JP7709837B2 - ナノ複合体粒子、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、及び、アナライト測定用キット - Google Patents
ナノ複合体粒子、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、及び、アナライト測定用キットInfo
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Description
そのため、標識物質の標識能力は、イムノアッセイにおける検出能力を左右する重要な要素であるといえる。上記に例示したイムノアッセイにおいても、標識物質として、赤血球(HAの場合)、ラテックス粒子(LIAの場合)、蛍光色素(FIAの場合)、放射性元素(RIAの場合)、酵素(EIAの場合)、化学発光物質(CLIAの場合)等が用いられている。
また、上記着色したラテックス粒子は、色素による着色の効果が低く、目視判定性が不十分であるという問題がある。なお、この問題を解消するために色素の着色量を増やそうとすると、色素がラテックスの表面を覆い、ラテックス粒子本来の表面状態が損なわれるため、抗原又は抗体を結合させるのが困難になるという問題があった。また、メンブレンフィルター等のクロマトグラフ媒体の細孔内に詰まったり、ラテックス粒子が非特異凝集を起こしたりして、色素の着色料を増やして濃く着色することが、必ずしも、性能の向上に結び付かない、という問題もあった。
しかし、これらの方法では、操作が煩雑であり、安定した増幅が難しい。また、特別な装置が必要である等、測定コストがかかることから、適用可能な用途及び使用環境は限定されると考えられる。
例えば、ポリマー系ラテックス粒子の表面に結合した金ナノ粒子からなる着色ラテックスが開示されている(特許文献4)。
ポリマー系ラテックス粒子の表面に金ナノ粒子を結合させることにより、該金ナノ粒子
自身が着色剤として目視判定性や検出感度の向上に役立つ。また、金ナノ粒子自身が抗原
又は抗体に対する結合性にも優れることから、充分な濃色となる程度にまで金ナノ粒子を
結合させても充分な量の抗原又は抗体を結合させ得るとされている。
しかながら、血液等の検体に極めて少ない量しか存在しないが、当該血液を保有する患者の健康に甚大な影響を及ぼすウイルス等の抗原を検出するためには、標識物質単独の視認性の向上に加え、別の技術的アプローチも必要である。
樹脂ナノ粒子と、
前記樹脂ナノ粒子よりも相対的に粒子径の小さな、平均粒子径が1~100nmの複数の金属ナノ粒子と、
前記樹脂ナノ粒子よりも相対的に粒子径の小さな、平均粒子径が1~50nmの複数の磁性ナノ粒子と、
を備え、
平均粒子径が50~1100nmであり、
前記金属ナノ粒子及び前記磁性ナノ粒子が、前記樹脂ナノ粒子に固定化されていることを特徴とする。
メンブレン、及び当該メンブレンに前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマト用テストストリップを用い、下記工程(I)~(IV);
工程(I):試料に含まれる前記アナライトと、該アナライトに特異的に結合する抗体を、上記いずれかのナノ複合体粒子で標識した標識抗体と、を接触させて、アナライトと標識抗体とを含む複合体を得る工程、
工程(II):アナライトと標識抗体とを含む複合体を、磁力により回収する工程、
工程(III):前記工程(II)において回収された、前記アナライトと標識抗体とを含む複合体を、前記ラテラルフロー型クロマト用テストストリップの前記判定部にて、捕捉リガンドに接触させる工程、
工程(IV):前記ナノ複合体粒子の局在型表面プラズモン共鳴及び、電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含む工程を行うことを特徴とする。
メンブレン、及び当該メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマト用テストストリップと、
前記アナライトに特異的に結合する抗体を、上記いずれかのナノ複合体粒子で標識した標識抗体を含む検出試薬と、を含む。
また、ナノ複合体粒子100には、複数の磁性ナノ粒子70が固定化されている。つまり、ナノ複合体粒子100では、樹脂ナノ粒子10及び/又は金属ナノ粒子20に、多数の磁性ナノ粒子70が固定されている。図1に示すように、ナノ複合体粒子100全体の粒子径D1と、樹脂ナノ粒子10の粒子径D2と磁性ナノ粒子70の粒子径D4との関係は、D1>D2>D4である。
なお、図1では、磁性ナノ粒子70の形状を多角形で示し、また、金属ナノ粒子20よりも小さく示しているが、あくまでも説明の便宜のためであり、その形状や大きさは限定されるものではない。また、図1では、樹脂ナノ粒子10及び金属ナノ粒子20の表面に磁性ナノ粒子70が結合している態様を示しているが、あくまでも例示であり、磁性ナノ粒子70の存在状態は限定されるものではなく、例えば樹脂ナノ粒子10の内部に埋包されていてもよい。
金属ナノ粒子20として金粒子を使用する場合、金粒子の平均粒子径は、免疫学的測定用標識物質及び免疫学的測定用試薬として高い検出感度を得る観点から、好ましい下限は、1nmであり、より好ましくは3nmである。一方、好ましい上限は、70nmであり、より好ましくは50nmである。
金属ナノ粒子20として白金粒子を使用する場合、白金粒子の平均粒子径は、免疫学的測定用標識物質及び免疫学的測定用試薬として高い検出感度を得る観点から、好ましい下限は、1nmであり、より好ましくは2nmであり、さらに好ましくは3nmである。一方、好ましい上限は、50nmであり、より好ましくは20nmであり、さらに好ましくは15nmである。
ここで、金属ナノ粒子20の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測長される。
ここで、磁性ナノ粒子70の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測長される。
