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JP7703966B2 - バドミントンラケット - Google Patents
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JP7703966B2 - バドミントンラケット - Google Patents

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Description

本明細書は、バドミントンに使用されるラケットを開示する。
バドミントンのラケットは、フレーム、ストリング及びシャフトを有している。フレームは、トップとボトムとを有している。ストリングは、フェースを形成している。プレーヤーは、ラケットでシャトルをショットする。ショットにより、フェースがシャトルと衝突する。衝突による衝撃は、ストリングからフレームを経てシャフトへと伝わる。ショットにより、フレーム及びシャフトが変形する。変形挙動の適正化に関する試みが、特開2021-23724公報に記載されている。
特開2021-23724公報
バドミントンのゲームでは、プレーヤーは、様々な種類のショットを行う。スマッシュ、ロビング、ドロップ、クリア等のショットを、プレーヤーは行う。
スマッシュは、相手プレーヤーのレシーブを妨げることが意図されるショットである。スマッシュにおいて、意図した弾道でシャトルを飛行させる技量が、プレーヤーには必要である。スマッシュを多用するプレーヤーは、シャトルの弾道(速度、高さ等)の安定を望んでいる。
カットロビングは、ノーマルなロビングと異なり、カットの動作を伴う。カットロビングでは、シャトルは、高速で回転しつつ、高速で飛行する。カットロビングは、プレーヤーのコート内の、ネットの近くから、打たれることが多い。カットロビングは、相手プレーヤーのコートの奥にシャトルを運ぶことが意図されるショットである。カットロビングでのシャトルの弾道は、高い。意図した高さでシャトルを飛行させる高度な技量が、プレーヤーには必要である。カットロビングを多用するプレーヤーは、シャトルの弾道(速度、高さ等)の安定を望んでいる。
統計的手法による調査では、スマッシュにおける典型的な打点はボトム寄りであり、カットロビングにおける典型的な打点はトップ寄りである。スマッシュ以外のショットにおいても、ボトム寄りの打点にて、シャトルがショットされうる。カットロビング以外のショットにおいても、トップ寄りの打点にて、シャトルがショットされうる。
本発明者の意図するところは、打点がボトム寄りであるショット及び打点がトップ寄りであるショットの両方において、シャトルの弾道のバラツキが抑制されうる、バドミントンラケットの提供にある。
好ましいバドミントンラケットは、
バッド及びティップを有するシャフト、
このバッドにおいてシャフトに取り付けられたグリップ、
並びに
このティップにおいてシャフトに取り付けられたフレーム
を有する。このバドミントンラケットの面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)は、下記数式(1)を満たす。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
このバドミントンラケットを使用するプレーヤーは、打点がボトム寄りであるショットを行いやすく、かつ打点がトップ寄りであるショットを行いやすい。このラケットは、ゲームの勝利に寄与しうる。
図1は、一実施形態に係るバドミントンラケットが示された正面図である。 図2は、図1のバドミントンラケットが示された右側面図である。 図3は、図2のバドミントンラケットのシャフトの一部が示された拡大断面図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿った拡大断面図である。 図5は、図1のバドミントンラケットのシャフトのためのプリプレグの一例が示された断面斜視図である。 図6は、図1のバドミントンラケットのシャフトのためのプリプレグ構成が示された展開図である。 図7は、タイプAのプリプレグ構成が示された展開図である。 図8は、タイプAのプリプレグ構成が示された模式図である。 図9は、図1のバドミントンラケットのシャフトの一部が示された拡大断面図である。 図10は、図2のバドミントンラケットのシャフトの一部が示された拡大断面図である。 図11は、図10のXI-XI線に沿った拡大断面図である。 図12は、図10のXII-XII線に沿った拡大断面図である。 図13は、タイプBのプリプレグ構成が示された模式図である。 図14は、図1のラケットの面外方向の固有振動数の測定方法が示された説明図である。 図15は、図14の測定で得られた結果が示されたグラフである。 図16は、図1のラケットの面内方向の固有振動数の測定方法が示された説明図である。 図17は、図16の測定で得られた結果が示されたグラフである。 図18は、図1のバドミントンラケットの、比(ωo2/ωo1)及び比(ωi2/ωi1)の関係が示されたグラフである。 図19は、タイプCのプリプレグ構成が示された模式図である。 図20は、タイプDのプリプレグ構成が示された模式図である。 図21は、タイプEのプリプレグ構成が示された模式図である。 図22は、タイプFのプリプレグ構成が示された模式図である。 図23は、タイプGのプリプレグ構成が示された模式図である。 図24は、タイプHのプリプレグ構成が示された模式図である。 図25は、タイプIのプリプレグ構成が示された模式図である。 図26は、タイプJのプリプレグ構成が示された模式図である。 図27は、タイプKのプリプレグ構成が示された模式図である。 図28は、比較例1のプリプレグ構成が示された展開図である。 図29は、比較例2のプリプレグ構成が示された展開図である。 図30は、比較例3のプリプレグ構成が示された展開図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
図1及び2に、バドミントンラケット2が示されている。このラケット2は、シャフト4、フレーム6、ネック8、キャップ10、グリップ12及びストリング14を有している。図1及び2において、矢印Xは幅方向を表し、矢印Yは軸方向を表し、矢印Zは厚み方向を表す。幅方向Xは、面内方向とも称される。厚み方向Zは、面外方向とも称される。
シャフト4は、中空である。図1において矢印Lsは、シャフト4の長さである。本実施形態では、長さLsは340mmである。シャフト4は、バッド16、ミドル18及びティップ20を有している。シャフト4はさらに、バッドエンド22及びティップエンド24を有している。本明細書では、バッド16は、バッドエンド22と、バッドエンド22からの距離が長さLsの44%である位置との間のゾーンと、定義される。ミドル18は、バッドエンド22からの距離が長さLsの44%である位置と、バッドエンド22からの距離が長さLsの71%である位置との間のゾーンと、定義される。ティップ20は、バッドエンド22からの距離が長さLsの71%である位置と、ティップエンド24との間のゾーンと定義される。
