本発明は、CD137及びOX40の両方に結合する抗体分子に関する。具体的には、本発明の抗体分子は、CD137のためのCDRベースの抗原結合部位と、抗体分子の定常ドメインに位置するOX40抗原結合部位とを含む。「CD137」及び「OX40」という用語は、文脈上別段の必要がない限り、ヒトCD137及びヒトOX40、マウスCD137及びマウスOX40、及び/又はカニクイザルCD137及びカニクイザルOX40を指し得る。好ましくは、「CD137」及び「OX40」という用語は、文脈上別段の必要がない限り、ヒトCD137及びヒトOX40を指す。
「抗体分子」という用語は、天然であるか又は部分的若しくは全体的に合成的に産生されるかを問わず、免疫グロブリンを説明する。抗体分子は、ヒト又はヒト化、好ましくはヒトであり得る。抗体分子は、好ましくは、モノクローナル抗体分子である。抗体の例は、免疫グロブリンGなどの免疫グロブリンアイソタイプ、並びにIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4などのそれらのアイソタイプサブクラス、並びにそれらのフラグメントである。抗体分子は、他のポリペプチド及び/又は血清成分に結合することができる抗体などの汚染物質を含まないという意味で単離され得る。
したがって、本明細書で使用される「抗体分子」という用語は、抗体フラグメントを含む。ただし、前記フラグメントは、CD137のためのCDRベースの抗原結合部位及び定常ドメインに位置するOX40抗原結合部位を含む。したがって、文脈上別段の必要がない限り、本明細書で使用される「抗体分子」という用語は、「抗体分子又はそのフラグメント」と均等である。
モノクローナル抗体及び他の抗体を採用し、組換えDNA技術の技法を使用して、元の抗体の特異性を保持する他の抗体又はキメラ分子を産生することができる。そのような技術は、CDR若しくは可変領域及び/又はOX40抗原結合部位を提供する定常ドメイン配列を異なる免疫グロブリンに導入することを含み得る。ある免疫グロブリンのCDRの別の免疫グロブリンへの導入は、例えば、欧州特許出願公開第A-184187号、英国特許出願公開第2188638A号又は欧州特許出願公開第A-239400号に記載されている。同様の技術を、関連する定常ドメイン配列に使用することができる。代わりに、抗体分子を産生するハイブリドーマ又は他の細胞は、遺伝子変異又は他の変化を受け得、これは、産生される抗体の結合特異性を変化させる場合も変化させない場合もある。
抗体は、多くの方法で修飾できるため、「抗体分子」という用語は、抗体フラグメント、誘導体、機能的均等物及び抗体の相同体を包含すると解釈されるべきであり、これは、天然であるか又は全体的若しくは部分的に合成であるかを問わず、免疫グロブリン結合ドメインを含む任意のポリペプチドを含む。したがって、別のポリペプチドに融合された免疫グロブリン結合ドメイン又は均等物を含むキメラ分子が含まれる。キメラ抗体のクローニング及び発現は、欧州特許出願公開第A-0120694号及び欧州特許出願公開第A-0125023号に記載されている。
CDR配列及びCH3ドメインの両方を含む抗体フラグメントの例は、CH3ドメインに連結されたscFvを含むミニボディである(Hu et al., 1996)。
本発明の抗体分子は、CD137及びOX40に結合する。これに関連して、結合は、特定の結合を指し得る。「特異的」という用語は、抗体分子がその特異的結合パートナー(ここではCD137及びOX40)以外の分子への有意な結合を示さない状況を指し得る。「特異的」という用語は、抗体分子が、CD137及びOX40上のエピトープなど、いくつかの抗原によって運ばれる特定のエピトープに特異的である場合にも適用でき、この場合、抗体分子は、エピトープを運ぶ様々な抗原に結合できる。好ましい実施形態において、本発明の抗体分子は、TNFRSF1A、TNFRSF1B、GITR、NGFR、CD40及び/又はDR6に結合しないか、又はそれらへの有意な結合を示さない。
抗体及びそれらの構築及び使用のための方法は、当技術分野で周知であり、例えばHolliger and Hudson 2005に記載されている。モノクローナル抗体及び他の抗体を採用し、組換えDNA技術の技法を使用して、元の抗体の特異性を保持する他の抗体又はキメラ分子を産生することができる。そのような技術は、ある抗体分子のCDR又は可変領域を異なる抗体分子に導入することを含み得る(欧州特許出願公開第A-184187号、英国特許出願公開第2188638A号及び欧州特許出願公開第A-239400号)。
CDRベースの抗原結合部位は、抗体可変領域の抗原結合部位である。CDRベースの抗原結合部位は、3つの軽鎖可変ドメイン(VL)CDR又は3つの重鎖可変ドメイン(VH)CDRなどの3つのCDRによって形成され得る。好ましくは、CDRベースの抗原結合部位は、6つのCDR、3つのVL CDR及び3つのVH CDRによって形成される。抗原の結合に対する異なるCDRの寄与は、異なる抗原結合部位によって変動し得る。
抗原結合部位の3つのVHドメインCDRは、免疫グロブリンVHドメイン内に位置し得、及び3つのVLドメインCDRは、免疫グロブリンVLドメイン内に位置し得る。例えば、CDRベースの抗原結合部位は、抗体可変領域に位置し得る。
抗体分子は、第1の抗原に対して1つ又は好ましくは2つ以上、例えば2つのCDRベースの抗原結合部位を有し得る。したがって、抗体分子は、1つのVH及び1つのVLドメインを含み得るが、好ましくは2つのVH及び2つのVLドメイン、すなわち例えば天然に存在するIgG分子の場合のように2つのVH/VLドメイン対を含む。
CDRベースの抗原結合部位は、抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12、又はFS30-35-14、又はFS30-5-37、好ましくは抗体FS30-10-16の3つのVH CDR又は3つのVL CDR、好ましくは3つのVH CDR及び3つのVL CDRを含み得る。
当業者は、上記の抗体のVH及びVLドメイン配列からCDRの配列を決定することに困難はないであろう。CDR配列は、例えば、Kabat(Kabat et al., 1991)又は国際的なImMunoGeneTics情報システム(IMGT)(Lefranc et al., 2015)に従って決定され得る。
IMGT番号付けによる抗体分子のVHドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれ抗体分子のVHドメインの27~38、56~65及び105~117位に位置する配列であり得る。
Kabat番号付けによる抗体分子のVHドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれVHドメインの31~35、50~65及び95~102位に位置する配列であり得る。
IMGT番号付けによる抗体分子のVLドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれVLドメインの27~38、56~65及び105~117位に位置する配列であり得る。
Kabat番号付けによる抗体分子のVLドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列は、それぞれVLドメインの24~34、50~56及び89~97位に位置する配列であり得る。
抗体FS30-10-16、FS30-10-3及びFS30-10-12のVH及びVL配列は、IMGT番号付けスキームによるVHの109位の残基(Kabat番号付けスキームによるVHの残基97)を除いて同一である。したがって、抗体分子は、抗体FS30-10-16のVHドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列及び/又はVLドメインCDR1、CDR2及びCDR3配列、VHドメイン配列及び/又はVLドメイン配列を含み得、ここで、抗体分子は、任意選択により、IMGT番号付けスキームによる重鎖の109位(Kabat番号付けスキームによる重鎖の残基97)にアミノ酸置換を含み、前記位置の残基は、好ましくは、アスパラギン(N)、スレオニン(T)及びロイシン(L)からなる群から選択される。
CDRベースの抗原結合部位は、抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-35-14又はFS30-5-37、好ましくは抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12又はFS30-35-14、より好ましくは抗体FS30-10-16、FS30-10-3又はFS30-10-12、最も好ましくは抗体FS30-10-16のVH又はVLドメイン、好ましくはVH及びVHドメインを含み得る。
抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-35-14及びFS30-5-37のVHドメインは、それぞれ配列番号12、18、23、170及び40に記載される配列を有し得る。抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-35-14及びFS30-5-37のVLドメインは、それぞれ配列番号14、14、14、172及び42に記載される配列を有し得る。
本発明の抗体分子は、抗体分子の定常ドメインに位置するOX40抗原結合部位を含む。定常ドメインは、CL、CH1、CH2、CH3又はCH4ドメインであり得、好ましくは、定常ドメインは、CH1、CH2又はCH3ドメイン、より好ましくはCH2又はCH3ドメイン、最も好ましくはCH3ドメインである。
定常ドメインのアミノ酸残基の位置は、特に明記しない限り、ImMunoGeneTics(IMGT)の番号付けスキームに従って本明細書で番号付けされる。IMGT番号付けスキームは、Lefranc et al., Dev.Comp.Immunol., 29, 185-203 (2005)に記載されている。
OX40抗原結合部位は、定常ドメインの第1、第2及び第3の構造ループにそれぞれ位置する第1、第2及び第3の配列を含み得る。標的抗原の抗原結合部位を作製するための抗体定常ドメイン構造ループの操作は、当技術分野で知られており、例えばWozniak-Knopp et al., 2010並びに国際公開第2006/072620号及び国際公開第2009/132876号に記載される。好ましくは、第1、第2及び第3の構造ループは、それぞれ抗体分子のCH3ドメインのAB、CD及びEF構造ループである。CH3ドメインにおいて、AB、CD及びEF構造ループは、それぞれCH3ドメインの残基11~18、43~78及び92~101に位置する。新しい抗原結合部位を作製するための抗体定常ドメインの構造ループ配列の改変は、例えば、国際公開第2006/072620号及び国際公開第2009/132876号に記載されている。
OX40抗原結合部位は、FS20-22-49、FS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47又はFS20-22-85のAB、CD及びEF構造ループ配列を含み得、ここで、AB、CD及びEF構造ループは、それぞれCH3ドメインの残基11~18、43~78及び92~101に位置する配列であり、FS20-22-49、FS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47又はFS20-22-85のCH3ドメインは、それぞれ配列番号54、61、63、66及び69に記載される。
より好ましい実施形態において、抗体分子のOX40抗原結合部位は、それぞれ配列番号51、52及び53に記載されるFS20-22-49の第1、第2及び第3の配列を含む。例えば、OX40抗原結合部位は、それぞれ配列番号56、57及び58に示されるFS20-22-49のAB、CD及びEF構造ループ配列を含み得る。
抗体分子のOX40抗原結合部位がFS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-49又はFS20-22-85の第1、第2及び第3の配列を含む場合、第1、第2及び第3の配列は、好ましくは、抗体分子のCH3ドメインのそれぞれ14から18、45.1から77及び93から101位に位置する。
OX40抗原結合部位がFS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-49又はFS20-22-85のAB、CD及びEF構造ループ配列を含む場合、AB、CD及びEF構造ループは、好ましくは、抗体分子のCH3ドメインのそれぞれ11から18、43から78及び92から101位に位置する。
抗体分子は、抗体分子のCH3ドメインの91位にロイシン(L)をさらに含み得る。特に、FS20-22-85の第1、第2及び第3の配列を含むOX40抗原結合部位を含む抗体分子は、抗体分子のCH3ドメインの91位にロイシンを含み得る。
OX40抗原結合部位は、FS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108又はFS20-31-115のAB、CD及びEF構造ループ配列を含み得、ここで、AB、CD及びEF構造ループは、それぞれCH3ドメインの残基11~18、43~78及び92~101に位置する配列であり、FS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108又はFS20-31-115のCH3ドメインは、それぞれ配列番号54、61、63、66及び69に記載される。
抗体分子のOX40抗原結合部位がFS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108又はFS20-31-115の第1、第2及び第3の配列を含む場合、第1、第2及び第3の配列は、好ましくは、抗体分子のCH3ドメインのそれぞれ14から18、45.1から77及び92から101位に位置する。
OX40抗原結合部位がFS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108又はFS20-31-115のAB、CD及びEF構造ループ配列を含む場合、AB、CD及びEF構造ループは、好ましくは、抗体分子のCH3ドメインのそれぞれ11から18、43から78及び92から101位に位置する。
IMGT番号付けの代替として、本明細書に記載のアミノ酸配列、置換、欠失及び挿入の位置を含む、定常ドメインにおけるアミノ酸残基の位置は、IMGTエクソン番号付け(連続番号付けとも呼ばれる)、EU番号付け又はKabat番号付けに従って番号付けされ得る。CH3ドメインの残基位置のIMGT番号付け、IMGTエクソン番号付け、EU番号付け及びKabat番号付け間の一致を図1に示す。
したがって、例えば、本出願が、抗体分子のCH3ドメインのそれぞれ14から18、45.1から77及び93から101位に位置する第1、第2及び第3の配列に言及し、残基の位置がIMGT番号付けスキームに従って番号付けされる場合、第1、第2及び第3の配列は、CH3ドメインの18から22、46から50及び74から82位に位置し、ここで、残基の位置は、図1に示すように、IMGTエクソン番号付けスキームに従って番号付けされる。
一実施形態において、抗体分子は、FS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-49、FS20-22-85、FS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108又はFS20-31-115のCH3ドメイン配列を含むか、それを有するか又はそれからなるCH3ドメインを含み、ここで、FS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-49、FS20-22-85、FS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108及びFS20-31-115のCH3ドメイン配列は、それぞれ配列番号54、61、63、66、69、74、77、82、86、90及び93に記載される。
好ましい実施形態において、抗体分子は、配列番号54に記載されるFS20-22-49のCH3ドメイン配列を含むか、それを有するか又はそれからなるCH3ドメインを含む。
さらに、本発明の抗体分子は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4分子のCH2ドメインなどの免疫グロブリンG分子のCH2ドメインを含み得る。好ましくは、本発明の抗体分子は、IgG1分子のCH2ドメインを含む。CH2ドメインは、配列番号48に記載される配列を有し得る。
抗体分子のCH2ドメインは、CH2ドメインの1つ以上のFcγRI、FcγIIla、FcγRIIb、FcγRIIIなどのFcγ受容体及び/又は補体への結合を低減又は抑制する1つ以上の変異を含み得る。本発明者らは、Fcγ受容体への結合を減少させるか又は抑制することにより、抗体分子によって媒介されるADCCが減少するか又は排除されると仮定する。同様に、補体への結合を減少させるか又は抑制することは、抗体分子によって媒介されるCDCを減少又は排除することが期待される。1つ以上のFcγ受容体及び/又は補体へのCH2ドメインの結合を減少させるか又は抑制する変異は、当技術分野で公知である(Wang et al., 2018)。これらの変異には、Bruhns et al., 2009及びHezareh et al., 2001に記載される「LALA変異」が含まれ、これは、CH2ドメインのIMGT1.3位及び1.2位のロイシン残基をアラニン(L1.3A及びL1.2A)で置換することを含む。代わりに、CH2ドメインのIMGT84.4位のアスパラギン(N)をアラニン、グリシン又はグルタミン(N84.4A、N84.4G又はN84.4Q)に変異させることによる、保存されたN結合型グリコシル化部位の変異を通じたα-グリコシル抗体の生成は、IgG1エフェクター機能を低下させることも知られている(Wang et al., 2018)。さらなる代替として、補体活性化(C1q結合)及びADCCは、CH2ドメインのIMGT114位のプロリンをアラニン又はグリシン(P114A又はP114G)に変異させることによって低減することが知られている(Idusogie et al., 2000;Klein et al., 2016)。これらの変異は、ADCC又はCDC活性がさらに低下したか又は全くない抗体分子を生成するために組み合わせることもできる。
本発明の抗体分子は、本明細書に開示の第1、第2又は第3の配列、AB、CD又はEF構造ループ配列、CH3ドメイン、CH2ドメイン、CH2及びCH3ドメイン、CDR、VHドメイン、VLドメイン、軽鎖及び/又は重鎖配列の変異体も含み得る。適切な変異体は、配列の変更又は変異及びスクリーニングの方法によって得ることができる。好ましい実施形態において、1つ以上の変異体配列を含む抗体分子は、CD137及びOX40に対する結合特異性及び/又は結合親和性など、親抗体分子の1つ以上の機能的特徴を保持する。例えば、1つ以上の変異体配列を含む抗体分子は、好ましくは、(親)抗体分子と同じ親和性又はより高い親和性でCD137及び/又はOX40に結合する。親抗体分子は、変異体抗体分子に組み込まれているアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入を含まない抗体分子である。
例えば、本発明の抗体分子は、本明細書に記載の構造ループ、CH3ドメイン、CH2ドメイン、CH2及びCH3ドメイン、CDR、VHドメイン、VLドメイン、軽鎖又は重鎖配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%又は少なくとも99.9%の配列同一性を有する第1、第2又は第3の配列、AB、CD又はEF構造ループ配列、CH3ドメイン、CH2ドメイン、CH2及びCH3ドメイン、CDR、VHドメイン、VLドメイン、軽鎖及び/又は重鎖配列を含み得る。
好ましい実施形態において、本発明の抗体分子は、配列番号54に記載されるCH3ドメイン配列[FS20-22-49]に対して少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するCH3ドメイン配列を含む。
さらに好ましい実施形態において、抗体分子は、配列番号48又は49に記載されるCH2ドメイン配列に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するCH2ドメイン配列を有するか又はそれを含む。
配列同一性は、一般的に、アルゴリズムGAP(Wisconsin GCGパッケージ、Accelerys Inc、米国サンディエゴ)を参照して定義される。GAPは、NeedlemanとWunschのアルゴリズムを使用して、2つの完全配列を整列させ、一致の数を最大化し、ギャップの数を最小化する。一般的に、ギャップ生成ペナルティが12に等しく、ギャップ拡張ペナルティが4に等しいデフォルトのパラメーターが使用される。GAPの使用が好ましい場合もあるが、他のアルゴリズム、例えばBLAST(Altschul et al., 1990の方法を使用)、FASTA(Pearson and Lipman, 1988の方法を使用)、又はSmith-Watermanアルゴリズム(Smith and Waterman, 1981)、又は上掲Altschul et al. 1990のTBLASTNプログラムも、一般的にデフォルトパラメーターを使用して用いられ得る。特に、psi-Blastアルゴリズム(Altschul et al., 1997)が使用され得る。
本発明の抗体分子は、本明細書に記載の第1、第2又は第3の配列、AB、CD又はEF構造ループ配列、CH3ドメイン、CH2ドメイン、CH2及びCH3ドメイン、Fcab、CDR、VHドメイン、VLドメイン、軽鎖又は重鎖配列と比較して1つ以上のアミノ酸配列変更(アミノ酸残基の付加、欠失、置換及び/又は挿入)、好ましくは20個以下の変更、15個以下の変更、10個以下の変更、5つ以下の変更、4つ以下の変更、3つ以下の変更、2つ以下の変更又は1つの変更を有する第1、第2又は第3の配列、AB、CD又はEF構造ループ配列、CH3ドメイン、CH2ドメイン、CH2及びCH3ドメイン、CDR、VHドメイン、VLドメイン、軽鎖及び/又は重鎖も含み得る。特に、変更は、VH及びVLドメイン配列の外側の抗体分子の1つ以上のフレームワーク領域及び/又はCH3ドメインの1つ以上のフレームワーク領域においてなされ得る。例えば、変更は、第1、第2及び第3の配列として又はAB、CD又はEF構造ループ配列として、本明細書に記載される配列の外側のCH3ドメインに存在し得る。
好ましい実施形態において、本発明の抗体分子は、配列番号54、61、63、66、69、74、77、82、86、90又は93に記載されるCH3ドメイン配列と比較して1つ以上のアミノ酸配列変更(アミノ酸残基の付加、欠失、置換及び/又は挿入)、好ましくは20個以下の変更、15個以下の変更、10個以下の変更、5つ以下の変更、4つ以下の変更、3つ以下の変更、2つ以下の変更又は1つの変更を伴うCH3ドメイン配列を含み得る。
さらに好ましい実施形態において、抗体分子は、配列番号48又は49に記載されるCH2ドメイン配列と比較して1つ以上のアミノ酸配列変更(アミノ酸残基の付加、欠失、置換及び/又は挿入)、好ましくは20個以下の変更、15個以下の変更、10個以下の変更、5つ以下の変更、4つ以下の変更、3つ以下の変更、2つ以下の変更又は1つの変更を伴うCH2ドメイン配列を含む。
1つ以上のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されている好ましい実施形態において、置換は、例えば、以下の表に従う保存的置換であり得る。いくつかの実施形態において、中央の列の同じカテゴリーのアミノ酸は、互いに置換されており、すなわち、非極性アミノ酸は、例えば、別の非極性アミノ酸で置換されている。いくつかの実施形態において、右端の列の同じ行のアミノ酸が互いに置換されている。
いくつかの実施形態において、置換は、機能的に保存的であり得る。すなわち、いくつかの実施形態において、置換は、均等な非置換抗体分子と比較して、置換を含む抗体分子の1つ以上の機能的特性(例えば、結合親和性)に影響を与えない(又は実質的に影響を与えない)可能性がある。
抗体分子は、好ましくは、ヒトCD137及びヒトOX40に結合する。好ましくは、抗体分子は、ヒトCD137及びヒトOX40に同時に結合することができ、ここで、ヒトCD137及びヒトOX40は、共発現される。この意味での共発現は、CD137及びOX40が同じ細胞、例えばT細胞などの免疫細胞で発現される状況並びにCD137及びOX40が異なる細胞、例えば腫瘍微小環境において互いに隣接して位置する2つの異なる免疫細胞で発現される状況を包含する。したがって、本発明の抗体分子は、シスの単一細胞上の両方の標的に結合することができ、またトランスの異なる細胞上に発現された2つの標的に結合することができると考えられる。
抗体分子は、好ましくは、カニクイザルCD137及びカニクイザルOX40に結合する。カニクイザルCD137及びOX40並びにヒトCD137及びOX40に結合することは、ヒトへの投与前に有効性及び毒性についてカニクイザルで抗体分子を試験できるため、有益である。好ましくは、抗体分子は、カニクイザルCD137及びカニクイザルOX40に同時に結合することができ、ここで、カニクイザルCD137及びカニクイザルOX40は、共発現される。
抗体分子は、好ましくは、10nM、9nM、8nM、7nM、6nM、5nM、4nM、3nM、2nM、1nM、0.5nM、0.4nM若しくは0.3nMの親和性(KD)又はそれより高い親和性で二量体のカニクイザルCD137に結合する。好ましくは、抗体分子は、0.3nMの親和性(KD)又はそれより高い親和性で二量体のカニクイザルCD137に結合する。カニクイザルCD137は、例えば、配列番号129に記載される配列を有し得る。
本実施例に記載されるように、抗体分子は、両方の標的を発現する細胞に結合する可能性がより高いため、両方の標的、すなわちCD137及びOX40に結合するために同様の親和性を有する抗体分子が有利であり得ると考えられる。
ヒトOX40、ヒトCD137、カニクイザルOX40又はカニクイザルCD137など、同族抗原に対する抗体分子の結合親和性は、例えば、Biacoreなどの表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定することができる。細胞表面に発現するOX40又はCD137に対する抗体分子の結合親和性は、フローサイトメトリーによって決定できる。
抗体分子は、リガンド結合について様々な活性を有することが示されている。例えば、抗体分子は、CD137LのCD137への結合を遮断することが可能であるか、遮断することが可能でないか、又は部分的に遮断することが可能であり得る。
好ましくは、抗体分子は、CD137LのCD137への結合を遮断することが可能であるか、遮断することが可能でないか、又は部分的に遮断することが可能であり得る。より好ましくは、抗体分子は、CD137LのCD137への結合を部分的に遮断することができる。
好ましくは、抗体分子は、2つの標的が共発現される場合、OX40及びCD137の両方への二重結合による架橋の結果として、OX40及び/又はCD137のシグナル伝達を誘導することができる。このように作用することにより、そのような抗体分子は、「二重アゴニスト」と呼ばれ、すなわち、抗体分子は、OX40及びCD137の両方への二重結合による架橋の結果として受容体を介したシグナル伝達を誘導することができる。したがって、好ましくは、抗体分子は、OX40及びCD137の両方が共発現される場合、二重アゴニスト作用を誘発することができる。本明細書に記載されるように、そのような二重アゴニストは、有利であることが期待される。例えば、そのような二重アゴニストは、異なる免疫細胞の活性化を組み合わせることができ、例えばトランスで異なる細胞上の両方の標的に結合することによってCD8+及びCD4+T細胞の活性を組み合わせることができるため、免疫応答のより強い刺激を誘発することができ得ると考えられる。さらなる例として、そのような二重アゴニストは、シスで両方の標的に結合することにより、互いに相互作用する2つの細胞を必要とせずに、両方の標的を共発現する単一細胞の活性化をもたらすことができ得ると考えられる。
より好ましくは、二重アゴニストは、その特定の標的(OX40及びCD137)との同時係合により、追加の架橋、例えば架橋剤又はFcγ受容体を必要とせずに自律的にアゴニスト作用を駆動できる必要がある。本明細書に記載されるように、そのような自律的活性は、両方の標的が共発現される位置に制限されるため、有利であることが期待され、したがってOX40の共発現がほとんど又は全くない位置でのCD137の活性化に関連する可能性のある毒性を低減することが期待される。
T細胞を活性化する抗体分子の能力は、T細胞活性化アッセイを使用して測定することができる。T細胞は、活性化するとIL-2を放出する。したがって、T細胞活性化アッセイは、IL-2放出を測定して、抗体分子によって誘導されるT細胞活性化のレベルを決定し得る。
例えば、T細胞を活性化する抗体分子の能力は、T細胞活性化アッセイにおいてT細胞によるIL-2の最大半量の放出を達成するために必要な抗体分子の濃度を測定することによって決定される。これは、以下でEC50と呼ばれる。
例えば、抗体分子は、T細胞活性化アッセイにおいて、30nM以下、25nM以下、20nM以下、14nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、1.5nM、1nM又は0.5nM以下、好ましくは1.5nM以下、より好ましくは架橋されている場合に1nM以下のEC50を有し得る。
さらに又は代わりに、T細胞を活性化する抗体分子の能力は、抗体分子の存在下でのT細胞活性化アッセイにおいて、T細胞によって放出されるIL-2の最大濃度を測定することによって決定され得る。
好ましい実施形態において、抗体分子の存在下でのT細胞活性化アッセイにおいて、T細胞によって放出されるIL-2の最大濃度は、同じアッセイにおいてFS20-22-49AA/FS30-10-16の存在下でT細胞によって放出されるIL-2の最大濃度の20%又は10%以内であり、ここで、FS20-22-49AA/FS30-10-16は、配列番号95の重鎖及び配列番号97の軽鎖からなる。
T細胞活性化アッセイは、好ましくは、OX40及びCD137を共発現するT細胞を含む。好ましい実施形態において、T細胞活性化アッセイは、CD137及びOX40以外の抗体分子を架橋することができるいかなる薬剤も含まない。
T細胞活性化アッセイは、本実施例に記載されるような汎T細胞アッセイ、CD4+T細胞アッセイ又はCD8+T細胞アッセイなど、本明細書に記載されるようなT細胞アッセイであり得る。
例えば、T細胞活性化アッセイは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から分離されたT細胞に基づくIL-2放出アッセイであり得る。CD4+T細胞活性化アッセイ又はCD8+T細胞活性化アッセイは、それぞれヒトPBMCから単離されたCD4+T細胞又はCD8+T細胞に基づくIL-2放出アッセイであり得る。本実施例で説明するように、CD4+及びCD8+T細胞アッセイの両方でT細胞を活性化することができる抗体分子は、OX40及びCD137の両方を活性化することができる(「二重アゴニスト」とも呼ばれる)。例えば、T細胞活性化アッセイは、白血球枯渇コーンからヒトPBMCを分離することを含み得る。PBMCを単離するための方法は、当技術分野で公知であり、本実施例に記載されている。次に、T細胞がPBMCから単離され得る。PBMCからT細胞(全てのT細胞、CD4+T細胞又はCD8+T細胞)を単離するための方法も当技術分野で公知であり、本実施例に記載されている。
抗体分子は、生物活性分子又は検出可能な標識にコンジュゲートされ得る。この場合、抗体分子は、コンジュゲートと呼ばれ得る。そのようなコンジュゲートにより、本明細書に記載されるような疾患の処置における用途が見出される。
例えば、生物活性分子は、サイトカイン、好ましくはヒトサイトカインなどの免疫系モジュレーターであり得る。例えば、サイトカインは、T細胞の活性化及び/又は増殖を刺激するサイトカインであり得る。抗体分子にコンジュゲートするためのサイトカインの例には、IL-2、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、GM-CSF及びIFN-ガンマが含まれる。
放射免疫療法は、例えば、癌処置に使用される。放射免疫療法に適した治療用放射性同位体は、当技術分野で知られており、イットリウム-90、ヨウ素-131、ビスマス-213、アスタチン-211、ルテチウム177、レニウム-188、銅-67、アクチニウム-225及びヨウ素-125及びテルビウム-161を含む。
抗体分子にコンジュゲートされ得る適切な検出可能な標識は、当技術分野で公知であり、ヨウ素125、ヨウ素131、イットリウム90、インジウム111、テクネチウム99などの放射性同位体;フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、テキサスレッド並びにシアニン色素誘導体(例えば、Cy7及びAlexa750)などの蛍光色素;ジアミノベンジジンなどの発色色素;ラテックスビーズ;西洋ワサビペルオキシダーゼなどの酵素標識;スペクトル的に分離された吸収又は発光特性を備えた蛍光体又はレーザー色素;並びに特定の同族の検出可能部分(例えば、標識されたアビジン)への結合を介して検出され得るビオチンなどの化学部分を含む。
抗体分子は、ジスルフィド又はペプチド結合などの任意の適切な共有結合又は非共有結合により、生物活性分子又は検出可能な標識にコンジュゲートされ得る。生物活性分子がサイトカインである場合、サイトカインは、ペプチドリンカーによって抗体分子に結合され得る。適切なペプチドリンカーは、当技術分野で公知であり、長さは、5から25アミノ酸、5から20アミノ酸、5から15アミノ酸、10から25アミノ酸、10から20アミノ酸又は10から15アミノ酸であり得る。
いくつかの実施形態において、生物活性分子は、切断可能なリンカーによって抗体分子にコンジュゲートされ得る。リンカーは、治療部位での抗体分子からの生物活性分子の放出を可能にし得る。リンカーには、アミド結合(例えば、ペプチドリンカー)、ジスルフィド結合又はヒドラゾンが含まれ得る。例えば、ペプチドリンカーは、部位特異的プロテアーゼによって切断され得、ジスルフィド結合は、細胞質ゾルの還元環境によって切断され得、ヒドラゾンは、酸媒介性加水分解によって切断され得る。
本発明は、本発明の抗体分子をコードする単離された1つ又は複数の核酸分子も提供する。当業者は、当技術分野で周知の方法を使用してそのような核酸分子を調製することに困難はないであろう。
1つ又は複数の核酸分子は、例えば、配列番号55又は113、62、64、67、70、75、78、83、87、91又は94に記載される配列を含み得、これらは、それぞれFS20-22-49、FS20-22-38、FS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-85、FS20-31-58、FS20-31-66、FS20-31-94、FS20-31-102、FS20-31-108及びFS20-31-115のCH3ドメインをコードする。例えば、1つ又は複数の核酸分子は、配列番号55又は113に記載される配列を含み得、これらは、両方ともFS20-22-49のCH3ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の核酸分子は、配列番号113に記載される配列を含み、これは、FS20-22-49のCH3ドメインをコードする。好ましくは、1つ又は複数の核酸分子は、配列番号55に記載される配列を含み、これは、FS20-22-49のCH3ドメインをコードする。
1つ又は複数の核酸分子は、抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-35-14又はFS30-5-37、好ましくは抗体FS30-10-16、FS30-10-3、FS30-10-12又はFS30-35-14、より好ましくは抗体FS30-10-16、FS30-10-3又はFS30-10-12、最も好ましくは抗体FS30-10-16のVHドメイン及び/又はVLドメイン、好ましくはVHドメイン及びVHドメインをコードし得る。これらの抗体のVH及びVLドメイン配列は、本明細書に記載されている。
1つ又は複数の核酸分子は、重鎖及び/又は軽鎖、好ましくは抗体FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-35-14又はFS20-22-49AA/FS30-5-37の重鎖及び軽鎖、好ましくは抗体FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12又はFS20-22-49AA/FS30-35-14、より好ましくは抗体FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-10-3又はFS20-22-49AA/FS30-10-12、最も好ましくはFS20-22-49AA/FS30-10-16をコードし得る。これらの抗体のVH及びVLドメイン配列は、本明細書に記載されている。
単離された核酸分子を使用して、本発明の抗体分子を発現させ得る。核酸は、一般的に、発現のための組換えベクターの形態で提供される。したがって、本発明の別の態様は、上記のような核酸を含むベクターを提供する。プロモーター配列、転写終結フラグメント、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及び必要に応じて他の配列を含む、適切な調節配列を含有する適切なベクターを選択又は構築することができる。好ましくは、ベクターは、宿主細胞における核酸の発現を駆動するための適切な調節配列を含む。ベクターは、必要に応じて、プラスミド、ウイルス性、例えばファージ又はファージミドであり得る。
本明細書に記載の核酸分子又はベクターは、宿主細胞に導入され得る。核酸又はベクターを宿主細胞に導入するための技術は、当技術分野で十分に確立されており、任意の適切な技術が使用され得る。組換え抗体分子の産生に適した様々な宿主細胞が当技術分野で公知であり、細菌、酵母、昆虫又は哺乳動物の宿主細胞を含む。好ましい宿主細胞は、CHO、NS0又はHEK細胞などの哺乳動物細胞、例えばHEK293細胞である。
本発明の別の態様は、本発明の抗体分子を産生する方法であって、宿主細胞において抗体分子をコードする核酸を発現することと、任意選択により、そのように産生された抗体分子を単離及び/又は精製することとを含む方法を提供する。宿主細胞を培養するための方法は、当技術分野で周知である。この方法は、抗体分子を単離及び/又は精製することをさらに含み得る。組換え抗体分子を精製するための技術は、当技術分野で周知であり、例えばHPLC、FPLC又はアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA又はプロテインLを使用するもの)を含む。いくつかの実施形態において、精製は、抗体分子上のアフィニティータグを使用して実施され得る。方法は、抗体分子を、任意選択により薬学的に許容される賦形剤又は以下に記載される他の物質と共に医薬組成物に製剤化することも含み得る。
上で説明したように、CD137及びOX40の両方は、T細胞を含む免疫系の細胞で発現している。例えば、OX40は、活性化T細胞、特に、CD4+T細胞、CD8+T細胞、1型Tヘルパー(Th1)細胞、2型Tヘルパー(Th2)細胞及び制御性T(Treg)細胞、並びに腫瘍浸潤T細胞、並びに活性化ナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫系の細胞上に発現する。CD137は、T細胞、特にCD8+T細胞、B細胞、NK細胞及び腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む免疫系の細胞に発現している。CD137は、CD8+T細胞よりもCD4+T細胞上において低レベルで発現するが(実施例14及び図6を参照されたい)、CD4+T細胞の一部のサブセットの増殖及び活性化の誘導に関与することも示されている(Wen et al., 2002)。
OX40の活性化は、T細胞の活性化、T細胞のクローン拡大培養、T細胞の分化及び生存並びにメモリーT細胞の生成を増強する役割を果たすことが示されている。CD137の活性化は、CD8+T細胞の増殖、生存及び細胞傷害性エフェクター機能並びにCD8+T細胞の分化及びメモリーCD8+T細胞の維持を増強する役割を果たすことが示されている。CD137の活性化は、NK細胞媒介性ADCC並びにB細胞の増殖、生存及びサイトカイン産生を増強することも実証されている。
OX40及びCD137の免疫応答増強活性に照らして、OX40及びCD137アゴニスト分子は、癌処置に関連して研究されており、感染症の処置における用途を見出すことも期待されている。
処置は、何らかの所望の治療効果、例えば状態の進行の阻害又は遅延などが達成される任意の処置又は治療であり得、進行速度の低下、進行速度の停止、状態の改善、状態の治癒又は寛解(部分的又は全体的)、1つ以上の症状及び/又は状態の兆候を予防、改善、遅延、軽減若しくは阻止すること又は個体若しくは患者の生存期間を処置の不存在時に予想される期間を超えて延長することを含む。
予防的手段(すなわち予防法)としての処置も含まれる。例えば、癌などの疾患の発生又は再発の影響を受けやすいか又はそのリスクがある個体は、本明細書に記載されるように処置され得る。そのような処置は、個体における疾患の発生又は再発を予防又は遅延させ得る。
記載されているような処置方法は、抗体分子に加えて、少なくとも1つのさらなる処置を個体に投与することを含み得る。したがって、本明細書に記載の抗体分子は、単独で又は1つ以上の他の処置と組み合わせて個体に投与され得る。抗体分子が別の処置と組み合わせて個体に投与される場合、追加の処置は、抗体分子の投与と同時に、連続的に又は別個に個体に投与され得る。追加の処置が抗体分子と同時に投与される場合、抗体分子及び追加の処置は、組み合わせた調製物として個体に投与され得る。例えば、追加の治療は、処置される疾患に対する既知の治療又は治療剤であり得る。
抗体分子は、単独で投与され得るが、抗体分子は、通常、抗体分子に加えて少なくとも1つの成分を含み得る医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明の別の態様は、本明細書に記載の抗体分子を含む医薬組成物を提供する。抗体分子を医薬組成物に製剤化することを含む方法も提供される。
医薬組成物は、抗体分子に加えて、薬学的に許容される賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤又は当業者に周知の他の材料を含み得る。本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症のない、対象(例えば、ヒト)の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物及び/又は剤形に関する。各担体、賦形剤なども製剤の他の成分と適合性があるという意味で「許容可能」でなければならない。担体又は他の材料の正確な性質は、投与経路に依存し、これは、以下で論じられるように、注入、注射又は他の適切な経路によるものであり得る。
