JP7703356B2 - サウンド特徴に対する音響モデル条件付け - Google Patents
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Description
本発明は、サウンド埋め込み(embedding)に基づく条件付け(conditioning)の分野に属する。
我々は、自然言語スピーチインターフェイスが新たなタイプのヒューマンマシンインターフェイスとして今まさに普及しようとしている歴史上のターニングポイントにいる。このインターフェイスがスピーチを文字に変える能力は、近いうちに最速で最も正確なテキスト入力方法としてキーボードに取って代わるであろう。このインターフェイスが自然言語コマンドをサポートする能力は、近いうちに非テキストコントロールの操作方法としてマウスおよびタッチスクリーンに取って代わるであろう。総合的に、上記インターフェイスは、仕事、娯楽、教育、リラクゼーション、および雑用の補助のために人間がマシンを制御するためのクリーンで無菌の方法を提供する。
サウンド特徴に対する音響モデル条件付け(音素確率の推定にサウンドの特徴を利用する音響モデルであって、以下、「条件付き音響モデル」と称される)は、自動音声認識(automatic speech recognition)(ASR)の精度を大幅に改善する単純で強力な技術を提供する。
条件付き音響モデルは、ボイスタイプ、アクセント、環境条件などの珍しいユースケースおいて最大の改善をもたらす。これには、バックグラウンドノイズ、音楽、またはスピーチがあってもASRを正確なものにするといった特有の利点がある。
音響モデル(acoustic model)(AM)は、ASRのための方法であり、かつ、ASRのためのコンピュータ化されたシステムの重要な要素でもある。特に、AMは、スピーチ音声における音素の確率を推定する。条件付き音響モデルは、既知の音素シーケンスを有するキーフレーズのスピーチの第1セグメントからサウンド埋め込みを符号化することに依拠する。機械学習において、埋め込みは、単に、入力表現を別のより好都合な表現空間内に投射することを意味する、専門用語である。音声の第1セグメントは、少数の音声サンプルまたは1つのスペクトルフレームほどのごく小さいものである可能性がある、または、数個の単語のストリングほどの大きさかもしれない。符号化されたベクトルは、音声の第1セグメントの終わりの直後(immediately after)またはすぐ後(shortly after)に、計算されて記憶される。
以下のテキストは、条件付き音響モデルの関連する側面についてのさまざまな設計選択肢を説明する。特に明記されていない限り、異なる側面についての設計選択肢は、互いに独立しており、任意に組み合わされてともに機能する。
ASRのための音響モデルは、スピーチ音声のセグメントを含む入力を取り込み、1つ以上の音素の推定された確率の出力を生成する。いくつかのモデルは、一種の音素確率である、音声要素(senone)確率を推定してもよい。いくつかのアプリケーションにおいて、音響モデルの出力は、一組の認識可能な音素または音声要素全体についての確率のソフトマックスセットである。
キーフレーズからの、符号化されたボイス、アクセント、および環境情報は、サウンド埋め込みの中で表される。サウンド埋め込みは、話者のボイスの物理的属性、そのアクセントおよびスピーチスタイルの属性、そのバックグラウンドノイズ、反響等の環境の属性、ならびにマイクおよびアナログデジタル変換器の伝達関数に関する情報をキャプチャする。換言すれば、サウンド埋め込みは、話者のボイスの物理的属性、話者のアクセントの属性、話者のスピーチスタイルの属性、ならびに、話者の環境(バックグラウンドノイズ、反響、マイクおよびアナログデジタル変換器の伝達関数、など)のうちの少なくとも1つを表す情報を含む。キーフレーズのキャプチャされた音声からサウンド埋め込みを計算することで、サウンド埋め込みは、フレーズ間の変動の影響を受けず、大抵の場合は文脈および心情を原因とする変動の影響を受けない。発話の少し前のサウンド埋め込みをキャプチャすることにより、さまざまなデバイス特徴の影響、または、温度、感情、健康状態、およびその他の身体的要素を原因とするボイスの変動の影響を受けない。サウンド埋め込みは、サウンドの音響特徴を表すベクトルである。