なお、磁性ナノ粒子70としては、例えば、酸化鉄磁性ナノ粒子(Iron Oxide Nanoparticles、シグマアルドリッチジャパン合同会社)などの市販品を好ましく利用できる。
また、アクリル酸重合体のようなカルボン酸基含有ポリマー及びポリスチレンスルホン酸のようなスルホン酸基含有ポリマー(以下、併せて「カチオン性イオンを吸着可能なポリマー」という。)は、含有するカルボン酸基及びスルホン酸基により、Au+、Pt2+のようなカチオン性イオンを化学吸着することができるため、好ましい。例えば、化学吸着したAu+、Pt2+を還元し、金属ナノ粒子20 (この場合、金粒子や白金粒子)を形成することで、上記含窒素ポリマー粒子と同様な構造を作製することが可能である。その他、銀、銅、パラジウム、スズ、ロジウム、イリジウムなどの金属の前駆体であるカチオン性イオンを使用することができる。
一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂ナノ粒子10として、例えばポリスチレン等も使用することができる。しかし、この場合、比較的前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属ナノ粒子20の大部分は、表面吸着粒子50となる。表面吸着粒子50は、樹脂ナノ粒子10との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂ナノ粒子10から金属ナノ粒子20が脱離しやすい傾向にある。上記含窒素ポリマーは、主鎖又は側鎖に窒素原子を有する樹脂であり、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリペプチド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン、メラミン樹脂等がある。好ましくは、ポリ-2-ビニルピリジン、ポリ-3-ビニルピリジン、ポリ-4-ビニルピリジン等のポリアミンである。また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等幅広く利用することが可能である。また、上記カチオン性イオンを吸着可能なポリマーは、主鎖又は側鎖に、カルボン酸基、スルホン酸基等を有する樹脂であり、例えば、ポリアクリル酸、カルボン酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、セルロース等幅広く利用することができる。
上記含窒素ポリマーなどのアニオン性イオンを吸着可能なポリマー及びカチオン性イオンを吸着可能なポリマーは、公知の重合性モノマーとの共重合体であっても良い。ここで、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、重合体同士が架橋したものが例示される。また、2種類以上のモノマーを共重合させて樹脂ナノ粒子10を形成しても良いし、樹脂ナノ粒子10の表面に存在する官能基にモノマーを反応させ、それを重合活性末端としてさらに重合させても良い。その共重合組成は限定しないが、前記金属イオンを吸着することが可能な置換基を含有するモノマーが10mol%以上であることが好ましい。より好ましくは50mol%以上である。
重合性モノマーとしては、ナノ複合体粒子100の用途に応じて制限なく選択することができる。例えば、樹脂ナノ粒子10の形状、サイズの均一性および分散安定性の向上の用途では、界面活性剤としての特性を有する重合性モノマーを使用することができる。このような重合性モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられる。また、樹脂ナノ粒子10の機械的強度や形状の安定性の向上の用途では、ジビニルベンゼン、スチレン等の疎水性の重合性モノマーを使用することができる。
また、上記樹脂ナノ粒子10が、エステル結合等の加水分解可能な基を有する場合、これを酸処理やアルカリ処理をすることで、部分的に加水分解を行っても良い。加水分解により、樹脂ナノ粒子10の表面にカルボキシル基等のカチオン性イオンを吸着可能な基が発生し、金属イオンを吸着する効果が得られるので、好ましい。酸としては、公知の酸を使用することができる。加水分解反応の促進の観点から、強酸性の塩酸、硫酸などが好ましい。アルカリとしては、公知のアルカリを使用することができる。加水分解反応の促進の観点から、強アルカリ性の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などが好ましい。
例えば、ナノ複合体粒子100を免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬に使用する場合、樹脂ナノ粒子10の表面又は一部露出粒子40もしくは表面吸着粒子50の表面に、抗原、抗体又はブロッキング剤を固定化して使用する。その際、一部露出粒子40及び表面吸着粒子50には、前記抗原、抗体又はブロッキング剤が固定化される一方で、内包粒子30には、固定化されにくいと考えられる。しかし、一部露出粒子40、表面吸着粒子50及び内包粒子30のいずれも局在型表面プラズモン共鳴に加え、電子遷移による光エネルギー吸収を発現することから、一部露出粒子40及び表面吸着粒子50のみならず、内包粒子30も、免疫学的測定用標識物質及び免疫学的測定用試薬の視認性向上に寄与する。さらに、一部露出粒子40及び内包粒子30は、表面吸着粒子50と比較して樹脂ナノ粒子10との接触面積が大きいことに加え、埋包状態によるアンカー効果等が奏されるため、物理的吸着力が強く、樹脂ナノ粒子10から脱離しにくい。また、一部露出粒子40もしくは表面吸着粒子50に吸着した抗原、抗体又はブロッキング剤は、金属と配位結合するため、脱離しにくい。そのため、ナノ複合体粒子100を使用した免疫学的測定用標識物質及び免疫学的測定用試薬の耐久性、安定性を優れたものにすることができる。
また、表層部60に存在する金属ナノ粒子20の5~90wt%が、一部露出粒子40又は表面吸着粒子50であることが、金属ナノ粒子20上への抗体又は抗原の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高くなり好ましい。換言すれば、表層部60に存在する金属ナノ粒子20の10~95wt%が内包粒子30であることがよい。
