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JP7707978B2 - シート搭載型エアバッグ装置 - Google Patents
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JP7707978B2 - シート搭載型エアバッグ装置 - Google Patents

シート搭載型エアバッグ装置

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JP7707978B2 JP2022047451A JP2022047451A JP7707978B2 JP 7707978 B2 JP7707978 B2 JP 7707978B2 JP 2022047451 A JP2022047451 A JP 2022047451A JP 2022047451 A JP2022047451 A JP 2022047451A JP 7707978 B2 JP7707978 B2 JP 7707978B2
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本発明は、シート搭載型エアバッグ装置に関する。
車両の斜め前方からの衝突時に、シートバックの一方の側部から前方へ展開し、乗員の上半身(頭部を含む)の側方に配置されるエアバッグ本体部と、そのエアバッグ本体部からシート幅方向内側へ展開し、乗員の顔の前方に配置されるエアバッグ突出部と、を備え、両者を面状テザーによって互いに連結したサイドエアバッグ装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-008105号公報
しかしながら、上記サイドエアバッグ装置は、乗員の顔の前方に配置されるエアバッグ突出部により、斜め前方側へ移動する乗員の頭部だけを拘束する構成であるため、乗員の頭部拘束時に、シートベルトの拘束力で決まる乗員の胸部の前方側への移動量に対して、乗員の頭部の前方側への移動量が小さくなる場合があり、乗員の首部の後傾(後屈)が大きくなる場合がある。
そこで、本発明は、乗員の頭部拘束時に、乗員の首部の後傾を抑制できるシート搭載型エアバッグ装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るの態様のシート搭載型エアバッグ装置は、車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと、前記前後チャンバの上端部における展開方向中間部と前記先端チャンバの上端部における展開方向中間部とを連結する上部テザーと、前記前後チャンバの下端部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下端部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に、少なくとも前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びるように構成されている。
の態様の発明によれば、車両の衝突が検出又は予知されると、インフレータが作動してガスを噴出し、前後チャンバが乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開して乗員の頭部の側方に配置される。そして、先端チャンバが前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開して乗員の顔のシート前方側に配置される。ここで、エアバッグ本体は、前後チャンバの上端部における展開方向中間部と先端チャンバの上端部における展開方向中間部とを連結する上部テザーと、前後チャンバの下端部における展開方向中間部と先端チャンバの下端部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有している。そして、エアバッグ本体は、乗員の頭部拘束時に、少なくとも下部テザーを含んでシート前方側へ伸びるように構成されている。したがって、乗員の頭部拘束時に、シートベルトの拘束力で決まる乗員の胸部のシート前方側への移動量に対して、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、の態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記上部テザーが、前記前後チャンバと前記先端チャンバとで囲まれる空間の上部を覆う上部面テザーとされるとともに、前記下部テザーが、前記前後チャンバと前記先端チャンバとで囲まれる空間の下部を覆う下部面テザーとされ、前記下部面テザーのシート後方側端部が略円弧形状に切り欠かれている。
の態様の発明によれば、上部テザーが、前後チャンバと先端チャンバとで囲まれる空間の上部を覆う上部面テザーとされ、下部テザーが、前後チャンバと先端チャンバとで囲まれる空間の下部を覆う下部面テザーとされている。そして、下部面テザーのシート後方側端部が略円弧形状に切り欠かれている。したがって、下部面テザーのシート後方側端部が直線状に形成されている場合に比べて、下部面テザーのシート後方側端部における線長が長くなり、エアバッグ本体(特に先端チャンバ)のシート前方側への移動を阻害し難い。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、の態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記下部面テザーのシート後方側端部における最大曲率部が、平面視で前記乗員の頭部の重心を通るシート前後方向に沿った仮想直線に対して前記先端チャンバ側に位置している。
の態様の発明によれば、下部面テザーのシート後方側端部における最大曲率部が、平面視で乗員の頭部の重心を通るシート前後方向に沿った仮想直線に対して先端チャンバ側に位置している。したがって、例えば下部面テザーのシート後方側端部における最大曲率部が、平面視で乗員の頭部の重心を通るシート前後方向に沿った仮想直線上に位置している場合に比べて、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることがより効果的に抑制され、かつ先端チャンバの先端部がシート後方側へ向けて折れ曲がり易くなる。よって、下部面テザーのシート後方側端部における線長が長くなっても、乗員の頭部がエアバッグ本体(特に先端チャンバ)からすり抜けることが抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、2又はの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記下部面テザーは、前記インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされている。
