み合わせは、表1および表2に示されている。これらのモジュールには、CD8シグナル配列ペプチド(“sp”)(P1)(配列番号74);Axl CAB VH(配列番号79)、Axl CAB VL(配列番号80)、Axl VH(配列番号93)、Axl VL(配列番号94)、Ror2 VH(配列番号107)、Ror2 VL(配列番号84)、Ror2 CAB VL(配列番号152)Ror2 CAB1 VH(配列番号82)、Ror2 CAB2 VH(配列番号83)、Ror2 CAB3 VH(配列番号151)(P2)および(P4);リンカー1(配列番号53)、リンカー2(配列番号54)、またはリンカー3(配列番号55)(P3);CD8由来ストーク/ヒンジおよび膜貫通ドメイン(配列番号75)またはCD28(配列番号76)(P5);CD137由来共刺激ドメイン(配列番号1)、CD28(配列番号2)、ICΔ(配列番号3)、またはICΔおよびCD137の両方(配列番号133)(P6);CD3Z由来活性化ドメイン(配列番号13)(P7);2A-1リボソームスキップ配列(配列番号77)(P8);eTAG(配列番号78)(P9)が含まれた。
一次T細胞は、表1および表2の候補CARを発現している組換えレンチウイルス粒子で形質導入され、パーセント遺伝子導入細胞がeTagを発現している細胞のパーセントを、FACSを用いて測定することにより、決定された。図1の代表的Axl CARに関して示すように、一次T細胞は、候補CARをコードする組換えレンチウイルス粒子で成功裏に形質導入された。
AxlまたはRor2を発現している標的細胞に対する候補CARの細胞傷害活性をpH7.4(生理学的pH)またはpH6.7(代用腫瘍アッセイ条件)で分析した。以降でより詳細に説明されるように、多くの候補CARは、pH7.4よりもpH6.7で、標的細胞の溶解に関し、より効果的であった。CAB活性は、完全野性型重鎖および軽鎖(すなわち、生理的条件下で特定され、それ以上進化しなかったVHおよびVL鎖)を含む対照CARでは検出しなかった。
Axlに関連する特定の最初の実験では、18個の抗AXl CAB-CAR(F1-2-1~F1-2-18)を、両方ともそれぞれ野生型重鎖および軽鎖から進化した、第1の条件的活性型重鎖および第1の条件的活性型軽鎖を用いて試験した。表1に示すように、最初に試験した18個の抗AXl CAB-CARの内の9個は、検出可能な細胞傷害活性を有していた(表中では、「CAB活性」として示した)。野生型ASTR抗体重鎖および軽鎖のみを有する試験CAB-CARのいずれも、条件的活性を有していなかった(表1では、「Axl VH」および「Axl VL」(F1-2-19、F1-2-20)と表示した)。上記で提供したのと同じ形質導入および増殖条件を用いた後続実験では、異なる共刺激ドメインを含む抗AXl CAB-CARは、条件的細胞傷害活性を示した(F1-2-22およびF1-2-23)。
Ror2に関連する特定の最初の実験では、2つの異なるエピトープに対する条件的活性型ASTRを分析した。エピトープ1に対するRor2 CAB-CAR(F1-1-9~F1-1-24)に関しては、最初に試験した16個の抗Ror2 CAB-CARの内の11個が条件的細胞傷害活性を有していた(表2)。エピトープ2に対するRor2 CAB-CARに関しては、最初の実験で死滅活性を示した6個の抗Ror2 CAB-CARの内の2個(F1-1-25およびF1-1-26)が条件的細胞傷害活性を有していた(表2)。野生型ASTR抗体重鎖および軽鎖のみを有する試験CAB-CARのいずれも、これらの死滅アッセイで条件的活性を有していなかった(表2では、「Ror2 VH」および「Ror2 VL」(F1-1-1、F1-1-8)と表示した)。
まとめると、作製され、試験された多くの候補CAB-CARは、pH7.4よりもpH6.7で、標的細胞に対する、より高い細胞傷害活性を有していた。pH7.4よりpH6.7で標的細胞の溶解に関して、より効果的であった例示的CAB-CARには、抗Axl ASTR(配列番号159)を含むCAB-CAR F1-2-3、抗Axl ASTR(配列番号160)を含むCAB-CAR F1-2-8、抗Axl ASTR(配列番号161)を含むCAB-CAR F1-2-10、抗Axl ASTR(配列番号129)を含むCAB-CAR F1-2-13、抗Axl ASTR(配列番号128)を含むCAB-CAR F1-2-15、抗Ror2 ASTR(配列番号157)を含むCAB-CAR F1-1-9、抗Ror2 ASTR(配列番号153)を含むCAB-CAR F-1-11、抗Ror2 ASTR(配列番号132)を含むCAB-CAR F-1-15、抗Ror2 ASTR(配列番号154)を含むCAB-CAR F-1-17、抗Ror2 ASTR(配列番号130)を含むCAB-CAR F-1-19、抗Ror2 ASTR(配列番号158)を含むCAB-CAR F1-1-21、抗Ror2 ASTR(配列番号131)を含むCAB-CAR F1-1-23、抗Ror2 ASTR(配列番号155)を含むCAB-CAR F-1-25、および抗Ror2 ASTR(配列番号156)を含むCAB-CAR F-1-26が含まれた。ASTRは全て、生理的条件下で特定され、さらに進化した少なくとも1つのVHまたはVLのモジュールを含んだ。
