(発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法)
前記製造方法は、ポリエチレンワックスの存在下でスチレン系単量体を懸濁重合することによりスチレン系樹脂粒子を得る重合工程を有する。また、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより、発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。以下、前記製造方法の具体的な態様について詳説する。
・重合工程
重合工程においては、ポリエチレンワックスの存在下でスチレン系単量体を懸濁重合することによりスチレン系樹脂粒子(以下、「樹脂粒子」という。)を作製する。より具体的には、攪拌装置が付帯された密閉容器内に水等の水性媒体を投入する。次いで、必要に応じて、密閉容器内に懸濁剤や界面活性剤を投入する。この水性媒体中にポリエチレンワックスと重合開始剤とを含むスチレン系単量体を懸濁させた後、重合反応を開始させる。これにより、スチレン系樹脂を基材樹脂とし、ポリエチレンワックスを含むスチレン系樹脂粒子を得ることができる。なお、懸濁重合時においては、予めポリエチレンワックス及び重合開始剤を溶解させたスチレン系単量体を水性媒体中に懸濁させ、重合を行うことが好ましい。
前記重合工程は、第1の重合温度でスチレン系単量体を重合させる前段重合工程と、前段重合工程よりも高い第2の重合温度でスチレン系単量体を重合させる後段重合工程とを含んでいてもよい。前段重合工程は、比較的低温にて大部分のスチレン系単量体を重合させてスチレン系樹脂とする工程であり、後段重合工程は、残存する未反応のスチレン系単量体を重合させる工程である。このようにスチレン系単量体の重合を2段階で行うことにより、所望の特性を備え、未反応のスチレン系単量体の含有量が少ないスチレン系樹脂粒子をより容易に得ることができる。
前段重合工程における重合温度は、110℃以下であることが好ましく、105℃以下であることがより好ましい。この場合には、スチレン系樹脂の重量平均分子量を適度に高くすることができる。そして、かかるスチレン系樹脂から構成された発泡粒子を型内成形することにより、発泡粒子成形体の機械的強度をより向上させることができる。一方、重合効率の観点からは、前段重合工程における重合温度の下限は概ね70℃程度である。また、前段重合工程における重合温度の保持時間は、例えば3時間以上であればよく、4時間以上であると好ましい。また、生産性を高める観点から、前段重合工程における重合温度の保持時間は6時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
また、未反応のスチレン系単量体をより低減する観点からは、前段重合工程においてはスチレン系単量体の重合転化率が90質量%以上となるまで重合を行うことが好ましく、95質量%以上となるまで重合を行うことがより好ましく、98質量%以上となるまで重合を行うことがさらに好ましい。
後段重合工程における重合温度は、115℃を超え135℃以下であることが好ましく、118℃以上130℃であることがより好ましい。この場合には、未反応のスチレン系単量体をより低減することができる。なお、後段重合工程における未反応のスチレン系単量体の量は、最終重合温度の保持時間により制御することができる。後段重合工程における重合温度の保持時間は、例えば1時間以上であればよく、1.5時間以上であると好ましい。また、生産性を高める観点から、前段重合工程における重合温度の保持時間は4時間以下であることが好ましく、3時間以下であることがより好ましい。
また、後段重合工程においては、スチレン系樹脂中の未反応のスチレン系単量体の含有量が2000質量ppm以下となるまでスチレン系単量体の重合を行うことが好ましく、未反応のスチレン系単量体の含有量が1000質量ppm以下となるまでスチレン系単量体の重合を行うことがより好ましい。
前記重合工程は、重合転化率が90質量%以上となるまで前記ポリエチレンワックスの融点未満の温度で前記スチレン系単量体を重合させる工程を含んでいることが好ましい。重合工程が前段重合工程と後段重合工程とを含む場合には、前段重合工程において重合転化率が90質量%以上となるまでスチレン系単量体を重合させることが好ましく、前段重合工程において重合転化率が95質量%以上となるまでスチレン系単量体を重合させることがより好ましく、前段重合工程において重合転化率が98質量%以上となるまでスチレン系単量体を重合させることがさらに好ましい。このような条件で重合を行うことにより、所望の特性を備えた発泡性粒子が得られやすくなると共に、未反応のスチレン系単量体をより低減しやすくなる。
前述した重合転化率の測定方法は以下の通りである。まず、重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程を行い、重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程が進行した直後から10分以内に密閉容器の内容物の温度を30℃以下にまで冷却し、重合反応を停止させる。すなわち、例えば前段重合工程が完了した時点の重合転化率を測定しようとする場合には、前段重合工程が完了した直後に密閉容器の内容物を急冷し、重合反応を停止させればよい。
冷却が完了した後、密閉容器から取り出したスチレン系樹脂粒子の表面に付着した水分を除去する。水分の除去方法としては、例えば、スチレン系樹脂粒子を遠心分離機等で脱水し、次いで流動乾燥装置等を用いてスチレン系樹脂粒子の表面に付着した水分を除去する方法等を採用することができる。水分の除去が完了した後、スチレン系樹脂粒子中の未反応のスチレン系単量体の含有量をガスクロマトグラフィーにより測定する。ガスクロマトグラフィーによるスチレン系単量体の含有量の測定方法については後述する。重合転化率(単位:質量%)は、下記数式(1)により表される値である。
重合転化率(単位:質量%)=100-スチレン系単量体の含有量(単位:質量%)・・・(1)
重合工程において使用されるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,4,6-トリブロモスチレン、ジビニルベンゼン、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのスチレン系単量体は、単独で使用されてもよいし、2種類以上のスチレン系単量体が併用されてもよい。
また、重合工程においては、スチレンと共重合可能な単量体を添加することもできる。スチレンと共重合可能な単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等がある。メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等がある。これらの単量体は、単独で使用されてもよいし、2種類以上の単量体が併用されてもよい。
所望の特性を備えた発泡性粒子が得られやすくなる観点からは、重合工程において使用する全ての単量体中のスチレンの割合は、例えば50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%、つまり、重合工程においてスチレンのみを使用することが特に好ましい。
重合工程において使用されるポリエチレンワックスは、エチレンに由来する構成単位から構成される比較的分子量の低いポリエチレンであり、常温常圧(例えば、20℃、1気圧)下で固体のワックスである。より具体的には、ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、概ね300以上10000以下である。ポリエチレンワックスの融点は90℃以上120℃以下であり、DSC曲線に基づいて算出される前記ポリエチレンワックスの結晶化熱量は225J/g以上である。このような特性を備えたポリエチレンワックスを含む発泡性粒子を発泡させることにより、発泡粒子の表面近傍に存在する気泡と内部に存在する気泡との気泡径の差の小さい発泡粒子を得ることができる。
前記ポリエチレンワックスにより気泡径のばらつきの小さい発泡粒子が得られる理由としては、例えば以下の理由が考えられる。すなわち、融点及び結晶化熱量が前記特定の範囲内であるポリエチレンワックスは、スチレン系単量体に対する溶解度が適度な範囲にあると考えられる。そのため、重合工程を開始してからしばらくの間は、ポリエチレンワックスがスチレン系単量体中に溶解している。一方、スチレン系単量体の重合反応が進行すると、ポリエチレンワックスがスチレン系樹脂中に徐々に析出し、スチレン系樹脂中にポリエチレンワックスの析出物を概ね均等に分散させることができると考えられる。
スチレン系樹脂中に分散したポリエチレンワックスの析出物は、気泡形成の起点となる核剤として機能する。それ故、前記発泡性粒子を発泡させると、粒子全体に亘って概ね均等に気泡が形成されやすくなる。以上の結果、発泡粒子の表面近傍に存在する気泡と発泡粒子の内部に存在する気泡との気泡径の差の小さい発泡粒子を得ることができると考えられる。
また、このような発泡粒子は、型内成形時の融着性に優れているため、切削加工時の発泡粒子の脱落の少ない成形体を容易に得ることができる。さらに、このような発泡粒子は、粒子の中心部における構造と表層部における構造との差が小さい。そのため、かかる発泡粒子を型内成形することにより、切削加工後の毛羽立ちの少ない成形体を容易に得ることができる。
ポリエチレンワックスの融点が低すぎる場合には、ポリエチレンワックスがスチレン系樹脂中に析出しにくくなるため、核剤としての効果が低下する。その結果、発泡粒子における気泡の気泡径のばらつきが大きくなりやすい。また、この場合には、発泡粒子の融着性の低下を招き、成形体中に発泡粒子同士の融着が不十分な部分が形成されやすくなるおそれがある。そして、成形体中に発泡粒子同士の融着が不十分な部分が形成されると、切削加工時にこの部分から発泡粒子が脱落しやすくなるおそれがある。
