JP7701832B2 - パワートレインの制御装置 - Google Patents
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Description
しかし、自動変速機の作動油の温度は低く、自動変速機における変速応答が遅いため、変速ショック(詳細には、機関回転の吹け上がり、落ち込み)が発生するおそれがあった。
図1は、車両用のパワートレインの一態様を示すシステム図である。
パワートレイン30は、内燃機関1と油圧式の自動変速機3とを有する。
内燃機関1の出力軸には、流体式トルクコンバータ2を介して、有段変速部を有する油圧式の自動変速機3が接続されている。
なお、自動変速機3は、たとえばプーリ及びベルトを備えた無段変速機とすることができる。
詳細には、エンジン制御用コントローラ4は、内燃機関1の吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などを制御する機能をソフトウェアとして有している。
詳細には、自動変速機制御用コントローラ7は、自動変速機3における変速やロックアップなどを制御する機能をソフトウェアとして有している。
内燃機関1は、内燃機関1の運転状態を検出するセンサとして、内燃機関1の吸入空気流量QAに応じた信号を出力するエアフローセンサ11、内燃機関1の回転速度NEに応じた信号を出力する機関回転センサ12、電子制御スロットル弁13の開度TVOに応じた信号を出力するスロットルセンサ14、内燃機関1の冷却水の温度である水温TWに応じた信号を出力する水温センサ15などを備える。
自動変速機3は、自動変速機3の動作状態を検出するセンサとして、自動変速機3の出力軸の回転に応じた信号(換言すれば、車速VSPに応じた信号)を出力する車速センサ16、流体式トルクコンバータ2のタービン回転速度NTに応じた信号を出力するタービンセンサ17、自動変速機3の作動油の温度である油温TATに応じた信号を出力する油温センサ18、自動変速機3のシフト位置(Dレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Pレンジ)に応じた信号を出力するシフト位置センサ19などを備える。
エンジン制御用コントローラ4は、自動変速機制御用コントローラ7に向けて、たとえば、機関負荷やスロットル開度などの内燃機関1の運転状態に関する情報を送信し、また、トルクダウン許可信号やロックアップ禁止信号などの指令信号を送信する。
一方、自動変速機制御用コントローラ7は、エンジン制御用コントローラ4に向けて、たとえば、トルクダウン信号、ロックアップ状態であることを示す信号、油温TATの情報などを送信する。
なお、以下では、油温TATの情報に基づく出力トルクの制御機能を、AT用出力トルク制御機能と称する。
エンジン制御用コントローラ4は、AT用出力トルク制御機能として、内燃機関1の出力トルクを、油温TATが低いほど増加させる第1機能(換言すれば、第1の出力トルク制御部)と、自動変速機3が変速するときに、内燃機関1の出力トルクを、第1機能で制御される出力トルクから、油温TATが低いほど低下させる第2機能(換言すれば、第2の出力トルク制御部)と、を有する。
エンジン制御用コントローラ4は、ステップS101で、内燃機関1の目標出力トルクを、アクセルペダルの操作量(換言すれば、アクセル開度)などの情報に基づき求める。
なお、エンジン制御用コントローラ4は、目標出力トルクに基づき電子制御スロットル弁13の開度を制御する。つまり、エンジン制御用コントローラ4は、内燃機関1の吸入空気量を調整することで、内燃機関1の出力トルクを目標出力トルクに制御する。
なお、点火装置は、点火プラグ、点火コイル、パワートランジスタなどを備える。
また、点火時期は、上死点からの進角角度で表される。
ここで、自動変速機3のシフト位置が走行レンジ以外(詳細には、NレンジまたはPレンジ)である場合、エンジン制御用コントローラ4は、ステップS112に進んで、ステップS101で求めた目標出力トルク、及び、ステップS102で求めた点火時期を、そのまま最終的な制御目標値に定める。
つまり、エンジン制御用コントローラ4は、自動変速機3のシフト位置が走行レンジ以外であるとき、AT用出力トルク制御機能を実行しない。
そして、エンジン制御用コントローラ4は、油温TATの情報を取得できていれば、ステップS105を迂回してステップS106に進む。
つまり、エンジン制御用コントローラ4がAT用出力トルク制御機能において用いる油温TATの情報は、センサによる検出値と、内燃機関1の冷却水温度などに基づく推定値とのいずれであってもよい。
また、変速機の駆動を開始した後のタービンの累積回転数を、作動油の攪拌エネルギ、つまり温度上昇量に相関すると考えて、初期値に、タービン回転速度NTの積分値に補正係数を乗じた値を加算して、油温TATを推定することもできる。
上記の閾値は、自動変速機3のフリクションが、内燃機関1の出力トルクの増大補正が必要となるほどに大きいか否かを判定するための基準温度である。
つまり、エンジン制御用コントローラ4は、油温TATが閾値よりも低いときに、自動変速機3の冷機状態であって、自動変速機3のフリクションが内燃機関1の出力トルクの増大補正が必要となるほどに大きいと判断する。
つまり、AT用出力トルク制御機能は、自動変速機3の冷機状態(換言すれば、暖機完了前)のための制御機能である。
一方、エンジン制御用コントローラ4は、自動変速機3の冷機状態であれば、ステップS107以降に進んで、AT用出力トルク制御機能を実行する。
図3は、油温TATと出力トルク補正値との相関の一態様を示す。
エンジン制御用コントローラ4は、出力トルク補正値を、油温TATが閾値よりも高いときは零、つまり、内燃機関1の出力トルクを増大補正しない値に設定する。
