本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、及び特徴、そして、それらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態にも具現される。
以下の実施例において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を、他の構成要素と区別する目的で使用されている。
以下の実施例において、単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
以下の実施例において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
以下の実施例において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分の「上」または「上部」にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張されても、縮小されてもいる。例えば、図面で示された各構成の大きさ、及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであって、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
ある実施例が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なっても遂行される。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時にも遂行され、説明される順序とは逆順にも進められる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一であるか、対応する構成要素は、同じ図面符号を付する。
図1は、本発明の一実施例によるホットスタンピング部品の断面を示す断面図である。
図1を参照すれば、本発明の一実施例によるホットスタンピング部品10は、素地鋼板100、及び前記素地鋼板100の上に位置したメッキ層200を含む。
素地鋼板100は、所定の合金元素を所定含量含むように鋳造された鋼スラブに対して熱延工程、及び冷延工程を進めて製造された鋼板でもある。一例として、素地鋼板100は、炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、ボロン(B)、残部の鉄(Fe)、及びその他不可避な不純物を含むことができる。また、素地鋼板100は、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、及びアルミニウム(Al)のうち、1つ以上の成分をさらに含むものでもある。
炭素(C)は、素地鋼板100の強度、及び硬度を決定する主要元素であり、ホットスタンピング工程以後、素地鋼板100の引っ張り強度、及び焼き入れ性特性を確保するための目的で添加される。一例として、炭素は、素地鋼板100の全体重量に対して0.19wt%~0.38wt%で含まれうる。炭素の含量が0.19wt%未満である場合、素地鋼板100の機械的強度を確保し難い。一方、炭素の含量が0.38wt%を超過すれば、素地鋼板100の靭性が低下するか、脆性制御問題が引き起こされうる。
シリコン(Si)は、固溶強化元素であって、素地鋼板100の強度、及び軟性を向上させうる。また、シリコンは、水素脆性によるクラックの基点となるセメンタイトの生成を抑制する役割を遂行することができる。そのようなシリコンは、素地鋼板100の全体重量に対して0.1wt%~1wt%で含まれうる。シリコンの含量が0.1wt%未満である場合、上述した効果を得難く、反対にシリコンの含量が1wt%を超過すれば、素地鋼板100のメッキ特性が低下しうる。
マンガン(Mn)は、熱処理時、焼き入れ性、及び強度増加の目的で添加される。マンガンは、素地鋼板100の全体重量に対して1wt%~2wt%で含まれうる。マンガンの含量が1wt%未満である場合、結晶粒微細化効果が十分ではなく、ホットスタンピング部品の硬質相分率が不十分となりうる。一方、マンガンの含量が2wt%を超過すれば、マンガン偏析またはパーライトバンドによる軟性及び靭性が低下し、曲げ性能低下の原因になり、不均質微細組織が発生しうる。
リン(P)は、素地鋼板100の靭性低下を防止するために添加される。リンは、素地鋼板100の全体重量に対して0超過0.03wt%以下で含まれうる。リンの含量が0.03wt%を超過すれば、リン化鉄化合物が形成されて靭性が低下し、製造工程中、素地鋼板100にクラックが誘発されうる。
硫黄(S)は、素地鋼板100の全体重量に対して0超過0.01wt%以下で含まれうる。硫黄の含量が0.01wt%を超過すれば、熱間加工性が低下し、巨大介在物生成により、クラックのような表面欠陥が生じうる。
クロム(Cr)は、素地鋼板100の焼き入れ性、及び強度を向上させる目的で添加される。クロムは、素地鋼板100の全体重量に対して0.1wt%~0.6wt%で含まれうる。クロムの含量が0.1wt%未満である場合、焼き入れ性、及び強度向上の効果が不十分でもある。一方、クロムの含量が0.6wt%を超過すれば、製造コスト増加と素地鋼板100の靭性が低下しうる。
チタン(Ti)は、ホットスタンピング熱処理後の析出物形成による焼き入れ性強化、及び材質向上の目的で添加される。また、チタンは、高温でTi(C,N)などの析出相を形成し、オーステナイト結晶粒微細化に効果的に寄与することができる。チタンは、素地鋼板の全体重量に対して0.01wt%~0.05wt%で含まれうる。チタンの含量が0.01wt%未満である場合、析出物形成が微々たるものであり、結晶粒微細化効果が不十分でもある。一方、チタンが0.05wt%超過である場合、延伸率下落、及び靭性低下が発生されうる。
ボロン(B)は、マルテンサイト組織を確保することで、素地鋼板100の焼き入れ性、及び強度を確保する目的で添加され、オーステナイト結晶粒成長温度増加によって結晶粒微細化効果を有する。ボロンは、素地鋼板100の全体重量に対して0.001wt%~0.005wt%で含まれうる。ボロンの含量が0.001wt%未満である場合、焼き入れ性向上効果が不十分でもある。一方、ボロンの含量が0.005wt%を超過する場合、脆性危険性と延伸率劣位危険性とが増加しうる。