シャフト4は、繊維強化樹脂から形成されている。この繊維強化樹脂は、樹脂マトリックスと、多数の強化繊維とを有している。シャフト4は、複数の繊維強化層(後に詳説)を含んでいる。
シャフト4の基材樹脂として、エポキシ樹脂、ピスマレイミド樹脂、ポリイミド及びフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂;並びにポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド及びポリプロピレンのような熱可塑性樹脂が例示される。シャフト4に特に適した樹脂は、エポキシ樹脂である。
シャフト4の強化繊維として、カーボン繊維、金属繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が例示される。シャフト4に特に適した繊維は、カーボン繊維である。複数種の繊維が併用されてもよい。
フレーム6は環状であり、中空である。フレーム6は、繊維強化樹脂から形成されている。この繊維強化樹脂には、シャフト4の基材樹脂と同様の基材樹脂が用いられ得る。この繊維強化樹脂には、シャフト4の強化繊維と同様の強化繊維が用いられ得る。フレーム6は、ネック8を介して、シャフト4のティップエンド24に堅固に結合されている。フレーム6は、トップ26及びボトム28を有している。
グリップ12は、軸方向(Y方向)に延びる穴30を有している。この穴30に、シャフト4のバッドエンド22の近傍が挿入されている。穴30の内周面とシャフト4の外周面とは、接着剤で接合されている。
ストリング14は、フレーム6に張られている。ストリング14は、幅方向X及び軸方向Yに沿って張られる。ストリング14のうち幅方向Xに沿って延在する部分は、横スレッド32である。ストリング14のうち軸方向Yに沿って延在する部分は、縦スレッド34である。複数の横スレッド32及び複数の縦スレッド34により、フェース36が形成されている。フェース36は、概してX-Y平面に沿っている。
図3は、図1のラケット2のシャフト4の一部が示された拡大断面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った拡大断面図である。前述の通り、このシャフト4は中空である。図4に示されるように、このシャフト4の断面形状は、円である。換言すれば、このシャフト4は、円筒状である。シャフト4の内部には、異物は収容されていない。
図3及び4において矢印Diは、シャフト4の内径を表す。典型的な内径Diは、3mm以上10mm以下である。本実施形態では、バッドエンド22(図2参照)からティップエンド24までの内径Diは、実質的に一定である。図3及び4において矢印Doは、シャフト4の外径を表す。典型的な外径Doは、5mm以上15mm以下である。本実施形態では、バッドエンド22からティップエンド24までの外径Doは、実質的に一定である。
図4において符号SCは、シャフト4の中心点を表す。本実施形態では、便宜上、シャフト4が4のゾーンに区別される。図4において、矢印Q1で示されるゾーンは第一クオーターであり、矢印Q2で示されるゾーンは第二クオーターであり、矢印Q3で示されるゾーンは第三クオーターであり、矢印Q4で示されるゾーンは第四クオーターである。各クオーターの点SCにおける中心角は、90°である。第一クオーターQ1は、中心点SCに対して面内方向に離れている。第二クオーターQ2は、中心点SCに対して面外方向に離れている。第三クオーターQ3は、中心点SCに対して面内方向に離れている。第四クオーターQ4は、中心点SCに対して面外方向に離れている。
前述の通りシャフト4は、繊維強化樹脂から形成されている。このシャフト4は、シートワインディング法によって製造されうる。このシートワインディング法では、複数のプリプレグが、マンドレルに巻かれる。
図5に、プリプレグ38の一例が示されている。このプリプレグ38は、複数の繊維40とマトリックス樹脂42とを有する。これらの繊維40は、並列している。マトリックス樹脂42は、硬化していない。図5における矢印θは、Y方向に対する繊維40の角度である。
図6は、図1のラケット2のシャフト4のためのプリプレグ構成が示された展開図である。このプリプレグ構成は、9のプリプレグシート群を有する。具体的には、このプリプレグ構成は、第一シート群S1、第二シート群S2、第三シート群S3、第四シート群S4、第五シート群S5、第六シート群S6、第七シート群S7、第八シート群S8及び第九シート群S9を有する。図6における左右方向は、シャフト4の軸方向である。図6には、バッドエンド22及びティップエンド24の位置が、矢印で示されている。説明の便宜上、図6において、左右方向(軸方向)の縮尺は、上下方向の縮尺と一致していない。
第一シート群S1は、単一のプリプレグ44を含んでいる。このプリプレグ44は、シャフト4の全体に渡って存在している。このプリプレグ44の形状は、概ね矩形である。このプリプレグ44は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向に対して傾いている。このカーボン繊維の角度θは、45°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、24tf/mmである。このプリプレグ44の幅Wは、80mmである。
第二シート群S2は、単一のプリプレグ46を含んでいる。このプリプレグ46は、シャフト4の全体に渡って存在している。このプリプレグ46の形状は、概ね矩形である。このプリプレグ46は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向に対して傾いている。このカーボン繊維の角度θは、-45°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、24tf/mmである。このプリプレグ46の幅Wは、80mmである。第二シート群S2におけるカーボン繊維の傾斜方向は、第一シート群S1におけるカーボン繊維の傾斜方向とは逆である。このシャフト4では、第一シート群S1及び第二シート群S2が、バイアス構造を形成する。
第三シート群S3、第五シート群S5及び第七シート群S7のそれぞれは、タイプAのプリプレグ構成を有している。タイプAのプリプレグ構成は、後に詳説される。第四シート群S4、第六シート群S6及び第八シート群S8のそれぞれは、タイプBのプリプレグ構成を有している。タイプBのプリプレグ構成は、後に詳説される。
第九シート群S9は、単一のプリプレグ48を含んでいる。このプリプレグ48は、シャフト4の全体に渡って存在している。このプリプレグ48の形状は、概ね矩形である。このプリプレグ48は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグ48の幅Wは、54mmである。
