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JP7714775B2 - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents
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JP7714775B2 - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子及びその製造方法

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Description

本発明の実施形態は、液晶光学素子及びその製造方法に関する。
例えば、液晶材料を用いた液晶偏光格子が提案されている。このような液晶偏光格子は、波長λの光が入射した際に、入射光を0次回折光、及び、1次回折光に分割するものである。このような液晶偏光格子を実現する場合、面内で液晶分子を複雑に配向させる必要がある。液晶分子を配向させるための配向処理の種類として、光配向処理やラビング処理がある。
特表2017-522601号公報
実施形態の目的は、大面積化が可能な液晶光学素子及びその製造方法を提供することにある。
一実施形態によれば、液晶光学素子は、
基板と、前記基板上に配置された配向膜と、前記配向膜上に配置された液晶層を備え、前記配向膜は配向処理された複数の第1領域と、前記複数の第1領域をそれぞれ囲む第2領域と、を有し、前記液晶層は、前記第1領域と重なり、それぞれの長軸が連続的に変化する配向パターンを形成する複数の第1液晶分子を有する第1配向領域と、前記第2領域に重なり、それぞれの長軸が同一方向に並んだ複数の第2液晶分子を有する第2配向領域と、を有し、前記第1液晶分子及び第2液晶分子の配向方向が固定化された状態で硬化している。
一実施形態によれば、液晶光学素子の製造方法は、
基板上に配向膜を形成し、前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、前記配向膜を直線偏光の光線での露光する2配向処理を行い、前記配向膜上に液晶層を形成する。
他の実施形態によれば、液晶光学素子の製造方法は、
基板上に配向膜を形成し、前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、前記配向膜をラビングする第2配向処理を行い、前記配向膜上に液晶層を形成する。
一実施形態によれば、大面積化が可能な液晶光学素子及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る液晶光学素子1を模式的に示す図である。 図2は、液晶層LC1及びLC2における配向パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図3は、液晶光学素子1を模式的に示す断面図である。 図4は、液晶光学素子1の第1構成例を模式的に示す断面図である。 図5は、液晶光学素子1の第2構成例を模式的に示す断面図である。 図6は、液晶光学素子1の製造方法の一例を示すための製造フローである。 図7は、円偏光二光束干渉露光による配向処理を説明するための図である。 図8は、液晶光学素子1の製造方法の実施例1について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図9は、液晶光学素子1の製造方法実施例2について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図10は、液晶光学素子1の製造方法の実施例3について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図11は、液晶光学素子1の製造方法の実施例4について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図12は、液晶光学素子1の製造方法の実施例5について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図13は、液晶光学素子1の製造方法の実施例6について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図14は、液晶光学素子1の製造方法の実施例7について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。 図15は、液晶光学素子1の製造方法の実施例8について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸及びZ軸によって規定される面をX-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。
