JP7700970B2 - 電子線硬化型組成物、及び積層体 - Google Patents
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Description
本願の開示は、2023年7月7日に出願された特願2023-111823号に記載の主題と関連しており、その全ての開示内容は引用によりここに援用される。
また、本明細書中に「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載されている数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本実施形態の電子線硬化型組成物における樹脂(A)は、重量平均分子量が5,000~50,000の樹脂である。重量平均分子量が5,000~50,000であれば、樹脂種は特に限定されず、公知のものを使用できるが、(メタ)アクリレート化合物との相溶性が良好で、溶解可能な樹脂が好ましい。
樹脂の重量平均分子量を5,000以上に調整した場合、電子線硬化型組成物をインキ化した際に必要なインキ粘弾性を容易に得ることができ、水有り平版印刷に用いる場合には必要となる乳化性能を容易に得ることができる。また、重量平均分子量を50,000以内に調整した場合、フィルムとの良好な密着性を容易に得ることができる。
一実施形態において、樹脂(A)の重量平均分子量は、10,000~25,000であることが好ましい。
本発明の実施形態において、ロジン変性樹脂とは、樹脂骨格中に、ロジン由来の骨格を含有する樹脂のことである。
ロジン類の具体例として、共役二重結合を有するアビエチン酸、及びその共役化合物である、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸が挙げられる。他の具体例として、共役二重結合を有さない、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、及びデヒドロアビエチン酸等が挙げられる。
またこれらのロジン類を含有する天然樹脂として、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等が挙げられる。
例えば、直鎖状アルキレン2価アルコールとして、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等が挙げられる。
分岐状アルキレン2価アルコールとして、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が挙げられる。
環状アルキレン2価アルコールとして、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等が挙げられる。
さらに、ポリエチレングリコール(n=2~20)、ポリプロピレングリコール(n=2~20)、ポリテトラメチレングリコール(n=2~20)等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
本発明の実施形態において、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とは、イソシアネート基とヒドロキシ基を反応させた、ウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂のことである。
さらに、ビスフェノールA及びビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類を使用することもできる。
2価アルコールとしては、特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキレン2価アルコールを使用できる。
直鎖状アルキレン2価アルコールとして、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等が挙げられる。
分岐状アルキレン2価アルコールとして、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が挙げられる。
環状アルキレン2価アルコールとして、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等が挙げられる。
脂肪族多塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライ酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、芳香族多塩基酸としてオフソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、3-メチルハイミック酸、4-メチルハイミック酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8-ナフタル酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
脂環族多塩基酸として、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
本発明の一実施形態において、(メタ)アクリレート化合物(B)は、重量平均分子量が700~3,000であり、かつ、(メタ)アクリロイル基1つあたりの重量平均分子量が100~300である(メタ)アクリレート化合物である。(メタ)アクリレート化合物(B)の重量平均分子量は、好ましくは750~2,500であってよく、より好ましくは800~2,000であってよく、さらに好ましくは900~1,800であってよく、特に好ましくは1,000~1,700であってよい。
重量平均分子量及び(メタ)アクリロイル基1つあたりの重量平均分子量が上記範囲にあることで、低マイグレーション性、皮膜強度、密着性のバランスに優れる。
