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JP7713853B2 - エッチング液組成物 - Google Patents
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JP7713853B2 - エッチング液組成物 - Google Patents

エッチング液組成物

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Description

本開示は、エッチング液組成物、並びに、これを用いたエッチング方法及び基板処理方法に関する。
半導体装置の製造過程において、例えば、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、銅、ニッケル、コバルト、チタン、窒化チタン、アルミナ、アルミニウム及びイリジウム等の少なくとも1種の金属を含む被エッチング膜をエッチングして所定のパターン形状に加工する工程が行われている。エッチング液としては、リン酸、硝酸及び酢酸を含む混酸水溶液が一般的に使用されている。
近年の半導体分野においては高集積化が進んでおり、配線の複雑化や微細化が求められており、パターンの加工技術やエッチング液に対する要求も高まりつつあり、様々なエッチング液組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、銀を主成分とする金属薄膜をエッチングするエッチング液組成物として、リン酸と硝酸とメトキシ酢酸と水とを含むエッチング液組成物が提案されている。
特許文献2には、インジウムを含む金属酸化物又は亜鉛とインジウムとを含む金属酸化物をエッチングするエッチング液組成物として、少なくとも1種の塩基酸(リン酸、硝酸等)と水とを含み、塩基酸の解離段のいずれかにおける25℃の酸解離定数pKaが2.15以下であり、25℃の水素イオン濃度pHが4以下のエッチング液組成物が提案されている。
特許文献3には、過酸化水素とリン酸とアミン又はアミドポリマーと硫酸と脱イオン水とを含むエッチング液組成物を用いて、タングステン膜と窒化チタン膜とを一括でエッチングする方法が提案されている。
特開2006-253473号公報 特開2015-60937号公報 韓国特許公報10-2014-0065771
エッチング液としては、リン酸、硝酸及び酢酸を含む混酸水溶液(強酸性水溶液)が一般的に使用されている。特許文献3では、エッチングを抑制してエッチング選択性を向上する剤としてポリエチレンイミンを添加することが提案されているが、前記混酸水溶液にポリエチレンイミン等を添加すると、濁りが発生し、エッチング液の保存安定性が悪化するという課題が見出された。さらに、エッチング液の保存安定性が悪化すると、濾過性に影響を与える。そのため、リン酸及び硝酸を含み、さらにポリエチレンイミン等を含有しても保存安定性と濾過性を維持できるエッチング液が求められている。
そこで、本開示は、一態様において、リン酸及び硝酸を含み、さらにポリエチレンイミン等のエッチング抑制剤を含有しても保存安定性と濾過性を維持できるエッチング液組成物を提供する。
本開示は、一態様において、基板上に形成された金属膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、エッチング抑制剤、及び水を含有し、前記エッチング抑制剤は、カルボキシル基を有さないアミン化合物であり、前記金属膜は、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、銅、ニッケル、コバルト、チタン、窒化チタン、アルミナ、アルミニウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属膜である、エッチング液組成物に関する。
本開示は、一態様において、本開示のエッチング液組成物を用いて、少なくとも1種の金属を含む金属膜をエッチングする工程を含む、エッチング方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示のエッチング液組成物を用いて、基板上に形成された金属膜をエッチングする工程を含み、前記基板は、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板から選ばれる少なくとも1種の基板である、基板処理方法に関する。
本開示によれば、一態様において、リン酸及び硝酸を含み、さらにエッチング抑制剤を含有しても保存安定性と濾過性が維持されたエッチング液組成物を提供できる。
本開示は、一態様において、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、エッチング抑制剤、及び水を含むエッチング液を用いることで、保存安定性と濾過性を維持できるという知見に基づく。
本開示は、一態様において、基板上に形成された金属膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、エッチング抑制剤、及び水を含有し、前記エッチング抑制剤は、カルボキシル基を有さないアミン化合物であり、前記金属膜は、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、銅、ニッケル、コバルト、チタン、窒化チタン、アルミナ、アルミニウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属膜である、エッチング液組成物(以下、「本開示のエッチング液組成物」ともいう)に関する。
本開示のエッチング液組成物によれば、リン酸及び硝酸を含み、さらにエッチング抑制剤を含有しても保存安定性と濾過性を維持できる。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
リン酸及び硝酸を含むエッチング液(強酸性水溶液)にエッチング抑制剤を添加すると、エッチング抑制剤と硝酸とが難溶性の塩を形成し、濁りが発生する。
有機酸として水への溶解度が900g/Lを超える有機酸を用いた場合、該有機酸は親水性が高いため、強酸性水溶液中で難溶性の塩を溶解しにくく、濁りが発生すると考えられる。
また、エッチング抑制剤がカルボキシル基を有するアミン化合物である場合、該アミン化合物は比較的親水性が高い化合物が多いため、有機酸として水への溶解度が900g/L以下の有機酸を用いても難溶性の塩を溶解しにくくなり、濁りが発生すると考えられる。