非経口、例えば皮下又は静脈内投与(例えば、注射による)の場合、抗体分子を含む医薬組成物は、発熱物質を含まず、適切なpH、等張性及び安定性を備えた、非経口的に許容される水溶液の形態であり得る。関連技術を有する当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射、リンガー注射、乳酸リンガー注射などの等張性ビヒクルを使用して、適切な溶液を調製することが十分に可能である。リン酸、クエン酸及び他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸及びメチオニンなどの酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3’-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖及びグルコース、マンノース、デキストリを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);及び/又はTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む保存剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤及び/又は他の添加剤を必要に応じて使用し得る。
いくつかの実施形態において、抗体分子は、投与前に再構成するために凍結乾燥形態で提供され得る。例えば、凍結乾燥された抗体分子は、個体に投与する前に滅菌水で再構成され、且つ生理食塩水と混合され得る。
投与は、「治療有効量」であり得、これは、個体への利点を示すのに十分である。実際に投与される量並びに投与の速度及び時間経過は、処置される対象の性質及び重症度、処置される特定の個体、個体の臨床状態、障害の原因、組成物の送達部位、抗体分子のタイプ、投与方法、投与のスケジュール並びに医師に知られている他の要因に依存する。処置の処方、例えば投与量の決定などは、一般医及び他の医師の責任の範囲内であり、症状の重症度及び/又は処置されている疾患の進行に依存し得る。抗体分子の適切な用量は、当技術分野で周知である(Ledermann et al., 1991; Bagshawe et al., 1991)。投与される抗体分子に対して適切である、本明細書又はPhysician’s Desk Reference (2003)に示されている特定の投与量が使用され得る。抗体分子の治療有効量又は適切な用量は、動物モデルにおけるインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって決定することができる。マウス及び他の試験動物における有効投与量をヒトに外挿するための方法は、公知である。正確な用量は、処置される領域のサイズ及び位置並びに抗体分子の正確な性質を含む多数の要因に依存する。
典型的な抗体用量は、全身投与の場合に100μgから1gの範囲であり、局所投与の場合に1μgから1mgの範囲である。最初により高い負荷用量、続いて1つ以上のより低い用量が投与され得る。これは、成人個体の単回処置用の用量であり、比例的に小児及び乳児のために調整され得、分子量に比例して他の抗体形式にも調整できる。
処置は、医師の裁量により、毎日、週に2回、週に1回又は月に1回繰り返され得る。個体の処置スケジュールは、抗体組成物の薬物動態学的及び薬力学的特性、投与経路並びに処置される状態の性質に依存し得る。
処置は、定期的であり得、投与間の期間は、約2週間以上、例えば約3週間以上、約4週間以上、約月1回以上、約5週間以上又は約6週間以上であり得る。例えば、処置は、2から4週間ごと又は4から8週間ごとであり得る。適切な製剤及び投与経路は、上に記載されている。
癌は、悪性癌細胞の異常な増殖を特徴とし得る。乳癌などの特定の種類の癌に言及される場合、これは、乳房組織などの関連組織の悪性細胞の異常な増殖を指す。乳房に位置するが、卵巣組織などの別の組織の悪性細胞の異常増殖の結果である二次癌は、本明細書で言及されるような乳癌ではなく、卵巣癌である。
癌は、原発癌又は二次癌であり得る。したがって、本明細書に記載の抗体分子は、癌が原発性腫瘍及び/又は腫瘍転移である、個体の癌を処置する方法における使用のためのものであり得る。
本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される癌の腫瘍は、例えば、その細胞表面上において、OX40及び/又はCD137を発現するTILを含み得る。一実施形態において、腫瘍は、OX40及び/又はCD137の1つ又は両方を発現するTILを含むと決定されたものであり得る。細胞表面上の抗原の発現を決定するための方法は、当技術分野で公知であり、例えばフローサイトメトリーを含む。
例えば、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される癌は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)及び慢性リンパ性白血病(CLL)などの白血病;ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫及び多発性骨髄腫などのリンパ腫;並びに肉腫(例えば、軟部肉腫)、皮膚癌(例えば、メルケル細胞癌)、黒色腫、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮癌)、脳腫瘍(例えば、多形神経膠芽腫)、乳癌、子宮/子宮内膜癌、卵巣癌(例えば、卵巣漿液性嚢胞腺腫)、前立腺癌、肺扁平上皮癌などの肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)及び小細胞肺癌(SCLC))、結腸直腸癌(例えば、結腸直腸腺癌)、子宮頸癌(例えば、子宮頸扁平上皮癌及び子宮頚管内腺癌)、肝癌(例えば、肝細胞癌)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮細胞癌)、食道癌(oesophageal cancer)(例えば、食道癌(oesophageal carcinoma))、膵臓癌、腎癌(例えば、腎細胞癌)、副腎癌、胃癌(例えば、胃腺癌)、精巣癌(例えば、精巣胚細胞腫瘍)、胆嚢及び胆道の癌(例えば、胆管細胞癌)、甲状腺癌、胸腺癌、骨癌及び脳癌などの固形癌からなる群から選択され得る。
より好ましくは、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される癌は、黒色腫、膀胱癌、脳癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、肝癌、頭頸部癌、膵臓癌、腎癌、胃癌からなる群から選択される固形癌である。
さらに好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される癌は、PD-1、PD-L1又はCTLA4に結合する抗体などの1つ以上のチェックポイント阻害剤による処置に応答する癌であり得る。そのような腫瘍は、チェックポイント阻害剤治療に感受性でない腫瘍よりも高いTILレベル及び/又は高い腫瘍変異負荷を有すると考えられる。このような腫瘍は、温かい腫瘍又は熱い腫瘍とも呼ばれる。
このような腫瘍の例には、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、黒色腫、肺癌(扁平上皮肺癌、肺腺癌、非小細胞肺癌[NSCLC]又は小細胞肺癌[SCLC]など)、前立腺癌、子宮頸癌、膀胱癌、乳癌、甲状腺癌、腎癌、結腸直腸癌(MSI又はMSS、例えば結腸直腸腺癌)、食道癌、非ホジキンリンパ腫(NHL)、胃癌、子宮内膜癌、膵臓癌、卵巣癌、肝細胞癌、中皮腫及び尿路上皮癌が含まれる。好ましい実施形態において、癌は、胃癌である。癌は、さらに、以前に化学療法剤又は放射線治療剤で処置されていない癌であり得る。すなわち、処置される個体は、対象の癌の化学療法剤又は放射線治療剤で処置を受けていない癌患者であり得る。好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子は、個体の1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤に応答する癌を処置する方法における使用のためのものであり、ここで、この方法は、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤と組み合わせた抗体分子で患者を処置することを含む。
代わりに、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される癌は、PD-1、PD-L1又はCTLA4に結合する抗体などの1つ以上のチェックポイント阻害剤による処置に応答しない膵臓癌又は前立腺癌などの癌であり得る。このような腫瘍は、冷たい腫瘍とも呼ばれる。
本発明者らは、抗PD-1又は抗PD-L1抗体単独での処置に応答しなかった腫瘍が、本明細書に記載の抗体分子と組み合わせた抗PD-1又は抗PD-L1抗体による処置に応答することを示した。したがって、本発明の抗体分子は、個体の癌を処置する方法における使用のためのものであり得、ここで、癌は、1つ以上のチェックポイント阻害剤のみによる処置に応答しないか又は抵抗性であり、方法は、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤と組み合わせて抗体分子を個体に投与することを含む。癌が1つ以上のチェックポイント阻害剤のみによる処置に応答しないか又は抵抗性であり、方法が、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤と組み合わせて抗体分子を個体に投与することを含む、個体の癌を処置する方法も企図される。
理論に拘束されることを望むものではないが、1つ以上のチェックポイント阻害剤のみによる処置に応答しない癌の化学療法、放射線療法、免疫刺激剤などの免疫療法剤又は抗腫瘍ワクチンによる処置は、癌細胞死を引き起こし、その結果、腫瘍内のTILが増加し、免疫抑制受容体の発現が高くなり、これにより、癌は、チェックポイント阻害剤による処置に反応するようになり、すなわち冷たい腫瘍が温かい腫瘍に変化すると考えられる。したがって、本発明の抗体分子は、個体の癌を処置する方法における使用のためのものであり得、ここで、癌は、1つ以上のチェックポイント阻害剤のみによる処置に応答しないか又は抵抗性であり、方法は、化学療法剤、放射線療法剤若しくは免疫刺激剤又は抗癌ワクチン及び任意選択によりPD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤と組み合わせて抗体分子を個体に投与することを含む。個体の癌を処置する方法であって、癌が1つ以上のチェックポイント阻害剤のみによる処置に応答しないか又は抵抗性であり、方法が、化学療法剤、放射線療法剤若しくは免疫刺激剤又は抗癌ワクチン及び任意選択によりPD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤と組み合わせて抗体分子を個体に投与することを含む、方法も企図される。好ましい実施形態において、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害する薬剤は、PD-1又はPD-L1に結合する抗体である。
癌に関連して、処置は、完全な癌の寛解を含む癌の成長の阻害及び/又は癌の転移の阻害並びに癌の再発の阻害を含み得る。癌の増殖は、一般的に、癌内のより発達した形態への変化を示す多数の指標のいずれかを指す。したがって、癌増殖の阻害を測定するための指標には、癌細胞の生存の低下、腫瘍の体積又は形態の減少(例えば、コンピューター断層撮影(CT)、超音波検査又は他の画像化方法を使用して決定される)、腫瘍増殖の遅延、腫瘍血管系の破壊、遅延型過敏性皮膚検査のパフォーマンスの改善、抗癌免疫細胞又は他の抗癌免疫応答の活性の増加及び腫瘍特異的抗原のレベルの減少が含まれる。個体の癌性腫瘍に対する免疫応答を活性化又は増強することにより、癌の増殖、特に対象にすでに存在する癌の増殖に抵抗する個体の能力を改善し、及び/又は個体の癌増殖の傾向を低下させ得る。
癌処置に関連して、本明細書に記載の抗体分子は、対象の癌の処置に適切であることが示されているか又は潜在的に適切である抗癌療法又は治療剤などの別の抗癌療法又は治療剤と組み合わせて、個体に投与され得る。例えば、抗体分子は、化学療法剤、放射線療法、放射性核種、免疫療法剤、抗腫瘍ワクチン、腫瘍溶解性ウイルス、養子細胞移植(ACT)療法、例えば養子NK細胞療法又はキメラ抗原受容体(CAR)、自己TIL若しくはガンマ/デルタT細胞による治療又はホルモン療法のための薬剤と組み合わせて個体に投与され得る。本明細書に記載の抗体分子は、アジュバント又はネオアジュバント(ネオアジュバントホルモン療法など)、抗血管新生剤(抗VEGF又は抗VEGFR2抗体など)又は細胞傷害性薬剤と組み合わせても個体に投与され得る。
理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載の抗体分子は、抗癌治療におけるアジュバントとして作用し得ると考えられる。具体的には、例えば、化学療法又は放射線療法と組み合わせた抗体分子の個体への投与は、化学療法又は放射線療法単独で達成されるよりも、癌に対してより大きい免疫応答を誘発すると考えられる。
本明細書に記載されるような抗体分子と組み合わせた投与のための1つ以上の化学療法剤は、タキサン、細胞傷害性抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、PARP阻害剤、B-Raf酵素阻害剤、MEK阻害剤、c-MET阻害剤、VEGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、アルキル化剤、プラチナ類似体、ヌクレオシド類似体、葉酸代謝拮抗剤、サリドマイド誘導体、抗悪性腫瘍化学療法剤などからなる群から選択され得る。タキサンは、ドセタキセル、パクリタキセル及びnab-パクリタキセルを含み;細胞傷害性抗生物質は、アクチノマイシン、ブレオマイシン並びにドキソルビシン、ミトキサントロン及びバルルビシンなどのアントラサイクリンを含み;チロシンキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アキシチニブ、PLX3397、イマチニブ、コベミチニブ及びトラメチニブを含み;PARP阻害剤は、ピラパリブを含み;B-Raf酵素阻害剤は、ベムラフェニブ及びダブラフェニブを含み;アルキル化剤は、ダカルバジン、シクロホスファミド及びテモゾロミドを含み;プラチナ類似体は、カルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンを含み;ヌクレオシド類似体は、アザシチジン、カペシタビン、フルダラビン、フルオロウラシル及びゲムシタビンを含み;及び葉酸代謝拮抗剤は、メトトレキサート及びペメトレキセドを含む。本発明における使用に適した他の化学療法剤には、デファクチニブ、エンチノスタット、エリブリン、イリノテカン及びビンブラスチンが含まれる。本明細書に記載されるような抗体分子と組み合わせた投与のための化学療法剤は、フルオロピリミジンであり得る。例えば、処置される癌がHER2陰性胃癌などのHER2陰性である場合、本明細書に記載の抗体分子は、プラチナ、プラチナ類似体及びフルオロピリミジンと組み合わせて投与され得る。処置される癌がHER2陽性胃癌などのHER2陽性である場合、本明細書に記載の抗体分子は、プラチナ又はプラチナ類似体、フルオロピリミジン及びトラスツズマブと組み合わせて投与され得る。
本明細書に記載の抗体分子と共に投与するための好ましい治療剤は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、シスプラチン及びオキサリプラチンである。
本明細書に記載の抗体分子と共に投与するための放射性核種は、イットリウム-90、ヨウ素-131、ビスマス-213、アスタチン-211、ルテチウム177、レニウム-188、銅-67、アクチニウム-225、ヨウ素-125及びテルビウム-161からなる群から選択され得る。
本明細書に記載されるような抗体分子と組み合わせた投与のための免疫療法剤は、治療用抗体分子、ヌクレオチド、サイトカイン又はサイトカインベースの治療剤であり得る。例えば、治療用抗体分子は、免疫調節分子、例えば阻害性チェックポイント分子又は免疫共刺激分子、自然免疫系の受容体又は腫瘍抗原、例えば細胞表面腫瘍抗原又は可溶性腫瘍抗原に結合し得る。治療用抗体分子が結合し得る免疫調節分子の例には、CTLA-4、LAG-3、TIGIT、TIM-3、VISTA、プログラム死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、CD47、CD73、CSF-1R、KIR、CD40、HVEM、IL-10及びCSF-1が含まれる。治療用抗体分子が結合し得る自然免疫系の受容体の例には、TLR1、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9、RIG-I様受容体(例えば、RIG-I及びMDA-5)及びSTINGが含まれる。治療用抗体分子が結合し得る腫瘍抗原の例には、HER2、EGFR、CD20及びTGF-ベータが含まれる。
本発明者らは、抗PD-1又は抗PD-L1抗体と組み合わせた本発明の抗体分子の投与が、本発明の抗体分子又は抗PD-1若しくは抗PD-L1抗体のみのいずれかによる処置と比較して、マウス腫瘍モデルにおいて増強されたT細胞活性化及び腫瘍退縮をもたらすことを示した。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの結果は、本発明の抗体分子を、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害することができる薬剤と組み合わせて投与すると、抗腫瘍効果が増強されることと、このような組み合わせ投与が、難治性若しくは耐性であるか、又はPD-1若しくはPD-L1抗体の単剤療法後に再発した腫瘍の処置に適している可能性があることとを示唆している。
したがって、本発明の抗体分子は、個体の癌を処置する方法における使用のためのものであり得、ここで、この方法は、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害することができる薬剤と組み合わせた抗体分子を投与することを含む。個体の癌を処置する方法における使用のためのPD-1又はPD-L1に結合する抗体分子など、PD1とPD-L1との間の相互作用を阻害することができる薬剤も提供され、ここで、方法は、本発明の抗体と組み合わせて、PD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害することができる薬剤を投与することを含む。処置有効量の本発明の抗体分子と、治療有効量のPD-1とPD-L1との間の相互作用を阻害することができる薬剤とを個体に投与することを含む、個体の癌を処置する方法である。
好ましい実施形態において、PD-1及びPD-L1の相互作用を阻害することができる薬剤は、PD-1又はPD-L1に結合する抗体分子である。PD-1に結合する抗体は、当技術分野で公知であり、ニボルマブ(5C4)及びペンブロリズマブを含む。PD-L1に結合する既知の抗体には、YW243.55.S1、デュルバルマブ、アテゾリズマブ及びアベルマブが含まれる。本発明の抗体分子は、これらの公知の抗PD-1又はPD-L1抗体の1つ又は別の抗PD-1又はPD-L1抗体と共に投与するためのものであり得る。PD-1又はPD-L1に結合する代替的抗体の調製は、定型的な方法を使用する当業者の能力の範囲内である。
サイトカイン又はサイトカインベースの治療は、IL2、コンジュゲートIL-2のプロドラッグ、GM-CSF、IL-7、IL-12、IL-9、IL-15、IL-18、IL-21及びI型インターフェロンからなる群から選択され得る。
癌の処置のための抗腫瘍ワクチンは、クリニックで実施され、且つ科学文献で詳細に議論されている(Rosenberg, 2000など)。これは、主に、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を伴う場合と伴わない場合との両方において、ワクチン接種方法としてこれらの細胞を使用することにより、自己又は同種異系の癌細胞によって発現される様々な細胞マーカーに応答するように免疫系を刺激する戦略を含む。GM-CSFは、抗原提示において強い反応を引き起こし、前記戦略で使用される場合に特によく機能する。
本明細書に記載の抗体分子は、癌を有する個体、特に胃癌を有する個体にラムシルマブ及び/又はパクリタキセル;イリノテカン及びドセタキセル又はパクリタキセル;又はペンブロリズマブと組み合わせても投与され得る。MSI-H及び/又はdMMR胃癌の処置では、ペンブロリズマブと組み合わせた本明細書に記載の抗体分子による処置が好ましい。
OX40及びCD137の免疫応答増強活性に照らして、OX40及びCD137二重アゴニスト分子は、感染症の処置に見出すことが期待される。したがって、別の好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子は、急性又は持続性感染症などの感染症を処置する方法における使用のためのものであり得る。
理論に拘束されることを望むものではないが、OX40及びCD137アゴニスト分子は、好中球及び単球などの自然免疫細胞の急速な浸潤及び活性化を誘発することにより、病原体によって引き起こされる急性感染症に対する免疫応答を強化することが可能であり得、それにより急性感染症の原因となる病原体のクリアランスが促進されると考えられる。したがって、さらなる実施形態において、本明細書に記載の抗体分子は、急性細菌性疾患などの急性感染症の処置方法における使用のためのものであり得る。好ましい実施形態において、急性感染症は、リステリア(Listeria)属の細菌、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)など、グラム陽性菌による感染によって引き起こされる急性細菌性疾患である。
感染症は、通常、免疫系によって排除されるが、一部の感染症は、数ヶ月又は数年などの長期間にわたって持続し、免疫系によって効果的に対抗されない。このような感染症は、持続性又は慢性感染症とも呼ばれる。
好ましくは、本明細書に記載の抗体分子は、持続性のウイルス、細菌、真菌又は寄生虫感染、好ましくは持続性のウイルス又は細菌感染など、持続性感染症を処置するために使用される。
好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される持続性ウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスの持続性感染である。
好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される持続性の細菌感染症は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、インフルエンザ菌(Hemophilus influenza)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、フェカリス菌(Enterococcus faecalis)又は肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の持続性感染症である。
CD137アゴニスト作用は、グラム陽性菌による感染症の処置において有益であると説明されている。したがって、好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される持続性の細菌感染症は、グラム陽性菌による持続性感染症である。より好ましい実施形態において、持続性の細菌感染症は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、らい菌(Mycobacterium leprae)、フェカリス菌(Enterococcus faecalis)及び肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)からなる群から選択されるグラム陽性菌による持続性感染症である。
好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される持続性の真菌感染症は、カンジダ(Candida)、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クリプトコッカス(Cryptococcus)(ガッティ(gattii)及びネオフォルマンス(neoformans))、タラロミセス(Talaromyces)(ペニシリウム(Penicillium))マルネッフェ(marneffe)、小胞子菌(Microsporum)、例えばオーズアン小胞子菌(Microsporum audouinii)及びトリコフィトン・トンズランス(Trichophyton tonsurans)の持続性感染症である。
好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置される持続性の寄生虫感染症は、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)などのマラリア原虫(Plasmodium)又はドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)などのリーシュマニア(Leishmania)の持続性感染症である。
持続性感染症の処置に関連して、抗体分子は、対象の病原体の処置に適していることが示されているか、又は適切であると期待される第2の治療又は治療剤と組み合わせて個体に投与され得る。例えば、抗体分子は、免疫療法剤と組み合わせて個体に投与され得る。本明細書に記載されるような抗体分子と組み合わせた投与のための免疫療法剤は、治療用抗体分子であり得る。例えば、治療用抗体分子は、自然免疫系の受容体に結合し得る。治療用抗体分子が結合し得る自然免疫系の受容体の例には、TLR1、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9、RIG-I様受容体(例えば、RIG-I及びMDA-5)及びSTINGが含まれる。
抗体分子が感染症を予防するために使用される場合、抗体分子は、対象の病原体に対するワクチンと組み合わせて投与され得る。理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載の抗体分子は、ワクチン接種におけるアジュバントとして作用し得ると考えられる。具体的には、ワクチンと組み合わせた個体への抗体分子の投与は、ワクチン単独で達成されるよりも病原体に対するより大きい免疫応答を誘発すると考えられる。
持続性感染症の処置に関連して、処置は、感染を排除すること、個体の病原性負荷を低減すること及び感染の再発を防止することを含み得る。例えば、処置は、1つ以上の症状及び/又は持続性感染症の兆候を予防、改善、遅延、軽減又は阻止することを含み得る。代わりに、処置は、感染症の予防を含み得る。
前述の説明、以下の特許請求の範囲又は添付の図面に開示され、それらの特定の形態において又は開示された機能を実行するための手段若しくは開示された結果を得るための方法若しくはプロセスの観点から、適切に表現された特徴は、別個に又はそのような特徴の任意の組み合わせでその多様な形態において本発明を実現するために利用され得る。
本発明は、上記の例示的な実施形態と併せて説明されてきたが、本開示を与えられた場合、多くの均等な改変形態及び変形形態が当業者に明らかであろう。したがって、上記の本発明の例示的な実施形態は、例示的であり、限定的でないと見なされる。記載される実施形態に対する様々な変更形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得る。
疑義を避けるため、本明細書において提供される理論的説明は、いずれも読者の理解を向上させる目的で提供されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望むものではない。
以下の特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、文脈上別段の定めがない限り、「含む(comprise)」及び「包含する」という単語並びに「含む(comprises)」、「含んでいる」及び「包含している」などの変形は、記載された整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、他のいかなる整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを意味するものと理解される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が明確に別のものを示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本明細書において、範囲は、「約」ある特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、ある特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用することにより、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関連する「約」という用語は、任意選択によるものであり、例えば+/-10%を意味する。
実施例
本発明者らは、人工架橋剤又はFcγ受容体媒介性架橋の非存在下でOX40及びCD137の両方をアゴナイズでき、癌などの疾患に対する増強した免疫応答を産生することができるmAb2を生成することを目的とした。これに関連して、mAb2は、CD137に結合するCDRベースの抗原結合部位と、抗体分子のCH3ドメインに位置するOX40抗原結合部位とを含む抗体分子である。
この目的を達成するために、本発明者らは、最初に、選択及び親和性成熟法を使用して、OX40に結合し、ヒト及びマウスでそれぞれT細胞活性化を誘導することができたFcabを同定した(実施例2及び3を参照されたい)。その後、本発明者らは、これらのFcabからのOX40抗原結合部位をmAb2形式に導入し、これらの抗ヒトOX40「モック」mAb2のいくつかがヒト及びカニクイザルOX40に高い親和性で結合し、架橋時にT細胞を活性化できることを示した(実施例4を参照されたい)。これらのうち、クローンFS20-22-49は、架橋時にアゴニスト活性の最大の増加を示し、また架橋の存在下でのアゴニスト活性について最低のEC50を有していたため、対象mAb2の開発のためのOX40抗原結合部位として進められた。
CD137に結合してアゴナイズできるCDRベースの抗原結合部位を開発するために、本発明者らは、ヒトCD137に結合でき、架橋された場合にT細胞を活性化することができるのみであるモノクローナル抗体(mAb)を同定する(実施例5を参照されたい)選択方法を使用した。これらの同定されたmAbsからのCDRは、その後、FS20-22-49 OX40抗原結合部位を含むmAb2にクローニングした。これらのmAb2のCDRは、以下のmAb2:FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-35-14及びFS20-22-49AA/FS30-5-37(実施例6を参照されたい)を産生するために最適化された配列であった。これらのmAb2の全ては、ヒトCD137に対する特異性の高いレベルを有することが示され、T細胞活性化アッセイで架橋される場合にCD137を活性化することができた(実施例7を参照されたい)。mAb2は、いずれも架橋の非存在下でCD137を活性化する有意な能力を示さなかった。
選択されたmAb2におけるFS20-22-49AA OX40抗原結合部位は、架橋時にOX40と結合し、活性化できたこと並びにこれとは別に、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-10-16、FS30-35-14及びFS30-5-37 CD137 CDRベースの抗原結合部位は、架橋時にCD137に結合し、活性化できたことを確立し、本発明者らは、これらの抗原結合ドメインを含有するmAb2がOX40及びCD137の両方を活性化できること(「二重アゴニスト作用」とも呼ばれる)を実証しようとした。このような二重アゴニストは、i)OX40に結合してmAb2を架橋し、CD137に結合し、CD137をクラスター化し、活性化(アゴナイズ)し、ii)CD137に結合してmAb2に結合し、OX40をクラスター化し、活性化(アゴナイズ)することができる。重要なことに、二重アゴニストは、特定の標的(OX40及びCD137)の発現に基づいて、追加の架橋剤を必要とせずに自律的にアゴニスト作用を駆動できる必要がある。
本発明者らは、試験したmAb2分子がヒトCD137、ヒトOX40、カニクイザルCD137及びカニクイザルOX40に結合でき(実施例8を参照されたい)、試験したmAb2分子がヒトCD137及びヒトOX40に同時に結合できる(実施例9を参照されたい)ことを実証した。本発明者らは、mAb2のCH2ドメインにおける「LALA」変異がFcγ受容体へのそれらの結合を減少させ、mAb2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16がADCCバイオアッセイにおいてADCC活性化を誘導できなかったことを示した(実施例10を参照されたい)。
本発明者らは、試験されたOX40/CD137 mAb2分子が、細胞発現されたヒト及びカニクイザルのOX40及びCD137に結合し、非特異的結合が観察されなかったことも示した(実施例11を参照されたい)。
次に、本発明者らは、ブドウ球菌腸毒素A(SEA;実施例12を参照されたい)を使用するT細胞活性化アッセイにおいて、このLALA変異を含有する試験されたmAb2分子が人工架橋剤の非存在下でT細胞活性化を誘導できることを実証した。本発明者らは、試験されたmAb2分子が汎T細胞活性化アッセイにおいて人工架橋剤の非存在下でT細胞活性化を誘導できること及びこの活性が、OX40及びCD137の両方に同時に係合するmAb2に依存することも実証した(実施例13及び16を参照されたい)。本発明者らは、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2が架橋の非存在下でそれぞれCD4+及びCD8+T細胞においてこれらの受容体を活性化できることをさらに確認した(実施例14を参照されたい)。
抗ヒトOX40/CD137 mAb2は、マウスタンパク質に結合しなかったため、OX40/CD137 mAb2がT細胞媒介性抗腫瘍反応を不正に起こす可能性を試験するために、LALA変異がある場合とない場合との両方において、マウスOX40及びマウスCD137を標的とする並行mAb2が作製された(それぞれFS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20m-232-91/Lob12.3とラベルを付した)。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が追加の架橋剤なしでT細胞活性化を誘導できること及びこの活性が、OX40及びCD137の両方に同時に係合するmAb2に依存することを示した(実施例15及び16を参照されたい)。
本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20m-232-91/Lob12.3 mAb2がCT26同系腫瘍モデルにおいてインビボで抗腫瘍効果を有することを実証する(実施例17を参照されたい)。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が循環T細胞に影響を及ぼし、活性化及び増殖するT細胞の頻度を増加させることをさらに実証する(実施例18及び19を参照されたい)。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2がB16-F10同系腫瘍モデルにおいてインビボで抗腫瘍効果を有することを実証した(実施例20を参照されたい)。
本発明者らは、mAb2の分析的特徴付け及び予備的安定性評価を実施した(実施例21を参照されたい)。試験された5つ全てのmAb2は、有利な分析的特性及び有利な安定性良好な安定性を示した。
本発明者らは、SEAを用いたT細胞活性化アッセイにおいて、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2の抗PD-L1又は抗PD-1抗体との組み合わせが、OX40/CD137 mAb2単独で見られた上記インビトロでのT細胞の最大活性の増加をもたらし得ることを実証した。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2と抗PD-1抗体との組み合わせによる、CT26マウス腫瘍モデルにおけるインビボでの処置が抗腫瘍活性の増加をもたらし、延命効果を提供し、いずれかの単剤での処置と比較して、増殖するT細胞及びNK細胞の薬力学的調節を強化できることをさらに示した(実施例22を参照されたい)。
本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が特定の用量レベルまでのCT26同系腫瘍モデルにおいてインビボで用量依存性の抗腫瘍活性を有し、この活性がより高い用量レベルで維持されることを実証した。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が「完全応答者」マウスにおいて防御免疫記憶の確立を誘導し、CT26細胞の再接種から防御できることも示した(実施例23を参照されたい)。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が循環T細胞に影響を及ぼし、様々な用量レベルで増殖する(Ki67+)CD4+及びCD8+T細胞の頻度を有意に増加させることを実証した(実施例24を参照されたい)。本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が、活性化され(CD69+)、増殖する(Ki67+)CD8 T細胞の頻度を増加させ得ること及びCD4 T細胞の枯渇が、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2によって媒介されるこの末梢薬力学的応答に有害な効果を有することをさらに示した(実施例25を参照されたい)。本発明者らは、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2が、均等なヒトアッセイと比較して、一次カニクイザルPBMCアッセイにおいて同様の機能的活性を有していたこと、mAb2は、30mg/kgの用量までカニクイザルで十分に許容されたこと、カニクイザルにおいて、セントラルメモリー及びエフェクターメモリーCD4+及びCD8+T細胞及びNK細胞の増殖及び活性化の薬物関連の増加を誘導できたことを示した(実施例26を参照されたい)。
本発明者らは、BALB/cマウスにおける研究において、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が、架橋非依存性CD137アゴニストと比較して、肝臓におけるT細胞の浸潤及び増殖のレベルを中程度且つ一過性に増加させ、これが肝臓のT細胞の浸潤、増殖及び活性化の上昇及び持続を誘導したことも示した(実施例27を参照されたい)。最後に、CT26同系マウス腫瘍モデルにおいて、本発明者らは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2の架橋依存性抗CD137 Lob12.3クローンと比較して増加したT細胞レベル及び増殖を誘導する架橋依存性Fabクローンの能力にもかかわらず、架橋非依存性抗CD137 Fabクローンと対形成される同じOX40 Fcabを含むFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2又はOX40/CD137 mAb2のいずれかで処置したマウス間において、腫瘍増殖又は生存に差がなかったことを示した(実施例28を参照されたい)。
これらの実験は、以下の実施例でより詳細に説明される。
実施例1 - 抗原選択及び特性評価
OX40及びCD137の両方に結合し、アゴナイジングすることが可能なmAb2を識別するために使用される選択及びスクリーニング方法は、様々なOX40及びCD137抗原の使用を必要とする。これらの抗原の産生については、以下でより詳細に説記載される。
1.1 OX40抗原
ヒト及びマウスOX40に特異的なFcabの選択及び選択したFcabとカニクイザルOX40との交差反応性の試験について使用されたOX40抗原は、自社生産で調製するか、又は以下で記載される商業的供給元から入手されたかのいずれかであった。
1.1.1 組換え可溶性ヒト、カニクイザル及びマウスOX40抗原の調製
組換え可溶性二量体OX40抗原を調製するために、OX40の細胞外ドメインをマウスFcに融合させ、抗原の溶解性と安定性を改善した。具体的には、関連するOX40(ヒト、カニクイザル又はマウス)の細胞外ドメインを、EcoRI-HF及びBglII制限酵素を使用して、pFUSE-mIgG2aFc2 vector(Invivogen カタログ番号pfuse-mg2afc2)にクローニングし、C末端にマウスIgG2aFcドメインで抗原を産生した。次に、組換えOX40抗原は、HEK293-6E細胞(カナダ国立研究評議会(National Research Council Canada))での一過性発現によって産生され、mAb Select SuReプロテインAカラム(GE Healthcare、11003494)を使用し、続いて、得られた抗原が単一種であり、凝集体を含まないことを確実にするためにサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって精製された。
組換えOX40抗原のビオチン化バージョンを調製するために、EZ-Link(商標)Sulfo-NHS-SS-Biotin kit(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号21331)を製造元のプロトコルに従って使用して、抗原をビオチン化した。ビオチン化OX40抗原は、以下に記載する選択実験に使用されたが、結合親和性の測定には使用されなかった。ビオチン化OX40抗原の精製は、PD-10 desalting column(GE Healthcare、17-0851-01)、続いてAmicon 30k spin column(Millipore、UFC903024)を製造元の指示に従って使用して、2つのステップで実行された。組換え抗原の生物物理学的特性は、凝集体が存在しないことを確実にするためのSE-HPLC分析及び分子サイズを実証するためのPAGEによって特徴付けられた。PAGEによるサイズ決定は、それらの推定分子量が単量体の予測分子量の2倍であったため、可溶性抗原が二量体であることを示した。組換え抗原は、ビオチン化の程度が90%を超えることを示したゲルシフト分析によっても分析された。ELISA及び表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、ビオチン化組換えヒト(hOX40-mFc)、マウス(mOX40-mFc)及びカニクイザル(cOX40-mFc)OX40抗原がヒト及びカニクイザルOX40についてのOX40特異的抗体(抗体11D4[欧州特許第2242771号]);カニクイザルOX40に対するポリクローナルヒツジ抗ヒトOX40抗体[R&D Systemsカタログ番号AF3388];ヒトOX40に対する抗体ACT35[Biolegendカタログ番号35002]及びマウスOX40に対する抗体OX86[Biolegendカタログ番号119408])によって結合できることを確認した。これらの抗原を以下の表2に列挙する。