図1は、本実施形態に係る液晶光学素子1を模式的に示す図である。液晶光学素子1は、基板10と、配向膜20と、液晶層LCと、を備えている。
基板10は、光を透過する透明基板であり、例えば、透明なガラス板または透明な合成樹脂板によって構成されている。基板10は、例えば、可撓性を有する透明な合成樹脂板によって構成されていてもよい。基板10は、任意の形状を取り得る。例えば、基板10は、湾曲していてもよい。基板10の屈折率は、例えば、空気の屈折率よりも大きい。
本明細書において、『光』は、可視光及び不可視光を含むものである。例えば、可視光域の下限の波長は360nm以上400nm以下であり、可視光域の上限の波長は760nm以上830nm以下である。可視光は、第1波長帯(例えば400nm~500nm)の第1成分(青成分)、第2波長帯(例えば500nm~600nm)の第2成分(緑成分)、及び、第3波長帯(例えば600nm~700nm)の第3成分(赤成分)を含んでいる。不可視光は、第1波長帯より短波長帯の紫外線、及び、第3波長帯より長波長帯の赤外線を含んでいる。
本明細書において、『透明』は、無色透明であることが好ましい。ただし、『透明』は、半透明又は有色透明であってもよい。
基板10は、X-Y平面に沿った平板状に形成され、第1主面F1と、第2主面F2と、を有している。第1主面F1及び第2主面F2は、X-Y平面に略平行な面であり、Z方向において、互いに対向している。第2主面F2は、例えば空気に接しているが、他の薄膜で覆われていてもよい。
配向膜20は、基板10の上に配置されている。図1に示す例では、配向膜20は、第1主面F1に接している。
液晶層LCは、配向膜20の上に配置されている。図1に示す例では、液晶層LCは、複数の第1配向領域LC1と、第2配向領域LC2と、を有している。複数の第1配向領域LC1は、X方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。第2配向領域LC2は、第1配向領域LC1の周りを囲むようにLC2が配置されている。液晶層LCのうち、少なくとも第1配向領域LC1の各々は、入射光を回折する回折部として機能する。液晶層LCについては後に詳述するが、第1配向領域LC1及び第2配向領域LC2の各々は、所定の方向に配向した液晶分子を有している。但し、第1配向領域LC1における液晶分子の配向方向は、第2配向領域LC2における液晶分子の配向方向とは異なる。
図2は、図1に示した液晶光学素子1のY方向に沿った断面を示す図である。
配向膜20は、基板10上に配置されている。配向膜20は、配向処理された複数の第1領域A1と、これらの第1領域A1を囲む第2領域A2と、を有している。第2領域A2のY方向に沿った幅W20は、例えば数μmから数cm程度である。なお、第2領域A2のX方向に沿った幅も幅W20と同等である。
後に詳述するが、第1領域A1及び第2領域A2を形成するための配向処理は、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向方向を規定する配向規制力を配向膜20に付与する処理であり、例えば、光照射により配向処理する光配向処理やラビングによる配向処理である。配向膜20は、例えばポリイミドによって形成される。
液晶層LCにおいて、第1配向領域LC1は第1領域A1の上に形成され、第2配向領域LC2は第2領域A2の上に形成されている。第1配向領域LC1及び第2配向領域LC2は、ほぼ同等の厚さDLCを有している。一例では、厚さDLCは、1000nm~10μmであり、望ましくは、2000nm~6000nmである。ここで説明する厚さDLCは、液晶層LCが単層体である場合のZ方向に沿った厚さに相当する。なお、液晶層LCは、複数の層が積層された多層体であってもよい。
配向膜20と液晶層LCの界面、及び、基板10と配向膜20との界面での不所望な屈折や反射を抑制する観点で、基板10、配向膜20、液晶層LCのそれぞれの屈折率は、同等であることが望ましい。ここでの同等とは、屈折率の差分が0.1以下である場合に相当する。
図3は、液晶層LCにおける配向パターンの一例を模式的に示す平面図である。配向膜20において、点線で示す複数の第1領域A1は、X方向及びY方向にマトリクス状に形成されている。第1領域A1に重畳する第1配向領域LC1は、複数の第1液晶分子LM1を有している。第2領域A2に重畳する第2配向領域LC2は、複数の第2液晶分子LM2を有している。
