JP7705079B2 - 冷凍サイクルシステム - Google Patents
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Description
ここで、液冷媒と潤滑油との組み合わせによっては、ある温度において互いの密度が逆転し、上層と下層とが入れ替わる。上層と下層とが入れ替わると、従来の給油機構では圧縮機への給油が困難となり、圧縮機において潤滑不良が生じてしまう。
本開示は、環境温度が潤滑油の密度と液体状態の冷媒の密度とが逆転する温度となった場合であっても、圧縮機における潤滑不良を抑制する冷凍サイクルシステムを提案する。
第2の観点の冷凍サイクルシステムは、第1の観点の冷凍サイクルシステムであって、前記制御部は、前記貯留容器に流入する冷媒に過熱をつける制御として、前記圧縮機における圧縮のための運動の周波数を、当該過熱をつける制御の前よりも大きくするように制御可能であることを特徴とする。
第3の観点の冷凍サイクルシステムは、第1の観点又は第2の観点の冷凍サイクルシステムであって、前記貯留容器の設置される環境温度を計測する温度センサを備えることを特徴とする。
第4の観点の冷凍サイクルシステムは、第3の観点の冷凍サイクルシステムであって、前記制御部は、前記温度センサの計測値に基づいて前記電動弁の開度を小さくすることを特徴とする。
第5の観点の冷凍サイクルシステムは、第1の観点又は第2の観点の冷凍サイクルシステムであって、前記潤滑油はポリアルキレングリコールであることを特徴とする。
(空気調和システム1)
図1は、本実施の形態が適用される空気調和システム1の概略構成例を示す図である。
図示するように、本実施の形態が適用される空気調和システム1は、冷媒が循環する冷媒回路を含む空気調和部10と、空気調和部10に含まれる各種機器(図2を用いて後述する。)を制御する制御部90とを備える。なお、制御部90は、空気調和部10の各機器と有線又は無線にて接続されており、各機器へ制御信号を送信可能である。
なお、空気調和システム1は、本実施の形態における冷凍サイクルシステムの一例である。
また、空気調和システム1は、取り込んだ空気を加熱し、温風として空間に供給することで、空間を暖房する暖房機能を提供する。より詳しくは、空気調和システム1は、空気調和部10の備える熱交換器を通過する冷媒と、空気との間の熱交換により、空気に熱を与えることで、空気を加熱する。そして、加熱した空気を、暖房として室内機の吹出口などから空間に供給して、空間を暖房する。
制御部90は、空気調和部10の備える各機器への制御信号の送信により、空気調和部10に含まれる各種機器の制御を行う。付言すると、制御部90による各種機器の制御に応じ、空気調和部10の冷媒回路を循環する冷媒の状態が制御される。制御部90は、例えば、空気調和部10の備える温度センサ(図2を用いて後述する。)の計測値に応じて制御を行う。
また、制御部90は、ユーザからの操作を受け付ける操作パネルやコントローラなどを介して入力される、ユーザからの温度設定や風量設定などの操作入力に応じて制御を行ってもよい。さらに、冷房/暖房を行う空間の温度を計測する温度センサの計測値に応じて制御を行ってもよい。
制御部90は、空気調和部10に含まれる各機器について、制御値に対する動作の実効値などの動作に係る情報を取得し、取得した情報に応じて制御を行ってもよい。また、空気調和システム1が空間に供給する冷風/温風の量や、風向きなどを制御してもよい。
図2は、本実施の形態に係る空気調和部10の構成例を示す図である。
図示するように、本実施の形態に係る空気調和システム1の空気調和部10は、第1冷媒回路31と第2冷媒回路32とを備える。第1冷媒回路31は、室内機20と室外機30とにわたって配置される。
室内熱交換器21は、暖房運転時には冷媒からの放熱により熱交換の相手を加熱する放熱器として機能し、熱交換の相手である空気を加熱して温風とする。また、冷房運転時には冷媒による吸熱により熱交換の相手を冷却する冷却器として機能し、熱交換の相手である空気を冷却して冷風とする。付言すると、放熱器として機能する際には冷媒は放熱するため、冷媒自身は冷却され、冷却器として機能する際には冷媒が吸熱するため、冷媒は加熱される。なお、室内熱交換器21は、通過する冷媒と対象物とを熱交換させる蒸発器の一例である。
その他、室内機20は、室内ファン(不図示)などを備えても良い。