また、エンジン制御用コントローラ4は、出力トルク補正値を、油温TATが閾値よりも低くなるほど大きな値に設定し、油温TATが低いほど内燃機関1の出力トルクが増加させる。
換言すれば、エンジン制御用コントローラ4は、ステップS108において、ステップS101で求めた目標出力トルクを、油温TATが低いときほど増加させる処理、または、ステップS107で求めた点火時期を、油温TATが低いときほど進角させる増加させる処理を実施する。
ここで、目標出力トルクの増加補正は、スロットル開度の増加補正、または、内燃機関1の吸入空気量の増量補正でもある。
そこで、エンジン制御用コントローラ4は、自動変速機3のフリクション分を補うように、内燃機関1の出力トルクを増加させることで、自動変速機3の冷機状態であっても、車両の発進がもたつくことを抑止する。
エンジン制御用コントローラ4は、自動変速機3が変速するとき、詳細には、アップシフト時であるか否かを判断する。
つまり、エンジン制御用コントローラ4は、変速時でない場合、第2機能を実行しない。
図4は、油温TATと遅角補正値との相関の一態様を示す。
エンジン制御用コントローラ4は、油温TATが低いほど遅角補正値を大きな値に設定する。
点火時期が遅角すると、内燃機関1の出力トルクは低下するから、遅角補正値は、油温TATが低いほど内燃機関1の出力トルクを低下させる補正項となる。
つまり、エンジン制御用コントローラ4は、油温TATに応じて点火時期の遅角補正によって、自動変速機3が変速するときに、内燃機関1の出力トルクを、第1機能で制御される出力トルクから、油温TATが低いほど低下させる第2機能を実現する。
また、エンジン制御用コントローラ4は、ステップS108で点火時期の進角補正を実施しなかった場合、ステップS102で設定した点火時期を、ステップS111で遅角させることになる。
但し、いずれの場合も、エンジン制御用コントローラ4は、第1機能で増加させた内燃機関1の出力トルクを、ステップS110、ステップS111での点火時期の遅角補正(第2機能)で低下させることになる。
しかし、自動変速機3の油温TATが低く、自動変速機3における変速応答が遅いため、変速ショック(機関回転の吹け上がり、落ち込み)が発生するおそれがあり、油温TATが低いほど変速応答が遅くなってより大きな変速ショックが生じる可能性がある。
換言すれば、油温TATが低いほど機関回転の吹け上がりが大きくなると予測できるので、エンジン制御用コントローラ4は、機関回転の吹け上がりの検知に基づき内燃機関1の出力トルクをフィードバック的に低下させるのではなく、油温TATによる出力トルクの低下をフィードフォワード的に作用させる。
このため、エンジン制御用コントローラ4は、吸入空気量の減量ではなく点火時期の遅角補正を行って、内燃機関1の出力トルクを変速動作に合わせて低下させる。
そして、エンジン制御用コントローラ4は、これらの機能によって、自動変速機3の油温TATが低いとき(換言すれば、自動変速機3の冷機時)に、発進もたつきが発生することを抑止しつつ、変速ショックを抑制できる。
図5において、一点鎖線は、第1機能を実施して第2機能を実施しない場合を示し、実線は、第1機能及び第2機能を実施した場合を示す。
なお、図5においては、エンジン制御用コントローラ4は、変速ショック対策として、フィードフォワード制御である第2機能と、内燃機関1の出力トルク(吸入空気量または点火時期)を変速時の目標機関回転速度と実際の機関回転速度との偏差に基づきフィードバック制御する機能とを実行する。
これにより、変速時における機関回転速度の吹け上がりが抑制されるため、変速ショックが抑えられ、また、変速応答が改善される。
また、第2機能により機関回転の上昇が過剰に抑えられる場合は、機関回転速度のフィードバック制御が回転上昇を促すように出力トルクを増加させる。
そして、変速(換言すれば、変速クラッチの締結)が完了した時刻t2以降では、第2機能は停止し、機関回転速度のフィードバック制御によって機関回転速度の立ち上がり応答を速める。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
Claims (4)
- 内燃機関に油圧式の自動変速機を接続したパワートレインを制御するためのパワートレインの制御装置であって、
前記自動変速機の作動油の温度に関する情報を取得する油温情報取得部と、
前記内燃機関の出力トルクを、前記作動油の温度が低いほど増加させる第1の出力トルク制御部と、
前記自動変速機が変速するときに、前記内燃機関の出力トルクを、前記第1の出力トルク制御部で制御される出力トルクから、前記作動油の温度が低いほどより大きく低下させる第2の出力トルク制御部と、
を有する、パワートレインの制御装置。 - 請求項1記載のパワートレインの制御装置であって、
前記第2の出力トルク制御部は、前記内燃機関の点火時期の遅角によって、前記内燃機関の出力トルクを低下させる、
パワートレインの制御装置。 - 請求項2記載のパワートレインの制御装置であって、
前記第1の出力トルク制御部は、前記内燃機関の点火時期の進角、または、前記内燃機関の吸入空気量の増量によって、前記内燃機関の出力トルクを増加させる、
パワートレインの制御装置。 - 請求項1記載のパワートレインの制御装置であって、
前記第2の出力トルク制御部は、前記自動変速機がアップシフトするときに、前記内燃機関の回転速度の吹け上がりを抑制するように、前記内燃機関の出力トルクを、前記第1の出力トルク制御部で制御される出力トルクから、前記作動油の温度が低いほどより大きく低下させる、
パワートレインの制御装置。
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