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JP7708380B2 - 崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法及び崩壊性観察システム - Google Patents
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JP7708380B2 - 崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法及び崩壊性観察システム - Google Patents

崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法及び崩壊性観察システム

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Description

本発明は、液体との接触により崩壊する崩壊性固形物試料、例えば、医薬錠剤、サプリメント錠剤、原料粉体を固めた固形食品等の崩壊性観察方法及び崩壊性観察システムに関する。
有効成分に添加物を加えて一定の形状に圧縮して成形した固形の医薬錠剤やサプリメント錠剤の崩壊性は、期待する機能を有効に作用させるための重要な材料特性である。
「日本薬局方解説書一般試験法崩壊試験法」には、底が網になっている試験器のガラス筒に錠剤を入れ、試験液中で試験器を電動機により揺すり、経口製剤の形態が液中で崩壊する時間を確認する試験について記載されている。
特許文献1、2には、溶液中で錠剤に荷重を加えながら崩壊時間を測定する方法が開示されている。
また、特許文献3には、試料を保持した試料保持具の底面を液体に浸漬させて、試料下端部のみからの液体の浸透を再現性よく行わせ、吸液に伴う重量変化を測定して求められる浸透速度係数等に基づいて、試料の吸液性等の各種の評価を行う測定評価装置及び評価方法が開示されている。
上記特許文献1-3の開示技術では、試料が液中で崩壊する時間の測定や試料吸液性等の評価を行うことができるが、試料の内部構造を観察することはできない。
さらに、特許文献4には、多層医薬錠剤を分析するための光干渉断層(optical coherence tomographic)法が開示されている。
この特許文献4の開示技術では、錠剤やカプセルの層構造の評価を行うことができるが、液中で崩壊する試料の崩壊に伴う内部構造変化過程や重量変化過程を観察することはできない。
また、この特許文献4の開示技術では、唯一の実施例として、タイムドメイン式の光コヒーレンストモグラフィー(TD-OCT)が用いられている。TD-OCTは、機械走査であるために高速化が困難で、眼の固視微動の点から眼底検査にも適さないといわれており、また、OCTプローブが固定されているので、電子天秤など異種装置と融合的に用いることはできない。
特開2001-141718号公報 特許第3965372号公報 特開2020-51997号公報 特表2010-536039号公報
上述の如く、有効成分に添加物を加えて一定の形状に圧縮して成形した固形の医薬錠剤やサプリメント錠剤の崩壊性は、期待する機能を有効に作用させるための重要な材料特性である。特に、医薬錠剤の一つである口腔内崩壊錠では、経口投与が困難な患者や水分摂取制限下での投与のし易さに直結する。すなわち、従来より、崩壊性を的確に品質管理する必要がある医薬剤において、より厳密な制御が求められている。
しかし、実際に錠剤を投与した時の崩壊時間と、日本薬局方で規格化された「崩壊試験器」による外観変化の目視判定によって測定された崩壊時間が異なることが指摘されている。
錠剤の崩壊時間のばらつきは、錠剤の内部構造の定量的な設計と制御が的確に行われていないことに起因する問題である。
従来、錠剤の崩壊性は、日本薬局方で規格化された「崩壊試験器」による外観変化の目視判定による崩壊時間の測定の評価でしかなかったため、崩壊性制御のための定量的な錠剤設計で基盤情報となるはずの錠剤の崩壊現象の実態を理解する手段がなかった。しかし、口腔内崩壊錠のように、崩壊性の的確な制御が求められる錠剤の普及に伴い、崩壊現象の実態を直接理解できる新しい評価技術が求められている。
崩壊の起点は、錠剤に含まれる崩壊剤と体液との接触である。したがって、体液の浸入経路となる錠剤中の内部構造と崩壊性とを直接的に関連付けて評価できれば、定量的な錠剤設計の基盤情報が製造プロセスへフィードバックすることができるのであるが、上記特許文献1-4の開示技術では、液中で崩壊する試料の崩壊に伴う内部構造変化過程や重量変化過程を同時に実時間で観察することはできない。
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、従来観察できなかった固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における内部構造変化の観察を上記崩壊性固形物試料の重量変化の測定と同時に、その場かつ実時間で行うことができる崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法及び崩壊性観察システムを提供することにある。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明は、液体との接触による崩壊性固形物試料の崩壊性を観察する崩壊性観察方法であって、重量測定装置に吊り下げ支持された試料保持具により上記崩壊性固形物試料を保持し、観察容器により貯留された崩壊試験液の表面上方に位置させた状態で、上記崩壊性固形物試料と上記崩壊試験液の表面の高さ位置を相対的に変位させることにより、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触制御工程と、上記接触制御工程において、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させることにより上記崩壊性固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における上記崩壊性固形物試料の重量変化を重量測定装置により実時間で測定する重