以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1乃至図11を参照して、本実施形態の撮像システム(カメラシステム)100について説明する。図1(a)は撮像システム(レンズ交換式撮像システム)100の中央断面図、図1(b)は撮像システム100の電気的構成を示すブロック図である。図1(a)および図1(b)で同一の符号が付してあるものはそれぞれ対応している。
図1において、1は撮像装置(カメラ本体)、2は撮像装置1に装着するレンズ装置(交換レンズ)、3は複数のレンズからなる撮像光学系、4は撮像光学系3の光軸、6は撮像素子、9aは背面表示装置である。また、9bはEVF(電子ビューファインダ)、11は撮像装置1とレンズ装置2との電気接点、12はレンズユニット2に設けられたレンズシステム制御部、1000はフォーカルプレンシャッタ(シャッタユニット)である。
撮像装置1およびレンズ装置2からなる撮像システム100は、撮像手段、画像処理手段、記録再生手段、および制御手段を有する。撮像手段は、撮像光学系3、撮像素子6、およびフォーカルプレンシャッタ1000を含む。画像処理手段は、画像処理部7を有する。記録再生手段は、メモリ手段8および表示手段9(背面表示装置9a、EVF9b)を含む。制御手段は、カメラシステム制御回路(制御部)5、操作検出部10、レンズシステム制御回路12、およびレンズ駆動手段13を含む。レンズ駆動手段13は、焦点レンズ、ブレ補正レンズ、および絞りなどを駆動することができる。
撮像手段は、物体からの光を、撮像光学系3を介して撮像素子6の撮像面に結像する光学処理系である。フォーカルプレンシャッタ1000は、後述するシャッタ先幕700およびシャッタ後幕800を走行させることで、撮像素子6への露光量を制御する。撮像素子6は、撮像光学系3を介して形成された光学像を光電変換する。
画像処理部7は、内部にA/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、および補間演算回路等を有し、記録用の画像を生成することができる。色補間処理手段は画像処理部7に備えられており、ベイヤ配列の信号から色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像を生成する。また、画像処理部7は、予め定められた方法を用いて画像、動画、音声などの圧縮を行う。メモリ手段8は、記憶部を備えている。カメラシステム制御回路5により、メモリ手段8の記録部へ出力を行うとともに、表示手段9にユーザに提示する像を表示する。
カメラシステム制御回路5は、撮像の際のタイミング信号などを生成して出力する。外部操作に応動して撮像系、画像処理系、記録再生系をそれぞれ制御する。例えば、不図示のシャッタレリーズ釦の押下を操作検出部10が検出して、撮像素子6の駆動、画像処理部7の動作、および圧縮処理などを制御する。さらに表示手段9によって情報表示を行う情報表示装置を制御する。また、背面表示装置9aはタッチパネルになっており、操作検出部10に接続されている。
カメラシステム制御回路5には画像処理部7が接続されており、撮像素子6からの信号を基に適切な焦点位置、絞り値を求める。つまり、カメラシステム制御回路5は撮像素子6の信号に基づいて測光・測距動作を行い、露出条件(Fナンバーやシャッタ速度等)を決定する。カメラシステム制御回路5は、電気接点11を介してレンズシステム制御回路12に指令を出し、レンズシステム制御回路12はレンズ駆動手段13を適切に制御する。前述したように、操作検出部10へのユーザ操作に応じて、撮像装置1の各部の動作を制御することで、静止画および動画の撮影が可能である。
図2は、フォーカルプレンシャッタ1000の斜視図である。図3(a)および図3(b)は、フォーカルプレンシャッタ1000の分解斜視図である。フォーカルプレンシャッタ1000は、地板910を基本的な支持体とし、地板910上に各部品が搭載されている。地板910と仕切板20は、シャッタ先幕(第一の羽根部材)700の走行スペースを形成している。また、カバー板920と仕切板20は、シャッタ後幕(第二の羽根部材)800の走行スペースを形成している。地板910には、開口910aが形成されている。仕切板20とカバー板920には、開口910aと重なる開口20a、開口920aがそれぞれ形成されている。撮影時には、レンズ装置2を透過した光束が、開口920a、開口20a、および開口910aを順に通過して、撮像素子6を露光する。地板910には、先駆動レバーユニット400を取り付ける先駆動軸910b、後駆動レバーユニット(第三の駆動部材)500を取り付ける後駆動軸910cが形成されている。
また、地板910には、チャージ系部品群300、MG地板ユニット200、フレキ30、およびブレーキユニット600が取り付けられている。フレキ30には、先幕検知フォトインタラプタ31、後幕検知フォトインタラプタ32、位相検知フォトインタラプタ33、位相検知フォトインタラプタ34、およびパルス検知フォトインタラプタ35が設けられている。本実施形態において、位相検知フォトインタラプタ33は第一の光学検出手段、位相検知フォトインタラプタ34は第二の光学検出手段である。
MG地板210は、先ヨーク220、コイル230、後ヨーク221、コイル231およびウォーム260を保持している。先ヨーク220とコイル230、および後ヨーク221とコイル231は、コイルへの通電で電磁石となり、後述する先アマチャ450や後アマチャ550を吸着することができる。本実施形態において、先ヨーク220およびコイル230は、通電状態で先アマチャ450を吸着して先駆動レバー(第二の駆動部材)410を保持する先保持手段を構成する。また、後ヨーク221およびコイル231は、通電状態で後アマチャ550を吸着して後駆動レバー(後駆動部材)510を保持する後保持手段を構成する。
半月ゴム940は後駆動レバーユニット500の緩衝部材として用いられる。半月ゴム960とゴムカバー950は組み合わせて先駆動レバーユニット400の緩衝部材として用いられる。ゴムカバー950は半月ゴム960よりも粘着性が低くなっており、チャージ開始タイミングで、先駆動レバー(駆動部材)410に先羽根レバー(羽根作動部材)420が追従しやすくするために配置されている。
先幕アームゴム970は、後述するシャッタ先幕700が走行完時にアーム部を受けて衝撃を緩和する目的で用いられる。先幕アームゴムカバー971は、先メインアーム750が先幕アームゴム970との接触による削れ防止として先幕アームゴム970の表面を保護するために用いられる。後幕アームゴム980は、後述するシャッタ後幕800が走行完時にアーム部を受けて衝撃を緩和する目的で用いられる。後幕アームゴムカバー981は、後サブアーム860が後幕アームゴム980との接触による削れ防止として後幕アームゴム980の表面を保護するために用いられる。羽根先端ゴム990は、シャッタ先幕700の走行完時の衝撃を緩和する目的で用いられている。
シャッタ先幕700は、先メインアーム750、先サブアーム760、先1番羽根710、先2番羽根720、および先3番羽根730で平行リンクを形成している。各羽根とアームは、羽根カシメダボ780で軸支されている。先ガタ寄せバネ(第一の付勢部材)770は、先駆動レバーユニット400とシャッタ先幕700の後述する嵌合部のガタを詰めるためのバネであり、シャッタ先幕700を図3(a)における反時計方向に付勢している。また同時に、先ガタ寄せバネ770は、羽根を介して、先羽根レバー(第一の駆動部材)420を先駆動レバー410へ第一の方向に付勢している。すなわち先羽根レバー420は、シャッタ先幕700と一体で移動可能であり、シャッタ先幕700が退避状態から遮蔽状態に移動するように付勢されている。先メインアーム750の嵌合部750bは、先主アーム軸910jに嵌合している。先サブアーム760の嵌合部760aは、先サブアーム軸910kに嵌合している。シャッタ先幕700は、開口910aを遮蔽する遮蔽状態と開口910aから退避する退避状態との間を移動可能である。
シャッタ後幕800は、開口910aを遮蔽する遮蔽状態と開口910aから退避する退避状態との間を移動可能であり、露光動作の際に退避状態から遮蔽状態へ遷移する。シャッタ後幕800は、後メインアーム850、後サブアーム860、後1番羽根810、後2番羽根820、および後3番羽根830で平行リンクを形成している。各羽根とアームは、羽根カシメダボ880で軸支されている。後ガタ寄せバネ870は、後駆動レバーユニット500とシャッタ後幕800の後述する嵌合部のガタを詰めるためのバネであり、シャッタ後幕800を図3(a)における反時計方向に付勢している。後メインアーム850は、回転中心で嵌合部850bが後主アーム軸910lと嵌合し、回転中心から所定の距離離れた部分で、嵌合部850aが後駆動ピン510bと嵌合する。後サブアーム860は嵌合部860aが後サブアーム軸910mと嵌合する。シャッタ後幕800は、開口910aを遮蔽する遮蔽状態と開口910aから退避する退避状態との間を移動可能である。
