ポリマー又はヒドロゲルでコーティングされた基材は、多くの技術用途で使用されている。一例では、埋め込み可能な医療用デバイスを、生物学的に不活性なポリマーでコーティングすることができる。別の例では、創傷ドレッシング材を、薄いヒドロゲル層でコーティングしてもよい。更に別の例では、ポリマー又はヒドロゲルでコーティングされた基材を、生体分子の調製及び/又は分析に使用することができる。特定の核酸シーケンシング方法などのいくつかの分子分析は、核酸ストランドをポリマー又はヒドロゲルでコーティングされた基材表面に付着させることを含む。
導入
2~30個のアーム、例えば、2~20個又は2~10個のアームを有する樹状コアと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第1のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオ、アリール、グリコール、及びこれらの任意の置換体からなる群から選択される、第1のアクリルアミドモノマーと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第2のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、第2のアクリルアミドモノマーと、を含む、ヒドロゲルが、本明細書において開示される。
第1のアクリルアミドモノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミドであり得る。
樹状コアは、任意選択で、それぞれのアームにチオカルボニルチオ基を含有する。チオカルボニルチオ基は、ジチオベンゾエート、トリチオカーボネート、及びジチオカルバメートからなる群から選択され得る。樹状コアは、3,5-ビス(2-ドデシルチオカルボノチオイルチオ-1-オキソプロポキシ)安息香酸、1,1,1-トリス[(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]エタン、及びペンタエリスリトールテトラキス[2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]からなる群から選択され得る。
樹状コアは、それぞれのアームに原子移動ラジカル重合開始剤を含み得る。樹状コアは、ビス[2-(2’-ブロモイソブチリルオキシ)エチル]ジスルフィド、2-ブロモイソ酪酸無水物、エチレンビス(2-ブロモイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-ブロモイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-ブロモイソブチレート)、及び1,1,1-トリス(2-ブロモイソブチリルオキシメチル)エタンからなる群から選択され得る。
樹状コアは、多官能性中心分子と、多官能性中心分子に結合した複数の原子移動ラジカル重合単官能性開始剤とを含み得る。原子移動ラジカル重合単官能性開始剤は、2-アジドエチル2-ブロモイソブチレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2-ブロモイソブチレート、2-(2-ブロモイソブチリルオキシ)エチルメタクリレート、ドデシル2-ブロモイソブチレート、2-ヒドロキシエチル2-ブロモイソブチレート、1-(フタルイミドメチル)2-ブロモイソブチレート、及びプロパルギル2-ブロモイソブチレートからなる群から選択され得る。
樹状コアは、それぞれのアームにニトロキシド介在重合開始剤を含み得る。特定の例では、樹状コアは、1,3,5-トリス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン及び1,3,5-トリス((3,5-ビス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンジル)オキシ)ベンゼンからなる群から選択される。
樹状コアは、多官能性中心分子と、多官能性中心分子に結合した複数のニトロキシド介在重合単官能性開始剤とを含み得る。複数のニトロキシド介在重合単官能性開始剤のそれぞれは、
からなる群から選択される構造を有し得、式中、Iは、任意選択で、
からなる群から選択される。
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーは、樹状コアのそれぞれのアームに、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、統計コポリマー、又は交互コポリマーを形成し得る。
第2のアクリルアミドモノマーは、任意選択で、アジドアセトアミドペンチルアクリルアミドである。
本明細書において開示されるヒドロゲルの任意の特徴を、例えば、室温(例えば、約18℃~約25℃)での乾燥貯蔵に曝露された後であっても好適なシーケンシング性能を呈するポリマーヒドロゲルを生成することを含め、本開示に記載される利点を達成するために、任意の望ましい様式及び/又は構成で一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
また、フローセルであって、基材と、基材上のマルチアームポリマーヒドロゲルと、を含み、マルチアームポリマーヒドロゲルが、2~30個のアームを有する樹状コアと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第1のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオ、アリール、グリコール、及びこれらの任意の置換体からなる群から選択される、第1のアクリルアミドモノマーと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第2のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、第2のアクリルアミドモノマーと、を含む、フローセルも、開示される。
基材は、任意選択で、間隙領域によって分離された複数の凹部を含み、ヒドロゲルは、凹部のそれぞれの内部に配置されている。
フローセルは、任意選択で、ヒドロゲルにグラフトされた増幅プライマーを更に含む。
基材は、任意選択で、チャネルを含み、ヒドロゲルは、任意選択で、チャネル内に配置されている。フローセルは、任意選択で、ヒドロゲルにグラフトされた増幅プライマーを更に含む。
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーは、樹状コアのそれぞれのアームにランダムコポリマーを形成してもよく、又は第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーは、樹状コアのそれぞれのアームに統計コポリマーを形成してもよく、又は第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーは、樹状コアのそれぞれのアームに交互コポリマーを形成してもよく、又は第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーは、樹状コアのそれぞれのアームにブロックコポリマーを形成してもよい。
第1のアクリルアミドモノマーは、任意選択で、N,N-ジメチルアクリルアミドである。
第2のアクリルアミドモノマーは、任意選択で、アジドアセトアミドペンチルアクリルアミドである。
フローセルの任意の特徴を、任意の望ましい様式で一緒に組み合わせることができることを理解されたい。更に、フローセル及び/若しくはヒドロゲルの特徴の任意の組み合わせを、例えば、改善されたシーケンシング法を含め、本開示に記載される利点を達成するために、一緒に使用することができること、並びに/又は本明細書に開示される実施例のうちのいずれかと組み合わせることができることを、理解されたい。
2~30個のアームを有するマルチアーム樹状コア構成要素のそれぞれのアームにコポリマーを組み込むことを含む方法であって、コポリマーが、第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーを含み、第1のアクリルアミドモノマーが、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオ、アリール、グリコール、及びこれらの任意の置換体からなる群から選択され、第2のアクリルアミドモノマーが、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、方法もまた、本明細書において開示される。
組み込むことは、マルチアーム構成要素の存在下で、第1のアクリルアミドモノマーと第2のアクリルアミドモノマーとの混合物を重合させることを含み得る。
組み込むことは、i)マルチアーム構成要素の存在下で、第1のブロックを第1のアクリルアミドモノマーと重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素を形成し、次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第2のアクリルアミドモノマーと重合させること、又はii)マルチアーム構成要素の存在下で、第1のブロックを第2のアクリルアミドモノマーと重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素を形成し、次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第1のアクリルアミドモノマーと重合させることによって、マルチアーム構成要素の存在下で、ブロックコポリマーを形成することを含み得る。
組み込むことは、可逆的付加-開裂連鎖移動重合又は原子移動ラジカル重合又はニトロキシド介在重合を含み得る。本開示はまた、ヒドロゲルを含む創傷ドレッシング材及び医療用デバイスを指す。
本方法の任意の特徴を、任意の望ましい様式で一緒に組み合わせることができることを理解されたい。更に、本方法の特徴並びに/又はフローセル及び/若しくはヒドロゲルの特徴の任意の組み合わせを、例えば、ヒドロゲルの分子量分布を制御することを含め、本開示に記載される利点を達成するために、一緒に使用することができること、及び/又は本明細書に開示される実施例のうちのいずれかと組み合わせることができることを、理解されたい。
本開示はまた、以下の項目も含む。
1.
2~30個のアームを有する樹状コアと、
樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第1のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオ、アリール、グリコール、及びそれらの任意の置換体からなる群から選択される、第1のアクリルアミドモノマーと、
樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第2のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、それぞれの原子が独立して炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される、2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の任意の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、それぞれの原子が独立して炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される、1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の任意の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、第2のアクリルアミドモノマーと、を含む、ヒドロゲル。
2.第1のアクリルアミドモノマーが、N,N-ジメチルアクリルアミドである、項目1に記載のヒドロゲル。
3.樹状コアが、それぞれのアームにチオカルボニルチオ基を含有する、項目1又は2に記載のヒドロゲル。
4.チオカルボニルチオ基が、ジチオベンゾエート、トリチオカーボネート、及びジチオカルバメートからなる群から選択される、項目3に記載のヒドロゲル。
5.樹状コアが、3,5-ビス(2-ドデシルチオカルボノチオイルチオ-1-オキソプロポキシ)安息香酸、1,1,1-トリス[(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]エタン、及びペンタエリスリトールテトラキス[2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]からなる群から選択される、項目3に記載のヒドロゲル。
6.樹状コアが、それぞれのアームに原子移動ラジカル重合開始剤を含む、項目1~5のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
7.樹状コアが、ビス[2-(2’-ブロモイソブチリルオキシ)エチル]ジスルフィド、2-ブロモイソ酪酸無水物、エチレンビス(2-ブロモイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-ブロモイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-ブロモイソブチレート)、及び1,1,1-トリス(2-ブロモイソブチリルオキシメチル)エタンからなる群から選択される、項目6に記載のヒドロゲル。
8.樹状コアが、
多官能性中心分子と、
多官能性中心分子に結合した複数の原子移動ラジカル重合単官能性開始剤と、を含む、項目1~7のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
9.原子移動ラジカル重合単官能性開始剤が、2-アジドエチル2-ブロモイソブチレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2-ブロモイソブチレート、2-(2-ブロモイソブチリルオキシ)エチルメタクリレート、ドデシル2-ブロモイソブチレート、2-ヒドロキシエチル2-ブロモイソブチレート、1-(フタルイミドメチル)2-ブロモイソブチレート、及びプロパルギル2-ブロモイソブチレートからなる群から選択される、項目8に記載のヒドロゲル。
10.樹状コアが、それぞれのアームにニトロキシド介在重合開始剤を含む、項目1~9のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
11.樹状コアが、1,3,5-トリス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン及び1,3,5-トリス((3,5-ビス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンジル)オキシ)ベンゼンからなる群から選択される、項目10に記載のヒドロゲル。
12.樹状コアが、
多官能性中心分子と、
多官能性中心分子に結合した複数のニトロキシド介在重合単官能性開始剤と、を含む、項目1~11のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
13.複数のニトロキシド介在重合単官能性開始剤のそれぞれが、
からなる群から選択される構造を有し、式中、Iが、
からなる群から選択される、項目12に記載のヒドロゲル。
14.第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーが、樹状コアのそれぞれのアームに、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、統計コポリマー、又は交互コポリマーを形成する、項目1~13のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
15.第2のアクリルアミドモノマーが、アジドアセトアミドペンチルアクリルアミドである、項目1~14のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
16.
基材と、
基材上の項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲルとを含む、フローセル。
17.基材が、間隙領域によって分離された複数の凹部を含み、ヒドロゲルが、凹部のそれぞれの内部に配置されている、項目16に記載のフローセル。
18.ポリマーヒドロゲルにグラフトされた増幅プライマーを更に含む、項目16又は17に記載のフローセル。
19.基材が、チャネルを含み、ヒドロゲルが、チャネル内に配置されている、項目16~18のいずれか1つに記載のフローセル。
20.
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーが、樹状コアのそれぞれのアームにランダムコポリマーを形成するか、又は
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーが、樹状コアのそれぞれのアームに統計コポリマーを形成するか、又は
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーが、樹状コアのそれぞれのアームに交互コポリマーを形成するか、又は
第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーが、樹状コアのそれぞれのアームにブロックコポリマーを形成する、項目16~19のいずれか1つに記載のフローセル。
21.