図3では、複数の第1液晶分子LM1のうち、配向膜20の近傍に位置する第1液晶分子LM11の長軸の配向方向が示され、また、複数の第2液晶分子LM2のうち、配向膜20の近傍に位置する第2液晶分子LM21の長軸の配向方向が示されている。
第1配向領域LC1において、Y方向に沿って並んだ第1液晶分子LM11の配向方向は、互いに異なる。
例えば、Y方向に並んだ複数の第1液晶分子LM11は、それぞれの長軸が連続的に変化する配向パターンを形成している。すなわち、Y方向に並んだ第1液晶分子LM11の各々の配向方向は、図の左から右に向かって、一定角度ずつ変化している。具体的には、Y方向に並んだ第1液晶分子LM11の各々の配向方向は、図の左から右に向かって時計回りに変化している。ここでは、第1液晶分子LM11の配向方向の変化量は、Y方向に沿って一定であるが、徐々に増大したり、徐々に減少したりしてもよい。
X方向に沿って並んだ第1液晶分子LM11の配向方向は、ほぼ一致している。
つまり、第1配向領域LC1のX-Y平面における空間位相は、X方向に沿ってほぼ一致し、Y方向に沿って異なる。
第2配向領域LC2において、複数の第2液晶分子LM21の配向方向は、ほぼ一致している。つまり、X方向に並んだ複数の第2液晶分子LM21、及び、Y方向に並んだ複数の第2液晶分子LM21は、それぞれの長軸が同一方向を向くように並んでいる。第2液晶分子LM21の配向方向は、X-Y平面において、いずれの方向であってもよい。図示した例では、第2液晶分子LM21の各々の配向方向は、X方向に平行である。なお、第2液晶分子LM21の配向方向は、Y方向に平行であってもよい。
このような第2配向領域LC2のX-Y平面における空間位相は、X方向に沿ってほぼ一致し、Y方向に沿ってほぼ一致している。
次に、本実施形態に係る液晶光学素子1の具体的な構成例について説明する。
(第1構成例)
図4は、液晶光学素子1の第1構成例を模式的に示す断面図である。図4は、図1に示した液晶光学素子1の第1配向領域LC1を含む断面図に相当する。第1構成例は、液晶層LCが反射型の回折格子として機能する例に相当する。
液晶層LCは、複数の液晶構造体LMSを有している。第1配向領域LC1に位置する液晶構造体LMSは、その一端側に位置する第1液晶分子LM11と、その他端側に位置する第1液晶分子LM12と、を有している。第2配向領域LC2に位置する液晶構造体LMSは、その一端側に位置する第2液晶分子LM21と、その他端側に位置する第2液晶分子LM22と、を有している。第1液晶分子LM11及び第2液晶分子LM21は配向膜20に近接し、第1液晶分子LM12及び第2液晶分子LM22は液晶層LCの上面USに近接している。
第1液晶分子LM11及び第2液晶分子LM21の配向方向は、配向膜20の配向規制力によって規定される。
第1配向領域LC1に位置する各液晶構造体LMSは、第1液晶分子LM11及びLM12を含む複数の第1液晶分子LM1がZ方向に並んだ連続体としてみなすことができる。このため、第1液晶分子LM11の配向方向が規定されることにより、第1液晶分子LM12を含むZ方向に並んだ複数の第1液晶分子LM1の配向方向は、第1液晶分子LM11の配向方向に応じて規定される。これにより、各液晶構造体LMSにおける第1液晶分子LM11及びLM12を含む複数の第1液晶分子LM1は、それぞれX-Y平面において所定の方向に配向する。
第2配向領域LC2に位置する各液晶構造体LMSは、第2液晶分子LM21及びLM22を含む複数の第2液晶分子LM2がZ方向に並んだ連続体としてみなすことができる。このため、第2液晶分子LM21の配向方向が規定されることにより、第2液晶分子LM22を含むZ方向に並んだ複数の第2液晶分子LM2の配向方向は、第2液晶分子LM21の配向方向に応じて規定される。これにより、各液晶構造体LMSにおける複数の第2液晶分子LM2は、それぞれX-Y平面において所定の方向に配向する。
本実施形態の液晶層LCは、複数の第1液晶分子LM1及び複数の第2液晶分子LM2の配向方向が固定された状態で硬化している。つまり、第1液晶分子LM1及び第2液晶分子LM2の配向方向は、電界に応じて制御されるものではない。このため、液晶光学素子1は、配向制御のための電極を備えていない。このような液晶層LCは、例えば、モノマーに光などのエネルギーを与えて重合させることで形成される。
図4に示す構成例1では、液晶層LCは、液晶構造体LMSとしてコレステリック液晶を有している。なお、図4では、図面の簡略化のため、1つの液晶分子LMは、X-Y平面内に位置する複数の液晶分子のうち、平均的配向方向を向いている液晶分子を代表して示している。第1配向領域LC1において配向膜20に沿って並んだ複数の第1液晶分子LM11の配向方向は、Y方向に沿って連続的に変化している。第2配向領域LC2において配向膜20に沿って並んだ複数の第2液晶分子LM21の配向方向は、同一方向である。