の態様の発明によれば、下部面テザーが、インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされている。したがって、下部面テザーが、インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされていない場合に比べて、乗員の頭部拘束時に、下部面テザーが乗員の首部に当たっても、その下部面テザーによる乗員の首部への負荷が低減される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~3の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記上部テザー及び前記下部テザーは、前記エアバッグ本体の基布よりも伸びる材料で形成されている。
の態様の発明によれば、上部テザー及び下部テザーが、エアバッグ本体の基布よりも伸びる材料で形成されている。したがって、乗員の頭部拘束時に、上部テザー及び下部テザーに作用する引張荷重により、その上部テザー及び下部テザーが伸びる。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~5の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、少なくとも前記先端チャンバのシート上下方向中央部に複数の円形状のシーム部がシート前後方向に並んで形成されている。
の態様の発明によれば、少なくとも先端チャンバのシート上下方向中央部に複数の円形状のシーム部がシート前後方向に並んで形成されている。したがって、複数のシーム部がシート上下方向に並んで形成されている場合に比べて、先端チャンバがシート上下方向に折れ曲がり易くなる。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~5の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、少なくとも前記先端チャンバのシート上下方向中央部にシート前後方向に延在するシーム部が形成されている。
の態様の発明によれば、少なくとも先端チャンバのシート上下方向中央部にシート前後方向に延在するシーム部が形成されている。したがって、シート上下方向に延在するシーム部が形成されている場合に比べて、先端チャンバがシート上下方向に折れ曲がり易くなる。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~7の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記前後チャンバは、シート上下方向又はシート幅方向に屈曲形成されるとともに、そのシート前方側端部とシート後方側端部とを最短距離で連結する連結部材を有し、前記連結部材は、前記乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって連結を解除するように構成されている。
の態様の発明によれば、前後チャンバが、シート上下方向又はシート幅方向に屈曲形成され、そのシート前方側端部とシート後方側端部とが連結部材により最短距離で連結されている。そして、その連結部材は、乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって連結を解除するように構成されている。つまり、連結部材による連結が解除されることにより、前後チャンバがシート前方側へ伸びる。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~7の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記前後チャンバは、シート前後方向に並んだ複数の分割チャンバによって構成されており、前記分割チャンバは、前記乗員の頭部拘束時にシート前方側へ伸びるように構成されている。
の態様の発明によれば、前後チャンバが、シート前後方向に並んだ複数の分割チャンバによって構成されており、その分割チャンバは、乗員の頭部拘束時にシート前方側へ伸びるように構成されている。したがって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
また、本発明に係る第10の態様のシート搭載型エアバッグ装置は、1~7の何れか1つの態様のシート搭載型エアバッグ装置であって、前記前後チャンバは、シート前後方向に折り畳まれた蛇腹状に形成されるとともに、該蛇腹状を維持するように糸によって縫製されており、前記糸が前記乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって切れるように構成されている。
10の態様の発明によれば、前後チャンバが、シート前後方向に折り畳まれた蛇腹状に形成され、その蛇腹状を維持するように糸によって縫製されている。そして、その糸は、乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって切れるように構成されている。つまり、糸が切れることにより、前後チャンバがシート前方側へ伸びる。よって、乗員の頭部拘束時に、乗員の頭部のシート前方側への移動量が小さくなることが抑制され、乗員の首部の後傾が抑制される。
以上のように、本発明によれば、シート搭載型エアバッグ装置において、乗員の頭部拘束時に、乗員の首部の後傾を抑制することができる。