量測定工程と、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる上記崩壊性固形物試料の接触部分近傍領域に光干渉断層画像生成装置により上記観察容器の外部から赤外線領域の光を照射して、上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行い光干渉断層画像を生成し、上記崩壊性固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像として、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察する光干渉断層画像生成工程と、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成工程において生成される光干渉断層画像を用いてデジタル画像相関法によるスペックルパターン変位量解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する画像解析工程とを備え、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘る上記崩壊性固形物試料の重量変化を上記重量測定工程において実時間で測定するとともに、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成工程において生成される光干渉断層画像を上記画像解析工程において画像解析することにより、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察可能としたことを特徴とする。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法において、上記光干渉断層画像生成工程では、波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)により光干渉断層画像を得るものとすることができる。
本発明は、液体との接触による崩壊性固形物試料の崩壊性を観察する崩壊性観察システムであって、上記崩壊性固形物試料の重量を測定する重量測定装置と、上記崩壊性固形物試料を接触させる崩壊試験液を貯留した観察容器と、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる上記崩壊性固形物試料の接触部分近傍領域に上記観察容器の外部から赤外線領域の光を照射して、上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置と、上記重量測定装置に吊り下げ支持された試料保持具により上記崩壊性固形物試料を保持し、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面上方に位置させた状態で、上記崩壊性固形物試料と上記崩壊試験液の表面の高さ位置を相対的に変位させることにより、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触制御手段と、上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像についてデジタル画像相関法によりスペックルパターン変位量解析を行う画像解析処理手段を備え、スペックルパターン変位量解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する画像解析を行う画像解析処理装置とを備え、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘る上記崩壊性固形物試料の重量変化を上記重量測定装置により実時間で測定するとともに、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像の上記画像解析処理装置による画像解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察可能としたことを特徴とする。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムにおいて、上記光干渉断層画像生成装置は、波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)であるものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムにおいて、上記重量測定装置は、上記崩壊性固形物試料の重量を測定する電子天秤であるものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムは、さらに、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液のpHと温度を測定する手段を備え、上記崩壊試験液の液性と温度の変化も同時に測定可能としたものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムは、さらに、上記観察容器外部から該観察容器内の上記崩壊性固形物試料の外観を撮像する撮像装置を備え、上記崩壊性固形物試料の上記液体との接触による崩壊に伴う上記崩壊性固形物試料の外観の変化過程を実時間で観察可能としたものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムにおいて、上記試料保持具は、上記崩壊性固形物試料の周囲を覆うことなく該崩壊性固形物試料の一端を保持し、上記観察容器は、上記光干渉断層画像生成装置により上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行うための赤外線領域の光を透過する材料で少なくとも壁面が形成されているものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムにおいて、上記接触制御手段は、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の液位を調整する機能を有するものとすることができる。