一方、ポリエチレンワックスの融点が高すぎる場合には、重合工程中におけるポリエチレンワックスの析出が不安定になりやすい。その結果、発泡粒子における気泡の気泡径のばらつきが大きくなりやすい。また、この場合には、発泡粒子の融着性の低下を招き、成形体中に発泡粒子同士の融着が不十分な部分が形成されやすくなるおそれがある。そして、成形体中に発泡粒子同士の融着が不十分な部分が形成されると、切削加工時にこの部分から発泡粒子が脱落しやすくなるおそれがある。
これらの問題をより確実に回避し、所望の発泡性粒子をより容易に得る観点からは、ポリエチレンワックスの融点は95℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。同様の観点から、ポリエチレンワックスの融点は115℃以下であることが好ましい。
ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、1500以上であることが好ましく、2000以上であることが好ましい。この場合には、ポリエチレンワックスがスチレン系樹脂中に適度に析出しやすくなる。また、ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、8000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、4000以下であることがさらに好ましい。この場合には、ポリエチレンワックスがスチレン系樹脂中に良好に分散しやすくなる。
ポリエチレンワックスの結晶化熱量が低すぎる場合には、発泡粒子の表面近傍に存在する気泡の気泡径が小さくなりやすい。これは、重合工程においてポリエチレンワックスがスチレン系樹脂中に析出しやすくなり、発泡性粒子の表面近傍に析出するポリエチレンワックスの量が多くなりやすいためと考えられる。
発泡粒子の表層部における気泡径が発泡粒子全体の気泡の平均径よりも小さすぎると、成形体を切削加工した後に発泡粒子の表層部が除去しきれず、毛羽立ちが生じやすくなる。さらに、この場合には、発泡粒子の融着性が低くなり、成形体を切削加工する際に融着が不十分な発泡粒子の脱落を招くおそれがある。なお、ポリエチレンワックスの結晶化熱量の上限は特に限定されることはないが、例えば280J/g程度であればよく、250J/gであることが好ましい。
前述したポリエチレンワックスの融点は、JIS K7121-1987に基づいて示差走査熱量測定(つまり、DSC)を行い、取得したDSC曲線に基づいて決定することができる。ポリエチレンワックスの融点の決定に用いるDSC曲線の取得方法は、具体的には以下の通りである。まず、「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に従ってポリエチレンワックスの状態調節を行う。状態調節においては、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスを加熱し、次いで150℃の温度を10分間保持してポリエチレンワックスを融解させる。次いで、150℃から0℃まで、冷却速度10℃/分でポリエチレンワックスを冷却する。以上により状態調節を行った後、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスを加熱し、2回目昇温時のDSC曲線を取得する。そして、2回目昇温時のDSC曲線に現れる融解ピークの頂点をポリエチレンワックスの融点とする。なお、DSC曲線において、融解ピークが複数現れる場合には、最も高温側に現れる融解ピークの頂点温度をポリエチレンワックスの融点とする。
また、前述したポリエチレンワックスの結晶化熱量は、JIS K7122-1987に基づいてDSCを行い、取得したDSC曲線に基づいて算出することができる。ポリエチレンワックスの結晶化熱量の算出に用いるDSC曲線の取得方法は、具体的には以下の通りである。まず、「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に従ってポリエチレンワックスの状態調節を行う。状態調節においては、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスを加熱し、次いで150℃の温度を10分間保持してポリエチレンワックスを融解させる。以上により状態調節を行った後、150℃から0℃まで、冷却速度10℃/分でポリエチレンワックスを冷却し、冷却時のDSC曲線を取得する。そして、冷却時のDSC曲線に現れる結晶化ピークの面積を算出し、この値から結晶化熱量を算出する。
重合工程におけるポリエチレンワックスの添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.02質量部以上0.2質量部以下である。これにより、前述した作用効果を発揮させることができる。ポリエチレンワックスの添加量が少なすぎる場合には、ポリエチレンワックスの核剤としての効果が不十分となり、発泡粒子における気泡の気泡径のばらつきが大きくなりやすい。また、この場合には、発泡粒子の融着性の低下を招き、成形体を切削加工する際に、発泡粒子同士の融着が不十分な部分から発泡粒子が脱落しやすくなるおそれがある。ポリエチレンワックスの作用効果をより確実に得る観点からは、重合工程におけるポリエチレンワックスの添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.04質量部以上であることが好ましく、0.06質量部以上であることがより好ましく、0.08質量部以上であることがさらに好ましい。
一方、ポリエチレンワックスの添加量が多すぎる場合には、発泡性粒子中に析出するポリエチレンワックスの数が過度に多くなり、発泡粒子の表面近傍における気泡の気泡径が小さくなりやすい。また、この場合には、発泡粒子の融着性の低下を招き、成形体を切削加工する際に発泡粒子同士の融着が不十分な部分から発泡粒子が脱落しやすくなるおそれがある。かかる問題をより確実に回避する観点からは、ポリエチレンワックスの添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.18質量部以下であることが好ましく、0.16質量部以下であることがより好ましく、0.14質量部以下であることがさらに好ましい。
ポリエチレンワックスの結晶化ピークの半値幅は6℃以上30℃以下であることが好ましい。この場合には、発泡性粒子内におけるポリエチレンワックスの分布の偏りが適度に小さくなり、融着性及び切削加工性に優れた成形体をより容易に得ることができる。かかる作用効果をより高める観点からは、ポリエチレンワックスの結晶化ピークの半値幅は25℃以下であることがより好ましく、20℃以下であることがさらに好ましく、15℃以下であることが特に好ましい。また、ポリエチレンワックスの結晶化ピークの半値幅は7℃以上であることがより好ましく、8℃以上であることがより好ましい。
また、ポリエチレンワックスの結晶化ピーク温度は90℃以上105℃以下であることが好ましい。この場合、重合工程中においてポリエチレンワックスが適度に析出しやすくなり、融着性及び切削加工性に優れた成形体をより確実に得ることができる。かかる作用効果をより高める観点からは、ポリエチレンワックスの結晶化ピーク温度は93℃以上であることがより好ましく、96℃以上であることがさらに好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。
ポリエチレンワックスの結晶化ピーク温度及び半値幅は、JIS K7121-1987に基づいてDSCを行い、取得したDSC曲線に基づいて算出することができる。ポリエチレンワックスの結晶化ピーク温度及び半値幅の算出に用いるDSC曲線の取得方法は、具体的には以下の通りである。まず、「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に従ってポリエチレンワックスの状態調節を行う。状態調節においては、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスを加熱し、次いで150℃の温度を10分間保持してポリエチレンワックスを融解させる。以上により状態調節を行った後、150℃から0℃まで、冷却速度10℃/分でポリエチレンワックスを冷却し、冷却時のDSC曲線を取得する。そして、冷却時のDSC曲線に現れる結晶化ピークの頂点に対応する温度を結晶化ピーク温度とする。また、冷却時のDSC曲線において、ベースラインからDSC曲線のピークの頂点までの高さを求め、この値を結晶化ピーク高さとする。次に、ベースラインからの高さが結晶化ピーク高さの1/2の高さとなるDSC曲線上の2つの点を定め、これらの点を1/2結晶化ピーク高さ位置とする。そして、これら2つの1/2結晶化ピーク高さ位置にそれぞれ対応する温度の差、つまり、高温側の1/2結晶化ピーク高さ位置に対応する温度から低温側の1/2結晶化ピーク高さ位置に対応する温度を差し引いた値を結晶化ピークの半値幅とする。なお、DSC曲線における、[結晶化開始温度+10℃]の点と、[結晶化終了温度-10℃]の点とを結ぶ線分を、半値幅の算出に用いるベースラインとして定めることができる。
重合工程で用いるポリエチレンワックスは、粉末状であってもよいし、粒状であってもよい。スチレン系単量体に対する溶解性を高める観点からは、ポリエチレンワックスの体積基準のメジアン径(つまり、d50)が35μm以上200μm以下であることが好ましく、40μm以上120μm以下であることがより好ましく、50μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。この場合には、スチレン系樹脂中のポリエチレンワックスの分布がより均一になりやすくなるため、所望の発泡性粒子が安定して得られやすくなる。また、同様の観点から、上記メジアン径に対する、ポリエチレンワックスの体積基準のd90粒子径(つまり、d90)と、ポリエチレンワックスの体積基準のd10粒子径(つまりd10)との差の比率([d90-d10]/d50)が2.0以上3.0以下であることが好ましい。
