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JP7706946B2 - 再生可能エネルギー発電システムおよび再生可能エネルギー発電システムの制御方法 - Google Patents
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JP7706946B2 - 再生可能エネルギー発電システムおよび再生可能エネルギー発電システムの制御方法 - Google Patents

再生可能エネルギー発電システムおよび再生可能エネルギー発電システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電などの再生可能エネルギー発電システムおよびその制御方法に関するものである。
世界の経済成長とともにエネルギー消費量は増加し続け、1965年から2015年までの約50年間で3.3倍に達した。また、化石燃料の代わりに電力をまかなうエネルギー源として、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入比率の向上が全世界で進んでいる。日本国では、2030年には再エネ比率を22~24%にする目標が掲げられている。
風力発電装置では、風の運動エネルギーをロータの回転エネルギーに変換し、さらに発電機によってロータの回転エネルギーを電力に変換する。風力発電装置は電力系統に連系され、風力発電装置で生成した電力は電力系統に供給されることが多い。電力系統の周波数は、電力の需給バランスによって決まることが知られている。
すなわち、発電量が電力需要量を上回ると、電力系統に連系された発電機が電力系統における過剰電力を回転エネルギーとして蓄えようとする結果、発電機の回転速度(すなわち系統周波数)が増加する。逆に、発電量が電力需要量を下回ると、電力系統に連系された発電機が回転エネルギーを放出して電力系統における不足電力を補おうとする結果、発電機の回転速度(すなわち系統周波数)が低下する。
このように、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、急激な出力変動や小刻みな出力変動予測誤差、電力の低需要期における需給バランスなどに対応するための調整力の必要性が高まっている。そこでグリッドコードの整備が進められており、連系点での5分間の最大変動幅が発電所設備容量の10%以下となることなどの出力変動に伴う上昇率の制限が設けられつつある。
そのため、再生可能エネルギーを連系線と接続する際には、許容される発電電力の上限値が設定される。再生可能エネルギー発電システムにおける各発電サイトでは、その発電電力が上限値以下になるよう発電設備を設計する必要がある。しかし、再生可能エネルギー発電システムの発電量は、日射量や風速などの気象条件によって変動する。従って、グリッドコードを守りつつ損失を最小限に抑えるためには、変動する出力に対して一定のリミッタをかける制御ではなく、出力に応じて変化する制御が必要となる。
例えば、特許文献1では、制御方法を出力に対して変化させる方法について記載されている。この制御方法によれば、出力と出力上限値の差分が大きい場合、最大出力レートを大きく設定し、出力上限値近傍に到達するまでの時間を短縮可能となる。さらに、差分が小さい場合には出力レートを小さくしてオーバーシュートを抑制可能としている。しかし、出力と出力上限値の差分が大きい場合にレートを大きくすると、風の状況によっては出力が急に増大する状態となり、結果、オーバーシュートが大きくなる可能性がある。
特許第5216167号公報
風力発電装置は、出力制限値に対して、自身の発電電力を平均的に制御することができる。しかし、風力発電装置では、風速や風向の時間変動により、発電電力が数%ほど脈動する。特に、風速が急増する場合、風力発電装置の発電電力は、通常時の出力脈動量より大きくなり、出力上限値を超過する場合がある。出力に対して単純なリミッタ制御をかけた場合、出力が上限値を超える点でオーバーシュートが発生するおそれがある。また、超過が大きくならないように上限値を下げて設定した場合には、発電量が低下し、損失が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、再生可能エネルギー発電機の出力上限値に対する出力のオーバーシュートを抑制することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の再生可能エネルギー発電システムは、再生可能エネルギーによって発電する複数の発電機と、前記複数の発電機の出力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、各前記発電機の運転状態において、各前記発電機の目標出力値から、各前記発電機の現在の出力を減算した差分を示す分散値を算出する分散算出部と、各前記分散値に応じて、各前記発電機に出力する、当該発電機の出力の上限を超えないように制限する出力上限値を示す制限指令値を調整する調整部と、を備える。
