発明の詳細な説明
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子における、特に発光体として、使用に適したイリジウム錯体に関するものである。
従来技術によると、燐光有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)に使用される三重項発光体は、特に、芳香族配位子を有する、ビス-およびトリス-オルト-金属化錯体である。そのような錯体の例としては、トリス(フェニルピリジル)イリジウム(III)、および多数の関連する錯体(例えば、1-または3-フェニルイソキノリン配位子、2-フェニルキノリン配位子、フェニルカルベン配位子とのもの)が挙げられる。この種の錯体は、また、多脚配位子を有するとして知られ、例えばUS7,332,232およびWO2016/124304に開示される。
本発明の目的は、OLEDにおける使用のための発光体として好適であり、良好な寿命および効率を有する、新規で、特に改良された金属錯体を提供することである。
驚くべきことに、この目的は、三脚型四座配位子および1つの二座または2つの単座配位子を含む、以下に示される金属錯体によって解決され、これは、有機エレクトロルミネッセンス素子における使用に非常に適していることがわかってきた。それゆえ、本発明は、これらの金属錯体およびこれらの錯体を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するものである。
本発明は、式(1)の化合物を提供する。
ここで、使用される記号および添え字は以下のとおりである:
L1は、1つの炭素原子および1つの窒素原子を介して、または2つの炭素原子を介して、イリジウムに配位する二座副配位子であり;
L2、L3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~14の芳香族環原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基または5~7の環原子を有するヘテロ脂環式基(これらのそれぞれは炭素原子または窒素原子を介してイリジウムに配位し、これらのそれぞれはアリールもしくはヘテロアリール基またはヘテロ脂環式基の部分であり、かつこれらは1以上のRラジカルによって置換されていてもよい)から選択され;
L4は、二座配位子であるか、または出現毎に同一であるかまたは異なり、単座配位子であり;
aは、L4が二座配位子である場合に1であり、L4が単座配位子である場合に2であり;
Vは、式(2)または(3)の基であり
ここで、点線の結合は、それぞれ、副配位子L1、L2およびL3への結合の位置を示し、かつ、さらに:
Aは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CR2-CR2または以下の式(4)の基であり
ここで、それぞれのケースにおいて点線の結合は、副配位子L1、L2またはL3への結合の位置を示し、かつ、*は、式(2)の中央の三価のアリールもしくはヘテロアリール基への、または式(3)の中央のシクロヘキサン基への、式(4)の単位の結合位置を示し;
X1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり;
X2は、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであるか;または、2つの隣接するX2基が共にNR、OまたはSであり、それによって5員環を形成し、かつ残りのX2基が、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであるか;または、環中でX3基のうちの1つがNである場合に2つの隣接するX2基が共にCRまたはNであり、それによって5員環を形成し、かつ残りのX2基が、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり;ただし、それぞれの環中で2以下の隣接するX2基がNであり;
X3は、同一の環中で出現毎にCであるか、または1つのX3基がNであり、かつ同一の環中の他のX3基がCであり;ただし、環中でX3基のうちの1つがNである場合2つの隣接するX2基は共にCRまたはNであり;
Rは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R1)2、OR1、SR1、CN、NO2、COOH、C(=O)N(R1)2、Si(R1)3、Ge(R1)3、B(OR1)2、C(=O)R1、P(=O)(R1)2、S(=O)R1、S(=O)2R1、OSO2R1、1~20の炭素原子を有する直鎖のアルキル基または2~20の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基または3~20の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基は、それぞれのケースにおいて、1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよく、かつ、ここで、1以上の非隣接のCH2基が、Si(R1)2、C=O、NR1、O、SまたはCONR1によって置き換えられていてもよい)、または5~40の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり;同時に、2つのRラジカルが共に環系を形成していてもよく;
R1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、N(R2)2、OR2、SR2、CN、NO2、Si(R2)3、Ge(R2)3、B(OR2)2、C(=O)R2、P(=O)(R2)2、S(=O)R2、S(=O)2R2、OSO2R2、1~20の炭素原子を有する直鎖のアルキル基または2~20の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基または3~20の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基は、それぞれのケースにおいて、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよく、かつ、ここで、1以上の非隣接のCH2基がSi(R2)2、C=O、NR2、O、SまたはCONR2によって置き換えられていてもよい)、または5~40の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり;同時に、2以上のR1ラジカルが共に環形を形成していてもよく;
R2は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、Fまたは1~20の炭素原子を有する、脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族有機ラジカル、特にヒドロカルビルラジカル(ここで、1以上の水素原子がFによって置き換えられていてもよい)である。
したがって、錯体は、1つの二座および2つの単座副配位子、および1つの二座または2つの単座配位子を有する三脚型四座配位子を有する。ここで、「二座副配位子」が意味するものは、錯体中の副配位子が2つの配位サイトを介してイリジウムに配位または結合するものであり、「単座副配位子」が意味するものは、副配位子が1つの配位サイトを介してイリジウムに配位または結合するものである。「三脚型」は、配位子が、ブリッジV、または式(2)もしくは(3)のブリッジに結合された3つの副配位子を有することを意味する。ブリッジVを含む配位子は、1つの二座および2つの単座副配位子を有するので、結果的には全体で、四座配位子、すなわち、4つの配位サイトを介してイリジウムに、配位しているか、結合している配位子である。本発明の意味における用語「二座副配位子」または「単座副配位子」は、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジが存在しない場合に、L1が二座配位子であるか、またはL2およびL3が単座配位子であることを意味する。しかしながら、この二座配位子または単座配位子からの水素原子の形式的な引き抜き反応、およびブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの接合の結果として、それは別の配位子ではなく、このように発生して四座配位子の一部であるので、用語「副配位子」がそれに対して使用される。
イリジウムへの配位子または副配位子の結合は、配位結合または共有結合であってよく、つまり結合の共有部分は、副配位子によって異なっていてよい。本願において、配位子または副配位子がイリジウムに配位または結合していると記載されているとき、これは、本発明の意味において、結合の共有部分に関わらず、配位子または副配位子のイリジウムへの任意の種類の結合のことである。
2つのRまたはR1ラジカルが共に環系を形成している場合、それは、単環状もしくは多環状の、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族であってよい。この場合に、共に環系を形成するこれらのラジカルは隣接していてもよく、これは、これらのラジカルは同一の炭素原子または直接互いに結合されている炭素原子に、結合されていることを意味し、これらはさらに互いからさらに取り除かれていてもよい。好ましくは、同一の炭素原子または互いに直接結合された炭素原子に結合されたラジカルのこの種の環形成である。
本発明の意味において、2以上のラジカルが共に脂環を形成してもよい、という用語は、とりわけ、2つのラジカルが、2つの水素原子の形式的な削除とともに、化学結合によって互いに結合されることを意味するものと解される。これは、以下のスキームによって示される。
縮合された芳香族またはヘテロ芳香族基の形成も可能であり、以下のスキームによって示される。
さらに、上述の用語は、2つのラジカルのうちの1つが水素である場合に、2つめのラジカルがその水素原子が結合された位置で結合し、環を形成することを意味するものとも解される。これは、以下のスキームによって示される。
本発明の意味において、ヘテロ脂環式基は、環の部分として、少なくとも1つのヘテロ原子を有する脂肪族の環状基である。好ましくは、環の部分として、1つまたは2つのヘテロ原子を有し、ここで、ヘテロ原子は好ましくは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される。
本発明の意味でのアリール基は、6~40の炭素原子を含む。本発明の意味でのヘテロアリール基は、2~40の炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、ただし、炭素原子およびヘテロ原子の合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。このケースにおいて、ヘテロアリール基は、好ましくは3以下のヘテロ原子を含む。ここで、アリール基またはヘテロアリール基は、単一の芳香族環(すなわちベンゼン)もしくは単一のヘテロ芳香族環(例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等)、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン等)を意味する。
本発明の意味での芳香族環系は、環系内に6~40の炭素原子を含む。本発明の意味でのヘテロ芳香族環系は、環系内に1~40の炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、ただし、炭素原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される。本発明の意味での芳香族またはヘテロ芳香族環系は、必ずしもアリールまたはヘテロアリール基のみを含む系を意味するものと解されるのではなく、代わりに、さらに複数のアリールまたはヘテロアリール基が、非芳香族単位(好ましくはH以外の原子が10%より少ない)、例えば炭素、窒素もしくは酸素原子、またはカルボニル基、に介在されていてもよい。例えば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9’-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等の系は、本発明の意味において、芳香族環系とみなされるのであり、2以上のアリール基が、例えば、直鎖もしくは環状アルキル基、またはシリル基によって介在されている系も、同様である。さらに、2以上のアリールまたはヘテロアリール基が互いに直接結合されている系(例えば、ビフェニル、テルフェニル、クォーターフェニルまたはビピリジン)も、同様に、芳香族またはヘテロ芳香族環系とみなされる。好ましい芳香族またはヘテロ芳香族環系は、単純なアリールまたはヘテロアリール基、および2以上のアリールまたはヘテロアリール基が違いに直接された基(例えば、ビフェニル、またはビピリジン、およびフルオレンまたはスピロビフルオレン)である。
本発明の意味において、用語「アルキル基」は、直鎖または分岐のアルキル基および環状のアルキル基の両方を包括する用語として使用される。同様に、用語「アルケニル基」および「アルキニル基」は、直鎖または環状のアルケニルまたはアルキニル基および環状のアルケニルまたはアルキニル基の両方を包括する用語として使用される。本発明の意味での、環状、アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基は、単環、二環、または多環基を意味するものと解される。
本発明の意味において、C1-~C20-アルキル基(さらに、これらの個々の水素原子またはCH2基は、上記した基によって置換されていてよい)は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、2-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、シクロヘプチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2.2.2]オクチル、2-ビシクロ[2.2.2]オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、アダマンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1-ジメチル-n-ヘキサ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘプタ-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタ-1-イル、1,1-ジメチル-n-デカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ドデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-テトラデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘキサデカ-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘプタ-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタ-1-イル、1,1-ジエチル-n-デカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ドデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-テトラデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサデカ-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタデカ-1-イル、1-(n-プロピル)シクロヘキサ-1-イル、1-(n-ブチル)シクロヘキサ-1-イル、1-(n-ヘキシル)シクロヘキサ-1-イル、1-(n-オクチル)シクロヘキサ-1-イル-および1-(n-デシル)シクロヘキサ-1-イルラジカルを意味するものと解される。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを意味するものと解される。アルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニルまたはオクチニルを意味するものと解される。OR1基は、例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシまたは2-メチルブトキシを意味するものと解される。
5~40の芳香族環原子を有する、芳香族またはヘテロ芳香族環系は、それぞれのケースにおいて、上記のラジカルによって置換されていてもよく、任意の位置で、芳香族またはヘテロ芳香族系に連結していてもよく、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、フェナントレン、ベンゾフェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオラセン、ベンゾフルオラセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-またはトランス-インデノフルオレン、シス-またはトランス-モノベンゾインデノフルオレン、シス-またはトランス-ジベンゾインデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、インドロカルバゾール、インデノカルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10-テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジオゾール、1,3,4-オキサジオゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアゾールから誘導される基を意味するものと解される。
好ましい形態において、本発明の化合物は電気的に帯電していない。このケースにおいて、イリジウムはIr(III)である。電荷中性は、副配位子および配位子L1~L4の電荷と、三価に帯電されたイリジウムの電荷とのバランスによって達成される。ここで、L1は、電荷を有さないか、モノアニオン性か、またはジアニオン性であってよい。L2およびL3は、それぞれ、電荷を有さないか、モノアニオン性であってよい。副配位子および配位子L1~L4の好適な組み合わせの例は、以下の表に示される。
本発明の好ましい形態において、L1はモノアニオン性であり、それゆえ、表中の最初の6つの項目が好ましい。
橋頭Vの好ましい形態、つまり式(2)または(3)の構造を以降に記載する。
本発明の好ましい形態において、式(2)の基の全てのX1基がCRであり、式(2)の中央の三価の環がベンゼンであるか、または全てのX1基が窒素原子であり、式(2)の中央の三価の環はトリアジンである。より好ましくは、全てのX1基が同一であるかまたは異なり、CRである。