本開示では、水への溶解度が900g/L以下の有機酸が、強酸性水溶液中で、カルボキシル基を有さないアミン化合物と硝酸とが形成する難溶性の塩を溶解して濁りの発生を抑制し、エッチング液の保存安定性及び濾過性を維持できると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[リン酸]
本開示のエッチング液組成物中のリン酸の配合量は、エッチング速度、並びに、保存安定性及び濾過性維持の観点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、そして、濾過性の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、70質量%以下が更に好ましく、65質量%以下が更に好ましい。
[硝酸]
本開示のエッチング液組成物中の硝酸の配合量は、エッチング速度の観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2質量%以上が更に好ましく、3質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が更に好ましく、そして、エッチングむらの観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
[有機酸]
本開示のエッチング液組成物に含まれる20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸としては、保存安定性及び濾過性維持の観点から、例えば、メトキシ酢酸(溶解度:485g/L)、クエン酸(溶解度:592g/L)、コハク酸(溶解度:58g/L)、酢酸3-メトキシブチル(溶解度:4.6g/L)等が挙げられる。20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示のエッチング液組成物中の20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の配合量は、保存安定性及び濾過性維持の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%未満が更に好ましく、60質量%未満が更に好ましく、50質量%以下が更に好ましく、45質量%以下が更に好ましい。20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸が2種以上の組合せである場合、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の配合量はそれらの合計配合量である。
本開示のエッチング液組成物中のリン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の合計配合量は、保存安定性及び濾過性維持の観点から、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。本開示のエッチング液組成物中のリン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の合計配合量は、70質量%以上98質量%以下が好ましく、75質量%以上95質量%以下がより好ましく、80質量%以上90質量%以下が更に好ましい。
[エッチング抑制剤]
本開示のエッチング液組成物に含まれるエッチング抑制剤は、カルボキシル基を有さないアミン化合物である。エッチング抑制剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示におけるエッチング抑制剤は、エッチングむら低減、並びに、保存安定性及び濾過性維持の観点から、エッチング抑制率が20%以上であることが好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上が更に好ましく、70%以上が更に好ましく、80%以上が更に好ましく、85%以上が更に好ましく、90%以上が更に好ましく、94%以上が更に好ましい。
本開示において、エッチング抑制率とは、エッチング抑制剤を使用しない場合のエッチング速度に対するエッチング抑制剤を使用した場合のエッチング速度の減少率のことを示す。エッチング抑制率は、一又は複数の実施形態において、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸及び水からなり、前記リン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の配合量の質量比がエッチング液組成物におけるリン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の配合量の質量比と同じであり、前記リン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸の合計配合量が87質量%である混酸水溶液を用いて所定温度と所定時間でエッチングした際のエッチング速度を100としたときの前記エッチング液組成物のエッチング速度の相対速度Aを、100から引いた値とすることができる。なお、混酸水溶液中の各成分の配合量の質量比は適宜設定することができる。エッチング抑制率は、一又は複数の実施形態において、温度、時間等の実施条件をエッチングを行う条件に適合させて測定することができる。エッチング抑制率の測定条件は、被エッチング層に含まれる金属によって異なり、例えば、エッチング抑制率を測定するときの温度及び時間の好ましい範囲としては、一又は複数の実施形態において、後述する本開示のエッチング工程におけるエッチング温度及びエッチング時間の好ましい範囲が挙げられる。
本開示におけるエッチング抑制剤は、カルボキシル基を有さないアミン化合物であり、例えば、ポリアルキレンイミン及びポリアルキレンポリアミンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)等が挙げられる。
前記ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられる。