図7はタイプAのプリプレグ構成が示された展開図であり、図8はその模式図である。このプリプレグ構成は、8のプリプレグを含んでいる。それぞれのプリプレグの幅は、当該プリプレグの位置におけるシャフト4の周長の1/4に相当する。第三シート群S3におけるこの幅は約4mmであり、第五シート群S5におけるこの幅は約5mmであり、第七シート群S7におけるこの幅は約5mmである。
プリプレグA1は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が240mmである位置との間に存在している。このプリプレグA1の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA1は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグA1は、第一クオーターQ1に存在している。
プリプレグA2は、バッドエンド22からの距離が240mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグA2の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA2は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグA2は、第一クオーターQ1に存在している。
プリプレグA3は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が150mmである位置との間に存在している。このプリプレグA3の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA3は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグA3は、第二クオーターQ2に存在している。
プリプレグA4は、バッドエンド22からの距離が150mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグA4の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA4は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグA4は、第二クオーターQ2に存在している。
プリプレグA5は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が240mmである位置との間に存在している。このプリプレグA5の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA5は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグA5は、第三クオーターQ3に存在している。
プリプレグA6は、バッドエンド22からの距離が240mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグA6の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA6は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグA6は、第三クオーターQ3に存在している。
プリプレグA7は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が150mmである位置との間に存在している。このプリプレグA7の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA7は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグA7は、第四クオーターQ4に存在している。
プリプレグA8は、バッドエンド22からの距離が150mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグA8の形状は、概ね矩形である。このプリプレグA8は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグA8は、第四クオーターQ4に存在している。
図9-12に、シャフト4が示されている。図9-12には、第三シート群S3の断面が示されている。他のシート群の図示は、省略されている。第三シート群S3は、前述の通り、タイプAのプリプレグ構成を有している。
図9-12に示されるように、プリプレグA1及びプリプレグA2は第一クオーターQ1に位置しており、プリプレグA3及びプリプレグA4は第二クオーターQ2に位置しており、プリプレグA5及びプリプレグA6は第三クオーターQ3に位置しており、プリプレグA7及びプリプレグA8は第四クオーターQ4に位置している。
図9-12に示されるように、プリプレグA1はバッド16からミドル18に渡って存在しており、プリプレグA2はティップ20に存在しており、プリプレグA3はバッド16に存在しており、プリプレグA4はミドル18からティップ20に渡って存在しており、プリプレグA5はバッド16からミドル18に渡って存在しており、プリプレグA6はティップ20に存在しており、プリプレグA7はバッド16に存在しており、プリプレグA8はミドル18からティップ20に渡って存在している。
図13は、タイプBのプリプレグ構成が示されたその模式図である。このプリプレグ構成は、8のプリプレグを含んでいる。それぞれのプリプレグの幅は、当該プリプレグの位置におけるシャフト4の周長の1/4に相当する。第四シート群S4におけるこの幅は約4mmであり、第六シート群S6におけるこの幅は約5mmであり、第八シート群S8におけるこの幅は約6mmである。
プリプレグB1は、バッドエンド22(図2参照)と、このバッドエンド22からの距離が150mmである位置との間に存在している。このプリプレグB1の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB1は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグB1は、第一クオーターQ1に存在している。
プリプレグB2は、バッドエンド22からの距離が150mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグB2の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB2は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグB2は、第一クオーターQ1に存在している。
プリプレグB3は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が240mmである位置との間に存在している。このプリプレグB3の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB3は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグB3は、第二クオーターQ2に存在している。