一方、電子線硬化型組成物を透明インキ(ニス)の用途で使用する場合、体質顔料の含有量は用途に応じて調整することが好ましい。一実施形態において、体質顔料は、電子線硬化型組成物(ニス)の全質量中に30質量%以下の含有量で使用することが好ましい。ニスの実施形態において、上記体質顔料の含有量は、好ましくは0.1~30質量%であってよく、より好ましくは0.5~20質量%であってよく、さらに好ましくは1~10質量%であってよい
上記実施形態において、その他の(メタ)アクリレート化合物は、硬化性及び低マイグレーションの観点から、重量平均分子量が500以上であり、かつ、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物で構成されることが好ましい。
一実施形態において、上記電子線硬化型組成物は、樹脂(A)、(メタ)アクリレート化合物(B)、及び顔料(C)を混合することによって製造することができる。他の実施形態において、上記電子線硬化型組成物は、後述する樹脂(A)を含む電子線硬化型ワニスを使用して製造することもできる。
単官能(メタ)アクリレート化合物として、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1、3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルカルバゾール、1-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、電子線硬化型組成物は、上記成分に加えて、さらに重合禁止剤を含んでもよい。このような実施形態では、重合禁止剤を常法により添加し、使用することができる。重合禁止剤を添加する場合、硬化性を阻害しない観点から、その配合量は、電子線硬化型組成物の全質量に基準として、3質量%以下にすることが好ましく、0.01~1質量%の範囲で使用することがより好ましい。
本発明の一実施形態において、電子線硬化型組成物は、目的に応じて、粘弾性調整剤、分散剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤等の各種添加剤をさらに含んでもよい。各種添加剤は、常法によって組成物に添加することができる。組成物に対して各種添加剤を添加する場合、他の成分の効果を阻害しない範囲で配合量を調整することが好ましい。各種添加剤の配合量は、電子線硬化型組成物の全質量を基準として、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の一実施形態である積層体は、基材と、基材の少なくとも一方の主面上に形成され、上記実施形態の電子線硬化型組成物の硬化物から構成される印刷層とを有する。本発明の一実施形態において、積層体は、電子線硬化型組成物が電子線硬化型インキの場合は、電子線硬化型インキを基材に印刷して塗膜を形成し、この塗膜を電子線で硬化することによって得られる。また、積層体は、電子線硬化型組成物が電子線硬化型ニスの場合は、基材に電子線硬化型ニスを印刷、もしくは、基材にインキを印刷した印刷物に電子線硬化型ニスを印刷して塗膜を形成し、この塗膜を電子線で硬化することによって得られる。
また、基材として、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの無機化合物をポリエチレンテレフタレート基材、ナイロン基材に蒸着した蒸着基材を用いることもでき、更に蒸着処理面がポリビニルアルコールなどによるコート処理を施されていてもよい。
基材は、印刷される面(印刷層と接する面)が易接着処理されていることが好ましい。易接着処理とは、例えば、コロナ放電処理、紫外線/オゾン処理、プラズマ処理、酸素プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート基材において、十分な密着性が得られない場合は、アクリルコート処理、ポリエステル処理、ポリ塩化ビニリデン処理などが施されていてもよい。
(マイグレーション耐性試験)
基材としてOPPフィルム等のプラスチックフィルムを使用し、このフィルムの片面に対して電子線硬化型組成物(インキ又はニス)を2~3g/m2の塗布量となるように印刷して塗膜を形成する。この塗膜に対して、電子線照射機を使用して、電子線を照射することによって塗膜を硬化させ印刷面を形成する。照射条件は、例えば、加速電圧110kV、電子線量30kGyであってよい。その後、基材の印刷面と、他の基材の非印刷面とが接触するように重ね合わせて保持する。より具体的には、例えば、1kg/dm2の荷重付加にて、25℃、50%環境条件下にて10日間にわたって保持することができる。
その後、エタノールで残留モノマー(未反応の(メタ)アクリレート成分)を抽出する。より具体的には、例えば、非印刷面の面積0.5dm2に対して、50mlの95%エタノールで、60℃にて10日間かけて残留モノマーを抽出する。
次に、四重極-飛行時間型質量分析計、及び液体クロマトグラフを用いて、上記抽出物の分析を行ない、エタノール中に存在する(メタ)アクリレート化合物の各々の濃度を求める。
原料として使用するロジン酸類をガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し、全ロジン酸ピーク面積100%に対する、各ピーク面積比(%)を求めた。より具体的には、ロジン酸類中に含まれ、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とディールスアルダー付加反応を起こす共役系ロジン酸と、前記共役系ロジン酸以外との含有比を、それぞれ該当するピーク面積の比から求めた。
ディールスアルダー付加反応の反応液をガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し、原料として使用した、ロジン酸類(a1)、及びα,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(a2)の検出ピークの減少によって反応の進行を確認した。検出ピークの減少に変化が見られない時点で反応を終了した。