先駆動レバー410と先羽根レバー420は先駆動軸910bに往復回転動作可能に同軸上に枢支されており、それぞれ別々に回転することができる構成となっている。先羽根レバー420は先メインアーム750と一体動作が可能なように、回転中心から所定の距離離れた部分で、先駆動ピン420bが地板910の長孔910nを貫通しつつ嵌合部750aと嵌合する。
駆動バネ(第二の付勢部材)411は、先駆動レバーユニット400およびシャッタ先幕700を動作させるためのトーションバネであり、シャッタ先幕700を図3(a)における時計方向に付勢している。また駆動バネ411は、先駆動レバー410を第一の方向とは反対の第二の方向に付勢している。先駆動レバー410は、先羽根レバー420と一体移動および別体移動の両方が可能である。またバネの固定端をアジャスターギア430に組み込むことで、ウォーム260でバネ力調整可能なように構成されている。後駆動レバー510は、後駆動軸910cに往復回転動作可能に枢支されている。また後駆動レバー510は後メインアーム850と一体動作可能なように、回転中心から所定の距離離れた部分で、後駆動ピン510bが地板910の長孔910oを貫通しつつ嵌合部850aと嵌合する。駆動バネ(第三の付勢部材)511は、後駆動レバーユニット500およびシャッタ後幕800を動作させるためのトーションバネであり、シャッタ後幕800を図3(a)における時計方向に付勢されている。またバネの固定端をアジャスタ―ギア530に組み込むことで、ウォーム260でバネ力調整可能なように構成されている。
図4は、チャージ系部品群300を地板910へ組み付ける様子を斜視図で示している。チャージとはモータ340から供給された動力(駆動力)をギア等を介して先駆動レバーユニット400や後駆動レバーユニット500に伝え、駆動バネ411、駆動バネ511に抗して走行完了位置からチャージ完了となるセット位置まで復帰させる動作である。この動作のモータ340の回転方向を正転方向とし、反対方向の回転を逆転とする。
本実施形態では、PWM(Pulse Width Modulation)による制御方式を用いている。PWM制御方式では、モータ340に印加する駆動電圧の振幅を一定にして、一定周期内で矩形波状に変化するパルスの時間幅を変化させることで、モータ340の実効電圧を変化させ、モータ340を制御している。以下の説明では、実効電圧をモータに印加する電圧と定義する。
また、図3(b)および図4に示されるように、モータ340の同軸に、複数の羽根を有するパルス板342、パルス検知フォトインタラプタ35が設けられている。パルス板342は、モータ340の回転により、モータ340と一緒になって回転し、パルス板342の羽根の回転によって、パルス検知フォトインタラプタ35の遮光、透過が繰り返される。そして、パルス検知フォトインタラプタ35の遮光、透過による出力の波形の間隔から、モータ340の回転速度を検出することが可能である。本実施形態では、モータ340の回転速度を検出するためにパルス板342とパルス検知フォトインタラプタ35を使用しているが、必ずしもパルス板342とパルス検知フォトインタラプタ35の構成である必要はない。パルス板342とパルス検知フォトインタラプタ35は、モータ340の回転速度を検出する回転速度検出手段を構成する。
モータ340にはピニオンギア311が取り付けられており、モータ340で発生するトルクは、このピニオンギア311を介してギア群に伝わる。ピニオンギア311と直接噛み合うのは地板910のアイドルギア軸910dに回転可能に支持されているアイドルギア312である。また、アイドルギア312がスラスト方向に飛び出さないように、ギアカバー341によって蓋をしている。アイドルギア312は第一ギア軸910eに回転可能に支持されている第一ギア313に連結され、減速する。第一ギア313は、第二ギア軸910fに回転可能に支持されている第二ギア314に連結され、さらに減速する。第二ギア314は、先カムギア軸910gに回転可能に支持されている先幕チャージカムギア315に連結する。先幕チャージカムギア315は、先駆動レバー410に対する駆動バネ411の付勢力に抗して、先駆動レバー410を第一の方向に移動させる第二のチャージ部材である。
先幕チャージカムギア315は、所定のカム位相で、先駆動レバー410および先ブレーキレバー(制動部材)620のチャージ動作と第一係止レバー160を先羽根レバー420の走行軌跡外に退避させる係止解除動作を行う。先幕チャージカムギア315は、中間カムギア軸910hに回転可能に支持された中間カムギア(第四のチャージ部材)316に連結される。
中間カムギア316は、モータ340の正転方向(第一の回転方向)の回転で、所定のカム位相において第二係止レバー(係止部材)170を先羽根レバー420の走行軌跡外に退避させる係止解除動作とワンウェイレバー(第二のレバー)320の退避動作を行う。本実施形態において、中間カムギア316は、第二係止レバー170が先羽根レバー420を係止した状態から走行可能な退避状態に遷移させる第一の係止解除部材である。また本実施形態において、モータ340の第一の回転方向では、中間カムギア316を用いて、先羽根レバー420を係止した状態から走行可能な退避状態へ遷移させる。
一方で、モータ340の逆転方向の回転で、所定のカム位相において、ワンウェイレバー320を介して逆チャージレバー(第一のレバー)321を作動させ、先羽根レバー420およびシャッタ先幕700を撮影待機位置から走行完了位置まで移動させる。この動作を逆チャージ動作と呼ぶ。本実施形態において、ワンウェイレバー320と逆チャージレバー321とにより、先羽根レバー420に対する先ガタ寄せバネ770の付勢力に抗して、先羽根レバー420を第二の方向に移動させる第一のチャージ部材が構成される。中間カムギア316は、後カムギア軸910iに回転可能に支持され、後幕チャージカムギア(第三のチャージ部材)317に連結される。
後幕チャージカムギア317は、所定のカム位相で後駆動レバー510および後ブレーキレバー(制動部材)630のチャージ動作を行う。先幕チャージカムギア315と中間カムギア316と後幕チャージカムギア317はすべて同じ歯数で設定されている。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、中間カムギア316の歯数は、先幕チャージカムギア315および後幕チャージカムギア317のそれぞれの歯数の整数倍であればよい。
本実施形態において、第二係止レバー170とワンウェイレバー320及び逆チャージレバー321は、中間カムギア316により動作される。また、先駆動レバーユニット400と後駆動レバーユニット500は、先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317により動作される。このため、第二係止レバー170とワンウェイレバー320及び逆チャージレバー321は、先駆動レバーユニット400と後駆動レバーユニット500と連動して動作することができる。
中間カムギア316と後幕チャージカムギア317には、位相検知フォトインタラプタ33と位相検知フォトインタラプタ34を遮光するためのPI遮光部316cとPI遮光部317d(後述する図8参照)がそれぞれ設けられている。これにより、カム位相を判別することができる。
図5は、ブレーキユニット600の分解斜視図である。ブレーキ地板610には、ブレーキ軸610a、ブレーキゴム軸610bが先幕側、後幕側それぞれに備えられ、地板910にビス660で固定される。ブレーキ軸610aには、摩擦シート651、先ブレーキレバー620(後ブレーキレバー630)、摩擦シート651、ブレーキ押さえ板640、板ばね652、およびカラー部材653の順番に積層され、ブレーキビス654によって固定される。カラー部材653は、厚み寸法を細かく変更できるようになっているため、それに応じて板ばね652の圧縮量(圧縮力)を調整することができる。このようにして、摩擦シート651と先ブレーキレバー620、(後ブレーキレバー630)との間の摩擦力を調整することでブレーキ力の調整ができる構成となっている。
ブレーキゴム軸610bには、ブレーキゴム650が軸支されブレーキ押さえ板640によって抜け止めされる。先ブレーキレバー620(後ブレーキレバー630)は、先駆動レバーユニット400(後駆動レバーユニット500)によって回転させられ、ブレーキゴム650に当接することで停止する。ブレーキユニット600は、完成された状態で地板910にビス660によって固定される。本実施形態において、ブレーキユニット600の取り外し方向(図5中の矢印Aの方向)における投影面積上に重なる部品が存在しない。このため、地板910に対してブレーキユニット600を交換することが容易な構成となっている。