2~30個のアームを有するマルチアーム樹状コア構成要素のそれぞれのアームにコポリマーを組み込むことを含む方法であって、コポリマーが、第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーを含み、
第1のアクリルアミドモノマーが、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオ、アリール、グリコール、及びそれらの任意の置換体からなる群から選択され、
第2のアクリルアミドモノマーが、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、それぞれの原子が独立して炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される、2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の任意の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、それぞれの原子が独立して炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される、1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の任意の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、方法。
22.組み込むことが、マルチアーム構成要素の存在下で、第1のアクリルアミドモノマーと第2のアクリルアミドモノマーとの混合物を重合させることを含む、項目21に記載の方法。
23.組み込むことが、
i)マルチアーム構成要素の存在下で、第1のブロックを第1のアクリルアミドモノマーと重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素を形成し、
次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第2のアクリルアミドモノマーと重合させること、又は
ii)マルチアーム構成要素の存在下で、第1のブロックを第2のアクリルアミドモノマーと重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素を形成し、
次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第1のアクリルアミドモノマーと重合させることによって、
マルチアーム構成要素の存在下で、ブロックコポリマーを形成することを含む、項目21又は22に記載の方法。
24.組み込むことが、可逆的付加-開裂連鎖移動重合又は原子移動ラジカル重合又はニトロキシド介在重合を含む、項目21~23のいずれか1つに記載の方法。
25.項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲルでコーティングされた、医療用デバイス。
26.項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲルでコーティングされた、創傷ドレッシング材。
27.シーケンシング分析において使用するための、項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲルでコーティングされた、基材。
28.構造(10):
式中、
又は本明細書において図1B若しくは図1Cに示される、構造:
式中、
若しくは構造:
式中、
を有する、項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
29.2.5未満、特に1.8~2.0、好ましくは1.7未満、より好ましくは1.3未満の分散度を有する、項目1~15、28のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
30.樹状コアが、フェニル基、安息香酸、ペントラエリスリトール、及びホスファゼン基からなる群から選択される多官能性中心分子を有する、項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
31.樹状コアが、2つのアーム、3つのアーム、4つのアーム、6つのアーム、又は8つのアームを有する、項目1~15のいずれか1つに記載のヒドロゲル。
32.マルチアーム構成要素が、多官能性中心分子を含み、そのそれぞれのアームが、チオカルボニルチオ基、又は原子移動ラジカル重合(ATR)開始剤及びニトロキシド介在重合単官能性開始剤からなる群から選択される開始剤を含む、項目22~24のいずれか1つに記載の方法。
33.第2のアクリルアミドモノマーが、アジド基を含み、方法が、
形成されるマルチアームポリマーヒドロゲルのアジド基の反応によって、マルチアームポリマーヒドロゲルを基材の表面に結合させること、
形成されるマルチアームポリマーヒドロゲルのアジド基の反応によって、プライマーをマルチアームポリマーヒドロゲルのアームに結合させること、及び
形成されるマルチアームポリマーヒドロゲルのアジド基の反応によって、形成されるマルチアームポリマーヒドロゲル10を架橋させること、のうちの少なくとも1つを更に含む、項目22~24、32のいずれか1つに記載の方法。
ヒドロゲルが、本明細書において開示される。本明細書に記載されるヒドロゲルの1つの例は、ポリマーヒドロゲルである。本明細書に開示されるヒドロゲルは、マルチアームポリマーヒドロゲルであり得る。ヒドロゲルの例には、デンドリマーコアが含まれる。本明細書に開示されるヒドロゲルの調製の際、デンドリマーコアのアームの数は、ポリマーの分岐度を定義し、したがって架橋の制御を提供し得る。換言すると、ヒドロゲルの架橋状態は、使用されるデンドリマーコアに応じて、固定され制限される。更に、分岐間の任意の架橋は、モノマー選択によって調節され得る。複数のパラメーター(例えば、開始剤濃度、移動剤など)を調節する能力は、分散度に対してより多くの制御を可能にし(例えば、フリーラジカル重合プロセスと比べて)、したがって、結果として得られる生成物は、比較的狭い分子量分布を有する(例えば、分散度は、5以下、又はいくつかの場合には、4以下、又は2.5以下、又は1.7以下、又は1.3以下である)。したがって、ヒドロゲルは、1つのバッチから次のバッチに一貫して生成され得る。本発明において言及される分散度は、MwとMnとの比として定義され、Mwは、重量平均分子量であり、Mnは、ヒドロゲルの数平均分子量である。Mw及びMnは、ゲル透過クロマトグラフィーを使用して決定することができる。
更に、ヒドロゲルの例は、室温(例えば、約18℃~約25℃)で乾燥貯蔵に曝露された後であっても、好適なシーケンシング性能を示す。例えば、乾燥貯蔵中の、ポリマーストランドの望ましくない分子内及び分子間相互作用は、下流シーケンシング性能に悪影響を及ぼし得る。いくつかの実施態様では、本明細書に開示されるヒドロゲルのアクリルアミド単位は、少なくともポリマーストランド間の水素結合を低減し得る官能基を含み、したがって、下流シーケンシング性能に悪影響を有することなくヒドロゲルを乾燥貯蔵することを可能にし得る。
定義
本明細書に使用される用語は、別段の指定がない限り、関連する技術分野における通常の意味をとるものと理解されたい。本明細書に使用されるいくつかの用語及びそれらの意味は、以下に記載される。
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
含む(comprising)、含む(including)、含有する(containing)という用語、及びこれらの用語の様々な形態は、互いに同義であり、等しく広義であることを意味する。
フローセル及び/又はフローセルの様々な構成要素を説明するために、本明細書では、上(top)、下(bottom)、下方(lower)、上方(upper)、上(on)などの用語が使用される。これらの方向を示す用語は、特定の配向を示すことを意味するものではなく、構成要素間の相対的な配向を指定するために使用されることを理解されたい。方向を示す用語の使用は、本明細書に開示される実施例を任意の特定の配向に制限すると解釈されるものではない。
本明細書に使用されるとき、「アルキル」は、完全に飽和している(すなわち、二重結合又は三重結合を含有しない)直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。例として、表記「C1~C6アルキル」は、アルキル鎖に1~6個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、及びヘキシルからなる群から選択されることを示す。
本明細書に使用されるとき、「アルキルアミノ」は、水素原子のうちの1つ以上がアミノ基で置換されているアルキル基を指し、アミノ基は、-NRaRb基を指し、Ra及びRbは、それぞれ独立して、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C7炭素環、C6~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員複素環から選択される。
本明細書に使用されるとき、「アルキルアミド」は、水素原子のうちの1つ以上が、C-アミド基又はN-アミド基で置換されているアルキル基を指す。「C-アミド」基は、「-C(=O)N(RaRb)」基を指し、式中、Ra及びRbは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環(heteroalicycle)、アラルキル、又は(ヘテロ脂環)アルキルからなる群から選択され得る。「N-アミド」基は、「RC(=O)N(Ra)-」基を指し、式中、R及びRaは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環、アラルキル、又は(ヘテロ脂環)アルキルからなる群から選択され得る。任意のアルキルアミドは、置換されていてもよく、又は非置換であってもよい。
本明細書に使用されるとき、「アルキルチオ」は、RS-を指し、式中、Rは、アルキルである。アルキルチオは、置換されていてもよく、又は非置換であってもよい。
本明細書に使用されるとき、「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を指す。アルケニル基は、2~20個の炭素原子を有し得る。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「アルキン」又は「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を指す。アルキニル基は、2~20個の炭素原子を有し得る。
本明細書に使用されるとき、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されたアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレン基及びアリール基は、置換されていてもよく、又は非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2-フェニルアルキル、3-フェニルアルキル、及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」という用語は、環骨格中に炭素のみを含有する芳香環又は環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を指す。アリールが環系である場合、系内の全ての環は芳香環である。アリール基は、6~18個の炭素原子を有し得る。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニルが挙げられる。任意のアリールは、環骨格中に、少なくとも1つのヘテロ原子、すなわち、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素、硫黄など)を有するヘテロアリールであってもよい。
本明細書に使用されるとき、「結合した」という用語は、2つのものが、直接的又は間接的のいずれかで、互いに、接合、締結、接着、接続、又は結合されている状態を指す。例えば、核酸は、共有結合又は非共有結合によって官能化ポリマーに結合され得る。共有結合は、原子間の電子対の共有によって特徴付けられる。非共有結合は、電子対の共有を伴わない物理結合であり、例えば、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、親水性相互作用、及び疎水性相互作用を挙げることができる。
「アジド(azide)」又は「アジド(azido)」官能基は、-N3を指す。
「ブロックコポリマー」は、2つ以上のモノマーが一緒にクラスター化し、繰り返し単位のブロックを形成する場合に形成されるコポリマーである。それぞれのブロックは、隣接するブロックには存在しない少なくとも1つの特徴を有するべきである。ブロックコポリマーの具体的な例は、以下に更に説明される。
本明細書に使用されるとき、「炭素環」は、環系骨格に炭素原子のみを含有する非芳香族環式環又は環系を意味する。炭素環が環系である場合、2つ以上の環が、縮合、架橋、又はスピロ結合方式で一緒に接合され得る。炭素環は、環系内の少なくとも1つの環が芳香族ではないことを条件として、任意の飽和度を有し得る。したがって、炭素環には、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルが含まれる。炭素環基は、3~20個の炭素原子を有し得る。炭素環式環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、及びスピロ[4.4]ノナニルが挙げられる。炭素環のいずれかは、環骨格に少なくとも1つのヘテロ原子を有する複素環であってもよい。