本発明に係る崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムにおいて、上記崩壊試験液は水であり、上記崩壊性固形物試料は、水との接触により崩壊する薬剤であるものとすることができる。
本発明によれば、従来観察できなかった固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における内部構造変化の観察を上記崩壊性固形物試料の重量変化の測定と同時に、その場かつ実時間で行うことができる。
本発明を適用した崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムの構成を示すブロック図である。 上記崩壊性観察システムにおける光干渉断層画像生成装置の構成を示す模式図である。 上記崩壊性観察システムにおいて実施される崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法の手順を示す工程図である。 上記崩壊性観察システムの画像解析処理装置により実行される画像解析特徴点を含むサブセットの変位量解析処理の説明に供する図である。 上記崩壊性観察システムにより、市販の米国薬局方(USP)プレドニゾン標準錠剤の崩壊性観察を行って得られた重量変化率の測定結果を示す図である。 上記プレドニゾン標準錠剤の崩壊性観察における観察領域を示す模式図である。 上記光干渉断層画像生成装置により生成して得られたプレドニゾン標準錠剤と水が接触する前後の各時刻での光干渉断層画像を示す図であり、(A)は錠剤と水が接触する前の時刻t0における光干渉断層画像、(B)は、錠剤と水との接触が観察された時刻t1での光干渉断層画像、(C)は上記時刻t1から1秒経過した時点での光干渉断層画像、(D)は上記時刻t1から3秒経過した時点での光干渉断層画像、(E)は上記時刻t1から12秒経過した時点での光干渉断層画像、(F)は上記時刻t1から30秒経過した時点での光干渉断層画像である。 上記光干渉断層画像生成装置により生成して得られたプレドニゾン標準錠剤と水が接触する前後の各時刻での光干渉断層画像についてスペックルパターンの変位量解析を行い、変位ベクトル長さによりスペックルパターンの変位量を可視化した図であり、(A)は接触してから0.01秒経過した時点での光干渉断層画像のスペックルパターンの変位量解析結果を示し、(B)は接触してから1秒経過した時点での光干渉断層画像のスペックルパターンの変位量解析結果を示している。いる。 崩壊試験液の液性と温度の変化も同時に測定可能とした崩壊性固形物試料の崩壊性観察システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、図1のブロック図に示すような構成の崩壊性固形物試料1の崩壊性観察システム100に適用される。
この崩壊性固形物試料1の崩壊性観察システム100は、観察容器10に貯留された崩壊試験液11との接触による崩壊に伴う崩壊性固形物試料1の重量変化過程と内部構造変化過程を実時間観察するとともに内部構造解析を行うもので、上記崩壊性固形物試料1の重量を測定する重量測定装置20と、上記重量測定装置20に吊り下げ支持された試料保持具21により上記崩壊性固形物試料1を保持し、上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11の表面上方に位置させた状態で、上記崩壊性固形物試料1と上記崩壊試験液11の表面の高さ位置を相対的に変位させることにより、上記崩壊性固形物試料1の接触部分1Aを上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11の表面11Aに接触させる接触制御手段30と、上記観察容器10の外部から上記崩壊性固形物試料1の光干渉断層計測を行い、光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置40と、上記光干渉断層画像生成装置40により得られる上記崩壊性固形物試料1の光干渉断層画像に基づいて、上記崩壊試験液11との接触による上記崩壊性固形物試料1の崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する画像解析処理装置50などからなる。
この崩壊性観察システム100において、接触制御手段30は、上記崩壊性固形物試料1の接触部分1Aと上記崩壊試験液11の表面11Aの相対距離を変化させるもので、例えば、上記崩壊試験液11液位を任意の初期高さに容易に調整でき、かつ機械的な動作による振動がない、例えばチューブポンプによる液位調整機構からなる。
また、重量測定装置20は、崩壊試験液11との接触による崩壊性固形物試料1の崩壊に伴う重量変化を測定するもので、微小な重量変化を高精度かつ1秒単位で自動測定する電子天秤が用いられている。
また、この崩壊性観察システム100における光干渉断層画像生成装置40は、例えば、図2の模式図に示すように、光源41、ハーフミラー42、参照ミラー43と検出器44を備え、ハーフミラー42と参照ミラー43により構成される光干渉系を含むカメラヘッド部45と、光源41と検出器44と情報処理部46を含む光干渉断層画像生成部47からなる。
この崩壊性観察システム100において、試料1は、上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11の表面に接触することにより崩壊される崩壊性固形物である。
上記試料保持具41は、上記重量測定装置20に吊り下げ支持された状態で、上記崩壊性固形物試料1の周囲を覆うことなく該崩壊性固形物試料1の一端を保持している。
光干渉断層画像生成装置40の光源41は、崩壊性固形物試料1にて反射する赤外線領域の光を上記観察容器10の外部から照射するためのものである。崩壊性固形物にて反射する光は、例えば崩壊性固形物に吸収されない光である。
上記観察容器10は、上記光干渉断層画像生成装置40により上記崩壊性固形物試料1の光干渉断層計測を行うための赤外線領域の光を透過する材料で少なくとも壁面が形成されている。
ハーフミラー42は、光源41から発せられた光の光路上に設けられている。また、ハーフミラー42は、その光源41側の面42aが、上記光路に対して光源41側に45°の角度で傾斜するように配置されている。