一例として、製造されたホットスタンピング部品の引っ張り強度が1680MPa以上を目標とする場合、素地鋼板100は、炭素(C):0.20wt%~0.50wt%、シリコン(Si):0.15wt%~0.70wt%、マンガン(Mn):0.5wt%~2.0wt%、リン(P):0超過0.05wt%以下、硫黄(S):0超過0.01wt%以下、及び残りの鉄(Fe)とその他不可避な不純物を含み、選択的に、ボロン(B):0.001wt%~0.005wt%、クロム(Cr):0.05wt%~0.5wt%、モリブデン(Mo):0.05wt%~0.3wt%、ニッケル(Ni):0.05wt%~0.6wt%、のうち、1つ以上を含み、また、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、及びバナジウム(V)のうち、1つ以上を総0超過0.1wt%以下で含むものでもある。
メッキ層200は、素地鋼板100の少なくとも一面に10μm~50μmの厚さに形成され、アルミニウム(Al)を含む。ここで、メッキ層200の厚さは、メッキ層200の全体面積にわたるメッキ層200の平均厚さを意味する。メッキ層200の厚さが10μm未満である場合、耐食性が低下し、メッキ層200の厚さが50μmを超過すれば、ホットスタンピング部品10の生産性が低下し、ホットスタンピング工程のうち、ローラーまたは、金型にメッキ層200が付着されて素地鋼板100からメッキ層200が剥離されうる。
メッキ層200は、素地鋼板100上に順次に積層された第1層210、及び第2層220を含む。また、メッキ層200は、第2層220上に積層された表面層240をさらに含むものでもある。表面層240は、アルミニウム(Al)を80wt%以上含む層であり、素地鋼板100上に表面層240が配置されることで、素地鋼板100が酸化されることを防止しうる。一例として、素地鋼板100上に配置された表面層240の平均厚さは、100nm~500nmでもある。
第1層210及び第2層220は、多結晶からなりうる。一例として、第2層220は、第1層210に比べて厚く備えられうる。例えば、第2層220の厚さは、第1層210の厚さの1.6倍~3.6倍厚く備えられうる。メッキ層200は、後述するホットスタンピング部品の製造方法において、ホットスタンピング工程のブランク加熱過程で熱反応によって、最終的に、シリコン(Si)が固溶された鉄-アルミニウム(Fe-Al)系メッキ層に形成されうる。
メッキ層200は、素地鋼板100上に位置する第1層210を含む。第1層210は、ホットスタンピング製造工程時、熱拡散によって互いに混合された鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、及びシリコン(Si)を含みうる。一例として、第1層210は、α-Fe相またはFe3Al2相を有する。また、第1層210は、ボイドをさらに含むものでもある。
メッキ層200は、第1層210上に位置する第2層220を含む。また、メッキ層200は、第2層220内にアイランド状に配置される金属間化合物部230をさらに含むものでもある。第2層220は、FeAl3相、及び Fe2Al5相のうち、少なくとも1つを含み、前記FeAl3相及び前記Fe2Al5相の平均結晶粒サイズは、3μm~15μmでもある。
図2は、一実施例によるホットスタンピング部品に含まれた第2層の耐剥離性評価結果を示す図面である。具体的に、図2は、ドリーテスト(dolly test)を通じて第2層220が素地鋼板100から剥離される強度を測定した結果を示す図面である。
図2を参照すれば、第2層220の平均結晶粒サイズが3μmである場合(aの場合)には、接着強度が6.52MPaであり、第2層220の平均結晶粒サイズが7μmである場合(bの場合)には、接着強度が6.09MPaであり、第2層220の平均結晶粒サイズが10μmである場合(cの場合)には、接着強度が5.37MPaであり、第2層220の平均結晶粒サイズが15μmである場合(dの場合)には、接着強度が5.21MPaであることを確認することができる。また、第2層220の平均結晶粒サイズが17μmである場合(eの場合)には、接着強度が3.94MPaであり、第2層220の平均結晶粒サイズが20μmである場合(fの場合)には、接着強度が3.85MPaであることを確認することができる。それを通じて第2層220の平均結晶粒サイズが15μmを超過する場合、第2層220の接着強度が低くなることが分かる。
したがって、第2層220の平均結晶粒サイズが15μmを超過する場合、メッキ層200が素地鋼板100から容易に剥離されうる。さらに具体的に、第2層220の平均結晶粒サイズが15μmを超過する場合、第2層220の接着強度が低くなり、第2層220が素地鋼板100、及び/または第1層210から容易に剥離されうる。
また、後述するホットスタンピング部品の製造方法を利用する場合、平均結晶粒サイズを3μm未満に形成し難いのである。
したがって、第2層220の平均結晶粒サイズが3μm~15μmを満足する場合、第2層220を含むメッキ層200の接着強度が向上してメッキ層200の耐剥離性が向上しうる。
第2層220内には、金属間化合物部230が位置することができる。金属間化合物部230は、第2層220内にアイランド状に分布しうる。金属間化合物部230は、第2層220内に不連続的に配置されうる。第2層220内に金属間化合物部230がアイランド状に配置されることで、ホットスタンピング部品の溶接性及び耐剥離性が向上しうる。
第2層220内に不連続的に配置されるそれぞれの金属間化合物部230は、1μm~5μmの大きさを有しうる。金属間化合物部230は、第2層220の全体断面積に対して20%~60%の分率で分布することができる。すなわち、第2層220に対する金属間化合物部230の面積分率は、20%~60%でもある。後述するホットスタンピング部品の製造方法を利用する場合、第2層220に対する金属間化合物部230の面積分率を20%未満に形成し難く、第2層220に対する金属間化合物部230の面積分率が60%を超過する場合、ホットスタンピング部品の溶接性が低下しうる。