前者の一形態として、樹脂ナノ粒子10の表面に、複数の磁性ナノ粒子70が、相互に接触して連続的な膜を形成しても良い。
後者の一形態として、樹脂ナノ粒子10をシェルとし、磁性ナノ粒子70をコアとする、コア-シェル構造を形成しても良い。また、磁性ナノ粒子70の一部が樹脂ナノ粒子10の内部において三次元的に分布していてもよい。この場合、三次元的に分布した磁性ナノ粒子70の一部が部分的に樹脂ナノ粒子10外に露出していてもよく、残りの一部が樹脂ナノ粒子10に内包されていてもよい。
より好ましくは、保存安定性の観点で、磁性ナノ粒子70が、前記樹脂ナノ粒子10及び金属ナノ粒子20からなる金属-樹脂複合体(つまり、ナノ複合体粒子100から磁性ナノ粒子70を除いたもの)の表面に固定化されていることがよい。
また、樹脂ナノ粒子10の表面に磁性ナノ粒子70を固定化する場合、磁性ナノ粒子70と樹脂ナノ粒子10との接触状態は、特に制限はなく、静電相互作用などによる物理吸着でもよいし、水素結合、配位結合、共有結合等の化学吸着でもよい。好ましくは、結合安定性の観点から、樹脂ナノ粒子10又は金属ナノ粒子20と磁性ナノ粒子70とが公知のリンカー(Linker)との化学結合を介して接触していることがよい。
ここでリンカーは公知の物質又は結合が適用できる。例えば、アミド結合、エーテル結合、飽和又は不飽和の炭素-炭素結合が挙げられる。
ナノ複合体粒子100の製造方法は、特に限定されないが、以下、好ましい方法として、まず、樹脂ナノ粒子10及び金属ナノ粒子20からなる金属-樹脂複合体を作製し、次に、金属-樹脂複合体に磁性ナノ粒子70を固定する方法について説明する。
また、金属ナノ粒子20として白金粒子を生成させる場合は、白金イオンを含有する溶液としては、塩化白金酸(H2PtCl6)水溶液、塩化白金(PtCl2)溶液等が挙げられる。また、白金イオンの代わりに白金錯体を用いても良い。
また、前記溶液に、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物、界面活性剤、アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、これらのモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、グリセリン等のポリオール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の各種水混和性有機溶媒等の添加剤を添加してもよい。
このような添加剤は、金属イオンの還元反応速度を促進し、また生成される金属ナノ粒子20の大きさを制御するのに有効となる。
還元剤溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加したり、溶液のpHを調整したりすることができる。pH調整は、例えば、ホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを用いて行うことができる。
さらに、還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、生成する金属ナノ粒子20の粒径をコントロールすることができる。
さらに、ホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリによりpHを調整し、分散性を保持することができる。
例えば、金属-樹脂複合体をPoly-L-lysine、Poly-D-lysine、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等のカチオン性ポリマーでコーティングして表面にアミノ基を有する金属-樹脂複合体(以下、「アミノ基含有複合粒子」という。)を合成する。一方、磁性ナノ粒子70をクエン酸、酒石酸、アスコルビン酸等のヒドロキシ酸でキャッピングして表面にカルボキシル基を有する磁性ナノ粒子70(以下、「カルボキシル基含有磁性粒子」という。)を合成する。そして、アミノ基含有複合粒子及びカルボキシル基含有磁性粒子を反応させてアミド結合を形成する。ここで、アミド結合の形成は公知の方法を使用することができる。例えば、1-エチル-3-(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N’,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを架橋剤として使用してもよい。
また、磁性ナノ粒子70をアミノアルキルトリアルコキシシラン等の公知のアミノ基含有シランカップリング剤で処理をして、表面をアミノ基で修飾した磁性ナノ粒子70として用いてもよい。また、前記表面をアミノ基で修飾した磁性ナノ粒子70を公知の酸無水物で処理をしてカルボキシル基含有磁性粒子として用いてもよい。
物理吸着としては、例えば、抗原又は抗体を含む緩衝液中にナノ複合体粒子100を浸漬させ、インキュベートする方法、緩衝液中にナノ複合体粒子100を浸漬させ、更に抗原又は抗体を加える方法等が挙げられる。
化学吸着としては、抗原又は抗体にSH基を導入し、ナノ複合体粒子100と反応させて金属-SH結合を形成する方法、ナノ複合体粒子100の表面にカルボキシル基を導入した後、スクシンイミジル化し抗原又は抗体のアミノ基と反応させ化学結合を形成する方法等が挙げられる。ナノ複合体粒子100の表面にカルボキシル基を導入する化合物は、例えばアミノ基、SH基、カルボニル、アミド、イミドなどの金属と配位結合性のある官能基とカルボキシル基の両方を有する化合物が適している。金属との配位結合が強固であるという理由から、官能基としてはSH基が好ましく、SH基とカルボキシル基を両末端に持つ化合物としては、例えばメルカプトプロピオン酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトラウリン酸などが挙げられる。また、金属と配位結合性のある官能基とカルボキシル基を一分子内に複数有する高分子化合物は、ナノ複合体粒子100と安定した結合を得られやすい。例えばグルタミン酸やアスパラギン酸のポリペプチドであるポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸は、ナノ複合体粒子100の表面にカルボキシル基を導入するための高分子化合物としてより好ましい。