ハーフミラー42は、光源41から発せられた光を、崩壊性固形物試料1に照射する照射光と、参照ミラー43に入射する参照光に分割する。そして、ハーフミラー42は、分割した照射光を反射させて崩壊性固形物試料1に入射させる。またハーフミラー42は、分割した参照光を透過させて参照ミラー43に入射させる。
参照ミラー43は、光源41から発せられた光の光路上に設けられている。
参照ミラー43は、ハーフミラー42を透過した参照光を反射して、その反射光をハーフミラー42へ戻す。そのために、参照ミラー43は、ハーフミラー42と対向するように設けられている。
また、参照ミラー23は、光源41から発せられた光の光路方向に沿って移動可能となっている。すなわち、参照ミラー43は、ハーフミラー42との距離を調節できるようになっている。参照ミラー43を移動可能とする代わりに、波長可変光源を用いて同様の機能を果たすようにしてもよい。
検出器44は、崩壊性固形物試料1に照射光を照射して得られた戻り光の光路上と、参照光の光路上とに設けられている。参照光は、参照ミラー43で反射されてハーフミラー42に戻り、さらに、ハーフミラー42で反射される。
上記光干渉断層画像生成装置40のハーフミラー22と参照ミラー43とで干渉光学系が構成されている。
検出器44は、上記の戻り光と参照光との干渉光を観測するためのものである。
ここで、この崩壊性観察システム100では、上記光干渉断層画像生成装置40を用いて、崩壊性固形物試料1の崩壊に伴う内部構造変化過程を非破壊かつリアルタイムに動的観察を行う。動的観察のためには,時間分解能の点でTD-OCTではなく、より高速なフーリエドメイン式のOCT(FD-OCT)が望ましく、その中でもより高速な波長掃引型OCT(SS-OCT)がより望ましい。
この崩壊性観察システム100における光干渉断層画像生成装置40には、光源41の波長を掃引することで深さ方向の計測をし(A-scan)、レーザー光を横方向にスライドさせること(B-scan)で、2次元の断層像を生成する波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)が採用されている。
この光干渉断層画像生成装置40では、上記光源41として、中心波長が1700nmで、光源周波数が90kHzの波長可変光源が用いられている。
SS-OCTの光干渉断層画像の生成時間は、深さ方向スキャン(A-scan)の速度と、平面的(B-scan)に繰り返すA-scanの回数で決まる。例えば、90kHz光源であれば、深さ方向スキャン(A-scan)は毎秒9万回である。これを1mmの範囲で平面的(B-scan)に100回繰り返すと、水平方向の解像度が10μm/pixelの2次元画像を900フレーム/秒(frames per second ; fps単位時間あたりに処理させるコマ数を示すフレームレートの単位)で表示できるため、実時間での動的観察が可能である。なお、データとして取得できるフレームレート(fps)は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)のハードウェアとソフトウェアの仕様によって異なる。
SS-OCTの深さ方向スキャン(A-scan)を空間的(C-scan)に繰り返すことで、3次元計測も高速に取得できる。例えば、90kHz光源でA-scanを水平方向(B-scan)に1mmの範囲で100回繰り返し、さらに奥行方向(C-scan)に1mmの範囲で100回繰り返した場合、3次元計測時間は計算上、0.11sである。これにより生成される3次元画像の水平方向と奥行方向の解像度は、10μm/pixelである。深さ方向の解像度は、試料の屈折率と、光源の波長と波長掃引幅によって変動する。
この崩壊性観察システム100では、上記光干渉断層画像生成装置40により、上記崩壊試験液11が貯留された上記観察容器10の外部から、崩壊性固形物試料1の崩壊状態を観測するので、上記光干渉断層画像生成装置40における干渉距離も短い場所に上記観察容器10の壁面位置を設定することにより、上記観察容器10の壁面からの反射によるノイズを極力低減するようにしている。
また、崩壊性固形物試料1の表面からの強い反射に起因するノイズを低減するために、崩壊性固形物試料1の端面と液面の接触前後を観察できる位置で、かつ正反射の影響が少ない任意の角度に調整することにより、所望の領域を低ノイズで観察するようにしている。
上記光干渉断層画像生成装置40のカメラヘッド部45から、上記崩壊性固形物試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該崩壊性固形物試料1の観察面の法線方向に対して1~10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置40により光干渉断層画像を生成するようにしている。ここでは、カメラヘッド部45の保持姿勢を可変調整自在にしてあるが、上記試料保持具21による崩壊性固形物試料1の保持姿勢を可変調整自在にしても、上記崩壊性固形物試料1に照射する赤外線領域の光の光軸を該崩壊性固形物試料1の観察面の法線方向に対して傾斜させることができる。
すなわち、光源41から発せられた赤外線領域の光をハーフミラー42が崩壊性固形物試料1に照射する照射光と、参照ミラー43に入射する参照光に分割する。ハーフミラー42は、分割した照射光を反射させて崩壊性固形物試料1に入射させる。また、ハーフミラー42は、分割した参照光を透過させて参照ミラー43に入射させる。すなわち、ハーフミラー42により分割した照射光は、上記観察容器10の少なくとも赤外線領域の光に対して透明な壁面を介して、上記観察容器10の外側から該観察容器10内の崩壊性固形物試料1に照射される。
崩壊性固形物試料1に入射した照射光は、崩壊性固形物試料1の表面や内部構造等、屈折率に差がある界面で反射されて、戻り光として崩壊性固形物試料1の上記接触部分1Aの表面すなわち観察面から出射される。そして、観察面から出射された戻り光は、上記観察容器10の透明な壁面を介して上記光干渉断層画像生成装置40のハーフミラー42に入射される。