本発明の再生可能エネルギー発電システムの制御方法は、再生可能エネルギーによって発電する複数の発電機の出力を制御するための制御装置は、各前記発電機の運転状態において、各前記発電機の目標出力値から、各前記発電機の現在の出力を減算した差分を示す分散値を算出するステップと、各前記分散値に応じて、各前記発電機に出力する、当該発電機の出力の上限を超えないように制限する出力上限値を示す制限指令値を調整するステップと、を実行する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、再生可能エネルギー発電機の出力上限値に対する出力のオーバーシュートを抑制することが可能となる。
本実施形態における風力発電システムのブロック図である。 各風車の構成図である。 各風力発電機の制御装置のブロック図である。 裕度算出部の動作を説明するグラフである。 制御装置による制御指令値の調整処理のフローチャートである。 制御指令値を出力しない状態での発電出力を示すグラフである。 原制御指令値と制御指令値と発電出力を示すグラフである。 第1変形例の制御指令値の調整処理のフローチャートである。 第2変形例の制御指令値の調整処理のフローチャートである。 比較例の風力発電機と制御装置のブロック図である。 比較例の原制御指令値と制御指令値と発電出力を示すグラフである。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態における風力発電システム1のブロック図である。
風力発電システム1は、複数の風車20a~20nと、その制御装置11とを含んで構成される。各風車20a~20nは、それぞれ発電機6を備え、制御装置11に接続されている。これにより制御装置11は、各発電機6を制御する。
これら発電機6は、風力エネルギーによって発電するものである。
各風車20a~20nは更に、それぞれ風向風速センサ7と電力変換器10と回転速度センサ12を備え、これら各部は制御装置11に接続されている。
風向風速センサ7は、風向や風速を計測して、計測結果を制御装置11に出力する。
電力変換器10は、発電機6が発生するトルク(以下、発電機トルクと呼ぶ)を制御し、この発電機トルクの計測値を制御装置11に出力する。
回転速度センサ12は、発電機6の回転速度を計測して、この回転速度情報を制御装置11に出力する。
制御装置11は、各発電機6の出力を制御するものである。制御装置11は、例えば、制御盤またはSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が用いられる。また、制御装置11は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算過程のデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)、外部記憶装置などの記憶装置を含んで構成される。制御装置11において、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAMまたは外部記憶装置に格納する。
図2は、風車20aの構成図である。
図2において、風車20aは、タワー9上に設置されたナセル5およびロータ4と、タワー9内に設置される電力変換器10とを含んで構成され、更に制御装置11に接続されている。この風車20aは、風力発電システム1を構成する風車のひとつである。
ロータ4は、風を受ける複数のブレード2と、これら複数のブレード2を接続するハブ3とで構成される。ロータ4は、ナセル5に回転軸を介して連結されており、回転することでブレード2の位置を変更可能である。
ナセル5は、ロータ4を回転可能に支持している。ブレード2が風を受けることによりロータ4が回転し、ロータ4の回転力がナセル5に格納された発電機6を回転させて電力を発生させる。ナセル5上には風向や風速を計測する風向風速センサ7と、発電機6の回転速度を計測する回転速度センサ12が設置されている。
個々のブレード2には、風に対するブレード2の角度(ピッチ角度)を調整可能なピッチ角度駆動装置8が備えられている。ピッチ角度駆動装置8がピッチ角度を変更することで、ブレード2の受ける風力(風量)が調整され、風に対するロータ4の回転エネルギーを変更することができる。これによって、広い風速領域において回転速度および発電電力を制御することが可能となっている。