前記重合工程においては、スチレン系単量体中に可塑剤を添加しても良い。可塑剤としては、例えば、流動パラフィン、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル等を用いることができる。
可塑剤としては、流動パラフィンを使用することが好ましい。この場合、流動パラフィンの添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であることが好ましい。スチレン系単量体中に流動パラフィンを添加することにより、発泡粒子の融着性をより高めることができる。その結果、大型の成形体を成形する場合であっても、内部における発泡粒子の融着が良好であり、切削加工性に優れた成形体を容易に得ることができる。なお、本明細書において、流動パラフィンとは常温常圧(例えば、20℃、1気圧)下で液体のパラフィンをいう。流動パラフィンとしては、JIS K 2231:1993に定められた流動パラフィンを好ましく使用できる。
また、前記重合工程においては、スチレン系単量体中に、前述した作用効果を損なわない範囲において、連鎖移動剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を更に添加してもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
帯電防止剤としては、アルキルジエタノールアミン、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸ナトリウム等を用いることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等の酸化防止剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤を用いることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定剤を用いることができる。
前記重合工程における重合開始剤としては、有機過酸化物を用いることができる。重合工程に前段重合工程と後段重合工程とが含まれる場合、前段重合工程において用いられる重合開始剤としては、例えば、10時間半減期温度が65℃以上90℃以下である有機過酸化物を使用することができる。また、後段重合工程において用いられる重合開始剤としては、例えば、10時間半減期温度が90℃を超え110℃以下の有機過酸化物を使用することができる。
より具体的には、前段重合工程においては、例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物を重合開始剤として使用することができる。これらの有機過酸化物は、単独で使用されてもよいし、2種以上の有機過酸化物が併用されてもよい。
また、後段重合工程においては、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ヘキシルパーオキシアセテート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等の有機過酸化物を重合開始剤として使用することができる。これらの有機過酸化物は、単独で使用されてもよいし、2種以上の有機過酸化物が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下であることが好ましい。この場合には、有機過酸化物の使用量に伴う製造コストの増大を抑制しつつ、重合速度を高めて生産性を十分に高めることができる。同様の観点から、有機過酸化物の添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して、0.1質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。
前段重合工程における重合開始剤にt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを用いる場合には、スチレン系単量体の重合を阻害しない範囲で、水性媒体中に重合禁止剤を添加することが好ましい。この場合には、発泡性粒子の平均粒子径のばらつきを小さくすることができる。重合禁止剤としては、4-t-ブチルカテコール(p-TBC)、ヒドロキノン、p-ベンゾキノン、クロローp-ベンゾキノン、2,5-ジクロロベンゾキノン、2,6-ジクロロベンゾキノン、2,3-ジメチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジメチル-p-ベンゾキノン、メトキシ-p-ベンゾキノン、テトラブロモ-p-ベンゾキノン、テトラクロロ-p-ベンゾキノン、ジメチル-p-ベンゾキノン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、p-ジニトロベンゼン、2,4-ジニトロトルエン、1,3,5-トリニトロベンゼン、1,3,5-トリニトロアニソール、2,4,6-トリニトロフェノール等の油溶性重合禁止剤;亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、L-アスコルビン酸、クエン酸等の水溶性重合禁止剤が例示される。
重合禁止剤を添加するタイミングは特に制限はないが、油溶性重合禁止剤を用いる場合には、重合工程において、重合開始剤と重合禁止剤とを溶解させたスチレン系単量体を水性媒体中に添加することが好ましい。重合禁止剤の添加量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.0001質量部以上0.01質量部以下であることが好ましい。
前記重合工程においては、必要に応じて、水性媒体中に懸濁剤及び/または界面活性剤を添加することができる。即ち、重合工程においては、懸濁剤及び/または界面活性剤が添加された水等の分散媒中においてスチレン系単量体の重合を行うことができる。懸濁剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、ベントナイト等の難水溶性無機塩を用いることができる。また、界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を使用することができる。一方で、大型の成形体を成形する場合にも内部融着が良好な成形体を得やすくなる観点からは、水性媒体中に界面活性剤を添加せずに重合工程を行うことが好ましい。
懸濁剤の使用量は、スチレン系単量体100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましい。難水溶性無機塩からなる懸濁剤とアニオン性界面活性剤を併用する場合には、スチレン系単量体100質量部に対して、懸濁剤を0.05質量部以上3質量部以下、アニオン性界面活性剤を0.0001質量部以上0.5質量部以下用いることが好ましい。
・発泡剤含浸工程
前記製造方法においては、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程を行うことで、発泡性樹脂粒子を得ることができる。発泡剤含浸工程は、スチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含浸させることができれば、どのタイミングで行ってもよい。例えば、前記製造方法においては、重合工程と同時に、または重合工程の途中で発泡剤含浸工程を開始し、重合途中にある樹脂粒子に発泡剤を含浸させてもよい。また、重合工程が完了した後に発泡剤含浸工程を開始し、重合が完了した後の樹脂粒子に発泡剤を含浸させてもよい。発泡剤含浸工程を行う回数は1回であってもよいし、2回以上であってもよい。
重合工程と並行して発泡剤含浸工程を行う場合においては、スチレン系単量体の重合転化率が80質量%以上であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することが好ましい。この場合には、発泡剤による重合阻害が抑制されるため、樹脂粒子中の未反応のスチレンの含有量を低減することができる。かかる効果をより高める観点からは、スチレン系単量体の重合転化率が90質量%以上であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することがより好ましく、95質量%以上であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することがさらに好ましく、96質量%以上であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することが特に好ましい。一方、重合時間の短縮が可能になると共に、例えば表面の陥没の発生を防ぎ、成形体の外観を向上させるという観点から、発泡剤含浸工程において、重合転化率が99.5質量%以下であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することが好ましい。同様の観点からは、スチレン系単量体の重合転化率が99質量%以下であるときに樹脂粒子への発泡剤の含浸を開始することがより好ましい。
発泡剤含浸工程を行うに当たっては、例えば、密閉容器内に発泡剤を添加することによりスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させることができる。また、発泡剤含浸工程における発泡剤の添加量は、例えば、発泡性粒子中の発泡剤含有量が2~20質量%になる程度の量とすればよい。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン等の鎖式脂肪族炭化水素や、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素を使用することができる。これらの発泡剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の発泡剤が併用されてもよい。