崩壊性固形物試料1に照射光を照射して得られた戻り光と、参照ミラー44で反射されて戻ってきた参照光とは、ハーフミラー42上で再び重ね合わされる。このとき、崩壊性固形物試料1からの戻り光と、参照ミラー44からの参照光とが通ってきた距離が等しければ、2つの光は強め合う。一方、崩壊性固形物試料1からの戻り光と、参照ミラー44からの参照光とが通ってきた距離にずれがあり光の位相が逆になると、2つの光は打ち消し合う。
ここで、光干渉系を構成している参照ミラー44を動かして参照ミラー44とハーフミラー42の距離を調節し、検出器44上で2つの光が干渉し強め合う位置を観測する。この観測により、崩壊性固形物試料1内のどの深さに反射面があるかを知ることができる。すなわち、崩壊性固形物試料1の内部構造情報を反映した深さ方向の信号強度の分布を取得できる。また、水平方向に連続した深さ方向の信号強度の分布を画像化することで、崩壊性固形物試料1の内部構造を可視化することができる。
すなわち、光干渉断層画像生成装置40は、光干渉断層画像生成部47の光源41から出射される赤外線領域の光をカメラヘッド部45内の光干渉系を介して上記観察容器10の崩壊性固形物試料1に照射して、上記カメラヘッド部45に含まれている光干渉系により得られる崩壊性固形物試料1からの戻り光と参照光との干渉光を光干渉断層画像生成部47の検出器44にて検出することにより、崩壊性固形物試料1の光干渉断層計測を行うもので、検出器44による検出出力として得られる上記干渉光による距離画像情報から例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)を用いた情報処理部46より光干渉断層画像を生成する。光干渉断層画像生成装置40の光干渉断層画像生成部47が断層画像を生成する方法としては、光干渉断層計測における断層画像生成方法を用いることができる。
この光干渉断層画像生成装置40では、2次元の断層像を高速生成することのできる波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)を採用することにより、上記観察容器10内で崩壊試験液11の表面に接触することにより崩壊される崩壊性固形物試料1の崩壊過程における該崩壊性固形物試料1の内部構造を観察することができ、また、崩壊過程における上記崩壊性固形物試料1の内部構造を2次元の断層像として高速生成することにより上記記崩壊性固形物試料1の内部構造変化過程を実時間観察することができる。
なお、光干渉断層画像生成部47が生成する断層画像の向きは特定の向きに限定されない。例えば、光干渉断層画像生成装置40が崩壊性固形物試料1を3次元的にスキャンし、光干渉断層画像生成部47の情報処理部46が崩壊性固形物試料1の3次元画像を生成するようにしてもよい。これにより、光干渉断層画像生成部47は、崩壊性固形物試料1のスキャン範囲内における任意の位置および任意の向きの断層画像を生成することができる。
ここで、図3は、本発明に係る崩壊性固形物試料1の崩壊性観察方法の実行手順を示す工程図である。
この崩壊性観察システム100では、図3の工程図に示す手順に従って崩壊性固形物試料1の崩壊性観察方法が実行される。
すなわち、崩壊性観察システム100では、崩壊性固形物試料1の崩壊性観察を開始時、重量測定工程(S1)と光干渉断層画像生成工程(S2)の動作を開始してから接触制御工程(S3)の動作を開始する。
重量測定工程(S1)では、重量測定装置20に吊り下げ支持された試料保持具21により保持された崩壊性固形物試料1の重量測定を行う。この重量測定工程(S1)では、電子天秤を用いた重量測定装置20により、例えば1秒毎に上記崩壊性固形物試料1の重量測定を繰り返し行う。この重量測定工程(S1)における重量測定は、重量測定を終了するか否の判定処理(S4)を行って重量測定終了となるまで、繰り返し行われる。
また、光干渉断層画像生成工程(S2)では、上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11の表面に接触させる上記崩壊性固形物試料1の接触部分1Aの近傍領域に光干渉断層画像生成装置40により上記観察容器10の外部から赤外線領域の光を照射して、例えば75fpsで上記崩壊性固形物試料1の光干渉断層計測を行い光干渉断層画像を生成する。
そして、上記重量測定工程(S1)による重量測定と上記光干渉断層画像生成工程(S2)による光干渉断層画像の生成を同時に行いながら上記接触制御工程(S3)の動作を開始して、チューブポンプによる液位調整機構からなる接触制御手段30により、上記崩壊性固形物試料1の接触部分1Aと上記崩壊試験液11の表面11Aの相対距離を変化させて、上記崩壊性固形物試料1の接触部分1Aと上記崩壊試験液11の表面11Aとを接触させる。
この接触制御工程(S3)では、例えばチューブポンプにより崩壊試験液11を観察容器10に注入して液面11Aを上昇させる制御を行い、光干渉断層画像生成装置40により得られる光干渉断層画像上で崩壊性固形物試料1と崩壊試験液11との接触を確認した段階でチューブポンプによる給液を停止する。
上記光干渉断層画像生成工程(S2)において光干渉断層画像生成装置40により得られる光干渉断層画像は、画像解析処理装置50により、次の画像解析工程(S5)においてスペックルパターンの変位量解析処理が行われる。
画像解析処理装置50では、画像解析工程(S5)においてデジタル画像相関法でスペックルパターンの変位量解析処理を行うことにより、上記崩壊試験液11との接触による上記崩壊性固形物試料1の崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する。
上記光干渉断層画像生成工程(S2)、画像解析工程(S5)の処理は、画像解析を終了するか否の判定処理(S6)を行って画像解析終了となるまで、繰り返し行われる。