式(2)の三価の中央のベンゼン環または式(3)の中央のシクロヘキサン環の好ましいRラジカルに、以下が適用できる:
Rは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、OR1、1~10の炭素原子、好ましくは1~4の炭素原子、を有する、直鎖のアルキル基、または2~10の炭素原子を有するアルケニル基、または3~10の炭素原子、好ましくは3~6の炭素原子、を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(これらのそれぞれは、1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよいが、好ましくは非置換である)、または5~24の芳香族環原子、好ましくは6~12の芳香族環原子、を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環原子であり、同時に、RラジカルはX2のRラジカルと共に環系を形成していてもよく;
R1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、OR2、1~10の炭素原子、好ましくは1~4の炭素原子、を有する、直鎖の、アルキル基、または2~10の炭素原子を有するアルケニル基、または3~10の炭素原子、好ましくは3~6の炭素原子、を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(これらのそれぞれは、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよいが、好ましくは非置換である)、または5~24の芳香族環原子、好ましくは6~12の芳香族環原子、を有し、それぞれのケースにおいて1以上のラジカルR2によって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環原子であり、同時に、2以上の隣接するR1ラジカルが共に環系を形成していてもよく;
R2は出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、または1~20の炭素原子を有する、脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族有機ラジカル(これは1以上の水素原子がFによって置き換えられていてもよい)、好ましくは1~12の炭素原子を有する脂肪族または芳香族ヒドロカルビルラジカルである。
より好ましくは、式(2)の全てのX1基がCHまたはCD、特にCHである。さらに好ましくは、式(3)の基中の全てのR基はHまたはDであり、特にHであり、式(3)中の中央の環は、非置換のシクロヘキサン基である。
式(2)または(3)の基の好ましい形態は、以下の式(2a)および(3a)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
以降に、好ましい二価のアリーレンまたはヘテロアリーレン単位Aおよび式(2)および(3)の基に現れる式(4)の基について記載する。
本発明の好ましい形態において、式(4)の基中の記号X3はCであり、よって、式(4)の基は以下の式(4’)で表される。
ここで、記号は上記に記載の意味を有する。
式(4)または(4’)の基は、ヘテロ芳香族5員環またはヘテロ芳香族6員環を示していてよい。本発明の好ましい形態において、式(4)または(4’)の基は、アリールまたはヘテロアリール基において2以下のヘテロ原子、より好ましくは1つのヘテロ原子を含む。これは、この基に結合されたどの置換基もヘテロ原子を含むことができないことを意味するわけではない。さらにこの定義は、置換基による環の形成によって、縮合された、芳香族もしくはヘテロ芳香族構造(例えば、ナフタレン、ベンゾイミダゾール等)を生じさせないことを意味するわけではない。式(4)または(4’)の好適な基の例としては、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾールおよびチアゾールから選択される。
式(4’)の基の好ましい形態は、以下の式(4a)~(4q)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
式(4)中の1つのX3基が炭素原子であり、他のX3基が窒素原子である場合に、式(4)の基の好ましい形態は、以下の式(4r)~(4y)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
特に好ましくは、オルト-フェニレン、つまり上記の式(4a)の基である。
式(4)の2つまたは3つの基が存在する場合、これらは同一または異なっていてもよい。本発明の好ましい形態において、式(4)の2つまたは3つの基が存在する場合、これらの基は同一であり、同一の置換基を有する。
A基として、好ましくは以下の組み合わせである:
-3つのA基全てが式(4)の同一の基、特に式(4a)の同一の基である;
-2つのA基が式(4)の同一の基、特に式(4a)の同一の基であり、かつ3つめのA基がCR2-CR2基である;
-1つのA基が式(4)の同一の基、特に式(4a)の同一の基であり、かつ他の2つのA基が同一のCR2-CR2基である;または
-3つのA基が同一のCR2-CR2基である。
ここで、「式(4)の同一の基」または「式(4a)の同一の基」が意味するのは、これらの基が全て、同一の骨格と同一の置換基を有することである。さらに、「同一のCR2-CR2基」が意味するのは、これらの基が同一の置換基を有することである。
-CR2-CR2-基の好ましいRラジカルは、H、D、Fおよび1~5の炭素原子を有するアルキル基(ここで、水素原子はDまたはFによって置き換えられていてもよく、隣接するRが共に環系を形成していてもよい)からなる群から選択される。これらの基の特に好ましいRラジカルは、H、D、CH3およびCD3から選択されるか、または同一の炭素原子に結合された2つのRラジカルが、それらが結合された炭素原子と共に、シクロペンタンまたはシクロヘキサン環を形成する。この基の非常に特に好ましいRラジカルは、HおよびD、特にHから選択される。
A基として、特に好ましくは以下の組み合わせである:
-3つのA基全てが式(4a)のR=Hである基;
-2つのA基が式(4a)のR=Hである基であり、かつ3つめのA基がCH2-CH2基である;
-1つのA基が式(4a)のR=Hである基であり、かつ他の2つのA基がCH2-CH2基である;または
-3つのA基がCH2-CH2基である。
より好ましくは、式(2)および(3)の構造は、以下の式(2a)~(2d)および(3a)~(3d)の構造から選択される。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。ここで、式(2a)~(2d)の中央のベンゼン環のRは、好ましくはHまたはD、特にHである。特に好ましくは、式(2a)および(2c)である。
より好ましくは、式(2a)~(2d)および(3a)~(3d)の置換基Rは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、Dまたは1~4の炭素原子を有するアルキル基である。最も好ましくは、R=HまたはD、特にHである。それゆえ、式(2a)~(2d)および(3a)~(3d)の特に好ましい形態は、以下の式(2a-1)~(2d-1)および(3a-1)~(3d-1)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
以降に、二座副配位子L1について記載する。上述のように、L1は、1つの炭素原子および1つの窒素原子を介して、または2つの炭素原子を介して、イリジウムに配位する。好ましい形態において、副配位子L1は、1つの炭素原子および1つの窒素原子を介して、イリジウムに配位する。
さらに好ましくは、イリジウムおよび副配位子L1から形成される金属サイクル(metallacycle)が5員環である場合である。5員環の形成は、以下に概略的に示される。
ここで、Nは配位窒素原子であり、Cは配位炭素原子であり、示される炭素原子は副配位子L1の原子である。
本発明の好ましい形態において、副配位子L1が、以下の式(L1-1)および(L1-2)のうちの1つの構造である。
ここで、点線の結合は、Vへの、または式(2)もしくは(3)のブリッジへの、副配位子L1の結合を示し、使用される他の記号は以下のとおりである:
CyCは、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~14の芳香族環原子を有する、置換もしくは非置換の、アリールまたはヘテロアリール基であり、それぞれのケースにおいて、炭素原子を介してイリジウムに配位し、共有結合を介してCyDに結合され;
CyDは、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~14の芳香族環原子を有する、置換または非置換のヘテロアリール基、または5~7の環原子を有する、置換または非置換のヘテロ脂環式基であり、これらのそれぞれは、窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、イリジウムに配位し、共有結合を介して、CyCに結合され;
同時に、2つ以上の任意の置換基が共に環系を形成していてもよく、任意のラジカルは好ましくは上述のRラジカルから選択される。
CyDは、電荷を有さない、またはアニオン性の窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して配位子、好ましくは、電荷を有さない窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、配位する。さらに、CyCは、アニオン性炭素原子を介して配位する。
2以上の置換基、特に2以上のRラジカルが共に環系を形成する場合に、環系が、隣接する炭素原子に直接的に結合された置換基から形成されることも可能である。さらに、CyCおよびCyDの置換基が環を形成し、その結果、CyCおよびCyDが、二座副配位子として、共に単一縮合のアリールまたはヘテロアリール基を形成していてもよい。
本発明の好ましい形態において、CyCは、6~13の芳香族環原子を有する、より好ましくは、6~10の芳香族環原子を有する、最も好ましくは6の芳香族環原子を有する、アリールもしくはヘテロアリール基であり、炭素原子を介してイリジウム原子に配位し、1以上のRラジカルによって置換されていてもよく、共有結合を介して、CyDに結合する。
CyC基の好ましい形態は、以下の式(CyC-1)~(CyC-20)の構造(ここで、CyC基は、それぞれのケースにおいて、♯で印される位置で、CyDに結合し、かつ*で印される位置で、イリジウムに、配位する)である。
ここで、R上記に記載の意味を有し、使用される他の記号は以下のとおりである:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、環あたり最大2つの記号XがNであり;
Wは、出現毎に同一であるかまたは異なり、NR、OまたはSであり;
ただし、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyCに結合される場合に、1つの記号XがCであり、かつ式(2)または(3)のブリッジがこの炭素原子に結合する。CyC基がブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに結合される場合に、結合は、好ましくは上記の式に「o」で印された位置を介しており、「o」で印された記号Xは好ましくはCである。「o」で印される記号Xを全く含まない上述の構造は、好ましくは、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに直接的に結合されない。そのようなブリッジへの結合は、立体的な理由で、有利ではないからである。
好ましくはCyC中の1以下の記号XがNであり、より好ましくは、記号Xの全てがCRである。ただし、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)の基がCyCに結合する場合に、1つの記号XはCであり、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがこの炭素原子に結合される。
特に好ましいCyC基は、以下の式(CyC-1a)~(CyC-20a)の基である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyCに結合される場合、1つのRラジカルが存在せず、かつブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジが対応する炭素原子に結合される。CyC基がブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに結合される場合、結合は、好ましくは上記の式の「o」で印された位置を介し、このケースにおいてRラジカルは存在しない。「o」で印される炭素原子を全く含まない上記の構造は、好ましくはブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに直接的に結合しない。好ましくは、3以下の置換基R、より好ましくは2つの置換基R、最も好ましくは1以下の置換基Rが、HまたはFでなない。
(CyC-1)~(CyC-20)基のうちの好ましい基は、(CyC-1)、(CyC-3)、(CyC-8)、(CyC-10)、(CyC-12)、(CyC-13)および(CyC-16)基であり、特に好ましくは、(CyC-1a)、(CyC-3a)、(CyC-8a)、(CyC-10a)、(CyC-12a)、(CyC-13a)および(CyC-16a)基である。
本発明のさらに好ましい形態において、CyDは、5~13の芳香族環原子を有する、より好ましくは6~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基、または5もしくは6の環原子、好ましくは5つの環原子を有するヘテロ脂環式基であり、電荷を有さないまたはアニオン性の窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、配位し、1以上のラジカルRによって置換されていてもよく、共有結合を介して、CyCに、結合する。
CyD基の好ましい形態は、以下の式(CyD-1)~(CyD-23)の構造(ここで、CyD基は、それぞれのケースにおいて、♯で特定される位置でCyCに、かつ*で特定される位置で、イリジウムに結合する)である。
ここで、XおよびRは上記に記載の意味を有し、WはCR2、NR、OまたはSであり、ただし、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyDに結合される場合に、1つの記号XがCであり、かつ、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがこの炭素原子に結合するか、またはブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyDに結合される場合に、式(CyD-7)および(CyD-8)中の1つのR基が存在せず、かつブリッジVがその位置で結合される。CyD基がブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに結合される場合、この結合は好ましくは上述の式に「o」で印された位置を介し、このケースにおいて「o」で示された記号Xは好ましくはCである。「o」で示される記号Xを全く含まない上述の構造は、好ましくはブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに直接結合されない。このようなブリッジとの結合が立体的な理由で有利にならないからである。
このケースにおいて、(CyD-1)~(CyD-4)および(CyD-9)~(CyD-20)基は、電荷を有さない窒素原子を介して、イリジウムに配位し、基(CyD-5)~(CyD-8)はカルベン炭素原子を介し、(CyD-21)~(CyD-23)基はアニオン性窒素原子を介する。
好ましくは、CyD中の1以下記号XがNであり、より好ましくは、全ての記号XがCRであり、ただし、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyDに結合される場合に、1つの記号XがCであり、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがこの炭素原子に結合される。
特に好ましいCyD基は、以下の式(CyD-1a)~(CyD-23a)の基である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジがCyDに結合される場合、1つのRラジカルが存在せず、かつブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジが対応する炭素原子に結合される。CyD基がブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに結合される場合、結合は、好ましくは上記の式の「o」で印された位置を介し、このケースにおいてRラジカルは存在しない。「o」で印される炭素原子を全く含まない上記の構造は、好ましくはブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジに直接的に結合しない。好ましくは、3以下の置換基R、より好ましくは2つの置換基R、最も好ましくは1以下の置換基Rが、HまたはFでなない。
(CyD-1)~(CyD-12)基のうちの好ましい基は、(CyD-1)、(CyD-2)、(CyD-3)、(CyD-4)、(CyD-5)および(CyD-6)基、特に(CyD-1)、(CyD-2)および(CyD-3)であり、特に好ましくは、(CyD-1a)、(CyD-2a)、(CyD-3a)、(CyD-4a)、(CyD-5a)および(CyD-6a)基、特に(CyD-1a)、(CyD-2a)および(CyD-3a)である。
本発明の好ましい形態において、CyCは、6~13の芳香族環原子を有する、アリールまたはヘテロアリール基であり、同時に、CyDは、5~13の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。より好ましくは、CyCは、6~10の芳香族環原子を有する、アリールまたはヘテロアリール基であり、同時に、CyDは、5~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。より好ましくは、CyCは、6の芳香族環原子を有する、アリールまたはヘテロアリール基であり、CyDは、6~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。同時に、CyCおよびCyDは、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい。