まず、図2を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るラテラルフロー型クロマト用テストストリップ(以下、単に「テストストリップ」と記すことがある)について説明する。このテストストリップ200は、後述するように、本発明の一実施の形態のアナライトの測定方法に好ましく使用できるものである。
テストストリップ200に使用されるメンブレン110としては、一般的なテストストリップにおいてメンブレン材料として使用されるものを適用可能である。メンブレン110は、例えば毛管現象を示し、試料を添加すると同時に、試料が展開するような微細多孔性物質からなる不活性物質(アナライト160、各種リガンドなどと反応しない物質)で形成されているものである。メンブレン110の具体例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、セルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはセルロース誘導体やナイロンで構成される膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等が用いられ、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙が用いられる。
テストストリップ200は、アナライト160を含む試料を添加するための試料添加部120を有していてもよい。試料添加部120は、テストストリップ200に、アナライト160を含む試料を受け入れるための部位である。試料添加部120は、試料が展開する方向において、判定部130よりも上流側のメンブレン110に形成されていてもよいし、あるいは、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、綿布などの材料で構成された試料添加パッドがメンブレン110に設けられて試料添加部120を構成していてもよい。
判定部130には、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されている。捕捉リガンド131は、アナライト160と特異的な結合を形成するものであれば特に制限なく使用でき、例えばアナライト160に対する抗体などを好ましく用いることができる。捕捉リガンド131は、テストストリップ200に試料を提供した場合においても、判定部130から移動することがないように不動化している。捕捉リガンド131は、物理的又は化学的な結合や吸着等によって、メンブレン110に直接的又は間接的に固定されていればよい。
吸液部140は、例えば、セルロ-ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等の吸水性材料のパッドにより形成される。添加された試料の展開前線(フロントライン)が吸液部140に届いてからの試料の移動速度は、吸液部140の材質、大きさなどにより異なるものとなる。従って、吸液部140の材質、大きさなどの選定により、アナライト160の検出・定量に最適な速度を設定することができる。なお、吸液部140は任意の構成であり、省略してもよい。
図示は省略するが、テストストリップ200は、メンブレン110に、試料が展開する方向において、判定部130よりも下流側に、標識抗体150と特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなるコントロール部が形成されていてもよい。判定部130とともに、コントロール部でも発色強度が測定されることにより、テストストリップ200に供した試料が展開して、反応部及び判定部130に到達し、検査が正常に行われたことを確認することができる。なお、コントロール部は、捕捉リガンド131の代わりに、標識抗体150と特異的に結合する別の種類の捕捉リガンドを用いることを除いては、上述の判定部130と同様にして作製され、同様の構成を採ることができる。
次に、テストストリップ200を用いて行われる本発明の一実施の形態のアナライト160の測定方法について説明する。
工程(I):試料に含まれる前記アナライト160と、該アナライト160に特異的に結合する抗体をナノ複合体粒子100で標識した標識抗体150と、を接触させる工程、
工程(II):アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、磁力により回収する工程、
工程(III):工程(II)において回収された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、テストストリップ200の判定部130にて捕捉リガンド131に接触させる工程、
工程(IV):ナノ複合体粒子100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含むことができる。
工程(I)は、試料に含まれるアナライト160を、標識抗体150に接触させる工程である。アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成する限り、接触の態様は特に限定されるものではない。例えば、テストストリップ200に試料を供する前に、試料中のアナライト160を標識抗体150に接触させてもよい。なお、前述の通り、本発明のナノ複合体粒子100は、特に通常であれば検出限界以下の、血液、尿、唾液、環境水等の検体に極めて少ない量しか存在しない抗原(抗体)に対しても、抗原-抗体反応を起こした後に磁気的に濃縮をかけることで、検出することが可能となることから、低濃度の抗原(抗体)を有する検体中で、試料中のアナライト160を標識抗体150に接触させることが、好ましい態様である。もちろん、中~高濃度の抗原(抗体)を有する検体中で接触させることができることは、言うまでもない。