この画像解析工程(S5)において、画像解析処理装置50では、崩壊性固形物試料1と崩壊試験液11が接触することにより崩壊する上記崩壊性固形物試料1の内部構造変化前後すなわち、後述するように崩壊の起点となる時刻t1よりも前の時刻t0のフレームにおける光干渉断層画像と、時刻t1よりも後のフレームの時刻に得られる光干渉断層画像とを比較して、スペックルパターンの変位量を解析する画像解析処理を行う。すなわち、画像解析処理装置50では、例えば、デジタル画像相関法(Digital Image Correlation)(スペックルパターンのようなランダムパターンを含む画像を比較し、パターンの変位量を調べる手法)により、図4に示すように、時刻t0のフレームにおける光干渉断層画像を特徴点を含むサブセットと呼ばれる微小領域に分割して、変位後の時刻t1のフレームにおける光干渉断層画像の中から正規化された相関係数の最適値となる領域(サブセット)を探し出すことによって、サブセットの変位量を示す変位ベクトルを得ることができる。この処理を全ての小領域で繰り返す事によって、全視野のサブセットの変位量を示す変位ベクトルが得られる。
上述の如く、SS-OCTの深さ方向スキャン(A-scan)速度は、たとえば90kHz光源であれば毎秒9万回である。これを平面的(B-scan)、あるいは空間的(C-scan)に繰り返すことで2次元画像や3次元画像が取得できる。医薬錠剤、サプリメント錠剤、原料粉体を固めた固形食品等のような散乱体の内部構造観察では、反射光同士の干渉によるランダムな粒状模様(スペックルパターン)はノイズであるが、スペックルパターンは構造変化に敏感であるから、崩壊性観察システム100では、光干渉断層画像生成装置40により得られる光干渉断層画像について、スペックルパターンの変位量を解析することで、上記画像解析処理装置50により、上記崩壊性固形物試料1の上記崩壊試験液11との接触による崩壊に伴う内部構造変化構造変化の様子を定量的に可視化することができる。
なお、上記画像解析処理装置50は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)を用いた情報処理装置であって、上記電子天秤を用いた重量測定装置20、チューブポンプによる液位調整機構からなる接触制御手段30、光干渉断層画像生成装置40等が例えばUSB接続されており、これらの動作制御を行うようになっている。
ここで、観察に供する崩壊性固形物試料1として市販の米国薬局方(USP:United States Pharmacopeia)プレドニゾン標準錠剤を用い、崩壊試験液11として水を用いて、崩壊性観察システム100により、崩壊性観察を行ったところ、図5に示すような重量変化率の測定結果が得られ、また、図7に示すような崩壊過程における光干渉断層画像が得られ、さらに、図8に示すようなデジタル画像相関法による解析結果が得られた。
観察の基軸となる光干渉断層画像生成装置40として用いたSS-OCT装置(IVS-4000,santec(株))の中心波長は1700nmで、光源周波数は90kHzである。軸方向分解能は9.4μm(ただし、n=1(屈折率)の場合)、横方向分解能は11.8μmである。
重量変化は,重量測定装置20として最小表示0.01mgの電子天秤(AP125WD,(株)島津製作所製)をPCに接続し、1秒ごとに記録した。崩壊性固形物試料1として錠剤を電子天秤の比重測定用治具に両面テープで固定し、崩壊試験液11である水と接触する錠剤の端部が観察できるように光干渉断層画像生成装置40のカメラヘッド部45の高さや角度を調整した。水位はチューブポンプで制御し、重量測定と同時に75fpsで生成を開始し、光干渉断層画像上で錠剤と水との接触を確認した段階でチューブポンプによる給水を停止した。錠剤が完全に崩壊して水との接触が失われ、急激な重量減少が認められるまで記録を継続した。スペックルパターンの変位量解析は、市販のデジタル画像相関法(DIC)ソフトウェア(sDIC,西華デジタルイメージ(株)製)で行った。
図5は、重量測定装置20により崩壊性固形物試料1すなわち錠剤の重量を測定することにより得られた錠剤と水が接触する前後での重量変化を重量変化率で示したもので、横軸は測定時間s、縦軸は重量変化率%である。
錠剤と水が接触する前後での重量変化は、時刻t1から時刻t2までの領域A、時刻t2から時刻t3までの領域B、時刻t3から時刻t4までの領域Cに大別され、重量変化速度は一定でなく、領域Aで最大となった。これは、錠剤と水との接触を起点(時刻t1)とした吸水(または導水)による重量増加に加え、膨潤から崩壊に至る重量減少の過程を反映していると考えられる。領域Cが終わる時刻t4より後の領域における重量減少は、錠剤が崩壊して水との接触が失われたことに起因している。
図7は、図6に示すように崩壊試験液11すなわち水と接触される崩壊性固形物試料1すなわち錠剤の接触部分1Aを観察領域として、光干渉断層画像生成装置40により生成して得られた錠剤と水が接触する前後の各時刻での光干渉断層画像であり、入射光はA-scan方向から照射されている。
図7の(A)は、錠剤と水が接触する前の時刻(t0)における光干渉断層画像で、破線の内側が錠剤である。
図7の(A)に示す光干渉断層画像において、高輝度領域は主に構成粒子と空気がなす界面での反射に起因する。錠剤のような粉体材料は、多数の光学的な不均質構造を内包するため、これらによる光散乱で信号強度は深さ方向(A-scan方向)に減衰する。また、チューブポンプの給水の影響により、錠剤と接触する前の液面は曲面に見えている。
図7の(B)は、錠剤と水との接触が観察された時点での光干渉断層画像である。これは上記領域Aで重量が増加し始めた時刻t1時と一致している。
図7の(C)、(D)は、上記領域Aの各光干渉断層画像であり、(C)は上記時刻t1から1秒経過した時点での光干渉断層画像、(D)は上記時刻t1から3秒経過した時点での光干渉断層画像である。
図7の(B)、(C)、(D)に矢印「→」にて示す位置の水との接触界面は錠剤側に上昇し、スペックルパターンの流動的な変化が認められる領域は界面近傍から徐々に拡大している。
この時、錠剤の外形に変化がないことから、領域Aでは錠剤の毛細管力による吸水が起こっていると考えられる。
また、上記時刻t1から12秒経過した時点での領域Bに対応する図7の(E)に示す光干渉断層画像では、錠剤端部から外側に向かって小規模の塊が数珠つなぎに広がっていく様子が観察された。
さらに、上記時刻t1から30秒経過した時点での領域Cに対応する図7の(F)に示す光干渉断層画像では、より大きな塊の生成、分離といった顕著な構造変化が観察された。
