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JP7713097B2 - セラミック配線部材 - Google Patents
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JP7713097B2 - セラミック配線部材 - Google Patents

セラミック配線部材

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Description

本開示は、セラミック配線部材に関するものである。
板状部を有するセラミック製の本体部と、板状部に接触して配置された金属を含む材料から構成される導電部とを含むセラミック配線部材が知られている。このようなセラミック配線部材は、電子部品を保持する部材として使用される。導電部は、電子部品へ、または電子部品からの電流の経路の一部を構成する。このようなセラミック配線部材では、導電部の電気抵抗を低減することが重要である。一方で、本体部を構成するセラミックと導電部を構成する金属との線膨張係数の差異に起因して、セラミック配線基板に反りが生じる場合がある。この反りが大きくなると、導電部が本体部から剥離する等の不具合が生じるおそれがある。そのため、反りの低減が望まれる。
たとえば、導電部内にセラミック製のガラス相を導入して導電部の線膨張係数を本体部の線膨張係数に近づけることにより、上記反りを低減することができる。本体部を構成するセラミックのうち、主に焼結助剤として添加される成分からなるガラス相が、セラミック配線部材の製造プロセスにおいて導電部内に形成されることが知られている(たとえば、特開2003-347710号公報(特許文献1)参照)。ガラス相の形成により導電部の電気抵抗が大きくなるものの、適量のガラス相を形成することにより、電気抵抗の上昇を許容可能な範囲としつつ、反りを低減することができるものと考えられる。
特開2003-347710号公報
しかし、上記のように導電部におけるガラス相の割合を適切な範囲とした場合でも、電気抵抗が許容範囲を超えて上昇する場合や、反りが十分に低減できない場合がある。
反りの低減と導電部の電気抵抗の低減とを両立することが可能なセラミック配線部材を提供することが、本開示の目的の1つである。
本開示に従ったセラミック配線部材は、板状部を有するセラミック製の本体部と、板状部に接触して配置された導電部と、を備える。導電部の組織は、W(タングステン)およびMo(モリブデン)の少なくとも一方を含む金属成分からなり、互いに離れて分散する複数の空隙を有する導電相と、上記複数の空隙を充填し、板状部の厚み方向の断面における面積率で3%以上20%以下のガラス相と、を含む。板状部の厚み方向の断面において、ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合は40%以上である。
上記セラミック配線部材によれば、反りの低減と導電部の電気抵抗の低減とを両立することが可能なセラミック配線部材を提供することができる。
図1は、セラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。 図2は、本体部(板状部)と導電部との界面付近の構造を示す概略断面図である。 図3は、セラミック配線部材の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図4は、実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。 図5は、実施の形態3におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。 図6は、導電部におけるガラス相の存在状態の分析について説明するための図である。
[実施形態の概要]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示の第1の局面におけるセラミック配線部材は、板状部を有するセラミック製の本体部と、板状部に接触して配置された導電部と、を備える。導電部の組織は、WおよびMoの少なくとも一方を含む金属成分からなり、互いに離れて分散する複数の空隙を有する導電相と、上記複数の空隙を充填し、板状部の厚み方向の断面における面積率で3%以上20%以下のガラス相と、を含む。板状部の厚み方向の断面において、ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合は40%以上である。