第1配向領域LC1に位置する1つの液晶構造体LMSに着目すると、複数の第1液晶分子LM1は、旋回しながらZ方向に沿って螺旋状に積み重ねられている。第1液晶分子LM11の配向方向、及び、第1液晶分子LM12の配向方向は、ほぼ一致している。液晶構造体LMSは、螺旋ピッチPを有している。螺旋ピッチPは、螺旋の1周期(360度)を示す。
液晶層LCは、一点鎖線で示すような複数の反射面RSを有している。一例では、複数の反射面RSは、互いに略平行である。反射面RSは、X-Y平面に対して傾斜角度φで傾斜しており、一定方向に延びる略平面形状を有している。反射面RSは、ブラッグの法則に従って、入射光LTiのうち一部の光LTrを選択反射し、他の光LTtを透過する。反射面RSは、傾斜角度φに応じて光LTrを反射する。
ここでの反射面RSは、液晶分子LMの配向方向が揃った面、あるいは、空間位相が揃った面(等位相面)に相当する。なお、反射面RSの形状は、平面形状に限らず、凹状や凸状の曲面形状であってもよく、特に限定されるものではない。
液晶構造体LMSであるコレステリック液晶は、選択反射帯域Δλに含まれる所定波長λの光のうち、コレステリック液晶の旋回方向と同じ旋回方向の円偏光を反射する。例えば、コレステリック液晶の旋回方向が右回りの場合、所定波長λの光のうち、右回りの円偏光を反射し、左回りの円偏光を透過する。同様に、コレステリック液晶の旋回方向が左回りの場合、所定波長λの光のうち、左回りの円偏光を反射し、右回りの円偏光を透過する。
コレステリック液晶の螺旋ピッチをP、液晶分子の異常光に対する屈折率をne、液晶分子の常光に対する屈折率をnoと記載すると、一般的に、垂直入射した光に対するコレステリック液晶の選択反射帯域Δλは、「no*P~ne*P」で示される。なお、詳細には、コレステリック液晶の選択反射帯域Δλは、「no*P~ne*P」の範囲に対して、反射面RSの傾斜角度φや、入射角θiなどに応じて変化する。
なお、液晶層LCは、単層体であってもよいし多層体であってもよい。液晶層LCが多層体の場合、螺旋ピッチが異なる液晶層が積層されてもよいし、螺旋の旋回方向が互いに逆となる液晶層が積層されてもよい。また、液晶層LCが単層体の場合、螺旋ピッチが連続的に変化する液晶層であってもよい。
(第2構成例)
図5は、液晶光学素子1の第2構成例を模式的に示す断面図である。図5は、図1に示した液晶光学素子1の第1配向領域LC1を含む断面図に相当する。第2構成例は、液晶層LCが透過型の回折格子として機能する例に相当する。
液晶層LCは、配向方向が揃ったネマティック液晶を有している。第1配向領域LC1において配向膜20に沿って並んだ複数の第1液晶分子LM11の配向方向は、Y方向に沿って連続的に変化している。第2配向領域LC2において配向膜20に沿って並んだ複数の第2液晶分子LM21の配向方向は、同一方向である。
なお、液晶層LCが上記したような多層体の場合、一部がツイスト配向したネマティック液晶であってもよい。
液晶層LCの屈折率異方性あるいは複屈折性をΔn(液晶分子の異常光に対する屈折率neと常光に対する屈折率noとの差分)とし、液晶層LCの厚さをDLCとし、回折光の波長をλとしたときに、液晶層LCのリタデーションΔn・DLCは、λ/2とすることが望ましい。
第1配向領域LC1に位置する1つの液晶構造体LMSに着目すると、第1液晶分子LM11の配向方向、及び、第1液晶分子LM12の配向方向は、ほぼ一致している。また、第1液晶分子LM11及び第1液晶分子LM12含むZ方向に並んだ第1液晶分子LM1の配向方向は、ほぼ一致している。
このような液晶光学素子1に対しては、液晶層LCの側から光が入射する場合もあり得るし、基板10の側から光が入射する場合もあり得る。ここでは、液晶層LCの側から光が入射する場合について説明する。入射光LTiは、液晶光学素子1を透過した後に、0次回折光LT0及び1次回折光LT1に分割される。0次回折光LT0の回折角θd0は、入射光LTiの入射角θiと同等である。1次回折光LT1の回折角θd1は、入射角θiとは異なる。
次に、液晶光学素子1の製造方法の一例について説明する。
図6は、図1に示した液晶光学素子1の製造方法の一例を説明するための製造フローである。
まず、図6のステップ1(S1)では、洗浄した基板10の第1主面F1に配向膜20を形成する。配向膜20は、例えば、ポリイミドによって形成される。
