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JP7709066B2 - 検出装置、検出方法、プログラム - Google Patents
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JP7709066B2 - 検出装置、検出方法、プログラム - Google Patents

検出装置、検出方法、プログラム

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JP7709066B2
JP7709066B2 JP2023172258A JP2023172258A JP7709066B2 JP 7709066 B2 JP7709066 B2 JP 7709066B2 JP 2023172258 A JP2023172258 A JP 2023172258A JP 2023172258 A JP2023172258 A JP 2023172258A JP 7709066 B2 JP7709066 B2 JP 7709066B2
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Description

本開示は、検出装置、検出方法、及びプログラムに関する。
空気中に浮遊するアレルゲンを原因とするアレルギーは多くの人々を悩ませている。代表的なアレルゲンとして花粉、カビ(真菌)、ハウスダスト(ダニ)等が知られているが、中でも花粉症は日本で患者数の多いアレルギーである。花粉飛散量は花粉症の発症やその程度に相関するため、従来から花粉飛散量の測定が行われている。カビ(真菌)やハウスダスト(ダニ)についても、形態学的方法と免疫学的方法で従来から測定が行われている。
レーザーを用いて微小な粒子を検出する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、レーザー光が所定粒子径を有する粒子により回折された光を検出することで、所望の粒子径の粒子を簡単な受光手段で検出する技術が開示されている。
特開平07-294415号公報
しかしながら、従来の技術では、アレルゲンと大きさが近い粒子であれば、アレルゲン以外の粒子も検出する可能性があり、アレルゲンの同定が困難である。このため、各アレルゲンの定量も困難である。
本開示は、花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定又は定量する技術を提供する。
本開示の第1の態様における検出装置は、
対象空間のアレルゲンを同定又は定量する検出装置であって、
制御部が、
同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示す複数の半導体センサが検出した信号パターンを取得し、
前記複数の半導体センサから取得した複数の前記信号パターンからアレルゲンを同定又は定量し、
同定又は定量した結果を出力する。
本開示の第1の態様によれば、花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定又は定量することができる。
本開示の第2の態様における検出装置は、第1の態様に記載の検出装置であって、
前記複数の半導体センサは、ガス成分が吸着することにより前記信号パターンが変化する。
本開示の第3の態様における検出装置は、第2の態様に記載の検出装置であって、
前記信号パターンは、前記半導体センサにガス成分が吸着することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む。
本開示の第4の態様における検出装置は、第3の態様に記載の検出装置であって、
前記信号パターンは、前記半導体センサに吸着したガス成分が離脱することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む。
本開示の第5の態様における検出装置は、第1~第4の態様に記載の検出装置であって、
前記ガス成分は、加圧又は液化されることなく前記半導体センサに導入される。
本開示の第6の態様における検出装置は、第1~第4の態様に記載の検出装置であって
前記制御部は、前記複数の半導体センサの複数の信号パターンとアレルゲンの種類又は量の関係を機械学習することで生成したモデルに、前記複数の信号パターンを入力することで、対象空間のアレルゲンを同定又は定量する。
本開示の第7の態様における検出装置は、第1~第6の態様に記載の検出装置であって
前記複数の半導体センサは2種類以上の半導体センサを含み、前記2種類以上の半導体センサは異なる金属酸化物を組成とする。
本開示の第8の態様における検出装置は、第4の態様に記載の検出装置であって
前記電気伝導率は低下と回復を1サイクルとして繰り返すものであり、
前記制御部は、前記電気伝導率の極大値と極大値の間、又は、極小値と極小値の間の1つの波形を前記信号パターンとして抽出し、前記信号パターンを用いて繰り返し、アレルゲンを同定又は定量する。
本開示の第9の態様における検出装置は、第8の態様に記載の検出装置であって
前記制御部は、定量したアレルゲンの量が閾値を超えた場合、又は、時間に対するアレルゲンの量の傾きが閾値を超えた場合、アレルゲンの量を低減するように又は増大しないように環境機器を制御する。
本開示の第10の態様における検出装置は、第1~第9の態様に記載の検出装置であって、前記制御部は、時間に対するアレルゲンの量の変化をアレルゲンの種類ごとに表示する。
本開示の第11の態様における検出装置は、第1~第10の態様に記載の検出装置であって、前記アレルゲンは、花粉、カビ又はダニである。
本開示の第12の態様における検出装置は、第1~第11の態様に記載の検出装置であって、前記複数の半導体センサは、同時に複数のガス成分に関する信号を出力し、
前記制御部は、前記複数の半導体センサが同時に出力した前記信号を含む前記信号パターンを取得する。
本開示の第13の態様における検出方法は、
検出装置が対象空間のアレルゲンを同定又は定量する検出方法であって、
制御部が、
同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示す複数の半導体センサが検出した信号パターンを取得し、
前記複数の半導体センサから取得した複数の前記信号パターンからアレルゲンを同定又は定量し、
同定又は定量した結果を出力する。
本開示の第13の態様によれば、花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定又は定量することができる。
本開示の第14の態様におけるプログラムは、
コンピュータを、第1~第12の態様のいずれか1項に記載された検出装置として機能させる。
本開示の第14の態様によれば、花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定又は定量することができる。
本開示は、花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定又は定量する技術を提供できる。
アレルゲン検出システムの一例のシステム構成とアレルゲン検出方法の概略を説明する図である。 アレルゲン検出システムのシステム構成の変形例を示す図である。 アレルゲン検出システムのシステム構成の一例を示す図である。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 情報処理装置及び環境機器(又はセンサユニット)が有する機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。 スギ、ヒノキ、アカマツ、クリの花粉10mgから得られた揮発性化合物のTICクロマトグラムを示す図である。 半導体センサの検出原理の一例のイメージ図である。 半導体センサが検出する信号パターンの一例を示す図である。 モデル生成部が学習に使用するニューラルネットワークの一例を示す図である。 ニューラルネットワークの学習について説明する図である。 モデル生成部がアレルゲン同定モデルの学習に使用するニューラルネットワークの一例を示す図である。 半導体センサが検出する信号パターンと抵抗値のサンプリング方法の一例を示す図である。 トレーニングデータを模式的に示す図である。 信号パターンの画像データへの変換を説明する図である。 画像データに対応したニューラルネットワークを用いた場合のモデルの構成例を示す図である。 ユーザー端末又はリモコンが表示するアレルゲン検出結果画面の一例を示す図である。 ユーザー端末が表示した屋外における花粉の検出結果画面の一例を示す図である。 アレルゲン検出システムがアレルゲン検出結果画面表示を表示し、環境機器を制御する処理を説明するシーケンス図の一例である。