上記第1の局面のセラミック配線部材において、板状部の厚み方向の断面において、上記ガラス相の全個数のうちアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合は65%以上であってもよい。
本発明者は、導電部におけるガラス相の割合を適切な範囲とした場合でも、電気抵抗が許容範囲を超えて上昇したり、反りが十分に低減できなくなったりする原因について検討を行った。その結果、以下のような知見が得られた。
上記電気抵抗や反りの値については、上記空隙を充填するガラス相の形状が影響する。具体的には、各ガラス相の形状が球状から遠い場合、すなわち板状部の厚み方向の断面において、ガラス相のアスペクト比が大きい場合、電気抵抗の値や反りの値の上昇への影響が大きい。この理由は、たとえば以下のようなものが考えられる。ガラス相のアスペクト比が大きい場合、ガラス相の長手方向の先端付近に応力の集中が生じやすい。そのため、本体部および導電部の焼成後におけるセラミック配線部材の製造プロセスにおいて導電部に応力が負荷されると、上記先端付近において応力が集中し、導電相に微小なクラックが生じる。このクラックの発生により、導電部の電気抵抗が上昇する。また、ガラス相のアスペクトが大きい場合、長径方向と短径方向との間で膨張量に差が生じる。そうすると、ガラス相が3次元的に等方収縮(または等方膨張)しなくなる。その結果、不均一な応力が発生し、反りの値が大きくなる。
これに対し、上記ガラス相のアスペクト比が1に近い場合、すなわちガラス相の形状が球形に近い場合、ガラス相の存在が電気抵抗の値や反りの値の上昇に及ぼす影響が小さい。より具体的には、板状部の厚み方向の断面において、ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合が40%以上であること、好ましくはアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合が40%以上であり、かつアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合が65%以上であることにより、ガラス相の存在が電気抵抗の値や反りの値の上昇に及ぼす影響が小さくなる。その結果、本開示のセラミック配線部材によれば、反りの低減と導電部の電気抵抗の低減とを両立することが可能なセラミック配線部材を提供することができる。
ここで、本願において、ガラス相のアスペクト比とは、各ガラス相を内部に含む最小面積の楕円において、当該楕円の短径に対する長径の比を意味する。このアスペクト比は、たとえば導電部について、板状部の厚み方向の断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、得られた画像データを画像処理ソフトウェアにて白黒二値化したうえで各ガラス相を内部に含む最小面積の楕円を決定し、当該楕円の短径に対する長径の比(長径/短径)を算出することにより得ることができる。画像データ中には、150以上のガラス相が含まれるように、データを取得する。また、本願において、ガラス相とは、本体部内に含まれているガラス成分の他に、本体部内に含まれているセラミック主成分(アルミナ)の結晶や、導電部内の金属成分が若干量含まれるものであっても良い。また、ガラス相には、本体部内に含まれていないガラス成分を含んでいても良い。
上記セラミック配線部材において、導電部は、板状部の第1主面に接触する第1部分と、板状部の厚み方向において第1主面とは反対側に位置する第2主面に接触する第2部分と、を含んでいてもよい。このように、電気抵抗が低減された導電部により板状部の第1主面側と第2主面側とが電気的に接続されることにより、省電力化や通信速度の高速化に対応可能な高性能なセラミック配線部材を得ることができる。
[実施形態の具体例]
次に、本開示のセラミック配線部材の具体的な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本開示の一実施の形態におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。図1を参照して、本実施の形態のセラミック配線部材1は、セラミック製の本体部10と、導電部20とを備える。本体部10を構成するセラミックは、特に限定されるものではないが、たとえば酸化アルミニウム(Al)を採用することができる。また、本体部10を構成するセラミックは、焼結助剤としてSiを含む酸化物、Caを含む酸化物、Mgを含む酸化物、Mnを含む酸化物およびBaを含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1つのガラス成分を含んでいてもよい。