工程(II)は、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、磁力により回収する工程である。例えば、前記抗原(抗体)を有する検体中に公知の磁石を用いて磁力を加えることで、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を検体中で局所的に濃縮し、回収することができる。なお、回収の際に遠心分離法を併用してもよい。
工程(III)は、工程(II)において回収された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、テストストリップ200の試料添加部120に供し、テストストリップ200上で展開する。このようにして、テストストリップ200の判定部130において、複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる。複合体170を、捕捉リガンド131に接触させると、捕捉リガンド131は、複合体170のアナライト160に特異的に結合する。その結果、複合体170が判定部130において捕捉される。
工程(IV)は、ナノ複合体粒子100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程である。上記工程(III)又は必要に応じて洗浄工程を実施した後、テストストリップ200において、ナノ複合体粒子100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する。
本実施の形態のアナライトの測定方法における試料は、アナライト160として、蛋白質などの抗原となり得る物質を含むものである限り特に限定されるものではない。例えば、目的のアナライト160を含む生体試料(すなわち、全血、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、鼻腔又は咽頭拭い液、髄液、羊水、乳頭分泌液、涙、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び便からの抽出液等)や食品の抽出液等が挙げられる。必要に応じて、標識抗体150及び捕捉リガンド131とアナライト160との特異的な結合反応が生じやすくするために、上記工程(I)に先立って、試料に含まれるアナライト160を前処理してもよい。ここで、前処理としては、酸、塩基、界面活性剤等の各種化学薬品等を用いた化学的処理や、加熱・撹拌・超音波等を用いた物理的処理が挙げられる。特に、アナライト160がインフルエンザウィルスNP抗原等の、通常は表面に露出していない物質である場合、界面活性剤等による処理を行うことが好ましい。この目的に使用される界面活性剤として、特異的な結合反応、例えば、抗原抗体反応等の捕捉リガンド131とアナライト160との結合反応性を考慮して、非イオン性界面活性剤を用いることができる。
標識抗体150は、工程(I)において、試料に含まれるアナライト160に接触させて、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成するために使用される。標識抗体150は、アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂ナノ粒子10に複数の金属ナノ粒子20及び磁性ナノ粒子70が固定化された構造を有するナノ複合体粒子100で標識化してなるものである。ここで、「標識化」とは、工程(I)~(IV)において、標識抗体150からナノ複合体粒子100が脱離しない程度に、抗体にナノ複合体粒子100が直接的に又は間接的に、化学的又は物理的な結合や吸着等で固定されていることを意味する。例えば、標識抗体150は、抗体にナノ複合体粒子100が直接結合してなるものであってもよいし、ナノ複合体粒子100が、任意のリンカー分子を介して結合してなるものや、それぞれが不溶性粒子に固定されてなるものであってもよい。
次に、標識抗体150の好ましい作製方法を挙げて説明する。標識抗体150の製造は、少なくとも、次の工程A;
工程A)ナノ複合体粒子100を第1のpH条件で抗体と混合して結合させることによって、標識抗体150を得る工程
を含み、好ましくは、さらに工程B;
工程B)標識抗体150を第2のpH条件で処理する工程
を含むことができる。
工程Aでは、ナノ複合体粒子100を第1のpH条件で抗体と混合して標識抗体150を得る。工程Aは、固体状のナノ複合体粒子100を液相中に分散させた状態で抗体と接触させることが好ましい。
工程Bでは、工程Aで得られた標識抗体150を第2のpH条件で処理することによって、標識抗体150への非特異的な吸着を抑制するブロッキングを行う。この場合、固液分離手段によって分取しておいた標識抗体150を、第2のpH条件で液相中に分散させる。
洗浄処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に洗浄用緩衝液を添加し、洗浄用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。洗浄用緩衝液としては、特に限定されるものではないが、例えばpH8~9の範囲内に調整した所定濃度の、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液などを用いることができる。洗浄用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の洗浄処理は、必要に応じて複数回を繰り返し行うことができる。