以下、本開示を実施するための形態の一例として、アレルゲン検出システムとアレルゲン検出システムが行うアレルゲン検出方法について説明する。
<アレルゲンの測定方法に関する補足>
自分が「花粉症である」と感じる日本人は47.8%にのぼっている(下記の非特許文献1参照)が、代表的なアレルゲンとして花粉の他、カビ(真菌)、ハウスダスト(ダニ)等が知られている。環境アレルゲン汚染の評価方法は、形態学的方法と免疫学的方法に大別される。花粉の形態学的方法の標準法としてDurham法(非特許文献2参照)が知られている。Durham法は、ワセリンを塗布したプレパラートを24時間屋外に暴露し、付着した粒子について花粉かどうかを人間が顕微鏡で見て判断しながら測定する。花粉飛散量は1[cm2]当たりの沈着個数で示される。
また、英国のBurkard社が開発した花粉収集器も知られている。この花粉捕集器はHirstの考案(非特許文献3参照)に基づいており、大気に導入したチャンバー内の回転式ドラムに粘着テープを貼りつけておき、人間がテープに付着した花粉を顕微鏡でカウントする。
近年、顕微鏡観察に代わり、より簡便な自動分析装置が普及してきた。環境省の提供する花粉観測システム(非特許文献4参照)は、花粉によるレーザー散乱のカウント数から花粉濃度(個/m)を求める。この花粉観測システムは、自動化され簡便であるが、花粉に大きさが近い粒子も花粉として測定してしまう欠点がある(非特許文献5参照)。
そこで、新たな分析法もいくつか検討されてきた。例えば2電極間を粒子が通過する際に生じる電流変化に基づくCoulterカウンティング(非特許文献6参照)、フーリエ変換赤外線吸収(非特許文献7参照)、又は、ラマン分光(非特許文献8)を利用した花粉の同定も提唱されている。また、スギ花粉抽出物中のアレルゲンであるCry j1(ユービッシュ小体)の濃度を表面プラズモン共鳴によって測定する試みもすすめられている(非特許文献9)。この他,紫外線照射の散乱光から推定される粒子径と、青/赤色の蛍光強度比による花粉の種類の判別も試みられている(非特許文献10)。Cry j1を除き、いずれも物理的に花粉を検出する方法である。
また、免疫学的方法としては、ELISA(Enzyme-linked Immunosorbent assay)による単一アレルゲン(主要アレルゲン)の定量が行われている。
しかしながら、形態学的方法の標準法(Durham法、回転式ドラム式)は、顕微鏡観察が必要となり自動化に向かない。標準法を改良した自動分析装置は、大きさの近い粒子もアレルゲンとして測定してしまうことや、溜まったアレルゲンを測定装置から定期的に取り除く必要があり連続的な測定はできず、更に特異性が低い。
免疫学的方法のELISAによる単一アレルゲンの定量は、特異性は高いが連続的な測定ができない。ガス分析的方法では発生したガスによる新たな汚染を防止するための機構が必要となり、小型化に向かない。特に、ダニについては、花粉と異なり形態学的方法も使えず自動分析技術は知られていない。
<<非特許文献>>
・非特許文献1 ノバルティス ファーマ株式会社「花粉症に関する職業別実態調査」(調査期間:2020年3月~4月)。
・非特許文献2 O.C.Durham,「The volumetric incidence of atmospheric allergens; a proposed standard method of gravity sampling, counting, and volumetric interpolation of results」, J.Allergy, vol79, p79 ,1946
・非特許文献3 J.M.Hirst,「AN AUTOMATIC VOLUMETRIC SPORE TRAP」,Annals of Applied Biology, vol39, p257, 1952
・非特許文献4 http://kafun.taiki.go.jp/
・非特許文献5 與田茂利他,「室内各所へのスギ花粉侵入量について」, 日本耳鼻咽喉科学会会報,108巻, p801, 2005
・非特許文献6 Z.Zhang 他,「An electronic pollen detection method using Coulter counting principle」, Atmospheric Environment, vol39, p5446, 2005
・非特許文献7 C.S.Pappas他,「New Method for Pollen Identification by FT-IR Spectroscopy」, Applied Spectroscopy, vol57, p23, 2003
・非特許文献8 F.Schulte 他,「Chemical Characterization and Classification of Pollen」, Analytical Chemistry, vol80, p9551, 2008
・非特許文献9 Q.Wang 他,「Diurnal and Nocturnal Behaviour of Airborne Cryptomeria japonica Pollen Grains and the Allergenic Species in Urban Atmosphere of Saitama, Japan」, Asian Journal of Atmospheric Environment, vol7, p65, 2013
・非特許文献10 Mitsumoto 他,「Development of a novel real-time pollen-sorting counter using species-specific pollen autofluorescence」, Aerobiologia, vol26, p99 , 2010
<本開示の半導体センサを用いたアレルゲンの同定及び定量>
そこで、本開示では、空気中に浮遊する花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを連続的に同定又は定量することを目的の1つとする。このため本開示では、金属酸化物の組成が異なる2種類以上の半導体センサ11によりアレルゲンを検出する。半導体センサ11は、加圧又は液化されていないガスに含まれる低濃度のVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)に反応して、電気伝導率(抵抗値の逆数)が変化する。したがって、検出装置が家庭などで使える小型になる。また、半導体センサ11によるVOCの測定サイクルは数分程度であり清掃も不要なので、連続的にアレルゲンを測定できる。測定に人間が介在する必要もなく自動的に測定できる。また、本開示では、半導体センサ11の信号パターンを学習することで生成したモデルがアレルゲンを同定及び定量するので、花粉、カビ、及びダニを高い特異性で同定及び定量できる。
<用語について>
対象空間とは少なくとも人間が生存できる程度の空気が存在する空間であり、例えば屋内の居住空間である。対象空間は、屋外でもよい。
ガス成分とは、空気を構成する窒素、酸素、水蒸気、微量気体であるが、微量気体にはVOCが含まれる。花粉等はガスではないが、本実施形態では、アレルゲンがガス成分の1つに含めて説明される場合がある。これは、VOCにはアレルゲン由来のものがあるためである。
アレルゲンは対象空間に浮遊する、アレルギー反応を生じさせる可能性がある物質をいう。アレルゲンの組成にVOCが含まれるという前提で、半導体センサはVOCを検出する。
ダニには、ダニの死骸、フン、脱皮殻などダニに由来する物質が含まれる。また、カビには、酵母やキノコが含まれてもよい。また、検出されるカビは主に菌糸であるが胞子が検出されてもよい。
<アレルゲンの検出方法の概略>
図1は、アレルゲン検出システム100の一例のシステム構成とアレルゲン検出方法の概略を説明する図である。ネットワークNを介して、環境機器10、センサユニット8、ユーザー端末70、及び、情報処理装置60が通信可能に接続されている。
センサユニット8は、居住者9が居住する建物の好ましくは各部屋に設置されている。センサユニット8は、建物に1つだけ設置されていてもよい。センサユニット8は好ましくは空気の吸入機構を有し、空気の流路に複数の半導体センサ11を内蔵している。この半導体センサ11は居住者9が居住する対象空間7のアレルゲンに反応して電気伝導率が変化する。
