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JP7715702B2 - 見積決定支援システム - Google Patents
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JP7715702B2 - 見積決定支援システム - Google Patents

見積決定支援システム

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Description

本発明は、建物や構築物等の工事や修理等にかかる費用の見積額を決定するための手助けとなる見積決定支援システムに関する。
ビルや学校、病院、研究所、工場、家等の建物や構築物等の施設を維持、保全するためには、これらの建物又は構築物について、古くなったり破損したりする部位の修理や交換、これらに関係する種々の定期点検等、毎年のように決まって行う作業がある。しかしながら、古くなったり破損したりした部位が見つかったときに修理を依頼し、個別に定期点検時期を管理している場合が多い。即ち、建物若しくは構築物等又は備品の維持、保全のための管理は、それぞれ建物若しくは構築物ごと、又は備品ごとになされている場合が多い。そのため、年によって工事や修理費の内容が様々で、これに伴う維持、保全のための管理費用にばらつきが生じ、次年度以降の維持、保全にかかる費用の想定をすることが難しかった。
施設の維持、保全に必要な事項を管理する場合に、例えば特開2018-124680号公報(特許文献1)に記載のような、管理した文書へのアクセス方法を工夫した発明はあっても、施設の維持、保全のために必要な予算をどのように管理すべきかについて記載がある先行技術文献はない。
特開2018-124680号公報
本開示は、様々な建物若しくは構築物等又は備品を維持、保全するための管理費用の見積を作成する際に、それらの管理コストの合理化を図り、不必要に高い費用が発生することを防止して、合理的な見積額を算出することができる見積決定支援システムを提供する。
本開示の一態様による見積決定支援システムは以下のとおり構成される。即ち、記憶手段と、制御手段と、表示手段とを有する見積決定支援システムであって、タスクの内容及び、原材料又は工賃等の内容を表す複数の管理項目を記録する記憶手段と、複数のタスクを構成する各一のタスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの合計である概算見積額を算出し、前記複数のタスクを構成する全タスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの合計である概算合計見積額を前記概算見積額から算出する制御手段と、前記複数のタスクの内容を一覧表形式で表示する工事管理一覧表を作成する表示手段と、を有し、前記工事管理一覧表に前記概算見積額を含む見積決定支援システムである。
本開示の一態様によれば、複数のタスクを構成する各一のタスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの合計である概算見積額を算出するため、一のタスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの算出基準が明確であり、又その算出も正確であるため、特異なコストが策定されるおそれを低減することができる。そして、前記複数のタスクを構成する全タスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの合計である概算合計見積額を前記概算見積額から算出するため、全タスクの実行に必要な原材料又は工賃等のコストの算出基準が明確であり、又その算出も正確であるため、特異なコストが策定されるおそれを低減することができる。そして、複数のタスクの内容を一覧表形式で表示する工事管理一覧表を作成する表示手段と、を有し、前記工事管理一覧表に前記概算見積額を含むため、複数のタスクの概算見積額を容易に比較することができ、特異な概算見積額を発見し易い。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、工事管理一覧表に前記概算合計見積額を含む見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、工事管理一覧表に前記概算合計見積額を含むため、全タスク合計にかかるコストを一目で確認することができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記表示手段が、前記タスクの内容を表示する工事管理書を作成する見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記表示手段が、前記タスクの内容を表示する工事管理書を作成することとしたため、タスクの内容をこの見積決定