重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC-8320)を用いて測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。また、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、カラムとしてTSKgel SuperHM-M(東ソー株式会社製)を3本用いた。測定は、流速0.6mL/分、注入量10μL、及びカラム温度40℃の条件下で行った。
1-1.ロジン変性樹脂の調製
以下に示す処方に従い、ロジン変性樹脂を調製した。なお、以下に示す処方で使用したガムロジンは、α,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物(a2)とディールスアルダー付加反応を起こす共役系ロジン酸の含有量が80質量%であり、前記共役系ロジン酸以外の含有量が20質量%であった。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン52.9部と、無水フタル酸37.0部、グリセリン10.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、230℃で6時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂1を得た。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン50.0部と、テトラヒドロ無水フタル酸41.9部、グリセリン8.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、230℃で7時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂2を得た。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン25.0部と、無水マレイン酸15.9部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。反応混合物に、安息香酸38部、トリメチロールプロパン5.0部、ペンタエリスリトール16.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で9時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂3を得た。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン27.0部と無水マレイン酸17.0部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。この反応混合物に、安息香酸31.9部、トリメチロールプロパン8.0部、ペンタエリスリトール16.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で10時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂4を得た。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン38.5部と無水マレイン酸27.0部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。この反応混合物に、テトラヒドロ無水フタル酸11.6部、グリセリン14.8部、ペンタエリスリトール8.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で12時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂5を得た。
撹拌機、水分離器付き還流冷却器、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン37.0部と無水マレイン酸30.0部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。この反応混合物に、テトラヒドロ無水フタル酸9.9部、グリセリン15.0部、ペンタエリスリトール8.0部、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で12時間にわたって脱水縮合反応を行い、ロジン変性樹脂6を得た。
以下に示す処方に従い、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を調製した。
撹拌機、ディーンスターク管、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、原料として、エチレングリコール36.2部、及びアジピン酸63.8部を入れ、撹拌しながら220℃まで加熱した。反応の進行に伴い生成する縮合水を系外へ除きながら反応を行い、理論脱水量に達したところで反応を終了し、ポリエステルポリオール1を得た。
ポリエステルポリオール1の処方を、それぞれ表2に示す処方に変更したことを除き、全てポリエステルポリオール1の調製と同様にして、ポリエステルポリオール樹脂2~6を調製した。
撹拌機、冷却器、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール1を50.4部、及びヘキサメチレンジイソシアネート29.3部を入れ、撹拌しながら100℃で3時間反応させた。次いで、HEAを20.3部入れ、さらに110℃で5時間反応させウレタン(メタ)アクリレート樹脂1を得た。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の処方を、それぞれ表3に示す処方に変更したことを除き、全てウレタン(メタ)アクリレート樹脂1の調製と同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂2~6を調製した。また、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂1~6の重量平均分子量を表1に示した。