本明細書に使用されるとき、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重又は三重結合がない)単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環から構成される場合、環は、縮合方式で一緒に接合され得る。シクロアルキル基は、環内に3~10個の原子を含有し得る。いくつかの例では、シクロアルキル基は、環内に3~8個の原子を含有し得る。シクロアルキル基は、非置換であってもよく、又は置換されていてもよい。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「シクロアルケニル」又は「シクロアルケン」は、少なくとも1つの二重結合を有する炭素環式環又は環系を意味し、環系内の環は、いずれも芳香族ではない。例としては、シクロヘキセニル又はシクロヘキセン及びノルボルネニル又はノルボルネンが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「シクロアルキニル」又は「シクロアルキン」は、少なくとも1つの三重結合を有する炭素環式環又は環系を意味し、環系内の環は、いずれも芳香族ではない。例は、シクロオクチンである。別の例は、ビクロノニンである。
本明細書に使用されるとき、「樹状コア」は、ヒドロゲルの中心を指す。樹状コアは、分岐を有する合成ポリマーであり、いくつかの場合には、木のような構造である。樹状コアは、2つのアーム(分岐)から30個のアームまでのいずれを有してもよい。
本明細書に使用されるとき、「堆積」という用語は、手作業であっても自動であってもよく、いくつかの場合には表面特性の改質をもたらす、任意の好適な適用技術を指す。一般的に、堆積は、蒸着技術、コーティング技術、グラフト技術などを使用して、実施することができる。いくつかの具体的な例としては、化学蒸着(CVD、chemical vapor deposition)、スプレーコーティング(例えば、超音波スプレーコーティング)、スピンコーティング、ダンク又はディップコーティング、ドクターブレードコーティング、パドル分配(puddle dispensing)、フロースルーコーティング、エアロゾル印刷、スクリーン印刷、マイクロコンタクト印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「凹部」という用語は、基材又はパターン形成された樹脂の間隙領域によって少なくとも部分的に包囲される表面開口部を有する、基材又はパターン形成された樹脂における不連続の凹状の特徴を指す。凹部は、表面の開口部に、例えば、円形、楕円形、正方形、多角形、星形(任意の数の頂点を有する)などを含む、様々な形状のうちのいずれかを有し得る。表面と直交する凹部の断面は、湾曲、正方形、多角形、双曲線、円錐、角などであり得る。例として、凹部は、ウェル又は2つの相互接続されたウェルであり得る。凹部はまた、隆起部、段差特徴部などの、より複雑な構造を有してもよい。
「それぞれ」という用語は、項目の集合を参照して使用されるとき、集合内の個々の項目を識別することを意図しているが、必ずしも集合内の全ての項目を指すものではない。明示的な開示又は文脈上明確に別段の指示がある場合、例外が生じ得る。
本明細書に使用されるとき、「フローセル」という用語は、反応を行うことができるチャンバ(例えば、フローチャネル)と、試薬をチャンバに送達するための入口と、チャンバから試薬を除去するための出口とを有する容器を意味することを意図する。いくつかの例では、チャンバは、チャンバ内で生じる反応の検出を可能にする。例えば、チャンバは、アレイ、光学的に標識された分子などの光学的検出を可能にする1つ以上の透過性表面を含んでもよい。
本明細書に使用されるとき、「フローチャネル」又は「チャネル」は、液体サンプルを選択的に受容することができる、2つの結合された構成要素間に画定される領域であり得る。いくつかの例では、フローチャネルは、パターン形成されているか又はパターン形成されていない基材と蓋との間に画定されてもよく、したがって、パターン形成された樹脂内に画定された1つ以上の凹部と流体連通してもよい。フローチャネルはまた、一緒に結合されている2つのパターン形成されているか又はパターン形成されていない基材表面の間に画定されてもよい。
本明細書に使用されるとき、「ヘテロ脂環式」又は「ヘテロ脂環」は、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式、二環式、及び三環式環系を指し、炭素原子は、1~5個のヘテロ原子と一緒になってこの環系を構成する。ヘテロ脂環式環系は、しかしながら、完全に非局在化されたパイ電子系が全ての環全体にわたって起こらないような様式で位置する1つ以上の不飽和結合を、任意選択で含有してもよい。ヘテロ原子は、独立して、酸素、硫黄、及び窒素から選択される。ヘテロ脂環式環系は、その定義がラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系を含めるように、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有してもよい。環は、縮合方式で一緒に接合されてもよい。更に、ヘテロ脂環式における任意の窒素を四級化してもよい。ヘテロ脂環又はヘテロ脂環式基は、非置換であってもよく、又は置換されていてもよい。このような「ヘテロ脂環式」又は「ヘテロ脂環」基の例としては、1,3-ジオキシン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,2-ジオキソラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソラン、1,3-オキサチアン、1,4-オキサチイン、1,3-オキサチオラン、1,3-ジチオール、1,3-ジチオラン、1,4-オキサチアン、テトラヒドロ-1,4-チアジン、2H-1,2-オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN-オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、4-ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2-オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びそれらのベンゾ縮合類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、3,4-メチレンジオキシフェニル)が挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されたヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン基及びヘテロアリール基は、置換されていてもよく、又は非置換であってもよい。例としては、2-チエニルアルキル、3-チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキル、並びにそれらのベンゾ縮合類似体が挙げられる。
「(ヘテロ脂環式)アルキル」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合された複素環式又はヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロ脂環式)アルキルの低級アルキレン及び複素環、又は複素環は、置換されていてもよく、又は非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル、(ピペリジン-4-イル)エチル、(ピペリジン-4-イル)プロピル、(テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)メチル、及び(1,3-チアジナン-4-イル)メチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるとき、「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
「ジコール(gycol)」という用語は、末端基-(CH2)nOHを指し、式中、nは、2~10の範囲である。特定の例として、グリコールは、エチレングリコール末端基-CH2CH2OH、プロピレングリコール末端基-CH2CH2CH2OH、又はブチレングリコール末端基-CH2CH2CH2CH2OHであり得る。
本明細書に使用されるとき、「間隙領域」という用語は、凹部を分離する領域、例えば、基材、パターン形成された樹脂、又は他の支持体の領域を指す。例えば、間隙領域は、アレイの1つの凹部を、アレイの別の凹部から分離することができる。互いに分離された2つの凹部は、別個であってもよい、すなわち、互いとの物理的な接触が欠如していてもよい。多くの例では、間隙領域は、連続的であるが、凹部は、例えば、それ以外は連続的である表面に画定される複数の凹部の場合のように、不連続である。他の例では、間隙領域及び特徴部は、例えば、それぞれの間隙領域によって分離される複数の溝の場合のように、不連続である。間隙領域によって提供される分離は、部分的又は完全な分離であり得る。間隙領域は、表面に画定される凹部の表面材料とは異なる表面材料を有してもよい。例えば、凹部は、その中にポリマー及び第1のプライマーセットを有してもよく、間隙領域は、その上にポリマー及び第2のプライマーセットを有してもよい。別の例では、アレイの凹部は、その中にビーズを有してもよく、一方で、介在領域は、その上にビーズを有さない。
本明細書に使用されるとき、「ヌクレオチド」は、窒素含有複素環式塩基、糖、及び1つ以上のリン酸基を含む。ヌクレオチドは、核酸配列のモノマー単位である。リボ核酸RNA中の場合、糖はリボースであり、デオキシリボ核酸DNAにおいて、糖は、デオキシリボース、すなわち、リボースの2’位に存在するヒドロキシル基が欠如している糖である。窒素含有複素環式塩基(すなわち、核酸塩基)は、プリン塩基であってもピリミジン塩基であってもよい。プリン塩基としては、アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにそれらの修飾された誘導体又は類似体が挙げられる。ピリミジン塩基としては、シトシン(C)、チミン(T)、及びウラシル(U)、並びにそれらの修飾された誘導体又は類似体が挙げられる。デオキシリボースのC-1原子は、ピリミジンのN-1又はプリンのN-9に結合される。核酸類似体は、リン酸骨格、糖、又は核塩基のいずれかが変化していてもよい。核酸類似体の例としては、例えば、ペプチド核酸(PNA)などのユニバーサル塩基又はリン酸-糖骨格類似体が挙げられる。
「パターン形成された樹脂」は、中に画定された凹部を有し得る任意のポリマーを指す。樹脂及び樹脂にパターン形成するための技術の具体的な例は、本明細書で更に説明されている。
本明細書に使用されるとき、「プライマー」は、一本鎖核酸配列(例えば、一本鎖DNA又は一本鎖RNA)として定義される。本明細書において増幅プライマーと称されるいくつかのプライマーは、鋳型増幅及びクラスター生成の開始点として機能する。本明細書においてシーケンシングプライマーと称される他のプライマーは、DNA又はRNA合成の開始点として機能する。プライマーの5’末端は、ポリマーの官能基又はビーズ表面とのカップリング反応を可能にするように修飾されていてもよい。プライマーの長さは、任意の数の塩基の長さであり得、様々な非天然のヌクレオチドを含み得る。ある例では、シーケンシングプライマーは、10~60個の塩基、又は20~40個の塩基の範囲の短いストランドである。
「基材」という用語は、フローセルの様々な構成要素(例えば、ヒドロゲル、プライマーなど)を上に付加することができる構造体を指す。基材は、ウエハ、パネル、矩形シート、ダイ、又は任意の他の好適な構成であってよい。基材は、一般に、硬質であり、水性液体に不溶性である。基材は、凹部を修飾するために使用されるか又は凹部に存在する化学物質に対して、不活性であってもよい。例えば、基材は、ポリマーを形成するため、例えば、プライマーを結合させるために使用される化学物質に対して不活性であり得る。基材は、単一層構造であってもよく、又は多層構造(例えば、支持体及び支持体上のパターン形成された樹脂を含む)であってもよい。好適な基材の例は、本明細書で更に説明される。
マルチアームポリマーヒドロゲル
本明細書に記載されるヒドロゲルの1つの例は、マルチアームポリマーヒドロゲルである。マルチアームポリマーヒドロゲルは、2~30個のアームを有する樹状コアと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第1のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2が、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオール、アリール、グリコール、及びこれらの任意の置換体からなる群から選択される、第1のアクリルアミドモノマーと、樹状コアのそれぞれのアームに組み込まれた第2のアクリルアミドモノマーであって、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である、第2のアクリルアミドモノマーと、を含む。