支援システムで管理することができ、その内容をいつでも確認することができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記表示手段が、前記原材料又は工賃等の内容を表示する工事内訳書を作成する見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記表示手段が、前記原材料又は工賃等の内容を表示する工事内訳書を作成することとしたため、タスクの実行で具体的にコストがかかる原材料又は工賃等の内容をこの見積決定支援システムで管理することができ、その内容をいつでも確認することができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記記憶手段が、標準単価表に記載された原材料又は工賃等の名称に類似した名称を、前記原材料又は工賃等の名称と紐づけて記録する見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記記憶手段が、標準単価表に記載された原材料又は工賃等の名称に類似した名称を、前記原材料又は工賃等の名称と紐づけて記録することとしたため、タスクの実行で具体的にコストがかかる原材料又は工賃等を標準単価表と照会することができる。そのため、高価な原材料又は工賃等を排除して適正な見積を提供することができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、表示手段が、前記概算見積額とともに、標準単価表の記載を加味した標準見積額を併記して表示する見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、表示手段が、前記概算見積額とともに、標準単価表の記載を加味した標準見積額を併記して表示することとしたため、工事者等が記入したコストと標準単価表に基づくコストとを容易に比較することができ、その金額に大きな差異があれば、その差異がどこにあるかを容易に見つけ出すことができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記概算見積額として、標準単価表の記載を加味した標準見積額を当てはめて表示する見積決定支援システムとすることができる。
本開示の一態様による見積決定支援システムは、前記概算見積額として、標準単価表の記載を加味した標準見積額を当てはめて表示することとしたため、工事者等が記入したコストに代えて標準単価表に基づくコストが反映されるため、高額でイレギュラーな見積が予め排除された見積を得ることができる。
本開示の一態様によれば、種々の建物若しくは構築物等又はそれらに備わる備品等の維持、保全に必要な管理費用を効果的に見積ることができる。
見積決定支援システムのシステム構成図である。 管理サーバの機能構成を示すブロック図である。 工事管理書の概略図である。 工事内訳書の概略図である。 工事管理一覧表の概略図である。 工事管理一覧表作成の一態様を示すフロー図である。 工事管理一覧表作成の別の一態様を示すフロー図である。
本開示の見積決定支援システムについて詳しく説明する。この見積決定支援システムは、ビルや学校、病院、研究所、工場、家等の建物や構築物等の施設又はこれらの施設に備わる備品等(以下、これらをまとめて「施設等」ともいう)を維持、保全するための管理(以下、単に「管理」ともいう)には、これらの施設等の古くなったり破損したりする部位の修理や交換、メンテナンス、さらにはこれらに関係する種々の定期点検、調査等に関係する作業(以下「タスク」ともいう)がある。そこで、こうした作業全体に係る費用を予め算定し見積額を決定する際に、その見積額を効果的に、適正に決定するためのシステムである。
<システム構成>
図1は、見積決定支援システム10のシステム構成図である。この見積決定支援システム(以下「システム」ともいう)10は、管理サーバ1と、建物等の施設等の所有者等で施設等の維持、保全管理を統括する関係者(以下「施設者」という)が用いる施設者端末2(2a、2b、・・)と、施設等の維持、保全のために、タスクの中でも工事や修理等の現場で作業を行う事項(以下これらをまとめて「現場工事」ともいう)を行う工事関係者や、その工事関係者等を取りまとめる管理業者など、施設等の現場工事を担う者(以下これらをまとめて「工事者」という)が用いる工事者端末3(3a、3b、・・)と、システム全体の管理者(以下「システム責任者」という)が用いるシステム責任者端末4(4a、4b、・・)と、を含んで構成され、これらがネットワーク5を介してそれぞれ接続されている。
管理サーバ1は、各種端末2,3,4からの指示を、ネットワーク5を介して受信し、その指示に従った処理を行う。この管理サーバ1の構成としては、演算装置や制御装置として機能する中央演算処理装置(CPU)や、RAM等の主記憶装置、ハードディスクやSSD等の外部記憶装置、モデム等の通信装置、コンピュータプログラム等を有している。これらの構成要素により後述する機能ブロックを構成する。
