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JP7706905B2 - 流動接触分解触媒の触媒設計方法及び触媒設計装置並びにこれらで用いる触媒設計用学習済みモデル - Google Patents
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流動接触分解触媒の触媒設計方法及び触媒設計装置並びにこれらで用いる触媒設計用学習済みモデル Download PDF

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本発明は、機械学習を用いた流動接触分解(FCC)触媒の触媒設計方法及び触媒設計装置並びにこれらで用いる触媒設計用学習済みモデルに関する。
従来、触媒を構成するゼオライトや活性アルミナなどの機能材料の構造を試行錯誤によって最適化することで、原料油や石油精製装置の運転条件などに適切な流動接触分解(FCC)触媒の設計が行われていた。
FCC触媒は、常圧残油や減圧軽油等の重質油からガソリンなどの付加価値の高い軽質油を生産するFCC装置で用いられる触媒である。FCC装置での製造対象は、ガソリンやプロピレンなどであるが、これらは市況の変化等により求められる量が大きく変化し、例えば、ガソリンを最大化したい場合や、プロピレンを最大化したい場合など、その時により、必要とされるFCC触媒も変化してしまう。
このため、市況の変化等に応じて、タイムリーに、最適なFCC触媒を提供することが求められている。
しかしながら、試行錯誤による最適化作業では、求められている性能に最適なFCC触媒を、迅速に設計することは困難であった。
このため、近年では、例えば、特許文献1などに開示されるように、特定のパラメータに基づき、複数種類の触媒毎に得られる各生成物の生成量を算出し、各生成物の有用性に応じた重み付けに応じて、FCC装置で利用する推奨触媒を提案する方法が提案されている。
また、人口知能を自然科学に適用し、触媒開発を加速させる触媒インフォマティクスと呼ばれる研究も盛んに行われており、例えば、非特許文献1に開示されるように、プラットフォーム上に触媒データをアップロードすることで、機械学習による触媒設計を可能とするシステムも提案されている。
特開2019-172823号公報
しかしながら、例えば、ガソリン収率を最大化することと、コーク収率を最小化することとは、トレードオフの関係にある。さらには、FCC装置を効率的に動作させるためには、ガソリン収率やコーク収率だけでなく、ボトム収率の最小化やドライガス収率の最小化といった他の要素についても同時に満たす必要があり、重み付けの設定が非常に難しい。
また、一概に機械学習による触媒設計と言っても、十分な量の触媒データを用いて学習を行わなければ、精度の良い結果を得ることはできず、設計した触媒の各収率の改善幅は、十分とは言えないものとなる。
本発明では、このような現状に鑑み、FCC装置において石油精製を行うにあたり、原料油や運転条件が異なる場合において、最適なFCC触媒を迅速に設計することが可能なFCC触媒の触媒設計方法及び触媒設計装置並びにこれらで用いる触媒設計用学習済みモデルを提供することを目的とする。
本発明は、上述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明は、例えば、以下の態様を含む。
[1] 触媒設計条件と、実験により取得された触媒の性能評価データとが関連付けられた触媒評価データを用いてシミュレーションモデルを作成し、
該シミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された複数の仮想触媒設計条件とに基づいて、該仮想触媒設計条件による触媒の仮想性能評価データを算出することで、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを生成し、
前記性能評価データと前記仮想触媒評価データとを用いて、多目的最適化を行うことにより、触媒設計用学習済みモデルを生成し、
新たな触媒設計条件と、前記触媒設計用学習済みモデルとを用いて、触媒の性能評価データを算出する触媒設計方法。
[2] 前記性能評価データのうちの一部のモデル作成用データを用いて前記シミュレーションモデルを作成し、
残りの精度確認用データを用いて、前記触媒設計用学習済みモデルの精度確認を行う項[1]に記載の触媒設計方法。
[3] 前記シミュレーションモデルを、応答曲面法に基づき作成する項[1]または[2]に記載の触媒設計方法。
[4] 前記多目的最適化を、多目的遺伝的アルゴリズムに基づき行う項[1]から[3]のいずれかに記載の触媒設計方法。
[5] 演算手段と、記憶手段と、入出力手段と、を有する触媒の触媒設計装置であって、
前記記憶手段は、触媒設計条件と、実験により取得された触媒の性能評価データとが関連付けられた触媒評価データが複数記憶され、
