JP7703215B2 - 繊維用ガイド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る繊維用ガイドは、合成繊維、天然繊維等を製造する繊維製造装置に備えられ、紡糸後の糸条Yを案内するものである。繊維用ガイドとしては、例えばオイリングガイド、スネールガイド、ドッグテールガイド、フックガイド、スリットガイド等、種々のガイドが挙げられる。本実施形態に係る繊維用ガイドとして、糸条Yを保護するための油剤を供給するオイリングガイド1を説明する。図1に示すように、繊維製造装置には、紡糸ノズル15、オイリングガイド1、複数のガイド16等が備えられている。
次に、第2実施形態に係るオイリングガイド1(繊維用ガイド)について説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。図5は、本体2における摺動面5の表面を正面から見た図である。また、図6は、凹凸形状20の断面形状を示している。図5,6に示すように、摺動面5は、その表面にレーザーによる穴あけ加工が施されており、微細な凹凸形状20を有している。凹凸形状20は、糸条Yと接する接触部位21aを含む接触面21と、摺動面5が削られ接触面21よりくぼんだ凹部22を有している。
次に、上記実施形態に係るオイリングガイド1(繊維用ガイド)の製造工程について説明する。第1実施形態に係るオイリングガイド1の製造工程においては、アルミナセラミックスの原料となる無機質個体粉末等を用いて、オイリングガイド1の本体2の成形体が成形される。図1を参照として、本体2は凹みを有するブロック状に成形される。具体的には、本体2の前面2aが糸条Yの移動方向に沿って凹み、案内溝3が成形される。案内溝3は、本体2を貫通して上面2cの端から下面2dの端まで延びている。
第2実施形態に係るオイリングガイド1の製造工程は、研磨工程と凹凸成形工程を含んでいる。研磨工程については、第1実施形態と実質的に同じであるため説明を省略する。
図1に示すように、上記実施形態に係るオイリングガイド1(繊維用ガイド)を、紡糸された糸条Yの移動方向に沿って設置すると、糸条Yはオイリングガイド1の案内溝3を通って下流方向へ移動する。具体的には、紡糸ノズル15の多数の孔から吐出された糸条Yは、オイリングガイド1へ送られて、案内溝3で一本の糸条Yに束ねられ、かつ摺動面5に押し当てられながら移動する。オイリングガイド1の吐出口4からは油剤が供給され、糸条Yに付着する。糸条Yは、摺動面5における接触面11,21と接しながら摺動する。摺動面5を微細な凹凸形状10,20に加工することにより、接触面11,21の面積が小さくなり、摺動する糸条Yへの摩擦を抑えることができる。また、凹部12,12a,12b,22,22a,22bは油剤の保持機能を有し、油剤を糸条Yへ不足なく安定して付着させる。
[実施例1]
アルミナセラミックス(焼結体)からなるオイリングガイド1(繊維用ガイド)の本体2を、バレル研磨した後、鏡面研磨した。鏡面状態の表面にUVレーザーを用いて微細な凹凸を成形する加工をした。表面は山と谷を繰り返す波形状に成形されており、接触面31と凹部32が規則性を持って交互に連続して配置されている(図9,12参照)。
[実施例2]
アルミナセラミックスからなる本体2をバレル研磨した後、鏡面研磨した。鏡面状態の表面にUVレーザーを用いて複数の微細な穴をあける加工をした。その後、従来の熱処理を行った。正面視において円形状の穴(凹部33)が規則性を持って配列されている。凹部33と凹部33の間は接触面34となる(図10参照)。
[比較例1]
アルミナセラミックスからなる本体2をバレル研磨した後、鏡面研磨した。熱処理(再焼成)により、表面に結晶を隆起させ梨地肌にする加工をした(図8,11参照)。
[比較例2]
アルミナセラミックスからなる本体2をバレル研磨した後、鏡面研磨した。
[比較例3]
アルミナセラミックスからなる本体2をバレル研磨した。その後の表面加工は行わない。
図11,12は、比較例1及び実施例1に係る表面仕上げについて、表面の粗さチャートの特徴をそれぞれ示した図である。従来の熱処理によって梨地肌とした比較例1(図11参照)に比べて、実施例1のようにUVレーザー加工が施された表面(図12参照)は、凹凸形状の大きさや形状が安定し、低摩擦な表面状態が得られる。
図13に示すように、実施例1、及び比較例1に係るオイリングガイド1(繊維用ガイド)に、それぞれ糸パッケージ40から送り出された糸条Yを走行させた。オイリングガイド1に対して入側41(走行方向上流)の張力T1、出側42(走行方向下流)の張力T2を測定した。なお、糸条Yがオイリングガイド1の摺動面を走行すると、糸条Yの油剤と表面の微細な凹凸形状によって削られたと推測される糸条Yのカスの混合物がスカムSとして付着する。図14は、張力T1,T2の測定結果とスカム発生量を示す図である。図15は比較例1、図16は実施例1におけるスカムSの発生状態をそれぞれ示している。実施例1のオイリングガイド1は、比較例1に比べて上流と下流の張力の差(T2-T1)が小さく、スカムSの発生が少なくなっており、糸条Yへの摩擦が抑えられている。