金属間化合物部230は、鉄-アルミニウム(Fe-Al)化合物を含み、金属間化合物部230に含まれたアルミニウムの含量は、第2層220に含まれたアルミニウムの含量よりも高い。
一例として、第1層210は、鉄(Fe):82wt%~90wt%、シリコン(Si):0超過5wt%以下、及びアルミニウム(Al):9wt%~15wt%を含み、第2層220は、鉄(Fe):39wt%~47wt%、シリコン(Si):0超過2wt%以下、及びアルミニウム(Al):53wt%~61wt%を含み、前記金属間化合物部230は、鉄(Fe):62wt%~67wt%、シリコン(Si):2wt%~6wt%、及びアルミニウム(Al):30wt%~34wt%を含む。
図3は、本発明の一実施例によるホットスタンピング部品の製造方法を概略的に示すフローチャートであり、図4は、図3のメッキ鋼板を製造する工程を概略的に示すフローチャートである。以下、図3及び図4を参照して、ホットスタンピング部品の製造方法を説明する。
図3を参照すれば、一実施例によるホットスタンピング部品の製造方法は、メッキ鋼板製造段階(S110)、オイル塗布段階(S120)、ブランク形成段階(S130)、ブランク加熱段階(S140)、ブランク移送段階(S150)、成形体形成段階(S160)、及び成形体冷却段階(S170)を含むことができる。
一例として、ホットスタンピング部品の製造方法は、オイル塗布段階(S120)、ブランク形成段階(S130)、ブランク加熱段階(S140)、ブランク移送段階(S150)、成形体形成段階(S160)、及び成形体冷却段階(S170)を含む。
一例として、ホットスタンピング部品の製造方法において、ブランク形成段階(S130)が遂行された後、オイル塗布段階(S120)が遂行されうる。すなわち、ホットスタンピング部品の製造方法は、ブランク形成段階(S130)、オイル塗布段階(S120)、ブランク加熱段階(S140)、ブランク移送段階(S150)、成形体形成段階(S160)、及び成形体冷却段階(S170)順に遂行されうる。
メッキ鋼板製造段階(S110)は、図3に図示されたように、鋼スラブの熱間圧延段階(S210)、冷却/巻取段階(S220)、冷間圧延段階(S230)、焼き鈍し熱処理段階(S240)、及び溶融メッキ段階(S250)を含む。
まず、メッキ鋼板を形成する工程の対象になる半製品状態の鋼スラブを準備する。この際、前記鋼スラブは、炭素(C):0.19wt%~0.38wt%、シリコン(Si):0.1wt%~1wt%、マンガン(Mn):1wt%~2wt%、リン(P):0超過0.03wt%以下、硫黄(S):0超過0.01wt%以下、クロム(Cr):0.1wt%~0.6wt%、チタン(Ti):0.01wt%~0.05wt%、ボロン(B):0.001wt%~0.005wt%、及び残部の鉄(Fe)と不可避な不純物を含むものでもある。
熱間圧延のために、前記鋼スラブの再加熱段階が進められる。鋼スラブ再加熱段階では、連続鋳造工程を通じて確保した鋼スラブを所定の温度に再加熱することにより、鋳造時、偏析された成分を再固溶することになる。一例として、スラブ再加熱温度(Slab Reheating Temperature, SRT)は、1,200℃~1,400℃でもある。スラブ再加熱温度(SRT)が1,200℃より低い場合には、鋳造時、偏析された成分が十分に再固溶されず、合金元素の均質化効果が大きいとは認められず、チタン(Ti)の固溶効果が大きいとは認められない。スラブ再加熱温度(SRT)が高いほど、均質化に有利であるが、スラブ再加熱温度(SRT)が1,400℃を超過する場合には、オーステナイト結晶粒度が増加して強度確保が困難であり、かつ過度な加熱工程によって鋼板の製造コストが上昇してしまう。
熱間圧延段階(S210)では、再加熱された鋼スラブを所定の仕上げ圧延温度で熱間圧延する。一例として、仕上げ圧延温度(Finishing Delivery Temperature: FDT)は、880℃~950℃でもある。この際、仕上げ圧延温度(FDT)が880℃よりも低ければ、異常領域圧延による混粒組織の発生によって鋼板の加工性確保が困難であり、微細組織の不均一によって加工性が低下する問題があり、かつ、急な相変化によって熱間圧延中、通板性の問題が発生しうる。仕上げ圧延温度(FDT)が950℃を超過する場合には、オーステナイト結晶粒が粗大化されうる。また、TiC析出物が粗大化されてホットスタンピング部品の性能が低下しうる。
冷却/巻取段階(S220)では、熱間圧延された鋼板を所定の巻取温度(Coiling Temperature: CT)まで冷却して巻き取る。一例として、前記巻取温度は、550℃~800℃でもある。前記巻取温度は、炭素(C)の再分配に影響を与え、巻取温度が550℃未満である場合には、過冷による低温相分率が高くなり、強度が増加し、冷間圧延時、圧延負荷が激しくなる恐れがあり、延性が急激に低下しうる。逆に、巻取温度が800℃を超過する場合には、異常結晶粒子成長や過度な結晶粒子成長によって成形性及び強度劣化が発生しうる。
冷間圧延段階(S230)では、巻き取られた鋼板をアンコイリング(uncoiling)し、酸洗処理した後、冷間圧延する。この際、酸洗は、巻き取られた鋼板、すなわち、前記の熱延過程を通じて製造された熱延コイルのスケールを除去するための目的で実施することになる。
焼き鈍し熱処理段階(S240)は、前記冷延鋼板を700℃以上の温度で焼き鈍し熱処理する段階である。一例として、焼き鈍し熱処理は、冷延板材を加熱し、加熱された冷延板材を所定の冷却速度で冷却する段階を含む。
溶融メッキ段階(S250)は、焼き鈍し熱処理された鋼板に対してメッキ層を形成する段階である。一例として、溶融メッキ段階(S250)において、前記焼き鈍し熱処理された鋼板、すなわち、素地鋼板100上にアルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層200を形成することができる。
具体的に、溶融メッキ段階(S250)において、前記素地鋼板100を8wt%~12wt%のシリコン(Si)、残部のアルミニウム(Al)、及び不可避に添付される不純物を含む溶融メッキ浴に浸漬させうる。この際、溶融メッキ浴は、400℃~700℃の温度を保持することができる。メッキ層200は、前記素地鋼板100の両面基準40~180g/m2でメッキされて形成されうる。
