JP7707627B2 - 接合体、および、接合体の製造方法 - Google Patents
接合体、および、接合体の製造方法Info
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Description
ここで、半導体素子等の電子部品を回路層上に接合する際には、例えば特許文献1,2に示すように、はんだ材を用いた方法が広く使用されている。最近では、環境保護の観点から、例えばSn-Ag系、Sn-In系、若しくはSn-Ag-Cu系等の鉛フリーはんだが主流となっている。
特に、最近では、半導体素子自体の耐熱性が向上しており、半導体装置が自動車のエンジンルーム等の高温環境下で使用されることがある。また、半導体素子に対して大電流が負荷され、半導体素子自体の発熱量が大きくなっている。このため、従来のようにはんだ材で接合した構造では対応が困難であった。
この銀の焼結体からなる接合層は、耐熱性に優れており、高温環境下や大電流用途においても安定して使用することが可能となる。
そこで、特許文献5においては、平均粒径1~1000nmのAgナノ粒子と分散溶媒とだけからなる銀ペーストが提案されている。この特許文献5に記載された銀ペーストにおいては、銀粉の分散性を向上させて、有機残渣の原因となるロジンやチクソ剤などの添加剤を含有しないものとし、接合層における有機残渣の発生の抑制を図っている。
このため、有機残渣を起因とした接合強度の低下等の不具合を確実に低減することができないおそれがあった。
そして、前記イオン残留物量が、接合面積当たり2.5μg/cm2以下に制限されているので、接合層の内部や周辺に存在する有機残渣の量が十分に低減されており、有機残渣を起因とした接合強度の低下等の不具合の発生を抑制することができる。
この場合、上述の洗浄工程において、接合層の内部や周辺の有機残渣をさらに確実に除去することができ、接合層の内部や周辺に存在する有機残渣の量をさらに低減することができる。
この場合、銀ペーストに含有される有機溶媒を、焼結工程において十分に熱分解することができ、接合層の内部や周辺に存在する有機残渣の量を低減でき、洗浄工程において、この有機残渣をさらに確実に除去することができ、イオン残留物量をさらに低減することが可能となる。
この抽出液をイオンクロマトグラフィーにて測定し、イオンクロマトグラフィーの電気伝導度検出器の応答値をイオン残留物量とする。本実施形態では、イオン残留物量の算出には、NaCl標準液による標準値を用いて、面積換算でイオン残留物量(μg)を求めている。
そして、接合体10における前記イオン残留物量を接合面積当たり2.5μg/cm2以下に低減することにより、接合層13の内部や周辺の有機残渣が十分に低減されていることになり、第一部材11と第二部材12との接合強度の向上を図ることが可能となる。
なお、接合体10における前記イオン残留物量は、接合面積当たり1.6μg/cm2以下とすることが好ましく、1.0μg/cm2以下とすることがさらに好ましく、0.6μg/cm2以下とすることがより好ましい。
図3に示すように、第一部材11の接合面および第二部材12の接合面の一方又は両方に、銀粉と有機溶媒を含む銀ペースト23を塗布する。塗布方法は特に限定されないが、例えば、メタルマスク法、スクリーン印刷法、ディスペンス法等を適用することができる。
ここで、銀ペースト23に含まれる有機溶媒は、その熱分解温度が300℃以下であることが好ましい。有機溶媒の熱分解温度は、TG-DTAのピークにおけるベースラインと発熱の立ち上がりの接線との交点の温度(外挿開始温度)とする。なお、有機溶媒が複数の溶媒からなる場合、最も熱分解温度の高い溶媒の熱分解温度が300℃以下であることが好ましい。また、銀ペースト23に用いられるAg粉末については制限がなく、市販されているAg粉末を使用することができる。
次に、図3に示すように、上述の銀ペースト23を介して、第1部材11と第2部材12とを積層する。
次に、図3に示すように、銀ペースト23を介して積層された第1部材11および第2部材12を加熱処理し、銀ペースト23を焼成し、銀の焼結体からなる接合層13を形成し、第1部材11と第2部材12とを接合する。
ここで、加熱処理時には、銀ペースト23に含まれる溶媒等の有機成分が分解してガスが発生することになる。
さらに、加熱処理時には、積層体に対して0.1MPa以上20MPa以下の圧力で積層方向に加圧してもよい。
次に、図3に示すように、接合層13を介して接合された第1部材11および第2部材12を洗浄溶媒25に浸漬し、この洗浄溶媒25を用いて接合層13を洗浄する。
この洗浄工程S04によって、接合層13の内部や周辺に存在する有機残渣を除去し、本実施形態である接合体10を得る。
なお、洗浄工程S04では、接合体10を50%(v/v)の2-プロパノール/純水に浸漬し、イオン残留物を抽出した後、その抽出液をイオンクロマトグラフィーにて測定することで求められるイオン残留物量を、接合面積当たり2.5μg/cm2以下となるまで、洗浄を行うことになる。なお、導電率が1.0μS/cm以下の純水を用いることが好ましい。