マルチアームポリマーヒドロゲルは、2~30個のアームを有するマルチアーム構成要素のそれぞれのアームにコポリマーを組み込むことによって調製することができ、コポリマーは、第1のアクリルアミドモノマー及び第2のアクリルアミドモノマーを含む。アクリルアミドモノマーのマルチアーム構成要素への組み込みは、統計的、ランダム、交互、又はブロックであってもよい。アクリルアミドモノマーのマルチアーム構成要素への組み込みは、可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT、reversible addition-fragmentation chain transfer)重合、原子移動ラジカル重合(ATRP、atom transfer radical polymerization)、RAFT又はATRPと組み合わせたニトロキシド介在ラジカル(NMP、nitroxide mediated radical)重合、追加の架橋工程を有するNMP、コバルト介在重合、基移動重合(GTP、group transfer polymerization)、開環重合(ROP、ring opening polymerizatio)、又は直接的若しくは間接的のいずれかでマルチアーム構造及びそれぞれのアームへのアクリルアミドモノマーの組み込み(統計的、ランダム、交互、又はブロックで)をもたらす任意の他の重合プロセスを含む、様々な技術によって達成することができる。間接的なプロセスの一例として、NMPに続いて、RAFT重合が行われてもよい。
図1Aは、ヒドロゲルの一例を生成するためのRAFT重合の例を示し、ヒドロゲルは、この例では、マルチアームポリマーヒドロゲル10である。
図1Aに示される例では、樹状コア12は、中心分子/化合物13と、中心分子/化合物13から延びているアーム14(又は分岐)とを含む。樹状コア12は、制御された重合機序を可能にする任意の多官能性構成要素であってもよく、これはポリマー構造中の画定されたアーム長さ及びポリマー構造間で少なくとも実質的に均一なアーム長さをもたらす。ある例では、樹状コア12のアームは、互いに同一である。
樹状コア12の中心分子/化合物13は、マクロサイクル(例えば、シクロデキストリン、ポルフィリンなど)、伸長パイ系(例えば、ペリレン、フラーレンなど)、金属-配位子錯体、ポリマーコアなどの、任意の多官能性分子であってもよい。樹状コア12の中心分子/化合物13のいくつかの具体的な例としては、フェニル基、安息香酸、ペントラエリスリトール、ホスファゼン基などが挙げられる。
前述のように、樹状コア12は、中心分子/化合物13から延在するアーム14を含む。
一例では、樹状コア12は、各アーム12にチオカルボニルチオ基を含有し、したがって、可逆的付加-開裂連鎖移動剤(RAFT剤)である。樹状コア12のこの例は、2~30個のアームを有してもよく、これらのアームのそれぞれは、それぞれのアームの端部又はその付近にチオカルボニルチオ基を含む。いくつかの例では、チオカルボニルチオ基を含む樹状コア12は、2つのアーム、3つのアーム、4つのアーム、6つのアーム、又は8つのアームを有する。
それぞれのRAFT剤は、重合反応動態及び構造制御度に影響を及ぼす置換基R及びZを有するチオカルボニルチオ基(S=C-S)を含む。例として、樹状コア12のそれぞれのアーム14におけるチオカルボニルチオ基は、ジチオベンゾエート:
トリチオカーボネート:
及びジチオカルバメート:
からなる群から選択され得る。図1Aに示される樹状コア12は、それぞれのアーム14にトリチオカーボネート基を含む。
RAFT剤におけるR基は、フリーラジカル脱離基であり、Z基は、C=S結合反応性を制御し、ラジカル付加及び開裂の速度に影響を及ぼす。
いくつかの例では、それぞれのアーム14にチオカルボニルチオ基を含む樹状コア12は、R基構成を有し、中心分子13は、連鎖移動プロセス中、脱離基である。R基のRAFT剤構成を有する樹状コアの2つの例は、以下の通りである:
(式中、Phは、フェニル基である)、及び
他の例では、それぞれのアーム14にチオカルボニルチオ基を含む樹状コア12は、Z基構成を有する。これらの例では、反応性ポリマーアーム14は、成長中に中心分子/化合物13から分離され、連鎖移動を受け、中心分子/化合物13で再び反応する。Z基のRAFT構成を有する樹状コアの1つの例は、以下の通りである:
ある例では、それぞれのアーム14にチオカルボニルチオ基を含む樹状コア12は、3,5-ビス(2-ドデシルチオカルボノチオイルチオ-1-オキソプロポキシ)安息香酸:
(2つのアームの樹状コアの例)、1,1,1-トリス[(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]エタン:
(3つのアームの樹状コアの例)、及びペンタエリスリトールテトラキス[2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオネート]:
(4つのアームの樹状コアの例)からなる群から選択される。
中心分子/化合物13としてホスファゼン環を含む樹状コア12の例は、
であり、式中、それぞれのRは、トリチオカルボニル基である。これは、30個のアームを含む樹状コア12の一例である。
それぞれのアーム14にチオカルボニルチオ基を含む樹状コア12の更に別の例は、架橋剤としてN,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BisAM)を用いたアクリルアミドの3-(((ベンジルチオ)カルボノチオイル)チオ)プロパン酸とのRAFT重合、続いて、異なるレベルのアクリルアミドでの鎖伸長によって、生成することができる。
別の例では、樹状コア12は、それぞれのアーム14に原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤を含む。樹状コア12のこの例は、2~30個のアームを有してもよく、これらのアームのそれぞれは、それぞれのアーム14の端部又はその付近にATRP開始剤を含む。いくつかの例では、ATRP開始剤を含む樹状コアは、2つのアーム、3つのアーム、4つのアーム、6つのアーム、又は8つのアームを有する。
いくつかの例では、原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤を含む樹状コア12は、多官能性開始剤である。これらの例では、樹状コア12は、ビス[2-(2’-ブロモイソブチリルオキシ)エチル]ジスルフィド、2-ブロモイソ酪酸無水物、エチレンビス(2-ブロモイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-ブロモイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-ブロモイソブチレート)、及び1,1,1-トリス(2-ブロモイソブチリルオキシメチル)エタンからなる群から選択され得る。
他の例では、単官能性開始剤が、非ATRP多官能性中心分子に結合されて、それぞれのアームに原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤を含む樹状コア12が生成される。非ATRP多官能性中心分子は、本明細書に記載される多官能性中心分子13の任意の例であり得る。
ATRP単官能性開始剤の例としては、2-アジドエチル2-ブロモイソブチレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル2-ブロモイソブチレート(様々な分子量のもの)、2-(2-ブロモイソブチリルオキシ)エチルメタクリレート、ドデシル2-ブロモイソブチレート、2-ヒドロキシエチル2-ブロモイソブチレート、1-(フタルイミドメチル)2-ブロモイソブチレート、プロパルギル2-ブロモイソブチレートなどが挙げられる。これらの単官能性開始剤が、本明細書に開示される中心分子/化合物13の任意の例に結合されて、それぞれのアームに原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤を含む樹状コア12が形成され得る。
更に別の例では、樹状コア12は、それぞれのアーム14にニトロキシド(アミノオキシル)介在重合(NMP)開始剤を含む。この例示的な樹状コアは、2~30個のアームを有してもよく、これらのアームのそれぞれは、それぞれのアーム14の端部又はその付近にNMP開始剤を含む。いくつかの例では、NMP開始剤を含む樹状コアは、2つのアーム、3つのアーム、4つのアーム、6つのアーム、又は8つのアームを有する。
いくつかの例では、NMP開始剤を含む樹状コア12は、多官能性開始剤である。例として、多官能性開始剤(I)は、
であり得る。異なるニトロキシド末端基、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル(TEMPO):
(式中、Iは、多官能性開始剤である)、ジ-t-ブチルニトロキシド:
(式中、Iは、多官能性開始剤である)、1,1,3,3-テトラエチルイソインドリン-N-オキシルテトラエチルイソインドリンニトロキシド:
(式中、Iは、多官能性開始剤である)、2,2,5-トリメチル-4-フェニル-3-アザヘキサン-3-ニトロキシド(TIPNO):
(式中、Iは、多官能性開始剤である)、N-tert-ブチル-N-[1-ジエチルホスホノ-(2,2-ジメチルプロピル)]ニトロキシド(SG1):
(式中、Iは、多官能性開始剤である)が、これらの開始剤のそれぞれのアームに結合され得る。ある例では、樹状コア12は、1,3,5-トリス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンゼン:
及び1,3,5-トリス((3,5-ビス((4-(1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシ)エチル)ベンジル)オキシ)ベンジル)オキシ)ベンゼン:
からなる群から選択され得る。
他の例では、複数の単官能性NMP開始剤が、非NMP多官能性中心分子に結合されて、それぞれのアームにNMP開始剤を含む樹状コア12が生成される。非NMP多官能性中心分子は、本明細書に記載される多官能性中心分子13の任意の例であり得る。NMP単官能性開始剤の例としては、
が挙げられる。本明細書に記載される任意のニトロキシド末端基のいずれも、NMP単官能性開始剤に結合され得ることを理解されたい。ある例では、非NMP多官能性中心分子に結合した複数のニトロキシド介在重合単官能性開始剤のそれぞれは、
からなる群から選択される構造を有し、式中、Iは、
からなる群から選択される。これらの単官能性開始剤のいずれかが、本明細書に開示される中心分子/化合物13の任意の例に結合されて、それぞれのアームにNMP開始剤を含む樹状コア12が形成され得る。
樹状コア12のいくつかの例が記載されているが、樹状コア12の構造は、マルチアームポリマーヒドロゲル10を生成するために使用される重合プロセスに依存することを理解されたい。例えば、チオカルボニルチオ基含有樹状コア12は、RAFT重合において使用することができ、一方でATRP開始剤含有樹状コア12は、ATRPにおいて使用することができ、NMP開始剤含有樹状コア12は、NMPにおいて使用することができる。他の樹状コア12を、調製又は入手し、ROPなどの他の重合プロセスで使用してもよい。
本明細書に開示されるマルチアームポリマーヒドロゲル10の例では、第1のアクリルアミドモノマー16及び第2のアクリルアミドモノマー18は、樹状コア12のアーム14に組み込まれる。
第1のアクリルアミドモノマー16は、構造:
を有し、式中、R
1及びR
2は、独立して、アルキル、アルキルアミノ、アルキルアミド、アルキルチオール、アリール、グリコール、及びこれらの任意の置換体からなる群から選択される。R
1及びR
2は、アーム14に、より疎水性の骨格を提供するように選択される。R
1及びR
2基は、ポリマーストランド間に水素結合を形成することはできず、これが、下流シーケンシング操作に対して有害な影響を有することなく、マルチアームポリマーヒドロゲル10の乾燥貯蔵能力を向上させるのに役立ち得る。一例では、第1のアクリルアミドモノマー16は、N,N-ジメチルアクリルアミドである。
第2のアクリルアミドモノマー18は、構造:
を有し、式中、R
3が、水素又はアルキルであり、R
4が、水素又はアルキルであり、Lが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される2~20個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基を含む、リンカーであり、Aが、構造
を有するN置換アミドであり、式中、R
5が、水素又はアルキルであり、Eが、炭素、酸素、及び窒素からなる群から選択される1~4個の原子の線状鎖、並びにその鎖内の炭素原子及び任意の窒素原子上の任意選択の置換基であり、Zが、任意選択の窒素含有複素環である。
第2のアクリルアミドモノマー18のアジド基は、マルチアームポリマーヒドロゲル10の架橋に関与し得、例えば、フローセルの表面に、マルチアームポリマーヒドロゲル10を結合させることができ(例えば、図2Aを参照されたい)、プライマーを結合させることができる(例えば、図2B及び図2Cを参照されたい)。
R3及び/又はR4がアルキルである場合、炭素数は、1~6又は1~4の範囲であり得る。
第2のアクリルアミドモノマー18において、Eは、任意に置換されたC1~C4アルキレンであってもよく、それぞれの炭素は、例えば、C1~C4アルキル、-OH、-OC1~C4アルキル、又は=Oから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている。例として、Eは、非置換C1~C4アルキレン、例えばCH2、(CH2)2、(CH2)3又は(CH2)4であってもよい。
他の例では、Eは、エーテル、エステル、又はアミドを含み得る。例えば、Eは、-CH2CH2OCH2-、-COCNHCH2-、又は-CH2COOCH2-を含み得る。
第2のアクリルアミドモノマー18において、Lは、それぞれが-C1~C4アルキル、-OH、-OC1~C4アルキル、又は=Oからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換された、-C2~C20アルキレン-又は3~20個の原子の直鎖ヘテロアルキレンである線状鎖を含むリンカーであり得る。Lは、1つ以上の-C1~C4アルキル、-OH、-OC1~C4アルキル、又は=O置換基で任意に置換された、-C2~C6アルキレンである線状鎖を有するリンカーであってもよい。Lは、非置換-C2~C6アルキレン-(-(CH2)2~6-としても描かれている)であってもよく、例えば、Lは、非置換-C3~C4アルキレン-、例えば-(CH2)3-又は-(CH2)4-であってもよい。