図6は、先駆動レバーユニット400の分解斜視図である。先駆動レバーユニット400は、先駆動レバー410と先羽根レバー420に2体化されている。先駆動レバー410とアマチャバネ440を挟むようにして、先アマチャ(第一の可動鉄片)450は先アマチャ軸460先端を局所的に変形させて加締め保持される。このアマチャユニットは、先駆動レバー410に対してアマチャバネ440を圧縮する方向に微小量だけチャージすることができる。
ところで、駆動レバーのチャージ動作には複数の部品が関わっているため、先アマチャ450を先ヨーク220の吸着面とぴったりに当接させることが難しい。そこで、先幕チャージカムギア315による先駆動レバー410のチャージストロークとしては、予め先アマチャ450が先ヨーク220に当接するよりも余剰をもたせた上で、余分にチャージしてしまった分を吸収する機構を設ける。この機構として、アマチャバネ440、先アマチャ450、および先アマチャ軸460が利用されている。この構成は、後述する図7に示す後駆動レバーユニット500でも同じである。
ローラー410d、410eは、先幕チャージカムギア315のカム315a、およびカム315b(後述する図14参照)によってそれぞれ押される。先羽根レバー420は、先駆動レバー410の先羽根レバー嵌合軸410aに嵌合している。駆動レバー当接部420aは、先駆動レバー410の先羽根レバー当接部410bと当接し、走行時は先駆動レバー410と先羽根レバー420が一体となって走行する。
先駆動ピン420bは、先メインアーム750と係合してシャッタ先幕700を駆動する。また、先サブアーム760に掛けられた先ガタ寄せバネ770からの付勢力により、先羽根レバー420は先駆動レバー410に近づく方向に付勢をされる。
被係止部420cは、第一係止レバー160によって係止可能になっている。これは、シャッタ先幕700が羽根展開状態から羽根重畳状態に走行した際に、羽根のバウンドを抑止するように働く。また、被係止部420dは第二係止レバー170によって係止可能になっている。第二係止レバー170は、先羽根レバー420およびシャッタ先幕700が先ガタ寄せバネ770のバネ力で走行完了状態から撮影待機位置まで戻る際に、バウンドを抑止するように働く。
PI遮光部420eは、先幕検知フォトインタラプタ31を走行完了位置付近で遮光することで、走行完了状態かどうかを検知するのに用いられる。ローラー420fは逆チャージレバー321の押動部321bによって押され、先羽根レバー420を走行完了位置へ動作させる。ブレーキピン420gは先ブレーキレバー620と当接することで走行完了の手前から摺動摩擦によるブレーキ効果を得ることができ、走行完了時のショックを和らげることができる。
図7は、後駆動レバーユニット500の分解斜視図である。後駆動レバー510とアマチャバネ540を挟み込むようにして、後アマチャ(第二の可動鉄片)550は後アマチャ軸560先端を局所的に変形させて加締め保持される。このアマチャユニットは後駆動レバー510に対してアマチャバネ540を圧縮する方向に微小量だけチャージすることができる。
後駆動ピン510bは、後メインアーム850と係合しシャッタ後幕800を駆動する。PI遮光部510cは、後幕検知フォトインタラプタ32を遮光しシャッタ後幕800の状態を検知するのに用いられる。ブレーキピン510eは、後ブレーキレバー630と当接することで走行完了の手前から摺動摩擦によるブレーキ効果を得ることができ、走行完了時のショックを和らげることができる。ローラー510f、510gは、後幕チャージカムギア317のカム317a、317b(後述する図14参照)によってそれぞれ押される。
図8(a)、(b)は、MG地板ユニット200を取り外した状態のフォーカルプレンシャッタ1000の正面図である。図8(a)は、先駆動レバーユニット400と後駆動レバーユニット500がそれぞれ先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317によって保持された状態である。図8(b)は、先駆動レバーユニット400と後駆動レバーユニット500がそれぞれ先ヨーク220、コイル230と後ヨーク221、コイル231からなる電磁石によって吸着された状態である。
先駆動レバー410、後駆動レバー510は、それぞれ先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317により、駆動バネ411、駆動バネ511の付勢力に抗して回転させられる。そして、図8(a)に示されるように、チャージ完了となるセット位置では先駆動レバー410、後駆動レバー510は、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317によりそれぞれ保持される。その後、先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317が回転し先駆動レバー410、後駆動レバー510のカムギアによる保持が解除される。そして図8(b)に示されるように、先駆動レバー410と後駆動レバー510が走行可能となる(以下、この状態を撮影待機位置と呼ぶ)。このとき、先駆動レバー410、後駆動レバー510に設けられた先アマチャ450、後アマチャ550が、それぞれ先ヨーク220、コイル230と後ヨーク221、コイル231からなる電磁石によって通電保持される。
図9(a)、(b)は、駆動レバーユニットとカムギア、第一係止レバー160と第二係止レバー170とワンウェイレバー320、逆チャージレバー321の関係を示すセット位相における正面図と背面図である。図10(a)、(b)は中間カムギアによるワンウェイレバーのチャージ完了時の正面図と背面図であり、中間カムギア316によるワンウェイレバー320の退避完了時の状態である。図11(a)、(b)は、逆チャージレバー321による先羽根レバー420の逆チャージ完了時の正面図と背面図であり、逆チャージレバー321による先羽根レバー420の逆チャージ完了時の状態である。
第一係止レバー160の回転穴部160cは地板910に回転可能に軸支され、第一係止レバー160は付勢バネ161によって図9(a)において回転穴部160cを中心に反時計方向に付勢される。被作動部160aは、先幕チャージカムギア315のカム315dによって付勢バネ161の付勢力に抗して図9(a)において回転穴部160cを中心に時計方向に回転させられ、先羽根レバー420の走行軌跡外に退避される(係止解除動作)。また、係止部160bで先羽根レバー420の被係止部420cを走行完了位置付近で係止することで、先羽根レバー420の走行時のバウンドの抑止およびノーマリーオープン時のセット位相における係止保持を可能にする。
第二係止レバー170の回転穴部170dは地板910に回転可能に軸支され、第二係止レバー170は付勢バネ171によって図9(a)において回転穴部170dを中心に時計方向に付勢される。被作動部170aは、中間カムギア316のカム316bによって付勢バネ171の付勢力に抗して図9(a)において回転穴部170dを中心に反時計方向に回転させられ先羽根レバー420の走行軌跡外に退避される(係止解除動作)。また係止部170bで先羽根レバー420の被係止部420dを撮影待機位置付近で係止することで、先羽根レバー420が走行完了位置から撮影待機位置まで移動する戻し走行時とチャージ動作時のバウンドの抑止を可能にする。
逆チャージレバー321の回転穴部321eは、地板910に回転可能に軸支される。図4(a)に示すワンウェイレバー320の回転穴部320cは、逆チャージレバー321に回転可能に軸支され、ワンウェイレバー320は逆チャージレバー321と同軸上に回転可能となっている。
モータ340の正転時(第一の回転方向の回転時)には、中間カムギア316は図10(a)における時計方向に回転する。カム316aは、所定の位相でワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接し、ワンウェイレバー320を図10(b)において回転穴部321eを中心に時計方向に回転する。このとき、付勢バネ(第四の付勢部材)322は、ワンウェイレバー320と逆チャージレバー321との間で作用し、ワンウェイレバー320を図10(a)において回転穴部321eを中心に時計方向に付勢する。すなわち逆チャージレバー321が先羽根レバー420を第二の方向に移動させる以外の場合、逆チャージレバー321は付勢バネ322を介してワンウェイレバー320と作用する。一方、逆チャージレバー321は、地板910の逆チャージ係止部910pに当接しているため回転せずに停止したままとなる。つまり、逆チャージレバー321は他の部品に対しては作用しない。