発泡剤含浸工程においては、ブタン(異性体を含む)とペンタン(異性体を含む)とを含み、ブタンに対するペンタンの質量比が0.1以上0.6以下である発泡剤を使用することが好ましい。かかる発泡剤を含む発泡性粒子を発泡させることにより、所望の特性を備えた発泡性粒子を容易に得ることができる。そして、かかる発泡性粒子によれば、大型の成形体を成形する場合であっても、成形体の内部における発泡粒子同士の融着が良好な成形体を容易に得ることができる。
(発泡性スチレン系樹脂粒子)
前記製造方法によれば、スチレン系樹脂と、発泡剤と、ポリエチレンワックスとを含む発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。発泡性スチレン系樹脂粒子には、スチレン系樹脂100質量部に対して0.02質量部以上0.2質量部以下のポリエチレンワックスが含まれている。ポリエチレンワックスの融点は90℃以上120℃以下であり、DSC曲線に基づいて算出されるポリエチレンワックスの結晶化熱量は225J/g以上である。なお、ポリエチレンワックスは、スチレン系樹脂中に分散している。
前記発泡性粒子を発泡させることにより、発泡粒子の表面近傍に存在する気泡と内部に存在する気泡との気泡径の差が小さく、気泡径のばらつきの小さい発泡粒子を容易に得ることができる。そして、かかる発泡粒子によれば、切削加工時の発泡粒子の脱落及び毛羽立ちが少なく、良好な切削加工性を有する成形体を容易に得ることができる。
前記発泡性粒子を構成するスチレン系樹脂の主成分は、前記重合工程において使用したスチレン系単量体に由来する構成単位である。スチレン系樹脂中のスチレンに由来する構成単位の質量比率は、例えば50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%、つまり、スチレン系樹脂がスチレンに由来する構成単位のみから構成されていることが特に好ましい。
前記発泡性粒子におけるポリエチレンワックスの構成及び作用効果は、前述した製造方法において説明したポリエチレンワックスの構成及び作用効果と同様であるため、製造方法におけるポリエチレンワックスの説明を適宜参照することができる。
ポリエチレンワックスによる作用効果をより確実に得る観点からは、ポリエチレンワックスの含有量はスチレン系樹脂100質量部に対して0.04質量部以上であることが好ましく、0.06質量部以上であることがより好ましく、0.08質量部以上であることがさらに好ましい。一方、ポリエチレンワックスの過剰な添加による前述した問題をより確実に回避する観点からは、ポリエチレンワックスの含有量はスチレン系樹脂100質量部に対して0.18質量部以下であることが好ましく、0.16質量部以下であることがより好ましく、0.14質量部以下であることがさらに好ましい。
また、前記発泡性粒子のスチレン系樹脂中には、可塑剤、連鎖移動剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は製造方法における添加剤と同様であるため、製造方法における添加剤の説明を適宜参照することができる。
(スチレン系樹脂発泡粒子)
前記発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させることにより、スチレン系樹脂を基材樹脂とするスチレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。発泡性粒子を発泡させる方法としては、例えば、発泡性粒子をスチームなどの加熱媒体を用いて加熱する方法がある。
懸濁重合法によって得られる発泡性スチレン系樹脂粒子は、球状を呈している。それ故、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させてなるスチレン系樹脂発泡粒子も球状を呈している。発泡粒子の成形型への充填性を高め、成形体の内部においても発泡粒子同士の融着が良好な成形体を安定して得ることができる観点からは、発泡粒子の平均円形度が0.90以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、0.98以上であることがさらに好ましい。同様の観点から、発泡粒子の平均アスペクト比が1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましく、1.03以下であることがさらに好ましい。
発泡粒子の平均円形度及び平均アスペクト比は、例えば、日機装株式会社製の粒度分布測定装置「ミリトラック JPA」を用いて測定することができる。具体的には、まず、測定装置の試料供給フィーダーから発泡粒子約5000個を自由落下させ、投影像をCCDカメラで撮像する。次いで、撮像した画像情報に対して演算処理及び結合処理を順次行うことで、平均円形度及び平均アスペクト比を求めることができる。
スチレン系樹脂発泡粒子の嵩密度は15kg/m3以上50kg/m3以下であり、スチレン系樹脂発泡粒子の気泡径の変動係数は40%以下であり、スチレン系樹脂発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値は35μm以上70μm以下であることが好ましい。
前記特定の範囲の嵩密度を備えたスチレン系樹脂発泡粒子によれば、切削加工が施された場合にも好適な機械的強度を有し、かつ、燃焼性に優れた成形体を容易に得ることができる。また、前記発泡粒子は、気泡径の変動係数及び最表面に存在する気泡の気泡径(以下、「表層気泡径」という。)の平均値が前記特定の範囲内であり、表層部に存在する気泡の気泡径と内部に存在する気泡の気泡径との差が小さく、かつ、気泡径のばらつきが小さい。このような発泡粒子は、表層部における構造と内部における構造との差が小さいため、発泡粒子同士の融着性に優れているとともに、表層部と内部との機械的特性の差が小さい。そのため、かかる発泡粒子によれば、大型の成形体を作製する場合においても成形体の内部における発泡粒子同士の融着が良好であり、切削加工性に優れた成形体を容易に得ることができる。
発泡粒子の嵩密度が低すぎる場合には、成形体の強度が低くなり、例えば成形体を消失模型として使用する際に、鋳型内において形状を維持することが難しくなるおそれがある。一方、発泡粒子の嵩密度が高すぎる場合には、成形体の密度の増大を招くおそれがある。また、この場合には、例えば成形体を消失模型として使用する際に鋳造時に発生するガスの量が多くなり、鋳造性の悪化を招くおそれがある。
前述した発泡粒子の嵩密度の測定方法は以下の通りである。まず、発泡粒子をメスシリンダー内に充填し、発泡粒子の充填高さを所定の位置(例えば、1Lの標線)で安定させる。この時の標線の示す値を発泡粒子の嵩体積(単位:L)とする。次に、メスシリンダー内の発泡粒子の質量(単位:g)を測定する。このようにして得られた発泡粒子の質量を嵩体積で除し、単位換算することにより、発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を得ることができる。
発泡粒子の気泡径の変動係数が高すぎる場合には、発泡粒子の融着性の低下を招き、大型の成形体を作製する場合に成形体の内部における発泡粒子同士の融着が不十分になりやすい。それ故、この場合には、成形体に切削加工を行う際に、発泡粒子の脱落が生じやすくなるおそれがある。かかる問題をより確実に回避する観点からは、発泡粒子の気泡径の変動係数は37%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましく、33%以下であることがさらに好ましい。
また、発泡粒子の表層気泡径の平均径が小さすぎる場合には、発泡粒子の表層部の密度が過度に高くなりやすいと共に、発泡粒子の表層部における構造と内部における構造との差が大きくなりやすい。それ故、この場合には、成形体の切削加工時において、発泡粒子が切断された際に毛羽立ちが発生しやすくなるおそれがある。スチレン系樹脂発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値を35μm以上、好ましくは38μm以上、より好ましくは40μm以上とすることにより、切削加工による毛羽立ちをより発生しにくくすることができる。
一方、発泡粒子の最表面に存在する気泡径の平均値が大きすぎる場合には、発泡粒子同士の融着性が低下するおそれがある。特に、大型の成形体を成形する場合、成形体内部の融着性が低下するおそれがある。スチレン系樹脂発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値を70μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは50μm以下とすることにより、かかる問題をより容易に回避することができる。
また、発泡粒子成形体の切削加工性を向上させる観点からは、発泡粒子の気泡の平均径に対する、発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値の比は、0.70以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましく、0.80以上であることがさらに好ましい。一方、発泡粒子成形体の機械的強度を高めやすい観点からは、発泡粒子の気泡の平均径に対する、発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値の比は、1.2以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましい。