CyCまたはCyD基の少なくとも1つがブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジの適切な結合部位(適切な結合部位が上述の式において「o」によって印されている)を有する場合に、上述の好ましい(CyC-1)~(CyC-20)および(CyD-1)~(CyD-21)基は、任意に、互いに結び付いていてよい。
CyCまたはCyD基の少なくとも1つがブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジの基の適切な結合部位(適切な結合部位が上述の式において「o」によって記されている)を有する場合に、特に好ましいとして特定されたCyCおよびCyD基(つまり、式(CyC-1a)~(CyC-20a)の基、および式(CyD1-a)~(CyD-21a)の基)が互いに結合されることが特に好ましい。それゆえ、CyCもCyDもブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの適切な結合部位を有さない組み合わせは、好ましくない。
(CyC-1)、(CyC-3)、(CyC-8)、(CyC-10)、(CyC-12)、(CyC-13)および(CyC-16)基、特に(CyC-1a)、(CyC-3a)、(CyC-8a)、(CyC-10a)、(CyC-12a)、(CyC-13a)および(CyC-16a)基、のうちの1つが、(CyD-1)、(CyD-2)および(CyD-3)基のうちの1つと、特に基(CyD-1a)、(CyD-2a)および(CyD-3a)の基のうちの1つと、結合されることが特に好ましい。
好ましい副配位子(L1-1)は、式(L1-1-1)~(L1-1-3)の構造であり、好ましい副配位子(L1-2)は、式(L1-2-1)~(L1-2-5)の構造であり、*で特定された2つの位置を介してイリジウムに配位する。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、「o」は、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの結合の位置を示す。
特に好ましい副配位子(L1-1)は、式(L1-1-1a)~(L1-1-3b)の構造であり、特に好ましい副配位子(L1-2)は、式(L1-2-1a)~(L1-2-5a)の構造であり、*で特定された2つの位置を介してイリジウムに配位する。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、「o」は、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの結合の位置を示す。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
2つのRラジカル(そのうち1つがCyCに、もう一方がCyDに結合されている)が、互いに芳香族環系を形成する場合に、ブリッジされた副配位子となってもよく、全体として単一のより大きいヘテロアリール基を占める副配位子を形成していてもよい。CyCおよびCyD上の置換基の間の環形成は、好ましくは、以下の式(5)~(14)のうちの1つによる基によって形成される。
ここで、R1は、上記に記載のとおりであり、点線は、CyCおよびCyDへの結合を意味する。上記で述べられたうちの非対称な基は、2つの方法で、組み入レルことができる。例えば、式(14)の基において、酸素原子がCyC基に、かつカルボニル基がCyD基に結合されるか、または酸素原子がCyD基に、かつカルボニル基がCyC基に結合されていてよい。
同時に、式(11)の基は、特に6員環の環形成となる場合に好ましく、例えば、式(L1-21)および(L1-22)に示される。
CyCおよびCyDにおける、2つのRラジカルの間の環形成を通して生じる、好ましい配位子は、以下に示される式(L1-3)~(L1-30)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、「o」は、この配位子がブリッジVまたは式(2)もしくは(3)の基に結合される位置を示す。
式(L1-3)~(L1-30)の副配位子の好ましい形態において、記号Xの全てがCRであるか、または1つの記号XがNであり、かつ他の記号XがCRである。
本発明のさらなる形態において、(CyC-1)~(CyC-20)または(CyD-1)~(CyD-21)基において、または副配位子(L1-3)~(L1-30)において、窒素原子に隣接する置換基として結合されたR基が水素または重水素でない場合に、原子Xのうちの1つがNであれば好ましい。このことは、好ましい構造(CyC-1a)~(CyC-20a)または(CyD-1a)~(CyD-14b)にも同様に適用され、非配位窒素原子に隣接して結合された置換基は、好ましくは水素または重水素ではないR基である。このケースにおいて、この置換基Rは、好ましくはCF3、OCF3、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル基、OR1(ここで、R1は、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル基)、2~10の炭素原子を有するジアルキルアミノ基、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキル基から選択される基である。これらの基は、立体的に嵩高い(demanding)基である。さらに好ましくは、このRラジカルは、隣接するRラジカルと環を形成していてもよい。
さらに好適な二座副配位子L1は、以下の式(L1-31)および(L1-32)のうちの1つの構造である。
ここで、Rは、上記に記載の意味を有し、*は、金属への配位位置を示し、「о」はブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの副配位子の結合位置を示し、かつ、さらに:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、環あたり1以下のX記号がNである。
副配位子(L1-31)および(L1-32)において、隣接する炭素原子に結合された2つのRラジカルが互いに芳香族環を形成する場合に、この環は、2つの隣接する炭素原子と共に、好ましくは式(15)の構造である。
ここで、点線の結合は、副配位子内のこの基との結合を示し、Yは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CR1またはNであり、好ましくは記号Yの1以下がNである。
副配位子(L1-31)または(L1-32)の好ましい形態において、1以下の式(15)の基が存在する。よって、副配位子は、好ましくは、以下の式(L1-33)~(L1-38)の副配位子である:
ここで、Xは上記に記載の意味を有するが、XがCRである場合に、Rラジカルは芳香族またはヘテロ芳香族環系を違いに形成せず、かつ、さらなる記号は上記に記載の意味を有する。
本発明の好ましい形態において、式(L1-31)~(L1-38)の副配位子において、合計で0、1または2の記号Xおよび存在する場合にYがNである。より好ましくは、合計で0または1の記号Xおよび存在する場合にYが、Nである。
式(L1-33)~(L1-38)の好ましい形態は、以下の式(L1-33a)~(L1-38f)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有し、かつ、「o」は、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの結合の位置を示す。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
本発明の好ましい形態において、オルト位で金属に配位するX基はCRである。このラジカルにおいて、オルト位で金属に配位のために結合されるRは、好ましくはH、D、Fおよびメチルからなる群から選択される。
本発明のさらなる形態において、原子X、存在する場合にYのうちの1つがNであることが好ましく、このとき、この窒素原子に隣接して結合される置換基が水素または重水素ではないR基である。このケースにおいて、この置換基Rは、好ましくはCF3、OCF3、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル基、OR1(ここで、R1は、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル基)、2~10の炭素原子を有するジアルキルアミノ基、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキル基から選択される基である。これらの基は、立体的に嵩高い基である。さらに好ましくは、このRラジカルは、隣接するRラジカルと環を形成していてもよい。
本発明の好ましい形態において、L1は、*で印された2つの位置を介してイリジウムに配位する以下の式(L1-39)および(L1-40)のうちの1つの副配位子である。
ここで、「o」はブリッジVへの結合位置を示し、さらに:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり;
Zは、CR’、CRまたはNであり、ただし、ちょうど1つのZがCR’であり、他のZはCRまたはNであり;
ここで、環あたり合計で1つの記号XまたはZがnであり;
R’は、以下の式(16)または(17)の基であり:
ここで、点線の結合は、式(L1-39)または(L1-40)の副配位子への基の結合を示し;
R’’は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、1~10の炭素原子を有する直鎖のアルキル基(ここで、1以上の水素原子がDまたはFによって置き換えられていてもよい)、3~10の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、1以上の水素原子がDまたはFによって置き換えられていてもよい)、または2~10の炭素原子を有するアルケニル基(ここで、1以上の水素原子はDまたはFによって置き換えられていてもよい)であり;同時に、2つの隣接するR’’ラジカルまたは隣接するフェニル基の2つのR’’ラジカルが、共に環系を形成していてもよく;または、隣接するフェニル基の2つのR’’が共にC(R1)2、NR1、OまたはSから選択される基であり、そして2つのフェニル環が架橋基と共に、カルバゾール、フルオレン、ジベンゾフランまたはジベンゾチオフェンであり、かつさらなるR’’は上記のとおりであり;
nは、0、1、2、3、4または5である。
このケースにおいて、窒素原子上のR1ラジカルは上記に記載のとおりであり、好ましくは、1~10の炭素原子を有するアルキル基または6~24の芳香族環原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、より好ましくは、6~18の芳香族環原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよいが好ましくは非置換の、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系である。
本発明の好ましい形態において、n=0、1または2、好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。
本発明のさらに好ましい形態において、炭素原子にオルト位で結合された両方の置換基R’(これによって、式(16)または(17)の基が副配位子L1に結合される)が、同一であるかまたは異なり、HまたはDである。
本発明の好ましい形態において、Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRである。さらに好ましくは、1つのZ基がCRであり、他のZ基がCR’である。より好ましくは、式(L1-39)または(L1-40)の副配位子において、X基は、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRであり、かつ同時に、1つのZ基がCRであり、他のZ基がCR’である。副配位子L1は、好ましくは、以下の式(L1-39a)または(L1-40a)のうちの1つの構造を有し、ここで、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジへの結合は、「o」で印された位置による。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
より好ましくは、式(L1-39)または(L1-40)の副配位子は、以下の式(L1-39a’)および(L1-40a’)のうちの1つの構造を有する。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
式(L1-39)または(L1-40)の副配位子または好ましい形態のRラジカルは、好ましくはH、D、CN、OR1、1~6の炭素原子、好ましくは1、2または3の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、または3、4、5または6の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基または2~6の炭素原子、好ましくは2、3または4の炭素原子を有するアルケニル基(これらのそれぞれは、1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい)、または1以上の非芳香族R1ラジカルによって置換されていてもよいフェニル基からなる群から選択される。2以上のラジカルが共に環系を形成することもできる。
このケースにおいて、オルト位の配位原子に結合された置換基Rは、好ましくは、H、D、Fおよびメチル、より好ましくはH、Dおよびメチル、特にHおよびDからなる群から選択される。
さらに、R’に対してオルト位である全ての置換基RがHまたはDであることが好ましい。
式(L1-39)または(L1-40)の副配位子L1中のRラジカルが共に環系を形成する場合、好ましくは、脂肪族、ヘテロ脂肪族またはヘテロ芳香族環系である。さらに、好ましくは、副配位子L1の2つの環上の2つのRラジカルの間の環形成であり、好ましくは、フェナントリジンまたはフェナントリジン(これは、さらに窒素原子を含んでいてもよい)を形成する。Rラジカルが共にヘテロ芳香族環系を形成する場合、これは、好ましくは、キノリン、イソキノリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンおよびカルバゾール(これらのそれぞれは、1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよく、かつ、ここで、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンおよびカルバゾール中のそれぞれの炭素原子は、Nによって置き換えられていてもよい)からなる群から選択される構造を形成する。特に好ましくは、キノリン、イソキノリン、ジベンゾフランおよびアザジベンゾフランである。ここで、任意の可能な位置で、縮合構造が結合されることも可能である。縮合ベンゾ基を有する好ましい副配位子L1は、以下に示される式(L1-39b)~(L1-40e)の構造であり、ここで、ブリッジVへの結合は「o」で印された位置を介する。
ここで、副配位子は、それぞれ、1以上のさらなるRラジカルによって置換されていてもよく、縮合構造は1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい。好ましくは、さらなるRまたはR1ラジカルが存在しない。
縮合ベンゾフランまたはアザベンゾフラン基を有する好ましい式(L1-39)または(L1-40)の副配位子L1は、以下に示される構造式(L1-39f)~(L1-40m)であり、ここで、ブリッジVへの結合は「o」で印された位置を介する。
ここで、配位子は、それぞれ、1以上のRラジカルによって置換されていてもよく、縮合構造は1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい。好ましくは、さらなるRまたはR1ラジカルが存在しない。同様に、これらの構造中のOがSまたはNR1によって置き換えられることも可能である。
上記のように、R’は、式(16)または(17)の基である。ここで、2つの基は、単に、式(16)の基が副配位子L1にパラ位で結合され、式(17)の基にメタ位で結合される点で異なる。
本発明の好ましい形態において、n=0、1または2であり、好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。
本発明のさらに好ましい形態において、炭素原子(これによって、式(16)または(17)の基がフェニルピリジン配位子に結合される)に対してオルト位で結合された両方の置換基R’’は、同一であるかまたは異なり、HまたはDである。
式(16)の構造の好ましい形態は、式(16a)~(16h)の構造であり、式(17)の構造の好ましい形態は、式(17a)~(17h)の構造である。
ここで、Eは、O、S、C(R1)2またはNR1であり、使用されるさらなる記号は上記に記載の意味を有する。このケースにおいて、E=NR1である場合に、R1は、好ましくは、6~18の芳香族環原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよいが、好ましくは非置換である、芳香族またはヘテロ芳香族環系である。さらに、E=C(R1)2である場合に、R1は、好ましくは、出現毎に同一であるかまたは異なり、1~6の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは1~4の炭素原子、より好ましくはメチルである。
式(16)または(17)の基、または好ましい形態の好ましい置換基R’は、H、D、CN、および1~4の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくはH、D、メチル、シクロペンチル、1-メチルシクロペンチル、シクロヘキシルまたは1-メチルシクロヘキシル、特にH、Dまたはメチル、からなる群から選択される。
以降に、単座副配位子L2およびL3について記載する。ここで、L2およびL3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、電荷を有さないか、モノアニオン性の副配位子である。
本発明の好ましい形態において、L2およびL3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~13の芳香族環原子、より好ましくは6~13の芳香族環原子、最も好ましくは6~10の芳香族環原子を有する、アリールまたはヘテロアリール基であり、これは、それぞれアリールまたはヘテロアリール基の部分である、1つの炭素原子または1つの窒素原子を介して、イリジウムに配位し、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい。この基が炭素原子を介してイリジウムに配位する場合、これは、アニオン性または電荷を有さないカルベン炭素原子である。この基が窒素原子を介してイリジウムに配位する場合、これは電荷を有さないか、アニオン性であってよい。