図2B~2Fは、条件的活性型ではない野性型ASTRを有する対照CARと比較して、いくつかのAxlに対するより高い条件的活性型CAB-CARの代表的CHO-Axl腫瘍の経時的インビトロ死滅を示す(図2A)。図2Aおよび2Bでは、エフェクターの標的細胞に対する3:1の比率を使用した。図2C~2Fでは、エフェクターの標的に対する1:1の比率を使用した。同様に、図3B~3Jは、条件的活性型ではない野性型ASTRを有する対照CARと比較して、いくつかのRor2に対するより高い条件的活性型CAB-CARの代表的CHO-Ror2腫瘍の、エフェクターの標的細胞に対する3:1の比率での、経時的インビトロ死滅を示す(図3A)。
いくつかの候補CARの条件的活性を7.4~6.7のpHの範囲で0.1pH(pH滴定)の増分で経時的に分析した。図4AのCAB-CAR F1-2-13(Axl)および図5AのCAB-CAR F1-1-15(Ror2)に対する代表的曲線に示すように、条件的活性型ASTR(CAB-CAR)を含む全ての試験した候補CAR(それぞれAxlおよびRor2に対する5個のCAB-CAR)は、pH依存性の、それらの同族抗原を発現しているCHO細胞の死滅を示した。この死滅は、生理的pHでは少なく、培養液がより産生になるに伴い増加した。図4Bは、CAB-CAR F1-2-13によるpH依存性死滅は、pH7.4~pH7.0まで増加し、pH7.0~pH6.5まで一貫して高かったことを示す。図5Bは、CAB-CAR F1-1-15によるpH依存性死滅は、pH7.4~pH6.6まで徐々に増加することを示す。
候補CAB-CARの条件的殺作用もまた、内在性レベルのAxlおよびRor2を発現するヒト腎臓細胞に対し、これらのタンパク質の導入遺伝子発現の非存在下で試験した。図6Aは、Axl発現Caki-1細胞のF1-2-15を発現しているT細胞による条件的死滅を示す。図6Bは、Ror2発現HEK293細胞のF1-1-15を発現しているT細胞による条件的死滅を示す。
このように、本明細書で提供される方法は、インビトロでT細胞上に発現した場合に、条件的死滅活性を示すAxlおよびRor2に対する条件的活性型CARを作製および特定するのに効果的であった。
実施例2:eTag発現標的細胞の除去
除去に対するセツキシマブ濃度の影響
Ficoll-Paque Premium(GE Healthcare、45-001-751)を用いて、健康なドナー由来のACD末梢血からPBMCを単離した。標的細胞を調製するために、プロモーターに動作可能に連結されたGFP蛍光タンパク質およびeTag標的を発現するための、GFPおよびeTagのコード領域を含むレンチウイルスを用いてPBMCを形質導入した。形質導入しないで、同時に活性化および増殖したPBMCを非標的対照細胞として使用した。増殖させた標的細胞および非標的対照細胞を液体窒素中の凍結培地中で、使用するまで保存した。同じドナーから新たに単離したPBMCを、10ng/mLのhuGM-CSF(R&D Systems、215-GM-010)で予備刺激し、エフェクター細胞として使用した。標的細胞および非標的細胞を、凍結保存から1日かけて回収した後、使用前に、非標的対照細胞をCT-Violetで標識した。標的細胞および非標的対照細胞を1:1で混合後、エフェクターPBMCと50:1のエフェクター細胞:標的の比率で、U底96ウェルプレート中で、異なる濃度のセツキシマブまたはアイソタイプ対照抗体と同時インキュベートした。22時間インキュベーション後、試料を400gで5分間遠心分離した。ペレット化細胞をFACS洗浄緩衝液(PBS+2%FBS+0.1%アジ化ナトリウム)に再懸濁し、フローサイトメトリーの前に、等体積のBD Cytofix(BD #554655)で固定した。標的細胞のみを含む対照試料を用いてFACSゲーティングを設定した。標的細胞および非標的対照細胞の数を定量化した。生存標的細胞(GFP+)の、非標的対照細胞(CT-Violet)に対する比率を計算し、Ab不含試料に正規化した。枯渇のパーセンテージは、次のように計算された:1-((標的/非標的)/(Ab不含標的/Ab不含非標的))。
エフェクター細胞:標的細胞の比率のセツキシマブ除去に対する効果
使用PBMCが予め凍結され、標的細胞および非標的対照細胞が1:1の比率で混合された後に、エフェクターPBMCと50:1、25:1、5:1および1:1のエフェクター細胞:標的細胞の比率で、U底96ウェルプレート中で、1μg/mLのセツキシマブまたはアイソタイプ対照抗体と同時インキュベートしたこと以外は、上述のように、実験を実施した。