発泡粒子の気泡の平均径は40μm以上80μm以下であることが好ましい。また、軽量であると共に切削加工性に優れる成形体を得やすくなる観点からは、発泡粒子の気泡の平均径に対する発泡粒子の嵩密度の比は2.0以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。また、同様の観点から、発泡粒子の気泡の平均径に対する発泡粒子の嵩密度の比は10以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい
前述した発泡粒子の表層気泡径の平均値の算出方法は以下の通りである。まず、発泡粒子をその中心部を通る断面で概ね2等分に分割し、切断面を露出させる。走査型電子顕微鏡を用い、切断面の拡大写真を撮影する。次に、切断面を4分割し、切断面の中心を中心点として概ね90°毎に分割された分割領域の一つを選択する。選択された分割領域において、発泡粒子の最表面に位置する全ての気泡の最長径を計測する。これらの気泡の最長径を算術平均した値を、個々の発泡粒子の表層気泡径(単位:μm)とする。
以上の操作を10個以上の発泡粒子について行い、各発泡粒子の表層気泡径を算出する。そして、これらの表層気泡径を算術平均した値を、発泡粒子の表層気泡径の平均値(単位:μm)とする。
また、発泡粒子の気泡径の変動係数の算出方法は以下の通りである。まず、表層気泡径を算出する場合と同様に発泡粒子を概ね2等分に分割し、次いで走査型電子顕微鏡により切断面の拡大写真を撮影する。次に、拡大写真上に存在する気泡から100個以上の気泡を無作為に選択し、選択された気泡の最長径を計測する。そして、これらの最長径を算術平均した値を、個々の発泡粒子の気泡径(単位:μm)とする。
以上の操作を10個以上の発泡粒子について行い、各発泡粒子の気泡径を算出する。そして、これらの気泡径を算術平均した値を、発泡粒子の気泡の平均径(単位:μm)とする。さらに、前述した操作において測定した気泡径の不偏分散の平方根を算出し、この値を発泡粒子の気泡径の標準偏差(単位:μm)とする。気泡径の標準偏差は、具体的には下記数式(2)により算出される値である。ただし、下記数式(2)におけるLsdは気泡径の標準偏差であり、nは気泡径を測定した気泡の総数であり、Liはi番目の気泡の気泡径(つまり、気泡の最長径)であり、Lavは気泡の平均径である。
以上により得られた気泡の平均径に対する気泡径の標準偏差の比率を百分率で表した値を、気泡径の変動係数(単位:%)とする。すなわち、気泡径の変動係数は、具体的には下記数式(3)により算出される値である。なお、下記数式(3)におけるLcvは気泡径の変動係数であり、Lsdは気泡径の標準偏差であり、Lavは気泡の平均径である。
Lcv=Lsd/Lav×100 ・・・(3)
発泡粒子を構成するスチレン系樹脂は、発泡性粒子を構成するスチレン系樹脂と同一であるため、前述したスチレン系樹脂の説明を適宜参照することができる。
スチレン系樹脂の重量平均分子量は20万を超え28万以下であることが好ましい。この場合には、発泡粒子の融着性をより高め、成形体の内部において発泡粒子をより確実に融着させることができる。また、この場合には、成形体の機械的強度をより高めることができる。
前述したスチレン系樹脂の重量平均分子量は、発泡粒子を試料として用い、ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定されたポリスチレン換算分子量である。
前記スチレン系樹脂発泡粒子の重量平均分子量に対する、前記スチレン系樹脂発泡粒子の表層部の重量平均分子量の比は1.03未満であることが好ましく、1.02以下であることがより好ましく、1.01以下であることがさらに好ましい。この場合には、発泡粒子の融着性をより高め、大型の成形体を成形する場合であっても成形体の内部における発泡粒子をより確実に融着させることができる。また、かかる発泡粒子によれば、成形体の切削加工性をより高めることができる。なお、前記スチレン系樹脂発泡粒子の表層部の重量平均分子量の比の下限は、例えば0.97であり、0.98であることが好ましく、0.99であることがより好ましい。
発泡粒子の表層部の重量平均分子量は、発泡粒子から、表面からの深さが50μm以内の部分を採取して試料として用い、ポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定されたポリスチレン換算分子量である。
スチレン系樹脂発泡粒子には、ポリエチレンワックスが含まれていてもよい。なお、この場合、ポリエチレンワックスはスチレン系樹脂中に分散している。スチレン系樹脂発泡粒子に含まれるポリエチレンワックスは発泡性粒子に含まれるポリエチレンワックスと同様であるため、前述したポリエチレンワックスの説明を適宜参照することができる。
スチレン系樹脂発泡粒子に含まれるポリエチレンワックスの融点は90℃以上120℃以下であり、DSC曲線に基づいて算出されるポリエチレンワックスの結晶化熱量は225J/g以上であることが好ましい。前記ポリエチレンワックスが含まれている発泡粒子は、例えば、前記発泡性粒子を発泡させることにより得られる発泡粒子であるため、発泡粒子の気泡径の変動係数及び表層気泡径の平均値が前記特定の範囲である発泡粒子となりやすい。かかる観点から、スチレン系樹脂発泡粒子には、スチレン系樹脂100質量部に対して0.02質量部以上0.2質量部以下のポリエチレンワックスが含まれていることが好ましい。
(発泡粒子成形体)
前記発泡粒子を型内成形することにより、発泡粒子成形体を得ることができる。発泡粒子の型内成形は、例えば以下の方法により行われる。まず、所望する成形体の形状に対応した形状のキャビティを備えた成形型を準備し、キャビティ内に発泡粒子を充填する。その後、成形型内にスチームなどの加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱する。キャビティ内の発泡粒子は、加熱によって膨張しつつ互いに融着する。これにより、キャビティ内の発泡粒子を一体化させ、キャビティに対応した形状を備えた成形体を得ることができる。
発泡粒子の加熱が完了した後、成形体の形状がある程度安定するまで、成形型内で成形体を冷却する。その後、成形体を成形型から取り外せばよい。
成形体の形状は用途等に応じて適宜設定すればよいが、前記発泡粒子によれば、例えば直方体形状の発泡ブロックなどの大型の成形体を成形する場合においても、成形体の内部まで発泡粒子同士を十分に融着させることができる。それ故、前記成形体は、直方体形状の発泡ブロックであることが好ましい。
同様の観点から、発泡粒子成形体が直方体形状の発泡ブロックであり、前記成形体が400mm以上の厚みを有していることが好ましく、450mm以上であることがより好ましく、500mm以上であることがさらに好ましい。上記成形体の厚みは、以下のように測定される。まず、成形体の辺のうち最も長さが短い辺を特定し、この辺に平行な方向を厚み方向とする。次に、厚み方向に沿う辺を有する4つの面のそれぞれにおいて、厚み方向に直交する方向における間隔が一定となるようにして5か所の測定位置を設定し、これらの測定位置において成形体の厚み方向の長さを測定する。このようにして得られた20か所の厚みの算術平均値を、成形体の厚みとする。
前記成形体は、切削加工用の発泡粒子成形体であることが好ましい。すなわち、前記成形体は、切削加工が施された後に使用される用途に好適に用いることができる。前述したように、前記特定の発泡粒子を型内成形してなる成形体は、成形体の内部における発泡粒子の融着性に優れているとともに、良好な切削加工性を有している。それ故、成形体に切削加工を施した場合にも、毛羽立ちや発泡粒子の脱落の発生が抑制され、良好な表面を有する成形体となる。
前記成形体は、フルモールド鋳造法における消失模型として、好適に用いることができる。フルモールド鋳造法は、鋳型内に消失模型を埋設した後、消失模型に金属の溶湯を流し込むことにより消失模型を溶湯で置換しつつ鋳造を行う鋳造法である。フルモールド鋳造法により金属製品を鋳造する場合、消失模型の表面形状が金属製品に反映される。従って、良好な表面を有する金属製品を得るためには、消失模型の表面が平滑であることが望まれる。
これに対し、前記成形体は、前述したように、切削加工による毛羽立ちや発泡粒子の脱落の発生が少なく、切削加工後に良好な表面を有している。さらに、前記成形体は燃焼性にも優れている。それ故、前記成形体に切削加工を施してなる切削加工物を消失模型として用いることにより、良好な表面を有する金属製品を容易に得ることができる。
前記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法の実施例について説明する。本例において用いたポリエチレンワックスは以下の通りである。
A1:THE INTERNATIONALGROUP,INC.(IGI社)製「Acculin1000」
A2:IGI社製「Acculin850」
A3:IGI社製「Acculin725」
A4:トーヨーケム株式会社製「ポリエチレンワックス1000」
A5:IGI社製「Acculin500」
A6:IGI社製「Acculin2000」
表1に前述したポリエチレンワックスの諸特性を示す。
表1に示したポリエチレンワックスの物性の測定方法は以下の通りである。
・数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw及び多分散度Mw/Mn