L2およびL3の好ましい形態は、出現毎に同一であるかまたは異なり、以下の式(L2-1)/(L3-1)~(L2-55)/(L3-55)の構造であり、ここで、それぞれのケースにおける基は、*で印される位置でイリジウムに配位子、「o」で印される位置で、橋頭Vまたは式(2)もしくは(3)の基に配位する。
ここで、Rは上記に記載の意味を有し、使用される他の記号は以下のとおりである:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、環あたり最大2つの記号XがNであり;
Wは、出現毎に同一であるかまたは異なり、NR、OまたはSである。
ここで、(L2-1)/(L3-1)~(L2-22)/(L3-22)基は、アニオン性炭素原子を介して、(L2-23)/(L3-23)~(L2-26)/(L3-26)および(L2-34)/(L3-34)~(L2-50)/(L3-50)基は、電荷を有さない窒素原子を介して、(L2-27)/(L3-27)~(L2-33)/(L3-33)基は、電荷を有さない炭素原子を介して、(L2-51)/(L3-51)~(L2-55)/(L3-55)基は、アニオン性窒素原子を介して、イリジウムに配位する。
好ましくは、1以下の記号XがNであり、最も好ましくは、全ての記号XはCRである。
特に好ましいL2およびL3基は、以下の式(L2-1a)/(L3-1a)~(L2-55a)/(L3-55a)の基である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。好ましくは、ここで、3以下の置換基R、より好ましくは、2以下の置換基Rが、最も好ましくは1以下の置換基RがHまたはDではない。
好ましい単座副配位子L2およびL3は、構造(L2-1)、(L3-1)、(L2-23)、(L3-23)、(L2-27)、(L3-27)、(L2-28)、(L3-28)、(L2-32)、(L3-32)、(L2-33)および(L3-33)である。特に好ましい単座副配位子L2およびL3は、構造(L2-1a)、(L3-1a)、(L2-23a)、(L3-23a)、(L2-27a)、(L3-27a)、(L2-28a)、(L3-28a)、(L2-32a)、(L3-32a)、(L2-33a)、(L3-33a)、(L2-33b)および(L3-33b)である。
以降に、好ましい形態の配位子L4について記載する。上記で記載のように、L4は、単座または二座であってよい。配位子L4が単座である場合、電荷を有さないか、モノアニオン性である。配位子L4が二座である場合、電荷を有さないか、モノアニオン性か、またはジアニオン性である。配位子L4が単座である場合、これらは、好ましくは、同一であるかまたは異なり、炭素、窒素、酸素、硫黄およびリンからなる群から選択される原子を介して配位する。配位子L4が二座である場合、これは、好ましくは、同一であるかまたは異なり、炭素、窒素、酸素、硫黄およびリンからなる群から選択される2つの原子を介して配位する。
好適な電荷を有さない配位子L4は、出現毎に同一であるかまたは異なり、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、アルキルシアニド、例えばアセトニトリル、アリールシアニド、例えばベンゾニトリル、アルキルイソシアニド、例えばメチルイソニトリル、tert-ブチルイソニトリル、アダマンチルイソニトリル、アリールイソシアニド、例えば、フェニルイソニトリル、アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルフォリン、ホスフィン、特にハロホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィンもしくはアルキルアリールホスフィン、例えばトリフルオロホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ビス(tert-ブチル)フェニルホスフィン、ホスファイト、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、アルシン、例えばトリフルオロアルシン、トリメチルアルシン、トリシクロヘキシルアルシン、トリ-tert-ブチルアルシン、トリフェニルアルシン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルシン、スチビン、例えばトリフルオロスチビン、トリメチルスチビン、トリシクロヘキシルスチビン、トリ-tert-ブチルスチビン、トリフェニルスチビン、トリス(ペンタフルオロフェニル)スチビン、窒素含有複素環、例えばピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジンおよびカルベン、特にアルジュンゴ(Arduengo)カルベンからなる群から選択される。好ましい単座の電荷を有さない配位子L4は、CO、PF3およびトリアルキルホスフィンからなる群から選択され、ここで、アルキル基は、出現毎に同一であるかまたは異なり、1~10の炭素原子を有する。
好適なモノアニオン性単座配位子L4は、出現毎に同一であるかまたは異なり、水素化物、重水素化物、ハロゲン化物F-、Cl-、Br-およびI-、アルキルアセチリド、例えばメチル-C≡C-、tert-ブチル-C≡C-、アリールアセチリド、例えばフェニル-C≡C-、シアニド、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、脂肪族もしくは芳香族アルコキシド、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、tert-ブトキシド、フェノキシド、芳香族もしくは芳香族チオアルコキシド、例えば、メタンチオラート、エタンチオラート、プロパンチオラート、イソ-プロパンチオラート、tert-チオブトキシド、チオフェノキシド、アミド、例えばジメチルアミド、ジエチルアミド、ジ-イソプロピルアミド、モルホライド、カルボキシラート、例えばアセテート、トリフルオロアセテート、プロピオネート、安息香酸エステル、アリール基、例えばフェニル、ナフチル、およびピロライド、イミダゾライド、ピラゾライドなどのアニオン性窒素含有複素環から選択される。同時に、これらの基のアルキル基は、好ましくはC1~C20アルキル基、より好ましくはC1~C10アルキル基、最も好ましくはC1~C4アルキル基である。アリール基は、ヘテロアリール基を意味するものと解される。これらの基は、上述で記載の意味を有する。好ましいモノアニオン性単座配位子L4は、CNである。
好ましい電荷を有さない、またはモノもしくはジアニオン性の、二座配位子L4は、ジアミン、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、シス-もしくはトランス-ジアミノシクロヘキサン、シス-もしくはトランス-N,N,N’,N’-テトラメチルジアミノシクロヘキサン、イミン、例えば2-[(1-(フェニルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(2-メチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(2,6-ジ-イソ-プロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(メチルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(エチルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(イソ-プロピルイミノ)エチル]ピリジン、2-[(1-(tert-ブチルイミノ)エチル]ピリジン、ジイミン、例えば1,2-ビス(メチルイミノ)エタン、1,2-ビス(エチルイミノ)エタン、1,2-ビス(イソ-プロピルイミノ)エタン、1,2-ビス(tert-ブチルイミノ)エタン、2,3-ビス(メチルイミノ)ブタン、2,3-ビス(エチルイミノ)ブタン、2,3-ビス(イソ-プロピルイミノ)ブタン、2,3-ビス(tert-ブチルイミノ)ブタン、1,2-ビス(フェニルイミノ)エタン、1,2-ビス(2-メチルフェニルイミノ)エタン、1,2-ビス(2,6-ジ-イソ-プロピルフェニルイミノ)エタン、1,2-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニルイミノ)エタン、2,3-ビス(フェニルイミノ)ブタン、2,3-ビス(2-メチルフェニルイミノ)ブタン、2,3-ビス(2,6-ジ-イソ-プロピルフェニルイミノ)ブタン、2,3-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニルイミノ)ブタン、2つの窒素原子を含む複素環、例えば2,2’-ビピリジン、o-フェナントロリン、ジホスフィン、例えばビス(ジフェニホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニホスフィノ)ブタン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジエチルホスフィノ)メタン、ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、ビス(ジエチルホスフィノ)プロパン、ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)メタン、ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)エタン、ビス(tert-ブチルホスフィノ)プロパン、1,3-ジケトン由来の1,3-ジケトネート、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、1,5-ジフェニルアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ビス(1,1,1-トリフルオロアセチル)メタン、3-ケトエステル由来の3-ケトネート、例えばエチルアセトアセテート、アミノカルボン酸由来のカルボキシラート、例えばピリジン-2-カルボン酸、キノリン-2-カルボン酸、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、アラニン、N,N-ジメチルアミノアラニン、サリチルイミン由来のサリチルイミネート、例えばメチルサリチルイミン、エチルサリチルイミン、フェニルサリチルイミン、ジアルコール由来のジアルコキサイド、例えばエチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、およびジチオール由来のジチオレート、例えばエチレン-1,2-ジチオール、プロピレン-1,3-ジチオール、ビス(ピラゾリルボレート)、ビス(イミダゾリル)ボレート、3-(2-ピリジリル)ジアゾール、または3-(2-ピリジリル)トリアゾールから選択される。
さらに好ましくは、イリジウムとともに、少なくとも1つのイリジウム-炭素結合を有するシクロメタル化五員環もしくは六員環、特にシクロメタル化五員環、を有する二座モノアニオン性の、電荷を有さない、またはジアニオン性配位子L4、特にモノアニオン性配位子、である。これらは、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の燐光金属錯体において通常使用される配位子、すなわちフェニルピリジン、ナフチルピリジン、フェニルキノリン、フェニルイソキノリン型等(それぞれは1以上のラジカルRによって置換されていてもよい)の配位子である。燐光エレクトロルミネッセンス素子分野の当業者に、この種の多くの配位子が知られており、発明的な技術を行使することなく、さらなるこの種の配位子を式(1)の化合物の配位子L4として選択することができるであろう。
好適な二座配位子L4は、以下の式(L4-1)、(L4-2)および(L4-3)の配位子から選択される。
ここで、使用される記号は以下である:
CyCは、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~14の芳香族環原子を有する、置換もしくは非置換の、アリールまたはヘテロアリール基であり、それぞれのケースにおいて、炭素原子を介して金属に配位し、共有結合を介してCyDに結合され;
CyDは、出現毎に同一であるかまたは異なり、5~14の芳香族環原子を有する、置換または非置換のヘテロアリール基であり、窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、金属に配位し、共有結合を介して、CyCに結合され;
同時に、2以上の任意の置換基が共に環系を形成していてもよく;任意のラジカルは、好ましくは上記のRラジカルから選択される。
ここで、CyDは、電荷を有さないまたはアニオン性窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、配位する。さらに、CyCは、アニオン性炭素原子を介して、配位する。
2以上の置換基、特に2以上のRラジカルが、共に環系を形成する場合、環系は、直接隣接する炭素原子に結合された置換基から形成されうる。さらに、CyCおよびCyD上の置換基が、共に環を形成することも可能であり、その結果、CyCおよびCyDが、共に、二座副配位子として、1つの縮合アリールまたはヘテロアリール基を形成していてもよい。
本発明の好ましい形態において、CyCは、6~13の芳香族環原子、より好ましくは6~10の芳香族環原子、最も好ましくは6の芳香族環原子を有する、アリールまたはヘテロアリール基であり、これは、炭素原子を介して金属に配位し、これは、1以上のRラジカルによって置換されていてもよく、かつ、これは共有結合を介してCyDに結合される。
CyCの好ましい形態は、以下の式(CyC-1)~(CyC-20)の構造であり、ここで、CyC基が♯で印された位置でCyDに結合し、*で印された位置でイリジウムに配位する。
ここで、Rは上記に記載の意味を有し、使用される他の記号は以下のとおりである:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、環あたり最大2つの記号XがNであり;
Wは、出現毎に同一であるかまたは異なり、NR、OまたはSである。
好ましくは、CyC中の1以下の記号XがNであり、より好ましくは全ての記号XがCRである。
特に好ましいCyC基は、以下の式(CyC-1a)~(CyC-20a)の基である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
(CyC-1)~(CyC-20)基のうちの好ましい基は、(CyC-1)、(CyC-3)、(CyC-8)、(CyC-10)、(CyC-12)、(CyC-13)および(CyC-16)基であり、特に好ましくは、(CyC-1a)、(CyC-3a)、(CyC-8a)、(CyC-10a)、(CyC-12a)、(CyC-13a)および(CyC-16a)基である。
本発明のさらに好ましい形態において、CyDは、5~13の芳香族環原子、より好ましくは6~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基であり、これは、電荷を有さない窒素原子を介して、またはカルベン炭素原子を介して、金属に配位し、かつ、これは、1以上のRラジカルによって置換されていてもよく、かつ、共有結合を介して、CyCに結合される。
CyD基の好ましい形態は、以下の式(CyD-1)~(CyD-21)の構造であり、ここで、CyD基は、それぞれのケースにおいて、♯で印された位置でCyCに結合し、*で印された位置でイリジウムに配位する。
ここで、X、WおよびRは、上記に記載の意味を有する。
ここで、(CyD-1)~(CyD-4)および(CyD-7)~(CyD-18)基は、電荷を有さない窒素原子を介して(CyD-5)~(CyD-6)基はカルベン炭素原子を介して、(CyD-19)~(CyD-21)基は、アニオン性窒素原子を介して、金属に配位する。
好ましくは、CyD中の1以下の記号XがNであり、より好ましくは全ての記号XがCRである。
特に好ましいCyD基は、以下の式(CyD-1a)~(CyD-21a)の基である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
(CyD-1)~(CyD-12)基のうちの好ましい基は、(CyD-1)、(CyD-2)、(CyD-3)、(CyD-4)、(CyD-5)および(CyD-6)基、特に(CyD-1)、(CyD-2)および(CyD-3)、特に好ましくは、(CyD-1a)、(CyD-2a)、(CyD-3a)、(CyD-4a)、(CyD-5a)および(CyD-6a)基、特に(CyD-1a)、(CyD-2a)および(CyD-3a)である。
本発明の好ましい形態において、CyCは、6~13の芳香族環原子を有するアリールまたはヘテロアリール基であり、同時に、CyDは、5~13の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。より好ましくは、CyCは、6~10の芳香族環原子を有するアリールまたはヘテロアリール基であり、同時に、CyDは、5~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。最も好ましくは、CyCは、6の芳香族環原子を有するアリールまたはヘテロアリール基であり、CyDは、6~10の芳香族環原子を有するヘテロアリール基である。同時に、CyCおよびCyDは、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい。
上記の好ましい基(CyC-1)~(CyC-20)および(CyD-1)~(CyD-23)は、要望に応じて、互いに組み合わせてもよい。上記で特に好ましいと言及されたCyCおよびCyD基、つまり式(CyC-1a)~(CyC-20a)の基および式(CyD1-a)~(CyD-14b)の基、が互いに組み合わされることが特に好ましい。非常に特に好ましくは、(CyC-1)、(CyC-3)、(CyC-8)、(CyC-10)、(CyC-12)、(CyC-13)および(CyC-16)基および特に(CyC-1a)、(CyC-3a)、(CyC-8a)、(CyC-10a)、(CyC-12a)、(CyC-13a)および(CyC-16a)基の1つが、(CyD-1)、(CyD-2)および(CyD-3)基のうちの1つ、特に(CyD-1a)、(CyD-2a)および(CyD-3a)基のうちの1つと組み合わされる。
好ましい配位子(L4-1)は、式(L4-1-1)~(L4-1-5)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
特に好ましい副配位子(L4-1)は、式(L4-1-1a)~(L4-1-5a)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