サウンド埋め込みベクトルは、(word2vec、GloVe、等の)単語埋め込みベクトルが単語を意味空間に埋め込むように、サウンドの音響特徴をサウンドの特徴空間に埋め込む。ベクトル形式で表現された音響特徴は、削減された次元数を有することができ、これが、処理リソース要件を減じる。たとえば、ウェイクフレーズの1秒間の音声について毎秒8000サンプルで音声がサンプリングされた場合、当該ウェイクフレーズに関する音響特徴は8000次元の情報になり得る。エンコーダモデルは、この8000次元の情報を、当該ウェイクフレーズの音響特徴を表現する、10または1000次元のサウンド埋め込みベクトルに変換してもよい。
図4Aは、サウンド特徴に対する音響モデル条件付けの図を示す。一実施形態において、図4Aに示された処理は、コンピュータ(仮想アシスタント、自動車制御システム、その他のボイスユーザインターフェイス、等)が音声認識処理を実施するソフトウェアプログラムを実行することによって実現される。音声認識処理として、このソフトウェアプログラムは、コンピュータに、キーフレーズ音声をエンコーダ41に入力させる。エンコーダ41は、キーフレーズ音声を受け、サウンド埋め込みを計算する。コンピュータは、キーフレーズの最後または最後の近くで、エンコーダ41からサウンド埋め込みを取得し、このサウンド埋め込みをメモリに記憶する。
合同訓練されるエンコーダおよび条件付き音響モデルの場合、十分に訓練された1つのエンコーダは、一般的に、精度改善の実現のためのコンピューティングリソースの最も効率的な使用であろう。しかしながら、いくつかの実装例の場合、オフザシェルフ(off-the-shelf)エンコーダ、異なるコードベースからのエンコーダ、または特定の用途のために最適化されたエンコーダのような、予め訓練された複数のエンコーダを使用することは有益となり得る。これは、最小の再訓練作業でさまざまなアプリケーションのためにシステムをカスタマイズするためのモジュール性を提供することができる。
サウンド埋め込みに対する音響モデル条件付けは、汎用仮想アシスタント、自動車制御システム、およびその他のボイスユーザインターフェイスにおける1つのクエリごとの場合には有用であるが、これは口述システムにおいても有用である。口述システムは、キーフレーズを検出すると常にサウンド埋め込みを再計算して記憶する。これは、キーフレーズの後で、セッションが終了するまでまたは別のキーフレーズがキャプチャされるまで、認識を継続的に改善することができる。
データから学習されない音響モデルを設計することが可能である。しかしながら、本セクションは、音響モデルをデータから訓練する方法に注目する。本セクションは、学習されるモデルのタイプの一例としてニューラルネットワークに注目するが、隠れマルコフモデル(hidden Markov model)(HMM)等のその他のタイプの統計モデルを訓練することが可能である。
サウンド埋め込みを計算するエンコーダは、デジタル信号処理アルゴリズムで実現されてもよい。これはデータから学習される統計モデルであってもよい。具体的には、ニューラルネットワークを用いて実現されてもよい。エンコーダニューラルネットワークは、1つ以上の畳み込み層、回帰ノード、LSTMまたはGRU等の長期回帰ノード、および、少なくとも1つまたは2つの「ディープ」フィードフォワード層を含み得る。
クリーンなスピーチ音声で訓練された音響モデルの、現実世界のノイズが多いスピーチ音声の精度は、ノイズが多いスピーチで訓練されたモデルよりも低い。しかしながら、まだ作られていないまたは市場で発表されていない製品について、ASRの予測されるノイズ条件を正確に表す訓練データを収集することは難しい。一般的な技術は、ノイズを比較的クリーンなスピーチ音声と混合することにより、音声データ訓練を条件付けすることである。これを、スピーチ音声をノイズの記録と混合すること、信号処理を通して故意にひずみを与えること、反響等の効果を同期させること、および同様の技術によって行うことで、現実世界の条件をモデル化することができる。
コンピュータ化された多くのシステムは、高精度ASRのために条件付き音響モデルを使用することができる。いくつかの例として、ASRを実行するクラウドサーバ等のサーバ、埋め込まれたシステム、モノのインターネット(Internet of Things)(IoT)デバイス、携帯電話またはその他のモバイルハンドセット、パーソナルコンピュータ口述システム、自動車およびその他の車両のためのボイス制御システム、ならびに小売販売システムおよびデバイスが挙げられる。以下のセクションでは、その他各種のアプリケーションに適用可能な関連する特徴を示すいくつかの例について説明する。
