JP7705033B2 - フラックス、及びそれを用いたはんだペースト - Google Patents
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Description
一方で、かかるはんだ付け用フラックスは、はんだ付けの際、高温状態となるため、含まれる溶剤成分が突沸する等して溶融したフラックスが飛散する場合があった。そこで、かかるフラックスの飛散を抑制する技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、ベース樹脂、溶剤、活性剤、チクソ剤、および重量平均分子量が2,000Mw以上1,000,000Mw以下のポリアルキレンオキサイド重合体を所定量含むフラックスが開示されている(特許文献1の請求項1)。
チキソ剤を含むフラックスであって、
前記チキソ剤が、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するアルキレンオキサイド共重合体(A)を含む、フラックスが提供される。
上記のフラックス、および金属粉を含む、はんだペーストが提供される。
本実施形態のフラックスは、チキソ剤を含むフラックスであって、チキソ剤が、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するアルキレンオキサイド共重合体(A)を含む。これにより、リフロー時のフラックスの飛散をより効果的に抑制しつつ、はんだペーストの保管性を向上できる。
チキソ剤は、フラックスおよびはんだペーストにチキソ性を付与するために用いられる。
本実施形態のチキソ剤は、少なくとも、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するアルキレンオキサイド共重合体(A)を含む。すなわち、アルキレンオキサイド共重合体(A)が側鎖にアリル基および/またはフェニル基といった嵩高い疎水基を有することで、界面活性効果が得られ、これによりはんだ粉の分散性を良好にし、フラックス成分とはんだ粉との分離を抑制しやすくできるとともに、えい糸性が向上することで小さな塊のフラックス成分が飛び散ることを抑制できると考えられる。また、ポリアルキレンオキサイドを主骨格とすることで良好な粘度が得られ、リフローによる高温下でも適度な粘度が保持されフラックス成分の飛散を抑制しやすくなり、また、フラックスの保管時においては、粘度およびチキソ性の向上によるはんだ粉の沈降を抑制しフラックス成分との分離を生じにくくできる。なお、本実施形態において、リフロー時にはんだ粉とフラックス成分が分離することは問題ない。
アルキレンオキサイド共重合体(A)は、ポリアルキレンオキサイドと、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するグリシジルエーテルとの共重合体であることが好ましい。アルキレンオキサイド共重合体(A)における側鎖のアリル基および/またはフェニル基の含有量は、1~12質量%であることが好ましい。
チキソ剤の含有量を、上記上限値以下とすることにより飛散抑制しやすくなる。一方、チキソ剤の含有量を、上記下限値以上とすることにより保存性と飛散抑制のバランスを向上できる。
重量平均分子量の測定方法としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果を、標準ポリエチレングリコールの検量線を用いて換算する手法が一般に知られている。
例えば、以下の条件で測定することができる。
測定装置:Agilent製 1260 Infinity
使用カラム:東ソー製 TSKguardcolumn SWXL (ガードカラム)、東ソー製 TSKgel G5000PWXL-CP、東ソー製 TSKgel G3000PWXL-CP
移動相:0.1M硝酸ナトリウム水溶液
標準物質:ポリエチレングリコール
検出器:RI検出器、Pol(+)
注入量:20μl
検量線:ポリエチレングリコール基準
本実施形態のフラックスは活性剤を含むことが好ましい。
活性剤とは、金属酸化物を除去する特性を有するものであり、はんだ接合プロセス時のはんだ濡れ性を高めることが可能である。
すなわち、一般的に、はんだ接合プロセスについて、ギ酸ガスなどの還元ガス雰囲気下で行う場合と、還元ガスを実質的に含まない、窒素ガスやアルゴンガスなどを含む不活性ガス雰囲気下あるいは減圧雰囲気下で行う場合、大気圧環境下で行う場合が知られている。そこで、フラックスが活性剤を含むことで、還元ガスを実質的に含まない不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気のはんだ接合プロセスに用いることが可能となる。
炭素数が11以下の有機酸としては、例えば、グリコール酸(炭素数2)、チオグリコール酸(炭素数2)、グリシン(炭素数2)、マロン酸(炭素数3)、フマル酸(炭素数4)、マレイン酸(炭素数4)、コハク酸(炭素数4)、ジグリコール酸(炭素数4)、酒石酸(炭素数4)、リンゴ酸(炭素数4)、グルタル酸(炭素数5)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(炭素数5)、アジピン酸(炭素数6)、クエン酸(炭素数6)、ピコリン酸(炭素数6)、安息香酸(炭素数7)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(炭素数6)、サリチル酸(炭素数7)、ジピコリン酸(炭素数7)、2,3-ジヒドロキシ安息香酸(炭素数7)、3-ヒドロキシ安息香酸(炭素数7)、スベリン酸(炭素数8)、フタル酸(炭素数8)、イソフタル酸(炭素数8)、テレフタル酸(炭素数8)、パラヒドロキシフェニル酢酸(炭素数8)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸(炭素数8)、p-アニス酸(炭素数8)、アゼライン酸(炭素数9)、2,4-ジエチルグルタル酸(炭素数9)、セバシン酸(炭素数10)、フェニルコハク酸(炭素数10)、2-キノリンカルボン酸(炭素数10)、4-tert-ブチル安息香酸(炭素数11)等が挙げられる。