2つのRラジカル(そのうちの1つがCyCに結合され、もう1つがCyDに結合される)が共に芳香族環系を形成する場合、これは、架橋された配位子、および全体として1つのより大きなヘテロアリール基を形成する配位子、となりうる。CyCおよびCyD上の置換基の間の環は、好ましくは、式(5)~(14)のうちの1つの基によって形成され、副配位子L1の上記に示される。
異なる環中の2つのRラジカルの間の環形成に由来する好ましい配位子L4は、以下に示される式(L4-3)~(L4-16)の構造である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
式(L4-4)~(L4-16)の副配位子の好ましい形態において、合計で1つの記号XがNであり、他の記号XがCRであるか、または全ての記号XがCRである。
本発明のさらなる形態において、基(CyC-1)~(CyC-20)または(CyD-1)~(CyD-14)の基中、または副配位子(L4-4)~(L4-16)中で、窒素原子に隣接する置換基として結合されたR基が水素または重水素ではない場合に、原子Xのうちの1つがNであることが好ましい。これは、同様に、好ましい構造(CyC-1a)~(CyC-20a)または(CyD-1a)~(CyD-14b)に適用され、ここで、非配位窒素原子に隣接して結合された置換基が、好ましくは、水素または重水素ではないR基である。このケースにおいて、置換基Rは、好ましくは、CF3、OCF3、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に3~10の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基、OR1、ここで、R1は、1~10の炭素原子を有するアルキル基、特に3~10の炭素原子を有する分岐もしくは環状のアルキル基、2~10の炭素原子を有するジアルキルアミノ基、芳香族またはヘテロ芳香族環系、またはアラルキルもしくはヘテロアラルキル基から選択される基である。これらの基は、立体的に嵩高い基である。さらに好ましくは、Rラジカルは、隣接するRラジカルと共に環を形成していてもよい。
さらに好適な二座配位子L4は、以下の式(L4-17)の構造である。
ここで、Rは上記に記載の意味を有し、*はイリジウムへの配位の位置であり、使用されるさらなる記号は以下のとおりである:
Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、環あたり1以下のXがNである。
配位子(L4-17)の好ましい形態は、出願WO2011/044988、WO2014/094962、WO2014/094961およびWO2014/094960に記載される。
本発明のさらなる形態において、Lは、*で印された2つの位置を介してイリジウムに配位する以下の式(L4-18)の配位子である。
ここで、記号X、Z、R’、R’’およびnは、副配位子(L1-39)および(L1-40)で上記に記載されたものと同一の意味を有する。
配位子(L4-18)の好ましい形態は、副配位子(L1-39)および(L1-40)で上記に記載されたものと同一の意味を有する。
配位子(L4-18)の好ましい形態は、以下の式(L4-18a)の配位子である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
より好ましくは、式(L4-18)の配位子は、以下の式(L4-18b)のうちの1つの構造を有する。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
式(L4-18)の配位子または好ましい形態の好ましいRおよびR’に関して、副配位子(L1-39)および(L1-40)で上記に記載のことが同様のことが適用される。
縮合ベンゾ基を有する好ましい配位子L4は、以下に示される式(L4-18c)~(L4-18h)の構造である。
ここで、配位子は、それぞれ、1以上のさらなるRラジカルによって置換されていてもよく、縮合構造は1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい。好ましくは、さらなるRまたはR1ラジカルが存在しない。
縮合ベンゾフランまたはアザベンゾフラン基を有する式(L4-18)の好ましい配位子L4は、以下に示される式(L4-18i)~(L4-18y)の構造である。
ここで、配位子は、それぞれ1以上のさらなるRラジカルによって置換されていてもよく、縮合構造は1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい。好ましくは、さらなるRまたはR1ラジカルが存在しない。同様に、これらの構造中のOがSまたはNR1によって置き換えられることも可能である。
配位子L4中の式(16)または(17)の置換基R’の好ましい形態は、(L1-39)および(L1-40)で上記に記載の好ましい形態に対応する。
L4のさらなる形態は、二座ジアニオン性配位子(L4-19)および(L4-20)、および二座モノアニオン性配位子(L4-21)~(L4-24)であり、これらのそれぞれは、*で特定された2つの原子を介してイリジウムに配位する。
ここで、Rは上記に記載の意味を有し、Xは、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、ただし、2以下のXがNである。好ましくは1以下のXがNであり、より好ましくは、全てのXが、出現毎に同一であるかまたは異なり、CRである。
好ましくは、配位子(L4-19a)~(L4-24a)である。
ここで、Rは、上記に記載の意味を有する。好ましくは3以下の置換基R、より好ましくは2以下の置換基R、最も好ましくは1以下の置換基が、HまたはDではない。
以降に、上述の副配位子L1、L2および/またはL3、または上記の配位子L4に存在してもよい好ましい置換基について記載する。これらの置換基は、式(4)の構造中の二価のアリーレンまたはヘテロアリーレン基に存在していてもよい。
本発明の好ましい形態において、本発明の金属錯体は、隣接する炭素原子に結合され、以下に示される式の1つによる環を共に形成する、2つのR置換基または2つのR1置換基を含む。このケースにおいて、この脂環を形成する2つのR置換基は、ブリッジVまたは式(2)もしくは(3)のブリッジおよび/または1二座副配位子および/または単座配位子に、存在していてもよい。2つのR置換基が共に、または2つのR1置換基が共に、環形成することによって形成された脂環は、好ましくは以下の式(18)~(24)のうちの1つによって記載される。
ここで、R1およびR2は、上記に記載の意味を有し、点線の結合は、配位子における2つの炭素原子の結合を示し、さらに:
Gは、1、2または3の炭素原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、アルキレン基、-CR2=CR2-、または5~14の芳香族環原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、オルト結合された、アリーレンもしくはヘテロアリーレン基であり;
R3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、F、1~10の炭素原子を有する、直鎖の、アルキルもしくはアルコキシ基、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキルもしくはアルコキシ基(ここで、アルキルもしくはアルコキシ基は、それぞれのケースにおいて1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよく、1以上の隣接しないCH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R2)2、C=O、NR2、O、SまたはCONR2によって置き換えられていてもよい)、または5~24の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、5~24の芳香族環原子を有し、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、アリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基であり;同時に、同一の炭素原子に結合された2つのR3ラジカルが共に脂肪族または芳香族環系を形成し、それによりスピロ系を形成していてもよく;さらに、隣接するRまたはR1ラジカルと共にR3が脂肪族環系を形成していてもよい。
本発明の構造において、隣接するラジカルが脂肪族環系を形成する場合、後者は酸性ベンジルプロトンを全く有さないことが好ましい。ベンジルプロトンは、配位子に直接結合する炭素原子に結合するプロトンを意味するものと解される。これは、アリールまたはヘテロアリール基に直接結合された脂肪族環系の炭素原子が完全に置換され、結合された水素原子を全く含まないことによって、達成されうる。例えば、式(18)~(24)において、酸性ベンジルプロトンが存在しないことは、R3は、水素ではない場合に達成される。これはさらに、アリールまたはヘテロアリール基に直接結合された脂肪族環系の炭素原子が二環または多環の構造において橋頭であることによっても達成されうる。二環または多環の空間的な構造により、橋頭の炭素原子に結合されたプロトンは、二環または多環構造内で結合されていない炭素原子上のベンジルプロトンよりも、顕著に酸性度が低く、本発明の意味において、非酸性プロトンとみなされる。よって、式(21)~(24)において、酸性ベンジルプロトンが存在しないことは、これが二環構造であることにより達成され、二環構造の対応するアニオンがメソメリー的に安定化されていないため、R1は、それがHである場合、ベンジルプロトンよりも酸性が一層弱い結果である。したがって、式(21)~(24)のR1がHである場合であっても、本発明の意味において、非酸性プロトンである。本発明の好ましい形態において、R3がHではない。
式(18)~(24)の基の好ましい形態は、出願WO2014/023377、WO2015/104045およびWO2015/117718に見られる。
本発明の化合物が上記のRラジカルに対応しないRラジカルを有する場合、これらのRラジカルは、出現毎に同一であるかまたは異なり、好ましくは、H、D、F、Br、I、N(R1)2、CN、Si(R1)3、B(OR1)2、C(=O)R1、1~10の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、2~10の炭素原子を有するアルケニル基、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、アルキルまたはアルコキシ基は、それぞれのケースにおいて1以上のラジカルR1によって置換されていてもよい)、または5~30の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系からなる群から選択され;同時に、2つの隣接するRラジカルが共に、またはRラジカルがR1と共に、単環状もしくは多環状、脂肪族または芳香族環系を形成していてもよい。より好ましくは、これらのRラジカルは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、N(R1)2、1~6の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、1以上の水素原子がDまたはFによって置き換えられていてもよい)、または5~24の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR1ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系からなる群から選択され、同時に、2つの隣接するRラジカルが共に、またはRラジカルがR1と共に、単環状もしくは多環状、脂肪族または芳香族環系を形成していてもよい。
Rに結合された好ましいR1ラジカルは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、N(R2)2、CN、1~10の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、2~10の炭素原子を有するアルケニル基、3~10の炭素原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、アルキル基は、それぞれのケースにおいて1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい)、または5~24の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり;同時に、2以上の隣接するR1ラジカルが共に、単環状もしくは多環状の脂肪族環系を形成していてもよい。Rに結合された特に好ましいR1ラジカルは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、F、CN、1~5の炭素原子を有する直鎖のアルキル基、3~5の炭素原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(これらのそれぞれは、1以上のR2ラジカルによって置換されていてもよい)、または5~13の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のラジカルR2によって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり;同時に、2以上の隣接するR1ラジカルが共に、単環状もしくは多環状の脂肪族環系を形成していてもよい。
好ましいR2ラジカルは、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、F、または1~5の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビルラジカル、または6~12の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビルラジカルであり;同時に、2以上のR2置換基が共に、単環状または多環状の脂肪族環系を形成していてもよい。
上記の好ましい形態は、所望により、互いに組み合わせうる。本発明の特に好ましい形態において、上記の好ましい形態は同時に適用される。
本発明の好適な構造の例は、以下に示される化合物である。
本発明の化合物は、原則として、さまざまなプロセスによって調製できる。一般に、この目的のために、イリジウム化合物は第1ステップで適当な遊離四座配位子と反応する。このように得られる中間体は、次に、単座配位子または二座配位子と反応し、生成物を生じさせる。これは、2つのモノアニオン性配位子L4または1つのジアニオン性配位子L4と組み合わせた、モノアニオン性副配位子L1および2つの電荷を有さない副配位子L2およびL3を有する単純な四座配位子の例を用いて以下に示される。
したがって、本発明は、さらに、適当な四座配位子を、式(25)のイリジウムアルコキシド、式(26)のイリジウムケトケトナート、式(27)のハロゲン化イリジウム、式(28)のイリジウムカルボキシラート、式(29)のイリジウム-オレフィン-シクロペンタジエニル錯体、または式(30)のイリジウムカルボキシラートと反応させ、次いで、このように得られる中間体を配位子L4と反応させる、本発明の化合物の調製方法を提供する。
ここで、Rは上記に記載の意味を有し、Hal=F、Cl、BrまたはIであり、イリジウム反応物質は対応する水和物で存在していてもよい。Rは、好ましくは1~4の炭素原子を有するアルキル基である。式(29)および(30)のOlefinは、ジオレフィン、典型的には1,5-シクロオクタンジエンや、シクロヘキサジエンまたはノルボルナジエンのような他のジオレフィンである。
同様に、アルコキシドおよび/またはハロゲン化物および/またはヒドロキシおよびケトケトネートラジカルを有する、イリジウム化合物、を用いることができる。これらの化合物は、電荷を有していてもよい。反応物質として特に適したイリジウム化合物に相当するものが、WO2004/085449に開示されている。特に適したものは、[IrCl2(acac)2]-、例えばNa[IrCl2(acac)2]、配位子としてアセチルアセトネート誘導体との金属錯体、例えばIr(acac)3またはトリス(2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオネート)イリジウム、およびIrCl3・xH2O(式中、xは典型的には2~4の数である)である。
錯体の合成は、WO2002/060910およびWO2004/085449に開示されているように行われることが好ましい。このケースにおいて、その合成は、例えば、熱的もしくは光化学的方法および/またはマイクロ波放射によって、活性化される。さらに、この合成は、オートクレーブ中に昇厚および/または昇温で行われうる。
反応は、オルト-メタル化される対応する配位子の溶融物中で、溶媒もしくは溶融助剤を加えずに行うことができる。必要に応じて、溶媒もしくは溶融助剤を加えることもできる。好適な溶媒は、脂肪族および/または芳香族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール等)、オリゴアルコールおよびポリアルコール(エチレングリコール、1,2-プロパンジオールまたはグリセロール等)、アルコールエーテル(例えば、エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、エーテル(ジ-およびトリエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェニルエーテル等)、芳香族、ヘテロ芳香族および/または脂肪族炭化水素(トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリデカン、ヘキサデカン等)、アミド(DMF、DMAC等)、ラクタム(NMP)、スルホキシド(DMSO)、またはスルホン(ジメチルスルホン、スルホラン等)のようなプロトン性または非プロトン性溶媒である。適当な溶融助剤は、室温で固体であるが、均質な溶融を形成するために反応混合物が加熱され反応物質を溶解する時に溶融される化合物である。特に適当なものは、ビフェニル、m-ターフェニル、トリフェニレン、R-もしくはS-ビナフトールまたは他の対応するラセミ体、1,2-、1,3-または1,4-ビスフェノキシベンゼン、トリフェニルホスフィンオキシド、18-クラウン-6、フェノール、1-ナフトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール等である。特に好ましくは、ヒドロキノンの使用である。