1.1.2 ヒト、カニクイザル及びマウスOX40を発現する細胞株の調製
ヒト、カニクイザル及びマウスOX40(配列については、表1を参照されたい)をSpeI-HF及びNotI-HF制限酵素を使用してベクターpLVX-EF1a-IRES-puro(Clontech、カタログ番号631253)にクローニングした。次に、ベクターをLenti-X HTXパッケージミックス(Clontech、カタログ番号631249)と供にLenti-X 293T細胞株(Clontech、カタログ番号632180)に形質転換し、レンチウイルスを生成した。次に、レンチウイルスを使用してDO11.10細胞を形質導入した(National Jewish Health)。OX40を過剰発現する細胞を、5μg/mlのプロマイシン(Life Technologiesカタログ番号A11113803)と細胞で約2週間インキュベートした後、段階希釈により細胞株をクローニングすることにより選択した。細胞株によるOX40の発現は、蛍光標識されたOX40特異的抗体(OX86;ACT35;及び実施例1.1.1及び表2に記載されているようにポリクローナルヒツジ抗ヒトOX40)を使用したフローサイトメトリーによって試験された。ヒト(DO11.10-hOX40)、マウス(DO11.10-mOX40)又はカニクイザル(DO11.10-cOX40)OX40を発現する細胞株が選択され、フローサイトメトリー分析で、非形質導入細胞よりも少なくとも10倍高い蛍光値を示した。これらの細胞株を以下の表2に列挙する。
1.1.3 市販のOX40抗原
いくつかの市販のOX40抗原が試験された。
組換えHisタグ付きヒトOX40細胞外ドメインを、SinoBiologicals(カタログ番号10481-H08H-50)から入手した。しかし、この抗原のSE-HPLC分析では、抗原の50%未満が単量体の非凝集型であることが示された。したがって、この抗原はその後の分析で使用されなかった。
C末端にヒトIgG1 Fcドメインを含む組換えヒトOX40/ヒトFc(hOX40-hFc)及び組換えマウスOX40/ヒトFc(mOX40-hFc)は、R&D Systems(hOX40-hFc:カタログ番号3388-OX-050;mOX40-hFc:カタログ番号1256-OX-050)及び自社でのビオチン化から得られた。これらの可溶性抗原の生物物理学的特性は、凝集体が存在しないことを確実にするためのSE-HPLC分析及び分子サイズを実証するためのPAGEによって特徴付けられた。PAGEによるサイズ決定は、それらの推定分子量が単量体抗原に期待されたものの2倍であったため、可溶性抗原が二量体であることを示した。可溶性抗原は、ビオチン化の程度が90%を超えることを示したゲルシフト分析によっても分析された。ELISA及びSPRを使用して、ビオチン化組換えヒト(hOX40-hFc)及びマウス(mOX40-hFc)OX40抗原が実施例1.1.1及び以下の表2で記載されるようにOX40特異的抗体(11D4;ACT35;及びOX86に結合することができる事を確認した。
1.2 CD137抗原
ヒトCD137についてのmAb特異性の選択及び選択したFcabとカニクイザルOX40との交差反応性の試験について使用されたCD137抗原は、自社生産で調製するか、又は以下で記載される商業的供給元から入手されたかのいずれかであった。
1.2.1 組換え可溶性ヒト及びカニクイザルCD137抗原の調製
いくつかの市販の組換え抗原は、例えば、試験時に許容できないレベルの凝集体が存在するため、使用に不適切であることが判明したため、以下の組換え二量体及び単量体抗原(表3)を、抗CD137mAbの選択、スクリーニング及びさらなる特性評価のために使用のために自社産生した。
単量体抗原は、EcoRI-HF及びBamHI-HF制限酵素を使用して、Avi配列及び6つのC末端ヒスチジン残基と共にヒトCD137の細胞外ドメインをコードするDNAを修飾pFUSE vector(Invivogen、カタログ番号pfuse-mg2afc2)にクローニングすることによって産生された。ベクターをHEK293-6E細胞にトランスフェクトし、発現したCD137をHisTrap(商標)excelニッケルカラム(GE Healthcare、17-3712-06)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して精製し、抗原が単一種であり、凝集体を含まないことを確実にした。
二量体抗原を産生するために、Avi配列と共にmIgG2a Fcドメインと融合したヒト又はカニクイザルCD137の細胞外ドメインをコードするDNA構築物を修飾pFUSE vectorにクローニングし、HEK293-6E細胞にトランスフェクトした。組換えCD137は、MabSelect SuRe(商標)プロテインAカラム(GE Healthcare、11003494)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して精製し、抗原が単一種であり、凝集体を含まないことを確実にした。
二量体及び単量体CD137抗原のビオチン化バージョンは、BirA biotin-biotin protein ligase reaction kit(Avidity LLC、BirA500)を使用して調製し、単一ビオチン分子で標識された単量体CD137抗原及び2つの単量体の各々一つずつの2つのビオチン分子で標識された二量体CD137抗原を産生した。具体的には、3mgのCD137抗原を7.8μlのBirA酵素混合物と、酵素対基質のモル比を1:50で混合した。次に、製造業者の推奨に従って添加剤を添加し(142μlのBiomix A、142μlのBiomix B、142μlのビオチン)、反応混合物を室温で2時間インキュベートした。ビオチン化抗原の完全性を維持するために、Amicon 30 μmフィルターを使用して、反応混合物を直ちにDPBSに緩衝液交換をした。
CD137抗原は、SECによってさらに精製され、BirA酵素の除去を確実にし、高分子量の凝集体を含まない最終的な高品質の単分散タンパク質調製物が生成された。具体的には、同じ製造ロットの抗原を混合し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)及び多角度光散乱検出器付きサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS)によって安定性及び純度を分析した。タンパク質の完全なビオチン化は、ストレプトアビジンシフトSDS-PAGEゲルによって確認された。組換えヒトCD137抗原は、抗ヒトCD137陽性対照抗体である20H4.9(米国特許第7288638号)、表面プラズモン共鳴(SPR)によるインビトロ及びフローサイトメトリーによるヒトCD137リガンド発現DO11.10細胞に結合することが確認された。組換えカニクイザルCD137抗原は、フローサイトメトリーによりカニクイザルCD137リガンドを発現するDO11.10細胞に結合することが確認された。選択プロトコルで使用されるCD137抗原について可能な限り高い純度を確実にするために、抗原の徹底的なタンパク質特性評価は、存在するタンパク質凝集体の割合が2%を超えないことを確実にするために実行された。
1.2.2 ヒト、カニクイザル及びマウスCD137を発現する細胞株の調製
「DO11.10-hCD137」及び「DO11.10-cCD137」とそれぞれ命名された(表4を参照されたい)完全長型のヒト又はカニクイザルCD137を発現するDO11.10細胞(National Jewish Health)は、選択された抗CD137mAbの選択及びさらなる特性評価中にその最も自然な確認において抗原を提示するために産生された。
細胞発現マウスCD137に結合する抗マウスOX40/CD137 mAb2の結合を決定するために、「DO11.10-mCD137」と命名された完全長型マウスCD137を発現するDO11.10細胞も生成された(実施例11.2を参照されたい)。
レンチウイルス形質導入は、Lenti-X HTX Packaging System(Clontech、631249)を使用して、ヒト、カニクイザル又はマウスCD137受容体を過剰発現するDO11.10細胞を生成するために使用された。ヒトCD137(配列番号126)をコードするcDNAを含有するLenti-X expression vector(pLVX)(Clontech、631253)、カニクイザルCD137(配列番号128)又はマウスCD137(配列番号164)は、Lenti-X HTX Packaging Mixと共にLenti-X 293T Cell Line(Clontech、632180)に同時トランスフェクトして、ウイルスを生成した。次に、DO11.10細胞株にこれらのレンチウイルスベクターを形質導入した。
これらの細胞でのヒト、カニクイザル又はマウスCD137の発現は、フローサイトメトリーを使用した抗CD137陽性対照抗体(20H4.9、MOR7480.1(それぞれ米国特許出願公開2012/0237498 A1号)及びLob12.3(University of Southampton)の細胞への結合によって確認された。
実施例2 - 抗ヒトOX40Fcabの選択及び特性評価
2.1 抗ヒトOX40 Fcabのナイーブ選択
ナイーブファージライブラリーからヒトOX40に特異的なFcabを選択するために、組換えビオチン化可溶性二量体ヒトOX40(hOX40-mFc;表2を参照されたい)及び細胞発現ヒトOX40(DO11.10-hOX40)の両方を抗原として使用した。一部の選択プロトコルでは、組換えビオチン化可溶性二量体ヒトOX40に加えて、ヒトOX40を発現する細胞を使用して、選択されたFcabが細胞表面のその自然な立体構造でOX40に結合が可能であることを確実にした。
CH3において部分的にランダム化されたABループ(IMGT番号付けスキームによる残基14から残基18)及びEFループ(IMGT番号付けスキームによる残基92から残基101)を含むCH3ドメイン(IMGT番号1.4~130)を表示する6つのナイーブファージライブラリーが構築された。6つのライブラリーの1つは、CH3ドメインのEFループの101位に2つ又は4つのアミノ酸(2つ又は4つのNNKコドンによってコードされる)のいずれかが挿入されたクローンを追加で含んでいた(挿入された残基はIMGT番号付けスキームにより101.1から101.4の番号が付けられる)。
6つのライブラリーの全てを、組換えビオチン化可溶性二量体ヒトOX40(hOX40-mFc;表2を参照されたい)を使用して3つのラウンドの選択に供した。6つのライブラリーの全ては、第1の選択ラウンドでhOX40-mFcを、続いて細胞発現ヒトOX40(DO11.10-hOX40をさらに2回の選択ラウンドで使用。表2を参照されたい)を使用して、さらなる選択キャンペーンに供した。
6つのライブラリーからの第3ラウンドの選択後に同定された2133のクローンを、ELISAによってヒトOX40への結合についてスクリーニングした。これにより、32の固有の陽性結合体が特定され、これらは、サブクローン化され、HEK Expi293細胞中の可溶性Fcab(短縮型ヒンジ[配列番号101、CH2及びCH3ドメインからなる)として発現された(ExpiFectamine 293 Transfection kit[Life Technologies、A14524]を使用してExpi293F細胞[Life technologies、A14527]にトランスフェクトされたpTT5ベクター[カナダ国立研究評議会]にクローニングされたFcab)。
32の固有のFcabを、細胞発現ヒトOX40(DO11.10-hOX40)に結合するそれらの能力について試験した。スクリーニングされた32のFcabのうちの15のFcabは、DO11.10-hOX40への細胞結合及びこれらの相互作用のEC50は、0.1~62nMの範囲を示した。DO11.10-hOX40への結合を示した15のFcabは、NF-κBシグナル伝達経路の活性化についての試験をする社内のヒトNF-κBレポーターアッセイを使用して試験された。15のFcabのうちの6つは、ヒトNF-κBレポーターアッセイにおいて抗ヒトFc抗体と架橋する場合に活性の増加を示し、これらのFcabがOX40シグナル伝達を活性化できることを示唆している。FS20-22及びFS20-31と命名されたFcabは、このアッセイで高レベルの活性を示し、それらの活性は、Fcabが抗ヒトCH2mAb(クローンMK1A6(Jefferis et al, 1985及びefferis et al, 1992)、自社生産)と架橋する場合に増加した。これらは親和性成熟について選択された。
2.2 抗ヒトOX40Fcabの親和性成熟
システインを除くアミノ酸の等モル分布を用いたELLA Biotech社製のランダム化プライマーを使用して、CH3ドメインのABループ内の5つの残基(残基14から残基18)又はCDループ内の5つの残基(残基45.1から残基77)をランダム化するか、又はEFループの1部(CH3ドメインの残基92から残基94及び残基97から残基101(IMGT番号付けスキームにより全ての残基番号の番号付け)をランダム化することにより、FS20-22及びFS20-31についての親和性成熟ライブラリーを作製した。
親和性成熟のアウトプットからの1410Fcabを、ヒトOX40への結合についてELISAによってスクリーニングし、204の固有の陽性結合体を上記の実施例2.1に記載したようにHEK Expi293細胞において可溶性Fcabとして、特定し、サブクローニングし、発現した。
hOX40-mFcに結合した場合の可溶性Fcabのオフレートを、抗ヒトCH2 mAbクローンMK1A6を使用して抗CH2架橋の非存在下及び存在下でBiacore 3000(GE Healthcare)を使用して測定した(実施例2.1を参照されたい)。関連する親Fcabと比較して、改善されたオフレートを有するFcabは、細胞発現ヒトOX40への結合及び社内のヒトT細胞活性化アッセイにおける活性についてさらなるスクリーニングを行った。全てのFcabは細胞発現ヒトOX40に結合した。ヒトT細胞活性化アッセイにおける高レベルの活性を示したFS20-22系統からの10のFcab及びFS20-31系統からの18のFcabは、以下に記載するようにループシャッフリング用に選択された。
FS20-22系統の場合、3つのCDループ、6つのEFループ及び親ABループ又は親和性成熟ABループのいずれかをシャッフルすることにより、2つのループシャッフルライブラリーが生成された。FS20-31系統の場合、4つのABループ、7つのCDループ及び7つのEFループを含有する1つのループシャッフルライブラリーが生成された。
シャッフルされた配列は、上記の実施例2.1に記載されているようにHEK Expi293細胞で可溶性Fcabとして発現され、OctetQKe System(Pall ForteBio)上のDip and Read(商標)ストレプトアビジンバイオセンサー(Pall ForteBio、18-5050)を使用して、ビオチン化hOX40-mFc抗原への結合についてスクリーニングされた。親Fcabと比較して、hOX40-mFcに結合した場合にオフレートが改善されたFcabの配列が決定され、FS20-22系統から35の固有のFcab及びFS20-31系統から62の固有のFcabが得られた。同定された固有のFcabは、Biacore 3000機器(GE Healthcare)を使用して、CH2架橋の存在下及び非存在下で抗ヒトCH2 mAbクローンMK1A6を使用して、hOX40-mFc抗原への結合について試験された。
FS20-22系統では、18のFcabは、モック(4420 LALA)mAb2形式での発現及びhOX40-mFcに結合した場合のCH2架橋を伴う最も遅いオフレート、hOX40-mFcに結合した場合の非架橋及びCH2架橋オフレート間の最大の差及び上記のように、hOX40-mFcへの結合の強さに基づいてさらなる特性評価のために選択した。FS20-31系統では、hOX40-mFcに結合した場合のCH2架橋を伴うオフレートが最も遅い9つのFcab及びhOX40-mFcに結合した場合のCH2架橋を伴わないオフレートが最も遅い9つのFcabを発現及びモック(4420 LALA)mAb2の形式のさらなる特性評価のために選択した。Fcabの数が9つのFcabのこれらの群の両方に共通していたため、CH2架橋の非存在下において、hOX40-mFcに結合する場合の遅いオフレートを示す追加のFcabをFS20-31系統から選択し、モックmAb2形式において、発現とさらなる特性評価のためにこの系統からのFcabの総数を18とした。T細胞活性化アッセイのデータを使用して、FS20-22系統からのさらなる6つのFcab及びFS20-31系統からの8つのFcabは同定され、このアッセイにおいて高い活性を示し、そのためモック(4420 LALA)mAb2形式でも発現しさらなる特性評価が行われた(実施例4を参照されたい)。
実施例3 - 抗マウスOX40Fcabの選択及び特性評価
3.1 抗マウスOX40Fcabのナイーブ選択
ABループ(IMGT番号付けスキームによる残基11~残基18)及びCH3ドメインのEFループ(IMGT番号付けスキームによる残基92~残基101)のランダム化及びABループの残基16及び残基17(IMGT番号付けスキームによる)間に5残基のランダム化された挿入を含むヒトIgG1のCH1からCH3ドメインを表示するナイーブ酵母ライブラリーが、選択に使用された。酵母をヒトIgGFcドメインと融合したビオチン化組換えマウスOX40(mOX40-hFc;表2)と共にインキュベートし、ストレプトアビジンコーティングビーズを使用してMACSにより分取した。次に、5倍モル過剰のhFcの存在下でビオチン化mOX40-hFcの濃度を下げて、3ラウンドのFACS選択を行った。細胞をストレプトアビジン-アロフィコシアニン(APC)(BD Bioscience、349024)又は抗ビオチン-APC(Miltenyi Biotec、130-090-856)で染色し、FACSAria(BD Bioscience)セルソーターを使用して分取した。濃縮された集団からの182の個々のFcabを抗原結合についてスクリーニングし、2つの固有の陽性結合剤をサブクローニングし、実施例2.1で前述したように可溶性Fcabとして発現させた。Fcabは、ELISAによるmOX40-hFcへの結合及び自社マウスNF-κBレポーターアッセイにおける活性について特性評価された。NF-κBレポーターアッセイでは、1つのFcab、FS20m-232のみが活性であり、マウスOX40を発現する細胞への結合を示したため、このFcabが親和性成熟のために選択された。
3.2 mOX40 Fcabの親和性成熟
システインを除くアミノ酸の等モル分布を用いたELLA Biotech社製のランダム化プライマーを使用して、FS20m-232 FcabのABループ内の7残基(IMGT番号付けスキームによる残基15~残基16.5)(ライブラリー1)、CDループ内の6残基(IMGT番号付けスキームによる残基45.1~残基78)(ライブラリー2)又はEFループ内の5残基(IMGT番号付けスキームによる残基92~残基94及び残基97~残基98)(ライブラリー3)をランダム化することにより、3つのファージディスプレイ親和性成熟ライブラリーを構築した。
ストレプトアビジンコーティング(ThermoFisher Scientific、11205D)及びニュートラアビジンコーティング(ThermoFisher Scientific、14203及びA2666)されたダイナビーズを交互に捕捉した組換えビオチン化mOX40-mFcを使用して、親和性成熟ライブラリーについて3回の選択ラウンドを行った。抗原濃度を50nM(第1のラウンド)から、10nM(第2のラウンド)、1nM(第3のラウンド)に減少させて、高親和性結合体の同定のために使用した。第3の選択ラウンドからの1655の個々のファージを、ファージELISAにより、mOX40-mFcへの結合についてスクリーニングし、実施例2.1に記載したように、HEK Expi293細胞において、可溶性Fcabとして98の固有の陽性結合体を同定し、サブクローニングし、発現させた。Fcabを、マウスNF-κBリポーターアッセイで細胞結合及び活性について、さらなるスクリーニングした。最も活発なFcabはループシャッフルに選択された。
37のEFループ(ファージELISA及びWT配列においてマウスOX40に最もよく結合するもの)でシャッフルされた27のCDループ(親和性成熟及びWT配列から同定された26個の固有の配列の全て)を含有するループシャッフルライブラリーが生成され、全てのシャッフルクローンにFS20m-232FcabのABループが含有されていた。750のシャッフルされた配列は、上記のようにHEK Expi293細胞において可溶性Fcab(短縮型ヒンジ含有)として発現された。OctetQKe System(Pall ForteBio)上のDip and Read(商標)ストレプトアビジンバイオセンサー(Pall ForteBio、18-5050)を使用して、ビオチン化mOX40-mFc(表2)へのFcabの結合を測定することにより、オフレートを改善するために、Fcabを含有するHEK上清をスクリーニングした。11の固有のABループランダム化Fcab及び60の固有EFループランダム化Fcabを、上記のようにHEK Expi293細胞において可溶性Fcabとしてサブクローニング及び発現した。これらのFcabは、マウスT細胞活性化アッセイにおいて、細胞結合及び活性についてオフレートが最も遅い43のシャッフルされたFcabと一緒にさらにスクリーニングされた。FS20m-232-91Fcabは、ビオチン化mOX40-mFcに結合する場合にオフレートが最も遅く、抗ヒトCH2 mAbクローンMK1A6によって架橋された場合、マウスT細胞活性化アッセイで最も高い活性を示したため、その後の実験で使用するため、マウス(サロゲート)Fcabとして選択された。
実施例4 - mAb2形式における抗OX40Fcab構築、発現及び特性評価
4.1 モックmAb2の構築及び発現
抗ヒトOX40及び上記で同定した抗マウスOX40 Fcabを含む「モック」mAb2は、mAb2形式においてこれらFcabの特性評価を可能にするために調製した。これらのモックmAb2は、ヒトIgG1骨格中の抗OX40Fcab及び抗FITC抗体4420(Bedzyk et al., 1989及びBedzyk et al., 1990)の可変領域(詳細については、配列番号114、配列番号115及び配列番号116を参照されたい)又はヒトIgG1骨格中の抗鶏卵卵白リゾチーム(HEL)抗体D1.3(Braden et al., 1996)の可変領域(詳細については、配列番号117及び配列番号118を参照されたい)から、ヒトIgG1の未修飾CH3ドメインの配列中に存在するXhoI及びBamHI部位内の抗OX40FcabのCH3ドメインで、抗FITC抗体及び抗HEL抗体のCH3ドメインを置換することにより調製されたものであった。モックmAb2は、抗FITC mAb4420(配列番号116)又は抗HEL mAbD1.3(配列番号118)の軽鎖をそれぞれ含み、またFc-ガンマ受容体の相互作用及び潜在的なFc-ガンマ受容体誘導性架橋を減少させるために、重鎖のCH2ドメインにLALA変異を含んでいた。モックmAb2及びmAb2におけるLALA変異の存在は、これらの実施例で言及し、それらのクローン名のFcab部分の末尾に接尾辞「AA」で表される。
モックmAb2をHEK293-6E細胞中で一過性発現によって産生し、mAb Select SuReプロテインAカラムを使用して精製した。
4.2 細胞発現ヒト及びカニクイザルOX40に対するモックmAb2形式における抗ヒトOX40Fcabの結合親和性
細胞発現ヒト又はカニクイザルOX40(ヒト[DO11.10-hOX40]又はカニクイザルOX40[DO11.10-cOX40]のいずれかを発現するDO11.10細胞;表2を参照されたい)に対する結合について、モック(4420 LALA)mAb2形式における抗ヒトOX40Fcabの親和性を、フローサイトメトリーを使用して測定した。非特異的結合は、フローサイトメトリーによってOX40を発現しないHEK細胞に対する結合を試験することによっても評価された。
モック(4420 LALA)mAb2及び対照mAb希釈液(2×最終濃度)を1×DPBS(Gibco、14190-094)で3回調製した。DO11.10-hOX40若しくはDO11.10-cOX40又はHEK細胞懸濁液を、PBS+2%BSA(Sigma、A7906)中で調製し、V底96ウェルプレート(Costar、3897)に50μl/ウェルで4×106細胞/mlで播種した。50μlのモック(4420 LALA)mAb2又は対照mAb(抗ヒトOX40 mAb、11D4)希釈液を、細胞含有ウェル(最終容量100μl)に加え、4℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、PBS+2%BSAで1:1000に希釈した100μl/ウェルの二次抗体(抗ヒトFc-488抗体、Jackson ImmunoResearch、109-546-098)を添加し、暗所4℃で30分間インキュベートした。プレートを洗浄し、1μg/mlのDAPI(Biotium、カタログ番号40043)を含有する100μlのPBSに再懸濁した。CantoIIフローサイトメーター(BD Bioscience)を使用してプレートを読み取った。死細胞を除外し、FITCチャネル(488nm/530/30)の蛍光を測定した。GraphPadプリズムソフトウェアの対数(アゴニスト)対応答を使用してデータを適合させた。
ヒトIgG1骨格中で、重鎖のCH2ドメイン(G1AA/11D4;配列番号173及び175)にLALA変異を含有するFcab(全てモック[4420 LALA]mAb2形式でテスト済み)及び陽性対照抗ヒトOX40 mAb、11D4は、ある範囲の親和性でヒトOX40に結合した。FS20-22系統からの5つのクローン及びFS20-31系統からの6つのクローンを、細胞発現したヒト及びカニクイザルOX40に結合する能力について試験し、これらのクローンの結合親和性を表5に示す。
4.3 モックmAb2形式における抗OX40 FcabによるインビトロでのOX40の活性化
活性化されたT細胞は、細胞表面にOX40を発現する。三量体OX40リガンドのOX40への結合は、受容体の三量体化をもたらす。OX40リガンドは、抗原提示細胞の細胞表面にクラスターとして発現するため、OX40リガンド及びOX40間の相互作用がOX40のクラスター化をもたらし、OX40シグナル伝達及びさらなるT細胞の活性化に不可欠であることが知られている。OX40をアゴナイズする抗体は、OX40リガンドのこのクラスター化活性を模倣する必要がある。単一特異性抗OX40抗体の場合、Fcガンマ受容体は抗体のFcドメインに結合し、それらを架橋して、OX40クラスター化をもたらす。
上記のLALA変異含有モック(4420)mAb2形式における抗ヒトOX40及び抗マウスOX40Fcabを、架橋剤の存在下において、Fcabの架橋時にT細胞上に発現するOX40を活性化するそれらの能力について、T細胞活性化アッセイで試験した。モック(4420 LALA)mAb2形式における抗ヒトOX40Fcabの試験についてのヒトT細胞活性化アッセイは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)からのT細胞の分離を含み、T細胞活性化のマーカーであるIL-2の放出について試験した。アッセイは、実施例13で後述する方法と類似の方法で実施し、陽性対照(11D4)又はモック(4420LALA)mAb2形式でのFcabをそれぞれ架橋するために、抗ヒトCH2 mAbクローンMK1A6又はFITC-デキストラン(Sigma)の使用に関与した。
Fab標的(FITC-デキストラン)による架橋における場合の抗ヒトOX40 Fcab(4420 LALA)mAb2形式は、T細胞活性化アッセイにおける活性のある一定範囲を示した。全てのFcabは、抗CD3抗体の存在下でT細胞を共刺激し、ヒトIL2の産生を誘導する能力を有していた。FS20-22系統及びFS20-31系統からのFcabは、架橋を有する又は有しない両方で活性を示した。具体的には、これらの系統からのFcabは、架橋時に顕著に増加した架橋剤の非存在下で活性を示した。これらのFcabはカニクイザルOX40に対して高い交差反応性を保持しているため(ヒトOX40の結合と比較して)、この種で毒物学研究が可能であろう。FS20-22系統のクローンのうち、クローンFS20-22-41、FS20-22-47、FS20-22-49及びFS20-22-85は、架橋された場合のアゴニスト活性についてのEC50値が最も低く、したがって、この系統からの好ましいクローンである。これらのうち、クローンFS20-22-49は、架橋時にアゴニスト活性の最大の増加を示し、架橋の存在下でのアゴニスト活性の最低のEC50でもあったため、好ましいクローンである。
上記のように、本発明者らは、追加の架橋剤の非存在下でOX40及びCD137の両方にアゴナイジングすることが可能なmAb2を生成することを目的とした。上記の実験は、FS20-22-49Fcabが対かの架橋剤の存在下でOX40を活性化できることを実証する。追加の架橋剤を必要としない二重アゴニストを生成するために、本発明者らは、最終的なOX40-及びCD137を標的とするmAb2分子におけるこれらの抗体からのCDRの使用することを意図して、抗CD137抗体を生成するために選出した。
実施例5 - 抗ヒトCD137抗体の選択及び特性評価
CDR1、CDR2及びCDR3(MSM Technologies)でランダム化されたヒト生殖細胞系列のFabドメインを表示する合成ナイーブファージミドライブラリーを、実施例1.2に記載の組換え及び細胞表面発現CD137抗原を用いた抗ヒトCD137 mAbのナイーブ選択に使用した。
ストレプトアビジンダイナビーズ(Thermo Fisher Scientific、11205D)及びダイナビーズに結合したニュートラアビジン結合タンパク質(Thermo Fisher Scientific、31000)を使用して、Fabライブラリーを3ラウンドで選択し、ビオチン化ヒトCD137-mFc-Avi又はヒトCD137-Avi-Hisに結合したファージを単離した。細胞表面に発現したCD137へのFabの結合を確実にするために、組換えCD137抗原を使用した選択からの第1のラウンドのアウトプットも、DO11.10-hCD137細胞を使用した2つのさらなる選択のラウンド及びDO11.10-cCD137細胞を使用した第4のラウンドの選択を受けた。
ファージELISAにより、ヒト及びカニクイザルCD137-mFc-Aviへの結合について、ラウンド3及びラウンド4のアウトプットからの約2200クローンをスクリーニングした。ビオチン化mFcを陰性対照として含有した。陽性クローン(CD137結合シグナルがmFcへの結合シグナルより少なくとも4倍高いクローン)の可変領域の配列が決定され、36の固有のVH/VL配列の組み合わせを同定した。同定された配列は、組換えCD137抗原及び細胞表面発現CD137抗原を使用した両方の選択に由来し、両方の選択戦略を使用して分離された複数のクローンを有していた。ファージELISAに基づき、36のクローンのうちの22のクローンは、カニクイザル交差反応性であったが、ファージELISAの感度は、弱いカニクイザル交差反応性結合体を検出するのに十分ではなかった可能性があるため、36クローン全てをIgG1分子に再形式設定に前進させた。各クローンについて、VH及びVLドメインは、CH1、CH2(CH2ドメイン及びCH3ドメイン各々にLALA変異又はCLドメインを有する)のいずれかを含有するpTT5発現ベクター(カナダ国立研究評議会)に個別にクローン化した。LALA変異(AA)を有する得られたpTT5-FS30 VH及びpTT5-FS30 VLベクターを、HEK293-6E細胞に一過性に同時トランスフェクトした。28のクローンは可溶性IgG1分子として発現した。これらはmAb Select SuReプロテインAカラムで精製し、さらなる試験を供した。
抗CD137 mAbの結合は、ヒト及びカニクイザルCD137-mFc-Aviを使用したELISAで分析された。試験した28のクローンのうち、10はヒトCD137-mFc-Aviへの用量依存的結合を示し、ヒトOX40-mFc-Avi、mFc又はストレプトアビジンへの結合は示さなかった。この群内で、4つのクローン、FS30-5、FS30-10、FS30-15及びFS30-16は、カニクイザルCD137-mFc-Aviと交差反応した。得られたカニクイザル交差反応性クローンの数が少ないため、追加のクローンをスクリーニングし、上記のように発現させた。これにより、1つの追加のカニクイザル交差反応性結合体FS30-35の分離をもたらした。
抗ヒトCD137 mAb FS30-5、FS30-10、FS30-15及びFS30-16は、フローサイトメトリーを使用して、ヒト又はカニクイザルCD137(DO11.10-hCD137又はDO11.10-cCD137)を発現する細胞への結合について試験した。非特異的結合は、CD137発現を欠くDO11.10細胞及びHEK293細胞への結合を試験することによっても評価された。結合親和性を、2つの陽性対照mAb、MOR7480.1(米国特許出願公開第2012/0237498号)及び20H4.9(米国特許第7288638号)の結合親和性と比較し、これらの可変ドメインはクローン化され、CH2ドメイン(G1AA形式)においてLALA変異を含むヒトIgG1形式で発現された。
FS30-5、FS30-10、FS30-15及びFS30-16クローンは、細胞表面に発現されたヒト及びカニクイザルCD137受容体に結合することが見出され、EC50値は、陽性対照mAbに匹敵する0.15~0.57nMの範囲であった。親DO11.10又はHEK293細胞への結合は観察されず、結合の特異性を示した。これらの細胞では、20H4.9陽性対照抗CD137抗体のカニクイザルCD137への結合は観察されなかった。公開されたデータ(米国特許第7288638号)は、IgG1形式の20H4.9がPMA(ホルボールミリステート酢酸塩)誘導されたカニクイザルPMBC上のカニクイザルCD137に結合することを示す。本発明者の管理下において、G1AA形式の20H4.9は組換えカニクイザルCD137に結合したが、親和性はヒトCD137よりもはるかに低く(データは示さず)、これは、DO11.10-cCD137細胞に対する抗体で観察された結合の欠如を説明し得る。
FS30 mAbの生物物理学的特性を決定するために、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を実施し、単量体画分の割合を分析した。試験した4つのFS30 mAbは全て、単一ピークプロファイルを示し、97%を超える単量体であった。この高レベルの単量体タンパク質により、機能活性試験の開始を可能にした。
次に、抗CD137 mAbの機能的活性を、一次T細胞活性化アッセイで分析した。インビボでは、抗CD137 mAbはFcy受容体の動員によってアゴニスト作用を誘導し、そのためにmAb及びCD137受容体のクラスター化をもたらした。表面CD137受容体分子をクラスター化するmAbの最大能力を模倣するために、FS30 mAbを、アッセイ前に抗ヒトCH2抗体(クローンMK1A6、自社生産)を使用して架橋した。T細胞活性化を非架橋mAbと比較した。LALA変異(G1AA/HelD1.3)を有するヒトIgG1骨格における抗鶏卵卵白リゾチーム(HEL)抗体D1.3を陰性対照として含有していた。
架橋する場合、FS30-5、FS30-10、FS30-15及びFS30-16 mAbは、T細胞活性化アッセイにおいて強力な活性を示し、EC50値は10nM未満であり、IL-2(Emax)最大レベルは、陽性対照の抗CD137 mAb(抗CD137 MOR7480.1 mAb、5637 hIL-2pg/ml;及び抗CD137 20H4.9 mAb、10232 hIL-2pg/ml)と類似であった。FS30-6 mAb(1512 hIL-2 pg/ml)のEmaxは、陽性対照及び他のFS30 mAbのそれよりも顕著に低く、T細胞活性化の全体的なレベルが低いことを示していた。架橋の非存在下で活性を示した陽性対照抗CD137 20H4.9 mAb(3174pg/mlのhIL-2産生)と異なり、FS30 mAbは活性を示さなかった(測定されたIL-2測定のバックグラウンド応答レベルによって示されたように架橋されていない場合)。
実施例6 - ヒトOX40及びヒトCD137を標的とするmAb2の構築物及び発現
抗ヒトCD137 Fabとペアにした抗ヒトOX40Fcabを含むmAb2を調製した。ヒトOX40を標的とするFcab FS20-22-49は、T細胞アッセイでのその活性が高いため、CD137を標的とするFabとのペアリングに選択された(実施例4.3を参照されたい)。
6.1 mAb2形式におけるmAbの発現及び特性評価
FS30-5、FS30-10、FS30-15、FS30-16又はFS30-35クローンのいずれかのCDRを含み、CH2ドメインにおけるLALA変異及びCH3ドメインにおけるFS20-22-49ヒトOX40受容体結合部位を含むIgG1分子からなるmAb2分子を調製した。これらmAb2分子が、抗ヒトOX40 mAb2、FS20-22-49AA/HelD1.3のVHドメインをFS30クローンの対応するVHドメインで置換し、生成されたVHをFS30 mAbの対応する軽鎖に同時トランスフェクトすることによって生成された。IgG1分子のCH2ドメインにおけるLALA変異を、得られたmAb2分子中に保持した。これらのmAb2の分子を、FS20-22-49AA/FS30-5、FS20-22-49AA/FS30-10、FS20-22-49AA/FS30-15、FS20-22-49AA/FS30-16及びFS20-22-49AA/FS30-35と命名した。mAb2をHEK293-6E細胞中で一過性発現によって産生し、mAb Select SuReプロテインAカラムを使用して精製した。
CD137は、サイトカイン受容体の腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFRSF)に属する(Moran et al., 2013)。5つのmAb2分子の抗CD137のFab結合部位の特異性を分析するために、ヒトCD137及び5つの密接に関連したヒトのTNFRSFメンバー(TNFRSF1A、TNFRSF1B、GITR、NGFR及びCD40)のmAb2に対する結合を、SPRを用いて試験した。この目的は、1μMの濃度で密接に関連した抗原へのmAb2の結合を示さないが、1nMの濃度でCD137受容体への結合を示すことにより、1000倍の特異性を示すことであった。
FS20-22-49AA/FS30-5、FS20-22-49AA/FS30-10、FS20-22-49AA/FS30-16及びFS20-22-49AA/FS30-35 mAb2は、高レベルの特異性(1000倍近く)を示したのに対し、FS20-22-49AA/FS30-15 mAb2は、試験された5つの密接に関連したTNFRSFメンバー全てに非特異的な結合を示した。このクローンによって示された非特異的結合は、同じ濃度でCD137受容体に結合するよりも平均約5~10倍低く、CD137に密接に関連した同じ5つのTNFRSFメンバーへの結合について試験した場合、FS30-15 mAbが同じ結合プロファイルを示したため、mAb2分子のFab結合部位に起因すると結論付けられた。このデータに基づいて、FS30-15クローンは、以降の選択キャンペーンから除外された。
6.2 抗CD137 mAbの配列最適化
FS30-5、FS30-10、FS30-16及びFS30-35抗CD137 mAbは、CD137に対して高い親和性及び特異性を示し、T細胞活性化アッセイで活性を示す一方、それらは、CDRループ内に1つ以上の潜在的な翻訳後修飾(PTM)部位を含んだ。結合及び活性を維持又は向上させながら、これらの部位で置換され得るアミノ酸残基を同定する試みにおいて、これらのクローンをさらに操作することが決定された。同定された潜在的なPTM部位は、VH CDR3のメチオニン残基(FS30-5におけるKabat位M100D及び M100H、FS30-10におけるM97、FS30-16におけるM100A及びFS30-35におけるM100F)、VH CDR2の潜在的なアスパラギン酸異性化モチーフ(FS30-16におけるKabat位D54G55)及びVL CDR3の潜在的な脱アミド部位(FS30-16におけるKabat位Q90G91)を含有していた。
部位特異的変異導入は、5つのFS20-22-49AA/FS30 mAb2クローンをテンプレートとして使用し、メチオニン、アスパラギン酸又はグリシン残基をコードする部位に縮重コドンNNKを含有するプライマーを使用して、全ての可能なアミノ酸置換を可能にした。新規の潜在的なPTMモチーフを生成することが可能なシステイン残基及びアミノ酸は、除外された。クローンを発現させ、DO11.10-hCD137細胞への結合についてスクリーニングした。親mAb2クローンと比較して類似(2倍以内)又は向上した10nMでの結合を有するクローンは、30~50mlスケールで発現のために選択され、DO11.10-hCD137細胞及び架橋剤として抗ヒトCH2抗体MK1A6を使用して、プロテインAカラムで精製し、T細胞活性化アッセイでスクリーニングした。
DO11.10-hCD137細胞をPBSで1回洗浄し、10% FBS(Life Technologies)及び5μg/mlピューロマイシン(Life Technologies、A11113803)含有DO11.10細胞培地(RPMI medium(Life Technologies))に1.0×106細胞/mLの濃度で再懸濁した。96ウェル平底プレートを、PBSで希釈した0.1μg/ml抗マウスCD3抗体で37℃、5%CO2で2時間インキュベートすることにより、抗マウスCD3抗体(Thermo Fisher Scientific、clone 17A2)でコーティングし、その後、PBSで2回洗浄した。DO11.10-hCD137細胞は、1×105細胞/ウェルでプレートに添加した。各試験抗体の2μM希釈液をDPBS(Gibco)で調製し、さらにDO11.10細胞培地(30μl+270μl)で1:10に希釈して、200nM希釈液を得た。MK1A6架橋剤を、架橋させるため試験抗体サンプルと1:1のモル比でウェルに添加した。96ウェルプレートで、各抗体又は抗体/架橋剤混合物の段階希釈液を調製した。100μlの希釈抗体又は抗体/架橋剤混合物をプレート上のDO11.10-hCD137細胞に添加した。細胞を37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。上清を回収し、製造元の指示に従って、マウスIL-2 ELISAキット(eBioscience又はR&D Systems)でアッセイした。Gen5ソフトウェア、BioTekを備えたプレートリーダーを使用して、プレートを450nmで読み取った。450nm(補正)の吸光度値から630nmの吸光度値を差し引いた。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。マウスIL-2(mIL-2)の濃度を抗体の対数濃度に対してプロットし、得られた曲線をGraphPad Prismの対数(アゴニスト)対応答式を使用して適合させた。