ホームスマートスピーカー等のいくつかのシステムは、クライアント-サーバ方式を使用する。スマートスピーカーデバイスはエンコーダ機能を含み得る。スマートスピーカーデバイスが、ウェイクフレーズを話すユーザの音声をキャプチャすると、これは、キーフレーズ音声として取り込まれ、符号化され、サーバに送られる。サーバは、ASR、自然言語理解(natural language understanding)(NLU)等のサービスを提供することができ、第三者アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)からのデータを要求し、コマンドをデバイスに戻すことを要求する。
エンコーダ86、ASR84、および条件付き音響モデル85と等価の機能を、ユーザのローカルデバイス内で実現することも可能である。そうすることは、デバイスがインターネット接続なしで音声認識を実行できることになるので、有益となり得る。このことは、モバイルワイヤレスネットワーク接続がない場所に運転する場合がある自動車、または、ユーザが移動中にまたはプライバシーを守るために「機内モード」に切り替える場合があるモバイルデバイスにとって、重要である。
エンコーダ86、ASR84、および条件付き音響モデル85の機能すべてをサーバ上で実行することも可能である。そうするためには、キーフレーズの音声を、エンコーダ機能が処理できるよう、クライアントからサーバに送る必要がある。これは、サーバのオペレータがエンコーダまたは条件付き音響モデルを容易にアップグレードできるので、利点となり得る。これはまた、サーバの処理能力は通常クライアントデバイスよりも遥かに高くそのためローカルエンコーダを複雑にせずに単に音声をサーバに送る低機能のクライアントを用いてシステムを設計するのはより簡単であるため、利点となり得る。
先に述べたように、多数のタイプのデバイスが、スピーチ制御インターフェイスをユーザに対して提示することができる。図10は、携帯電話である一例を示す。ユーザ100はスピーチ音声を携帯電話101に与える。携帯電話101は、航空機のように見えるアイコン102で示されるように機内モードである。
多くの埋め込まれたデバイス、IoTデバイス、モバイルデバイス、およびダイレクトユーザインターフェイスを備えたその他のデバイスは、制御されてASRをSoCによって実行させる。SoCは、デバイス機能を制御するために、統合されたプロセッサおよび数重または数百のインターフェイスを有する。図11Aは、パッケージングされたシステムオンチップデバイス111の底面を示し、プリント回路基板に対する表面実装はんだ付けのためのボールグリッドアレイがある。各種SoC実装例に対して各種パッケージ形状およびサイズが可能である。
プログラムコード、サウンド埋め込み等のデータ、キーフレーズおよび発話についての音声データ、オペレーティングシステムコード、ならびにその他必要なデータは、非一時的なコンピュータ読取可能媒体によって記憶される。
示され説明されている例は、特定の口頭言語を使用する。さまざまな実装例が、その他の言語または言語の組み合わせに対して同様に動作する。いくつかの実装例は、表示画面を持たないイヤピースのように画面なしである。いくつかの実装例は、自動販売機のように静止型である。いくつかの実装例は、自動車のように移動型である。いくつかの実装例は携帯電話のように携帯型である。いくつかの実装例は人体に埋め込まれてもよい。いくつかの実装例は、キーボードまたはタッチスクリーン等のマニュアルインターフェイスを含む。いくつかの実装例は、人間の思考を自然言語表現の一形態として使用するニューラルインターフェイスを含む。
Claims (10)
- コンピュータで実現される、スピーチ音声における音素確率を推定する方法であって、前記方法は、
スピーチの第1セグメントのボイス、アクセント、および環境情報からサウンド埋め込みを符号化するステップを含み、前記第1セグメントは、キーフレーズに対応し、前記方法は、さらに、
前記サウンド埋め込みを記憶するステップと、