その他の有機ハロゲン化合物としては、例えば、有機クロロ化合物であるクロロアルカン、塩素化脂肪酸エステル、ヘット酸、ヘット酸無水物等が挙げられる。さらに有機フルオロ化合物であるフッ素系界面活性剤、パーフルオロアルキル基を有する界面活性剤、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
フラックス中の有機ハロゲン化合物の含有量は、例えば、0~5質量%であってもよい。
フラックス中のアミンハロゲン化水素酸塩の含有量は、例えば、0~1質量%であってもよい。
フェニル置換ホスフィン酸としては、例えば、フェニルホスフィン酸、及びジフェニルホスフィン酸が挙げられる。
本実施形態のフラックスは溶剤を含む。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、固形溶剤、液状溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のアルコール系固形溶剤は、分子内に1個または2個以上のヒドロキシ基を有する固形溶剤であればよく、2個または3個以上の複数のヒドロキシ基を有する多価アルコール系固形溶剤が好ましい。多価アルコール系固形溶剤の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
上記のフェノール系固形溶剤は、分子内に1個または2個以上のフェノール基を有する固形溶剤であればよく、フェノール基のベンゼン環には、1または2個以上のヒドロキシ基が結合してもよい。
フラックスは、ベース樹脂を含んでもよい。
ベース樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂、ビニルエーテル系樹脂、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等)、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂(例えば、水添テルペンフェノール樹脂等)、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂(例えば、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン樹脂等)、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂(例えば、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等)等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、メタクリル系樹脂及びアクリル系樹脂を包含する概念をいう。
ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジン、原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン)、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びにα,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物、不均化物等が挙げられる。これらのロジン系樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
フラックスは、本発明の効果を損なわない限り、フラックスに通常添加される添加剤を含んでもよい。
添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤等の酸化防止剤、防錆剤、消泡剤、つや消し剤、界面活性剤、ならびに着色剤等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のフラックスは、例えば、金属粉と混合してはんだペーストとして使用したり、ボールアタッチ用、或いはチップアタッチ用のフラックスとして使用することができる。
本実施形態のはんだペーストは、上記のフラックスと、金属粉を含む。
例えば、フラックスの製造方法は、最終的にフラックスの全成分が混合されればよく、溶剤に他の成分を順次混合してもよいし、他の成分を混合したものを溶剤に添加してもよいし、溶剤と他の全成分を同時に混合してもよい。
また、はんだペーストの製造方法は、必ずしも、フラックスを予め調製して、これを金属粉と混合する必要はなく、最終的にフラックスの全成分、金属粉及び必要に応じてはんだペーストに添加される添加剤とが混合されるのであれば混合の順番は問わず、フラックスの成分の一部と金属粉とを混合した後、フラックスの残りの成分を添加するなどしてもよい。
半導体装置の製造方法は、フラックスやはんだペーストを電極に塗布する工程と、その電極にはんだボールを載せ、例えば、リードフレームやプリント配線基板などの基板と半導体素子とを加熱処理して、溶融したはんだボールを介してこれらを接合する工程とを含んでもよい。
加熱処理は、窒素雰囲気下または減圧雰囲気下で行ってもよく、昇温速度が例えば3℃/sec以上の条件で行ってもよい。
半導体装置の製造方法は、接合する工程の後、フラックスやはんだペーストを洗浄する工程を含まないように構成されてもよい。
表1、2に示す配合割合で、以下に示す各原料を公知の方法で混合することにより、フラックスを得た。
(ベース樹脂)
・ベース樹脂1:アクリル酸変性水添ロジン
・ベース樹脂2:水添ロジン
・ベース樹脂3:ロジンエステル
・ベース樹脂4:重合ロジン
(溶剤)