各クローンについて、細胞表面CD137への結合を保持又は向上した限られた数のアミノ酸が、重鎖CDR3のメチオニン残基の置換について同定された。FS20-22-49AA/FS30-16 mAb2クローンは3つの潜在的なPTM部位が含有しており、各変異により結合親和性がわずかに低下した。これらを1つの分子に結合させる場合、減少した結合は相加的であり(データは示さず)、その結果、このクローンはそれ以上追及されなかった。関連する親クローンと比較して、CD137への結合と機能的活性を改善する変異はほとんど見られなかった。3つの変異mAb2クローンは全て、結合親和性及び機能的活性を改善したことが判明したFS20-22-49AA/FS30-10 mAb2クローン由来であった。これらのmAb2は、1つのアスパラギン、1つのトレオニン又は親FS20-22-49AA/FS30-10 mAb2の97位のメチオニン残基の代わりに1つのロイシン残基のいずれかを含有し、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16とそれぞれ指定された。FS20-22-49AA/FS30-35親mAb2クローン由来の変異体クローンのEC50値は、親クローンと比較して、機能的活性における改善を示さなかったが、親クローンの100F位のメチオニン残基に置換されたアラニン残基を含有するFS20-22-49AA/FS30-35-14と指定された1つの変異体クローンは、結合の改善を示した。FS20-22-49AA/FS30-5親mAb2クローンの場合、100D位のメチオニン残基及び100H位のメチオニン残基の両方を、同一分子内のイソロイシン残基及びロイシン残基にそれぞれ変更して、FS20-22-49AA/FS30-5-37と指定された変異型mAb2クローンを得た。FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-35-14及びFS20-22-49AA/FS30-5-37クローンは、さらなる特性評価のために選択された。
6.3 ヒトCD137リガンド遮断アッセイ
CD137-CD137Lの相互作用は、CD137受容体の活性化に必要である。アゴニスト性抗CD137抗体は、リガンド相互作用を模倣することによってCD137の活性化を促進し得、それによってリガンド結合を潜在的に遮断するか、又はリガンド結合を妨害することなく受容体のクラスター化と活性化を促進する。抗体がCD137Lを模倣する可能性がある場合、受容体及びリガンドの相互作用を遮断し得る。MOR7480.1がリガンド/受容体相互作用を遮断することは、当技術分野で知られているが(US 2012/0237498)、20H4.9抗体は、CD137及びそのリガンド間の相互作用を遮断しないことが以前に報告されている(米国特許第7288638号)。
抗ヒトCD137mAb2クローン、FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16及びFS20-22-49AA/FS30-35-14は、ELISAベースの方法を使用してCD137~CD137L相互作用を遮断する能力について試験された。IgG1形式における抗OX40mAb 11D4(欧州特許第2242771号)(G1/11D4;配列番号174及び175)は、アイソタイプ/陰性対照として使用され、抗OX40 FcabクローンFS20-22-49AA及び抗FITC抗体4420のFab領域を含むmAb2 FS20-22-49AA/4420をOX40結合について陰性対照mAb2として;抗CD137 mAb G1/MOR7480.1(配列番号119及び120)及びG1/20H4.9(配列番号121及び122)をCD137結合及びリガンドブロッキング活性の陽性対照として使用した。
具体的には、組換えヒトCD137-mFc-Avi抗原を、PBS中1μg/mlの濃度で、Maxisorp96ウェルプレート上で、4℃で一晩コーティングした。翌日、プレートをPBST(PBS+0.05%Tween20(商標))で洗浄し、PBS+1%BSA(Sigma、A3059-500G)で、室温で1時間撹拌しながらブロックした。ブロッキング後、プレートを再びPBSTで洗浄した。各試験抗体の100nM希釈液を、PBS+1%BSAで調製し、CD137でコーティングしたプレートに加え、室温で1時間撹拌しながらインキュベートした。このインキュベーション後、プレートをPBSTで洗浄し、次にPBS中の20ng/ml CD137L-His(R&D Systems、2295-4L-025/CF)と室温で1時間撹拌しながらインキュベートした。次に、プレートをPBSTで洗浄し、次に抗his二次抗体(R&D Systems、MAB050H)を用いて、PBS中の1:1000希釈液で、室温で1時間撹拌しながらインキュベートした。次いで、プレートをPBSTで洗浄し、陽性対照ウェルが青色に変色するまでTMB検出試薬(Thermo Fisher Scientific、002023)とインキュベートし、その後、反応は、2N H2SO4の添加で停止した。Gen5ソフトウェア、BioTekを備えたプレートリーダーを使用して、プレートを450nmで読み取った。450nm(補正)の吸光度値から630nmの吸光度値を差し引いた。差し引かれた吸光度値を抗体の対数濃度に対してプロットし、得られた曲線をGraphPad Prismの対数(阻害剤)対応答式を使用して適合させた。値は、G1/11D4及び G1/MOR7480.1対照mAbを0及び100%ブロッキング値としてそれぞれ設定することにより正規化された。データを、一元配置分散分析及びGraphPadPrismを使用したHolm-Sidakの多重比較検定を使用して分析した。
試験した5つの抗ヒトCD137 mAb2クローンについて、ある一定範囲のブロッキング活性が観察された。FS20-22-49AA/FS30-5-37は、陽性対照抗体と同様に、受容体-リガンド相互作用の完全な阻害を示した。FS30-10系統(すなわちFS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16)の抗CD137 mAbのFab領域を含有する全てのmAb2のクローンは、CD137及びCD137L間の相互作用を49~54%阻害し、したがって、部分的な遮断剤と見なされた。CD137及びCD137L間の相互作用を部分的に遮断するのみにより、これらの抗体の1つが結合する場合でも、このメカニズムを介して一部のCD137シグナル伝達が依然として発生し得るように、これらのmAbが、CD137Lとその受容体との自然な相互作用を完全に阻害し得ない可能性がある。FS20-22-49AA/FS30-35-14クローンは、陰性対照FS20-22-49AA/4420 mAb2分子と同様に、受容体-リガンド相互作用を顕著に阻害する能力を欠いていたため、非遮断剤と見なされた。
要約すると、このELISAベースのアッセイの結果は、試験された抗CD137 mAbのパネルが、完全、部分的及びブロッキング活性なしを含有する、ある一定範囲のリガンドブロッキング能力を示したことを示した。クローンFS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16及びFS20-22-49AA/FS30-35-14の各々は、陽性対照抗CD137 mAbのそれと異なるブロッキング活性を示した。リガンドブロッキング活性の範囲が特定されたため、各抗体の機能的活性を試験した。
クローンFS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16は、細胞ベースの方法を使用して、CD137-CD137L相互作用を遮断するそれらの能力についてさらに試験した。ある一定範囲のブロッキング活性が観察され、FS20-22-49AA/FS30-5-37は、このアッセイで使用された陽性対照抗体(G1/MOR7480.1)と同様に、受容体-リガンド相互作用の完全な阻害を示した。FS30-10系統(すなわちFS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16)の抗CD137 mAbのFab領域を含有する3つの全てのmAb2のクローンは、CD137及びCD137L間の相互作用を46~76%阻害し、したがって、部分的な遮断剤と見なされた。したがって、このアッセイの結果は、ELISAベースのブロッキングアッセイの結果と類似しており、試験した抗CD137 mAbのパネルが、完全なブロッキング活性から部分的なブロッキング活性までのある一定範囲のリガンドブロッキング能力を示したことを示した。クローンFS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16の各々は、陽性対照抗体のそれと異なるブロッキング活性を示した。
実施例7 - ヒトCD137T細胞活性化アッセイにおけるmAb及びmAb2クローンの結合特異性及び機能活性
7.1 mAb2クローンの結合特異性
CD137及びOX40は、サイトカイン受容体の腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFRSF)に属する(Moran et al., 2013)。抗CD137 Fab並びに5つのmAb2分子のOX40 Fcab結合部位の特異性を分析するために、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、ヒトCD137、ヒトOX40及び6つの密接に関連するヒトTNFRSFメンバーへのFS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/FS30-35-14及びFS20-22-49AA/FS30-5-37 mAb2の結合を試験した。この目的は、1μMの濃度で密接に関連する抗原へのmAb2の結合を示さないが、1nMの濃度でCD137及びOX40受容体への結合を示すことにより、1000倍の特異性を示すことであった。抗CD137 mAb MOR7480.1及び抗OX40 mAb11D4を陽性対照として使用した。
簡単に説明すると、CM5チップ上のフローセルを、ヒトCD137-mFc-Avi(表3)、OX40-mFc(表2)、組換えヒトTNFRSF1A-Fc、組換えヒトTNFRSF1B-Fc、組換えヒトGITR-Fc、組換えヒトNGFR-Fc、組換えヒトCD40-Fc又は組換えヒトDR6-Fcのいずれかの約1000RUで固定化した。フローセル1はブランクの固定化用として残した。5つのmAb2は、1×HBS-EP緩衝液で1μM及び1nM(GE Healthcare、製品コードBR100188)に希釈し、3分間チップ上に流動させ、次いで4分間解離させた。再生のために、10mMグリシンpH1.5の30秒注入を使用した。各抗原のコーティングを実証するために、陽性対照mAbを50~100nMで注入した。結合レベルは、会合フェーズの終わりに決定され、比較された。
選択されたmAb2の全ては、それぞれMOR7480.1及び11D4陽性対照と類似するか又はより高いヒトCD137及びOX40受容体に対する高いレベルの特異性を示した。
7.2 ヒトCD137T細胞活性化アッセイにおけるCD137アゴニスト抗体の機能活性
異なる抗CD137アゴニスト抗体の活性を理解するために、DO11.10-hCD137細胞を用いたT細胞活性化アッセイを使用した。抗CD137アゴニスト抗体G1AA/MOR7480.1(配列番号125及び120)、G1AA/20H4.9(配列番号165及び122)及びG1AA/FS30-10-16(配列番号154及び97)及びアイソタイプ陰性対照として、IgG1形式の抗FITC抗体4420(G1/4420;配列番号115及び116)を試験した。抗体分子は、架橋抗ヒトCH2抗体MK1A6の存在下及び非存在下の両方で試験された(実施例2.1を参照されたい)。T細胞活性化の尺度としてマウスIL-2産生を使用した。
DO11.10-hCD137細胞をPBSで1回洗浄し、10% FBS(Life Technologies)及び5μg/mlピューロマイシン(Life Technologies、A11113803)含有DO11.10細胞培地(RPMI medium(Life Technologies)に1.0×106細胞/mLの濃度で再懸濁した。96ウェル平底プレートを、PBSで希釈した0.1μg/ml抗マウスCD3抗体で37℃、5%CO2で2時間インキュベートすることにより、抗マウスCD3抗体(Thermo Fisher Scientific、clone 17A2)でコーティングし、その後、PBSで2回洗浄した。DO11.10-hCD137細胞は、1×105細胞/ウェルでプレートに添加した。各試験抗体の2μM希釈液をDPBS(Gibco)で調製し、さらにDO11.10細胞培地(30μl+270μl)で1:10に希釈して、200nM希釈液を得た。MK1A6架橋剤を、必要に応じて、試験抗体と1:1のモル比でウェルに添加した。96ウェルプレートで、抗体又は抗体/架橋抗体混合物の段階希釈液を調製した。100μlの希釈抗体又は抗体/架橋抗体混合物をプレート上のDO11.10-hCD137細胞に添加した。細胞を37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。上清を回収し、製造元の指示に従ってマウスIL-2 ELISAキット(eBioscience又はR&D Systems)でアッセイした。Gen5ソフトウェア、BioTekを備えたプレートリーダーを使用して、プレートを450nmで読み取った。450nm(補正)の吸光度値から630nmの吸光度値を差し引いた。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。マウスIL-2(mIL-2)の濃度を抗体の対数濃度に対してプロットし、得られた曲線をGraphPad Prismの対数(アゴニスト)対応答式を使用して適合させた。
アッセイの結果を図2C及びDに示す。抗CD137抗体は、その活性に対する架橋抗体の要件が異なり、3つ全ての抗CD137抗体は、架橋抗体の存在下で濃度依存的にIL-2産生の増加を示したが、架橋抗体の非存在下では、G1AA/20H4.9抗体のみが活性を示した。したがって、G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16は、架橋抗体の添加を必要としており、つまり、それらの活性は「架橋依存性」であった。一方で、G1AA/20H4.9は架橋抗体の存在下及び非存在下の両方で活性を示し、すなわちその活性は「架橋非依存性」であった。
7.3 ヒトCD137T細胞活性化アッセイにおけるmAb2の機能活性
選択したFS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2クローンの機能活性を、DO11.10-hCD137細胞を使用してT細胞活性化アッセイで試験した。IgG1形式の抗FITC抗体4420(G1/4420;配列番号115及び116)をアイソタイプ陰性対照として、抗OX40 mAbG1/11D4(配列番号174及び175)及びmAb2クローンFS20-22-49AA/4420(配列番号123及び116)を陰性対照として使用し、IgG1(G1/MOR7480.1;配列番号119及び120)及びIgG2(G2/MOR7480.1;配列番号124及び120)形式の両方の抗CD137抗体MOR7480.1、臨床試験で試験されている抗体の形式であるIgG2形式(Gopal et al., 2017;Tolcher et al., 2017)を陽性対照として使用した。mAb及びmAb2分子を、抗ヒトCH2抗体、MK1A6(実施例2.1を参照されたい)を用いて架橋し、ある実験では、非架橋mAb及びmAb2分子の活性を調査した。T細胞活性化の尺度としてマウスIL-2産生を使用した。実験は、実施例7.2に記載されているように実施された。
架橋される場合、全ての5つの選択されたmAb2クローンは、T細胞活性化アッセイにおいて強力な活性を示し、EC50値の平均は、15nM未満及びEmax値の平均は、約16000~20000pg/ml IL-2(表6及び図2A)の範囲であった。試験されたmAb2クローンの活性は、架橋の非存在下で観察されなかった(図2B)。MOR7480.1陽性対照抗体は、架橋される場合にのみ活性を示すことが観察された(G1/MOR7480.1について、3.3nmのEC50及び12575pg/mlのEmax及びG2/MOR7480.1について、2.4nMのEC50及び8547pg/mlのEmax)。架橋抗OX40 mAb(G1/11D4)の活性の欠如及び非架橋抗OX40Fcab含有mAb2分子について観察された低いバックグランドシグナルの組み合わせは、このアッセイの結果が、CD137活性のみの読み出しであることを示しており、CD137受容体発現の高レベル及びDO11.10細胞によるOX40受容体発現の非検出可能レベルに起因するものである可能性が高い(データは示さず)。
したがって、抗ヒトCD137モノクローナル抗体FS30-5-37、FS30-10-3、FS30-10-12、FS30-10-16及びFS30-35-14のCDRを含むmAb2は、架橋される場合、DO11.10-hCD137T細胞活性化アッセイにおいて、CD137を活性化することができる強力な活性を示した。架橋の非存在下で顕著な活性は観察されなかった。これらのmAb2は、T細胞アッセイ(実施例4.3を参照されたい)で架橋される場合にも高い活性を示した抗ヒトOX40 Fcab FS20-22-49からのCH3ドメインを含む。LALA変異と共に調製されたこのmAb2は、FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16と指定された。
これらのmAb2を、特定の標的の発現及び追加の架橋剤を必要としないことに基づき、OX40及びCD137の両方を自主的にアゴナイズすることができる二重アゴニストとして作用することが可能であるかを決定するためにさらなる分析のために選択した。
実施例8 - ヒト及びカニクイザルOX40及びCD137についてのmAb2の結合親和性
CD137の親和性を決定するために、Biacore CM5チップ(GE Healthcare)を、Human Antibody Capture Kit(GE Healthcare)を使用し、製造元の条件に従って、抗ヒトFcでコーティングし、表面密度を約4000RUとした。試験抗体のサンプル(mAb2 FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16、抗CD137陽性対照G1/MOR7480.1及び抗hOX40陰性対照G1/11D4)は、約80RUまで捕捉された。ヒト又はカニクイザルCD137(hCD137-mFc-Avi又はcCD137-mFc-Avi)を、200nMから開始する3倍希釈系列の濃度範囲で、流速70μl/分で流した。会合時間は2分であり、解離時間は8分であった。泳動用緩衝液はHBS-EP(GE Healthcare BR100188)であった。3M塩化マグネシウムを流速30μl/分で30秒間注入することにより、フローセルを再生した。
OX40の親和性を決定するために、Biacore CM5チップをHuman Fab Capture Kit(GE Healthcare 28958325)を使用し、製造者の条件に従って、抗ヒトFabでコーティングし、表面密度を約8000RUとした。試験抗体のサンプル(FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2、G1/MOR7480.1(陰性対照)及びG1/11D4(陽性対照))を約80RUまで捕捉し、次にヒト又はカニクイザルOX40抗原(hOX40-mFc又はcOX40-mFc)を200nMから始まる3倍希釈系列の濃度範囲で、流速70μl/分で流した。会合時間は2分であり、解離時間は8分であった。泳動用緩衝液はHBS-EPであった。pH2.1の塩化グリシンを流速30μl/分で30秒間注入することにより、フローセルを再生した。
そのデータを、意図的にブランクのままにされた(抗体結合なし)フローセルに対して二重参照することによって分析した。結合速度論を、1:1ラングミュアモデルに適合させて、結合結合(ka)及び解離(kd)速度を生成した。平衡結合定数(KD)を、解離速度を各サンプルの会合速度で割ることによって計算した。データ分析は、BiaEvaluationソフトウェアバージョン3.2を使用して実行された。結果を表7に示す。
OX40/CD137 mAb2の結合親和性は、これらの分子が両方の受容体に高い親和性で結合することを示している。ヒトOX40に対するこれらの分子の親和性は、類似しており、これらの分子は全てOX40Fcabを共有しているため予想されることである。カニクイザルOX40に対する親和性は、ヒトOX40の5倍以内である。ヒトCD137に対する親和性は4~0.2nMの範囲であり、抗CD137 Fabは分子ごとに異なるため、カニクイザルCD137との交差反応性もばらつきがある。FS20-22-49AA/FS30-10-16は、ヒトCD137に対してより高い親和性を有し、カニクイザルCD137に対しても類似の親和性を有する。カニクイザル研究におけるmAb2の挙動を、ヒトに外挿することができると期待されるため、ヒト及びカニクイザル抗原との結合の類似性は、有利であり得る。
また、FS20-22-49AA/FS30-10-16は、ヒトOX40及びヒトCD137に対して類似の親和性を有し、これらが共発現される場合、mAb2は、両方の標的に等しく良好に結合するはずであることが期待される。
OX40及びCD137に結合し、両方の標的のクラスター化及び活性化を同時に促進するmAb2は、二重アゴニストとして機能することが期待される。OX40及びCD137の両方は、T細胞に存在することが知られている(Ma, et al., 2005)。理論に拘束されるものではないが、両方の標的への結合に対する類似の親和性を有するmAb2は、mAb2が両方の標的を発現する細胞に結合する可能性が高いため、二重アゴニストとして有利である可能性があり得ると考えられる。一方の標的に他方よりも顕著に高い親和性を有し、優先的に結合するmAb2は、両方の標的を発現しない細胞に優先的に結合し得るため、二重アゴニストとして作用することができなくてもよい。
実施例9 - OX40及びCD137に対するmAb2の同時結合
9.1 ヒトOX40及びCD137に対するmAb2の同時結合
OX40/CD137 mAb2FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3及びFS20-22-49AA/FS30-10-16のOX40及びCD137に対する同時結合の能力を、Biacore3000でSPRによって試験された。G1/MOR7480.1を対照として使用した。製造元の指示に従って、ビオチン化ヒトCD137(hCD137-mFc-Avi-Bio)をHBS-EP緩衝液で100nMに希釈し、ストレプトアビジン(SA)チップ(GE Healthcare BR100032)に固定化して表面密度を約1000RUにし、フローセルは、バックグラウンド除去のために固定化されたいずれのタンパク質なしで活性化及び非活性化された。HBS-EP緩衝液で100nMに希釈した抗体を、100nMのヒトOX40(hOX40-mFc)又はHBS-EP緩衝液のいずれかと流速30μl/分で同時注入した。各結合ステップについて、解離を3分間追跡した。センサーチップを、各サイクル後にグリシン2.5(GE Healthcare)を流量30μl/分で15μl注入して再生した。試験した全てのmAb2は、OX40及びCD137に同時に結合することが可能であった。対照mAb、G1/MOR7480.1は、CD137のみに結合する。
9.2 マウスOX40及びマウスCD137に対するマウス受容体標的mAb2の同時結合
抗マウスCD137 Fabを有する抗マウスOX40Fcabを含むmAb2を、マウスOX40及びマウスCD137に同時に結合するその能力を試験するために調製した。マウスOX40標的化Fcab FS20m-232-91が選択されたのは、T細胞アッセイにおいて、その活性がより高いために選択され、ヒトIgG1アイソタイプ形式(G1/Lob12.3;University of Southampton)における抗マウスCD137抗体Lob12.3のFab(Taraban et al., 2002)が、マウスCD137発現細胞への良好な細胞結合を示し、インビトロ及びインビボでの活性を有するアゴニスト性CD137抗体として文献で幅広く使用されているため、FS20m-232-91 Fcabとのペアリングのために選択された。抗マウスCD137抗体Lob12.3及びLALA変異のFS20m-232-91 CH3ドメイン及びFabを含有するmAb2は、「FS20m-232-91AA/Lob12.3」と指定される一方、LALA変異を有しない抗マウスCD137抗体Lob12.3及びFS20m-232-91 CH3ドメイン及びFabを含有するmAb2は、「FS20m-232-91/Lob12.3」と指定された。
FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が2つの標的に同時に結合する能力は、BIAcore 3000instrument(GE Healthcare)のSPRによって試験された。G1/Lob12.3を、陽性対照として使用した。製造元の指示に従って、組換えマウスCD137(mCD137-hFc;R&D Systems、カタログ番号937-4B-050)を酢酸ナトリウムpH 5.0(GE Healthcare)で200nMに希釈し、表面密度を約1000RUでBiacoreCM5チップに固定化して、フローセルはバックグラウンド除去用に固定化されたタンパク質なしで活性化及び非活性化された。HBS-EP緩衝液中100nMに希釈したmAb2及び陽性対照は、ヒトOX40(mOX40-MFC)又はHBS-EP緩衝液のいずれか100nMで、流速30μl/分で同時注入した。各結合ステップについて、解離を3分間追跡した。センサーチップは、各サイクルの後に、流速20μl/分でpH1.7のグリシン-HCl水溶液を30秒間注入して再生した。mAb2は、OX40及びCD137に同時結合することが可能であった。G1/Lob12.3 mAbは、CD137にのみ結合する。
実施例10 - Fcγ受容体へのmAb2の結合
TNFRファミリーメンバーを標的とするアゴニスト性抗体は、インビボ活性の標的のクラスター化及び活性化を促進するために、Fcγ受容体媒介性架橋を必要とすることが文献から知られている(Wajant, 2015)。しかしながら、これは、二重アゴニストであることが意図されている抗体にとっては、望ましくない可能性がある。そのため、LALA変異の挿入により、Fcγ受容体に対して結合するmAb2の能力を削減することを決定した。
ヒトIgG1アイソタイプ抗体は、Fcγ受容体への結合が可能である。これにより、それらがFcγ受容体に結合する場合、標的を発現する細胞の抗体依存性細胞傷害性(ADCC)などのエフェクター機能が誘導され、細胞溶解が生じる可能性がある。OX40/CD137 mAb2の意図されたメカニズムは、それらを死滅させることなくOX40及びCD137発現する細胞を活性化するため、mAb2により誘導されるADCCの減少が望ましい。
また、OX40/CD137 mAb2は二重アゴニストとして機能することを意図しているため、それらの意図された作用メカニズムは、同じ細胞上で共発現されるか又は異なる細胞上で発現される場合、OX40及びCD137の両方への二重結合による架橋の結果として受容体を介してシグナル伝達することであり、Fcγ受容体を介して架橋する能力は、機能についての要件ではない。
さらに、CD137標的抗体は、臨床において、肝臓毒性を示していることが知られており(Segal et al., 2017)、毒性メカニズムは、不明であるが、抗CD137抗体のFcγR媒介架橋又は肝臓若しくは末梢における抗CD137発現細胞の活性化に依存している可能性がある。FcγR媒介架橋を介したCD137アゴニスト作用の予防は、これらの分子がOX40及びCD137に対して二重結合を介してのみ架橋するため、本発明のOX40/CD137 mAb2の毒性リスクを減少させ得る。
SPRによる結合を使用して、mAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16のLALA変異の存在が、Fcγ受容体、特に、hFcγR1(R&D Systems、カタログ番号1257-FC-050/CF)、hFcγR2a(R&D Systems、カタログ番号1330-CD-050/CF)、hFcγR2b(R&D Systems、カタログ番号1460-CD-050/CF)及びhFcγR3a(R&D Systems、カタログ番号4325-FC-050/CF)に対する結合親和性を低下させたことを確認した。抗hOX40 mAbs G1AA/11D4及びG1/11D4(それぞれLALA変異を有する及び有しない)及び抗CD137 mAb G1AA/20H4.9及びG1/20H4.9(それぞれLALA変異を有する及び有しない)は、全てhIgG1アイソタイプ形式においてであり、抗hCD137 mAb G4/20H4.9は、hIgG4アイソタイプ形式においてであり、対照抗体として使用された。
結合をBiacore 3000 instrument(GE Healthcare)で試験した。ヒトOX40(BPS Bioscienceカタログ番号71310)及びヒトCD137(自社生産)ビオチン化hisタグ付き抗原をSAチップ(GE Healthcareカタログ番号BR100398)に2μMの濃度でコーティングした。ヒトOX40及びヒトCD137を、別々のフローセル上にコーティングし、別のフローセルはバックグラウンド除去のためにブランクのままにされた。再生条件は、20μl/分の流速でpH2.0の12μlの10mMグリシン-HCl水溶液であると決定された。抗体(表8を参照されたい)及びヒトFcγRs(表8を参照されたい)をHBS-P中(0.01M HEPES pH7.4、0.15M NaCl、0.005%重量/重要界面活性剤P20、GE Healthcare、BR-1003-68)で、100nM(抗体)又は500nM(ヒトFcγRs)に希釈し、流速20μl/分で同時注入し、解離を5分間追跡した。
データ分析は、BiaEvaluationソフトウェアバージョン3.2 RC1を使用して、ブランクフローセルに対して参照し、抗体の会合後に曲線を整列させることによって実行された。会合フェーズの終了時の結合応答の値は、OX40及びCD137受容体に対する抗体結合の効果を正常化するために、抗体の会合フェーズの終了時の絶対応答からFcγRの会合フェーズの終了時の絶対応答を差し引くことによって生成された。
FcγRIの解離フェーズの終了時の結合応答のための測定値は、このFcγRに対する結合が完全に除去されていない場合、FcγRI結合のオフレートを増加させるLALA変異の効果を実証するために行われた。これらは、FcγRの解離フェーズの終了時の絶対応答から、FcγRの会合フェーズの終了時の絶対応答を差し引くことにより生成された。抗CD137抗体の値をCD137-His抗原でコーティングされたフローセルから採取し、抗OX40抗体の値は、OX40-His抗原でコーティングされたフローセル及びOX40/CD137 mAb2については、OX40-his抗原でコーティングされたフローセル及びCD137-his抗原でコーティングされたフローセルの両方から採取された。結果を表8に示す。
LALA変異を有しないmAb2及び対照抗体は、IgG1及びIgG4形式の両方において、予想通りFcγ受容体の各々に全て結合された。LALA変異を含有するIgG1形式のmAb2及び対照抗体は、LALA変異を有しないIgG1形式の対照抗体及びIgG4形式の対照抗体と比較して、FcγRIを除く、試験したFcγ受容体の各々に対する会合フェーズ(オンレート)の終了時に、顕著に減少した結合を示した。高親和性Fcγの結合受容体、FcγRIのhIgG1LALA含有抗体に対する結合率は、LALAを含有しないIgG1抗体と比較してわずかに減少したのみであり、そのような変異の導入によって顕著に変化しなかった。しかしながら、FcγRIのオフレートは、FcγRIの解離段階の終了時の結合応答のより大幅に減少すると示されるように、LALA変異含有抗体の方がLALAを有しない抗体よりも速かった(LALA含有抗体の各々について200RUを超えるのに対し、LALAを含有しない抗体については60RU未満であった)。
全体的に、野生型ヒトIgG1と比較した場合、他のLALA含有hIgG1抗体と類似の方法及びIgG4対照抗体よりも低いレベルで、LALA変異含有OX40/CD137 mAb2は、Fcγ受容体への結合を減少した。Fcγ受容体結合は、ADCC活性に必要であるため、LALA変異によって引き起こされるFcγ受容体への結合のこの減少が、mAb2結合による標的細胞が枯渇しないようなADCCの減少ももたらすことが期待される。OX40/CD137 mAb2はアゴニスト抗体であり、mAb2が刺激することを目的とする細胞であるため、標的細胞の枯渇は望ましくないため、これは重要であると考えられる。
FcγRIIIaは、ナチュラルキラー(NK)細胞などの免疫エフェクター細胞に発現し、ADCCの媒介に重要であることが示されている(Chan et al., 2015)。SPRデータによって確認されたように、FcγRIIIaに対するFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2結合の減少がADCC経路の低活性化又は無視できる程度に翻訳されるかどうかを決定するため、エフェクター細胞としてFcγRIIIaを発現する操作されたジャーカット細胞及び標的細胞としてOX40又はヒトCD137のいずれかを過剰発現するラージ細胞を使用して、ADCCバイオアッセイを実行した。アッセイを使用した陰性又は陽性対照抗体について観察された応答を比較して、mAb2は、OX40発現又はCD137発現ラージ細胞のいずれにおいても、ADCC活性化を誘導しないことが観察された。
他のアゴニスト抗体は、高次構造を作成する抗体のFcγ受容体架橋に依存していることが知られており(Stewart et al., 2014;Wajant, 2015)、それらのアゴニスト活性を発揮するため、細胞表面の受容体のクラスター化及び活性化をもたらす。Fcγ受容体媒介架橋は、本発明のmAb2活性には必要ではなく、細胞のアゴニスト作用は、両方の標的が存在する部位に局在化するであろう。OX40/CD137 mAb2のLALA変異により、Fcγ受容体への結合の減少がもたらされるため、CD137結合のみを介したFcγ受容体架橋駆動活性が可能であることは期待されない。その結果、mAb2は、OX40の発現の非存在下でCD137発現細胞を活性化する可能性は低い。ヒトにおいて、CD137を標的とすることに関連した肝臓毒性リスクが知られているため(例えば、ウレルマブ(BMS-663513)による処置で見られるような)(Segal et al., 2017)、LALA変異含有mAb2のFcγ受容体誘導性架橋の可能性の減少は、CD137がOX40も発現している場所でのみ活性化されるため、mAb2による処置時に発生するそのような肝毒性の可能性を減少させることが期待されている。CD137誘導肝臓毒性の現在の理論は、CD137発現骨髄細胞が、CD137アゴニストにより処置されたマウスで見られる肝臓の炎症となる細胞型であるということを示している(Bartkowiak,et al., 2018)。
マクロファージは、CD137標的抗体の架橋を潜在的に媒介し得るFcγRIを発現することが知られているが、これらの細胞は、OX40を発現することは知られていない。したがって、LALA変異含有の本発明のmAb2は、理論的には、CD137を発現するが、OX40も発現しない肝臓マクロファージを活性化することができないはずである。これは、活性についてFcγ受容体架橋を必要とするCD137アゴニスト又は活性について架橋を必要としないCD137アゴニストのいずれかと比較した場合、本発明のOX40/CD137 mAb2の肝臓毒性リスクを低下させると考えられる。OX40の場合、CD137結合の非存在下、OX40の一部の活性化につながり得る架橋の非存在下でFcabの一部の残留活性が観察されているが、OX40アゴニストを用いた臨床試験で用量制限毒性がこれまでに報告されていないため、これは、リスクと考えられない。
実施例11 - OX40及びCD137を発現する細胞に対するmAb2の結合
11.1.ヒト又はカニクイザルOX40若しくはCD137を発現する細胞に対するmAb2の結合
細胞発現ヒト又はカニクイザルOX40及びCD137についてのmAb2FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12及びFS20-22-49AA/FS30-10-16の結合親和性は、フローサイトメトリーを使用して決定された。これらのmAb2抗体及び対照抗体G1/4420(FITC)、G1/11D4(OX40)、G1/MOR7480.1(CD137)及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)(全てIgG1アイソタイプ形式)の希釈(2X最終濃度)を1XDPBS(Gibco、14190-094)で調製した。DO11.10-hOX40、DO11.10-cOX40、DO11.10-hCD137、DO11.10-cCD137又はHEK細胞懸濁液を、PBS+2%BSA(Sigma、A7906)中で調製し、V底96ウェルプレート(Costar、3897)に50μl/ウェルで4×106細胞/mlで播種した。50μlの抗体希釈液を、細胞含有ウェル(最終容量100μl)に加え、4℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、PBS+2%BSAで1:1000に希釈した100μl/ウェルの二次抗体(抗ヒトFc-488抗体、Jackson ImmunoResearch、109-546-098)を添加し、暗所4℃で30分間インキュベートした。プレートは、洗浄され、DAPI(Biotium、カタログ番号40043)を1μg/mlで含有する100μlのPBSに再懸濁したCantoIIフローサイトメーター(BD Bioscience)を使用してプレートを分析し、FlowJoを使用してデータを分析した。死細胞を、UV(405nm/450/50)チャネルでより高い蛍光により同定し、分析から除外した。FITCチャネル(488nm/530/30)で幾何学的平均蛍光強度(GMFI)を、抗体結合の尺度として使用した。GMFIデータを、GraphPad Prismソフトウェアにおける対数(アゴニスト)対対応(3つのパラメーター)を使用して適合させ、EC50値を生成した。
この結果は、試験されたOX40/CD137 mAb2がDO11.10細胞上に発現したヒト及びカニクイザルOX40及びCD137に結合することを確認する。mAb2及び陽性対照(ヒトIgG1骨格における抗ヒトOX40 mAb、G1/11D4及びヒトIgG1骨格の抗ヒトCD137 mAbG1/MOR7480.1)は、一定範囲の親和性を持つヒト及びカニクイザルOX40及びCD137の両方に結合した(表9を参照されたい)。HEK細胞株の表面に発現する他のタンパク質との交差反応性は観察されず、これは、試験した抗体のいずれについても、この細胞株との結合を検出できなかったためである。したがって、OX40/CD137 mAb2は、ヒトOX40及びヒトCD137に特異的に結合し、非特異的結合は確認されなかった。
11.2 FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2及びその構成部分のヒト又はカニクイザルOX40又はCD137発現する細胞に対する結合
細胞発現ヒト又はカニクイザルOX40及びCD137に対するmAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16及びその構成部分、すなわちOX40 Fcab(OX40/FITCモックmAb2形式;FS20-22-49AA/4420)及びCD137 Fab(IgG1形式;FS30-010-016)の親和性を比較するために、実施例11.1に記載の方法と同じ方法を用いた。ただし、この実験では、非特異的結合を分析するためにHEK細胞を使用する代わりに、非形質導入DO11.10細胞を使用した。G1/4420抗FITC抗体を対照として使用した。実験は、計算されたEC50値の信頼性を高めるために3回繰り返した。試験された分子に対する平均の平均EC50値を表10に示す。
結果は、OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)が、ナノモル濃度以下の親和性で、DO 11.10細胞上に発現したヒト及びカニクイザルOX40及びCD137に結合すること、mAb2のOX40Fcab成分が、OX40/CD137 mAb2と同等の親和性でヒト及びカニクイザルOX40に結合すること及びmAb2のCD137 Fab成分が、OX40/CD137 mAb2が同等の親和性でヒト及びカニクイザルCD137に結合することを確認した。OX40/CD137 mAb2のその構成要素又はアイソタイプ対照抗体(G1/4420)のいずれについても、非形質導入DO11.10細胞に対する非特異的結合は観察されなかった。その結果は、細胞発現カニクイザルOX40に対するFS20-22-49AA/FS30-10-16OX40/CD137 mAb2及びFS20-22-49AA OX40 Fcabの親和性は、以前に観察された(実施例11.1及び表9)よりも高く(低いEC50値によって示されるように)、SPRにより決定された親和性結果と類似していた(実施例8及び表7)。表10に詳述した平均EC50値は、3つの独立した実験の結果であるため、DO11.10細胞上で発現したヒト及びカニクイザルOX40及びCD137について試験した分子の親和性をより良好に示す。
11.3 マウスOX40又はCD137を発現する細胞に対するmAb2結合
細胞発現マウスOX40及びCD137に対するFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2の結合親和性を、フローサイトメトリーを使用して決定した。FS20m-232-91AA/Lob12.3及び対照抗体G1/4420(FITC)、G1/Lob12.3(CD137)、G1/OX86(OX40)及びFS20m-232-91AA/HELD1.3(OX40/HELモックmAb2)の希釈液(最終濃度の2倍)を1XDPBS(Gibco、14190-094)で調製した。DO11.10-mOX40、DO11.10-mCD137又はHEK細胞懸濁液を、PBS+2%BSA(Sigma、A7906)中で調製し、V底96ウェルプレート(Costar、3897)に50μl/ウェルで4×106細胞/mlで播種した。50μlの抗体希釈液を、細胞含有ウェル(最終容量100μl)に加え、4℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、PBS+2%BSAで1:1000に希釈した100μl/ウェルの二次抗体(抗ヒトFc-488抗体、Jackson ImmunoResearch、109-546-098)を添加し、暗所4℃で30分間インキュベートした。プレートは、洗浄され、DAPI(Biotium、カタログ番号40043)を1μg/mlで含有する100μlのPBSに再懸濁したCantoIIフローサイトメーター(BD Bioscience)を使用してプレートを分析し、FlowJoを使用してデータを分析した。死細胞を、UV(405nm/450/50)チャネルでより高い蛍光により同定し、分析から除外した。FITCチャネル(488nm/530/30)で幾何学的平均蛍光強度(GMFI)を、抗体結合の尺度として使用した。GMFIデータを、GraphPad Prismソフトウェアにおける対数(アゴニスト)対対応(3つのパラメーター)を使用して適合させ、EC50値を生成した。結果を表11に示す。