なお、用いた市販品の詳細は以下の通りである。
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
以下に示す処方に従い、ポリエステル樹脂を調製した。
撹拌機、ディーンスターク管、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、原料として、グリセリン10部、エチレングリコール20部、無水フタル酸59部を入れ、撹拌しながら220℃まで加熱した。反応の進行に伴い生成する縮合水を系外へ除きながら反応を行い、理論脱水量に達したところで反応を終了しポリエステル樹脂1を得た(重量平均分子量:10,500、水酸基価119KOH/g)。
・DAP-K(ジアリルフタレート樹脂、重量平均分子量25,000、株式会社大阪ソーダ製)
・RADPAR AD-032(ノンフタレート型アリル樹脂、重量平均分子量32,000、株式会社大阪ソーダ製)
撹拌機、ディーンスターク管、温度計、ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、表4の配合に従って原材料を入れ、撹拌しながら100℃まで加熱し、100℃で2時間にわたって撹拌及び溶融して、表4に記載するワニス1~15を得た。
なお、用いた市販品の詳細は以下の通りである。
Miramer M600:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重量平均分子量578、1分子当たりのアクリロイル基の数:6、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:96、美源スペシャリティケミカル(株)製)
(実施例1~29、比較例1~12)
(電子線硬化型平版印刷インキ、電子線硬化型ニスの調製)
表5に記載の配合比率となるように各原料を配合及びそれぞれ混合し、40℃に温度設定した三本ロールミルにて練肉することによって、実施例1~29、比較例1~12のインキ及びニスを得た。
<顔料>
・FG-7330G:LIONOL BLUE FG-7330G(藍顔料、東洋カラー株式会社製)
・CR-90-2:タイペーク CR-90-2(酸化チタン、石原産業株式会社製)
・AEROSIL200V(ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社製)
・ハイフィラー#5000PJ(タルク、松村産業株式会社製)
・EBECRYL 10551(アミン変性アクリレート、重量平均分子量:500、1分子当たりのアクリロイル基の数:2.5、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:200、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・EBECRYL 10553(アミン変性アクリレート、重量平均分子量:780、1分子当たりのアクリロイル基の数:4、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:195、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・EBECRYL 80(アミン変性アクリレート、重量平均分子量:1,000、1分子当たりのアクリロイル基の数:4、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:250、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・Laromer PO 9139(アミン変性アクリレート、重量平均分子量:5,900、BASF社製)
・EBECRYL 800(ポリエステルアクリレート、重量平均分子量:780、1分子当たりのアクリロイル基の数:4、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:195、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・EBECRYL 810(ポリエステルアクリレート、重量平均分子量:1,000、1分子当たりのアクリロイル基の数:4、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:250、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・EBECRYL 450(ポリエステルアクリレート、重量平均分子量:1,600、1分子当たりのアクリロイル基の数:6、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:267、ダイセル・オルネクス株式会社製)
・UF-3007(ポリエステルアクリレート、重量平均分子量:3,600、1分子当たりのアクリロイル基の数:2.5、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:1440、共栄社化学株式会社製)
・Miramer M3160 (トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(6モル)トリアクリレート、重量平均分子量560、1分子当たりのアクリロイル基の数:3、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:187、MIWON社製)
・Miramer M3130(トリメチロールプロパンEO変性(3モル)トリアクリレート、重量平均分子量428、1分子当たりのアクリロイル基の数:3、1アクリロイル基当たりの重量平均分子量:143、MIWON社製)