モータ340の逆転時(第二の回転方向の回転時)には、中間カムギア316は図11(a)における反時計方向に回転し、カム316aは所定の位相でワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接する。この動作で、ワンウェイレバー320を図11(b)における反時計方向に回転させる。同時にワンウェイレバー320の押動部320bが逆チャージレバー321の被押動部321aを押し、一体となって図11(b)における反時計方向に回転する。
逆チャージレバー(第二の係止解除部材)321は回転開始後すぐに係止解除部321cが第二係止レバー170の被押動部170cを押し、第二係止レバー170を図11(a)において回転穴部321eを中心に反時計方向に回転させる。この動作によって、第二係止レバー170は先羽根レバー420の走行軌跡から退避し、係止解除される。そして逆チャージレバー321の押動部321bが先羽根レバー420のローラー420fに当接し、先ガタ寄せバネ770の付勢力に抗って先羽根レバー420を図11(b)における時計方向に回転させる(逆チャージ)。このように、モータ340の第二の回転方向では、逆チャージレバー321を用いて、先羽根レバー420を係止した状態から走行可能な退避状態へ遷移させる。
回転は先羽根レバー420の被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bをある程度超えた位置まで行われ、モータ340は停止する。このとき、付勢バネ322は逆チャージレバー321と地板910のバネ係止部910qの間で作用し逆チャージレバー321を図11(a)における反時計方向に付勢する。このように、ワンウェイレバー320と逆チャージレバー321をそれぞれ回転可能に軸支することで、モータ340の逆転時にのみ逆チャージレバー321を先羽根レバー420に作用させることが可能となる。つまり、専用のアクチュエータを設置するなどしてモータ340とは別に制御する必要がない。さらに専用アクチュエータの設置場所も必要なくなり、ユニットの小型化が可能である。また、モータ340の正転または逆転に応じて付勢バネ322の作用する部品を変えること、で一つの部品で付勢方向を変えることができる。
その後、先駆動レバー410と後駆動レバー510を先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317のカムで保持するため、再びモータ340を正転させる。逆チャージレバー321が待機位置に復帰することによって、先羽根レバー420は先ガタ寄せバネ770の付勢力によって図10(a)における時計方向に回転しようとするが、被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bに係止され停止する。
以上のように、モータ340の逆転時のみ逆チャージレバー321が先羽根レバー420を図10(b)における時計方向に回転させる構成とすることで、地板910の開口910aを開いた状態にすることができノーマリーオープンが実現される。つまり専用のアクチュエータを備えることなく、モータ340の回転方向の切り替えによって、電源OFF時に開口910aを開いた状態のノーマリーオープン方式と、開口910aを閉じた状態のノーマリークローズ方式を切り替えることが可能となる。
次に、図12乃至図36を参照して、シャッタ先幕700とシャッタ後幕800による撮影時のフォーカルプレンシャッタ1000の一連の動作を説明する。図12(a)および図12(b)は、モータ正転時の各部品の動きや信号状況を表すカム線図であり、図12(b)は図12(a)の続きで、2つを合わせて一連の動作を示している。また、図13乃至図30の図番号を付記して対応させている。図13乃至図29、図32乃至図36では、モータ340および、ピニオンギア311、アイドルギア312、第一ギア313、第二ギア314、アイドルギア312、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317の各ギアのギア部を省略している。また、図13乃至図30および図32乃至図36では、付勢バネ161、付勢バネ171、駆動バネ411、アマチャバネ440、アマチャバネ540、先ガタ寄せバネ770、後ガタ寄せバネ870についても図の簡略化のため省略している。
図13は、フォーカルプレンシャッタ1000を、チャージ系部品群300側から見た側面図である。図13におけるA-Aの位置における断面図は、各ギアのカム部や、ワンウェイレバー320、逆チャージレバー321が見やすくなるように、第二係止レバー170を省略した断面図である。後述する状態遷移図のすべての断面図は、図13のA-Aの位置における断面図である。
図14(a)と図14(b)は、ノーマリーオープン状態を示す平面図と断面図である。ノーマリーオープン状態は、図14(a)に示すように、先駆動レバー410のローラー410eは、先幕チャージカムギア315によって、駆動バネ411の付勢力による反時計方向の回転を阻止するように係止されている状態である。一方、図14(b)に示すように、第一係止レバー160は、付勢バネ161の付勢力により、地板910に保持されている状態である。そして、先羽根レバー420は、被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bによって係止され、先ガタ寄せバネ770の付勢力による時計方向の回転を阻止するように、走行完了位置に係止されている状態である。よって、シャッタ先幕700は重畳状態となっており、レンズ装置2からの光束は撮像素子6に導かれた状態となる。また、図14(a)に示されるように、後駆動レバー510に保持されたローラー510gは、後幕チャージカムギア317のカム317bによって、駆動バネ511の付勢力による反時計方向の回転を阻止するように係止されている状態である。
撮像装置1の電源がONされ、不図示のレリーズボタンが操作されると、コイル230、コイル231に通電を開始すると同時に、モータ340に正転方向の通電が開始される。このとき、先駆動レバー410と後駆動レバー510は通電保持された状態となる。続いて、不図示のモータ340へ通電を継続し、モータ340の回転が、ピニオンギア311、アイドルギア312、第一ギア313、第二ギア314に伝達される。これにより、先幕チャージカムギア315、中間カムギア316、後幕チャージカムギア317が回転し、セット位相から撮影待機位相へ移行するセット解除を行う。
図15は、中間カムギア316のカム316bが第二係止レバー170の被作動部170aに当接を開始した状態を示す平面図である。第二係止レバー170は、カム316bの当接によって、先羽根レバー420の走行軌跡から退避し始める。セット解除中は、ローラー410eが先幕チャージカムギア315のカム315bとの当接が解除される。また同様に、ローラー510gが後幕チャージカムギア317のカム317bとの当接が解除される。一方で、各々の駆動レバー410、510は通電保持が継続される。
図16は、図15の状態からさらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317を回転させ、撮影待機位相に到達した状態を示す平面図である。先幕チャージカムギア315のカム315a、カム315bは、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避している。また、後幕チャージカムギア317のカム317a、カム317bは、後駆動レバー510の走行軌跡外まで退避している。第二係止レバー170は、被作動部170aが、中間カムギア316のカム316bと当接することで、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避した状態で保持されている。ここで、先駆動レバー410と後駆動レバー510はコイル230、コイル231への通電により通電保持が継続されている状態である。一方、先羽根レバー420は、被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bに係止されている状態のままであり、シャッタ先幕700も重畳状態のままである。
図17は、図16の状態からさらにモータ340に通電し、第一係止レバー160の被作動部160aが先幕チャージカムギア315のカム315dと当接した状態を示す平面図である。第一係止レバー160の被作動部160aに、先幕チャージカムギア315のカム315dが当接を開始し、第一係止レバー160は、付勢バネ161の付勢力に抗しながら、時計方向に回転を開始する。第二係止レバー170の被作動部170aと、中間カムギア316のカム316bの当接が解除されると、付勢バネ171の付勢力により、第二係止レバー170は、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰する。