前記演算手段は、
前記触媒評価データを用いてシミュレーションモデルを作成し、
該シミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された複数の仮想触媒設計条件とに基づいて、該仮想触媒設計条件による触媒の仮想性能評価データを算出することで、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを生成し、
前記性能評価データと前記仮想触媒評価データとを用いて、多目的最適化を行うことにより、触媒設計用学習済みモデルを生成するように構成され、
さらに、前記演算手段は、
前記入出力手段によって入力された触媒設計条件と、前記触媒設計用学習済みモデルとに基づいて、触媒の性能評価データを算出し、算出された性能評価データを前記入出力手段によって出力するように構成される触媒設計装置。
[6] 前記演算手段は、
前記性能評価データのうちの一部のモデル作成用データを用いて前記シミュレーションモデルを作成し、
残りの精度確認用データを用いて、前記触媒設計用学習済みモデルの精度確認を行うように構成される項[5]に記載の触媒設計装置。
[7] 前記演算手段は、
前記シミュレーションモデルを、応答曲面法に基づき作成するように構成される項[5]または[6]に記載の触媒設計装置。
[8] 前記多目的最適化を、多目的遺伝的アルゴリズムに基づき行う項[5]から[7]のいずれかに記載の触媒設計装置。
[9] 触媒設計条件と、実験により取得された触媒の性能評価データとが関連付けられた触媒評価データを用いてシミュレーションモデルを作成し、
該シミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された複数の仮想触媒設計条件とに基づいて、該仮想触媒設計条件による触媒の仮想性能評価データを算出することで、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを生成し、
前記性能評価データと前記仮想触媒評価データとを用いて、多目的最適化を行うことにより生成された触媒設計用学習済みモデル。
[10] 前記性能評価データのうちの一部のモデル作成用データを用いて前記シミュレーションモデルを作成し、
残りの精度確認用データを用いて、前記触媒設計用学習済みモデルの精度確認を行う項[9]に記載の触媒設計用学習済みモデル。
[11] 前記シミュレーションモデルを、応答曲面法に基づき作成する項[9]または[10]に記載の触媒設計用学習済みモデル。
[12] 前記多目的最適化を、多目的遺伝的アルゴリズムに基づき行う項[9]から[11]のいずれかに記載の触媒設計用学習済みモデル。
本発明によれば、実験により得られた性能評価データに加えて、仮想性能評価データも用いて機械学習を行うことにより、互いにトレードオフの関係にあるガソリン収率やボトム収率、コーク収率、ドライガス収率などを大きく改善させることができ、より適切なFCC触媒を迅速に設計することができる。
図1は、本実施形態における流動接触分解(FCC)触媒の触媒設計装置の構成を説明するための模式図である。 図2は、本実施形態におけるFCC触媒の触媒設計方法の概略を示すブロック図である。 図3は、本実施形態における触媒設計方法を用いて設計された触媒と、従来の試行錯誤による最適化作業によって設計された触媒と、におけるボトム収率、ガソリン収率、コーク収率及びドライガス収率の増減値を示すグラフである。 図4は、入出力手段に表示される性能評価データ及び仮想性能評価データのプロット表示の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は、本実施形態における流動接触分解(FCC)触媒の触媒設計装置の構成を説明するための模式図である。
図1に示すように、本実施形態におけるFCC触媒の触媒設計装置10は、演算手段20と、記憶手段30と、入出力手段40と、を有するコンピュータにより構成される。
ここでコンピュータとは、例えば、サーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどが挙げられる。なお、後述するような処理を、例えば、サーバーコンピュータとクライアントコンピュータ(パーソナルコンピュータ)とに分けて実行するように構成することもできる。
この場合、演算手段20はCPU(Central Processing Unit)など、記憶手段30はHDD(Hard Disk Drive)など、入出力手段40はディスプレイ、キーボード、マウスなどによって構成することができる。
なお、本実施形態において、後述するような触媒評価データなどのデータは、記憶手段30に記憶されているが、記憶手段30を有する触媒設計装置10とは別のデータサーバに記憶するようにしてもよく、後述するような処理を実行する際に、データサーバから触媒設計装置10に必要なデータを送信し、記憶手段30に記憶するように構成することもできる。