さらに、合成は、未だ公開されていない出願EP19187468.4に開示されるように、好ましくは、カルボン酸の存在下で無水物媒体中で行うことができる。ここで、使用されるイリジウム反応物質は、好ましくは、ハロゲン化イリジウム、イリジウムカルボキシラート、COD-イリジウム(I)化合物、イリジウムケトケトナート、または上記式(25)~(30)のうちの1つの化合物である。特に好適なカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、安息香酸、フェニル酢酸、アジピン酸またはこれらの混合物からなる群から選択される。使用されるイリジウム反応物質が水和物である場合、好ましくは、脱水剤、特にカルボン酸無水物、ハロゲン化カルボニル、オルトカルボン酸トリアルキル、カルボジイミド、五酸化リン、塩化チオニルまたは塩化ホスホリル、を添加する。使用されるイリジウム反応物質がハロゲン化物である場合、好ましくは、脱ハロゲン化剤、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、カルボン酸のアンモニウムまたは亜鉛塩、を添加する。
同一の副配位子L2およびL3を有する配位子がオルトメタル化に使用される場合、得られるものは、典型的には、C1-対称性錯体、つまりΔおよびΛエナンチオマー、の、ラセミ体混合物である。これらは標準的な方法(キラル材料/カラムのクロマトグラフィーまたは結晶化による光学的分割)によって分離されてもよい。
異なる副配位子L2およびL3を有する配位子が錯体化に使用される場合、典型的に得られるのは、標準的な方法(クロマトグラフィー、結晶化等)によって分離することができる錯体のジアステレオマー混合物である。
これらの工程(必要に応じて。続いて例えば再結晶化または昇華などの精製が行われてもよい)によって、式(1)の本発明の化合物が高純度、好ましくは99%(1H NMRおよび/またはHPLCによって決定される)より高い純度で、得られることを可能にする。
本発明による化合物は、適切な置換(例えば比較的長いアルキル基(約4~20の炭素原子)、特に分枝アルキル基、または所望により置換されているアリール基(例えば、キシリル、メシチルまたは分枝テルフェニルもしくはクアテルフェニル基による))によって可溶となっていてもよい。金属錯体の溶解性を顕著に改善するための別の特定の方法は、例えば上記で開示された式(44)~(50)に示されるように、縮合脂肪族基の使用である。このような化合物は、標準的な有機溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)に室温で十分な濃度で溶解し、溶液からの錯体の製造を可能にする。これらの溶解性化合物は、特に溶液からの処理(例えば、印刷法)に適している。
本発明のイリジウム錯体の液相からの例えばスピンコートまたは印刷法による製造には、本発明による金属錯体の配合物が必要とされる。これらの配合物は、例えば、溶液、分散液またはエマルジョンであってよい。この目的で、2以上の溶媒の混合物を使用することが好ましい可能性がある。適切かつ好ましい溶媒は、例えば、トルエン、アニソール、o-、m-もしくはp-キシレン、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、ベラトロール、THF、メチル-THF、THP、クロロベンゼン、ジオキサン、フェノキシトルエン、特に3-フェノキシトルエン、(-)-フェンコン、1,2,3,5-テトラメチルベンゼン、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、1-メチルナフタレン、2-メチルベンゾチアゾール、2-フェノキシエタノール、2-ピロリジノン、3-メチルアニソール、4-メチルアニソール、3,4-ジメチルアニソール、3,5-ジメチルアニソール、アセトフェノン、α-テルピネオール、ベンゾチアゾール、安息香酸ブチル、クメン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、デカリン、ドデシルベンゼン、安息香酸エチル、インダン、NMP、p-シメン、フェネト-ル、1,4-ジイソプロピルベンゼン、ジベンジルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、2-イソプロピルナフタレン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、1,1-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、ヘキサメチルインダン、2-メチルビフェニル、1-メチルナフタレン、1-エチルナフタレン、オクタン酸エチル、セバシン酸ジエチル、オクタン酸オクチル、ヘプチルベンゼン、イソ吉草酸メチル、ヘキサン酸シクロヘキシル、またはそれらの溶媒の混合物である。
さらに、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、および少なくとも1つのさらなる化合物を含んでなる配合物に関するものである。さらなる化合物は、溶媒、特に上述の溶媒のうちの一つまたはそれらの溶媒の混合であってよい。さらなる化合物は、電子素子において同様に使用される有機または無機化合物、例えばマトリックス材料、であってもよい。このさらなる化合物は、重合体であってもよい。
上述の本発明の化合物は、電子素子中の活性成分として、好ましくは発光層中の発光体として、もしくは正孔もしくは電子輸送層における正孔もしくは電子輸送材料として、または酸素増感剤として、または光開始剤もしくは光触媒として、使用されていてもよい。よって、本発明は、さらに、本発明による化合物の、電子素子における、または酸素増感剤、または光開始剤もしくは光触媒としての、使用について、提供するものである。エナンチオマー的に純粋な本発明によるイリジウム錯体は、キラル光誘因合成のための光触媒として好適である。
本発明は、さらに、少なくとも1つの本発明の化合物を含んでなる電子素子を提供するものである。
電子素子は、アノード、カソードおよび少なくとも1層(この層は少なくとも1つの有機または有機金属化合物を含んでなる)を具備してなる任意の素子を意味するものと解される。よって、本発明による電子素子は、アノード、カソードおよび少なくとも1つの本発明によるイリジウム錯体を含む少なくとも1つの層を含んでなる。好ましい電子素子は、少なくとも1つの層に少なくとも1つの本発明の化合物を含んでなる、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、後者は純粋な有機太陽電池および色素増感太陽電池の両方を意味するものと解される、有機光学検査器、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)、酸素センサーおよび有機レーザーダイオード(O-laser)からなる群から選択される。赤外において光を放出する化合物は、有機赤外エレクトロルミネッセンス素子および赤外線センサーでの使用に好適である。特に好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子である。活性成分は、通常アノードとカソードの間に導入された有機または無機材料、例えば電荷注入、電荷輸送もしくは電荷ブロッカー材料、特には発光材料およびマトリックス材料、である。本発明の化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子中の発光材料として、特に良好な特性を示す。本発明の好ましい態様は、それゆえ、有機エレクトロルミネッセンス素子である。さらに、本発明の化合物は、一重項酸素の生成のために、または光触媒反応において使われる。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、カソード、アノードおよび少なくとも1つの発光層を具備してなる。これらの層とは別に、さらなる層、例えばそれぞれの場合において、1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電子ブロック層、電荷発生層および/または有機もしくは無機p/n結合、を具備してなっていてもよい。このケースにおいて、1以上の正孔輸送層が、例えばMoO3もしくはWO3のような金属酸化物、または(パー)フルオロ化電子欠損芳香族、または電子欠損シアノ置換ヘテロ芳香族(例えば、JP4747558、JP2006-135145、US2006/0289882、WO2012/095143による)、またはキノイド系(例えば、EP1336208による)、またはルイス酸、またはボラン(例えば、US2003/0006411、WO2002/051850、WO2015/049030による)、主族金属第III、IVもしくはVの元素のカルボン酸塩によって、pドープされることも可能であり、および/または、1以上の電子輸送層がnドープされることも可能である。
同様に、例えば励起子ブロック機能を有する、および/またはエレクトロルミネッセンス素子において電荷バランスを制御する、および/または電荷を発生させる(電荷発生層、例えば2以上の発光層を有する層系、例えば白色発光OLED部品において)中間層が、2つの発光層の間に導入されていてもよい。しかしながら、これらの層のそれぞれが、必ずしも存在しなければならないわけではないことを留意すべきである。
このケースにおいて、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1つの発光層を含むか、または複数の発光層を含んでいてもよい。複数の発光層が存在する場合、これらは、好ましくは、380nm~750nm全体で複数の発光極大を有し、その結果、全体として白色発光を生じる、すなわち、蛍光または燐光を発することができる様々な発光化合物が、発光層中に用いられる。特に好ましい態様は、3つの層が青色、緑色および橙色または赤色発光を示す3層系(基本構造は、例えば、WO2005/011013参照)、または3つより多い発光層を有する系である。この系は、1以上の層が蛍光を発し、1以上の層が燐光を発するハイブリッドの系であってもよい。好ましい形態は、タンデムOLEDである。白色発光の有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明用途に、またはフルカラーディスプレイのカラーフィルターと共に使用されていてもよい。
本発明の好ましい形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の発光層中の発光化合物として、本発明のイリジウム錯体を含んでなる。
本発明によるイリジウム錯体が発光層における発光化合物として使用される場合、好ましくは1以上のマトリックス材料との組み合わせで使用される。本発明によるイリジウム錯体とマトリックス材料の混合物は、発光体およびマトリックス材料の混合物全体に対し、体積で0.1%~99%、好ましくは体積で1%~90%、より好ましくは体積で3%~40%、特に体積で5%~15%、の本発明によるイリジウム錯体を含む。それに対応して、混合物は、発光体およびマトリックス材料の混合物全体に対し、体積で99.9%~1%、好ましくは体積で99%~10%、より好ましくは体積で97%~60%、特に体積で95%~85%のマトリックス材料を含む。
本発明の化合物の好適なマトリックス材料は、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、およびスルホン(例えば、WO2004/013080、WO2004/093207、WO2006/005627またはWO2010/006680による)、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体(例えば、CBP(N,N-ビスカルバゾニルビフェニル)、m-CBPもしくはWO2005/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527、WO2008/086851またはUS2009/0134784に開示されるカルバゾ-ル誘導体)、架橋カルバゾール誘導体(例えば、US2009/0136779、WO2010/050778、WO2011/042107またはWO2011/088877による)、ビスカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体(例えば、WO2007/063754またはWO2008/056746による)、インデノカルバゾール誘導体(例えば、WO2010/136109またはWO2011/000455による)、アザカルバゾール(例えば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160による)、バイポーラーマトリックス材料(例えば、WO2007/137725による)、シラン(例えば、WO2005/111172による)、アザボロールもしくはボロン酸エステル(例えば、WO2006/117052による)、ジアザシロール誘導体(例えば、WO2010/054729による)、ジアザホスホール誘導体(例えば、WO2010/054730による)、トリアジン誘導体(例えば、WO2010/015306、またはWO2007/063754、またはWO2008/056746による)、亜鉛錯体(例えば、EP652273もしくはWO2009/062578による)、ジベンゾフラン誘導体(例えば、WO2009/148015による)、ジベンゾチオフェン誘導体またはトリフェニレン誘導体である。
混合物として複数の異なったマトリックス材料、特に少なくとも1つの電子伝導マトリックス材料および少なくとも1つの正孔伝導マトリックス材料、を使用することも好ましい。好ましい組み合わせは、本発明による金属錯体の混合マトリックスとして、例えば、芳香族ケトン、トリアジン誘導体またはホスフィンオキシド誘導体を、トリアリールアミン誘導体またはカルバゾール誘導体と共に使用することである。同様に、電荷輸送マトリックス材料および電荷輸送においてたとえあったとしても明らかな関与がない電気的に不活性なマトリックス材料(例えばWO2010/108579に開示される)の混合物の使用も好ましい。
本発明の化合物のためのマトリックス材料として使用することができる好ましいビスカルバゾールは、以下の式(31)および(32)の構造である。
ここで、Ar1は、同一であるかまたは異なり、5~40の芳香族環原子、好ましくは6~30の芳香族環原子を有し、それぞれのケースにおいて1以上のRラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり、A1は、NR、CR2、OまたはSであり、かつRは上記に記載の意味を有する。本発明の好ましい形態において、A1はCR2である。
式(31)および(32)の化合物の好ましい形態は、以下の式(31a)および(32a)の化合物である。
ここで、使用される記号は上記に記載の意味を有する。
式(31)および(32)の好適な化合物の例は、以下に記載の化合物である。
好ましいジベンゾフラン誘導体は、以下の式(33)の化合物である。
ここで、酸素は、硫黄によって置き換えられ、ジベンゾチオフェンを形成していてもよく、Lは、単結合または5~30の芳香族環原子を有し、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり、かつRおよびAr1は、上記に記載の意味を有する。ここで、同一の窒素原子に結合する2つのAr1基、または同一の窒素原子に結合する、1つのAr1基および1つのL基が、互いに結合され、例えばカルバゾールを形成することも可能である。
好ましいカルバゾールアミンは、以下の式(34)、(35)および(36)の構造である。
ここで、Lは、5~30の芳香族環原子を有し、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい、芳香族またはヘテロ芳香族環系であり、かつRおよびAr1は、上記に記載の意味を有する。
本発明の化合物と共に混合物として使用することができる、好ましいトリアジン、キナゾリン、またはピリミジン誘導体は、以下の式(37)、(38)および(39)の化合物である。
ここで、Ar1およびRは、上記に記載の意味を有する。
特に好ましくは、式(37)のトリアジン誘導体および式(39)のキナゾリン誘導体、特に式(37)のトリアジン誘導体である。
本発明の好ましい形態において、式(37)、(38)および(39)中のAr1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、6~30の芳香族環原子、特に6~24の芳香族環原子を有し、1以上のRラジカルによって置換されていてもよい、芳香族またはヘテロ芳香族環系である。ここで、好適な芳香族またはヘテロ芳香族環系Ar1は、Ar1、Ar2およびAr3の形態、特にAr-1~Ar-76の構造として、上記に規定されたものと同じである。
本発明の化合物と共にマトリックス材料として使用されてもよい好適なトリアジン化合物の例は、以下の表に記載の化合物である。
2以上の三重項発光体、特に2または3の三重項発光体、の混合物を1以上のマトリックス材料と共に使用されることがさらに好ましい。このケースにおいて、より短い発光波長スペクトルを有する三重項発光体が、より長い発光波長スペクトルを有する三重項発光体の共マトリックスとして機能する。例えば、本発明の金属錯体は、共マトリックスとして、より短い波長を放出する金属錯体、例えば、青、緑または黄色発光金属錯体、と組み合わせうる。例えば、本発明の金属錯体を、より長い波長を放出する三重項発光体、例えば赤色発光三重項発光体、のための共マトリックスとして使用することもできる。このケースにおいて、より短い波長およぶより長い波長を放出する金属錯体の両方が、本発明の化合物であることも好ましい。3つの三重項発光体の混合物を使用するケースにおける好ましい形態は、2つが共ホストとして使用され、1つが発光体材料として使用される場合である。これらの三重項発光体は、好ましくは、緑、黄色および赤、または青、緑およびオレンジ色の発光をする。
発光層中の好ましい混合物は、電子輸送ホスト材料、いわゆる「ワイドバンドギャップ」ホスト材料(これは、その電子特性ゆえ、層中の電荷輸送に関与しないか、または顕著な程度に関与しない)、共ドーパント(これは、本発明による化合物よりも短い波長で発光する三重項発光体である)、および本発明の化合物を含んでなる。
発光層中のさらなる好ましい混合物は、電子輸送ホスト材料、いわゆる「ワイドバンドギャップ」ホスト材料(これは、その電子特性ゆえ、層中の電荷輸送に関与しないか、または顕著な程度に関与しない)、正孔輸送ホスト材料、共ドーパント(これは、本発明による化合物よりも短い波長で発光する三重項発光体である)、および本発明の化合物を含んでなる。
本発明の化合物は、電子素子において他の機能で使用されうる。例えば、正孔注入または輸送層における正孔輸送材料として、電荷発生材料として、電子ブロック材料として、正孔ブロック材料として、または電子輸送材料としてであり、例えば電子輸送層において、である。同様に、本発明の化合物を発光層における、他の燐光発光金属錯体のためのマトリックス材料として使用することも可能である。
