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JP7713685B2 - 水素及び/又はアンモニアの製造装置、製造方法 - Google Patents
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JP7713685B2 - 水素及び/又はアンモニアの製造装置、製造方法 - Google Patents

水素及び/又はアンモニアの製造装置、製造方法

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Description

本発明は、尿素、水から、水素及び/又はアンモニアを製造する装置、水素及び/又はアンモニアを製造する方法に関する。
水素は、燃料電池の燃料、e-fuel等の原料として有用である。また、アンモニアは、水素キャリア、化学肥料の原料であり、選択触媒還元(つまり、SCR)により、NOxなどの有害物質の除去に有用である。一方、尿素は、エネルギー密度が高く、安全に運搬、貯蔵が可能であり、また工場や生活排水などからも容易に入手できるため、水素やアンモニアを生成するための原料として着目されている。
例えば、特許文献1では、テフロン(登録商標)膜、ポリピロピレン膜を分離器(換言すれば、隔膜、セパレータ)として用いて尿素の電解加水分解を生じさせる方法が提案されている。この方法により、尿素からアンモニアを生成することができる。
特許第5932764号公報
近年、太陽光発電など電気の生成効率(具体的には、エネルギー変換効率)が高くなっており、再生可能エネルギー利用の拡大が見込まれている。そこで、電気(具体的には、電解反応)を利用した、例えば低エネルギーでのアンモニアや水素の新しい製造方法、製造装置の開発が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、尿素及び水から、水素及び/又はアンモニアを電気化学的に生成することができる水素及び/又はアンモニアの製造装置及び製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、電極体(2)及び電解液(3)を有する電気化学セル(4)から構成される、水素及び/又はアンモニアの製造装置(1)であって、
上記電極体が、カソード極(21)と、隔膜(22)と、アノード極(23)とが順次積層された積層体から構成されており、
少なくとも上記アノード極が尿素と接触しており、
上記電解液がアルカリ性水溶液から構成されており、上記アノード極及び上記カソード極の少なくとも一方が上記電解液と接触しており、
上記隔膜がイオン交換膜から構成されている、水素/アンモニア製造装置にある。
本発明の他の態様は、水素及び/又はアンモニアを製造する方法であって、
カソード極(21)と、イオン交換膜から構成される隔膜(22)と、アノード極(23)とを順次積層することにより電極体(2)を形成し、
該電極体の上記アノード極を尿素と接触させ、上記アノード極及び上記カソード極の少なくとも一方をアルカリ性水溶液から構成さる電解液に接触させ、
上記カソード極及び上記アノード極間に電圧を印加することにより、水素及び/又はアンモニアを生成する、水素/アンモニアの製造方法にある。
上記製造装置は、上記構成を有し、隔膜がイオン交換膜から構成されている。そのため、イオン交換膜を介してカソード極からアノード極へ或いはアノード極からカソード極へ反応因子を直接送ることができる。反応因子は、具体的には、OH-、H+である。そして、カソード極では水素が生成され、アノード極ではアンモニアが生成される。このようにして、効率的に、水素及び/又はアンモニアを生成することができる。
上記製造方法では、上記電極体のアノード極を尿素と接触させ、上記電極体のアノード極及びカソード極の少なくとも一方をアルカリ性水溶液から構成さる電解液に接触させる。そして、カソード極及びアノード極間に電圧を印加する。電圧の印加により、カソード極からアノード極へ或いはアノード極からカソード極へ反応因子を直接送ることができる。これにより、カソード極では水素が生成され、アノード極ではアンモニアが生成される。このようにして、効率的に、水素及び/又はアンモニアを生成することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、尿素及び水から、水素及び/又はアンモニアを生成することができる水素/アンモニア製造装置及び水素/アンモニア製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、陽イオン交換膜からなる隔膜を有し、アノード極側に電解液を有する水素/アンモニア製造装置の模式図。 実施形態1における、陰イオン交換膜からなる隔膜を有し、カソード極側に電解液を有する水素/アンモニア製造装置の模式図。 実施形態1における、アノード極側及びカソード極側に電解液を有する水素/アンモニア製造装置の模式図。 実験例1における、水素/アンモニア製造装置の模式図。 実験例1における、印加電圧2.0Vの条件で尿素水電解反応を行ったときのアノード極の材質と、電流密度との関係を示すグラフ。 実験例1における、アノード極の材質とファラデー効率、アノード極の酸素生成速度との関係を示すグラフ。 実験例1における、経過時間と電流密度、経過時間とファラデー効率との関係を示すグラフ。 実験例1における、印加電圧1.5Vの条件で尿素水電解反応を行ったときのアノード極の材質と、電流密度との関係を示すグラフ。 