また、記憶手段30には、後述するような処理をコンピュータ(触媒設計装置10)に実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムにより、コンピュータ(触媒設計装置10)は、FCC触媒の触媒設計方法を実行する。
図2は、本実施形態におけるFCC触媒の触媒設計方法の概略を示すブロック図である。
まず、事前にユーザーは、記憶手段30に、多数の触媒評価データを記憶する。ここで、触媒評価データとは、例えば、触媒原料の種類や量、触媒評価条件、評価用油組成などの触媒設計条件を変えて実験を行い、得られた触媒の性能評価を行うことで得られた性能評価データと触媒設計条件とが関連付けられたデータを言う。なお、触媒評価データとしては、少なくとも1000件程度準備することが好ましい。
触媒原料の種類としては、例えば、ゼオライト、活性アルミナ、バインダー、レアアース、フィラーなどを挙げることができる。
触媒評価条件としては、例えば、前処理条件、反応温度、触媒/油比などを挙げることができる。
評価用油組成としては、密度、組成、残留炭素などを挙げることができる。
このような多数の触媒評価データのうち一部のデータ(モデル作成用データ)を用い、触媒設計条件を入力パラメータ、性能評価データを出力パラメータとして、応答曲面法により応答曲面モデルを生成し、この応答曲面モデルから最適化手法を用いて、触媒評価データに基づくシミュレーションモデルを作成する。ここで、シミュレーションモデルを作成するための触媒評価データは、全データのうちの80%程度を用いることが好ましく、残りのデータ(精度確認用データ)は、後述する精度確認のために用いられる。
このように作成されたシミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された多数の仮想触媒設計条件と、に基づいてシミュレーションを行い、仮想触媒設計条件による触媒の仮想性能評価データを算出する。そして、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを生成する。なお、仮想触媒設計条件としては、実験により準備した触媒評価データの少なくとも5倍以上のデータを生成することが好ましく、さらには、10倍以上のデータを生成することがより好ましい。
このようにシミュレーションで得られた仮想触媒評価データと、実験で得られた触媒評価データとを用いて、触媒設計条件及び仮想触媒設計条件を入力パラメータ、性能評価データ及び仮想性能評価データを出力パラメータとして、多目的遺伝的アルゴリズムを用いて、多目的最適化を行い、触媒設計用学習済みモデルを生成する。なお、本実施形態では、ボトム収率、ガソリン収率、コーク収率、ドライガス収率を目的関数として、ボトム収率、コーク収率及びドライガス収率は最小化、ガソリン収率は最大化するように最適化を行っている。目的関数としては、上述するものに限定されることはなく、例えば、分解率、LPG(液化石油ガス)収率、LCO(ライト・サイクル・オイル)収率、オクタン価などを用いることもできる。また、目的関数の変数は、触媒設計条件の要素(触媒原料の種類や量、触媒評価条件、評価用油組成など)から選択される。
このように生成された触媒設計用学習済みモデルについて、精度確認用データを用い、触媒設計条件を入力した際に出力される性能評価データの計算値と、実験により得られた性能評価データ(実験値)とを比較することにより、触媒設計用学習済みモデルの精度評価を行う。ここで、触媒設計用学習済みモデルの精度が充分では無い場合には、該触媒設計用学習済みモデルは破棄する。
一方で、触媒設計用学習済みモデルの精度が十分であると判断された場合には、触媒設計装置10は、この触媒設計用学習済みモデルを用いて、ユーザーによるFCC触媒の設計を行うことができるようになる。
ユーザーが、このように触媒設計用学習済みモデルが記憶された触媒設計装置10を用いて、FCC触媒の設計を行う際には、入出力手段40を用いて、触媒設計装置10に、例えば、触媒原料の種類や量、触媒評価条件、評価用油組成などの触媒設計条件を入力する。これにより、予測値として性能評価データが算出される。
ユーザーは、例えば、予測評価データが期待する評価である場合には、当該触媒設計条件により触媒の調合を行い、調合された触媒を用いて性能評価を行って、実験値としての性能評価データを取得する。
なお、取得された実験値としての性能評価データは、入力された触媒設計条件と関連付けられて、記憶手段30に記憶され、触媒設計用学習済みモデルのファインチューニングに用いるように構成することもできる。
本発明では、上記実施形態のように、実験により得られた性能評価データのみにより生成されたシミュレーションモデルではなく、実験により得られた性能評価データに加えて、シミュレーションモデルにより得られた仮想性能評価データを用いて、触媒設計用学習済みモデルを生成している。