図18は、図17の状態からさらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転し、第一係止レバー160による先羽根レバー420の係止が解除された状態を示す平面図である。第一係止レバー160が先羽根レバー420の走行軌跡外に退避することで、先羽根レバー420は、第一係止レバー160との係止が解除される。そして、先羽根レバー420は、先ガタ寄せバネ770からの付勢力により、走行完了位置から待機位置に向けて、時計方向に回転を開始する。このとき、先羽根レバー420に連動するシャッタ先幕700も時計方向に回転を開始し、重畳状態から展開状態に移動を開始する。また、第二係止レバー170の被作動部170aと中間カムギア316のカム316bの当接が解除され、第二係止レバー170は、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰する。
図19(a)、(b)は、図18の状態からさらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315のカム315cが、先ブレーキレバー620のカムフォロア620aに当接を開始した状態を示す平面図と背面図である。ところで、先ブレーキレバー620は、後述するように、先羽根レバー420が待機位置にある場合、先羽根レバー420の走行軌跡内に停止している。先羽根レバー420の走行時の走行完了手前の位置において、先ブレーキレバー620は、先羽根レバー420のブレーキピン420gに当接を開始し、先羽根レバー420の走行完了位置までブレーキピン420gに当接しながら回転し、停止する。先羽根レバー420の走行完了手前の位置における先ブレーキレバー620の停止位置を動作待機位置と呼び、先羽根レバー420の走行完了位置での先ブレーキレバー620の位置を動作完了位置と呼ぶ。
図14のノーマリーオープンの状態において、先羽根レバー420は、走行完了位置に係止されているため、先ブレーキレバー620は、図14のノーマリーオープンの状態から図18の状態まで、動作完了位置に停止した状態である。先幕チャージカムギア315が回転すると、先幕チャージカムギア315のカム315cにより、先ブレーキレバー620のカムフォロア620aが押され、先ブレーキレバー620は、動作完了位置から動作待機位置まで回転する。先幕チャージカムギア315のカム315cにより回転される先ブレーキレバー620の回転速度に対して、先羽根レバー420の回転速度は、先ガタ寄せバネ770からの付勢力が弱いため、遅い。そのため、先ブレーキレバー620は、図18の状態から先行して回転を開始した先羽根レバー420のブレーキピン420gに当接し、先羽根レバー420を押しながら回転する。
先幕チャージカムギア315がさらに回転し、先ブレーキレバー620のカムフォロア620aが、カム315cのカムトップに移ることで、先ブレーキレバー620は動作待機位置に停止する。一方、先羽根レバー420は、先ガタ寄せバネ770からの付勢力と、先ブレーキレバー620により後押しされた駆動力により、加速したまま回転を続ける。つまり、先幕チャージカムギア315の動力を、先ブレーキレバー620を介して先羽根レバー420に伝達している。先ブレーキレバー620の回転によって、先羽根レバー420の初動の回転をアシストすることで、先羽根レバー420の走行完了位置から待機位置まで移動する戻し走行動作の高速化を実現している。これにより、シャッタ先幕700の重畳状態から展開状態に移動の時間短縮が可能となり、コマ速の高速化に有効である。
また、先ガタ寄せバネ770の付勢力は、駆動バネ411の付勢力を打ち消す方向の付勢力であり、戻し走行動作の高速化のために、先ガタ寄せバネ770のバネ力を強くすると、駆動バネ411のバネ力も強くする必要がある。
従って、先ブレーキレバー620のアシストにより、戻し走行動作の高速化のために、先ガタ寄せバネ770のバネ力を強くする必要がなく、それに伴って駆動バネ411のバネ力を強くする必要がない。その結果、駆動バネ411の付勢力をチャージするための負荷を低減することが可能となり、コマ速(連写速度)の向上やモータ340の電流値の低下に有効である。
図20は、図19の状態から、さらにモータ340に通電し、中間カムギア316のカム316aがワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接を開始した状態を示す平面図と断面図である。図20(a)は、回転中の先羽根レバー420が、第二係止レバー170の係止部170bに当接を開始している状態の平面図を示している。先羽根レバー420の被係止部420dが、第二係止レバー170の係止部170bに当接した後、係止部170bのカムの斜面を押しのけることで、先羽根レバー420は、回転を続ける。図20(b)は、中間カムギア316のカム316aはワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接を開始した状態の断面図を示している。
ワンウェイレバー320は、図9(b)に示されるように、押動部320bが逆チャージレバー321の被押動部321aに当接しており、逆チャージレバー321は、地板910の逆チャージ係止部910pに当接している。ワンウェイレバー320は、図20(b)に示されるように、カムフォロア部320aにカム316aが当接を開始することで、反時計方向へ回転を開始する。一方で、逆チャージレバー321は、地板910の逆チャージ係止部910pに当接しており、このとき動作しない。
また、図20(a)に示されるように、後幕チャージカムギア317のカム317aが、後駆動レバー510の走行軌跡内に侵入を開始する。しかし、後駆動レバー510は、通電保持された状態となっているため、後幕チャージカムギア317は、後駆動レバー510をチャージすることなく、回転している(以下空チャージと呼ぶ)。
さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると、第一係止レバー160の被作動部160aは、先幕チャージカムギア315のカム315dとの当接が解除される。そして、付勢バネ161の付勢力により、第一係止レバー160 は、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰し、地板910に当接することで停止する。
図21は、シャッタ先幕700が重畳状態から展開状態に移行完了した状態を示す平面図である。図20(b)の状態から、先羽根レバー420とシャッタ先幕700は、さらに時計方向に回転し、待機位置まで復帰する。先羽根レバー420が待機位置に到達したときに、先駆動レバー410に衝突し、先羽根レバー420が衝突の衝撃で反時計方向に戻ろうとするが、被係止部420dが第二係止レバー170の係止部170bに係止される。その結果、先羽根レバー420とシャッタ先幕700のバウンドが抑止される。従って、戻し走行動作のバウンド抑制により、戻し走行後の次の動作への移行がすぐに可能になるため、コマ速の高速化に有効である。このとき、レンズ装置2からの光束はシャッタ先幕700によって、遮られた状態である。
図22は、図21の状態からさらにモータ340に通電し、先駆動レバーユニット400および後駆動レバーユニット500がセット位相に到達した状態を示す平面図である。ワンウェイレバー320は、カムフォロア部320aの中間カムギア316 のカム316aとの当接が解除され、付勢バネ322の付勢力により時計方向に回転する。そして、図9(b)に示されるように、ワンウェイレバー320の押動部320bが、逆チャージレバー321の被押動部321aに当接し、停止する。ここで、モータ340への通電がOFFされると、開口910aは閉じられており、ノーマリークローズ状態となる。
さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると、図15の状態と同様の、セット解除に移る。セット解除中は、ローラー410eが先幕チャージカムギア315のカム315bとの当接が解除される。また同様に、ローラー510gが後幕チャージカムギア317のカム317bとの当接が解除される。一方、各々の駆動レバー410、510は通電保持される。中間カムギア316のカム316bが第二係止レバー170の被作動部170aに当接し、第二係止レバー170が、先羽根レバー420の走行軌跡から退避する方向に移動する。
さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると図23の状態となり、後述するようにモータ340への通電を停止する。図23は、撮影待機位相で停止した状態を示す平面図である。