結果は、DO11.10細胞上に発現したマウスOX40及びCD137に対してFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2を結合することを確認する。mAb2及び陽性対照(ヒトIgG1骨格における抗マウスOX40 mAb、OX86及びヒトIgG1骨格の抗マウスCD137 mAb Lob12.3)は、一定範囲の親和性を持つマウスOX40及び/又はCD137の両方に結合した(表11を参照されたい)。HEK細胞株の表面に発現する他のタンパク質との交差反応性は観察されず、これは、試験した抗体のいずれについても、この細胞株との結合を検出できなかったためである。
したがって、抗マウスOX40/CD137 mAb2は、マウスOX40及びマウスCD137に特異的に結合し、非特異的結合は確認されなかった。
実施例12 - ブドウ球菌腸毒素A(SEA)アッセイで共発現受容体を標的とするOX40/CD137 mAb2の活性
腫瘍浸潤リンパ球でのOX40発現は、これら2つの分子が活性化T細胞でしばしば共発現することが多いため、CD137の発現を伴う可能性が高い(Ma et al., 2005)。これらの2つの共発現受容体を標的とするmAb2によるOX40及びCD137のアゴナイジングは、あらかじめ活性化したT細胞による炎症性サイトカインの増殖及び産生を誘導することができる。
完全に活性化されるために、T細胞は、二つのシグナルを必要とし、第1のシグナルは、抗原特異的であり、抗原提示細胞(APC)の膜上にあるペプチド抗原を提示するMHC(主要組織適合遺伝子複合体)分子と相互作用するT細胞受容体を介して供給され、第2のシグナルは、抗原非特異的シグナルである共刺激シグナルで、これは、APC及びT細胞の膜上に発現される共刺激分子間の相互作用によって供給される。
OX40/CD137 mAb2の活性を試験するために、第1のシグナルとして、ブドウ球菌腸毒素A(SEA)スーパー抗原を使用したT細胞活性化アッセイを確立した。SEAは、APCの表面上にあるMHCクラスII分子及びT細胞のTCRを架橋し、それによってT細胞活性化の第1のシグナルを提供する。それらの完全な活性化のために、T細胞は、対照分子又は必要に応じて、架橋mAb2により、第2の共刺激シグナルを受信しなければならない。このアッセイは、血液から分離されたPBMCを使用して実行され、分離されたT細胞を使用して実行されたアッセイと比較して、インビボで発生すると期待されることをより正確に表す必要がある。
SEA刺激アッセイは、人工架橋剤の存在下又は非存在下で異なるOX40及びCD137アゴニスト抗体及びOX40/CD137 mAb2抗体の活性を確立するために使用され、異なるOX40/CD137 mAb2クローンを比較するために、10人のPBMCドナー群におけるOX40/CD137 mAb2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16について代表的なEC50値を確立した。
12.1 SEA刺激PBMC上のOX40及びCD137アゴニスト抗体の活性
異なるOX40及びCD137アゴニスト抗体に対するSEAアッセイの感度を確立するために、表12に列挙されたmAb2抗体(FS22-20-49AA/FS30-10-16)及び対照抗体を、アッセイでそれらの活性について試験した。G1/4420(抗FITC)、G1AA/MOR7480.1(抗CD137)、G1AA/FS30-10-16(抗CD137)、G1AA/20H4.9(抗CD137)、G1AA/11D4(抗OX40)及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)を対照として使用した。T細胞活性化の尺度としてIL-2産生を使用した。
末梢血単核細胞(PBMC)は、血小板提供の副産物である白血球枯渇コーン(NHS Blood and Transplant service)から分離された。簡単に説明すると、白血球コーンの内容物をPBSで洗い流し、フィコール勾配(GE Lifesciencesカタログ番号17144002)に重ねた。PBMCを遠心分離及びフィルコール勾配を通過しなかった細胞の回収により分離した。PBMCをさらにPBSで洗浄し、残りの赤血球を、製造元の指示に従って10mlの赤血球溶解緩衝液(eBioscience)の添加により溶解した。PBMCを計数し、10%FBS(Life Technologies)、1×ペニシリンストレプトマイシン(Life Technologies)、ピルビン酸ナトリウム(Gibco)、10mMのヘペス(Gibco)、2mM L-グルタミン(Gibco)及び50μM 2-メルカプトエタノール(Gibco)を有するT細胞培地(RPMI培地(Life Technologies))中の2.0×106細胞/mLを、再懸濁した。次に、SEA(Sigmaカタログ番号S9399)を200ng/mlでPBMCに添加し、細胞を2×105細胞/ウェル(100μl/ウェル)でプレートに添加した。
各試験抗体の2μM希釈液(詳細については、表12を参照されたい)をDPBS(Gibco)で調製し、さらにT細胞培地(30μl+270μl)で1:10に希釈して、200nM希釈液を得た。人工架橋剤(抗ヒトCH2抗体(クローンMK1A6、自社生産)又はFITC-デキストラン(Sigma)(表12を参照されたい)を、必要に応じて試験抗体と1:1のモル比でウェルに添加した。96ウェルプレートで、試験抗体の段階希釈を調製し、希釈した抗体混合物100μlをプレート上の活性化T細胞に添加した。
細胞を、37℃5%CO2で120時間インキュベートした。上清を回収し、製造元の指示に従って、ヒトIL-2 ELISAキット(eBioscience又はR&D Systems)を使用してIL-2の放出を測定した。Gen5ソフトウェア、BioTekを備えたプレートリーダーを使用して、プレートを450nmで読み取った。450nm(補正)の吸光度値から630nmの吸光度値を差し引いた。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。ヒトIL-2(hIL-2)の濃度を試験抗体の対数濃度に対してプロットし、得られた曲線をGraphPad Prismの対数(アゴニスト)対応答式を使用して適合させた。表13は、人工架橋剤の存在下又は非存在下でSEAアッセイにおいて観察されたEC50値及びIL-2放出の最大応答を示す。図3Aは、SEAアッセイにおいて、単一濃度(3.7nM)で試験された抗体によって誘導されたIL-2放出のレベルを示す。これらの抗体が最も高いレベルのIL-2産生を誘導する濃度を、この分析のために選択した。統計分析は、二元配置分散分析及びテューキーの多重比較検定によって行われた。エラーバー上のアスタリスクは、アイソタイプ対照(G1/4420)で処理されたサンプルと比較した有意差を表す(*p<0.032、**p<0.0021、***p<0.0002、****p<0.0001)。図3Bは、SEAアッセイにおいて、人工架橋剤の存在下又は非存在下でOX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)によって誘導されたIL-2放出のプロットを示す。
この結果は、OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)のみが人工架橋剤の非存在下でIL-2レベルを増加させることができ、人工架橋剤の添加は、いずれかEC50又は最大応答の観点から、OX40/CD137 mAb2の活性を増加しなかったことを示す。OX40標的抗体G1AA/11D4及びFS20-22-49AA/4420並びに抗CD137抗体G1AA/20H4.9の活性は、人工架橋剤の存在下でのみ観察され、抗CD137抗体G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16について、人工架橋剤の存在下でもアイソタイプ対照と比較して統計的に有意な活性が検出されなかった。抗OX40抗体G1AA/11D4は、抗CD137抗体G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16より高いIL-2レベル及び抗CD137抗体G1AA/20H4.9に同等のIL-2レベルを誘導したが、G1AA/11D4抗体は、その著しく低いEC50値によって示されるように、G1AA/20H4.9抗体より高い能力を有することが観察された。これらの結果は、このSEAアッセイがCD137アゴニスト作用よりもOX40アゴニスト作用に敏感であることを示している。これは、OX40が、CD4+T細胞上で優先的に発現され、CD137が、CD8+T細胞上で優先的に発現されることに関連している可能性があり(Croft, 2014及び図6に示す内部データ)、ヒトPBMCにおいて、CD8+T細胞よりCD4+T細胞が一般的に多く存在することに起因する。
12.2 SEA刺激PBMCにおける異なるOX40/CD137 mAb2クローンの活性
5つの異なるOX40/CD137 mAb2クローンは、SEAアッセイでそれらの活性について試験した。アッセイで使用されるmAb2及び対照抗体の詳細を表14で提供する。G1/4420(抗FITC)、G1/11D4(抗OX40)、G2/MOR7480.1(抗CD137)、G1/11D4プラスG2/MOR7480.1の組み合わせ及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)を、対照として使用した。このアッセイを、実施例12.1に記載されているように実行した。
表15は、人工架橋剤による架橋の存在下又は非存在下でSEAアッセイにおいて観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。図3C及びDは、SEAアッセイについてIL-2放出のプロットを示す。
図3C及びD並びに表15は、非架橋又は架橋抗FITC抗体G1/4420又は非架橋抗OX40抗体(G1/11D4単独又はG2/MOR7480.1との組み合わせ)で、予想通り、IL-2産生が観察されなかったことを示す。抗OX40陽性対照抗体結合により、OX40が活性化された場合、IL-2がT細胞により産生されたが、それは、人工架橋剤が存在する場合にのみであった(G1/11D4単独で0.13nMのEC50、G2/MOR7480.1と組み合わせた場合の0.11nMのEC50)。モックmAb2形式(4420 LALA)FS20-22-49AA/4420のOX40標的化Fcabは、このアッセイにおいて、架橋が存在しない場合(8.53nMのEC50)において、ある程度のアゴニスト活性を示したが、FITC-デキストランへのFabアームの結合によって架橋された場合、IL-2産生の増加によって示されるような、EC50の減少(0.31nM)及びIL-2産生の最大量の増加(最大応答)によって実証されるように、活性の増加を示した。
架橋したCD137標的化抗体G2/MOR7480.1の単独では、活性は認められず、OX40標的化抗体G1/11D4及びCD137標的化抗体G2/MOR7480.1の組み合わせの活性は、架橋した場合、架橋したOX40標的化抗体G1/11D4単独の活性と類似であった。
このSEA T細胞活性化アッセイでは、5つのOX40/CD137 mAb2クローン(表15を参照されたい)の活性は、人工架橋剤の存在にかかわらず、同等であった。人工架橋剤の存在下において、OX40/CD137 mAb2の活性も、架橋されたFS20-22-49AA/4420モックmAb2と同等であった。このSEAアッセイのこれらの結果は、OX40/CD137 mAb2が、mAb2の抗CD137 Fabアームの係合によって提供される架橋の結果として、人工架橋剤を必要とせずに、OX40を介してシグナル伝達できることを示している。
このアッセイで、架橋したCD137標的抗体G2/MOR7480.1について活性が検出されなかったが、CD137がmAb2の架橋を生じさせることを可能にするT細胞上のレベルで発現することが期待される。この発現は、CD137に結合した場合、各5つのmAb2クローンがOX40にも結合し、非架橋FS20-22-49AA/4420モックmAb2によって誘導される低レベルの活性よりもはるかに高く、その活性化を駆動することができるレベルであったと仮定される。
人工架橋剤の非存在下において、OX40/CD137 mAb2で観察されたT細胞活性化は、これらの分子がOX40及びCD137の両方がインビボで発現されるT細胞を活性化できることも示唆している。
12.3 10人のPBMCドナーからのSEA刺激PBMCにおけるOX40/CD137 mAb
2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16の活性
OX40/CD137 mAb
2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16は、SEAアッセイで10人の異なるドナーからPBMCで試験し、その活性について正確なEC
20値、EC
30値及びEC
50値を確立した。このアッセイを、人工架橋剤の非存在下において、実施例12.1に記載されるように実施した。平均値プラス又はマイナス標準偏差(SD)は、各ドナーの生データから計算された。EC
50値を計算するために、生データをロジスティック関数に適合させた(4つのパラメーター:Top、Bottom、Hill slope及びEC
50)。
y軸は、測定された応答(IL-2レベル)をlog10(c)の関数として示し、ここで、cは試験対象品の濃度を示す。
適合からの各パラメーター推定値には、その推定値の精度を示す標準誤差がある。与えられた実験の異なるドナー及び/又は技術的複製は、異なるパラメーター推定値及び異なる精度レベルを与えるため(例えば、各ケースのデータの品質に依存する)、各ドナー及び/又は技術的複製からのパラメーターは、加重平均に含めた。重量は、パラメーターの正規性を仮定して、パラメーターの標準誤差の2乗の逆数として定義された。
さらに、log
10(EC
20)値及びlog
10(EC
30)値を、類似の方程式にデータを適合させ計算した。
全てのロジスティック適合は、GraphPadPrismを使用して実行され、加重平均は、MicrosoftExcelを使用して実行された。加重平均と加重平均の標準誤差に使用される計算式を以下に示す。
ここで、加重標準偏差は次のように推定される。
SEAアッセイにおいて、OX40/CD137 mAb2について観察されたIL-2放出のためのEC20値、EC30値及びEC50値を表16に示す。
これらの結果は、OX40/CD137 mAb2が、異なるドナーからのPBMCに匹敵する活性を有することを示す。
実施例13 - 汎T細胞活性化アッセイにおけるヒトOX40/CD137 mAb2の活性
実施例12に記載されているSEA T細胞活性化アッセイは、T細胞を刺激するためにPBMS及びスーパー抗原を使用した。分離されたT細胞のOX40及びCD137アゴニストの影響を評価するために、T細胞活性化アッセイを確率した。このアッセイでは、プラスチック表面に固定化された抗CD3抗体を使用して、T細胞を分離及び刺激した。固定化された抗CD3抗体は、T細胞のTCRをクラスター化することができ、T細胞の活性化に必要な第1のシグナルを提供し、試験分子は第2のシグナルを提供する。
T細胞刺激アッセイは、架橋剤の存在下又は非存在下で異なるOX40及びCD137アゴニスト抗体及びOX40/CD137 mAb2抗体の活性を確立するために使用され、異なるOX40/CD137 mAb2クローンを比較するために、9人のPBMCドナー群におけるOX40/CD137 mAb2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16について代表的なEC50値を確立した。
13.1 汎T細胞活性化アッセイにおけるOX40及びCD137アゴニスト抗体の活性
異なるOX40及びCD137アゴニスト抗体に対してT細胞活性化アッセイの感度を確率するために、表17に列挙されたmAb2抗体(FS20-22-49AA/FS30-10-16)及び対照抗体をアッセイでそれらの活性を試験した。G1/4420(抗FITC)、G1AA/MOR7480.1(抗CD137)、G1AA/FS30-10-16(抗CD137)、G1AA/20H4.9(抗CD137)、G1AA/11D4(抗OX40)及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)を、対照として使用した。T細胞活性化の尺度としてIL-2産生を使用した。
実施例12.1に記載されているように、ヒトPBMCを分離した。次に、T細胞を、製造元の指示に従って、Pan T Cell Isolation Kit II(Miltenyi Biotec Ltd)を使用して、PBMCから分離した。
Human T-Activator CD3/CD28 Dynabeads(Life Technologies、11452D)をボルテックスで再懸濁した。ビーズを、10%FBS(Life Technologies)、1×ペニシリンストレプトマイシン(Life Technologies)、ピルビン酸ナトリウム(Gibco)、10mMヘペス(Gibco)、2mML-グルタミン(Gibco)及び50μM2-メルカプトエタノール(Gibco)を有したT細胞培地(RPMI培地(Life Technologies))で2回洗浄した。
T細胞培地中の1.0×106細胞/mlの濃度で必要な数のT細胞を、T-25フラスコ(Sigma)中で、細胞対ビーズ比2:1で洗浄したヒトTアクチベーターCD3/CD28ダイナビーズで刺激し、T細胞を活性化するために、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。活性化T細胞は、ダイナビーズから洗浄し、2.0×106細胞/mlの濃度でT細胞の培地中に再懸濁した。96ウェル平底プレートを、PBSで希釈した2.5μg/ml抗ヒトCD3抗体(R&D Systems clone UHCT1)で37℃、5%CO2で2時間インキュベートすることにより、抗ヒトCD3抗体でコーティングし、その後、PBSで2回洗浄した。活性化T細胞は、2×105細胞/ウェルでプレートに添加した。
各試験抗体の2μM希釈液(詳細については、表17を参照されたい)を調製し、必要に応じて、上記の実施例12.1に記載されているように、架橋剤(抗ヒトCH2抗体(クローンMK1A6、自社生産)又はFITC-デキストラン(Sigma)(表17を参照されたい))と1:1のモル比でウェルに添加した。96ウェルプレートで、試験抗体の段階希釈を調製し、希釈した抗体混合物100μlをプレート上の活性化T細胞に添加した。
T細胞を、37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。次に、上清を回収し、IL-2放出を測定し、実施例12.1に記載されているようにデータを調製した。表18は、架橋剤による架橋の存在下又は非存在下でT細胞活性化アッセイにおいて観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。図4Aは、T細胞活性化アッセイにおいて、単一濃度(3.7nM)で試験された抗体によって誘導されたIL-2放出のレベルを示す。これらの抗体が最も高いレベルのIL-2産生を誘導する濃度を、この分析のために選択した。統計分析は、二元配置分散分析及びテューキーの多重比較検定によって行われた。エラーバー上のアスタリスクは、アイソタイプ対照(G1/4420)で処理されたサンプルと比較した有意差を表す(*p<0.032、**p<0.0021、***p<0.0002、****p<0.0001)。図4Bは、T細胞活性化アッセイにおいて、架橋剤の存在下又は非存在下でOX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)によって誘導されたIL-2放出のプロットを示す。
この結果は、OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)のみが人工架橋剤の非存在下でIL-2レベルを増加させることができ、人工架橋剤の添加は、いずれかEC50又は最大応答の観点から、OX40/CD137 mAb2の活性を増加しなかったことを示す。OX40標的抗体G1AA/11D4及びFS20-22-49AA/4420並びに抗CD137抗体G1AA/20H4.9の活性は、人工架橋剤の存在下でのみ観察され、抗CD137抗体G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16について、人工架橋剤の存在下でさえも、活性は検出されなかった。OX40アゴニスト抗体FS20-22-49AA/4420は、3つ全てのCD137アゴニスト抗体よりも高いIL-2レベルを誘導した。抗OX40抗体G1AA/11D4は、抗CD137抗体G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16より高いIL-2レベル及び抗CD137抗体G1AA/20H4.9に同等のIL-2レベルを誘導したが、G1AA/11D4抗体は、その低いEC50値によって示されるように、G1AA/20H4.9抗体より高い能力を有することが観察された。これらの結果は、このT細胞活性化アッセイがCD137アゴニスト作用よりもOX40アゴニスト作用に敏感であることを示している。実施例12.1で推察されるように、これは、OX40が、CD4+T細胞上で優先的に発現され、CD137が、CD8+T細胞上で優先的に発現されることに関連している可能性があり(Croft, 2014及び図6に示す内部データ)、ヒトPBMCにおいて、CD8+T細胞よりCD4+T細胞が一般的に多く存在することに起因する。
13.2 汎T細胞活性化アッセイにおけるOX40及びCD137アゴニスト抗体の活性の複数のサイトカイン分析
T細胞活性化アッセイに対するOX40及びCD137の刺激の影響をより理解するために、複数のサイトカインレベルを分析した。表19に列挙された抗体及びmAb2抗体(FS20-22-49AA/FS30-10-16)及び対照抗体を使用した。対照抗体G1/4420(抗FITC)、G1AA/FS30-10-16(抗CD137)及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)を、人工架橋剤の存在下で試験し、OX40/CD137 mAb2を人工架橋剤の非存在下で試験した。全ての抗体を単一濃度(10nM)で使用した。このアッセイを、実施例13.1に記載されているように実行した。
インキュベーション後回収された上清中のサイトカインIL-2、IL-6、IL12p70、IL-13、TNFα、IFNγ及びIL-10を、次に、Pro-inflammatory V-plexキット(MSD、K15049D-1)を製造元の指示に従って使用し、測定した。結果は、OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)及び架橋OX40標的抗体(FS20-22-49AA/4420)は、T細胞によるIL-2、IL-6、IL-12p70、IL-13及びTNFαサイトカイン放出が増加し、IL-10放出が減少したことを示した。抗CD137抗体(G1AA/FS30-10-16)について活性は検出されなかった。
13.3 汎T細胞活性化アッセイにおける異なるOX40/CD137 mAb2クローンの活性
このアッセイで試験された分子及びそれぞれのそれらの架橋剤の詳細は、該当する場合、以下の表20に示す。G1/4420(抗FITC)、G1/11D4(抗OX40)、G2/MOR7480.1(抗CD137)、G1/11D4プラスG2/MOR7480.1の組み合わせ及びFS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)を、対照として使用した。全ての分子を、人工架橋剤の非存在下で試験した。単剤対照G1/4420、G1/11D4、G2/MOR7480.1及びFS20-22-49AA/4420を、人工架橋剤の存在下でさらに試験した。このアッセイを、実施例13.1に記載されているように実行した。
表21は、架橋の非存在下でT細胞活性化アッセイにおいて試験した全ての分子について、観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。表22は、架橋剤の存在下において、追加で試験された単剤対照G1/4420、G1/11D4、G2/MOR7480.1及びFS20-22-49AA/4420で観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。図4C及びDは、T細胞活性化アッセイについてIL-2放出のプロットを示す。
表21及び図4Cは、非架橋OX40/CD137 mAb2が活性(0.2019nMから1.201nMの範囲にあるEC50)を有し、したがって、両方の標的に結合することができ、その結果、T細胞活性化を誘導するため、それらの一方又は両方にクラスター化を生じたことを示す。予想通り、非架橋又は架橋抗FITC抗体G1/4420又は非架橋抗OX40抗体(G1/11D4単独又はG2/MOR7480.1との組み合わせ)で、IL-2産生が観察されなかった。架橋剤の存在下において、抗OX40陽性対照抗体により、OX40受容体が標的化された場合、IL-2がT細胞により産生された(G1/11D4単独で0.05nMのEC50及びG2/MOR7480.1と組み合わせた場合の0.02nMのEC50)。
モックmAb2形式/4420(4420 LALA)FS20-22-49AA/4420におけるOX40標的化Fcabは、SEAアッセイで見られるように、架橋の非存在下で(5.02nMのEC50及び1508pg/ml hIL-2の最大応答)、一部のアゴニスト活性を有し、この活性は、モックmAb2を、そのFabアームにFITC-デキストランを結合させることによって架橋した場合にさらに強化された。
非架橋抗CD137抗体G2/MOR7480.1単独では、活性は観察されなかったが、架橋した場合、T細胞活性化を誘導することができ、SEA T細胞活性化アッセイ(実施例12)と異なり、このアッセイが、上記で確認されたOX40シグナル伝達と同様に、この抗CD137クローンによるCD137シグナル伝達を測定することができる。人工架橋剤の非存在下又は存在下のいずれにおいても、活性が検出されなかった実施例13.1のIgG1形式と同じ抗CD137クローン(G1AA/MOR7480.1)と比較して、この架橋抗体について観察された活性の違いは、一部のドナーが他のドナーよりもCD137刺激によく反応し得ることによるT細胞ドナーのばらつきによって説明し得る。
実施例7.1に記載のDO11.10-hCD137細胞を使用するヒトCD137T細胞活性化アッセイにおいて、試験OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16及びFS20-22-49AA/FS30-35-14)及びG2/MOR7480.1対照は、強力にIL-2生産を誘導した。したがって、OX40/CD137 mAb2の抗CD137 Fabアームは、本実施例の一次T細胞活性化アッセイにおいて検出可能なIL-2シグナルを生成するために、T細胞発現CD137にもアゴナイズできると想定される。
13.4 9人のPBMCドナーからのT細胞による汎T細胞活性化アッセイにおいてOX40/CD137 mAb2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16の活性
OX40/CD137 mAb2クローンFS20-22-49AA/FS30-10-16は、T細胞活性化アッセイで9人の異なるドナーからPBMCで試験し、その活性について正確なEC20値、EC30値及びEC50値を確立した。このアッセイを、人工架橋剤の非存在下において、実施例13.1に記載されるように実施した。
各ドナーについて、実施例12.3に記載されるように、平均値プラス又はマイナス標準偏差(SD)は、生データから計算された。T細胞アッセイにおいて、OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)について観察されたIL-2放出についてのEC20値、EC30値及びEC50値も、実施例12.3に記載されているように計算され、表23に示す。
これらの結果は、OX40/CD137 mAb2が、異なるドナーからのT細胞上に匹敵する活性を有することを示す。
実施例14 - CD4+及びCD8+T細胞活性化アッセイにおけるヒトOX40/CD137 mAb2の活性
T細胞を、免疫系でのそれらの機能に応じてCD4+及びCD8+T細胞に細分化することができる。CD4+T細胞は、Tヘルパー細胞と呼ばれ、免疫応答を調節するサイトカインを産生し、CD8+T細胞は、Tキラー細胞と呼ばれ、標的細胞を直接排除する。OX40の発現は、CD4+T細胞上でのCD137発現よりも高いことが観察されており、逆に、CD137の発現はCD8+T細胞上でのOX40発現よりも高いことが観察されている(Croft, 2014及び図6を参照されたい)。この発現レベルの違いにもかかわらず、CD4+及びCD8+T細胞の両方が2つの受容体を共発現する(Ma et al., 2005)。
これらの2つのT細胞集団におけるOX40/CD137 mAb2の活性をさらに調査するために、CD4+及びCD8+T細胞を分離し、別々のCD4+及びCD8+T細胞活性化アッセイにおいて、各T細胞集団を活性化するため、下記の表24に列挙された分子の能力を試験した。このアッセイでは、OX40及びCD137の共発現を利用して、OX40/CD137 mAb2FS20-22-49AA/FS30-10-16の架橋を測定した。G1/4420(抗FITC)、G1AA/11D4(抗OX40)、G1AA/MOR7480.1(抗CD137)G1AA/FS30-10-16(抗CD137)、FS20-22-49AA/4420(OX40/FITCモックmAb2)及びFS20-22-49AA/4420プラスG1AA/FS30-10-16の組み合わせを対照として使用した。T細胞活性化の尺度としてIL-2産生を使用した。
ヒトCD4+及びCD8+T細胞を分離するために、実施例13.1に記載されているように、PBMCを最初に分離した。次に、CD4+及びCD8+T細胞を、それぞれCD4+T細胞分離キット(ヒト)(Miltenyi Biotec、130-096-533)及びCD8+T細胞分離キット(ヒト)(Miltenyi Biotec、130-096-495)を使用して、製造元の指示に従って、PBMCから別々に分離した。
実施例13.1に記載したように、ヒトTアクチベーターCD3/CD28ダイナビーズを使用して、CD4+又はCD8+T細胞を、T細胞培地中の1.0×106細胞/mlの濃度で必要とされる量で一晩活性化した。
活性化CD4+又はCD8+T細胞は、ダイナビーズから洗浄し、2.0×106細胞/mlの濃度でT細胞の培地中に再懸濁した。96ウェル平底プレートを、PBSで希釈した2.5μg/ml(CD4+T細胞活性化アッセイの場合)又は10μg/ml(CD8+T細胞活性化アッセイの場合)のいずれかの抗ヒトCD3抗体(R&D Systems、クローンUHCT1)で37℃、5%CO2で2時間インキュベートすることにより、抗ヒトCD3抗体でコーティングし、その後、PBSで2回洗浄した。次に、活性化されたCD4+又はCD8+T細胞を、2×105細胞/ウェルで、それぞれのプレートに添加した。
各試験抗体の2μM希釈液(詳細については、表24を参照されたい)を調製し、必要に応じて、実施例6に記載されているように、架橋剤(抗ヒトCH2抗体又はFITC-デキストラン(Sigma)(表24を参照されたい))と1:1のモル比でウェルに添加した。96ウェルプレートで、試験抗体の段階希釈を調製し、希釈した抗体混合物100μlをそれぞれのプレート上の活性化CD4+又はCD8+T細胞に添加した。
T細胞を、37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。上清を回収し、実施例12.1に記載されているように測定されたIL-2放出及びデータを調製した。表25は、架橋剤による架橋の存在下又は非存在下で別々のT細胞活性化アッセイにおいて観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。図5AからCは、それぞれCD4+又はCD8+T細胞活性化アッセイについてIL-2放出のプロットを示す。
上清を回収した後、T細胞をPBSで洗浄し、PBSで1000分の1に希釈したAlexa Fluor 488標識抗ヒトFc二次抗体(Jackson Immunoresearch、カタログ番号109-546-098)で、4℃で1時間染色した。次に、細胞をPBSで1回洗浄し、DAPI(Biotium、カタログ番号89139-054)を含む100μl/ウェルのPBSに1μg/mlで再懸濁した。次に、細胞をBD FACS CantoIIフローサイトメーター(BD Biosciences)で分析した。図6は、G1AA/MOR7480.1又はG1AA/11D4で処置されたCD4+又はCD8+T細胞のいずれかの488チャネルにおける幾何平均蛍光強度を示す。
表25及び図5Bは、CD4+T細胞が、架橋抗OX40対照G1AA/11D4及びFS20-22-49AA/4420(単独及びG1AA/FS30-10-16と組み合わせの両方)によって活性化され得るが、単剤抗CD137対照G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16によって活性化され得ないことを示す。一方で、図5Cは、CD8+T細胞が、架橋した抗OX40対照G1AA/11D4及びFS20-22-49AA/4420と同様に、架橋する場合、抗CD137対照G1AA/MOR7480.1及びG1AA/FS30-10-16の両方によって活性化されたが、単剤抗CD137対照G1AA/FS30-10-16に対する応答のレベルは、両単剤抗OX40対照よりも大きかったことを示している。SEAアッセイ(実施例12.2)及びヒト汎T細胞活性化アッセイ(実施例13.3)において観察されたように、モックmAb2形式(FS20-22-49AA/4420)のOX40 Fcabは、架橋の非存在下及びCD4+T細胞の存在下でいくらかの活性を示し、この抗体が架橋される場合のこの活性が増加した。OX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)は、以前の結果から予想されたように、架橋の非存在下、CD4+及びCD8+T細胞の両方の存在下で活性を示した(実施例12及び13を参照されたい)。
図6は、CD4+T細胞がCD8+T細胞よりも低レベルのCD137及び高レベルのOX40を発現していることを示す。CD137に対するG1AA/MOR7480.1の結合は、CD137発現の尺度であり、OX40に対するG1AA/11D4の結合は、OX40発現の尺度である。
分離されたCD4+及びCD8+T細胞によるこのT細胞アッセイを、上記と同じプロトコルに従って繰り返したが、異なるPBMCドナーから分離されたT細胞を用い、抗CD137抗体G1AA/20H4.9を添加した(表24を参照されたい)。図5AからDに示される結果と一致して、図5E及び5Fは、CD8+T細胞がCD137アゴニスト作用により応答し、CD4+T細胞がOX40アゴニスト作用により応答することを示す。活性化CD4+T細胞を架橋したが、CD8+T細胞を架橋しなかった場合において、抗OX40抗体(G1AA/11D4及びモックmAb2形式FS20-22-49AA/4420の抗OX40 Fcab)及び活性化CD8+T細胞を架橋したがCD4+T細胞を架橋しなかった場合において、CD137抗体(G1AA/20H4.9及びG1AA/FS30-10-16)。実施例7.1に記載のDO11.10-hCD137細胞アッセイで得られた結果と類似して、G1AA/20H4.9抗体は、架橋抗体の非存在下でCD8+T細胞も活性化した。この繰り返し実験では、G1AA/MOR7480.1抗体は、架橋した場合にCD8+T細胞を活性化しなかった。一部のPBMCドナーは、他のドナーよりもCD137共刺激の影響を受けやすく、この実験で得られた異なる結果は、この自然変異の結果である可能性がある。
これらのデータは、CD4+T細胞が、CD8+T細胞よりもOX40アゴニスト作用を介した活性化に敏感であり、逆に、CD8+T細胞が、CD4+T細胞よりもCD137アゴニスト作用を介した活性化に敏感であることを示す。これは、CD4+T細胞及びCD8+T細胞におけるOX40お及びCD137受容体の発現レベルの報告された違いと相関しており、前者はCD137よりも高レベルのOX40を発現し、後者はOX40よりも高レベルのCD137を発現する。架橋された抗CD137対照抗体G1AA/FS30-10-16のCD8+T細胞の存在下での活性は、そのFabアームがOX40/CD137 mAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16に存在し、mAb2は、そのFcabがOX40に結合することによって架橋される場合、CD137受容体を活性化する能力を持っていることを実証する。さらに、モックmAb2形式(FS20-22-49AA/4420)における架橋された抗OX40FcabのCD4+T細胞の存在下での活性は、OX40/CD137 mAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16にも存在し、mAb2が、そのFabアームのCD137に対する結合により架橋された場合、OX40受容体を活性化する能力を有することを示す。したがって、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2は、OX40のアゴニスト作用を介して、CD4+T細胞を活性化し、CD137及びOX40の低い範囲のアゴニスト作用を介して、CD8+T細胞を活性化することにより、二重アゴニストとして機能する可能性があると結論付けることができる。mAb2によるOX40の活性化は、そのFcabを介して発生し、そのFabアームを介してCD137への結合した場合にmAb2の架橋によって増加する一方、CD137に対するそのFabアームの結合及びそのFcabを介してOX40に結合した場合のmAb2の架橋を介してCD137の活性化は発生する。
実施例15 - T細胞活性化アッセイにおけるマウスOX40/CD137 mAb2及び抗マウスCD137抗体の活性
抗ヒトOX40/CD137 mAb2は、マウスタンパク質に結合しないため、OX40/CD137 mAb2が、T細胞媒介性抗腫瘍反応を不正に起こす可能性を試験するために、マウスOX40及びマウスCD137を標的とする並行試薬が作製された(実施例8.2を参照されたい)。
15.1 汎T細胞活性化アッセイにおけるマウスOX40/CD137 mAb2の活性
これら2つの共発現受容体を標的とするマウスOX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)が、あらかじめ活性化したT細胞による炎症性サイトカインの産生を誘導できるかどうかを試験するために、マウスT細胞活性化アッセイが設立された。抗体G1/4420(抗FITC)、G1AA/OX86(抗mOX40)、G1AA/Lob12.30(抗mCD137)、G1AA/OX86及びG1AA/Lob12.3の組み合わせ及びFS20m-232-91AA/4420(mOX40/FITCモックmAb2)を対照として使用し(詳細については、表26を参照されたい)、IL-2産生を、T細胞刺激の尺度として使用した。
T細胞を分離するために、4~8週齢の雌Balb/Cマウス(Charles River)から脾臓を回収した。マウスを人道的に安楽死させ、脾臓を解剖により分離した。脾臓細胞を、5mlのプラスチックシリンジの内部を使用して70μmのセルストレーナー(Corning)に脾臓を押し込むことによって分離した。セルストレーナーを1mlのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)(Gibco)で10回洗浄し、溶出液を50mlのチューブに回収した。溶出液中の赤血球を、製造元の指示に従って10mlの赤血球溶解緩衝液(eBioscience)の添加により溶解した。T細胞を、製造業者の指示に従って、Pan T cell Isolation Kit II(マウス)(Miltenyi Biotec Ltd)を使用して、溶出液中に存在する脾細胞から分離し、次いで、実施例13.1に記載のT細胞活性化アッセイと本質的に同じプロトコルを使用したが、代わりにT細胞の活性化のためにマウスT-ActivatorCD3/CD28 Dynabeads(Life Technologies)、プレートのコーティングのために抗マウスCD3抗体(Biolegend clone145-2C11)及びIL-2放出の測定のためにマウスIL-2 ELISAキット(eBioscience又はR&D systems)を用いて、活性化した。
表27は、試験したmAb2及びmAbの存在下でT細胞活性化アッセイにおいて観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を示す。図7A及びBは、T細胞活性化アッセイについてIL-2放出の代表的なプロットを示す。
表27及び図7Bは、OX40受容体が標的化され、抗OX40抗体が架橋された場合、T細胞の活性化が増加することを示す。予想通り、架橋又は非架橋抗FITC抗体G1/4420又は非架橋抗OX40抗体(G1AA/OX86単独又はG1AA/Lob12.3との組み合わせ)で、T細胞活性化が観察されなかった。架橋剤の存在下において、抗OX40抗体G1AA/OX86により、OX40受容体が標的化された場合、IL-2がT細胞により産生された(G1AA/OX86単独で2.41nMのEC50及びG1AA/Lob12.3と組み合わせた場合の1.72nMのEC50)。
モックmAb2形式(FS20m-232-91AA/4420)のOX40を標的としたFcabは、架橋が非存在下では、アゴニスト活性を示さなかったが、FITC-デキストランに対してFabアームを結合させることにより架橋した場合、強力なT細胞活性化を示した。OX40標的Fcabが抗CD137のFab(Lob12.3)とペアになった場合、mAb2は、追加の架橋剤の非存在下でT細胞活性を示した。これは、mAb2が同じ細胞表面上に共発現された受容体に結合することにより架橋されていることを示した。
架橋したCD137標的化抗体G1AA/Lob12.3単独では、限界活性が認められ、OX40標的化抗体G1AA/OX86及びCD137標的化抗体G1AA/Lob12.3の組み合わせの活性は、架橋した場合、架橋したOX40標的化抗体G1AA/OX86単独の活性と同程度であり、そのアッセイは、Lob12.3によるCD137のアゴニスト作用の検出について、感度が低いことを示唆した。これは、架橋抗CD137対照G2/MOR7480.1について、より強いCD137特異的シグナル(IL-2放出の最大応答)が観察された実施例13.3に記載のヒトT細胞アッセイとは対照的である。抗マウスCD137及び抗ヒトCD137対照抗体に見られる機能的活性のこの違いは、それぞれのCD137標的に対して異なる親和性を有することに関連し得る。これは、細胞の供給源(ヒトPBMC対マウス脾細胞)又はマウス対ヒトのシステムにおける標的生物学の微妙な違いも反映し得る。
このデータは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 OX40/CD137mAb2が、両方の受容体に同時に係合することにより、追加の架橋剤なしでT細胞の活性化を誘導できることを示す。