本体部10は、板状の形状を有する第1板状部としての底壁部11と、板状の形状を有する第2板状部としての側壁部12とを含む。底壁部11は、平板状の形状を有する。底壁部11は、第1主面11Aと、第1主面11Aとは厚み方向において反対側に位置する第2主面11Bとを含む。底壁部11の平面形状(第1主面11Aに対して垂直な方向に見た形状)は、たとえば矩形である。
側壁部12は、底壁部11の第1主面11Aの外縁から立ち上がる板状の形状を有する。より具体的には、たとえば平面形状が矩形である底壁部11の第1主面11Aの外縁の各辺に対応する4つの平板が互いに接続された形状を有する。第1主面11Aに垂直な方向にみて、側壁部12は、たとえば第1主面11A上の空間であるキャビティ10Aを取り囲むように配置されていてもよい。側壁部12は、平面状の第1端面12Aと、底壁部11の厚み方向において第1端面12Aとは反対側の平面状の端面である第2端面12Bとを含む。側壁部12は、第2端面12Bにおいて底壁部11の第1主面11Aと接続されている。第1端面12Aは、全域にわたって単一の平面上に位置している。その結果、平板状の蓋部材を第1端面12A上に載置することにより、キャビティ10Aを閉塞することができる。キャビティ10Aには気密性が要求される水晶振動子などの電子部品を収納することができる。このようなセラミック配線部材1はセラミックパッケージとして用いられる。
本実施の形態において、セラミック配線部材1は、一対の導電部20を含む。各導電部20は、第1主面11Aに接触して配置される第1部分としての内部端子21と、第2主面11Bに接触して配置される第2部分としての外部端子25と、底壁部11の内部に配置される内部配線23とを含む。各導電部20は、さらに内部端子21と内部配線23とを接続する第1接続部22と、内部配線23と外部端子25とを接続する第2接続部24とを含む。内部配線23、第1接続部22および第2接続部24は、第1部分としての内部端子21と第2部分としての外部端子25とを接続する第3部分である。内部端子21、外部端子25、内部配線23、第1接続部22および第2接続部24は、いずれも第1板状部としての底壁部11に接触して配置される導電部20の一部である。なお、第1接続部22、第2接続部24の変形例として、例えば、底壁部11の側面にキャスタレーションを設け、キャスタレーション表面に導電部を設けてもよい。
図2を参照して、導電部20を構成する内部端子21、外部端子25、内部配線23、第1接続部22および第2接続部24のうち少なくとも1つ、好ましくは全ての組織は、WおよびMoの少なくとも一方を含む金属成分からなり、互いに離れて分散する複数の空隙31Aを有する導電相31と、複数の空隙31Aを充填し、底壁部11の厚み方向の断面における面積率で3%以上20%以下のガラス相32と、を含んでいる。ガラス相32の面積率が20%以下であることにより、導電部20の電気抵抗の上昇を抑制し、ガラス相32の面積率が3%以上、望ましくは8%以上であることにより導電部20と本体部10との線膨張係数の差を低減することができる。導電部20内のガラス相32は、基本的には焼結時に本体部より毛細管現象によって侵入してくるものだが、ガラス相32に、本体部10に含まれないガラス成分が含まれていてもよい。電気抵抗や強度の観点より、ガラス相32が充填されていない空隙31Aは、導電部20の断面における面積率で5%以下であることが望ましく、1%以下であることがより望ましい。底壁部11の厚み方向の断面(図2に示す断面)において、ガラス相32の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相32の個数の割合は40%以上である。なお、ガラス相32に関して、後述する楕円フィッティングにより求めた楕円の長径は0.1μm以上4μm以下であることが望ましい。楕円の長径を0.1μm以上とすることにより、導電部20内の空隙31Aが抑制され、導電部20の強度が上昇する。また、楕円の長径を4μm以下とすることにより、導電部20の電気抵抗を低下させることができる。
本実施の形態のセラミック配線部材1においては、板状部としての底壁部11の厚み方向の断面において、ガラス相32の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相32の個数の割合が40%以上となっている。これにより、ガラス相32の存在が導電部20の電気抵抗の値や反りの値の上昇に及ぼす影響が小さくなる。その結果、本実施の形態のセラミック配線部材1は、反りの低減と導電部20の電気抵抗の低減とが両立されたセラミック配線部材となっている。