実験例2における、KOH濃度と尿素転化率との関係を示すグラフ。 実験例3における、水素/アンモニア製造装置の模式図。 実験例3における、インピーダンスの経時変化を示すグラフ。 実験例4における、電流密度及びアンモニア生産量を示すグラフ。 実験例5における、経過時間と電流密度、経過時間と印加電圧との関係を示すグラフ。 実験例5における、印加電圧と電流密度との関係を示すグラフ。 実験例6における、水素/アンモニア製造装置の模式図。 実験例6における、経過時間と電流密度との関係を示すグラフ、。 実験例6における、水素のファラデー効率と生成速度を示すグラフ。 実験例6における、窒素のファラデー効率と生成速度を示すグラフ。 実験例6における、酸素のファラデー効率と生成速度を示すグラフ。
(実施形態1)
水素及び/又はアンモニアの製造装置、及び製造方法に係る実施形態について、図1~図3を参照して説明する。図1~図3に例示されるように、水素/アンモニア製造装置1は、電気化学セル4から構成されている。電気化学セル4は、電極体2及び電解液3を有する。
電極体2は、カソード極21と、隔膜22と、アノード極23とが順次積層された積層体から構成される。電極体2では、カソード極21と隔膜22とアノード極23とが一体的に形成されている。カソード極21と隔膜22との間、アノード極23と隔膜22との間には、別の層が形成されていてもよい。
水素/アンモニア製造装置1において、アノード極23は、尿素と接触する。また、アノード極23及びカソード極21の少なくとも一方が電解液3と接触する。つまり、アノード極23に電解液3を接触させてもよいし、カソード極21に電解液3を接触させてもよいし、カソード極21及びアノード極23の両方に電解液3を接触させてもよい。電解液3は、アルカリ性水溶液から構成される。また、隔膜22は、イオン交換膜から構成されており、イオン交換膜は、陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜である。このように、水素/アンモニア製造装置1では、イオン交換膜の種類と、電解液を接触させる電極との組合せにバリエーションが存在する。
尿素は、固体として供給されてもよいし、水溶液(つまり、尿素水)として供給されてもよい。水素/アンモニア製造装置1では、尿素はアノード極23側に供給される。固体の尿素を供給する場合には、アノード極23側をドライ環境にすることができるため(図2参照)、アノード極23側にて生成するアンモニアの回収が容易になる。図2に示すように、アノード極23側をドライ環境にする場合には、カソード極21に電解液3を接触させることにより、電気化学セル4が形成される。カソード極21と電解液3との接触は、例えばカソード極21を電解液3に浸漬することにより実現される。なお、ドライ環境とは、電解液3や尿素水などの液体が存在していない環境を意味するが、例えば大気中に含まれる水分を含むことは許容される。
好ましくは、カソード極21は、アルカリ性水溶液から構成される電解液3と接触していることがよい(図2、図3参照)。この場合には、アルカリ性水溶液の水から水素が生成される。
また、アノード極23側に尿素の水溶液を供給する場合には、アノード極23側に尿素を含む電解液3を供給することができる(図1、図3参照)。この場合には、図1に示すように、カソード極21側をドライ環境にすることもできる。これにより、カソード極21側にて生成する水素の回収が容易になる。また、生成した水素ガスが液体中で気泡となり電極表面を覆い反応を阻害することを防ぐ効果も期待できる。また、Arガスなどの不活性ガスを外部から導入することにより、カソード極21側のドライ環境から水素を外部に容易に取り出すことができるからである。
また、アノード極23とカソード極21との両方を、尿素を含む電解液3に接触させてもよい(図3参照)。つまり、アノード極23と、カソード極21とを、尿素を含む電解液3に浸漬してもよい。
電解液3には、アルカリ性水溶液(つまり、塩基性水溶液)が用いられる。電解液3としては、アルカリ金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液を用いることができる。pHを14以上にすることができるという観点から、アルカリ性水溶液は、KOH水溶液であることが好ましい。アルカリ性水溶液のpHは高い方が、尿素の酸化が促進され電流密度が上がり水素生成速度も向上するという効果が得られる。
なお、アノード極23と電解液3とを接触させる場合には、上記のごとく、尿素を含有するアルカリ性水溶液を用いることができる。
25℃における電解液3のpHは8以上であることが好ましい。この場合には、尿素の酸化が十分に促進され電流密度が上がり水素生成速度も向上する。この効果がより向上するという観点から、25℃における電解液3のpHは12以上であることがより好ましく、14以上であることがさらに好ましい。
アノード極23としては、Fe、Co、Ru、Rh、Ni、Ir、Pt、Cuからなる群より選択される少なくとも1種の金属を用いることができる。また、カソード極21としては、Pt、Ir、Pd、Ru、Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属を用いることができる。アノード極23を構成する金属の種類を変更することにより、尿素、尿素水の電解によって、生成される生成物にバリエーションを生じさせてアンモニア以外の生成物を生じさせたり、アンモニアの生成量を増やすことができる。また、アンモニアの生成量の増大、水素の生成量の増大の観点から、アノード極23は、チタンメッシュと、このチタンメッシュ上に形成された上記金属の析出物とから構成される電極であることが好ましい。また、水素が生成し易くなるという観点から、カソード極21は、ケッチェンブラック等の炭素材料から構成される導電剤と、上記金属との複合体であることが好ましい。