本実施の形態に係る第1冷媒回路31は、冷媒の一例として、二酸化炭素を循環させる。第2冷媒回路32は、冷媒の一例として、プロパンを循環させる。
第2冷媒回路32は、第2圧縮機51と、第2サブアキュムレータ52と、第1冷媒回路31と共有されるカスケード熱交換器45と、第2室外熱交換器53と、第2電動弁54とが順に接続されて構成される。
なお、第1冷媒回路31および第2冷媒回路32は、上記した構成に限定されない。例えば、第1冷媒回路31および第2冷媒回路32は、フィルターやヒートシンク、オイルセパレータ等を備える構成としても良い。また、回路の各所にて冷媒の圧力/温度を検出する圧力センサ/温度センサや、保護用検出器である高圧圧力開閉器などを備える構成としても良い。
また、本実施の形態に係る第1圧縮機41は、制御部90からの制御信号に応じて、例えば運動周波数や吸入/吐出する冷媒の量などが制御される。なお、「運動周波数」とは、圧縮機内にて行われる、冷媒を圧縮するための部品の運動(動作)の周波数である。具体的には、例えば揺動式圧縮機における揺動体の揺動の周波数、スクロール式圧縮機やロータリ式圧縮機における回転体の回転の周波数である。
なお、第1圧縮機41は、後述する潤滑油によって潤滑される。より具体的には、上述した冷媒を圧縮するための部品の運動に支障が生じないように、潤滑油によって潤滑が確保される。潤滑油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)が挙げられる。
四路切換弁43は、冷房運転時には第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し、かつ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する状態であり、暖房運転時には第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し、かつ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する状態へと切り替わる。
カスケード熱交換器45は、第1冷媒回路31と第2冷媒回路32との間で熱交換を行う。カスケード熱交換器45は、例えば直径の異なる2つの配管を内側と外側の二重に組み合わせた二重管熱交換器である。また、カスケード熱交換器45は、プレート熱交換器等、他の形式の熱交換器であっても良い。
第1電動弁46の開度は、制御部90からの制御信号に応じて各々のモータが駆動制御されることによって調節される。なお、制御部90により開度を制御可能な弁としては、電動弁の他に、ソレノイドにより弁を駆動する電磁弁などを用いてもよい。
ここで、本実施の形態に係る室外機30は、低圧レシーバ100の設置される環境の温度(以下、「環境温度」と呼ぶ場合がある。)を計測する温度センサ101を備える。なお、図2では、概略的に、室外機30の内部にて、低圧レシーバ100と温度センサ101とを横並びに配置した様子を示しているが、温度センサ101の配置を限定するものではない。温度センサ101は、例えば、室外機30のケーシング/ハウジングの外部に取り付けられていてもよい。また、温度センサ101としては例えば、サーミスタを用いることができる。低圧レシーバ100および温度センサ101については、後段にて詳細を述べる。
第1冷媒回路31および第2冷媒回路32における冷媒の流れについて、冷房運転時における例を説明する。四路切換弁43は、冷房運転時には第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通し、かつ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する状態である。
次に、暖房運転時における第1冷媒回路31および第2冷媒回路32における冷媒の流れについて説明する。四路切換弁43は、暖房運転時には第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し、かつ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する状態である。
なお、暖房運転時においてもカスケード熱交換器45による熱交換が行われる構成としても良い。この場合、カスケード熱交換器45は第1冷媒回路31における冷却器として機能する。