図12のカム線図における図23の位置まで回転すると、後幕チャージカムギア317のPI遮光部317dによって、位相検知フォトインタラプタ34は、透過(図12中はHi)から遮光(図12中はLo)に切り替わる。一方、中間カムギア316のPI遮光部316cによって、位相検知フォトインタラプタ33は遮光(図12中はLo)のままである。位相検知フォトインタラプタ34が、透過から遮光への切り替わりを検出し、位相検知フォトインタラプタ33が遮光のままであることを検出することで、カメラシステム制御回路5は、モータ340への通電を停止する。
先幕チャージカムギア315は、カム315aとカム315bが、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避している。また、後幕チャージカムギア317は、カム317aとカム317bが、後駆動レバー510の走行軌跡外まで退避している。第二係止レバー170は、被作動部170aが、中間カムギア316のカム316bと当接することで、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避した状態で保持されている。ここで、先駆動レバー410と後駆動レバー510はそれぞれ、駆動バネ411、駆動バネ511により図23において反時計方向に付勢されているが、コイル230、コイル231への通電により通電保持されている状態である。カメラシステム制御回路5はこの後、コイル230への通電をカットし、撮像素子6への露光が開始される。カメラの秒時制御は、先幕側のコイル230と後幕側のコイル231の、通電をカットする間隔を変えることで行っている。
図23の状態からコイル230への通電カット後に、先駆動レバーユニット400と先羽根レバー420が一体となって、反時計方向に回転する。シャッタ先幕700も反時計方向に回転を開始し、展開状態から重畳状態に移行する。
図24は、先駆動レバーユニット400と先羽根レバー420が走行し、走行完了した状態を示す平面図と背面図である。図24(a)のように、先羽根レバー420は走行完了位置付近において、被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bを押しのけ、回転を続ける。直後に第一係止レバー160は、付勢バネ161によって、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰する。
また、図24(b)のように、同様に走行完了位置付近において、先羽根レバー420のブレーキピン420gは、先ブレーキレバー620に当接し、一体となって回転する。このとき、先ブレーキレバー620と摩擦シート651の摩擦力によって駆動バネ411による付勢力のエネルギーが相殺され、先羽根レバー420は、徐々に減速しながら回転する。
先羽根レバー420が、走行完了位置に到達すると、先羽根レバー420の先駆動ピン420bが、図3に示すゴムカバー950に当接し、先羽根レバー420と先駆動レバー410は回転を停止する。また同時に、シャッタ先幕700の先メインアーム750は、走行完了位置で、図3に示す先幕アームゴムカバー971に当接し、回転を停止する。先幕アームゴムカバー971は先幕アームゴム970に当接しており、先幕アームゴム970によって、シャッタ先幕700の走行時の衝撃を緩和することで、耐久時の羽根破損を抑制するのに有効である。また、先羽根レバー420が、走行完了位置に到達すると同時に先ブレーキレバー620は、図5に示すブレーキゴム650に当接し、先ブレーキレバー620は回転を停止する。
先羽根レバー420と先駆動レバー410は、先駆動ピン420bがゴムカバー950に当接したときの衝撃により、時計方向に回転しようとバウンドする。しかし、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰した第一係止レバー160の係止部160bに、先羽根レバー420の被係止部420cが係止されることで、バウンドが抑止される。
従って、先ブレーキレバー620による先羽根レバー420の減速と、第一係止レバー160によるバウンド抑止機構により、先羽根レバー420のバウンド時間を短縮し、その後のチャージ動作の開始を速くすることが可能である。そのため、コマ速(連写速度)の高速化に有効である。
ところで、先羽根レバー420の戻し走行動作の際に、先駆動レバー410は通電保持されている。しかし、先羽根レバー420が待機位置に到達した時に、先羽根レバー420が先駆動レバー410に衝突した時の衝撃により、先駆動レバー410は、初期位置からずれた位置となってしまう。このまま通電をカットして走行をさせると、ずれた位置が安定しないため、撮影ごとの走行動作が安定しない。本実施形態では、先羽根レバー420の戻し走行動作の後に、先駆動レバー410は、ローラー410eが、先幕チャージカムギア315のカム315bのカムトップに当接し、その後、セット解除の位置となる。これにより、先羽根レバー420の戻し走行動作により位置がずれた先駆動レバー410は、初期位置にリセットされることになる。したがって、撮影ごとの走行動作が安定して、シャッタ精度が向上する。
カメラシステム制御回路5により、所定の間隔をあけて、コイル231への通電がカットされると、後駆動レバーユニット500は、反時計方向に回転を開始する。
図25は、後駆動レバーユニット500が走行し、走行完了した状態を示す平面図と背面図である。走行完了手前位置付近になると、後駆動レバー510のブレーキピン510eは後ブレーキレバー630に当接し、徐々に減速していく。後駆動ピン510bが半月ゴム960に当接したところで、走行完了位置に到達し、後駆動レバーユニット500は回転を停止する。また同時に、後駆動レバー510が走行完了位置に到達すると同時に後ブレーキレバー630は、図5に示すブレーキゴム650に当接し、後ブレーキレバー630は回転を停止する。
後駆動レバー510の走行完了手前の位置における後ブレーキレバー630の停止位置を動作待機位置と呼び、後駆動レバー510の走行完了位置での後ブレーキレバー630の停止位置を動作完了位置と呼ぶ。後駆動レバー510は、動作待機位置と動作完了位置との間を回転移動する。
シャッタ先幕700とシャッタ後幕800による露光動作が完了して所定の時間が経過した後、次の撮影に備えてチャージするため、カメラシステム制御回路5は、モータ340への通電を再開する。モータ340への通電が再開されると先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317はともに反時計方向に、中間カムギア316は時計方向に回転する。
図26は、先幕チャージカムギア315のカム315dが第一係止レバー160の被作動部160aを作動させ、係止解除を行った状態を示す平面図である。先幕チャージカムギア315のカム315dの当接により、第一係止レバー160が先羽根レバー420の走行軌跡外に退避することで、先羽根レバー420は、第一係止レバー160との係止が解除される。そして、先羽根レバー420は、先ガタ寄せバネ770からの付勢力により、走行完了位置から待機位置に向けて、時計方向に回転を開始する。このときに、先羽根レバー420に連動するシャッタ先幕700も反時計方向に回転を開始し、重畳状態から展開状態に移動を開始する。
また、先幕チャージカムギア315のカム315aは、先駆動レバー410のローラー410dに当接を開始し、先駆動レバー410を時計方向に回転させる。このとき、先駆動レバー410と先羽根レバー420は同じ方向に回転しているが、先羽根レバー420を回転させる先ガタ寄せバネ770からの付勢力が弱いため、先駆動レバー410が、先羽根レバー420に対して先行して回転する。
図27は、図26の状態から、さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315のカム315cが先ブレーキレバー620のカムフォロア620aに当接を開始した状態を示す断面図と背面図である。図19と同様に、図27(a)に示されるように、先幕チャージカムギア315のカム315cにより、先ブレーキレバー620のカムフォロア620aが押され、先ブレーキレバー620は、動作完了位置から動作待機位置まで回転する。
図27(b)に示されるように、先ブレーキレバー620は、図26の状態から先行して回転を開始した先羽根レバー420のブレーキピン420gに当接し、先羽根レバー420を押しながら回転する。先幕チャージカムギア315がさらに回転し、先ブレーキレバー620のカムフォロア620aがカム315cのカムトップに移ることで、先ブレーキレバー620は動作待機位置に停止する。一方、先羽根レバー420は、先ガタ寄せバネ770からの付勢力と、先ブレーキレバー620により後押しされた駆動力により、加速したまま回転を続ける。そして、加速した先羽根レバー420は、先幕チャージカムギア315に当接して回転する先駆動レバー410に追いつき、その後一体となって回転を続ける。