抗ヒトOX40/CD137 mAb2分子は、マウスの交差反応性ではなく、抗マウスOX40/CD137 mAb2は、並行したインビトロ実験系において、ヒトのリードと機能的に同等であるため、抗マウス分子は、インビボで抗腫瘍免疫を誘導するためのOX40/CD137 mAb2の可能性を推測するのに適したサロゲートと考えられる。
15.2 マウスCD137T細胞活性化アッセイにおける抗マウスCD137抗体の活性
マウスOX40/CD137 mAb2の抗CD137 Fabクローン(Lob12.3)の活性は、実施例15.1の汎T細胞アッセイにおいて、ほとんど又は全く検出されなかったため、異なる抗CD137アゴニスト抗体の活性を理解するために、DO11.10-mCD137細胞を用いたT細胞活性化アッセイを実施した。抗CD137アゴニスト抗体G1AA/Lob12.3(表26を参照されたい)及びG1AA/3H3(配列番号166及び167)並びにアイソタイプ陰性対照としてIgG1形式(G1/4420、配列番号115及び116)抗FITC抗体4420を試験した。mAb分子を、架橋抗ヒトCH2抗体、MK1A6(実施例2.1を参照されたい)の存在又は非存在下の両方で試験した。T細胞活性化の尺度としてマウスIL-2産生を使用した。
このアッセイは、実施例6.2に記載されたように、しかし、DO11.10-hCD137細胞の代わりにDO11.10-mCD137細胞を使用して実行された。Gen5ソフトウェア(BioTek)を備えたプレートリーダーを使用して、プレートを450nmで読み取った。450nm(補正)の吸光度値から630nmの吸光度値を差し引いた。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。マウスIL-2(mIL-2)の濃度を抗体の対数濃度に対してプロットし、得られた曲線をGraphPad Prismの対数(アゴニスト)対応答式を使用して適合させた。
結果を図7C及びDに示す。抗CD137抗体は、活性を誘導するための架橋抗体についてそれらの要件が異なる。G1AA/Lob12.3は、活性のために架橋抗体の添加を必要とすることが観察され、すなわち、その活性は、架橋依存性であったのに対し、G1AA/3H3は、架橋抗体の存在下でも非存在下でも活性を示し、架橋に依存しない活性を示した。
実施例16 - OX40/CD137 mAb2の活性について、OX40及びCD137の二重係合が必要である。
16.1 ヒトOX40/CD137 mAb2
OX40/CD137標的mAb2は、SEA(実施例12)、ヒト汎T細胞(実施例13)及びT細胞が共発現するOX40及びCD137を共発現させるヒトCD4+及びCD8+T細胞(実施例14)アッセイにおいて、追加の架橋剤の非存在下で活性を示した。この活性が、2つの受容体に同時に結合するために、OX40/CD137 mAb2を必要とするかどうかを試験するために、T細胞競合アッセイを実施して、mAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16の能力を評価し、100倍過剰のOX40標的化FS20-22-49AA/4420モックmAb2、抗CD137 mAb G1AA/FS30-10-16、FS20-22-49AA/4420モックmAb2プラスG1AA/FS30-10-16 mAbの組み合わせ又はアイソタイプ対照mAb G1/4420のいずれかの存在下において、分離したT細胞を活性化した。T細胞活性化の尺度としてIL-2産生を使用した。
実施例13に記載されているように、T細胞を分離した。次に、分離されたT細胞を活性化し、実施例13に記載されるようにプレートを抗CD3抗体でコーティングした。活性化T細胞は、2nMのOX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)を補充し、100μl中2×105細胞/ウェルでプレートに添加した。したがって、OX40/CD137 mAb2の最終濃度は、1nMであった。
各試験抗体の2μM希釈液をDPBS(Gibco)で調製し、さらにT細胞培地(30μl+270μl)で1:10に希釈して、200nM希釈液を得て、希釈した各抗体の100μlをプレート上の活性化したT細胞に添加した。
T細胞をインキュベートし、上清を回収し、実施例13に記載されているようにIL-2放出を測定した。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。統計分析を、一元配置分散分析及びGraphPadPrismソフトウェアパッケージを使用したダネットの多重比較検定を使用して分析した。
図8は、競合アッセイについてのIL-2放出を示す。mAb2が、抗OX40及び抗CD137抗体の非存在下で両方の受容体に結合できた場合と比較して、mAb2の活性は、OX40への結合についてFS20-22-49AA/4420モックmAb2及びCD137への結合についてG1AA/FS30-10-16 mAbの両方により競合された場合に大きく減少した。OX40標的モックmAb2 FS20-22-49AA/4420及び抗CD137 mAb G1AA/FS30-10-16の組み合わせは、OX40/CD137 mAb2の活性をさらに減少させた。これらの結果は、mAb2が、OX40及びCD137のクラスター化及びアゴニスト作用を介して、T細胞活性化を誘導するために、両方の受容体に対するmAb2の二重結合が必要であることを示す。
16.2 マウスOX40/CD137 mAb2
マウスOX40/CD137標的mAb2は、T細胞が2つの受容体を共発現するT細胞アッセイにおける追加の架橋剤の非存在下で活性を示す。この活性が2つの受容体に同時に結合するために、OX40/CD137 mAb2を必要とするかどうかをテストするために、競合アッセイを実施して、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2能力を評価し、100倍過剰のOX40標的化モックmAb2 FS20m-232-91AA/4420、抗CD137 mAb G1/Lob12.3又は陰性対照mAb G1AA/4420(FITC)のいずれかの存在下において、分離したT細胞を活性化した。実施例15.1に記載されているように、T細胞を分離した。次に、分離されたT細胞を活性化し、プレートを実施例13.1(ヒト汎T細胞活性化アッセイ)に記載されたように、抗CD3抗体でコーティングしたが、代わりにT細胞の活性化のためにマウスT-Activator CD3/CD28 Dynabeads(LifeTechnologies)及びプレートのコーティングのために抗マウスCD3抗体(Biolegend clone 145-2C11)抗体を使用した。活性化T細胞は、2nMのOX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)を補充し、2×105細胞/ウェルでプレートに添加した。
各試験抗体の2μM希釈液をDPBS(Gibco)で調製し、さらにT細胞培地(30μl+270μl)で1:10に希釈して、200nM希釈液を得て、希釈した各抗体の100μlをプレート上の活性化したT細胞に添加した。
T細胞をインキュベートし、上清を回収し、実施例12.1に記載されているように、IL-2放出を測定したが、代わりに、IL-2放出の測定にマウスIL-2 ELISAキット(eBioscience又はR&Dシステム)を使用した。サイトカイン濃度を計算するための標準曲線は、4つのパラメーターのロジスティック曲線適合(Gen5ソフトウェア、BioTek)に基づいていた。統計分析を、一元配置分散分析及びGraphPadPrismソフトウェアパッケージを使用したダネットの多重比較検定を使用して分析した。図9は、競合アッセイのIL-2放出の代表的なプロットを示す。
図9は、OX40又はCD137結合について競合する抗体が過剰に導入する場合、OX40/CD137 mAb2により誘導されるIL-2産生量の減少があることを示す。使用された競合抗体は、同じエピトープが標的となることを確実にするために、mAb2構成部分(モック(4420)mAb2形式においてのFcab及びFcabなしのFab)であった。これらの競合する抗体の添加により、OX40/CD137 mAb2によって誘導されるIL-2放出量が減少し、この分子がその活性のために二重結合を必要とすることを示す。これは、OX40/CD137 mAb2活性が、OX40及びCD137の両方に同時に係合し、それによって両方の受容体をクラスター化しアゴナイズすることに依存していることを示す。
実施例17 - CT26同系腫瘍モデルにおけるOX40/CD137 mAb2の活性
17.1 LALA変異を有する又は有しないOX40/CD137 mAb2の抗腫瘍活性の比較
CT26 Balb/c同系マウス結腸直腸腫瘍モデルを、抗マウスOX40/CD137 mAb2の抗腫瘍活性をインビボで試験するために使用した。CT26腫瘍モデルは、OX40及びCD137アゴニスト抗体の両方に感受性であることが以前に示されており(Sadun et al., 2008)、CT26腫瘍から分離した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、OX40及びCD137の両方を発現すると予想される。この抗体試験を表28に詳述する。
LALA変異を有する又は有しない、腫瘍増殖を阻害するmAb2の能力(それぞれFS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20m-232-91/Lob12.3)は、アイソタイプ対照mAb G1/4420(抗FITC)、単剤mAb G1/OX86(LALA変異を有しない抗OX40対照)又はG1/Lob12.3(LALA変異を有しない抗CD137対照)、G1/OX86プラスG1/Lob12.3の組み合わせ又はG1AA/OX86(LALA変異含有抗OX40 mAb)プラスG1AA/Lob12.3(LALA変異含有抗CD137 mAb)の組み合わせと比較された。
8~10週齢及び体重約20gの各BALB/c雌マウス(Charles River)は、試験開始前の1週間順応させた。全ての動物は、マイクロチップ化され、固有の識別子が与えられた。各コホートには12匹のマウスがいた。CT26結腸癌細胞株(ATCC、CRL-2638)を、拡大培養、貯蔵し、その後、IMPACT Iプロトコルを使用して、病原体について、IDEXX Bioresearchにより事前スクリーニングし、病原体がないことが示された。CT26細胞(約3~5×106)を-150℃の保存から解凍し、T175組織培養フラスコ内の10%FCS(Gibco、10270-106)を含む20ml DMEM(Gibco、61965-026)に添加した。イソフルラン(Abbott Laboratories)を使用してマウスを麻酔し、各動物に1×106細胞を左脇腹に皮下注射して腫瘍を生成した。腫瘍細胞接種後10日目に、腫瘍を測定し、腫瘍体積に基づいてマウスを試験コホートにランダム化した。この時点で腫瘍を有しないマウスは全て試験から除外された。
注射の24時間前に、抗体をSEC-HPLCプロファイリングで分析し、不純物について確認した。抗体をPBSで0.1mg/mlの最終濃度に希釈し、200μl/マウスに腹腔内(IP)注射して、20gのマウスについて1mg/kgの最終用量を与えた。注射は、腫瘍接種後13日目、15日目及び17日目に(2日ごとに3回投与)実施された。動物は、週3回麻酔下で健康スクリーニングを受け、その間に腫瘍の正確な測定が行われた。腫瘍の最長軸及び最短軸を決定するために、カリパスを使用して腫瘍体積の測定を行った。次の計算式を使用して、腫瘍体積を計算した。
Lx(S2)/2
(ここで、L=最長軸、S=最短軸)
英国動物(科学的処置)法及びEU指令EU86/609に従って、腫瘍体積が人道的エンドポイントに達した27日目に試験を中止した。
統計的検定では、混合モデルを使用して腫瘍体積を対数スケールで分析する。対象となる処置の各ペアに個別のモデルを適合させた。このモデルは、
log10(体積)=A+B×(日-開始日)+ε
である。
AとBは、それぞれ切片及び傾きである。それらは、マウスごとに異なり、群に対する固定効果及び動物に対する変量効果を含む。
A=A0+A1T+εA
B=B0+B1T+εB
Tは、一方の群に値0、もう一方の群に1の値を持つ処置群を表すダミー変数である。変量効果は正規分布で分布する。
εA~N(0,σA)、εB~N(0,σB)
ここで、σA及びσBそれぞれ切片と傾きの動物間のばらつきの標準偏差である。動物間のばらつきも、通常、標準偏差σで分布する。
ε~N(0,σ)
処置の各ペアについて、上記のモデルをデータに適合させた。A1及びB1について、ゼロからの差の(両側)p値が計算された。0.05未満のp値は、処置群間の差について統計的に有意な証拠である。
結果を表10Aに示す。平均CT26腫瘍体積プラス又はマイナス標準誤差平均がプロットされる。結果は、LALA変異(それぞれFS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20m-232-91/Lob12.3)を有する及び有しない両方のOX40/CD137 mAb2による処置は、抗OX40対照(G1/OX86)、抗CD137対照(G1/Lob12.3)、これらの2つの抗体の組み合わせ(G1/OX86+G1/Lob12.3)又はLALA含有抗OX40抗体及び抗CD137抗体の組み合わせ(G1AA/OX86+G1AA/Lob12.3)よる処置と比較して腫瘍増殖の減少をもたらしたことを示す。
この結果は、対照抗体(G1/4420)と比較して、OX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20-232-91/Lob12.3)の統計的に有意な抗腫瘍効果があることを示す。OX40及びCD137の標的抗体の組み合わせ(G1/OX86プラスG1/Lob12.3又はG1AA/OX86プラスG1AA/Lob12.3)の活性は、腫瘍の増殖を有意に抑制せず、単剤対照も抑制しなかった(G1/OX86又はG1/Lob12.3)。
OX40/CD137 mAb2のヒトIgG1骨格のFc領域におけるLALA変異導入は、OX40又はCD137を発現する細胞のADCC及びADCP又はこれらの受容体を発現する細胞上でOX40又はCD137のいずれかに結合した場合、mAb2のFcγ受容体媒介架橋が阻止されると期待される。したがって、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2の活性化は、Fc媒介エフェクター機能又はFcγ受容体媒介架橋ではなく、OX40及びCD137の共係合を介して駆動され、いずれか又は両方の受容体を介してシグナル伝達をもたらすと考えられる。その後、これはOX40及びCD137を発現するT細胞の活性化につながり、最終的にはT細胞を媒介した抗腫瘍活性をもたらすと期待される。
これらの結果は、OX40/CD137 mAb2抗体が、TILを発現するOX40及びCD137を含むと予想される腫瘍に対して、インビボで抗腫瘍効力を有することを実証し、OX40/CD137 mAb2によるOX40及びCD137の二重特異的係合によって媒介されるOX40及びCD137のインビボ活性化が、腫瘍増殖の制御において有効であることを示す。
背景のセクションで上記されたように、肝臓毒性はCD137アゴニスト抗体を用いて臨床で観察されている(Segal et al., 2017)。この毒性作用のメカニズムは、完全には解明されていないが、前臨床モデルの試験では、CD137アゴニスト抗体に応答してIL-27を産生するCD137発現ミエロイド細胞の役割が強調されている(Bartkowiak et al., 2018)。この肝臓毒性メカニズムにおけるFcγ受容体の役割は研究されていないが、観察された毒性の考えられる説明は、ミエロイド細胞におけるCD137及びFcγ受容体の共発現が、これらの細胞上のCD137アゴニスト抗体の架橋をもたらし、炎症性サイトカインの産生を誘発し得るということである。したがって、本発明のOX40/CD137二重アゴニスト抗体分子のFcγ受容体架橋が、腫瘍微小環境又は周縁部から離れた位置で、OX40の非存在下において、CD137を発現する細胞の任意の活性化につながる可能性がある場合、この分子にLALA変異を含むことが望ましいと考えられた。したがって、両方の標的に同時に係合することにより、OX40及びCD137の両方を発現するT細胞を刺激するが、分子内にLALA変異が存在するために、OX40の非存在下では、Fcγ受容体媒介架橋を介してCD137発現細胞を活性化しない二重アゴニスト抗体分子を操作することにより、本発明の抗体分子は、臨床での毒性の可能性が低いと考えられる。
本発明の抗体分子にLALA変異を含めるさらなる理由は、この分子が腫瘍増殖を抑制するために活性化することを意図しているOX40及びCD137発現細胞のFcγ受容体媒介殺傷を回避するために役立つことである。特定の前臨床腫瘍モデルにおけるOX40アゴニスト抗体の作用機序は、腫瘍微小環境におけるTregのFcγ受容体媒介枯渇を介することであり、これらの分子におけるFcγ受容体機能障害性変異の導入は、抗腫瘍活性を損なっていると記載されている(Bulliard et al., 2014)。LALA変異の効果は、Treg細胞の枯渇の欠如を伴う、本発明の抗体分子により活性化されることを意図した有益な免疫細胞の保存であり得るが、前臨床腫瘍モデルにおいて見られるように、腫瘍Treg枯渇の同じメカニズムを発生するように設計されたOX40標的ヒトIgG1抗体は、腫瘍増殖を制御するための同じ能力を示さなかったことが注目される(Glisson et al., 2016)。Tregを枯渇させるために設計された他の分子も高いレベルの臨床活性を示していない(Powell et al., 2007、Tran et al., 2017)。同系マウス腫瘍モデルにおいて見られるTreg枯渇の影響の臨床的翻訳可能性のこの欠如は、腫瘍微小環境におけるFcγ受容体発現細胞の低レベル(Milas et al., 1987)、ヒト及びマウス間のTregの生物学的相違(Liu et al., 2016)又は他の未知の要因(Stewart et al., 2014)による可能性がある。
驚くべきことに、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2におけるLALA変異の含有は、CT26モデルにおけるその抗腫瘍活性は損なわれず、LALA変異は、Fcγ受容体発現細胞との相互作用に依存しないFcγ受容体非依存性の作用機序を有することが示唆された。実施例19に記載された「作用機序」試験におけるこのLALA変異含有mAb2による腫瘍Tregの観察可能な枯渇の欠如及び血中での強力なT細胞増殖の誘導は、本明細書に記載されたように、OX40/CD137二重アゴニストmAb2のFcγ受容体非依存作用機序に対して、さらなる支持を提供するものである。その活性について、Fcγ受容体相互作用に依存する抗体に見られる臨床活性が不十分であることを考慮すると、本発明の抗体分子のFcγ受容体非依存性作用機序は、臨床においてより大きい効力をもたらすことが期待される。
17.2 OX40/CD137 mAb2及びその構成要素Fcab及びFcab部分についての抗腫瘍活性の比較
マウス汎T細胞活性化アッセイ(実施例15)において、マウスOX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)は、CD137及びOX40受容体の両方同時に係合することにより、単一特異的対照抗体G1AA/Lob12.3(抗mCD137 mAb)及びFS20m-232-91AA/4420(mOX40/FITCモックmAb2)とは対照的に、追加の架橋剤の非存在下でインビトロ活性を示した(実施例16.2)。汎T細胞活性化アッセイに続いて、FS20m-232-91AA/Lob12.3の抗腫瘍活性を、その構成部分、すなわちモック(抗FITC)mAb2形式(FS20m-232-91AA/4420)のFS20m-232-91AA Fcab及びFcab(G1AA/Lob12.3)を含有しない単一特異的抗マウスCD137 mAb(G1AA/Lob12.3)を単剤若しくは組み合わせて又はCT26腫瘍モデルにおけるアイソタイプ対照(G1AA/4420)と比較した。
実施例17.1に記載された同じ方法に従って、BALB/c雌マウスの皮下にCT26腫瘍が確立された。CT26細胞接種後10日目に、担癌マウスは、1群あたり25匹のマウスの試験コホートにランダム化され、抗体処置を受けた。
抗体をPBSで0.3mg/mlの最終濃度に希釈し、各マウスに200μlの容量を腹腔内注射して、20gのマウスについて3mg/kgの最終用量を与えた(各抗体の固定用量60μg)。注射は、腫瘍接種後10日目から開始して、合計3回の用量にわたり、2日(Q2D)ごとに1回実施した。腫瘍体積は、前述のようにカリパス測定によって決定された。細胞接種後64日で試験を終了し、腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的エンドポイントに達した時点で、動物を試験から除外した。
個々の動物の経時的な腫瘍体積データを図10Bに示し、図10Cに示す平均結果は、アイソタイプ対照抗体(G1AA/4420)と比較して、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が初期のCT26腫瘍増殖速度(10日目から22日目)を阻害したことを示唆している。明らかな腫瘍増殖阻害を、抗マウスCD137 mAb抗体、マウスOX40/FITCモックmAb2又はこれらの組み合わせで処置したコホートにおいて観察されなかった。
前記の同じ混合モデル法に従い、22日目までの腫瘍体積データ分析(細胞接種後、表29)は、FS20m-232-91AA/Lob12.3が、アイソタイプ対照と比較して平均腫瘍増殖速度の統計的に有意な(p=0.003)減少をもたらしたことを示した。比較して、抗マウスCD137 mAb、マウスOX40/FITCモックmAb2又はそれらの組み合わせでの処置は、アイソタイプ対照と比較して腫瘍増殖速度に有意差をもたらさなかった。混合モデル法を使用した、全試験期間(64日)にわたる腫瘍増殖速度の比較は、アイソタイプ対照と比較して、全ての処置群で腫瘍増殖速度の統計的に有意な減少を示した(分析は示さず)。
生存分析は、FS20m-232-91AA/Lob12.3が、対数順位(マンテル-コックス)検定を使用したアイソタイプ対照と比較して統計的に有意な生存の改善をもたらしたことを示した(p≦0.0001)(図10D)。抗マウスCD137 mAb、マウスOX40/FITCモックmAb2又はその組み合わせのいずれかを受ける担癌マウスが、アイソタイプ対照と比較して、生存において統計的に有意差を示さなかった。
結論として、その結果はFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が、その構成成分Fcab及びFab部分の組み合わせ又はいずれかの成分部分のみに対して、より大きく非等価な抗腫瘍活性を有することを実証する。
実施例18 - CT26同系腫瘍モデルにおけるOX40/CD137 mAb2の薬力学的応答
18.1 薬力学的応答OX40/CD137 mAb2及び抗OX40及び抗CD137対照mAbの比較
OX40/CD137サロゲートmAb2の薬力学的応答を、CT26同系腫瘍担癌マウスにおいて評価した。この目的のために、血液サンプルを、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2、アイソタイプ対照(G1/4420)、単剤抗マウスOX40対照(G1/OX86)、単剤抗マウスCD137対照(G1/Lob12.3)又はこれらの抗OX40及び抗CD137対照(G1/OX86プラスG1/Lob12.3)の組み合わせを経時的に接種されたCT26担癌マウスから採取し、フローサイトメトリーでT細胞活性化及び増殖マーカーを分析した。
実施例17に記載された同じプロトコルに従って、8~10週齢で、約20gの体重の各BALB/c雌マウス(Charles River)を試験開始のために調製し、CT26結腸癌細胞株(ATCC、CRL-2638)に接種した。腫瘍細胞接種後10日目に、腫瘍を測定し、マウスを腫瘍体積に基づいて1群あたり10匹の試験コホートにランダム化した。この時点で腫瘍を有しないマウスは全て試験から除外された。
前述のように、抗体を分析し不純物を確認し、抗体をPBSで0.1mg/mlの最終濃度に希釈し、200μl/マウスに注射して、20gのマウスについて1mg/kgの最終用量を与えた。腫瘍接種後10日目、12日目及び14日目に腹腔内(IP)注射により、抗体をマウスに投与した。
投与1時間前の10日目、11日目(初回投与24時間後)、15日目(3回目投与24時間後)に尾静脈から且つ17日目及び24日目の心臓穿刺により、血液をEDTA含有チューブ中に回収した。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(eBioscienceカタログ番号00-4300-54)で2回溶解した。Fcブロック(eBioscienceカタログ番号14-0161-86、1:100)の存在下において、全てeBioscienceから提供された、stain1(CD4-E450(クローンGK1.5)、Ki67-FITC(クローンSolA15)、Foxp3-PE(クローンFJK-16s)、CD69-PECy5(クローンH1.2F3)、CD3-PECy7(クローン145-2C11)、CD8-APC(クローン53-6.7)、固定可能生存率色素(fixable viability die)780及びBD Bioscienceから提供されたCD45-V500(クローン30-F11)又は全てeBioscienceから提供されたstain2(CD49b-E450(クローンDX5)、F4/80-PE(クローン6F12)、CD69-PECy5(クローンH1.2F3)、CD19-PECy7(クローン1D3)、CD3-APC(クローン145-2C11)及び固定可能生存率色素(fixable viability die)780、BD Bioscienceから提供されたCD45-V500(クローン30-F11)並びにJackson ImmunoResearchから提供された抗hFc-488(ポリクローナル))のいずれかを使用して、フローサイトメトリーのために細胞を染色した。次に、細胞をPBSで1回洗浄し、stain2で染色したサンプルを200μlのPBSに再懸濁し、FACS CantoIIで泳動した。stain1で染色されたサンプルについて、細胞を最初に100μlの抗体ミックス1(Ki67及びFoxP3抗体を除く全て)で、4℃で30分間染色した。次に、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscienceカタログ番号00-5523-00)で透過処理した。簡単に説明すると、200μlの固定液を各ウェルに加え、4℃の暗所で一晩放置した。次に、細胞を200μlの透過処理緩衝液で洗浄した。次に、細胞を再度回転させ、Fcブロック(全て1:100希釈)の存在下において、Ki67及びFoxp3抗体を有する100μlの透過処理緩衝液に再懸濁し、4℃の暗所で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で1回洗浄し、200μlのPBSに再懸濁した。次に、細胞をBD FACS CantoIIサイトメーターで分析した。FlowJoX、Excell及びGraphPadPrismを使用してデータを分析した。全T細胞並びにCD4+及びCD8+亜集団について経時的に観察されたT細胞の活性化及び増殖が決定された。
この実験は、OX40/CD137 mAb2が循環T細胞に影響を与え、全ての対照処置群と比較して、活性化T細胞(CD45+CD3+CD69+)及びCD4+T細胞(CD45+CD3+CD4+CD69+)及び増殖性T細胞(CD45+CD3+Ki67+)、CD4+T細胞(CD45+CD3+CD4+Ki67+)及びCD8+T細胞(CD45+CD3+CD8+Ki67+)の頻度を増加させ、また抗OX40対照又は抗CD137対照単独又はアイソタイプ対照のいずれかと比較して、活性化CD8+T細胞(CD45+CD3+CD8+CD69+)の頻度を増加させることを示した。活性化CD8+T細胞(CCD45+CD3+CD8+CD69+)の頻度の類似の増加が、抗OX40及び抗CD137対照mAbの組み合わせで処置された対照群で観察された。これらの結果は、OX40/CD137 mAb2もT細胞の活性化の増加を示したインビトロの結果と一致し、T細胞の増殖に関与するサイトカインであることが知られているIL-2の産生によって測定されるようであった。
18.2 OX40/CD137 mAb2及びその構成成分Fcab及びFcab部分の薬力学的応答の比較
抗マウスOX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)の末梢薬力学的応答を、その構成部分、特に、モック(4420)mAb2形式(FS20m-232-91AA/4420)のFS20m-232-91AA Fcab及びFcab(G1AA/Lob12.3)を含有しない単一特異的抗マウスCD137 mAb(G1AA/Lob12.3)を単剤若しくは組み合わせて又はCT26腫瘍モデルにおけるアイソタイプ対照(G1AA/4420)と比較した。
実施例17.2に記載された同じ試験において、CT26細胞接種後16日目に、血液サンプルを1群あたり10匹のマウスの尾静脈から採取し、EDTA含有チューブに回収した。実施例18.1に記載された同じ方法に従って、赤血球を溶解し、残りの細胞を生存率色素で染色し、続いて、抗Ki67及び抗Foxp3を除いて、Fcブロックの存在下で実施例22.2.2に記載の試薬で表面染色した(抗マウスCD4クローンGK1.5(BD Bioscience、カタログ番号563790)を抗CD4クローンRM4-5の代わりに本試験に使用した)。次に、製造元の指示に従って、細胞を固定し、一晩eBioscience Foxp3染色キット(eBioscience)で透過処理した。その後、細胞を抗Ki67及び抗Foxp3抗体で細胞内染色した。洗浄後、BDFortessaフローサイトメーターを使用して細胞を分析した。データ分析を、FlowJo、Excel及びGraphPad Prism7ソフトウェアを使用して実行した。
FS20m-232-91AA/Lob12.3は、アイソタイプ対照処置と比較して、血液中のKi67+CD4+エフェクター(総CD4+Foxp3-細胞の%として)及びKi67+CD8+末梢T細胞(総CD8+細胞の%として)の割合を有意に増加させることが観察された。抗マウスCD137 mAb及びFS20m-232-91AA/4420モックmAb2を単剤又は組み合わせて、アイソタイプ対照処置マウスと比較して、増殖性Ki67+CD4+エフェクター及びKi67+CD8+T細胞のレベルの有意な増加を誘導することができた。ただし、FS20m-232-91AA/Lob12.3の投与後のKi67+CD8+増殖性T細胞のレベルの増加は、抗マウスCD137 mAb単独、FS20m-232-91AA/4420モックmAb2単独又はそれらの組み合わせのいずれかについて観察されたものよりも有意に大きかった。
結論として、これらの発見は、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2が、Ki67+CD8+増殖性T細胞の頻度の増加に関して、その構成成分Fcab及びFab部分又はいずれかの構成部分のみと比較して、末梢薬力学的応答の増強を誘導できたことを示す。
実施例19 - CT26同系腫瘍モデルにおけるOX40/CD137 mAb2の作用機序
CT26同系腫瘍モデルを、インビボでの抗マウスOX40/CD137 mAb2の抗腫瘍活性の作用機序(MOA)を決定するために使用した。CT26同系腫瘍モデルは、OX40及びCD137アゴニスト抗体の両方に感受性であることが以前に示されており(Sadun et al., 2008)、CT26腫瘍から分離した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、OX40及びCD137の両方を発現すると期待される。抗体試験を表30に詳述する。
LALA変異を有する又は有しないmAb2(それぞれFS20m-232-91AA/Lob12.3及びFS20m-232-91/Lob12.3)の、血液又は腫瘍中のT細胞の増殖を活性化及び増殖する能力を、アイソタイプ対照mAb G1/4420(抗FITC)、単剤mAb G1/OX86(LALA変異を有しない抗OX40対照)又はG1/Lob12.3(LALA変異を有しない抗CD137対照)、G1/OX86プラスG1/Lob12.3の組み合わせ又はG1AA/OX86(LALA変異含有抗OX40 mAb)プラスG1AA/Lob12.3(LALA変異含有抗CD137 mAb)の組み合わせと比較した。
8~10週齢及び体重約20gの各BALB/c雌マウス(Charles River)は、試験開始前の1週間休息させた。全ての動物は、マイクロチップ化され、固有の識別子が与えられた。各コホートには5匹のマウスがいた。CT26結腸癌細胞株(ATCC、CRL-2638)を最初に拡大培養し、保存し、その後IMPACT Iプロトコルを用いて病原体に対するIDEXX Bioresearchにより予備スクリーニングし、病原体フリーであることを示した。CT26細胞(約3~5×106)を-150℃の保存から解凍し、T175組織培養フラスコ内の10%FCS(Gibco、10270-106)を含む20ml DMEM(Gibco、61965-026)に添加した。イソフルラン(Abbott Laboratories)を使用して、マウスを麻酔し、各動物に1×106細胞を左脇腹に皮下注射した。腫瘍細胞接種後10日目に、マウスは、健康状態を観察し、カリパスを使用して腫瘍を測定し、腫瘍体積に基づいてマウスを試験コホートにランダム化した。この時点で腫瘍を有しないマウスは全て試験から除外された。
注射された抗体を、注射から24時間以内にSEC-HPLCプロファイリングにより分析し、不純物について確認した。抗体をPBSで0.1mg/mlの最終濃度に希釈し、200μ/マウスに注射し、20gのマウスについて1mg/kgの最終用量を与えた。腫瘍接種後10日目、12日目及び14日目に腹腔内(IP)注射により、抗体をマウスに投与した。腫瘍体積の測定は、カリパスを使用して週3回行われ、腫瘍の最長軸及び最短軸を決定した。3回目の投与から7日後(腫瘍接種後21日目)にマウスを安楽死させ、解剖により腫瘍を分離し、心臓穿刺により血液を回収した。
腫瘍を、Tumour dissociation kit、マウス(Miltenyi 130-096-730)を製造元の指示に従って使用して解離した。簡単に説明すると、1腫瘍あたり2.35ml RPMI 1640、100μl酵素D、50μl酵素R及び12.5μl酵素Aを添加して酵素ミックスを調製し、各腫瘍をgentle MACS Cチューブに入れ、そのチューブをGentle MACS Dissociator上に置き、m_TDK_1プログラムで実行し、振とう(200rpm)しながら37℃で1時間インキュベートした。得られた細胞懸濁液を70μMセルストレーナー(Corning カタログ番号352350)を使用して濾し、遠心分離(@1500rpmで10分間)し、PBSで1回洗浄し、5mlのPBSに再懸濁した。
血液は、心臓穿刺によりEDTA含有チューブに回収された。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(eBioscienceカタログ番号00-4300-54)で2回溶解した。
腫瘍及び血液から分離された細胞を、以下の抗体パネル及び試薬を使用してフローサイトメトリー用に染色した(Stain1)。全てeBioscienceから提供された、CD4-E450(クローンGK1.1)、Ki67-FITC(クローンSolA15)、Foxp3-PE(FJK-16s)、CD69-PECy5(クローンH1.2F3)、CD3-PECy7(クローン145-2C11)、CD8-APC(クローン53-6.7)、固定可能生存率色素780及びFcブロック(クローン93)並びにBD Bioscienceから提供されたCD45-V500(クローン30-F11)。細胞をPBSで洗浄し、その後100μlの抗体ミックス1(Ki67及びFoxP3抗体を除く全て)と共に4℃で30分間インキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄し、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscienceカタログ番号00-5523-00)で透過処理した。簡単に説明すると、200μlの固定液を各ウェルに加え、4℃の暗所で一晩放置した。次に、細胞を200μlの透過処理緩衝液で洗浄した。次に、細胞を再度回転させ、Fcブロック(全て1:100希釈)の存在下において、Ki67及びFoxp3抗体を有する100μlの透過処理緩衝液に再懸濁し、4℃の暗所で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で1回洗浄し、200μlのPBSに再懸濁した。次に、細胞をBD FACS CantoIIサイトメーターで分析した。
FlowJoX、Excell及びGraphPadPrismを使用してデータを分析した。群を比較するための統計分析を、一元配置分散分析を使用して実行し、続いてGraphPadPrismソフトウェアパッケージを使用して、各ペアのテューキーの多重比較検定を実行した。
OX40/CD137 mAb2又は対照処置後にCT26細胞を接種したマウスの血液又は腫瘍におけるT細胞(CD45+CD3+)、増殖性T細胞(CD45+CD3+Ki67+)及びT調節細胞(CD45+CD3+CD4+FoxP3+)の頻度を測定した。FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2は、アイソタイプ対照(G1/4420)と比較して、増殖性T細胞の統計的に有意な増加と血中のTregの増加を示した。腫瘍内では、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2がT細胞の頻度を増加させる傾向があった。
抗CD137抗体G1/Lob12.3及びこの抗CD137抗体と抗OX40抗体G1/OX86との組み合わせで処置したマウスでは、アイソタイプ対照による処置と比較して腫瘍内のTregのレベルが統計的に有意に減少した。しかし、LALA変異が抗OX40及び抗CD137抗体に導入された場合、これらの抗体の組み合わせ(G1AA/OX86プラスG1AA/Lob12.3)による処置は、腫瘍のTregのレベルをもはや低下しない。LALA変異含有OX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)は、Tregのレベルを低下させなかったが、LALA変異を有しないOX40/CD137 mAb2野生型ヒトIgG1バージョン(FS20m-232-91/Lob12.3)は、腫瘍内のTregのレベルの統計的に有意な減少を示した。
これらのデータは、ヒトIgG1へのLALA変異の導入が、Tregを枯渇させるOX40/CD137 mAb2の能力を抑制し、従って、OX40/CD137 mAb2のヒトIgG1LALA変異体(FS20m-232-91AA/Lob12.3)で観察される抗腫瘍活性がTreg枯渇とは無関係であることを示す。さらに、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2は、評価された時点で末梢において、T細胞増殖を発生させることが観察され、これは抗腫瘍免疫応答を誘発するT細胞のプールを拡大すると予想される。これらのデータは、ヒトIgG1LALA含有OX40/CD137 mAb2が、mAb2のFcγ受容体との係合がない場合、癌における抗腫瘍活性の可能性があることを示唆し、これは、腫瘍に蔓延することも又はしないこともあり得る。
実施例20 - B16-F10同系腫瘍モデルにおけるOX40/CD137 mAb2の活性
B16-F10同系マウス大腸腫瘍モデルを、抗マウスOX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)の抗腫瘍活性をインビボで試験するために使用した。この試験では、抗体G1/4420を対照として使用した。B16-F10同系腫瘍モデルは、OX40又はCD137アゴニスト抗体に感受性があることはこれまで示されていない(Hirschhorn-Cymerman et al., 2009;Wilcox et al., 2002)。ただし、B16-F10腫瘍から分離された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、OX40及びCD137の両方を発現すると期待される。
8~10週齢及び体重約20gの各C57BL/6雌マウス(Charles River)は、試験開始前の1週間順応させた。全ての動物は、マイクロチップ化され、固有の識別子が与えられた。各コホートは10匹のマウスがいた。B16-F10結腸癌細胞株(ATCC、カタログ番号CRL-6475)を最初に拡大培養し、保存し、その後IMPACT Iプロトコルを用いて病原体に対するIDEXX Bioresearchにより予備スクリーニングし、病原体フリーであることを示した。
B16-F10細胞を-150℃の保存から解凍し、T175組織培養フラスコ内の10%FCS(Gibco、10270-106)を含む20ml DMEM(Gibco、61965-026)に添加した。各動物は、左脇腹に皮下注射された1×106細胞を受けた。腫瘍細胞接種後の7~8日目に、この時点で腫瘍を有しないマウスは試験から除外された。20gのマウスについて1mg/kgの最終用量を与えるために、200μl/マウスの体積で、PBS中の0.1mg/mlの最終濃度で注入される前に、前述のように抗体を分析し、不純物を確認した。各マウスは、腫瘍接種後8日目、10日目及び12日目に腹腔内(IP)注射により抗体を投与された。腫瘍体積は、(実施例17に記載されているように)カリパスを使用して測定することによって決定され、その日に予定されている任意の薬物投与が行われた。
腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的なエンドポイントに達した時点でマウスを犠牲にした。腫瘍増殖の統計的な分析は、実施例17に記載された混合モデル統計分析を使用して実施された。試験結果を図11に示す。
OX40/CD137 mAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)は、対照抗体(G1/4420)を注射した対照動物と比較して、顕著な抗腫瘍活性を示した。このモデルは、OX40又はCD137刺激に鈍感であることが以前に示されているため、これは驚くべきことである(Hirschhorn-Cymerman et al., 2009;Wilcox et al., 2002)。重要なことに、OX40/CD137 mAb2において観察された活性は、LALA変異の存在下にあり、したがって腫瘍のTreg枯渇に依存していなかった。これは、OX40/CD137 mAb2のMOAが、B16-F10などの免疫浸潤レベルが低いモデルでも、様々な同系腫瘍モデルで抗腫瘍活性をもたらすことを示している。
実施例21 - OX40/CD137 mAb2の分析特性及び予備的安定性評価
21.1 mAb2の発現、精製及び分析特性