これらの結果から、領域Bから領域Cでは、吸水に起因する膨潤、崩壊が起こっていると考えられる。崩壊がすでに起こっている領域Cにおいても重量が増加し続けている理由は、治具に残った錠剤と液面との接触が失われず、観察範囲外で同様の過程が進行しているためである。
このように、この崩壊性観察システム100では、崩壊試験液11すなわち水と接触される崩壊性固形物試料1すなわち錠剤の接触部分1Aを観察領域として、上記崩壊性固形物試料1すなわち錠剤の接触部分1Aを上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11すなわち水の表面に接触させることにより上記錠剤が崩壊される崩壊過程前後における上記錠剤の重量変化の測定と同時に、上記錠剤の崩壊過程前後における内部構造変化を実時間で同時に観察することができる。
次に、図8は、上記画像解析処理装置50により、図7の(A)に示した錠剤と水が接触する前の時刻(t0)における光干渉断層画像を基準とし、錠剤と水との接触を起点(時刻t1)以降の領域Aに対応する光干渉断層画像について、スペックルパターンの変位量解析を行い、変位ベクトル長さによりスペックルパターンの変位量を可視化した図であり、時刻t1から0.01秒経過した時点での光干渉断層画像のスペックルパターンの変位量解析結果を示し、(B)は、時刻t1から1秒経過した時点での光干渉断層画像のスペックルパターンの変位量解析結果を示している。
画像下端は水との接触界面である。グレースケールでは判別し難いが、表面よりも内側に濃く表示された領域が見て取れる。これはスケール内での平面的な構造変化を示唆する。他方、破線内部はスケールに対応する濃淡はなかった。これはパターンの相関が取れないためであり、顕著な構造変化が空間的に起こったことを示唆している。表面近傍で変化が小さい理由は、コーティング剤や加圧成形での圧力分布による錠剤内部の粗密差に起因していると考えられる。
このように、崩壊性観察システム100では、光干渉断層画像生成装置40により得られる光干渉断層画像について、上記画像解析処理装置50により、スペックルパターンの変位量を解析することで、上記崩壊性固形物試料1の上記崩壊試験液11との接触による崩壊に伴う内部構造変化の様子を定量的に可視化して評価することができる。
すなわち、この崩壊性観察システム100では、高速観察が可能な波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)と高速測定可能な電子天秤とを融合し、さらにOCTプローブの位置や崩壊性固形物試料の固定方法、液位制御方法、光干渉断層画像の画像処理、解析方法を工夫することで従来観察できなかった固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における内部構造変化の観察を上記崩壊性固形物試料の重量変化の測定と同時に、、その場かつ実時間で行うことを可能にしている。
ここで、崩壊性観察システム100は、液体との接触により崩壊する崩壊性固形物試料1として、例えば、医薬錠剤以外のサプリメント錠剤や原料粉体を固めた固形食品等の各種崩壊性固形物について崩壊性観察を行うことができる。
また、崩壊試験液11は、水に限定されることなく、組成が胃液に似た崩壊試験第1液、腸液に似た崩壊試験第2液などであってもよく、崩壊性固形物試料1の用途に応じた崩壊試験液を用いることができる。
また、上記崩壊性固形物試料1の崩壊性観察システム100は、図9に示すように、さらに、上記観察容器10により貯留された上記崩壊試験液11のpHを測定するpH計60や温度を測定する熱電対等の温度計測手段70を備えることにより、上記崩壊試験液11の液性と温度の変化も同時に測定可能としたものとすることができる。さらに、上記観察容器10外部から該観察容器10内の上記崩壊性固形物試料1の外観を撮像するCCDカメラ等の撮像装置80を備えることにより、上記崩壊性固形物試料1の上記崩壊試験液11との接触による崩壊に伴う上記崩壊性固形物試料1の外観の変化過程を実時間で観察可能としたものとしてもよい。
1 崩壊性固形物試料、1A 崩壊性固形物試料の接触部分、10 観察容器、11 崩壊試験液、11A 崩壊試験液の表面、20 重量測定装置、21 試料保持具、30 接触制御手段、40 光干渉断層画像生成装置、41 光源、42 ハーフミラー、43 参照ミラー、44 検出器、45 カメラヘッド部、46 情報処理部、47 光干渉断層画像生成部、50 画像解析処理装置、60 pH計、70 温度計測手段、80 撮像装置

Claims (10)

  1. 液体との接触による崩壊性固形物試料の崩壊性を観察する崩壊性観察方法であって、
    重量測定装置に吊り下げ支持された試料保持具により上記崩壊性固形物試料を保持し、観察容器により貯留された崩壊試験液の表面上方に位置させた状態で、上記崩壊性固形物試料と上記崩壊試験液の表面の高さ位置を相対的に変位させることにより、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触制御工程と、
    上記接触制御工程において、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させることにより上記崩壊性固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における上記崩壊性固形物試料の重量変化を重量測定装置により実時間で測定する重量測定工程と、
    上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる上記崩壊性固形物試料の接触部分近傍領域に光干渉断層画像生成装置により上記観察容器の外部から赤外線領域の光を照射して、上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行い光干渉断層画像を生成し、上記崩壊性固形物試料が崩壊される崩壊過程前後における上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像として、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察する光干渉断層画像生成工程と、