プリプレグB4は、バッドエンド22からの距離が240mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグB4の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB4は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグB4は、第二クオーターQ2に存在している。
プリプレグB5は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が150mmである位置との間に存在している。このプリプレグB5の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB5は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグB5は、第三クオーターQ3に存在している。
プリプレグB6は、バッドエンド22からの距離が150mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグB6の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB6は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグB6は、第三クオーターQ3に存在している。
プリプレグB7は、バッドエンド22と、このバッドエンド22からの距離が240mmである位置との間に存在している。このプリプレグB7の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB7は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、7.4tf/mmである。このプリプレグB7は、第四クオーターQ4に存在している。
プリプレグB8は、バッドエンド22からの距離が240mmである位置と、このバッドエンド22からの距離が340mmである位置との間に存在している。このプリプレグB8の形状は、概ね矩形である。このプリプレグB8は、並列された複数のカーボン繊維を含んでいる。それぞれのカーボン繊維の延在方向は、軸方向と位置している。このカーボン繊維の角度θは、0°である。このカーボン繊維の引張弾性率Eは、55tf/mmである。このプリプレグB8は、第四クオーターQ4に存在している。
プリプレグB1及びプリプレグB2は第一クオーターQ1に位置しており、プリプレグB3及びプリプレグB4は第二クオーターQ2に位置しており、プリプレグB5及びプリプレグB6は第三クオーターQ3に位置しており、プリプレグB7及びプリプレグB8は第四クオーターQ4に位置している。
プリプレグB1はバッド16に存在しており、プリプレグB2はミドル18からティップ20に渡って存在しており、プリプレグB3はバッド16からミドル18に渡って存在しており、プリプレグB4はティップ20に存在しており、プリプレグB5はバッド16に存在しており、プリプレグB6はミドル18からティップ20に渡って存在しており、プリプレグB7はバッド16からミドル18に渡って存在しており、プリプレグB8はティップ20に存在している。
タイプAのプリプレグ構成では、プリプレグA1、A2、A5及びA6は、中心点SC(図4参照)に対して面内方向に離れている。タイプBのプリプレグ構成では、プリプレグB1、B2、B5及びB6は、中心点SCに対して面内方向に離れている。プリプレグA1、A5、B1及びB5に含まれるカーボン繊維の引張弾性率Eは大きく、プリプレグA2、A6、B2及びB6に含まれるカーボン繊維の引張弾性率Eは小さい。各カーボン繊維の弾性率Eは、シャフト4の曲げ剛性に影響する。このシャフト4は、下記の数式を具備する。
RiB > RiM > RiT
RiB:バッド16の面内方向曲げ剛性
RiM:ミドル18の面内方向曲げ剛性
RiT:ティップ20の面内方向曲げ剛性
タイプAのプリプレグ構成では、プリプレグA3、A4、A7及びA8は、中心点SCに対して面外方向に離れている。タイプBのプリプレグ構成では、プリプレグB3、B4、B7及びB8は、中心点SCに対して面外方向に離れている。プリプレグA3、A7、B3及びB7に含まれるカーボン繊維の引張弾性率Eは小さく、プリプレグA4、A8、B4及びB8に含まれるカーボン繊維の引張弾性率Eは大きい。各カーボン繊維の弾性率Eは、シャフト4の曲げ剛性に影響する。このシャフト4は、下記の数式を具備する。
RoB < RoM < RoT
RoB:バッド16の面外方向曲げ剛性
RoM:ミドル18の面外方向曲げ剛性
RoT:ティップ20の面外方向曲げ剛性
このシャフト4はさらに、バッド16において、下記の数式を具備する。
RiB > RoB
このシャフト4はさらに、ティップ20において、下記の数式を具備する。
RiT < RoT
本明細書において引張弾性率Eは、「JIS R 7608」の規格に準拠して測定される。伸張率が0.3%から0.7%まで変化したときの応力の変化に基づいて、引張弾性率Eが算出される。
図6から明らかなように、第一シート群S1、第二シート群S2及び第九シート群S9のプリプレグは、バッドエンド22からティップエンド24に渡って存在している。これらのシート群は、シャフト4の耐久性に寄与しうる。
このシャフト4の製造では、図6に示されたシートが、順次、マンドレルに巻かれる。これらのシートと共に、他のシートがマンドレルに巻かれてもよい。他のシートとして、ガラス繊維を含むものが例示される。これらのシートに、さらにラッピングテープが巻かれる。これらのマンドレル、プリプレグ(シート群S1-S9)及びラッピングテープは、オーブン等で加熱される。加熱により、マトリックスの樹脂が流動する。さらなる加熱によりこの樹脂が硬化反応を起こし、成形体が得られる。この成形体に、端面の加工、研磨、塗装等の処理が施され、シャフト4が完成する。
前述の通り、このシャフト4の材質は繊維強化樹脂である。シャフト4の材質が、繊維を含まない樹脂組成物であってもよい。シャフト4の材質が、金属、木材等であってもよい。
図14は、図1のラケット2の面外方向の固有振動数の測定方法が示された説明図である。この方法では、紐50によってラケット2が吊り下げられる。このラケット2は、ストリング14(図1参照)を有していない。換言すれば、固有振動数の測定には、ストリング14がない状態のラケット2が供される。図14では、シャフト4の軸方向(Y方向)は、鉛直方向と一致している。図14では、フレーム6は、シャフト4よりも上方に位置している。