mAb2FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16及びFS20-22-49AA/FS30-35-14はラボスケールで製造され、SE-HPLC及びSDS-PAGEを使用した標準的な分析方法によって特徴付けられた。
mAb2をコードするDNA配列は、HEK293-6E(カナダ国立研究評議会)で一過性に発現した。5日後、細胞培養液を回収し、AKTAxpress機器を使用してMabSelectプロテイン-Aプレパックカラム(両方GE Healthcare)で精製した。カラムの平衡化は、50mM Tris-HCl、pH7.0の250mM NaClで行い、続いて、回収した細胞培養液をロードした。次に、樹脂を50mM Tris-HCl、pH7.0の250mM NaClを使用して洗浄し、これに続いてpH3.5の緩衝液を使用してmAb2を溶出した。mAb2は、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare、製品番号17085101)を使用して、調製前緩衝液に緩衝液交換した。
移動相として、20mMリン酸ナトリウム、200mM塩化ナトリウム、pH6.8を使用し、TSK-GEL SUPERSW 3000 4.6mmID×30.0cmカラム(Tosoh Bioscience)を装備したAgilent1100シリーズHPLCシステム(Agilent)でSE-HPLCを行った。単量体の割合の定量化を、Chemstationソフトウェア(Agilent)を使用して実施した。SE-HPLC分析の結果は表31に要約する。
SDS-PAGE分析は、NuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)4~12%Bis-Trisタンパク質ゲル及び1xMOPS分離緩衝液(Thermo Fisher Scientific)を使用して、基本的に製造元の指示に従って実施した。非還元SDS-PAGEの場合、変性ステップ前にサンプルをアルキル化試薬であるN-エチルマレイミド(Sigma-Aldrich)に曝露し、2-メルカプトエタノールを変性混合物から除外した。タンパク質バンドは、Coomassie InstantBlue(Expedeon)によって視覚化された。
SE-HPLCで測定した場合、5つのmAb2は全て、95%を超える単量体純度でプロテインAを精製した後、好ましい分析特性パラメーターを示した。SDS-PAGE分析により、組換えIgG1に典型的なタンパク質バンドパターンが明らかになった。したがって、非還元条件下では、単一のバンドが予想される分子量に対応する領域に移動し、還元条件下では、重鎖及び軽鎖にそれぞれ対応する2つのバンドが、51kDa及び28kDaの分子量マーカーの近くに移動した。フラグメントは観察されなかった(データは示さず)。
21.2 OX40/CD137 mAb2の予備的安定性評価
mAb2 FS20-22-49AA/FS30-5-37、FS20-22-49AA/FS30-10-3、FS20-22-49AA/FS30-10-12、FS20-22-49AA/FS30-10-16及びFS20-22-49AA/FS30-35-14の安定性について予備的評価が実施された。予備的安定性評価に入る前に、mAb2は、調整前緩衝液で平衡化されたSuperdex HiLoad26/600 200pgカラム(GE Healthcare)を使用したサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってさらに精製された。安定性サンプルを5℃で保存し、SE-HPLC及びキャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS)を使用した標準的な分析方法により2週間後及び4週間後に分析した。
移動相として、20mMリン酸ナトリウム、200mM塩化ナトリウム、pH6.8を使用し、TSK-GEL SUPERSW 3000 4.6mmID×30.0cmカラム(Tosoh Bioscience)を装備したAgilent1100シリーズHPLCシステム(Agilent)でSE-HPLCを行った。単量体含有量のデータ取得及び定量化を、Chemstationソフトウェア(Agilent)を使用して実施した。結果は表32に要約する。
5℃で4週間の保存の後、試験された全てのmAb2についてSE-HPLCにより測定された単量体含有量は、出発物質(T=0)と同等(±0.9%以内)のままであった。したがって、試験された全てのmAb2は、良好な安定性プロファイルを示した。
CE-SDS分析を、製造元の推奨に従い、2100 Bioanalyzerキャピラリー電気泳動システム(Agilent)で実施した。CE-SDSを還元するために、DTTを添加し、サンプルを70℃で5分間変性させた。重鎖及び軽鎖材料のデータ取得及び割合定量化は、2100 Expertソフトウェア(Agilent)を使用して実施した。純度の割合は、重鎖材料の割合及び軽鎖材料の割合の合計として計算された。分析の結果は表33に要約する。
還元条件下でCE-SDSによる重鎖材料及び軽鎖材料の割合の合計として決定された、試験された全てのmAb2の純度も出発物質と同等(±1.0%以内)のままであった。したがって、再度、全ての試験されたmAb2が良好な安定性を示した。
実施例22 - 抗PD-1又は抗PD-L1抗体と組み合わせたOX40/CD137 mAb2活性
抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージ、B細胞)、腫瘍細胞及び腫瘍微小環境の細胞でのPD-L1発現は、PD-1の相互作用を介したT細胞の活性化、増殖、エフェクター及び細胞傷害性機能を阻害することが知られている。PD-1又はPD-L1のいずれかに対するモノクローナル抗体を使用したこの相互作用の遮断は、いくつかの種類の癌を有する患者の生存率が向上することが示されている。
ただし、一部の腫瘍では、抗PD-L1及び抗PD-1抗体はほとんど又はまったく効果がない。本発明者らは、インビトロ及びインビボ試験において、OX40/CD137 mAb2及び抗PD-L1又は抗PD-1抗体との組み合わせを試験して、組み合わせの使用がOX40/CD137 mAb2、抗PD-L1抗体又は抗PD-1抗体単独の使用と比較して、改善された効果をもたらすことができるかどうかを理解した。
22.1 ブドウ球菌腸毒素A(SEA)アッセイでPD-1又はPD-L1遮断と組み合わせたOX40/CD137 mAb2の活性
OX40/CD137 mAb2の活性は、上記の実施例12に記載したように第1のシグナルとして、ブドウ球菌腸毒素A(SEA)スーパー抗原を使用して、T細胞活性化アッセイを試験した。PD-1及びPD-L1間の相互作用の遮断と組み合わせたT細胞刺激活性に対するOX40/CD137 mAb2の効果を試験するために、PD-1又はPD-L1遮断抗体をSEAアッセイにおいてOX40/CD137 mAb2と組み合わせた。
SEAアッセイで使用される抗体及びmAb2を以下の表34に列挙した。G1/4420(抗FITC)とFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2との組み合わせ、G1AA/S1(抗PD-L1)、G1AA/5C4(抗PD-1)単独又はFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2と組み合わせて試験した。T細胞活性化の尺度としてインターロイキン-2(IL-2)産生を使用した。
5C4及びYW243.55.S1(S1)抗体の可変ドメイン配列は、それぞれ米国特許第8,008,449B2号及び米国特許出願公開第2013/0045202A1号にも開示されている。
PBMCを分離し、SEAアッセイを上記の実施例12.1に記載したように本質的に実施した。G1/4420をアイソタイプ対照として使用し、このアッセイでは架橋剤を使用しなかった。
抗PD-L1(G1AA/S1)又は抗PD-1抗体(G1AA/5C4)のいずれかと組み合わせたOX40/CD137 mAb2(FS20-22-49AA/FS30-10-16)の活性は、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2プラスアイソタイプ対照(G1/4420)の活性或いはPD-L1抗体(G1AA/S1)若しくはPD-1抗体(G1AA/5C4)又はアイソタイプ対照(G1/4420)単独の活性と比較した。SEAアッセイにおいて観察されたIL-2放出のEC50値及び最大応答を、表35に示す。図12A及びBは、SEAアッセイについてIL-2放出のプロットを示す。
予想通り、アイソタイプ対照(G1/4420)では活性は観察されなかった。同様に、PD-1及びPD-L1単独間の相互作用の遮断は、このアッセイでは活性がなかった。しかし、OX40及びCD137受容体の刺激(OX40/CD137 mAb2による)と、PD-1及びPD-L1間の相互作用の遮断(抗PD-L1又は抗PD-1抗体のいずれかによる)との組み合わせは、OX40/CD137 mAb2単独で見られるものを超える、最大IL-2産生によって測定されるT細胞の最大活性の増加がもたらされた。OX40/CD137 mAb2が抗PD-L1又は抗PD-1抗体と組み合わせた場合に見られるT細胞の最大の活性の増加は、類似であった。
22.2 CT26マウス腫瘍モデルにおける抗マウスOX40/CD137 mAb2及びPD-1アンタゴニストの投与による抗腫瘍活性及び薬力学的応答
CT26マウス腫瘍モデルを使用して、FS20m-232-91AA/Lob12.3及びPD-1アンタゴニスト抗体(クローンRMP1-14マウスIgG1)の組み合わせの抗腫瘍活性及び薬力学的応答をいずれかの単剤と比較して確立した。
22.2.1 抗腫瘍活性の評価
実施例17に記載された同じプロトコルに従って、8~10週齢で、約20gの体重のBALB/c雌マウス(Charles River)を試験開始のために調製し、CT26結腸癌細胞に接種した。腫瘍細胞接種後の10日目、腫瘍を測定し、腫瘍を有しないマウスを試験から除外し、残りのマウスを1群あたり15匹の動物で4つの処置群(表36)にランダム化した。動物に以下を腹腔内注射した:(1)1mg/kgのG1AA/4420及び10mg/kgのmIgG1/4420アイソタイプ(絶対抗体、クローン4420、カタログ番号Ab00102-1.1)対照抗体の組み合わせ、(2)10mg/kgの抗マウスPD-1抗体(絶対抗体、クローンRMP1-14マウスIgG1、カタログ番号Ab00813-1.1)、(3)1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2又は(4)10mg/kg抗マウスPD-1抗体及びPBS中の1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2。動物にG1AA/4420又はFS20m-232-91AA/Lob12.3の腹腔内(IP)注射を2日ごとに1回を合計3回、腫瘍接種後10日目から開始した。mIgG1/4420又は抗マウスPD-1抗体を腫瘍接種後10日目から4日ごとに計4回IP投与した腫瘍体積は、カリパス測定により決定された。(実施例17に記載されたように)。細胞接種後60日目で試験を終了し、腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的エンドポイントに達した時点で、動物を試験から除外した。処置群、試験された分子、用量及び投与スケジュールを表36に要約する。
図13A-Dに示すように、抗PD-1アンタゴニスト抗体及び1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の組み合わせは、試験終了時に完全な腫瘍退縮反応(腫瘍体積が≦62.5mm3と定義される)を示した動物の割合が最も高く、15匹中7匹(47%)の結果となった(図13D)。アイソタイプ対照抗体(図13A)、単剤抗PD-1抗体(図13B)及び1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3(図13C)は、試験終了時にそれぞれ0%、0%及び7%の腫瘍退縮が見られた。
生存分析は、抗PD-1抗体とFS20m-232-91AA/Lob12.3との組み合わせがイソタイプ対照抗体(対数順位(マンテル・コックス)検定、p<0.0001)と比較して統計的に有意な延命効果をもたらしたことを示した(図13E)。アイソタイプ対照抗体と比較して、いずれの単剤処置では有意な生存率の差は観察されなかった。これらの結果は、このモデルにおいて、アンタゴニストによるPD-1/PD-L1阻害経路の遮断及び抗OX40/CD137 mAb2によるOX40及びCD137の二重アゴニスト作用が、単剤と比較して、抗腫瘍活性を高め、延命効果をもたらすことができたことを示す。
22.2.2 末梢薬力学的応答の評価
実施例22.2.1に記載された試験では、FS20m-232-91AA/Lob12.3に対する薬力学的応答を調節する抗PD-1アンタゴニストの能力も調べられ、単剤処置と比較された。投与開始から6日後(腫瘍細胞接種から16日後)に、処置群1、2、3及び5からランダムに選択した6匹のCT26担癌マウスの尾静脈からEDTA含有チューブに血液を回収した(表36)。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(Miltenyi Biotech、#130-094-183)で2回溶解した。細胞を、全てBD Bioscienceから提供された試薬CD4-BUV395(クローンRM4-5)、CD8-BUV737(クローン53-6.7)、CD44-BV510(クローンIM7)及びCD3e-BV786(クローン145-2C11)、全てeBioscienceから提供されたCD69-FITC(クローンH1.2F3)、NKp46-PE(クローン29A1.4)、PD-1-APC(クローンJ43)、CD45-Alexa700(クローン30-F11)及び固定可能生存率色素780、Biolegendから提供されたCD62L-BV421(クローンMEL-14)を用いて、Fcブロック(eBioscience、カタログ番号14-0161-86、1:50)の存在下で4℃30分間フローサイトメトリー分析のために染色した。次に、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscienceカタログ番号00-5523-00)で一晩、透過処理した。細胞を、Ki67及びFoxp3抗体(Ki67-PE-Cy7(クローンSolA15)及びFoxp3-PerCP-Cy5.5(クローンFJK-16s、両方ともeBioscienceから提供された)を用い、100μLの透過性緩衝液に再懸濁し、暗所で、室温で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で2回洗浄し、PBSプラス0.5% BSAに再懸濁した。次に、細胞をBD Fortessaサイトメーターで分析した。データ分析を、FlowJo、Excel及びGraphPad Prism7ソフトウェアで実施した。
増殖するKi67+CD4+T細胞(総CD45+CD3+CD4+)、Ki67+CD8+T細胞(総CD45+CD3+CD8+)及びKi67+NKp46+NK細胞(総CD45+CD3-NKp46+)の頻度は、上記されているように、フローサイトメトリー分析によって決定された。アイソタイプ対照と比較して、FS20m-232-91AA/Lob12.3は、以前の結果(実施例18)を確認した増殖Ki67+CD4+及びKi67+CD8+T細胞及び増殖Ki67+NK細胞の統計的に有意な増加を誘導した(対比較マン・ホイットニーノンパラメトリック検定;3つの免疫細胞集団全てについて、p≦0.005)。単剤抗PD-1アンタゴニスト抗体は、アイソタイプ対照と比較して、3つの免疫細胞集団に顕著な影響を及ぼさなかった。1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3及び抗PD-1抗体の組み合わせは、単剤又はアイソタイプ対照と比較して、増殖Ki67+CD4+T細胞、Ki67+CD8+T細胞及びKi67+NKp46+NK細胞のレベルが統計学的に有意に高かった(FS20m-232-91AA/Lob12.3単独(p≦0.05)と比較した増殖Ki67+CD4+T細胞のレベルに対する組み合わせの効果を除き、全ての統計的に有意な比較に対してp≦0.005であった)。
単剤抗PD-1抗体、mAb2 FS20m-232-91AA/Lob12.3及び抗PD-1抗体及びFS20m-232-91AA/Lob12.3の組み合わせによる末梢血PD-1発現T細胞(CD4+及びCD8+T細胞)並びにNK細胞に対する効果についても、上記のようにフローサイトメトリー分析により決定した。単剤抗PD-1抗体及びFS20m-232-91AA/Lob12.3は、アイソタイプ対照と比較して、PD-1発現CD4+及びCD8+T細胞の割合を増加させ、抗PD-1単独と比較して、FS20m-232-91AA/Lob12.3処置後のPD-1+細胞の頻度の中央値が高くなった。FS20m-232-91AA/Lob12.3単独では、アイソタイプ対照と比較して、PD-1+NK細胞の頻度が増加した。組み合わせは、単剤又はアイソタイプ対照いずれかと比較して、PD-1発現CD4+CD8+T細胞(NK細胞ではない)のレベルが統計学的に有意に高かった(対比較マン・ホイットニーノンパラメトリック検定;FS20m-232-91AA/Lob12.3単独(p≦0.05)と比較したPD-1発現CD4+T細胞の頻度に対する組み合わせの効果を除き、全ての統計的に有意な比較に対して、p≦0.005)。
抗腫瘍活性評価で得られた知見と一致して、PD-1/PD-L1阻害経路をアンタゴニストにより同時遮断し、OX40及びCD137を抗OX40/CD137 mAb2により二重アゴニスト作用させることで、抗腫瘍免疫を促進するための組み合わせアプローチの活用を支持する増殖T細胞及びNK細胞の薬力学的調節の増強をもたらした。
結論として、PD-1/PD-L1軸を遮断しながら、OX40及びCD137もアゴナイジングすると、PD-1/PD-L1単独を遮断するよりも効果が増大する。特に、抗OX40/CD137 mAb2と抗PD-1又は抗PD-L1抗体との組み合わせは、抗体単独の一つの応答よりも、使用よりも改善された効果をもたらした。実施例22.1に記載されたSEAアッセイにおいて、試験した抗PD-1又はPD-L1抗体のいずれも、0.1474nMのEC50を有した抗OX40/CD137 mAb2と比較して、いかなる活性も有しなかった。しかし、抗OX40/CD137 mAb2は、抗PD-1又は抗PD-L1抗体のいずれかと組み合わせて試験した場合、EC50値は、それぞれ0.2373nm及び0.5961nMであった。さらに、いずれかの組み合わせによって産生されたIL-2の最大応答は、抗OX40/CD137 mAb2単独のそれの2倍を超えるものであった。このインビトロデータは、抗PD-L1抗体又は抗PD-1抗体では活性が観察されない系において、これらの抗体のいずれかと抗OX40/CD137 mAb2を組み合わせることで、活性が顕著に向上することを示す。
このインビトロ活性は、実施例22.2に記載されているように、CT26腫瘍モデルにおいて、抗マウスOX40/CD137 mAb2単独又は抗PD-1抗体と組み合わせて、インビボで試験することによってさらに支持された。この試験の結果は、OX40/CD137 mAb2又は抗PD-1抗体単独(ここでは腫瘍のない動物はいなかった)と比較して、抗PD-1抗体とOX40/CD137 mAb2を組み合わせて処置した群から、より多くの動物が試験終了時に腫瘍がなかったことを示した。さらに、統計的に有意な延命効果も観察され(図13E)、増殖T細胞及びNK細胞の薬力学的調節は、mAb2又は抗PD-1抗体単独のいずれかと比較して、組み合わせ処置により増強された。
抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体について、インビトロ又はインビボ試験のいずれかで、活性は観察されなかったが、OX40/CD137 mAb2を併用投与した場合、顕著な向上が観察された。これは、そのような抗体と組み合わせたOX40/CD137 mAb2が抗腫瘍活性効果の増強をもたらし、このような組み合わせは、応答性がない、例えば難治性若しくは抵抗性又は抗PD-1抗体若しくは抗PD-L1抗体単剤療法後に再発した抗腫瘍の処置に適し得ることを示している可能性がある。
実施例23 - CT26同系腫瘍モデルにおける抗マウスOX40/CD137 mAb2の用量依存性、抗腫瘍活性及びCT26腫瘍細胞との再チャレンジに対する防御免疫記憶の確立
CT26同系マウス結腸直腸腫瘍モデルにおけるOX40/CD137サロゲートmAb2の用量及び抗腫瘍活性間の関係を評価するために、0.1から10mg/kgで5つの異なる用量レベルを評価した。
実施例17に記載された同じプロトコルに従って、8~10週齢で、約20gの体重の各BALB/c雌マウス(Charles River)に、CT26結腸癌細胞を各動物の左脇腹に皮下注射した。腫瘍細胞接種後の10日目、腫瘍を測定し腫瘍を確立された腫瘍を有しない動物は試験から除外された。残りのマウスを、1群あたり25匹の動物で6つの処置群にランダム化した。
アイソタイプ対照抗体(G1AA/4420)及びOX40/CD137サロゲートmAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)を濾過し、注射前にPBSで希釈した。各動物に、1回の投与あたり希釈抗体200μl容量を腹腔内投与し、20gのマウスについて1回の用量10mg/kgのG1AA/4420又は0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg又は10mg/kgFS20m-232-91AA/Lob12.3の最終用量を与えた。注射は、腫瘍接種後10日目から開始して、合計3回の用量にわたり、2日(Q2D)ごとに1回実施した。腫瘍体積は、カリパス測定により実施例17に記載されているように決定した。細胞接種後67日めで試験を終了し、腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的エンドポイントに達した時点で、動物を試験から除外した。
異なる用量レベルでG1AA/4420又はFS20m-232-91AA/Lob12.3のいずれかで処置された個々の動物について経時的な腫瘍体積を図14Aに示す。0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg又は10mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の用量レベルは、1群あたりそれぞれ4%(1/25)、4%(1/25)、8%(2/25)及び4%(1/25)の動物において、完全な腫瘍退縮(60日目に≦62.5mm3として定義される)を導いた。アイソタイプ対照の動物及び0.1mg/kgサロゲートmAb2群は、いずれも完全な腫瘍退縮を経験しなかった。
FS20m-232-91AA/Lob12.3及びG1AA/4420で処置した群間の平均腫瘍増殖速度の対比較は、実施例17で記載した混合モデル統計分析を使用して実施し、アイソタイプ対照と比較して、試験した全ての用量レベルで、(0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg及び10mg/kg)統計的に有意差(p<0.01)が観察された。(表37)。FS20m-232-91AA/Lob12.3は、0.1mg/kgから3mg/kgで投与した場合、用量依存的に平均腫瘍増殖速度(TGR)を低下させた(平均Log(TGR)は、それぞれ0.255529から0.156767)。3mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の平均TGRは、1mg/kg用量レベルについての平均TGRと統計的に差はなかった(p=0.18)。ただし、用量レベルを10mg/kgの増加は、3mg/kgの用量群と比較してTGRを速めた(p<0.001)。
生存分析は、試験した全ての用量レベルでのFS20m-232-91AA/Lob12.3が、対数順位(マンテル-コックス)検定を使用したアイソタイプ対照と比較して統計的に有意な延命効果をもたらしたことを示した(図14B)。1mg/kg及び3mg/kg群の比較は、生存に統計的な差を示さなかった。
結論として、腫瘍体積及び生存データは、OX40/CD137サロゲートmAb2をCT26マウス腫瘍モデルにおいて、インビボで抗腫瘍活性を発生させ得ることを、実施例17の知見を支持する図14A及び表37に示す。さらに、観察された抗腫瘍活性は、0.1mg/kgから1mg/kgへ用量依存的に増加しており、試験された高い用量レベル(3mg/kg及び10mg/kg)で維持された。
OX40/CD137サロゲートmAb2がCT26腫瘍細胞に対して、防御免疫記憶を誘導できるかどうかを試験するために、上記の本実施例の用量設定試験から完全な腫瘍退縮(完全奏効)を経験した動物に、第1の細胞接種後84日目に1×105のCT26細胞を皮下に再接種した。処置ナイーブ非担癌BALB/cマウスにも、対照群としてCT26細胞を接種した。上記のように腫瘍体積をモニターした。第1の細胞接種後137日目で試験を終了し、腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的エンドポイントに達した時点で、動物を試験から除外した。試験の終わりに、対照群のマウスの0%(0/4)が生き残ったが、対照的に、完全奏功の動物の100%(4/4)が生き残った。これらの結果は、マウスのサブセットにおいて、OX40/CD137サロゲートmAb2が、CT26細胞での再チャレンジに対する防御免疫記憶の完全な腫瘍退縮及び確立を誘発できることを示す。
実施例24 - CT26マウス腫瘍モデルにおける抗マウスOX40/CD137mAb2用量依存性、薬力学的応答
OX40/CD137サロゲートmAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)の用量レベル、投与頻度、末梢性薬力学的応答との関係を、CT26同系マウス結腸直腸腫瘍モデルを用いて評価した。1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg又は30mg/kgの異なる用量レベルのFS20m-232-91AA/Lob12.3を単回腹腔内(i.p.)注射又は1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3を3回のi.p.注射を2日に1回(Q2D)投与した場合を比較した。FS20m-232-91AA/Lob12.3の薬力学的応答、具体的には、循環T細胞に対するサロゲートmAb2の効果を、実施例18に記載したように、血液中の免疫細胞サブセットのフローサイトメトリー分析によって評価した。
実施例17に記載された同じプロトコルに従って、8~10週齢で、約20gの体重の各BALB/c雌マウス(Charles River)に、CT26結腸癌細胞を各動物の左脇腹に皮下注射した。腫瘍細胞接種後の10日目、腫瘍を測定し腫瘍を確立された腫瘍を有しない動物は試験から除外された。残りのマウスを1群あたり6匹の動物で6つの処置群にランダム化した。
アイソタイプ対照抗体(G1AA/4420)及びOFS20m-232-91AA/Lob12.3を濾過し、注射前にPBSで希釈した。各動物に、1回の投与あたり希釈抗体200μl容量を腹腔内投与し、20gのマウスについて1回の用量30mg/kgのG1AA/4420又は1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、30mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の最終用量を与えた。腫瘍接種後10日目から開始して、動物に、G1AA/4420(30mg/kg)若しくはFS20m-232-91AA/Lob12.3(1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg若しくは30mg/kg)の単回腹腔内注射又はFS20m-232-91AA/Lob12.3(1用量あたり1mg/kg)の合計3回の投与を2日に1回(Q2D)与えた。腫瘍体積は、カリパス測定により実施例17に記載されているように決定した。動物は、投与開始から6日後(細胞接種後16日目)に試験から除外した。
血液は、心臓穿刺によりEDTA含有チューブに回収した。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(Miltenyi Biotech、#130-094-183)で2回溶解した。細胞を、Fcブロック(eBioscience、カタログ番号14-0161-86)の存在下において、全てBD Bioscienceから提供されたCD4-BUV395(クローンRM4-5)、CD8-BUV737(クローン53-6.7)、CD44-BV510(クローンIM7)及びCD3e-BV786(クローン145-2C11);全てeBioscienceから提供されたCD69-FITC(クローンH1.2F3)、NKp46-PE(クローン29A1.4)、CD45-Alexa700及び固定可能生存率色素780;並びにBiolegendによって提供されたCD62L-BV421(クローンMEL-14)の試薬を用いてフローサイトメトリー分析のために染色した。次に、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscience、カタログ番号00-5523-00)で一晩、透過処理した。細胞は、Biolegendから提供された抗Gzmb、抗Ki67及び抗Foxp3抗体(Gzmb-AF647(クローンGB11)及び両方ともeBioscienceから提供されたKi67-PE-Cy7(クローンSolA15)及びFoxp3-PerCP-Cy5.5(クローンFJK-16s)を用い、100μl透過処理緩衝液に再懸濁し、暗所で、室温で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で2回洗浄し、PBSプラス0.5%BSAで再懸濁した。次に、細胞をBD Fortessaサイトメーターで分析した。データ分析を、FlowJo、Excel及びGraphPad Prism7ソフトウェアを使用して実行した。
初回投与から6日目の末梢血中のKi67+CD8+(全CD8+のうち)及びKi67+CD4+(全CD4+のうち)増殖T細胞の頻度をフローサイトメトリー分析により測定した。1mg/kg及び10mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の単回投与では、アイソタイプ対照と比較して、Ki67+CD4+増殖T細胞の頻度が統計学的に有意に増加した。1mg/kg、3mg/kg及び10mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3の単回投与では、アイソタイプ対照と比較して、Ki67+CD8+増殖T細胞の頻度が統計学的に有意に増加した。
Ki67+CD8+増殖T細胞は、1mg/kgの単回投与レベルで最も高い傾向があり、Ki67+CD4+増殖T細胞は1mg/kg及び10mg/kgの投与レベルで最も高い傾向があった。30mg/kgの用量レベルの増加は、アイソタイプ対照と比較して、Ki67+CD8+及びKi67+CD4+T細胞に顕著な影響はなかった。注目すべきことに、どの用量レベルでも明白な臨床所見又は体重減少は観察されなかった。
複数回投与群(1mg/kgのFS20m-232-91AA/Lob12.3 Q2D 3回投与時)及び1mg/kg単回投与群を比較したところ、Ki67+CD8+及びKi67+CD4+T細胞レベルに統計的有意差は認められなかった(対応のないマン・ホイットニー検定、それぞれp=0.4848、p=0.0931)。このデータは、少なくともこの試験で評価された6日間以内の複数回投与が、末梢Ki67+薬力学的調節に追加の効果をもたらさなかったことを示唆する。
実施例18の結果と一致して、この実験は、OX40/CD137サロゲートmAb2が循環T細胞に影響を及ぼし、1mg/kgから10mg/kgの用量レベルで、増殖(Ki67+)CD8+T細胞の頻度を有意に増加させ、1mg/kg及び10mg/kgの用量レベルで、増殖(Ki67+)CD4+T細胞の頻度を有意に増加させることを示す。
実施例25 - CT26マウス腫瘍モデルにおける抗マウスOX40/CD137 mAb2の薬力学的応答に対するCD4T細胞枯渇の影響
CD137-及びOX40-を標的とする共刺激抗体の組み合わせは、マウスにおけるブドウ球菌腸毒素A投与後に、いずれか一方の薬剤単独と比較して特異的CD8+T細胞クローン拡大培養を相乗的に増強することが以前に示されている(Lee et al., 2004年)。機構的に、Lee et alが、CD4T細胞が、増強された特異的CD8+T細胞応答を促進する役割を果たすことを実証した。CT26マウス腫瘍モデル及びマウスCD4 T細胞枯渇抗体を用いて、OX40/CD137サロゲートmAb2での処置に応答して、宿主CD4 T細胞が、末梢CD8+T細胞の活性化及び増殖に必要であるか又はそれに寄与するかどうかを試験した。
実施例17に記載された同じプロトコルに従って、8~10週齢で、約20gの体重のBALB/c雌マウス(Charles River)に、CT26結腸癌細胞を各動物の左脇腹に皮下注射した。動物を7日目に処置群にランダム化し、各時点で1群あたり5匹の動物がいた。
前述のように、抗体を分析し、不純物について確認した。アイソタイプ対照抗体(G1/4420)及びOX40/CD137サロゲートmAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)をPBSで最終濃度0.1mg/mlに希釈した。抗マウスCD4抗体(GK1.5;BioXCell、カタログ番号BE0003-1)を、PBSで最終濃度1mg/mlに希釈した。各動物に、1回の投与あたり希釈抗体200μl容量を投与し、20gのマウスについて1mg/kg(G1/4420又はFS20m-232-91AA/Lob12.3)又は10mg/kg(GK1.5)のいずれかの最終用量を与えた。G1/4420及びFS20m-232-91AA/Lob12.3は、細胞接種後10日目、12日目及び14日目に腹腔内(ip)注射によって動物に投与された。GK1.5のI.p.注射は、8日目、9日目、11日目、13日目及び15日目に与えられた。
細胞接種後16日目に動物を試験から除外し、フローサイトメトリー分析のために組織を回収した。血液は、心臓穿刺によりEDTA含有チューブに回収した。実施例19に記載されている同じプロトコルに従って、凝固していない血液の赤血球を、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(Miltenyi Biotech、#130-094-183)で2回溶解し、製造元の指示に従って腫瘍を、腫瘍解離キット、マウス(Miltenyi Biotech、130-096-730)及びgentleMACS Dissociator(Miltenyi Biotech)を使用して解離した。得られた腫瘍細胞懸濁液を、70μmセルストレーナー(Corning、カタログ番号352350)を使用して濾し、洗浄し、PBSに再懸濁した。脾臓からの細胞懸濁液は、脾臓を70μmセルストレーナー(Corning)に押し込み、赤血球溶解緩衝液(Milteny Biotech)でインキュベートすることにより、赤血球を溶解し、残りの脾臓細胞を洗浄してPBSに再懸濁することにより調製した。
細胞を最初に、Fcブロック(eBioscience、カタログ番号14-0161-86)の存在下において、全てeBioscienceによって提供された試薬CD4-E450(クローンGK1.5)、CD69-PE-Cy5(クローンH1.2F3)、CD3-PE-Cy7(クローン145-2C11)、CD8-APC(クローン53-6.7)及び固定可能生存率色素780並びにBD Bioscienceより提供されたCD45-V500(クローン30-F11)で染色した。次に、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscience、カタログ番号00-5523-00)で、透過処理した。細胞を、Fcブロック(全て1:100)の存在下において、(両方ともeBioscienceから提供の抗Ki67及び抗Foxp3抗体(Ki67-FITC(クローンSolA15)及びFoxp3-PE(クローンFJK-16s)を用い、100μlの透過処理緩衝液に再懸濁し、暗所で、4℃で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で1回洗浄し、200μlのPBSに再懸濁した。細胞をBD FACS CantoIIサイトメーターで分析した。データ分析を、FlowJo、Excel及びGraphPad Prismソフトウェアを使用して実行した。処置群間の対比較を、GraphPadPrismソフトウェア内の両側マン・ホイットニー検定を使用して実行した。
FS20m-232-91AA/Lob12.3単独での処置は、アイソタイプ対照処置動物と比較して、血液と脾臓における活性化CD69+及び増殖Ki67+CD8+T細胞の割合及び腫瘍における増殖Ki67+CD8+T細胞の割合の統計学的に有意な増加を誘導した。
FS20m-232-91AA/Lob12.3とCD4+T細胞枯渇抗体GK1.5との組み合わせも、アイソタイプ対照と比較して、血中の増殖Ki67+CD8+T細胞が、統計的に有意な増加を導いたが、この増加は、FS20m-232-91AA/Lob12.3単剤処置動物で観察された増加よりも有意に低かった。増殖CD8+T細胞のレベルは、FS20m-232-91AA/Lob12.3プラスCD4+T細胞枯渇抗体GK1.5で処置と比較した場合、FS20m-232-91AA/Lob12.3単独での処置後の脾臓及び腫瘍組織において、統計的に有意差は認められなかった。
血液中の活性化CD69+CD8+T細胞の増加を誘導したFS20m-232-91AA/Lob12.3は、GK1.5抗体により阻害され、アイソタイプ対照群及びFS20m-232-91AA/Lob12.3プラスCD4枯渇群間に統計的に有意差は認められなかった(それぞれCD8T細胞全体の中央値1.6%及び2.33%)。FS20m-232-91AA/Lob12.3単剤群及びFS20m-232-91AA/Lob12.3プラスCD4枯渇群の比較は、活性化CD8+T細胞の頻度が脾臓において(それぞれ中央値頻度29.3%対6.45%、枯渇を有しない及び枯渇を有する)及び腫瘍において(それぞれ中央値頻度86.4%対66.5%、枯渇を有する及び枯渇を有しない)、有意に低下することを示した。
実施例18に記載したように以前の知見と一致して、OX40/CD137サロゲートmAb2は、活性化(CD69+)及び増殖(Ki67+)CD8 T細胞の頻度を増加し、本試験の結果は、CD4+T細胞の枯渇が、このOX40/CD137 mAb2媒介末梢薬力学的応答に悪影響を与えたことを示す。さらに、このデータは、抗OX40/CD137 mAb2活性をインビボにおいて、媒介するCD4+及びCD8+T細胞の潜在的な相互作用及びCD4+T細胞が、抗OX40/CD137 mAb2とインビボにおけるCD8+T細胞免疫の最適な共刺激に必要とされ得ると示唆する。
実施例26 - カニクイザル細胞ベースアッセイにおけるOX40/CD137 mAb2の機能活性及びカニクイザルにおけるOX40/CD137 mAb2の薬力学的応答及び忍容性
26.1 カニクイザル細胞ベースアッセイにおけるOX40/CD137 mAb2の機能活性
実施例13に記載された一次T細胞アッセイと類似した一次PBMCアッセイを、分離された活性化T細胞の代わりにPBMCを使用して実施し、内因的に発現されたヒト及びカニクイザル受容体に対する抗ヒトFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2の相対的効力を確立した。簡単に説明すると、カニクイザル又はヒトPBMCを分離し、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2又は3日間(カニクイザル)又は4日間(ヒト)、アイソタイプ対照の漸増濃度の存在下において、T細胞活性化の尺度として機能するIL-2放出で、コーティングされた抗CD3抗体を用いて刺激した。
カニクイザルのPBMCに対するmAb2の機能活性(平均EC50=0.28±0.15nM)を均等なヒトアッセイで観察される活性と類似していることが観察された(平均EC50=0.26±0.1nMのIL-2)。したがって、カニクイザルは、mAb2のための毒性試験のための薬理学的に関連する種であると考えられる。
26.2 カニクイザルにおけるOX40/CD137 mAb2に対する忍容性及び薬力学的応答
ヒト抗ヒトOX40/CD137 mAb2 FS20-22-49AA/FS30-10-16の忍容性を評価するために、予備的な用量範囲探索試験を実施し、カニクイザルを用いたFS20-22-49AA/FS30-10-16に応答する主要白血球集団の割合の薬力学的変化の可能性及び特異的T細胞サブセットの増殖及び活性化の誘導を評価した。
簡単に説明すると、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2は、単回投与又は反復投与として静脈内注入を介してカニクイザルに投与した。体重、食餌量、臨床所見、血液学及び血液化学などの標準的な毒物学パラメーターについて、試験期間中の忍容性評価を評価した。
FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2は、臨床化学及び組織病理学の結果によって決定されるように、30mg/kgの週投与までの良好な忍容性であった。
CT26同系マウス腫瘍モデル(実施例18)における循環T細胞に対する抗マウスOX40/CD137 mAb2の効果を評価するための研究の所見と一致して、中枢記憶及びエフェクター記憶CD4+及びCD8+T細胞並びにKi67及びある程度CD69の発現の増加によって測定されたNK細胞においても、細胞増殖及び活性化における薬物関連の増加が観察された。
これらの結果から、抗ヒトFS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2は、カニクイザルにおいてインビボで強力な薬理学的活性を有し、30mg/kgまでの良好な忍容性であることが強く示唆された。さらに、本試験で生成された薬力学的データは、実施例18に記載されたマウス薬力学試験において、OX40/CD137サロゲートmAb2について観察されたデータと一致しており、ヒト癌患者において、FS20-22-49AA/FS30-10-16 mAb2のようなOX40及びCD137を結合するmAb2の抗腫瘍効果及び忍容性を期待されることについてのさらなる証拠を提供する。
実施例27 - BALB/cマウスにおけるOX40/CD137 mAb2の肝臓薬理学
CD137アゴニスト抗体は、マウスの前臨床モデルにおいて、肝臓T細胞浸潤の増加を誘導し、1つのCD137アゴニスト抗体は、臨床において1mg/kgを上回る用量で肝臓毒性を誘導することが示されている(Dubrot et al., 2010;Segal et al., 2017)。したがって、BALB/cマウスにおける抗マウスOX40/CD137 mAb2の効果は、CD137アゴニスト抗体と比較して肝臓T細胞浸潤が増加しているかどうかを決定するために試験された。血液及び脾臓組織を対照として使用し、T細胞レベル並びにT細胞増殖及び活性化を試験した。試験した抗体の詳細を表38に示す。