環境機器10は、空調機、換気装置、又は、空気清浄機など、空気質に関する環境を制御する機器である。環境機器10は空調機、換気装置、又は、空気清浄機等の複数の機能を有していてもよいし、各機能の環境機器10がそれぞれ存在してもよい。
ユーザー端末70は、居住者9が使用する端末装置である。ユーザー端末70では、Webブラウザやネイティブアプリが実行されており、ネットワークNを介して情報処理装置60からディスプレイに表示するための情報を受信する。居住者9は現在、検出されているアレルゲンの種類と量を確認して、アレルゲンの量を下げる又は増大させないように環境機器10を操作する。ユーザー端末70は居住者9が携帯でき、センサユニット8が設置された空間と同じ空間に設置されていなくてもよい。
情報処理装置60(検出装置の一例)は、本開示において、種々の情報処理を行うサーバ装置である。情報処理装置60は、後述するアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルを生成し、このアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルに半導体センサ11が検出した信号パターンを入力することでアレルゲンを同定及び定量する。
アレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルを生成する学習フェーズは終了しているものとして、アレルゲンを同定及び定量する流れを説明する。後述するように、アレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルは、半導体センサ11が検出する信号パターンからアレルゲンの種類及び量を出力する。
(1) センサユニット8が情報処理装置60に半導体センサ11が検出した信号データ(瞬間値)を送信する。
(2) 情報処理装置60は信号データを蓄積しておき、1波形分の信号パターンが得られると、生成しておいたアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルに入力することで、連続的かつ自動的にアレルゲンを同定及び定量する。
(3) 情報処理装置60は信号パターンに対して得られたアレルゲンの種類と量をユーザー端末70に送信する。情報処理装置60は、アレルゲンの量に応じて、アレルゲンの量を低減する又は増大しないように環境機器10の運転を推奨する旨を送信する。
(4) ユーザー端末70はアレルゲンの種類と量、及び、環境機器10の運転を推奨する旨を表示する。ユーザーは環境機器10を運転する操作を入力することで、ユーザー端末70が環境機器10の制御要求を情報処理装置60に送信する。
(5) 情報処理装置60は環境機器10の制御要求を環境機器10の制御情報に変換して、環境機器10に送信する。これにより、環境機器10がアレルゲンの量を低減するように又は増大しないように制御できる。
このように本開示は、半導体センサ11を用いることで、環境機器10を大型化することなく、連続的かつ自動的に花粉、カビ、ダニ等のアレルゲンを同定及び定量できる。
<<システム構成の変形例>>
センサユニット8が独立に存在するのでなく、図2に示すように、半導体センサ11が室内機10bに内蔵されていてもよい。図2は、アレルゲン検出システム100のシステム構成の変形例を示す。アレルゲン検出システム100は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外機10aと、利用ユニットとしての1台以上の室内機10bと、各種設定に係るコマンドを入力する入力装置としてのリモートコントロール装置(以下、「リモコン15」と称する)と、を有している。
室外機10aと室内機10bとを空調機という。室外機10aと、室内機10bとが冷媒連絡配管(ガス連絡配管GP)で接続されることで冷媒回路が構成されている。また、アレルゲン検出システム100では、室内機と室外機の信号の伝送路として機能する複数の通信ネットワーク(ネットワークNW1、ネットワークNW2)が構築されている。ネットワークNW2は有線でも無線でもよい。
リモコン15は、温度や湿度などの設定を受け付けるユーザーインターフェースである。情報処理装置60の機能は図1と同様でよい。
(1) 室内機10bには空気の取り入れ口等に組み込み型の半導体センサ11が内蔵されている。室内機10bは信号データを室外機10aに送信する。
(2) 室外機10aは情報処理装置60に信号データを送信する。
(3) 情報処理装置60は、信号データを蓄積しておき、1波形分の信号パターンが得られると、生成しておいたアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルに入力することで、連続的かつ自動的にアレルゲンを同定及び定量する。
(4) 情報処理装置60は信号パターンに対して得られたアレルゲンの種類と量を、室外機10a、室内機10bを介してリモコン15に送信する。
(5) リモコン15はアレルゲンの種類と量を表示する。リモコン15は、アレルゲンの量に応じて、アレルゲンの量を低減する又は増大しないように環境機器10の運転を推奨する旨を表示する。ユーザーが環境機器10を運転する操作を入力することで、リモコン15が設定情報を室内機10bに送信する。
(6) 室内機10bは設定情報に基づいて自機を制御する。これにより、環境機器10がアレルゲンの量を低減するように又は増加しないように制御できる。
<アレルゲン検出システムのシステム構成>
次に、図3を参照し、アレルゲン検出システム100のシステム構成について説明する。図3は、アレルゲン検出システム100のシステム構成の一例を示す図である。
アレルゲン検出システム100は、空調、換気、清浄機などの各種の環境機器10とクラウド側の情報処理装置60を、ネットワークNを介して通信させることで、管理者から一般ユーザーに至るまでIoTを活用した様々なサービスを提供する。エッジ装置80、環境機器10、センサスイッチ類53及びユーザー端末70は顧客側に設置され、情報処理装置60はデータセンターやインターネット等のクラウドに設置される。なお、エッジ装置80は環境機器10とセンサスイッチ類53を集中管理する装置なので、エッジ装置80はなくてもよい。
環境機器10は、上記のように、居住空間の空気に触れる機器であることが好ましく、例えば空調機器、換気装置、清浄機などである。居住空間は、室内に限らず屋外でもよい。一般的にエッジ装置80には、防犯設備、熱源機器、火災警報器、AHU(エアハンドリングユニット)、電力量計、照明等が接続されている場合がある。
環境機器10及びセンサスイッチ類53は、エッジ装置80により制御される。換言すると、エッジ装置80は、環境機器10及びセンサスイッチ類53の目的に適合するように、環境機器10及びセンサスイッチ類53に所要の操作を加える。制御の内容は、環境機器10及びセンサスイッチ類53の種類によって様々だが、例えば環境機器10が空調機の場合、空調機にて一般に設定可能な冷暖モード、設定温度、風量、湿度、風向等、空調機が有する機能に関する全ての制御が含まれてよい。センサスイッチ類53には半導体センサ11が含まれてよい。
環境機器10は環境機器10に応じた運転データを収集し、エッジ装置80に主に定期的に送信する。定期的とは例えば1回/1分間、1回/10分間、1回/60分間等であるが、ユーザーや情報処理装置60が設定できてよい。運転データは、環境機器10によって様々であるが、例えば、空調機の場合、冷媒の高圧力、低圧力、冷媒温度、ファンの回転数、及びマイコンのCPU温度など、様々である。
エッジ装置80は、環境機器10及びセンサスイッチ類53を制御するコントローラである。エッジ装置80がない場合は情報処理装置60が環境機器10及びセンサスイッチ類53を制御する。
情報処理装置60は、一台以上のサーバ装置であってもよい。図3では一台の情報処理装置60が示されているが、情報処理装置60は機能ごとにいくつかに分かれて設置されてよい。また、情報処理装置60は、一台のサーバ装置によりその機能が集約されていてもよい。また、情報処理装置60は、複数台の同じ機能のものが用意されていて、複数の情報処理装置60がサーバクラスタのように通信しながら処理してもよい。
情報処理装置60は、信号パターンをアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルに入力してアレルゲンを同定及び定量し、ユーザー端末70等に提供する。情報処理装置60は、個々の住居やビルなどの施設だけでなく、地域ごとにアレルゲンを同定及び定量することもでき、公共放送などにこれらをシェアしてもよい。