上記本実施の形態のセラミック配線部材1において、ガラス相32の全個数のうちアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合が65%以上であることが好ましい。これにより、ガラス相32の存在が導電部20の電気抵抗の値や反りの値の上昇に及ぼす影響がより確実に小さくなる。その結果、本実施の形態のセラミック配線部材1を、一層確実に反りの低減と導電部20の電気抵抗の低減とが両立されたセラミック配線部材とすることができる。
次に、本実施の形態におけるセラミック配線部材1の製造方法の一例について説明する。図3は、セラミック配線部材の製造方法の概略を示すフローチャートである。図3を参照して、本実施の形態のセラミック配線部材1の製造方法では、まず工程S10としてグリーンシート準備工程が実施される。この工程S10では、本体部10となるべきグリーンシートが準備される。具体的には、本体部10を構成するセラミック粉末の主成分であるAlと、焼結助剤粉末、さらには、本体部10を構成しない(すなわち、焼成時に消失する)樹脂、溶剤等とをボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーを、ドクターブレード法によりグリーンシートに加工する。これにより、本体部10となるべきグリーンシートが得られる。ここで、図1を参照して、底壁部11となるべきグリーンシートとして平面形状が矩形のグリーンシートが複数枚準備される。また、側壁部12となるべきグリーンシートも複数枚準備される。側壁部12となるべきグリーンシートとしては、矩形の平面形状を有し、キャビティ10Aに対応する部分(中央部)が除去された環状のグリーンシートが準備される。
次に、工程S20として導電部印刷工程が実施される。この工程S20では、工程S10において準備されたグリーンシートに、導電部20となるべきペーストが印刷される。具体的には、まずWおよびMoの少なくとも一方の第1金属成分と、Ni、Co、Feからなる群から選択される少なくとも1つの第2金属成分と、添加材、樹脂、溶剤などとを配合し、さらに必要に応じてセラミック粉末を添加し、混錬することによりペーストを作成する。セラミック粉末は本体部10を構成するものと同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
このペーストを、工程S10において準備されたグリーンシートに、たとえばスクリーン印刷により印刷する。これにより、図1を参照して、底壁部11となるべきグリーンシートとして、外部端子25に対応する領域に上記ペーストが印刷されたグリーンシート、第2接続部24に対応する領域に上記ペーストが印刷されたグリーンシート、内部配線23に対応する領域に上記ペーストが印刷されたグリーンシート、第1接続部22に対応する領域に上記ペーストが印刷されたグリーンシート、内部端子21に対応する領域に上記ペーストが印刷されたグリーンシートが作製され、乾燥された後、この順に積層される。乾燥は、たとえば110℃に加熱し、5分間保持する条件にて実施することができる。
さらに、工程S10にて準備された側壁部12となるべきグリーンシート(キャビティ10Aに対応する部分が除去された環状のグリーンシート)がさらに複数枚積層される。このようにして、グリーンシートの積層体が得られる。
次に、工程S30として、焼成工程が実施される。この工程では、工程S20において準備されたグリーンシートの積層体が、焼成される。焼成は、たとえば水素、窒素および水蒸気が混合された雰囲気中において800℃以上1600℃以下の温度に加熱することにより実施することができる。加熱温度は、導電部20の組織に第1金属成分と第2金属成分との金属間化合物からなる金属間化合物相が形成されることを抑制できる温度域から、焼結の十分な進行を考慮して選択される。以上の手順により、本実施の形態のセラミック配線部材1を製造することができる。
本実施の形態のセラミック配線部材1の製造方法においては、工程S20において、導電相31を構成する金属成分として、第1金属成分に加えて第2金属成分が採用される。第2金属成分は、第1金属成分に対して、0.1%以上10%以下の割合で添加される。第1金属成分および第2金属成分以外の金属成分の残部は、不可避的不純物のみである。上記第2金属成分の添加により、工程S30において、導電部20内に本体部10を構成する焼結助剤を含むガラス相が侵入することを抑制することができる。また、上記第2金属成分の添加により、導電部20の原料粉末である金属粉末の焼結を促進することができる。これにより、隣り合う空隙31A同士を充填するガラス相32同士が接続されることが抑制され、ガラス相32のアスペクト比が小さくなる。本実施の形態のセラミック配線部材1の製造方法は、上記製造方法に限定されるものではないが、上記製造方法により、本実施の形態のセラミック配線部材1を容易に製造することができる。