結果
除去ドメインとしてのeTagの発現の有効性を、末梢血単核球(PBMC)中で試験した。PBMCは、単離およびプロモーターに動作可能に連結されたeTagを含むレンチウイルスベクターで形質導入された。対照細胞は形質導入されなかった。細胞を0~10ug/mlの濃度のセツキシマブで処理し、細胞枯渇を、試験した全濃度でセツキシマブ投与の22時間後に検出した(図7A)。1ug/mlのセツキシマブ濃度を用いて、枯渇を、すべての比率の形質導入エフェクター(E)細胞対対照(T)細胞で観察し、形質導入エフェクター(E)細胞の比率の増加と共に、枯渇が徐々に増加した(図7B)。したがって、eTagを発現しているT細胞は、PBMCの存在下で、eTagに対する抗体により効果的に除去できる。FLAGエピトープが、CD8シグナルペプチドと、CAB-CAR F1-1-15およびF1-2-15との間に位置する条件的活性型ASTRとの間に位置するCAB-CARポリペプチドの一部として発現されたFLAGエピトープを用いて、追跡調査実験を実施したことは、注目すべきである。これらの初期非最適化構築物を用いたいくつかの事例では、わずかに減少したが、これらのCAB-CARは、それらの同族抗原を発現している標的細胞を死滅させ、サイトカイン応答を誘発するそれらの能力を保持した。このように、除去ドメインは、その活性を破壊することなく、CAB-CARの一部として発現させることができる。
実施例3.条件的活性型キメラ抗原受容体のサイトカインの誘導
この実施例は、AxlまたはRor2を標的とする条件的活性型キメラ抗原受容体によるpH依存性サイトカイン誘導を示す。対照CHO細胞またはAxl(CHO-Axl)またはRor2細胞(CHO-ROR2)と、抗AXl ASTRを有するCAB-CAR(F1-2-15)を発現しているT細胞または抗Ror2 ASTRを有するCAB-CAR(F1-1-15)を発現しているT細胞とを、それぞれ、pH6.7またはpH7.4で同時インキュベートした後、培地中のIL-2およびIFN-γのサイトカインレベルを測定した。これらの同時インキュベーション由来のサイトカインレベルを、陰性対照および陽性対照のサイトカインレベルと比較した。
凍結保存エフェクター細胞を、汎T細胞(AllCells)にCAB-CAR F1-1-15(Ror2)、F1-2-15(Axl)、またはeTag単独(F1-0-01)をコードするレンチウイルス粒子を形質導入することにより生成し、実施例1で記載のように増殖した。1日目に、エフェクター細胞を解凍し、X-VIVO15(Lonza #04-418Q)、5%ヒトAB血清(Valley Biomedical Inc.,#HP1022)、10mMのN-アセチル L-システイン(Sigma-Aldrich #A9165)からなり、100IU/mlのIL2を補充したヒトT細胞培地中、37℃および5%CO2下での培養により、凍結保存から2日間かけて回収した。2日目に、3.0x104CHO、CHO-Ror2、またはCHO-Axl標的細胞を96ウエル平底組織培養プレートのウエルの100μlの、40mMのHEPES/PIPESを含み、pH6.7またはpH7.4に調節したヒトT細胞培地中に播種し、37℃、5%CO2で一晩培養した。3日目に、休息エフェクター細胞を、適切なpHの140μlのヒトT細胞培地中の3:1のエフェクター細胞/標的細胞比率で実験ウエルに加えた。エフェクターおよび標的細胞を37℃および5%CO2下で一晩同時インキュベートし、翌日上清を収集し、サイトカインレベルをELISAによりアッセイした。各実験条件を3回繰り返して実施した。
結果
図8A~8Dに示すように、抗AXl CAB-CAR F-2-15または抗Ror2 CAB-CAR F-1-15をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入したT細胞を、AxlまたはRor2をそれぞれ発現しているCHO細胞の認識に応答して、pH依存的にサイトカインを分泌するように活性化した。図8Aに示すように、抗Axl CAB-CAR F1-2-15をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入したT細胞は、pH6.7で培養した場合、IL-2を分泌したが、pH7.4の場合は分泌せず、また、Axlを発現しているCHO細胞の存在下でのみ分泌した。同様に、図8Bに示すように、抗Axl CAB-CAR F1-2-15をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入したT細胞は、pH6.7で培養した場合、IFN-γを分泌したが、pH7.4の場合は分泌せず、また、Axlを発現しているCHO細胞の存在下でのみ分泌した。