なお、図3には記載がないが、アレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルを生成する情報処理装置が情報処理装置60とは別に存在してもよい。この場合、別の情報処理装置が生成したアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルが情報処理装置60に導入される。本開示では、説明の便宜上、情報処理装置60がアレルゲン定量モデル及びアレルゲン同定モデルを生成するものとする。
情報処理装置60は、Webサーバの機能も有していてよい。Webサーバはユーザーが手元で操作するWebブラウザなどのクライアントソフトウェア(Webクライアント)からの要求に応えて、HTMLファイル、XML、CSSファイル、JavaScript(登録商標)などで記述された画面情報をクライアントに提供する。このようにWebの仕組みを使用するアプリケーションをWebアプリという。
なお、情報処理装置60は、クラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。
ユーザー端末70は、情報処理装置60が提供する各種の画面を表示するクライアント端末である。ユーザー端末70は、管理者が使用してもよいし、一般ユーザー(本開示では居住者9)が使用してもよい。環境機器10が一般家庭にある場合、管理者は居住者の家族でもよいし、居住者9が管理者を兼ねてよい。環境機器10が、企業が管理するビル等にある場合、管理者は例えば施設の管理者などである。
ユーザー端末70は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しWebブラウザが動作すればよい。また、ユーザー端末70ではWebブラウザでなく、アレルゲン検出システム100に専用のネイティブアプリが動作してもよい。
<情報処理装置のハードウェア構成>
図4を参照して、情報処理装置60のハードウェア構成について説明する。図4は、情報処理装置60のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置60は、プロセッサ221、メモリ222、補助記憶装置223、I/F(Interface)装置224、通信装置225、ドライブ装置226を有する。なお、情報処理装置60の各ハードウェアは、バス207を介して相互に接続されている。
プロセッサ221は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ221は、各種プログラムをメモリ222上に読み出して実行する。プロセッサ211は、情報処理装置60の全体を制御する。
メモリ222は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ221とメモリ222とは、いわゆるコンピュータを形成し、プロセッサ221が、メモリ222上に読み出した各種プログラムを実行する。
補助記憶装置223は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ221によって実行される際に用いられる各種データを格納する。
I/F装置224は、外部装置の一例である表示装置230、操作装置240と、情報処理装置60とを接続する接続デバイスである。表示装置230は、情報処理装置60の内部状態を表示する。操作装置240は、情報処理装置60の管理者が情報処理装置60に対して各種指示を入力する際に用いられる。
通信装置225は、ネットワークNを介してエッジ装置80及びユーザー端末70と通信するための通信デバイスである。
ドライブ装置226は記録媒体250をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体250には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体250には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、補助記憶装置223にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体250がドライブ装置226にセットされ、該記録媒体250に記録された各種プログラムがドライブ装置226により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置223にインストールされる各種プログラムは、通信装置225を介してネットワークNからダウンロードされることで、インストールされてもよい。
<機能について>
次に、図5を参照して、アレルゲン検出システム100が有する機能構成について詳細に説明する。図5は、情報処理装置60及び環境機器10(又はセンサユニット8)が有する機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。なお、図5は、説明の便宜上、学習フェーズにおける機能と推論フェーズにおける機能の両方を示す。
環境機器10又はセンサユニット8は、複数の半導体センサ11と、センサ制御部12と、送信部13と、を有している。環境機器10やセンサユニット8の空気の取り入れ口等には、複数の半導体センサ11が配置されている。ガス用の半導体センサ11に用いられる半導体材料は、空気中で高温に保たれた状況で使用されることが多いので、熱的・化学的に安定な金属酸化物が使われる。半導体センサ11は、空気中のVOCの吸着と離脱に応じて電気伝導率(すなわち抵抗値)を変化させる。半導体センサ11は、異なるVOCの検出に好適なように複数、配置され、複数の半導体センサ11の金属酸化物の組成は半導体センサ11によって異なっている。複数の半導体センサ11は、同じガス成分に対し電気伝導率等がどのように変化するかに関して特性が異なる。
半導体センサ11が有する金属酸化物の組成の一例を以下に示す。金属酸化物は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化第二錫(SnO2)、酸化第二鉄(Fe23)、酸化タングステン(WO3)、酸化インジウム(In23)等があるが、これらには限られない。
センサ制御部12は、これら半導体センサ11を制御する。センサ制御部12は、例えば駆動用の電圧を生成して半導体センサ11に供給し、半導体センサ11へのVOCの検出指示、半導体センサ11からの信号の取り込み、ノイズ除去、フィルタリング、及び、異常値の除去などを行う。
送信部13は、ネットワークNを介して半導体センサ11が検出した信号データをリアルタイムに又は一定量蓄積するごとに情報処理装置60に送信する。情報処理装置60は時系列に信号データを受信するので各半導体センサ11の信号パターンを再生できる。
情報処理装置60は、取得部21、データ部22、モデル生成部23、解析部24、出力部25、及び、環境機器制御部26を有している。情報処理装置60が有するこれら各部を制御部20といい、制御部20は、情報処理装置60のプロセッサ221がメモリ222に展開されたプログラムの命令を実行することで実現される機能又は手段である。
取得部21は、環境機器10から半導体センサ11が検出した信号データを取得する。取得部21は、環境機器10に信号データを要求し、その応答として信号データを受信してもよいし、要求せずに受信してもよい。また、取得部21は信号データをデータ部22に蓄積してよい。別途用意される教師データがあれば、市場で稼働する環境機器10やセンサユニット8を用いて、モデル生成部23が、データ部22に蓄積された信号データによりモデルを再構築できる。
学習フェーズにおいて、データ部22にはトレーニングデータが保存されている。本実施形態のトレーニングデータは、例えば、「信号パターンとアレルゲンの種類」、「信号パターンとアレルゲンの量」である。トレーニングデータの詳細は図13にて後述する。
モデル生成部23は、トレーニングデータを学習し、「信号パターンとアレルゲンの種類」からアレルゲン同定モデルを生成し、「信号パターンとアレルゲンの量」からアレルゲン定量モデルを生成する。解析部24には、生成されたアレルゲン同定モデルとアレルゲン定量モデルが設定される。
推論フェーズにおいて、解析部24は、半導体センサ11がリアルタイムに検出する信号データを蓄積して1つの信号パターンを生成し、アレルゲン同定モデルとアレルゲン定量モデルに入力する。アレルゲン同定モデルはアレルゲンの量を出力し、アレルゲン定量モデルはアレルゲンの種類を出力する。解析部24はアレルゲンの量、及びアレルゲンの種類を出力部25と環境機器制御部26に渡す。