風車20aにおいて、ナセル5はタワー9上に設置されており、タワー9に対して回転可能な機構(図示せず)を備えている。タワー9は、ハブ3やナセル5を介してブレード2の荷重を支持するようになっており、地上または洋上、浮体などの所定位置に設置された基部(図示せず)に固定されている。
電力変換器10は、発電機6が発生する発電機トルクを制御し、よってロータ4の回転トルクを制御する。
また、風力発電システム1は、各風車20a~20nに共通の制御装置11を備えている。制御装置11は、回転速度センサ12から出力される発電機6の回転速度と、電力変換器10から出力される発電機トルクに基づき、発電機6とピッチ角度駆動装置8を調整する。これにより制御装置11は、風力発電システム1の発電電力や回転速度を調整する。
図3は、制御装置11のブロック図である。
制御装置11は、出力変動に伴う上昇率の制限以下となるように、発電機6の出力Pを制御する。発電機6は、制御装置11からの制御指令値を受けて発電し、その発電電力を連系線に出力する。制御装置11は、発電出力記憶部13と、原制限指令値出力部14と、制限指令算出部15とを含んで構成される。
制御装置11には、発電機6の出力Pが入力されている。制御装置11は、発電機6の出力Pなどに基づき、原制限指令値Pを制限指令値Pに再設定する。この制限指令値Pは、発電機6の出力Pの上限を制限する出力上限値である。
発電出力記憶部13は、発電機6の発電電力量の検出値である出力Pが入力されて、この出力Pを記憶するとともに、制限指令算出部15に出力する。
原制限指令値出力部14は、風力の出力上限値である原制限指令値Pを、制限指令算出部15に出力する。
制限指令算出部15は、比較部151と、分散算出部152と、調整部158とを含んで構成される。調整部158は更に、裕度算出部153と、乗算器154,155と、加算器156と、スイッチ157とを含んで構成される。制限指令算出部15は、原制限指令値Pと発電機6の出力Pに基づいて、発電機6の制限指令値Pを算出し、その算出結果、つまり再設定された風力出力上限値を発電機6に指令する。
比較部151は、原制限指令値Pと発電機6の出力Pを比較して、その比較結果を出力する。
分散算出部152は、各発電機6の目標出力値から、それぞれ発電機6の出力Pを減算した値の分散値δを算出する。分散値δにより、風力発電装置の発電電力が通常時の出力脈動量より大きくなりうることを検知する。このとき、制御装置11が制限指令値Pを抑制することで、発電機6の出力の脈動によるオーバーシュートを防止する。
なお、分散算出部152は、発電機6の運転状態の分散値を算出すればよく、例えば各発電機6の回転速度の分散値や、各風車における風力または/および風向の分散値や、各風車におけるヨー誤差、ピッチ角度、風力の乱流強度のうち何れかの分散値を算出してもよい。これらの分散値によっても、風速や風向の時間変動により、風力発電装置の発電電力が通常時の出力脈動量より大きくなりうることを検知可能である。
調整部158は、分散値δに応じて、各発電機6に出力する制限指令値を調整するとともに、発電機6の出力Pが原制限指令値Pを超えたならば、原制限指令値Pをそのまま制限指令値Pとして各発電機6に出力する。
裕度算出部153は、分散値δから裕度αを算出する。分散値δと裕度αの関係は、例えば図4のグラフのようになる。
図4は、裕度算出部153の動作を説明するグラフであり、図3を参照しつつ説明する。
グラフの縦軸は、裕度αを示している。グラフの横軸は、分散値δを示している。分散値δが、例えば標準偏差σ(第1の分散値)よりも小さいとき、裕度αは1.0となる。分散値δが標準偏差σの3倍(第2の分散値)よりも大きいとき、裕度αは0となる。そして、分散値δが標準偏差σから3σの間のとき、裕度αは、分散値δに応じて線形に変化する。
分散値δは、複数の発電機6の運転状態のうち、この発電機6に係るものである。つまり、この発電機6が搭載された風車が他の複数の風車とは大きく異なる運転であるとき、分散値δが大きくなる。具体的にいうと、発電機6の出力脈動量が大きい場合である。これにより、出力脈動量により急激に大きな出力となる蓋然性が高いことを検知している。
そして、調整部158は、以下の式(1)に従って制限指令値Pを算出する。
Figure 0007706946000001
分散値δが、例えば標準偏差σ(第1の分散値)よりも小さいとき、裕度αは1.0となる。このとき、裕度算出部153は、乗算器154に0.0を出力し、乗算器155に1.0を出力する。その結果、加算器156の加算結果は、原制限指令値Pと等しくなる。