アノード極23からのアンモニアの生成量がより向上するという観点から、アノード極23としては、Ru及び/又はNiを用いることが好ましく、Niを用いることがより好ましい。また、カソード極21から十分に水素を生成させるという観点からは、アノード極23としては、Rh、Co、Feからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、Co及び/又はFeを用いることがより好ましく、Feを用いることがさらに好ましい。
アノード極23は、卑金属を含有することが好ましい。この場合には、貴金属を用いずに、アノード極23を形成することができ、製造コストの低減が可能になる。そして、水素/アンモニア製造装置1では、アノード極23に貴金属を用いなくとも、アノード極23において水素を生成することができる。また、アノード極23が卑金属を含有する場合には、製造コストを低減すことができる。また、この場合には、卑金属種を選択することにより生成物の種類、生成量を制御することができる。
隔膜22は、イオン交換膜から構成される。イオン交換膜としては、陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜を用いることができる。
図1に示すように、隔膜22が陽イオン交換膜から構成されている場合には、アノード極23とカソード極21との間に電圧を印加すると陽イオン交換膜を介して反応因子のH+がアノード極23からカソード極21へと送られる。このとき、アノード極23側では、下記の式<2.1>、<2.2>、<2.3>、<2.4>の反応が起こる。つまり、尿素と水との共電解により、アンモニアなどのNH種、NCO種、N、COなどが生成する。生成反応は、式<2.1>に示されるように、尿素と水との反応により水素イオン(つまり、プロトン)が生成する反応がトリガーとなって進行するため、式<2.1>の反応が始まること重要である。イオン交換膜として、陽イオン交換膜を用いる場合には、陽イオン交換膜により、反応因子である水素イオンがアノード極23からカソード極21に送られるため、トリガー反応が進行する。このようにして、以降のアンモニア生成反応、水素生成反応が進行していると考えられる。また、さらに、アノード極23側では、式<2.5>の反応により、酸素が生成する。そして、アノード極23側では、電子、プロトンが生成する。電子は外部回路を通じてカソード極21側に移動し、プロトンは、陽イオン交換膜を通じてカソード極21側に移動する。カソード極21では、式<2.6>に示されるように、電子とプロトンが反応して水素が生成する。なお、式<2.1>~<2.6>において、SHEは、標準水素電極を表し、電極電位E0は、標準水素電極での換算値を表す。
図2に示すように、隔膜22が陰イオン交換膜から構成されている場合には、アノード極23とカソード極21との間に電圧を印加すると陰イオン交換膜を介して反応因子のOH-がカソード極21からアノード極23へと送られる。このとき、アノード極23側では、下記の式<3.1>、<3.2>、<3.3>の反応が起こる。<3.3>の反応は、さらに、<3.3.1>~<3.3.4>の反応を起こす。つまり、アノード極23側では、OHと尿素との反応により、窒素、二酸化炭素などが生成し、尿素からアンモニアが生成する。生成反応は、式<3.1>に示されるように、尿素と水酸化物イオンとの反応がトリガーとなって進行するため、式<3.1>の反応が始まること重要である。イオン交換膜として陰イオン交換膜を用いる場合には、陰イオン交換膜により、反応因子である水酸化物イオンがカソード極21からアノード極23に送られるため、トリガー反応が進行する。このようにして、以降のアンモニア生成反応、水素生成反応が進行すると考えられる。また、アノード極23側では、電子が生成する。電子は外部回路を通じてカソード極21側に移動する。そして、カソード極21では、式<3.4>に示されるように、水と電子とが反応して水素が生成する。なお、式<3.1>~<3.4>において、SHEは、標準水素電極を表し、電極電位E0は、標準水素電極での換算値を表す。
上記反応式に示されるように、水素/アンモニア製造装置1では、カソード極21側で水素が生成し、アノード極23側でアンモニアが生成する。上記製造装置1では、電極体2によりアノード極23側とカソード極21側とが分断されていることが好ましい。この場合には、カソード極21側で発生する水素と、アノード極23側で発生するアンモニアとが混合されることを防止できる。そのため、水素、アンモニアを別々に回収し易くなる。
具体的には、水素/アンモニア製造装置1では、電極体2のカソード極21側にカソード反応室を形成し、アノード極23側にアノード反応室を形成し、カソード反応室とアノード反応室とを電極体2により分断させることができる。これにより、カソード反応室で生成する水素、アノード反応室で生成するアンモニアをそれぞれ別々に回収することができる。