管理サーバ1は、各種端末2,3,4以外のネットワークに接続したコンピュータ管理サーバであっても良く、システム責任者端末4のコンピュータで兼用する管理サーバとすることもできる。さらにクラウドコンピューティングに用いられるクラウド管理サーバであっても良い。
施設者端末2は、施設者が使用するコンピュータであり、一又は複数のコンピュータ2a、2b、・・であり得る。この施設者端末2は、社内LAN、インターネット等のネットワークに接続し通信可能な通信装置を備えて構成されており、プログラムを起動しネットワークに接続すると管理サーバ1に保存されたデータを取得して表示したり、入力装置を通じて入力されたデータを管理サーバ1へ送信したり、管理サーバ1からのデータを受信して出力装置を通じてメール等の形式で出力することができる。この施設者端末2となるコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータの他、携帯電話端末やタブレット端末などであっても良い。
工事者端末3は、施設等の現場工事を担う者が使用するコンピュータであり、一又は複数のコンピュータ3a、3b、・・であり得る。この工事者端末3は、社内LAN、インターネット等のネットワークに接続し通信可能な通信装置を備えて構成されており、プログラムを起動しネットワークに接続すると管理サーバ1に保存されたデータを取得して表示したり、入力装置を通じて入力されたデータを管理サーバ1へ送信したり、管理サーバ1からのデータを受信して出力装置を通じてメール等の形式で出力することができる。この工事者端末3となるコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータの他、携帯電話端末やタブレット端末などであっても良い。
システム責任者端末4は、システム責任者が使用するコンピュータであり、一又は複数のコンピュータ4a、4b、・・であり得る。このシステム責任者端末4は、社内LAN、インターネット等のネットワークに接続し通信可能な通信装置を備えて構成されており、プログラムを起動しネットワークに接続すると管理サーバ1に保存されたデータを取得して表示したり、入力装置を通じて入力されたデータを管理サーバ1へ送信したり、管理サーバ1からのデータを受信して出力装置を通じてメール等の形式で出力することができる。このシステム責任者端末4となるコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータの他、管理サーバ1であっても良い。
図2には、管理サーバ1の機能構成をブロック図として示した。図2で示すように、管理サーバ1には、制御手段11と、ID認識手段12と、記憶手段13と、表示手段14と、通信手段等のその他の手段15を有している。
制御手段11は、以下に説明する各種手段を制御しその機能を奏するように動作させたり、記憶手段13に記録された様々なデータの中から必要なデータを選択して取り出し、目的に沿って特定の項目ごとに分類したり、集計等の演算を行う。
ID認識手段12は、見積決定支援システム10にアクセス可能な者を識別するための所定のID情報を識別する機能を有し、より具体的には、各種端末2,3,4から見積決定支援システム10へのアクセス要求に対して、アクセス権を有する者であるか否か、及びアクセス権を有する場合には、その程度又は何に対するアクセス権であるか等について判断する。
例えば、施設者端末2からのアクセス要求に対しては、アクセス対象となる施設が要求者の管理対象であれば許可するが、アクセス対象以外の施設であれば許可しない。また、工事者端末3からのアクセス要求に対しては、アクセス対象となる施設が要求者の工事対象であれば許可するが、工事対象以外の施設であれば許可しない等である。アクセス権の有無等をパスワードに基づいて行う態様は一例である。
記憶手段13は、施設等の維持、保全のための管理に必要な様々な要素を管理項目として記録し、管理項目データベースとして備える機能を有する。
表示手段14は、記憶手段13が記録する管理項目や、制御手段11が加工して得た事項を各種端末2,3,4に表示したり、レポートとして出力したり、各種端末での入力画面の表示も行う。
管理サーバ1には、その他にも異常値を観測してアラートを発するアラート生成手段、アラート情報や報告書等の種々のアウトプットを施設者端末2や工事者端末3等の出力対象となる種々の端末に対して送信する通信手段等の種々の機能を持たせることができる。
<システムの機能>
見積決定支援システム10は、以下に説明する種々の書面を作成、表示、又は利用して、見積決定に役立てることができる。
(1)工事管理書
工事管理書は、施設等の古くなったり破損したりする部位の修理や交換、メンテナンス、さらにはこれらに関係する種々の定期点検、調査等に関係する作業、即ちタスクの内容を示すものである。