続いて、図6のステップ2(S2)では、配向膜20に第1領域A1を形成するための第1配向処理を行う。ここでの第1配向処理とは、後に詳述するが、第1円偏光の光線及び第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線を用いた二光束の干渉露光による処理である。一例では、第1円偏光及び第2円偏光の光線の波長は紫外線である。なお、配向膜の種類によっては、紫外線ではなく、第1波長帯の光線を用いて第1配向処理を行う場合もある。
1回の第1配向処理で露光可能な面積よりも大きな面積を有する液晶光学素子1を製造する場合、配向膜20を複数の領域に分割して、各領域に対して順次、第1配向処理を行う。このようにして1回の露光による第1配向処理が行われた領域は、図2の第1領域A1に相当する。第1領域A1の配向処理方向は、図3に示した第1液晶分子LM11の配向パターンを形成するように設定されている。
続いて、図6のステップ3(S3)では、配向膜20に第2領域A2を形成するための第2配向処理を行う。ここでの第2配向処理とは、後に詳述するが、直線偏光の光線で露光する光配向処理または一方向にラビングする配向処理である。また、第2配向処理は、配向膜20全体に行う配向処理である。このとき、第1配向処理が行われた領域は、マスクによって覆われる場合がある。第1配向処理が行われず第2配向処理が行われた領域は、図2の第2領域A2に相当する。第2領域A2の配向処理方向は、図3に示した第1液晶分子LM21の一様な配向パターンを形成するように設定されている。
なお、上記のステップ2(S2)及びステップ3(S3)の順序は逆であってもよい。
また、配向膜20にポリイミドを用いる場合、ポリイミドのイミド化は、第1配向処理の前でもよいし、第2配向処理の後でもよい。
続いて、図6のステップ4(S4)では、配向膜20の上に液晶モノマーを含む液晶材料を塗布して、膜状に形成する。液晶材料は、例えば、コレステリック液晶を形成するための液晶モノマーを溶媒に溶かしたものである。液晶材料が配向膜20に接するため、溶媒は、液晶モノマーを可溶とし、配向膜20を不溶とする性質を有している。液晶材料は、配向処理された第1領域A1及び第2領域A2を覆うようにして配向膜20の表面全体に塗布する。その後、液晶材料を塗布した基板10をチャンバーに設置し、チャンバー内を減圧することで、液晶材料に含まれる溶媒を乾燥する。
その後、液晶材料をベークする。これにより、液晶材料に含まれる液晶分子のうち、第1領域A1に重なる第1液晶分子LM1及び第2領域A2に重なる第2液晶分子LM2は、配向膜20の配向処理方向に応じて所定の方向に配向する。
このとき、液晶材料は未硬化の状態で膜状に形成されている。
続いて、図6のステップ5(S5)では、液晶材料に対して紫外線を照射して液晶材料を硬化する。紫外線は、配向膜20に重なる未硬化の液晶モノマーに照射される。これにより、液晶モノマーがポリマー化され、液晶材料を硬化させ、液晶層LCを得る。
このような実施形態によれば、液晶層LCは、複数の第1領域A1にそれぞれ重なる第1配向領域LC1を有している。複数の第1配向領域LC1は、それぞれ所定の配向パターンを形成した第1液晶分子LM1を含み、回折格子として機能する。このように、同一基板上に回折格子として機能する複数の第1配向領域LC1が形成されることにより、液晶光学素子1の大面積化が可能となる。
また、液晶層LCは、隣接する第1配向領域LC1の間に、第2領域A2に重なる第2配向領域LC2を有している。第2配向領域LC2は、いずれも長軸が同一方向を向くように配向した第2液晶分子LM2を含んでいる。このため、第2配向領域LC2における不所望な散乱及び白濁化が抑制され、液晶光学素子1における光の利用効率の低下を抑制することができる。
以下に、第2配向領域LC2を形成する理由について説明する。
上記のように、液晶光学素子1の大面積化に際しては、配向膜20を複数の領域に分割して、それぞれの領域に第1配向処理を行い、第1領域A1を形成する必要がある。このとき、第1配向処理が行われる領域の間には、数μmから数cm程度の幅で第1配向処理が行われない領域(隙間)が生じる場合がある。そのため、配向膜20の全体に第2配向処理を行う。これにより、たとえ第1配向処理が行われない領域が生じたとしても、その領域が第2配向処理によって同一方向に配向規制力を有する第2領域A2として形成される。このため、液晶層LCのうち、第2領域A2に重なる第2液晶分子LM2は、それぞれの長軸が同一方向を向くように配向し、第2配向領域LC2を形成する。したがって、第1配向処理を行った際の隙間での液晶分子の配向乱れを抑制することができる。
次に、円偏光二光速干渉露光による第1配向処理について説明する。
図7は、円偏光二光束干渉露光による第1配向処理を説明するための図である。