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)により、ポリエチレンワックスの数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを測定した。クロマトグラムの取得には東ソー(株)製のHLC-8321GPC/HTを使用した。測定試料としてのポリエチレンワックスを145℃のo-ジクロロベンゼン(o-DCB)中に溶解させた後、ろ過を行うことにより濃度1g/Lの試料溶液を調製した。次いで、TSKguardcolumn SuperH-H×1本、TSK-GEL GMHHR‐H(S)HT×2本を直列に接続したカラムを用い、溶離液:o‐ジクロロベンゼン(o‐DCB)、o‐ジクロロベンゼン(o‐DCB)流量:1.0ml/分、カラム温度:145℃という分離条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定試料を分子量の違いによって分離し、クロマトグラムを得た。そして、標準ポリスチレンを用いて作成した較正曲線によって、クロマトグラムにおける保持時間を分子量に換算し、微分分子量分布曲線を得た。この微分分子量分布曲線から測定試料の重量平均分子量を算出した。
・熱物性
融点及び結晶化熱量等のポリエチレンワックスの熱物性は、JIS K7121-1987またはJIS K7122-1987に基づいて取得したDSC曲線に基づいて測定した。具体的には、「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」に従ってポリエチレンワックスの状態調節を行った。状態調節においては、まず、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスを加熱し、次いで150℃の温度を10分間保持してポリエチレンワックスを融解させた。以上により状態調節を行った後、150℃から0℃まで、冷却速度10℃/分でポリエチレンワックスを冷却し、冷却時のDSC曲線を取得した。また、状態調節を兼ねたポリエチレンワックスの冷却を行った後、0℃から150℃まで、加熱速度10℃/分でポリエチレンワックスの加熱を行い、2回目昇温時のDSC曲線を取得した。
以上により得られた冷却時のDSC曲線に基づき、結晶化ピーク温度Tpc、結晶化熱量、結晶化ピークの半値幅、結晶化開始温度Tic及び結晶化終了温度Tecを決定した。結晶化ピーク温度Tpcは前記DSC曲線における結晶化ピークの頂点の温度であり、結晶化熱量は結晶化ピークのピーク面積から算出される値である。
結晶化ピークの半値幅は、前記冷却時のDSC曲線における、高温側の1/2結晶化ピーク高さ位置に対応する温度と低温側の1/2結晶化ピーク高さ位置に対応する温度との温度差である。結晶化終了温度Tecは、前記DSC曲線における結晶化ピークよりも低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、結晶化ピークの低温側の曲線上に勾配が最大となるように引いた接線との交点である。結晶化開始温度Ticは、前記DSC曲線における結晶化ピークよりも高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、結晶化ピークの高温側の曲線上に勾配が最大となるように引いた接線との交点である。
なお、前述した結晶化ピークのベースラインは、DSC曲線上の、[結晶化開始温度+10℃]の点と、[結晶化終了温度-10℃]の点とを結ぶ線分である。また、結晶化ピーク高さはベースラインから結晶化ピークの頂点までの高さであり、DSC曲線上においてベースラインからの高さが結晶化ピーク高さの1/2となる2つの点を1/2結晶化ピーク高さ位置とした。
また、前述した操作により得られた2回目昇温時のDSC曲線に基づき、融点を決定した。なお、融点は前記DSC曲線上に現れる融解ピークの頂点の温度である。
・累積10%径、累積50%径、累積90%径
体積基準の粒度分布に基づいてポリエチレンワックスの累積10%径(つまり、d10)、累積50%径(つまり、d50)及び累積90%径(つまり、d90)を算出した。また、表1には、累積90%径と累積10%径との差を累積50%径で除した値を記載した。粒度分布の測定には、粒度分布測定装置(日機装株式会社製「ミリトラック JPA」)を使用した。
(実施例1)
本例における発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は以下の通りである。攪拌装置の付いた内容積756Lのオートクレーブを密閉容器として使用し、オートクレーブに脱イオン水300kg、第三リン酸カルシウム0.76kg、リン酸水素二ナトリウム0.1kg、及び過硫酸カリウム0.003kgを投入した。次いで、オートクレーブの内容物を攪拌しつつ、オートクレーブ内に気泡調整剤としてのポリエチレンワックス0.302kg、可塑剤1.84kg、重合開始剤及びスチレン252kgを投入した。気泡調整剤の種類、スチレンに対する気泡調整剤の添加量の比率及びスチレンに対する可塑剤の添加量の比率は表2に示した通りである。なお、重合開始剤としては、0.75kgのベンゾイルパーオキサイド(日油製「ナイパー(登録商標)BW」)と0.54gのt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート(日油株式会社製「パーブチル(登録商標) E」)とを併用した。また、可塑剤としては流動パラフィン(三光化学工業(株)製の「RCM-S」を使用した。
オートクレーブの内容物を室温下で30分間攪拌した後、前段重合工程を行った。前段重合工程においては、まず、オートクレーブ内の温度を1時間半かけて90℃まで上昇させた。オートクレーブ内の温度が90℃に到達した後、この温度を270分間保持した。次いで、オートクレーブ内の温度を25分かけて96℃まで加熱し、この温度を110分保持した。以上の前段重合工程が完了した後、前段重合工程に続けて後段重合工程を行った。後段重合工程においては、オートクレーブ内の温度を1時間30分かけて120℃まで上昇させ、この温度を100分間保持した。以上の後段重合工程が完了した後、オートクレーブ内の温度を4時間かけて25℃まで冷却した。以上により、オートクレーブ内のスチレンを重合させた。
また、本例においては、スチレン系樹脂粒子への発泡剤の含浸を、スチレンの重合の途中から行った。より具体的には、オートクレーブ内の温度が90℃に到達した時点から300分が経過した時点でオートクレーブ内への発泡剤の供給を開始し、80分間かけて発泡剤の供給を行った。発泡剤としては、4.7kgのペンタン(ノルマルペンタン80%とイソペンタン20%との混合物)と19.4kgのブタン(ノルマルブタン約70質量%とイソブタン約30質量%との混合物)とを併用した。なお、スチレン系単量体に対する発泡剤の添加量の比率は表2に示した通りである。表2においては、ノルマルペンタンを「nC5」、イソペンタンを「iC5」、ブタンを「mC4」と記載した。
以上の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を作製した。なお、本例における前段重合工程終了時の重合転化率は99%であった。
冷却が完了した後、オートクレーブから発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出した。遠心分離機を用いて発泡性スチレン系樹脂粒子の脱水及び洗浄を行った後、気流乾燥機を用いて発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に付着した水分を除去した。
また、本例においては、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を表面被覆剤で被覆した。具体的には、発泡性スチレン系樹脂粒子100質量部に対して、0.088質量部のステアリン酸亜鉛、0.056質量部のグリセリンモノステアレート、0.004質量部のタルク及び0.052質量部の帯電防止剤(第一工業製薬株式会社製「レジスタット(登録商標)PE132」、0.025質量部のジメチルポリシロキサン、0.02質量部のグリセリンを添加することにより、これらを含む表面被覆剤で発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を被覆した。
また、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を表面被覆剤で被覆した後、さらに、気流乾燥機を用い、発泡性スチレン系樹脂粒子を50℃の温度で90分間加熱して余剰の水分及び物理発泡剤を除去する乾燥処理を行った。
(実施例2、実施例3)
実施例2及び実施例3の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの添加量を表2に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、発泡剤として4.7kgのペンタンと16.4kgのブタンと3kgのイソブタンとを使用した以外は、実施例1と同様である。なお、表2においては、イソブタンを「iC4」と記載した。
(実施例5)
実施例5の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの粒度分布及び添加量を表2に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例6の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの種類を表3に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例7の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの種類を表3に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(比較例1~比較例3)
比較例1~比較例3の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの種類及び添加量を表4に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(比較例4)