第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の展開後の状態を示す側面図である。 第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の展開後の状態を示す平面図である。 第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の展開前の状態を一部破断して示す拡大平面図である。 第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の上部面テザーを省略して下部面テザーの形状を示す拡大平面図である。 (A)第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の下部面テザーによる頭部拘束前を示す平面図である。(B)第1実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置の下部面テザーによる頭部拘束後を示す平面図である。 第1実施形態の変形例に係るシート搭載型エアバッグ装置の上部面テザーを省略して下部面テザーの形状を示す拡大平面図である。 (A)第1実施形態の変形例に係るシート搭載型エアバッグ装置の下部面テザーによる頭部拘束前を示す平面図である。(B)第1実施形態の変形例に係るシート搭載型エアバッグ装置の下部面テザーによる頭部拘束後を示す平面図である。 第2実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体を示す展開図である。 第2実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束状態を示す側面図である。 第2実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体の変形例を示す展開図である。 (A)第3実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前を示す平面図である。(B)第3実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束途中を示す平面図である。(C)第3実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束後を示す平面図である。 (A)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前を示す側面図である。(B)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束途中を示す側面図である。(C)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束後を示す側面図である。 (A)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前を示す平面図である。(B)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束途中を示す平面図である。(C)第4実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束後を示す平面図である。 (A)第5実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前を示す平面図である。(B)第5実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束後を示す平面図である。 (A)第6実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前を示す平面図である。(B)第6実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束後を示す平面図である。 第6実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置のエアバッグ本体による頭部拘束前の状態を示す側面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において適宜示す矢印UPをシート上方向、矢印FRをシート前方向、矢印RHをシート右方向とする。したがって、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車両用シートにおける上下、前後、左右を示すものとする。また、左右方向は、シート幅方向と同義である。
図1~図3に示されるように、本実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置(以下、単に「エアバッグ装置」という)30は、車両の後席としての車両用シート10のヘッドレスト16を構成するケース部20の内部に設けられている。したがって、本実施形態に係る車両用シート10は、後席として説明するが、このエアバッグ装置30は、前席に設けられていてもよい。
また、その後席は、一例として、左のサイドウインド18(図3参照)側の後席とし、後述するように、エアバッグ本体32は、サイドウインド18側の乗員Pの頭部Phと中央席側の乗員(図示省略)の頭部との間を通って展開する場合を例に採って説明する。しかしながら、エアバッグ本体32は、サイドウインド18と乗員Pの頭部Phとの間を通って展開するようになっていてもよい。また、本実施形態における「乗員P」とは、一例として、WorldSID(国際統一側面衝突ダミー: World Side Impact Dummy)のAM50(米国人の成人男性の50パーセンタイル)に相当する乗員である。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。図1、図2に示されるように、車両用シート10は、乗員Pが着座する(乗員Pの臀部及び大腿部を支持する)シートクッション12と、乗員Pの背部を支持するシートバック14と、乗員Pの頭部Phを支持するヘッドレスト16と、を有している。
図3に示されるように、ヘッドレスト16は、シートバック14の上端部におけるシート幅方向中央に昇降可能に設けられたブロック状の本体部16Aを有している。具体的に説明すると、本体部16Aの下面におけるシート幅方向中央には、円柱状のヘッドレストステー(図示省略)が左右一対で設けられている。
各ヘッドレストステーは、シートバック14の上端部におけるシート幅方向中央に左右一対で設けられた略円筒状のヘッドレストサポート26に、昇降可能かつ所定の複数の位置で固定可能に挿通されている。これにより、乗員Pの頭部Phの位置に合わせて、ヘッドレスト16の高さ位置が調節可能になっている。そして、ヘッドレスト16は、本体部16Aの後方から左右両側方にかけて連続して設けられたケース部20を有している。