レーザー光源からのビームを平行光束に拡大し、この光束を偏光ビームスプリッタで二つの光束に分割した後、それぞれ波長板を透過した際に、右回りの第1円偏光71及び左回りの第2円偏光72に変換される。これらの第1円偏光71及び第2円偏光72は、配向膜20の表面で干渉する。配向膜20上で第1円偏光71及び第2円偏光72が干渉した領域73には、空間的に変化する偏光パターンが配向処理方向ADとして記録される。領域73には、配向処理方向ADに沿った配向規制力が付与される。液晶層LCの第1液晶分子LM1は、配向処理方向ADに沿って配向する。
以下、液晶光学素子1の製造方法のうち、図6のステップ2(S2)で説明した第1配向処理及びステップ3(S3)で説明した第2配向処理のいくつかの実施例について説明する。
(実施例1)
図8は、液晶光学素子1の製造方法の実施例1について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例1では、第1配向処理は、第2配向処理に先立って行う。図8の上側に示すように、干渉露光による第1配向処理は、配向膜20を複数の領域に分割して行うが、ここでは1つの領域に第1配向処理を行う様子を示している。配向膜20のうちの1つの領域は、第1配向処理を行うことによって第1領域A1として形成される。
その後、図8の下側に示す第2配向処理を行う。実施例1の第2配向処理は、直線偏光の紫外線で露光することによる配向処理であり、配向膜20の全面に行う。但し、実施例1では、第2配向処理工程において、まず第1領域A1に対応した遮蔽部LS及び第2領域A2に対応した開口部APを有するマスクMKを用意する。そして、遮蔽部LSと第1領域A1とが重なるようにマスクMKの位置合せを行う。マスクMKは、配向膜20に接していてもよいし、配向膜20から離間していてもよい。そして、マスクMKを介して直線偏光の紫外線80を照射する。紫外線80の一部は遮蔽部LSで遮光され、第1領域A1は紫外線80で露光されない。開口APを透過した紫外線80は、配向膜20の表面に照射される。このように第2配向処理された領域は、第2領域A2として形成される。つまり、実施例1では、第1配向処理の露光のみで第1領域A1を形成し、また、第2配向処理の露光のみで第2領域A2を形成している。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
なおマスクMKの代わりにNDフィルターを用いてもよい。
(実施例2)
図9は、液晶光学素子1の製造方法の実施例2について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例2では、第2配向処理は第1配向処理に先立って行う以外、実施例1と同様である。
まず、図9の上側に示すように、第1領域A1を形成すべき領域に対応した遮蔽部LSと、第2領域A2を形成すべき領域に対応した開口部APと、を有するマスクMKを用意する。そして、配向膜20に重なるようにマスクMKを配置する。マスクMKは、配向膜20に接していてもよいし、配向膜20から離間していてもよい。そして、マスクMKを介して直線偏光の紫外線80を照射する。紫外線80の一部は、遮蔽部LSで遮光される。このため、配向膜20のうち、遮蔽部LSに重なる領域には、紫外線80が照射されない。開口APを透過した紫外線80は、配向膜20の表面に照射される。このように第2配向処理された領域は、第2領域A2として形成される。
次に、図9の下側に示すように、マスクを外し、第2配向処理された配向膜20に第1配向処理を行う。第1配向処理を行う領域は、第2配向処理で遮蔽部LSに重なり配向処理されなかった領域であり、この領域に重なるように位置合わせして行う。そして、この領域は、干渉露光による第1配向処理が行われることによって第1領域A1として形成される。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
また実施例2でも、実施例1と同様に、マスクの代わりにNDフィルターを用いてもよい。
(実施例3)
図10は、液晶光学素子1の製造方法の実施例3について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例3は、上記の実施例1及び実施例2と比較して、マスクを使用せずに第2配向処理を行う点で相違している。なお、第1配向処理については実施例1と同様である。
まず、図10の上側に示すように、配向膜20の複数の領域に干渉露光による第1配向処理を行う。これにより、第1領域A1が形成される。