ところで、第1冷媒回路31においては、冷媒とともに、第1圧縮機41内の潤滑を確保するための潤滑油が循環する。このため、低圧レシーバ100には、液冷媒とともに流れ込んだ潤滑油が貯留されることになる。
低圧レシーバ100に貯留された潤滑油が取り出されることなく、潤滑油の流入と貯留とが継続すると、次第に、第1圧縮機41に供給される潤滑油が減少する。そして、最終的には第1圧縮機41への給油が困難となり、第1圧縮機41において潤滑不良が生じ得る。このため、低圧レシーバ100には、貯留される潤滑油を取り出し、第1圧縮機41に供給可能な油供給機構を設ける必要がある。一方で、図2を用いて上述したように、液冷媒が第1圧縮機41に吸入されることは好ましくない。したがって、油供給機構においては、潤滑油の取り出しが可能であり、かつ、液冷媒の取り出しを抑制することがよい。
図3に示すように、-20℃より高い温度では潤滑油の密度は液冷媒の密度よりも大きく、液冷媒が上層、潤滑油が下層となる。一方で、-20℃以下では潤滑油の密度は液冷媒の密度よりも小さく、潤滑油が上層、液冷媒が下層となる。なお、-20℃は逆転温度の一例である。
図4は、低圧レシーバ100に貯留される潤滑油の取り出しについて説明する図であり、(a)は油戻し管140を備えた低圧レシーバ100-1の概略図、(b)は圧縮機側配管150の途中に油戻し孔151を備えた低圧レシーバ100-2の概略図である。なお、低圧レシーバ100-2において、低圧レシーバ100-1と同様の構成については、共通の名称および符号を付して説明を省略する場合がある。
図4(a)の紙面左側「逆転していない状態」に示すように、低圧レシーバ100-1は、環境温度が-20℃よりも高く、液冷媒と潤滑油との逆転が生じていない場合には、油戻し管140により下層の潤滑油を吸い出して、第1圧縮機41に供給することができる。しかしながら、環境温度が-20℃以下であり、密度の逆転が生じた場合には、貯留された潤滑油を第1圧縮機41に供給できる構成を備えていないと、紙面右側「逆転した状態」に示すように、潤滑油が上層となるために油戻し管140による吸い出しが困難となり、第1圧縮機41への供給が困難となる。
図4(b)の紙面左側「逆転していない状態」に示すように、低圧レシーバ100-2は、環境温度が-20℃よりも高く、液冷媒と潤滑油との逆転が生じていない場合には、油戻し孔151により下層の潤滑油を吸い出して、第1圧縮機41に供給することができる。しかしながら、環境温度が-20℃以下であり、密度の逆転が生じた場合には、貯留された潤滑油を第1圧縮機41に供給できる構成を備えていないと、紙面右側「逆転した状態」に示すように、潤滑油が上層となるために油戻し孔151による吸い出しが困難となり、第1圧縮機41への供給が困難となる。
そこで、本実施の形態の空気調和システム1では、環境温度が-20℃以下となった場合であっても、低圧レシーバ100に貯留された潤滑油を第1圧縮機41に供給できる構成として、制御部90は、環境温度が-20℃以下となった場合に、低圧レシーバ100に流入する冷媒に過熱がつくように制御可能となっている。
また例えば、制御部90は、温度センサ101の計測値が-20℃以下となったことに応じて、第1圧縮機41の運動周波数を-20℃以下となる前よりも大きくし、室内熱交換器21を通過する冷媒の圧力を大きく、また冷媒の温度を高くする。かかる制御によっても同様に、冷媒に過熱をつけ、低圧レシーバ100に流れ込む冷媒をガス冷媒とすることができる。
本実施の形態において、制御部90による空気調和部10に含まれる各種機器の制御は、通常制御モードと逆転時制御モードとを含む。低圧レシーバ100内で液冷媒と潤滑油との逆転が生じない場合には、制御部90は通常制御モードにより各種機器の制御を行う。一方で、例えば環境温度が-20℃以下となった場合等、液冷媒と潤滑油との逆転が生じ得る場合には、制御部90は逆転時制御モードにより各種機器の制御を行う。逆転時制御モードにおいては、制御部90は、低圧レシーバ100に流入する冷媒に過熱がつくように制御を行う。以下において、図5を用いて通常制御モードと逆転時制御モードの切り替えについて説明する。
空気調和部10の運転が開始されると、制御部90は、通常制御モードにより空気調和部10に含まれる各種機器の制御を行う(ステップS1001)。通常制御モードにおいて、制御部90は、例えば冷房運転時に放熱器として機能する第1室外熱交換器44の出口温度が一定となるように空気調和部10に含まれる各種機器の制御を行う。