図8Cに示すように、抗Ror2 CAB-CAR F-1-15を発現しているT細胞は、pH7.4に比べて、pH6.7で培養した場合に、約2.5倍のIL-2を分泌し、また、Ror2を発現しているCHO細胞の存在下でのみ、かなりの量のIL-2を分泌した。同様に、図8Dに示すように、抗Ror2 CAB-CAR F-1-15を発現しているT細胞は、pH7.4に比べて、pH6.7で培養した場合に、Ror2を発現しているCHO細胞の存在下でのみ、約2倍のIFN-γを分泌した。抗AXlまたは抗Ror2 CAB-CARの代わりに、対照EGFRポリペプチドを発現したエフェクターT細胞を含む試料は、いずれのpHでも、CHO細胞のいずれかとの同時培養に応答した、IL2またはIFN-γの分泌の増大を生じなかった。このように、インビトロでT細胞上に発現する場合に本明細書で特定される、AxlおよびRor2に対する例示的条件的活性型CARは、CAR同族抗原に曝露される場合、これらのT細胞からの条件的サイトカイン分泌を誘発した。さらに、これらの実験は、本明細書で提供されるCAB-CARを発現する非限定的T細胞を活性化する例示的インビトロ法を提供する。
実施例4.条件的活性型生物学的CAR発現T細胞の細胞傷害活性は、pHを変えることにより制御できる。
次の実施例は、CAB-CARを発現している形質導入T細胞(エフェクター細胞とも呼ばれる)の細胞傷害活性が微小環境のpH中の変化によりどのように調節されるかを示す。この実施例では、同族抗原Axl(抗AXl)に結合できるCAB-CARをコードする核酸を用いて、複製不能組換えレンチウイルス粒子を生成した。汎T細胞をレンチウイルス粒子で形質導入し、培地のpHの変化前後でリアルタイム細胞分析(RTCA)を用いてエフェクター細胞の細胞傷害活性を比較した。
CAB-CARエフェクターT細胞の生成
Axlに対するCAB-CAR(F1-2-15)およびeTag(配列番号78)を含むがCAR(F1-0-01)を欠く陰性対照(C1)をコードするレンチウイルス粒子を実施例1で記載のように生成した。これらのレンチウイルス粒子を用いて、汎T細胞(AllCells)に形質導入し、実施例1に記載のように、形質導入T細胞を10~12日間増殖させた。これらの形質導入T細胞をエフェクター細胞として後で使用するために凍結保存した。
pHシフト細胞傷害性アッセイ
NaHCO3またはNaOHの添加によるpH変化の前後の形質導入T細胞の細胞傷害活性をxCELLigence Systemを使って測定した。手短に説明すると、実験の1日前に、標的細胞(細胞表面上にAxlを発現する構築物で安定に遺伝子導入されたCHO細胞(CHO-Axl細胞))を、96ウエルEプレート(ACEA;San Diego,CA)中に、10,000細胞/ウエルで、40mMのHEPESおよび40mMのPIPES含有X-VIVO15培地、pH6.7中に播種した。上記で考察したように生成した、F1-2-15またはC1(F1-2-15VPおよびC1VP、それぞれ)をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子を予め形質導入した凍結保存エフェクター細胞を解凍し、100IU/mLのIL-2(R&D Systems、Minneapolis,MN)含有X-VIVO15培地中で2日間培養した。実験の日に、F1-2-15-VPまたはC1VPで形質導入した細胞を洗浄し、40mMのHEPESおよび40mMのPIPES含有X-VIVO15培地、pH6.7、中に再懸濁した後、1:1のエフェクター細胞/標的細胞比(E/T)で実験ウエルに加えた。
xCELLigence System(ACEA)で測定したインピーダンスの読み値を5分ごとに取り込み、細胞指数(CI)として報告し、細胞集密度を細胞増殖/細胞溶解の尺度として定量化した。エフェクター細胞添加の約3時間後、8μlの7.5%NaHCO3または14μlの0.5M NaOHを40mMのHEPESおよび40mMのPIPESを含むX-VIVO15培地、pH6.7を含むウエルに加えて、pHを6.7から7.4に高めた。エフェクター細胞添加後、インピーダンスの読み取りを約20時間にわたり継続した。特異的細胞溶解のパーセンテージを次記のように計算した:((CI 標的+C1VP 形質導入エフェクターT細胞)-(CI 標的+F1-2-15-VP形質導入エフェクターT細胞))/(CI 標的+C1VP形質導入エフェクターT細胞))x100。
RTCA死滅アッセイに対するHCl切り替え