タスクの内容には、そのタスクを特定するために必要な項目(管理項目)が挙げられ、例えば、タスクの管理番号、タスクの名称、タスクの対象となる施設等の名称や状態、対策、タスクの行われる場所、タスクが発生する管理元、設置年月日、タスク実行の要否、タスク実行の単位及び数量、概算見積額、標準見積額、施設者提案の見積額、備考、その他等を例示することができる。
ここで、概算見積額は後述する工事内訳書に基づいて計算された、タスクを実行するために必要なコストの見積額であり、標準見積額は後述する標準単価表を加味した工事内訳書に基づいて計算された、タスクを実行するために必要なコストの見積額であり、施設者提案の見積額は工事内訳書によらないで施設者が提示した、タスクを実行するために必要なコストの見積額である。
これらの項目は、施設等の管理の種類によって変わり、上記項目に限らず、それら以外の項目を含んでもよいし、上記項目の全てを有している必要はない。
工事管理書の一例を図3に示す。図3で示す工事管理書に記載されたタスクは、〇〇文化会館2階におけるアスファルト露出防水工事であり、上記項目に対応した次のような記載がなされている。
タスクが発生する管理元としての“事業計画”、タスクの管理番号として“D-3”、タスクの名称として“アスファルト露出防水”、タスクの対象となる施設等の名称として“○○文化会館”、タスクの行われる場所として“2階”、タスクの対象となる施設等の状態として“全体に劣化が見られる”、その対策として“アスファルト露出防水更新”、設置年月日として“2000年5月”、タスク実行の要否として“推進”、タスク実行の単位、数量として“57m”、概算見積額として“¥2,317,000”、備考として“添付資料○○あり”である。なお、図3には上記管理項目の一部を示している。
加えて、上記項目の中の一部の項目については、その内容をより詳細に説明する次の事項が記されている。
タスクの名称として“更新工事、年に1回更新するか否かを検討する”、タスクの行われる場所として“2階の全体を対象とする。”、タスクの対象となる施設等の状態として“2階全体に亘ってところどころ劣化している。劣化の程度は場所によって異なる。”、その対策として“2階全体を作業者が確認しながら必要な措置を取る必要がある。”、備考として“添付資料○○は、11月2日、〇〇社作成”である。
このように、タスクごとに工事管理書を作成することで、一のタスクに必要な事項を工事管理書という一の書面で管理することができるため、そのタスクについては、この工事管理書を照会することでその内容を過不足なく知ることができる。
(2)工事内訳書
工事内訳書は、一つのタスクで使われる原材料又は部品(「原材料等」ともいう)、又はそのタスクを実行する際の工賃のように、そのタスクを実行するにあたってコストが発生する事項(「原材料又は工賃等」ともいう)の内容を示すものである。
原材料又は工賃等の内容にはその原材料又は工賃等に関わる項目(管理項目)が記載される。タスクの実行にコストが発生する種々の細目までを工事管理書に記載していては工事管理書が煩雑になるため、コストが発生する内訳を工事管理書から切り離して別紙としたのが工事内訳書である。
したがって、工事内訳書の内容には、原材料又は工賃等に関わる事項として、コストが発生する内訳を特定するために必要な項目(管理項目)があり、管理番号、工事や修理等の名称、種類、原材料等の名称、数量、単位、単価、合計金額、概算見積額、備考等を挙げることができる。
あるいはまた、原材料等の標準名称、標準単価、標準合計金額、標準見積額を挙げることもできる。
ここで、合計金額は各工事や修理等の見積額であり、概算見積額は各工事や修理等の見積額を全て足した全工事や修理等の見積額である。また、原材料等の標準名称は後述する標準単価表に記された原材料等の名称であり、標準単価はその標準単価表に記された単価であり、標準合計金額は標準単価に基づく各工事や修理等の見積額であり、標準見積額は標準単価に基づく各工事や修理等の見積額を全て足した全工事や修理等の見積額である。
これらの項目は、タスクによって変わり、上記事項に限らず、それら以外の項目を含んでもよいし、上記項目の全てを有している必要はない。
工事内訳書の一例を図4に示す。図4で示す工事内訳書に記載されたのは、図3で示す工事管理書で特定された「○○文化会館2階のアスファルト露出防水工事」において必要となる原材料等のコストが発生する事項である。図4で示す工事内訳書では、上記項目に対応して次のような記載がなされている。
工事や修理等の名称として“アスファルト露出防水工事”、工事の種類として“既存防水面高圧洗浄”、“既存アスファルト除去”、“排水口改修ドレン取付け”、“脱気筒取付け”、“ウレタン塗装防水”等、原材料等の名称として“ストレーナー”、“ステンレス”、“ポリマット○○、○○社製”等、数量として“114.0”、“66”等の数字、単位として“m”、“箇所”等、単価としてはそれぞれの部品単価や、工事単価であり、“¥450”、“¥3,000”等、合計金額には、それぞれの工事の種類における数量と単価の積となる合計額であり“¥51,300”、“19,800”等、である。備考の記載がないが、必要な追記事項等を記載することができる。そして、各工事にかかる費用の合計を記す概算見積額欄も設けられており、工事管理書が作成されるタスクの工事等の見積の総額が分かるようになっている。図3では概算見積額として“¥2,317,000”が記されている。