したがって、先ブレーキレバー620の回転によって、先羽根レバー420の初動の回転をアシストすることで、先羽根レバー420が、先駆動レバー410に追いつき、一体となって回転することが可能となる。その結果、先羽根レバー420と先駆動レバー410の、両方の回転動作の時間短縮が可能となり、コマ速(連写速度)の高速化に有効である。
図27の状態から、さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると、図28の状態となる。図28は、先ブレーキレバー620が動作待機位置に停止しており、かつ後幕チャージカムギア317のカム317aが後駆動レバー510のローラー510fに当接を開始した状態を示す平面図である。ただし、図28は中間カムギア316と、ワンウェイレバー320が見られるように、第二係止レバー170を省略している。後駆動レバー510は、カム317aにより時計方向に回転を開始する。先ブレーキレバー620の回転が完了した後に、後駆動レバー510の回転を開始するため、負荷の分散を実現している。負荷の分散により、高トルクのモータが必要なくなるため、モータの小型化、コストダウンが可能であり、カメラの小型化にも有効である。
また、中間カムギア316のカム316aはワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接を開始する。カム316aは、図28(b)に示されるように、ワンウェイレバー320を反時計方向へ回転させるが、逆チャージレバー321は、図9(b)に示す地板910の逆チャージ係止部910pに当接しており、このとき動作しない。第一係止レバー160の被作動部160aは、先幕チャージカムギア315のカム315dとの当接が解除される。そして、付勢バネ161の付勢力により、第一係止レバー160は、先羽根レバー420の走行軌跡内に復帰し、地板910に当接する。
さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると、前述のように、先駆動レバー410のローラー410dと、先幕チャージカムギア315のカム315aとの当接が解除される。一方、先駆動レバー410のローラー410eが、先幕チャージカムギア315のカム315bに当接し、動力が伝達され続けることで回転する。
先羽根レバー420は、戻し走行動作完了位置付近において、被係止部420cが第二係止レバー170の係止部170bを押しのけ、回転を続ける。直後には、第二係止レバー170は付勢バネ171によって、先羽根レバー420 の走行軌跡上に復帰し、地板910に当接する。
また、後駆動レバー510も同様に、後駆動レバー510のローラー510fと、後幕チャージカムギア317のカム317aとの当接が解除される。一方、後駆動レバー510のローラー510gが、後幕チャージカムギア317のカム317bに当接し、動力が伝達されることで回転する。
図29は、先駆動レバー410、先羽根レバー420、および後駆動レバー510の各レバーがチャージ完了されたセット位相の状態を示す平面図と断面図である。図29(a)に示されるように、先幕チャージカムギア315のカム315bがカムトップに移動し、先駆動レバー410の先アマチャ450は、先ヨーク220に当接する。先駆動レバー410と一体となって駆動していた先羽根レバー420は、当接時の衝撃により、反時計方向に戻ろうとするが、被係止部420dが第二係止レバー170の係止部170bに係止される。これにより、先羽根レバー420とシャッタ先幕700のバウンドが抑止される。その結果、次の動作への移行の時間の短縮が可能になるため、コマ速の高速化に有効である。
一方、後幕チャージカムギア317のカム317bがカムトップに移動し、後駆動レバー510の後アマチャ550は、後ヨーク221に当接する。このとき、先ブレーキレバー620は動作待機位置にあるが、後ブレーキレバー630はまだ動作完了位置にある。
また、図29(b)のように、ワンウェイレバー320のカムフォロア部320aと中間カムギア316 のカム316aとの当接が解除される。ワンウェイレバー320 は、付勢バネ322の付勢力により時計方向に回転し、逆チャージレバー321の被押動部321aに当接することで停止する。
さらにモータ340に通電し、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317が回転すると、セット解除に移る。セット解除中は、ローラー410eと先幕チャージカムギア315のカム315bとの当接が解除される。また同様に、ローラー510gと後幕チャージカムギア317のカム317bとの当接が解除される。一方、各々の駆動レバー410、510は通電保持される。また、後幕チャージカムギア317のカム317cにより、後ブレーキレバー630のカムフォロア630aが押され、後ブレーキレバー630は、動作完了位置から動作待機位置まで回転する。
従来、後幕チャージカムギア317によって、後駆動レバー510のチャージ動作と同時に、後ブレーキレバー630を、動作完了位置から動作待機位置まで回転させていた。本発明では、後幕チャージカムギア317が後ブレーキレバー630を、動作完了位置から動作待機位置に回転させる動作をセット解除中に行うことで、駆動中の負荷の分散を実現している。その結果、負荷の分散により、駆動レバーのチャージのために、高トルクのモータが必要なくなるため、モータの小型化、コストダウンが可能であり、さらにカメラの小型化にもつながる。さらに、チャージの時間を短縮することが可能なため、コマ速の高速化にも有効である。
また、カメラシステム制御回路5はセット解除中において、モータ340の回転数を図3(b)および図4(b)に示されるパルス板342とパルス検知フォトインタラプタ35により検知し、検知したモータ340の回転数がある閾値以上かどうかを判定する。そして、判別結果に基づき、モータ340への印加電圧を変更する。従って、モータ340の回転速度を一定に保つことが可能となり、セット解除中の先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317の回転速度を一定(所定の回転速度)に制御することができる。そのため、後ブレーキレバー630のブレーキ力のばらつきや、温度環境下におけるブレーキ力の変化によって、セット解除中の負荷が大きく変動した場合でも、セット解除時間を一定にすることができ、高コマ速を安定して達成できる。また、先幕チャージカムギア315の回転速度を一定に保つことで、セット解除中の先駆動レバー410のローラー410eと、先幕チャージカムギア315のカム315bとの当接が解除されるときの速度が一定になる。
従って、当接が解除される時の勢いにより、先駆動レバー410がチャージ完了位置からずれた位置に移動してしまうことを防ぐことが可能となり、シャッタ先幕700の走行動作の安定につながり、シャッタ精度の向上に有効である。後駆動レバー510も同様である。
さらに、モータ340の回転速度が一定になることで、モータ通電停止後、モータ340の停止位置のばらつきを抑制することが可能となる。
そのため、モータ通電停止後の先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317の助走区間を広く確保する必要がなくなる。従って、各駆動レバーのチャージ区間を長くすることが可能となり、先幕チャージカムギア315、後幕チャージカムギア317のカムリフト角を小さくすることでチャージ中の負荷の低減が可能である。そのため、コマ速の高速化に有効である。
図12(b)のカム線図における図23の位置まで回転すると、位相検知フォトインタラプタ33と位相検知フォトインタラプタ34にて撮影待機位相を検出し、カメラシステム制御回路5は、モータ340への通電を停止する。先幕チャージカムギア315のカム315a、カム315bは、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避している。また、後幕チャージカムギア317のカム317a、カム317bは、後駆動レバー510の走行軌跡外まで退避している。第二係止レバー170は被作動部170aが、中間カムギア316のカム316bによって駆動され、先駆動レバー410の走行軌跡外まで退避した状態で保持されている。
ここで、先駆動レバー410と後駆動レバー510はそれぞれ、駆動バネ411、駆動バネ511により反時計方向に付勢されているが、コイル230への通電により通電保持されている状態である。ここで、操作検出部10はシャッタレリーズ釦の押下を判定する。撮影者によりシャッタレリーズ釦が押下されたままの連写の場合は、フォーカルプレンシャッタ1000はこの後、コイル230への通電をカットし、撮像素子6への露光が開始される。カメラの秒時制御は、先幕側のコイル230と後幕側のコイル231の、通電をカットする間隔を変えることで行っている。その後、モータ340に通電を開始し、図12(b)のカム線図の動作を繰り返す。一方、撮影者によるシャッタレリーズ釦が押下されていない場合には、後述する図30のカム線図の撮影待機位相に到達した後、カメラシステム制御回路5は、モータ340への通電を一旦停止し、次にモータ340に逆転方向に通電を開始する。