オイル塗布段階(S120)は、アルミニウム及びシリコンを含むメッキ浴に素地鋼板100を浸漬して製造されたメッキ鋼板上にエステル系化合物を含むオイルを塗布する段階である。前記オイルは、10wt%~30wt%の水素処理された重質パラフィン精製油、30wt%~50wt%のソルベント-脱ワックスされた重質パラフィン精製油、1wt%~5wt%のソルベント-精製された重質パラフィン精製油、及び10wt%~40wt%のエステル系化合物を含む。一例として、前記オイルは、水素処理された重質パラフィン精製油10wt%~30wt%、ソルベント-脱ワックスされた重質パラフィン精製油30wt%~50wt%、ソルベント-精製された重質パラフィン精製油1wt%~5wt%、及びポリエステル3wt%~40wt%を含む。前記エステル成分は、前記ソルベント-脱ワックスされた重質パラフィン精製油及び前記ポリエステルに含まれうる。他の実施例において、前記オイルは、水素処理された重質パラフィン精製油10wt%~30wt%、ソルベント-脱ワックスされた重質パラフィン精製油30wt%~50wt%、ソルベント-精製された重質パラフィン精製油1wt%~5wt%、及びメチルエステル3wt%~40wt%を含む。前記エステル成分は、前記ソルベント-脱ワックスされた重質パラフィン精製油、及び前記メチルエステルに含まれうる。一実施例において、前記オイルは、クエーカー(Quaker)社の商用製品である「FERROCOTE(登録商標) 6130」が適用されうる。
オイル塗布段階(S120)において、オイルは、メッキ鋼板上に0.1g/m2~10g/m2塗布されうる。オイルがメッキ鋼板上に0.1g/m2~10g/m2塗布されることで、アルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層の表面に油膜が形成されうる。アルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層の表面に形成された油膜は、後述するブランクの加熱時、素地鋼板とアルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層との反応に影響を与え、かつ、ブランクの加熱時、外部から素地鋼板に流入される水素の量を減少させうる。メッキ鋼板上に塗布されるオイルの量が0.1g/m2未満である場合、ホットスタンピング部品の製造方法によって製造された部品の表面が腐食されうる。一方、メッキ鋼板上に塗布されるオイルの量が10g/m2超過である場合、コイルが半径方向に変形(座屈、buckling)される場合が発生しうる。
一例として、ホットスタンピング用メッキ鋼板の製造方法は、メッキ鋼板製造段階(S110)、及びオイル塗布段階(S120)を含む。メッキ鋼板製造段階(S110)、及びオイル塗布段階(S120)を含むホットスタンピング用メッキ鋼板の製造方法を通じて表面にオイルが塗布されたホットスタンピング用メッキ鋼板が製造されうる。
ブランク形成段階(S130)は、オイルが塗布されたメッキ鋼板を裁断してブランクを形成する段階である。ブランク形成段階(S130)では、表面にオイルが塗布されたメッキ鋼板を、目的によって所望の形状に裁断してブランクを形成する段階である。表面にオイルが塗布されたメッキ鋼板を裁断することで、ホットスタンピング用ブランクが提供されうる。
一例として、ブランク形成段階(S130)が遂行された後、オイル塗布段階(S120)が遂行されうる。その場合、ブランク形成段階(S130)では、メッキ鋼板を、目的によって所望の形状に裁断してブランクを形成することができる。また、オイル塗布段階(S120)では、ブランク形成段階(S130)を通じて形成されたブランク上にエステル系化合物を含むオイルを塗布することができる。オイル塗布段階(S120)において、オイルは、ブランク上に0.1g/m2~10g/m2塗布されうる。
ブランク加熱段階(S140)は、裁断されたブランクを加熱炉内で加熱する段階でもある。具体的に、ブランク加熱段階(S140)は、裁断されたブランクを800℃~1,000℃に保持される加熱炉で加熱する段階でもある。
一例として、ブランク形成段階(S130)が遂行された後、オイル塗布段階(S120)が遂行される場合、ブランク加熱段階(S140)は、オイルが塗布されたブランクを加熱炉内で加熱する段階でもある。具体的に、ブランク加熱段階(S140)は、ブランク形成段階(S130)及びオイル塗布段階(S120)が順次に遂行されたブランクを800℃~1,000℃に保持される加熱炉で加熱する段階でもある。
一例として、ブランク加熱段階(S140)は、多段加熱段階及び均熱加熱段階を含む。多段加熱段階では、ブランクが段階的に加熱され、均熱加熱段階では、均一な温度でブランクが加熱されうる。具体的に、多段加熱段階では、ブランクが加熱炉内に備えられた複数の区間を通過して段階的に昇温されうる。加熱炉内に備えられた複数の区間のうち、多段加熱段階が遂行される区間は、複数個存在し、ブランクが投入される加熱炉の入口からブランクが取り出される加熱炉の出口方向に高くなるように、各区間別に温度が設定されてブランクを段階的に昇温させうる。多段加熱段階以後に均熱加熱段階がなされうる。均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクがAc3~1,000℃の温度に設定された加熱炉の区間を通過して熱処理されうる。望ましくは、均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクを930℃~1,000℃の温度で均熱加熱することができる。さらに望ましくは、均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクを950℃~1,000℃の温度で均熱加熱することができる。また、加熱炉内に備えられた複数の区間のうち、均熱加熱段階が遂行される区間は、少なくとも1つ以上でもある。