(3)工事管理一覧表
工事管理一覧表は、前記工事管理書で示される複数のタスクをまとめて一覧表形式にしたものであり、工事管理書のタスクの内容を示す項目の中から一部を抜き出して表形式に記載したものである。即ち複数のタスクの内容を並べて表示したものである。
工事管理一覧表で示すタスクの内容も、工事管理書に示すタスクの内容とほぼ同様とすることができ、タスクの管理番号、タスクの名称、タスクの対象となる施設等の名称や状態、対策、タスクの行われる場所、タスクが発生する管理元、設置年月日、タスク実行の要否、タスク実行の単位及び数量、概算見積額、標準見積額、施設者提案の見積額、概算合計見積額、標準合計見積額、施設者提案の合計見積額、備考、その他等の項目(管理項目)を例示することができる。
ここで、概算見積額は各タスクの見積の合計額であり、標準見積額は後述する標準単価表の額を考慮した各タスクの見積の合計額である。施設者提案の見積額は工事内訳書によらないで施設者が提示した各タスクの見積の合計額である。そして、概算合計見積額は、各タスクの概算見積額をすべて加えた全タスクの見積の合計額である。標準合計見積額は、各タスクの標準見積額をすべて加えた全タスクの見積の合計額である。そして施設者提案の合計見積額は、工事内訳書によらないで施設者が提示した全タスクの見積の合計額である。
これらの項目は、施設等の管理の種類によって変わり、上記項目に限らず、それら以外の項目を含んでもよいし、上記項目の全てを有している必要はない。
なお、単に管理項目という場合には、工事管理一覧表で示すタスクの内容を示す項目の他、工事内訳書に示す原材料又は工賃等に関わる項目、工事管理書に示すタスクを特定するために必要な項目も含まれる。
工事管理一覧表の一例を図5に示す。図5で示す工事管理一覧表では、会社Aが所有する施設等で20○○年に行う予定のタスク一覧を示したものであり、そのうちの一のタスクとしては図3で例示した工事管理書で管理番号D-3として示される「〇〇文化会館2階のアスファルト露出防水工事」を含むものである。
この管理番号D-3で示されるタスクを示す行には、次のような項目が記されている。
タスクが発生する管理元としての“事業計画”、タスクの管理番号として“D-3”、タスクの名称として“アスファルト露出防水”、タスクの対象となる施設等の名称として“○○文化会館”、タスクの行われる場所として“2階”、タスクの対象となる施設等の状態として“全体に劣化が見られる”、その対策として“アスファルト露出防水更新”、設置年月日として“2000”及び“5”、タスク実行の要否として“推進”、タスク実行の単位として“M2”、数量として“57”、概算見積額として“¥23,170,000”、備考として“添付資料○○あり”である。
この管理番号D-3で示されたのと同様の記載が、他の管理番号が付されたタスクについてもなされる。例えば、管理番号D-2として示されるのは、「△△文化会館のCSアンテナ撤去工事」についてのタスクの内容である。
そして、概算合計見積額として“¥203,584,032”が、標準合計見積額として“¥195,165,230”が記されている。
図3で示す工事管理書と図5で示す工事管理一覧表の記載事項の相違は、一覧表では記載事項が限られるため、工事管理書に記載された事項のうちの一部の重要な事項が工事管理一覧表に記される点が異なる。例えば、図3の工事管理書では、タスクの対象となる施設等の状態の欄では「全体に劣化が見られる。2階全体に亘ってところどころ劣化している。劣化の程度は場所によって異なる。」と記されているが、図5の工事管理一覧表では「全体に劣化が見られる」にとどめられている。
この工事管理一覧表を見るだけでも、上記管理番号D-3が付されたタスクは、「A社の事業計画では○○文化会館で2000年5月に設置された2階部分でアスファルト露出防水工事が予定されており全体に劣化が見られるとの調査結果を基に57mに亘る露出防水工事の更新を行うことが推進された」ことがわかる。同様に、他の管理番号が付されたタスクについても、管理番号D-3が付されたタスクと同程度の内容が理解できる。
工事管理一覧表を作成することで、所有する施設等の管理に必要なタスクを網羅して、所望の観点から区分することができる。例えば、タスクの全てを網羅して、一年という期限で区切れば、20〇〇年に必要な施設等の管理を要するタスクを挙げることができる。あるいはまた、施設等で分類してもよいし、タスクの名称等で分類してもよい。
(4)標準単価表