以下、モータ340に逆転方向の通電とその後の正転方向の通電が行われたときのフォーカルプレンシャッタ1000の一連の動作を説明する。図30は、モータ340に逆転方向の通電とその後の正転方向の通電が行われたときの各部品の動きや信号状況を表すカム線図である。また、図31乃至図36と図14、図23の図番号を付記して対応させている。
モータ340への逆転方向の通電が開始されると、図23に示す先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317はともに時計方向に、中間カムギア316は反時計方向に回転する。このとき、第二係止レバー170は、中間カムギア316のカム316bに当接しており、カムトップ状態にある。また、先幕側のコイル230と後幕側のコイル231は通電が継続されており、ノーマリーオープン状態に至るまでの間、先駆動レバー410と後駆動レバー510はそれぞれ通電保持された状態にある。
図23の状態から、モータ340への逆転方向の通電が開始されると、撮影待機位相から、セット位相へ復帰動作を行い、図31の状態に遷移する。図31は、中間カムギア316が回転し、第二係止レバー170の被作動部170aと中間カムギア316のカム316bの当接が解除された状態を示す平面図である。このとき第二係止レバー170は、先羽根レバー420の被係止部420dを係止可能な状態にある。
図31の状態から、さらに中間カムギア316が回転すると、図32の状態に遷移する。図32は、中間カムギア316のカム316aがワンウェイレバー320のカムフォロア部320aに当接し、逆チャージを開始した状態を示す平面図と断面図である。図32(b)に示されるように、ワンウェイレバー320の押動部320bが逆チャージレバー321の被押動部321aを押し、一体となって時計方向に回転している。また、図32(a)のように、逆チャージレバー321は係止解除部321cが第二係止レバー170の被押動部170cと当接している状態にある。この後、モータ340の通電が継続されると、第二係止レバー170は、ワンウェイレバー320と逆チャージレバー321を介して、反時計方向にチャージされ、先羽根レバー420の走行軌跡外まで退避した状態へと遷移する。このように、モータ逆転時には、第二係止レバー170は、モータ逆転時にのみ動作する逆チャージレバー321によって係止解除される。一方で、モータ正転時には、中間カムギア316 のカム316b によって、第二係止レバー170は係止解除される。従って、図30に示す逆チャージ位相においては、第二係止レバー170は退避位置にある。一方、図12に示すチャージ位相(逆チャージ位相と重複)においては、第二係止レバー170を待機位置に留まらせておくことが可能となる。つまり、図12に示すチャージ位相において、第二係止レバー170の待機位相を長く確保でき、戻し走行バウンドロックが有効な位相を長くとることが可能になる。そして、バウンドが収まるまでの余計な待ち時間の発生を抑制し、コマ速の高速化を可能にしている。
図32の状態から、さらに中間カムギア316が回転すると、図33の状態に遷移する。このとき、図33(b)に示すように、逆チャージレバー321の押動部321bは、先羽根レバー420のローラー420fに当接を開始した状態にある。この後、モータ340への通電が継続されると、逆チャージレバー321の時計方向の回転に伴って、先羽根レバー420は、先ガタ寄せバネ770の付勢力に抗して反時計方向に回転し続ける。この過程において、先羽根レバー420は、ブレーキピン420gを介して先ブレーキレバー620を押しのけながら回転する。やがて先羽根レバー420のローラー420fが逆チャージレバー321のカムトップまで移動し、先羽根レバー420の被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bに係止される。この逆チャージ完状態に至ると、モータ340への逆転方向の通電が停止される。
図34は、先羽根レバー420のローラー420fが逆チャージレバー321のカムトップに移動した逆チャージ完状態を示す平面図と断面図である。このとき、図35(b)のように、先羽根レバー420は、被係止部420cが第一係止レバー160の係止部160bに係止可能な位相まで回転している。また、シャッタ先幕700は重畳状態にある。一方で、先幕側のコイル230への通電は継続されており、先駆動レバー410は通電保持されている。
図34の状態から、モータ340への正転方向の通電が開始されると、先幕チャージカムギア315と後幕チャージカムギア317はともに反時計方向に、中間カムギア316は時計方向に回転し始める。
図35は、図34の状態から中間カムギア316が時計方向に回転し、先羽根レバー420のローラー420fが逆チャージレバー321の押動部321bから離反した状態を示す平面図と断面図である。このとき、図35(a)のように、先羽根レバー420の被係止部420cは第一係止レバー160の係止部160bに係止されているため、シャッタ先幕700は重畳状態を維持している。また、図35(b)のように、ワンウェイレバー320と逆チャージレバー321は、付勢バネ322の反時計方向への付勢力により、一体となって反時計方向に回転し、図14に示す位置まで復帰する。しかしながら、先羽根レバー420のローラー420fが逆チャージレバー321のカムトップにある状態(逆チャージ完状態)においては、以下のような付勢関係にある。すなわち、逆チャージレバー321の押動部321bのカム面は、先羽根レバー420を時計方向に付勢する先ガタ寄せバネ770によって、中間カムギア軸910h中心方向の側圧を受ける。さらに、耐久に伴って生じる押動部321bのカム表面の削れによる摩擦力の増加や、部品バラつきによる側圧の増加が生じうる。このような場合に、付勢バネ322の反時計方向への付勢力のみでは、逆チャージレバー321が図14に示す位置まで復帰できない懸念がある。上記の対策として、中間カムギア316は、図34の状態から図14の状態に遷移する過程において、逆チャージレバー321を強制的に復帰させる強制復帰カム(カム面)316dを有する。強制復帰カム316dは、逆チャージレバー321を、先羽根レバー420から離間させる方向に移動させる。中間カムギア316が逆チャージレバー321を逆チャージレバー321から離間させる方向に移動させる場合、先幕チャージカムギア315は、先駆動レバー410を移動させる場合と同じ方向にモータ340を回転させる。
図36は、中間カムギア316の強制復帰カム316dが逆チャージレバー321に当接している状態を示す平面図と断面図であり便宜上第二係止レバー170を省略している。さらに中間カムギア316が時計方向に回転すると、強制復帰カム316dによって逆チャージレバー321が反時計方向に回転し、図14に示す位置まで復帰する。これにより、逆チャージレバー321を強制的に復帰させることが可能となる。従って、逆チャージレバー321は、耐久により押動部321bのカム表面が削れて摩擦力が増加し側圧が増加しても、図30中の破線で示す動きによって、確実に復帰可能である。またこのとき、図36(b)のように、ワンウェイレバー320の押動部320bは逆チャージレバー321の被押動部321aに当接しているため、ワンウェイレバー320は逆チャージレバー321と一体になって動作する。
図36の状態からモータ340への正転方向の通電が継続されると、やがて図14の状態に至り、モータ340への通電および先幕側のコイル230と後幕側のコイル231への通電が停止される。このとき、図14(a)に示すように、先駆動レバー410のローラー410eは、先幕チャージカムギア315によって、駆動バネ411の付勢力による反時計方向の回転を阻止するように係止されている状態にある。後駆動レバー510についても同様である。一方で、図14(b)に示すように、先羽根レバー420の被係止部420cは第一係止レバー160の係止部160bに係止されている。よって、シャッタ先幕700は重畳状態となっており、レンズ装置2からの光束は撮像素子6に導かれた状態にある。上述した一連動作によって、ノーマリーオープン状態を実現する。
以上のように、本実施形態において、モータ340は、ワンウェイレバー320および逆チャージレバー321が先羽根レバー420を移動させる場合、先幕チャージカムギア315が先駆動レバー410を移動させる場合とは反対方向に回転する。このため本実施形態によれば、専用のアクチュエータを備えることなくノーマリーオープン方式とノーマリークローズ方式とを切り替え可能な低コストのシャッタユニットおよび撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。