他の例では、Lは、-C1~C4アルキル、-OH、-OC1~C4アルキル、又は=Oからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換された、3~20個の原子の直鎖ヘテロアルキレンである線状鎖を含むリンカーであってもよい。Lは、1つ以上のエチレングリコール単位を含んでもよい。Lは、-CH2CH2(OCH2CH2)x-OCH2CH2-であってよく、式中、xは、0~10である。一例では、xは、1、2、3、4、5、又は6である。Lは、1つ以上のアミド基を含んでもよい。例えば、Lは、-C2~C6アルキル-NHC(O)-C2~C6アルキル-であってもよく、又はLは、-(CH2)2-NHC(O)-(CH2)2-若しくは-(CH2)3-NHC(O)-(CH2)2-であってもよい。Lは、1つ以上の天然又は非天然のアミノ酸を含んでもよく、例えば、Lは、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、又はグルタミンからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を含んでもよい。いくつかの例では、Lは、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸単位を含み得る。
第2のアクリルアミドモノマー18において、N置換アミドAは、2つの可能な構成でL及びZに結合してもよく、例えば、Aのカルボニル炭素がLに結合してもよく、Aのアミド窒素がZに結合してもよい。あるいは、Aのカルボニル炭素がZに結合してもよく、Aのアミド窒素がLに結合してもよい。
第2のアクリルアミドモノマー18において、Zは、5~10個の環員(5~10個の原子)を有する窒素含有複素環、例えば、5~10員複素環式環を含み得、環員は、複素環式環の骨格を形成する原子である。Zは、単環式構造又は2つ以上の環系を含む縮合構造を含んでもよい。単環式構造の場合、Zは、5又は6個の環員を含んでもよく、例えば、Zは、5又は6員複素環式環であってもよい。縮合構造の場合、Zは、9又は10個の環員を含んでもよい。窒素含有複素環は、2つ以上のヘテロ原子、例えば、1つ以上の追加の窒素ヘテロ原子、又は1つ以上の酸素ヘテロ原子、又は1つ以上の硫黄ヘテロ原子、又はそのようなヘテロ原子の任意の好適な組み合わせを含み得る。窒素含有複素環は、芳香族、例えば、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、キノリニル、キナゾリニルであってもよい。窒素含有複素環は、脂肪族、例えば、シクロアルキルであってもよい。脂肪族窒素含有複素環は、飽和していてもよく、又は芳香族ではないが1つ以上の二重結合を含んでもよい。一例では、脂肪族窒素含有複素環は、ピロリジニル、ピリジニル、又はピリミジニルであり得る。
第2のアクリルアミドモノマー18(図1Aに示される通りであり、Zを含まない)の一例は、アジドアセトアミドペンチルアクリルアミドであり、具体的には、N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミドである。N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミドのバリエーションもまた使用してもよく、例えば、アルキル鎖-(CH2)-は、1~20の範囲であってもよく、及び/又は-(CH2)-のそれぞれは、任意に置換されていてもよい。
Zを含む第2のアクリルアミドモノマー18のいくつかの他の例は、
である。
図1Aに示される例では、アクリルアミドモノマー16、18の混合物は、マルチアーム構成要素(例えば、樹状コア12)の存在下で重合される。この例では、マルチアーム構成要素は、4つのトリチオカーボネート基を含有する4アームのRAFT剤であり、第1のアクリルアミドモノマー16は、N,N-ジメチルアクリルアミドであり、第2のアクリルアミドモノマーは、アジドアセトアミドペンチルアクリルアミド18である。
モノマー16、18の混合物は、水及び共溶媒(例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(MeCN)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、イソプロピルアルコール(IPA)、ジオキサン、アセトン、ジメチルアセトアミド(DMAc)など)を含んでもよい。混合物はまた、pHの望ましくない変化を少なくとも実質的に防止するために、緩衝剤を含んでもよい。混合物のpHは、酸性であってもよい(7未満)。好適な緩衝剤の例としては、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はTRIZMA(登録商標))、ビス-トリスメタン緩衝剤、ADA緩衝剤(双性イオン性緩衝剤)、MES(2-エタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、又は別の酸性緩衝剤が挙げられる。
重合反応は、約50℃~約80℃の範囲の温度で、約1時間~約48時間の範囲の時間にわたって行うことができる。アゾビスイソブチロニトリル又は2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(1つの市販の例は、FujiFilmからのVA-044である)などのアゾ開始剤を含む開始剤もまた、混合物中に含まれてもよい。
いくつかの例では、図1Aに示されるプロセスは、アクリルアミドモノマー16、18をアーム14のそれぞれにランダムに組み込むが、他のモノマー組み込みシナリオ(例えば、統計的、交互など)が可能である。ランダム組み込みは、それぞれのモノマー16及び/又は18のいくつかのブロックをもたらし得る。したがって、一例では、第1のアクリルアミドモノマー16及び第2のアクリルアミドモノマー18は、樹状コア12のそれぞれのアーム14にランダムコポリマーを形成する。モノマー16のモノマー18に対するモル比は、約5:95~約1:50、又は約5:95~約50:1の範囲であり得る。
別の例では、アクリルアミドモノマー16、18は、制御されたブロックにおいてアーム14のそれぞれに組み込まれてもよい。この例では、ブロックコポリマーが、マルチアーム構成要素(例えば、樹状コア12)の存在下で形成され得る。この方法の一例は、マルチアーム構成要素(例えば、樹状コア12)の存在下で、第1のブロックを第1のアクリルアミドモノマー16と重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素(それぞれのアーム14に第1のブロックを含む)を形成し、次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第2のアクリルアミドモノマー18と重合させて、マルチアームポリマーヒドロゲル10(それぞれのアーム14に両方のブロックを含む)を形成することを含む。この方法の別の例は、マルチアーム構成要素(例えば、樹状コア12)の存在下で、第1のブロックを第2のアクリルアミドモノマー18と重合させて、修飾されたマルチアーム構成要素(それぞれのアーム14に第1のブロックを含む)を形成し、次いで、修飾されたマルチアーム構成要素の存在下で、第2のブロックを第1のアクリルアミドモノマー16と重合させて、マルチアームポリマーヒドロゲル10(それぞれのアーム14に両方のブロックを含む)を形成することを含む。この例では、第1のアクリルアミドモノマー16及び第2のアクリルアミドモノマー18は、樹状コア12のそれぞれのアーム14にブロックコポリマーを形成する。
更に他の例では、別のブロックを、ブロックコポリマーに付加してもよい。このブロックは、他のブロックにおいて利用されないモノマー単位を含んでもよい。一例では、得られるブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーである。
更に他の例では、アクリルアミドモノマー16、18は、統計学的にアーム14のそれぞれに組み込まれてもよく、モノマー単位の逐次分布は、公知の統計法則に従う。
なおも更なる例では、アクリルアミドモノマー16、18は、それらが長さに沿って交互になるように、アーム14のそれぞれに組み込まれてもよい。
更に他の例では、タンパク質及び/又はナノ粒子及び/又は他のポリマーが、樹状コア12のそれぞれのアーム14の端部にコンジュゲートされてもよい。これらの単位は、モノマー単位と共重合されてもよく、又は重合後に導入されてもよい。
図1Aにおいて繰り返し生じる「n」及び「m」特徴部の配置は代表的なものであり、モノマーサブユニット16、18は、任意の順序で(ランダムに、統計的に、交互単位として、ブロックコポリマーとして)存在し得ることを理解されたい。ある例では、nは、1~2,500の範囲の整数であり、mは、1~2,500の範囲の整数である。別の例では、n+mは、2~5,000の範囲の整数である。
マルチアームポリマーヒドロゲル10を含む、本明細書に開示されるヒドロゲルの任意の例は、1つのポリマー分子につき単一の架橋を含有してもよい。
マルチアームポリマーヒドロゲル10を含む、本明細書に開示されるヒドロゲルの任意の例の分子量は、出発物質及び変換パーセンテージに少なくとも部分的に応じて、変動し得る。一例として、マルチアームポリマーヒドロゲル10の分子量は、約850,000g/molである。
他の例では、マルチアームポリマーヒドロゲル10のポリマー末端基は、切断されて、アームが好適な末端基でキャッピングされたままとなってもよい。切断は、過酸化物との反応(アルコール末端基をもたらす)、アジドとの反応、ラジカル誘導末端基除去、UV誘導除去、酸化誘導除去、又は任意の他の好適な技術など、任意の好適なプロセスを使用して行うことができる。図1B及び図1Cは、図1Aに示されるマルチアームポリマーヒドロゲル10のポリマー末端基が切断され、アームが異なる末端基でキャッピングされている2つの例を示す。
フローセル
本明細書に開示されるヒドロゲルは、フローセル20において使用されてもよく、フローセルの例は、図2Aに示される。フローセル20は、基材22と、基材22上のマルチアームポリマーヒドロゲル10とを含む。
基材22は、単一の層/材料であってもよい。好適な単一層基材の例としては、エポキシシロキサン、ガラス、改質又は官能化ガラス、プラスチック(アクリル、ポリスチレン、及びスチレンと他の材料とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、Chemours製のTEFLON(登録商標))、環状オレフィン/シクロオレフィンポリマー(COP、cyclo-olefin polymer)(例えば、Zeon製ZEONOR(登録商標))、ポリイミドなど)、ナイロン(ポリアミド)、セラミック/セラミック酸化物、シリカ、溶融シリカ、又はシリカ系材料、ケイ酸アルミニウム、ケイ素及び改質ケイ素(例えば、ホウ素ドープp+ケイ素)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化ケイ素(SiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、又は他の酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfO2)、炭素、金属、無機ガラスなどが挙げられる。基材22はまた、多層構造であってもよい。多層構造のいくつかの例としては、ガラス又はケイ素が挙げられ、その表面に酸化タンタル又は別のセラミック酸化物のコーティング層を有する。多層構造の他の例としては、パターン形成された樹脂をその上に有する基底支持体(例えば、ガラス又はシリコン)が挙げられる。多層基材の更に他の例としては、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基材が挙げられる。
ある例では、基材22は、約2mm~約300mmの範囲の直径、又は最大約10フィート(約3メートル)の最大寸法を有する矩形シート若しくはパネルを有し得る。ある例では、基材22は、約200mm~約300mmの範囲の直径を有するウエハである。別の例では、基材22は、約0.1mm~約10mmの範囲の幅を有するダイである。例示的な寸法が提供されているが、任意の好適な寸法を有する基材22を使用することができることを理解されたい。別の例では、300mmの円形ウエハよりも大きな表面積を有する矩形支持体であるパネルが、使用され得る。
図2Aに示される例では、フローセル20は、フローチャネル24を含む。いくつかのフローチャネル24が示されているが、任意の数のチャネル24がフローセル20に含まれ得ること(例えば、単一のチャネル24、4つのチャネル24など)を理解されたい。それぞれのフローチャネル24は、2つの結合された構成要素(例えば、基材22と蓋、又は2つの基材22)の間に画定される領域であり、これは、流体(例えば、本明細書に記載されるもの)をそこに導入し、そこから除去することができる。それぞれのフローチャネル24は、任意の特定のフローチャネル24に導入される流体が、任意の隣接するフローチャネル24に流入しないように、それぞれの他のフローチャネル24から分離されていてもよい。フローチャネル24に導入される流体のいくつかの例は、反応成分(例えば、ポリメラーゼ、シーケンシングプライマー、ヌクレオチドなど)、洗浄溶液、脱ブロッキング剤などを導入することができる。
フローチャネル24は、基材22の材料に部分的に左右される任意の好適な技術を使用して、基材22において画定され得る。一例では、フローチャネル24は、ガラス基材22中にエッチングされる。別の例では、フローチャネル24は、フォトリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィーなどを使用して、多層基材22の樹脂にパターン形成することができる。更に別の例では、別個の材料(示されない)がフローチャネル24の壁部を画定し、基材22がフローチャネル24の底部を確定するように、別個の材料が、基材22に適用され得る。