比較例4の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスを添加せず、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
(比較例5)
比較例5の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、ポリエチレンワックスの添加量を表4に示すように変更するとともに、発泡剤中のノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物をイソペンタンに変更した以外は、実施例1と同様である。
以上により得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の諸特性を表2~表4に示す。なお、表2~表4に示した諸特性の評価方法は以下の通りである。また、発泡性スチレン系樹脂粒子におけるスチレン系樹脂100質量部に対するポリエチレンワックスの含有量は、重合時における、スチレン系単量体100質量部に対するポリエチレンワックスの添加量から算出した。
・平均粒子径
発泡性粒子の平均粒子径は、体積基準における粒度分布に基づいて算出した累積63%径(つまり、d63)である。粒度分布の測定には、粒度分布測定装置(日機装株式会社製「ミリトラック JPA」)を使用した。
・水分量
カールフィッシャー水分計により発泡性スチレン系樹脂粒子の水分量を測定した。具体的には、約0.28gの発泡性スチレン系樹脂粒子を精秤して試料とした。水分気化装置(京都電子工業株式会社製「CHK-501」)を用いて温度160℃で試料を加熱することにより試料中の水分を気化させるとともに、気化した水分をカールフィッシャー水分計(京都電子工業株式会社製「MKC-610」へ導くことにより、試料中の水分量を測定した。なお、水分量の測定は電量滴定法にて行った。
・揮発分量
約1gの発泡性スチレン系樹脂粒子を精秤して試料とした。温度120℃に設定した熱風乾燥機内で試料を4時間乾燥させた。この試料を室温まで冷却した後、乾燥後の試料の質量を測定した。乾燥前の試料の質量(単位:g)に対する乾燥による質量の減少量(単位:g)の比を百分率で表した値を総揮発分量(単位:質量%)とし、総揮発分量から前述した方法により得られる水分量(単位:質量%)を差し引いた値を揮発分量(単位:質量%)とした。
・スチレン系樹脂の重量平均分子量
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)により、発泡性粒子、発泡粒子、発泡粒子の表層部を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量を測定した。クロマトグラムの取得には東ソー(株)製のHLC-8320GPC EcoSECを使用した。測定試料として、発泡性粒子、発泡粒子または発泡粒子の表層部のいずれかをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて濃度0.1質量%の試料溶液を調製した後、TSKguardcolumn SuperH-H×1本、TSK-GEL SuperHM-H×2本を直列に接続したカラムを用い、溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、THF流量:0.6ml/分という分離条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定試料を分子量の違いによって分離し、クロマトグラムを得た。そして、標準ポリスチレンを用いて作成した較正曲線によって、クロマトグラムにおける保持時間を分子量に換算し、微分分子量分布曲線を得た。この微分分子量分布曲線から測定試料の重量平均分子量を算出した。
・スチレンの含有量
ヘッドスペース法ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて発泡性粒子中の未反応スチレンの含有量を測定した。具体的には、DMF中のスチレン濃度が5質量ppm、50質量ppmまたは500質量ppmとなるようにして3種類の標準溶液を調製した。容積20mlのバイアル瓶に標準溶液0.2gを精秤し、DMF1mlを入れて密封した。気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定し、得られたクロマトグラムから検量線を作成した。次に、発泡性粒子0.2gを精秤し、DMF1mlとともに容積20mlのバイアル瓶に入れて密封した。このバイアル瓶を室温で1日保持し、発泡性粒子をDMF中に完全に溶解させた。その後、バイアル瓶の気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定した。得られたクロマトグラムとあらかじめ作成した検量線から、発泡性粒子中の未反応のスチレンの含有量を求めた。なお、スチレンの含有量の測定においては、発泡性粒子中の未反応のスチレンの含有量が1000質量ppm以下である場合を、発泡性粒子中の未反応のスチレンの量が十分に低減されていると判断した。
ガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は以下の通りとした。
ガスクロマトグラフ質量分析計:株式会社島津製作所 GCMS-QP2020
ヘッドスペースサンプラー:株式会社島津製作所 HS-20
キャピラリーカラム:ジーエルサイエンス株式会社 Stabilwax、内径0.32mm、長さ30m
ヘッドスペースサンプラー保温条件:90℃、1時間
カラム温度:50℃×2分→(昇温速度:10℃/分)→90℃→(昇温速度:5℃/分)→120℃→(昇温速度:20℃/分)→230℃×2分
イオン源温度:200℃
キャリヤーガス:ヘリウム、カラム流量 2ml/分
スプリット比:1/10
・発泡性
発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性は、棚式発泡器を用いて発泡性粒子を発泡させた場合の発泡粒子の嵩密度に基づいて評価した。具体的には、棚式発泡器内において、ゲージ圧で3kPa(G)のスチームを用いて発泡性スチレン系樹脂粒子を270秒間加熱することにより発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させ、発泡粒子を作製した。この発泡粒子を一昼夜風乾させた。次に、発泡粒子をメスシリンダー内に充填し、発泡粒子の充填高さを1Lの標線の位置で安定させた。次に、メスシリンダー内の発泡粒子の質量(単位:g)を測定した。このようにして得られた嵩体積1L当たりの発泡粒子の質量(単位:g/L)を単位換算することにより嵩密度(単位:kg/m3)を算出した。表2~表4の「発泡性」欄には、棚式発泡器を用いて発泡させた際の発泡粒子の嵩密度を記載した。
次に、加圧バッチ式発泡機(DAISEN株式会社製「DYH-1000」)を用いて実施例及び比較例の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させることにより、表2~表4に示す嵩密度を備えたスチレン系樹脂発泡粒子を作製した。これらの発泡粒子の諸特性を表2~表4に示す。なお、表2~表4に示した諸特性の評価方法は以下の通りである。また、発泡粒子におけるスチレン系樹脂100質量部に対するポリエチレンワックスの含有量は、重合時における、スチレン系単量体100質量部に対するポリエチレンワックスの添加量から算出した。
・発泡粒子の嵩密度
発泡粒子をメスシリンダー内に充填し、発泡粒子の充填高さを1Lの標線の位置で安定させた。次に、メスシリンダー内の発泡粒子の質量(単位:g)を測定した。このようにして得られた嵩体積1L当たりの発泡粒子の質量(単位:g/L)を単位換算することにより、発泡粒子の嵩密度(単位:kg/m3)を算出した。
・残留発泡剤量
発泡性粒子をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた後、溶解液のガスクロマトグラフィー分析を行うことにより、発泡性粒子中の鎖式脂肪族炭化水素の含有量を測定した。そして、鎖式脂肪族炭化水素の含有量の合計を、発泡剤の含有量とした。
ガスクロマトグラフによる発泡剤の定量は、具体的には以下の手順で行った。まず、100mLのメスフラスコにシクロペンタノール約5gを小数点以下第3位まで精秤し、DMFを加えて全体を100mLとした。このDMF溶液をさらにDMFで100倍に希釈し内部標準溶液とした。次いで、測定対象となる発泡性粒子約1gを小数点以下第3位まで精秤した。精秤した発泡性粒子を約18mLのDMFに溶解させた後、更に、内部標準溶液をホールピペットにて正確に2mL加えて試料溶液とした。この試料溶液1μLをマイクロシリンジでガスクロマトグラフィー分析装置に導入し、クロマトグラムを得た。得られたクロマトグラムから各発泡剤成分及び内部標準のピーク面積を求め、下式(4)により各成分濃度を求めた。
各成分濃度(質量%)=[(Wi/10000)×2]×[An/Ai]×Fn÷Ws×100・・・(4)
なお、上記式(4)における記号の意味は、以下の通りである。
Wi:内部標準溶液中のシクロペンタノールの質量(単位:g)
Ws:DMFに溶解させた発泡性粒子の質量(単位:g)
An:クロマトグラムから算出した各発泡剤成分のピーク面積
Ai:クロマトグラムから算出した内部標準物質のピーク面積
Fn:あらかじめ作成した検量線より求めた各発泡剤成分の補正係数
また、ガスクロマトグラフにおける詳細な分析条件は以下の通りとした。
分析装置:(株)島津製作所製ガスクロマトグラフGC-6AM
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム材質:内径3mm、長さ5000mmのガラスカラム