図14に示されるように、ラケット2には加速度ピックアップ52が取り付けられている。加速度ピックアップ52の位置は、グリップ12の先端である。この加速度ピックアップ52の向きは、Z方向である。この加速度ピックアップ52は、3.5gの質量を有する。このグリップ12の、加速度ピックアップ52の反対側の点Phが、インパクトハンマー(図示されず)で加振される。このインパクトハンマーが有するフォースピックアップで計測された入力振動と、加速度ピックアップ52で計測された応答振動とが、アンプを介して周波数解析装置(ヒューレットパッカード社の「ダイナミックシグナルアナライザ」)に送られる。この装置で得られた伝達関数に基づいて、面外の固有振動数が算出される。面外の固有振動の方向は、主としてZ方向である。この方法では、ラケット2のいかなる部分についても強固に固定されていない状態で、固有振動数が測定される。換言すれば、自由な拘束条件下での面外固有振動数が測定される。
図15は、図14の測定で得られた結果が示されたグラフである。図15において、横軸は振動数(Hz)であり、縦軸はアクセレランス(m/s/N)である。図15において符号P1で示されているのは、一次ピークである。この一次ピークP1における振動数は、面外一次固有振動数ωo1である。図15において符号P2で示されているのは、二次ピークである。この二次ピークP2における振動数は、面外二次固有振動数ωo2である。
図16は、このラケット2の面内方向の固有振動の振動数の測定方法が示された説明図である。この測定方法では、図14に示された測定方法と同様に、紐50によってラケット2が吊り下げられる。図16に示されるように、加速度ピックアップ52の向きは、X方向である。このグリップ12の、加速度ピックアップ52と対向する点Phが、インパクトハンマー(図示されず)で加振される。このインパクトハンマーが有するフォースピックアップで計測された入力振動と、加速度ピックアップ52で計測された応答振動とが、アンプを介して振動数解析装置(ヒューレットパッカード社の「ダイナミックシグナルアナライザ」)に送られる。この装置で得られた伝達関数に基づいて、面内の固有振動の振動数が算出される。面内の固有振動の方向は、主としてX方向である。この方法では、自由な拘束条件下での面内固有振動数が測定される。
図17は、図16の測定で得られた結果が示されたグラフである。図17において、横軸は振動数(Hz)であり、縦軸はアクセレランス(m/s/N)である。図17において符号P1で示されているのは、一次ピークである。この一次ピークP1における振動数は、面内一次固有振動数ωi1である。図17において符号P2で示されているのは、二次ピークである。この二次ピークP2における振動数は、面内二次固有振動数ωi2である。
図18は、バドミントンラケット2の、比(ωo2/ωo1)及び比(ωi2/ωi1)の関係が示されたグラフである。このグラフにおいて、符号Prは、図1-13に示されたラケット2のポイントを表す。
図18において符号L1で示された直線は、下記の数式で表されうる。
(ωi2/ωi1) = 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2
図18に示されるように、ポイントPrは、直線L1よりも上側に位置している。換言すれば、このラケット2の座標((ωo2/ωo1),(ωi2/ωi1))は、下記の数式(1)を具備する。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
本発明者の得た知見によれば、この数式(1)を満たすラケット2は、スマッシュ及びカットロビングに適している。このラケット2を用いてスマッシュ又はカットロビングを行うプレーヤーは、シャトルの意図した弾道を得やすい。このラケット2では、スマッシュにおけるシャトルの弾道のばらつきが小さく、カットロビングにおけるシャトルの弾道のばらつきも小さい。
上記数式を満たすバドミントンラケット2は、面外方向の振動の比(ωo2/ωo1)が比較的小さく、かつ面内方向の振動の比(ωi2/ωi1)が比較的大きい。
面外方向の振動に関して本発明者が得た知見によれば、フェース36のうちのボトム28寄りの部分でシャトルが打撃されたとき、主として面外二次固有振動数が励起される。本発明者が得た知見によれば、フェース36のうちのトップ26寄りの部分でシャトルが打撃されたとき、主として面外一次固有振動数が励起される。スマッシュにおける典型的な打点は、ボトム28寄りである。従って、スマッシュでは、主として面外二次固有振動が励起される。しかし、スマッシュにおいても、打点はばらつく。比(ωo2/ωo1)が小さいラケット2では、面外一次固有振動数ωo1が比較的大きく、面外二次固有振動数ωo2が比較的小さい。本発明者が得た知見によれば、面外一次固有振動数ωo1が大きく面外二次固有振動数ωo2が小さいラケット2によるスマッシュでは、打点がばらついても、シャトルの初速のバラツキは小さい。その理由は、意図された位置からずれた位置でシャトルが打撃されても、ラケット2の反発が極端には小さくないからである。シャトルの初速のバラツキが小さいので、シャトルの弾道軌跡のバラツキも小さい。このラケット2は、スマッシュを多用するプレーヤーに適している。このラケット2は、スマッシュを重視するプレーヤーにも適している。
前述の通り、スマッシュにおける典型的な打点は、ボトム28寄りである。フェース36のうちのボトム28寄りの部分でシャトルが打撃される、スマッシュ以外のショットにも、このラケット2は適している。
面内方向の振動に関して本発明者が得た知見によれば、フェース36のうちのボトム28寄りの部分でシャトルが打撃されたとき、主として面内二次モードの振動が励起される。本発明者が得た知見によれば、フェース36のうちのトップ26寄りの部分でシャトルが打撃されたとき、主として面内一次モードの振動が励起される。カットロビングにおける典型的な打点は、トップ26寄りである。従って、カットロビングでは、主として面内一次モードの振動が励起される。しかし、カットロビングにおいても、打点はばらつく。比(ωi2/ωi1)が大きいラケット2では、面内一次固有振動数ωi1が比較的小さく、面内二次固有振動数ωi2が比較的大きい。本発明者が得た知見によれば、面内一次固有振動数ωi1が小さく面内二次固有振動数ωi2が大きいラケット2によるカットロビングでは、打点がばらついても、シャトルの初速のバラツキは小さい。その理由は、意図された位置からずれた位置でシャトルが打撃されても、ラケット2の反発が極端には小さくないからである。シャトルの初速のバラツキが小さいので、シャトルの弾道軌跡のバラツキも小さい。このラケット2は、カットロビングを多用するプレーヤーに適している。このラケット2は、カットロビングを重視するプレーヤーにも適している。
前述の通り、カットロビングにおける典型的な打点は、トップ26寄りである。フェース36のうちのトップ26寄りの部分でシャトルが打撃されかつカットを伴う、カットロビング以外のショットにも、このラケット2は適している。
前述の通り、このシャフト4では、ティップ20の面内方向曲げ剛性がバッド16の面内方向曲げ剛性よりも小さく、かつティップ20の面外方向曲げ剛性がバッド16の面外方向曲げ剛性よりも大きい。このシャフト4を有するバドミントンラケット2において、上記数式(1)が達成されうる。