イオン交換膜は、陰イオン交換膜であることが好ましい。イオン交換膜が陽イオン交換膜である場合には、尿素水の電解反応から生成するアンモニウムイオンが陽イオン交換膜中でイオン交換され、陽イオン交換膜の電気抵抗を増大させる。その結果、陽イオン交換膜がダメージを受け、経時的にその機能を失っていく。そのため、アンモニア、水素を十分に生成することができなくなる。これに対し、イオン交換膜が陰イオン交換膜である場合には、アンモニウムイオンがイオン交換されることがなく、電気抵抗の増大が起こらない。そのため、アンモニア、水素を持続的に生成することができ、これにより生成量が増大する。
陰イオン交換膜は、イミダゾリウムリガンド、ピリジニウムリガンド、及びホスホニウムリガンドからなる群より選択される少なくとも1種のリガンドを含むポリマーから構成されていることが好ましい。より具体的には、陰イオン交換膜は、リガンド部と、該リガンド部と化学結合した骨格部とを有するポリマーから構成されており、リガンド部がイミダゾリウム基、ピリジニウム基、及びホスホニウム基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基又はその塩から構成されていることが好ましい。官能基の安定性および塩基強度の観点から、リガンドは、イミダゾリウムリガンドであることが好ましい。換言すれば、リガンド部は、イミダゾリウム基又はその塩から構成されていることが好ましい。骨格部は、例えばポリスチレン、スチレンジビニルベンゼン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリヒドロキシメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリビニルアルコールなどから構成される。
本形態の水素/アンモニア製造装置1では、隔膜22がイオン交換膜から構成されている。そのため、イオン交換膜を介してカソード極21からアノード極23へ或いはアノード極23からカソード極21へ反応因子を直接送ることができる。これにより、電極の反応点の局所pHを制御することが可能になる。具体的には、上記式<2.1>、式<3.1>の反応により、カソード極21での局所的なプロトン濃度の増大、アノード極23での局所的なOH濃度の増大を誘発させることができる。そのため、電解液のpHに寄らない反応を起こすことが可能になる。より具体的には、たとえばイオン交換膜として陰イオン交換膜を用いた場合には、アノード極23においてOH-が生成されるため、アノード極23表面で局所的にpHが増大した環境が形成される。そのため、電解液のpHが、たとえ中性付近(たとえばpHが8~12)であってもアンモニア、水素の生成反応が進行し、水素、アンモニアの生成が可能になる。
このように、本形態の水素/アンモニア製造装置1によれば、カソード極21では水素が生成され、アノード極23ではアンモニアが生成される。このようにして、水素及びアンモニアの少なくとも一方、又は両方を効率的に生成することができる。
次に、水素及び/又はアンモニアを製造する方法について説明する。この方法は、上記製造装置により容易に実現されるが、本開示の製造方法は、上記製造装置を用いる方法に限定されるわけではない。水素/アンモニアの製造方法は、電極形成工程、組立工程、印加工程によって行われる。
電極形成工程では、カソード極21と隔膜22とアノード極23とを順次積層する。これにより、カソード極21と隔膜22とアノード極23との積層体から構成される電極体2を形成する。カソード極21、隔膜22、アノード極23については、上述の通りである。
組立工程では、電極体2のアノード極23を尿素と接触させ、アノード極23及びカソード極21の少なくとも一方をアルカリ性水溶液から構成さる電解液3に接触させる。これにより、電極体2及び電解液3によって電気化学セル4が構築される。尿素、電解液3については、上述の通りである。
印加工程では、カソード極21及びアノード極23間に電圧を印加する。これにより、カソード極21から水素が生成し、アノード極23からアンモニアが生成する。
本形態の製造方法では、電極体2のアノード極23を尿素と接触させ、電極体2のアノード極23及びカソード極21の少なくとも一方をアルカリ性水溶液から構成さる電解液3に接触させる。そして、カソード極21及びアノード極23間に電圧を印加する。電圧の印加により、カソード極21からアノード極23へ或いはアノード極23からカソード極21へ反応因子を直接送ることができる。これにより、電極の反応点の局所pHを制御することが可能になる。このように、上記製造装置と同様の効果を発揮できる。そして、カソード極21では水素が生成され、アノード極23ではアンモニアが生成される。このようにして、効率的に、水素及びアンモニアの少なくとも一方、あるいは両方を生成することができる。
(実験例1)
本例は、陰イオン交換膜を用いた水素/アンモニア製造装置1により、水素、アンモニアを生成する例である。本例では、水素/アンモニア製造装置1におけるアノード極23の材質を変更しながらその影響を調べる。なお、実験例1以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本例では、図4に示すごとく水素/アンモニア製造装置1を構築した。具体的には、まず、三井化学社製の尿素水であるAdBlue(ドイツ自動車工業会(つまり、VDA)5BIBの登録商標)を準備した。この尿素水の尿素濃度は32.5wt%である。この尿素水に、1M相当のKOHを溶解させて、尿素を含有するアルカリ性水溶液(つまり、電解液3)を作製した。アルカリ性水溶液のpHは14以上である。次いで、1室型の容器40内に、30mLの電解液3を入れ、アノード極23と隔膜22とカソード極21とが一体的に形成された電極体2を電解液3に浸漬した。