エッチング抑制剤がポリアルキレンイミンである場合、エッチング抑制剤の数平均分子量は、エッチングむら低減、並びに、保存安定性及び濾過性維持の観点から、300以上が好ましく、600以上がより好ましく、1,200以上が更に好ましく、そして、粘度の観点から、100,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、3,000以下が更に好ましい。同様の観点から、エッチング抑制剤の数平均分子量は、300以上100,000以下が好ましく、600以上5,000以下がより好ましく、1,200以上3,000以下が更に好ましい。
エッチング抑制剤がポリアルキレンポリアミンである場合、エッチング抑制剤の重量平均分子量は、エッチングむら低減、並びに、保存安定性及び濾過性維持の観点から、50以上が好ましく、80以上がより好ましく、100以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、1,000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。同様の観点から、エッチング抑制剤の重量平均分子量は、50以上1,000以下が好ましく、80以上500以下がより好ましく、100以上300以下が更に好ましい。
本開示において平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定できる。
本開示のエッチング抑制剤の平均分子量の測定方法の例を以下に示す。
<GPC条件(ポリアルキレンイミン)>
試料液:0.1wt%の濃度に調整したもの
装置/検出器: HLC-8320GPC(一体型GPC)東ソー(株)製
カラム:α―M+α―M(東ソー株式会社製)
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1% CH3COOH/水
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
試料液注入量:100μL
標準ポリマー:分子量が既知のプルラン(Shodex社 P-5、P-50,P-200、P-800)
本開示のエッチング液組成物中のエッチング抑制剤の配合量は、エッチングむら低減、並びに、保存安定性及び濾過性維持の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、2質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示のエッチング液組成物中のエッチング抑制剤の配合量は、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上3質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以上2質量%以下が更に好ましい。エッチング抑制剤が2種以上の組合せである場合、エッチング抑制剤の配合量はそれらの合計配合量である。
[水]
本開示のエッチング液組成物は、一又は複数の実施形態において、水を含む。本開示のエッチング液に含まれる水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が挙げられる。
本開示のエッチング液組成物中の水の配合量は、保存安定性及び濾過性維持の観点から、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上が更に好ましく、10質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましく、20質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示のエッチング液組成物中の水の配合量は、2質量%以上35質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下がより好ましく、7質量%以上25質量%以下が更に好ましく、10質量%以上20質量%以下が更に好ましい。
[その他の成分]
本開示のエッチング液組成物は、本開示の効果が損なわれない範囲で、その他の成分をさらに配合してなるものであってもよい。その他の成分としては、リン酸及び硝酸以外の無機酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸以外の有機酸、キレート剤、界面活性剤、可溶化剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本開示のエッチング液組成物は、エッチングむら低減の観点から、過酸化水素を含まないことが好ましい。ここで、「過酸化水素を含まない」とは、一又は複数の実施形態において、過酸化水素を含まないこと、実質的に過酸化水素を含まないこと、又は、エッチング結果に影響を与える量の過酸化水素を含まないこと、を含む。本開示のエッチング液組成物中における過酸化水素の配合量は、特に限定されないが、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
本開示のエッチング液組成物は、一又は複数の実施形態において、25℃で濁りが発生しない。濁りの発生の有無については、実施例に記載の方法により確認できる。
[エッチング液組成物の製造方法]
本開示のエッチング液組成物は、一態様において、リン酸と、硝酸と、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸と、エッチング抑制剤と、水と、所望により上述した任意成分とを公知の方法で配合することにより得られる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも、リン酸と、硝酸と、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸と、エッチング抑制剤と、水とを配合する工程を含む、エッチング液組成物の製造方法(以下、「本開示のエッチング液製造方法」ともいう)に関する。
本開示において「少なくとも、リン酸と、硝酸と、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸と、エッチング抑制剤と、水とを配合する」とは、一又は複数の実施形態において、リン酸と、硝酸と、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸と、エッチング抑制剤と、水と、必要に応じて上述した任意成分とを同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は、特に限定されなくてもよい。前記配合は、例えば、プロペラ型撹拌機、ポンプによる液循環撹拌、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。