図5は、本発明の一実施例によるホットスタンピング部品の製造方法のブランク加熱段階において、複数の区間を備えた加熱炉を説明するために示す図面である。
図5を参照すれば、一実施例による加熱炉は、互いに異なる温度範囲を有する複数の区間を備えることができる。さらに具体的に、加熱炉は、第1温度範囲T1を有する第1区間P1、第2温度範囲T2を有する第2区間P2、第3温度範囲T3を有する第3区間P3、第4温度範囲T4を有する第4区間P4、第5温度範囲T5を有する第5区間P5、第6温度範囲T6を有する第6区間P6、及び第7温度範囲T7を有する第7区間P7を備えることができる。
一例として、ブランク加熱段階(S140)のうち、多段加熱段階では、ブランクが加熱炉内に定義された複数の区間(例えば、第1区間P1ないし第4区間P4)を通過して段階的に多段加熱されうる。また、ブランク加熱段階(S140)のうち、均熱加熱段階では、第1区間P1ないし第4区間P4で多段加熱されたブランクが第5区間P5ないし第7区間P7で均熱加熱されうる。
第1区間P1ないし第7区間P7は、順番通り、加熱炉内に配置されうる。第1温度範囲T1を有する第1区間P1は、ブランクが投入される加熱炉の入口と隣接し、第7温度範囲T7を有する第7区間P7は、ブランクが排出される加熱炉の出口と隣接することができる。したがって、第1温度範囲T1を有する第1区間P1が加熱炉の最初区間でもあり、第7温度範囲T7を有する第7区間P7が加熱炉の最後区間でもある。加熱炉の複数の区間において、第5区間P5、第6区間P6、及び第7区間P7は、多段加熱が遂行される区間ではない均熱加熱が遂行される区間でもある。
加熱炉内に備えられた複数の区間の温度、例えば、第1区間P1ないし第7区間P7の温度は、ブランクが投入される加熱炉の入口からブランクが取り出される加熱炉の出口方向に増加することができる。但し、第5区間P5、第6区間P6及び第7区間P7の温度は、同一でもある。また、加熱炉内に備えられた複数の区間のうち、互いに隣接した2つの区間間の温度差は、0℃より大きく、100℃以下でもある。例えば、第1区間P1と第2区間P2の温度差は、0℃より大きく、100℃以下でもある。
一例として、第1区間P1の第1温度範囲T1は、840℃~860℃でもあり、835℃~865℃でもある。第2区間P2の第2温度範囲T2は、870℃~890℃でもあり、865℃~895℃でもある。第3区間P3の第3温度範囲T3は、900℃~920℃でもあり、895℃~925℃でもある。第4区間P4の第4温度範囲T4は、920℃~940℃でもあり、915℃~945℃でもある。第5区間P5の第5温度範囲T5は、Ac3~1,000℃でもある。望ましくは、第5区間P5の第5温度範囲T5は、930℃以上1,000℃以下でもある。さらに望ましくは、第5区間P5の第5温度範囲T5は、950℃以上1,000℃以下でもある。第6区間P6の第6温度範囲T6、及び第7区間P7の第7温度範囲T7は、第5区間P5の第5温度範囲T5と同一である。
図5では、一実施例による加熱炉が、互いに異なる温度範囲を有する7区間を備えていると図示されているが、本発明がそれに限定されるものではない。加熱炉内には、互いに異なる温度範囲を有する5個、6個、または8個などの区間が備えられうる。
一例として、ブランクが多段加熱された以後にブランクが均熱加熱されうる。ブランクの均熱加熱は、加熱炉に備えられた複数の区間のうち、最後の部分で遂行され、Ac3~1,000℃の温度でなされうる。
均熱加熱段階は、加熱炉の複数の区間のうち、最後の部分でなされうる。一例として、均熱加熱段階は、加熱炉の第5区間P5、第6区間P6、及び第7区間P7でなされうる。加熱炉内に複数の区間が備えられる場合、1つの区間の長さが長ければ、前記区間内で温度変化が生じるなどの問題点が存在しうる。したがって、均熱加熱段階が遂行される区間は、第5区間P5、第6区間P6、及び第7区間P7に区分されるが、前記第5区間P5、第6区間P6、及び前記第7区間P7は、加熱炉内において同じ温度範囲を有しうる。
均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクをAc3~1,000℃の温度で均熱加熱することができる。望ましくは、均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクを930℃~1,000℃の温度で均熱加熱することができる。さらに望ましくは、均熱加熱段階では、多段加熱されたブランクを950℃~1,000℃の温度で均熱加熱することができる。
一例として、ブランクが多段加熱される区間の長さD1とブランクが均熱加熱される区間の長さD2との比は、1:1~4:1でもある。さらに具体的に、ブランクが多段加熱される区間である第1区間P1ないし第4区間P4の長さの和と、ブランクが均熱加熱される区間である第5区間P5ないし第7区間P7の長さの和との比は、1:1~4:1を満足することができる。ブランクが均熱加熱される区間の長さが増加してブランクが多段加熱される区間の長さD1とブランクが均熱加熱される区間の長さD2との比が1:1を超過する場合、均熱加熱区間でオーステナイト(FCC)組織が生成されてブランク内に水素浸透量が増加し、遅延破断が増加しうる。また、ブランクが均熱加熱される区間の長さが減少し、ブランクが多段加熱される区間の長さD1とブランクが均熱加熱される区間の長さD2との比が4:1未満である場合、均熱加熱区間(時間)が十分に確保されず、ホットスタンピング部品の製造工程によって製造された部品の強度が不均一になる。
一例として、加熱炉内に備えられた複数の区間のうち、均一加熱区間の長さは、加熱炉の総長の20%~50%の長さを有しうる。
また、ブランク加熱段階(S140)において、加熱炉内には、互いに異なる厚さを有する少なくとも2つのブランクが同時に移送されうる。
一例として、ブランクは、加熱炉内で180秒~500秒間滞留する。さらに具体的に、加熱炉内でブランクが多段加熱、及び均熱加熱される時間は、180秒~500秒でもある。ブランクの加熱炉内における滞留時間が180秒未満である場合、所望の均熱温度での十分な均熱が困難である。また、ブランクの加熱炉内における滞留時間が500秒を超過する場合、ブランク内部に侵透する水素の量が増加して遅延破断の危険性が高くなり、ホットスタンピング後の耐食性が低下しうる。