標準単価表は、様々な原材料等の標準価格と標準名称とを表示したものである。既にメーカー等との交渉を終えて好適な条件で採用できる部品など、施設者が認めた原材料等であり、それに付けられた価格を羅列したものである。そのため、標準単価表に記された原材料等をその単価で使うことができれば、そのコストは適正なものと判断できる。この標準単価表に表示された原材料等の名称と価格は記憶手段13に記録されている。
<システムのフロー>
見積決定支援システム10は、以下のフローに従って、上記書面を作成、表示又は利用する。
第1のフロー(図6):
第1のフローを図6に示して以下に説明する。
1.工事管理書の作成(s11)
工事管理書は、予め表示手段14が作成しておいた入力フォームを通じて、施設者が施設者端末2から工事管理書の各項目に記載される具体的事項を入力すると、その入力事項を管理項目として記憶手段13が記録することにより記録データベースに蓄積される。そして、施設者による施設者端末2からの工事管理書作成指示に従い、制御手段11が記憶手段13に記録された各項目として記録された事項を呼び出して表示手段14が、例えば図3で示すような形式で工事管理書を出力する。
但し、工事内訳書が作成される前の段階では、概算見積額は記されず、施設者提案の見積額があればそれを記すにとどまる。工事等が具体的にならなければその見積額も算定できないからである。
工事管理書作成指示は、より具体的には、工事管理書の閲覧又はプリント指示であり、閲覧指示に対しては表示手段14が施設者端末2のディスプレイに工事管理書を表示させ、プリント指示に対しては表示手段14が作成した工事管理書を制御手段11が施設者端末2のプリンタを通じてプリントさせる。このステップを図6のs11で示す。
2.工事内訳書の作成(s12)
工事内訳書は、予め表示手段14が作成しておいた入力フォームを通じて、工事者が高自社端末3から工事内訳書の各項目に記載される具体的事項を入力すると、その入力事項を管理項目として記憶手段13が記録することにより記録データベースに蓄積される。そして、工事者による工事者端末3からの工事内訳書作成指示に従い、制御手段11が記憶手段13に記録された各項目として記録された事項を呼び出す。制御手段11は、原材料等の単価と数量からその原材料等の合計金額を算出し、また、複数の原材料等の価格の合計である総合計金額を算出する。そして、表示手段14が、例えば図4で示すような形式で工事内訳書を出力する。
工事内訳書作成指示は、より具体的には、工事内訳書の閲覧又はプリント指示であり、閲覧指示に対しては表示手段14が工事者端末3のディスプレイに工事内訳書を表示させ、プリント指示に対しては表示手段14が作成した工事内訳書を制御手段11が工事者端末3のプリンタを通じてプリントさせる。
タスク毎に工事内訳書が作成されることから、複数のタスクからは複数の工事内訳書が作成可能である。このステップを図6のs11で示す。
工事内訳書が作成されることでそのタスクにかかるコストが概算見積額として得られるため、工事管理書の概算見積額にもこの概算見積額が反映される。このステップを図6のs14で示す。
3.工事管理一覧表の作成(s13)
施設者が施設者端末2から施設等の管理の目的に合わせて必要な項目で検索を行うことにより、制御手段11は条件に合った対象の工事管理書単位のタスクを記憶手段13から複数個取り出し、工事管理書に記載される内容の中から予めこの範囲の内容を工事管理一覧表に記すと決められている内容を取り出して、表示手段14が一覧表形式の工事管理一覧表を作成する。
工事管理書に記載された事項の中からどのような事項を工事管理一覧表に記載するかは適宜決定できるが、その一例としては、図3と図5の相違でも説明したように、工事管理書に記載された事項のうちでも、説明が長くなるような詳細な説明事項を省略することが挙げられる。また、工事管理書の一部の項目を工事管理一覧表には表示しないようにもできる。
各タスクの概算見積額の欄には、工事内訳書の概算見積額が表示される。また、概算合計見積額の欄には制御手段11が各タスクの概算見積額を合計した金額が表示手段14によって表示される。なお、この第1のフローでは、後述する標準単価表を利用しないため、工事管理一覧表には、標準合計見積額の記載等、標準単価表を加味した項目は表示されない。このステップを図6のs13で示す。
4.3つの書類の連動
工事管理書と工事内訳書、及び工事管理一覧表はタスクの管理番号で紐づけされている。
工事管理書の概算見積額欄は、当初空欄であるが、工事内訳書を作成してそのタスクにかかわる工事等の総合計額が決定することで、工事管理書の概算見積額欄に表示される。同様に、工事内訳書の概算見積額は、工事管理一覧表の各タスクの概算見積額欄に反映される。
即ち、制御手段11は、施設者による工事管理書の表示指示や、工事管理一覧表の作成指示等に従い、記憶手段13が記録する工事内訳書の概算見積額を工事管理書や工事管理一覧表の概算見積額に適用する。また、制御手段11は、工事管理一覧表の作成時には各タスクの概算見積額を合計した全タスクの概算合計見積額を算出する。