出力部25は、ユーザー端末70やリモコン15に、検出されたアレルゲンの種類や量を送信する。出力部25はWebアプリやWebページにより表示されるHTML等の画面情報を生成してもよい。ユーザー端末70やリモコン15は、アレルゲンの種類や量を表示するので、ユーザーは環境機器10を操作することで、例えば空気清浄機能を作動させることができる。
環境機器制御部26は、アレルゲンの量が閾値を超えたり、アレルゲンの量の増加速度が閾値を超えたりした場合に、環境機器10の空気清浄機能を作動させる制御情報を環境機器10に送信する。これにより、環境機器10がアレルゲンの量を低減するように又は増大しないように運転を開始できる。
図5では、環境機器10側に半導体センサ11とセンサ制御部12があり、情報処理装置60側に制御部20があるが、半導体センサ11と制御部20が1つの装置内に配置されていてもよい。例えば、家庭用の空調機、空気清浄機、換気装置などでは、1つの装置が半導体センサ11、センサ制御部12及び制御部20を有していてよい。また、空調機のように、室内機と室外機がある場合、室内機が半導体センサ11とセンサ制御部12を有し、室外機が制御部20を有していてもよいし、室内機又は室外機が半導体センサ11、センサ制御部12及び制御部20を有していてもよい。また、換気型の空調機の場合、半導体センサ11が室内側と室外側の両方のアレルゲンを検出できるとよい。更に、半導体センサ11は室内側と室外側で兼用されるとコスト増を抑制できる。
<同定及び定量に使用するアレルゲンの検出方法>
図6を参照して、従来のGC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)における不都合を説明する。図6は、スギ、ヒノキ、アカマツ、クリの花粉10mgから得られた揮発性化合物のTIC(Total Ion Chromatogram)クロマトグラムを示す。図6に示すように、GC-MSを使ったVOCから花粉の種類を同定する手法では、試料を注入してピークが現れるまでの保持時間(Retention time)の違いから、種類を判断する。このため、VOCのピークが現れる最大の保持時間が必要であり、連続した測定には不向きである。また、ガスを加熱する機構と加熱したガスを排気する機構が必要なため、装置のコストを低減したり小型化したりすることが困難である。
そこで、図7に示すように、本実施形態では、半導体センサ11によりアレルゲンを検出する。図7は、半導体センサ11の検出原理のイメージ図である。図7に示すように、半導体センサ11は、酸化金属表面に吸着している酸素と還元性ガス(CH3、H2、CO、CO2、H2O等)の反応を利用してガスの成分を検出する。すなわち、還元性ガスがアレルゲンに含まれるVOCに対応し、還元性ガスの吸着と離脱により電気伝導率が変化する。半導体センサ11は複数あるが、それぞれが同時に複数のガス成分に関する信号を出力する。
図8は、半導体センサ11が検出する信号パターン110の一例を示す。図8の縦軸は抵抗値、横軸は時間である。半導体センサ11は、VOCが吸着していない状態(初期状態)を抵抗値の基準値RDとする。抵抗値はセンサ電子空乏層の吸着酸素の消費(還元性ガスの吸着)により低下し、空気からの酸素供給により回復するサイクルを繰り返す。1つのサイクルの長さは半導体センサ11やVOCの種類によって異なるが、例えば数分である。半導体センサ11は、1つのサイクル中に波形を再現するために十分な数の抵抗値を測定可能である。
このように、抵抗値が連続的に測定できるので、アレルゲン由来のVOCを連続的に測定することが可能となる。また、半導体センサ11は、低濃度での感度が高く、空気を加圧又は液化しなくてもアレルゲン由来のVOCを検出できる。また、半導体センサ11は、量産時のコスト低減効果が高く、応答性がよいという特徴がある。したがって、環境機器10の小型化が可能である。半導体センサ11を用いることで、GC-MSと比較して、安価で小型な環境機器10やセンサユニット8を実現できる。
なお、図8では、抵抗値の信号パターンを示したが、信号パターンは、電流、電圧、電気伝導率又は抵抗(電気抵抗)でもよい。制御部20は電流、電圧、電気伝導率又は抵抗(電気抵抗)の信号パターンからアレルゲンを同定又は定量する。
<アレルゲンの一例>
上記のように、半導体センサ11にアレルゲン由来のVOCが吸着すると、半導体センサ11の材料とアレルゲンの種類(VOC)に応じて抵抗値が変化する。すなわち、各半導体センサ11はアレルゲンの種類に応じてそれぞれ異なる信号パターンを検出する。また、信号パターンはアレルゲンの量によっても変化する。したがって、複数の半導体センサ11の信号パターンを機械学習することで、アレルゲンの同定及び定量が可能になる。
アレルゲンの一例として、花粉、ダニ、カビが知られている。また、情報処理装置60は、花粉であれば、スギ、ヒノキ、イネ、ススキ、ホソムギ、オオアワガエリ、ハルガヤ、カモガヤ、アカマツ、クロマツ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ブタクサ、カナムグラ、シラカバ、イチョウの、花粉を判別できる。本実施形態の情報処理装置60は、花粉の種類、及び、ダニやカビの種類についても判別可能である。
<ニューラルネットワークを用いたアレルゲンの同定と定量>
本実施形態では、機械学習によりアレルゲン同定モデルとアレルゲン定量モデルが生成される。機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれるトレーニングデータから自律的に生成し、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、更に、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。一例として、ニューラルネットワークを用いたアレルゲン同定モデルとアレルゲン定量モデルについて説明する。
図9を参照して、アレルゲン定量モデルの作成方法の一例を説明する。図9は、モデル生成部23が学習に使用するニューラルネットワークの一例を示す。図9のニューラルネットワークは入力層41に入力された複数のデータに対し、1つの出力値を出力する回帰用(連続値の予測)のニューラルネットワークである。
図9は入力層41から出力層43までL層(重みがある中間層42と出力層43の数=2層とする)が全結合されたニューラルネットワークである。階層が深いニューラルネットワークをDNN(Deep Neural Network)という。入力層41と出力層43の間の層を中間層42(又は隠れ層)という。中間層42の数や各層のノード35a~35cの数等は説明のために簡略化したものであり、あくまで一例である。入力層41のノード35aの数は、入力データであるベクトルの要素数でよく、連続値の予測の場合、出力層43のノード35cの数は1つである場合が多い。したがって、アレルゲンの種類の数だけ、アレルゲン定量モデルが作成される。
図9のニューラルネットワークでは、中間層42の1つのノード35bに入力層41の全てのノード35aが接続され、出力層43の1つのノード35cに中間層42の全てのノード35bが接続されている(全結合)。入力層41のノード35aの出力zと結合の重みwの積が中間層42のノード35bに入力され、中間層42のノード35bの出力zと結合の重みwの積が出力層43のノード35cに入力される。式(1)はノード35bの出力信号の算出方法を示す。

式(1)において、wji (l,l-1)は第l層j番目と第l-1層i番目のノード間の重みであり、bjは、ネットワーク内のバイアス成分である。uj (l)は第l層j番目のノードへの入力であり、zi (l-1)は第l-1層i番目のノードの出力である。Iは第l-1層のノードの数である。

また、式(2)に示すようにノードへの入力uj(l)は活性化関数fにより活性化される。fはノードの活性化関数を意味する。活性化関数としては、ReLU、tanh、シグモイドなどが知られている。なお、入力層41のノード35aは入力データを第2層に伝えるだけでよく活性化されない。第l層のノード35は活性化関数で入力を非線形化して第l+1層のノード35に出力する。ニューラルネットワークではこの処理が入力層41から出力層43まで繰り返される。
出力層43のノード35cには出力層用の活性化関数が用いられる。回帰用のモデルの出力層43の活性化関数は恒等関数(y=x)が一般的である。
図10は、ニューラルネットワークの学習について説明する図である。入力層41に入力されたデータをニューラルネットワークが処理をして出力層43から出力値を出力する。例えば、「0.1」、「0.3」という入力データに対し、出力層43のノード35cが「5」を出力した。トレーニングデータには「0.1」,「0.3」に対応する「7」という教師データが予め設定されているとする。アレルゲン定量モデルの教師データは、例えば上記の非特許文献など何らかの方法でカウントしたアレルゲンの量(単位面積又は体積、及び、単位時間当たりの個数)である。