図6は、エステル系化合物を含むオイルが塗布されたブランク、及び一般オイルが塗布されたブランクの経時的な温度変化を示すグラフである。
図6を参照すれば、エステル系化合物を含むオイルが塗布されたブランク310と一般オイルが塗布されたブランク320の場合、常温で600℃までは実質的に同じ昇温速度を示しているが、600℃~900℃では、エステル系化合物を含むオイルが塗布されたブランク310の昇温速度が一般オイルが塗布されたブランク320の昇温速度より速いことを確認することができる。すなわち、エステル系化合物が10wt%~40wt%含まれたオイルが塗布されたブランク310の昇温速度が一般オイルが塗布されたブランク320の昇温速度よりも速いことを確認することができる。
エステル系化合物の加水分解反応は、ブランク温度が600℃~900℃である区間で発生するが、前記エステル系化合物の加水分解反応は、吸熱反応であって、当該区間での加熱炉温度を高めて加水分解反応を促進させることで、ブランク内に水素が流入されることを遮断し、図1において前述したように、第1層210、第2層220、及び前記第2層220内にアイランド状に備えられた金属間化合物部230を含むメッキ層200が素地鋼板100上に形成されうる。この際、エステル化合物が10wt%~40wt%含まれたオイルが塗布されたブランク310の温度が600℃~900℃である区間でのブランクの平均昇温速度は、4.5℃/s~10℃/sでもある。
一例として、オイルには、エステル系化合物が10wt%~40wt%含まれうる。オイルにエステル系化合物が10wt%~40wt%含まれることで、拡散性水素量が減少されて水素遅延破壊性能が向上し、エステル系化合物の加水分解反応によって緻密な酸化膜が形成されうる。オイルにエステル系化合物が10wt%未満で含まれる場合、拡散性水素量が増加して水素遅延破壊が発生しうる。一方、オイルにエステル系化合物が40wt%超過して含まれる場合、ホットスタンピング部品の製造方法によって製造された部品の表面にステインが存在しうる。
ブランク移送段階(S150)は、加熱されたブランクを加熱炉からプレス金型に移送する段階でもある。この際、ブランク移送段階(S150)では、加熱されたブランクがプレス金型に移送されながら大気温度(または、常温)で冷却されうる。加熱されたブランクは、移送中、空冷されうる。加熱されたブランクが空冷されなければ、金型進入温度(例えば、成形開始温度)が高くなり、製造されたホットスタンピング部品の表面にシワ(または、屈曲)が発生しうる。また、冷媒使用時、後続工程(ホットスタンピング)に影響を与えうるので、移送中に加熱されたブランクが空冷されることが望ましい。
成形体形成段階(S160)は、移送されたブランクをホットスタンピングし、成形体を形成する段階である。成形体冷却段階(S170)は、形成された成形体を冷却する段階である。
プレス金型で最終部品形状に成形すると共に、成形体を冷却して最終製品が形成されうる。プレス金型には、内部に冷媒が循環する冷却チャネルが備えられうる。プレス金型に備えられた冷却チャネルを介して供給される冷媒の循環によって加熱されたブランクを急冷させうる。この際、板材のスプリングバック(spring back)現象を防止すると共に所望の形状を保持するためには、プレス金型を閉状態で加圧しながら、急冷を実施することができる。加熱されたブランクを成形及び冷却操作を行うに当たって、マルテンサイト終了温度まで平均冷却速度を少なくとも10℃/s以上に冷却することができる。ブランクは、プレス金型内で3秒~20秒間保持されうる。プレス金型内の保持時間が3秒未満である場合、素材の冷却が十分になされず、残存熱による部位別温度偏差によって脆化品質に影響を与えることができる。また、十分な量のマルテンサイトが生成されず、機械的物性が確保され得ない。一方、プレス金型内の保持時間が20秒を超過する場合、プレス金型内の保持時間が長くなって生産性が低下しうる。
図7は、素材厚さによる空冷時間及び加熱温度による空冷時間を示す図面である。具体的に、図7は、素材厚さによる最大許容空冷時間及び加熱温度による最大許容空冷時間を説明するために示すグラフである。図7において、加熱温度が高いということは、加熱炉取り出し温度が高いということと理解されうる。
図3及び図7を参照すれば、同一素材の厚さで加熱温度が減少するほど、最大許容空冷時間が増加することを確認することができる。また、同一加熱温度で素材の厚さが増加するほど、最大許容空冷時間が増加することを確認することができる。
加熱されたブランクが常温に過度に露出される場合、生産性が低下するだけではなく、空冷中にブランクで相変態が発生して成形性が低下し、所望の材質確保が困難である。一方、加熱されたブランクの常温露出時間が短い場合、過度に高い温度で成形開始されて製造されたホットスタンピング部品にシワ(または、屈曲)が発生しうる。また、ブランクのメッキ層がプレス金型に焼着されうる。したがって、ブランク移送段階(S150)での空冷時間を調節する必要がある。但し、ブランク移送段階(S150)での空冷時間を調節するには、加熱温度及びブランクの厚さ(例えば、素材の厚さ)だけではなく、ブランクの成分、ブランクの厚さ、メッキ量及び表面放射率による熱伝導度、熱伝導率及び熱伝逹量、及びブランクの加熱炉取り出し温度と大気温度など多様な変数を考慮せねばならない。
そこで、本発明者は、過度な反復実験を経て空冷時間を容易に制御することができる数式を導出した。一実施例において、ブランク移送段階(S150)でのブランクの空冷時間は、下記数式を満足することができる。
数式において、λtは、空冷時間(s)、atは、加熱炉取り出し温度及び大気温度を考慮した補正係数、Ttは、加熱温度(℃)、btは、素材成分を考慮した補正係数、ctは、高温素材厚さ敏感度を考慮した補正係数、tは、素材厚さ(mm)である。この際、素材は、ブランクを意味し、空冷時間の単位sは、秒を意味する。
atは、加熱されたブランクの加熱炉取り出し温度及び大気温度を考慮した補正係数であって、約0.0160以上約0.0165以下の値を有する。この際、atは、s/(℃xmm)の単位を有しうる。