(実施の形態2)
次に、本開示の他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図4は、実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。図4は、実施の形態1の説明において参照した図1に対応する図である。図4および図1を参照して、実施の形態2のセラミック配線部材1は、基本的には実施の形態1と同じ構成を有し、同じ効果を奏する。しかし、実施の形態2のセラミック配線部材1は、主に導電部の配置および構造において実施の形態1の場合とは異なっている。以下、実施の形態1との相違点を中心に実施の形態2について説明する。
図4を参照して、実施の形態2のセラミック配線部材1の導電部20は、第1端面12Aに接触して配置される第1部分としての上部端子26と、第2端面12Bに接触して配置される第2部分としての下部端子28と、上部端子26と下部端子28とを接続する第3接続部27とを含む。下部端子28は、底壁部11の第1主面11Aにも接触するように配置される。上部端子26、下部端子28および第3接続部27は、いずれも第2板状部としての側壁部12に接触して配置される導電部20の一部である。
導電部20を構成する上部端子26、下部端子28および第3接続部27のうち少なくとも1つ、好ましくは全ての組成は、実施の形態1の内部端子21等と同様に、WおよびMoの少なくともいずれか1つである主成分としての第1金属成分と、合計で第1金属成分に対して0.1%以上10%以下のNi、CoおよびFeからなる群から選択される少なくとも1つの第2金属成分とを含む。さらに、導電部20を構成する上部端子26、下部端子28および第3接続部27の組織のうち上記少なくとも1つ、好ましくは全ての組織は、実施の形態1の内部端子21等と同様に、第1金属成分と第2金属成分との合金からなる導電相を含む。さらに、導電部20を構成する上部端子26、下部端子28および第3接続部27の組織のうち上記少なくとも1つ、好ましくは全ての組織は、導電部20の断面における面積率で3%以上20%以下のセラミック成分からなるガラス相32を含む。
本実施の形態のセラミック配線部材1においても、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態のセラミック配線部材1は、主に導電部20の配置を変更する点を除いて、実施の形態1の場合と同様に製造することができる。なお、本実施の形態においては、底壁部11は絶縁体であるセラミック製であるが、底壁部11を構成する材料として金属などの導電体が採用されてもよい。
(実施の形態3)
次に、本開示のさらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。図5は、実施の形態3におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。図5は、実施の形態1の説明において参照した図1に対応する図である。図5および図1を参照して、実施の形態3のセラミック配線部材1は、基本的には実施の形態1と同じ構成を有し、同じ効果を奏する。しかし、実施の形態3のセラミック配線部材1は、主に本体部の構造、導電部の配置および構造において実施の形態1の場合とは異なっている。以下、実施の形態1との相違点を中心に実施の形態3について説明する。
図5を参照して、実施の形態3のセラミック配線部材1の側壁部12は、キャビティ10Aを挟んで互いに向かい合う領域に向けて突出する突出部121を含んでいる。突出部121は、底壁部11の第1主面11Aに向かい合う第1の面121Bと、底壁部11の厚み方向において第1の面121Bとは反対側に位置する第2の面121Aと、第1の面121Bと第2の面121Aとを繋ぐ先端面である第3の面121Cとを含んでいる。第1の面121Bのうち第3の面121Cに接続される先端を含む領域が第1主面11Aと向かい合っており、他の領域(突出部121の根元付近に対応する領域)は第1主面11Aと向かい合っていない。