本開示のエッチング液製造方法において各成分の好ましい配合量は、上述した本開示のエッチング液組成物中の各成分の好ましい配合量と同じとすることができる。
本開示において「エッチング液組成物中の各成分の配合量」とは、一又は複数の実施形態において、エッチング工程に使用される、すなわち、エッチング処理への使用を開始する時点(使用時)でのエッチング液組成物中の各成分の配合量をいう。
本開示のエッチング液組成物中の各成分の配合量は、一又は複数の実施形態において、本開示のエッチング液組成物中の各成分の含有量とみなすことができる。ただし、中和の影響を受ける場合は、配合量と含有量が異なる場合がある。
本開示のエッチング液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。2液型のエッチング液組成物としては、水が第1液と第2液とに分かれており、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、及びエッチング抑制剤がそれぞれ、第1液及び第2液のうちのいずれか一方又は双方に含まれており、使用時に第1液と第2液とが混合されるものが挙げられる。第1液及び第2液はそれぞれ必要に応じて上述した任意成分を含有してもよい。
本開示のエッチング液組成物のpHは、保存安定性及び濾過性維持の観点から、1以下が好ましく、0以下がより好ましく、0未満が更に好ましく、-1程度が更に好ましい。なお、本開示のエッチング液組成物のpHは、-5以上、又は-3以上とすることができる。本開示において、エッチング液組成物のpHは、25℃における値であって、pHメータを用いて測定でき、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示のエッチング液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存および供給されてもよい。この場合、製造・輸送コストを低くできる点で好ましい。そしてこの濃縮液は、必要に応じて水又は酸水溶液を用いて適宜希釈してエッチング工程で使用することができる。希釈割合は例えば、3~100倍とすることができる。
[キット]
本開示は、その他の態様において、本開示のエッチング液組成物を製造するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。
本開示のキットとしては、一又は複数の実施形態において、第1液と第2液とを相互に混合されない状態で含み、リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、及びエッチング抑制剤がそれぞれ、第1液及び第2液のうちのいずれか一方又は双方に含まれており、使用時に第1液と第2液とが混合されるキット(2液型エッチング液)が挙げられる。第1液と第2液とが混合された後、必要に応じて水又は酸水溶液を用いて希釈されてもよい。第1液又は第2液には、エッチング液の調製に使用する水の全量又は一部が含まれていてもよい。第1液及び第2液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分が含まれていてもよい。
例えば、本開示のキットとしては、エッチング抑制剤を含む溶液(第1a液)と、リン酸、硝酸及び20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸を含む酸水溶液(第2a液)とを相互に混合されない状態で含み、これらが使用時に混合されるキット(2液型エッチング液)が挙げられる。第1a液と第2a液とが混合された後、必要に応じて水又は酸水溶液を用いて希釈されてもよい。第1a液又は第2a液には、エッチング液の調製に使用する水の全量又は一部が含まれていてもよい。第2a液に含まれる酸は、エッチング液の調製に使用する酸の全量でもよいし、一部でもよい。第1a液は、酸を含んでいてもよい。第1a液及び第2a液にはそれぞれ必要に応じて、上述した任意成分が含まれていてもよい。
本開示のキットによれば、リン酸及び硝酸を含み、さらにエッチング抑制剤を含有しても保存安定性と濾過性が維持されたエッチング液を得ることができる。
[被エッチング膜]
本開示のエッチング液組成物を用いてエッチング処理される被エッチング膜は、一又は複数の実施形態において、少なくとも1種の金属を含む金属膜である。ここで、金属膜としては、本開示の効果の奏する限り特に限定されるものではないが、例えば、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、銅、ニッケル、コバルト、チタン、窒化チタン、アルミナ、アルミニウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属膜が挙げられる。金属膜は、一又は複数の実施形態において、銀を含まない。
本開示のエッチング液組成物は、一又は複数の実施形態において、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属膜(ただし、銀を含まない)のエッチングに用いられることが好ましく、一又は複数の実施形態において、タングステン膜、モリブデン膜、又はニッケル膜のエッチングに好適に用いられる。すなわち、被エッチング膜は、一又は複数の実施形態において、タングステン膜、モリブデン膜又はニッケル膜である。
[エッチング方法]
本開示は、一態様において、本開示のエッチング液組成物を用いて、少なくとも1種の金属を含む金属膜をエッチングする工程(以下、「本開示のエッチング工程」ともいう)を含む、エッチング方法(以下、「本開示のエッチング方法」ともいう)に関する。本開示のエッチング方法によれば、リン酸及び硝酸を含み、さらにエッチング抑制剤を含有しても保存安定性及び濾過性が維持されたエッチング液を用いることで、半導体基板の生産性を向上できる。