保存処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に保存用緩衝液を添加し、保存用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。保存用緩衝液としては、例えば、洗浄用緩衝液に、所定濃度の凝集防止剤及び/又は安定剤を添加した溶液などを用いることができる。凝集防止剤としては、例えば、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースに代表される糖類や、グリセリン、ポリビニルアルコールに代表される多価アルコールなどを用いることができる。安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質を用いることができる。このようにして標識抗体150の保存処理を行うことができる。
本発明の一実施の形態に係るアナライト測定用キットは、例えばテストストリップ200を用いて、本実施の形態のアナライトの測定方法に基づき、試料中に含まれるアナライト160の検出又は定量するためのキットである。
メンブレン110と、
メンブレン110に、前記アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200と、
アナライト160に特異的に結合する抗体をナノ複合体粒子100で標識した標識抗体150を含む検出試薬と、
を含んでいる。本実施の形態のアナライト測定用キットは、必要に応じて、さらにその他の構成要素(例えば展開液など)を含むものであってもよい。
金属-樹脂複合体の吸光度は、石英ガラス製セル(光路長10mm)に0.01wt%に調製した金属-樹脂複合体分散液(分散媒:水)を入れ、分光光度計(島津製作所社製、UV3600)を用いて、金-樹脂複合体の場合570nm、白金-樹脂複合体の場合400nmの吸光度を測定した。
磁製るつぼに濃度調整前の分散液1gを入れ、70℃、3時間乾燥を行った。乾燥前後の重量を測定し、下記式により固形分濃度を算出した。
担持量M又はM1(wt%)=
[熱処理後の重量(g)/熱処理前の重量(g)]×100
M2(wt%)=[(M-M1)/(100-M1)]×100
樹脂ナノ粒子、金属-樹脂複合体粒子又はナノ複合体粒子の分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュへ滴下して作成した基板を、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU-9000)により観測した画像から、任意の100個の樹脂ナノ粒子、金属-樹脂複合体粒子又はナノ複合体粒子の面積平均径を測定した。
ナノ複合体粒子分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュへ滴下して作成した基板を、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU-9000)により観測した画像から、任意の100個の金属ナノ粒子の面積平均径を測定し平均粒子径とした。
ナノ複合体粒子分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュへ滴下して作成した基板を、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU-9000)により観測した画像から、任意の100個の磁性ナノ粒子の面積平均径を測定し平均粒子径とした。
ゼータ電位は、測定装置として、Malvern社製 Zetasizer Nano-ZSを用い、電気泳動光散乱法により測定した。サンプルを純水で0.01wt%に希釈し、塩酸又はNaOH水溶液を用いてpH3~10における各pH値に調整したものを測定サンプルとする。pHメーター(HORIBA LAQUA twin)を用いてpH測定した後、ゼータ電位測定を行うことによって、pH3~10の複数点のpHにおけるゼータ電位の変化の挙動を測定した。pH3~6の酸性領域におけるゼータ電位の最大値とpH6~10のアルカリ性領域におけるゼータ電位の最小値からゼータ電位の変化幅を算出した。また、ゼータ電位が0mVに近い、0mVより大きい任意の1点のゼータ電位、及び、0mVより小さい任意の1点のゼータ電位を結ぶ1次関数を求め、ゼータ電位が0mVとなるpH、すなわちゼロ電荷点(zero point of charge)を算出した。
<樹脂ナノ粒子の合成>
トリオクチルアンモニウムクロリド(1.50g)及びポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(10.00g)を300gの純水に溶解した後、2-ビニルピリジン(48.00g)及びジビニルベンゼン(2.00g)を加え、窒素気流下において30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.250g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径359nmの樹脂ナノ粒子A-1を得た。遠心分離(9000rpm、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させた後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂ナノ粒子分散液B-1を得た。
<白金-樹脂複合体粒子の合成>
B-1(91.5g)に純水54gを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(100g)を加え、30℃で3時間撹拌した。この混合液を24時間静置した後、遠心分離(3000rpm、30分)によりA-1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度を調整して、5wt%の白金イオン吸着樹脂粒子分散液C-1を得た。
走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察したところ、この白金-樹脂複合体粒子F-1において、白金ナノ粒子は、樹脂ナノ粒子に完全に内包された内包白金粒子と、樹脂ナノ粒子内に埋包された部位及び樹脂ナノ粒子外に露出した部位を有する一部露出白金粒子と、を含んでおり、少なくとも一部の白金ナノ粒子が、樹脂ナノ粒子の表層部において三次元的に分布していた。なお、白金ナノ粒子は、樹脂ナノ粒子の表面から、深さ方向に粒子半径の40%の範囲には97%存在した。