カソード極21としては、ケッチェンブラックとPtとの混合物から構成される電極を用いた。アノード極23としては、Fe、Co、Ru、Rh、又はNiをチタンメッシュにそれぞれ析出させた電極を用いた。つまり、アノード極23として、Fe/Ti触媒、Co/Ti触媒、Ru/Ti触媒、Rh/Ti触媒、Ni/Ti触媒を用いた。隔膜22としては、Dioxide Materials社製の陰イオン交換膜であるSustainion(登録商標)X-37を用いた。本例の水素/アンモニア製造装置1では、電極体2と、これを浸漬する電解液3とから電気化学セル4が構築されている。
カソード極21、アノード極23は、電気化学測定装置5(具体的には、ポテンショスタット/ガルバノスタット)に電気的に接続されている。具体的には、アノード極23は、試料極(試料極は作用極とも呼ばれる)として電気化学測定装置5に接続され、カソード極21は、対極として電気化学測定装置5に接続されている。
図4に示すように、容器40内の電解液3には、ポリテトラフルオロエチレン(つまり、PTFE)から構成されるチューブ611が挿入されており、このチューブは、鉛直方向における容器40の上部に形成されたガス導入口61に接続されている。また、容器40の上部には、ガス取り出し口62が形成されており、ガス取り出し口62は、ガスクロマトグラフィの試料測定部に連結されている。図4における「GC」はガスクロマトグラフィを表す。
次に、マグネチックスターラを用いて電解液3を撹拌しながら、ガス導入口61から容器40内にHeを吹き込み、容器40内の空気をHeに置換した。Heの吹き込み条件は、0.1MPa、20mL/minである。
Heによるガス置換を60分以上継続して行いながら、開回路電圧を測定した。次いで、アノード極23とカソード極21間の印加電圧を2.0Vに制御し、定電圧電解を2時間行うことにより、尿素水電解活性を評価した。評価は、平均電流密度と、酸素のファラデー効率(つまり、FE(O))、酸素の生成速度(つまり、r(O))を測定することにより行った。その結果を図5~図7に示す。なお、図7は、チタンメッシュにNiを析出させた電極をアノード極23として用いた場合における、電流密度と水素の電流効率の経時変化を示すものである。
本例の水素/アンモニア製造装置1では、上記の式<3.1>~<3.4>の反応が起こると考えられる。つまり、アノード極23では、式<3.1>に従って尿素と水の共電解によりN、COが生成する。また、式<3.2>に従って水電解により、Oの生成反応が進行する。そして、アノード極23で生成した電子が電気化学セル4の外部回路を通じて、カソード極21に移動し、式<3.4>に従ってカソード極21で水と電子が反応してH生成反応が進行する。電解は、上記のように定電圧で実施した。例えばカソード極21としてPt/KBを用いた場合には、H生成反応に高い活性を示し、高電流密度領域でも過電圧が小さいことが一般に知られている。そのため本例では両極間電圧をアノード電位とみなして実験を行った。
本例では、上記のように、平均電流密度、O等の生成物の生成速度、及び生成物の選択率(具体的には、ファラデー効率)により、電極触媒活性を評価した。N生成反応が全て式<3.1>に従って進行すると仮定し、ファラデー効率を6電子反応と仮定して式(I)に基づいてファラデー効率FEを算出した。なお、式(I)において、Yは生成物収量(単位:mol)、nは反応電子数(単位:-)、Qは通電電荷量(単位:C)を示す。
FE(%)=100×Y×n×F/Q ・・・(I)
上記の式<3.1>で示すような尿素水の電解反応が進行すれば、尿素(つまり、(NHCO)と等量のNとCOが生成するはずであるが,本例では強塩基性の電解液3を用いているため、CO2は水溶液(つまり電解液3)中に溶解する。したがって、ガスクロマトグラフィで検出されるCOは、生成されるCOのうちの一部である。そこで、N2生成反応の選択率を尿素水電解反応の選択率とみなし、水電解によるO2生成反応の選択率と比較して触媒活性を評価した。つまり、図6に示すように、Oの生成速度、選択率を調べることにより、水素の生成速度、アンモニアの生成速度、水素の選択率、アンモニアの選択率の評価を行うことができる。
図5、図6より理解されるように、アノード極23にFe/Ti触媒を用いた場合には、50Acm-2近い電流密度を示した。また、この場合には、Oのファラデー効率が80%を超えており、700μmolh-1に近い生成速度があることから、電解により主に水素の生成を進行させることができる。その一方で、アンモニアの生成を抑えることができる。つまり、Fe/Ti触媒を用いた場合には、水素を優先的に生成させることができる。Co/Ti触媒、Rh/Ti触媒がこれに準ずる。
図5、図6より理解されるように、アノード極23にNi/Ti触媒を用いた場合には、150Acm-2近い電流密度を示した。一方、Oのファラデー効率が0であり、Oの生成がない。電解により水素生成とともに、アンモニア生成を進行させることができる。Ru/Ti触媒がこれに準ずる。
図7より理解されるように、アノード極23にNi/Ti触媒を用いた場合には、2時間後にも100mAcm-2を上回る高い電流密度を示した。また、カソード極21側で水素が生成速度5mmolh-1、100%の電流効率で生成し、尿素水電解による高効率な水素生成が進行した。