このように、実験により得られた性能評価データに加えて、仮想性能評価データも用いて機械学習を行うことにより、互いにトレードオフの関係にあるガソリン収率やボトム収率、コーク収率、ドライガス収率などを大きく改善させることができ、より適切なFCC触媒を迅速に設計することができる。
図3は、本実施形態における触媒設計方法を用いて設計された触媒と、従来の試行錯誤による最適化作業によって設計された触媒と、におけるボトム収率、ガソリン収率、コーク収率及びドライガス収率の増減値を示すグラフである。
上述するように、ボトム収率、コーク収率及びドライガス収率は最小化、ガソリン収率は最大化することが好ましいが、図3に示すように、本実施形態における触媒設計方法を用いて設計された触媒は、従来の試行錯誤による最適化作業によって設計された触媒と比べ、すべての項目において上回る性能を得ることができた。
また、本実施形態における触媒設計装置10では、例えば、入出力手段40に図4に示すような目的関数同士の関係を示すグラフを表示し、そこに性能評価データ及び仮想性能評価データをプロットするように構成することもできる。
そして、ユーザーは、プロットされた性能評価データ及び仮想性能評価データから、最適と思われるデータを選択することによって、選択された性能評価データ若しくは仮想性能評価データの触媒設計条件を確認することができる。
このように構成することにより、例えば、「目的とする性能の中でガソリン収率は所定値以上を必ず満たし、かつ、ドライガス収率及びボトム収率は所定値以下とする」などのような制約条件が存在する場合に、制約条件を満足する複数の仮想性能評価データを選択することができ、例えば、ドライガス収率の低減を重視するケースや、ボトム収率の低減を重視するケースなど、ユーザーの意向を触媒設計条件に反映することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施形態では、流動接触分解触媒の設計を例に説明したが、他の触媒の設計にも用いることができるなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、上述するような触媒設計方法を、コンピュータにより実行させるためのプログラムも本発明の一態様であり、また、このようなプログラムを記録した、例えば、磁気テープ(デジタルデータストレージ(DDS)など)、磁気ディスク(ハードディスクドライブ(HDD)、フレキシブルディスク(FD)など)、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)など)、光磁気ディスク(MO)、フラッシュメモリ(SSD(Solid State Drive)、メモリーカード、USBメモリなど)などのコンピュータ可読記録媒体も本発明の一態様として含まれる。
10 触媒設計装置
20 演算装置
30 記憶手段
40 入出力手段

Claims (2)

  1. 触媒設計条件と、実験により取得された触媒の性能評価データとが関連付けられた触媒評価データを用いてシミュレーションモデルを作成し、
    前記シミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された複数の仮想触媒設計条件とを用いて媒の仮想性能評価データを算出することにより、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを前記触媒評価データの5倍以上生成し、
    前記性能評価データと前記仮想触媒評価データとを用いて、多目的最適化を行うことにより、触媒設計用学習済みモデルを生成し、
    新たな触媒設計条件と、前記触媒設計用学習済みモデルとを用いて、触媒の性能評価データを算出する触媒設計方法。
  2. 記憶手段と、演算手段と、入出力手段と、を有する触媒設計装置であって、
    前記記憶手段は、触媒設計条件と、実験により取得された触媒の性能評価データとが関連付けられた触媒評価データが複数記憶され、
    前記演算手段は、
    前記触媒評価データを用いてシミュレーションモデルを作成し、
    前記シミュレーションモデルと、実験計画法に基づき生成された複数の仮想触媒設計条件とを用いて媒の仮想性能評価データを算出することにより、仮想性能評価データと仮想触媒設計条件とが関連付けられた仮想触媒評価データを前記触媒評価データの5倍以上生成し、
    前記性能評価データと前記仮想触媒評価データとを用いて、多目的最適化を行うことにより、触媒設計用学習済みモデルを生成するように構成され、
    さらに、前記演算手段は、
    前記入出力手段によって入力された触媒設計条件と、前記触媒設計用学習済みモデルとを用いて、触媒の性能評価データを算出し、算出された性能評価データを前記入出力手段によって出力するように構成される触媒設計装置。
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