実施例1及び比較例1~3に係る表面仕上げがそれぞれ施された、棒状のアルミナセラミックスを着色した油剤でディップコーティングした。その後、一定時間大気中に放置して表面に付着した油剤の経過観察を行った。図17は、それぞれの表面(A:実施例1、B:比較例1、C:比較例2、D:比較例3)における油剤の保持状態を示す図である。実施例1は比較例1~3と比較して、表面に薄く均一な油剤膜Fが生成された。このように実施例1の表面仕上げを施すことにより、アルミナセラミックスの表面に油剤がムラなく均一に付着する。すなわち、油剤の保持機能がより高い摺動面を得ることができる。よって摺動する糸条との摩擦が抑えられ、糸条の摩耗の減少を図ることができる。
本発明における繊維用ガイド及びその製造方法は、上記第1及び第2の実施形態において説明した外観、構成に限られず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除、構成の組み合わせにより、その他各種の形態で実施できるものである。
2 本体
3 案内溝
4 吐出口
5 摺動面
10、20 凹凸形状
11、21 接触面
11a、21a 接触部位
12、22 凹部
Y 糸条
P1、P2 高さ位置
Claims (10)
- 紡糸後に複数本が束ねられた状態で、延在方向に沿って一方向に移動する糸条を案内する繊維用ガイドであって、
焼結体からなる本体を備え、
前記本体は、移動途中の前記糸条の延在方向における一部分が摺動する摺動面を備え、
前記摺動面は、その表面が削られて成形された、前記糸条より微細な凹凸形状を有しており、
前記凹凸形状は、前記摺動面と交差する断面において山と谷を繰り返す形状を有し、前記山の頂点と前記谷の最下点を結ぶ中腹上において前記山の高さ方向に二等分する位置を連続して通る仮想平面が設定され、前記仮想平面より突出した凸状の接触面と、前記接触面に対してくぼんだ凹部とが、規則性を持って交互に連続して配置されており、
前記接触面は、前記糸条と接する接触部位を含み、前記摺動面の正面視において円を呈し、かつ前記接触面の高さ位置が揃っている、繊維用ガイド。 - 紡糸後に複数本が束ねられた状態で、延在方向に沿って一方向に移動する糸条を案内する繊維用ガイドであって、
焼結体からなる本体を備え、
前記本体は、移動途中の前記糸条の延在方向における一部分が摺動する摺動面を備え、
前記摺動面は、その表面に前記糸条より微細な凹凸形状を有しており、
前記凹凸形状は、前記糸条と接する接触部位を含む接触面と、前記摺動面が削られ前記接触面よりくぼんでおり前記摺動面の正面視において円形状である凹部とが、規則性を持って交互に連続して配置されており、前記接触面の高さ位置が揃っている、繊維用ガイド。 - 請求項1に記載の繊維用ガイドであって、
前記摺動面は、曲面形状の前記接触面を有する、繊維用ガイド。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の繊維用ガイドであって、
前記本体は、アルミナセラミックスからなる、繊維用ガイド。 - 紡糸後に複数本が束ねられた状態で延在方向に沿って一方向に移動する糸条を案内する繊維用ガイドの製造方法であって、
焼結体からなる本体の表面を鏡面状態に研磨する研磨工程と、
前記本体において、移動途中の前記糸条の延在方向における一部分が摺動する摺動面に、前記糸条より微細な凹凸形状を成形する凹凸成形工程とを含み、
前記凹凸成形工程は、レーザーにより前記摺動面を削るレーザー加工工程を含み、
前記凹凸形状は、前記摺動面と交差する断面において山と谷を繰り返す形状を有し、前記山の頂点と前記谷の最下点を結ぶ中腹上において前記山の高さ方向に二等分する位置を連続して通る仮想平面が設定され、前記仮想平面より突出した凸状の接触面と、前記接触面に対してくぼんだ凹部とが、規則性を持って交互に連続して配置されており、
前記接触面は、前記糸条と接する接触部位を含み、前記摺動面の正面視において円を呈し、かつ前記接触面の高さ位置が揃っている、繊維用ガイドの製造方法。 - 紡糸後に複数本が束ねられた状態で延在方向に沿って一方向に移動する糸条を案内する繊維用ガイドの製造方法であって、
焼結体からなる本体の表面を鏡面状態に研磨する研磨工程と、
前記本体において、移動途中の前記糸条の延在方向における一部分が摺動する摺動面に、前記糸条より微細な凹凸形状を成形する凹凸成形工程とを含み、
前記凹凸成形工程は、レーザーにより前記摺動面を削るレーザー加工工程を含み、
前記凹凸形状は、前記糸条と接する接触部位を含む接触面と、前記接触面に対してくぼんでおり前記摺動面の正面視において円形状である凹部とが、規則性を持って交互に連続して配置されており、前記接触面の高さ位置が揃っている、繊維用ガイドの製造方法。 - 請求項5に記載の繊維用ガイドの製造方法であって、
前記凹凸形状は、前記接触面が曲面形状に成形される、繊維用ガイドの製造方法。 - 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の繊維用ガイドの製造方法であって、
前記凹凸成形工程は、前記レーザー加工工程の後、前記本体を焼成する熱処理工程を含む、繊維用ガイドの製造方法。 - 請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の繊維用ガイドの製造方法であって、
前記レーザー加工工程は、UVレーザーが用いられる、繊維用ガイドの製造方法。 - 請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の繊維用ガイドの製造方法であって、
前記本体は、アルミナセラミックスからなる、繊維用ガイドの製造方法。
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