導電部20は、第1端面12Aに接触して配置される第1部分としての上部端子26と、第2端面12Bに接触して配置される第2部分としての下部端子28と、上部端子26と下部端子28とを接続する第3接続部27とを含む。導電部20は、第1の面121Bに接触して配置される中間端子30と、中間端子30と第3接続部27とを接続する第4接続部29とをさらに含む。中間端子30は、底壁部11の第1主面11Aにも接触するように配置される。上部端子26、下部端子28、第3接続部27、中間端子30および第4接続部29は、いずれも側壁部12に接触して配置される導電部20の一部である。
導電部20を構成する上部端子26、下部端子28、第3接続部27、中間端子30および第4接続部29のうち少なくとも1つ、好ましくは全ての組成は、実施の形態1の内部端子21等と同様に、WおよびMoの少なくともいずれか1つである主成分としての第1金属成分と、合計で第1金属成分に対して0.1%以上10%以下のNi、CoおよびFeからなる群から選択される少なくとも1つの第2金属成分とを含む。さらに、導電部20を構成する上部端子26、下部端子28および第3接続部27の組織のうち上記少なくとも1つ、好ましくは全ての組織は、実施の形態1の内部端子21等と同様に、第1金属成分と第2金属成分との合金からなる導電相を含む。なお、ここでの合金とは、第1金属成分と第2金属成分とからなる固溶体の他に、固溶化していない第1金属成分と第2金属成分との混合体をも含めたものを指す。さらに、導電部20を構成する上部端子26、下部端子28、第3接続部27、中間端子30および第4接続部29のうち少なくとも1つ、好ましくは全ての組織は、導電部20の断面における面積率で3%以上20%以下のセラミック成分からなるガラス相32を含む。
本実施の形態のセラミック配線部材1においても、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態のセラミック配線部材1は、主に本体部10の構造および導電部20の配置を変更する点を除いて、実施の形態1の場合と同様に製造することができる。なお、本実施の形態においては、底壁部11は絶縁体であるセラミック製であるが、底壁部11を構成する材料として金属などの導電体が採用されてもよい。また、上記実施の形態において、本体部10の形状を例示したが、本開示の本体部の形状はこれらに限られない。本体部の形状としては、たとえば直方体状の形状、球体状の形状、膜状の形状など、種々の形状を採用することができる。
ガラス相の面積率およびアスペクト比が導電部の抵抗率、セラミック配線部材の反りおよび導電部の本体部に対する密着強度に及ぼす影響について調査する実験を行った。実験の手順は以下の通りである。
上記実施の形態において説明した製造方法と同様の手順で本体部10に接触して配置される導電部20を形成し、導電部20の抵抗率、セラミック配線部材1の反りおよび導電部20の本体部10に対する密着強度を調査した。具体的には、工程S10においてAl粉末と、焼結助剤であるSiO、CaO、MgO、MnOおよびBaOからなる群から選択される少なくとも1つの粉末と、樹脂、溶剤等を含むグリーンシートを準備した。
次に、工程S20において、工程S10において準備されたグリーンシート上に、第1金属成分を含むペーストを印刷し、乾燥させた。ペーストには、セラミック成分は添加しなかった。乾燥は、110℃に加熱し、5分間保持する条件にて実施した。このとき、第1金属成分としてWおよびMoの少なくとも一方を採用した。また、ガラス相の面積率およびアスペクト比を変化させる観点から、第2金属成分としてのNi、Co、Feの添加量を変化させた。また、第2金属成分を添加しないサンプルも作製した。
そして、工程S30において、ペーストが印刷されたグリーンシートを焼成した。焼成は、水素、窒素および水蒸気が混合された雰囲気中において、室温から所定の温度まで加熱し、その後、室温まで冷却することにより実施した。この結果、板状部を有するセラミック製の本体部の一方の主面に導電部が配置されたサンプルが得られた。なお、本サンプルでは、他方の主面への導電部や内部配線は施さなかった。焼成後の導電部について、ガラス相が充填されていない空隙は面積率で1%以下であった。