また、ガスクロマトグラフ分析により、アノード極23側では気相中にNと少量のCOの生成が観測された。なお、上記したように生成したCOの大部分はアルカリ性水溶液(つまり、電解液3)中に溶解したと考えられる。また、ガスクロマトグラフ分析で出口ガスを分析したところ、NOやNOなどの有害化合物はほとんど観測されなかった。
また、アノード極23として、Ir/KB、Ru/KB、Rh/KB、Pt/KB、Ni/KB、Co/KB、Fe/KB、Fe/Ti、Pt/Ti、Ru/Ti、Rh/Ti、Ni/Ti、Ti-meshを用い、アノード極23とカソード極21との間の印加電圧を1.5Vにした点を除いて上記と同様の実験を行うことにより、尿素水の電解を行ったときの平均電流密度の測定結果を図8に示す。なお、Ir/KBは、ケッチェンブラックにイリジウムを析出させた電極を意味し、Fe/Tiは、チタンメッシュに鉄を析出させた電極を意味する。他の電極についても同様である。
図8より理解されるように、各種遷移金属、貴金属をアノード極23に用いた場合、Ni/Ti触媒が尿素水の電解改質反応に極めて高い活性を示した。したがって、尿素から、アンモニア、水素を生成するためには、アノード極23にNi/Ti電極を用いることが好ましいといえる。
(実験例2)
本例では、電解液中のKOH濃度が尿素転化率に与える影響を調べた。まず、実験例1と同様の水素/アンモニア製造装置1を作製した。アノード極23としては、Ni/Tiを用いた。室温(25℃)の条件下で電解液中のKOH濃度を0、1M、又は3Mとし、カソード極とアノード極間に、1.5V、1.8V、又は2Vの電圧を2時間印加したときにおける、尿素転化率を測定、算出した。その結果を図9に示す。
なお、尿素転化率は、下記式(I)に基づいて算出した。
尿素転化率=反応に使用された尿素の物質量/尿素の総物質量・・・(I)
尿素の総物質量は、尿素水の尿素濃度(本例では、32.5wt%)から算出される。
「反応に使用された尿素の物質量」は、通電量とOのファラデー効率(つまり、FE)とから、下記の式(II)により算出される。
使用された尿素の物質量=通電量/96485×(1-OのFE)/6
この尿素転化率は、通電量から酸素発生の電気量を差し引いた残りの電気量がすべて尿素の電気分解に使用され、つまりは上記した式<3.1>における6電子反応が進行したと仮定して求めた見かけの転化率である。
図9より理解されるように、本例の水素/アンモニア製造装置1では、1Mという低いKOH濃度の電解液でも十分に尿素水電解反応が進行していることがわかる。つまり、低濃度のKOH水溶液でも尿素水電解反応により、アノード極23からアンモニアが生成し、カソード極21から水素が生成する。これは、隔膜22としてアニオン交換膜を用いることにより、KOH濃度が低くても、局所的にはpHが上昇し尿素水電解反応が促進されるためであると考えられる。
(実験例3)
本例は、陽イオン交換膜を用いた水素/アンモニア製造装置1により、水素、アンモニアを生成する例である。本例では、図10に示す水素/アンモニア製造装置1を構築した。
まず、実験例1と同様にして尿素を含有するアルカリ性水溶液(つまり、電解液3)を作製した。次いで、アノード極23と隔膜22とカソード極21とが一体的に形成された電極体2を作製し、電極体2を容器40(具体的には、第1容器40)内に挿入し、容器40内の空間を2つに分断した。より具体的には、電極体2の隔膜22により、容器40内を分断した。アノード極23は、Pt-Black__から構成されており、カソード極21は、Ptから構成されている。なお、Pt-Blackは、プラチナの黒色粉末のことである。また、隔膜22としては、Chemours社製の陽イオン交換膜であるNafion(登録商標)117を用いた。
容器40内のアノード極23側には、電解液3(具体的には、第1電解液3)を注入した。一方、容器40内のカソード極21はドライ環境に曝されている。電解液3には、ポリテトラフルオロエチレン(つまり、PTFE)から構成されるチューブが611挿入されており、このチューブ611は、鉛直方向における容器40上部に形成されたガス導入口61(具体的には、第1ガス導入口61)に接続されている。
また、アノード極23側における容器40上部には、第1ガス取り出し口621が形成されており、第1ガス取り出し口621は、ガスクロマトグラフィの試料測定部に連結されている。一方、容器40内のカソード極21側には、第2ガス導入口63が設けられている。本例の水素/アンモニア製造装置1では、カソード極21側で生成する水素を送り出すために、第2ガス導入口63からArガスが導入される。
また、カソード極21側における容器40の上部には、第2ガス取り出し口622が形成されており、第2ガス取り出し口622は、ガスクロマトグラフィの試料測定部に連結されている。なお、図10では、ガスクロマトグラフィの図示を省略している。
図10に示すように、隔膜22は、鉛直方向Vの下部から容器40外に延設されており、隔膜22は、容器40外に設けられた第2容器49内の第2電解液39に浸漬されている。第2電解液39は、1NのHSO水溶液である。さらに、このHSO水溶液には、参照極としてのAg/AgCl電極25が挿入されている。
カソード極21、アノード極23は、Ag/AgCl電極25は、電気化学測定装置5(つまり、ポテンショスタット/ガルバノスタット)に電気的に接続されている。具体的には、アノード極23は、試料極(試料極は作用極とも呼ばれる)として電気化学測定装置5に接続され、カソード極21は、対極として電気化学測定装置5に接続され、Ag/AgCl電極25は参照極として電気化学測定装置5に接続されている。本例の水素/アンモニア製造装置1では、3極式の電気化学セル4が構築されている。