HClの添加によるpH変化の前後の形質導入T細胞の細胞傷害活性をxCELLigence Systemを使って測定した。手短に説明すると、実験の1日前に、CHO-Axl細胞を、96ウエルEプレート中に、10,000細胞/ウエルで、40mMのHEPESおよび40mMのPIPES含有X-VIVO15培地、pH7.4中に播種した。C1VPまたはF1-2-15-VPで予め形質導入した凍結保存エフェクター細胞を解凍し、100IU/mLのIL-2含有X-VIVO15培地中で2日間培養した。実験の日に、F1-2-15-VPまたはC1VPで形質導入した細胞を洗浄し、40mMのHEPESおよび40mMのPIPES含有X-VIVO15培地、pH7.4、中に再懸濁した後、1:1のエフェクター細胞/標的細胞比(E/T)で実験ウエルに加えた。
インピーダンスの読み値を5分ごとに取り込み、細胞指数(CI)として報告した。エフェクター細胞添加の約3時間後、8μlの1M HClを40mMのHEPESおよび40mMのPIPESを含むX-VIVO15培地、pH7.4、を含むウエルに加えて、pHを7.4から6.7に切り替えた。エフェクター細胞添加後、インピーダンスの読み取りを約20時間にわたり継続した。特異的細胞溶解のパーセンテージを次記のように計算した:((CI 標的+C1VP 形質導入エフェクターT細胞)-(CI 標的+F1-2-15-VP形質導入エフェクターT細胞))/(CI 標的 C1VP))x100。
結果
低いpHで活性が増加する、同族抗原Axlに結合できるCAB-CARの細胞傷害活性をpH6.7とpH7.4で比較した。F1-2-15、抗AXl CAB-CARをコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入したT細胞を用いて、Axlを発現しているCHO細胞を死滅させた後、pHを高めて、細胞傷害活性がpHシフトにより抑制されたかどうかを判定した。図9Aおよび9Bに示すように、培地のpHを高めるためのNaHCO3またはNaOHの、活性CAR-T細胞の微小環境への添加は、CAB-CARを発現しているT細胞の細胞傷害活性を抑制した。これらの結果は、活性CAB-CAR発現T細胞が標的発現細胞を死滅させることができ、その後、この死滅活性は、微小環境のpHを高めることにより抑制できる。
CAB-CARを発現しているT細胞のpH変化により活性化される細胞傷害活性の能力も決定した。図9Cに示すように、抗AXl CAB-CARを発現しているT細胞のCHO-Axl細胞に対する細胞傷害活性は、pH7.4では低く、微小環境のpHを下げるためのHClの添加により増加する。
F1-2-22(Axlに対するCAB-CAR)およびF1-1-15(Ror2に対するCAB-CAR)を用いてこれらの実験が繰り返された場合、類似の結果が得られた。まとめると、これらの結果は、CAB-CARを発現しているT細胞の細胞傷害活性は、微小環境中のpHのシフトにより、すなわち、pHの増加後に細胞傷害活性を低減すること、およびpHの低下後に細胞傷害活性を増加させることの両方により、調節できることを示す。この非限定的例では、pHは、pH6.7から高められ、pH7.4から下げられた。
実施例5.重炭酸塩投与は、マウスの腫瘍微小環境のpHを高めることができる。
次の実施例は、インビボ腫瘍微小環境のpHが薬剤を投与することにより調節できることを示す。この実施例では、薬剤は重炭酸ナトリウムであり、腫瘍微小環境はマウスのCHO異種移植片腫瘍である。実施例は、インビボおよびエクスビボ両方の、2種の腫瘍微小環境pH測定方法を含む。
ほとんどの固形腫瘍の細胞外の微小環境は酸性であり、pHは通常、6.5~6.9である。これに対して、正常組織pHは塩基性であり、通常、7.2~7.5である。しかし、腫瘍微小環境のインビボpHの直接測定は、困難であり得る。幸いにも、カテプシンの相対的プロテアーゼ活性は、より低いpHでより高く、より高いpHでより低い。したがって、腫瘍内カテプシン活性の測定を、腫瘍微小環境のpHの代用尺度として機能させることができる。カテプシンB、L、S、K、V、およびDのインビボ活性を測定するために、近赤外ProSense750FASTプローブ(PerkinElmer)を使用した。重炭酸ナトリウムの投与による腫瘍微小環境中のpHの調節をさらに確認するために、摘出腫瘍をフェノールレッドで処理し、色を記録した。フェノールレッドは、pH指示薬であり、pH依存性色遷移を起こす。フェノールレッドのナトリウム塩は、pH値を特定するための細胞培養培地として広く使用される。フェノールレッドの溶液は、pH6.4以下で黄色であり、pH7.0近傍でオレンジ色、pH7.4近傍で赤色であり、pH7.8超で紫色である。
マウスを動物実験委員会承認プロトコルに従って取り扱った。皮下(sc)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)腫瘍異種移植片を12~14週齡の雌NOD-PrkdcscidIl2rgtm1/Begen(B-NSG)マウス(Beijing Biocytogen Co.Ltd.)の後部側腹で樹立した。手短に説明すると、培養したCHO細胞(ATCC,Manassas,VA)をDPBS(Thermo Fisher)で洗浄し、計数し、低温のDPBS中に再懸濁し、適切な体積のマトリゲルECM(Corning;最終濃度5mg/mL)と1.5x106細胞/200μlの濃度で、氷上で混合した。