    上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成工程において生成される光干渉断層画像を用いてデジタル画像相関法によるスペックルパターン変位量解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する画像解析工程と
    を備え、
    上記崩壊試験液との接触過程前後に亘る上記崩壊性固形物試料の重量変化を上記重量測定工程において実時間で測定するとともに、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成工程において生成される光干渉断層画像を上記画像解析工程において画像解析することにより、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察可能としたことを特徴とする崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法。
  2. 上記光干渉断層画像生成工程では、波長掃引型OCT(Swept Source Optical Coherence Tomography: SS-OCT)により光干渉断層画像を得ることを特徴とする請求項1に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察方法。
  3. 液体との接触による崩壊性固形物試料の崩壊性を観察する崩壊性観察システムであって、
    上記崩壊性固形物試料の重量を測定する重量測定装置と、
    上記崩壊性固形物試料を接触させる崩壊試験液を貯留した観察容器と、
    上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる上記崩壊性固形物試料の接触部分近傍領域に上記観察容器の外部から赤外線領域の光を照射して、上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置と、
    上記重量測定装置に吊り下げ支持された試料保持具により上記崩壊性固形物試料を保持し、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面上方に位置させた状態で、上記崩壊性固形物試料と上記崩壊試験液の表面の高さ位置を相対的に変位させることにより、上記崩壊性固形物試料の接触部分を上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の表面に接触させる接触制御手段と、
    上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像についてデジタル画像相関法によりスペックルパターン変位量解析を行う画像解析処理手段を備え、スペックルパターン変位量解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化を定量的に評価する画像解析を行う画像解析処理装置と
    を備え、
    上記崩壊試験液との接触過程前後に亘る上記崩壊性固形物試料の重量変化を上記重量測定装置により実時間で測定するとともに、上記崩壊試験液との接触過程前後に亘り上記光干渉断層画像生成装置により生成される光干渉断層画像の上記画像解析処理装置による画像解析により、上記崩壊性固形物試料の上記崩壊試験液との接触による崩壊に伴う内部構造変化過程を実時間で観察可能としたことを特徴とする崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  4. 上記光干渉断層画像生成装置は、波長掃引型OCT(Swept Source Optical CoherenceTomography: SS-OCT)であることを特徴とする請求項3に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  5. 上記重量測定装置は、上記崩壊性固形物試料の重量を測定する電子天秤であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  6. さらに、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液のpHと温度を測定する手段を備え、
    上記崩壊試験液の液性と温度の変化も同時に測定可能としたことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  7. さらに、上記観察容器外部から該観察容器内の上記崩壊性固形物試料の外観を撮像する撮像装置を備え、上記崩壊性固形物試料の上記液体との接触による崩壊に伴う上記崩壊性固形物試料の外観の変化過程を実時間で観察可能としたことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  8. 上記試料保持具は、上記崩壊性固形物試料の周囲を覆うことなく該崩壊性固形物試料の一端を保持し、
    上記観察容器は、上記光干渉断層画像生成装置により上記崩壊性固形物試料の光干渉断層計測を行うための赤外線領域の光を透過する材料で少なくとも壁面が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れか1項に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  9. 上記接触制御手段は、上記観察容器により貯留された上記崩壊試験液の液位を調整する機能を有することを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れか1項に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
  10. 上記崩壊試験液は水であり、上記崩壊性固形物試料は、水との接触により崩壊する薬剤であることを特徴とする請求項3乃至請求項9の何れか1項に記載の崩壊性固形物試料の崩壊性観察システム。
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