・ポリストップ7300P(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、伯東株式会社、商品名)
実施例及び比較例で調製したそれぞれの電子線硬化型平版印刷インキ及びニスについて、下記の方法に従い積層体を作製し、下記の評価を行った。
PETフィルム(エンブレットPTM、12μm)上に、バーコーターを用いてラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製TM-321A/TM-321B=2/1)を塗布し塗膜を形成した。より具体的には、酢酸エチルに有効成分が30質量%となるように希釈した上記接着剤の希釈液を調製した。この接着剤の希釈液を使用し、常温にて溶剤揮発後の固形分塗布量が2.0~2.5g/m2となるように調整して塗布し塗膜を形成した。乾燥オーブンで塗膜から溶剤を揮散させた後、アルミニウム箔(厚み7μm、以下AL)と貼り合わせ、PET/ALの積層体を得た。
次に、得られた積層体のAL箔面に、上記と同様にラミネート接着剤を塗布し溶剤を揮散させ、塗布面をOPAフィルム(エンブレムONM、15μm)と貼り合わせた。得られた積層体のOPAフィルム面に、上記と同様にしてラミネート接着剤を塗布し溶剤を揮散させ、塗布面を未延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製のFHK2、厚み40μm、以下「CPP」と記載する)のコロナ処理面と貼り合わせた。
得られた積層体を、35℃、湿度60%RT~80%RTの環境下にて24時間放置して、PET/接着剤層/AL/接着剤層/OPA/接着剤層/CPPの構成である積層体を得た。
5:20個中いずれのパウチでも傷又は剥がれが目視にて確認できない。
4:20個中1個のパウチに傷又は剥がれが目視にて確認できる。
3:20個中2個のパウチに傷又は剥がれが目視にて確認できる。
2:20個中3~10個のパウチに傷又は剥がれが目視にて確認できる。
1:20個中11~20個のパウチに傷又は剥がれが目視にて確認できる。
実施例1~29、比較例1~12の電子線硬化型平版印刷インキ及びニスを、RIテスター(株式会社明製作所製の簡易展色装置)を用いて、フィルムに対して、1g/m2の塗布量となるよう印刷した。印刷後の塗膜は、直ちに、岩崎電気社製電子線照射機EC250/15/180Lを使用し、加速電圧110kV、電子線量30kGyにて硬化し、フィルム/印刷層(硬化塗膜)の積層体を得た。
得られた積層体を用いてテープ密着性の評価を実施した。測定は、粘着テープ(ニチバン社製セロハンテープ(幅12mm))を用いて、印刷面(印刷層の表面)にテープを貼り、180度の角度で素早く引き剥がし、その際に印刷物(積層体)側に残存した塗膜の面積%を以下の基準に従い5段階で評価した。産業上実用可能なレベルは「3」以上であるが、「4」以上がより好ましい。
5:残存した塗膜の面積が90%以上
4:残存した塗膜の面積が70%以上90%未満
3:残存した塗膜の面積が50%以上70%未満
2:残存した塗膜の面積が25%以上50%未満
1:残存した塗膜の面積が25%未満
OPP:フタムラ化学株式会社製 FOR(30μm)
PE :白色ポリエチレンフィルム(50μm)
PET:ユニチカ株式会社製 エンブレットPTM(12μm)
OPA:ユニチカ株式会社製 エンブレムONM(15μm)
OPPフィルム(フタムラ化学株式会社製 FOR、30μm)上に、バーコーターを用いてラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製TM-321A/TM-321B=2/1)を塗布し塗膜を形成した。より具体的には、酢酸エチルに有効成分が30%となるよう希釈した上記接着剤の希釈液を調製した。この接着剤の希釈液を使用し、常温にて溶剤揮発後の固形分塗布量が2.0~2.5g/m2となるように調整して塗布し塗膜を形成した。乾燥オーブンで塗膜の溶剤を揮散させた後、塗布面を未延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製のFHK2、厚み40μm、以下「CPP」と記載する)のコロナ処理面と貼り合わせた。次に、35℃、湿度60%RT~80%RTの環境下にて24時間放置して、OPP/接着剤層/CPP構成である積層体を得た。
次に、得られた印刷物を9cm×9cmに切り出したものを3枚作製し、3枚を印刷面と非印刷面が接触するように重ね合わせ、1kg/dm2の荷重付加にて25℃、50%環境条件下にて10日間保持した。その後、3枚の内の中央の印刷物を取り出し、その非印刷面の面積0.5dm2に対して、50mlの95%エタノールが接触するように、マイグレーションセルにセットした。その後、撹拌を加えながら、60℃にて10日間かけて残留モノマー(未反応の(メタ)アクリレート成分)を抽出した。マイグレーションセルは、器具により完全に密閉されており、上記工程において内容物の損失や、内容物(抽出物)へのその他成分の混入は完全に抑制できる。
次に、Bruker Daltonics社製の四重極-飛行時間型質量分析計、及び島津製作所製のLC30Aシリーズ液体クロマトグラフを用いて、上記抽出物の分析を行ない、エタノール中に存在する(メタ)アクリレート成分(A)として、(メタ)アクリレート化合物の各々の濃度を求めた。さらに、下記基準にしたがってマイグレーション耐性を評価した。産業上実用可能なレベルは「3」以上であるが、「4」以上がより好ましい。
5:(メタ)アクリレート成分(A)のうち、最もマイグレーション量の多い(メタ)アクリレート化合物の濃度が10ppb未満である
4:(メタ)アクリレート成分(A)のうち、最もマイグレーション量の多い(メタ)アクリレート化合物の濃度が10ppb以上、25ppb未満である
3:(メタ)アクリレート成分(A)のうち、最もマイグレーション量の多い(メタ)アクリレート化合物の濃度が25ppb以上、50ppb未満である
2:(メタ)アクリレート成分(A)のうち、最もマイグレーション量の多い(メタ)アクリレート化合物の濃度が50ppb以上、100ppb未満である