上記数式(1)が達成される他の手段として、フレーム6の剛性分布の調整が挙げられる。ボトム28の近傍における、面内方向の曲げ剛性が大きく、かつ面外方向の曲げ剛性が小さいフレーム6は、上記数式(1)の達成に寄与しうる。
上記数式(1)が達成されるさらに他の手段として、ラケット2全体の剛性分布の調整、シャフト4の質量分布の調整、フレーム6の質量分布の調整、ラケット2全体の質量分布の調整、シャフト4の体積分布の調整、フレーム6の体積分布の調整、及びラケット2全体の体積分布の調整が、例示される。
スマッシュ及びカットロビングへの適正の観点から、ラケット2が下記数式を満たすことが、より好ましい。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.1
スマッシュ及びカットロビングへの適正の観点から、ラケット2が下記数式を満たすことが、特に好ましい。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) + 0.1
図18において符号L2で示された直線は、下記の数式で表されうる。
(ωi2/ωi1) = 1.11 * (ωo2/ωo1) + 0.391
図18に示されるように、ポイントPrは、直線L2よりも上側に位置している。換言すれば、このラケット2の座標((ωo2/ωo1),(ωi2/ωi1))は、下記の数式(2)を具備する。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.11 * (ωo2/ωo1) + 0.391 (2)
本発明者の得た知見によれば、この数式(2)を満たすラケット2は、スマッシュ及びカットロビングに適している。このラケット2を用いてスマッシュ又はカットロビングを行うプレーヤーは、シャトルの意図した弾道を得やすい。このラケット2では、スマッシュにおけるシャトルの弾道のばらつきが小さく、カットロビングにおけるシャトルの弾道のばらつきも小さい。
図18において符号L3で示された直線は、下記の数式で表されうる。
(ωi2/ωi1) = 2.5 * (ωo2/ωo1) - 3.42
図18に示されるように、ポイントPrは、直線L3の上に位置している。換言すれば、このラケット2の座標((ωo2/ωo1),(ωi2/ωi1))は、下記の数式(3)を具備する。
(ωi2/ωi1) ≧ 2.5 * (ωo2/ωo1) - 3.42 (3)
本発明者の得た知見によれば、この数式(3)を満たすラケット2は、スマッシュ及びカットロビングに適している。このラケット2を用いてスマッシュ又はカットロビングを行うプレーヤーは、シャトルの意図した弾道を得やすい。このラケット2では、スマッシュにおけるシャトルの弾道のばらつきが小さく、カットロビングにおけるシャトルの弾道のばらつきも小さい。
図18において符号L4で示された直線は、下記の数式で表されうる。
(ωo2/ωo1) = 2.99
図18に示されるように、ポイントPrは、直線L4よりも左側に位置している。換言すれば、ポイントPrの比(ωo2/ωo1)は、2.99以下である。このラケット2は、スマッシュに適している。この観点から、比(ωo2/ωo1)は2.95以下がより好ましく、2.94以下が特に好ましい。比(ωo2/ωo1)は、2.50以上が好ましい。
図18において符号L5で示された直線は、下記の数式で表されうる。
(ωi2/ωi1) = 3.61
図18に示されるように、ポイントPrは、直線L5よりも上側に位置している。換言すれば、ポイントPrの比(ωi2/ωi1)は、3.61以上である。このラケット2は、カットロビングに適している。この観点から、比(ωi2/ωi1)は3.65以上がより好ましく、3.68以上が特に好ましい。比(ωi2/ωi1)は4.3以下が好ましい。
以下、バドミントンラケット2の、好ましい仕様決定方法が説明される。この決定方法は、
(A)標準ラケットの面外一次固有振動数ωo1(Hz)、面外二次固有振動数ωo2(Hz)、面内一次固有振動数ωi1(Hz)及び面内二次固有振動数ωi2(Hz)を測定するステップ、
(B)これらの固有振動数ωo1、ωo2、ωi1及びωi2に基づいて、前述の数式(1)が満たされるか否かを、判定するステップ、
並びに
(C)この数式(1)が満たされない場合に、標準ラケットの比よりも小さい比(ωo2/ωo1)を有するように、目標ラケット2のシャフト4又はフレーム6の特性を決定するステップ
を含む。
このステップ(C)にて決定される特性として、シャフト4の長さ、シャフト4の太さ、シャフト4の剛性、シャフト4の剛性分布、フレーム6の長さ、フレーム6の厚さ、フレーム6の剛性、及びフレーム6の剛性分布が例示される。
好ましい他の仕様決定方法は、
(A)標準ラケットの面外一次固有振動数ωo1(Hz)、面外二次固有振動数ωo2(Hz)、面内一次固有振動数ωi1(Hz)及び面内二次固有振動数ωi2(Hz)を測定するステップ、
(B)これらの固有振動数ωo1、ωo2、ωi1及びωi2に基づいて、前述の数式(1)が満たされるか否かを、判定するステップ、
並びに
(C)下記数式(1)が満たされない場合に、標準ラケットの比よりも大きい比(ωi2/ωi1)を有するように、目標ラケット2のシャフト4又はフレーム6の特性を決定するステップ
を含む。
このステップ(C)にて決定される特性として、シャフト4の長さ、シャフト4の太さ、シャフト4の剛性、シャフト4の剛性分布、フレーム6の長さ、フレーム6の厚さ、フレーム6の剛性、及びフレーム6の剛性分布が例示される。
以下、実施例に係るバドミントンラケットの効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本明細書で開示された範囲が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1-13に示されたバドミントンラケットを製作した。このラケットの、面外一次固有振動数ωo1は59Hzであり、面外二次固有振動数ωo2は172Hzであり、面内一次固有振動数ωi1は51Hzであり、面内二次固有振動数ωi2は200Hzであった。このラケットの座標は、図18において、符号Prで示されている。
[実施例2]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このシャフトでは、シート群S3-S8に、タイプCのプリプレグ構成を採用した。このシャフトではさらに、第九シート群S9に、幅が54mmであるプリプレグを採用した。タイプCのプリプレグ構成が、図19に示されている。
[実施例3]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このシャフトでは、下記のタイプのプリプレグ構成を採用した。
第三シート群S3:タイプD
第四シート群S4:タイプE
第五シート群S5:タイプF
第六シート群S6:タイプG
第七シート群S7:タイプH
第八シート群S8:タイプG