次に、マグネチックスターラを用いて電解液3を撹拌しながら、第1ガス導入口61から容器40内にHeを吹き込み容器40内の空気をHeに置換した。なお、Heの吹き込み条件は、実験例1と同様である。
Heによるガス置換を60分以上継続して行いながら、開回路電圧を測定した。次いで、アノード極23とカソード極21の間の印加電圧を1.4Vに制御し、定電圧電解を2時間行うことにより、尿素水電解反応を進行させた。このとき、電気化学測定装置5により、インピーダンスを測定した。インピーダンスの経時変化を図11に示す。
本例では、SPE電解法による室温での尿素水電解反応によって、アノード極23側でHNCOが生成していることが確認された。また、式<3.3>によれば、尿素水電解反応により、アノード極23でアンモニアが生成しているといえる。さらに、式<2.5>によれば、尿素水電解反応により、カソード極21で水素が生成しているといえる。
また、図11より理解されるように、本例では、経時的に電気抵抗が増大している。
これは、尿素水溶液中のNH がイオン交換により陽イオン交換膜中にトラップされたためであると考えられる。つまり、隔膜22に陽イオン交換膜を用いると、経時的に膜が劣化するおそれがある。したがって、隔膜22としては、陰イオン交換膜が好ましい。
(実験例4)
本例は、水素/アンモニア製造装置1から生成されるアンモニアの濃度を直接的に検出した例である。まず、アノード極23として、Niをチタンメッシュに析出させた電極を用いて、実験例1と同様の水素/アンモニア製造装置1を構築した(図4参照)。
この水素/アンモニア製造装置1を用い、定電圧電解を2時間行うことにより、尿素水電解を実施した。尿素水電解の方法及び条件は、電極間の印加電圧を1.8V、電解液のKOH濃度を3Mにした点を除いては実験例1と同様である。
2時間の定電圧電解の後、電解液30mLを測定試料として採取し、測定試料中のアンモニア濃度を東興化学社製のアンモニア電極「Ti9001」を用いて測定した。濃度測定は、アンモニア標準液による検量線を用いて行った。本例における平均電流密度の結果、及びアンモニア濃度の結果を図12に示す。
図12より理解されるように、本例では電流密度が高く、尿素水電解が効率よく進行し、さらに、アンモニアも十分に生成されていた。したがって、高効率にアンモニアが生成されていることがわかる。
このように、本例では、アンモニア電極によりアンモニアの生成が確認された。
(実験例5)
本例は、印加電圧に対する尿素水電解反応の依存性を評価した例である。まず、アノード極23として、Niをチタンメッシュに析出させた電極を用いて、実験例1と同様の水素/アンモニア製造装置1を構築した(図4参照)。
この水素/アンモニア製造装置1を用い、実験例1と同様にして、尿素水電解を実施した。尿素水電解の方法及び条件は、電極間の印加電圧を変更した点を除いては実施例1と同様である。具体的には、本例では、30分毎に電圧を1.3Vから1.6Vまで0.1Vずつ上昇させた。つまり、1.3Vで30分間の尿素水電解を行った後、電圧を0.1Vずつ1.6Vまで上げながら各電圧で30分間尿素水電解を行った。本実験における経過時間と電流密度と印加電圧の関係を図13に示す。図13に示すように、各電圧での尿素水電解間には、5分間の電圧非印加時間を設けてある。本例での印加電圧と電流密度との関係を図14に実線グラフとして示した。
また、上述の尿素水電解の比較用として、尿素が添加されていない電解液を用いて同様の実験(具体的には、水の電気分解)を行った。その結果、(つまり、印加電圧と電流密度との関係)を図14に破線グラフとして示す。
図14より知られるように、尿素が添加されていない電解液よりも尿素が添加された電解液では、より低電位で電流密度が高くなり、電気分解が起こっている。つまり、尿素水電解は低電位で起こるため、尿素水を原料することにより、低エネルギーでアンモニアや水素を生成することができる。
(実験例6)
本例は、隔膜22として陰イオン交換膜を用い、電極の一方をドライ環境に曝した水素/アンモニア製造装置1により、水素、アンモニアを生成する例である。水素、アンモニアの生成は、尿素の分解活性を評価することにより行った。
本例では、図15に示す水素/アンモニア製造装置1を構築した。具体的には、まず、実験例1と同様にして尿素を含有するアルカリ性水溶液(つまり、電解液3)を作製した。また、外壁がPTFEから構成されていた容器40内に、アノード極23と隔膜22とカソード極21とが一体的に形成された電極体2を挿入し、容器40内の空間を2つに分断した。つまり、電極体2の隔膜22により、容器40内を分断した。隔膜22としては実験例1と同様の陰イオン交換膜を用いた。また、アノード極23は、Ni/Tiから構成されており、カソード極21は、Pt/KBから構成されている。アノード極23、カソード極21は、それぞれ電源55に電気的に接続されている。
図15に示すように、容器40内のアノード極23側には、電解液3が注入され、容器40内のカソード極21はドライ環境に曝されている。電解液3としては、実験例1と同様のものを用いた。なお、以降の説明では、容器40内においてアノード極23に面し、電解液3が満たされている側をアノード室231(つまり、図15における左室)といい、カソード極21に面し、ドライ環境に曝されている側をカソード室211(つまり、図15における右室)という。