1:(メタ)アクリレート成分(A)のうち、最もマイグレーション量の多い(メタ)アクリレート化合物の濃度が100ppb以上である
実施例1~29及び比較例1~12で得られたインキ及びニスを用いて印刷試験を行った。印刷試験は、Comexi CI-8(Comexi社製のオフセット印刷機)を用い、OPPフィルム(フタムラ化学株式会社製 FOR(30μm))に対して実施した。印刷速度は、200m/分、EB照射条件は、110kV、30kGyにて実施した。
また、印刷試験では湿し水としてSUNFOUNT S27H(SUNCHRMICAL社製)3.0%を含む水道水を使用した。正常に印刷できる条件範囲の境界付近における印刷状態の比較を行うために、水巾の下限値よりも2%高い水ダイヤル値で印刷を行った。なお「水巾の下限」とは、正常な印刷が可能である、湿し水の最低供給量を意味し、「水ダイヤル」とは、上記湿し水の供給量を調整するために、上記印刷機に備えられたダイヤルを意味する。
実施例1~29及び比較例1~12のインキを印刷して得られた印刷物の表面を、99.5%エタノール溶液に浸漬した綿棒を使用して、1秒あたり1往復で擦り、硬化膜表面が削れるまでの往復回数を以下の基準に従い5段階で評価した。産業上実用可能なレベルは「3」以上であるが、「4」以上がより好ましい。
5:100回以上
4:50回以上100回未満
3:30回以上50回未満
2:10回以上30回未満
1:10回未満
実施例1~29及び比較例1~12で得られたインキにおいて、印刷速度以外の条件を固定した条件で、印刷速度を100m/分にて基準濃度に調整した後、200m/分へ印刷速度を増加させ、500m印刷した際の濃度変動を以下の基準に従い、初期濃度安定性を5段階で評価した。実用可能なレベルは「3」以上であるが、「4」以上がより好ましい。
5:濃度変動が±5%未満
4:濃度変動が±5%以上、10%未満
3:濃度変動が±10%以上、15%未満
2:濃度変動が±15%以上、20%未満
1:濃度変動が±20%以上
上記印刷試験において、印刷長さが長くなってくると、湿し水を供給しているローラーに徐々にインキが付着してくる。湿し水の供給量が少なくなってくると、印刷物の画像形成をしている非画線部(インキが載ってはいけない箇所)にインキが載りやすくなる。これらの結果から、印刷長さが長くなると、印刷物上に汚れが発生しやすくなる。このような汚れに対する耐性について、上記の理由から水ダイヤルを水巾の下限値よりも2%高い水ダイヤル値に設定し、印刷物を目視で確認し、以下の基準に従い、5段階で評価した。実用可能なレベルは「3」以上であるが、「4」以上がより好ましい。
5:8,000mの印刷で、特にフィルム上に地汚れが確認できない。
4:6,000m以上8,000m未満の印刷で、非画線部に地汚れが発生する。
3:4,000m以上6,000m未満の印刷で、非画線部に地汚れが発生する。
2:2,000m以上4,000m未満の印刷で、非画線部に地汚れが発生する。
1:2,000m未満の印刷で、非画線部に地汚れが発生する。
Claims (12)
- 重量平均分子量5,000~50,000の樹脂(A)と、重量平均分子量が700~3,000であり、かつ、(メタ)アクリロイル基1つあたりの重量平均分子量が100~300である(メタ)アクリレート化合物(B)と、顔料(C)とを含み、
前記樹脂(A)が、ロジン変性樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記(メタ)アクリレート化合物(B)が、アミン変性(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上を含み、
組成物全質量を基準として、重量平均分子量が500未満の(メタ)アクリレート化合物の含有量が25質量%以下である、電子線硬化型組成物。 - 組成物全質量中の前記樹脂(A)の含有量(質量%)に対する、組成物全質量中の前記(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量(質量%)の比が、0.5~8.0である、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤を含まない、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(B)が、アミン変性(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(B)が、ポリエステル(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 前記樹脂(A)と、前記(メタ)アクリレート化合物(B)と、前記顔料(C)との合計含有量が、組成物全質量に対し、60~90質量%である、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 光重合開始剤を実質的に含まない、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 有機溶剤を実質的に含まない、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- ポリテトラフルオロエチレンワックスを実質的に含まない、請求項1に記載の電子線硬化型組成物。
- 基材上に、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子線硬化型組成物の硬化物を有することを特徴とする、積層体。
- 前記基材が、フィルム又は紙である、請求項10に記載の積層体。
- 基材上に、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子線硬化型組成物を塗布して塗膜を形成すること、前記塗膜に加速電圧40~120kVかつ照射線量10~60kGyの条件で電子線を照射することを含む、積層体の製造方法。
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