得られたサンプルについて、板状部の厚み方向の断面における導電部内のガラス相の面積率、ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合、およびアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合を調査した。具体的には、得られたサンプルについて、導電部20の断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。そして、得られた画像データについて、画像処理ソフトウェアにて白黒二値化したうえで、ガラス相32の面積を合計し、導電部20に占めるガラス相32の面積率を算出した。また、各ガラス相を内部に含む最小面積の楕円を決定(楕円フィッティング)し、当該楕円の短径に対する長径の比(長径/短径)を算出することにより、各ガラス相のアスペクト比を得た。そして、得られた各ガラス相のアスペクト比に基づいて、アスペクト比が1.5以下のガラス相の個数を算出した。この結果に基づいて、走査電子顕微鏡で観察した視野内における、ガラス相の全個数に対する、アスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合、およびアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合を算出した。上記画像処理には、ImageJ(フリーソフトウェア)を用いた。
さらに、得られたサンプルについて、導電部20の抵抗率を調査した。具体的には、得られたサンプルについて、まず4端子法により導電部20の電気抵抗を測定した。電気抵抗の測定には、日置電機株式会社製RM3544-01を使用した。そして、得られた電気抵抗と、導電部20の長さおよび長手方向に垂直な断面積とから、抵抗率を算出した。
また、得られたサンプルについて、反りを測定した。具体的には、株式会社キーエンス製3次元形状測定装置(型番VK-X1000)を用いて、サンプルの反りの値を調査した。導電部が配置された一方の主面が上、他方の主面が下になるように平面上にサンプルを設置した場合に、一方の主面側に凸となる状態を負、他方の主面側に凸となる状態を正として、反りの値を測定した。
さらに、得られたサンプルについて、導電部20の本体部10に対する密着強度を調査した。具体的には、幅2mm、長さ5mmの導電部に、2~3μmの厚みを有するNiめっき層を施し、幅0.7mm、長さ5mm、長さ方向と垂直な方向に高さ2.5mmの金属製のL字型形状の保持部材の、長さ5mmの部分をロウ付けにより接合した。次に、保持部材とサンプルとをそれぞれ保持し、導電部と本体部との界面に垂直な方向に保持部材の高さ2.5mmの先端部分を引張り、導電部が本体部から剥離した時点における荷重を密着強度として測定した。測定には、株式会社イマダ製デジタルフォースゲージ(型番ZP200N)を用いた。密着強度は、9.8N(1kgf)以上であれば十分、9.8N未満であれば不十分であると判断することができる。上記実験結果を表1に示す。
表1において、抵抗率については、0.15Ω・μm未満をA、0.15Ω・μm以上0.2Ω・μm未満をB、0.2Ω・μm以上をCと評価した。反りについては、絶対値が30μm未満をA、30μm以上をCと評価した。密着強度については、9.8N以上をA、9.8N未満をCと評価した。総合判定については、上記3つの評価項目のうち、1つでもCと評価されたサンプルについてはC、Cと評価された項目が無かったサンプルをAと評価した。すなわち、Aは優れており、Cは劣っており、Bはそれらの中間ということを意味する。また、導電部20におけるガラス相32の存在状態についての画像処理ソフトウェアを用いた分析の一例を図6に示す。
図6には、サンプル5および2の導電部20と本体部10との界面付近の断面の二次電子像、導電部20の二次電子像を二値化した状態、および二値化された画像に基づいて楕円フィッティングを行った状態が示されている。図6の左の列には、各サンプルの断面の写真(二次電子像)、中央の列には、導電部の断面の二次電子像を二値化した結果、右の列には、二値化した結果を楕円フィッティングした結果を示している。二次電子像の白い領域は、金属成分(W)であり、黒い領域はガラス相である。二値化結果の黒い領域はガラス相である。楕円フィッティング結果の黒い線で囲まれた領域はガラス相である。
図6を参照して、サンプル2に比べて、サンプル5のガラス相の面積率は少なく、またアスペクト比の小さいガラス相32の割合が高いことが分かる。このような画像データに基づき、導電部20の画像データについて二値化および楕円フィッティングを行い、ガラス相32の面積率およびアスペクト比を算出した。