・溶剤1:ヘキシルジグリコール(ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル)
・溶剤2:へキシレングリコール(2-メチルペンタン-2,4-ジオール)
(活性剤)
・有機酸1:グルタル酸
・有機酸2:アジピン酸
・アミン類:2-エチルイミダゾール
・ハロゲン系活性剤:2,3-ジブロモ-1,4-ブタンジオール
(チキソ剤)
・チキソ剤1:硬化ヒマシ油
・チキソ剤2:ポリアマイド系チキソ剤
・チキソ剤3:ポリエチレンオキサイド(「アルコックスL-11」明成化学工業社製、重量平均分子量11万(カタログ値))
・アルキレンオキサイド共重合体(A)1:チキソ剤エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・アリルグリシジルエーテルランダム共重合体(「アルコックス CP-A1H」明和化学工業社製、重量平均分子量10万(カタログ値))
・アルキレンオキサイド共重合体(A)2:エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・フェニルグリシジルエーテルランダム共重合体(「アルコックス CP-B1」明和化学工業社製、重量平均分子量10万(カタログ値))
得られたフラックスと、金属粉を、フラックス13質量%:金属粉87質量%の比率で混合してはんだペーストを得た。金属粉としては、Agが3.0質量%、Cuが0.5質量%、残部がSnであるSn-Ag-Cu系のはんだ合金(金属粉の粒径の平均はφ20μm)を用いた。
なお、金属粉の粒径は、JIS Z 3284-1:2014の表2(粉末サイズの分類)において記号6に分類されるものを使用した。
得られたはんだペーストを用いて、以下の評価項目について評価を行った。
FR-4(Flame Retardant Type4)の基板上に、メタルマスク(マスク厚0.15mm、開口サイズ1.6mm×1.6m)を用いて、得られた各はんだペーストを印刷した。
つぎに、印刷部分にサイズ3.2mm×1.6mmのチップコンデンサを30個搭載し、リフロー炉で実装した。リフロー温度プロファイルは以下(i)~(iv)の通りとした。
(i)150℃まで2℃/秒で昇温
(ii)150~180℃まで80秒間で昇温
(iii)180~240℃まで2℃/秒で昇温
(iv)220℃以上で40秒間保持
30個のチップコンデンサ搭載箇所の外側(周囲)に飛散したフラックス残渣の数をそれぞれ計測し、30箇所分の計測値を合計し、以下の基準にしたがい評価した。なお、フラックス残渣の数は、そのサイズによらず、一塊を一つとした。
・基準
○:0~5個
△:6~15個
×:16個以上
ペースト容器(内径58mm円柱状)に各はんだペーストを100g投入し、ソフナー(シンキー社ARV-930TWIN)で回転数200rpmを2分間撹拌した。つづけて、蓋をして密閉し、その状態で室温(25±3℃、60%RH以下)に放置した。
その後、24時間ごとに蓋を開けてペースト容器を傾け、はんだペーストからフラックス成分が流れ出す(または染み出す)か否かを目視で確認し、流れ出た時間について、以下の基準にしたがい評価した。
・基準
○:168時間以上たっても流れ出なかった。
△:72時間以上168時間未満で流れ出た。
×:72時間未満で流れ出た。
Claims (10)
- チキソ剤を含むフラックスであって、
前記チキソ剤が、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するアルキレンオキサイド共重合体(A)を含む、フラックス。 - 請求項1に記載のフラックスであって、
前記チキソ剤の重量平均分子量が5万~80万である、フラックス。 - 請求項1または2に記載のフラックスであって、
前記チキソ剤の含有量が当該フラックスの全重量に対して、0.1~20質量%である、フラックス。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載のフラックスであって、
前記アルキレンオキサイド共重合体(A)は、ポリアルキレンオキサイドと、側鎖にアリル基および/またはフェニル基を有するグリシジルエーテルとの共重合体である、フラックス。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載のフラックスであって、
前記アルキレンオキサイド共重合体(A)は、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・アリルグリシジルエーテルランダム共重合体、およびエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・フェニルグリシジルエーテルランダム共重合体の中から選ばれる1種または2種である、フラックス。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載のフラックスであって、
前記アルキレンオキサイド共重合体(A)は、ランダム共重合体である、フラックス。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載のフラックスであって、
さらにロジンを含む、フラックス。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載のフラックスであって、
さらに有機酸、アミン類、ハロゲン系活性剤、およびリン系活性剤の中から選ばれる1種または2種以上の活性剤を含む、フラックス。 - 請求項8に記載のフラックスであって、
前記活性剤が、炭素数11以下の有機酸を含む、フラックス。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフラックス、および金属粉を含む、はんだペースト。
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