btは、各素材が成分が互いに異なる場合を考慮したものであって、btは、素材成分を考慮した補正係数である。この際、btは、約10.0以上約0.5以下の値を有する。この際、btは、s/mmの単位を有する。
また、素材の厚さによって素材内部から伝達される熱伝逹量が異なってもいる。ctは、高温で素材の厚さによる熱伝逹量差を考慮した補正係数であって、約0.7以上約0.9以下の値を有する。この際、高温は、600℃以上を意味する。但し、高温は、500℃以上を意味するか、700℃以上を意味する。
加熱温度Ttは、ブランク加熱段階(S140)の均熱加熱温度を意味し、加熱温度Ttは、約Ac3以上約1000℃以下の値を有しうる。この際、加熱温度Ttは、加熱炉取り出し温度を意味する。また、素材厚さtは、約1mm以上約2.6mm以下の値を有しうる。
一実施例において、数式による空冷時間λtは、約5s以上約20s以下でもある。空冷時間λtが5s未満である場合、ブランクの成形が開始される成形開始温度が過度に高く、ブランクの成形が高い温度で進められて製造されたホットスタンピング部品にシワ(または、屈曲)が発生し、設備上5s未満の空冷時間λtを具現し難い。一方、空冷時間λtが20s超過である場合、生産性が低下するだけではなく、ブランクが移送される過程でブランクで相変態が発生してブランクの成形性が低下し、製造されたホットスタンピング部品が所望の材質を有さない。したがって、空冷時間λtが約5s以上約20s以下の範囲を満足する場合、ブランクの成形性及び工程の生産性を向上させ、製造されたホットスタンピング部品が所望の材質を有させうる。
上述した組成と工程条件を適用して耐遅延破壊性能を有するホットスタンピング部品(部材)を具現することができる。前記ホットスタンピング部品の素地層微細組織は、フルマルテンサイト(Full Martensite)組織を有し、降伏強度900MPa以上、引っ張り強度1,350MPa以上、延伸率5%以上を満足することができる。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例によって限定されるものではない。下記実施例は、本発明の範囲内で当業者によって適切に修正、変更されうる。
表1は、本発明の実験例による素地鋼板の組成を示した表であり、表2は、本発明の実験例によるホットスタンピング部品の製造のための鋼材成分、オイル条件、多段加熱実施如何、均熱温度、及び加熱炉滞留時間を示す表である。
表1の成分系1は、引っ張り強度1,350MPa以上を目標に設定され、成分系2は、引っ張り強度1,680MPa以上を目標に設定された。
表1及び表2を参照すれば、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、及び比較例4の鋼材は、表1の成分系1の組成と残部の鉄を含み、実施例3、比較例3、及び比較例5の鋼材は、表1の成分系2の組成と残部の鉄を含む。実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5の組成を有する鋼材に対して同じ条件で熱間圧延、冷却/巻取、冷間圧延、焼き鈍し熱処理、及び溶融メッキ処理を遂行した。
一方、実施例1ないし実施例3、比較例4及び比較例5の場合、アルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層の表面に0.1g/m2のオイル1を塗布して油膜を形成し、比較例1ないし比較例3の場合、アルミニウム-シリコン(Al-Si)メッキ層の表面に0.1g/m2のオイル2を塗布して油膜を形成した。この際、オイル1は、クエーカー(Quaker)社の「Ferrocote 6130」製品を使用し、オイル2は、Buhmwoo社の商用製品である「BW-80HG」を使用した。オイル1には、ポリエステルが10wt%~40wt%含まれているが、オイル2には、エステル系化合物が10wt%未満含まれている。
次いで、表面にオイル1が塗布された実施例1ないし実施例3、及び表面にオイル2が塗布された比較例1ないし比較例3のブランクを、前記表2の条件によって加熱し、前記加熱されたブランクをプレス金型に移送してプレス成形を遂行し、10℃/s以上の冷却速度で冷却することで、ホットスタンピング部品を製造した。また、表面にオイル1が塗布された比較例4及び比較例5のブランクは、前記表2の条件によって均一な温度で加熱(単一加熱)し、前記加熱されたブランクをプレス金型に移送してプレス成形を遂行し、10℃/s以上の冷却速度で冷却することで、ホットスタンピング部品を製造した。
<引っ張り強度検査>
表3の実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5のホットスタンピング部品を製造した後、常温での降伏強度、引っ張り強度、及び延伸率を測定した。
表3は、実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5の常温での降伏強度、引っ張り強度、及び延伸率を示す表である。表3を参照すれば、実施例1、及び実施例2の降伏強度が900MPa以上であり、引っ張り強度が1,350MPa以上であり、延伸率が5%以上であることを確認することができる。また、実施例3の引っ張り強度が1,680MPa以上であり、降伏強度が1,000MPa以上であることを確認することができる。
したがって、メッキ層上にエステル系化合物が10wt%~40wt%含まれたオイル(オイル1)が塗布されたブランクでホットスタンピング部品を製造した場合にも、既設定の目標(例えば、1,350MPaまたは1,680MPa)以上の引っ張り強度を有しうる。
<拡散性水素量、及び水素遅延破壊特性評価>
実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5に対して加熱脱ガス分析(Thermal Desorption Spectroscopy)を実施した。さらに具体的に、20℃/minの加熱速度で常温から500℃まで昇温させつつ、350℃以下でホットスタンピング部品から放出される拡散性水素量を測定した。また、実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5に対して水素遅延破壊評価を遂行した。前記水素遅延破壊評価は、4点屈曲試験(4 point bending test)方法で遂行した。前記4点屈曲試験は、腐食環境に露出させた状態を再現して製造された試片の特定地点に弾性限界以下レベルの応力を加え、応力腐食クラックの発生有無を確認する試験方法である。この際、応力腐食クラックは、腐食と持続的な引っ張り応力とが同時に作用するとき、発生するクラックを意味する。