本開示のエッチング工程において、エッチング処理方法としては、例えば、浸漬式エッチング、枚葉式エッチング等が挙げられる。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がタングステン膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング液組成物の温度(エッチング温度)は、エッチングむら低減の観点から、0℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、70℃以上が更に好ましく、そして、150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。同様の観点から、一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がタングステン膜の場合、エッチング温度は、0℃以上150℃以下が好ましく、50℃以上130℃以下がより好ましく、70℃以上110℃以下が更に好ましい。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がモリブデン膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング液組成物の温度(エッチング温度)は、エッチングむら低減の観点から、0℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、25℃以上が更に好ましく、そして、80℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましく、50℃以下が更に好ましい。同様の観点から、一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がモリブデン膜の場合、エッチング温度は、0℃以上80℃以下が好ましく、15℃以上65℃以下がより好ましく、25℃以上50℃以下が更に好ましい。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がニッケル膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング液組成物の温度(エッチング温度)は、エッチングむら低減の観点から、0℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、そして、80℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましく、50℃以下が更に好ましい。同様の観点から、一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がニッケル膜の場合、エッチング温度は、0℃以上80℃以下が好ましく、15℃以上65℃以下がより好ましく、30℃以上50℃以下が更に好ましい。
本開示のエッチング工程において、エッチング時間は、例えば、1分以上180分以下に設定できる。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がタングステン膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング速度は、生産性向上の観点から、0.0001g/分以上が好ましく、0.0005g/分以上がより好ましく、0.001g/分以上が更に好ましく、そして、エッチングむら低減の観点から、10g/分以下が好ましく、1g/分以下がより好ましく、0.1g/分以下が更に好ましい。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がモリブデン膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング速度は、生産性向上の観点から、0.01g/分以上が好ましく、0.03g/分以上がより好ましく、0.05g/分以上が更に好ましく、そして、エッチングむら低減の観点から、10g/分以下が好ましく、3g/分以下がより好ましく、1g/分以下が更に好ましい。
一又は複数の実施形態において、被エッチング膜がニッケル膜の場合、本開示のエッチング工程におけるエッチング速度は、生産性向上の観点から、0.001g/分以上が好ましく、0.005g/分以上がより好ましく、0.01g/分以上が更に好ましく、そして、エッチングむら低減の観点から、10g/分以下が好ましく、1g/分以下がより好ましく、0.5g/分以下が更に好ましい。
本開示のエッチング液組成物及び本開示のエッチング方法は、一又は複数の実施形態において、電子デバイス、特に、半導体ウエハの製造工程において、金属をエッチングするために用いることができる。
本開示のエッチング液組成物及び本開示のエッチング方法は、一又は複数の実施形態において、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板から選ばれる少なくとも1種の基板の作製に好適に用いることができる。すなわち、本開示は、一態様において、本開示のエッチング液組成物又は本開示のエッチング方法を用いて、基板上に形成された金属膜をエッチングする工程を含み、前記基板は、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板から選ばれる少なくとも1種の基板である、基板処理方法(以下、「本開示の基板処理方法ともいう」)に関する。本開示の基板処理方法によれば、リン酸及び硝酸を含み、さらにエッチング抑制剤を含有しても保存安定性及び濾過性が維持されたエッチング液組成物を用いることで、半導体基板の生産性及び収率を向上できる。
本開示のエッチング液組成物及び本開示のエッチング方法は、一又は複数の実施形態において、電子デバイス、特に、NAND型フラッシュメモリを含む不揮発性メモリ等の半導体メモリの製造工程において、電極をエッチングするために用いることができる。
本開示のエッチング液組成物及び本開示のエッチング方法は、一又は複数の実施形態において、三次元構造を有するパターンの作製に好適に用いることができる。これにより、大容量化されたメモリ等の高度なデバイスを得ることができる。
本開示のエッチング液組成物及び本開示のエッチング方法は、例えば、特開2020-145412号公報に開示されるようなエッチング方法に用いることができる。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.エッチング液の調製(実施例1~9、比較例1~2、参考例1)
リン酸、硝酸、表1に示す有機酸、表1に示すエッチング抑制剤及び水を配合して実施例1~9、比較例1~2、及び参考例1のエッチング液(pH:-1)を得た。