白金-樹脂複合体粒子F-1にε-Poly-L-lysine(PLL)をコーティングして、PLL被覆白金-樹脂複合体を得た。このPLL被覆白金-樹脂複合体は、表面にアミノ基を有する。一方、磁性ナノ粒子である超常磁性Fe3O4ナノ粒子(平均粒子径約15nm)とクエン酸を反応させ、クエン酸キャップFe3O4ナノ粒子(SPIONs)を得た。このクエン酸キャップFe3O4ナノ粒子は、表面にカルボキシル基を有する。このPLL被覆白金-樹脂複合体及び、クエン酸キャップFe3O4ナノ粒子を、1-エチル-3-(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を用いたEDCカップリング反応を行い、白金-樹脂複合体粒子F-1にFe3O4ナノ粒子がアミド結合により接触し、固定化されたナノ複合体粒子G-1を合成した。ナノ複合体粒子G-1の平均粒子径は380nmであった。また、磁性ナノ粒子の担持量は、10wt%であった。
<金-樹脂複合体粒子の合成>
B-1(91.5g)に純水255gを加えた後、400mM塩化金酸水溶液(147g)を加え、室温で3時間撹拌した。この混合液を遠心分離(3000rpm、30分)によりA-1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度を調整して、2.5wt%の金イオン吸着樹脂粒子分散液C-2を得た。
走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察したところ、この金-樹脂複合体粒子F-2において、金ナノ粒子は、樹脂ナノ粒子に完全に内包された内包金粒子と、樹脂ナノ粒子内に埋包された部位及び樹脂ナノ粒子外に露出した部位を有する一部露出金粒子と、を含んでおり、少なくとも一部の金ナノ粒子が、樹脂ナノ粒子の表層部において三次元的に分布していた。なお、金ナノ粒子は、樹脂ナノ粒子の表面から、深さ方向に粒子半径の40%の範囲には97%存在した。
金-樹脂複合体粒子F-2にε-Poly-L-lysine(PLL)をコーティングして、PLL被覆金-樹脂複合体を得た。このPLL被覆金-樹脂複合体は、表面にアミノ基を有する。一方、磁性ナノ粒子である超常磁性Fe3O4ナノ粒子(平均粒子径約15nm)とクエン酸を反応させ、クエン酸キャップFe3O4ナノ粒子(SPIONs)を得た。このクエン酸キャップFe3O4ナノ粒子は、表面にカルボキシル基を有する。このPLL被覆金-樹脂複合体及び、クエン酸キャップFe3O4ナノ粒子を、1-エチル-3-(-3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を用いたEDCカップリング反応を行い、金-樹脂複合体粒子F-2にFe3O4ナノ粒子がアミド結合により接触し、固定化されたナノ複合体粒子G-2を合成した。ナノ複合体粒子G-2の平均粒子径は380nmであった。また、磁性ナノ粒子の担持量は、11wt%であった。
(標識抗体分散液の調製)
抗CRPモノクローナル抗体(CalBioReagents社 #M353)25μgと100mM ホウ酸水溶液(pH8.5)0.45mLを混合した後、500μgのナノ複合体粒子G-1を含む分散液を添加した。室温で30分間転倒撹拌を行い、ナノ複合体粒子G-1に抗CRPモノクローナル抗体を結合させた。
次に、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物にブロックエース(DSバイオファーマ製)の1wt%水溶液0.5mLを添加し、10秒間超音波分散処理を行った。室温で30分間転倒撹拌を行い、ブロック処理を行った。
次に、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤を含む50mMのTris水溶液(pH8)0.5mLを添加し、10秒間超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理を行った。
次に、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤および、5wt%のスクロースを含む50mMのTris水溶液(pH8)0.5mLを添加し、10秒間超音波分散処理を行うことによって、抗CRPモノクローナル抗体をナノ複合体粒子G-1で標識した標識抗体分散液を得た。
幅25mmのニトロセルロース製のメンブレン3の中央に、抗CRPモノクローナル抗体(CalBioReagents社 #M354)を塗布し、判定部としてのテストライン(TL)4を描画した。さらに、テストライン4の3mm下流側に抗マウスIgG抗体を塗布してコントロール部としてのコントロールライン5を描画した。50℃で乾燥した後、図3に示すイムノクロマトストリップの断面図の通りに、支持体1(ラミネートフィルム)、試料添加部2(ガラスファイバー不織布)および吸液部6(コットン不織布)を積層した。最後に、3.5mm幅にカットしてイムノクロマトストリップを作製した。
50mMのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、150mMの塩化ナトリウム、1.0wt%のウシ血清アルブミンおよび2.0wt%のセテス20を含有する水溶液(pH7.1)を調製し、展開液とした。
(イムノクロマト法による評価)
展開液を用いてCRP抗原(BIO-RAD CRP Ag HP抗原)を所定濃度に希釈することにより、CRP陽性コントロールの検体液を調製した。陰性コントロールの検体液には、抗原を非添加の展開液を使用した。検体液50μlに標識抗体分散液3μlを混合し、そのうち35μlをイムノクロマトストリップの試料添加部2に滴下し、試料を展開させた。検体液を滴下してから30分経過後のテストライン4の発色強度を、イムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。テストライン4の発色強度について、13mABS以上を陽性(+)、3mABS以上13mABS未満を擬陽性(±)、3mABS未満を陰性(-)と判定した。イムノクロマト法による評価結果を下表に示す。評価の結果、抗CRPモノクローナル抗体をナノ複合体粒子G-1で標識した標識抗体を用いたイムノクロマト法により、CRP抗原濃度1.2ng/mlまで陽性判定可能であった。