ある例では、フローチャネル24は直線の構成を有する。フローチャネル24の長さ及び幅は、それぞれ、基材22の長さ及び幅よりも小さくてもよく、その結果、フローチャネル24を取り囲む基材表面の部分は、蓋(図示されない)又は別の基材22への結合に利用可能である。いくつかの場合には、それぞれのフローチャネル24の幅は、少なくとも約1mm、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7mm、少なくとも約10mm、又はそれ以上であり得る。いくつかの場合には、それぞれのレーン20の長さは、少なくとも約10mm、少なくとも約25mm、少なくとも約50mm、少なくとも約100mm、又はそれ以上であり得る。それぞれのフローチャネル24の幅及び/又は長さは、上で示された値よりも大きいか、それよりも小さいか、又はそれらの間であり得る。別の例では、フローチャネル24は、正方形(例えば、10mm×10mm)である。
それぞれのフローチャネル24の深さは、マイクロコンタクト、エアロゾル、又はインクジェット印刷を使用してフローチャネル壁部を画定する別個の材料を堆積させる場合、単一層の厚さと同程度であり得る。他の例では、それぞれのフローチャネル24の深さは、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、又はそれ以上であり得る。ある例では、深さは、約10μm~約100μmの範囲であってもよい。別の例では、深さは、約10μm~約30μmの範囲であってもよい。更に別の例では、深さは、約5μm以下である。それぞれのフローチャネル24の深さは、上で示された値よりも大きいか、それよりも小さいか、又はそれらの間であることを理解されたい。
フローセル20のフローチャネル24内の構造の異なる例を、図2B及び図2Cに示す。
図2Bに示される例では、フローセル20は、単一層基材22Aと、単一層基材22Aに画定されるフローチャネル24の一部分とを含む。この例では、マルチアームポリマーヒドロゲル10は、フローチャネル24内に配置される。
マルチアームポリマーヒドロゲル10(又は本明細書に開示されるヒドロゲルの任意の例)をフローチャネル24に導入するために、マルチアームポリマーヒドロゲル10の混合物を生成し、次いで、基材22(フローチャネル24がそこに画定される)に適用してもよい。一例では、マルチアームポリマーヒドロゲル10は、混合物で(例えば、水又はエタノール及び水との)存在し得る。混合物は、次いで、スピンコーティング、又は浸漬若しくはディップコーティング、スプレーコーティング、又は陽圧若しくは陰圧下での材料の流れ、又は別の好適な技術を使用して、基材表面(フローチャネル24に含まれる)に適用することができる。これらの種類の技術は、触媒ポリマーヒドロゲル16’を、基材24上に(例えば、フローチャネル内26及び間隙領域28上に)かぶせて堆積させる。他の選択的堆積技術(例えば、マスク、制御印刷技術などを含む)を使用して、触媒ポリマーヒドロゲル16’を、間隙領域28上には堆積させずにフローチャネル26内に特異的に堆積させることができる。
いくつかの例では、基材表面(フローチャネル24において露出される部分を含む)を活性化してもよく、次いで、混合物(マルチアームポリマーヒドロゲル10などのヒドロゲルを含む)を適用してもよい。一例では、シラン又はシラン誘導体(例えば、ノルボルネンシラン)を、蒸着、スピンコーティング、又は他の堆積方法を使用して、基材表面上に堆積させることができる。別の例では、基材表面を、プラズマ灰化に曝露して、マルチアームポリマーヒドロゲル10などのヒドロゲルに付着することができる表面活性化剤(例えば、-OH基)を生成することができる。
使用されるヒドロゲルに応じて、適用される混合物は、硬化プロセスに曝露され得る。ある例では、硬化は、室温(例えば、約25℃)~約95℃の範囲の温度で、約1ミリ秒~約数日の範囲の時間にわたって行うことができる。ヒドロゲルの材料に応じて、他の好適な硬化条件も可能である。
次いで、ヒドロゲル、例えば、マルチアームポリマーヒドロゲル10を、フローチャネル24の周囲の間隙領域34から除去し、同時にフローチャネル24内の表面上にヒドロゲルを少なくとも実質的に無傷で残すために、研磨を実施してもよい。
フローセル20はまた、増幅プライマー26も含む。
グラフトプロセスを実施して、増幅プライマー26を、フローチャネル24内のヒドロゲル、例えば、マルチアームポリマーヒドロゲル10にグラフトさせることができる。ある例では、増幅プライマー26は、プライマー26の5’末端又はその近傍における単一点共有結合によって、ヒドロゲルに固定化され得る。この結合により、i)プライマー26のアダプター特異的部分が、その同族のシーケンシング可能な核酸断片にアニーリングするように自由になり、ii)3’ヒドロキシル基が、プライマー伸長のために自由になる。この目的のために、任意の好適な共有結合を使用することができる。使用され得る末端プライマーの例としては、ヒドロゲルのアジド部分に結合することができるアルキン末端プライマーが挙げられる。好適なプライマー26の具体的な例としては、HISEQ(商標)、HISEQX(商標)、MISEQ(商標)、MISEQDX(商標)、MINISEQ(商標)、NEXTSEQ(商標)、NEXTSEQ(商標)DX(商標)、NOVASEQ(商標)、GENOME ANALYZER(商標)、ISEQ(商標)、及び他の装置プラットフォームでのシーケンシングのためのIllumina Inc.により販売されている市販のフローセルの表面上で使用されるP5及びP7プライマーが挙げられる。
ある例では、グラフトは、フロースルー堆積(例えば、一時的に結合された又は永久的に結合された蓋を使用)、ダンクコーティング、スプレーコーティング、パドル分配、又はプライマー26をフローチャネル24内のヒドロゲルに付着させる別の好適な方法を含み得る。これらの例示的な技術のそれぞれは、プライマー溶液又は混合物を利用し得、プライマー溶液又は混合物は、プライマー26、水、緩衝液、及び触媒を含み得る。グラフト法のいずれかによって、プライマー26は、フローチャネル24内の反応性基と反応し、周囲基材22に対して親和性を有さない。したがって、プライマー26は、フローチャネル24内のヒドロゲルに選択的にグラフトする。
図2Cに示される例では、フローセル20は、支持体28と、支持体28上に配置されるパターン形成された材料30とを含む多層基材22Bを含む。パターン形成された材料30は、間隙領域34によって分離される凹部32を画定する。
図2Cに示される例では、パターン形成された材料30は、支持体28上に配置される。選択的に堆積されるか、又は堆積されパターン形成されて、凹部32及び間隙領域34を形成することができる任意の材料が、パターン形成された材料30に使用され得ることを理解されたい。
一例として、無機酸化物を、蒸着、エアロゾル印刷、又はインクジェット印刷によって、支持体28に選択的に適用することができる。好適な無機酸化物の例としては、酸化タンタル(例えば、Ta2O5)、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)、酸化ケイ素(例えば、SiO2)、ハフニウム酸化物(例えば、HfO2)などが挙げられる。
別の例として、樹脂を、支持体28に塗布し、次いでパターン形成してもよい。好適な堆積技術としては、化学蒸着、ディップコーティング、ダンクコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、パドル分配、超音波スプレーコーティング、ドクターブレードコーティング、エアロゾル印刷、スクリーン印刷、マイクロコンタクト印刷などが挙げられる。好適なパターン形成技術としては、フォトリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー(NIL)、スタンピング技術、エンボス加工技術、成形技術、マイクロエッチング技術、印刷技術などが挙げられる。好適な樹脂のいくつかの例としては、多面体オリゴマーシルセスキオキサン樹脂(POSS、polyhedral oligomeric silsesquioxane)系樹脂、非POSSエポキシ樹脂、ポリ(エチレングリコール)樹脂、ポリエーテル樹脂(例えば、開環エポキシ)、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、非晶質フルオロポリマー樹脂(例えば、Bellex製のCYTOP(登録商標))、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、「多面体オリゴマーシルセスキオキサン」(POSS)という用語は、シリカ(SiO
2)とシリコーン(R
2SiO)との間のハイブリッド中間体(例えば、RSiO
1.5)である化学組成物を指す。POSSの例は、Kehagias et al.,Microelectronic Engineering 86(2009),pp.776-778に記載されているものであり得、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ある例では、組成物は、化学式[RSiO
3/2]
nを有する有機ケイ素化合物であり、R基は同じであっても異なっていてもよい。POSSの例示的なR基としては、エポキシ、アジド(azide)/アジド(azido)、チオール、ポリ(エチレングリコール)、ノルボルネン、テトラジン、アクリレート、及び/若しくはメタクリレート、又は更には、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、及び/若しくはハロアルキル基が挙げられる。本明細書に開示される樹脂組成物は、1つ以上の異なるケージ又はコア構造をモノマー単位として含んでもよい。多面体構造は、以下のようなT
8構造、例えば、
であってもよく、
によって表され得る。このモノマー単位は、典型的には、官能基R
1~R
8の8つのアームを有する。
モノマー単位は、T
10と称される、
など、10個のケイ素原子及び10個のR基を有するケージ構造を有してもよく、又はT
12と称される、
など、12個のケイ素原子及び12個のR基を有するケージ構造を有してもよい。POSS系材料は、代替的に、T
6、T
14、又はT
16ケージ構造を含んでもよい。平均ケージ含有量は、合成中に調節することができ、及び/又は精製方法によって制御することができ、モノマー単位のケージサイズの分布が、本明細書に開示される例において使用され得る。
本明細書に開示されるPOSSのいくつかの例では、R1~R8又はR10又はR12のうちの少なくとも1つは、エポキシを含む。R1~R8又はR10又はR12は、同じであってもそうでなくてもよく、また、いくつかの例では、R1~R8又はR10又はR12のうちの少なくとも1つは、エポキシを含み、R1~R8又はR10又はR12のうちの少なくとも1つの他のものは、非エポキシ官能基である。非エポキシ官能基は、(a)エポキシ基に対して直交的に反応する(すなわち、エポキシ基とは異なる条件下で反応する)反応性基(これは、樹脂を増幅プライマー、ポリマー、若しくは重合剤に結合するためのハンドルとして機能する)であってもよく、又は(b)樹脂の機械的特性若しくは機能特性、例えば、表面エネルギー調整を調節する基であってもよい。いくつかの例では、非エポキシ官能基は、アジド(azide)/アジド(azido)、チオール、ポリ(エチレングリコール)、ノルボルネン、テトラジン、アミノ、ヒドロキシル、アルキニル、ケトン、アルデヒド、エステル基、アルキル、アリール、アルコキシ、及びハロアルキルからなる群から選択される。
図2Cに示されるように、パターン形成された材料30は、内部に画定される凹部32と、隣接する凹部32を分離する間隙領域34とを含む。規則的、反復的、及び規則的でないパターンを含む、凹部32の多くの異なるレイアウトを、想定することができる。ある例では、凹部32は、密なパッキング及び改善された密度のために六角形グリッドで配置されている。他のレイアウトとしては、例えば、直線(矩形)レイアウト、三角形レイアウトなどを挙げることができる。いくつかの例では、レイアウト又はパターンは、行及び列をなしている凹部32のx-yフォーマットであり得る。いくつかの他の例では、レイアウト又はパターンは、凹部32及び/又は間隙領域34の反復配置であり得る。なおも他の例では、レイアウト又はパターンは、凹部32及び/又は間隙領域34のランダムな配置であってもよい。パターンとしては、スポット、パッド、ウェル、柱、縞、渦、線、三角形、矩形、円形、弧、チェック、格子縞、斜線、矢印、正方形、及び/又はクロスハッチを上げることができる。
凹部32のレイアウト又はパターンは、画定された領域内の凹部32の密度(凹部32の数)に関して特徴付けることができる。例えば、凹部32は、1mm2当たり約2,000,000の密度で存在してもよい。密度は、例えば、1mm2当たり約100、1mm2当たり約1,000、1mm2当たり約100,000、1mm2当たり約1,000,000、1mm2当たり約2,000,000、1mm2当たり約5,000,000、1mm2当たり約10,000,000、1mm2当たり約50,000,000、又はそれ以上若しくはそれ未満の密度を含む、異なる密度に調整してもよい。パターン形成された材料30における凹部32の密度は、上記の範囲から選択される低い方の値のうちの1つと、高い方の値のうちの1つとの間であってもよいことを更に理解されたい。例として、高密度アレイは、約100nm未満で離間した凹部32を有することを特徴とし得、中密度アレイは、約400nm~約1μmで離間した凹部32を有することを特徴とし得、低密度アレイは、約1μmを上回って離間した凹部32を有することを特徴とし得る。例示的な密度が提供されているが、任意の好適な密度を使用することができることを理解されたい。凹部32の密度は、凹部32の深さに部分的に依存し得る。いくつかの場合には、凹部32間の間隔は、本明細書に列挙される例よりも更に大きいことが望ましい場合がある。