学習フェーズでは、損失関数を用いて教師データと出力値の誤差を評価し、出力値が教師データに近くなるように、重みwとbが調整される。回帰用のモデルの損失関数は2乗誤差を算出する関数でよい。損失関数の値は誤差逆伝播法と呼ばれる計算方法で、入力層41のノードまで伝播される。伝播の過程でノード間の重みw、bが学習される。
次に、図11を参照して、アレルゲンを同定するニューラルネットワークについて説明する。図11は、モデル生成部23がアレルゲン同定モデルの学習に使用するニューラルネットワークの一例を示す。なお、図11の説明では主に図9との相違を説明する。図11のニューラルネットワークは、入力層41に入力された複数のデータに対し、このデータが各アレルゲンのものである確率を出力層43が出力する分類用のニューラルネットワークである。
入力層41と中間層42の構成は図9,図10と同様でよい。分類の場合、出力層43のノード35cには分類用の活性化関数として、ソフトマックス関数が用いられる場合が多い。ソフトマックス関数により、出力層43の各ノード35cへの入力が0~1の確率に変換される。
例えば、「0.1」,「0.3」という入力データに対し、出力層43の各ノード35が「0.15」「0.80」「0.05」を出力した。トレーニングデータには「0.1」,「0.3」に対応する「0 1 0」という教師データが予め設定されているものとする。分類の場合の教師データはワンホットベクトルでよい。「0 1 0」は、順番に「花粉 ダニ カビ」に対応している。入力データが花粉を検出したものである場合に教師データは「1 0 0」、ダニを検出したものである場合に教師データは「0 1 0」、カビを検出したものである場合に教師データは「0 0 1」である。よって、図11の「0 1 0」は教師データがダニであることを示す。
学習フェーズでは、損失関数で教師データと出力値の誤差を評価し、出力値が教師データに近くなるように、重みwとbを調整する。分類モデルの損失関数はクロスエントロピーを算出する関数でよい。損失関数の値は、誤差逆伝播法と呼ばれる計算方法で、入力層41のノードまで伝播される。伝播の過程でノード間の重みw、bが学習される。
<波形データの前処理>
本実施形態において、入力層41に入力される入力データは、半導体センサ11が検出した波形データである。図12(a)は、ある半導体センサ11が検出する信号パターン110の一例を示す。上記のように、信号パターン110は、低下と回復のサイクルを繰り返す。1サイクルの波形にアレルゲンに対し半導体センサ11がどのように反応するかという特徴が含まれていると考えられる。したがって、解析部24は、この1サイクル(1つの信号パターン110)を1つの入力データとして、アレルゲンの同定と定量に使用する。ただし、信号パターン110の半サイクルが使用されてもよい。より短時間にアレルゲンの同定と定量が可能になる。
解析部24は、図8に示したように、連続して得られている信号の波形から、極大値と極大値の間の信号パターン110を抽出する。波形の極小値と極小値の間の信号パターンが抽出されてもよい。あるいは、波形の極大値と極小値の間の信号パターンが抽出されてもよい。そして、解析部24は、図12(b)に示すように、サンプリング窓120を用いて信号パターン110からP個の値をサンプリングする。サンプリング窓120は信号パターン110から信号データをサンプリングする範囲(時間の長さ)である。1つのサンプリング窓120は例えばP個の抵抗値を取得する。信号パターン110の波形を漏れなく取得するため、解析部24はサンプリング窓120を時間に対し重複するよう移動させる。1つの信号パターン110をカバーするサンプリング窓120の数をQ個とすると、1つの信号パターン110につき入力されるデータ数Nは以下になる。
N=P×Q
トレーニングデータはこの入力データと教師データの組である。教師データは上記のように、回帰ではアレルゲンの量、分類ではアレルゲンの種類を示すワンホットベクトルである。
図13は、トレーニングデータを模式的に示す。図13に示す1行(1レコード)が1つのトレーニングデータである。トレーニングデータは、入力データとアレルゲンの量、又は、入力データとアレルゲンの種類である。入力データは0~1に正規化され、標準化されることが好ましい。担当者は事前に入力データと、アレルゲンの量、及び、アレルゲンの種類を多数用意しておく。
モデル生成部23はデータ部22からバッチサイズのトレーニングデータを取得し、それぞれのバッチで所定のエポック数、繰り返すことでアレルゲン同定モデルとアレルゲン定量モデルを生成する。
1つの信号パターン110について入力されるデータ数がNであり、半導体センサ11の数がMとすると、入力層41のノード35aの数はN×Mとなる。
<<波形データを画像データとする方法>>
図12,図13では信号パターン110を構成する数値を入力データとすると説明したが、入力データを画像でもよい。
図14は、信号パターン110の画像データへの変換を説明する図である。画像データへの変換方法としては、情報処理装置60が前処理の際、図14(a)に示すように時系列の信号をグラフなどに描画する。情報処理装置60はデータ点とデータ点の間を保間するとよい。また、情報処理装置60は、図14(b)に示すように極大値と極大値(又は極小値と極小値)の間の信号パターン110の外接矩形を切り取る。解析部24は、画像データを縦横の画素数が決まった正方形の画面データに成形することが好ましい。また、本実施形態では、画像データの色はアレルゲンの量又は種類の情報を持たないので、解析部24は画像データを二値化する。
画像データを入力とするニューラルネットワークは、畳み込みとプーリングが可能になる。畳み込み層は、フィルターと同等の機能を有し、線の形状など、画像内のさまざまな特徴やパターンを抽出できる。また、プーリングにより、あまり情報を失うことなくデータの量を減らし、また位置のずれに対してある程度の不変性を実現できる。
図15は、画像データに対応したニューラルネットワークを用いた場合のモデルの構成例を示す。図15のニューラルネットワーク30はCNN(Convolutional Neural Network)と呼ばれるニューラルネットワークである。ニューラルネットワーク30には各半導体センサ11ごとの信号パターン110の画面データ31が入力され、ニューラルネットワーク30はアレルゲンの種類32又は量33を出力する。図15では説明のため、1つのニューラルネットワーク30がアレルゲンの種類32又は量33を出力しているが、アレルゲンの種類32又は量33を出力するためのニューラルネットワーク30が別々に構築される。更に、アレルゲンの量33についてはアレルゲンの種類ごとにニューラルネットワーク30が別々に構築されてよい。
ニューラルネットワーク30は、畳み込み層1,2、プーリング層1,2、活性化関数1~3、及び、全結合層1、2を有している。畳み込み層1,2は、カーネル(又はフィルター)と呼ばれる格子状の数値データと、カーネルと同サイズの部分画像(ウィンドウと呼ぶ)の数値データについて、要素ごとの積の和を計算することで、1つの数値に変換する処理をいう。畳み込み層1,2は、この変換処理を、ウィンドウを少しずつずらして処理を行うことで、小さい格子状の数値データ(すなわちテンソル)に変換する。
プーリング層1,2は、ウィンドウの数値データから1つの数値を作り出す処理であり。例えばウィンドウ中の最大値を選択する最大値プーリングや、ウィンドウ中の平均値を選択する平均値プーリングなどがある。畳み込み層1、2により撮像画像の特徴が抽出され、プーリング層1,2により対象物の位置の厳密さがぼかされる。活性化関数1~3は入力を非線形に変換する(活性化する)関数である(例えば、ReLU、tanh、シグモイドなどがある)。全結合層1は活性化関数2の出力をまとめる入力層41に相当し、全結合層2は出力層43に相当する。全結合層1でまとめられた数値は活性化関数3を経て全結合層2に伝達される。全結合層2は1つ(定量)又は複数(同定)の出力ノードを有し、この出力ノードがアレルゲンの種類又はアレルゲンの量を出力する。
なお、図示する畳み込み層1,2、プーリング層1,2、活性化関数1~3、及び、全結合層1、2の数は一例に過ぎないし、処理の順番も一例に過ぎない。