分散値δが標準偏差σの3倍(第2の分散値)よりも大きいとき、裕度αは0となる。このとき、裕度算出部153は、乗算器154に1.0を出力し、乗算器155に0.0を出力する。その結果、加算器156の加算結果は、発電機6の出力Pと等しくなる。これにより、原制限指令値Pよりも発電機6の出力Pが小さいときに、この発電機6の出力Pの増加を抑制する。
分散値δが標準偏差σから3σの間のとき、例えば分散値δが2σであった場合には、α=0.5である。このとき、裕度算出部153は、乗算器154に0.5を出力し、乗算器155に0.5を出力する。その結果、加算器156の加算結果は、原制限指令値Pと発電機6の出力Pをαで按分した中間の値となる。これにより、原制限指令値Pよりも発電機6の出力Pが小さいときに、分散値δに応じて、この発電機6の出力Pの増加を抑制する。
スイッチ157は、加算器156の加算結果と原制限指令値Pのうち一方を選択するものである。ここで、発電機6の出力Pが原制限指令値Pを超えたならば、比較部151は、スイッチ157を原制限指令値Pの側に切り替える。
発電機6の出力Pが原制限指令値P以下ならば、比較部151は、スイッチ157を加算器156の加算結果側に切り替える。
図4に示したように、発電機6の出力Pと目標出力値の差分についての分散をδ、縦軸をαとすると、裕度算出部153では、分散値δから裕度αを算出する。
図5は、制御装置11による制御指令値の調整処理のフローチャートである。
最初、比較部151は、原制御指令値Pよりも発電機6の出力Pが大きいか否かを判定する(ステップS10)。原制御指令値Pよりも出力Pが大きいならば(Yes)、ステップS11に進み、調整部158が、原制御指令値Pをそのまま制限指令値Pとして出力すると、図5の処理を終了する。
比較部151は、出力Pが原制御指令値P以下ならば(No)、ステップS12に進む。そして分散算出部152は、各発電機6の出力Pと目標出力値の差の分散値δをそれぞれ算出する(ステップS12)。裕度算出部153は、分散値δから裕度αを算出する(ステップS13)。調整部158は、発電機6の出力Pと原制御指令値Pを裕度αで按分して制限指令値Pとして出力すると(ステップS14)、図5の処理を終了する。
図6は、制御指令値を出力しない状態での発電機6の出力を示すグラフである。
グラフの横軸は時間を示し、縦軸は発電機6の出力を示している。
このとき、発電機6は、風力に応じた電力を出力する。よって出力は、Pminなどに制約されない。
図7は、原制御指令値と制御指令値と発電出力を示すグラフである。
グラフの横軸は時間を示し、縦軸は発電機6の出力と原制御指令値と制御指令値とを示している。
時刻T0以前にて、原制御指令値は、Pminである。時刻T0からT2にて、原制御指令値はPmin+10となり、時刻T2以降にて再びPminとなる。
例えば、時刻T1~T2のように、発電機6の出力Pが原制御指令値Pを超えている場合、制限指令値Pは原制御指令値Pと等しくなる。
また、時刻T0~T1のように、発電機6の出力Pが原制御指令値P以下の場合には、分散値δに従って、制限指令値Pが調整される。
例えば、発電機6の出力Pと目標出力値との差分が、これら複数の発電機6の出力の分散の2σに相当する場合には、α=0.5となり、発電機6の出力Pと原制御指令値Pの中間値が制限指令値Pとして出力される。
例えば、発電機6の出力Pと目標出力値との差分が、これら複数の発電機6の出力の分散の3σに相当する場合には、α=0.0となり、発電機6の出力Pが制限指令値Pとして出力され、発電機6の出力Pがグリッドコードで規定される値を逸脱するのを抑制する。このような制御方法を用いることで、オーバーシュートを小さくするとともに損失の増加を抑制することが可能となる。
また、上記制御方式を用いて、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備を制御してもよい。つまり、本発明を再生可能エネルギーによる発電に適用した再生可能エネルギー発電システムとして具現化してもよい。
本実施形態によれば、出力上限値に対する出力のオーバーシュートを抑制可能であり、且つ、過度な抑制によって発電量の低下、損失の増加を抑制することが可能である。
図8は、第1変形例の制御指令値の調整処理のフローチャートである。
最初、比較部151は、原制御指令値Pよりも発電機6の出力Pが大きいか否かを判定する(ステップS20)。比較部151は、原制御指令値Pよりも出力Pが大きいならば(Yes)、ステップS21に進み、調整部158が、原制御指令値Pをそのまま制限指令値Pとして出力すると、図8の処理を終了する。
比較部151は、出力Pが原制御指令値P以下ならば(No)、ステップS22に進む。そして分散算出部152は、各風車の風速と風向の分散値δをそれぞれ算出する。裕度算出部153は、分散値δから裕度αを算出する(ステップS23)。調整部158は、発電機6の出力Pと原制御指令値Pを裕度αで按分して制限指令値Pとして出力すると(ステップS24)、図8の処理を終了する。