ケース部20は、平面視で前方側が開放された略「U」字状に形成されている。そして、ヘッドレスト16の本体部16Aは、そのケース部20の内側にほぼ隙間無く配置されている。なお、ケース部20において、前後方向に延在する左右のサイド部24の前端面(前壁20Fの外面)は、本体部16Aの前面と略面一になっている。
また、ケース部20における左右の(サイド部24の)外側壁20A及び後壁20Bは、平面視で略「U」字状に形成された樹脂製のカバー部材22で構成されている。そして、ケース部20における上壁20U(図1、図2参照)、下壁(図示省略)、前壁20F及び本体部16Aと対向する内周壁20Cは、所定の厚みとされたウレタンフォーム(図示省略)を含んで構成されており、カバー部材22及びウレタンフォームの外面が表皮材21で一体に被覆されている。
ケース部20の内部には、所定の空間部S(後述する収納部S1及び配置部S2を含む)が形成されている。そして、ケース部20におけるサイドウインド18側とは反対側(図示のものは中央席側である右側)のサイド部24R内に形成された収納部S1には、エアバッグ装置30のエアバッグ本体32が収納されている。なお、エアバッグ本体32の構成については、後で詳述する。
ケース部20に形成されている空間部Sの後部側である配置部S2には、インフレータ28が配置されている。インフレータ28は、略有底円筒状に形成されており、その軸心部がシート幅方向に沿って配置されるように、その外周部が、リテーナ(図示省略)を介して、筐体状に形成された反力板(図示省略)に支持されている。
反力板は、例えばシートバックフレーム(図示省略)にブラケット(図示省略)を介して固定されており、前方側へ展開するエアバッグ本体32からインフレータ28を介して伝達される反力を受け止められる構成になっている。なお、反力板及びリテーナも配置部S2に配置されている。
インフレータ28は、車両に設けられたエアバッグECU(図示省略)と電気的に接続されており、車両に設けられた加速度センサー等の検出装置(図示省略)とエアバッグECUとが電気的に接続されている。したがって、インフレータ28は、検出装置によって車両の衝突が検出されると、エアバッグECUを介して作動し、ガスを瞬時に噴出するようになっている。
なお、インフレータ28は、車両の衝突が検出されることによって作動する構成ではなく、衝突予知センサー等(図示省略)によって、車両の衝突が予知されることで作動する構成とされていてもよい。そして、そのインフレータ28の噴出口に、エアバッグ本体32の接続部31が嵌められて接続されている。
図1、図2に示されるように、エアバッグ装置30は、インフレータ28(図3参照)からガスが噴出されることによって、車両用シート10に着座した乗員Pの頭部Phの後方側(詳細には右側方後側)から前方側へ展開するエアバッグ本体32を有している。
エアバッグ本体32は、乗員Pの頭部Phの右側方を通って前方側へ展開し、乗員Pの頭部Phの右側方(サイドウインド18側の乗員Pの頭部Phと中央席側の乗員の頭部との間)に配置される前後チャンバ34と、前後チャンバ34の前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、乗員Pの顔の前方側及び乗員Pの頭部Phの左側方に配置される先端チャンバ36と、を有している。つまり、このエアバッグ本体32は、底面視で略「J」字状に曲げられて乗員Pの少なくとも頭部Phを拘束できるようになっている。
また、図2に示されるように、エアバッグ本体32は、前後チャンバ34の上端部における展開方向中間部34Uと先端チャンバ36の上端部における展開方向中間部36Uとを連結する上部テザー37を有している。そして、図4に示されるように、このエアバッグ本体32は、前後チャンバ34の下端部における展開方向中間部34Dと先端チャンバ36の下端部における展開方向中間部36Dとを連結する下部テザー38を有している。
より具体的に説明すると、上部テザー37は、インフレータ28から噴出されたガスによってエアバッグ本体32が膨張展開したときに共に展開するテザーチャンバであり、図2に示されるように、平面視で、前後チャンバ34の上端部における展開方向中間部34Uと先端チャンバ36の上端部における展開方向中間部36Uとを結ぶ後端縁部37Aを有して、前後チャンバ34と先端チャンバ36とで囲まれる空間の上部を覆う上部面テザー37Bとされている。
そして、上部面テザー37Bは、その後端縁部37A(後方側端部)を除く周縁部が、前後チャンバ34の上端部における展開方向中間部34Uから先端チャンバ36の上端部における展開方向中間部36Uまで、その前後チャンバ34の上端部及び先端チャンバ36の上端部に縫製によって取り付けられている。
同様に、下部テザー38は、インフレータ28から噴出されたガスによってエアバッグ本体32が膨張展開したときに共に展開するテザーチャンバであり、図4に示されるように、平面視で、前後チャンバ34の下端部における展開方向中間部34Dと先端チャンバ36の下端部における展開方向中間部36Dとを結ぶ後端縁部38Aを有して、前後チャンバ34と先端チャンバ36とで囲まれる空間の下部を覆う下部面テザー38Bとされている。
そして、下部面テザー38Bは、その後端縁部38A(後方側端部)を除く周縁部が、前後チャンバ34の下端部における展開方向中間部34Dから先端チャンバ36の下端部における展開方向中間部36Dまで、その前後チャンバ34の下端部及び先端チャンバ36の下端部に縫製によって取り付けられている。
また、このエアバッグ本体32は、乗員Pの頭部拘束時に、少なくとも下部面テザー38B(下部テザー38)を含んで前方側へ伸びるように構成されている。すなわち、図4に示されるように、下部面テザー38B(下部テザー38)の後端縁部38Aは、前後チャンバ34の展開方向中間部34Dと先端チャンバ36の展開方向中間部36Dとの間が略円弧形状(曲線を有する山型形状)に大きく切り欠かれており、前後チャンバ34の展開方向中間部34Dと先端チャンバ36の展開方向中間部36Dとが直線状に結ばれている場合(仮想直線Kで示す)に比べて、その線長が長くなるように構成されている。
これにより、図5に示されるように、乗員Pの頭部拘束時において、先端チャンバ36が下部面テザー38Bに阻害されずに前方側へ伸び、かつ先端チャンバ36の先端部が起点T1(図4参照)から後方側へ向けて折れ曲がって乗員Pの頭部Phの左側方を拘束可能になっている。なお、ここで言う起点T1とは、平面視で前後チャンバ34の展開方向中間部34Dから後端縁部38Aに沿って直線状に引いた仮想直線K1と先端チャンバ36における下部面テザー38Bの縫製部分との交点を指す。