そして、図10の下側に示すように、第2配向処理を行う。実施例3の第2配向処理は、実施例1と同様に、直線偏光の紫外線で露光することによる配向処理であり、配向膜20の全面に行う。但し、第2配向処理は、第1配向処理の露光量よりも弱い露光量で行う。一例では、第1配向処理の露光量が900mJ/cm以上であり、第2配向処理の露光量が300mJ/cm程度である。
発明者が検討したところでは、配向膜に対する紫外線の露光量が300mJ/cm以上であれば、配向膜に配向規制力が発生することを確認した。また、第2配向処理での露光量が第1配向処理での露光量の1/3以下であれば、第1配向処理によって形成された第1領域A1が、第2配向処理に際して直線偏光の紫外線で露光されても、第1領域A1の配向処理方向が変化することはなかった。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
(実施例4)
図11は、液晶光学素子1の製造方法の実施例4について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例4では、第1配向処理に先立って第2配向処理を行う以外、実施例3と同様である。
まず、図11の上側に示すように、第2配向処理を行う。そして、図11の下側に示すように、第1配向処理を行う。実施例4の第2配向処理は、実施例3と同様、第1配向処理の露光量よりも弱い露光量で行う。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
(実施例5)
図12は、液晶光学素子1の製造方法の実施例5について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例5は、上記の実施例1乃至4と比較して、第2配向処理として、光配向処理の代わりに一方向にラビングする配向処理を行う点で相違している。なお、第1配向処理については実施例1と同様である。
実施例5では、第1配向処理は、第2配向処理に先立って行う。図12の上側に示すように、干渉露光による第1配向処理は、配向膜20を複数の領域に分割して、複数回行う。これにより、第1領域A1が形成される。
続けて、図12の下側に示すように、第1配向処理された配向膜20に第2配向処理を行う。第2配向処理は、ラビングによる配向処理で行う。
ここで、ラビングによる配向処理とは、ローラーに巻き付けられたラビングクロスを配向膜に当てて摩擦させ、配向膜表面に微細な溝構造を形成する処理である。ラビング処理では、処理速度(ローラの回転速度またはローラの移動速度)を変化させたり、配向膜に対するローラーの押し込み量を変えたりすることにより、ラビング強度を変化させることができる。
実施例5の第2配向処理は、配向膜20の全面に行う。但し、実施例5では、第2配向処理工程において、まず第1領域A1に対応した遮蔽部LS及び第2領域A2に対応した開口部APを有するマスクMKを用意する。そして、遮蔽部LSと第1領域A1とが重なるようにマスクMKの位置合せを行う。マスクMKは、配向膜20に接していてもよいし、配向膜20から離間していてもよい。そして、マスクMKを介してラビング処理を行う。開口APを通してラビングクロスのパイル90は配向膜20と接触する。パイル90が配向膜20の表面をこすることで、配向膜20上に微細な溝構造が形成される。これにより、第2領域A2が形成される。なお、マスクMKの遮蔽部LSは、第1領域A1に重なっているため、ラビングクロスのパイル90は、第1領域A1には接触しない。つまり、実施例5では、第1配向処理の露光のみで第1領域A1を形成し、また、第2配向処理のラビング処理のみで第2領域A2を形成している。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
(実施例6)
図13は、液晶光学素子1の製造方法の実施例6について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例6では、第2配向処理は第1配向処理に先立って行う以外、実施例5と同様である。
まず、図13の上側に示すように、第1領域A1を形成すべき領域に対応した遮蔽部LS及び第2領域A2を形成すべき領域に対応する開口APを有するマスクMKを用意する。そして、配向膜20に重なるようにマスクMKを配置する。マスクMKは、配向膜20に接していてもよいし、配向膜20から離間していてもよい。そして、マスクMKを介してラビング処理をする。開口APを通して配向膜20と接触したラビングクロスのパイル90は、配向膜20の表面をこすることで、配向膜20上に微細な溝構造を形成する。これにより、第2領域A2が形成される。配向膜20のうち、遮蔽部LSに重なる領域には、パイル90が接触しない。