凹部32のレイアウト又はパターンは、更に又は代替として、平均ピッチ、又は凹部32の中心から隣接する凹部32の中心までの間隔(中心間間隔)若しくは1つの凹部32の端部から隣接する凹部32の端部までの間隔(端から端までの間隔)に関して、特徴付けることができる。パターンは、ほぼ平均ピッチの変動係数が小さくなるように規則的であってもよく、又はパターンは、不規則であってもよく、その場合、変動係数は比較的大きくなる場合がある。いずれの場合も、平均ピッチは、例えば、約50nm、約0.1μm、約0.5μm、約1μm、約5μm、約10μm、約100μm、又はそれ以上若しくはそれ未満であり得る。凹部32の特定のパターンの平均ピッチは、上記の範囲から選択される低い方の値のうちの1つと、高い方の値のうちの1つとの間であり得る。ある例では、凹部32は、約1.5μmのピッチ(中心間間隔)を有する。例示的な平均ピッチ値が提供されているが、他の平均ピッチ値を使用することができることを理解されたい。
それぞれの凹部32のサイズは、その容積、開口面積、深さ、及び/又は直径によって特徴付けられ得る。
それぞれの凹部32は、流体を閉じ込めることができる任意の容積を有し得る。最小又は最大容積は、例えば、フローセル20の下流の使用に期待されるスループット(例えば、多重度)、分解能、標識ヌクレオチド、又は検体の反応性に適応するように選択することができる。例えば、容積は、少なくとも約1×10-3μm3、少なくとも約1×10-2μm3、少なくとも約0.1μm3、少なくとも約1μm3、少なくとも約10μm3、少なくとも約100μm3、又はそれ以上であり得る。代替的に、又は追加として、容積は、大きくても約1×104μm3、大きくても約1×103μm3、大きくても約100μm3、大きくても約10μm3、大きくても約1μm3、大きくても約0.1μm3、又はそれ未満であり得る。
それぞれの凹部開口部によって占有される面積は、容積について上述したものと同様の基準に基づいて選択することができる。例えば、それぞれの凹部開口部の面積は、少なくとも約1×10-3μm2、少なくとも1×10-2μm2、少なくとも約0.1μm2、少なくとも約1μm2、少なくとも約10μm2、少なくとも約100μm2、又はそれ以上であり得る。代替的に、又は追加として、面積は、大きくても約1×103μm2、大きくても約100μm2、大きくても約10μm2、大きくても約1μm2、大きくても約0.1μm2、大きくても約1×10-2μm2、又はそれ未満であり得る。それぞれの凹部開口部によって占有される面積は、上で示された値よりも大きいか、それよりも小さいか、又はそれらの間であり得る。
それぞれの凹部32の深さは、ヒドロゲル、例えば、マルチアームポリマーヒドロゲル10の一部を収容するのに十分な大きさであり得る。ある例では、深さは、少なくとも約0.1μm、少なくとも約0.5μm、少なくとも約1μm、少なくとも約10μm、少なくとも約100μm、又はそれ以上であり得る。代替的に、又は追加として、深さは、大きくても約1×103μm、大きくても約100μm、大きくても約10μm、又はそれ未満であり得る。いくつかの例では、深さは、約0.4μmである。それぞれの凹部32の深さは、上で示された値よりも大きいか、それよりも小さいか、又はそれらの間であり得る。
いくつかの場合には、それぞれの凹部32の直径又は長さ及び幅は、少なくとも約50nm、少なくとも約0.1μm、少なくとも約0.5μm、少なくとも約1μm、少なくとも約10μm、少なくとも約100μm、又はそれ以上であり得る。代替的に、又は追加として、直径又は長さ及び幅は、大きくても約1×103μm、大きくても約100μm、大きくても約10μm、大きくても約1μm、大きくても約0.5μm、大きくても約0.1μm、又はそれ未満(例えば、約50nm)であり得る。いくつかの例では、直径又は長さ及び幅は、約0.4μmである。それぞれの凹部32の直径又は長さ及び幅は、上で示された値よりも大きいか、それよりも小さいか、又はそれらの間であり得る。
図2Cに示される例では、ヒドロゲル(例えば、マルチアームポリマーヒドロゲル10)は、凹部32のそれぞれの内部に配置される。本明細書に開示されるマルチアームポリマーヒドロゲル10又はヒドロゲルの任意の他の例は、ヒドロゲルが凹部32内に存在し、周囲の間隙領域34上に存在しないように、図2Bを参照して記載されるように適用されてもよい。
図2Cに示される例では、プライマー26は、凹部32のそれぞれ内のヒドロゲルにグラフトされてもよい。プライマー26は、図2Bを参照して記載されるように適用されてもよく、したがって、ヒドロゲルにグラフトし、周囲の間隙領域34にはグラフトされない。
図2A、図2B、又は図2Cには示されていないが、フローセル20には、基材22に取り付けられた蓋が含まれてもよいことを理解されたい。ある例では、蓋は、例えば、間隙領域34の一部において、基材22の少なくとも一部分に結合され得る。蓋と基材22との間に形成される結合は、化学結合、又は機械的結合(例えば、締結具などを使用して)であってもよい。
蓋は、基材22に向けられる励起光に対して透過性である任意の材料であり得る。例として、蓋は、ガラス(例えば、ホウケイ酸、溶融シリカなど)、プラスチックなどであり得る。好適なホウケイ酸ガラスの市販の例は、Schott North America,Inc.から入手可能なD 263(登録商標)である。好適なプラスチック材料、すなわち、シクロオレフィンポリマーの市販の例は、Zeon Chemicals L.P.から入手可能なZEONOR(登録商標)製品である。
蓋は、レーザー結合、拡散接合、陽極接合、共晶結合、プラズマ活性化結合、ガラスフリット結合、又は当該技術分野において公知の他の方法などの任意の好適な技術を使用して、基材22に結合され得る。ある例では、スペーサー層が、蓋を基材22に結合するために使用され得る。スペーサー層は、基材22の少なくとも一部と、蓋とを一緒に封止する任意の材料であり得る。いくつかの例では、スペーサー層は、基材22及び蓋の結合を補助する放射線吸収材料であり得る。
他の例では、フローセル20はまた、基材22に取り付けられた追加のパターン形成された又はパターン形成されていない基材22を含んでもよい。
シーケンシング法
フローセル20の例は、合成によるシーケンシング(SBS)などの、アンサンブルシーケンシング技術で使用することができる。アンサンブルシーケンシングにおいて、シーケンシングしようとする鋳型ポリヌクレオチド鎖(図示されない)は、プライマー26を使用してフローセル上に形成され得る。鋳型ポリヌクレオチド鎖の形成の最初に、ライブラリー鋳型を、任意の核酸サンプル(例えば、DNAサンプル又はRNAサンプル)から調製することができる。DNA核酸サンプルは、同様にサイズ決定された(例えば、1000bp未満の)一本鎖DNA断片に断片化されてもよい。RNA核酸サンプルは、相補的DNA(cDNA)を合成するために使用することができ、cDNAは、同様にサイズ決定された(例えば、1000bp未満の)一本鎖cDNA断片に断片化されてもよい。調製中に、アダプターを、これらの断片の端部に付加してもよい。還元サイクル増幅により、凹部32内のプライマー26に相補的であるシーケンシング結合部位、インデックス、及び領域などの異なるモチーフが、アダプターに導入され得る。最終ライブラリー鋳型は、DNA又はcDNA断片、及び両末端のアダプターを含む。いくつかの例では、単一の核酸サンプルに由来するDNA又はcDNA断片は、それに同じアダプターが付加されている。DNA又はcDNA断片は、シーケンシングしようとする最終ライブラリー鋳型の一部分を表す。
複数のライブラリー鋳型が、フローセル20に導入されてもよい。複数のライブラリー鋳型は、例えば、フローチャネル24又は凹部32内に固定化された2種類のプライマー26のうちの1つにハイブリダイズされる。
次いで、クラスター生成を実行することができる。クラスター生成の一例では、ライブラリー鋳型は、高性能再現性DNAポリメラーゼ(high-fidelity DNA polymerase)を使用して3’伸長によって、ハイブリダイズされたプライマーからコピーされる。元のライブラリー鋳型は、変性され、フローチャネル24又は凹部32内に固定化されたコピーが残る。等温ブリッジ増幅又はなんらかの他の増幅形態を使用して、固定化されたコピーを増幅することができる。例えば、コピーされた鋳型は、ループオーバーして、隣接する相補的プライマー26にハイブリダイズし、ポリメラーゼは、コピーされた鋳型をコピーして、二本鎖架橋を形成し、これが変性されて、2つの一本鎖ストランドが形成される。これらの2つのストランドが、ループオーバーして、隣接する相補的プライマー26にハイブリダイズし、再度伸長して、2つの新たな二本鎖ループが形成される。そのプロセスを、等温変性及び増幅のサイクルによってそれぞれの鋳型コピーについて繰り返して、密集したクローンクラスターを作り出す。二本鎖架橋のそれぞれのクラスターは、変性される。ある例では、逆方向ストランドは、特定の塩基切断によって除去され、順方向鋳型ポリヌクレオチドストランドが残る。クラスタリングにより、フローチャネル24内又はそれぞれの凹部32内にいくつかの鋳型ポリヌクレオチド鎖が形成される。このクラスタリングの例が、ブリッジ増幅であり、実施され得る増幅の一例である。除外増幅(Examp)ワークフロー(Illumina Inc.)などの他の増幅技術を使用してもよいことを理解されたい。
鋳型ポリヌクレオチド鎖上の相補的配列にハイブリダイズするシーケンシングプライマーを、導入することができる。このシーケンシングプライマーは、鋳型ポリヌクレオチド鎖を、シーケンシングの準備が整った状態にする。
シーケンシングを開始するために、組み込みミックスを、フローセル20に添加してもよい。一例では、組み込みミックスは、液体担体、ポリメラーゼ、及び蛍光標識ヌクレオチドを含む。蛍光標識ヌクレオチドは、3’OHブロッキング基を含んでもよい。組み込みミックスがフローセル20に導入されると、流体は、フローチャネル24及び/又は凹部32(鋳型ポリヌクレオチド鎖が存在する)に入る。
シーケンシングプライマーに付加されるヌクレオチドの順序及び種類の検出を使用して鋳型の配列を決定することができるように、蛍光標識ヌクレオチドは、鋳型に依存する方式でシーケンシングプライマーに付加される(それによってシーケンシングプライマーを伸長させる)。より具体的には、ヌクレオチドのうちの1つは、それぞれのポリメラーゼによって、シーケンシングプライマーを伸長し鋳型ポリヌクレオチド鎖に相補的な新たなストランドに組み込まれる。換言すると、フローセル20全体にわたる鋳型ポリヌクレオチド鎖の少なくとも一部において、それぞれのポリメラーゼは、組み込みミックス中のヌクレオチドのうちの1つによってハイブリダイズされたシーケンシングプライマーを伸長させる。
このヌクレオチドの組み込みは、画像化(imaging event)によって検出することができる。画像化中、照明システム(図示されない)により、フローチャネル24及び/又は凹部32に励起光を提供してもよい。
いくつかの例では、ヌクレオチドは、ヌクレオチドがシーケンシングプライマーに付加されると更なるプライマー伸長を終結させる、可逆的終結特性(reversible termination property)(例えば、3’OHブロッキング基)を更に含むことができる。例えば、可逆的終結因子部分を有するヌクレオチド類似体を、シーケンシングプライマーに付加して、脱ブロッキング剤が送達されてその部分が除去されるまで、後続の伸長が起こらないようにすることができる。したがって、可逆的終結を使用する例では、検出が行われた後に、脱ブロッキング試薬を、フローセル20に送達することができる。
洗浄を、様々な流体送達ステップの間に行ってもよい。次いで、SBSサイクルをn回繰り返して、シーケンシングプライマーをn個のヌクレオチドだけ伸長させ、それによって、長さnの配列を検出することができる。
SBSについて詳細に説明してきたが、本明細書に記載されるフローセル20は、遺伝子型決定のため、又は他の化学的及び/若しくは生物学的用途で、他のシーケンシングプロトコールで利用され得ることを理解されたい。いくつかの場合には、フローセルのプライマーは、順方向及び逆方向ストランドの両方がヒドロゲル上に存在し、それぞれのリードの同時ベースコーリングを可能にすることができる、同時のペアエンドシーケンシングを可能にするように選択されてもよい。逐次的及び同時のペアエンドシーケンシングは、ゲノム再構成及び反復配列エレメントの検出、並びに遺伝子融合及び新規転写物の検出を容易にし得る。別の例では、本明細書に開示されるフローセル10は、オンセルライブラリー生成に使用され得る。
本開示を更に説明するために、実施例を本明細書に提供する。これらの実施例は例示目的のために提供され、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるものではないことを理解されたい。
非限定的な実施例
実施例1
マルチアームポリマーヒドロゲルの実施例を、図1に示されるスキームに従って、RAFT重合を使用して調製した。
比較例のポリマーヒドロゲル(ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-コ-アクリルアミド))を、フリーラジカル合成を使用して、アクリルアミドとN-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミドとを共重合させることによって調製した。