これらの書面の出力は、システム責任者や施設者、工事者等の操作者の中でも権原のある者の各書面の出力命令に従う他、書面間の連携によっても行うことができる。例えば、工事管理書や、工事管理一覧表の備考欄をクリックする操作者の操作を工事内訳書の出力指示としておくことで、制御手段11は表示手段14に、そのタスクに対応する工事内訳書を表示されることができる。あるいはまた、工事内訳書の管理番号欄をクリックする操作者の操作を工事管理書の出力表示としておくことで、制御手段11は表示手段14に、そのタスクに対応する工事管理書を表示させることができる。
個々のタスクを実行する際に必要なコストとなる概算見積額は、個々の工事内訳書作成によって決定し、その金額が工事管理書、又は工事管理一覧表に概算見積額として表示することができる。そのため、複数のタスクの概算見積額を一覧表内で比較することができ、タスク間の費用の多寡を簡単にチェックすることができる。そのため、イレギュラーな概算見積額を容易に見つけることができる。
第2のフロー(図7):
第2のフローを図7に示して以下に説明する。第2のフローは、工事内訳書の原材料等の内容が標準単価表と照合されて標準単価表の記載が工事内訳書に反映されるステップを有するフローである。このフローが第1のフローにさらに加わったのが第2のフローである。したがって、第1のフローで説明したs11~s13のステップは第2のフローでも同じなのでその説明は省略する。
5.工事内訳書と標準単価表との照合(s15)
工事内訳書の原材料等の名称欄に記載される名称を、標準単価表の名称と照合する。即ち、記憶手段13には標準単価表に定められた名称と類似の名称を予め登録しておき、工事内訳書の原材料等の名称欄に記載された名称がこの類似の名称と一致又は類似するかの判断を制御手段11が行い、一致又は類似する場合にはその名称に紐づけられた標準単価表の名称が新たに割り当てられる。例えば、エアコンと空調機を類似の名称として登録しておき、工事内訳書の記載がエアコンで、標準単価表に定められた名称が空調機である場合に、工事内訳書に記載された名称に空調機を割り当てることである。
より具体的な方法には、第一の方法として、標準単価表に定められた名称と類似の名称をいくつか予め登録しておき、工事内訳書の原材料等の名称欄に記載された名称がこの類似の名称と一致する場合には、標準単価表に定められた名称を割り当てるという方法である。この第一の方法では、前記類似の名称を予め登録しておく必要があり、この登録された類似の名称と一致しない場合には、標準単価表に定めた名称への割り当ては行われない。
第二の方法は、制御手段11に人工知能を備えておき、前記登録された類似の名称を教示データとして人工知能を働かせる方法である。この場合には、前記登録された類似の名称とは若干異なった類似する名称が、工事内訳書の原材料等の名称欄に記載されていても、標準単価表に定めた名称への割り当てが行われる場合がある。
表記のゆれが原因で標準単価表に定めた表示及び単価への割り当てができない不都合を排除するために第二の方法を採用することが好ましい。
割り当てられた名称は、元の名称とともに工事内訳書に併記することもできるし、元の名称に置き換えて割り当てられた名称を工事内訳書に表記するようにすることもできる。それは予めどちらの表示を選択するかを決定しておけばよい。
同様に、割り当てられた名称に基づく単価は、元の名称に基づく単価とともに工事内訳書に併記することもできるし、元の名称に基づく単価に置き換えて割り当てられた名称に基づく単価を工事内訳書に表記するようにすることもできる。それは予めどちらの表示を選択するかを決定しておけばよい。
併記する場合には、原材料等の名称、単価、合計金額、概算見積額とともに、原材料等の標準名称、標準単価、標準合計金額、標準見積額の欄を設けて適用される。置き換える場合には、原材料等の名称、単価、合計金額、概算見積額の欄に、置き換えられた内容が記され、原材料等の標準名称、標準単価、標準合計金額、標準見積額の欄を設ける必要はない。このステップを図7のs15で示す。
工事内訳書に記載される原材料等の名称として種々の工事者等が記載したときに、様々な原材料等の名称等が使用され、同じ原材料等であっても異なる表記がされることがある。そうすると、単価が異なっていても、異なる原材料等により単価が異なるのか、同じ原材料等にもかかわらず単価が異なっているのかの区別をつけ難い。したがって、同じ原材料等であれば同じ名称が付されることが好ましい。
6.3つの書類の連動
第1のフローで示したのと同様に、第2のフローでも工事管理書と工事内訳書、及び工事管理一覧表はタスクの管理番号で紐づけされている点は相違ない。
しかしながら、第2のフローでは、標準単価表との照合があるため、標準単価表に従って作成した工事内訳書の内容が工事管理書や工事管理一覧表に反映される。