また、下部面テザー38Bの後端縁部38Aの形状は、図5に示される形状に限定されるものではない。図6に示されるように、下部面テザー38Bの後端縁部38Aは、その最大曲率部40が、平面視(底面視)で乗員Pの頭部Phの重心を通る前後方向に沿った仮想直線Kcに対して先端チャンバ36側(先端チャンバ36の先端部分に近い側)に位置するような略円弧形状に切り欠かれる方が好ましい。
これによれば、図7に示されるように、乗員Pの頭部拘束時において、図4、図5に示されるものよりも先端チャンバ36が下部面テザー38Bに阻害されずに前方側へ伸び、かつ先端チャンバ36の先端部が起点T2(図6参照)から後方側へ向けて折れ曲がって乗員Pの頭部Phの左側方を拘束することが可能になる。なお、ここで言う起点T2とは、平面視で前後チャンバ34の展開方向中間部34Dから後端縁部38Aに沿って直線状に引いた仮想直線K2と先端チャンバ36における下部面テザー38Bの縫製部分との交点を指す。
また、図3に示されるように、エアバッグ本体32は、上下方向を軸方向としたロール状に外巻きされて(平面視で、シート幅方向外側にロール状の外巻部32Aを有する状態で)、サイド部24Rに形成された収納部S1に収納されるようになっている。そして、外巻部32Aの展開方向上流側には、その外巻部32Aと連続して蛇腹部32Bが形成されている。
すなわち、このエアバッグ本体32は、外巻部32Aから展開方向上流側に連続して蛇腹状に折り畳まれた蛇腹部32Bを有する状態で収納部S1に収納されている。したがって、このエアバッグ本体32は、インフレータ28から噴出されたガスにより、サイド部24Rから乗員Pの頭部Phの右側方を通って前方側へ展開する際、まず蛇腹部32Bがほどけながら展開し、次いで外巻部32Aがほどけながら展開するようになっている。
なお、図3に示される蛇腹部32Bは、2つに折り畳まれた部位を1組とした場合に、2組だけ形成されているが、これに限定されるものではない。蛇腹部32Bは、複数組形成されていればよく、3組以上形成されていてもよい。
また、サイド部24Rの前端面を構成する前壁20Fは、エアバッグ本体32の展開に伴い、上壁20Uの前壁20F側の一部と共に、例えば正面視で上下方向に沿った直線状に破断されるようになっている。破断される箇所は、前壁20Fのシート幅方向内側端部20Nとされることが好ましい。
破断される箇所が、前壁20Fのシート幅方向内側端部20Nであると(例えば前壁20Fのシート幅方向内側端部20Nに、破断され易くなる脆弱部等が形成されていると)、その前壁20Fは、シート幅方向外側端部20Tをヒンジ部として開放されることになる。
以上のような構成とされた第1実施形態に係るエアバッグ装置30において、次にその作用について説明する。
車両が前面衝突したことを検出装置が検出すると、インフレータ28が作動し、エアバッグ本体32の内部へガスを瞬時に噴出する。エアバッグ本体32の内部へガスが噴出されると、エアバッグ本体32の展開により(エアバッグ本体32に内側から押圧されることにより)サイド部24Rの前壁20Fが上壁20Uの前壁20F側の一部と共に破断する。
そして、エアバッグ本体32は、サイド部24Rから乗員Pの頭部Phの右側方(サイドウインド18側の乗員Pの頭部Phと中央席側の乗員の頭部との間の隙間)を通って前方側へ展開する。すなわち、エアバッグ本体32は、まず蛇腹状に折り畳まれている蛇腹部32Bがほどけながら展開し、次いでロール状に外巻きされている外巻部32Aがほどけながら展開する。
ここで、一般的に蛇腹状の方がロール状よりも素早くほどける(蛇腹状の方がロール状よりも展開するときの抵抗力が小さい)ことが知られている。したがって、外巻部32Aしか有していないエアバッグ本体32に比べて、展開方向下流側から順に外巻部32Aと蛇腹部32Bとを有しているエアバッグ本体32の方が、より素早く前方側へ展開することができる。
そして、前後チャンバ34が膨張展開し、乗員Pの頭部Phの右側方に配置されると、前後チャンバ34の前方側端部から先端チャンバ36へガスが流れ込み、先端チャンバ36がシート幅方向内側へ膨張展開する。また、上部面テザー37B及び下部面テザー38Bにもガスが流れ込み、上部面テザー37B及び下部面テザー38Bが膨張展開する。
こうして、完全に展開されたエアバッグ本体32(前後チャンバ34及び先端チャンバ36)により、車両用シート10に着座している乗員Pの少なくとも頭部Phが拘束される。すなわち、その乗員Pの少なくとも頭部Phが慣性力によって前方へ移動するのをエアバッグ本体32(前後チャンバ34及び先端チャンバ36)によって抑制することができる。
ここで、エアバッグ本体32は、慣性力によって前方側へ移動しようとする乗員Pの頭部Phを拘束する頭部拘束時に、少なくとも下部面テザー38Bを含んで前方側へ伸びるように構成されている。具体的に言えば、下部面テザー38Bの後端縁部38A(前後チャンバ34の展開方向中間部34Dと先端チャンバ36の展開方向中間部36Dとの間)が略円弧形状に大きく切り欠かれている。
したがって、下部面テザー38Bの後端縁部38Aが直線状に形成されている場合に比べて、下部面テザー38Bの後端縁部38Aにおける線長が長くなり、エアバッグ本体32(特に先端チャンバ36)が前方側へ伸びようとするのを、下部面テザー38Bが阻害し難い(又は阻害することがない)。
よって、乗員Pの頭部拘束時に、シートベルト(図示省略)の拘束力で決まる乗員Pの胸部の前方側への移動量に対して、乗員Pの頭部Phの前方側への移動量が小さくなる(ストローク量が低減される)ことを抑制することができ、エアバッグ本体32(特に先端チャンバ36)が前方側へ伸びないことに起因する乗員Pの首部の後傾(後屈)を抑制することができる。しかも、下部面テザー38Bの後端縁部38Aは、略円弧形状に大きく切り欠かれているため、乗員Pの首部に位置していても(乗員Pの首部に当たっても)、その下部面テザー38Bによる乗員Pの首部への負荷を低減させることができる。