スピーチの前記第1セグメントのすぐ後に続くスピーチの第2セグメントと、記憶された前記サウンド埋め込みとを、入力として有する音響モデルを利用して、音素確率を推定するステップとを含み、
前記音響モデルは、訓練データを利用して訓練されており、
前記訓練データは、1以上の音声サンプルと、当該1以上の音声サンプルの各々のボイス、アクセント、および環境情報から符号化されたサウンド埋め込みとを含む、方法。 - 前記1以上の音声サンプルの各々は、前記キーフレーズを含む、請求項1に記載の方法。
- コンピュータで実現される、音響モデルの機械学習を実施する方法であって、
訓練データを利用して前記音響モデルを訓練するステップを含み、
前記訓練データは、サウンド埋め込みを含み、各前記サウンド埋め込みは、各音声サンプルにおいてスピーチの第1セグメントのボイス、アクセント、および環境情報から符号化され、前記第1セグメントは、キーフレーズに対応し、
前記訓練データは、スピーチの第2セグメントを含み、前記第2セグメントのそれぞれは、スピーチの前記第1セグメントのそれぞれのすぐ後に続き、
前記訓練データは、前記第2セグメントのそれぞれのグラウンドトゥルース音素シーケンスを含む、方法。 - 前記1以上の音声サンプルの各々は、多様なノイズプロファイルと混合された多様なボイスを含み、前記1以上の音声サンプルのそれぞれについて、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントは同じノイズプロファイルと混合されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- コンピュータで実現される、音響モデルの機械学習を実施する方法であって、
訓練データを利用して前記音響モデルを訓練するステップを含み、
前記訓練データは、スピーチの第1セグメントを含み、前記スピーチの第1セグメントのそれぞれは、キーフレーズに対応し、
前記訓練データは、サウンド埋め込みを含み、前記サウンド埋め込みのそれぞれは、スピーチの前記第1セグメントのそれぞれのボイス、アクセント、および環境情報から符号化される、方法。 - 前記符号化は、前記音響モデルと合同訓練されるエンコーダモデルを使用する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記合同訓練は、
コスト関数に従って計算された勾配を誤差逆伝搬させて前記音響モデルを訓練することと、
前記勾配を誤差逆伝搬させて前記エンコーダモデルを訓練することとを含む、請求項6に記載の方法。 - スピーチの前記第1セグメントから第2のサウンド埋め込みを符号化するステップと、
前記第2のサウンド埋め込みを記憶するステップと、をさらに含み、
前記音響モデルは、記憶された前記第2のサウンド埋め込みに対して、さらに他の入力を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。 - コンピュータ化されたスピーチ処理システムであって、前記コンピュータ化されたスピーチ処理システムは、
キーフレーズのスピーチ音声を受けることと、
エンコーダモデルを用いて、前記キーフレーズのスピーチ音声のボイス、アクセント、および環境情報からサウンド埋め込みを符号化することと、
前記キーフレーズを受けたすぐ後に前記サウンド埋め込みをメモリデバイスに記憶させることと、
前記キーフレーズのスピーチのセグメントのすぐ後に続く発話のスピーチ音声を受けることと、
前記記憶させたサウンド埋め込みと前記発話のスピーチ音声とをネットワークを介して音声認識サーバに送信することとを、可能にするようにされ、
前記音声認識サーバでは、音響モデルを利用して、前記発話のスピーチ音声の音素確率が推定され、
前記音響モデルは、訓練データを利用して訓練されており、
前記訓練データは、1以上の音声サンプルと、当該1以上の音声サンプルの各々のボイス、アクセント、および環境情報から符号化されたサウンド埋め込みとを含む、コンピュータ化されたスピーチ処理システム。 - 前記エンコーダモデルは、前記サウンド埋め込みに対してその出力を条件付けする音響モデルとともに合同訓練されたものである、請求項9に記載のコンピュータ化されたスピーチ処理システム。
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