具体的に、引っ張り強度が1,350MPa以上である実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例4は、それぞれのサンプルに対して空気中で1,000MPaの応力を100時間印加して破断発生有無を確認した結果である。また、引っ張り強度が1,680MPa以上である実施例3、比較例3、及び比較例5は、それぞれのサンプルに対して空気中で1,200MPaの応力を100時間印加して破断発生有無を確認した結果である。
図8Aないし図8Cは、それぞれ実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、及び実施例3と比較例3の加熱脱ガス分析結果を示すグラフであり、表4は、実施例1ないし実施例3、及び比較例1ないし比較例5から放出される拡散性水素量及び水素遅延破壊評価結果を示す表である。
図8A及び表4を参照すれば、300℃以下の温度で実施例1から放出される拡散性水素量が、比較例1から放出される拡散性水素量に比べて少ないことを確認することができる。また、水素遅延破壊評価の結果、実施例1は。破断が発生していないが、比較例1は破断が発生した。
図8B及び表4を参照すれば、300℃以下の温度で実施例2から放出される拡散性水素量が、比較例2から放出される拡散性水素量に比べて少ないことを確認することができる。また、水素遅延破壊評価の結果、実施例2は、破断が発生していないが、比較例2は、破断が発生した。
図8C及び表4を参照すれば、300℃以下の温度で実施例3から放出される拡散性水素量が、比較例3から放出される拡散性水素量に比べて少ないことを確認することができる。また、水素遅延破壊評価の結果、実施例3は、破断が発生していないが、比較例3は破断が発生した。
したがって、メッキ層の表面にエステル系化合物を含むオイル(オイル1)を塗布する場合、外部からの水素流入量が減少し、これにより、水素遅延破壊に対する抵抗性に優れると示された。
また、多段加熱を遂行した実施例1及び実施例3からそれぞれ放出される拡散性水素量が、単一加熱を遂行した比較例4、及び比較例5からそれぞれ放出される拡散性水素量に比べて少なく、水素遅延破壊評価の結果、実施例1及び実施例3は、破断が発生していないが、比較例4及び比較例5は、破断が発生した。
したがって、多段加熱を遂行する場合、単一加熱を遂行する場合に比べて、外部からの水素流入量が減少し、これにより、水素遅延破壊に対する抵抗性に優れると示された。
<表面層の厚さ観察>
図9A及び図9Bは、それぞれ実施例1、及び比較例1の表面層を示す写真である。図9A及び図9Bは、実施例1、及び比較例1の断面をTEMで測定した結果を示す図面である。
図9A及び図9Bを参照すれば、実施例1の表面層240の厚さは、約165nmであり、比較例1の表面層450の厚さは、約92nmである。したがって、実施例1が比較例1に比べて厚い表面層を有し、これは、図6に示されたように、実施例1のブランクの昇温速度と比較例1のブランクの昇温速度差によって発生すると判断される。実施例1の表面層240が、比較例1の表面層450に比べて厚く備えられるので、メッキ層上にエステル系化合物を含むオイル(オイル1)が塗布される場合、さらに効果的に素地鋼板100が酸化されることを防止しうる。
<溶接性評価>
実施例1及び比較例1に対して溶接性評価を実施した。前記溶接性評価は、930℃、4分間、6mmの溶接チップを加圧力350kgfで溶接部に印加し、電流を印加した状態で接触抵抗を測定した。
図10は、実施例1及び比較例1に対する点溶接時、抵抗測定結果を示すグラフである。
図10を参照すれば、実施例1の接触抵抗が比較例1の接触抵抗に比べて低いことを確認することができる。特に、溶接初期5ms前後での実施例1の接触抵抗が、比較例1の接触抵抗よりも低いことを確認することができる。したがって、実施例1の接触抵抗が、比較例1の接触抵抗に比べて低いので、実施例1のホットスタンピング部品が、比較例1のホットスタンピング部品に比べて溶接性に優れることを確認することができる。
<耐食性評価>
実施例1及び比較例1のホットスタンピング部品に対して耐食性評価実験を遂行した。前記耐食性評価は、作業電極(working electrode)として試片を、相対電極(counter electrode)として高純度炭素棒を、基準電極(reference electrode)として飽和カロメル電極(saturated calomel electrode)を使用し、3電極電気化学セルを構成して動電位分極試験を進めた。動電位分極試験は、3.5%NaCl溶液で開放回路電位(open-circuit potential, OCP)を10時間測定して電気化学的安定化を確認してから進め、腐食電位(Ecorr)基準-250mVから0mVSCEまで0.166mV/sの走査速度で電位を印加した。
図11は、実施例1及び比較例1に対する耐食性評価実験結果を示すグラフである。図11のグラフは、実施例1及び比較例1の腐食電流測定結果であり、前記腐食電流は、安定して保持された電位(Potential)の分岐が発生する時点の電流密度に対応する数値である。
図11を参照すれば、実施例1の腐食電流は、5X10-4Aと測定され、比較例1の腐食電流は、5.5X10-4Aと測定された。これにより、実施例1の腐食に係わる電流密度が、比較例1の腐食に係わる電流密度に比べて低いことを確認することができる。したがって、実施例1の耐食性が、比較例1の耐食性に比べて優秀であることを確認することができる。このように本発明は、図面に図示された一実施例に基づいて説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それらから、多様な変形及び実施例の変形が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。