これらのプリプレグ構成が、図20-24に示されている。このシャフトではさらに、第九シート群S9に、繊維の弾性率が16tf/mmであるプリプレグを採用した。
[実施例4]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このシャフトでは、第一シート群S1及び第二シート群S2に、繊維の弾性率が30tf/mmであるプリプレグを採用した。このシャフトでは、下記のタイプのプリプレグ構成を採用した。
第三シート群S3:タイプI
第四シート群S4:タイプI
第五シート群S5:タイプI
第六シート群S6:タイプI
第七シート群S7:タイプJ
第八シート群S8:タイプK
これらのプリプレグ構成が、図25-27に示されている。このシャフトではさらに、第九シート群S9に、繊維の弾性率が30tf/mmであるプリプレグを採用した。
[比較例1]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このプリプレグ構成が、図28に示されている。
[比較例2]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このプリプレグ構成が、図29に示されている。
[比較例3]
シャフトのプリプレグ構成を変更した他は実施例1と同様にして、バドミントンラケットを得た。このプリプレグ構成が、図30に示されている。
[スマッシュ]
発射マシンにて、シャトルを発射した。このシャトルに対してプレーヤーにスマッシュを行わせ、シャトルの弾道を撮影した。画像を解析し、ネットの上を通過するシャトルの高さを測定した。20回の測定を行い、高さの標準偏差を求めた。この標準偏差に基づき、ラケットを格付けした。格付けの基準は、以下の通りである。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
3:標準偏差が0.06m未満
2:標準偏差が0.06m以上0.10m未満
1:標準偏差が0.10m以上
[カットロビング]
発射マシンにて、シャトルを発射した。このシャトルに対してプレーヤーにカットロビングを行わせ、シャトルの弾道を撮影した。画像を解析し、ネットの上を通過するシャトルの高さを測定した。20回の測定を行い、高さの標準偏差を求めた。この標準偏差に基づき、ラケットを格付けした。格付けの基準は、以下の通りである。この結果が、下記の表1-4に示されている。
3:標準偏差が0.14m未満
2:標準偏差が0.14m以上0.20m未満
1:標準偏差が0.20m以上
Figure 0007703966000001
Figure 0007703966000002
表1及び2から明らかな通り、各実施例のバドミントンラケットでは、スマッシュの安定性に関する評価は「3」又は「2」であり、カットロビングの安定性に関する評価は「3」又は「2」である。一方、各比較例のラケットでは、スマッシュの安定性に関する評価又はカットロビングの安定性の評価が、「1」である。この結果から、このバドミントンラケットの優位性は明らかである。
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
バッド及びティップを有するシャフト、
上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
並びに
上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
を備えており、
面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)が、下記数式(1)を満たすバドミントンラケット。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
[項目2]
下記数式(2)を満たす項目1に記載のバドミントンラケット。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.11 * (ωo2/ωo1) + 0.391 (2)
[項目3]
下記数式(3)を満たす項目1に記載のバドミントンラケット。
(ωi2/ωi1) ≧ 2.5 * (ωo2/ωo1) - 3.42 (3)
[項目4]
上記比(ωo2/ωo1)が2.99以下である項目1から3のいずれかに記載のバドミントンラケット。
[項目5]
上記比(ωi2/ωi1)が3.61以上である項目1から4のいずれかに記載のバドミントンラケット。
[項目6]
上記シャフトの材質が、複数の強化繊維を含む繊維強化樹脂である項目1から5のいずれかに記載のバドミントンラケット。
[項目7]
上記バッドにおいて、上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも大きい、項目6に記載のバドミントンラケット。
[項目8]
上記ティップにおいて、上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも小さい、項目6又は7に記載のバドミントンラケット。
[項目9]
上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンにおいて、上記バッドに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記ティップに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも大きい、項目6から8のいずれかに記載のバドミントンラケット。
[項目10]
上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンにおいて、上記バッドに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記ティップに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも小さい、項目6から9のいずれかに記載のバドミントンラケット。
[項目11]
バッド及びティップを有するシャフト、
上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
並びに
上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
を備えたバドミントンラケットの仕様決定方法であって、
(A)標準ラケットの面外一次固有振動数ωo1(Hz)、面外二次固有振動数ωo2(Hz)、面内一次固有振動数ωi1(Hz)及び面内二次固有振動数ωi2(Hz)を測定するステップ、
(B)これらの固有振動数ωo1、ωo2、ωi1及びωi2に基づいて、下記数式(1)が満たされるか否かを、判定するステップ、
並びに
(C)下記数式(1)が満たされない場合に、標準ラケットの比よりも小さい比(ωo2/ωo1)を有するように、目標ラケットのシャフト又はフレームの特性を決定するステップ