図15のニューラルネットワーク30の場合のトレーニングデータは、図13のN×M個の入力データが、M個の画像データに置き換わったものである。1つの信号パターン110から変換される画像データの解像度を例えば100画素×100画素とし、半導体センサ11の数がMとすると、入力層41のノード35の数は100×100×Mとなる。図15のニューラルネットワーク30の場合、学習により、フィルターの内容や全結合層1、2のノード間の係数が調整される。
<<その他の機械学習の手法>>
機械学習の手法には、ニューラルネットワーク(パーセプトロン、ディープラーニング)以外にも、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレストなどがあり、本実施形態で説明する手法には限られない。例えば、サポートベクターマシンは主に分類モデルに使用される。サポートベクターマシンは、トレーニングデータに含まれる正例と負例のベクトル間のマージン間平面を最大化する手法である。データを高次元の特徴空間上へ写像するカーネル法により非線形データも分類できる。
ブースティング決定木は、決定木など複数の弱識別機を独立に学習させ、複数の弱識別機による予測結果を、多数決などを用いて統合し、全体(強識別機)の予測結果として出力する手法である。ブースティング決定木は回帰用だが、同様の手法であるブースティング回帰木を使用すれば回帰にも適用できる。
この他、回帰と分類に好適な種々の手法があり、本実施形態のアレルゲン同定モデル及びアレルゲン定量モデルを生成する手法はどのようなものでもよい。
<アレルゲンの同定及び定量の表示例>
図16は、ユーザー端末70又はリモコン15が表示するアレルゲン検出結果画面300である。アレルゲン検出結果画面300は、横軸が現在の時刻、縦軸がアレルゲンの量であり、アレルゲンの量の時間的な変化を折れ線グラフ301~303で表した。図16には一例として、花粉、カビ、ダニをアレルゲンとして示したが、アレルゲン検出結果画面300は、他の種類のアレルゲンの個数を表示してよい。居住者9は、ユーザー端末70又はリモコン15を操作して、どのアレルゲンを表示させるか指示できる。アレルゲン検出結果画面300は、ユーザーがアレルゲンとして花粉を指定すれば花粉の種類別の個数を表示でき、ダニを指定すればダニの種類別の個数を表示でき、カビを指定すればカビの種類別の個数を表示できる。また、居住者9は折れ線グラフ301~303を表示する時間の範囲を指定してもよい。アレルゲン検出結果画面300は、過去の一定時間における各アレルゲンの最大値と最小値を表示してもよい。
図16のアレルゲン検出結果画面300では、12:45以降、急激に花粉が増大している。このような場合、出力部25は、居住者9に警告することが好ましい。図16では、「花粉が増加しています。空気清浄機能をオンしますか。」というメッセージ304、はいボタン305、いいえボタン306が表示されている。居住者9がはいボタン305を押下すると、情報処理装置60が例えば空気清浄機能を作動させる制御情報を環境機器10に送信する。なお、出力部25がユーザーに問い合わせることなく、環境機器制御部26がアレルゲンの検出結果に応じて適切な制御を環境機器10に対し行ってもよい。
また、出力部25は増加傾向の折れ線グラフを強調(点滅、太線等)してもよい。また、環境機器10の制御により、アレルゲンの量が減少した場合も、出力部25がその旨をアレルゲン検出結果画面300に表示してもよい。居住者9は環境機器10の制御によりアレルゲンが減少したことを確認できる。
本実施形態の情報処理装置60は、このように、連続的にアレルゲンを検出できるため、居住者9にリアルタイムに注意を喚起し、また、環境機器10を遅延なく制御できる。環境機器10の制御によりアレルゲンが減少した場合もリアルタイムに検知でき、居住者9に空気清浄機能の効果を知らせることができる。
また、環境機器10が屋外に設置されている場合、又は、屋外の空気を取りこむことができる場合、情報処理装置60は、アレルゲン(主に花粉)の検出結果と環境機器10の位置情報に基づいて花粉の分布を示す地図を提供してもよい。環境機器10の位置情報は、例えばIPアドレスで判別されてもよいし、環境機器10が郵便番号や住所を情報処理装置60に送信してもよい。
図17は、ユーザー端末70が表示した屋外における花粉の検出結果画面320を示す。情報処理装置60は、環境機器10から各地の花粉の量を受信できる。情報処理装置60は、地図をメッシュに分割して、メッシュ内の花粉の量の平均を求める。情報処理装置60は花粉の量に応じてメッシュを色分けするなどして、場所ごとに視覚的に花粉の量を表示できる。居住者9は例えば遠方への外出時に花粉飛散量を確認できる。なお、情報処理装置60は各地の花粉の量を気象情報サービスに提供してもよい。
<全体的な処理の流れ>
続いて、図18を参照し、アレルゲン検出システム100の全体的な処理の流れについて説明する。図18は、アレルゲン検出システム100がアレルゲン検出結果画面表示を表示し、環境機器10を制御する処理を説明するシーケンス図である。
S101:情報処理装置60の取得部21は環境機器10又はセンサユニット8から、半導体センサ11が測定した信号データを、例えば一定時間ごと又は一定量ごと、繰り返し取得する。
S102:情報処理装置60の解析部24は、時系列の信号データから1波形分の信号パターン110を抽出し、アレルゲン同定モデル及びアレルゲン定量モデルに信号パターン110を入力し、アレルゲンを同定及び定量する。
S103:出力部25は、アレルゲンの種類ごとに測定された量と閾値を比較し、環境機器10の運転を推奨するか否か判断する。また、出力部25は、過去に測定されたアレルゲンの定量結果からアレルゲンの量の時間に対する傾きを算出し、傾きを閾値と比較し、環境機器10の運転を推奨するか否か判断する。
S104、S105:居住者9がユーザー端末70にアレルゲン検出結果画面300を表示させる操作を入力すると、ユーザー端末70がアレルゲン検出結果画面300の要求を情報処理装置60に送信する。
S106:ユーザー端末70からの要求に応じて情報処理装置60の出力部25は、アレルゲン検出結果画面300を作成する。出力部25は、アレルゲン検出結果画面300の画面情報をユーザー端末70に送信する。なお、ユーザー端末70でなく、リモコン15がアレルゲン検出結果画面300を表示してもよく、この場合、居住者9がアレルゲン検出結果画面300を表示させる操作を行わなくても、リモコン15にアレルゲン検出結果画面300が表示されてよい。
S107:ユーザー端末70はアレルゲン検出結果画面300の画面情報を受信し、アレルゲン検出結果画面300を表示する。
S108、S109:居住者9がアレルゲン検出結果画面300ではいボタン305を選択する操作を入力すると、ユーザー端末70が環境機器10の制御要求を情報処理装置60に送信する。ユーザー端末70でなく、リモコン15がアレルゲン検出結果画面300を表示した場合、設定情報が環境機器10に送信されてよい。
S110:ユーザー端末70からの環境機器10の制御要求に応じて情報処理装置60の環境機器制御部26は、制御情報を作成する。環境機器制御部26は例えば、空気清浄機能を作動させる、環境機器10が停止中であれば環境機器10を起動する等の制御情報を作成する。環境機器制御部26は、環境機器10を起動させ、更に、空気清浄機能を作動させてもよい。
S111:環境機器制御部26は制御情報を環境機器10に送信する。環境機器10は制御情報を設定情報に変換して自機を制御するので、居住者9が生活している空間において、アレルゲンの量を低減するように又は増大しないように制御できる。
なお、図18の処理では、居住者9がはいボタン305を押下した場合に、環境機器10が制御されているが、ステップS103の判断結果に応じて、環境機器制御部26が居住者9への問い合わせなしに環境機器10が制御されてもよい。
<主な効果>
以上説明したように、本開示では、金属酸化物の組成が異なる2種類以上の半導体センサ11によりアレルゲンに含まれるVOCを検出する。半導体センサ11は、加圧又は液化されていないガスに含まれる低濃度のVOCに反応して、電気伝導率が変化する。したがって、検出装置は、家庭などで使える、小型になる。また、半導体センサ11によるVOCの測定サイクルは数分程度なので、連続的にアレルゲンを測定できる。測定に人間が介在する必要もなく自動的に測定できる。また、本開示では、半導体センサ11の信号パターンを機械学習することで生成したモデルがアレルゲンを同定するので、花粉、カビ、及びダニを高い特異性で同定及び定量できる。
<その他の適用例>