なお、上記したように、下部面テザー38Bの後端縁部38Aは、その最大曲率部40が、平面視(底面視)で乗員Pの頭部Phの重心を通る前後方向に沿った仮想直線Kcに対して先端チャンバ36側に位置するような形状に切り欠かれている方が好ましい。これによれば、例えば下部面テザー38Bの後端縁部38Aにおける最大曲率部が、平面視(底面視)で乗員Pの頭部Phの重心を通る仮想直線Kc上に位置している場合に比べて、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの頭部Phの前方側への移動量が小さくなることをより効果的に抑制することができ、かつ先端チャンバ36の先端部が後方側へ向けて折れ曲がり易くなる。よって、下部面テザー38Bの後端縁部38Aの線長が長くなっても、乗員Pの頭部Phがエアバッグ本体32(特に先端チャンバ36)からすり抜けるのを抑制することができる。
また、この下部面テザー38Bは、インフレータ28から噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされている。したがって、下部面テザー38Bが、インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされていない場合に比べて、乗員Pの頭部拘束時に、下部面テザー38Bが乗員Pの首部に干渉したとしても(当たったとしても)、その下部面テザー38Bによる乗員Pの首部への負荷をより効果的に低減させることができる。なお、上部テザー37(上部面テザー37B)は、乗員Pの頭部Phの上方側に位置するため、乗員Pの頭部Phに干渉することはない(当たることはない)。
また、上記したように、エアバッグ本体32は、外巻きされた外巻部32Aがほどけながら前方側へ展開する。そのため、エアバッグ本体32が展開するときに、乗員Pの顔が、エアバッグ本体32によって傷付くおそれがない。しかも、エアバッグ本体32の展開時に、前壁20Fが、シート幅方向外側端部20Tをヒンジ部として開放される構成になっていると、展開する前壁20Fが乗員Pの頭部Phに接触することをエアバッグ本体32によって阻止することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図8に示されるように、第2実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、少なくとも先端チャンバ36の上下方向中央部に複数(例えば2個一対)の円形状のシーム部42が前後方向に並んで形成されている点だけが、上記第1実施形態と異なっている。
このように、先端チャンバ36の上下方向中央部に複数の円形状のシーム部42が前後方向に並んで形成されていると、図9に示されるように、先端チャンバ36は、上下方向に折れ曲がるように変形し易くなる。換言すれば、先端チャンバ36は、複数のシーム部42が上下方向に並んで形成されている場合に比べて、側面視で前方側へ凸となる湾曲形状に変形し易くなる。したがって、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができ、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。
なお、シーム部42の代わりに、図10に示されるように、先端チャンバ36の上下方向中央部に前後方向に延在するシーム部44を形成するようにしてもよい。この場合も、同様の作用効果が得られる。すなわち、先端チャンバ36は、上下方向に延在するシーム部が形成されている場合に比べて、上下方向に折れ曲がり変形し易くなるため、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができ、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図11に示されるように、第3実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、上部テザー37及び下部テザー38が、インフレータ28から噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされるのではなく、エアバッグ本体32の基布よりも伸びる材料で形成されている点、例えば所定の厚みとされたゴム状の上部面テザー37C及び下部面テザー38Cとされている点だけが、上記第1実施形態と異なっている。
このような構成とされた上部面テザー37C及び下部面テザー38Cは、先端チャンバ36が前後チャンバ34から離隔する方向へ伸びることが可能となる。したがって、乗員Pの頭部拘束時に、上部面テザー37C及び下部面テザー38Cに作用する引張荷重によって、その上部面テザー37C及び下部面テザー38Cが上記離隔方向へ伸びる。よって、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができ、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図12に示されるように、第4実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、前後チャンバ34が上下方向に屈曲形成されるとともに、その前方側端部34Fと後方側端部34Bとを最短距離で連結する連結部材46を有し、その連結部材46が、乗員Pの頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって切れる(連結を解除する)ように構成されている点だけが、上記第1実施形態と異なっている。
より具体的に説明すると、前後チャンバ34は、前方側端部34F及び後方側端部34Bを除き、上下に分割されており、前後チャンバ34の上部チャンバ34Aが上方側へ向けて略「Λ」字状に屈曲され、前後チャンバ34の下部チャンバ34Cが下方側へ向けて略「V」字状に屈曲されている。
そして、前後チャンバ34の前方側端部34Fにおける上下方向中央部と後方側端部34Bにおける上下方向中央部とが連結部材46によって最短距離で連結されている。なお、図示の後方側端部34Bにはブラケット47が設けられており、連結部材46は、ブラケット47を介して後方側端部34Bに取り付けられている。
また、連結部材46は、糸等の紐状部材で構成されており、乗員Pの頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって切れるように設定されている。したがって、車両の前面衝突時に、慣性力によって前方側へ移動する乗員Pの頭部Phにより、エアバッグ本体32が前方側へ押圧されて移動し、所定の引張荷重に達すると、連結部材46が切れる。
これにより、屈曲されている前後チャンバ34の上部チャンバ34A及び下部チャンバ34Cが前方側へ伸びるため、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができる。よって、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。