調製したエッチング液における各成分の配合量(質量%、有効分)を表1に示した。なお、表1中の水の配合量には、酸水溶液等に含まれる水の配合量も含まれている。
エッチング液の調製には、下記成分を用いた。
リン酸[燐化学工業社製、濃度85%]
硝酸[富士フイルム和光純薬株式会社、濃度70%]
(有機酸)
酢酸[富士フイルム和光純薬株式会社、濃度100%、20℃の水への溶解度:1000g/L]
メトキシ酢酸[富士フイルム和光純薬株式会社、濃度95%、20℃の水への溶解度:485g/L]
(エッチング抑制剤)
ポリエチレンイミン[数平均分子量1,800、株式会社日本触媒製の「エポミンSP-018」]
ペンタエチレンヘキサミン[東ソー株式社製の「PEHA」]
(水)
水[栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水]
2.パラメータの測定方法
[エッチング液のpH]
エッチング液の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した値であり、pHメータの電極をエッチング液へ浸漬して1分後の数値である。
3.エッチング液の評価
[濁り発生の有無(保存安定性)]
調製直後のエッチング液組成物の濁りの発生の有無を下記条件により目視で確認した。結果を表1に示した。
<条件・設備>
液組成物の温度:25℃
容器:100mlの透明ガラス容器
液組成物の配合方法:実施例に記載のリン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、エッチング抑制剤、及び水について、マグネチックスターラーを用いて200rpmで撹拌しながら所定量を配合した。配合する順番は変更しても構わない。
濁り発生の確認:マグネチックスターラーを用いて200rpmで30分撹拌後に、静置させ5分後に、エッチング液組成物の濁りの発生を目視で確認した。目視判定者は、熟練研究員1名。
[濾過性]
エッチング液組成物を以下条件を用いて、フィルタを通液させた。仕込みスケール分50kg全量を通液できたものを濾過性「A」、通液量20kg以上50kg未満のものを濾過性「B」、通液量5kg以上20kg未満のものを濾過性「C」、途中でフィルタが閉塞して濾過できなかったもの(仕込みスケール分5kg未満)を濾過性「D」とした。
<条件・設備>
液温度:25℃
ろ過圧力:0.3MPa
ろ過流量:5kg/min
スケール:エッチング液組成物50kg
ポンプ:ダイヤフラムポンプDP-10BPT(ヤマダコーポレーション社製)
配管:PFA配管(外径19φ、フロンケミカル社製)
フィルタ:クランフィル(PTFE製、孔径0.05μm、倉敷紡績株式会社製)
容器:10L容器
表1に示されるように、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸(メトキシ酢酸)とエッチング抑制剤とを組み合わせて用いた実施例1~9のエッチング液は、濁りが発生せず保存安定性と濾過性が維持されており、エッチング液の使用時における濾過フィルタの閉塞を抑制できることがわかった。
本開示のエッチング液組成物は、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板上の金属膜のエッチングに有用である。

Claims (9)

  1. 基板上に形成された金属膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、
    リン酸、硝酸、20℃の水への溶解度が900g/L以下の有機酸、エッチング抑制剤、及び水を含有し、
    前記エッチング抑制剤は、カルボキシル基を有さないアミン化合物であって、ポリアルキレンイミン及びポリアルキレンポリアミンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記有機酸の配合量は20質量%以上であり、
    前記金属膜は、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、銅、ニッケル、コバルト、チタン、窒化チタン、アルミナ、アルミニウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属膜である、エッチング液組成物。
  2. 前記リン酸の配合量が20質量%以上90質量%以下である、請求項1に記載のエッチング液組成物
  3. 前記有機酸は、メトキシ酢酸である、請求項1又は2に記載のエッチング液組成物。
  4. 前記エッチング液は、25℃で濁りが発生しない、請求項1から3のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  5. 前記エッチング抑制剤は、ポリエチレンイミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びテトラエチレンペンタミンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1から4のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  6. 前記基板は、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板から選ばれる少なくとも1種の基板である、請求項1から5のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  7. 過酸化水素の配合量が1質量%未満である、請求項1から6のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のエッチング液組成物を用いて、少なくとも1種の金属を含む金属膜をエッチングする工程を含む、エッチング方法。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載のエッチング液組成物を用いて、基板上に形成された金属膜をエッチングする工程を含み、
    前記基板は、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板から選ばれる少なくとも1種の基板である、基板処理方法。
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