を含む、バドミントンラケットの仕様決定方法。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
[項目12]
バッド及びティップを有するシャフト、
上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
並びに
上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
を備えたバドミントンラケットの仕様決定方法であって、
(A)標準ラケットの面外一次固有振動数ωo1(Hz)、面外二次固有振動数ωo2(Hz)、面内一次固有振動数ωi1(Hz)及び面内二次固有振動数ωi2(Hz)を測定するステップ、
(B)これらの固有振動数ωo1、ωo2、ωi1及びωi2に基づいて、下記の数式(1)が満たされるか否かを、判定するステップ、
並びに
(C)下記数式(1)が満たされない場合に、標準ラケットの比よりも大きい比(ωi2/ωi1)を有するように、目標ラケットのシャフト又はフレームの特性を決定するステップ
を含む、バドミントンラケットの仕様決定方法。
(ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
前述のバドミントンラケットは、スマッシュ及びカットロビングを多用するスタイルのプレーヤーに適している。このラケットは、打点がボトム寄りである他のショットと、打点がトップ寄りであってかつカットを伴う他のショットとを多用するスタイルのプレーヤーにも、適している。
2・・・バドミントンラケット
4・・・シャフト
6・・・フレーム
8・・・ネック
10・・・キャップ
12・・・グリップ
14・・・ストリング
16・・・バッド
18・・・ミドル
20・・・ティップ
22・・・バッドエンド
24・・・ティップエンド
26・・・トップ
28・・・ボトム
36・・・フェース
38・・・プリプレグ
40・・・繊維
42・・・マトリクス樹脂
44・・・プリプレグ
46・・・プリプレグ
48・・・プリプレグ
S1・・・第一シート群
S2・・・第二シート群
S3・・・第三シート群
S4・・・第四シート群
S5・・・第五シート群
S6・・・第六シート群
S7・・・第七シート群
S8・・・第八シート群
S9・・・第九シート群

Claims (8)

  1. バッド及びティップを有するシャフト、
    上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
    並びに
    上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
    を備えており、
    上記シャフトの材質が、複数の強化繊維を含む繊維強化樹脂であり、
    上記バッドにおいて、上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも大きく、
    面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)が、下記数式(1)を満たすバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1) - 0.2 (1)
  2. バッド及びティップを有するシャフト、
    上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
    並びに
    上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
    を備えており、
    上記シャフトの材質が、複数の強化繊維を含む繊維強化樹脂であり、
    上記ティップにおいて、上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも小さく、
    面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)が、下記数式(1)を満たすバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1)- 0.2 (1)
  3. バッド及びティップを有するシャフト、
    上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
    並びに
    上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
    を備えており、
    上記シャフトの材質が、複数の強化繊維を含む繊維強化樹脂であり、
    上記シャフトの中心点よりも面内方向に離れたゾーンにおいて、上記バッドに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記ティップに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも大きく、
    面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)が、下記数式(1)を満たすバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1)- 0.2 (1)
  4. バッド及びティップを有するシャフト、
    上記バッドにおいて上記シャフトに取り付けられたグリップ、
    並びに
    上記ティップにおいて上記シャフトに取り付けられたフレーム
    を備えており、
    上記シャフトの材質が、複数の強化繊維を含む繊維強化樹脂であり、
    上記シャフトの中心点よりも面外方向に離れたゾーンにおいて、上記バッドに含まれる強化繊維の引張弾性率が、上記ティップに含まれる強化繊維の引張弾性率よりも小さく、
    面外一次固有振動数ωo1(Hz)に対する面外二次固有振動数ωo2(Hz)の比(ωo2/ωo1)、及び面内一次固有振動数ωi1(Hz)に対する面内二次固有振動数ωi2(Hz)の比(ωi2/ωi1)が、下記数式(1)を満たすバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 1.3 * (ωo2/ωo1)- 0.2 (1)
  5. 下記数式(2)を満たす請求項1から4のいずれかに記載のバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 1.11 * (ωo2/ωo1) + 0.391 (2)
  6. 下記数式(3)を満たす請求項1から4のいずれかに記載のバドミントンラケット。
    (ωi2/ωi1) ≧ 2.5 * (ωo2/ωo1) - 3.42 (3)
  7. 上記比(ωo2/ωo1)が2.99以下である請求項1から6のいずれかに記載のバドミントンラケット。
  8. 上記比(ωi2/ωi1)が3.61以上である請求項1から7のいずれかに記載のバドミントンラケット。
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