標準的承認麻酔剤を用い、注入前に毛髪を除去して(ネア)、動物の注入のための準備をした。200μlのECM中の細胞懸濁液をマウスのひ腹中にsc注入した。腫瘍が触知可能になると、腫瘍をノギスで週2回測定した。腫瘍体積を、次の式を用いて計算した:(最大長の直径*最短長の直径2)/2。平均腫瘍体積が200mm3に達すると、マウスをそれぞれの処理群にランダムに割り付けた。
重炭酸塩の投与の2日前に、B-NSGマウス用の飲料水を酸性から通常のpHのオートクレーブ精製水に変えた。翌日、750ProSense FASTプローブを6匹のCHO異種移植片担癌マウスに100μlの尾静脈注入(4nmのProSense 750FASTプローブ/100μl PBS)により投与した。別の群のCHO異種移植片担癌マウスを未処理のまま残した。翌日、重炭酸ナトリウムを投与し、ProSense 750FASTプローブで処理したマウスの画像化を、Caliper IVIS Lumina XRを用いて実施した。手短に説明すると、マウスを2L/分のO2キャリアガス中の3%イソフルランを用いて麻酔した後、画像処置中、1.5%のイソフルランを麻酔したマウスに供給するノーズコーンと共に、置いた。画像取得は、近赤外プローブ(745/810nmの励起/発光波長)に対し5秒の露出から構成した。蛍光画像をマウスの通常光画像に重ねた。時間0(処理前)画像を、PBS(対照)または重炭酸ナトリウムの投与の前に取得した。その後マウスに1ml/マウスのPBS(対照、ThermoFisher)または1ml/マウスの1M 重炭酸ナトリウム(Shanghai Experiment Reagent Co.,LTD)を腹腔内注入(ip)経由で投与した。その後、PBSまたは重炭酸塩の投与の30分後にマウスの画像を取得した。収集した蛍光画像を、同一の最小、最大、および閾値を有するように調節した。この試験では、フォトンカウントを相対蛍光単位(RFU)として定義した。欠くマウスの30分の時点から処理前の時点まで(時間0;100%)を正規化することによりRFUを計算した。時間0処理前の値の各マウスの蛍光値の間の変動により、異なる時点での観察された蛍光強度値は個別のマウスに対してのみ正規化され、平均処理前値に対してではなかった。
別の実験群では、NIRカテプシンプローブを受けなかった6匹のマウスは、PBSまたは重炭酸ナトリウムのip投与の1.5時間後に頸部の脱臼により安楽死させた。CHO異種移植片腫瘍を各マウスから摘出した。異種移植片腫瘍をメスで2つの半切れに分割し、ペトリ皿上に置いた。腫瘍組織の半切れをその後、メスを使って、切断/スライスを繰り返した。水または0.05%のフェノールレッド溶液(50mgのフェノールレッド/100mlの水)を各腫瘍半切れにそれぞれ滴加した。色を記録し、治療腫瘍異種移植片の画像を取得し、腫瘍異種移植片試料を取り除いたときに、ペトリ皿上に残っているフェノールレッド溶液の画像を取得した。
結果
図10は、PBS(対照;n=3)または重炭酸塩(n=3)の投与前後のCHO異種移植片担癌マウスの腫瘍内カテプシン活性の画像化からのRFU結果(SEM付き平均)を示す。これらの結果は、ip重炭酸ナトリウム投与後に観察されたカテプシン活性の低下からも明らかなように、重炭酸ナトリウム投与が腫瘍微小環境のpHをインビボで高めることを示唆している。
PBS処理マウス(n=3)と比較して、重炭酸ナトリウム処理マウス(n=3)から摘出した腫瘍組織を用いた場合、フェノールレッド指示薬の黄色/オレンジから赤までの色の変化が観察された。これらの結果は、フェノールレッド指示薬の黄色/オレンジから赤色への色の変化からも明らかなように、重炭酸ナトリウムの投与が、ip投与後に、腫瘍微小環境のpHをインビボで高めることを裏付けている。
実施例6.ROR2およびAXLに対するCAB-CARによる標的依存性腫瘍のインビボ死滅。
インビトロアッセイで、AxlまたはRor2発現細胞に対する条件的細胞傷害活性を有するCAB-CARが、AxlまたはRor2発現腫瘍細胞に対する細胞傷害活性をインビボで有することを示す実験が実施された。CAB-CARの特異性および有効性を究明する手順として、抗ヒトscFv標的と非反応性であるNSG、またはNOD Scid Gammaマウスを用いた異種移植片モデルが選択された。NSGは、成熟T細胞、NK細胞、およびB細胞を欠くマウス株であり、現在まで記載された中で最も免疫不全のマウスである。これらの細胞成分の除去は、単核球由来のヒト末梢血を、宿主からの自然、体液性または獲得免疫反応なしに移植することを可能とするために必要である。照射またはリンパ球枯渇化学療法後にのみヒト中で通常存在する恒常性サイトカインの濃度は、マウスの細胞外の共通γ鎖の非存在により達成され、これにより、養子導入ヒト細胞がこのようなサイトカインを受けることが可能となる。同時に、これらの動物はまた、腫瘍異種移植片標的を移植して、CARの標的発現腫瘍を死滅させる効果を調査するのに使用できる。エフェクター細胞生成物中の異種反応性T細胞受容体抗原の存在は、移植片対宿主病を最終的に生ずることになるが、これらのモデルは、動物薬理学および急性耐容性の短期評価を可能とする。
親チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびヒトROR2(CHO-ROR2)またはヒトAxl(CHO-Axl)を発現するように安定に遺伝子導入された遺伝子導入CHO細胞を利用して、均一な標的腫瘍を生成し、CAB-CARエフェクター細胞の同族抗原発現腫瘍を死滅させるための特異性および有効性が特定される。3種全ての細胞株は、同じ異種反応性ヒト白血球抗原(HLA)およびその他の非特異的抗原を有するので、腫瘍微小環境中での腫瘍標的に対するCAB-CAR細胞の特異性を、ドナーリンパ球および標的腫瘍細胞のHLA反応性の変動を考慮することなく試験できる。播種性悪性病変を有する親および遺伝子導入CHOバリアントは、NSGマウスへのマトリゲル人工基底膜と組み合わせた皮下投与後、急速に増殖した。
PBMCは、製造業者の説明書に従って、Sepax2 S-100装置(Biosafe;14000)でCS-900.2キット(Biosafe;1008)を用いて、Ficoll-Paque(登録商標))(General Electric)を使った密度勾配遠心分離によりインフォームドコンセントによる同意を得た健康なボランティア由来のACD末梢血から単離された。5.0x107個の生存PBMCを1LのG-Rex(Wilson-Wolf)中に播種し、体積を、ウイルス形質導入のためにPBMCを活性化するように、100IU/ml(IL-2)(Novoprotein)、10ng/ml(IL-7)(Novoprotein)、および50ng/mlの抗CD3抗体(OKT3、Novoprotein)を補充したComplete OpTmizer(商標)CTS(商標)T-Cell Expansion SFMを用いて100mlにした。37℃および5%CO2下で一晩のインキュベーション後、実施例1で記載のように作製したCAR構築物をコードするレンチウイルス粒子を活性化PBMCに直接加え、37℃および5%CO2下で一晩インキュベートした。翌日、10mMのNACを補充したComplete OpTmizer(商標)CTS(商標)T-Cell Expansion SFMを用いて、それぞれのG-Rexの培地の体積を1Lにした。さらに、2日目およびその後48時間毎に、100IU/mlのIL-2(Novoprotein)および10ng/mlのIL-7(Novoprotein)を各ウエルに加えた。最初の採血(0日目)から12日目まで、回収する前に細胞を増殖させた。
ROR2に対するCAB-CARを試験するために、実施例5に記載のように、雌NOD-PrkdcscidIl2rgtm1/Begen(B-NSG)マウス(Beijing Biocytogen Co.Ltd.)12~14週齡に、氷上のマトリゲルECM中の1.5x106細胞/200μlの濃度で、親CHO細胞またはCHO-ROR2細胞を皮下に接種した。腫瘍が、大きい腫瘍負荷の治療のモデルとなる200mm3超に到達すると、上記段落で提供された細胞処理プロトコルを用いて調製した、F1-1-15(n=6)またはF1-0-01(n=6)(構築物の詳細については、実施例1および3を参照されたい)をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入した4x106T細胞またはPBS(n=6)を用いて尾静脈注入によりマウスの静脈内(IV)に投与した。腫瘍を、ノギスを用いて3回測定し、次の式を用いて腫瘍体積を計算した:(最大長の直径*最短長の直径2)/2。全ての動物は、13日目までに腫瘍量による剖検ガイドラインに到達した。
AXLに対するCAB-CARを試験するために、実施例5に記載のように、雌B-NSGマウス7~9週齡に、氷上のマトリゲルECM中の1.5x106細胞/200μlの濃度(最終濃度5mg/ml)で、親CHO細胞またはCHO-CHO-Axl細胞を皮下に接種した。腫瘍が大きい腫瘍負荷の治療のモデルとなる100mm3超に到達すると、エフェクター細胞のIVまたは腫瘍内(IT)投与を開始した。第1群のマウスに、上記段落で提供した細胞処理プロトコルを使って調製した、F1-2-15(n=6)、F1-2-22(n=6)、またはF1-0-01(n=6)(構築物の詳細については、実施例1および3を参照されたい)をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入した8x106T細胞、またはPBS(n=6)を用いて、尾静脈注入によりマウスにIV投与した。