血液、脾臓及び肝臓における増殖T細胞の増加、活性化及び誘導するmAb2(FS20m-232-91AA/Lob12.3)の能力を、mAb単剤(G1/OX86、G1/Lob12.3、G1/3H3及びG1/4420)及び組み合わせ(G1/OX86及びG1/Lob12.3)の対照と比較した。8~10週齢及び体重約20gの各BALB/c雌マウス(Charles River)は、試験開始前の1週間休息させた。全ての動物は、マイクロチップ化され、固有の識別子が与えられた。各コホートには6匹のマウスがいた。
注射の24時間前に、抗体をSEC-HPLCプロファイリングで分析し、不純物について確認した。抗体をPBSで1mg/mlの最終濃度に希釈し、200μl/マウスに腹腔内(IP)注射して、20gのマウスについて10mg/kgの最終用量を与えた。注射は、試験の0日目、2日目及び4日目(2日ごとに1回の投与)に実施された。3回目の投与から7日後及び14日後に、1群あたり3匹のマウスを安楽死させ、解剖により脾臓及び肝臓を分離し、心臓穿刺により血液を回収した。
肝臓と脾臓を、Miltenyi dissociationキット(肝臓-Miltenyi、130-105-807;脾臓-Miltenyi、130-095-926)を製造元の指示に従って使用して解離した。得られた細胞懸濁液を70μMセルストレーナー(Corning、カタログ番号352350)を使用して濾し、遠心分離(1500rpmで10分間)し、PBSで1回洗浄し、5mlのPBSに再懸濁した。
血液は、心臓穿刺によりEDTA含有チューブに回収された。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(eBioscience、カタログ番号00-4300-54)で2回溶解した。
腫瘍及び血液から分離された細胞を、実施例19に詳述の抗体パネル及び試薬を使用して、フローサイトメトリー用に染色した(Stain1)。細胞をPBSで洗浄し、その後100μlの抗体ミックス1(Ki67及びFoxP3抗体を除く全て)と共に4℃で30分間インキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄し、その後、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscience、カタログ番号00-5523-00)で透過処理した。簡単に説明すると、200μlの固定液を各ウェルに加え、4℃の暗所で一晩放置した。次に、細胞を200μlの透過処理緩衝液で洗浄した。次に、細胞を再度回転させ、Fcブロック(全て1:100希釈)の存在下において、Ki67及びFoxp3抗体を有する100μlの透過処理緩衝液に再懸濁し、4℃の暗所で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で1回洗浄し、200μlのPBSに再懸濁した。次に、細胞をBD FACS CantoIIフローサイトメーターで分析した。
FlowJoX、Excell及びGraphPadPrismソフトウェアを使用してデータを分析した。群を比較するための統計分析を、一元配置分散分析を使用して実行し、続いてGraphPadPrismソフトウェアパッケージを使用して、各ペアのテューキーの多重比較検定を実行した。データを母集団の割合として表した。
その結果は、架橋非依存性CD137アゴニスト抗体(G1/3H3)が、7日目と14日目の両方で肝臓、脾臓、血液中のT細胞レベルの増加を誘導し、これらのT細胞が、アイソタイプ対照抗体(G1/4420)と比較して、増殖と活性化のレベルの増加を示したことを示した。架橋依存性CD137アゴニスト抗体(G1/Lob12.3)は、肝臓、脾臓又は血液中におけるT細胞レベル、増殖又は活性化のいずれにおいても顕著な増加を示さなかった。OX40アゴニスト抗体(G1/OX86)は、いずれの組織においてもT細胞レベルの増加を誘導しなかったが、試験7日目には、肝臓、脾臓、血液中のT細胞増殖レベルの上昇を示し、14日目にはアイソタイプ対照レベルに戻った。OX40及び架橋依存性CD137アゴニスト抗体(G1/OX86及びG1/Lob12.3)の組み合わせは、7日目に肝臓T細胞浸潤レベルの増加を示し、7日目に肝臓で、7日目及び14日目に脾臓(顕著でない)及び血液中で、T細胞増殖が増加し、14日目で肝臓及び血液中、7日目及び14日目に脾臓でT細胞活性化が増加した。OX40/CD137 mAb2は、7日目に肝臓T細胞浸潤レベル(顕著ではない)及び血中T細胞レベルの増加を示し、14日目までにアイソタイプ対照レベルに戻り、7日目で肝臓(顕著ではない)、脾臓及び血液中のT細胞増殖を増加し、これは、14日目までにアイソタイプ対照レベルに戻ったことも示した。これらの結果は、架橋非依存性CD137アゴニスト(G1/3H3)のみが、肝臓、さらに脾臓及び血液において、上昇し持続的なT細胞浸潤、増殖及び活性化を誘導したことを示しており、本発明のOX40/CD137標的化抗体分子は、架橋非依存性CD137アゴニスト抗体よりも低い肝毒性リスクを有する可能性があることを示唆する。これらの結果は、クローン3H3によって誘導された架橋非依存性CD137アゴニスト作用と、この試験でこの架橋非依存性クローンで観察された肝臓T細胞炎症の増加との関連の可能性を高めている。
実施例28 - CT26同系腫瘍マウスにおける異なる抗CD137 Fabクローンを含有するOX40/CD137 mAb2抗体の比較
実施例27において、架橋非依存性CD137アゴニスト抗体(G1/3H3)は、BALB/cマウスにおいて、上昇し持続的なT細胞浸潤、増殖及び活性化レベルを誘導することが観察された。この増加した活性がOX40/CD137 mAb2との関連で有益な抗腫瘍活性を有するかどうかを試験するために、CT26同系腫瘍モデルを使用して、インビボで、2つの異なる抗マウスOX40/CD137 mAb2の活性を比較した。1つはCD137アゴニストが架橋依存性クローンLob1.23であり、もう1つはCD137アゴニストが架橋非依存性クローン3H3である。CT26同系腫瘍モデルは、OX40及びCD137アゴニスト抗体の両方に感受性であることが以前に示されており、CT26腫瘍から分離した腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、OX40及びCD137の両方を発現する。
28.1 CT26同系腫瘍モデルにおける異なる抗CD137 Fabクローンを含有するOX40/CD137 mAb2の抗腫瘍活性
2つの異なるOX40/CD137 mAb2、FS20m-232-91AA/3H3(配列番号169及び167)及びFS20m-232-91AA/Lob12.3(表38を参照されたい)の抗腫瘍活性を、CT26同系マウス腫瘍モデルにおいてインビボで決定し、アイソタイプ対照抗体(G1/4420;表38を参照されたい)の活性と比較した。さらに、2つのOX40/CD137 mAb2によって血中に誘導されたT細胞の増殖及び活性化のレベルを分析し、アイソタイプ対照抗体によって誘導されたものと比較した。8~10週齢及び体重約20gの各BALB/c雌マウス(Charles River)は、試験開始前の1週間休息させた。全ての動物は、マイクロチップ化され、固有の識別子が与えられた。各コホートは10匹のマウスがいた。CT26結腸癌細胞株(ATCC、CRL-2638)を最初に拡大培養し、保存し、その後IMPACT Iプロトコルを用いて病原体に対するIDEXX Bioresearchにより予備スクリーニングし、病原体フリーであることを示した。CT26細胞(約3~5×106)を150℃の保存から解凍し、T175組織培養フラスコ内の10%FCS(Gibco、10270-106)を含む20ml DMEM(Gibco、61965-026)に添加した。イソフルラン(Abbott Laboratories)を使用して、マウスを麻酔し、各動物に1×106細胞を左脇腹に皮下注射した。腫瘍細胞接種後10日目に、マウスの健康状態及び腫瘍増殖をモニターし、試験コホートに分類してランダム化した。この時点で腫瘍を有しないマウスは全て試験から除外された。
注射の24時間前に、抗体をSEC-HPLCプロファイリングで分析し、不純物について確認した。抗体をPBSで0.1mg/mlの最終濃度に希釈し、200μl/マウスに腹腔内(IP)注射して、20gのマウスについて1mg/kgの最終用量を与えた。注射は、腫瘍接種後10日目、12日目及び14日目に(2日ごとに1回投与)実施された。動物を盲検法で週3回、麻酔下で健康スクリーニングし、その間に腫瘍の正確な測定が行われた。腫瘍体積は、カリパス測定により決定された(実施例17に記載されたように)。細胞接種後35日めで試験を終了し、腫瘍体積及び状態に基づいて、人道的エンドポイントに達した時点で、動物を試験から除外した。処置群、試験された分子、用量及び投与スケジュールを表39に要約する。21日目の腫瘍体積は、GraphPadPrismソフトウェアを使用して、二元配置分散分析及びテューキーの多重比較検定によって統計的に検定された。生存率の統計的検定は、GraphPad Prismソフトウェアを使用した対数順位検定(マンテル-コックス)によって実行された。
図15A及び図15Bに示されるように、2つのOX40/CD137 mAb2抗体のいずれかによる処置は、アイソタイプ対照抗体による処置と比較して腫瘍増殖を遅延させ、生存を増加させた。腫瘍増殖又は生存における違いは、それぞれFS20m-232-91AA/3H3 mAb2及びFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2で処置したマウス間で観察されなかった。このデータは、実施例27に記載されるように、架橋非依存性CD137アゴニスト(G1/3H3)について観察されたT細胞活性化及び増殖の増加にもかかわらず、抗CD137 Fabクローンが、架橋非依存性クローン3H3(FS20m-232-91AA/3H3)であるOX40/CD137 mAb2での抗腫瘍活性は、抗CD137 Fabクローンが架橋依存性クローンLob12.3(FS20m-232-91AA/Lob12.3)であるOX40/CD137 mAb2と比較して増加しないことを示唆する。
28.2 CT26同系腫瘍モデルにおける異なる抗CD137 Fabクローンを含有するOX40/CD137 mAb2の末梢薬力学的応答の評価
上記の実施例28.1の試験の延長において、3回目の投与の5日後(すなわち腫瘍接種後19日目)に、血液を5匹のマウスの尾静脈からEDTA含有チューブに回収した。凝固していない血液の赤血球は、製造元の指示に従って、赤血球溶解緩衝液(eBioscience、カタログ番号00-4300-54)で2回溶解した。
腫瘍及び血液から分離された細胞を、実施例19に詳述の抗体パネル及び試薬を使用して、フローサイトメトリー用に染色した(Stain1)。細胞をPBSで洗浄し、その後100μlの抗体ミックス1(Ki67及びFoxP3抗体を除く全て)と共に4℃で30分間インキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄し、その後、製造元の指示に従って、細胞を固定し、eBioscience Foxp3染色キット(eBioscience、カタログ番号00-5523-00)で透過処理した。簡単に説明すると、200μlの固定液を各ウェルに加え、4℃の暗所で一晩放置した。次に、細胞を200μlの透過処理緩衝液で洗浄した。次に、細胞を再度回転させ、Fcブロック(全て1:100希釈)の存在下において、Ki67及びFoxp3抗体を有する100μlの透過処理緩衝液に再懸濁し、4℃の暗所で30分間インキュベートした。次に、細胞を透過処理緩衝液で1回洗浄し、200μlのPBSに再懸濁した。次に、細胞をBD FACS CantoIIフローサイトメーターで分析した。
FlowJoX、Excell及びGraphPadPrismソフトウェアを使用してデータを分析した。群を比較するための統計分析を、一元配置分散分析を使用して実行し、続いてGraphPadPrismソフトウェアパッケージを使用して、各ペアのテューキーの多重比較検定を実行した。
FS20m-232-91AA/3H3は、アイソタイプ対照抗体(G1/4420)及びFS20m-232-91AA/Lob12.3と比較して、血中T細胞レベルの統計的に有意な増加を誘導した。FS20m-232-91AA/3H3によって誘導されるこれらの増加したT細胞レベルは、G1/4420アイソタイプ対照及びFS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2について観察されたそれらの細胞タイプの相対的割合と比較して、CD4+T細胞の相対的割合の統計的に有意な減少及びCD8+T細胞の相対的割合の統計的に有意な増加を伴った。両方のOX40/CD137 mAb2抗体は、CD4+及びCD8+T細胞の増殖も誘導したが、FS20m-232-91AA/3H3により誘導したレベルは、FS20m-232-91AA/Lob12.3 mAb2で誘導したレベルより顕著に高かった。FS20m-232-91AA/3H3 mAb2は、アイソタイプ対照と比較して、活性化CD4+T細胞のレベルの増加を誘導した。アイソタイプ対照処置コホートと比較して、FS20m-232-91AA/Lob12.3又はFS20m-232-91AA/3H3で処置したマウスにおける活性化T細胞及び活性化CD8+T細胞のレベルの変化は、FS20m-232-91AA/Lob12.3で処置したマウスにおける活性化CD4+T細胞のレベルの変化と同様に、少量で、統計学的に有意ではなかった。これらの結果は、架橋非依存性CD137アゴニストクローン3H3が、OX40/CD137 mAb2との関連で、架橋依存性CD137アゴニストクローンLob12.3と比較して、OX40/CD137 mAb2との関連で、活性であり、増加したT細胞レベル及び増殖を誘導することができ、したがって、実施例27に記載されたBALB/cマウス試験において観察されたように、モノクローナル抗体(mAb)としてクローン3H3によって誘導されたT細胞レベルの増加及び増殖と一致することを示す。
抗腫瘍活性データと共に、これらの結果は、OX40/CD137 mAb2との関連で、架橋非依存性CD137アゴニストによって誘導されるT細胞レベルの増加及び増殖の抗腫瘍応答に関して付加的な利益がないことを示唆する。これらの結果は、肝臓T細胞炎症の増加が、クローン3H3によって誘導された架橋非依存性CD137アゴニスト作用について観察された実施例27の結果と併せて、OX40に対する結合に依存するCD137アゴニスト作用であるOX40/CD137 mAb2を使用することが、癌と戦うための免疫系を刺激する安全及び効果的な方法を提供し得ることを示唆する。
配列表
FS30-10-16 mAbのCDRアミノ酸配列(IMGT)
VH CDR1-GFTFSSYD(配列番号1)
VH CDR2-IDPTGSKT(配列番号2)
VH CDR3-ARDLLVYGFDY(配列番号3)
VL CDR1-QSVSSSY(配列番号4)
VL CDR2-GAS(配列番号5)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-16 mAbのCDRアミノ酸配列(Kabat)
VH CDR1-SYDMS(配列番号7)
VH CDR2-DIDPTGSKTDYADSVKG(配列番号8)
VH CDR3-DLLVYGFDY(配列番号9)
VL CDR1-RASQSVSSSYLA(配列番号10)
VL CDR2-GASSRAT(配列番号11)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-16 mAbの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号12)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-16 mAbの重鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号13)
FS30-10-16 mAbの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号14)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-16 mAbの軽鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号15)
FS30-10-3 mAbのCDRアミノ酸配列(IMGT)
VH CDR1-GFTFSSYD(配列番号1)
VH CDR2-IDPTGSKT(配列番号2)
VH CDR3-ARDLNVYGFDY(配列番号16)
VL CDR1-QSVSSSY(配列番号4)
VL CDR2-GAS(配列番号5)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-3 mAbのCDRアミノ酸配列(Kabat)
VH CDR1-SYDMS(配列番号7)
VH CDR2-DIDPTGSKTDYADSVKG(配列番号8)
VH CDR3-DLNVYGFDY(配列番号17)
VL CDR1-RASQSVSSSYLA(配列番号10)
VL CDR2-GASSRAT(配列番号11)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-3 mAbの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号18)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-3 mAbの重鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号19)
FS30-10-3 mAbの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号14)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-3 mAbの軽鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号20)
FS30-10-12 mAbのCDRアミノ酸配列(IMGT)
VH CDR1-GFTFSSYD(配列番号1)
VH CDR2-IDPTGSKT(配列番号2)
VH CDR3-ARDLTVYGFDY(配列番号21)
VL CDR1-QSVSSSY(配列番号4)
VL CDR2-GAS(配列番号5)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-12 mAbのCDRアミノ酸配列(Kabat)
VH CDR1-SYDMS(配列番号7)
VH CDR2-DIDPTGSKTDYADSVKG(配列番号8)
VH CDR3-DLTVYGFDY(配列番号22)
VL CDR1-RASQSVSSSYLA(配列番号10)
VL CDR2-GASSRAT(配列番号11)
VL CDR3-QQSYSYPVT(配列番号6)
FS30-10-12 mAbの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号23)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-12 mAbの重鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号24)
FS30-10-12 mAbの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号14)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-10-12 mAbの軽鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号20)
FS30-35-14 mAbのCDRアミノ酸配列(IMGT)
VH CDR1-GFTFSAYN(配列番号25)
VH CDR2-ISPYGGAT(配列番号26)
VH CDR3-ARNLYELSAYSYGADY(配列番号27)
VL CDR1-QSVSSSY(配列番号4)
VL CDR2-GAS(配列番号5)
VL CDR3-QQYYYSSPIT(配列番号28)
FS30-35-14 mAbのCDRアミノ酸配列(Kabat)
VH CDR1-AYNIH(配列番号29)
VH CDR2-DISPYGGATNYADSVKG(配列番号30)
VH CDR3-NLYELSAYSYGADY(配列番号31)
VL CDR1-RASQSVSSSYLA(配列番号10)
VL CDR2-GASSRAT(配列番号11)
VL CDR3-QQYYYSSPIT(配列番号28)
FS30-35-14 mAbの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号170)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-35-14 mAbの重鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号171)
FS30-35-14 mAbの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号172)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-35-14 mAbの軽鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号32)
FS30-5-37 mAbのCDRアミノ酸配列(IMGT)
VH CDR1-GFTFSSYA(配列番号33)
VH CDR2-ISGSGGST(配列番号34)
VH CDR3-ARSYDKYWGSSIYSGLDY(配列番号35)
VL CDR1-QSVSSSY(配列番号4)
VL CDR2-GAS(配列番号5)
VL CDR3-QQYYSYYPVT(配列番号36)
FS30-5-37 mAbのCDRアミノ酸配列(Kabat)
VH CDR1-SYAMS(配列番号37)
VH CDR2-AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号38)
VH CDR3-SYDKYWGSSIYSGLDY(配列番号39)
VL CDR1-RASQSVSSSYLA(配列番号10)
VL CDR2-GASSRAT(配列番号11)
VL CDR3-QQYYSYYPVT(配列番号36)
FS30-5-37 mAbの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号40)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-5-37 mAbの重鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号41)
FS30-5-37 mAbの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号42)
CDR IMGT番号付け(太字の斜体)、CDR Kabat番号付け(下線付きの斜体)
FS30-5-37 mAbの軽鎖可変ドメインの核酸配列(配列番号43)
WT CH3ドメイン構造ループのアミノ酸配列
WT ABループ-RDELTKNQ(配列番号44)
WT CDループ-SNGQPENNY(配列番号45)
WT EFループ-DKSRWQQGNV(配列番号46)
WT CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号47)
AB、CD、EFループは下線が付されている
LALA変異を有するCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号49)
LALA変異は下線が付されている
LALA変異及びP114A変異を有するCH2ドメインのアミノ酸配列(配列番号50)
LALA変異は下線が付され、P114A変異は太字で下線が付されている
Fcab FS20-22-49 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-49 第1の配列-YWDQE(配列番号51)
FS20-22-49 第2の配列-DEQFA(配列番号52)
FS20-22-49 第3の配列-QYRWNPADY(配列番号53)
Fcab FS20-22-49 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号54)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-22-49 CH3ドメインの核酸配列(配列番号55)
Fcab FS20-22-49 CH3ドメインAB、CD及びEFループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-49 ABループ-RDEYWDQE(配列番号56)
FS20-22-49 CDループ-SNGDEQFAY(配列番号57)
FS20-22-49 EFループ-DQYRWNPADY(配列番号58)
Fcab FS20-22-38 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-38 第1の配列-YWDQE(配列番号51)
FS20-22-38 第2の配列-AEKYQ(配列番号59)
FS20-22-38 第3の配列-QYRWNPGDY(配列番号60)
Fcab FS20-22-38 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号61)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-22-38 CH3ドメインの核酸配列(配列番号62)
Fcab FS20-22-41 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-41 第1の配列-YWDQE(配列番号51)
FS20-22-41 第2の配列-DEQFA(配列番号52)
FS20-22-41 第3の配列-QYRWNPGDY(配列番号60)
Fcab FS20-22-41 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号63)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-22-41 CH3ドメインの核酸配列(配列番号64)
Fcab FS20-22-47 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-47 第1の配列-YWDQE(配列番号51)
FS20-22-47 第2の配列-DEQFA(配列番号52)
FS20-22-47 第3の配列-QYRWSPGDY(配列番号65)
Fcab FS20-22-47 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号66)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-22-47 CH3ドメインの核酸配列(配列番号67)
Fcab FS20-22-85 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-22-85 第1の配列-YWDQE(配列番号51)
FS20-22-85 第2の配列-DEQFA(配列番号52)
FS20-22-85 第3の配列-QYRWNPFDD(配列番号68)
Fcab FS20-22-85 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号69)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-22-85 CH3ドメインの核酸配列(配列番号70)
Fcab FS20-31-58 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-58 第1の配列-YYSGE(配列番号71)
FS20-31-58 第2の配列-QPEND(配列番号72)
FS20-31-58 第3の配列-PYWRWGSPRT(配列番号73)
Fcab FS20-31-58 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号74)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-58 CH3ドメインの核酸配列(配列番号75)
Fcab FS20-31-66 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-66 第1の配列-YYSGE(配列番号71)
FS20-31-66 第2の配列-QPEND(配列番号72)
FS20-31-66 第3の配列-PYWRWGVPRT(配列番号76)
Fcab FS20-31-66 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号77)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-66 CH3ドメインの核酸配列(配列番号78)
Fcab FS20-31-94 Fcab CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-94 第1の配列-WEHGE(配列番号79)
FS20-31-94 第2の配列-IREHD(配列番号80)
FS20-31-94 第3の配列-PYWRWGGPGT(配列番号81)
Fcab FS20-31-94 Fcab CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号82)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-94 Fcab CH3ドメインの核酸配列(配列番号83)
Fcab FS20-31-102 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-102 第1の配列-WASGE(配列番号84)
FS20-31-102 第2の配列-QPEVD(配列番号85)
FS20-31-102 第3の配列-PYWRWGVPRT(配列番号76)
Fcab FS20-31-102 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号86)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-102 CH3ドメインの核酸配列(配列番号87)
Fcab FS20-31-108 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-108 第1の配列-WASGE(配列番号84)
FS20-31-108 第2の配列-EKEID(配列番号88)
FS20-31-108 第3の配列-PYWRWGAKRT(配列番号89)
Fcab FS20-31-108 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号90)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-108 CH3ドメインの核酸配列(配列番号91)
Fcab FS20-31-115 CH3ドメイン構造ループ配列のアミノ酸配列
FS20-31-115 第1の配列-WASGE(配列番号84)
FS20-31-115 第2の配列-EQEFD(配列番号92)
FS20-31-115 第3の配列-PYWRWGAKRT(配列番号89)
Fcab FS20-31-115 CH3ドメインのアミノ酸配列(配列番号93)
第1、第2、第3の配列に下線が付されている
Fcab FS20-31-115 CH3ドメインの核酸配列(配列番号94)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-16の重鎖のアミノ酸配列(配列番号95)
可変ドメイン(斜体)、LALA変異(下線付き太字)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-16の重鎖の核酸配列(配列番号96)
FS30-10-16の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号97)
可変ドメイン(斜体)
FS30-10-16の軽鎖の核酸配列(配列番号98)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-3の重鎖のアミノ酸配列(配列番号99)
可変ドメイン(斜体)、LALA変異(下線付き太字)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-3の重鎖の核酸配列(配列番号100)
FS30-10-3の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号97)
可変ドメイン(斜体)
FS30-10-3の軽鎖の核酸配列(配列番号102)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-12の重鎖のアミノ酸配列(配列番号103)
可変ドメイン(斜体)、LALA変異(下線付き太字)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-10-12の重鎖の核酸配列(配列番号104)
FS30-10-12の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号97)
可変ドメイン(斜体)
FS30-10-12の軽鎖の核酸配列(配列番号102)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-35-14の重鎖のアミノ酸配列(配列番号105)
可変ドメイン(斜体)、LALA変異(下線付き太字)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-35-14の重鎖の核酸配列(配列番号106)
FS30-35-14の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号107)
可変ドメイン(斜体)
FS30-35-14の軽鎖の核酸配列(配列番号108)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-5-37の重鎖のアミノ酸配列(配列番号109)
可変ドメイン(斜体)、LALA変異(下線付き太字)
LALA変異を有するFS20-22-49AA/FS30-5-37の重鎖の核酸配列(配列番号110)
FS30-5-37の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号111)
可変ドメイン(斜体)
FS30-5-37の軽鎖の核酸配列(配列番号112)
Fcab FS20-22-49 CH3ドメインの代替核酸配列(配列番号113)
LALA変異を含む抗FITC mAb G1AA/4420の重鎖のアミノ酸配列(配列番号114)
CDRの位置に下線が付されている。LALA変異の位置は太字で示されている。
LALA変異を有しない抗FITC mAb G1/4420の重鎖のアミノ酸配列(配列番号115)
CDRの位置に下線が付されている。
4420 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号116)
VLドメイン(斜体)
LALA変異を有するG1AA/HelD1.3抗体の重鎖のアミノ酸配列(配列番号117)
HelD1.3 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号118)
VLドメイン(斜体)
G1/MOR7480.1の重鎖のアミノ酸配列(配列番号119)
VHドメイン(斜体)
G1/MOR7480.1、G1AA/MOR7480.1及びG2/MOR7480.1 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号120)
VLドメイン(斜体)
G1/20H4.9の重鎖のアミノ酸配列(配列番号121)
VHドメイン(斜体)
G1/20H4.9及びG1AA/20H4.9 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号122)
VLドメイン(斜体)
FS20-22-49AA/4420の重鎖のアミノ酸配列(LALA変異あり)(配列番号123)
VHドメイン(斜体);LALA変異(太字及び下線)
G2/MOR7480.1の重鎖のアミノ酸配列(配列番号124)
VHドメイン(斜体)
G1AA/MOR7480.1の重鎖のアミノ酸配列(配列番号125)
VHドメイン(斜体)LALA(太字及び下線)
ヒトCD137のアミノ酸配列(配列番号126)
細胞外ドメイン(斜体);膜貫通及び細胞内ドメイン(太字)
ヒトCD137細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号127)
カニクイザルCD137のアミノ酸配列(配列番号128)
細胞外ドメイン(斜体);膜貫通及び細胞内ドメイン(太字)
カニクイザルCD137細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号129)
ヒトOX40細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号130)
カニクイザルOX40細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号131)
DO11.10-hOX40及びヒトOX40受容体のアミノ酸配列(配列番号132)
DO11.10-mOX40及びマウスOX40受容体のアミノ酸配列(配列番号133)
DO11.10-cOX40及びカニクイザルOX40受容体のアミノ酸配列(配列番号134)
ヒトOX40-mFcのアミノ酸配列(配列番号135)
IL-2リーダー配列(下線付き)、OX40細胞外ドメイン(斜体)、マウスIgG2a Fcドメイン(太字)
マウスOX40-mFcのアミノ酸配列(配列番号136)
IL-2リーダー配列(下線付き)、OX40細胞外ドメイン(斜体)、マウスIgG2a Fcドメイン(太字)
カニクイザルOX40-mFcのアミノ酸配列(配列番号137)
IL-2リーダー配列(下線付き)、OX40細胞外ドメイン(斜体)、マウスIgG2a Fcドメイン(太字)
CD137-mFc-Avi組換え抗原で使用するためのヒトCD137配列のアミノ酸配列(配列番号138)
CD137-mFc-Avi及びCD137-Avi-His組換え抗原で使用するためのカニクイザルCD137配列のアミノ酸配列(配列番号139)
CD137-mFc-Avi組換え抗原で使用するためのマウスCD137配列のアミノ酸配列(配列番号140)
CD137-mFc-Avi組換え抗原で使用するためのmFc-Aviのアミノ酸配列(配列番号141)
マウスFcドメイン(斜体)Aviタグ(太字)
短縮型Fcabヒンジ領域のアミノ酸配列(配列番号101)
TCPPCP
Fcab FS20-22-49 CH3ドメインの代替核酸配列(配列番号143)
FS20-22-49/FS30-5-37重鎖AA(LALAなし)(配列番号144)
FS20-22-49/FS30-5-37重鎖DNA(LALAなし)(配列番号145)
FS20-22-49/FS30-10-3重鎖AA(LALAなし)(配列番号146)
FS20-22-49/FS30-10-3重鎖DNA(LALAなし)(配列番号147)
FS20-22-49/FS30-10-12重鎖AA(LALAなし)(配列番号148)
FS20-22-49/FS30-10-12重鎖DNA(LALAなし)(配列番号149)
FS20-22-49/FS30-10-16重鎖AA(LALAなし)(配列番号150)
FS20-22-49/FS30-10-16重鎖DNA(LALAなし)(配列番号151)
FS20-22-49/FS30-35-14重鎖AA(LALAなし)(配列番号152)
FS20-22-49/FS30-35-14重鎖DNA(LALAなし)(配列番号153)
G1AA/FS30-10-16 mAbの重鎖のアミノ酸配列(LALAあり)(配列番号154)
G1AA/FS30-10-16 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号97)
G1AA/OX86 mAbの重鎖のアミノ酸配列(LALAあり)(配列番号155)
G1/OX86及びG1AA/OX86 mAbの軽鎖のアミノ酸配列(配列番号156)
FS20m-232-91AA/4420の重鎖のアミノ酸配列(LALAあり)(配列番号157)
FS20m-232-91AA/4420の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号116)
ヒトCD137-Avi-Hisのアミノ酸配列(配列番号158)
細胞外ドメインCD137(太字);Aviタグ(斜体);Hisタグ(下線)
G1/OX86 mAbの重鎖のアミノ酸配列(LALAなし)(配列番号159)
抗PD-1 mAb G1AA/5C4の重鎖のアミノ酸配列(配列番号160)
可変ドメイン(太字)
抗PD-1 mAb G1AA/5C4の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号161)
可変ドメイン(太字)
抗PD-L1 mAb G1AA/S1の重鎖のアミノ酸配列(配列番号162)
可変ドメイン(太字)
抗PD-L1 mAb G1AA/S1の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号163)
可変ドメイン(太字)
マウスCD137のアミノ酸配列(配列番号164)
細胞外ドメイン(斜体);膜貫通及び細胞内ドメイン(太字)
G1AA/20H4.9 mAbの重鎖のアミノ酸配列(配列番号165)
VHドメイン(斜体)
G1AA/3H3 mAbの重鎖のアミノ酸配列(配列番号166)
VHドメイン(斜体)
G1AA/3H3及びG1/3H3 mAb並びにFS20m-232-91AA/3H3 mAb
2の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号167)
VLドメイン(斜体)
G1/3H3 mAbの重鎖のアミノ酸配列(配列番号168)
VHドメイン(斜体)
重鎖のアミノ酸配列FS20m-232-91AA/3H3(LALAあり)(配列番号169)
VHドメイン(斜体)
抗OX40 mAb G1AA/11D4の重鎖のアミノ酸配列(配列番号173)
VHドメイン(斜体)
抗OX40 mAb G1/11D4の重鎖のアミノ酸配列(配列番号174)
VHドメイン(斜体)
抗OX40 mAb G1AA/11D4及びG1/11D4の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号175)
VLドメイン(斜体)
参考文献
本明細書で言及されている全ての文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
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