一方で、温度センサ101の計測値が逆転温度以上である場合(ステップS1004でNO)、制御部90は運転モードを切り替え、通常制御モードにより空気調和部10に含まれる各種機器の制御を行う(ステップS1005)。
また、上述した制御は、低圧レシーバ100に流入する冷媒に過熱をつける制御の一例であり、他の制御を行ってもよい。
第2の実施の形態は、環境温度が-20℃以下となった場合であっても、低圧レシーバ100に貯留された潤滑油を第1圧縮機41に供給できる構成として、低圧レシーバ100内にて液冷媒が潤滑油よりも下の層になった場合にも、潤滑油を吸い出して第1圧縮機41に供給できる油吸入機構を有する。
第3の実施の形態は、環境温度が-20℃以下となった場合であっても、低圧レシーバ100に貯留された潤滑油を第1圧縮機41に供給できる構成として、低圧レシーバ100に貯留された液冷媒および潤滑油を昇温して、逆転を解消することが可能となっている。
さらに例えば、第3の実施の形態に係る室外機30は、低圧レシーバ100または低圧レシーバ100に貯留された液冷媒を、第1圧縮機41や第2圧縮機51による排熱と熱交換させ、貯留された液冷媒を昇温することとしてもよい。
これらの構成によっても、液冷媒が熱交換に伴って獲得した熱により、低圧レシーバ100に貯留された液冷媒および潤滑油を昇温することができる。なお、第1圧縮機41により圧縮後の冷媒と、低圧レシーバ100または低圧レシーバ100に貯留された液冷媒とを熱交換させる場合には、低圧レシーバ100に貯留された液冷媒の温度の計測を可能とするために、低圧レシーバ100の貯留部110の内部にサーミスタなどの温度センサを設けるとよい。
上述した実施の形態では、冷凍サイクルシステムを空気調和システム1に適用する場合を例として説明したが、適用範囲は限定されない。冷却器での吸熱を利用して、冷凍倉庫や冷蔵庫、製氷機など、対象物の冷却を行う各種の機器に適用してもよい。また、放熱器での放熱を利用して、暖房器具や湯沸かし器、給湯器など、対象物の加熱を行う各種の装置に適用してもよい。
付言すると、逆転温度は冷媒と潤滑油との組み合わせに応じて定まるため、上述した-20℃に限定されない。
例えば、各構成の一部を省略したり、各構成に対して他の機能を付加したりしてもよい。また例えば、一の構成例に含まれる構成と他の構成例に含まれる構成とを入れ替えたり、一の構成例に含まれる構成を他の構成例に付加したりしても構わない。
Claims (5)
- 潤滑油により潤滑され、冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機にて圧縮した前記冷媒を通過させ、通過する当該冷媒から熱を取り出して放熱する放熱器と、
前記圧縮機により圧縮後、放熱および減圧した冷媒を通過させ、通過する冷媒と対象物とを熱交換させる蒸発器と、
前記放熱器と前記蒸発器との間に配置され、当該蒸発器を通過させる前記冷媒の圧力を調整する電動弁と、
前記蒸発器から前記圧縮機までの間に設けられ、前記冷媒と前記潤滑油とを貯留可能な貯留容器と、
前記冷媒の状態を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記貯留容器が設置される環境温度が前記潤滑油の密度と液体状態の前記冷媒の密度とが逆転する逆転温度となった場合、前記電動弁の開度を小さくし、当該貯留容器に流れ込む当該冷媒がガス冷媒となるよう制御することを特徴とする冷凍サイクルシステム。 - 前記制御部は、前記貯留容器に流入する冷媒に過熱をつける制御として、前記圧縮機における圧縮のための運動の周波数を、当該過熱をつける制御の前よりも大きくするように制御可能であることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍サイクルシステム。
- 前記貯留容器の設置される環境温度を計測する温度センサを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷凍サイクルシステム。
- 前記制御部は、前記温度センサの計測値に基づいて前記電動弁の開度を小さくすることを特徴とする、請求項3に記載の冷凍サイクルシステム。
- 前記潤滑油はポリアルキレングリコールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷凍サイクルシステム。
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