また、洗浄方法としては、特に制限はなく、浸漬洗浄、振とう洗浄、超音波洗浄等を適用することができる。本実施形態では、超音波洗浄を採用しており、洗浄時間を1分以上としている。洗浄時に超音波を付与することで、洗浄溶媒の接合層13の内部や周辺に十分に浸透させ、有機残渣を効率良く除去することが可能となる。
そして、イオン残留物量が、接合面積当たり2.5μg/cm2以下に制限されているので、接合層13の内部および周辺に存在する有機残渣の量が十分に低減されており、有機残渣を起因とした接合強度の低下等の不具合の発生を抑制することができる。
また、銀粉末と有機溶媒とを含む銀ペーストを準備した。銀ペーストに含まれる有機溶媒の熱分解温度を表1に示す。
この積層体を、窒素雰囲気で、表1に示す条件で加熱処理し、銀ペーストを焼成して、銀の焼結体からなる接合層を形成し、第一部材と第二部材とを接合した。
上述のようにして得られた接合体について、イオン残留物量、接合強度を、以下のように評価した。
得られた接合体を、50%(v/v)の2-プロパノール/純水に1分間浸漬し、イオン残留物を抽出した後、その抽出液をイオンクロマトグラフィー装置(Dionex社製ICS-5000+)により測定し、電気伝導度検出器の応答量をイオン残留物量とした。
なお、本実施例では、NaCl標準液による標準値を用いて、接合面積当たりのイオン残留物量を求めた。評価結果を表1に示す。
接合体の接合強度は、せん断強度評価試験機(株式会社レスカ製ボンディングテスタPTR-1101)を用いて接合強度を測定した。測定は、接合体の第一部材を水平に固定し、接合層の表面から50μm上方の位置にてシェアツールを用いて、第二部材を横から水平方向に押して、第二部材が破断されたときの強度を測定した。シェアツールの移動速度は0.1mm/secとした。評価結果を表1に示す。
また、本発明例1~4においては、洗浄工程において用いられる洗浄溶媒が20%~80%(v/v)の2-プロパノール/純水とされ、銀ペーストに含有される有機溶媒の熱分解温度が300℃以下、焼結工程での焼結温度が250℃以上とされており、イオン残留物量が接合面積当たり0.6μg/cm2未満であり、シェア強度が31MPa以上となっており、接合強度に特に優れていた。
Claims (3)
- 第一部材と第二部材とが銀の焼結体からなる接合層を介して接合された接合体であって、
前記接合体を50%(v/v)の2-プロパノール/純水に浸漬し、イオン残留物を抽出した後、その抽出液をイオンクロマトグラフィーにて測定することで求められるイオン残留物量が、接合面積当たり2.5μg/cm2以下とされていることを特徴とする接合体。 - 第一部材と第二部材とが銀の焼結体からなる接合層を介して接合された接合体の製造方法であって、
前記第一部材と前記第二部材とを、銀粉末と有機溶媒とを含有する銀ペーストを介して積層する積層工程と、
前記第一部材と前記第二部材との間に配置した前記銀ペーストを焼成して銀の焼結体からなる前記接合層を形成する焼結工程と、
前記接合層を、洗浄溶媒として20%~80%(v/v)の2-プロパノール/純水を用いて洗浄する洗浄工程と、を有し、
前記接合体を50%(v/v)の2-プロパノール/純水に浸漬し、イオン残留物を抽出した後、その抽出液をイオンクロマトグラフィーにて測定することで求められるイオン残留物量を、接合面積当たり2.5μg/cm2以下とすることを特徴とする接合体の製造方法。 - 前記銀ペーストに含有される前記有機溶媒の熱分解温度が300℃以下であり、前記焼結工程での焼結温度が250℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の接合体の製造方法。
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Citations (3)
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| WO2006126614A1 (ja) | 2005-05-25 | 2006-11-30 | Nihon Handa Co., Ltd. | ペースト状銀組成物、その製造方法、固形状銀の製造方法、固形状銀、接着方法および回路板の製造方法 |
| JP2009289745A (ja) | 2008-05-01 | 2009-12-10 | Nippon Handa Kk | 加熱焼結性銀粒子の製造方法、ペースト状銀粒子組成物、固形状銀の製造方法、金属製部材の接合方法、プリント配線板の製造方法および電気回路接続用バンプの製造方法 |
| JP2018111872A (ja) | 2017-01-13 | 2018-07-19 | 古河電気工業株式会社 | 金属接合用材料、及び接合構造体 |
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