実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルの分散度を、計算した。結果を、図3に示すが、実施例のポリマーヒドロゲルの中央値は約1.9であり、比較例のポリマーヒドロゲルの中央値は約3.3であった。示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルの分散度は、比較例のポリマーヒドロゲルよりもはるかに低かったため、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルは、比較例のポリマーヒドロゲルよりも狭い分子量分布を有する。
実施例2
実施例1の実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルを、それぞれのガラス(具体的には溶融シリカ)スライド上のフローチャネルにコーティングし、0.1μM~50μMのオリゴヌクレオチドプライマーを、ポリマー層のそれぞれにグラフトした。フローセルを、60℃で20日間貯蔵した。
貯蔵後、300回のシーケンシングサイクルを、PhiXライブラリーを使用して、チャネルのそれぞれにおいて行った。
収集したシーケンシングデータには、フェージング(パーセンテージ、図4のAに示される)、品質スコア(Q30を超えるパーセンテージ、図4のBに示される)、及びエラー率(パーセンテージ)(図4のCに示される)が含まれた。フェージングは、クラスター内の単一分子が互いと同期しなくなる割合である。したがって、より低いフェージングパーセンテージが、より望ましい。Q30は、1000回中1回の誤ったベースコールの確率と同等である。これは、ベースコール精度(すなわち、正しいベースコールの確率)が99.9%であることを意味する。99%の低いベースコール精度(Q20)は、誤ったベースコール確率が100回に1回であることを意味し、これは、100個の塩基対シーケンシングリードごとに、1つのエラーが含有される可能性が高いことを意味する。シーケンシング品質がQ30に達すると、リードの実質的に全てが完全であり、ゼロ個のエラー及び曖昧性を有する。図4のA、B、及びCに示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルは、フェージング、Q30、及びエラー率に関して、比較例よりも良好に機能した。実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのフェージング結果は、14日間及び20日間など、より長い期間貯蔵した場合であっても、0.19%以下のままであった。対照的に、比較例のマルチアームポリマーヒドロゲルのフェージング結果は、14日間で約0.26%まで増加し、20日間で約0.39%まで増加した。実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのQ30結果は、より長い期間貯蔵した場合であっても、85%以上のままであった。対照的に、比較例のマルチアームポリマーヒドロゲルのQ30結果は、14日間で約70%まで減少し、20日間でほぼ40%まで減少した。実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのエラー率の結果は、より長い期間保管した場合であっても、2%以下のままであった。対照的に、比較例のマルチアームポリマーヒドロゲルのエラー率の結果は、14日間で約2.5%まで減少し、20日間でほぼ14%まで減少した。これらの結果の全ては、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルが、比較例のポリマーヒドロゲルよりも乾燥ステージングの結果としての不可逆的変化に対してより抵抗性であることを示す。
更に、マルチアームポリマーヒドロゲル構造はまた、クラスタリング及び/又はシーケンシング中のマルチアームポリマーヒドロゲルとDNAとの間の相互作用を最小限に抑えることができ、これは、改善されたシーケンシング性能/指標に寄与し得る。
実施例3
実施例1の実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルを、それぞれ、2つの異なるパターン形成されたフローセルの4つのガラス(具体的には溶融シリカ)フローチャネル(レーン)の凹部にコーティングし、0.1μM~50μMのオリゴヌクレオチドプライマーを、凹部のポリマーにグラフトした。
300回を上回るシーケンシングサイクルを、PhiXライブラリーを使用して、フローチャネルのそれぞれにおいて行った。
収集したシーケンシングデータには、品質スコア(Q30を超えるパーセンテージ、図5Aに示される)、及びプリフェージング(パーセンテージ、図5Bに示される)が含まれた。図5Aに示されるように、品質指標は、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルについては比較例のポリマーヒドロゲルよりも緩徐に減少し、特に、多数のサイクルに対して、より良好なシーケンシングランが得られた。実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのQ30結果は、全てのサイクルに関して55%以上、及び約200回のサイクルにわたって85%以上のままであった。対照的に、比較例のマルチアームポリマーヒドロゲルのQ30結果は、約175回のサイクルで80%未満に減少し、次いで約240回のサイクルで55%未満に低下した。図5Bに示されるように、比較例のポリマーヒドロゲルと比較した場合に、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルについては、プリフェージングが著しく低減され、結果として、より良好なシーケンシングランが得られた。4つのレーンにわたる実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルの平均プリフェージング結果は、約0.11%であったが、4つのレーンにわたる比較例のマルチアームポリマーヒドロゲルの平均プリフェージング結果は、約0.17%であった。
実施例4
実施例1の実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルを、それぞれ、多層基材の樹脂層の凹部にコーティングし、0.1μM~50μMのオリゴヌクレオチドプライマーを、ポリマー層のそれぞれにグラフトした。
1%のPhiXライブラリーを有するヒトライブラリーを使用して、フローチャネルのそれぞれにおいて、リード1(R1)及びリード2(R2)の間に、151回のシーケンシングサイクルを行った。
収集したシーケンシングデータには、エラー率(パーセンテージ、R1については図6Aに示され、R2については図6Bに示される)が含まれた。図6A及び図6Bに示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのエラー率は、それぞれのリードの間、比較例のポリマーヒドロゲルと比較して有意に低下した。実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルを有するフローセルの平均エラー率は、0.65であり、比較して比較例のポリマーヒドロゲルを有する比較例のフローセルの平均エラー率は、0.93であった。
実施例5
実施例1の実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルを、それぞれ、2つの異なるパターン形成されたフローセルの4つのガラス(具体的には溶融シリカ)フローチャネル(レーン)の凹部にコーティングし、0.1μM~50μMのオリゴヌクレオチドプライマーを、ポリマー層のそれぞれにグラフトした。
1%のPhiXライブラリーを有するヒトライブラリーを使用して、フローチャネルのそれぞれにおいて、151回のシーケンシングサイクルを行った。
収集したシーケンシングデータには、第1のサイクル(C1)強度、通過フィルタ(PF%)(パーセンテージ)、フェージング(%)、プリフェージング(%)、Q30、及びエラー率が含まれた。通過フィルタ(PF)は、純閾値を通過するクラスターを説明するために使用される指標であり、シーケンシングデータの更なる処理及び分析に使用される。より高い通過フィルタ%結果は、シーケンシングデータに使用される固有のクラスターの収率の増加を示す。フローセルのレーン全体で、再現可能なデータが観察された。フローセルのそれぞれのレーンのうちの1つのシーケンシングデータを、表1に示す。
表1に示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルのシーケンシング結果は、比較例のポリマーヒドロゲルよりも良好であったか(例えば、PF%、Q30、エラー率)、又は比較例のポリマーヒドロゲルと同程度であった(例えば、C1強度、フェージング、及びプリフェージング)。全てのレーンの平均C1強度を、図7Aに示す。実施例のポリマーヒドロゲルの平均C1強度は、約275であり、一方で比較例のポリマーヒドロゲルの平均C1強度は、約250であった。これらの結果は、実施例のポリマーヒドロゲルの強度が、比較例のポリマーヒドロゲルと同程度に良好であり、それよりも更に良好であることを示す。全てのレーンの平均エラー率を、図7Bに示す。実施例のポリマーヒドロゲルの平均エラー率は、比較例のポリマーヒドロゲルの平均エラー率よりも約1.5倍低かった。したがって、全てのレーンにわたって、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルは、比較例のポリマーヒドロゲルよりも、C1強度及びエラー率に関して、より良好な性能であった。
実施例6
実施例1の実施例のマルチアームポリマーヒドロゲル及び比較例のポリマーヒドロゲルを、この実施例でも使用した。ヒドロゲルのそれぞれを、それぞれ、2つのパターン形成されたフローセルの4つのガラス(具体的には溶融シリカ)フローチャネル(レーン)の凹部にコーティングし、0.1μM~50μMのオリゴヌクレオチドプライマーを、ポリマー層のそれぞれにグラフトした。
1%のPhiXライブラリーを有するヒトライブラリーを使用して、フローチャネルのそれぞれにおいて、複数回のシーケンシングサイクルを行った。
実施例のフローセルの1つのレーン及び比較例のフローセルの1つのレーンについて、シーケンシングサイクルにわたって、重複リードデータを収集した。順方向及び逆方向のリードの両方が同一の開始位置を有する場合、シーケンシングリードは、重複であると判定され得る。重複のパーセンテージがより低いことが望ましい。重複リード結果を、図8Aに示す。示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルを含む実施例のフローセルは、シーケンシングランに対して少ない重複リードを示した。具体的には、実施例のフローセルの重複リードのパーセンテージは、約2.5%~約12%の範囲であった。対照的に、比較例のフローセルは、約10%~約24%の範囲というはるかに高いパーセンテージの重複リードを有した。
また、実施例のフローセルの1つのレーン、及び比較例のフローセルの1つのレーンについて、シーケンシングサイクルにわたって、パッドホッピングデータも収集した。パッドホッピングは、クラスター生成中に鋳型が隣接する凹部に「ホッピング」することに起因して、いくつかの隣接する凹部が同じ鋳型配列から増幅されるプロセスを指す。パッドホッピングのパーセンテージがより低いことが望ましい。パッドホッピング結果を、図8Bに示す。示されるように、実施例のマルチアームポリマーヒドロゲルを含む実施例のフローセルは、シーケンシングランに対してパッドホッピングをほとんど呈さない(例えば、約1%未満)か又は全く呈さなかった。対照的に、比較例のポリマーヒドロゲルを含む比較フローセルは、約1%~約27%の範囲のはるかに高いパッドホッピングを呈した。
全ての実施例の結果は、マルチアームポリマーヒドロゲルが、様々な異なるフローセル構造で使用することができ、シーケンシング測定法を改善することができ、乾燥貯蔵安定性を改善することもできる(例えば、乾燥貯蔵期間の後であっても、シーケンシング性能が有害な影響を受けない)ことを示す。
追記事項
以下でより詳細に考察される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせが、(かかる概念が相互に矛盾しないことを条件として)本明細書に開示される発明の主題の一部であることが企図されることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であることが企図される。本明細書で明示的に用いられ、また参照により組み込まれる任意の開示においても出現し得る用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も合致する意味が与えられるべきであることも理解すべきである。
「一例」、「別の例」、「ある例」などへの本明細書全体を通じての言及は、例に関連して記載されている特定の要素(例えば、特徴、構造、及び/又は特性)が、本明細書に記載されている少なくとも1つの例に含まれており、他の例に存在していても、存在していなくともよいことを意味している。更に、文脈上明確に別段の指示がない限り、任意の例に関して記載される要素は、様々な例において任意の好適な様式で組み合わせることができることを理解されたい。
本明細書に提供される範囲は、そのような値又は部分範囲が明示的に列挙されているかのように、示される範囲及びその示される範囲内の任意の値又は部分範囲を含むことを理解されたい。例えば、約200mm~約300mmの範囲は、約200mm~約300mmの明示的に列挙された限界だけでなく、約240mm、約250.5mmなどの個々の値、及び約225mm~約275mmなどの部分範囲を含むように解釈されるべきである。更に、「約」及び/又は「実質的に」が値を説明するために利用される場合、それらは、示された値からのわずかな変動(最大で±10%)を包含することを意味する。
いくつかの実施例を詳細に説明してきたが、開示された例は修正され得ることを理解されたい。したがって、これまでの説明は非限定的なものであると考えるべきである。