アノード室231には、チューブ611が挿入されており、チューブ611を通して電解液3にHeを流通させた。また、アノード室231には、第1ガス取り出し口621が形成されており、第1ガス取り出し口621には、構成の図示を省略するがガスクロマトグラフィに接続された多方弁(具体的には6方弁)、膜流量計が順次接続されている。一方、カソード室211には、第2ガス導入口63及び第2ガス取り出し口622が設けられており、第2ガス導入口63及び第2ガス取り出し口622を通じてカソード室211内に不活性ガス(具体的にはAr)を流通させた。
アノード極23は、金線によって電気化学測定装置(具体的には、ポテンショスタット/ガルバノスタット)の動作極端子と電位測定端子に電気的に接続され、カソード極21は、金線によって電気化学測定装置の対極端子と参照極端子に電気的に接続されている。なお、図15では電気化学測定装置の図示を省略している。
カソード室211内に不活性ガスを十分に吹き込んで空気を不活性ガスで置換した後、印加電圧を2.0Vに制御して実験例1と同様にして定電圧電解を2時間行うことにより、尿素水電解活性を評価した。評価は、水素、窒素、及び酸素のファラデー効率(つまり、FE(H)、FE(N)、FE(O))、水素、窒素、及び酸素の生成速度(つまり、r(H)r(N)r(O))を測定することにより行った。その結果を図17~図19に示す。また、本例での電流密度の経時変化を図16に示す。
図17より知られるように、カソード極21における水素のファラデー効率FE(H)は、100%であり、水素の生成速度r(H)も速い。このことから、本例の水素/アンモニア製造装置1では、カソード極21から、水素が高効率に十分生成されることがわかる。
また、図18から理解されるように、窒素生成の電流効率が30%程度と低くなっており、窒素やアンモニア以外の窒素化合物が反応溶液中に生成していることがわかる。
また、図19から理解されるように、酸素生成の電流効率は6%程度と低く、尿素が効率的に酸化されていることがわかる。
このように、イオン交換膜として陰イオン交換膜を使用し、カソード極側をドライ環境としても、尿素水電解により、水素、アンモニアの生成が可能であることがわかる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 水素/アンモニア製造装置
2 電極体
21 カソード極
22 隔膜
23 アノード極
3 電解液
4 電気化学セル

Claims (11)

  1. 電極体(2)及び電解液(3)を有する電気化学セル(4)から構成される、水素及び/又はアンモニアの製造装置(1)であって、
    上記電極体が、カソード極(21)と、隔膜(22)と、アノード極(23)とが順次積層された積層体から構成されており、
    少なくとも上記アノード極が尿素と接触しており、
    上記電解液がアルカリ性水溶液から構成されており、上記アノード極及び上記カソード極の少なくとも一方が上記電解液と接触しており、
    上記隔膜がイオン交換膜から構成されている、水素/アンモニア製造装置。
  2. 上記イオン交換膜が陰イオン交換膜である、請求項1に記載の水素/アンモニア製造装置。
  3. 上記電気化学セル内における上記アノード極側と上記カソード極側とが上記電極体により分断されている、請求項1又は2に記載の水素/アンモニア製造装置。
  4. 上記電極体が、上記尿素を含有する上記電解液に浸漬されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の水素/アンモニア製造装置。
  5. 上記電極体の上記アノード極及び上記カソード極のうち、上記電解液と接触していない電極が、液体が存在していないドライ環境に曝されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の水素/アンモニア製造装置。
  6. 上記アノード極が卑金属を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の水素/アンモニア製造装置。
  7. 水素及び/又はアンモニアを製造する方法であって、
    カソード極(21)と、イオン交換膜から構成される隔膜(22)と、アノード極(23)とを順次積層することにより電極体(2)を形成し、
    該電極体の上記アノード極を尿素と接触させ、上記アノード極及び上記カソード極の少なくとも一方をアルカリ性水溶液から構成さる電解液に接触させ、
    上記カソード極及び上記アノード極間に電圧を印加することにより、水素及び/又はアンモニアを生成する、水素/アンモニアの製造方法。
  8. 上記イオン交換膜が陰イオン交換膜である、請求項7に記載の水素/アンモニアの製造方法。
  9. 上記電極体を、上記尿素を含有する上記電解液に浸漬する、請求項7又は8に記載の水素/アンモニアの製造方法。
  10. 上記電極体の上記アノード極及び上記カソード極のうち、上記電解液と接触していない電極を液体が存在していないドライ環境に曝す、請求項7又は8に記載の水素/アンモニアの製造方法。
  11. 上記アノード極が卑金属を含有する、請求項7~10のいずれか1項に記載の水素/アンモニアの製造方法。
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