なお、図13に示されるように、第4実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、前後チャンバ34がシート幅方向外側に平面視で略「Λ」字状に屈曲形成されていてもよく、上部テザー37よりも下側における前後チャンバ34の前方側上端部と前後チャンバ34の後方側上端部(前後チャンバ34の後方側上端部に設けられたブラケット47)とを連結部材46によって最短距離で連結するようにしてもよい。この場合も、乗員Pの頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって連結部材46が切れるため、上記と同様の作用効果が得られる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図14に示されるように、第5実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、前後チャンバ34が、ガスが流れるように互いに連通して前後方向に一体に並んだ複数の分割チャンバ35によって構成されるとともに、各分割チャンバ35が、乗員Pの頭部拘束時に、前方側へ伸びるように構成されている点だけが、上記第1実施形態と異なっている。
各分割チャンバ35は、上下方向及び前後方向の長さが等しい略球体状に形成されており、前方側へ伸長可能に構成されている。したがって、車両の前面衝突時に、慣性力によって前方側へ移動する乗員Pの頭部Phにより、エアバッグ本体32が前方側へ押圧されて移動し、前後チャンバ34が前方側へ引っ張られると、各分割チャンバ35が前方側へ伸びる。
これにより、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができるため、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。なお、各分割チャンバ35は、上下方向を長手方向(軸方向)とする略円筒状に形成されていてもよい。
<第6実施形態>
最後に、第6実施形態に係るエアバッグ装置30について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には同じ符号を付して詳細な説明(共通する作用も含む)は適宜省略する。
図15(A)、図16に示されるように、第6実施形態に係るエアバッグ装置30のエアバッグ本体32は、前後チャンバ34の少なくともケース部20側の一部が前後方向に蛇腹状に折り畳まれた蛇腹部34Jとされるとともに、その蛇腹状を維持するように糸48によって縫製されており、その糸48が乗員Pの頭部拘束時に蛇腹部34Jに作用する所定値以上の引張荷重によって切れるように構成されている点だけが、上記第1実施形態と異なっている。
より具体的に説明すると、前後チャンバ34は、前後2つの領域に分けられており、その前部側の領域は、通常のチャンバとされているが、図16に示されるように、その後部側の領域は、蛇腹状に折り畳まれた蛇腹部34Jとされている。そして、その蛇腹部34Jにおける上下方向中央部には、ガスを通すためのフレキシブルチューブ等で構成された連通路50が設けられている。つまり、前後チャンバ34の蛇腹部34Jは、連通路50よりも上方側及び下方側がそれぞれ上下方向に沿った複数の折線に沿って折り畳まれており、その折り畳まれて重ねられた部位が、糸48によって上下方向に沿って縫製されている。
このような構成の前後チャンバ34とされると、車両の前面衝突時に、インフレータ28からガスが噴出されると、そのガスは連通路50を通って前後チャンバ34の前部側の領域へ流れ、その前後チャンバ34の前部側の領域を膨張展開させる。そして、その前後チャンバ34の前部側の領域から先端チャンバ36へガスが流れ込むことにより、その先端チャンバ36が膨張展開し、慣性力によって前方側へ移動しようとする乗員Pの頭部Phをエアバッグ本体32が拘束する。
すると、その慣性力によって前方側へ移動する乗員Pの頭部Phにより、エアバッグ本体32が前方側へ押圧され、前後チャンバ34が前方側へ引っ張られる。つまり、前後チャンバ34の後部側の領域である蛇腹部34Jに前方側へ向かう引張荷重が加えられる。そして、その引張荷重が所定値以上になると糸48が切れる。
これにより、蛇腹部34Jにおける蛇腹状の折り畳み部分がほどけ、図15(B)に示されるように、前後チャンバ34の後部側の領域が連通路50と共に前方側へ伸びる。したがって、乗員Pの頭部Phの前方側へのストローク量の低減を抑制することができ、乗員Pの頭部拘束時に、乗員Pの首部の後傾を効果的に抑制することができる。
以上、本実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置30について、図面を基に説明したが、本実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置30は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、本実施形態に係るシート搭載型エアバッグ装置30は、各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
また、上部テザー37及び下部テザー38は、上部面テザー37B及び部面テザー38Bに限定されるものではなく、例えば図示は省略するが、前後チャンバ34と先端チャンバ36とで囲まれる空間の前側の一部のみを覆わないように、前方側端部(前端縁部)が先端チャンバ36の上端部及び下端部に達しない大きさとされた帯状のテザーとされていてもよい。また、第2実施形態において、先端チャンバ36の上下方向中央部に形成されるシーム部42及びシーム部44は、それぞれ前後チャンバ34の前方側端部にも形成されていてもよい。
また、第4実施形態において、連結部材46は、乗員Pの頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって切れるのではなく、例えば前後チャンバ34の後方側端部34B(図13に示される後方側上端部を含む)に設けられているブラケット47から離脱されるように構成されていてもよい。このように、連結部材46は、乗員Pの頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって連結が解除されるように構成されていればよい。