工事管理書の概算見積額欄は、当初空欄であるが、工事内訳書を作成してそのタスクにかかわる工事等の概算見積額が決定することで、工事管理書の概算見積額欄に表示される。但しこの場合に、標準単価表を用いて割り当てられた単価から算出した概算見積額、即ち標準見積額を併記する場合では、概算見積額とともに標準見積額が記される。
工事管理一覧表においても同様で、標準単価表を加味した概算見積額とした場合にはそれが概算見積額となり、別表示する場合には標準見積額が併記される。標準単価表を加味した概算見積額の場合はその値から概算合計見積額も算出され、別表示する場合には概算合計見積額とは別に標準合計見積額が併記される。
即ち、制御手段11は、権原のある操作者による工事管理書の表示指示や、工事管理一覧表の作成指示等に従い、記憶手段13が記録する工事内訳書の概算見積額又は標準見積額を工事管理書や工事管理一覧表の概算見積額又は標準見積額、及び概算合計見積額又は標準合計見積額に適用する。
第1のフローに比べ第2のフローによる場合には、第1のフローによる場合の利点に加え次に説明する利点がある。即ち、個々のタスクを実行する際に必要なコスト(標準見積額)が、原材料等の標準単価に基づいて算出されることから、高価な原材料等の採用を防止することができ、見積費用の高額化を抑止することができる。
その他のフロー:
その他のフローとして、工事管理書を作成せずに、工事管理一覧表を作成していくフローが挙げられる。即ち、工事管理書に記載する事項を直接、工事管理一覧表の作成で行う方法である。
より具体的には、工事管理一覧表の作成は、予め表示手段14が作成しておいた入力フォームを通じて、施設者が施設者端末2から工事管理一覧表の各項目に記載される具体的事項を入力すると、その入力事項を管理項目として記憶手段13が記録することにより記録データベースに蓄積される。そして、施設者による施設者端末2からの工事管理一覧表作成指示に従い、制御手段11が記憶手段13に記録された各項目として記録された事項を呼び出して表示手段14が、例えば図5で示すような形式で工事管理一覧表を出力する。
但し、この場合であっても、工事内訳書が作成される前の段階では、概算見積額や標準見積額は記されず、施設者提案の見積額があればそれを記すにとどまる。工事等が具体的にならなければその見積額も算定できないからである。工事内訳書の作成については、前記フローに示した方法と同じである。
上記実施形態は本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態の変更又は公知技術の付加や、組合せ等を行い得るものであり、それらの技術もまた本発明の範囲に含まれるものである。
1 管理サーバ
2,2a,2b,2c 施設者端末
3,3a,3b,3c 工事者端末
4,4a,4b,4c システム責任者端末
5 ネットワーク
10 見積決定支援システム
11 制御手段
12 ID認識手段
13 記憶手段
14 表示手段
15 その他の手段

Claims (4)

  1. 記憶手段と、制御手段と、表示手段とを有する見積決定支援システムであって、
    前記記憶手段は、建物又は構築物である施設又はその部品の管理に係る作業であるタスク、及び前記管理に必要な要素である管理項目を記録し、
    前記表示手段は、前記タスクを特定する工事管理書と、前記タスクで使われる原材料又は部品の内容及びコストを含む事項を示す工事内訳書と、前記タスクが複数の場合に当該複数のタスクをまとめて一覧表形式に示す工事管理一覧表と、を作成し、
    前記制御手段は、一の前記タスクの実行に必要なコストの合計である概算見積額を算出し、前記タスクが複数の場合の当該複数のタスクの実行に必要なコストの合計である概算合計見積額を算出し、
    加えて、前記記憶手段は、標準単価表を構成する原材料や部品の標準価格と標準名称とを記録し、前記標準単価表の標準名称と前記工事内訳書に示される原材料又は部品の名称とを紐付けて記録し、
    前記制御手段は、前記工事内訳書に示される原材料又は部品の名称と前記標準単価表の名称とを照合して一致又は類似する場合に前記紐付けられた前記標準単価表の名称を前記工事内訳書に示される原材料又は部品の名称に割り当て、
    前記表示手段は、前記工事内訳書に前記標準単価表の名称を表示し、前記工事管理一覧表に前記概算見積額を含ませる見積決定支援システム。
  2. 前記工事内訳書が作成される前段階では前記概算見積額が記されずに、前記工事内訳書が作成された後段階で前記概算見積額が記される請求項1記載の見積決定支援システム。
  3. 前記表示手段が、前記概算見積額とともに、前記標準単価表の記載を加味した標準見積額を併記して表示する請求項1又は請求項2記載の見積決定支援システム。
  4. 前記表示手段が、前記概算見積額として、前記標準単価表の記載を加味した標準見積額を当てはめて表示する請求項1又は請求項2記載の見積決定支援システム。
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