図9は、第2変形例の制御指令値の調整処理のフローチャートである。
最初、比較部151は、原制御指令値Pよりも発電機6の出力Pが大きいか否かを判定する(ステップS30)。原制御指令値Pよりも出力Pが大きいならば(Yes)、ステップS31に進み、調整部158が、原制御指令値Pをそのまま制限指令値Pとして出力すると、図9の処理を終了する。
比較部151は、出力Pが原制御指令値P以下ならば(No)、ステップS32に進む。そして分散算出部152は、各風車の回転速度の分散値δをそれぞれ算出する。裕度算出部153は、分散値δから裕度αを算出する(ステップS33)。調整部158は、発電機6の出力Pと原制御指令値Pを裕度αで按分して制限指令値Pとして出力すると(ステップS34)、図9の処理を終了する。
《比較例》
図10は、比較例の制御装置11Aのブロック図である。
制御装置11Aは、出力指令値算出部19と、出力制限器18と、上昇用テーブル171と、テーブル更新部172と、出力指令前回値更新部173とを備える。制御装置11Aは、発電機6の出力を制御するものである。
出力指令値算出部19は、原制御指令値Pmaxと上昇用固定レートVに基づき、発電機6に制限指令値Pを出力して制御する。出力指令値算出部19には、出力制限器18から原制御指令値Pmaxが入力され、制限指令値Pが制限される。なお、出力制限器18は、原制御指令値Pmaxを、風車の状態(ブレードのピッチ角の指令値など)に応じて適宜設定する。
出力指令前回値更新部173は、制限指令値Pの前回値を記憶する。出力指令前回値更新部173では、出力指令値算出部19で得られた制限指令値Pの現在値が前回値として記憶され、この前回値は、出力指令値算出部19における次回の計算ステップに利用される。なお、前回値は、制御周期ごとに更新される。
例えば、前回値が1400kWであり、制限指令値Pが1500kWであり、出力制限器18で生成された原制御指令値が2000kW、最大出力レートは100kW/sec、制御周期が50msecである場合、制限指令値Pは以下のようにして決定される。
制御装置11Aがこれから実現しようとする風車出力の変化レートは2000kW/sec(=(1500kW-1400kW)/50msec)である。この変化レートは、最大出力レートV(=100kW/sec)よりも大きいから、この値をそのまま制限指令値Pとして採用するのではなく、最大出力レートに制御周期を乗算して得られる値と前回値との和の1405kW(=1400kW+100kW/sec×50msec)を、制限指令値Pとして採用する。
ここでは、原制御指令値と出力現在値(電力系統に供給される有効電力の現在値)との差分に応じた値を有する最大出力レートが設定される。具体的には、差分の絶対値が所定の閾値以下の範囲において、差分の絶対値が大きいほど最大出力レートが大きな値に設定される。
制御装置11Aは、差分と最大出力レートとの関係を表すルックアップテーブルである上昇用テーブル171を用いて、差分に応じた最大出力レートを設定する。
また、テーブル更新部172は、出力上限値に対する出力現在値のオーバーシュート量に基づいて上昇用テーブル171を更新する。
風力発電装置を構成するハードウェア(発電機6など)の応答特性には、通常、個体差が存在するから、上昇用テーブル171の最適な内容は各風車ごとに異なる。そこで、テーブル更新部172が、出力上限値に対する発電機6の出力のオーバーシュート量に基づいて、上昇用テーブル171を更新することで、上昇用テーブル171を各風車に適切なものとする。また、時間の経過とともにハードウェアの応答特性が変化する場合であっても、テーブル更新部172は、出力指令前回値更新部173に格納された前回値に基づき、ハードウェアの応答特性の変化に追従させて上昇用テーブル171の内容を変更する。つまり、制御装置11Aは、上昇用テーブル171に格納された比率に基づいて、指令値を決定する。
なお、制御装置11Aは、オーバーシュート量に対処する上昇用テーブル171に限られず、アンダーシュート量に対するルックアップテーブルを設けてもよい。
比較例の制御装置11Aでは、減算器16が原制御指令値Pから出力Pを減算して差分Xを得る。この差分Xが上昇用テーブル171に入力され、差分Xに対応するVが出力指令値算出部19に出力される。
図11は、比較例の原制御指令値と制御指令値と発電出力を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示し、縦軸は発電機6の出力と原制御指令値と制御指令値とを示している。