カラム充填剤:[液相名]FFAP(遊離脂肪酸)、[液相含浸率]10質量%、[担体名]ガスクロマトグラフ用珪藻土Chomasorb W、[担体粒度]60/80メッシュ、[担体処理方法]AW-DMCS(水洗・焼成・酸処理・シラン処理)、[充填量]90mL
注入口温度:250℃
カラム温度:120℃
検出部温度:250℃
キャリヤーガス:N2、流量40ml/分
・発泡粒子の平均円形度及び平均アスペクト比
日機装株式会社製の粒度分布測定装置「ミリトラック JPA」を用いて、発泡粒子の平均円形度及び平均アスペクト比を測定した。具体的には、まず、測定装置の試料供給フィーダーから発泡粒子約5000個を自由落下させ、投影像をCCDカメラで撮像した。次いで、撮像した画像情報に対して演算処理及び結合処理を順次行うことで、平均円形度及び平均アスペクト比を求めた。
・発泡粒子の気泡の平均径、標準偏差及び変動係数
無作為に選択した10個の発泡粒子を用い、前述した方法により発泡粒子の気泡の平均径Lav、標準偏差Lsd及び変動係数Lcvを算出した。一例として、図1に実施例2における発泡粒子E2の断面写真を、図2に比較例1における発泡粒子C1の断面写真を、図3に比較例2における発泡粒子C2の断面写真をそれぞれ示す。
・発泡粒子の表層気泡径の平均値
無作為に選択した10個の発泡粒子を用い、前述した方法により発泡粒子の最表面に存在する気泡の気泡径の平均値を算出した。
次に、加圧バッチ式発泡機を用いて得られた発泡粒子を以下の方法で型内成形することにより、発泡粒子成形体を作製した。まず、発泡粒子を温度23℃の恒温室内で1日間熟成させた。次に、EPSブロック成形機(DAISEN株式会社製「VS-2000」)の成形型内に発泡粒子を充填した。なお、成形型としては、縦2025mm、横1020mm、厚み520mmの直方体状のキャビティを備えた成形型を使用した。
成形型への発泡粒子の充填が完了した後、成形型内を排気した。次いで、キャビティの厚み方向における一方側の蒸気注入孔から成形型内に蒸気を注入して成形型内の発泡粒子を予備加熱した。その後、キャビティの厚み方向における両側の蒸気注入孔から蒸気を注入することにより成形型内のスチレン系樹脂発泡粒子を本加熱し、発泡粒子を二次発泡させつつ相互に融着させた。なお、成形型への蒸気の注入に当たっては、成形型の受ける面圧が0.09MPaとなるように注入量を制御した。
本加熱が完了した後、成形型が受ける面圧が-0.005MPaになるまで成形型内の成形体を冷却した。そして、面圧が-0.005MPaに到達した時点で冷却を停止し、成形型から成形体を取り外した。成形型から取り外した成形体を温度60℃の乾燥庫内で1日間乾燥させた後、さらに温度23℃の恒温室内で1日間養生させた。
以上により得られた成形体の諸特性を表2~表4に示す。なお、表2~表4に示した諸特性の評価方法は以下の通りである。
・成形体密度
成形体の質量(単位:kg)を、その外形寸法に基づいて算出した体積(単位:m3)で除することにより成形体の密度(単位:kg/m3)を算出した。
・融着率
成形体を厚み方向に9等分に分割して9枚の薄板を作製した。これらの薄板のうち厚み方向の中央に位置していた薄板を、長手方向において概ね等分となるように折り曲げて破断させた。その後、破断面を観察し、目視により発泡粒子自体が破断(材料破壊)した発泡粒子数と発泡粒子の界面間で剥離した発泡粒子数とをそれぞれ計測した。そして、破断面に存在する発泡粒子の総数に対する、材料破壊した発泡粒子の数の割合を算出し、これを百分率で表した値を融着率(単位:%)とした。融着率の評価においては、融着率が80%以上である成形体を、内部の融着状態が良好な成形体であると判断した。
・最大鼓形収縮量
成形体の厚み方向の端面、つまり、縦2025mmの辺と横1020mmの辺とにより囲まれた面に定規を当接させ、種々の位置において定規から成形体の表面まで隙間の大きさを測定した。そして、この隙間の最大値を最大鼓形収縮量(単位:mm)とした。最大鼓形収縮量の測定においては、最大鼓形収縮量が5mm以下である成形体を、成形体に過度な鼓形収縮が生じておらず、所望の形状を有する成形体が得られていると判断した。
・切削加工性
成形体から縦500mm、横300mm、厚み55mmの板状試験体を切り出した。この板状試験体に対して以下のように切削加工を施し、図4及び図5に示す形状に成形した。なお、切削加工にはNCルータ(庄田鉄工株式会社製「NCN8200」)を用いた。また、ツールの回転数は10000rpmとし、ツールの送り速度は6000mm/minとした。
図4及び図5に示すように、切削加工後の試験体1は、縦方向の一方側に形成された上段切削部2と、縦方向の他端側に形成され、上段切削部2よりも深く切削された下段切削部4と、上段切削部2と下段切削部4との間に存在する斜面部3とを有している。上段切削部2及び下段切削部4は、それぞれ、水平な底面21、41と、底面21、41の周囲を囲む側面22、42とを有している。上段切削部2の側面22は、直径20mmの6枚刃スクエアエンドミルを用い、切削前の試験体の表面からエンドミルの刃を一度に25mm下げることにより形成されている。また、上段切削部2の底面21は、切削前の試験体における被切削面の中央から外側へ四角形状に広がるようなパスで前述したスクエアエンドミルを移動させることにより形成されている。なお、成形体の縦方向における上段切削部2の内寸法は120mmであり、成形体の横方向における上段切削部2の内寸法は135mmである。
下段切削部4の底面41及び側面42は、切削前の試験体の表面からの深さを45mmとした以外は、上段切削部2と同様の方法により形成されている。
斜面部3は、図5に示すように、上段切削部2の底面21から下段切削部4の底面41にかけて、下段切削部4の底面41に対して概ね30度の角度をなすように形成された底面31と、底面31における、上段切削部2及び下段切削部4と連なっていない端縁から立設された側面32とを有している。より具体的には、斜面部3は、直径16mmの4枚刃ボールエンドミルを用い、切削前の試験体の表面から所定の深さまでエンドミルの刃を一度に下げることにより2つの側面32のうち一方の側面32a(図4参照)を形成した後、成形体の横方向にエンドミルを移動させて底面31及び他方の側面32bを形成するパスを、切削開始位置を成形体の縦方向に変更しながら繰り返し行うことにより形成されている。
以上のようにして切削加工を行った後、斜面部3の側面32の外観に基づいて毛羽立ちの評価を行った。表2~表4の「毛羽立ち」欄には、斜面部3の側面32における、除去しきれなかった発泡粒子の小片が5mm未満である場合に記号「A」、5mm以上の小片が存在した場合に記号「B」を記載した。
また、斜面部3の底面31の外観に基づいて発泡粒子の脱落の有無の評価を行った。表2~表4の「発泡粒子の脱落」欄には、斜面部3の底面31から脱落した発泡粒子の数が5個以下である場合に記号「A」、6個以上10個以下である場合に記号「B」、11個以上15個以下である場合に記号「C」、16個以上である場合に記号「D」を記載した。発泡粒子の脱落の評価においては、底面31から脱落した発泡粒子の数が15個以下である記号「A」、「B」、「C」の場合を発泡粒子が脱落しにくいため合格と判断し、16個以上である記号「D」の場合を発泡粒子が脱落しやすいため不合格と判断した。
表2に示したように、実施例1~実施例7の製造方法においては、核剤として前記特定のポリエチレンワックスが使用されている。また、ポリエチレンワックスの添加量は前記特定の範囲内にある。それ故、これらの実施例により得られた発泡性スチレン系樹脂粒子によれば、表面近傍に存在する気泡と内部に存在する気泡との気泡径の差の小さく、かつ、気泡径のばらつきの小さい発泡粒子を容易に得ることができる。そして、かかる発泡粒子を型内成形することにより、切削加工時の発泡粒子の脱落が少なく、切削加工後の毛羽立ちの少ない成形体を容易に得ることができる。
一方、表4に示したように、比較例1の製造方法においては、核剤として結晶化熱量の低いポリエチレンワックスが使用されている。そのため、比較例1の製造方法により得られた発泡性粒子を発泡させると、表面近傍に存在する気泡が小さくなりやすい。このような発泡粒子を型内成形してなる成形体は、切削加工時に発泡粒子の脱落が起こりやすく、切削加工後の毛羽立ちも生じやすいため、切削加工性に劣っている。
比較例2の製造方法においては、核剤として融点の低いポリエチレンワックスが使用されている。また、比較例3の製造方法においては、核剤として融点の高いポリエチレンワックスが使用されている。そのため、これらの製造方法により得られた発泡性粒子を発泡させると、気泡径のばらつきが大きくなりやすい。このような発泡粒子を型内成形してなる成形体は、切削加工時に発泡粒子の脱落が起こりやすく、切削加工性に劣っている。
比較例4の製造方法においては核剤が使用されていないため、比較例4の製造方法により得られた発泡性粒子を発泡させると、気泡径のばらつきが大きくなりやすい。このような発泡粒子を型内成形してなる成形体は、切削加工時に発泡粒子の脱落が起こりやすく、切削加工性に劣っている。
比較例5の製造方法ではポリエチレンワックスの添加量が多いため、比較例5の製造方法により得られた発泡性粒子を発泡させると、表面近傍に存在する気泡が小さくなりやすい。このような発泡粒子を型内成形してなる成形体は、切削加工時に発泡粒子の脱落が起こりやすく、切削加工後の毛羽立ちも生じやすいため、切削加工性に劣っている。
以上、実施例に基づいて前記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法の具体的な態様を説明したが、本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法の具体的な態様は実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。