表1を参照して、サンプル1においては、ガラス相の面積率が本開示の範囲である3%以上20%以下の範囲外となっている。具体的にはガラス相の面積率が20%を超えている。その結果、抵抗率が0.2Ω・μm以上となり、電気抵抗の観点からサンプル1は好ましいとはいえない。サンプル2および3においては、サンプル1に比べてガラス相32の面積率が小さくなっている。その結果、抵抗率が0.15Ω・μm未満となっており、電気抵抗の観点からは好ましい状態であるといえる。しかし、ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相の個数の割合、およびアスペクト比が2以下のガラス相の個数の割合が、それぞれ40%および65%未満となっている。その結果、反りの値の絶対値が30μmを超えており、反りの観点からサンプル2および3は好ましいとはいえない。
これに対し、サンプル4~12においては、ガラス相32の面積率が本開示の範囲である3%以上20%以下の範囲内であり、かつガラス相32の全個数のうちアスペクト比が1.5以下のガラス相32の個数の割合、およびアスペクト比が2以下のガラス相32の個数の割合が、それぞれ40%以上および65%以上となっている。その結果、これらのサンプルは抵抗率、反りおよび密着強度の全ての項目において判定がAまたはBとなっており、好ましい特性が得られているといえる。特に、ガラス相32の面積率が8%以上20%以下であるサンプルに関しては、密着強度が19.6N(2kgf)以上であるため、より好ましい特性が得られているといえる。
サンプル13においては、ガラス相の面積率が本開示の範囲である3%以上20%以下の範囲外となっている。具体的には、ガラス相の面積率が3%未満となっている。その結果、密着強度が9.8N未満(1kgf未満)となっており、導電部20の本体部10への密着強度の観点から、サンプル13は好ましいとはいえない。このことから、本体部10の焼結助剤に由来するガラス相32の形成は、導電部20の本体部10への密着強度の上昇に寄与しており、本開示の範囲の下限を下回る程度にまでガラス相32が低減されると、密着強度が不十分となることが確認される。
また、サンプル14~16では、第1金属成分としてサンプル1~13のWに代えて、Moが採用されている。これらの実験結果から、第1金属成分としてMoが採用された場合でも、Wが採用された場合と同様の傾向が確認される。
以上の実験結果から、本開示のセラミック配線部材によれば、反りの低減と導電部の電気抵抗の低減とを両立することが可能であることが確認される。
なお、上記実施の形態では、本体部10が側壁部12を含む場合について説明したが、本開示のセラミック配線部材はこれに限られず、側壁部12が省略された平板状の本体部10を含むものであってもよい。このようなセラミック配線部材は電子部品を搭載するセラミック配線基板として用いられる。また、内部端子21および外部端子25の表面には、接触抵抗を低減する等の観点から、Ni(ニッケル)層、Au(金)層などからなるめっき層が形成されていてもよい。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 セラミック配線部材、10 本体部、10A キャビティ、11 底壁部、11A 第1主面、11B 第2主面、12 側壁部、12A 第1端面、12B 第2端面、20 導電部、21 内部端子、22 第1接続部、23 内部配線、24 第2接続部、25 外部端子、26 上部端子、27 第3接続部、28 下部端子、29 第4接続部、30 中間端子、31 導電相、31A 空隙、32 ガラス相、121 突出部、121A 第2の面、121B 第1の面、121C 第3の面。

Claims (3)

  1. 板状部を有するセラミック製の本体部と、
    前記板状部に接触して配置された導電部と、を備え、
    前記導電部の組織は、
    WおよびMoの少なくとも一方を含む金属成分からなり、互いに離れて分散する複数の空隙を有する導電相と、
    前記複数の空隙を充填し、前記板状部の厚み方向の断面における面積率で3%以上20%以下のガラス相と、を含み、
    前記板状部の厚み方向の断面において、前記ガラス相の全個数のうちアスペクト比が1.5以下の前記ガラス相の個数の割合は40%以上である、セラミック配線部材。
  2. 前記板状部の厚み方向の断面において、前記ガラス相の全個数のうちアスペクト比が2以下の前記ガラス相の個数の割合は65%以上である、請求項1に記載のセラミック配線部材。
  3. 前記導電部は、
    前記板状部の第1主面に接触する第1部分と、
    前記板状部の厚み方向において前記第1主面とは反対側に位置する第2主面に接触する第2部分と、を含む、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のセラミック配線部材。
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