カソードは、好ましくは、様々な金属、例えばアルカリ土類金属、アルカリ金属、主族の金属もしくはランタノイド(例えばCa、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)を含んでなる、低仕事関数を有する金属、金属合金もしくは多層構造体を含んでなる。さらに、適しているのは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属および銀を含んでなる合金(例えば、マグネシウムと銀を含んでなる合金)である。多層構造体の場合には、比較的高い仕事関数を有する更なる金属、例えば、Agもまた、前記金属に加えて用いられてもよく、この場合、金属の組合せ、例えば、Mg/Ag、Ca/AgまたはBa/Agが、一般に用いられる。高い誘電率を有する材料からなる薄い中間層を、金属カソードと有機半導体の間に導入することもまた、好ましいことがある。この目的に使用できる材料の例は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のフッ化物であるが、対応する酸化物もしくは炭酸塩(例えば、LiF、Li2O、BaF2、MgO、NaF、CsF、Cs2CO3等)である。同様に、この目的で使用できるのは、有機アルカリ金属錯体、例えばLiq(キノリン酸リチウム)である。この層の層厚は、好ましくは、0.5~5nmである。
好ましいアノードは、仕事関数の高い材料である。好ましくは、アノードは真空に対し4.5eVよりも大きい仕事関数を有する。まず、高い酸化還元電位を有する金属はこの目的に合う。例えば、Ag、PtまたはAuである。次に、金属/金属酸化物電極(例えば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)もまた好ましい。いくつかの用途において、少なくとも1つの電極は、透明または部分的に透明であるべきである。有機材料(O-SC)の放射または発光(OLED/PLED、O-laser)を可能にするためである。ここで、好ましいアノード材料は、導電性の高い混合金属酸化物である。特に好ましくは、イリジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウムスズ酸化物(IZO)である。さらに、好ましいものとして、伝導性のドープされた有機材料、特に導電性ドープされたポリマー、例えばPEDOT、PANIまたはこれらのポリマーの誘導体、が挙げられる。さらに好ましくは、p-ドープされた正孔輸送材料が正孔注入としてアノードに適用されるとき、好適なp-ドーパントは、金属酸化物、例えばMoO3もしくはWO3または(過)フッ素化電子-欠損芳香族系である。さらに好適なp-ドーパントは、HAT-CN(ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン)またはNovaled製の化合物NPD9である。このような層によって、低HOMO、すなわち大きなHOMO値を有する材料における正孔注入が簡単になる。
従来技術で層に使用される任意の材料は、一般に、さらなる層に使用されうる。当業者であれば、発明的工夫なしで、電子素子において、それぞれの材料を本発明による材料と結び付けることができるであろう。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入もしくは正孔輸送層、電子ブロック層または電子輸送層で使用されうる、好適な電荷輸送材料は、例えば、Y.Shirota et al.,Chem.Rev.2007、107(4)、953-1010で開示される化合物、または従来技術のこれらの層に使用される他の材料である。本発明のエレクトロルミネッセンス素子における、正孔輸送、正孔注入または電子輸送層における好ましい正孔輸送材料は、インデノフルオレンアミン誘導体(例えば、WO06/122630またはWO06/100896)、EP1661888に開示されるアミン誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体(例えば、WO01/049806)、縮合芳香族環を含むアミン誘導体(例えば、US5,061,569)、WO95/09147に開示されるアミン誘導体、モノベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO08/006449)、ジベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO07/140847)、スピロビフルオレンアミン(例えば、WO2012/034627、WO2014/056565)、フルオレンアミン(例えば、EP2875092、EP2875699およびEP2875004)、スピロビベンゾピランアミン(例えば、EP2780325)およびジヒドロアクリジン誘導体(例えば、WO2012/150001)である。
素子は、相応に、(用途に応じて)構造化され、接続され、最終的に密封される。そのような素子の寿命は、水および/または空気の存在で、劇的に短くなるからである。
さらに好ましくは、1以上の層が昇華法より適用される有機エレクトロルミネッセンス素子である。このケースにおいて、材料は、典型的には10-5mbar未満、好ましくは10-6mbar未満の初期圧力で、真空昇華系で蒸着により適用される。初期圧力は、より低くても、またより高くてもよく、例えば、10-7mbar未満でもよい。
同様に、1つ以上の層がOVPD(有機気相堆積)法を用いることによって、またはキャリアガス昇華を利用して塗布されることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子も好ましい。このケースにおいて、材料は、10-5ミリバール~1バールの圧力で適用される。この方法の特別な方法は、OVJP(有機蒸気ジェット印刷)法であり、その材料は、ノズルを介して直接適用され、したがって構造化される(例えばM.S.Arnoldら、Appl.Phys.Lett.2008、92、053301)。
さらに、1つ以上の層が、例えばスピンコーティングによって、または任意の印刷法、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷もしくはノズル印刷などによって、特に好ましくはLITI(光誘導熱画像化、熱転写印刷)またはインクジェット印刷によって、溶液から生成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が好ましい。この目的では、可溶性化合物が必要であり、この化合物は、例えば適切な置換を介して得られる。
有機エレクトロルミネッセンス素子を、1つ以上の層を溶液から適用し、蒸着によって1つ以上の他の層を適用することによる、ハイブリッドの系として製造することもできる。例えば、本発明による金属錯体およびマトリックス材料を含んでなる発光層を溶液から適用し、正孔ブロック層および/または電子輸送層を減圧下で蒸着によって適用することができる。
これらの方法は、一般に当業者に知られており、当業者は、困難なく、式(I)の化合物または上述の好ましい形態を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子に、適用されうる。
本発明の電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子は、高い効率、良好な寿命および低作動電圧を有する。さらに、本発明の化合物は、熱的に非常に安定であり、特に、高すぎる分子量ではない化合物、特に分子量約1200g/molmは、分解せずに、効率的に昇華することができる。
これらの上述の利点は、他の電気的特性の劣化を伴わないものである。
本発明は、続いて実施例によってより詳細に例示されるが、それによっていかなる限定を意図しない。当業者は、記載される詳細を使用し、発明的工夫をなさずして、さらなる本発明による電子素子を製造し、かつそのことにより請求された範囲の全体にわたり本発明を実施することができるであろう。
図面の説明
図1は、本発明の錯体Ir617のX線構造を示し、その合成は以下の実施例に記載される。
実施例:
以下の合成は、特に断らなければ、乾燥溶剤中で、保護ガス雰囲気下に行われる。
金属錯体は、さらに光を排除して、もしくは黄色光の下で取り扱われる。溶剤および試薬は、例えばsigma-ALDRICHまたはABCRから購入できる。角括弧内の各数字または個別化合物に示された数字は、文献から知られる化合物のCAS番号に関する。複数の互変異性の、異性体の、エナンチオマーの、またはジアステレオマーの型を有しうる化合物のケースにおいて、1つの型は、代表的な方法で示される。
A:シントンSの合成:
例S1:
18.2g(50mmol)の2,2’-(5-クロロ-1,3-フェニレン)ビス[4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン[1417036-49-7]、28.3g(100mmol)の1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、31.8g(300mmol)の炭酸ナトリウム、200mlのトルエン、100mlのエタノールおよび200mlの水の混合物に、よく撹拌しながら、788g(3mmol)のトリフェニルホスフィン、そして225mg(1mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で48時間加熱される。冷却後、有機相は除去され、300mlの水で1回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。乾燥剤はろ別され、ろ液は減圧下で完全に濃縮される。残留物は、フラッシュクロマトグラフされる(A.Semrauによるトレント自動カラムシステム)。収量:16.5g(39mmol)、78%;純度:約97% 1H NMRによる。
例S2:
ステージS2a:
23.9g(100mmol)の2-クロロ-4-ヨードピリジン[153034-867]、19.8g(100mmol)のジフェニルボロン酸[5122-8941]、21.2g(200mmol)の炭酸ナトリウム、1.16g(1mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)、150mlのトルエン、50mlのジオキサンおよび100mlの水のよく撹拌された混合物が還流下で16時間加熱される。冷却後、析出固体は吸引ろ過され、それぞれ100mlの水で3回、50mlのメタノールで2回洗浄され、減圧下で乾燥される。固体は、150mlの熱アセトニトリル中で撹拌しながら抽出され、吸引ろ過され、減圧下で乾燥される。収量:24.2g(91mmol)、91%;純度:約97% 1H NMRによる。
ステージS2b:
26.6g(100mmol)のS2a、15.6g(100mmol)の4-クロロフェニルボロン酸[1679-18-1]、27.6g(200mmol)の炭酸カリウム、702mg(1mmol)のビス(トリフェニルホスフィノ)塩化パラジウム(II)、50gのガラスビーズ(直径3mmol)、200mlのアセトニトリルおよび100mlのメタノールのよく撹拌された混合物が、還流下で16時間加熱される。冷却後、析出固体は吸引ろ過され、それぞれ100mlの水で3回、50mlのメタノールで2回洗浄され、減圧下で乾燥される。固体は、500mlのジクロロメタン(DCM)および100mlの酢酸エチル(EA)に溶解され、DCMスラリーの形態のシリカゲル床を通してろ過される。ろ液は減圧下で濃縮される。残留固体は、150mlの熱エタノールを用いて撹拌することにより抽出され、吸引ろ過され、減圧下で乾燥される。収量:27.3g(80mmol)、80%;純度:約97% 1H NMRによる。
ステージS2c:
34.2g(100mmol)のS2b、26.7g(105mmol)のビス(ピナコラト)ジボラン、29.4g(300mmol)の酢酸カリウム(無水)、50gのガラスビーズ(直径3mm)および500mlのTHFの混合物に、よく攪拌しながら、821mg(2mmol)のS-Phos、そして225mg(1mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で16時間加熱される。混合物がさらに温められている間、塩およびガラスビーズは、THFスラリー形態のセライト床を通して吸引ろ過され、これはわずかなTHFを用いて洗浄され、そしてろ液は濃縮乾燥される。残留物は100mlのMeOHに採取され、温かい溶媒中で攪拌され、結晶化生成物は吸引ろ過され、それぞれ30mlのメタノールで2回洗浄され、減圧下で乾燥される。収量:36.4g(84mmol)、84%;純度:約95%1H-NMRによる。
ステージS2:
21.3g(100mmol)のS2c、13.6g(100mmol)の1-ブロモ-2-ヨードベンゼン[583-55-1]、53.0g(500mmol)の炭酸ナトリウム、400mlのトルエン、200mlのエタノールおよび400mlの水のよく撹拌された混合物に、1.57g(6mmol)のトリフェニルホスフィン、そして、449mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で16時間加熱される。冷却後、有機相は除去され、それぞれ200mlの水で2回、200mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。ろ液は、トルエンスラリー形態のセライト床を通してろ過され、濃縮乾燥され、残留物は、少量の酢酸エチルの添加によって、約50mlのメタノールから再結晶化される。収量:37.4g(83mmol)、83%;純度:約95% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
*3ステージ以上
例S20:
ステージS20a:
27.4g(100mmol)の2,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン[796851-03-1]、19.8g(100mmol)のジフェニルボロン酸[5122-94-1]、27.6g(200mmol)の炭酸カリウム、702mg(1mmol)のビス(トリフェニルホスフィノ)塩化パラジウム(II)、50gのガラスビーズ(直径3mmol)、150mlのアセトニトリルおよび150mlのメタノールのよく撹拌された混合物が、還流下で16時間加熱される。冷却後、反応混合物が1000mlの水に注がれる。析出固体は吸引ろ過され、それぞれ100mlの水で3回、50mlのメタノールで1回洗浄され、減圧下で乾燥される。収量:29.4g(98mmol)、98%;純度:約97% 1H NMRによる。
ステージS20b:
ジフェニルボロン酸[5122-94-1]の代わりに、12.2g(100mmol)のフェニルボロン酸[98-80-6]を用いること以外は、20aと同様の手順。粗生成物は、300mlのDCMおよび100mlのEAに溶解され、シリカゲル床を通してろ過される。ろ液が濃縮された後、固体はアセトニトリルを用いて熱撹拌しながら抽出される。収量:27.3g(80mmol)、80%;純度:約97% 1H NMRによる。
ステージS20:
34.2g(100mmol)のS20b、17.2g(110mmol)の2-クロロフェニルボロン酸[3900-89-8]、41.5g(300mmol)の炭酸カリウム、600mlのTHFおよび200mlの水のよく撹拌された混合物に、1.64g(4mmol)のS-Phosおよび499mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、そして、混合物はゆるやかな還流下で16時間加熱される。冷却後、有機相は除去され、それぞれ200mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄され、濃縮乾燥される。残留物は100mlのエタノールで4時間煮沸される。冷却後、固体は吸引ろ過され、50mlのエタノールで洗浄され、乾燥される。さらなる精製は、約200mlの酢酸エチルから再結晶化により行われる。収量:25.9g(62mmol)、62%;純度:約95% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
*3ステージ以上
例S50:
21.1g(50mmol)のS1、20.4g(100mmol)の4,4,5,5-テトラメチル-2-フェニル-1,3,2-ジオキサボロラン[24388-23-6]、63.4g(600mmol)の炭酸ナトリウム、400mlのトルエン、200mlのエタノールおよび400mlの水の混合物に、非常によく撹拌しながら、1.58g(6mmol)のトリフェニルホスフィン、そして449mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で48時間加熱される。冷却後、有機相は除去され、300mlの水で1回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。乾燥剤はろ別され、ろ液は減圧下で完全に濃縮される。残留物は、フラッシュクロマトグラフされる(A.Semrauによるトレント自動カラムシステム)。収量:17.1g(41mmol)、82%;純度:約97% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
例S100:
31.4g(200mmol)のブロモベンゼン[108-86-1]、16.1g(100mmol)の1-クロロ-3,5-エチニルベンゼン[1378482-52-0]、194.5ml(1.5mol)のトリエチルアミン、700mlのDMFおよび2.31g(2mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)のよく撹拌された混合物が、70℃で16時間撹拌される。形成されたトリエチルアンモニウムヒドロブロミドは、まだ温かいうちに吸引によりろ別され、50mlのDMFで1回洗浄される。ろ液は濃縮乾燥され、残留物は1000mlのジクロロメタンに採取される。有機相はそれぞれ300mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。有機相は約300mlに濃縮され、100mlの酢酸エチルが加えられ、混合物はシリカゲル床を通してろ過され、溶媒は減圧下で除去される。このように得られた固体は、150mlのメタノールで撹拌することにより1度抽出され、そして、減圧下で乾燥される。固体は、500mlのTHFおよび100mlのMeOHの混合物中で、10.7g(200mmol)の塩化アンモニウム、5gの木炭上のパラジウム(5%)を添加し、40℃で、2bar水素雰囲気で、水素の取り込みが完了するまで(約12時間)、水素化される。触媒はTHFスラリー形態のセライト床を用いてろ別され、溶媒は減圧下で除去され、残留物は自動化システム(A Semrauによるコンビフラッシュトレント)を用いてフラッシュクロマトグラフされる。収量:26.3g(82mmol)、82%;純度:約97% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
例S200:
41.7g(100mmol)のS50、26.7g(105mmol)のビス(ピナコラト)ジボラン[73183-34-3]、29.4g(300mmol)の酢酸カリウム(無水物)、50gのガラスビーズ(直径3mm)および300mlのTHFの混合物に、よく撹拌しながら、821mg(2mmol)のS-Phos、そして225mg(1mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で16時間加熱される。冷却後、塩およびガラスビーズはTHFスラリー形態のセライト床を通して吸引ろ過によって除去され、これはわずかなTHFを通して洗浄され、ろ液は濃縮乾燥される。残留物は100mlのMeOHに採取され、温かい溶媒中で撹拌され、結晶化した生成物は吸引ろ過され、それぞれ30mlのメタノールで2回洗浄され、減圧下で乾燥される。収量:45.8g(90mmol)、90%;純度:約95% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
例S400:
50.8g(100mmol)のS200、31.4g(120mmol)のトリイソプロピルシリルエチニルブロミド[111409-79-1]、26.5g(250mmol)の炭酸ナトリウム、2.31g(2mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)、600mlのトルエン、300mlのエタノールおよび100mlの水のよく攪拌された混合物が、80℃で24時間撹拌される。冷却後、有機相は除去され、それぞれ200mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。乾燥剤はろ別され、ろ液は30℃で減圧下で濃縮され、残留物は500mlのジクロロメタンに採取され、110mlのTBAF(THF中1M)[10549-76-5]が添加され、混合物はさらに1時間撹拌され、そして、それぞれ300mlの水で2回洗浄され、それぞれ200mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄され、30℃で濃縮され、残留物は自動化カラムシステム(A Semrauによるコンビフラッシュトレント)を用いてクロマトグラフされる。冷凍庫での生成物の保管。収量:29.4g(72mmol)、72%;純度:約97% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
B:配位子Lの合成:
例L1:
50.9g(100mmol)のS200、31.0g(100mmol)の2-(2’-ブロモ[1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピリジン[1374202-353]、63.7g(300mmol)のリン酸三カリウム、400mlのトルエン、200mlのジオキサンおよび400mlの水の混合物に、よく攪拌しながら、1.64g(4mmol)のS-Phos、そして449mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)が加えられ、混合物は還流下で24時間加熱される。冷却後、有機相は除去され、それぞれ300mlの水で2回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。乾燥剤はろ別され、ろ液は減圧下で濃縮乾燥され、ガラス状粗生成物は、アセトニトリル(~150ml)、そしてアセトニトリル/酢酸エチルから2回、煮沸で再結晶化される。収量:43.3g(71mmol)、71%;純度:約95% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
例L200:
23.4g(100mmol)の2-(4-ブロモフェニル)[63993-36-1]、40.7g(100mmol)のS400、81.5g(250mmol)の炭酸セシウム、50gのガラスビーズ(直径3mm)、787mg(1mmol)のXPhos-Pd-G2[1310584-14-5]、477mg(1mmol)のXPhos[564483-18-7]および500mlのアセトニトリルのよく攪拌された混合物が90℃で16時間撹拌される。混合物がまだ温かい間に、塩はろ別され、それぞれ200mlのDCMで2回洗浄される。ろ液は濃縮乾燥される。残留物は1000mlのジクロロメタンに採取される。有機相は、それぞれ300mlの水で3回、300mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄され、硫酸マグネシウム上で乾燥される。有機相は約500mlに濃縮され、200mlの酢酸エチルが加えられ、混合物はシリカゲル床を通してろ過され、溶媒は減圧下で除去される。このように得られた固体は、150mlのメタノールを用いて撹拌することにより一回抽出され、そして、減圧下で乾燥される。固体は、500mlのTHFおよび100mlのMeOHの混合物中で、10.7g(200mmol)の塩化アンモニウム、5gの木炭上のパラジウム(5%)を添加して、40℃で、2barの水素雰囲気で、水素の取り込みが完了するまで(約12時間)水素化される。触媒はTHFスラリー形態のセライト床を用いてろ別され、溶媒は減圧下で除去され、残留物は自動化システム(A Semrauによるコンビフラッシュトレント)を用いてフラッシュクロマトグラフされる収量:35.6g(63mmol)、63%;純度:約97% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
C:錯体の合成:
C1:電荷を有さない単座Co配位子
例Ir100:
6.12g(10mmol)のL1、4.15g(10mmol)の[(1,2,5,6-η)-1,5-シクロオクタンジエン][(1,2,3,3a,7a-η)-1H-インデン-1-イル]イリジウム(=(Ind)Ir(COD))[102525-11-1]、100mlの氷酢酸および100mlのジオキサンの混合物が、100℃で24時間撹拌される。赤い溶液が濃縮乾燥され、残留物は1000mlのDCMに採取され、5mlのトリアリールアミンが加えられ、一酸化炭素流がよく攪拌しながら3時間、溶液中を通過する。そして、DCMが留去され、留去されたDCMはメタノールによって継続的に置換される。最終的に、混合物は、約50mlの体積に、減圧下で濃縮され、生成物は吸引ろ過され、それぞれ30mlのメタノールで3回洗浄され減圧下で乾燥される。精製は、DCM/n-ヘプタン(2:1、vv)を用いたシリカゲル上で2つのクロマトグラフィーのランによって行われる。このように得られた生成物は、WO2016/124304に開示されるように、熱抽出および熱処理または分別昇華によってさらに精製される。収量:4.42g(6.3mmol);理論の63%;純度:>99.5% 1H NMRによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
C2:モノアニオン性単座Co配位子
例Ir200:
6.14g(10mmol)のL5および3.53g(10mmol)のIrCl3x3H2O[13569-57-8]、150mlのエトキシエタノールおよび50mlの水の混合物が、還流下で24時間加熱される。茶色の懸濁液が濃縮乾燥され、残留物は50mlのDMSOに採取され、1.08g(22mmol)のシアン化ナトリウム[143-33-9]が加えられ、混合物は50℃で8時間撹拌される。溶媒が減圧下で除去された後、残留物は200mlのDCMに採取され、シリカゲル上でクロマトグラフされる。黄色のコア留分(Rf~0.8)が選択され、EtOHを加えることによって継続的に留去されたDCMの量を置き換えながら、DCMはロータリーエバポレーターで50℃の水浴温度で標準圧力で留去される。DCMの留去の完了後、混合物は減圧下で約100mlの体積に濃縮され、黄色の固体は両頭フリットによってろ別され、固体はそれぞれ50mlのエタノールで2回洗浄され、最初アルゴン流中で、次に減圧下で(p~10-3mbar、T~100℃)乾燥される。このように得られた生成物は、WO2016/124304に開示されるにように、熱抽出および分別昇華によってさらに精製することができる。収量:4.06g(4.7mmol);理論の4.7%;純度:>99.5% 1HNMRおよびHPLCによる。
以下の化合物は同様に得られる。
C3:モノアニオン性および電荷を有さない単座Co配位子
例Ir300:
C2と同様の調製。8.21g(10mmol)のL13、490mg(10mmol)のNaCNおよび1.03g(10mmol)のフェニルイソニトリル[931-54-4]の使用。収量:2.65g(2.3mmol);理論の23%、ジアステレオマー混合物;純度:>99.0%1H NMRによる。
C4:電荷を有さない二座Co配位子
例Ir400:
7.64g(10mmol)のL2、4.15g(10mmol)の[(1,2,5,6-η)-1,5-シクロオクタンジエン][(1,2,3,3a,7a-η)-1H-インデン-1-イル]イリジウム(=(Ind)Ir(COD))[102525-11-1]、100mlの氷酢酸および100mlのジオキサンの混合物が、100℃で24時間撹拌される。赤い溶液が濃縮乾燥され、残留物は100mlのDCMに採取され、5mlのトリアリールアミン、そして1.87g(12mmol)の2,2’-ビピリジン[366-18-7]が加えられ、混合物がさらに12時間撹拌される。その後、DCMが留去され、留去されたDCMがメタノールによって継続的に置換される。最後に、混合物は減圧下で約50mlの体積に濃縮され、生成物は吸引ろ過され、それぞれ30mlのメタノールで3回洗浄され、減圧下で乾燥される。精製は、DCM/EA(2:1、vv)を用いてシリカゲル上の2つのクロマトグラフィーのランによって行われる。このように得られた生成物は、WO2016/124304に開示されるように、熱抽出および熱処理もしくは分別昇華によってさらに行われうる。収量:3.67g(3.3mmol);理論の33%;純度:>99.5% 1H NMRによる。
C5:モノアニオン性二座Co配位子
例Ir500:
8.21g(10mmol)のL13および3.53g(10mmol)のIrCl3x3H2O[13569-57-8]、150mlのエトキシエタノールおよび50mlの水の混合物が、還流下で24時間加熱される。茶色の懸濁液が濃縮乾燥され、残留物は、100mlの2-エトキシエタノールに採取され、7.76g(50mmol)の2-フェニルピリジン[1008-89-5]および7.71g(30mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸銀[2923-28-6]が加えられ、混合物が130℃で16時間撹拌される。溶媒が減圧下で除去され、残留物が300mlのDCMに採取され、DCMスラリー形態のセライト床を通してろ過され、DCMが留去され、メタノールで継続的に置換される。最終的に、混合物は約100mlに濃縮され、析出した生成物は吸引ろ過され、それぞれ30mlのメタノールで3回洗浄され、減圧下で乾燥される。精製は、トルエン/DCM(9:1、vv)を用いてシリカゲル上で2つのクロマトグラフィーのランによって行われる。このように得られた生成物は、WO2016/124304に開示されるように、熱抽出および熱処理または分別昇華によって精製される。収量:Ir500a、ジアステレオマー1:2.50g(2.1mmol);Ir500b、ジアステレオマー2:2.24g(1.9mmol);純度:>99.5% 1H NMRによる。
C6:ジアニオン性二座Co配位子
例Ir600:
6.14g(10mmol)の配位子L5、3.53g(10mmol)のIrCl3x3H2O[13569-57-8]、29.45g(300mmol)の酢酸カリウム(無水物)[127-08-2]、244g(2mol)の安息香酸[65-85-0]および9.47ml(100mmol)の無水酢酸[108-24-7]が、アルゴン雰囲気下で、マグネチックスターラーバー、還流冷却器およびアルゴンブランケットを有する水分離器、内部体温計(Pt-100サーモカップル)および滴下漏斗を備える1000mlの3つ口フラスコに投入される。反応混合物が250℃に急速に加熱され、その温度で3時間撹拌される。留去された酢酸は水分離器を介して廃棄される。3時間後、反応混合物は130℃に冷却され、500mlのメタノールが徐々に加えられる(中位:遅延煮沸が起こりうる!)。析出された生成物は沈殿物となり、上澄みは取り除かれ、メタノールを用いて両頭フリットに移され、生成物は吸引ろ過され、50mlの熱メタノールで3回洗浄され、減圧下で乾燥される。固体は300mlの温かいDCM中で1時間懸濁され、DCMを用いて、300gのシリカゲル60(Merck)上で、クロマトグラフされる。黄-オレンジコア留分(Rf~0.9)が選択され、DCMが、EtOHの添加によって留去されたDCMの量を継続的に置換しながら、標準圧力下で、50℃の水浴温度で、ロータリーエバポレーター上で留去される。DCMの留去完了後、混合物は減圧下で、約100mlの体積に濃縮され、黄色の固体が両頭フリットによってろ別され、固体がそれぞれ50mlのエタノールで2回洗浄され、初めはアルゴン流中で、次に減圧下(p~10-3mbar、T~100℃)で乾燥される。このように得られた生成物は、WO2016/124304に開示されるように、熱抽出および分別昇華によって精製されうる。収量:8.5g(9.00mmol);理論の90%;純度:>99.5% 1HNMRおよびHPLCによる。
以下の化合物は同様に調製されうる。
例:OLEDの製造
1)真空処理された素子:
本発明によるOLEDおよび従来技術によるOLEDを、ここに記載する状況(層厚範囲、使用材料)に適応する、WO2004/058911に記載の一般的方法によって製造する。
以下の例では、種々のOLEDについての結果を示す。50nm厚の構造化ITO(酸化インジウムスズ)で被覆された洗浄されたガラス板(Miele laboratoryのガラス洗浄機での洗浄、MerckのExtran洗剤)が、25分間のUVオゾンで前処理され(UVP製のPR-100UVオゾン発生機)、30分以内に、プロセスの改善のために、20nmのPEDOT:PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)、これはHeraeus Precious Metals GmbH(ドイツ)からCLEVIOS(商標名)P VP AI 4083として購入され、水溶液からスピンコートされる)で被覆され、そして180℃で10分間ベークされる。これらの被覆されたガラス板はOLEDが適用される基板を形成する。
OLEDは、基本的に以下の層構造を有する:基板/5%NDP-9(Novaled社から市販されている)でドープされたHTM1からなる正孔注入層1(HIL1)、20nm/HTM1からなる正孔輸送層1(HTL1)、青色素子では150nm、緑/黄色素子では215nm、赤色素子では110nm/正孔輸送層2(HTL2)/発光層(EML)/正孔ブロック層(HBL)/電子輸送層(ETL)/および最後にカソード。カソードは、100nmの厚さのアルミニウム層によって形成される。
最初に、真空処理されたOLEDについて記載する。この目的では、すべての材料は、真空チャンバにおける熱蒸着によって適用される。ここで、発光層は、常に、少なくとも1つのマトリックス材料(ホスト材料)と、共蒸着によって特定の体積比でマトリックス材料に混合される発光ドーパント(発光体)とからなる。ここで、M1:M2:Ir(L1)(55%:35%:10%)のような形で示される詳細は、材料M3が55%の体積比でその層に存在し、M2が35%の体積比でその層に存在し、Ir(L1)3が10%の割合でその層に存在することを意味する。同様に、電子輸送層も2つの材料の混合物からなっていてもよい。OLEDの正確な構造は表1に示される。OLEDの製造に使用される材料は表4に示される。
OLEDは、標準的な方法によって特徴づけられる。この目的で、エレクトロルミネッセンススペクトル、電流効率(cd/Aで測定)、電源効率(lm/Wで測定)および光束密度の関数としての外部量子効率(EQE、パーセントで測定)は、電流/電圧/電流密度特性線(IUL特性線)からランベルト発光特徴を想定して、計算され、寿命が決定される。エレクトロルミネッセンススペクトルは、光束密度1000cd/m2で決定され、CIE 1931xおよびyカラーコーディネートはこれから計算される。
OLEDは、最初は、異なる初期輝度で作動させることもできる。寿命の値は、当業者に知られる変換式を利用して他の初期輝度の数値に変換することができる。
燐光OLEDにおける発光材料としての本発明の化合物の使用
本発明の化合物の1つの使用は、OLED中の発光層における燐光発光材料としてである。OLEDの結果を表2にまとめる。
溶液処理された素子:
A:低分子量の可溶性の機能性材料から
本発明のイリジウム錯体は溶液から処理することもでき、この場合、良好な特性を有しながら、真空処理したOLEDと比較して処理技術の点で非常に単純なOLEDをもたらす。このような成分の製造は、既に文献(例えばWO2004/037887)に幾度も記載されているポリマー発光ダイオード(PLED)の製造に基づくものである。その構造は、基板/ITO/正孔注入層(60nm)/中間層(20nm)/発光層(60nm)/正孔ブロック層(10nm)/電子輸送層(40nm)/カソードで構成される。この目的のために、Technoprint社製の基板(ソーダ石灰ガラス)を使用し、それにはITO構造(酸化インジウムスズ、透明導電性アノード)が適用される。基板は、クリーンルーム内でDI水と洗剤(デコネックス15PF)を用いて洗浄され、次いでUV/オゾンプラズマ処理により活性化させる。その後、同じくクリーンルーム内で、20nmの正孔注入層(PEDOT:PSS Clevios(商標名))を、スピンコートにより適用する。必要なスピン速度は、希釈度と特定のスピンコーターの形状に依存する。層から残留水を除去するために、基板をホットプレート上で200℃で30分間焼成する。使用される中間層は、正孔輸送のために機能する。この場合、MerckのHL-Xが使用される。中間層は、引き続いての、溶液からのEML堆積の処理工程によって再び脱離しないという条件を満たすだけでよい、1つ以上の層で置き替えることができる。発光層の製造のため、本発明の三重項発光体をマトリックス材料とともにトルエンまたはクロロベンゼンに溶解させる。ここで、素子に対する典型的層厚である60nmがスピンコーティングによって達成される場合、その溶液の典型的な固体含有量は16~25g/lである。溶液処理された素子は、M5:M6:IrL(20%:55%:25%)で構成される発光層を含む。つまり、それらは2つの異なるIr錯体を含む。溶液から処理された材料のケースにおけるパーセントの数値は重量%を意味する。発光層は、不活性ガス雰囲気中、本発明の場合にはアルゴン中で、スピンコートによって適用され、160℃で10分間加熱される。後者の上に正孔ブロック層(10nmETM1)および電子輸送層(40nmETM1(50%)/ETM2(50%))が蒸着される(Lesker製の蒸着装置等、典型的な蒸着圧力は5×10
-6mbar)。最後に、アルミニウム(100nm)のカソードが蒸着によって適用される(高純度金属はAldrich製)。空気および大気の湿気から素子を保護するために、素子を最後に被包し、次にその特徴を決定する。OLEDの例はまだ最適化されていない。表3に得られた結果をまとめる。
図1は、本発明の錯体Ir617のX線構造を示す。