第2群のマウスに、F1-2-15(n=6)、F1-2-22(n=6)、またはF1-0-01(n=6)をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入した8x106T細胞、またはPBS(n=6)を用いて、IT投与した。第3群のマウスに、F1-2-15(n=6)、F1-2-22(n=6)、またはF1-0-01(n=6)をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入した8x106T細胞、またはPBS(n=6)を用いて尾静脈注入によりIV投与し、さらに、マウスは、最初の3日間にわたり毎日、腫瘍から離れた反対側の皮下にIL-2(50KIU)の皮下注入を受けた。腫瘍を、ノギスを用いて3回測定し、次の式を用いて腫瘍体積を計算した:(最大長の直径*最短長の直径2)/2。腫瘍量による剖検ガイドラインに合致した全ての動物は、安楽死させられた。
結果
Ror2もしくはAxlを発現している、またはどちらも発現していない移植腫瘍細胞を使用して、実施例1で開示のいくつかの代表的CAB-CARのインビボ腫瘍細胞死滅活性をマウスモデルで試験した。図11Aに示すように、抗Ror2 CAB-CARに関しては、F1-1-15をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子を形質導入した4x106T細胞をIV投与されたマウスは、PBS対照またはE-Tagのみのレンチウイルス形質導入T細胞(F1-0-01)と比較して、ROR2陰性腫瘍増殖に対し効果がなかった。対照的に、図11Bに示すように、同じ細胞調製物のヒトRor2発現腫瘍へのIV投与は、F1-1-15によってのみ、Ror2陽性腫瘍の有意な腫瘍抑制が示された。これらのデータは、腫瘍微小環境がこの移植腫瘍マウスモデル中で、インビボで再現されること、および本明細書で提供される例示的抗Ror2 CAB-CARを発現している遺伝子改変T細胞は、標的移植腫瘍細胞の急速な倍加時間にもかかわらず、固形腫瘍にアクセスでき、インビボで標的細胞の死滅を促進できることを示す。
抗AXl CAB-CARに関しては、図12Aに示すように、F1-2-15またはF1-2-22をコードする核酸を含むレンチウイルス粒子で形質導入された8x106T細胞を腫瘍内(IT)投与されたマウスは、PBS対照またはE-Tagのみのレンチウイルス粒子形質導入T細胞(F1-0-01)と比較して、Axl陰性腫瘍増殖に対し効果がなかった。対照的に、図12Bに示すように、同じ細胞調製物のヒトAxl発現腫瘍へのIT投与は、F1-2-15およびF1-2-22によって、Axl陽性腫瘍の有意な腫瘍抑制が示された。F1-2-15またはF1-2-22を発現している細胞は、F1-1-15を発現している細胞のRor2を発現している腫瘍を死滅させる能力に比べて、Axlを発現している腫瘍に対するインビトロ死滅アッセイで等効力であったが、インビボ腫瘍増殖抑制は、局所注入に比べて、IV投与後、経時的に持続しなかった(図13A対照対図13B)。3日間にわたる動物中への全身IL-2投与(図14A対図14B)は、IL-2なしのIV投与に比べて、抗腫瘍活性の改善に繋がった。これらのデータは、この場合でも、腫瘍微小環境がこの移植腫瘍マウスモデル中で、インビボで再現されること、および本明細書で提供される例示的抗Ror2 CAB-CAR F1-2-15およびF1-2-22を発現している遺伝子改変T細胞が固形腫瘍にアクセスでき、標的移植腫瘍細胞の急速な倍加時間にもかかわらずインビボで固形腫瘍にアクセスでき、細胞を死滅させることができることを示す。さらに、本明細書で提供される抗Ror2および抗AXl CAB-CARを用いるこれらの実験は、このようなCAB-CARがこれらのCAB-CARを発現するT細胞を活性化するインビボ法で効果的であることを示す。
当業者なら、本開示の範囲と趣旨の範囲内で、多くの修正および他の実施形態を考案することができる。実際に、本開示の基本的な態様を変更することなく、記載された物質、方法、図面、実験、実施例、および実施形態の変形例が当業者により作成され得る。開示実施形態のいずれかを、任意の他の開示実施形態と組み合わせて使用できる。
いくつかの事例では、一部の概念は特定の実施形態に関連して記載されている。しかし、当業者なら、種々の修正および変更を、以下の特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく、なし得ることを理解する。したがって、明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例証的な意味として考慮されるべきであり、このような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。