時刻T0以前にて、原制御指令値は、Pminである。時刻T0からT2にて、原制御指令値はPmin+10となり、時刻T2以降にて再びPminとなる。
比較例の制御装置11Aは、各発電機6にて決定された比率で制限指令値Pを算出しているので、発電機6の出力脈動量が通常時より大きくなる場合を検知できず、オーバーシュートするおそれがある。これに対して本実施形態では、各発電機6の運転状態の分散値によって指令値を調整している。これにより発電機6の出力脈動量が通常時より大きくなる場合を検知でき、オーバーシュートを抑制できる。
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)~(c)のようなものがある。
(a) 本発明は、風力エネルギーに限られず、太陽光エネルギーや潮力エネルギーなどの再生可能エネルギーによって発電するものに適用してもよく、限定されない。
(b) 本発明は、複数の再生可能エネルギー発電機の分散値による制御に限定されず、単一の再生可能エネルギー発電機の各時間における状態の分散値によって制御してもよい。例えば単一の風車で発電する風力発電設備において、所定期間ごとの発電電力の脈動を記録し、この脈動の分散値によって、発電機の出力上限値を調整してもよい。
(c) 再生可能エネルギー発電機の運転状態の分散値によって制御する方法は、上記実施形態に限定されない。例えば、再生可能エネルギー発電機の運転状態の分散値に応じて原制御指令値から所定値を減算したものを、制御指令値(出力上限値)として発電機に指令してもよく、限定されない。
1 風力発電システム
20a,20b,…,20n 風車
2 ブレード
3 ハブ
4 ロータ
5 ナセル
6 発電機
7 風向風速センサ
8 ピッチ角度駆動装置
9 タワー
10 電力変換器
11 制御装置
12 回転速度センサ
13 発電出力記憶部
14 原制限指令値出力部
15 制限指令算出部
151 比較部
152 分散算出部
153 裕度算出部
154,155 乗算器
156 減算器
157 スイッチ
158 調整部
159 減算器
16 減算器
171 上昇用テーブル
172 テーブル更新部
173 出力指令前回値更新部
18 出力制限器
19 出力指令値算出部

Claims (5)

  1. 再生可能エネルギーによって発電する複数の発電機と、
    前記複数の発電機の出力を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    各前記発電機の運転状態において、各前記発電機の目標出力値から、各前記発電機の現在の出力を減算した差分を示す分散値を算出する分散算出部と、
    各前記分散値に応じて、各前記発電機に出力する、当該発電機の出力の上限を超えないように制限する出力上限値を示す制限指令値を調整する調整部と、
    を備える再生可能エネルギー発電システム。
  2. 前記分散算出部は、前記分散値として、各前記発電機の目標回転速度から、各前記発電機の現在の回転速度を減算した差分を示す値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生可能エネルギー発電システム。
  3. 各前記発電機は、風力によって発電する風力発電機であり、
    前記分散算出部は、前記分散値として、各前記発電機の風速または/および風向の時間変動に基づいて、各前記発電機の現在の風速または/および風向を減算した差分を示す値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生可能エネルギー発電システム。
  4. 前記調整部は、各前記発電機の出力値が、風力の出力上限値を示す原制限指令値を超えたならば、前記原制限指令値をそのまま各前記発電機の出力の上限を超えないように制限する出力上限値を示す前記制限指令値として出力し、
    各前記発電機の出力値が前記原制限指令値以下ならば、前記分散値に応じて前記原制限指令値を調整する、
    ことを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載の再生可能エネルギー発電システム。
  5. 再生可能エネルギーによって発電する複数の発電機の出力を制御するための制御装置は、各前記発電機の運転状態において、各前記発電機の目標出力値から、各前記発電機の現在の出力を減算した差分を示す分散値を算出するステップと、
    各前記分散値に応じて、各前記発電機に出力する、当該発電機の出力の上限を超えないように制限する出力上限値を示す制限指令値を調整するステップと、
    を実行する再生可能エネルギー発電システムの制御方法。
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