(磁気分離による10倍濃縮)
所定濃度に希釈したCRP陽性コントロールおよび陰性コントロールの検体液10mlに対して、標識抗体分散液60μlを混合して、検体液と標識抗体の混合液を調製した。磁気分離カラムおよびマグネットを用いて磁気分離濃縮を行い、検体液と標識抗体の10倍濃縮液1mlを調製した。
(イムノクロマト法による評価)
10倍濃縮液1mlのうち35μlをイムノクロマトストリップの試料添加部2に滴下し、上記の実施例と同様に評価を行った。磁気分離による10倍濃縮を併用したイムノクロマト法による評価結果を下表に示す。評価の結果、磁気分離による10倍濃縮を併用した場合、CRP抗原濃度0.3ng/mlまで陽性判定可能であった。
(磁気分離による40倍濃縮)
所定濃度に希釈したCRP陽性コントロールおよび陰性コントロールの検体液40mlに対して、標識抗体分散液60μlを混合して、検体液と標識抗体の混合液を調製した。磁気分離カラムおよびマグネットを用いて磁気分離濃縮を行い、検体液と標識抗体の40倍濃縮液1mlを調製した。
(イムノクロマト法による評価)
40倍濃縮液1mlのうち35μlをイムノクロマトストリップの試料添加部2に滴下し、上記の実施例と同様に評価を行った。磁気分離による40倍濃縮を併用したイムノクロマト法による評価結果を下表に示す。評価の結果、磁気分離による40倍濃縮を併用した場合、CRP抗原濃度0.08ng/mlまで陽性判定可能であった。
2 試料添加部
3 メンブレン
4 テストライン(TL)
5 コントロールライン
6 吸液部
10 樹脂ナノ粒子
20 金属ナノ粒子
30 内包粒子
40 一部露出粒子
50 表面吸着粒子
60 表層部
70 磁性ナノ粒子
100 ナノ複合体粒子
110 メンブレン
120 試料添加部
130 判定部
131 捕捉リガンド
140 吸液部
150 標識抗体
160 アナライト
170 複合体
200 テストストリップ
Claims (12)
- 樹脂ナノ粒子と、
前記樹脂ナノ粒子よりも相対的に粒子径の小さな、平均粒子径が1~100nmの複数の金属ナノ粒子と、
前記樹脂ナノ粒子よりも相対的に粒子径の小さな、平均粒子径が1~50nmの複数の磁性ナノ粒子と、
を備え、
平均粒子径が50~1100nmであり、
前記金属ナノ粒子が、前記樹脂ナノ粒子に固定化されているとともに、前記磁性ナノ粒子が、前記樹脂ナノ粒子及び/又は前記金属ナノ粒子の表面に固定化されていることを特徴とする、ナノ複合体粒子。 - 前記金属ナノ粒子が、金、銀、銅、パラジウム、白金、スズ、ロジウム、イリジウム又はこれらの合金の粒子である、請求項1に記載のナノ複合体粒子。
- 前記磁性ナノ粒子が、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、Fe2O3、Fe3O4、AFe2O4(ここで、AはMn、Co、Ni、Cu又はZnを意味する)、FePt、CoPt、FeNi、またはFeCoである、請求項1または2に記載のナノ複合体粒子。
- 前記樹脂ナノ粒子が、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子である、請求項1~3のいずれか1項に記載のナノ複合体粒子。
- 前記金属ナノ粒子の中の少なくとも一部の粒子が、前記樹脂ナノ粒子の表層部において三次元的に分布している、請求項1~4のいずれか1項に記載のナノ複合体粒子。
- 前記金属ナノ粒子の60wt%~100wt%が、前記表層部に存在する、請求項5に記載のナノ複合体粒子。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のナノ複合体粒子を備えたことを特徴とする、標識物質。
- 前記ナノ複合体粒子の表面に、抗原または抗体を吸着させて使用するものである、請求項7に記載の標識物質。
- 請求項7又は8に記載の標識物質を用いることを特徴とする、免疫学的測定法。
- 請求項7又は8に記載の標識物質を用いることを特徴とする、免疫学的測定用試薬。
- 試料中に含まれるアナライトを検出又は定量するアナライトの測定方法であって、
メンブレン、及び当該メンブレンに前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマト用テストストリップを用い、下記工程(I)~(IV);
工程(I):試料に含まれる前記アナライトと、該アナライトに特異的に結合する抗体を、請求項1に記載のナノ複合体粒子で標識した標識抗体と、を接触させて、前記アナライトと前記標識抗体とを含む複合体を得る工程、
工程(II):前記アナライトと前記標識抗体とを含む複合体を、磁力により回収する工程、
工程(III):前記工程(II)において回収された、前記アナライトと前記標識抗体とを含む複合体を、前記ラテラルフロー型クロマト用テストストリップの前記判定部にて、前記捕捉リガンドに接触させる工程、
工程(IV):前記ナノ複合体粒子の局在型表面プラズモン共鳴及び、電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含む工程を行うことを特徴とするアナライトの測定方法。 - ラテラルフロー型クロマト用テストストリップを用いて、試料中に含まれるアナライトを検出又は定量するためのアナライト測定用キットであって、
メンブレン、及び当該メンブレンに、前記アナライトと特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなる判定部を含むラテラルフロー型クロマト用テストストリップと、
前記アナライトに特異的に結合する抗体を、請求項1に記載のナノ複合体粒子で標識
した標識抗体を含む検出試薬と、
を含むアナライトを検出又は定量するためのアナライト測定用キット。
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