以上、本開示を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本開示はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では、主に半導体センサ11を用いてアレルゲンを検出したが、この他のガスセンサを用いてアレルゲンを検出してもよい。例えば、ガス分子が持つ赤外線吸収特性を利用した光学式(NDIR式)ガスセンサ、検知極で発生する酸化反応を利用した燃料電池式ガスセンサ、又は、検知素子表面での燃焼熱を利用した接触燃焼式ガスセンサ等がある。
また、図5などの構成例は、情報処理装置60による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本開示が制限されることはない。情報処理装置60の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理装置60は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
上記で説明した本開示の各機能は、プログラムの実行によるソフトウェア処理だけでなく、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
<効果が生じる理由>
・本開示の第1の態様は、「同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示す複数の半導体センサが検出した信号パターンを取得し、前記複数の半導体センサから取得した複数の前記信号パターンからアレルゲンを同定又は定量」するので、同じガス成分に対し異なる信号パターンを得ることができ、異なる信号パターンにはアレルゲンについて多くの情報が含まれる。検出装置はこれを解析するので、アレルゲンの同定又は定量が可能になる。半導体センサは清掃も不要なので、連続的に同定又は定量できる。信号パターンの解析に人間が介在する必要もなく自動的に同定又は定量できる。
・本開示の第2の態様は、「複数の半導体センサは、ガス成分が吸着することにより前記信号パターンが変化する」ので、ガス成分に含まれるアレルゲン由来のVOCの吸着を反映した信号パターンが得られる。
・本開示の第3の態様は、「信号パターンは、前記半導体センサにガス成分が吸着することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む」ので、アレルゲン由来のVOCの吸着を反映した、電流、電圧、電気伝導率又は抵抗の変化を示す信号パターンが得られる。
・本開示の第4の態様は、「半導体センサに吸着したガス成分が離脱することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む」ので、アレルゲン由来のVOCの離脱を反映した、電流、電圧、電気伝導率又は抵抗の変化を示す信号パターンが得られる。
・本開示の第5の態様は、「前記ガス成分は、加圧又は液化されることなく前記半導体センサに導入される」ので、加圧や液化の設備が不要であり家庭などで使える、小型の検出装置を提供できる。
・本開示の第6の態様は、「前記複数の半導体センサの複数の信号パターンとアレルゲンの種類又は量の関係を機械学習することで生成したモデルに、前記複数の信号パターンを入力することで、対象空間のアレルゲンを同定又は定量する」ので、花粉、カビ、及びダニを高い特異性で同定及び定量できる。
・本開示の第7の態様は、「複数の半導体センサは2種類以上の半導体センサを含み、前記2種類以上の半導体センサは異なる金属酸化物を組成とする」ので、複数の半導体センサが同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示すことができる。
・本開示の第8の態様は、「前記電気伝導率は低下と回復を1サイクルとして繰り返すものであり、前記制御部は、前記電気伝導率の極大値と極大値の間、又は、極小値と極小値の間の1つの波形を前記信号パターンとして抽出し、前記信号パターンを用いて繰り返し、アレルゲンを同定又は定量する」ので、信号パターンの1サイクル分の時間があれば対象空間のアレルゲンを同定又は定量できる。また、信号パターンはサイクルを繰り返すので、連続的にアレルゲンを測定できる。
・本開示の第9の態様は、「定量したアレルゲンの量が閾値を超えた場合、又は、時間に対するアレルゲンの量の傾きが閾値を超えた場合、アレルゲンの量を低減するように又は増大しないように環境機器を制御する」ので、アレルゲンの量や増え方に応じて、自動的に環境機器を制御できる。
・本開示の第10の態様は、「時間に対するアレルゲンの量の変化をアレルゲンの種類ごとに表示する」ので、アレルゲンの量や増え方をユーザーに視覚化でき、環境機器を起動させることを促すことができる。
・本開示の第11の態様は、同定又は定量される「アレルゲンは、花粉、カビ又はダニである」ので、花粉、カビ又はダニを同定できる。
・本開示の第12の態様は、同定又は定量される「複数の半導体センサは、同時に複数のガス成分に関する信号を出力」するので、クロマトグラフィーのように分離までの時間を待つことなく、アレルゲンを同定又は定量できる。
10 環境機器
11 半導体センサ
60 情報処理装置
70 ユーザー端末
100 アレルゲン検出システム

Claims (13)

  1. 対象空間のアレルゲンを同定又は定量する検出装置であって、
    制御部が、
    同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示す複数の半導体センサが検出した信号パターンを取得し、
    前記複数の半導体センサから取得した複数の前記信号パターンから、アレルゲンであって、花粉、カビ又はダニである前記アレルゲンを同定又は定量し、
    同定又は定量した結果を出力する検出装置。
  2. 前記複数の半導体センサは、ガス成分が吸着することにより前記信号パターンが変化する請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記信号パターンは、前記半導体センサにガス成分が吸着することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む請求項2に記載の検出装置。
  4. 前記信号パターンは、前記半導体センサに吸着したガス成分が離脱することにより変化する電流、電圧、電気伝導率又は抵抗のパターンを含む請求項3に記載の検出装置。
  5. 前記ガス成分は、加圧又は液化されることなく前記半導体センサに導入される請求項1~4のいずれか1項に記載の検出装置。
  6. 前記制御部は、前記複数の半導体センサの複数の信号パターンと前記アレルゲンの種類又は量の関係を機械学習することで生成したモデルに、前記複数の信号パターンを入力することで、対象空間の前記アレルゲンを同定又は定量する請求項1~4のいずれか1項に記載の検出装置。
  7. 前記複数の半導体センサは2種類以上の半導体センサを含み、前記2種類以上の半導体センサは異なる金属酸化物を組成とする請求項1に記載の検出装置。
  8. 前記電気伝導率は低下と回復を1サイクルとして繰り返すものであり、
    前記制御部は、前記電気伝導率の極大値と極大値の間、又は、極小値と極小値の間の1つの波形を前記信号パターンとして抽出し、前記信号パターンを用いて繰り返し、前記アレルゲンを同定又は定量する請求項4に記載の検出装置。
  9. 前記制御部は、定量した前記アレルゲンの量が閾値を超えた場合、又は、時間に対する前記アレルゲンの量の傾きが閾値を超えた場合、前記アレルゲンの量を低減するように又は増大しないように環境機器を制御する請求項8に記載の検出装置。
  10. 前記制御部は、時間に対する前記アレルゲンの量の変化を前記アレルゲンの種類ごとに表示する請求項1に記載の検出装置。
  11. 前記複数の半導体センサは、同時に複数のガス成分に関する信号を出力し、
    前記制御部は、前記複数の半導体センサが同時に出力した前記信号を含む前記信号パターンを取得する請求項1に記載の検出装置。
  12. 検出装置が対象空間のアレルゲンを同定又は定量する検出方法であって、
    制御部が、
    同じガス成分に対し相対的に異なる応答特性を示す複数の半導体センサが検出した信号パターンを取得し、
    前記複数の半導体センサから取得した複数の前記信号パターンから、アレルゲンであって、花粉、カビ又はダニである前記アレルゲンを同定又は定量し、
    同定又は定量した結果を出力する検出方法。
  13. コンピュータを、請求項1に記載の検出装置として機能させるためのプログラム。
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