28 インフレータ
30 エアバッグ装置(シート搭載型エアバッグ装置)
32 エアバッグ本体
34 前後チャンバ
35 分割チャンバ
36 先端チャンバ
37 上部テザー
37B 上部面テザー
38 下部テザー
38A 後端縁部(後方側端部)
38B 下部面テザー
40 最大曲率部
42 シーム部
44 シーム部
46 連結部材
48 糸
Kc 仮想直線
P 乗員
Ph 頭部

Claims (10)

  1. 車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと前記前後チャンバの下部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下部における展開方向中間部とを連結するとともに前記前後チャンバと前記先端チャンバとで囲まれる空間の下部を覆う下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、
    前記下部面テザーのシート後方側端部が略円弧形状に切り欠かれており、
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びるように構成されているシート搭載型エアバッグ装置。
  2. 前記下部面テザーのシート後方側端部における最大曲率部が、平面視で前記乗員の頭部の重心を通るシート前後方向に沿った仮想直線に対して前記先端チャンバ側に位置している請求項1に記載のシート搭載型エアバッグ装置。
  3. 前記下部面テザーは、前記インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされている請求項1又は請求項2に記載のシート搭載型エアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグ本体は、前記前後チャンバの上部における展開方向中間部と前記先端チャンバの上部における展開方向中間部とを連結するとともに前記前後チャンバと前記先端チャンバとで囲まれる空間の上部を覆う上部面テザーを有し、
    前記部面テザーは、前記インフレータから噴出されたガスによって展開するテザーチャンバとされ
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に、前記上部面テザーを含んでシート前方側へ伸びるように構成されている請求項に記載のシート搭載型エアバッグ装置。
  5. 車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと、前記前後チャンバの上部における展開方向中間部と前記先端チャンバの上部における展開方向中間部とを連結する上部テザーと、前記前後チャンバの下部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、
    前記上部テザー及び前記下部テザーは、前記エアバッグ本体の基布よりも伸びる材料で形成され
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に、前記上部テザー及び前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びるように構成されているシート搭載型エアバッグ装置。
  6. 車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと、前記前後チャンバの下部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、
    前記前後チャンバがシート上下方向又はシート幅方向に屈曲形成されるとともに、そのシート前方側端部とシート後方側端部とを最短距離で連結する連結部材を有し、
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって前記連結部材が連結を解除することで屈曲が伸ばされた前記前後チャンバにより、前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びる構成とされているシート搭載型エアバッグ装置。
  7. 車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと、前記前後チャンバの下部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、
    前記前後チャンバがシート前後方向に並んだ複数の分割チャンバによって構成されており、
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に、前記分割チャンバがシート前方側へ伸びることにより、前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びる構成とされているシート搭載型エアバッグ装置。
  8. 車両の衝突が検出又は予知されることによって作動したインフレータから噴出されたガスにより、乗員の頭部の側方を通ってシート前方側へ展開し、前記乗員の頭部の側方に配置される前後チャンバと、該前後チャンバのシート前方側端部からシート幅方向内側へ展開し、前記乗員の顔のシート前方側に配置される先端チャンバと、前記前後チャンバの下部における展開方向中間部と前記先端チャンバの下部における展開方向中間部とを連結する下部テザーと、を有するエアバッグ本体を備え、
    前記前後チャンバがシート前後方向に折り畳まれた蛇腹状に形成されるとともに、その蛇腹状を維持するように縫製された糸を有し、
    前記エアバッグ本体は、前記乗員の頭部拘束時に作用する所定値以上の引張荷重によって前記糸が切れることで蛇腹状が伸ばされた前記前後チャンバにより、前記下部テザーを含んでシート前方側へ伸びる構成とされているシート搭載型エアバッグ装置。
  9. 少なくとも前記先端チャンバのシート上下方向中央部に複数の円形状のシーム部がシート前後方向に並んで形成されている請求項1~請求項の何れか1項に記載のシート搭載型エアバッグ装置。
  10. 少なくとも前記先端チャンバのシート上下方向中央部にシート前後方向に延在するシーム部が形成されている請求項1~請求項の何れか1項に記載のシート搭載型エアバッグ装置。
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