次に、図13の下側に示すように、マスクを外し、第2配向処理された配向膜20に第1配向処理を行う。第1配向処理を行う領域は、第2配向処理の際に遮蔽部LSで重なり配向処理されなかった領域であり、この領域に重なるように位置合わせして行う。そして、この領域は、干渉露光による第1配向処理が行われることによって第1領域A1として形成される。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
(実施例7)
図14は、液晶光学素子1の製造方法の実施例7について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例7は、実施例6と比較して、マスクを使用せずに第2配向処理を行う点で相違している。
まず、図14の上側に示すように、配向膜20の複数の領域に干渉露光による第1配向処理を行う。これにより、第1領域A1が形成される。
そして、図14の下側に示すように、第2配向処理を行う。
実施例7の第2配向処理では、弱いラビング強度で配向処理をすることが望ましい。ここでの弱いラビング強度とは、第1領域A1の配向処理方向が変化しない程度の強度に相当する。上記の通りラビング強度は、処理速度や押し込み量を変えることにより、変化させることができる。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
(実施例8)
図15は、液晶光学素子1の製造方法の実施例8について、第1配向処理及び第2配向処理を説明するための断面図である。
実施例8では、第1配向処理に先立って第2配向処理を行う以外、実施例7と同様である。
まず、図15の上側に示すように、第2配向処理を行う。そして、図15の下側に示すように、第1配向処理を行う。実施例8の第2配向処理では、実施例7と同様、弱いラビング強度で配向処理することが望ましい。
これにより、第1領域A1及び第2領域A2を有する配向膜20を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、大面積化が可能な液晶光学素子を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…液晶光学素子、10…基板、20…配向膜、
LC1…第1液晶層、LC2…第2液晶層、A1…第1領域、A2…第2領域

Claims (4)

  1. 基板上に配向膜を形成し、
    前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、
    前記配向膜を直線偏光の光線で露光する第2配向処理を行い、
    前記配向膜上に液晶層を形成し、
    前記第1配向処理は、前記第2配向処理に先立って、前記配向膜の複数の領域に行い、
    前記第2配向処理は、前記配向膜の全面に行い、
    前記第2配向処理の露光量は、前記第1配向処理の露光量よりも小さい、晶光学素子の製造方法。
  2. 基板上に配向膜を形成し、
    前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、
    前記配向膜を直線偏光の光線で露光する第2配向処理を行い、
    前記配向膜上に液晶層を形成し、
    前記第2配向処理は、前記第1配向処理に先立って前記配向膜の全面に行い、
    前記第1配向処理は、前記配向膜の複数の領域に行い、
    前記第2配向処理の露光量は、前記第1配向処理の露光量よりも小さい、晶光学素子の製造方法。
  3. 基板上に配向膜を形成し、
    前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、
    前記配向膜をラビングする第2配向処理を行い、
    前記配向膜上に液晶層を形成し、
    前記第1配向処理は、前記第2配向処理に先立って、前記配向膜の複数の領域に行い、
    前記第2配向処理は、前記配向膜の全面に行い、前記第2配向処理のラビング強度は、前記第1配向処理に影響を与えない程度に弱い、晶光学素子の製造方法。
  4. 基板上に配向膜を形成し、
    前記配向膜を第1円偏光の光線及び前記第1円偏光とは逆回りの第2円偏光の光線で干渉露光する第1配向処理を行い、
    前記配向膜をラビングする第2配向処理を行い、
    前記配向膜上に液晶層を形成し、
    前記第2配向処理は、前記第1配向処理に先立って前記配向膜の全面に行い、
    前記第1配向処理は、前記配向膜の複数の領域に行い、前記第2配向処理のラビング強度は、前記第1配向処理に影響を与えない程度に弱い、晶光学素子の製造方法。
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